JP2004147673A - 音響レンズ保持体及び超音波プローブ - Google Patents
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Abstract
【課題】超音波のフォーカス点の変更を容易に行う。
【解決手段】超音波プローブ1は、音響レンズの役割を果たすシース2の内部にフレキシブルシャフト6を備えており、フレキシブルシャフト6の先端に超音波振動子3が取り付けられている。シース2の内側には超音波伝播媒体5が充填されている。シース2は、音速がそれぞれ異なる材料からなるシース基本部2c、シース副構成部2a、及びシース副構成部2bを含む構成となっている。シース2内で超音波振動子3を長手軸方向に進退させることで、超音波プローブのフォーカス点を変更する。
【選択図】 図1
【解決手段】超音波プローブ1は、音響レンズの役割を果たすシース2の内部にフレキシブルシャフト6を備えており、フレキシブルシャフト6の先端に超音波振動子3が取り付けられている。シース2の内側には超音波伝播媒体5が充填されている。シース2は、音速がそれぞれ異なる材料からなるシース基本部2c、シース副構成部2a、及びシース副構成部2bを含む構成となっている。シース2内で超音波振動子3を長手軸方向に進退させることで、超音波プローブのフォーカス点を変更する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジアル走査させる超音波振動子を保持する音響レンズ保持体及び該音響レンズ保持体を有する超音波プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波内視鏡や超音波プローブのように、単板式の超音波振動子が使われることが多い超音波探触子では、超音波振動子の音響レンズと、超音波伝播媒体、音響レンズの役割も備えたシースによって超音波のフォーカス点及び指向性が定まっていた。
【0003】
そのような超音波探触子のフォーカス点を変更する従来技術として、特開平7−111996号公報がある。また、超音波カテーテルの指向性を変更する従来技術として特公表2001−500399号がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−111996号公報
【0005】
【特許文献2】
特公表2001−500399号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特開平7−111996号公報には、数種類のフォーカス点を設定することができる超音波内視鏡が提案されている。しかし、この超音波内視鏡は、図16のように超音波画像(ラジアル断面)の方向によってフォーカス点(第1フォーカス点、第2フォーカス点、第3フォーカス点等)が決まっており、超音波画像上の関心領域に所望のフォーカス点を設定するためには超音波内視鏡を捻って合わせなければならず、フォーカス点の変更操作は容易ではなかった。また、例えば超音波画像の3時方向と9時方向など、離れた部位は同一のフォーカス点で観察することができないという問題点もあった。
【0007】
特公表2001−500399号には、音響レンズの形状や材質を変更することで、異なった指向性が得られる超音波カテーテルが提案されている。しかし、この超音波カテーテルは1本で複数の指向性が得られるというものではなく、異なった指向性を得るためには、一度超音波カテーテルを抜いてから異なる指向性を持った超音波カテーテルを再度挿入する必要があった。
【0008】
従って、特公表2001−500399号の発明では、検査中に超音波カテーテルの指向性を容易に変更することはできなかった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、超音波のフォーカス点の変更を容易に行うことのできる音響レンズ保持体及び超音波プローブを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の音響レンズ保持体は、音速特性の異なる構成部分を有する音響レンズと、超音波振動子を前記音響レンズの異なる音速特性部分の間で相対的に移動可能に対向させる空間を形成する構造体とを備えて構成される。
【0011】
本発明の請求項2の音響レンズ保持体は、第1の音速特性を有する材質の第1の音響レンズ部と、第2の音速特性を有する材質の第2の音響レンズ部と、超音波振動子を前記第1、第2の音響レンズ郁との間で相対的に移動可能に対向させる空間を形成する構造体とを備えて構成される。
【0012】
本発明の請求項3の超音波プローブは、超音波振動子と、音速特性の異なる構成部分を有する音響レンズおよび前記超音波振動子を前記音響レンズの異なる音速特性部分の間で相対的に移動可能に対向させる空間を形成する構造体とを備えた音響レンズ保持体とを備えて構成される。
【0013】
本発明の請求項4の超音波プローブは、超音波振動子と、第1の音速特性を有する材質の第1の音響レンズ部、第2の音速特性を有する材質の第2の音響レンズ部、および前記超音波振動子を前記第1、第2の音響レンズ部との間で相対的に移動可能に対向させる空間を形成する構造体とを備えた音響レンズ保持体とを備えて構成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について述べる。
【0015】
第1の実施の形態:
図1ないし図8は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1は超音波プローブの構成を示す構成図、図2は図1の超音波プローブのプローブコネクタを接続するプローブ駆動ユニットの構成を示す構成図、図3は図2の内シャフトと外シャフトの接続部の断面を示すA−A線断面図、図4は音響レンズの役割を果たす図1のシースの構造を詳細に示した図、図5は図1の超音波プローブの作用を説明する第1の図、図6は図1の超音波プローブの作用を説明する第2の図、図7は図1の超音波プローブの作用を説明する第3の図、図8は図1の超音波プローブの作用を説明する第4の図である。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態の超音波プローブ1は、音響レンズの役割を果たすシース2(詳細は後述する)の内部にフレキシブルシャフト6を備えており、フレキシブルシャフト6の先端に超音波振動子3が取り付けられている。硬性シャフト7はフレキシブルシャフト6と連結されており、フレキシブルシャフト6と一体となって円周方向に回転可能となっている。シース2の内側には超音波伝播媒体5(例えば流動パラフィン等)が充填されている。Oリング4は、超音波伝播媒体5をシース2内に封入する働きをする。
【0017】
超音波振動子3には図示しない信号ケーブルが接続されており、信号ケーブルはフレキシブルシャフト6の内部を通って電気接点8に導通されている。電気接点8は、例えばスリップリングとブラシの組み合わせにより構成する。プローブコネクタ9は後述するプローブ駆動ユニット10と連結する役割を果たす。
【0018】
図2に示すように、プローブ駆動ユニット10では、コネクタ11が超音波プローブ1の電気接点8と電気的に導通される。コネクタ11は、超音波診断装置19と電気的に接続され、超音波診断装置19からの振動子駆動信号は、コネクタ11から電気接点8を経由し、フレキシブルシャフト6内部の信号ケーブルを通って超音波振動子3に伝達され、超音波振動子3で超音波となって放射される。
【0019】
一方、図示しない被検体から帰ってきたエコーは、超音波振動子3で電気信号に変換され、フレキシブルシャフト6内部の信号ケーブル、電気接点8、コネクタ11を経由して超音波診断装置19に伝達される。内シャフト12は一端が超音波プローブ1の硬性シャフト7と連結され、もう一端は外シャフト14を介して回転用モータ17に接続される。
【0020】
内シャフト12には、図3に示す凸部12aが図2における左右方向に設けられており、外シャフト14には、内シャフト12の凸部に対向する位置に溝14aが設けられている。内シャフト12は円周方向には外シャフト14と一体となって回転するとともに、図2における左右方向には自由にスライドできる機構となっている。回転用モータ17の回転は、外シャフト14、内シャフト12、硬性シャフト7、及びフレキシブルシャフト6を介して超音波振動子3を円周方向に回転させる。
【0021】
また、内シャフト12はボールベアリング13を介してアーム15に連結されている。ボールベアリング13は、内シャフト12の円周方向の回転は可能にする一方、図2中の左右方向へのスライド方向に対してはアーム15と内シャフト12を一体となって移動させる働きをする。
【0022】
スライド用モータ18は、ボールネジ16と連結されており、アーム15を前後方向に進退動させることで、超音波振動子3を長手軸方向に進退させる。回転用モータ17及びスライド用モータ18は超音波診断装置19に接続され、超音波診断装置19からの回転制御信号によって制御される。
【0023】
超音波診断装置19では、超音波振動子3から伝達された電気信号に基づき超音波画像を生成し、超音波画像をモニタ20に表示する。
【0024】
図4は、音響レンズの役割を果たすシース2の構造を詳細に示したものである。シース2は、音速がそれぞれ異なる材料からなるシース基本部2c、シース副構成部2a、及びシース副構成部2bを含む構成となっている。
【0025】
シース副構成部2aの音速をv1、シース副構成部2bの音速をv2、シース基本部2cの音速をv3としたとき、v1>v2>v3もしくはv3>v2>v1のようにシース2の先端側もしくは根本側から順に音速が大きくなるように、シース基本部2c、及びシース副構成部2a、2bを配置するのが望ましい。
【0026】
例えば、シース副構成部2aをポリウレタン(音速:約1700m/s)、シース副構成部2bをポリエーテルブロックアミド(音速:約1800m/s)、シース基本部2cをポリエチレン(音速:約1950m/s)とすればシース2の先端側から順に音速が大きくなる構成となる。
【0027】
シース基本部2c及びシース副構成部2a、2bのそのような配置は、後述する原理に従って、シース2の先端側(シース副構成部2a側)から順にフォーカス位置が近づく配置となる。
【0028】
図5及び図6は、音速の異なる媒体間での超音波ビームの屈折の様子を示したものである。一般に、媒質aから媒質bに超音波が入射するとき、媒質aの音速をva、媒質bの音速をvb、両媒体の境界への入射角をθa、出射角をθbとすると、スネルの法則より
va/sinθa=Vb/sinθb
という式が成り立つ。仮にva<vbとすると、θa<θbという関係が成り立つ。
【0029】
従って、図5のように音速v1、v2、v3をもつ3つの媒体があり、v1<v2、v2>v3という関係が成り立つとき、超音波ビームの角度はθ1<θ2、θ2>θ3という関係が成り立ち、例えば図5のような経路を進行する。
【0030】
次に、音速v2の媒体の代わりに、音速がv2よりも大きい音速v2’の媒体を持ってきたとすると、θ2’>θ2となり、超音波は図6のような経路を進行する。
【0031】
図7及び図8は、超音波ビームの屈折の様子を超音波プローブに当てはめて説明したものである。図7及び図8のように、超音波振動子3の周囲には超音波伝播媒体5があり、その外側にシース2がある。シース2の外側には被検体、もしくは被検体とシース2のすき間を埋めるために使われるカップリング材(例えば水やゼリーであり、被検体の音速とほぼ一致する)がある。
【0032】
このとき、(超音波伝播媒体5の音速)<(シース2の音速)及び(シース2の音速)>(被検体もしくはカップリング材の音速)という関係式が成り立つように超音波伝播媒体5及びシース2の材質を設定すると、超音波ビームは図7のような経路をたどり集束する。
【0033】
例えば、超音波伝播媒体5として流動パラフィン(音速は約1420m/s)、シース2の材質をポリエーテルブロックアミド(音速は約1800m/s)とすると、被検体もしくはカップリング材の音速は約1530m/sであるため、前記関係式を満たし超音波は所定の位置にフォーカス点をもつ。
【0034】
次に、シース2がポリエーテルブロックアミドより音速が速い材料(例えばポリエチレン:音速1950m/s)の場合、超音波ビームは図8のような経路をたどり、図7よりも近点にフォーカス点がくるようになる。また、図示しないが、シース2が遅い音速の材料(例えばポリウレタン)の場合、フォーカス点をより通点にもってくることができる。
【0035】
従って、シース2の音速を変えることで、超音波プローブのフォーカス点を近点もしくは速点に変更することができる。
【0036】
以上の原理(図5ないし図8)を基に、本実施の形態における各部の作用を説明する。初め、超音波振動子3はシース副構成部2aの直下に位置するものとする。このとき、超音波は超音波伝播媒体5、シース副構成部2aの音速、被検体もしくはカップリング材の音速で決まるフォーカス位置に焦点をもつ。
【0037】
超音波診断装置19は、回転用モータ17に制御信号を送り、一定の速度で回転させると同時に、超音波振動子3に送信駆動信号を与え、受信した信号を処理してラジアル面の超音波画像を生成する。
【0038】
次に、図示しない操作部により操作者がフォーカス点の変更を指示すると、超音波診断装置19はスライド用モータ18に制御信号を送り、シース副構成部2aとシース副構成部2bの間の距離分(例えば5mm)だけアーム15を後退させる。
【0039】
このとき、超音波振動子3は、シース副構成部2bの直下に移動し、超音波は超音波伝播媒体5、シース副構成部2bの音速、被検体もしくはカップリング材の音速で決まるフォーカス位置に焦点位置を変える。
【0040】
シース副構成部2bをポリエーテルブロックアミド、シース副構成部2aをポリウレタンで構成している場合、シース材の音速が速いものに変わるため、近点側にフォーカス点が移動することになる。次のフォーカス点への変更、または元のフォーカス点への変更は同様に実現できる。
【0041】
従って、本発明の第1の実施の形態によれば、操作者はコントロールパネルの操作により、スライド用モータ18を駆動し超音波振動子3を長手軸方向に進退させることで、超音波プローブのフォーカス点を変更することができる。
【0042】
なお、図4ではシース副構成部2つ(2aと2b)を含む構成例を示したが、本発明の目的であるフォーカス点の変更のためには、シース副構成部が1つ以上ある構成であれば良い。また、シース副構成部は必ずしも1種類の材質から作る必要はなく、音速の異なる材質を多層にした構成にしても良い。さらに、シース副構成部の音速が連続的に変わるようなシースを用いることで、フォーカス位置を連続的に可変可能な超音波プローブも作成できる。
【0043】
また、本実施の形態では、シース2は定位置に固定され、フレキシブルシャフト6に固定された超音波振動子3が進退動することによりフォーカス位置を変更する場合について記載したが、反対にフレキシブルシャフト6に固定された超音波振動子3はラジアル回転のみを行い、シース2が進退運動する構成も容易に実現することができる。
【0044】
第2の実施の形態:
図9及び図10は本発明の第2の実施の形態に係わり、図9はシースユニットの構成を示す構成図、図10は図9のシースユニットの使用方法を説明する図である。
【0045】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0046】
図9はシースユニット30の構成を示したものであって、シースユニット30のシース31は、第1の実施の形態におけるシース2(シース基本部2c、シース副構成部2a、及びシース副構成部2bを含む構成)と同じものであり、シース31にはシースコネクタ32が連結されている。
【0047】
図10はシースユニット30の使用方法を説明する図である。超音波プローブとして、フォーカス点可変機能のない超音波プローブ33がプローブ駆動ユニット10に組み合わされている。フォーカス可変機能のない超音波プローブ33は、一様な材料(例えばポリエチレン)で作ったシース34を備えている。シースユニット30は、フォーカス点可変機能のない超音波プローブ33のシース34を覆う形でプローブ駆動ユニット10に取り付けて使用する。
【0048】
その際、シースユニット30とフォーカス点可変機能のない超音波プローブ33のシース34の間に超音波伝播媒体(例えば流動パラフィン)を封入するのが望ましい。
【0049】
本構成にしたとき、第1の実施の形態で記載した超音波のフォーカス点変更の原理が適用できるのは明らかである。
【0050】
従って、本発明の第2の実施の形態によれば、フォーカス点の可変機構のない従来の超音波プローブにおいても、シースユニット30を組み合わせることで操作者はフォーカス点を変更することができる。
【0051】
第3の実施の形態:
図11ないし図13は本発明の第3の実施の形態に係わり、図11は超音波プローブの構成を示す構成図、図12は図11の超音波プローブの作用を説明する第1の図、図13は図11の超音波プローブの作用を説明する第2の図である。
【0052】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0053】
図11は超音波プローブ40の構造を示したものであって、超音波プローブ40は、均一の音速を持ち、かつ段階的に厚みの異なる部分をもつシース42(例えばポリエチレン)で覆われている。
【0054】
また、超音波振動子3は振動子フォルダ41(例えばステンレス)に収める構造を取るのが望ましい。これは、シース42の肉厚が薄い部分、即ちシース42の内径が大きい部分でも超音波振動子3の回転軸かぶれないようにするためである。
【0055】
超音波プローブ40のそれ以外の部分は、第1の実施の形態で記載した超音波プローブと同じであるため説明を省略する。
【0056】
図12及び図13は超音波プローブ40がフォーカス点の可変効果があることを説明する原理図である。シース42の肉厚のみが異なる2つの条件においては、各伝播媒体の境界における屈折角は変わらないが、シース42の中を進行する距離の違いにより、図12及び図13のように全体として超音波の進行する経路が変わり、フォーカス点が変わる。
【0057】
従って、図11に示した超音波プローブ40は、シース42の肉厚の異なる部分間で異なるフォーカス点を持つことがわかる。
【0058】
超音波プローブ40は第1の実施の形態で記載したプローブ駆動ユニット10と組み合わせて使用する。その際に焦点を変更する機構は、第1の実施の形態で述べた通りである。
【0059】
従って、本発明の第3の実施の形態によれば、操作者はコントロールパネルの操作により、スライド用モータ18を駆動し超音波振動子3を長手軸方向に進退させ肉厚の異なる部分に移動させることで、超音波のフォーカス点を変更することができる。
【0060】
第4の実施の形態:
図14及び図15は本発明の第4の実施の形態に係わり、図14はシースユニットの構成を示す構成図、図15は図14のシースユニットの変形例の構成を示す構成図である。
【0061】
第4の実施の形態は、第3の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0062】
図14はシースユニット50の構成を示したものである。シース51は、第3の実施例におけるシース42と同じものである。
【0063】
シース51にはシースコネクタ52が連結されている。このシースユニット50の使用方法は、第2の実施の形態で述べたシースユニット30の場合と同じであるため省略する。また、シースユニット50を用いることでフォーカス点の変更ができる原理は、第3の実施の形態に記載した通りである。
【0064】
従って、本発明の第4の実施の形態によれば、フォーカス点の可変機構のない従来の超音波プローブにおいても、シースユニットを組み合わせることで操作者はフォーカス点を変更することができる。
【0065】
また、図15のシースユニット54のように、シース53の厚みが連続的に変化する構造とすれば、フォーカス点を連続的に変更することが可能となる。
【0066】
[付記]
(付記項1) 第1の音速特性を有する材質の第1の音響レンズと、
第2の音速特性を有する材質の第2の音響レンズと
前記第1の音響レンズと前記第2の音響レンズを保持するとともに超音波振動子を前記第1、第2の音響レンズの間で移動可能に対設するための保持手段と、
を備えたことを特徴とする超音波振動子の音響レンズ保持体。
【0067】
(付記項2) 付記項1に記載の音響レンズ保持体を有し、超音波振動子を移動可能に内部に収容することを特徴とする超音波プローブ。
【0068】
(付記項3) 部位により異なる音速特性部分を有する音響レンズと、
前記音響レンズを保持するとともに超音波振動子を該音響レンズの異なる音速特性部分の間を移動可能に対設するための保持手段と
を備えたことを特徴とする超音波振動子の音響レンズ保持体。
【0069】
(付記項4) 付記項3に記載の音響レンズ保持体を有し、超音波振動子を移動可能に内部に収容することを特徴とする超音波プローブ。
【0070】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、超音波のフォーカス点の変更を容易に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る超音波プローブの構成を示す構成図
【図2】図1の超音波プローブのプローブコネクタを接続するプローブ駆動ユニットの構成を示す構成図
【図3】図2の内シャフトと外シャフトの接続部の断面を示すA−A線断面図
【図4】音響レンズの役割を果たす図1のシースの構造を詳細に示した図
【図5】図1の超音波プローブの作用を説明する第1の図
【図6】図1の超音波プローブの作用を説明する第2の図
【図7】図1の超音波プローブの作用を説明する第3の図
【図8】図1の超音波プローブの作用を説明する第4の図
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るシースユニットの構成を示す構成図
【図10】図9のシースユニットの使用方法を説明する図
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る超音波プローブの構成を示す構成図
【図12】図11の超音波プローブの作用を説明する第1の図
【図13】図11の超音波プローブの作用を説明する第2の図
【図14】本発明の第4の実施の形態に係るシースユニットの構成を示す構成図
【図15】図14のシースユニットの変形例の構成を示す構成図
【図16】従来の数種類のフォーカス点を設定することができる超音波内視鏡の超音波画像(ラジアル断面)の方向におけるフォーカス点を説明する図
【符号の説明】
1…超音波プローブ
2…シース
2a、2b…シース副構成部
2c…シース基本部
3…超音波振動子
4…Oリング
5…超音波伝播媒体
6…フレキシブルシャフト
7…硬性シャフト
8…電気接点
9…プローブコネクタ
10…プローブ駆動ユニット
11…コネクタ
12…内シャフト
12a…凸部
13…ボールベアリング
14…外シャフト
14a…溝
15…アーム
16…ボールネジ
17…回転用モータ
18…スライド用モータ
19…超音波診断装置
20…モニタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジアル走査させる超音波振動子を保持する音響レンズ保持体及び該音響レンズ保持体を有する超音波プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波内視鏡や超音波プローブのように、単板式の超音波振動子が使われることが多い超音波探触子では、超音波振動子の音響レンズと、超音波伝播媒体、音響レンズの役割も備えたシースによって超音波のフォーカス点及び指向性が定まっていた。
【0003】
そのような超音波探触子のフォーカス点を変更する従来技術として、特開平7−111996号公報がある。また、超音波カテーテルの指向性を変更する従来技術として特公表2001−500399号がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−111996号公報
【0005】
【特許文献2】
特公表2001−500399号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特開平7−111996号公報には、数種類のフォーカス点を設定することができる超音波内視鏡が提案されている。しかし、この超音波内視鏡は、図16のように超音波画像(ラジアル断面)の方向によってフォーカス点(第1フォーカス点、第2フォーカス点、第3フォーカス点等)が決まっており、超音波画像上の関心領域に所望のフォーカス点を設定するためには超音波内視鏡を捻って合わせなければならず、フォーカス点の変更操作は容易ではなかった。また、例えば超音波画像の3時方向と9時方向など、離れた部位は同一のフォーカス点で観察することができないという問題点もあった。
【0007】
特公表2001−500399号には、音響レンズの形状や材質を変更することで、異なった指向性が得られる超音波カテーテルが提案されている。しかし、この超音波カテーテルは1本で複数の指向性が得られるというものではなく、異なった指向性を得るためには、一度超音波カテーテルを抜いてから異なる指向性を持った超音波カテーテルを再度挿入する必要があった。
【0008】
従って、特公表2001−500399号の発明では、検査中に超音波カテーテルの指向性を容易に変更することはできなかった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、超音波のフォーカス点の変更を容易に行うことのできる音響レンズ保持体及び超音波プローブを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の音響レンズ保持体は、音速特性の異なる構成部分を有する音響レンズと、超音波振動子を前記音響レンズの異なる音速特性部分の間で相対的に移動可能に対向させる空間を形成する構造体とを備えて構成される。
【0011】
本発明の請求項2の音響レンズ保持体は、第1の音速特性を有する材質の第1の音響レンズ部と、第2の音速特性を有する材質の第2の音響レンズ部と、超音波振動子を前記第1、第2の音響レンズ郁との間で相対的に移動可能に対向させる空間を形成する構造体とを備えて構成される。
【0012】
本発明の請求項3の超音波プローブは、超音波振動子と、音速特性の異なる構成部分を有する音響レンズおよび前記超音波振動子を前記音響レンズの異なる音速特性部分の間で相対的に移動可能に対向させる空間を形成する構造体とを備えた音響レンズ保持体とを備えて構成される。
【0013】
本発明の請求項4の超音波プローブは、超音波振動子と、第1の音速特性を有する材質の第1の音響レンズ部、第2の音速特性を有する材質の第2の音響レンズ部、および前記超音波振動子を前記第1、第2の音響レンズ部との間で相対的に移動可能に対向させる空間を形成する構造体とを備えた音響レンズ保持体とを備えて構成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について述べる。
【0015】
第1の実施の形態:
図1ないし図8は本発明の第1の実施の形態に係わり、図1は超音波プローブの構成を示す構成図、図2は図1の超音波プローブのプローブコネクタを接続するプローブ駆動ユニットの構成を示す構成図、図3は図2の内シャフトと外シャフトの接続部の断面を示すA−A線断面図、図4は音響レンズの役割を果たす図1のシースの構造を詳細に示した図、図5は図1の超音波プローブの作用を説明する第1の図、図6は図1の超音波プローブの作用を説明する第2の図、図7は図1の超音波プローブの作用を説明する第3の図、図8は図1の超音波プローブの作用を説明する第4の図である。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態の超音波プローブ1は、音響レンズの役割を果たすシース2(詳細は後述する)の内部にフレキシブルシャフト6を備えており、フレキシブルシャフト6の先端に超音波振動子3が取り付けられている。硬性シャフト7はフレキシブルシャフト6と連結されており、フレキシブルシャフト6と一体となって円周方向に回転可能となっている。シース2の内側には超音波伝播媒体5(例えば流動パラフィン等)が充填されている。Oリング4は、超音波伝播媒体5をシース2内に封入する働きをする。
【0017】
超音波振動子3には図示しない信号ケーブルが接続されており、信号ケーブルはフレキシブルシャフト6の内部を通って電気接点8に導通されている。電気接点8は、例えばスリップリングとブラシの組み合わせにより構成する。プローブコネクタ9は後述するプローブ駆動ユニット10と連結する役割を果たす。
【0018】
図2に示すように、プローブ駆動ユニット10では、コネクタ11が超音波プローブ1の電気接点8と電気的に導通される。コネクタ11は、超音波診断装置19と電気的に接続され、超音波診断装置19からの振動子駆動信号は、コネクタ11から電気接点8を経由し、フレキシブルシャフト6内部の信号ケーブルを通って超音波振動子3に伝達され、超音波振動子3で超音波となって放射される。
【0019】
一方、図示しない被検体から帰ってきたエコーは、超音波振動子3で電気信号に変換され、フレキシブルシャフト6内部の信号ケーブル、電気接点8、コネクタ11を経由して超音波診断装置19に伝達される。内シャフト12は一端が超音波プローブ1の硬性シャフト7と連結され、もう一端は外シャフト14を介して回転用モータ17に接続される。
【0020】
内シャフト12には、図3に示す凸部12aが図2における左右方向に設けられており、外シャフト14には、内シャフト12の凸部に対向する位置に溝14aが設けられている。内シャフト12は円周方向には外シャフト14と一体となって回転するとともに、図2における左右方向には自由にスライドできる機構となっている。回転用モータ17の回転は、外シャフト14、内シャフト12、硬性シャフト7、及びフレキシブルシャフト6を介して超音波振動子3を円周方向に回転させる。
【0021】
また、内シャフト12はボールベアリング13を介してアーム15に連結されている。ボールベアリング13は、内シャフト12の円周方向の回転は可能にする一方、図2中の左右方向へのスライド方向に対してはアーム15と内シャフト12を一体となって移動させる働きをする。
【0022】
スライド用モータ18は、ボールネジ16と連結されており、アーム15を前後方向に進退動させることで、超音波振動子3を長手軸方向に進退させる。回転用モータ17及びスライド用モータ18は超音波診断装置19に接続され、超音波診断装置19からの回転制御信号によって制御される。
【0023】
超音波診断装置19では、超音波振動子3から伝達された電気信号に基づき超音波画像を生成し、超音波画像をモニタ20に表示する。
【0024】
図4は、音響レンズの役割を果たすシース2の構造を詳細に示したものである。シース2は、音速がそれぞれ異なる材料からなるシース基本部2c、シース副構成部2a、及びシース副構成部2bを含む構成となっている。
【0025】
シース副構成部2aの音速をv1、シース副構成部2bの音速をv2、シース基本部2cの音速をv3としたとき、v1>v2>v3もしくはv3>v2>v1のようにシース2の先端側もしくは根本側から順に音速が大きくなるように、シース基本部2c、及びシース副構成部2a、2bを配置するのが望ましい。
【0026】
例えば、シース副構成部2aをポリウレタン(音速:約1700m/s)、シース副構成部2bをポリエーテルブロックアミド(音速:約1800m/s)、シース基本部2cをポリエチレン(音速:約1950m/s)とすればシース2の先端側から順に音速が大きくなる構成となる。
【0027】
シース基本部2c及びシース副構成部2a、2bのそのような配置は、後述する原理に従って、シース2の先端側(シース副構成部2a側)から順にフォーカス位置が近づく配置となる。
【0028】
図5及び図6は、音速の異なる媒体間での超音波ビームの屈折の様子を示したものである。一般に、媒質aから媒質bに超音波が入射するとき、媒質aの音速をva、媒質bの音速をvb、両媒体の境界への入射角をθa、出射角をθbとすると、スネルの法則より
va/sinθa=Vb/sinθb
という式が成り立つ。仮にva<vbとすると、θa<θbという関係が成り立つ。
【0029】
従って、図5のように音速v1、v2、v3をもつ3つの媒体があり、v1<v2、v2>v3という関係が成り立つとき、超音波ビームの角度はθ1<θ2、θ2>θ3という関係が成り立ち、例えば図5のような経路を進行する。
【0030】
次に、音速v2の媒体の代わりに、音速がv2よりも大きい音速v2’の媒体を持ってきたとすると、θ2’>θ2となり、超音波は図6のような経路を進行する。
【0031】
図7及び図8は、超音波ビームの屈折の様子を超音波プローブに当てはめて説明したものである。図7及び図8のように、超音波振動子3の周囲には超音波伝播媒体5があり、その外側にシース2がある。シース2の外側には被検体、もしくは被検体とシース2のすき間を埋めるために使われるカップリング材(例えば水やゼリーであり、被検体の音速とほぼ一致する)がある。
【0032】
このとき、(超音波伝播媒体5の音速)<(シース2の音速)及び(シース2の音速)>(被検体もしくはカップリング材の音速)という関係式が成り立つように超音波伝播媒体5及びシース2の材質を設定すると、超音波ビームは図7のような経路をたどり集束する。
【0033】
例えば、超音波伝播媒体5として流動パラフィン(音速は約1420m/s)、シース2の材質をポリエーテルブロックアミド(音速は約1800m/s)とすると、被検体もしくはカップリング材の音速は約1530m/sであるため、前記関係式を満たし超音波は所定の位置にフォーカス点をもつ。
【0034】
次に、シース2がポリエーテルブロックアミドより音速が速い材料(例えばポリエチレン:音速1950m/s)の場合、超音波ビームは図8のような経路をたどり、図7よりも近点にフォーカス点がくるようになる。また、図示しないが、シース2が遅い音速の材料(例えばポリウレタン)の場合、フォーカス点をより通点にもってくることができる。
【0035】
従って、シース2の音速を変えることで、超音波プローブのフォーカス点を近点もしくは速点に変更することができる。
【0036】
以上の原理(図5ないし図8)を基に、本実施の形態における各部の作用を説明する。初め、超音波振動子3はシース副構成部2aの直下に位置するものとする。このとき、超音波は超音波伝播媒体5、シース副構成部2aの音速、被検体もしくはカップリング材の音速で決まるフォーカス位置に焦点をもつ。
【0037】
超音波診断装置19は、回転用モータ17に制御信号を送り、一定の速度で回転させると同時に、超音波振動子3に送信駆動信号を与え、受信した信号を処理してラジアル面の超音波画像を生成する。
【0038】
次に、図示しない操作部により操作者がフォーカス点の変更を指示すると、超音波診断装置19はスライド用モータ18に制御信号を送り、シース副構成部2aとシース副構成部2bの間の距離分(例えば5mm)だけアーム15を後退させる。
【0039】
このとき、超音波振動子3は、シース副構成部2bの直下に移動し、超音波は超音波伝播媒体5、シース副構成部2bの音速、被検体もしくはカップリング材の音速で決まるフォーカス位置に焦点位置を変える。
【0040】
シース副構成部2bをポリエーテルブロックアミド、シース副構成部2aをポリウレタンで構成している場合、シース材の音速が速いものに変わるため、近点側にフォーカス点が移動することになる。次のフォーカス点への変更、または元のフォーカス点への変更は同様に実現できる。
【0041】
従って、本発明の第1の実施の形態によれば、操作者はコントロールパネルの操作により、スライド用モータ18を駆動し超音波振動子3を長手軸方向に進退させることで、超音波プローブのフォーカス点を変更することができる。
【0042】
なお、図4ではシース副構成部2つ(2aと2b)を含む構成例を示したが、本発明の目的であるフォーカス点の変更のためには、シース副構成部が1つ以上ある構成であれば良い。また、シース副構成部は必ずしも1種類の材質から作る必要はなく、音速の異なる材質を多層にした構成にしても良い。さらに、シース副構成部の音速が連続的に変わるようなシースを用いることで、フォーカス位置を連続的に可変可能な超音波プローブも作成できる。
【0043】
また、本実施の形態では、シース2は定位置に固定され、フレキシブルシャフト6に固定された超音波振動子3が進退動することによりフォーカス位置を変更する場合について記載したが、反対にフレキシブルシャフト6に固定された超音波振動子3はラジアル回転のみを行い、シース2が進退運動する構成も容易に実現することができる。
【0044】
第2の実施の形態:
図9及び図10は本発明の第2の実施の形態に係わり、図9はシースユニットの構成を示す構成図、図10は図9のシースユニットの使用方法を説明する図である。
【0045】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0046】
図9はシースユニット30の構成を示したものであって、シースユニット30のシース31は、第1の実施の形態におけるシース2(シース基本部2c、シース副構成部2a、及びシース副構成部2bを含む構成)と同じものであり、シース31にはシースコネクタ32が連結されている。
【0047】
図10はシースユニット30の使用方法を説明する図である。超音波プローブとして、フォーカス点可変機能のない超音波プローブ33がプローブ駆動ユニット10に組み合わされている。フォーカス可変機能のない超音波プローブ33は、一様な材料(例えばポリエチレン)で作ったシース34を備えている。シースユニット30は、フォーカス点可変機能のない超音波プローブ33のシース34を覆う形でプローブ駆動ユニット10に取り付けて使用する。
【0048】
その際、シースユニット30とフォーカス点可変機能のない超音波プローブ33のシース34の間に超音波伝播媒体(例えば流動パラフィン)を封入するのが望ましい。
【0049】
本構成にしたとき、第1の実施の形態で記載した超音波のフォーカス点変更の原理が適用できるのは明らかである。
【0050】
従って、本発明の第2の実施の形態によれば、フォーカス点の可変機構のない従来の超音波プローブにおいても、シースユニット30を組み合わせることで操作者はフォーカス点を変更することができる。
【0051】
第3の実施の形態:
図11ないし図13は本発明の第3の実施の形態に係わり、図11は超音波プローブの構成を示す構成図、図12は図11の超音波プローブの作用を説明する第1の図、図13は図11の超音波プローブの作用を説明する第2の図である。
【0052】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0053】
図11は超音波プローブ40の構造を示したものであって、超音波プローブ40は、均一の音速を持ち、かつ段階的に厚みの異なる部分をもつシース42(例えばポリエチレン)で覆われている。
【0054】
また、超音波振動子3は振動子フォルダ41(例えばステンレス)に収める構造を取るのが望ましい。これは、シース42の肉厚が薄い部分、即ちシース42の内径が大きい部分でも超音波振動子3の回転軸かぶれないようにするためである。
【0055】
超音波プローブ40のそれ以外の部分は、第1の実施の形態で記載した超音波プローブと同じであるため説明を省略する。
【0056】
図12及び図13は超音波プローブ40がフォーカス点の可変効果があることを説明する原理図である。シース42の肉厚のみが異なる2つの条件においては、各伝播媒体の境界における屈折角は変わらないが、シース42の中を進行する距離の違いにより、図12及び図13のように全体として超音波の進行する経路が変わり、フォーカス点が変わる。
【0057】
従って、図11に示した超音波プローブ40は、シース42の肉厚の異なる部分間で異なるフォーカス点を持つことがわかる。
【0058】
超音波プローブ40は第1の実施の形態で記載したプローブ駆動ユニット10と組み合わせて使用する。その際に焦点を変更する機構は、第1の実施の形態で述べた通りである。
【0059】
従って、本発明の第3の実施の形態によれば、操作者はコントロールパネルの操作により、スライド用モータ18を駆動し超音波振動子3を長手軸方向に進退させ肉厚の異なる部分に移動させることで、超音波のフォーカス点を変更することができる。
【0060】
第4の実施の形態:
図14及び図15は本発明の第4の実施の形態に係わり、図14はシースユニットの構成を示す構成図、図15は図14のシースユニットの変形例の構成を示す構成図である。
【0061】
第4の実施の形態は、第3の実施の形態とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明し、同一の構成には同じ符号をつけ説明は省略する。
【0062】
図14はシースユニット50の構成を示したものである。シース51は、第3の実施例におけるシース42と同じものである。
【0063】
シース51にはシースコネクタ52が連結されている。このシースユニット50の使用方法は、第2の実施の形態で述べたシースユニット30の場合と同じであるため省略する。また、シースユニット50を用いることでフォーカス点の変更ができる原理は、第3の実施の形態に記載した通りである。
【0064】
従って、本発明の第4の実施の形態によれば、フォーカス点の可変機構のない従来の超音波プローブにおいても、シースユニットを組み合わせることで操作者はフォーカス点を変更することができる。
【0065】
また、図15のシースユニット54のように、シース53の厚みが連続的に変化する構造とすれば、フォーカス点を連続的に変更することが可能となる。
【0066】
[付記]
(付記項1) 第1の音速特性を有する材質の第1の音響レンズと、
第2の音速特性を有する材質の第2の音響レンズと
前記第1の音響レンズと前記第2の音響レンズを保持するとともに超音波振動子を前記第1、第2の音響レンズの間で移動可能に対設するための保持手段と、
を備えたことを特徴とする超音波振動子の音響レンズ保持体。
【0067】
(付記項2) 付記項1に記載の音響レンズ保持体を有し、超音波振動子を移動可能に内部に収容することを特徴とする超音波プローブ。
【0068】
(付記項3) 部位により異なる音速特性部分を有する音響レンズと、
前記音響レンズを保持するとともに超音波振動子を該音響レンズの異なる音速特性部分の間を移動可能に対設するための保持手段と
を備えたことを特徴とする超音波振動子の音響レンズ保持体。
【0069】
(付記項4) 付記項3に記載の音響レンズ保持体を有し、超音波振動子を移動可能に内部に収容することを特徴とする超音波プローブ。
【0070】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、超音波のフォーカス点の変更を容易に行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る超音波プローブの構成を示す構成図
【図2】図1の超音波プローブのプローブコネクタを接続するプローブ駆動ユニットの構成を示す構成図
【図3】図2の内シャフトと外シャフトの接続部の断面を示すA−A線断面図
【図4】音響レンズの役割を果たす図1のシースの構造を詳細に示した図
【図5】図1の超音波プローブの作用を説明する第1の図
【図6】図1の超音波プローブの作用を説明する第2の図
【図7】図1の超音波プローブの作用を説明する第3の図
【図8】図1の超音波プローブの作用を説明する第4の図
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るシースユニットの構成を示す構成図
【図10】図9のシースユニットの使用方法を説明する図
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る超音波プローブの構成を示す構成図
【図12】図11の超音波プローブの作用を説明する第1の図
【図13】図11の超音波プローブの作用を説明する第2の図
【図14】本発明の第4の実施の形態に係るシースユニットの構成を示す構成図
【図15】図14のシースユニットの変形例の構成を示す構成図
【図16】従来の数種類のフォーカス点を設定することができる超音波内視鏡の超音波画像(ラジアル断面)の方向におけるフォーカス点を説明する図
【符号の説明】
1…超音波プローブ
2…シース
2a、2b…シース副構成部
2c…シース基本部
3…超音波振動子
4…Oリング
5…超音波伝播媒体
6…フレキシブルシャフト
7…硬性シャフト
8…電気接点
9…プローブコネクタ
10…プローブ駆動ユニット
11…コネクタ
12…内シャフト
12a…凸部
13…ボールベアリング
14…外シャフト
14a…溝
15…アーム
16…ボールネジ
17…回転用モータ
18…スライド用モータ
19…超音波診断装置
20…モニタ
Claims (4)
- 音速特性の異なる構成部分を有する音響レンズと、
超音波振動子を前記音響レンズの異なる音速特性部分の間で相対的に移動可能に対向させる空間を形成する構造体と
を備えたことを特徴とする音響レンズ保持体。 - 第1の音速特性を有する材質の第1の音響レンズ部と、
第2の音速特性を有する材質の第2の音響レンズ部と、
超音波振動子を前記第1、第2の音響レンズ郁との間で相対的に移動可能に対向させる空間を形成する構造体と
を備えたことを特徴とする音響レンズ保持体。 - 超音波振動子と、
音速特性の異なる構成部分を有する音響レンズおよび前記超音波振動子を前記音響レンズの異なる音速特性部分の間で相対的に移動可能に対向させる空間を形成する構造体とを備えた音響レンズ保持体と
を備えたことを特徴とする超音波プローブ。 - 超音波振動子と、
第1の音速特性を有する材質の第1の音響レンズ部、第2の音速特性を有する材質の第2の音響レンズ部、および前記超音波振動子を前記第1、第2の音響レンズ部との間で相対的に移動可能に対向させる空間を形成する構造体とを備えた音響レンズ保持体と
を備えたことを特徴とする超音波プローブ。
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Cited By (2)
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WO2021229998A1 (ja) * | 2020-05-15 | 2021-11-18 | 朝日インテック株式会社 | カテーテル |
-
2002
- 2002-10-28 JP JP2002313044A patent/JP2004147673A/ja not_active Withdrawn
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