JP2004147470A - ディスク型ブラシレスモータ用板状固定子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ディスク型ブラシレスモータは、永久磁石をヨークに配置した第一と第二の回転子と、それら回転子を結合している回転軸と、それらの回転子の間に設けられており、界磁コイルを有する板状固定子とを備えている。板状固定子はセラミック層を積層して形成した積層体からなり、その積層体は積層体内に形成された界磁コイルと、積層体の一主面上に形成された入力/出力端子と、積層体中央部に設けた、前記回転軸を支持する軸受けとを持つ。印刷回路基板に開けられた開口部に一方の回転子を配置し、積層体に形成した入力/出力端子を印刷回路基板の回路パターンに対向して接続して、ディスク型ブラシレスモータを印刷回路基板に表面実装することができる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷回路基板に面実装するのに適した小型モータ用の固定子に関するものであり、特にディスク型ブラシレスモータ用板状固定子に関する。
【0002】
【従来の技術】
小型電子機器に用いるモータの固定子としては、セラミックグリーンシート上に界磁コイルとなるコイルパターンを印刷形成したものを積層して一体焼結した固定子がある。この固定子は、セラミック粉末から得られたグリーンシート上に例えばスクリーン印刷技術などによりコイル導体パターンを形成してコイルシートとし、これを複数枚積層し、スルーホールによりコイル導体パターン間を導通させ、さらにコイル導体パターンとグリーンシートとを一体として焼成して作製した2相8極の積層コイルを用いているものである(たとえば特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭64−59902号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の積層コイルを固定子として用いた小型モータには以下の問題があった。この積層コイルでは外部端子電極が形成されたグリーンシート基板に複数のコイルシートを積層しているが、コイル部分の厚みと外部端子電極が形成された矩形部分の厚みが異なるとともに、コイル部分が円形状に形成され、このコイル部から延出する矩形領域に外部端子電極が形成される構成であって、その積層コイルの形状は生産性に乏しいものであった。また外部端子電極部分の機械的強度を得る為、コイルパターンが形成されていないグリーンシート基板を厚くすることが必要となり、その結果積層コイルの厚みが増加する。また前記外部端子電極部分が積層コイルの面積を大きくし、その結果モータの外形寸法が大きくなるといった問題があった。またその生産性は著しく劣るものである。
【0005】
さらには、このような小型モータを例えば駆動電流を各相の界磁コイルに順次印加する電気信号制御部が形成された印刷回路基板に実装するには、前記外部端子電極と印刷回路基板に形成された給電端子等とリードとをハンダ付けして接続したり、コネクタを用いて接続したりする必要があり製作が容易では無かった。
【0006】
そこで本発明は、固定子の生産性を向上させ、さらには印刷回路基板に表面実装することが可能なディスク型ブラシレスモータ用板状固定子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、永久磁石をヨークに配置した第一及び第二の回転子と、前記第一の回転子と第二の回転子とを結合する回転軸と、前記第一の回転子と第二の回転子との間に所定の空隙を介して設けられ前記第一及び第二の回転子に電磁力を与える界磁コイルを有する板状固定子とを備えたディスク型ブラシレスモータであって、回路パターンが形成された印刷回路基板に搭載されるものに用いられる板状固定子である。その板状固定子はセラミック層を積層して形成した積層体で構成されており、積層体は積層体内に導体パターンで形成された界磁コイルと、積層体の一主面上に形成され前記界磁コイルと電気的に接続する入力端子及び出力端子と、積層体の中央部に開けられた開孔に設けた前記回転軸を支持する軸受けとを有している。印刷回路基板に設けられた開口部に、第一又は第二の回転子のどちらか一方を配置し、印刷回路基板と対向して積層体の主面に形成された入力端子及び出力端子を印刷回路基板の開口部の周辺に設けられた回路パターンに接続して、板状固定子を表面実装するものである。
【0008】
前記板状固定子の略中央部には、ブラシレスモータの回転軸を支持する軸受を配置する開孔を有している。この開孔の中心は回転子の軸の中心とほぼ一致する。前記界磁コイルをモータ回転軸の周りに環状に配置し、さらに異なる相の界磁コイルをモータ回転軸の周りに等角度間隔で、かつ同相のコイル極がモータ回転軸の回転中心に関して180°で回転対称な位置に配置するのが好ましい。実質的に同じ巻き数の界磁コイルをモータ回転軸の周りに等角度間隔で配置すると、各界磁コイルの逆起電力がモータの回転軸に対して軸対称に発生するので、モータの回転精度を向上させることが出来る。
【0009】
前記板状固定子の一主面上に形成された入力端子及び出力端子は、前記印刷回路基板と対向する主面に形成されているので、印刷回路基板の開口部に前記第一又は第二の回転子のどちらか一方を配置して前記板状固定子を前記印刷回路基板に容易に表面実装することが出来、もってディスク型ブラシレスモータを小型化することが出来る。またこのような構成とすることで、第一の回転子及び第二の回転子と板状固定子との間隔をほぼ等しく出来るとともに、その間隔を印刷回路基板の厚みよりも十分に薄い0.2mm以下とすることが出来るので、ブラシレスモータの低背化が可能となるとともに、磁束漏れが少なくトルクを向上させることも出来る。
【0010】
前記板状固定子はセラミック層を積層してなる積層体に導体パターンで界磁コイルと入力端子及び出力端子を形成して構成され、その厚さは低背化の観点から1mm以下とするのが好ましい。このように導体パターンで界磁コイルを構成すれば、コイルの巻き回し方法、巻き数、板状固定子における界磁コイルの配置など適宜設定でき選択の自由度が高い。そして板状固定子を矩形状とし、その同一主面の異なる四隅に入力端子又は出力端子を形成すれば実質的に板状固定子を大型化することが無いととともに、モータ性能を劣化させる事もなく好ましい。さらには、入出力端子を比較的大きく形成出来るので印刷回路基板との端子接続強度を向上させることも出来、界磁コイルが形成されない板状固定子のスペースを有効に利用することが出来る。なお、板状固定子は支点間距離7mmで3点曲げ試験を行った場合に10N以上の破壊強度を有するのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら本発明のディスク型ブラシレスモータ用板状固定子について詳しく説明する。図1と図2は本発明の一実施例に係る板状固定子を用いて構成したディスク型ブラシレスモータ全体を示すもので、図1は平面図、図2はディスク型ブラシレスモータを印刷回路基板上に取り付けた状態を示す断面図である。
【0012】
ディスク型ブラシレスモータ100は複数の界磁コイルを内部に持つ板状固定子10と、
永久磁石91aをヨーク85aに配置した第一の回転子90aと、前記永久磁石の対向位置に配置される永久磁石91bを他のヨーク85bに配置した第二の回転子90bと、第一の回転子90aと第二の回転子90bを結合する回転軸95と、前記第一の回転子と第二の回転子との間に所定の空隙を介して設けられ前記第一及び第二の回転子に電磁力を与える界磁コイルを備えた板状固定子10と、前記板状固定子の一主面上に形成された入力・出力端子と、前記板状固定子10に固定され前記回転軸を支持する軸受80とを備えるものである。
【0013】
印刷回路基板200には、回転子の外形寸法よりも大なる開口部を有し、その開口部に一方の回転子を配置し、板状固定子10が印刷回路基板200の開口部を塞ぐように印刷回路基板200上にハンダ(例えばボールハンダ)などで表面実装する。印刷回路基板200に形成された電力供給線(図示せず)と板状固定子10の下面に設けられている接続端子(入力端子・出力端子)との間は、例えばSn−Ag−Cu系のPbフリーハンダなどの比較的低温でハンダ付け可能なハンダ15で板状固定子10を印刷回路基板200上に取り付けるのが好ましい。
【0014】
板状固定子10は、第一及び第二の回転子の回転中心に対応した位置に開孔19が開けられており、その開孔19に軸受80が取り付けられて、回転軸95が軸受80によって回転自在に板状固定子10に保持されている。
【0015】
ここで用いる永久磁石91a、91bとしては、Nd−Fe−B焼結磁石、Sm−Co焼結磁石等の希土類焼結磁石、Nd−Fe−B、Sm−Fe−N、Sm−Co等の希土類ボンド磁石あるいはフェライト焼結磁石等の保磁力の高い永久磁石材料を使用する。好ましくは固有保磁力Hijが残留磁束密度Brより高い永久磁石材料を使用することで磁石厚さを薄くできる。永久磁石91a、91bの形状としてはリング状あるいは、リングを分割した扇形のものを用いることができる。永久磁石91a、91bは、モータ回転中心に関してN極とS極が回転対称に形成されていることが望ましく、また永久磁石の磁極が板状固定子の界磁コイルと対向するように付けられているのがよい。
【0016】
本発明の一実施例に係る板状固定子10はその外観斜視図を図3に示しているように、ほぼ正方形をした矩形平板であり、その厚さは数百μmである。その一方主面の4個の隅部に接続端子22,23,24,25がそれぞれ設けられている。板状固定子10は前記接続端子を設けた側の主面が印刷回路基板200の面と対向するようにして印刷回路基板200上に取り付けられ、同時に接続端子は印刷回路基板に形成された電力供給線の回路パターン(図示せず)にハンダ接続されて、ディスク型ブラシレスモータ100の界磁コイルに電力が供給される。4個の接続端子は板状固定子10の主面上でその中央にある開孔19に関して回転対称の位置に設けられていることが好ましい。この実施例にあるように、板状固定子の片側主面の角部に接続端子を設けると印刷回路基板に容易に表面実装可能となり、かつ安定して実装することができ、ディスク型ブラシレスモータを十分な固着強度をもって印刷回路基板200上に取り付けることができる。
【0017】
また、印刷回路基板の開口部に前記第一又は第二の回転子のどちらか一方を配置して前記板状固定子を前記印刷回路基板に容易に表面実装することが出来、もってディスク型ブラシレスモータを小型化することが出来る。そして第一の回転子及び第二の回転子と板状固定子との間隔をほぼ等しく出来るとともに、その間隔を印刷回路基板の厚みよりも十分に小さい0.1mm以下とすることが出来るので、ブラシレスモータの低背化が可能となるとともに、磁束漏れを少なくすることが出来るので、トルクを向上させることが出来る。
【0018】
次に板状固定子10の製造方法の一例を図7及び図8を用いて説明する。
この板状固定子10は、低温焼成が可能なセラミック材料(LTCC材料)からなる厚さ20μm〜200μmのグリーンシート上にAgやCuなどを主体とする導電ペーストを印刷して所望の導体パターンを形成し、導体パターンを有するグリーンシートを適宜積層し焼成することにより、積層体として構成される板状固定子10に複数の界磁コイルを形成したものである。界磁コイルを形成する導体パターンの幅は、ほぼ100μm〜400μmである。
【0019】
まずドクターブレード法などの公知のシート成形方法により、セラミックス粉末、バインダ、及び可塑剤よりなるセラミックスラリーを、ポリエチレンテレフタレートフィルムからなるキャリアフィルム上に均一な厚さで塗布し、数十μmから数百μmのグリーンシートを形成する。そして乾燥後のグリーンシートを、キャリアシートが付いたまま所定の寸法に裁断する。セラミックス粉末としては、例えばAl2O3を主成分としSiO2、SrO、CaO、PbO、Na2O及びK2Oの少なくとも1種を副成分とする低温焼結可能な誘電体材料であり、また他の例では、Al2O3を主成分としMgO、SiO2及びGdOの少なくとも1種を副成分として含む低温焼結可能な誘電体材料である。また他の例では、Bi2O3、Y2O3、CaCO3、Fe2O3、In2O3及びV2O5の少なくとも1種を含む低温焼結可能な磁性セラミック材料であって、セラミックス成分を工夫して低温焼結化させている。
【0020】
本実施例においては、主成分がAl,Si,Sr,Tiの酸化物で構成され、Al,Si,Sr,TiをそれぞれAl2O3、SiO2、SrO、TiO2に換算し合計100質量%としたとき、Al2O3換算で10〜60質量%、SiO2換算で25〜60質量%、SrO換算で7.5〜50質量%、TiO2換算で20質量%以下のAl,Si,Sr,Tiを含有し、前記合計100質量%に対し副成分として、Bi2O3換算で0.1〜10質量%のBiを含有する誘電体セラミックスを用いた。この誘電体セラミックスの基本特性は、誘電率が7〜9で、JIS R 1601で規定される曲げ強さ試験方法の3点曲げ(試料形状 長さ36mm、幅4mm、厚さ3mm、支点間距離30mm)による抗折強度が240MPa以上であり、ヤング率が110GPa以上であり、LTCC材料としては高い抗折強度とヤング率を備えるものである。
【0021】
このようなグリーンシートにコイル(図示せず)や入出力端子等を形成する導体パターンを形成し、さらに所定の順序に積層・圧着し、厚さがほぼ0.4mmの平板状積層体300とした。前記グリーンシートにはスルーホール(図示せず)が形成されており、シート間の導体パターンが適宜接続され、界磁コイルとして機能するように構成される。
【0022】
その後、前記積層体のモータ回転軸の回転中心となる部分を金型により打ち抜き、あるいはレーザ加工処理を行いφ2mmの開孔19を形成した。
【0023】
そして、平板状積層体の主面に互いに平行な複数の分割溝320aとこの分割溝と直交する複数の分割溝320bを、それぞれほぼ0.1mmの深さとなるように鋼刃で刻設した。前記分割溝の深さは、分割のし易さや、取り扱い易さ等から、50μm〜300μmの範囲で適宜設定される。その後、平板状成形体を脱脂・焼結して65mm×60mm×0.3mmの積層基板とした。前記積層基板の外表面には入出力端子等の接続端子が形成されており、これに無電解メッキによりNiメッキ、Auメッキを施した。メッキ処理の後分割溝に沿って分割して、外形寸法が8mm×8mm×0.3mmの図3に示す矩形状の板状固定子10とした。
【0024】
次に図5を参照して板状固定子10の内部構造を積層順に説明する。この板状固定子10は3相駆動電源を用いるブラシレスモータ用の板状固定子であり、図4に示す等価回路を有するものである。
【0025】
板状固定子10の内部に設けられている界磁コイルは図5に示すように、セラミック層の一層あたり6個の界磁コイルが形成されており、2個の界磁コイルを直列接続して3組の界磁コイルを構成している。これら3組の界磁コイルのそれぞれの各一端が4個の接続端子のうち3個の接続端子(出力端子)22,23,24それぞれに接続されており、これら3組の界磁コイルの他一端は共通となって接続端子(入力端子)25に接続されているのが望ましい。
【0026】
界磁コイルの巻き回形状は扇形が良く、それぞれモータ回転中心からの開角度がここでは60°未満で40°以上、好ましくは約50°である。界磁コイル幅は対向する回転子に用いられている永久磁石の幅との関係で適当な値とするが、永久磁石の磁極数を6極としたときに、各磁極を完全に各界磁コイルでカバーできて、隣の磁極まで同時には覆わない大きさとしている。
【0027】
またセラミック層に形成されたコイル一つあたりの巻き数は2〜4回が適当である。駆動トルクを上げるためには巻き数を多くするのがよいが、巻き数を多くすると抵抗が大きくなってコイルを流れる電流が減少するので2〜4回としている。
【0028】
板状固定子10は、複数の接続端子を一面に設けたセラミック層20と、複数の界磁コイルを形成するコイルパターンが形成された複数のコイルシート積層品30と、同相どうしの界磁コイルを接続する第一の導体パターン72,73,74を備える。界磁コイルが形成されるコイルシート積層品30には、形成されるコイルパターンにより2種類のものがあり、ここでは便宜上セラミック層40,40′とセラミック層50、50′と呼ぶ。
【0029】
図5において図面上から奇数番目のセラミック層40,40′に形成されたコイルパターン42,42′は外周から左回りに内側に向かって渦を巻いており、上から偶数番目のセラミック層50,50′に付けられたコイルパターン52,52′は外周から右回りに内側に向かって渦を巻いている。前記コイルパターンは銀ペーストを主体とする複数の扇形コイルパターン42、52〜42′、52′を開孔19に関して回転対称に印刷して形成したものである。
【0030】
各セラミック層に形成されたコイルパターンに図5の左端にあるものから時計廻りに順にa,b,c,d,e,fと符号を付ける。セラミック層40に形成されたコイルパターンは42a、42b、42c、……42fと呼び、その下にあるセラミック層50のコイルパターンは52a、52b、……52fと呼ぶ。セラミック層40ではコイルパターン42a、42c、42eのコイル内側端のところにスルーホールがそのセラミック層の厚さ方向に開けられていて、各コイルパターンはそのスルーホールを介してシートの他面まで導体を通している。またコイルパターン42b、42d、42fのコイル外側端のところにスルーホールがそのセラミック層の厚さ方向に開けられていて、各コイルパターン外側端からそのスルーホールを介して各シートの他面まで導体を通している。以下奇数番目のセラミック層にはセラミック層40と同様にスルーホールと導体が形成されている。偶数番目のセラミック層50ではコイルパターン52a、52c、52eのコイル外側端のところにスルーホールがそのセラミック層の厚さ方向に開けられていて、各コイルパターン外側端からそのスルーホールを介してシートの他面まで導体を通している。またコイルパターン52b、52d、52fのコイル内側端のところにスルーホールがそのセラミック層の厚さ方向に開けられていて、各コイルパターン内側端からそのスルーホールを介してシートの他面まで導体を通している。以下偶数番目のセラミック層はセラミック層50と同様にスルーホールと導体が形成されている。
【0031】
このようにコイルパターン、スルーホール及び導体を形成したセラミック層40〜50′が、図5にあるように積み重ねられると、コイルパターン42a、52a、……42′a、52′aが重なり、コイルパターン42b、52b、……42′b、52′bが重なり、以下同様に各セラミック層の対応する位置にあるコイルパターンが重なることになる。そして、コイルパターン42aの内側端がコイルパターン52aの内側端に、コイルパターン42aの内側端のところにセラミック層40を通して設けたスルーホールの導体によって接続される。コイルパターン52aの外側端がその下にあるコイルパターンの外側端に、コイルパターン52aの外側端のところでセラミック層50を通して設けたスルーホールの導体によって、接続される。以下同様に上下にあるセラミック層のコイルパターン同士が接続されて界磁コイルとなる。同時に、他の5個のコイルパターンについても、図5の二点鎖線で示したように接続され同様に界磁コイルを形成する。
【0032】
最下層のセラミック層50′の裏面には、図6に斜視図で示す第一の導体パターン72,73,74が印刷又は転写等の手段により形成されている。図6は板状固定子を底面側から見た斜視図である。第一の導体パターン72,73,74はセラミック層50′の上面にあるコイルパターン間を接続する。すなわち、第一の導体パターン72は、セラミック層50′のコイルパターン52′fの内側端からそこに開けられたスルーホールを通ってその裏面まで行っている導体と、コイルパターン52′cの外側端からそこに開けられたスルーホールを通ってその裏面まで行っている導体とを接続する。また、第一の導体パターン73は、コイルパターン52′eの外側端とコイルパターン52′bの内側端とを接続し、第一の導体パターン74は、コイルパターン52′dの内側端とコイルパターン52′aの外側端とを接続している。
【0033】
このようにしてコイルパターン42a、52a、……、42′a、52′aが接続されたコイルと、コイルパターン42d、52d、……、42′d、52′dが接続されたコイルとが第一の導体パターン74によって直列に接続される。すなわち2個の界磁コイルによって1組の界磁コイルが作られる。他の第一の導体パターン73,74についても同様である。
【0034】
第一の導体パターン72,73,74は、モータ回転中心に対して180°離れている2組の界磁コイルを接続しているので、各第一の導体パターンは開孔19の周りに円弧状に180°以上に延びている。図6から明らかなように各第一の導体パターンは半径の違った2個の円周に沿って延びた2段となっている。そして第一の導体パターンは互いに角度方向に少なくとも部分的に重複して設けられている。
【0035】
上に述べた実施例では、板状固定子の一方の主面に接続端子を形成し、他の主面に複数の第一の導体パターンを形成したが、当然に前記第一の導体パターンを界磁コイルのようにセラミック層に形成して、界磁コイルとともに板状固定子に内包するように構成することも出来る。
【0036】
板状固定子10の一主面上に形成された接続端子22,23,24それぞれは延長部を持っており、その先端が、セラミック層40に印刷形成されたコイルパターン42a、42c、42eの外側端に対応した位置まで延びている。また接続端子25と接続する中央の第二の導体パターン26は半径方向に延びた部分を持っていて、その先端それぞれが、セラミック層40に形成されたコイルパターン42b、42d、42fの内側端に対応した位置まで延びている(二点鎖線参照)。
【0037】
セラミック層20には接続端子22,23,24のそれぞれから延びている延長部先端及び第二の導体パターン26から半径方向に延びた導体パターンのそれぞれの先端のところにスルーホールが開けられていて、各スルーホールに通された導体によって、接続端子22,23,24がセラミック層20を介してコイルパターン42a、42c、42eの外側端と接続され、第二の導体パターン26がセラミック層20を介して接続端子25と接続される。その結果界磁コイルは図4に等価回路として示すように結線される。
【0038】
図3に示す板状固定子の上面には接続端子22,23,24,25の表面を除いて全面に絶縁層を被覆してある。また、板状固定子の第一の導体パターン72,73,74が設けられている裏面にも同様に絶縁層を被覆しておくことが好ましい。
【0039】
界磁コイルを構成しているコイルパターンは開孔に関して回転対称となった6個のパターンなので、それらのコイルパターンは角度方向に非連続となっている。角度方向にコイルパターンのある部分とコイルパターンのないセラミックだけの部分とが交互に存在しているので、焼結して板状固定子としたときに、それらの部分の収縮比率に違いが生じたり、また焼結した板状固定子のコイルパターンのある部分とない部分とでは強度が部分的に異なる場合がある。そのために、コイルパターンがない部分で板状固定子に割れが生じたり、又は全体として反りが生じることもある。ところが本発明では高い抗折強度とヤング率を有するセラミック材料を用いるとともに、板状固定子の一方の開孔19の周りを囲んでいる第二の導体パターン26、接続端子22,23,24、25を有し、更にもう一方の主面には円弧状に180°以上に延びた第一の導体パターン72,73,74を互いに角度方向に部分的に重複して設けている。このように板状固定子の両主面に、第一と第二の導体パターン、接続端子を設けることによって、板状固定子の強度を上げることができる。また、反りを防ぎ、本実施例においては厚さ300μmで8mm×8mm角の板状固定子を製作したところ、その面全体での反りを100μm以下とすることができた。
【0040】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明のディスク型ブラシレスモータ用板状固定子では、複数の板状固定子を持った平板状積層体を作り、それを分割して個々の板状固定子としているので、板状固定子の生産性が向上出来た。また板状固定子の一主面上に接続端子を形成しているので印刷回路基板に表面実装することが可能となり、もって小型・薄型のディスク型ブラシレスモータに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る板状固定子を用いた永久磁石モータの平面図である。
【図2】本発明の一実施例に係る板状固定子を用いた永久磁石モータをプリント回路基板状に取り付けた状態を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係る板状固定子の外観斜視図である。
【図4】本発明の一実施例に係る板状固定子に構成される界磁コイルの結線を示す結線図である。
【図5】本発明の一実施例に係る板状固定子の分解斜視図である。
【図6】本発明の一実施例に係る板状固定子の裏面にある第一の導体パターンの斜視図である。
【図7】本発明の一実施例に用いる板状固定子の製造方法の一例を示す積層基板の分解斜視図である。
【図8】本発明の一実施例に用いる板状固定子が複数形成された積層基板の平面図である。
【符号の説明】
10 板状固定子
15 ハンダ
19 開孔
30 コイルシート積層品
20,40,50,40′,50′ セラミック層
22,23,24,25 接続端子
26 第二の導体パターン
42,52,42′,52′ コイルパターン
72,73,74 第一の導体パターン
80 軸受
85a、85b ヨーク
90a 第一の回転子
90b 第二の回転子
91a,91b 永久磁石
95 回転軸
100 ディスク型ブラシレスモータ
200 印刷回路基板
300 平板状積層体
320a,320b 分割溝
Claims (3)
- 永久磁石をヨークに配置した第一及び第二の回転子と、前記第一の回転子と第二の回転子を結合する回転軸と、前記第一の回転子と第二の回転子との間に所定の空隙を介して設けられ前記第一及び第二の回転子に電磁力を与える界磁コイルを有する板状固定子とを備えたディスク型ブラシレスモータであって、回路パターンが形成された印刷回路基板に搭載されるものに用いられる板状固定子において、
前記板状固定子はセラミック層を積層して形成した積層体で構成されており、その積層体は積層体内に導体パターンで形成された界磁コイルと、積層体の一主面上に形成され前記界磁コイルと電気的に接続する入力端子及び出力端子と、積層体の中央部に開けられた開孔に前記回転軸を支持する軸受とを有し、
前記印刷回路基板に設けられた開口部に、前記第一又は第二の回転子のどちらか一方を配置し、前記印刷回路基板と対向して積層体の主面に形成された前記入力端子及び前記出力端子を前記印刷回路基板の前記開口部の周辺に設けられた回路パターンに接続して表面実装されることを特徴とするディスク型ブラシレスモータ用板状固定子。 - 前記第一の回転子及び前記第二の回転子と前記固定子との間隙が0.2mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のディスク型ブラシレスモータ用板状固定子。
- 前記積層体からなる板状固定子の厚さが1mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のディスク型ブラシレスモータ用板状固定子。
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