JP2004147341A - 携帯端末装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
 本発明の課題は上り回線通話品質低下を警報発生により使用者に知らせることができる携帯電話装置を提供することにある。
【解決手段】
 携帯電話装置において、送信出力の飽和が予め定められた時間以上連続したことを検出して、上り回線通話品質の低下を予測しアラームを送出する。これにより、使用者に上り回線通話品質低下の通知を行う。
【選択図】図7

Description

 本発明は、携帯端末装置に係り、特に下り信号が正常に受信できるにもかかわらず上り信号だけが基地局に到達しない場合におけるアラーム発生に好適な携帯端末装置に関するものである。
 従来の携帯電話では、通話中に電波の受信状態が悪くなり、回線が切れそうになったときアラーム(警告音)を鳴らすような工夫がなされていた。これは、受信電波の電界強度やディジタル方式の場合では受信信号のエラーレートを指標にして、安定な受信および復調が困難とみなされる場合に、アラームを鳴らすようにしたものであり、下り回線通話品質に関するアラームである。
 また、特開平8−335904号公報には、装置自体の故障により、信号の送信電力が所定の基準レベル以上である状態が所定の基準時間以上続いたときに異常検出信号を検出して警告を発するものが開示されている。
 従来の携帯電話の通信状態に関するアラームは、下り回線通話品質アラームであり、上り回線通話品質アラームについては何ら考慮されていなかった。
 また、特開平8−335904号に開示されたものは、装置自体の故障による異常を検出してアラームを出すものであり、回線の通話品質劣化に対しては対応できない。
 本発明の目的は、下り回線が正常であるにもかかわらず、上り回線通話品質が低下した場合に警報を発生することにより、携帯端末装置の使用者に自分が使用している携帯端末装置の発した信号が基地局に届いていないことを早急に知らしめることができ、使用者の利便性に優れた携帯端末装置を提供することにある。
 課題を解決するための手段は特許請求の範囲に記載されている。本発明では、受信が正常に行われているにもかかわらず、送信信号を最大送信出力とすることが要求された場合は、送信信号が相手に届かない状態であるおそれがあり、この場合に表示または警報の少なくともいずれか一方を発生するので、使用者は自分が使用している携帯端末装置の発した信号が相手に到達していないことを素早く知ることができる。
 本発明によれば、携帯端末装置の使用者に上り回線通話品質の劣化を速やかに知らせることができ、使用者の利便性に優れた携帯端末装置を得ることができる。
 以下、本発明の第1の実施の形態を図1〜図3及び図7により説明する。本実施の形態は、携帯端末装置としての携帯電話装置に本発明を適用したものである。本実施の形態における携帯電話装置の回路構成を図1に、外観を図7示す。
 本実施の形態の携帯電話装置は、基地局(図示せず)からの下り信号を受信部2で受信し、基地局へ上り信号を送信部3から送出するよう構成されており、基地局との間で双方向通信が可能である。基地局からの下り信号はアンテナ1で受けられ、受信部2で増幅・復調される。受信部2の出力は信号処理部7内の信号復調部4に供給される。信号処理部7は信号復調部7に加えて制御部6、信号変調部5を有している。信号復調部4は受信部2の出力を通信信号と制御信号とに分ける。すなわち、受信信号はCDMA信号復調部4でデジタル信号に変換され、逆拡散および符号復調された後、通信信号としての音声(データ)信号と制御信号に分けられる。制御信号は制御部6に供給され、制御部6は制御信号に基づいて携帯電話の動作を制御する。音声信号はアナログ信号に変換され受話器8より出力される。データ信号の場合は表示部11により表示したり、外部インタフェース13を介して、外部に接続されている外部機器21があればそれらに送られる。具体的な外部機器21の例としては、パーソナルコンピュータ、情報端末機器またはテレメータシステムのようにデータを送受する用途に使用する機器である。外部機器21との接続は、有線はもとより無線や赤外線等の媒体で実現することができる。
 一方、送話器9は音声を音声入力信号に変換する。この音声入力信号はデジタル信号に変換された後、CDMA信号変調部5に入力される。また、入力部12や外部インタフェース13のインタフェース部14からのデータ信号の場合は制御部6を介してCDMA信号変調部5に入力される。CDMA信号変調部5では入力された音声入力信号あるいはデータ信号に符号変調および拡散処理を施した後、アナログ信号に変換して送信部3に送る。送信部3ではCDMA信号変調部5の出力を増幅及び変調した後、アンテナ1より上り信号として送出する。
 本実施の形態では、一般的なデジタル携帯電話システムで行われている、受信部2における受信電波の電界強度(RSSI)測定機能と受信信号エラーレート計測機能を用いて、受信電波が弱く下り回線の通話品質が低下するような場合のRSSI低下や受信信号のエラーレート増加検出による下り回線通話品質アラーム機能に加え、上り回線の通話品質が低下しているような状況においてアラームを発して携帯電話装置の使用者に上り回線通話品質アラームを送出する機能を有している。
 受信部2、送信部3、信号復調部4、信号変調部5、制御部6、受話器8、送話器9、表示部11、入力部12は筐体内に格納される。図7に示すように、アンテナ1は筐体から突出して設けられ、受話器8、送話器9、表示部11、入力部12は筐体の表面側に設けられる。表示部11は液晶表示器等により構成され、入力部12は表示部11上のカーソル移動や画面のスクロールのための上下左右キー、各種機能を設定あるいは選択するファンクションキー、電話番号あるいはデータ等を入力する番号キーを有している。
 図2は、本実施の形態における携帯電話装置の送信電力の変化の例を示す図である。図に示すように携帯電話装置はその出力電力を基地局からの制御信号によって制御する。CDMAシステムでは、通話中の携帯電話装置の送信電力は基地局からの電力制御信号によって制御され、IS-95のシステムでは毎秒800回におよぶ細かな制御がなされている。通常の状態では送信電力の制御範囲は携帯電話装置の制御範囲内であるが、受信した信号の強度が予め定められた範囲内であって受信部が下り信号を正常に受信しているにもかかわらず上り回線の通話品質が悪くなると、基地局は上り信号の強度を制御する強度制御信号を下り信号として送信し、制御部6は携帯電話装置の送信出力(Po)を増加するように制御する。しかし、携帯電話装置の送信出力(Po)はその最大送信出力(Pmax)で制限され、最大送信出力(Pmax)で飽和する。
 それでもなお、上り回線通話品質が改善されなければ、基地局は携帯電話装置の送信出力(Po)を増加するように強度制御信号を送出し続け、この強度制御信号の指令により携帯電話装置の送信出力(Po)は最大送信出力(Pmax)で飽和したままの状態となる。このような場合には、受信した信号の強度は正常な範囲であるので携帯電話装置の使用者は相手の声は聞こえるが、携帯電話装置の使用者の声は相手には聞こえない状態となる。このような状態になると基地局は、ある時間だけ回線を保持するが上り回線通話品質が改善しない場合は回線を切断する。
 すなわち、下り回線の信号強度が予め定められた正常な範囲であるにもかかわらず、基地局が携帯電話装置の送信出力(Po)を増加するように強度制御信号を送出し続ける場合は上り回線の信号が基地局に届いていないおそれがある。そこで基地局により回線が切断される前に、制御部6は携帯電話装置の送信出力(Po)が最大送信出力(Pmax)で飽和している状態がある時間(To)以上継続したならば送信信号が相手に届かない状態であると見なして上り回線通話品質アラームを送出する。これにより携帯電話装置の使用者に回線が切断される可能性があることを知らせることができる。このアラームは、音による警報でもよく、または図7に示すように表示部11の表示画面上に表示をしてもよい。さらには、音と画面表示の両方を用いてもよい。
 音による警報の場合、上り回線通話品質アラームの使用者への通知の方法としては、アラーム音の発生間隔を従来の下り回線通話品質アラームと異なるようにして使用者が区別できるようにする。例えば、所定の周波数(例えば1kHz)で所定時間(例えば0.4秒)持続する音(使用者に「ピ」と聞こえる音)の発生間隔を変える。具体的な例としては、下り回線通話品質が低下している場合は音の間隔を長短の繰り返し(例えば1秒と0.2秒の繰り返し)で「ピピ、ピピ、ピピ、ピピ、ピピ、・・・」と聞こえるようにし、上り回線通話品質が低下している場合は音の間隔を長めの一定値(例えば0.6秒)にして「ピ、ピ、ピ、ピ、ピ、・・・」と聞こえるようにし、下り回線と上り回線ともに通話品質が低下している場合は音の間隔を短めの一定値(例えば0.1秒)にして「ピピピピピピピピピピ・・・」と聞こえるようにする。この音は受話器8から発生させてもよく、着信音を鳴らすリンガーやスピーカを鳴らしてもよい。また、音の発生間隔の代わりに異なる周波数の音、異なる音色の音、あるいは異なるリズムまたはメロディを用いてどの回線の通話品質アラームか区別できるようにしてもよい。これにより、通話品質の低下を使用者の聴覚に訴えることができる。また、バイブレータを振動させて、使用者の触覚に訴えてもよい。
 また、通話品質の低下を使用者の視覚に訴えることもできる。図7に示すように、通常の音声通話時あるいはデータ通信時に、表示部11などに「上り回線の通話品質劣化」等のメッセージ34を表示したり、アンテナの表示32を点滅させたり、メッセージに代えてマークやアイコンを表示するようにしてもよい。特に、表示部11にカラー液晶が用いられている場合は、上り回線通話品質劣化時にアンテナ表示32の色を正常な受信状態の時の色と変えたり(例えば正常受信時は黒、上り回線通話品質劣化時は赤)、表示している文字の色あるいは背景の色を正常な受信状態の時と変えてもよい。また、通話状態では使用されない着信表示用LED30を点滅させてもよい。LED30が複数の色で発光できるものである場合は、正常受信時の色と異なる色で連続発光又は点滅させてもよい。通常このLED30は見やすい位置にあるのでアラームとして効果的である。これにより必要に応じて視覚的な上り回線通話品質アラームを発生することもできる。
 さらに、携帯電話装置にパーソナルコンピュータあるいはモバイル端末等の外部機器21が接続されている場合には、その外部機器21にアラーム信号を送信し、外部機器21が聴覚的あるいは視覚的アラームを発生するようにしてもよい。こうすれば、回線の通話品質が低下して、スループットが低下していることを使用者が直接に(携帯電話装置を確認することなしに)知ることができる。
 図3は本実施の形態における携帯電話装置の上り通話品質アラームの処理を示すフローチャートで、これにより上記の処理の流れを説明する。
 最初にこの上り回線通話品質アラーム機能が有効であるかチェックが行われる。この機能が有効であるか無効であるかは、使用者がこの機能を選択して設定することにより決定される。もし、上り回線通話品質アラーム機能が「無効」に設定されていれば、直ちに処理を終了する(ステップ101)。
 上り回線通話品質アラーム機能が「有効」に設定されていれば、上り回線通話品質アラームのタイマが起動される(ステップ201)。
 次に、携帯電話装置が通話状態であるかがチェックされる(ステップ202)。通話状態でなければ、上り回線通話品質アラームのタイマが停止され処理を終了する(ステップ203)。
 携帯電話装置が通話状態であれば、その送信出力(Po)が測定される(または、送信出力値の設定値を参照する)(ステップ301)。そして、送信出力(Po)値が最大送信出力(Pmax)未満であるかチェックされる(ステップ302)。
 現在の送信出力(Po)値が最大送信出力(Pmax)未満であれば、上り回線通話品質アラームのタイマがリセットされ、携帯電話装置の状態チェックのステップに戻る(ステップ303)。
 現在の送信出力(Po)値が最大送信出力(Pmax)未満でなければ、上り回線通話品質アラームのタイマが時間経過分更新され(ステップ311)、現在の上り回線通話品質アラームのタイマ値(t)が設定値(To)未満であるかのチェックが行われて、上り回線通話品質アラームのタイマ値(t)が設定値(To)未満であれば、携帯電話装置の状態チェックのステップに戻る(ステップ312)。
 現在の上り回線通話品質アラームのタイマ値(t)が設定値(To)未満でなければ、すなわち設定値(To)以上であれば、規定時間上り回線通話品質アラームが送出されて、携帯電話装置の状態チェックのステップに戻る(ステップ313)。
 したがって、上り回線通話品質アラームのタイマ設定値(To)以上の時間において、現在の送信出力(Po)値が最大送信出力(Pmax)以上であれば、連続して上り回線通話品質アラームが送出されることになる。
 図3のフローチャートに示す上記の処理は、制御部6によって実行され、上り回線通話品質アラームは制御部6からCDMA信号復調部4を介して受話器8より送出される。
 本実施の形態では、現在の送信出力(Po)値が最大送信出力(Pmax)以上である状態がタイマ設定値(To)以上続くことでアラームを発生したが、これに限ることはなく、携帯電話装置の送信出力(Po)が最大送信出力(Pmax)以上である状態が予め定められた時間率以上の場合に警報を発生するよう構成してもよい。すなわち、ある予め定められた時間内において携帯電話の送信出力(Po)が最大送信出力(Pmax)で飽和している時間の割合を求め、この割合が予め定められた値を超えたときに上り回線の通話品質が低下しているものとみなして上り回線通話品質アラームを発するようにしてもよい。これは送信出力(Po)が最大送信出力(Pmax)以上である状態がタイマ設定値(To)未満の時間ではあるが、高い頻度で起きる場合のアラーム発生に有効である。
 本発明の第2の実施の形態を図4により説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態とソフトウェアが異なるがハードウェアの構成は基本的には同一である。本実施の形態では、携帯電話装置の受信部が下り信号を正常に受信しているときに上り信号の強度を最大値とする信号が予め定められた時間以上続けて発生されているか判断が行われる。上り信号の強度を最大値とする信号の時間が予め定められた値を超えるときには上り回線の通話品質が低下しているものとみなされて上り回線通話品質アラームが発生される。
 本実施の形態では、ステップ401、ステップ402以外は図3に記載された処理フローと同様である。すなわち、最初にこの上り回線通話品質アラーム機能が有効であるかチェックされ、上り回線通話品質アラーム機能が「無効」に設定されていれば、直ちに処理を終了する(ステップ101)。
 上り回線通話品質アラーム機能が「有効」に設定されていれば、上り回線通話品質アラームのタイマを起動する(ステップ201)。
 次に、携帯電話装置が通話状態であるかのチェックが行われる(ステップ202)。通話状態でなければ、上り回線通話品質アラームのタイマが停止され処理を終了する(ステップ203)。
 携帯電話装置が通話状態であれば、強度制御信号を読み取り(ステップ401)、強度制御信号の指令が最大値であるかチェックする(ステップ402)。
 強度制御信号の指令が最大値であれば、上り回線通話品質アラームのタイマをリセットして、携帯電話装置の状態チェックのステップに戻る(ステップ303)。
 強度制御信号の指令が最大値でなければ、上り回線通話品質アラームのタイマを時間経過分更新して(ステップ311)、現在の上り回線通話品質アラームのタイマ値(t)が設定値(To)未満であるかチェックして、上り回線通話品質アラームのタイマ値(t)が設定値(To)未満であれば、携帯電話装置の状態チェックのステップに戻る(ステップ312)。
 現在の上り回線通話品質アラームのタイマ値(t)が設定値(To)未満でなければ、すなわち設定値(To)以上であれば、規定時間上り回線通話品質アラームが送出されて、携帯電話装置の状態チェックのステップに戻る(ステップ313)。
 したがって、上り回線通話品質アラームのタイマ設定値(To)以上の時間において、強度制御信号の指令が最大値であれば、連続して上り回線通話品質アラームが送出される。
 本発明の第3の実施の形態を図5により説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態とソフトウェアが異なるがハードウェアの構成は基本的には同一である。本実施の形態では、制御部6が交信しうる基地局の数を把握して、交信し得る基地局の数が1箇所であるときに警報を発生する。交信しうる基地局が1つだけの場合には地形的条件等により下り信号は届いても上り信号が基地局に到達しないことがある。そのため、このような場合には上り回線の通話品質低下のおそれありとして上り回線通話品質アラームを発する。
 本実施の形態では、ステップ401、ステップ402以外は図3に記載された処理フローと同様である。すなわち、最初にこの上り回線通話品質アラーム機能が有効であるかチェックが行われ、上り回線通話品質アラーム機能が「無効」に設定されていれば、直ちに処理を終了する(ステップ101)。
 上り回線通話品質アラーム機能が「有効」に設定されていれば、上り回線通話品質アラームのタイマが起動される(ステップ201)。
 次に、携帯電話装置が通話状態であるかチェックが行われる(ステップ202)。通話状態でなければ、上り回線通話品質アラームのタイマが停止され処理を終了する(ステップ203)。
 携帯電話装置が通話状態であれば、基地局の数が計数され(ステップ501)、基地局の数が2以上あるかチェックが行われる(ステップ502)。
 基地局の数が2以上あれば、上り回線通話品質アラームのタイマがリセットされて、携帯電話装置の状態チェックのステップに戻る(ステップ303)。
 基地局の数が1つであれば、上り回線通話品質アラームのタイマを時間経過分更新して(ステップ311)、現在の上り回線通話品質アラームのタイマ値(t)が設定値(To)未満であるかチェックして、上り回線通話品質アラームのタイマ値 (t)が設定値(To)未満であれば、携帯電話装置の状態チェックのステップに戻る(ステップ312)。
 現在の上り回線通話品質アラームのタイマ値(t)が設定値(To)未満でなければ、すなわち設定値(To)以上であれば、規定時間上り回線通話品質アラームが送出されて、携帯電話装置の状態チェックのステップに戻る(ステップ313)。
 したがって、上り回線通話品質アラームのタイマ設定値(To)以上の時間において、基地局の数が1つであれば、連続して上り回線通話品質アラームが送出される。
 本発明の第4の実施の形態を図6により説明する。本実施の形態は、基地局と、この基地局と双方向の無線通信が可能であって、基地局からの下り信号に含まれる強度制御信号に基づいて信号の送信強度を制御する制御装置を備えた携帯端末装置とを含む通信システムに関するものである。基地局が上り信号の送信強度を最大送信出力とする指令を含む強度制御信号を送信しても受信した上り信号の強度が予め定められた強度より小さい状態が予め定められた時間以上続いたときに、基地局は上り信号が基地局に届かない状態であると見なす。このとき基地局は回線通話品質が低下したことのアラーム信号を携帯端末装置に送信し、携帯端末装置はこの信号を受けて表示または警報の少なくともいずれか一方を行う。この携帯端末装置は代表的なものとしては携帯電話装置である。
 このようなシステムは電気通信事業者(キャリア)が所有する基地局とこのキャリアと契約をした利用者が所有する携帯端末装置により成り立っており、利用者が無線通信を利用することに対し通話料として課金処理が行われる。しかし、下り信号が正常に到達しているにもかかわらず上り信号が上記基地局に届かない状態は通話が成り立たない状態である。本実施の形態においては、このような場合に基地局から端末装置側にアラームを送り、課金処理を停止する。これにより、キャリアは利用者へのサービスを向上させることができ、同業他社に対する競争力を向上させることができる。
 以下、図6を用いて処理の流れを説明する。
 基地局は最初に携帯端末装置への下り信号が正常であるかチェックを行い(ステップ601)、正常でなければ課金処理を終了させるステップ(ステップ606)を介して直ちに処理を終了する。
 下り信号が正常であれば、携帯端末装置に対する課金処理が開始される(ステップ602)。
 次に、上り回線通話品質アラームのタイマが起動され(ステップ603)、携帯電話装置が通話状態であるかがチェックされる(ステップ604)。通話状態でなければ、上り回線通話品質アラームのタイマが停止され(ステップ605)、課金処理を終了させて(ステップ606)処理を終了する。
 携帯電話装置が通話状態であれば、携帯端末装置からの上り信号が測定される(ステップ607)。そして、上り信号の強度が正常であるかチェックされる(ステップ608)。
 上り信号の強度が正常であれば、上り回線通話品質アラームのタイマがリセットされ、携帯電話装置の状態チェックのステップに戻る(ステップ609)。
 上り信号の強度が正常でなければ、上り回線通話品質アラームのタイマが時間経過分更新され(ステップ611)、上り回線通話品質アラームのタイマ値(t)が設定値(To)未満であるかのチェックが行われて、上り回線通話品質アラームのタイマ値(t)が設定値(To)未満であれば、携帯電話装置の状態チェックのステップに戻る(ステップ612)。
 上り回線通話品質アラームのタイマ値(t)が設定値(To)未満でなければ、すなわち設定値(To)以上であれば、規定時間上り回線通話品質アラームが携帯端末装置へ送出され(ステップ613)、課金処理を一時停止させて(ステップ614)、上り回線通話品質アラームのタイマ起動のステップ(ステップ603)に戻る。
 したがって、上り回線通話品質アラームのタイマ設定値(To)以上の時間において、上り信号の強度が正常でなければ、連続して上り回線通話品質アラームが送出されることになる。
 以上の実施の形態によれば、上り通話品質アラームを知覚した使用者は使用中の携帯電話の送信信号が基地局に届いていないことを察することができ、アンテナを伸ばしたり、場所を移動したりして通話品質の改善を試みることによって、通話切断を回避することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態における携帯電話装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態における携帯電話装置の送信電力の変化の例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における携帯電話装置の上り通話品質アラームの処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態における携帯電話装置の上り通話品質アラームの処理を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態における携帯電話装置の上り通話品質アラームの処理を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態における通信システムの上り通話品質アラームの処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態における携帯電話装置の外観を示す正面図である。
符号の説明
1:アンテナ、2:受信部、3:送信部、4:CDMA信号復調部、5:CDMA信号変調部、6:制御部、7:信号処理部、8:受話器、9:送話器、11:表示部、12:入力部、13:外部インタフェース、14:インタフェース部、21:外部機器

Claims (10)

  1.  双方向無線通信が可能であって、受信信号に含まれる強度制御信号に基づいて送信信号の強度を制御する制御装置を備えた携帯端末装置であって、上記受信した信号の強度が予め定められた範囲であるときに上記強度制御信号が送信信号を最大送信出力とする指令を含む場合は表示または警報の少なくともいずれか一方を発生するよう制御することを特徴とする携帯端末装置。
  2.  基地局からの下り信号を受信する受信部と、この受信部の出力を通信信号と制御信号とに分ける信号復調部と、上記通信信号に含まれる音声出力信号に基づいて音声を出力する受話器と、上記信号復調部からの制御信号が供給される制御部と、音声を音声入力信号に変換する送話器と、上記音声入力信号の符号変調処理を行う信号変調部と、この信号変調部の出力を増幅及び変調してアンテナから上り信号として送出する送信部を備えた携帯端末装置において、上記下り信号は上記上り信号の強度を制御する強度制御信号を含み、上記制御部は上記受信部が上記下り信号を正常に受信しているときに上記強度制御信号が上記上り信号の強度を最大値とする信号を予め定められた時間以上続いたときに警報を発生するよう構成されたことを特徴とする携帯端末装置。
  3.  基地局からの下り信号を受信する受信部と、この受信部の出力を通信信号と制御信号とに分ける信号復調部と、上記通信信号に含まれる音声出力信号に基づいて音声を出力する受話器と、上記信号復調部からの制御信号が供給される制御部と、音声を音声入力信号に変換する送話器と、上記音声入力信号の符号変調処理を行う信号変調部と、この信号変調部の出力を増幅及び変調してアンテナから上り信号として送出する送信部を備えた携帯端末装置において、上記下り信号は上記上り信号の強度を制御する強度制御信号を含み、上記制御部は上記受信部が上記下り信号を正常に受信している状態で上記強度制御信号に基づいて上記送信部の出力が最大出力である状態が予め定められた時間以上続いたときに警報を発生するよう構成されたことを特徴とする携帯端末装置。
  4.  基地局からの下り信号を受信する受信部と、この受信部の出力を通信信号と制御信号とに分ける信号復調部と、上記通信信号に含まれる音声出力信号に基づいて音声を出力する受話器と、上記信号復調部からの制御信号が供給される制御部と、音声を音声入力信号に変換する送話器と、上記音声入力信号の符号変調処理を行う信号変調部と、この信号変調部の出力を増幅及び変調してアンテナから上り信号として送出する送信部を備えた携帯端末装置において、上記制御部は交信し得る基地局の数が1箇所であるときに警報を発生するよう構成されたことを特徴とする携帯端末装置。
  5.  基地局と、この基地局と双方向の無線通信が可能であって、上記基地局からの下り信号に含まれる強度制御信号に基づいて上り信号の送信強度を制御する制御装置を備えた携帯端末装置とを含む通信システムであって、上記基地局が上り信号の送信強度を最大送信出力とする指令を含む強度制御信号を送信しても受信した上り信号の強度が予め定められた強度より小さい状態が予め定められた時間以上続いたときに上記基地局は上り信号が上記基地局に届かない状態であると見なして表示または警報の少なくともいずれか一方を上記携帯端末装置に送信することを特徴とする通信システム。
  6.  基地局と、この基地局と双方向の無線通信が可能であって、上記基地局からの下り信号に含まれる強度制御信号に基づいて上り信号の送信強度を制御する制御装置を備えた携帯端末装置とを含み、上記無線通信に対して課金処理が行われる通信システムであって、上記基地局が上り信号の送信強度を最大送信出力とする指令を含む強度制御信号を上記携帯端末装置に送信しても受信した上り信号の強度が予め定められた強度より小さい状態が予め定められた時間以上続いたときに上記基地局は上り信号が上記基地局に届かない状態であると見なして上記課金処理を停止することを特徴とする通信システム。
  7.  双方向無線通信において受信信号の強度が正常な範囲であるにもかかわらず送信信号が相手に到達しないおそれがある場合のアラーム発生方法であって、
     上記受信した信号の強度が正常な範囲であるかを判断し、上記受信した信号の強度が予め定められた範囲であるときに上記強度制御信号が送信信号を最大送信出力とする指令を含むかを判断し、上記強度制御信号が送信信号を最大送信出力とする指令を含む場合は表示または警報の少なくともいずれか一方を発生することを特徴とする携帯端末装置のアラーム発生方法。
  8.  基地局と携帯端末装置間の双方向無線通信において下り信号の強度が正常な範囲であるにもかかわらず上り信号が基地局に到達しないと見なされる場合のアラーム発生方法であって、
     上記下り信号に含まれて上記基地局から送信される強度制御信号を受信し、上記受信部が上記下り信号を正常に受信しているかを判断し、上記下り信号が正常に受信されているときに上記強度制御信号に上記上り信号の強度を最大値とする信号が含まれるか判断し、上記上り信号の強度を最大値とする信号が含まれるときにこの信号強度を最大値とする信号の時間を計測し、計測された時間が予め定められた時間以上続いたときに警報を発生することを特徴とする携帯端末装置のアラーム発生方法。
  9.  基地局と携帯端末装置間の双方向無線通信において下り信号の強度が正常な範囲であるにもかかわらず上り信号が基地局に到達しないと見なされる場合のアラーム発生方法であって、
     上記下り信号に含まれて上記基地局から送信される強度制御信号を受信し、上記受信部が上記下り信号を正常に受信しているかを判断し、上記下り信号が正常に受信されているときに上記送信部の出力が最大出力状態かを判断し、上記送信部の出力が最大出力である状態の時間を計測し、計測された時間が予め定められた時間以上続いたときに警報を発生することを特徴とする携帯端末装置のアラーム発生方法。
  10.  基地局と携帯端末装置間の双方向無線通信において下り信号の強度が正常な範囲であるにもかかわらず上り信号が基地局に到達しないと見なされる場合のアラーム発生方法であって、
     交信し得る基地局の数を計数し、交信し得る基地局の数が1箇所であるときに警報を発生することを特徴とする携帯端末装置のアラーム発生方法。
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WO2010137669A1 (ja) * 2009-05-27 2010-12-02 京セラ株式会社 通信機器および電力線通信システム

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