JP2004147267A - 井戸端会議システム、井戸端会議システム用プログラム、及び井戸端会議方法 - Google Patents

井戸端会議システム、井戸端会議システム用プログラム、及び井戸端会議方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多大の経費的負担を強いることなく、対話を希望する人達が広く円滑に井戸端会議を実施し得るようにした井戸端会議システムを提供する。
【解決手段】本井戸端会議システムでは、クライアントコンピュータ4A〜4Eの内の何れかから送信された対話要請信号に応答して、該対話要請信号の送信元のクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを取得し識別すると共に、該送信元のユーザが対話を要請する相手ユーザの1以上のクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを取得し識別して該クライアントコンピュータに対する呼出し信号を送信するアドレス取得手段5と、該呼出し信号に応答した相手ユーザのクライアントコンピュータと、送信元ユーザのクライアントコンピュータとを、インターネット2を介して相互に視認及び対話可能となるように接続する接続手段6とを備えている。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、井戸端会議システム、井戸端会議システム用プログラム、及び井戸端会議方法に関し、特に、体力的な理由等から行動範囲が狭くなりがちのご老人等の間でのコミニュケーションを容易に図り得るようにする井戸端会議システム、該井戸端会議システムを実現し得る井戸端会議システム用プログラム、及び、井戸端会議方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一人暮らしのご老人等に緊急通報を送信できるようにした緊急通報システムが知られている(例えば特許文献1参照)。この緊急通報システムでは、地域内に予め設置された有線放送の回線を経由して、センター機と、一人暮らしのご老人等の家に予め設置した電話機状の各端末機とを接続し、緊急時には緊急通報を送信して、各端末機に備えたスピーカーから音声を発生させる。また、緊急時に緊急通報を行うこのシステムは、ご老人等が自分の望むときに何時でも手軽に友人達と所謂井戸端会議ができるように活用される。その実現のため、この緊急通報システムでは、各端末機に、上記スピーカーと共にマイクを内蔵し、緊急時には緊急通報をスピーカーから音声で発し、また通常時には、予め登録されたグループ内の友人達とスピーカー及びマイクを介して通話できるようにセンター機にて接続できるように構成されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−41903号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の緊急通報システムは、本来緊急通報を有線回線を介して音声で報知するシステムを利用して井戸端会議を可能にしたものであるため、仲間内で手軽に通話をすることはできるものの、音声のみでコミニュケーションをとらなければなければならない。通常、井戸端会議とは、気の合う仲間が集まって、自分が発した話題に対する相手の表情や仕草等で反応を確かめながら、面白おかしく会話を進めていくものである。上記緊急通報システムを利用した井戸端会議では、電話による場合と同様に音声のみを媒介としているため、電話による一対一の通話時とは異なり、数人から発せられる音声が入り乱れ、誰と通話しているのか判別がつかず収拾が困難になるなどの虞がある。
【0005】
また、有線回線を通信媒介手段として利用しているので、ごく限られたエリア内でのコミニュケーションしかとることができない。井戸端会議を望むのはなにもご老人に限られるものではない。例えば、社会的な偏見等から面会を躊躇しがちとされる刑務所や精神病院等の施設に収容される人と、その家族、友人、ボランティア等との間でも井戸端会議的な要素は必要であり、特にこのような施設にあっては、家族や友人等との頻繁な会話が心のケアに必要不可欠なものとなる。従って、施設と家族や友人等との間での所謂井戸端会議を、経費的に各人の大きな負担にならない程度の簡便なシステムによって実現することが切望される。
【0006】
本発明は、上記に鑑み、多大の経費的負担を強いることのない簡便なシステムでありながらも、地域的な制約を受けず、対話を希望する人達が広く円滑に井戸端会議を実施し得るようにした井戸端会議システム、該井戸端会議システムを実現するための井戸端会議システム用プログラム、及び井戸端会議方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、近年テレビ電話やマルチメディアアプリケーションのために開発されているMPEG(Moving Pictures Experts Group)4等を用いれば、従来システムにおける有線回線に代えてインターネットを通信媒介手段として活用し、ユーザのリアルタイム映像信号を音声信号と共に送信して互いの表情を視認しながら対話し得るようにできることを着想し、更に、「IP(Internet Protocol)アドレス」を取得すれば登録ユーザ側に帰属している各コンピュータの識別を簡便に且つ確実に実現し得ることを着想した。IPアドレスは、32ビット(4バイト)で構成される一意の2進数のアドレスであり、ピリオド(ドット)で区切った4バイトの10進数で構成される「小数点クワッド」形式からなるもので、本来はインターネットに接続されるコンピュータのアドレスを、相手のインターネットサーバに提示するのに用いられるものであった。本発明者はこのような「IPアドレス」を、相互通信させるべき登録ユーザの識別用として活用することを着想し、更に鋭意工夫を重ねて、本発明を完成するに到った。
【0008】
上記目的を達成する請求項1に係る本発明は、サービス提供側のサーバコンピュータと、登録ユーザ側の複数のクライアントコンピュータとを所定の手段を介して連結し、該クライアントコンピュータ同士を選択的に通信可能に接続する井戸端会議システムであって、
前記サーバコンピュータは、
前記複数のクライアントコンピュータの内の何れかから送信された対話要請信号に応答して、該対話要請信号の送信元のクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを取得し識別すると共に、該送信元のユーザが対話を要請する相手ユーザの1以上のクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを取得し識別して該クライアントコンピュータに対する呼出し信号を送信するアドレス取得手段と、
前記アドレス取得手段からの呼出し信号に応答した前記相手ユーザのクライアントコンピュータと、前記送信元ユーザのクライアントコンピュータとを、前記所定の手段として使用するインターネットを介して相互に視認及び対話可能となるように接続する接続手段とを備える、ことを特徴する井戸端会議システムにある。
【0009】
なお、本発明における上記「1以上」とは、「1」及び「2以上の数」を含む概念であることは言うまでもない。また、本発明における「インターネット」とは、広域のブロードバンドインターネット網に限定されるものではなく、例えば、光ファイバー網などを介在した地域のネットワーク(イントラネット系、イーサネット系)、或いは、企業内のネットワーク(イントラネット系、イーサネット系)をも含む概念である。更に、本発明における「ユーザ」とは、クライアントコンピュータを所有する所有ユーザに限定されるものではなく、該所有ユーザの家族、友人、同じ施設や役所内の人等のように、該所有ユーザと共に同じクライアントコンピュータを使用し得る関係を有する人をも含む概念である。
【0010】
請求項1に係る井戸端会議システムによると、アドレス取得手段が、対話要請信号に応答して、送信元のクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを取得し識別すると共に、対話要請相手のユーザのクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを取得し識別して該コンピュータに対する呼出し信号を送信し、更に接続手段が、呼出し信号に応答した相手ユーザのクライアントコンピュータと送信元ユーザのクライアントコンピュータとをインターネットを介して相互に視認及び対話可能となるように接続するので、多大な経費的負担を強いることのない一般的なインターネットを通信媒介手段として使用して、対話希望者達による広く円滑な所謂井戸端会議を実施することができる。これにより、ご老人同士の井戸端会議に限らず、社会的偏見等で面会が躊躇されがちになるような施設に収容されている人と、その家族、友人、ボランティア等との間での対話も、簡便に且つ頻繁に行うことができるようになる。
【0011】
上記目的を達成する請求項2に係る本発明は、前記クライアントコンピュータは、その対応する表示画面に、該表示画面に対面するユーザのリアルタイム映像を表示する第1表示エリアと、対話相手のユーザのリアルタイム映像を表示する1以上の第2表示エリアとを備える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の井戸端会議システムにある。
【0012】
請求項2に係る本発明によると、自分のリアルタイム映像と対話相手のリアルタイム映像とを見やすい状態に配置した表示画面を目視し、自分の対話中の表情と共に対話相手の表情等を確かめつつ、あたかも対面して会話している如くに楽しく井戸端会議をすることができる。
【0013】
上記目的を達成する請求項3に係る本発明は、前記クライアントコンピュータに備えた表示画面には、前記サービス提供側に予め登録された複数のユーザの名前及び/又は名称を表示する複数のユーザ識別エリアが設けられ、各ユーザ識別エリアの夫々にタッチスクリーンが設けられている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の井戸端会議システムにある。
【0014】
なお、本発明における上記「名前」は、氏名の「氏」及び「名」の内の少なくとも一方を含む概念である。
【0015】
請求項3に係る本発明によると、複数のユーザ識別エリアを見ながらタッチスクリーンを触れるだけで対話相手を自由に選択することができるので、ご老人、特に体が不自由なご老人にあっても、選択操作を極めて容易に行うことができる。
【0016】
上記目的を達成する請求項4に係る本発明は、コンピュータを前記井戸端会議システムに含まれる前記アドレス取得手段及び前記接続手段として実現する、ことを特徴とする井戸端会議システム用プログラムにある。
【0017】
請求項4に係る本発明の井戸端会議システム用プログラムを使用することにより、通常使用される汎用型のサーバコンピュータを、井戸端会議システムを実現し得るサーバコンピュータとして活用することができる。
【0018】
上記目的を達成する請求項5に係る本発明は、サービス提供側のサーバコンピュータと、登録ユーザ側の複数のクライアントコンピュータとを所定の手段を介して連結し、該クライアントコンピュータ同士を選択的に通信可能に接続する井戸端会議方法であって、
前記サーバコンピュータが、前記複数のクライアントコンピュータの内の何れかから送信された対話要請信号に応答して、該対話要請信号の送信元のクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを取得し識別すると共に、該送信元のユーザが対話を要請する相手ユーザの1以上のクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを取得し識別して該クライアントコンピュータに対する呼出し信号を送信する第1ステップと、
前記サーバコンピュータが、前記アドレス取得手段からの呼出し信号に応答した前記相手ユーザのクライアントコンピュータと、前記送信元ユーザのクライアントコンピュータとを、前記所定の手段として使用するインターネットを介して相互に視認及び対話可能となるように接続する第2ステップとを備える、ことを特徴とする井戸端会議方法にある。
【0019】
請求項5に係る井戸端会議方法によると、第1ステップで、対話要請信号に応答して、送信元のクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを取得し識別すると共に、対話要請相手のユーザのクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを取得し識別して該コンピュータに対する呼出し信号を送信し、第2ステップで、呼出し信号に応答した相手ユーザのクライアントコンピュータと送信元ユーザのクライアントコンピュータとをインターネットを介して相互に視認及び対話可能となるように接続するので、多大な経費的負担を強いることのない一般的なインターネットを通信媒介手段として使用して、対話希望者達による広く円滑な所謂井戸端会議を実施することができる。これにより、ご老人同士の井戸端会議に限らず、社会的偏見等で面会が躊躇されがちになるような施設に収容されている人と、その家族、友人、ボランティア等との間での対話も、簡便に行うことができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明に係る実施形態に基づいて本発明を更に詳細に説明する。図1は、本実施形態例における井戸端会議システムの全体構成を示すブロック図、図2は、本井戸端会議システムで使用されるクライアントコンピュータの構成を模式的に示す正面図、図3は、対話中の各クライアントコンピュータにおける表示画面の様子を模式的に示す正面図である。なお、本実施形態の説明では、本発明に係る井戸端会議システム(及び井戸端会議方法)について詳述するが、本発明に係る井戸端会議システム用プログラムについては、井戸端会議システムに含まれる各構成要素として実現するためのプログラムであることから、当該プログラムに関する説明は以下の説明に含まれる。
【0021】
図1に示すように、本実施形態例における井戸端会議システム1は、サービス提供側のサーバコンピュータ(Webサーバ)3と、予め登録されたユーザ側の複数のクライアントコンピュータ4A〜4Eとを、ブロードバンドインターネット網(以下、単にインターネットと言う)2を介して連結し、該クライアントコンピュータ同士を選択的に通信可能に接続するものである。
【0022】
サーバコンピュータ3は、アドレス取得手段5と、接続手段6とを有している。なお、該サーバコンピュータ3は、多様なサービスの提供のため他にも種々の機能実現手段を有しているが、本実施形態においては、本発明の特徴である「インターネットを介した井戸端会議」を実現するための手段を中心に説明を進めることとする。
【0023】
アドレス取得手段5は、複数のクライアントコンピュータ4A〜4Eの内の何れかから送信された対話要請信号に応答して、該対話要請信号の送信元のクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを取得し識別すると共に、該送信元のユーザが対話を要請する相手ユーザの1以上のクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを取得し、予め登録した登録ユーザリストと照合して識別し、これに基づく呼出し信号をインターネット2を介して送信する機能を有している。なお、本実施形態における「ユーザ」とは、クライアントコンピュータを所有する所有ユーザに限定されるものではなく、該所有ユーザの家族、友人、同じ施設や役所内の人等のように、該所有ユーザと共に同じクライアントコンピュータを使用し得る関係を有する人をも含む概念である。
【0024】
また、アドレス取得手段5は、各ユーザが本井戸端会議システムに参加登録するべく、サービス提供者がインターネット2を介して提示するホームページ上で加入用のアイコンをクリックするなどでアクセスした場合に、該ユーザのクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを自動的に取得し、この取得したIPアドレスを、サーバコンピュータ3に備えたメモリ(図示せず)に前記登録ユーザリストとして記憶する。なお、クライアントコンピュータ4A〜4Eはいずれも、本井戸端会議システムに対応し得るように構成されているが、その表示画面11には、モードを変えることにより、図2に示した表示内容とは別に、前記加入用のアイコンなどを表示できる。また、IPアドレスは、各クライアントコンピュータ4A〜4Eに予め固定IPアドレスとして付与しておくこともできる。
【0025】
上記IPアドレスは、本来はインターネットに接続されるコンピュータのアドレスを、相手のインターネットサーバに提示するためのものであったが、本発明者がこの「IPアドレス」を、相互通信させるべき登録ユーザの識別用として活用することを着想したことで、IPアドレスの取得により登録ユーザ側に帰属している各コンピュータの識別を簡便に且つ確実に行い得る本システムが実現した。
【0026】
接続手段6は、アドレス取得手段5からの前記呼出し信号に応答した相手ユーザのクライアントコンピュータと、送信元のユーザのクライアントコンピュータとを、インターネット2を介して相互に視認及び対話可能となるように接続する機能を有している。つまり、上記送信元ユーザ側と、その対話を要請する相手ユーザ側に夫々帰属し且つアドレス取得手段5にてIPアドレスが取得されたクライアントコンピュータ(4A〜4Eの内の何れか)を、インターネット2を介して互いのIPアドレスを交換する等で相互に視認及び対話が可能となるように接続する。なお、クライアントコンピュータ同士を視認及び対話可能に接続した時点で接続手段6の処理は終了し、それ以降は、接続手段6を経由せずインターネット2のみを介した相互対話通信として継続される。
【0027】
本実施形態においては、テレビ電話やマルチメディアアプリケーションのために開発されているMPEG4等を用いることにより、汎用のインターネットを通信媒介手段として活用しながら、ユーザのリアルタイム映像信号を音声信号と共に送信及び受信して、互いの表情を視認しながら対話し得る本システムを実現している。従って、上記接続手段6によって相互に視認及び対話可能に接続されたクライアントコンピュータ同士は、MPEG4等を用いたリアルタイム映像信号を音声信号と共に送受信しながら井戸端会議することとなる。
【0028】
ここで、クライアントコンピュータ4A〜4Eの構成について以下に述べる。すなわち、図2に示すように、クライアントコンピュータ4Aは、本体10aと、該本体10aに接続されたディスプレイ10bとを有している。なお、ここでは、クライアントコンピュータ4Aの構成を中心に説明するが、他のクライアントコンピュータ4B〜4Eも該クライアントコンピュータ4Aと同じ構成であることから、それらの説明は省略する。
【0029】
ディスプレイ10bは、中央部に広く表示画面11を有し、且つ該表示画面11の図中左右に配置されたスピーカー12と、表示画面11の図中上下に夫々配置されたカメラ13及びマイク14とを有している。
【0030】
表示画面11の図中左側には、縦一列状に、サービス提供側に予め登録された複数のユーザの名前及び/又は名称が複数のユーザ識別エリア15a〜15eとして表示されており、これらユーザ識別エリア15a〜15eには夫々タッチスクリーンが設けられている。また、表示画面11における略中央の上部には、該表示画面11に対面するユーザのリアルタイム映像(リアルタイムな動画像)を表示するための第1表示エリア16aが設けられている。なお、ユーザ識別エリア15a〜15eに表示される上記「名前」は、氏名の「氏」及び「名」の内の少なくとも一方を含む概念である。
【0031】
更に、第1表示エリア16aの下方には、該表示エリア16aに表示されるユーザと対話する相手ユーザのリアルタイム映像を表示するための第2表示エリア16b,16cが横並びで設けられている。なお、本実施形態では、ユーザ識別エリア15a〜15eには、サーバコンピュータ3を所有するサービス提供者によって予め登録されたユーザB、ユーザC、ユーザD、ユーザE、市役所の福祉課が選択可能に夫々表示されている。
【0032】
そして、本体10aは、信号受信手段17と、信号送信手段18と、表示制御手段19とを有している。
【0033】
信号受信手段17は、或るクライアントコンピュータから対話要請信号が発信されてサーバコンピュータ3のアドレス取得手段5がこれを受信し、該対話要請信号から判明した対話要請相手のクライアントコンピュータに対応するIPアドレスに基づいてアドレス取得手段5が呼出し信号を発信した際、該呼出し信号を受信し、対話要請を受けた旨をスピーカー12から出力する機能を有する。該出力は、対話要請を受けた旨を音声によって、或いは、電話等のような呼び出し音によって報知することができる。更に、信号受信手段17は、サーバコンピュータ3側の接続手段6によって接続された他のクライアントコンピュータとの対話が開始すると、対話相手のリアルタイム映像信号及び音声信号を受信して、該リアルタイム映像信号を表示制御手段19に送ると共に、該音声信号に基づく音声をスピーカー12から発生させる。
【0034】
信号送信手段18は、ユーザ識別エリア15a〜15eの何れか(本実施形態では第2表示エリア16b,16cが二箇所であることから二人まで)のタッチスクリーンがユーザにより軽く触れられる(選択される)と、これに応答して、選択したユーザを呼び出して欲しい旨の対話要請信号を、インターネット2を介してサーバコンピュータ3に送信する機能を有する。更に、信号送信手段18は、サーバコンピュータ3の接続手段6によって他のクライアントコンピュータとの相互対話通信が開始されると、表示画面11に対面しているユーザの、カメラ13で撮影したリアルタイム映像信号を、インターネット2を介して対話相手のクライアントコンピュータに送信すると共に、マイク14で採取した該ユーザの声を音声信号として対話相手のクライアントコンピュータに送信する。
【0035】
表示制御手段19は、表示画面11に対面するユーザのリアルタイム映像を第1表示エリア16aに表示すると共に、サーバコンピュータ3の接続手段6によって接続された後、インターネット2を介して対話要請相手のクライアントコンピュータから送信されるリアルタイム映像を、第2表示エリア16b,16cに夫々表示する機能を有する。また、表示制御手段19は、サーバコンピュータ3のアドレス取得手段5からインターネット2を介して送信された呼出し信号を受信した際、ユーザ識別エリア15a〜15eの内の最上段のエリア15aを点滅(又は点灯させても良い)させるように機能する。
【0036】
更に、表示制御手段19は、最上段のエリア15aのタッチスクリーンがスイッチオンした際、クライアントコンピュータ4Aの第1表示エリア16aに、該コンピュータ4Aの表示画面11に対面しているユーザのリアルタイム映像を表示すると共に、呼出し信号に応答して他のクライアントコンピュータにてエリア15aに触れたユーザのリアルタイム映像を第2表示エリア16bに表示し、更に別のクライアントコンピュータにて呼出し信号に応答したユーザのリアルタイム映像を第2表示エリア16cに表示する。
【0037】
以上の構成を有する本実施形態における井戸端会議システムは、以下のように作動する。すなわち、本井戸端会議システムでは、例えば、図2に示すクライアントコンピュータ4A側のユーザAが、ユーザB,Cと対話するためにユーザ識別エリア15a,15bに夫々触れると、タッチスクリーンのスイッチオンに応答して、信号送信手段18が、上記エリア15a,15bに対応するユーザB,Cを呼び出して欲しい旨の対話要請信号を、インターネット2を介してサーバコンピュータ3に送信する。
【0038】
すると、サーバコンピュータ3側では、アドレス取得手段5が、クライアントコンピュータ4Aからの対話要請信号に応答して、送信元ユーザA側のコンピュータ4Aに対応するIPアドレスと、ユーザAが対話を要請する相手ユーザB,C側のクライアントコンピュータ4B,4Cに対応する各IPアドレスとを取得する。つまり、アドレス取得手段5は、受信した対話要請信号の送信元のクライアントコンピュータ4Aに対応するIPアドレスと、その対話要請相手のクライアントコンピュータ4B,4Cに対応するIPアドレスとを取得して、これらに基づく呼出し信号を、インターネット2を介して上記コンピュータ4B,4Cに夫々送信する。
【0039】
これにより、クライアントコンピュータ4B,4Cでは夫々、各信号受信手段17が、クライアントコンピュータ4Aから対話要請が有る旨の呼出し信号を受信し、その旨をスピーカー12から音声又は呼出し音によって報知する。例えば、自宅等でこの音に気付いたユーザBは、クライアントコンピュータ4Bの表示画面11に向かい、点滅している最上段のユーザ識別エリア15aに軽く触れてタッチスクリーンをスイッチオンさせる。これにより、表示制御手段19が、表示画面11に対面するユーザBのリアルタイム映像を上記コンピュータ4Bの第1表示エリア16aに表示すると共に、対話要請元のユーザAのリアルタイム映像を第2表示エリア16bに表示する。この時点でユーザCが同様に呼出し信号に応答していれば、上記コンピュータ4Bのユーザ識別エリア15bも点滅するため、ユーザBが該エリア15bに触れることで、表示制御手段19は、ユーザCのリアルタイム映像を第2表示エリア16cに表示する。これにより、クライアントコンピュータ4Bの表示画面11は図3(b)に示す状態となる。
【0040】
同様に、クライアントコンピュータ4Cにおいても、呼出しに気付いたユーザCが表示画面11に向かい、点滅している最上段のユーザ識別エリア15aに軽く触れることにより、表示制御手段19が、表示画面11に対面するユーザCのリアルタイム映像を上記コンピュータ4Cの第1表示エリア16aに表示すると共に、対話要請元のユーザAのリアルタイム映像を上記コンピュータ4Cの第2表示エリア16bに表示し、更に、この時点で呼出し信号に応答しているユーザBのリアルタイム映像を第2表示エリア16cに表示する。これにより、クライアントコンピュータ4Cの表示画面11は図3(c)に示す状態となる。
【0041】
このとき、クライアントコンピュータ4Aの表示画面11では、図3(a)に示すように、該表示画面11に対面するユーザAのリアルタイム映像が第1表示エリア16aに表示されると共に、ユーザA自身が送信した対話要請信号に基づく呼出し信号に応答したユーザB,Cのリアルタイム映像が第2表示エリア16b,16cに夫々表示される。
【0042】
従って、ユーザA,B,Cは、多大な経費的負担を強いることのない一般的なインターネット2を通信媒介手段として使用し、互いのIPアドレスを交換することで相互に視認及び対話可能になった上記接続状態において、広く円滑な所謂井戸端会議を行うことができる。このような井戸端会議は、ご老人同士に限らず、社会的偏見等で面会が躊躇されがちになるような施設に収容されている人と、その家族、友人、ボランティア等との間でも、簡便に且つ頻繁に行うことが可能である。
【0043】
また、本実施形態では、クライアントコンピュータ4A〜4Eは、表示画面11に、該表示画面11に対面するユーザのリアルタイム映像を表示する第1表示エリア16aと、対話相手のユーザのリアルタイム映像を表示する第2表示エリア16b,16cとを備えるので、自分の映像と対話相手の映像とを見やすい状態に配置した上記表示画面11を目視し、自分の対話中の表情と共に対話相手の表情等を確かめつつ、あたかも実際に対面して会話している如くに楽しく井戸端会議をすることができる。
【0044】
更に、クライアントコンピュータ4A〜4Eに備えた各表示画面11には、サービス提供側に予め登録された複数のユーザの名前及び/又は名称を表示するユーザ識別エリア15a〜15eが設けられ、各ユーザ識別エリア15a〜15e夫々にタッチスクリーンが設けられているので、これらユーザ識別エリア15a〜15eを見ながらタッチスクリーンを触れるだけで対話相手を自由に選択することができる。このため、ご老人、特に体が不自由なご老人にあっても、選択操作を極めて容易に行うことができる。
【0045】
また、本実施形態では、井戸端会議システム用プログラムを使用することにより、通常使用される汎用型のサーバコンピュータを、本井戸端会議システムを実現し得るサーバコンピュータ3として活用することができる。なお、本井戸端会議システムにおける通信媒介には、広域のブロードバンドインターネット網2のみならず、例えば、光ファイバー網などを介在した地域のネットワーク(イントラネット系、イーサネット系)、或いは、企業内のネットワーク(イントラネット系、イーサネット系)をも活用することができる。
【0046】
また、本実施形態では、クライアントコンピュータ4A〜4Eの夫々において、ユーザ識別エリアは15a〜15eの5箇所、第2表示エリアは16bと16cの2箇所設けられるとして説明したが、ユーザ識別エリアの個数及び第2表示エリアの個数を更に増加させることは勿論可能である。その場合、対話相手を増やした、より充実した井戸端会議を実現させることができる。
【0047】
以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明に係る井戸端会議システム、井戸端会議システム用プログラム、及び井戸端会議方法は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した井戸端会議システム、井戸端会議システム用プログラム、及び井戸端会議方法も、本発明に係る範囲に含まれること言うまでもない。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る井戸端会議システム、井戸端会議システム用プログラム、及び井戸端会議方法によると、多大の経費的負担を強いることのない簡便なシステムでありながらも、地域的な制約を受けず、対話を希望する人達が広範囲に亘って円滑に井戸端会議を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態に係る井戸端会議システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本井戸端会議システムで使用されるクライアントコンピュータを概略的に示す正面図である。
【図3】本井戸端会議システムで対話中の各クライアントコンピュータの表示画面の様子を概略的に示す正面図であり、(a)はユーザA側のクライアントコンピュータ4Aの表示状態、(b)はユーザB側のクライアントコンピュータ4Bの表示状態、(c)はユーザC側のクライアントコンピュータ4Cの表示状態である。
【符号の説明】
1:井戸端会議システム
2:インターネット(ブロードバンドインターネット網)
3:サーバコンピュータ
4A〜4E:クライアントコンピュータ
5:アドレス取得手段
6:接続手段
10a:本体
10b:ディスプレイ
11:表示画面
12:スピーカー
13:カメラ
14:マイク
15a〜15e:ユーザ識別エリア
16a:第1表示エリア
16b,16c:第2表示エリア
17:信号受信手段
18:信号送信手段
19:表示制御手段

Claims (5)

  1. サービス提供側のサーバコンピュータと、登録ユーザ側の複数のクライアントコンピュータとを所定の手段を介して連結し、該クライアントコンピュータ同士を選択的に通信可能に接続する井戸端会議システムであって、
    前記サーバコンピュータは、
    前記複数のクライアントコンピュータの内の何れかから送信された対話要請信号に応答して、該対話要請信号の送信元のクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを取得し識別すると共に、該送信元のユーザが対話を要請する相手ユーザの1以上のクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを取得し識別して該クライアントコンピュータに対する呼出し信号を送信するアドレス取得手段と、
    前記アドレス取得手段からの呼出し信号に応答した前記相手ユーザのクライアントコンピュータと、前記送信元ユーザのクライアントコンピュータとを、前記所定の手段として使用するインターネットを介して相互に視認及び対話可能となるように接続する接続手段とを備える、
    ことを特徴とする井戸端会議システム。
  2. 前記クライアントコンピュータは、その対応する表示画面に、該表示画面に対面するユーザのリアルタイム映像を表示する第1表示エリアと、対話相手のユーザのリアルタイム映像を表示する1以上の第2表示エリアとを備える、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の井戸端会議システム。
  3. 前記クライアントコンピュータに備えた表示画面には、前記サービス提供側に予め登録された複数のユーザの名前及び/又は名称を表示する複数のユーザ識別エリアが設けられ、各ユーザ識別エリアの夫々にタッチスクリーンが設けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の井戸端会議システム。
  4. コンピュータを請求項1乃至3の何れか1項に記載の井戸端会議システムに含まれる前記アドレス取得手段及び前記接続手段として実現するための井戸端会議システム用プログラム。
  5. サービス提供側のサーバコンピュータと、登録ユーザ側の複数のクライアントコンピュータとを所定の手段を介して連結し、該クライアントコンピュータ同士を選択的に通信可能に接続する井戸端会議方法であって、
    前記サーバコンピュータが、前記複数のクライアントコンピュータの内の何れかから送信された対話要請信号に応答して、該対話要請信号の送信元のクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを取得し識別すると共に、該送信元のユーザが対話を要請する相手ユーザの1以上のクライアントコンピュータに対応するIPアドレスを取得し識別して該クライアントコンピュータに対する呼出し信号を送信する第1ステップと、
    前記サーバコンピュータが、前記アドレス取得手段からの呼出し信号に応答した前記相手ユーザのクライアントコンピュータと、前記送信元ユーザのクライアントコンピュータとを、前記所定の手段として使用するインターネットを介して相互に視認及び対話可能となるように接続する第2ステップとを備える、
    ことを特徴とする井戸端会議方法。
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