JP3582705B2 - 通信装置、通信システム及びサーバ - Google Patents

通信装置、通信システム及びサーバ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相手側の存在やその相手の状況、あるいは、相手からの呼びかけなどの働きかけを知覚する「アウェアネス」を認知し、1つ或いは複数の通信手段を用いて実行される通信タスクを切り替える通信装置、通信システム及びサーバに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、分散環境にある人と人のコミュニケーションに用いられる様々な通信タスクが提案されている。このような通信タスクとしては、電話や携帯電話、PHS等のリアルタイムな音声通信手段を用いたものが代表的なものである。例えば、携帯電話による通信では、着信者の状況や着信者を取り巻く環境等の如何に拘らず、ベル音やランプの明滅、或いは、端末筐体のバイブレーションを利用することによって強制的に着信通知を行い、着信者が着信通知に応答すると強制的にコミュニケーションが開始される。
【0003】
しかし、実際に着信者側が置かれている状況や着信者を取り巻く環境には種々の状態が想定され、その環境如何で、着信の通知方法を切り替える必要がある。例えば、携帯電話においては、着信音による着信通知を行ったとしても、着信通知によって、着信者の周りにいる人々の迷惑にならない状態としては、以下のような状況が想定される。
(状況1).着信者が、自宅、会社等にいる状況。
(状況2).着信者が自動車の運転中にある状況。
(状況3).着信者が歩行中にある状況。
また、着信音による着信通知を行うと、着信者の周りにいる人々の迷惑になる可能性があるため、バイブレーションによる着信通知を行うことが望ましい状態としては以下のような状況が想定される。
(状況4).着信者が会議中とか公共交通機関に乗車中である状況。
また、着信者が病院内にいる、或いは、無線基地局のセル内に在圏していないような状況下においては、蓄積型の音声通信手段を用いた留守番電話等の通信タスクへの切替が行われることとなる。
【0004】
しかし、実際に通信を行おうとする際には、着信者が会議中とか公共交通機関に乗車中にある状況下であるにも関わらず、着信者側が端末の操作を忘れる等の理由により音声による着信通知がなされてしまうことがある。また、着信者が歩行中にある状況下において周囲の騒音がうるさく、音声による着信通知に気がつかずに、通信を行うことが出来ないということがある。
【0005】
このように、実際の通信においては、着信者側が置かれている状況や着信者を取り巻く環境には様々な状態があり、着信者側の不注意等により、着信者にとって不本意な方法により、着信通知がなされてしまう等の問題が生じる。このため、着信者側が置かれている状況や着信者を取り巻く環境を知覚し認知することが必要となる。このように、着信者側が置かれている状況や着信者を取り巻く環境を知覚し認知することを「アウェアネス」という。また、このアウェアネスによって得られる情報をアウェアネス情報という。
【0006】
この着信者側のアウェアネス情報を得ることによって、着信者への着信通知を随時、適当に変更する装置が、特開平7−250132号公報(発明の名称:アウェアネス制御装置)において提案されている。
【0007】
同公報には、次のような通信の態様が開示されている。
まず、発信者は着信者のどのような、アウェアネス情報を知りたいのかを受信者に伝達する。
着信者側は、発信者側が得たいアウェアネス情報がどのような情報なのかを解析して各種センサの制御を行い、アウェアネス情報を生成して発信者側へ送信する。
発信者は着信者から返送されてきたアウェアネス情報を処理・表示することで着信者側の状況に応じた着信通知の方法を選択する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の電子機器の高性能化、低価格化、或いは、ネットワークの発達により、様々な通信手段を用いた通信タスクが利用されるに至っている。
このような通信タスクは、現在では1つの通信手段によるものだけではなく、複数の通信手段によるものも存在し、ユーザにとって通信タスクの選択の幅は拡大している。例えば、TV電話を実行する際には、音声による通信手段と動画像による通信手段の2つの通信手段を組み合わせて用いられている。
このようにユーザが選択し得る通信タスクの幅は広がったものの、ユーザが通信タスクを実行するに際しては、通信タスクの選択権が発信側のユーザにあり、発信しようとしているユーザが置かれている状況や取り巻く環境に従って通信タスクが選択されている現状にある。
しかし、実際に通信タスクを実行する場面では、着信側のユーザにとって最適な通信タスクの選択が行われていない場合、着信側のユーザが置かれている状況によっては、通信の目的を十分に達することが出来ないか、或いは、不十分なコミュニケーションで終わり、再度コミュニケーションを取り直さなければならなくなる可能性がある。このため、発信側のユーザは着信側のユーザの置かれている状況等を加味した上で通信タスクの選択を行うことが望ましい。
【0009】
例えば、着信者が、自宅、会社等にいて通信可能な状態にあり、周りの人々に迷惑を掛けることなく、会話を行うことが出来きるような状況下では、着信者が忙しいのか否かによって通信タスクの切り替えを行うのが好ましい。
例えば、着信者があまり忙しい状態にない場合、十分な時間をかけた通信タスクの実行が可能となる。このため、音声による通信手段と画像による通信手段を用いた通信タスク(TV電話、TV会議等)や音声のみによる通信手段を用いた通信タスク(電話、携帯電話等)、或いは、音声を伴わない方法で且つリアルタイムな通信手段を用いた通信タスク(チャット等)が望ましいであろう。
逆に、着信者が忙しい状態にある場合、蓄積型の通信手段を用いた通信タスク(電子メール、留守番電話等)が最適な通信タスクとなろう。
【0010】
また、着信者が会議中とか公共交通機関に乗車中であるため、周りの人々に迷惑を掛けることなく、会話を行うことが出来ないような場合、音声を伴わない方法で且つリアルタイムな通信手段を用いた通信タスクや蓄積型の通信手段を用いた通信タスクが最適な通信タスクとなる。
【0011】
このように、ユーザが置かれている状況によって最適な通信タスクは、変化するものである。
しかし、特開平7−250132号公報記載のアウェアネス制御装置では、着信通知の方法の切替を行うことは出来ても通信タスクの切替を行うことは出来ないという問題があった。
【0012】
そこで、この発明は、着信者側と発信者側の両方のユーザが置かれている状況やユーザを取り巻く環境を知覚し認知することによって、通信タスクを選択することのできる通信装置、通信システム及びサーバを提供することを目的とした。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の通信装置は、当該通信装置のユーザ置かれている状況を検出する検出手段と、前記検出手段によって検出されたユーザの状況を示すアウェアネス情報を生成するアウェアネス情報生成手段と、通信相手となるユーザが置かれている状況を示すアウェアネス情報を取得するアウェアネス情報取得手段と、前記アウェアネス情報生成手段によって生成されたアウェアネス情報と前記アウェアネス情報取得手段によって取得されたアウェアネス情報に基づいて、通信相手となるユーザが使用する通信機器との間で通信を行うための通信タスクを選択する通信タスク選択手段と、前記通信タスク選択手段により選択された通信タスクを実行し、前記通信機器との間で通信を行う通信手段と、を具備することを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の通信装置は、請求項1に記載の通信装置において、通信の態様が異なる通信手段を複数具備し、前記通信タスク選択手段は、前記アウェアネス情報生成手段によって生成されたアウェアネス情報と前記アウェアネス情報取得手段によって取得されたアウェアネス情報とに基づいて、複数の前記通信手段のうち1または複数の通信手段により実行可能な通信タスクを前記通信機器との間で通信を行うための通信タスクとして選択することを特徴とする。
請求項3に記載の通信装置は、請求項1に記載の通信装置において、前記通信タスク選択手段は、前記アウェアネス情報生成手段によって生成されたアウェアネス情報と前記アウェアネス情報取得手段によって取得されたアウェアネス情報とに基づいて、当該通信装置のユーザが置かれている状況と前記通信相手となるユーザが置かれている状況との両方に適した通信タスクを前記通信機器との間で通信を行うための通信タスクとして選択することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の通信装置は、請求項1〜請求項3に記載の通信装置において、前記アウェアネス情報生成手段によって生成されたアウェアネス情報を前記通信機器へ送出するアウェアネス情報送出手段を具備することを特徴とする。
請求項5に記載の通信装置は、請求項1〜請求項4に記載の通信装置において、前記検出手段は、当該通信装置のユーザの身体状況を検出し、前記アウェアネス情報生成手段によって生成される前記アウェアネス情報は、前記検出手段によって検出されたユーザの身体状況を表すパラメータが含まれることを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の通信装置は、請求項1〜請求項5に記載の通信装置において、前記検出手段は、当該通信装置のユーザの周辺に存在する通信機器を検出し、前記アウェアネス情報生成手段によって生成される前記アウェアネス情報は、前記検出手段によって検出されたユーザの周辺に存在する通信機器を表すパラメータが含まれることを特徴とする。
請求項7に記載の通信装置は、請求項1〜請求項6に記載の通信装置において、前記アウェアネス情報取得手段によって得されたアウェアネス情報を表示するアウェアネス情報出力手段を具備することを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の通信装置は、請求項1〜請求項7に記載の通信装置において、前記通信手段による通信によって前記通信機器へ送信される情報を入力するための入力手段を具備することを特徴とする。
請求項9に記載の通信装置は、請求項4に記載の通信装置において、前記アウェアネス情報送出手段は、前記検出手段によって検出されるユーザの状況が変化すると、変化後のユーザの状況を示すアウェアネス情報を前記通信機器へ送出することを特徴とする。
【0018】
請求項10に記載の通信装置は、請求項1〜請求項9に記載の通信装置において、前記通信タスク選択手段による通信タスクの選択モードを、
1.前記検出手段によって検出されるユーザの状況が通信タスクの開始時及び実行中に変化した場合には、変化後の該ユーザの状況を示すアウェアネス情報と前記アウェアネス情報取得手段によって取得されたアウェアネス情報とに基づいて通信タスクを自動的に選択し直す通信タスク自動切替モード
2.通信タスクの実行中は通信タスクの切り替えを行わず、通信タスク開始時にのみ、前記アウェアネス情報生成手段によって生成されたアウェアネス情報と前記アウェアネス情報取得手段によって取得されたアウェアネス情報とに基づいて通信タスクを自動で選択する通信タスク自動選択モード
3.ユーザの入力に従って、通信タスクの選択を行う通信タスク手動選択モード
の何れかに設定する設定手段を具備することを特徴とする。
【0019】
請求項11に記載の通信装置は、請求項1〜請求項10に記載の通信装置において、前記アウェアネス情報は複数のパラメータによって構成されており、前記複数のパラメータのうち通信相手に対して開示するパラメータを指定する指定手段を具備し、前記アウェアネス情報生成手段は、前記指定手段によって指定されたパラメータから構成されるアウェアネス情報を前記検出手段の検出結果に基づいて生成することを特徴とする。
【0020】
請求項12に記載の通信装置は、請求項1〜請求項11に記載の通信装置において、前記通信タスク選択手段は、前記アウェアネス情報生成手段によって生成されたアウェアネス情報と前記アウェアネス情報取得手段によって取得されたアウェアネス情報とに基づいて通信タスクの選択を行う際に、
条件1.「複数の通信タスクが選択された。」
条件2.「通信タスクが選択できなかった。」
条件3.「アウェアネス情報が不足していた。」
の条件のうち、何れかに合致しているか否かを判断し、合致している条件がない場合には、当該アウェアネス情報によって決定される前記通信タスクを選択する一方、合致している条件がある場合には、
1.「アウェアネス情報の通知を前記通信機器へ要求する。」
2.「アウェアネス情報が取れないときのアウェアネス情報のデフォルト値を決定してある場合には、そのデフォルト値に従って通信タスクの選択を行う。」
3.「当該通信装置のユーザに通信タスクの選択を依頼する。」
のうちの何れか1つの処理を実行することを特徴とする。
【0021】
請求項13に記載の通信装置は、請求項1〜請求項12に記載の通信装置において、前記アウェアネス情報生成手段によって生成されるアウェアネス情報と前記アウェアネス情報取得手段によって取得されるアウェアネス情報の各組合せ毎に、選択される通信タスクを定めたテーブルを具備し、前記通信タスク選択手段は、通信タスクを選択する際に、前記アウェアネス情報生成手段によって生成されたアウェアネス情報と前記アウェアネス情報取得手段によって取得されたアウェアネス情報の組合せ対応した通信タスクを前記テーブルから求めることを特徴とする。
【0022】
請求項14に記載の通信装置は、請求項1〜請求項13に記載の通信装置において、前記通信タスク選択手段は、前記アウェアネス情報生成手段によって生成されたアウェアネス情報或いは前記アウェアネス情報取得手段によって取得されたアウェアネス情報の何れか一方に変化が生じ、通信タスクを切り替える場合に、通信タスク切り替えることで通信料金が下がる場合には、通信タスクの切り替えを当該通信装置のユーザの同意を得ずに行う一方、通信タスク切り替えることで通信料金が上がる場合には、通信タスクの切り替えを行うに当たり当該通信装置のユーザに同意を求め、同意が得られた場合のみ、通信タスク切り替えることを特徴とする。
【0023】
請求項15に記載の通信システムは、発信側の通信装置と、着信側の通信装置と、サーバとを有する通信システムにおいて、前記サーバは、前記発信側の通信装置を使用するユーザが置かれている状況を示すアウェアネス情報と、前記着信側の通信装置を使用するユーザが置かれている状況を示すアウェアネス情報を取得するアウェアネス情報取得手段と、前記アウェアネス情報取得手段によって取得された発信側及び着信側アウェアネス情報に基づいて、前記発信側の通信装置と前記着信側の通信装置の間で通信を行うための通信タスクを選択する通信タスク選択手段と、前記通信タスク選択手段によって選択された通信タスクを前記発信側の通信装置と前記着信側の通信装置へ通知する通信タスク通知手段を具備し、前記発信側の通信装置と前記着信側の通信装置は、前記通信タスク通知手段により通知された通信タスクを実行して通信を行うことを特徴とする。
【0024】
請求項16に記載の通信システムは、請求項15に記載の通信システムにおいて、前記サーバは、前記アウェアネス情報取得手段によって取得された発信側のユーザのアウェアネス情報或いは着信側のユーザのアウェアネス情報に変化が生じた場合には、前記アウェアネス情報に変化が生じたユーザの通信相手に該ユーザの変化後のアウェアネス情報を通知するアウェアネス情報通知手段を具備することを特徴とする。
【0025】
請求項17に記載の通信システムは、請求項1に記載の通信システムにおいて、前記アウェアネス情報には、ユーザの身体状況を表すパラメータが含まれており、前記サーバは、前記アウェアネス情報取得手段によって取得された発信側及び着信側のアウェアネス情報から、発信側或いは着信側のユーザについて身体上の異常を検出する検出手段、前記検出手段によって身体上の異常が検出された発信側或いは着信側のユーザについて、予め定められた緊急連絡先へ、前記ユーザの身体に異常が発生したことを通知する異常通知手段と、を具備することを特徴とする。
【0026】
請求項18に記載のサーバは、信側の通信装置を使用するユーザが置かれている状況を示すアウェアネス情報と、着信側の通信装置を使用するユーザが置かれている状況を示すアウェアネス情報を取得するアウェアネス情報取得手段と、前記アウェアネス情報取得手段によって取得された発信側及び着信側アウェアネス情報に基づいて、前記発信側の通信装置と前記着信側の通信装置の間で通信を行うための通信タスクを選択する通信タスク選択手段と、前記通信タスク選択手段によって選択された通信タスクを前記発信側の通信装置と前記着信側の通信装置へ通知する通信タスク通知手段と、を具備することを特徴とする。
【0027】
請求項19に記載のサーバは、請求項18に記載のサーバにおいて、前記アウェアネス情報取得手段によって取得された発信側のユーザのアウェアネス情報或いは着信側のユーザのアウェアネス情報に変化が生じた場合には、前記アウェアネス情報に変化が生じたユーザの通信相手に該ユーザの変化後のアウェアネス情報を通知するアウェアネス情報通知手段を具備することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
[1]第1実施形態
[1.1]第1実施形態の構成
図1は、本実施形態に係るアウェアネス通信装置の構成を示すブロック図である。図1においては、特に図示していないが、ネットワーク内に複数のユーザがアウェアネス通信装置1、或いは、通信デバイスを接続している状態で存在している。
なお、本実施形態で示す通信タスクは、通信手段を用いて実行される通信活動全般を示しており、この通信タスクを実行するためには、それに適合した1つ、或いは、複数の通信手段を利用することとなる。
ここで、通信手段とは、リアルタイムの音声通信、リアルタイムの動画像通信、リアルタイムの文字通信、リアルタイムの三次元映像通信、オンラインのファイル共用、蓄積型の音声通信、蓄積型の画像通信、蓄積型の文字通信、蓄積型のホログラム通信等である。
つまり、通信タスクとは、電話、携帯電話、TV電話等をさし、電話という通信タスクを実行する際には、リアルタイムの音声通信手段が用いられる。
【0029】
図1において、アウェアネス通信装置1は、例えば、既存の携帯電話に対し、更に幾つかの機能を設けて複数の通信タスク実行することができるようにした装置である。
アウェアネス通信装置1によって実行される通信タスクとしては、電話、携帯電話等の音声による通信手段を用いたもの、TV電話等の音声による通信手段と画像による通信手段を用いたもの、チャット等の音声を伴ずにリアルタイムに通信を行うことが可能な通信手段を用いたもの、文字メッセージ、eメール等の文字情報による通信手段を用いたもの等が挙げられる。
このアウェアネス通信装置1は、入力部2、管理部3、入力手段制御部4、ユーザ状況検出部5、ユーザ状況解析部6、通信制御部7、状況ネゴシエーション部8、アウェアネス情報出力部9、通信タスク処理部10、出力手段制御部11、出力部12及び通信インターフェイス13から構成されている。
【0030】
入力部2は、例えば、プッシュボタン、カメラ、マイク等のモジュールが複合されたものであり、通信タスクを実行する際に相手方に送る入力情報を生成する装置である。
例えば、TV電話等の音声と画像による通信手段を用いた通信タスクを実行する際には、この入力部2におけるマイクによって音声情報を、カメラによって画像情報を生成し、相手方に送ることが可能である。また、この入力部2は、ネットワークを介して接続された他のユーザのアウェアネス通信装置のアドレスを指定したりすることに用いられる。
【0031】
出力部12は、例えば、LCD、スピーカ等のモジュールの集合体である。
この出力部12は、ネットワークを介して接続された相手方のユーザと通信タスクを実行する際、相手方のユーザの通信デバイスから送られてきた情報を音声や画像として出力する装置である。
【0032】
ユーザ状況検出部5は、ユーザの置かれている状況を検出する装置であり、ユーザの運動状況、ユーザの繁忙状況等を検出する装置である。このユーザ状況検出部5に用いる装置としては、例えば、GPS、カメラ、マイク、万歩計等の各種センサがある。
【0033】
このユーザ状況解析部6は、ユーザ状況検出部5からの検出結果を解析してアウェアネス情報を生成した後、管理部3、状況ネゴシエーション部8、通信制御部7に伝達する装置である。
【0034】
ここで、ユーザ状況解析部6によって生成されるアウェアネス情報について説明することにする。
本実施形態において、アウェアネス情報は、複数の状況パラメータの集合として表現される。これらの状況パラメータとして、例えば、ユーザAの身体上のパラメータP1がある。パラメータP1も更に下位のパラメータに細分化されており、その1つとして、例えば本人の運動状態を表すパラメータP1−1がある。このP1−1の内容によって表される本人の運動状態を列挙すると次の通りである。
1.パラメータP1−1=1………本人が静止している。
2.パラメータP1−1=2………本人が歩いている。
3.パラメータP1−1=3………本人が走っている。
4.パラメータP1−1=4………本人が公共交通機関に乗車中である。
5.パラメータP1−1=5………本人が自動車の運転中である。
6.パラメータP1−1=6………本人が自動車に乗車中である。
【0035】
また、ユーザの身体上のパラメータP1には、例えばユーザAを取り巻く騒音状況(1=静か、2=ややうるさい、3=うるさい等)を表すパラメータP1−2や、ユーザAの繁忙状況(1=忙しい、2=やや忙しい、3=手が空いている)を表すパラメータP1−3等も含まれている。このように、パラメータP1によって複数のユーザAの身体的な状況を複合的に把握することができる。
【0036】
このようなパラメータを得るためにユーザ状況検出部5には、様々な検出装置が設けられている。
例えば、運動状況パラメータであるパラメータP1−1を得るためにユーザ状況検出部5には、GPS、万歩計、カメラが設けられている。
また、騒音状況パラメータであるパラメータP1−2を得るためにユーザ状況検出部5には、マイクが用いられている。ユーザ状況解析部6は、このマイクの出力レベルを所定の閾値と比較することにより、上述のパラメータP1−2の値を求める。
更に、繁忙状況パラメータであるパラメータP1−3を得るためにユーザ状況検出部5には、カメラが設けられている。ユーザ状況解析部6は、このカメラによって撮影されたユーザの画像を監視することにより、上述のパラメータP1−3の値を検出する。
【0037】
また、アウェアネス情報は、入力部2及び出力部12として設けられているモジュールを表す状況パラメータP2を含んでいる。この状況パラメータP2は、LCDが設けられているか否かを表すパラメータP2−1、マイクが設けられているか否かを表すパラメータP2−2、スピーカが設けられているか否かを表すパラメータP2−3が含まれている。このように、複数のパラメータを組合せたパラメータP2により、アウェアネス通信装置1が実行可能な通信タスクを把握することが可能となる。
【0038】
状況ネゴシエーション部8は、ユーザのアウェアネス情報と通信制御部7を介して受信される通信相手のアウェアネス情報に基づいて、どの通信タスクを実行するかについてのネゴシエーションを行い、ネゴシエーションの結果を出力する装置である。
【0039】
管理部3は、アウェアネス通信装置1における動作の全体を制御する装置である。この管理部3は、状況ネゴシエーション部8によって得られるネゴシエーション結果に基づき通信タスク切り替え命令を出力する。
【0040】
入力手段制御部4は、管理部3からの通信タスク切り替え命令に従って入力部2の入力手段を通信タスクに対応したものへと切り替えを行う装置である。
例えば、通信タスクとしてTV電話が選択されると入力手段制御部4は、音声通信用としてマイクを動画像通信用としてカメラを入力部2のモジュールとして選択する。
【0041】
出力手段制御部11は、管理部3からの通信タスク切り替え命令に従って出力部12の出力手段を通信タスクに対応したものに切り替えを行う装置である。
例えば、通信タスクとしてTV電話が選択されると出力手段制御部11は、音声通信用としてスピーカを動画像通信用としてLCDを出力部12のモジュールとして選択する。
【0042】
アウェアネス情報出力部9は、通信相手となるユーザのアウェアネス情報及び状況ネゴシエーション部8でのアウェアネス情報のネゴシエーションの終了を表示する装置である。
【0043】
通信タスク処理部10は、管理部3からの通信タスクの切り替え命令に従って、入力部2からの入力情報及び出力部1への出力情報を所定の形式に組み替える装置である。
【0044】
通信制御部7は、例えば、エンコーダ・デコーダであり、管理部3からの通信タスク切り替え命令に基づき、選択された通信タスクの実行に必要な通信手段に対応した符号化の方法及び通信プロトコルに従って、情報の変換を行う装置である。また、通信タスク実行時とアウェアネス情報伝送時では、通信プロトコルが異なるため、所定のプロトコルに切り替えることも可能である。
【0045】
通信インターフェイス部13は、ネットワークと接続した場合に情報の授受を可能にするインターフェイスである。
この通信インターフェイス部には、無線基地局(図示せず)との通信を行うための無線通信装置(図示せず)が含まれている。
【0046】
[1.2]第1実施形態の動作
[1.2.1]初期設定時の動作
アウェアネス通信装置1は、電源が投入されると初期設定を行う。
この初期設定時には、ユーザが入力部2を操作することによって以下の2つの設定を行うことが可能である。
設定1.アウェアネス情報の開示範囲の設定
設定2.通信タスクの切替方法の設定
また、この初期設定においては、相手のアウェアネス情報が不足している場合のパラメータのデフォルト時のラベルの設定も行われる。
このデフォルト時のラベルについては、後に詳細を述べる。
【0047】
以下、これら設定1及び設定2について説明する。
(a)アウェアネス情報の開示範囲の設定
ユーザは、初期設定時に入力部2を任意に操作することによって、アウェアネス情報の開示範囲を設定することができる。この開示範囲の設定は、各パラメータ毎に行うことができる。
なお、各通信相手毎に、例えば当該ユーザの人間関係などに応じて、どのパラメータを開示し、どのパラメータを開示しないかという設定が可能である。
【0048】
例えば通信相手となるユーザが親しい間柄の相手であれば、アウェアネス情報を構成する全てのパラメータを通信相手となるユーザに通知するように設定すれば良い。この場合、ユーザ本人がどのような状況にあるのかを正確に伝達することが可能となる。
親が子供にこの装置を持たせて置くような場合を考えると理解し易いであろう。このような場合、親は、子供にアウェアネス通信装置1を携帯させ、更に、子供に携帯させるアウェアネス通信装置1に対し、子供側のアウェアネス情報の全パラメータを通知するように開示範囲の設定を行う。このようにしておけば、親は、子供が何処にいて、どのような状況にあるのかを把握することができる。
【0049】
逆に、ユーザAが余り親しい間柄では無い相手である場合には、アウェアネス情報の開示範囲を予め狭く設定することとなろう。このときの設定は、アウェアネス情報のうちで通信相手となるユーザに知られたくないパラメータについては開示しない等という設定となる。
例えば、パラメータP1−1、P1−2、P2−1〜P2−5は開示するが、パラメータP1−3は開示しない等と設定しておけば、ユーザのプライバシーを保護することが可能となる。
【0050】
また、通信相手となるユーザが全く知らない相手、或いは、自分の状況を知られたくない相手である場合、アウェアネス情報を全く通知しないように設定することとなろう。この場合、通信相手となるユーザには、一切パラメータが開示されない。
【0051】
アウェアネス情報の開示範囲の設定は、ユーザが入力部2を操作することによって任意に変更可能であり、この入力部2での操作は管理部3によって監視される。このとき、設定されたアウェアネス情報の開示範囲は、管理部3によって記憶される。
【0052】
(b)通信タスクの切替方法の設定
初期設定においては、通信タスクの切替モードとして、以下の何れかのモードを選択することができる。
1.通信開始時のみならず、通信タスクの実行中であっても、アウェアネス情報のネゴシエーション結果に基づいて最適な通信タスクを自動的に選択する、通信タスク自動設定モード。
2.通信タスクの実行中は通信タスクの切り替えを行わず、通信開始時にのみ、アウェアネス情報のネゴシエーション結果に基づいて最適な通信タスクを自動的に選択する、通信開始時通信タスク自動設定モード。
3.ユーザの入力に従って、通信タスクの選択を行う、通信タスク手動設定モード。
ユーザは、これらのモードを選択することによって、通信タスクの選択方法を切り替えることができる。
【0053】
例えば、ユーザが通信タスク自動設定モードを選択した場合、通信タスクの実行中にユーザを取り巻く状況が変化したときには、アウェアネス情報に基づいて最適な通信タスクが選択される。つまり、TV電話による通信を行っている途中に、急な用事によってユーザが外出しなければならなくなったとき等、ユーザ状況検出部5によってユーザを取り巻く環境に変化が確認されると音声による通信タスクに切り替えがなされる。
【0054】
また、ユーザが通信開始時通信タスク自動設定モードを選択している場合、通信要求がなされたときのユーザを取り巻く状況等によって最適な通信タスクが選択される。
ただし、このモードを選択している場合には、TV電話による通信タスクの実行中に、急な用事によってユーザが外出しなければならなくなった場合等、ユーザを取り巻く環境に変化が生じたとしても、通信タスクの自動切り替えは行われない。しかし、外出しないにも係わらず、ユーザ状況検出部5により移動が検出された場合などは、ユーザの意図しない通信タスクへ切り替わってしまうことを防止することができる。
【0055】
また、ユーザが通信タスク手動設定モードを選択しているときには、発信側、受信側のアウェアネス情報によって通信タスクの切り替えが行われることはなく、常にユーザが選択した通信タスクを実行することが可能となる。
【0056】
これらの通信タスクの切り替えモードは、アウェアネス情報の開示範囲の設定と同様にユーザが入力部2を操作することによって任意に変更可能であり、この入力部2での操作は管理部3によって監視される。このとき、設定された通信タスクの切り替えのモードは、管理部3によって記憶される。
【0057】
[1.2.2]通信タスクの選択時の動作
図2は、ネットワークを介して通信タスクを実行する状態を示す図である。図2において、Aは発信側のユーザであり、Bは着信側のユーザである。また、ユーザA、B共に図1に示したアウェアネス通信装置1a、1bによって発信及び着信を行うものとし、ネットワーク内には、様々な通信デバイスが存在しているものとする。
なお、以下の説明では、ユーザA側のアウェアネス通信装置及びその構成要素については、図1において使用される各符号に“a”を付加した符号を各々を特定するために使用し、ユーザB側のアウェアネス通信装置及びその構成要素については、図1において使用される各符号に“b”を付加した符号を各々を特定するために使用する。
【0058】
以下、図2を参照し、様々な状況下において行われる通信タスクの選択について述べることにするが、まず、通信タスクの選択が行われる契機を列挙する。
契機1.一方のユーザ側から、通信相手となるユーザ側にアクセスがなされた場合
契機2.通信タスクの実行中に一方のユーザのアウェアネス情報に変化が生じた場合
契機1の場合に通信タスクの選択が行われるためには、通信タスク自動設定モード、或いは、通信開始時通信タスク自動設定モードが選択されている必要がある。
一方、契機2の場合に通信タスクの選択が行われるためには、通信タスク自動設定モードが選択されている必要がある。
【0059】
以下、各場面に分けて、通信タスクの選択動作を説明する。
(a)ユーザA側、ユーザB側が共に通信タスクの実行が可能な状況下にある
場合
着信側のユーザBが通信可能な状況にある場合に発信側のユーザAからアクセスがなされた場合を考える。
ただし、ユーザA、ユーザB双方ともに通信タスク自動設定モード、或いは、通信開始時通信タスク自動設定モードを選択しているものとする。
ユーザAがアウェアネス通信装置1aに設けられた入力部2aを操作することによって、ユーザBのアドレスを指定すると、管理部3aは、通信制御部7aに対してネットワークとの接続命令を出力する。通信制御部7aは、この接続命令を受けるとネットワーク内に存在する着信側のユーザBのアウェアネス通信装置1bに対しアクセスを行う。この結果、アウェアネス通信装置1bとアウェアネス通信装置1aとの間にアウェアネス情報伝達のためのコネクションが確立される。
ここで、「アウェアネス情報伝達のためのコネクションが確立される」とは、通信制御部7aにアウェアネス情報伝達のための通信回線がつながって、通信制御部7aの通信プロトコル及び符号化の方法がアウェアネス情報伝達用に切り替わることをいう。以下、「アウェアネス情報伝達のためのコネクションが確立される」というときは、全てこの意味に用いる。
【0060】
また、ユーザA側がユーザB側にアクセスする際、ユーザA側からは、自分が誰であるのかを特定するための情報(ユーザAのアドレス等)が通知され、ユーザBはユーザAが誰であるのかを特定することが可能となる。このためユーザBがユーザAのアクセスを受け入れたくない場合には、この時点で通信タスクの実行を拒否することも可能である。
【0061】
その後、アウェアネス通信装置1aと1bの間でアウェアネス情報のネゴシエーションがとられ、通信タスクの選択が行われることとなる。
【0062】
図3は、ユーザA側のアウェアネス通信装置1aによって行われるネゴシエーションのフローチャート、図4は、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bの動作を示すフローチャートである。
【0063】
アウェアネス通信装置1aと1bの間にアウェアネス情報伝達のためのコネクションが確立されると、管理部3aは、通信相手となるユーザBに対応したアウェアネス情報の開示範囲に基づいてアウェアネス情報に組み込むパラメータを決定する。次に、管理部3aは、そのパラメータの指定を含んだアウェアネス情報生成命令をユーザ状況解析部6aに送る(ステップS4)。
このアウェアネス情報の開示範囲は、上述したように、初期設定時に通信相手となるユーザとの人間関係を考慮して予め定められたものである。
【0064】
ユーザ状況解析部6aは、管理部3aから、このアウェアネス情報生成命令を受けると、ユーザ状況検出部5aでの検出結果に基づいて、ユーザAのアウェアネス情報を生成する(ステップS5)。
【0065】
このようにして得られたユーザAのアウェアネス情報は、ユーザ状況解析部6aから状況ネゴシエーション部8aに伝達される。状況ネゴシエーション部8aは、ユーザAのアウェアネス情報を得ると、予め定義されたラベルT={T1、T2、T3………}の中から、ユーザAのアウェアネス情報の内容に対応したラベルを選択する(ステップS6)。さらに、詳述するならば、状況ネゴシエーション部8aでは、例えば、
T1={P1−1=1、P1−2=1、P1−3=1……}
T2={P1−1=2、P1−2=1、P1−3=1……}
と言う具合に、複数のラベルT1、T2……の各々についてアウェアネス情報を構成する各パラメータの値の組み合わせが定められている。状況ネゴシエーション部8aは、これら各ラベルのうち、ユーザ状況解析部6aから取得したアウェアネス情報の内容に対応したものを選択するのである。
【0066】
一方、管理部3aは、ユーザBのアウェアネス情報の通知依頼を通信制御部7aに送出する。この通知依頼は通信制御部7aによって符号化され、ネットワークを介してユーザB側のアウェアネス通信装置1bに送信される(ステップS1)。
【0067】
ユーザA側からアウェアネス情報の通知依頼を受けると、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bでは、図4に示すルーチンが実行されることとなる。
まず、通信制御部7bは、この通知依頼を所定の形式に従って復号した後、この復号した通知依頼を管理部3bへ通知する(ステップS101)。
管理部3bは、この通知依頼がネゴシエーションの終了通知ではないことを確認すると、上述したユーザA側から通知されたユーザAを特定するための情報(ユーザAのアドレス等)からユーザAの特定を行う。(ステップS102)。
次に、管理部3bは、通信相手となるユーザAに対応したアウェアネス情報の開示範囲に基づいてアウェアネス情報に組み込むパラメータを決定し、その決定に基づいてユーザ状況解析部6bにアウェアネス情報生成命令を送る(ステップS103)。
【0068】
次に、ユーザ状況解析部6bは、アウェアネス情報生成命令に従って、ユーザ状況検出部5bによって、検出された各パラメータの中から開示範囲内のものを選択し、ユーザBのアウェアネス情報を生成する。このようにして生成されたユーザBのアウェアネス情報は、ユーザ状況解析部6bから通信制御部7bへ送られ、通信制御部7bでは受け取ったユーザBのアウェアネス情報を符号化してユーザA側のアウェアネス通信装置1aへと送信する(ステップS105)。
ステップS105実行後、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bでは、再度ユーザA側からアウェアネス情報の再通知依頼、或いは、ネゴシエーション終了通知なされるまで、ルーチンが実行されない。
アウェアネス情報の再通知依頼及びネゴシエーション終了通知については、後述する。
【0069】
一方、ユーザB側からアウェアネス情報の返答がなされると、ユーザA側のアウェアネス通信装置1aでは、図3のステップS2が実行されることとなる。ステップS2では、通信制御部7aによって、ユーザB側からのアウェアネス情報が所定の形式に従って復号され、状況ネゴシエーション部a及びアウェアネス情報出力部9aに通知される。
【0070】
ユーザA側のアウェアネス情報出力部9aは、ユーザBのアウェアネス情報を受け取ると、ユーザBの状況を表示する。
この場合、ユーザBの状況をアウェアネス情報出力部9aに直接画像、音声、位置として出力しても良いし、アウェアネス情報出力部9aの表示画面にアイコン表示させるようにしても良い。
【0071】
状況ネゴシエーション部8aは、ユーザBのアウェアネス情報を得ると、予め定義されたラベルR={R1、R2、R3………}の中から、ユーザBのアウェアネス情報の内容に対応したラベルを選択する(ステップS3)。
ユーザA、ユーザBのラベル(ラベルT、ラベルR)が決定されると、状況ネゴシエーション部8aは、ラベルTとラベルRに基づいて通信タスクを選択する(ステップS7)。このステップS7の処理内容について、詳述すると次の通りである。
【0072】
まず、状況ネゴシエーション部8aは、図5に例示するネゴシエーションテーブルを記憶している。
このネゴシエーションテーブルは、ラベルTの値及びラベルRの値の各組み合わせ毎に通信タスクを定義したテーブルである。図5において、Cxyは、ユーザAのラベルがTx、ユーザBのラベルがRyのときに実行可能な通信タスクを表すラベルであり、ユーザの置かれている状況によっては複数の通信タスクを表すこともある。
状況ネゴシエーション部8aは、ユーザAのラベルT、ユーザBのラベルRが与えられると、これらのラベルの組み合わせに対応した通信タスクのラベルを選択し、このラベルに従って、ユーザA及びユーザB間で実行する通信タスクを決定する。
例えば、ユーザA、ユーザB双方とも、会社でデスクに座っている状態にあるとする。このとき、ユーザAに与えられるラベルがT3、ユーザBに与えられるラベルがR3であるとすると、ネゴシエーションテーブルから選択されるラベルはC33となる。このとき、ラベルC33によって定義される通信タスクとしては、電話、TV電話、eメール等がある。このラベルC33に対応した通信タスクがユーザA及びユーザB間の通信のための通信タスクとして選択されるのである。
【0073】
なお、T_DftはユーザA側のデフォルト時のラベル、R_DftはユーザB側のデフォルト時のラベルを表している。
このデフォルト時のラベルは、初期設定時に定められるものであり、通信相手からアウェアネス情報を得られない場合には、このデフォルト時のラベルに従って、通信タスクの決定が行われることとなる。
【0074】
次に、状況ネゴシエーション部8aは、ネゴシエーションの結果を管理部3aへと通知する。管理部3aは、選択された通信タスクが以下に示す条件に合致しているか否かを判断する(ステップS8)。
条件1.複数の通信タスクが選択された。
条件2.通信タスクが選択できなかった。
条件3.アウェアネス情報が不足していた。
ステップS8での判断の結果、条件1〜3の中に1つも合致している条件がなければ、管理部3aは、状況ネゴシエーション部8aに対し、ネゴシエーションの終了を命令する。
状況ネゴシエーション部8aは、ネゴシエーションの終了命令を受けるとネゴシエーションを終了し、ネゴシエーションの結果及び終了した旨をアウェアネス情報出力部9a、管理部3a及びユーザB側のアウェアネス通信装置1bに通知する(ステップS9)。
【0075】
また、管理部3aは、ステップS8での判断の結果1〜3の条件に合致するものと判断すると、ステップS10を実行して以下に示す3通りのルーチンの中から1つのルーチンを選択する。
ルーチン1.再度アウェアネス情報の通知をユーザB側に依頼する(ステップS13)。
ルーチン2.アウェアネス情報が取れないときのデフォルトラベルを決定してある場合には、そのデフォルトラベルに従って通信タスクの選択を行う(ステップS11)。
ルーチン3.ユーザに通信タスクの選択を依頼する(ステップS12)。
【0076】
例えば、複数の通信タスクが選択された場合には、ルーチン3(ステップS12)を実行して、ユーザAに複数の通信タスクの中から1つを選択させることとなる。
【0077】
また、アウェアネス情報が不足していると判断された場合には、ユーザBがアウェアネス情報を開示しないように設定しているのか、通信過程で情報の抜けが生じたのかを判断し、実行するルーチンを変更する。
通信過程でアウェアネス情報の抜けが生じたと判断したならば、ルーチン1(ステップS13)を実行して、アウェアネス情報の再転送を要求することになる。これに対しユーザBがアウェアネス情報の開示を行わないように設定しているために、アウェアネス情報の不足が生じているならば、ルーチン2(ステップS11)を実行して、デフォルト時のラベルに従って、通信タスクの選択を行うことになる。
【0078】
また、通信タスクが選択できなかった場合には、アウェアネス情報が不足している場合と同様に、ユーザBの設定によって通信タスクの選択が行われないようになっているのか、他の理由により通信タスクの選択が不可能であったのかを判断し、実行するルーチンを変更する。
【0079】
ルーチン1を実行して、アウェアネス情報の再転送をユーザB側に依頼した場合(ステップS1)、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bでは、再度、図4のステップS101〜S104が実行され、アウェアネス情報の生成が行われ、ユーザA側にアウェアネス情報が通知されることとなる。
【0080】
このようにして通信タスクが選択され、状況のネゴシエーションが終了すると、状況ネゴシエーション部8aからネゴシエーションの結果と終了した旨の通知がアウェアネス情報出力部9a、管理部3a及びユーザB側のアウェアネス通信装置1bに行われる(ステップS9)。
【0081】
一方、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bでは、ネゴシエーションの終了通知を受けると、図4のルーチンが実行され、ステップS101で複合を行った後、ステップS102を実行して、管理部3bでネゴシエーションの終了通知がなされたことを確認し、ネゴシエーションが終了することとなる。
【0082】
また一方、アウェアネス情報出力部9a、9bは、ネゴシエーションの終了通知を受けると、状況ネゴシエーションが終了した旨と選択された通信タスクが何であるのかを表示する。
【0083】
次に、状況のネゴシエーションが終了した後、ネゴシエーションの結果に基づいて、通信タスクの切り替えが行われる過程について説明する。
【0084】
まず、ユーザA側のアウェアネス通信装置1aでは、ネゴシエーションの結果に基づいて、管理部3aから通信制御部7a及び通信タスク処理部10a、入力手段制御部4a、出力手段制御部11aに通信タスクの切り替え命令が通知される。
【0085】
この通信制御部7a宛の通信タスクの切り替え命令には、通信プロトコルの切り替え命令と符号化の方法の切り替え命令が含まれている。この通信タスクの切り替え命令を受信すると、通信制御部7aは、選択された通信タスクの実行に必要な通信手段に対応するように通信プロトコル及び符号化の方法を切り替える。
【0086】
また、入力手段制御部4a、出力手段制御部11aは、この通信タスクの切り替え命令を受けると、入力部2aでの入力手段及び出力部12aにおける出力手段を選択された通信タスクに対応したものへと切り換える。そして、通信タスク処理部10aは、通信タスクの切り替え命令を受けると、入力部2aからの入力情報及び出力部1aへの出力情報を所定の形式に組み替える。
【0087】
例えば、この通信タスク切り替え命令によって、TV電話への切り替え命令が通知されたとする。このとき、通信手段としてリアルタイムの音声通信手段とリアルタイムの動画像通信手段が必要となる。このため、入力手段制御部4aは、入力部2aとしてカメラ及びマイクを選択し、通信タスク処理部10aとの接続命令を通知する。同様に、出力手段制御部11aは、出力部12aとしてLCDとスピーカを選択して、通信タスク処理部10aとの接続命令を通知する。そして、これら入力部2a(マイク及びカメラ)及び出力部12a(LCD及びスピーカ)と通信タスク処理部10aとの接続がなされると、通信タスク処理部10aは、これら画像情報と音声情報を所定の形式に組み替える。
【0088】
一方、ユーザB側のアウェアネス通信装置1b側では以下のようにして通信タスクの切り替えが行われる。
まず、ユーザA側の状況ネゴシエーション部6aから、ユーザB側の通信制御部7bを介して管理部3bへとネゴシエーションの結果が通知される。ネゴシエーションの結果が通知されると、管理部3bは、通信制御部7b及び通信タスク処理部10b、入力手段制御部4b、出力手段制御部11bに通信タスクの切り替え命令を送出する。
【0089】
この通信制御部7b宛の通信タスクの切り替え命令には、通信プロトコルの切り替え命令と符号化の方法の切り替え命令が含まれている。この通信タスクの切り替え命令を受信すると、通信制御部7bは、選択された通信タスクの実行に必要な通信手段に対応するように通信プロトコル及び符号化の方法を切り替える。
【0090】
また、入力手段制御部4b、出力手段制御部11bは、この通信タスクの切り替え命令を受けると、入力部2bでの入力手段及び出力部12bでの出力手段を通信タスクに対応したものに切り換える。そして、通信タスク処理部10bは、通信タスクの切り替え命令を受けると、入力部2bからの入力情報及び出力部12bへの出力情報を所定の形式に組み替える。
このようにして、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bの通信タスクの切り替えが行われる。
【0091】
一方、選択された通信タスクでは適当ではないため、ユーザが他の通信タスクに切り替えたいと考えた場合には、入力部2を操作することによって通信タスクの変更を行うことができる。
例えば、ユーザBが、他の通信タスクをリクエストしたいと考えたときには、ユーザBが入力部2bを操作して他の通信タスクを選択することとなる。ユーザBによって、他の通信タスクの選択がなされると、ユーザB側の管理部3bからユーザA側に他の通信タスクが選択された旨が通知され、アウェアネス情報出力部9aに「〜の通信タスクが選択されましたが問題ないでしょうか。同意いただける場合には1を、同意いただけない場合には0を入力して下さい」等のメッセージが表示され、ユーザAの同意を求める。ユーザAが入力部2aを操作することによって同意した意志(この場合1)が入力されると、その入力結果がユーザB側の管理部3bに通知される。ユーザA側からの同意が得られると、選択された通信タスクに従って管理部3bから通信タスクの変更命令が通信制御部7b、通信タスク処理部10b、入力手段制御部4b、出力手段制御部11bに通知されることによって、ユーザB側の通信タスクの変更が行われる。
一方、ユーザA側では、管理部3aから通信制御部7a、通信タスク処理部10a、入力手段制御部4a、出力手段制御部11aに通知されることによって、ユーザA側の通信タスクの変更が行われる。
この通信タスクの変更は、ユーザA、ユーザBのどちら側でも行うことが可能である。また、この通信タスクの変更は、通信タスクの実行中であっても行うことが可能である。
【0092】
ところで、この通信タスクは、双方のユーザ(A及びB)の置かれている状況によって、異なったものが選択される場合がある。この場合、異なった通信タスクであっても、双方のユーザは各々所望の通信タスクの実行が可能である。つまり、一方のユーザからは映像による通信手段と音声による通信手段を用いて、他方のユーザからは音声による通信手段のみを用いて通信を行うことが許容されると言うことである。
例えば、通信教育において遠隔授業が行われる場合には、先生側からの情報は、音声と画像を伴ったものが必要であるが、生徒側からの情報は音声のみで十分であるというシチュエーションが発生する。この場合、先生側と生徒側とで異なった通信タスクが実行されることとなる。
【0093】
(b)ユーザA側からユーザB側にアクセスがなされたがユーザBが応答できない場合
次に、ユーザAがユーザBにアクセスし、ユーザBとの間にアウェアネス情報伝達のためのコネクションが確立したのにもかかわらず、ユーザBが応答できない状況にある場合を考える。ただし、ユーザA、ユーザB双方ともに通信タスク自動設定モード、或いは、通信開始時通信タスク自動設定モードが選択されているものとする。
この場合、ユーザAのアウェアネス情報が一度ユーザB側に送信され、ユーザB側のアウェアネス情報出力部9bに表示されることとなる。もし、ユーザBからのアクセスがなされるまでの間にユーザAの状況に変化が生じた場合には、再度、ユーザAのアウェアネス情報がユーザB宛に送信され、アウェアネス情報出力部9b上に表示される。このため、ユーザBが通信可能な状態になったときに、ユーザAが通信不能な状況になっていれば、アウェアネス情報出力部9bの出力結果を確認することでユーザAが通信不能な状況であることを判断することが可能となる。
また、ユーザAが通信可能な状況にあると判断されたときには、ユーザB側からユーザAにアクセスを行えば、再度、アウェアネス情報のネゴシエーションがとられ、通信タスクの選択が行われることとなる。
【0094】
上述の状況を更に具体的に説明する。
いま、ユーザAがユーザBに急用等があってアクセスをしたがユーザBが商談中等の理由により通信を行うことのできる状態ではなかった場合、ユーザBの商談が終了して、ユーザBが通信可能な状態となり、ユーザAとの通信タスクを実行することが可能となったものとする。
この場合、ユーザBはアウェアネス情報出力部9b上に表示されたユーザAの状況を把握して、ユーザAが通信可能か否かを把握することが可能となる。
【0095】
例えば、ユーザBが通信可能となった時点でユーザAが通信不能な状態になっている場合、ユーザBは、ユーザAのアウェアネス情報に基づいてユーザAが既に通信不能な状態に有ることが把握できる。このため、ユーザBは、ユーザAへのアクセスを行わない。
【0096】
逆に、ユーザAが通信可能であると判断されると、ユーザBが入力部2bを操作する。そして、ユーザA側から既に通知されているアウェアネス情報に従って、ユーザB側でアウェアネス情報のネゴシエーションを行い、アウェアネス情報のネゴシエーションが終了するとネゴシエーションの結果と終了がアウェアネス情報出力部9b、管理部3b及びユーザA側のアウェアネス通信装置1aに通知される。
【0097】
ネゴシエーションの結果が管理部3bに通知されると、管理部3bでは、このネゴシエーションの結果に基づいて、通信タスクの切り替え命令が管理部3bから通信制御部7b及び通信タスク処理部10b、入力手段制御部4b、出力手段制御部11bに通知される。
【0098】
この通信制御部7b宛の通信タスクの切り替え命令には、通信プロトコルの切り替え命令と符号化の方法の切り替え命令が含まれている。この通信タスクの切り替え命令を受信すると、通信制御部7bは、選択された通信タスクの実行に必要な通信手段に対応するように通信プロトコル及び符号化の方法を切り替える。
【0099】
また、入力手段制御部4b、出力手段制御部11bは、この通信タスクの切り替え命令を受けると、入力部2bでの入力手段及び出力部12bでの出力手段を通信タスクに対応したものへ切り換える。そして、通信タスク処理部10bは、通信タスクの切り替え命令を受けると、入力部2bからの入力情報及び出力部12bへの出力情報を所定の形式に組み替える。
【0100】
一方、ユーザB側の状況ネゴシエーション部8bで行われたネゴシエーションの結果は、ユーザA側のアウェアネス通信装置1a内に設けられた管理部3aに通知される。管理部3aでは、ユーザB側からのネゴシエーション結果に基づいて通信タスクの切り替え命令を通信制御部7a及び通信タスク処理部10a、入力手段制御部4a、出力手段制御部11aに通知する。
【0101】
この通信制御部7a宛の通信タスクの切り替え命令には、通信プロトコルの切り替え命令と符号化の方法の切り替え命令が含まれている。この通信タスクの切り替え命令を受信すると、通信制御部7aは、選択された通信タスクの実行に必要な通信手段に対応するように通信プロトコル及び符号化の方法を切り替える。
【0102】
また、入力手段制御部4a、出力手段制御部11aは、この通信タスクの切り替え命令を受けると、入力部2aでの入力手段及び出力部12aでの出力手段を通信タスクに対応したものに切り換える。そして、通信タスク処理部10aは、通信タスクの切り替え命令を受けると、入力部2aからの入力情報及び出力部12aへの出力情報を所定の形式に組み替える。
このようにして、アウェアネス通信装置1a側の通信タスクの切り替えが終了する。
【0103】
以上述べたように、通信タスクの選択がなされると、アウェアネス通信装置1aと1bの間での通信タスクの実行が可能となる。
【0104】
(c)ネットワーク内のサーバを介してユーザが不特定多数のユーザと通信
タスクを実行する場合
次に、図6は、ネットワーク中のサーバ1000を介してユーザAと不特定多数のユーザが通信を行う状態を示す図である。図6においては、ユーザA、B−1〜B−n共に図1に示したアウェアネス通信装置1a、1b−1〜1b−nによって発信及び受信を行っているものとする。
【0105】
電子コミュニティ等の通信タスクではユーザAがサーバ1000にアクセスし、ある特定の話題に対し不特定多数のユーザからの参加を待つというシチュエーションが想定される。
このようなシュチュエーションとしては、ユーザAがコンサートの帰りに、それまで観ていたコンサートの内容について誰かと話したいと考え、電子コミュニティに参加した場合などが考えられる。
このような場合、ユーザAは自分のアウェアネス情報をどの程度まで開示するかを決定し、サーバ1000にアクセスする必要がある。このサーバ1000へのアクセスがなされると、ユーザAのアウェアネス情報は、サーバ1000にアクセスしてきた不特定多数のユーザB−1〜B−nに開示される状態となる。
【0106】
その後、ユーザB−1〜B−nからサーバ1000に対しアクセスがなされると、ユーザB−1〜B−nとの間にアウェアネス情報伝達のためのコネクションが確立される。そして、ユーザAの開示しているアウェアネス情報がアウェアネス通信装置1b−1〜1b−nによって取得される。
【0107】
ユーザAのアウェアネス情報が開示されるとアウェアネス通信装置1b−1〜1b−nは、自分のアウェアネス情報とのネゴシエーションをとることとなる。このときユーザAが通信可能である場合には、ユーザAとユーザB−1〜B−nの間で通信タスクの実行が可能となる。もし、このときユーザAが通信不能な状況にある場合、アウェアネス情報出力部9b−1〜9b−nにユーザAの状況が表示されるため、ユーザB−1〜B−nは、ユーザAとの通信タスクを実行して、ユーザAからのリアクションを待つ必要が無くなる。
【0108】
(d)ユーザAとの通信タスク実行中にユーザBの状況が変化した場合
いま、ユーザA、ユーザB共に上述した通信タスク自動設定モードを選択している状態で、ユーザAとユーザBが通信タスクを実行しているものとする。この場合にユーザAの置かれている状況に変化が生じた場合を考える。
ただし、ユーザA、ユーザB共に通信タスクの選択が行える程度にアウェアネス情報を開示しているものとする。
【0109】
いま、ユーザAが歩行中に音声による通信手段のみを用いる通信タスク(電話等)を実行している途中で電車等の公共交通機関に乗車したものとする。
この場合、ユーザA側のユーザ状況検出部5aでユーザAが公共交通機関に乗車したことが検出される。
【0110】
ユーザAが公共交通機関に乗車したことが検出されると、管理部3aは、上述した初期設定時に行ったアウェアネス情報の開示範囲の設定と比較して判断し、この開示範囲に基づいてアウェアネス情報に組み込むパラメータを決定して、ユーザ状況解析部6aにアウェアネス情報生成命令を送る(ステップS4)。
【0111】
この生成命令を受けるとユーザ状況解析部6aは、ユーザAが公共交通機関に乗車した旨のアウェアネス情報を生成し、状況ネゴシエーション部8aにそのアウェアネス情報を送る(ステップS5)。ユーザAが公共交通機関に乗車した旨のアウェアネス情報を受けると状況ネゴシエーション部8aは、そのユーザAのアウェアネス情報の内容に対応したラベルTを選択する(ステップS6)。
【0112】
一方、管理部3aは、通信制御部7aにユーザBのアウェアネス情報の通知依頼を通信制御部7aに送出する。この通知依頼は通信制御部7aによって符号化されてネットワークを介してユーザB側のアウェアネス通信装置1bに送信される(ステップS1)。
ユーザA側からアウェアネス情報の通知依頼を受けると、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bでは、上述したように、図4に示すルーチンが実行されることとなる。
つまり、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bでは図4のステップS101〜S105が実行され、ユーザBのアウェアネス情報が生成された後、ユーザA側のアウェアネス通信装置1aへと通知される。
ユーザB側のアウェアネス通信装置1bでは、ステップS105実行後、再度ユーザA側からアウェアネス情報の再通知依頼、或いは、ネゴシエーション終了通知なされるまで、ルーチンが実行されない。
【0113】
一方、ユーザB側からアウェアネス情報の返答がなされると、ユーザA側の状況ネゴシエーション部8aは、得られたユーザBのアウェアネス情報の内容に対応したにラベルRを選択する(ステップS2、S3)。
【0114】
ユーザA、ユーザBのラベル(ラベルT、ラベルR)が決定されると、状況ネゴシエーション部8aは、ラベルTとラベルRを図5に示したネゴシエーションテーブルに照らし合わせて通信タスクを選択する(ステップS7)。
【0115】
以降、上述してきたのと同様にステップS8〜S13を実行した後、状況のネゴシエーションが終了し通信タスクが切り替えられることとなる。
この場合、ユーザAが公共交通機関に乗車した状態であるので音声を伴う通信手段を用いた通信タスクは選択されず、リアルタイムな文字通信手段を用いた通信タスクが選択されることとなる。
【0116】
以上述べてきたように、通信タスクの実行中にユーザの置かれている状況が変化した場合には、変化後の状況に合わせて通信タスクの切り替えが行われることとなる。
ただし、この際の切り替え方法には、幾つかの法則が存在する。この法則について以下に示す。
1.通信タスクの切り替え前後で通信料金が下がる場合には、通信タスクの切り替えがユーザの同意を得ずに行われる。
2.通信タスクの切り替え前後で通信料金が上がる場合には、通信タスクの切り替えが行われるに当たり、ユーザ側に同意を求め、同意が得られた場合のみ、通信タスクの切り替えが行われる。
このユーザからの同意を得る方法としては、アウェアネス情報出力部9aに「〜の通信タスクが選択されましたが問題ないでしょうか。同意いただける場合には1を、同意いただけない場合には0を入力して下さい」等のメッセージが表示されるようにしても良い。
【0117】
ただし、ユーザが通信タスクの選択を行うのに十分なアウェアネス情報を開示していない場合、或いは、ユーザが通信開始時通信タスク自動設定モードや通信タスク手動設定モードを選択している場合、通信タスクが自動で切り替わることはない。このような場合、ユーザが通信タスクを手動で切り替える必要がある。
【0118】
このようにして、第1実施形態に係るアウェアネス通信装置1は、発信側と受信側のユーザのアウェアネス情報に基づいてネゴシエーションを取り、最適な通信タスクの選択を行うため、受信側のユーザの状況を考慮した通信タスクを選択することが可能となる。
また、受信側のユーザは、通信タスクを実行する前に発信側のユーザを特定することが可能となるため、通信を行いたくない相手に対しては、通信タスクの実行を拒否することが可能となる。
また、発信者側からのアクセスに対し応答することが出来ず、応答可能となったときに受信者側の状況によって最適な通信タスクの選択を行うことも可能となる。
【0119】
なお、アウェアネス情報のパラメータはいくつ設けてもよく、1個でも構わない。
また、本実施形態ではユーザの状況を把握するためにセンサを用いることとしたが、ユーザ本人が自らの状況を入力するようにしても良い。
【0120】
また、本実施形態において、アウェアネス情報伝送及び通信タスク実行のための通信方式については、触れていないが回線交換方式或いはパケット交換方式等、どのような通信方式を用いても構わない。
また、アウェアネス情報の伝送に用いるコネクションをパケット交換方式とし、通信タスクを実行する際には回線交換方式のコネクションを再度確立するようにしても構わない。
【0121】
[2]第2実施形態
図7は、本実施形態に係るアウェアネス通信装置1の構成を示すブロック図である。なお、この図7において上述した図1の各部と対応する部分には同一の符号が付されている。従って特に示さない限り、これら入力部2、管理部3、入力手段制御部4、ユーザ状況検出部5、ユーザ状況解析部6、通信制御部7、状況ネゴシエーション部8、アウェアネス情報出力部9、通信タスク処理部10、出力手段制御部11、出力部12、通信インターフェイス部13は「第1実施形態」で示したものと同一の機能を有し、同一の動作をするものである。
また、図7においても、「第1実施形態」と同様に、ネットワーク内には複数のユーザがアウェアネス通信装置1、或いは、通信デバイスを接続している状態で存在している。
【0122】
本実施形態の構成で第1実施形態の構成と異なる点は、状況ネゴシエーション部8の接続先が管理部3、ユーザ状況解析部6、通信制御部7となっているのみである。
また、本実施形態における動作で、初期設定の過程及び通信タスクの切り替え命令が出されて通信タスクの切り替えが行われる過程は、「第1実施形態」の動作と同一の過程によってなされる。
本実施形態において「第1実施形態」と異なるのは、アウェアネス情報のネゴシエーションを行う過程の動作のみである。ただし、本実施形態においても、状況ネゴシエーションのフローは図3及び図4と同様のフローを有する。
以下、これらの「第1実施形態」と異なる過程について図2に従って説明することにする。
なお、以下の説明では、ユーザA側のアウェアネス通信装置及びその構成要素については、図7において使用される各符号に“a”を付加した符号を各々を特定するために使用し、ユーザB側のアウェアネス通信装置及びその構成要素については、図7において使用される各符号に“b”を付加した符号を各々を特定するために使用する。
【0123】
図2において、Aは発信側のユーザであり、Bは着信側のユーザである。また、ユーザA、B共に図7に示したアウェアネス通信装置1a、1bによって発信及び着信を行っているものとする。
【0124】
ここで、着信側のユーザBが通信可能な状況にある場合に発信側のユーザAからアクセスがなされた場合を例にとって説明する。
ユーザAがアウェアネス通信装置1a上に設けられた入力部2aを操作することによって、ユーザBのアドレスを指定すると、管理部3aは、通信制御部7aに対してネットワークとの接続命令を出力する。通信制御部7aは、この接続命令を受けるとネットワーク内に存在する着信側のユーザBのアウェアネス通信装置1bに対しアクセスを行う。この結果、アウェアネス通信装置1bとアウェアネス通信装置1aとの間にアウェアネス情報伝達のためのコネクションが確立される。
【0125】
また、ユーザB側にユーザA側がアクセスする際、ユーザA側からは、自分が誰であるのかを特定するための情報(ユーザAのアドレス等)が通知され、ユーザBはユーザAが誰であるのかを特定することが可能となる。このためユーザBがユーザAのアクセスを受け入れたくない場合には、この時点で通信タスクの実行を拒否することも可能である。
【0126】
その後、管理部3aは、通信相手となるユーザBに対応したアウェアネス情報の開示範囲に基づいてアウェアネス情報に組み込むパラメータを決定する。
次に、管理部3aは、そのパラメータの指定を含んだアウェアネス情報生成命令をユーザ状況解析部6aに送る(ステップS4)。
【0127】
ユーザ状況解析部6aは、このアウェアネス情報生成命令を受けると、ユーザ状況検出部5aからの検出結果に基づいて、ユーザAのアウェアネス情報を生成する(ステップS5)。生成されたユーザAのアウェアネス情報は、状況ネゴシエーション部8aに送られ、状況ネゴシエーション部8aでは、送られてきたユーザAのアウェアネス情報に対応したラベルTを選択する(ステップS5、S6)。
【0128】
一方、管理部3aは、ユーザBのアウェアネス情報の通知依頼を通信制御部7aに送出する。この通知依頼は通信制御部7aによって符号化されてネットワークを介してユーザBのアウェアネス通信装置1bに送出される(ステップS1)。
【0129】
ユーザA側から、このアウェアネス情報の通知依頼がなされると、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bでは、図4に示すルーチンが実行されることとなる。
まず、通信制御部7bは、この通知依頼の復号を行い、この復号した通知依頼を管理部3bへ送る(ステップS101)。
管理部3bでは、この通知依頼がネゴシエーションの終了通知ではないことを確認する(ステップS102)。
次に、管理部3bは、通信相手となるユーザAに対応したアウェアネス情報の開示範囲に基づいてアウェアネス情報に組み込むパラメータを決定し、その決定に基づいてユーザ状況解析部6bにアウェアネス情報生成命令を送る(ステップS103)。
【0130】
次に、ユーザ状況解析部6bは、このアウェアネス情報生成命令に従って、ユーザ状況検出部5bによって検出された各パラメータの中から、開示範囲内のものを選択し、ユーザBのアウェアネス情報を生成する。このようにして生成されたユーザBのアウェアネス情報は、ユーザ状況解析部6bから通信制御部7bへ送られ、通信制御部7bでは受け取ったユーザBのアウェアネス情報を符号化してユーザA側のアウェアネス通信装置1aへと送信する(ステップS105)。ステップS105実行後、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bでは、再度ユーザA側からアウェアネス情報の再通知依頼、或いは、ネゴシエーション終了通知なされるまで、ルーチンが実行されない。
【0131】
一方、ユーザB側からアウェアネス情報の返答がなされると、ユーザA側のアウェアネス通信装置1aでは、図3のステップS2が実行されることとなる。このステップS2では、通信制御部7aによって、ユーザB側からのアウェアネス情報が所定の形式に従って復号され、状況ネゴシエーション部a及び管理部3aに通知される(ステップS2)。
また、管理部3a宛に送られたユーザBのアウェアネス情報は、更に、管理部3aからアウェアネス情報出力部9aへと通知された後、アウェアネス情報出力部9aによって表示される。
【0132】
また、状況ネゴシエーション部8aでは、得られたユーザBのアウェアネス情報に対応したラベルRを選択する(ステップS3)。
ユーザA、ユーザBのラベル(ラベルT、ラベルR)が決定されると、状況ネゴシエーション部8aは、ラベルTとラベルRの組合せに対応した、通信タスクを図5に示すネゴシエーションテーブルから選択する(ステップS7)。
【0133】
次に、状況ネゴシエーション部8aは、ネゴシエーションの結果を管理部3aへと通知する。管理部3aは、選択された通信タスクが以下に示す条件に合致しているか否かを判断する(ステップS8)。
条件1.複数の通信タスクが選択された。
条件2.通信タスクが選択できなかった。
条件3.アウェアネス情報が不足していた。
ステップS8での判断の結果、条件1〜3の中に1つも合致している条件がない場合、管理部3aは、状況ネゴシエーション部8aに対し、ネゴシエーションの終了を命令する。
状況ネゴシエーション部8aは、ネゴシエーションの終了命令を受けるとネゴシエーションの結果と終了を管理部3a及びユーザB側のアウェアネス通信装置1bに送る(ステップS9)。
【0134】
また、管理部3bは、ステップS7における判断の結果1〜3の条件に合致するものと判断すると、ステップS8を実行して以下に示す3通りのルーチンの中から1つのルーチンを選択する。
ルーチン1.再度アウェアネス情報の通知をユーザB側に依頼する(ステップS13)。
ルーチン2.アウェアネス情報が取れないときのデフォルトラベルを決定してある場合には、そのデフォルトラベルに従って通信タスクの選択を行う(ステップS11)。
ルーチン3.ユーザに通信タスクの選択を依頼する(ステップS12)。
【0135】
例えば、複数の通信タスクが選択された場合には、ルーチン3(ステップS12)を実行して、ユーザAに複数の通信タスクの中から1つを選択させることとなる。
【0136】
また、アウェアネス情報が不足していると判断された場合には、ユーザBがアウェアネス情報を開示しないように設定しているのか、通信課程で情報の抜けが生じたのかを判断し、実行するルーチンを変更する。
通信過程でアウェアネス情報の抜けが生じたと判断したならば、ルーチン1(ステップS13)を実行して、アウェアネス情報の再転送を要求することになる。これに対しユーザBがアウェアネス情報の開示をしないように設定しているために、アウェアネス情報の不足が生じているならば、ルーチン2(ステップS11)を実行して、デフォルトラベルに従って、通信タスクの選択を行うことになる。
【0137】
また、通信タスクが選択できなかった場合には、アウェアネス情報が不足している場合と同様に、ユーザBの設定によって通信タスクの選択が行われないようになっているのか、他の理由により通信タスクの選択が不可能であったのかを判断し、実行するルーチンを変更する。
【0138】
ルーチン1を実行して、アウェアネス情報の再転送をユーザB側に依頼した場合(ステップS1)、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bでは、再度、図4のステップS101〜S105が実行され、アウェアネス情報が生成される。
その後、状況ネゴシエーション部8aからネゴシエーションの結果と終了した旨の通知が管理部3a及びユーザB側のアウェアネス通信装置1bに行われる(ステップS9)。
【0139】
このようにして通信タスクの選択が行われ、状況のネゴシエーションが終了すると、管理部3aは、状況ネゴシエーションの結果と終了を、アウェアネス情報出力部9a、9bに通知する。その後、この状況ネゴシエーションの結果と終了がアウェアネス情報出力部9a、9bに表示されることとなる。
【0140】
[3]第3実施形態
図8は、第3実施形態に係るアウェアネス通信装置1の構成を示すブロック図である。なお、この図8において上述した図7の各部と対応する部分には同一の符号が付されている。従って特に示さない限り、これら入力部2、管理部3、入力手段制御部4、ユーザ状況検出部5、ユーザ状況解析部6、通信制御部7、状況ネゴシエーション部8、アウェアネス情報出力部9、通信タスク処理部10、出力手段制御部11、出力部12、通信インターフェイス部13は「第2実施形態」で示したものと同一の機能を有し、同一の動作をするものである。
また、図8においても、「第2実施形態」と同様に、ネットワーク内には複数のユーザがアウェアネス通信装置1、或いは、通信デバイスを接続している状態で存在している。
【0141】
本実施形態の構成で「第2実施形態」の構成と異なる点は、ユーザ状況解析部6の接続先が管理部3、状況ネゴシエーション部8となっているのみである。
また、本実施形態における動作で、初期設定の過程、アウェアネス情報のネゴシエーションの結果から通信タスクを選択する過程及び通信タスクの切り替え命令が出されて通信タスクの切り替えが行われる過程は、「第2実施形態」の動作と同一の過程によってなされる。また本実施形態においても、状況ネゴシエーションのフローは図3及び図4と同様のフローを有する。
本実施形態において「第2実施形態」と異なるのは、アウェアネス情報のネゴシエーションを行う過程の中で、生成されたアウェアネス情報が通信制御部7に通知される過程のみである。
本実施形態においては、ステップS104及びS105においてユーザ状況解析部6で生成されたユーザのアウェアネス情報が通信制御部7に通知される過程で、一度、管理部3にアウェアネス情報が通知され、その後、管理部3から通信制御部7へ通知される過程をとることになる。
また、状況ネゴシエーションの結果と終了の通知も状況ネゴシエーション部8から管理部3へと通知され、その後、管理部3からアウェアネス情報出力部9、通信タスク処理部10、入力手段制御部4、出力手段制御部11、通信制御部7、及び通信相手となるユーザ宛に通知されることとなる。
【0142】
[4]第4実施形態
図9は、第4実施形態に係るアウェアネス通信装置1及びネットワーク内に設けられたサーバの構成を示すブロック図である。なお、この図9において上述した図1の各部と対応する部分には同一の符号が付されている。従って特に示さない限り、これら入力部2、管理部3、入力手段制御部4、ユーザ状況検出部5、ユーザ状況解析部6、通信制御部7、状況ネゴシエーション部8、アウェアネス情報出力部9、通信タスク処理部10、出力手段制御部11、出力部12、通信インターフェイス部13は「第1実施形態」で示したものと同一の機能を有し、同一の動作をするものである。
また、図9においても、「第1実施形態」と同様に、ネットワーク内には複数のユーザがアウェアネス通信装置1、或いは、通信デバイスを接続している状態で存在している。
【0143】
本実施形態で「第1実施形態」と異なるのは、状況ネゴシエーション部8がネットワーク内に組み込まれ、ネットワーク全体として通信システムを構成している点にある。この相違に付帯して、本実施形態では、アウェアネス情報のネゴシエーションを行う過程の動作が「第1実施形態」と異なっている。つまり、ユーザのアウェアネス情報は、一度ネットワーク内に設けられた、状況ネゴシエーション部8へ通知され、アウェアネス情報のネゴシエーションを取ったうえで、そのネゴシエーションの結果が発信側、受信側のユーザに通知される。
ただし、本実施形態における動作で、初期設定の過程及び通信タスクの切り替え命令が出されて通信タスクの切り替えが行われる過程は、「第1実施形態」の動作と同一の過程によってなされるので、この過程については説明を省くこととする。
【0144】
以下に、アウェアネス情報のネゴシエーションをとる過程について図2に従って説明することにする。
図2において、Aは発信側のユーザであり、Bは着信側のユーザである。また、ユーザA、B共に図4に示したアウェアネス通信装置1a、1bによって発信及び着信を行っているものとする。
なお、以下の説明においては、ユーザA側のアウェアネス通信装置及びその構成要素については、図9において使用される各符号に“a”を付加した符号を各々を特定するために使用し、ユーザB側のアウェアネス通信装置及びその構成要素については、図9において使用される各符号に“b”を付加した符号を各々を特定するために使用する。
【0145】
図10及び図11は、第4実施形態においてユーザA側のアウェアネス通信装置1aとネットワーク内のサーバ間で行われるネゴシエーションのフローチャートである。これに対し、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bでは、図4のフローチャートと同様のルーチンが実行されることとなる。
ここで、着信側のユーザBが通信可能な状況にある場合に発信側のユーザAからアクセスがなされた場合を例にとって説明する。
まず、ユーザAがアウェアネス通信装置1a上に設けられた入力部2aを操作することによって、ユーザBのアドレスを指定すると、管理部3aは、通信制御部7aに対してネットワーク内のサーバ14との接続命令を出力する。通信制御部7aは、この接続命令を受けるとネットワーク内に設けられたサーバ14に上述した初期設定での設定条件を通知し、アウェアネス情報のネゴシエーション開始依頼を送信する(ステップS201)。
【0146】
サーバ管理部15は、このネゴシエーション開始依頼を受けると、状況ネゴシエーション部8にネゴシエーションの開始を指示する(ステップS202)。状況ネゴシエーション部8は、この開始の指示を受けるとユーザA、ユーザBの双方にアウェアネス情報通知依頼を送信する(ステップS203)。
【0147】
サーバ14側からアウェアネス情報の生成命令と通知の指示を受けると、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bでは、図4に示すステップS101〜S105のルーチンが実行されることとなる。このようにして生成されたユーザBのアウェアネス情報がサーバ14へ通知される。
ステップS105実行後、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bでは、再度サーバ14側からアウェアネス情報の再通知依頼、或いは、ネゴシエーション終了通知なされるまで、ルーチンが実行されない。
【0148】
一方、ユーザA側のアウェアネス通信装置1aでは、サーバ14からのアウェアネス情報通知依頼を受けると、管理部3aが、通信相手となるユーザBに対応したアウェアネス情報の開示範囲に基づいてアウェアネス情報に組み込むパラメータを決定し、その決定に基づいてユーザ状況解析部6aにアウェアネス情報生成命令を送る(ステップS204、S205)。
【0149】
この生成命令を受けるとユーザ状況解析部6aは、ユーザ状況検出部5aでの検出結果に基づいて、ユーザAのアウェアネス情報を生成する。このようにして、得られたユーザAのアウェアネス情報がユーザ状況解析部6aから、サーバ14に通知される(ステップS206)。
【0150】
状況ネゴシエーション部8は、ユーザA及びユーザBのアウェアネス情報を得ると、予め定義されたラベルT={T1、T2、T3………}及びラベルR={R1、R2、R3………}の中から、ユーザA及びユーザBのアウェアネス情報の内容に対応したラベルを選択する。
この際、状況ネゴシエーション部8は、定義されたラベルT及びラベルRを図5に示すネゴシエーションテーブルに照らし合わせて通信タスクを選択する(ステップS207)。
【0151】
次に、状況ネゴシエーション部8は、ネゴシエーションの結果をサーバ管理部15へと通知する。サーバ管理部15は、選択された通信タスクが以下に示す条件1〜3に合致しているか、否かを判断する(ステップS208)。
条件1.複数の通信タスクが選択された。
条件2.通信タスクが選択できなかった。
条件3.アウェアネス情報が不足していた。
【0152】
ステップS208での判断の結果、条件1〜3の中に1つも合致している条件がなければ、サーバ管理部15は、状況ネゴシエーション部8に対し、ネゴシエーションの終了を命令する。
その後、サーバ管理部15は、ネゴシエーション終了をユーザA及びユーザBの双方に通知する(ステップS213)。この際、必要があると認められればネットワーク内の他の設備、或いは、通信デバイスにもネゴシエーションの終了通知を行う。
【0153】
また、サーバ管理部15は、ステップS208での判断の結果1〜3の条件に合致するものと判断すると、ステップS209を実行して以下のルーチンの中で1つのルーチンを選択し実行する。
ルーチン1.再度アウェアネス情報の通知をユーザB側に依頼する(ステップS211)。
ルーチン2.アウェアネス情報が取れないときのデフォルトラベルを決定してある場合には、そのデフォルトラベルに従って通信タスクの選択を行う(ステップS210)。
ルーチン3.ユーザAに通信タスクの選択を依頼する(ステップS212)。ステップS209〜S212のルーチンを実行した結果、通信タスクの選択がなされると、状況のネゴシエーションを終了する。
【0154】
例えば、ルーチン2(ステップS210)が選択された場合にはデフォルトラベルに従って、通信タスクの選択を行うことになる。このようにして、通信タスクの選択が行われると、サーバ管理部15は、状況ネゴシエーション部8に対し、ネゴシエーションの終了命令を送る。ネゴシエーションの終了命令を受けると、状況ネゴシエーション部8からネゴシエーションの結果と終了がユーザA及びユーザBの双方に送信される(ステップS213)。
【0155】
また、ルーチン1(ステップS211)を実行した場合、アウェアネス情報の再送依頼が、ユーザB側に送信され、再度、アウェアネス通信装置1b内でユーザBのアウェアネス情報が生成された後、ネゴシエーションを繰り返して通信タスクの選択を行う(ステップS214)。この場合、ネゴシエーションの結果は、ユーザA側及びユーザB側の双方に送信されることとなる。
【0156】
ルーチン3を実行した場合には、ユーザAに対し通信タスクの選択依頼を行い、ユーザAによる通信タスクの選択が行われると、その選択結果がサーバ14に送信される(ステップS214)。この場合、ステップS214での選択結果は、サーバ14からユーザB側にのみ送信されることとなる(ステップS215)。
【0157】
このようにして、通信タスクの選択がなされると、サーバ管理部15は、ネゴシエーション終了をユーザA及びユーザBの双方に送信する(ステップS213)。ネゴシエーションの終了通知を受けると、ユーザA側及びユーザB側の双方のアウェアネス通信装置1a、1bでもネゴシエーションが終了することとなる。
またこの際、必要があると認められればネットワーク内の他の設備、或いは、通信デバイスにもネゴシエーションの終了通知を行う。
【0158】
上述したように、本実施形態に記載のアウェアネス通信装置によれば、状況ネゴシエーション部をネットワーク内に持つことによりアウェアネス通信装置の小型化を図ることが可能となる。
【0159】
[5]応用実施形態
[5.1]応用実施形態1
上述してきたアウェアネス通信装置1では、アウェアネス通信装置1で実行可能な通信タスクだけしか実行することが出来ない。しかし、アウェアネス通信装置1に設けられた通信手段だけでは実行できない通信タスクを実行できるようにすることも可能である。
本実施形態に係るアウェアネス通信装置1は、それ自身が有していない通信手段を用いて通信タスクを実行する機能を有している。
【0160】
本実施形態では、ユーザ状況検出部5は、短距離無線や赤外線等で、ユーザの周囲にある通信デバイスへ一定間隔でアクセスを行い、この通信デバイスから、当該通信デバイスの種類、通信機能、通信プロトコル、通信アドレス等の機器情報を入手する機能を有している。また、通信デバイスは、アウェアネス通信装置1から機器情報の要求がなされた場合、自らの機器情報をアウェアネス通信装置1に送信する装置を有している。
アウェアネス通信装置1から機器情報の要求がなされると、通信デバイスは、自らの機器情報をアウェアネス通信装置1に送出する。
【0161】
また、本実施形態においてアウェアネス情報は、ユーザが携帯しているデバイス、或いは、ユーザの周囲で利用可能なデバイスを表すパラメータとして、パラメータP3を含んでいる。このパラメータP3は更に細分化されており、例えば、動画表示デバイスを表すのにパラメータP3−1、FAXを表すのにパラメータP3−2、電話を表すのにパラメータP3−3が設けられている。動画表示通信デバイスが利用できる場合にはパラメータP3−1=1となる。
このパラメータは、更に細分化されており、例えば、パラメータP3−1は、その動画表示通信デバイスの解像度を表すパラメータP3−1−1、通信プロトコル形式を表すのにパラメータP3−1−2によって構成されている。このようにして、本実施形態に係るアウェアネス通信装置1は、ユーザの周囲にあるデバイスの能力についてまで認識できるものとなっている。
更に、アウェアネス情報のパラメータP3には、ユーザの周辺に存在する通信機器の通信におけるID(例えばインターネットアドレス)を表すパラメータP3−1−3も含まれており、通信の際にその通信デバイスを用いて通信タスクを実行することも可能である。
【0162】
以下、図2に従って、ユーザ状況検出部5によって検出された、ユーザの周辺に有る通信デバイスを用いて通信タスクの実行を行う過程について図2に従って説明することにする。
なお、以下の説明では、ユーザA、ユーザB共に図1に示したアウェアネス通信装置1を用いて通信を行うものとする。また、ユーザA側のアウェアネス通信装置及びその構成要素については、図1において使用される各符号に“a”を付加した符号を各々を特定するために使用し、ユーザB側のアウェアネス通信装置及びその構成要素については、図1において使用される各符号に“b”を付加した符号を各々を特定するために使用する。
【0163】
また、ユーザA側のアウェアネス通信装置1aには、入力部2aにマイク及びカメラが、出力部12aにスピーカ及びLCDが設けられており、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bには入力部2bにマイクが、出力部12bにはスピーカが設けられているものとする。このとき、ユーザBは、会社でデスクに座っている状態で、周囲には、PC及び通信機能を有したカメラがあるものとする。
図2において、Aは発信側のユーザであり、Bは着信側のユーザである。また、ユーザA、B共に図7に示したアウェアネス通信装置1a、1bによって発信及び着信を行っているものとする。
また、上述したように、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bは、ユーザBの周辺に存在するPC及びカメラに一定間隔でアクセスすることによって、ユーザの周辺にPC及びカメラが有ることを把握しているものとする。
【0164】
ここで、着信側のユーザBが通信可能な状況にある場合に発信側のユーザAからアクセスがなされた場合を例にとって説明する。
ユーザAがアウェアネス通信装置1a上に設けられた入力部2aを操作することによって、ユーザBのアドレスを指定すると、管理部3aは、通信制御部7aに対してネットワークとの接続命令を出力する。通信制御部7aは、この接続命令を受けるとネットワーク内に存在する、着信側のユーザBのアウェアネス通信装置1bに対しアクセスを行う。アクセスを受けると、アウェアネス通信装置1bと、アウェアネス通信装置1aとの間にアウェアネス情報伝達のためのコネクションが確立される。これによって、アウェアネス通信装置1aと1bの間でのアウェアネス情報の伝達が可能となる。
【0165】
ユーザA側とユーザB側との間にアウェアネス情報伝送のためのコネクションが確立されると、ユーザA側のアウェアネス通信装置1aは、ユーザB側のアウェアネス通信装置1bから送信されたユーザBのアウェアネス情報からユーザBの周辺に存在するPC、或いは、カメラの通信プロトコル、インターネットアドレス等を把握することが可能となる。
このとき、ユーザA側のアウェアネス通信装置1aでは、アウェアネス通信装置1、PC、カメラを用いて利用可能な通信タスクとして、電話、TV電話、eメール等が選択されることとなる。
【0166】
これらの選択された通信タスクのうち、ユーザによってTV電話が選択されると、管理部3aは、ユーザBのアウェアネス情報から当該PC及びカメラの通信プロトコル、IDを把握し、通信制御部7aに当該アドレスによって特定されるPC及びカメラとの通信接続命令を送る。この通信接続命令を受けた通信制御部7aは、当該PC及びカメラとの間に通信タスク実行のためのコネクションを確立する。このようにして、通信タスク実行のためのコネクションが確立されると、ユーザA、B間の音声情報は、出力部12a、12bによって出力され、ユーザA側の入力部2aに入力されたユーザAの画像情報はユーザBの周辺に存在するPC宛に、ユーザBの周辺に存在するカメラに入力されたユーザBの画像情報はユーザA側の出力部12aによって出力される。
このため、上述のようにユーザの周囲にデバイスが存在するならば、アウェアネス通信装置1で実行不可能な通信タスクをも実行することが可能となる。
【0167】
[5.2]応用実施形態2
上述してきた、アウェアネス通信装置1は、着信側のユーザからアウェアネス情報を送信する際に、パラメータとして発信側のユーザ宛に送信している。しかし、着信側のユーザのアウェアネス通信装置1内でラベルを決定し、そのラベルを発信側のユーザ宛に送信するようにしても構わない。
例えば、図2に示す状況下で通信が開始されると、ユーザB側のユーザ状況解析部6bで生成されたアウェアネス情報を、一度状況ネゴシエーション部8bへ通知することとなる。その後、状況ネゴシエーション部8bは、通知されたユーザBのアウェアネス情報にラベルRを決定し、ユーザA側の状況ネゴシエーション部8aに転送することとなる。
このようにユーザB側でラベルRを決定後ユーザA側に通知するため、ユーザA側での処理が高速化できる。
【0168】
[5.3]応用実施形態3
上述してきた、アウェアネス通信装置1は、通信時に発信側、着信側の双方のユーザの状況を把握することにより、ユーザの状況に応じた通信タスクの選択を行うことを可能としている。
しかし、通信装置にユーザ状況検出部5とユーザ状況解析部6を設け、ユーザのアウェアネス情報をネットワークに送信する機能さえ設けておけば、様々な利用方法が生じてくる。
その1例として、ユーザが痴呆性俳諧老人であったり、病床にある人間、或いは、幼児児童である場合に、ユーザの状況を病院や、ユーザの親族に把握できるようにすることが挙げられる。
【0169】
この場合、ユーザ状況検出部5にユーザの脈拍、血圧、心電図等の体調に関する情報、位置、動作等の情報を得る機能を有したセンサ等を用い、ユーザの体調等についての情報を随時取得できるようにしておく。
また、ユーザ状況解析部6では、ユーザ状況検出部5での検出結果に基づいて各種パラメータを設定し、そのパラメータに応じたラベルを定義する。このラベルは、通信制御部7を介してネットワークに送信可能なようにしておく。
ネットワーク上には特定のサーバを設けておき、アウェアネス通信装置1とサーバの間でのアウェアネス情報伝送のためのコネクションが確立されている状況下で、ユーザの状況に変化が生じると、ユーザの状況変化がサーバに通知される。サーバでは、ユーザのアウェアネス情報を一元監視し、ユーザの異常が検出されると、異常が発生した旨を病院や親族に通知する。
異常が発生した旨の通知を受ける病院や親族側では、この通知を受けると警報が鳴る等のイベントが発生する。この際、通信タスクを実行する必要がある場合には、ユーザ側は受信操作を行うことが出来ない可能性が高いため、強制的にユーザ側との通信タスクの実行が可能である。
【0170】
このように、ユーザが病床にある場合には、ユーザの体調に異変が生じると、その情報が病院に通知され、更に、病院側ではユーザの病状を把握することが可能となる。
また、ユーザが痴呆性俳諧老人である場合、或いは、幼児児童である場合には、ユーザが何処にいるのか分からなくなったときにユーザの居場所をすぐに把握することが可能となる。
【0171】
なお、本実施形態ではユーザの状況を把握するためにセンサを用いることとしたが、ユーザ本人が自らの状況を入力するようにしても良い。
また、サーバから通知する相手は1箇所である必要はなく、複数の相手に対して通知を行うようにすることも可能である。
更に、異常が発生してから状況の通知を行うのではなく、常に一定のタイミングで状況の通知を行うようにすることも可能である
【0172】
【発明の効果】
以上述べてきたように、この発明に係る通信装置、通信システム及びサーバによれば、分散環境下にあるユーザが通信タスクを実行する際に、ユーザの置かれている状況に応じて、最適な通信タスクを選択することが可能となる。
また、着信側のユーザは、通信タスクを実行する前に発信側のユーザを特定することが可能となるため、通信を行いたくない相手に対しては、通信タスクの実行を拒否することが可能となる。
また、通信装置が入出力用のモジュールを複数内蔵していなくとも、ユーザの周辺に存在するデバイスを用いて通信を行うことも可能となる。
更には、同時に通信相手との人間関係に応じてアウェアネス情報の開示範囲を切り替えることによりユーザのプライバシー、或いは、セキュリティーを保護することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るアウェアネス通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ネットワークを介して通信タスクを実行する状態を示す図である。
【図3】ユーザA側のアウェアネス通信装置で行われる、状況ネゴシエーションのフローチャートである。
【図4】ユーザB側のアウェアネス通信装置で行われる、状況ネゴシエーションのフローチャートである。
【図5】アウェアネス情報のネゴシエーションテーブルである。
【図6】ネットワーク中のサーバを介してユーザAと不特定多数のユーザが通信を行う状態を示す図である。
【図7】第2実施形態に係るアウェアネス通信装置の構成を示すブロック図である。
【図8】第3実施形態に係るアウェアネス通信装置の構成を示すブロック図である。
【図9】第4実施形態に係るアウェアネス通信装置の構成を示すブロック図である。
【図10】第4実施形態に係るアウェアネス通信装置とサーバの間で行われる、状況ネゴシエーションのフローチャートである。
【図11】第4実施形態に係るアウェアネス通信装置とサーバの間で行われる、状況ネゴシエーションのフローチャートである。
【符号の説明】
1………アウェアネス通信装置、
2………入力部、
3………管理部、
4………入力手段制御部、
5………ユーザ状況検出部、
6………ユーザ状況解析部、
7………通信制御部、
8………状況ネゴシエーション部、
9………アウェアネス情報出力部、
10……通信タスク処理部、
11……出力手段制御部、
12……出力部、
13……通信インターフェイス部

Claims (19)

  1. 当該通信装置のユーザ置かれている状況を検出する検出手段と、
    前記検出手段によって検出されたユーザの状況を示すアウェアネス情報を生成するアウェアネス情報生成手段と、
    通信相手となるユーザが置かれている状況を示すアウェアネス情報を取得するアウェアネス情報取得手段と、
    前記アウェアネス情報生成手段によって生成されたアウェアネス情報と前記アウェアネス情報取得手段によって取得されたアウェアネス情報に基づいて、通信相手となるユーザが使用する通信機器との間で通信を行うための通信タスクを選択する通信タスク選択手段と、
    前記通信タスク選択手段により選択された通信タスクを実行し、前記通信機器との間で通信を行う通信手段と、
    を具備することを特徴とする通信装置。
  2. 請求項1に記載の通信装置において、
    通信の態様が異なる通信手段を複数具備し、
    前記通信タスク選択手段は、前記アウェアネス情報生成手段によって生成されたアウェアネス情報と前記アウェアネス情報取得手段によって取得されたアウェアネス情報とに基づいて、複数の前記通信手段のうち1または複数の通信手段により実行可能な通信タスクを前記通信機器との間で通信を行うための通信タスクとして選択することを特徴とする通信装置。
  3. 請求項1に記載の通信装置において、
    前記通信タスク選択手段は、前記アウェアネス情報生成手段によって生成されたアウェアネス情報と前記アウェアネス情報取得手段によって取得されたアウェアネス情報とに基づいて、当該通信装置のユーザが置かれている状況と前記通信相手となるユーザが置かれている状況との両方に適した通信タスクを前記通信機器との間で通信を行うための通信タスクとして選択することを特徴とする通信装置。
  4. 請求項1〜請求項3に記載の通信装置において、
    前記アウェアネス情報生成手段によって生成されたアウェアネス情報を前記通信機器へ送出するアウェアネス情報送出手段を具備することを特徴とする通信装置。
  5. 請求項1〜請求項4に記載の通信装置において、
    前記検出手段は、当該通信装置のユーザの身体状況を検出し、
    前記アウェアネス情報生成手段によって生成される前記アウェアネス情報は、前記検出手段によって検出されたユーザの身体状況を表すパラメータが含まれることを特徴とする通信装置。
  6. 請求項1〜請求項5に記載の通信装置において、
    前記検出手段は、当該通信装置のユーザの周辺に存在する通信機器を検出し、
    前記アウェアネス情報生成手段によって生成される前記アウェアネス情報は、前記検出手段によって検出されたユーザの周辺に存在する通信機器を表すパラメータが含まれることを特徴とする通信装置。
  7. 請求項1〜請求項6に記載の通信装置において、
    前記アウェアネス情報取得手段によって得されたアウェアネス情報を表示するアウェアネス情報出力手段を具備することを特徴とする通信装置。
  8. 請求項1〜請求項7に記載の通信装置において、
    前記通信手段による通信によって前記通信機器へ送信される情報を入力するための入力手段を具備することを特徴とする通信装置。
  9. 請求項4に記載の通信装置において、
    前記アウェアネス情報送出手段は、前記検出手段によって検出されるユーザの状況が変化すると、変化後のユーザの状況を示すアウェアネス情報を前記通信機器へ送出することを特徴とする通信装置。
  10. 請求項1〜請求項9に記載の通信装置において、
    記通信タスク選択手段による通信タスクの選択モードを、
    1.前記検出手段によって検出されるユーザの状況が通信タスクの開始時及び実行中に変化した場合には、変化後の該ユーザの状況を示すアウェアネス情報と前記アウェアネス情報取得手段によって取得されたアウェアネス情報とに基づいて通信タスクを自動的に選択し直す通信タスク自動切替モード
    2.通信タスクの実行中は通信タスクの切り替えを行わず、通信タスク開始時にのみ、前記アウェアネス情報生成手段によって生成されたアウェアネス情報と前記アウェアネス情報取得手段によって取得されたアウェアネス情報とに基づいて通信タスクを自動で選択する通信タスク自動選択モード
    3.ユーザの入力に従って、通信タスクの選択を行う通信タスク手動選択モード
    の何れかに設定する設定手段を具備することを特徴とする通信装置。
  11. 請求項1〜請求項10に記載の通信装置において、
    前記アウェアネス情報は複数のパラメータによって構成されており、
    前記複数のパラメータのうち通信相手に対して開示するパラメータを指定する指定手段を具備し、
    前記アウェアネス情報生成手段は、前記指定手段によって指定されたパラメータから構成されるアウェアネス情報を前記検出手段の検出結果に基づいて生成することを特徴とする通信装置。
  12. 請求項1〜請求項11に記載の通信装置において、
    前記通信タスク選択手段は、前記アウェアネス情報生成手段によって生成されたアウェアネス情報と前記アウェアネス情報取得手段によって取得されたアウェアネス情報とに基づいて通信タスクの選択を行う際に、
    条件1.「複数の通信タスクが選択された。」
    条件2.「通信タスクが選択できなかった。」
    条件3.「アウェアネス情報が不足していた。」
    の条件のうち、何れかに合致しているか否かを判断し、合致している条件がない場合には、当該アウェアネス情報によって決定される前記通信タスクを選択する一方、合致している条件がある場合には、
    1.「アウェアネス情報の通知を前記通信機器へ要求する。」
    2.「アウェアネス情報が取れないときのアウェアネス情報のデフォルト値を決定してある場合には、そのデフォルト値に従って通信タスクの選択を行う。」
    3.「当該通信装置のユーザに通信タスクの選択を依頼する。」
    のうちの何れか1つの処理を実行することを特徴とする通信装置。
  13. 請求項1〜請求項12に記載の通信装置において、
    前記アウェアネス情報生成手段によって生成されるアウェアネス情報と前記アウェアネス情報取得手段によって取得されるアウェアネス情報の各組合せ毎に、選択される通信タスクを定めたテーブルを具備し、
    前記通信タスク選択手段は、通信タスクを選択する際に、前記アウェアネス情報生成手段によって生成されたアウェアネス情報と前記アウェアネス情報取得手段によって取得されたアウェアネス情報の組合せ対応した通信タスクを前記テーブルから求めることを特徴とする通信装置。
  14. 請求項1〜請求項13に記載の通信装置において、
    前記通信タスク選択手段は、前記アウェアネス情報生成手段によって生成されたアウェアネス情報或いは前記アウェアネス情報取得手段によって取得されたアウェアネス情報の何れか一方に変化が生じ、通信タスクを切り替える場合に、
    信タスク切り替えることで通信料金が下がる場合には、通信タスクの切り替えを当該通信装置のユーザの同意を得ずに行う一方、通信タスク切り替えることで通信料金が上がる場合には、通信タスクの切り替えを行うに当たり当該通信装置のユーザに同意を求め、同意が得られた場合のみ、通信タスク切り替えることを特徴とする通信装置。
  15. 発信側の通信装置と、着信側の通信装置と、サーバとを有する通信システムにおいて、
    前記サーバは、
    前記発信側の通信装置を使用するユーザが置かれている状況を示すアウェアネス情報と、前記着信側の通信装置を使用するユーザが置かれている状況を示すアウェアネス情報を取得するアウェアネス情報取得手段と、
    前記アウェアネス情報取得手段によって取得された発信側及び着信側アウェアネス情報に基づいて、前記発信側の通信装置と前記着信側の通信装置の間で通信を行うための通信タスクを選択する通信タスク選択手段と、
    前記通信タスク選択手段によって選択された通信タスクを前記発信側の通信装置と前記着信側の通信装置へ通知する通信タスク通知手段を具備し、
    前記発信側の通信装置と前記着信側の通信装置は、前記通信タスク通知手段により通知された通信タスクを実行して通信を行うことを特徴とする通信システム。
  16. 請求項15に記載の通信システムにおいて、
    前記サーバは、前記アウェアネス情報取得手段によって取得された発信側のユーザのアウェアネス情報或いは着信側のユーザのアウェアネス情報に変化が生じた場合には、前記アウェアネス情報に変化が生じたユーザの通信相手に該ユーザの変化後のアウェアネス情報を通知するアウェアネス情報通知手段を具備することを特徴とする通信システム。
  17. 請求項1に記載の通信システムにおいて、
    前記アウェアネス情報には、ユーザの身体状況を表すパラメータが含まれており、
    前記サーバは
    記アウェアネス情報取得手段によって取得された発信側及び着信側のアウェアネス情報から、発信側或いは着信側のユーザについて身体上の異常を検出する検出手段
    記検出手段によって身体上の異常が検出された発信側或いは着信側のユーザについて、予め定められた緊急連絡先へ、前記ユーザの身体に異常が発生したことを通知する異常通知手段と、
    を具備することを特徴とする通信システム。
  18. 信側の通信装置を使用するユーザが置かれている状況を示すアウェアネス情報と、着信側の通信装置を使用するユーザが置かれている状況を示すアウェアネス情報を取得するアウェアネス情報取得手段と、
    前記アウェアネス情報取得手段によって取得された発信側及び着信側アウェアネス情報に基づいて、前記発信側の通信装置と前記着信側の通信装置の間で通信を行うための通信タスクを選択する通信タスク選択手段と、
    前記通信タスク選択手段によって選択された通信タスクを前記発信側の通信装置と前記着信側の通信装置へ通知する通信タスク通知手段と、
    を具備することを特徴とするサーバ。
  19. 請求項18に記載のサーバにおいて
    前記アウェアネス情報取得手段によって取得された発信側のユーザのアウェアネス情報或いは着信側のユーザのアウェアネス情報に変化が生じた場合には、前記アウェアネス情報に変化が生じたユーザの通信相手に該ユーザの変化後のアウェアネス情報を通知するアウェアネス情報通知手段を具備することを特徴とするサーバ。
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