JP2004146627A - 発熱部品の放熱構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】放熱板にクランプ部材を用いて発熱部品を押圧固定する形態の放熱構造において、クランプ部材を放熱板に取り付けるねじ等の部材の先端が、放熱板の背面側に突出する等の不具合を解消する。
【解決手段】基板1に立設される放熱板4と、この放熱板4の一面に発熱部品2を押圧して固定するクランプ部材5とを含み、前記放熱板4の発熱部品固定側の面には、その一部に板厚方向に隆起した取り付け部7が一体に形成され、この取り付け部12に、前記クランプ部材5がビス11のような取り付け用軸体により取り付けられている。取り付け部7は、放熱板4の高さ方向全長にわたって同一横断面形状で形成されていることが望ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】基板1に立設される放熱板4と、この放熱板4の一面に発熱部品2を押圧して固定するクランプ部材5とを含み、前記放熱板4の発熱部品固定側の面には、その一部に板厚方向に隆起した取り付け部7が一体に形成され、この取り付け部12に、前記クランプ部材5がビス11のような取り付け用軸体により取り付けられている。取り付け部7は、放熱板4の高さ方向全長にわたって同一横断面形状で形成されていることが望ましい。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に実装されるトランジスタなどの発熱部品で発生する熱を放熱板を介して放熱する発熱部品の放熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
トランジスタなどの発熱部品で発生する熱を放熱するための一方法として、発熱部品を放熱板に取り付けるのであるが、種々の安全規格に適合させるためには、発熱部品と放熱板との間の絶縁性を高める必要があり、発熱部品をねじ等で直接、放熱板に取り付けることができず、従来は、発熱部品を絶縁チューブや絶縁カバーで覆った上で、これをばね板等のクランプ部材で放熱板の一面に押し付けて固定している。
【0003】
このようにクランプ部材で発熱部品を押圧して放熱板の一面に固定するよう構成した放熱構造としては、例えば、図20に示すように、基板1に立設した放熱板4にクランプ部材5の一端をねじ止めし、このクランプ部材5の遊端部で発熱部品2を弾性的に押圧するよう構成したものや、あるいは、放熱板に形成された孔に係止されるクランプ部材で、発熱部品を放熱板の一面に弾性的に圧接するよう構成したもの(特許文献1参照)などが提案されている。
【0004】
【特許文献1】
実公平6−22994号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図20に示される従来手段では、放熱板4が比較的板厚の薄い板材からなるので、クランプ部材5を放熱板4に取り付けるビス11の先端が放熱板4の背面側に突出することになり、このビス11の突出部分により、放熱板4の背面側にデッドスペースができ、それだけ基板1を含む装置の小型化が阻害されるほか、放熱板4を含む基板1の組み付け工程などにおいて、放熱板4の背面に突出したビス11の先端が組み込みの邪魔になることがあった。すなわち、放熱板4は、基板1の端辺近くに設置されることが多く、その場合は、この基板1を基板外形とほぼ同じ大きさのケースに収容する際、放熱板4の背面に突出したねじ11の先端がケースに引っかかるおそれがあった。
【0006】
これに対しては、放熱板の板厚を厚くして、ビスの先端が背面側に突出しないようにすることが考えられるが、そうすると、放熱板の材料費が嵩み、コストアップを招来する。
【0007】
特許文献1の従来手段でも、上記と同様の問題があり、クランプ部材の係止部分が放熱板の背面側に突出し、これが放熱板の背面側にデットスペースを形成し、また、基板のケースへの組み込みの邪魔になる。
【0008】
さらに、従来手段では、放熱板の下縁の折り曲げ縁を基板への取り付け座としているので、その製作に当たっては、放熱板の下縁の折り曲げ加工を行った上で、その折り曲げ縁にねじ孔の加工をする必要があり、加工数が多いという問題もある。
【0009】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、放熱板にクランプ部材を用いて発熱部品を押圧固定する形態の放熱構造における上記不具合を解消することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、基板に立設される放熱板と、この放熱板の一面に発熱部品を押圧して固定するクランプ部材とを含み、前記放熱板の発熱部品固定側の面には、その一部に板厚方向に隆起した取り付け部が一体に形成され、この取り付け部に、前記クランプ部材が取り付け用軸体により取り付けられている発熱部品の放熱構造を構成している。
【0011】
この構成によると、クランプ部材は、放熱板に一体に設けられた厚みのある取り付け部にビスのような取り付け用軸体で取り付けられるので、例えば、ビスでクランプ部材を固定しても、ビスの先端が放熱板の背面から突出するようなことがない。したがって、放熱板の背面にデットスペースができたり、基板のケースへの組み込みに支障が生じることがない。
【0012】
また、取り付け部は、放熱板の一部に設けられるものであるから、放熱板全体を厚くする場合のように、放熱板の基板上での設置面積が大きくなることも、また、放熱板の材料を多く必要とすることもない。また、取り付け部は放熱板から突出した分だけ放熱面積が増大することにもなる。
【0013】
なお、上記構成において、発熱部品は、通常、絶縁チューブや絶縁カバーに覆われた状態で放熱板の前面に当てがわれ固定されるが、場合によっては、絶縁チューブ等の被覆を省略してもよい。また、上記構成における取り付け用軸体には、ビスのようなねじ部材のほか、リベットのように圧入により取り付けられる軸状の部材も含まれる。
【0014】
このほか、上記構成における取り付け部は、放熱板の前面(発熱部品が固定される側の面)に島状に隆起するものであってもよいが、この取り付け部は、放熱板の高さ方向全長にわたって同一の横断面形状で形成されていることが好ましい。このような構成では、取り付け部の下端面も基板に当接することになり、放熱板の倒れを阻止する座面として有効に機能するほか、取り付け部を含む放熱板の全体を、その高さ方向を押し出し方向とする押出し成型材で構成することが可能になる。
【0015】
放熱板がこのような押出し成型材である場合は、放熱板に前記の取り付け部ばかりでなく、他の部分、例えば、基板上に放熱板を立設固定するためのねじ部材が挿入される溝を、一度の押出し成型加工で設けることができる。また、押し出し成型された長尺の素材を、所要の長さ寸法で切断するだけで、必要な高さ寸法の放熱板を多数、容易に製作することができる。
【0016】
上記構成の発熱部品の放熱構造において、放熱板の前面に、発熱部品の横方向の位置決めをする受け止め部が、放熱板の高さ方向に沿って一体に形成されていてもよい。この構成によると、発熱部品を放熱板に固定する際に、位置決め用の治具を用いることなく、発熱部品を所定の位置に所定の姿勢で固定することができる。また、受け止め部は放熱リブとしても機能する。受け止め部は、発熱部品の片側に一つ設けてもよいし、両側に二つ設けてもよい。
【0017】
また、放熱板の前面の各部分のうち、発熱部品が接触する部分を含む領域、または、クランプ部材の各部分のうち、発熱部品が接触する部分を含む領域の少なくとも一方の領域に、絶縁層が形成されている構成としてもよい。このように、発熱部品が接触する個所に絶縁層があると、放熱板と発熱部品との間の絶縁性が良好となって安全性が高まり、発熱部品への絶縁チューブ等の被覆の省略が可能になる。
【0018】
このほか、少なくとも基板上の部品を覆うケースを備えた構成とし、このケースの側壁内面を、放熱板の背面と面接触させてもよい。また、前記のケースの天板を、放熱板の上端面に接触させて、両者をねじ部材により相互に固定してもよい。この構成では、発熱部品での発生熱は、放熱板の背面や上端面からケースに伝わり、ケース全体の内外面から放熱されることになるため、放熱板単独で放熱するよりも、放熱効果が高まる。
【0019】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1ないし図3は、本発明の第1実施形態を示すもので、図1は、第1実施形態に係る発熱部品の放熱構造の斜視図、図2は、図1の放熱構造の平面図、図3は、図1の放熱構造の分解斜視図である。これらの図において、1は基板、2はトランジスタなどの発熱部品、3は絶縁チューブ、4は放熱板、5はクランプ部材である。
【0020】
発熱部品2は、その本体2aの下端から延出された端子2bが基板1の取り付け孔6に挿入されて、基板1の下面側で導電パターン等にハンダ付けされており、本体2aには上方から絶縁チューブ3が被せられる。
【0021】
放熱板4は、アルミニウムもしくは銅等の熱良導性の金属からなり、高さ方向に向けて押出し成型されたものである。したがって、放熱板4の横断面形状は、高さ方向各部で一定である。この放熱板4は、通常、長尺の押出し成型材を所定の長さ毎に切断して得られる。放熱板4の前面(発熱部品2が固定される側の面)には、角リブ状に隆起した取り付け部7が高さ方向全長にわたって一体に形成されている。
【0022】
また、放熱板4の左右両端部には、基板1上に放熱板4を立設固定するためのねじ9が挿入される溝8が、放熱板4の高さ方向全長にわたって形成されている。この溝8は、内部より開口幅が狭い形状で、図示例では、横断面形状が180度を越える円弧状となっている。この溝8の下部内面には雌ねじ部8a(図3に図示)が形成される。この溝8の雌ねじ部8aに、基板1の下面側から取り付け孔10を通じてねじ9を螺挿し締め付けることで、放熱板4は、基板1に対して直角に起立した形で固定される。
【0023】
クランプ部材5はバネ板材からなり、その一端がビス11によって放熱板4の取り付け部7に横向き片持ち状に取着されている。ここで、ビス11の軸部の長さに対して、取り付け部7の板厚方向の厚みの方が大である。クランプ部材5の遊端部は、発熱部品2の本体2aに弾力的に当接し、これにより、発熱部品2の本体2aが放熱板4の前面に圧接され、発熱部品2での発生熱が絶縁チューブ3を通して放熱板4に伝導されて放散されるようになっている。
【0024】
上記の構成において、取り付け部7は板厚方向に充分の厚みがあるので、ビス11の先端は放熱板4の背面側に突出しない。また、取り付け部7は、放熱板4の一部に設けられるものであるから、放熱板4全体を厚くする場合のように、多くの材料を必要とせず、設置面積も小さくて済む。さらに、取り付け部7は放熱板4から突出した分だけ放熱面積が増大することにもなる。このほか、放熱板4は、基板1に対して、取り付け部7の個所で板厚方向に広い座面が形成されているので、放熱板4の倒れに対する強度は高いものとなる。
【0025】
〔第2実施形態〕
図4ないし図6は、本発明の第2実施形態を示すもので、図4は、第2実施形態に係る発熱部品の放熱構造の斜視図、図5は、図4の放熱構造の平面図、図6は、図4の放熱構造に用いる放熱板の斜視図である。
【0026】
この第2実施形態では、放熱板4の前面に取り付け部7とともに、角リブ状の受け止め部12が押出し成型によって放熱板4の高さ方向全長にわたって同一の横断面形状で一体に形成されている。受け止め部12は、発熱部品2の横位置を規制するためのもので、この受け止め部12に沿って発熱部品2を配置することで、発熱部品2の固定位置、姿勢の安定化を図ることができる。
【0027】
この実施形態では、さらに、放熱板4の前面における発熱部品2の接触部分、および受け止め部12での発熱部品2の接触部分を含む領域に、絶縁剤の塗布、もしくは絶縁シートの貼付により絶縁層13が形成されている。また、クランプ部材5における発熱部品2の接触部分を含む領域にも、前記と同様に、絶縁層13が形成されている。これら絶縁層13の存在により、発熱部品2に対する絶縁性能が高められており、絶縁チューブ3の被覆等の省略が可能になる。
【0028】
なお、前記の絶縁層13は、放熱板4側にのみ形成してもよいし、クランプ部材5にのみ形成してもよい。また、発熱部品2の側に絶縁層を形成してもよい。第2実施形態の他の構成は、第1実施形態と変わらないので、対応する部分には、第1実施形態と同一の符号を付して、説明は省略する。
【0029】
図7は、第2実施形態の変形例を示す斜視図である。この変形例では、取り付け部7が、発熱部品2の横位置を規制する受け止め部12を兼ねている。
【0030】
〔第3実施形態〕
図8ないし図10は、本発明の第3実施形態を示すもので、図8は、第3実施形態に係る発熱部品の放熱構造の斜視図、図9は、図8の放熱構造の平面図、図10は、図8の放熱構造に用いる放熱板の斜視図である。この実施形態では、放熱板4の前面に取り付け部7とともに、左右一対の角リブ状の受け止め部12,12が押出し成型によって放熱板4の高さ方向全長にわたって同一の横断面形状で一体に形成されている。両受け止め部12,12の間に発熱部品2を配置することで、発熱部品2の固定位置、姿勢の一層の安定化が図られる。
【0031】
なお、この実施形態でも、第2実施形態と同様に、放熱板4の前面の各部分のうち、発熱部品2の接触部分を含む領域に絶縁層13が形成され、また、クランプ部材5の各部分のうち、発熱部品2の接触部分を含む領域に絶縁層13が形成されている。
【0032】
〔第4実施形態〕
図11および図12は本発明の第4実施形態を示すもので、図11は第4実施形態に係る発熱部品の放熱構造の斜視図、図12は、図11の放熱構造の平面図である。この第4実施形態では、放熱板4の前面に、鉤形の横断面形状で外向きの係止溝14を有する左右一対の取り付け部7,7が、放熱板4の高さ方向全長にわたって同一の横断面形状で一体に形成されている。これに対応して、クランプ部材5は、左右両取り付け部7,7を跨ぐ横幅を有しており、その左右両端にはそれぞれ内向きのフック部5a,5aが形成されている。
【0033】
両取り付け部7,7に対して、これらを跨ぐようにクランプ部材5を押し付けると、クランプ部材5の両フック部5a,5aは、左右に広がった上で、係止溝14に係止する。このように、クランプ部材5が両取り付け部7,7に取り付けられると、その中央部が発熱部品2に接触し、これにより、発熱部品2が放熱板4の前面に圧接固定される。
【0034】
なお、上記の構成では、クランプ部材5は取り付け部7に対して上下に動きうるが、クランプ部材5の中央部に小突起を膨出形成しておき、この小突起を、発熱部品2の本体2aに形成されているねじ止め用孔15に嵌入させれば、クランプ部材5自体が上下にズレ動くことが阻止される。
【0035】
図13および図14は第4実施形態の変形例を示すもので、図13は変形例に係る放熱構造の斜視図、図14は、図13の放熱構造の平面図である。この変形例では、放熱板4の前面に、内向きの係止溝14を有する左右一対の取り付け部7,7が、放熱板4の高さ方向全長にわたって同一の横断面形状で一体に形成されている。クランプ部材5は、その左右両端にはそれぞれ外向きのフック部5a,5aが形成されている。フック部5aが係止溝14に係止されることで、クランプ部材5の中央部が発熱部品2を放熱板4の前面に押し付けることになる。
【0036】
〔他の実施形態〕
本発明は、図15ないし図19に示すような形態で実施することもできる。図15および図16において、放熱板4の両端に形成される溝8の径は、ねじ9より小径である。この溝8には基板1の下面側からねじ9が挿入されるが、このねじ9にはタッピングねじが用いられる。この構成によれば、溝8に雌ねじ部を形成しておく必要がなくなる。
【0037】
また、図15および図16に示す例では、放熱板4の各部を比較的均一な肉厚にして押出し成型されている。この構成では、一段と放熱板4の材料が節減できるとともに、表面積を拡大して放熱効果を高めることができる。
【0038】
図17は、さらに他の実施形態を示すもので、この実施形態では、取り付け部7にビス11の径より小幅の縦溝16が形成されている。ビス11として同径のタッピングねじを用い、これが縦溝16の所要高さ位置にねじ込まれる。また、縦溝16の所要高さ位置に雌ねじ部を形成し、この雌ねじ部にビス11を螺挿するようにしてもよい。
【0039】
図18に示す実施形態では、放熱板4は、その背面が基板1の端辺と一致する位置に立設されている。そして、基板1の上方から、基板1の外形とほぼ同じ大きさのケース17が被せられ、これにより、基板1と、これに設けられた放熱板4等の部品は、ケース17の内部に収容される。基板1の端辺では、放熱板4の背面がケース17の側壁内面に全面的に接触している。この接触状態を確実にするために、ケース17の側壁が放熱板4の背面にねじ等の固定手段で固定されることもある。
【0040】
また、図18の実施形態では、放熱板4の上端面にケース17の天板が接しており、この天板を貫通して放熱板4の溝8に挿入されるねじ18により、ケース17と放熱板4とは相互に固定される。この場合は、溝8の上部には雌ねじ部8bを形成しておく必要がある。放熱板4の基板1への取り付けは省略してもよい。前記のケース17は、基板1の外形より小さい大きさで、基板1上の部品を覆うものであってもよい。
【0041】
上記の構成では、発熱部品2で発生する熱は、放熱板4からその背面や上端面に接するケース17に伝わり、ケース17全体の内外面から放熱される。そのため、放熱板4単独で放熱するよりも、放熱効果が高まる。
【0042】
図19は、放熱板4に形成される溝8の他の実施形態を示すものである。この溝8は、内部より開口幅が狭い形状であればよく、図示のものでは、横断面形状が鍵穴状で、円孔部分と、この円孔部分を放熱板4の表面側に連結する連結部分とからなる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、放熱板の一部に設けた取り付け部にクランプ部材を取り付けるようにしたので、クランプ部材をビスで取り付けても、放熱板の背面側へのビスの突出を無くすことができ、しかも、放熱板全体を厚くした場合のように、基板上での放熱板の設置面積が特に大きくなったり、放熱板材料を多く用いてコスト高になるようなことがない。
【0044】
取り付け部が、放熱板の高さ方向全長にわたって同一の横断面形状で形成されている場合は、取り付け部の下端面も基板に当接することになり、放熱板の倒れを阻止する座面として有効に機能するほか、取り付け部を含む放熱板の全体を、その高さ方向を押し出し方向とする押出し成型材で構成することができる。また、放熱面積を増大することにもなり、放熱効果を高める上でも有効となる。
【0045】
放熱板が押出し成型材からなる場合は、放熱板に取り付け部ばかりでなく、他の部分、例えば、基板上に放熱板を立設固定するためのねじ部材が挿入される溝を、一度の押出し成型加工で設けることができ、従来の放熱板を製作する場合に比べ、工程数を減らすことができる。また、押し出し成型された長尺の素材を、所要の長さ寸法で切断するだけで、必要な高さ寸法の放熱板を多数、容易に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発熱部品の放熱構造の斜視図である。
【図2】図1の放熱構造の平面図である。
【図3】図1の放熱構造の分解斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る発熱部品の放熱構造の斜視図である。
【図5】図4の放熱構造の平面図である。
【図6】図4の放熱構造に用いる放熱板の斜視図である。
【図7】第2実施形態の変形例である放熱構造の斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る発熱部品の放熱構造の斜視図である。
【図9】図8の放熱構造の平面図である。
【図10】図8の放熱構造に用いる放熱板の斜視図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係る発熱部品の放熱構造の斜視図である。
【図12】図11の放熱構造の平面図である。
【図13】第4実施形態の変形例である放熱構造の斜視図である。
【図14】図13の放熱構造の平面図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係る放熱構造の一部切欠き正面図である。
【図16】図15の放熱構造の平面図である。
【図17】本発明のさらに他の実施形態における放熱板とクランプ部材とを示す斜視図である。
【図18】本発明のさらに別の実施形態に係る放熱構造の斜視図で、基板を覆うケースが含まれている。
【図19】本発明のさらに別の実施形態におけるねじ用溝を示す部分平面図である。
【図20】従来の放熱構造の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基板
2 発熱部品
4 放熱板
5 クランプ部材
7 取り付け部
8 溝
11 ビス(取り付け用軸体)
12 受け止め部
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板に実装されるトランジスタなどの発熱部品で発生する熱を放熱板を介して放熱する発熱部品の放熱構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
トランジスタなどの発熱部品で発生する熱を放熱するための一方法として、発熱部品を放熱板に取り付けるのであるが、種々の安全規格に適合させるためには、発熱部品と放熱板との間の絶縁性を高める必要があり、発熱部品をねじ等で直接、放熱板に取り付けることができず、従来は、発熱部品を絶縁チューブや絶縁カバーで覆った上で、これをばね板等のクランプ部材で放熱板の一面に押し付けて固定している。
【0003】
このようにクランプ部材で発熱部品を押圧して放熱板の一面に固定するよう構成した放熱構造としては、例えば、図20に示すように、基板1に立設した放熱板4にクランプ部材5の一端をねじ止めし、このクランプ部材5の遊端部で発熱部品2を弾性的に押圧するよう構成したものや、あるいは、放熱板に形成された孔に係止されるクランプ部材で、発熱部品を放熱板の一面に弾性的に圧接するよう構成したもの(特許文献1参照)などが提案されている。
【0004】
【特許文献1】
実公平6−22994号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図20に示される従来手段では、放熱板4が比較的板厚の薄い板材からなるので、クランプ部材5を放熱板4に取り付けるビス11の先端が放熱板4の背面側に突出することになり、このビス11の突出部分により、放熱板4の背面側にデッドスペースができ、それだけ基板1を含む装置の小型化が阻害されるほか、放熱板4を含む基板1の組み付け工程などにおいて、放熱板4の背面に突出したビス11の先端が組み込みの邪魔になることがあった。すなわち、放熱板4は、基板1の端辺近くに設置されることが多く、その場合は、この基板1を基板外形とほぼ同じ大きさのケースに収容する際、放熱板4の背面に突出したねじ11の先端がケースに引っかかるおそれがあった。
【0006】
これに対しては、放熱板の板厚を厚くして、ビスの先端が背面側に突出しないようにすることが考えられるが、そうすると、放熱板の材料費が嵩み、コストアップを招来する。
【0007】
特許文献1の従来手段でも、上記と同様の問題があり、クランプ部材の係止部分が放熱板の背面側に突出し、これが放熱板の背面側にデットスペースを形成し、また、基板のケースへの組み込みの邪魔になる。
【0008】
さらに、従来手段では、放熱板の下縁の折り曲げ縁を基板への取り付け座としているので、その製作に当たっては、放熱板の下縁の折り曲げ加工を行った上で、その折り曲げ縁にねじ孔の加工をする必要があり、加工数が多いという問題もある。
【0009】
本発明は、このような実情に着目してなされたものであって、放熱板にクランプ部材を用いて発熱部品を押圧固定する形態の放熱構造における上記不具合を解消することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、基板に立設される放熱板と、この放熱板の一面に発熱部品を押圧して固定するクランプ部材とを含み、前記放熱板の発熱部品固定側の面には、その一部に板厚方向に隆起した取り付け部が一体に形成され、この取り付け部に、前記クランプ部材が取り付け用軸体により取り付けられている発熱部品の放熱構造を構成している。
【0011】
この構成によると、クランプ部材は、放熱板に一体に設けられた厚みのある取り付け部にビスのような取り付け用軸体で取り付けられるので、例えば、ビスでクランプ部材を固定しても、ビスの先端が放熱板の背面から突出するようなことがない。したがって、放熱板の背面にデットスペースができたり、基板のケースへの組み込みに支障が生じることがない。
【0012】
また、取り付け部は、放熱板の一部に設けられるものであるから、放熱板全体を厚くする場合のように、放熱板の基板上での設置面積が大きくなることも、また、放熱板の材料を多く必要とすることもない。また、取り付け部は放熱板から突出した分だけ放熱面積が増大することにもなる。
【0013】
なお、上記構成において、発熱部品は、通常、絶縁チューブや絶縁カバーに覆われた状態で放熱板の前面に当てがわれ固定されるが、場合によっては、絶縁チューブ等の被覆を省略してもよい。また、上記構成における取り付け用軸体には、ビスのようなねじ部材のほか、リベットのように圧入により取り付けられる軸状の部材も含まれる。
【0014】
このほか、上記構成における取り付け部は、放熱板の前面(発熱部品が固定される側の面)に島状に隆起するものであってもよいが、この取り付け部は、放熱板の高さ方向全長にわたって同一の横断面形状で形成されていることが好ましい。このような構成では、取り付け部の下端面も基板に当接することになり、放熱板の倒れを阻止する座面として有効に機能するほか、取り付け部を含む放熱板の全体を、その高さ方向を押し出し方向とする押出し成型材で構成することが可能になる。
【0015】
放熱板がこのような押出し成型材である場合は、放熱板に前記の取り付け部ばかりでなく、他の部分、例えば、基板上に放熱板を立設固定するためのねじ部材が挿入される溝を、一度の押出し成型加工で設けることができる。また、押し出し成型された長尺の素材を、所要の長さ寸法で切断するだけで、必要な高さ寸法の放熱板を多数、容易に製作することができる。
【0016】
上記構成の発熱部品の放熱構造において、放熱板の前面に、発熱部品の横方向の位置決めをする受け止め部が、放熱板の高さ方向に沿って一体に形成されていてもよい。この構成によると、発熱部品を放熱板に固定する際に、位置決め用の治具を用いることなく、発熱部品を所定の位置に所定の姿勢で固定することができる。また、受け止め部は放熱リブとしても機能する。受け止め部は、発熱部品の片側に一つ設けてもよいし、両側に二つ設けてもよい。
【0017】
また、放熱板の前面の各部分のうち、発熱部品が接触する部分を含む領域、または、クランプ部材の各部分のうち、発熱部品が接触する部分を含む領域の少なくとも一方の領域に、絶縁層が形成されている構成としてもよい。このように、発熱部品が接触する個所に絶縁層があると、放熱板と発熱部品との間の絶縁性が良好となって安全性が高まり、発熱部品への絶縁チューブ等の被覆の省略が可能になる。
【0018】
このほか、少なくとも基板上の部品を覆うケースを備えた構成とし、このケースの側壁内面を、放熱板の背面と面接触させてもよい。また、前記のケースの天板を、放熱板の上端面に接触させて、両者をねじ部材により相互に固定してもよい。この構成では、発熱部品での発生熱は、放熱板の背面や上端面からケースに伝わり、ケース全体の内外面から放熱されることになるため、放熱板単独で放熱するよりも、放熱効果が高まる。
【0019】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1ないし図3は、本発明の第1実施形態を示すもので、図1は、第1実施形態に係る発熱部品の放熱構造の斜視図、図2は、図1の放熱構造の平面図、図3は、図1の放熱構造の分解斜視図である。これらの図において、1は基板、2はトランジスタなどの発熱部品、3は絶縁チューブ、4は放熱板、5はクランプ部材である。
【0020】
発熱部品2は、その本体2aの下端から延出された端子2bが基板1の取り付け孔6に挿入されて、基板1の下面側で導電パターン等にハンダ付けされており、本体2aには上方から絶縁チューブ3が被せられる。
【0021】
放熱板4は、アルミニウムもしくは銅等の熱良導性の金属からなり、高さ方向に向けて押出し成型されたものである。したがって、放熱板4の横断面形状は、高さ方向各部で一定である。この放熱板4は、通常、長尺の押出し成型材を所定の長さ毎に切断して得られる。放熱板4の前面(発熱部品2が固定される側の面)には、角リブ状に隆起した取り付け部7が高さ方向全長にわたって一体に形成されている。
【0022】
また、放熱板4の左右両端部には、基板1上に放熱板4を立設固定するためのねじ9が挿入される溝8が、放熱板4の高さ方向全長にわたって形成されている。この溝8は、内部より開口幅が狭い形状で、図示例では、横断面形状が180度を越える円弧状となっている。この溝8の下部内面には雌ねじ部8a(図3に図示)が形成される。この溝8の雌ねじ部8aに、基板1の下面側から取り付け孔10を通じてねじ9を螺挿し締め付けることで、放熱板4は、基板1に対して直角に起立した形で固定される。
【0023】
クランプ部材5はバネ板材からなり、その一端がビス11によって放熱板4の取り付け部7に横向き片持ち状に取着されている。ここで、ビス11の軸部の長さに対して、取り付け部7の板厚方向の厚みの方が大である。クランプ部材5の遊端部は、発熱部品2の本体2aに弾力的に当接し、これにより、発熱部品2の本体2aが放熱板4の前面に圧接され、発熱部品2での発生熱が絶縁チューブ3を通して放熱板4に伝導されて放散されるようになっている。
【0024】
上記の構成において、取り付け部7は板厚方向に充分の厚みがあるので、ビス11の先端は放熱板4の背面側に突出しない。また、取り付け部7は、放熱板4の一部に設けられるものであるから、放熱板4全体を厚くする場合のように、多くの材料を必要とせず、設置面積も小さくて済む。さらに、取り付け部7は放熱板4から突出した分だけ放熱面積が増大することにもなる。このほか、放熱板4は、基板1に対して、取り付け部7の個所で板厚方向に広い座面が形成されているので、放熱板4の倒れに対する強度は高いものとなる。
【0025】
〔第2実施形態〕
図4ないし図6は、本発明の第2実施形態を示すもので、図4は、第2実施形態に係る発熱部品の放熱構造の斜視図、図5は、図4の放熱構造の平面図、図6は、図4の放熱構造に用いる放熱板の斜視図である。
【0026】
この第2実施形態では、放熱板4の前面に取り付け部7とともに、角リブ状の受け止め部12が押出し成型によって放熱板4の高さ方向全長にわたって同一の横断面形状で一体に形成されている。受け止め部12は、発熱部品2の横位置を規制するためのもので、この受け止め部12に沿って発熱部品2を配置することで、発熱部品2の固定位置、姿勢の安定化を図ることができる。
【0027】
この実施形態では、さらに、放熱板4の前面における発熱部品2の接触部分、および受け止め部12での発熱部品2の接触部分を含む領域に、絶縁剤の塗布、もしくは絶縁シートの貼付により絶縁層13が形成されている。また、クランプ部材5における発熱部品2の接触部分を含む領域にも、前記と同様に、絶縁層13が形成されている。これら絶縁層13の存在により、発熱部品2に対する絶縁性能が高められており、絶縁チューブ3の被覆等の省略が可能になる。
【0028】
なお、前記の絶縁層13は、放熱板4側にのみ形成してもよいし、クランプ部材5にのみ形成してもよい。また、発熱部品2の側に絶縁層を形成してもよい。第2実施形態の他の構成は、第1実施形態と変わらないので、対応する部分には、第1実施形態と同一の符号を付して、説明は省略する。
【0029】
図7は、第2実施形態の変形例を示す斜視図である。この変形例では、取り付け部7が、発熱部品2の横位置を規制する受け止め部12を兼ねている。
【0030】
〔第3実施形態〕
図8ないし図10は、本発明の第3実施形態を示すもので、図8は、第3実施形態に係る発熱部品の放熱構造の斜視図、図9は、図8の放熱構造の平面図、図10は、図8の放熱構造に用いる放熱板の斜視図である。この実施形態では、放熱板4の前面に取り付け部7とともに、左右一対の角リブ状の受け止め部12,12が押出し成型によって放熱板4の高さ方向全長にわたって同一の横断面形状で一体に形成されている。両受け止め部12,12の間に発熱部品2を配置することで、発熱部品2の固定位置、姿勢の一層の安定化が図られる。
【0031】
なお、この実施形態でも、第2実施形態と同様に、放熱板4の前面の各部分のうち、発熱部品2の接触部分を含む領域に絶縁層13が形成され、また、クランプ部材5の各部分のうち、発熱部品2の接触部分を含む領域に絶縁層13が形成されている。
【0032】
〔第4実施形態〕
図11および図12は本発明の第4実施形態を示すもので、図11は第4実施形態に係る発熱部品の放熱構造の斜視図、図12は、図11の放熱構造の平面図である。この第4実施形態では、放熱板4の前面に、鉤形の横断面形状で外向きの係止溝14を有する左右一対の取り付け部7,7が、放熱板4の高さ方向全長にわたって同一の横断面形状で一体に形成されている。これに対応して、クランプ部材5は、左右両取り付け部7,7を跨ぐ横幅を有しており、その左右両端にはそれぞれ内向きのフック部5a,5aが形成されている。
【0033】
両取り付け部7,7に対して、これらを跨ぐようにクランプ部材5を押し付けると、クランプ部材5の両フック部5a,5aは、左右に広がった上で、係止溝14に係止する。このように、クランプ部材5が両取り付け部7,7に取り付けられると、その中央部が発熱部品2に接触し、これにより、発熱部品2が放熱板4の前面に圧接固定される。
【0034】
なお、上記の構成では、クランプ部材5は取り付け部7に対して上下に動きうるが、クランプ部材5の中央部に小突起を膨出形成しておき、この小突起を、発熱部品2の本体2aに形成されているねじ止め用孔15に嵌入させれば、クランプ部材5自体が上下にズレ動くことが阻止される。
【0035】
図13および図14は第4実施形態の変形例を示すもので、図13は変形例に係る放熱構造の斜視図、図14は、図13の放熱構造の平面図である。この変形例では、放熱板4の前面に、内向きの係止溝14を有する左右一対の取り付け部7,7が、放熱板4の高さ方向全長にわたって同一の横断面形状で一体に形成されている。クランプ部材5は、その左右両端にはそれぞれ外向きのフック部5a,5aが形成されている。フック部5aが係止溝14に係止されることで、クランプ部材5の中央部が発熱部品2を放熱板4の前面に押し付けることになる。
【0036】
〔他の実施形態〕
本発明は、図15ないし図19に示すような形態で実施することもできる。図15および図16において、放熱板4の両端に形成される溝8の径は、ねじ9より小径である。この溝8には基板1の下面側からねじ9が挿入されるが、このねじ9にはタッピングねじが用いられる。この構成によれば、溝8に雌ねじ部を形成しておく必要がなくなる。
【0037】
また、図15および図16に示す例では、放熱板4の各部を比較的均一な肉厚にして押出し成型されている。この構成では、一段と放熱板4の材料が節減できるとともに、表面積を拡大して放熱効果を高めることができる。
【0038】
図17は、さらに他の実施形態を示すもので、この実施形態では、取り付け部7にビス11の径より小幅の縦溝16が形成されている。ビス11として同径のタッピングねじを用い、これが縦溝16の所要高さ位置にねじ込まれる。また、縦溝16の所要高さ位置に雌ねじ部を形成し、この雌ねじ部にビス11を螺挿するようにしてもよい。
【0039】
図18に示す実施形態では、放熱板4は、その背面が基板1の端辺と一致する位置に立設されている。そして、基板1の上方から、基板1の外形とほぼ同じ大きさのケース17が被せられ、これにより、基板1と、これに設けられた放熱板4等の部品は、ケース17の内部に収容される。基板1の端辺では、放熱板4の背面がケース17の側壁内面に全面的に接触している。この接触状態を確実にするために、ケース17の側壁が放熱板4の背面にねじ等の固定手段で固定されることもある。
【0040】
また、図18の実施形態では、放熱板4の上端面にケース17の天板が接しており、この天板を貫通して放熱板4の溝8に挿入されるねじ18により、ケース17と放熱板4とは相互に固定される。この場合は、溝8の上部には雌ねじ部8bを形成しておく必要がある。放熱板4の基板1への取り付けは省略してもよい。前記のケース17は、基板1の外形より小さい大きさで、基板1上の部品を覆うものであってもよい。
【0041】
上記の構成では、発熱部品2で発生する熱は、放熱板4からその背面や上端面に接するケース17に伝わり、ケース17全体の内外面から放熱される。そのため、放熱板4単独で放熱するよりも、放熱効果が高まる。
【0042】
図19は、放熱板4に形成される溝8の他の実施形態を示すものである。この溝8は、内部より開口幅が狭い形状であればよく、図示のものでは、横断面形状が鍵穴状で、円孔部分と、この円孔部分を放熱板4の表面側に連結する連結部分とからなる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、放熱板の一部に設けた取り付け部にクランプ部材を取り付けるようにしたので、クランプ部材をビスで取り付けても、放熱板の背面側へのビスの突出を無くすことができ、しかも、放熱板全体を厚くした場合のように、基板上での放熱板の設置面積が特に大きくなったり、放熱板材料を多く用いてコスト高になるようなことがない。
【0044】
取り付け部が、放熱板の高さ方向全長にわたって同一の横断面形状で形成されている場合は、取り付け部の下端面も基板に当接することになり、放熱板の倒れを阻止する座面として有効に機能するほか、取り付け部を含む放熱板の全体を、その高さ方向を押し出し方向とする押出し成型材で構成することができる。また、放熱面積を増大することにもなり、放熱効果を高める上でも有効となる。
【0045】
放熱板が押出し成型材からなる場合は、放熱板に取り付け部ばかりでなく、他の部分、例えば、基板上に放熱板を立設固定するためのねじ部材が挿入される溝を、一度の押出し成型加工で設けることができ、従来の放熱板を製作する場合に比べ、工程数を減らすことができる。また、押し出し成型された長尺の素材を、所要の長さ寸法で切断するだけで、必要な高さ寸法の放熱板を多数、容易に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発熱部品の放熱構造の斜視図である。
【図2】図1の放熱構造の平面図である。
【図3】図1の放熱構造の分解斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る発熱部品の放熱構造の斜視図である。
【図5】図4の放熱構造の平面図である。
【図6】図4の放熱構造に用いる放熱板の斜視図である。
【図7】第2実施形態の変形例である放熱構造の斜視図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る発熱部品の放熱構造の斜視図である。
【図9】図8の放熱構造の平面図である。
【図10】図8の放熱構造に用いる放熱板の斜視図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係る発熱部品の放熱構造の斜視図である。
【図12】図11の放熱構造の平面図である。
【図13】第4実施形態の変形例である放熱構造の斜視図である。
【図14】図13の放熱構造の平面図である。
【図15】本発明の他の実施形態に係る放熱構造の一部切欠き正面図である。
【図16】図15の放熱構造の平面図である。
【図17】本発明のさらに他の実施形態における放熱板とクランプ部材とを示す斜視図である。
【図18】本発明のさらに別の実施形態に係る放熱構造の斜視図で、基板を覆うケースが含まれている。
【図19】本発明のさらに別の実施形態におけるねじ用溝を示す部分平面図である。
【図20】従来の放熱構造の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 基板
2 発熱部品
4 放熱板
5 クランプ部材
7 取り付け部
8 溝
11 ビス(取り付け用軸体)
12 受け止め部
Claims (9)
- 基板に立設される放熱板と、この放熱板の一面に発熱部品を押圧して固定するクランプ部材とを含み、
前記放熱板の発熱部品固定側の面には、その一部に板厚方向に隆起した取り付け部が一体に形成され、この取り付け部に、前記クランプ部材が取り付け用軸体により取り付けられていることを特徴とする発熱部品の放熱構造。 - 請求項1に記載の発熱部品の放熱構造において、
前記取り付け部は、放熱板の高さ方向全長にわたって同一の横断面形状で形成されている発熱部品の放熱構造。 - 請求項2に記載の発熱部品の放熱構造において、
前記放熱板は、その高さ方向を押し出し方向とする押出し成型材で構成されている発熱部品の放熱構造。 - 請求項2または請求項3に記載の発熱部品の放熱構造において、
前記放熱板には、これを基板上に立設固定するためのねじ部材が挿入される溝が、放熱板の高さ方向全長にわたって形成されている発熱部品の放熱構造。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の発熱部品の放熱構造において、
前記放熱板の発熱部品固定側の面に、発熱部品の横方向の位置決めをする受け止め部が放熱板の高さ方向に沿って一体に形成されている発熱部品の放熱構造。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の発熱部品の放熱構造において、
前記放熱板の発熱部品固定側の面の各部分のうち、発熱部品が接触する部分を含む領域に、絶縁層が形成されている発熱部品の放熱構造。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の発熱部品の放熱構造において、
前記クランプ部材の各部分のうち、発熱部品が接触する部分を含む領域に、絶縁層が形成されている発熱部品の放熱構造。 - 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の発熱部品の放熱構造において、
少なくとも基板上の部品を覆うケースを備え、このケースの側壁内面が、前記放熱板の発熱部品固定側とは反対の面と面接触している発熱部品の放熱構造。 - 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の発熱部品の放熱構造において、
少なくとも基板上の部品を覆うケースの天板が、前記放熱板の上端面とねじ部材により相互に固定されている発熱部品の放熱構造。
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- 2002-10-25 JP JP2002310593A patent/JP2004146627A/ja active Pending
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