JP2004146521A - 銀電極用ペーストおよびそれを用いた太陽電池セル - Google Patents
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Abstract
【課題】GF量を増加させずに、信頼性が高く、接着強度に優れ、太陽電池セルに高出力(FF値)を付与する銀電極用ペーストおよびそれを用いた太陽電池セルを提供することを課題とする。
【解決手段】銀粉末、ガラスフリット、樹脂および有機溶剤を少なくとも含み、ガラスフリットが、開口径24〜100μmの篩で分級した通過分であることを特徴とする銀電極用ペーストにより、上記の課題を解決する。
【選択図】 図4
【解決手段】銀粉末、ガラスフリット、樹脂および有機溶剤を少なくとも含み、ガラスフリットが、開口径24〜100μmの篩で分級した通過分であることを特徴とする銀電極用ペーストにより、上記の課題を解決する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池の電極形成に好適に用いられる銀電極用ペーストおよびそれを用いた太陽電池セルに関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽光のような光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池は、地球環境問題に対する関心が高まるにつれ、積極的に種々の構造・構成のものが開発されている。その中でも、シリコンなどの半導体基板を用いた太陽電池は、その変換効率、製造コストなどの優位性により最も一般的に用いられている。
【0003】
図1は一般的な太陽電池セルの概略断面図であり、図2はその一般的な製造プロセスを示す流れ図である。半導体基板として結晶系シリコンを用いる場合、図1の太陽電池セルは、次のようにして製造される。
まず、エッチングによりp型シリコン基板1の加工時に形成されたダメージ層を除去し、公知の技術によりp型シリコン基板1の受光面となる側(表面)にリンなどのn型の不純物を拡散させ、p型シリコン基板1の表面近傍に受光面不純物拡散領域(n型拡散層)2を形成し、pn接合とする。さらに、その上にCVD法などにより、表面反射率を低減さセルための反射防止膜(シリコン窒化膜)3を形成する。一方、スクリーン印刷法などにより、p型シリコン基板1の裏面のほぼ全面にアルミ電極用ペーストを印刷・乾燥し、酸化性雰囲気中、高温で焼成し、裏面集電電極(アルミ電極)4を形成する。次いで、スクリーン印刷法などにより、p型シリコン基板1の裏面の一部および表面の反射防止膜に、銀電極用ペーストをパターン状に印刷し、150℃程度で乾燥させた後、酸化性雰囲気中、約600℃程度で1〜2分程度焼成し、裏面電極(銀電極)5および表面電極(銀電極)6を形成する。その後、p型シリコン基板1をフラックスに浸漬し、熱風乾燥した後、約200℃のはんだ浴に浸漬し、その後洗浄・乾燥し(はんだコーティング形成)、裏面電極5および表面電極6の表面にはんだ層7を形成することにより、太陽電池セルを得る。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−127317号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
長期信頼性に優れた太陽電池を簡単に生産するために、いろいろな技術開発が行われている。例えば、はんだコーティング形成における活性剤を含まないフラックスもしくは弱活性のフラックスの使用や電極線幅の細線化などが行われている。特に電極のメイングリッドにおいては、複数枚の太陽電池セルを配線接続するための接着強度が要求されている。しかし、実際には接着強度に充分なマージンがあるとはいえず、さらなる接着強度の向上が望まれている。
【0006】
電極接着強度を改善するためには、一般に銀電極用ペースト中のガラスフリット(以下、「GF」という)の含有量を増やすことが考えられる。しかしながら、単純にGF量を増加すると、シリコンウエハとの接触抵抗が増大し、セル直列抵抗値が上昇するとともに、はんだ濡れ性が低下するなどの悪影響が生じる。
そこで、本発明は、上記の悪影響を生じさせるGF量を増加させずに、信頼性が高く、接着強度に優れ、太陽電池セルに高出力(FF値)を付与する銀電極用ペーストおよびそれを用いた太陽電池セルを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、銀粉末、GF、樹脂および有機溶剤を主成分として含む、銀電極用ペーストにおいて、開口径24〜100μmの篩で分級した通過分、すなわち従来よりも粒径の小さなGFを使用することにより、信頼性が高く、接着強度に優れ、太陽電池セルに高出力(FF値)を付与する銀電極用ペーストが得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
かくして、本発明によれば、銀粉末、GF、樹脂および有機溶剤を少なくとも含み、GFが、開口径24〜100μmの篩で分級した通過分であることを特徴とする銀電極用ペーストが提供される。
【0009】
また、本発明によれば、受光面側の表面電極、pn接合を有する半導体基板および裏面電極を少なくとも具備し、表面電極および/または裏面電極が、上記の銀電極用ペーストを用いて形成されてなることを特徴とする太陽電池セルが提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の銀電極用ペーストは、銀粉末、GF、樹脂および有機溶剤を少なくとも含み、GFが、開口径24〜100μmの篩で分級した通過分であることを特徴とする。本発明の銀電極用ペーストは、太陽電池セルの表面(受光面)電極形成に好適に用いられる。
【0011】
本発明の発明者らは、銀電極用ペーストにおけるGFの粒径と接着強度、それを用いた太陽電池セルの電気特性の関係を調べたところ、これらには相関関係があることがわかった。すなわち、40μm以上の大きな粒径のGFを一切含まない小さなGFを銀電極用ペーストに用いると、接着強度とセル特性(FF値)が向上し、また40μm以上の大きな粒径のGFを用いると、接着強度とFF値が低下することが明らかになった。
【0012】
銀電極は、銀電極用ペーストをGFの融点以上の温度で焼成するとにより得られる。その一般的な焼成のメカニズムは、次のように考えられている。まず、樹脂成分が分解・燃焼し、次いでGFが溶融する。そして、焼結密着する銀粒の間から溶融したガラス質(ガラス極薄層)が押し出され、銀電極用ペーストの表面やシリコンとの界面に染み出す。ここで、染み出したガラス極薄層の状態が、FF値などに関係する接触抵抗、接着強度、およびはんだ濡れ性に影響を与えているものと考えられている。
【0013】
図3は、銀電極用ペーストの焼成後におけるガラス質の染み出し状態を示す概念図であり、(a)はGFの粒径が大きい場合、(b)はGFの粒径が小さい場合である。ここで、銀電極用ペースト中のGF含有量は同じとする。図中、8は銀成分、9はガラス成分を示す。
篩を用いてGFを分級した場合には、その粒径は篩の開口径で完全に二分されるものではない。例えば、開口径37μmの篩を用いてGFを分級した場合、篩上には37μm以上のGF粒子のみではなく、実際にはそれ以下の微細なGFが37μm以上の粒子に付着して残る。
【0014】
GFの粒径が小さい場合、焼成時に銀電極用ペーストの表面に染み出すガラス極薄層の密度は密となる。逆にGFの粒径が大きい場合、ガラス極薄層は粗となる。ガラス極薄層が粗になるほど単位面積あたりのガラス極薄層の分布は不均一になり、接触抵抗が高抵抗な微小領域と低抵抗な微小領域が混在する。つまり1枚の素子としてみたときに、直列抵抗が大きくなる。逆に、ガラス極薄層が密の場合には、安定した低抵抗な微小領域の集合体になると考えられ、1枚の素子としても粗のときのように、接触抵抗が高い領域に引っ張られて直列抵抗が大きくなることはない。したがって、FF値が高い値で安定するものと考えられる。すなわち、GFの粒径を小さくすることで、接着強度とFF値が向上するものと考えられる。
【0015】
図4は、銀電極用ペーストに使用するGFの平均粒径と接着信頼性およびFF値との関係を示す図である。この図は、本発明の発明者らの実験データに基づくものであり、平均粒径4.7μmのGFは、開口径37μmの篩で分級した通過分であり、平均粒径21.6μmのGFは、開口径37μmの篩で分級した残留分であり、平均粒径10.9μmのGFは、分級していないものである(実施例1および比較例1〜2参照)。
図4の結果から、開口径37μmの篩で分級した通過分のGFを用いた銀電極用ペーストが、接着強度とFF値に優れていることがわかる。
【0016】
本発明の銀電極用ペーストに用いられる材料は、特に限定されず、当該分野で公知の材料が挙げられる。なお、篩で分級するGFについても同様に公知の材料が挙げられる。
GFとしては、例えば、ホウ珪酸鉛ガラスフリット(日本電気硝子株式会社製、融点420℃)が挙げられる。篩による分級は、公知の方法を用いて行うことができる。篩の開口径は、24〜100μmが好ましく、24〜37μmが特に好ましい。篩の開口径が上記の範囲であれば、信頼性が高く、接着強度に優れ、太陽電池セルに高出力(FF値)を付与する銀電極用ペーストが得られる。
銀電極用ペーストに用いられるGFの粒度分布は、通常、0.1〜100μm程度である。
【0017】
銀粉末としては、例えば、株式会社高純度化学研究所製のものなどが挙げられる。
樹脂としては、例えば、セルロース樹脂などが挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、酢酸ブチルカルビトールとテレピネオールの混合溶剤などが挙げられる。
【0018】
本発明の銀電極用ペーストは、必要に応じて、接触抵抗低減化剤として少なくとも1種の公知の添加剤を含んでいてもよい。
接触抵抗低減化剤としては、例えば、亜酸化リン、三酸化二リン、四酸化二リン、五酸化二リンのような酸化リン、および例えば、イリジウム、パラジウム、プラチナのような8族の金属元素のハロゲン化物などが挙げられる。
本発明の銀電極用ペーストを太陽電池セルの表面電極形成に用いる場合、上記の添加剤の中でも、五酸化二リンおよび塩化イリジウムが特に好ましい。
【0019】
本発明の銀電極用ペーストを太陽電池セルの銀電極形成に用いる場合、その配合割合は、諸条件により適宜設定することができるが、例えば、銀粉末80.0wt%、GF2.0wt%、樹脂1.7wt%、有機溶剤16.2wt%および添加剤0.1wt%が挙げられる。添加剤の配合割合は、例えば、五酸化二リン0.1wt%程度、塩化イリジウム0.005wt%程度である。
【0020】
本発明の銀電極用ペーストは、例えば、次のようにして調製できる。
予め、有機溶剤に樹脂を溶解させて樹脂溶液を調製する。得られた樹脂溶液の一部と銀粉末とGFを混錬機に投入し、残りの樹脂溶液を少しずつ加えながら混錬する。次いで、得られた混合物を所望のギャップに調整したロールミルを通過させ、銀電極用ペーストを得る。
【0021】
本発明の太陽電池セルは、受光面側の表面電極、pn接合を有する半導体基板および裏面電極を少なくとも具備し、表面電極および/または裏面電極が、本発明の銀電極用ペーストを用いて形成されてなる。
【0022】
半導体基板としては、太陽電池を形成するための基板であればよく、単結晶または多結晶のシリコン基板が挙げられる。その厚さは、100〜450μm程度である。
半導体インゴットから切り出された半導体基板は、表面清浄化のために、予め混酸エッチングと純水リンスに付すのが好ましい。
【0023】
半導体基板はpn接合を有するが、これは、第1導電型の半導体基板の表面側に第2導電型の受光面不純物拡散領域が形成されていることを意味する。ここで、第1導電型がn型の場合には、第2導電型はp型であり、第1導電型がp型の場合には、第2導電型はn型である。
【0024】
p型を与える不純物としては、ホウ素、アルミニウムなどが挙げられ、n型を与える不純物としては、リン、砒素などが挙げられる。
半導体基板には、p型、n型共に比抵抗で0.1〜10Ω・cm程度のシリコン基板が使用される。
【0025】
半導体基板の表面側には、気相拡散法などの公知の方法により第2導電型の不純物が拡散され、第2導電型の受光面不純物拡散領域が形成される。この領域は、表面から0.1〜0.5μmの範囲に形成されるのが好ましい。その不純物層としては、p型、n型共にシート抵抗値として20〜100Ω/□程度が好ましい。
【0026】
受光面側の表面電極および/または裏面電極は、本発明の銀電極用ペーストを用いて、スクリーン印刷法などの公知の方法により塗布し、焼成することにより形成することができる。その焼成条件は、例えば、空気中、550〜650℃程度で1〜5分間程度である。
【0027】
表面電極は、一般に太陽電池セルに用いられる形状およびパターン形状に形成され、その形状としては、四角形、楕円などが挙げられる。また、そのパターン形状は、くし型、ドット状、ストライプ形、格子形、フィシュボーン形が挙げられ、パターンの大きさ、配置ピッチは、使用する半導体基板の導電率、厚さなどのパラメータにより適宜設計すればよい。その膜厚は、数〜数十μm程度である。
【0028】
裏面電極は、表面電極と同様にして、本発明の銀電極用ペーストを用いて、スクリーン印刷法などの公知の方法により塗布し、焼成することにより形成することができる。
【0029】
なお、受光面不純物拡散領域において、表面電極が形成されていない部分には、通常、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、酸化チタン膜およびこれらの積層膜などからなる反射防止膜が形成される。反射防止膜は、プラズマCVD法などの公知の方法により形成することができ、その膜厚は、10〜100nm程度である。
【0030】
また、本発明の太陽電池セルにおいて、裏面電極が形成されていない部分には、通常、アルミ電極のような裏面集電電極が形成される。裏面集電電極は、例えば、アルミ電極用ペーストをスクリーン印刷法などの公知の方法により塗布し、焼成することにより形成することができる。その焼成条件は、例えば、空気中、650〜750℃程度で1〜5分間程度である。その膜厚は、数〜数十μm程度である。
【0031】
本発明の太陽電池セルの表面電極および/または裏面電極には、はんだディップなどの公知の方法により、はんだ層が形成される。その膜厚は、1〜10μm程度である。はんだ層は、太陽電池セル接続を容易にさせ、あるいは太陽電池のシリーズ抵抗となる電気抵抗を低下させる。
【0032】
本発明の太陽電池セルは、次の条件を満たすものが好ましい。
(1)表面電極に、はんだ層を形成したときのはんだの不濡れ部分の合計面積が該電極面積の2割以下である。
(2)表面電極に、3mm×1.5mmの面積で銅タブをはんだ付けし、銅タブを斜め45°に引張ったときの破壊強度が0.3kg以上である。なお、本発明において、破壊強度は接着強度として評価される。
(3)温湿度サイクル試験後にタブ剥離が発生しない。
上記の条件を満たす太陽電池セルは、信頼性が高い。
さらに、太陽電池セルの電気特性のFF値は、0.75以上で、できるだけ大きい値であるのが好ましい。
【0033】
【実施例】
本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例については、図1に基づいて説明する。
【0034】
実施例1
テクスチャエッチングされた厚さ330μm、125mm角型のp型シリコン基板1の片側表面に、900℃でリンを熱拡散させて約50Ω/□の面抵抗値を有するn型拡散層2を形成し、その上に反射防止膜3としてプラズマCVD法により約60nmのシリコン窒化膜を形成した。次いで、p型シリコン基板1の裏面に市販のアルミ電極用ペーストをスクリーン印刷法にて印刷し、150℃程度で乾燥した後、空気中、700℃で2分間焼成し、裏面集電電極4としてアルミ電極を形成した。
【0035】
次に、表面用として表1に示す組成からなる銀電極用ペーストを調製した。
まず、5kgのホウ珪酸鉛ガラスフリット(日本電気硝子株式会社製、融点420℃、GF)を、開口径37μm(400メッシュ)の網を備えた篩面積1050cm2の篩を装着した振動篩で3時間分級した。通過分のGFは約1.2kgで、そのうち6.4g秤量した。
【0036】
次に、公知の方法により表面用の銀電極用ペーストを調製した。
予め、酢酸ブチルカルビトールとテレピネオールの混合溶剤50gにセルロース樹脂5.5gを溶解させて樹脂溶液を調製した。得られた樹脂溶液の一部と銀粉末250gとGF6.4g、さらに五塩化リン0.3gと塩化イリジウム0.02gを、臼と杵の機能を有する混錬機に投入し、残りの樹脂溶液を少しずつ加えながら、2時間混錬した。得られた混合物を30μmのギャップに調整したロールミルに3回通し、表面用の銀電極用ペーストとした。
分級していないGFを用いること以外は、上記と同様にして裏面用の銀電極用ペーストを調製した。
【0037】
【表1】
【0038】
調製した裏面用の銀電極用ペーストを、スクリーン印刷法にてp型シリコン基板1のアルミ電極(裏面集電電極4)側における所定の位置に膜厚が約40μmになるように印刷し、150℃で約4分間乾燥した。また、調製した表面用の銀電極用ペーストを、スクリーン印刷法にてp型シリコン基板1の受光面(反射防止膜3)側における所定の位置に膜厚が約15μmになるようにパターン状に印刷し、150℃で約4分間乾燥した。次いで、得られたp型シリコン基板1を、酸化性雰囲気中、600℃で2分間焼成することにより、裏面電極(銀電極)5および表面電極(銀電極)6を形成した。
【0039】
次いで、銀電極を形成したp型シリコン基板1を、表2に示す組成のフラックスに常温で1分間浸漬し、約90℃で熱風乾燥した後、200℃に保持した2%銀入り6:4はんだ浴に2分間浸漬し、はんだ層7を形成した。これを水洗、乾燥して太陽電池セルを完成させた。
【0040】
【表2】
【0041】
上記の工程で25個の太陽電池セルを作製し、表面電極にはんだ層を形成する(はんだコーティング形成)際のはんだ濡れ性の判定、接着強度の測定および温湿度サイクル試験(信頼性試験)後における電極タブの剥離数の計数、ならびに太陽電池セルの電気特性(FF値、電気出力)の測定を行った。
はんだ濡れ性の判定を目視で行い、はんだ層を形成したときのはんだの不濡れ部分の合計面積が電極面積の2割以上である場合を不良とした。
裏面電極(銀電極)に3mm×1.5mmの面積で銅タブをはんだ付けし、銅タブを斜め45°に引張った時の破壊強度(kg)を測定し、この値を接着強度(kg)とし、0.3kg以上を合格とした。
【0042】
上記と同様に銅タブをはんだ付けした太陽電池セルを温湿度サイクル試験(−20〜85℃、85%RHで25サイクル)に付し、試験後における電極タブの剥離数の計数した。
渡邊商行社製の型式:WXS−155Sの測定装置を用いて、太陽電池セルの電気特性(FF値、電気出力(W))を測定した。
得られた結果を表3に示す。
【0043】
光散乱回折法により、使用したGFの粒度分布を測定した。具体的には、平均粒径(μm)、50%径(D50、μm)、40μm以上の粒子の体積割合(≧40μm、vol%)および1μm以下の粒子の体積割合(≦1μm、vol%)を得た。測定装置として、COULTER社製のLS230型を使用した。
また、流動法により、使用したGFの比表面積(m2/g)を測定した。測定装置として、株式会社島津製作所製のフローソーブIIを使用した。
粒度分布は測定誤差や測定方法によるずれが大きく、微粉末の管理には一般に比表面積が用いられることから、比表面積の測定を行った。
得られた結果を表3に示す。
【0044】
比較例1
分級していないGFを用いること以外は、実施例1と同様にして表面用の銀電極用ペーストを調製し、太陽電池セルを作製し、それを実施例1と同様にして評価した。
得られた結果を表3に示す。
【0045】
比較例2
分級による残留分のGFを用いること以外は、実施例1と同様にして表面用の銀電極用ペーストを調製し、太陽電池セルを作製し、それを実施例1と同様にして評価した。
得られた結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
表3の結果から、分級していないGFを用いた銀電極用ペースト(比較例1)では、温湿度サイクル試験(信頼性試験)後における電極タブの剥離不良が8%(25個中2個)発生しているのに対し、開口径37μmの篩で分級した通過分のGFを用いた銀電極用ペースト(実施例1)では、電極タブの剥離の判定が全数良品であり、かつFF値が向上していることがわかる。また、開口径37μmの篩で分級した残留分のGFを用いた銀電極用ペースト(比較例2)では、電極タブの剥離不良が76%(25個中19個)発生している。
以上のことから、本発明によれば、はんだ濡れ性を損なうことなく、信頼性高い高出力素子が実現できることがわかる。また、本発明の銀電極用ペーストは、GFを特定の篩で分級したものに変更するだけで、従来のプロセスを全てそのまま適用して調製およびセル作製することができる。
【0048】
実施例2〜7および比較例3
開口径24μm(500メッシュ)〜125μm(120メッシュ)の篩を用いること以外は、実施例1と同様にして表面用の銀電極用ペーストを調製し、太陽電池セルを作製し、それらの温湿度サイクル試験後における電極タブの剥離数の計数、および太陽電池セルの電気特性(FF値)の測定を行った。
得られた結果を表4に示す。
【0049】
【表4】
【0050】
表4の結果から、開口径24〜100μm、特に開口径37μm以下の篩で分級した通過分のGFを用いた銀電極用ペースト(実施例2〜7、特に実施例2〜4)において、良好な結果が得られることがわかる。
開口径125μm以上の篩で分級してもGFが篩上に残らなかった。なお、開口径24μm未満の篩は一般的には入手が非常に困難であり、工業的に適さない。
【0051】
実施例8
実施例1〜7および比較例1〜3では、各種の銀電極用ペーストを用いて形成した表面(受光面)電極にはんだ層を形成する際の比較を行った。実施例8では、開口径37μmの篩で分級した通過分のGFを用いて裏面用の銀電極用ペーストを調製し、それを用いて形成した裏面電極について評価した。
銀電極用ペーストの調製、太陽電池セルの作製および評価は、実施例1と同様にして行った。評価項目は、はんだ濡れ性の判定、温湿度サイクル試験(信頼性試験)後における電極タブの剥離数の計数、および太陽電池セルの電気特性(FF値)の測定とした。
得られた結果を表面電極の結果とともに表5に示す。
【0052】
比較例4
分級していないGFを用いること以外は、実施例8と同様にして裏面用の銀電極用ペーストを調製し、太陽電池セルを作製し、それを実施例8と同様にして評価した。
得られた結果を表面電極の結果とともに表5に示す。
【0053】
比較例5
分級による通過分のGFを用いること以外は、実施例1と同様にして裏面用の銀電極用ペーストを調製し、太陽電池セルを作製し、それを実施例8と同様にして評価した。
得られた結果を表面電極の結果とともに表5に示す。
【0054】
【表5】
【0055】
表5の結果から、本発明の銀電極用ペーストを裏面電極に適用しても何ら問題のないことがわかる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、接着強度を低下させるGF量を増加させずに、信頼性が高く、接着強度に優れ、太陽電池セルに高出力(FF値)を付与する銀電極用ペーストおよびそれを用いた太陽電池セルを提供することができる。
本発明の銀電極用ペーストは、GFを特定の篩で分級した通過分に変更するだけで、従来のプロセスを全てそのまま適用して調製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な太陽電池セルの概略断面図である。
【図2】一般的な太陽電池セルの製造プロセスを示す流れ図である。
【図3】銀電極用ペーストの焼成後におけるガラス質の染み出し状態を示す概念図、(a)GFの粒径が大きい場合、(b)GFの粒径が小さい場合である。
【図4】銀電極用ペーストに使用するGFの平均粒径と接着信頼性およびFF値との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体基板(p型シリコン基板)
2 受光面不純物拡散領域(n型拡散層)
3 反射防止膜(シリコン窒化膜)
4 裏面集電電極(アルミ電極)
5 裏面電極(銀電極)
6 表面電極(銀電極)
7 はんだ層
8 銀成分
9 ガラス成分
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池の電極形成に好適に用いられる銀電極用ペーストおよびそれを用いた太陽電池セルに関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽光のような光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池は、地球環境問題に対する関心が高まるにつれ、積極的に種々の構造・構成のものが開発されている。その中でも、シリコンなどの半導体基板を用いた太陽電池は、その変換効率、製造コストなどの優位性により最も一般的に用いられている。
【0003】
図1は一般的な太陽電池セルの概略断面図であり、図2はその一般的な製造プロセスを示す流れ図である。半導体基板として結晶系シリコンを用いる場合、図1の太陽電池セルは、次のようにして製造される。
まず、エッチングによりp型シリコン基板1の加工時に形成されたダメージ層を除去し、公知の技術によりp型シリコン基板1の受光面となる側(表面)にリンなどのn型の不純物を拡散させ、p型シリコン基板1の表面近傍に受光面不純物拡散領域(n型拡散層)2を形成し、pn接合とする。さらに、その上にCVD法などにより、表面反射率を低減さセルための反射防止膜(シリコン窒化膜)3を形成する。一方、スクリーン印刷法などにより、p型シリコン基板1の裏面のほぼ全面にアルミ電極用ペーストを印刷・乾燥し、酸化性雰囲気中、高温で焼成し、裏面集電電極(アルミ電極)4を形成する。次いで、スクリーン印刷法などにより、p型シリコン基板1の裏面の一部および表面の反射防止膜に、銀電極用ペーストをパターン状に印刷し、150℃程度で乾燥させた後、酸化性雰囲気中、約600℃程度で1〜2分程度焼成し、裏面電極(銀電極)5および表面電極(銀電極)6を形成する。その後、p型シリコン基板1をフラックスに浸漬し、熱風乾燥した後、約200℃のはんだ浴に浸漬し、その後洗浄・乾燥し(はんだコーティング形成)、裏面電極5および表面電極6の表面にはんだ層7を形成することにより、太陽電池セルを得る。(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−127317号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
長期信頼性に優れた太陽電池を簡単に生産するために、いろいろな技術開発が行われている。例えば、はんだコーティング形成における活性剤を含まないフラックスもしくは弱活性のフラックスの使用や電極線幅の細線化などが行われている。特に電極のメイングリッドにおいては、複数枚の太陽電池セルを配線接続するための接着強度が要求されている。しかし、実際には接着強度に充分なマージンがあるとはいえず、さらなる接着強度の向上が望まれている。
【0006】
電極接着強度を改善するためには、一般に銀電極用ペースト中のガラスフリット(以下、「GF」という)の含有量を増やすことが考えられる。しかしながら、単純にGF量を増加すると、シリコンウエハとの接触抵抗が増大し、セル直列抵抗値が上昇するとともに、はんだ濡れ性が低下するなどの悪影響が生じる。
そこで、本発明は、上記の悪影響を生じさせるGF量を増加させずに、信頼性が高く、接着強度に優れ、太陽電池セルに高出力(FF値)を付与する銀電極用ペーストおよびそれを用いた太陽電池セルを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、銀粉末、GF、樹脂および有機溶剤を主成分として含む、銀電極用ペーストにおいて、開口径24〜100μmの篩で分級した通過分、すなわち従来よりも粒径の小さなGFを使用することにより、信頼性が高く、接着強度に優れ、太陽電池セルに高出力(FF値)を付与する銀電極用ペーストが得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
かくして、本発明によれば、銀粉末、GF、樹脂および有機溶剤を少なくとも含み、GFが、開口径24〜100μmの篩で分級した通過分であることを特徴とする銀電極用ペーストが提供される。
【0009】
また、本発明によれば、受光面側の表面電極、pn接合を有する半導体基板および裏面電極を少なくとも具備し、表面電極および/または裏面電極が、上記の銀電極用ペーストを用いて形成されてなることを特徴とする太陽電池セルが提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の銀電極用ペーストは、銀粉末、GF、樹脂および有機溶剤を少なくとも含み、GFが、開口径24〜100μmの篩で分級した通過分であることを特徴とする。本発明の銀電極用ペーストは、太陽電池セルの表面(受光面)電極形成に好適に用いられる。
【0011】
本発明の発明者らは、銀電極用ペーストにおけるGFの粒径と接着強度、それを用いた太陽電池セルの電気特性の関係を調べたところ、これらには相関関係があることがわかった。すなわち、40μm以上の大きな粒径のGFを一切含まない小さなGFを銀電極用ペーストに用いると、接着強度とセル特性(FF値)が向上し、また40μm以上の大きな粒径のGFを用いると、接着強度とFF値が低下することが明らかになった。
【0012】
銀電極は、銀電極用ペーストをGFの融点以上の温度で焼成するとにより得られる。その一般的な焼成のメカニズムは、次のように考えられている。まず、樹脂成分が分解・燃焼し、次いでGFが溶融する。そして、焼結密着する銀粒の間から溶融したガラス質(ガラス極薄層)が押し出され、銀電極用ペーストの表面やシリコンとの界面に染み出す。ここで、染み出したガラス極薄層の状態が、FF値などに関係する接触抵抗、接着強度、およびはんだ濡れ性に影響を与えているものと考えられている。
【0013】
図3は、銀電極用ペーストの焼成後におけるガラス質の染み出し状態を示す概念図であり、(a)はGFの粒径が大きい場合、(b)はGFの粒径が小さい場合である。ここで、銀電極用ペースト中のGF含有量は同じとする。図中、8は銀成分、9はガラス成分を示す。
篩を用いてGFを分級した場合には、その粒径は篩の開口径で完全に二分されるものではない。例えば、開口径37μmの篩を用いてGFを分級した場合、篩上には37μm以上のGF粒子のみではなく、実際にはそれ以下の微細なGFが37μm以上の粒子に付着して残る。
【0014】
GFの粒径が小さい場合、焼成時に銀電極用ペーストの表面に染み出すガラス極薄層の密度は密となる。逆にGFの粒径が大きい場合、ガラス極薄層は粗となる。ガラス極薄層が粗になるほど単位面積あたりのガラス極薄層の分布は不均一になり、接触抵抗が高抵抗な微小領域と低抵抗な微小領域が混在する。つまり1枚の素子としてみたときに、直列抵抗が大きくなる。逆に、ガラス極薄層が密の場合には、安定した低抵抗な微小領域の集合体になると考えられ、1枚の素子としても粗のときのように、接触抵抗が高い領域に引っ張られて直列抵抗が大きくなることはない。したがって、FF値が高い値で安定するものと考えられる。すなわち、GFの粒径を小さくすることで、接着強度とFF値が向上するものと考えられる。
【0015】
図4は、銀電極用ペーストに使用するGFの平均粒径と接着信頼性およびFF値との関係を示す図である。この図は、本発明の発明者らの実験データに基づくものであり、平均粒径4.7μmのGFは、開口径37μmの篩で分級した通過分であり、平均粒径21.6μmのGFは、開口径37μmの篩で分級した残留分であり、平均粒径10.9μmのGFは、分級していないものである(実施例1および比較例1〜2参照)。
図4の結果から、開口径37μmの篩で分級した通過分のGFを用いた銀電極用ペーストが、接着強度とFF値に優れていることがわかる。
【0016】
本発明の銀電極用ペーストに用いられる材料は、特に限定されず、当該分野で公知の材料が挙げられる。なお、篩で分級するGFについても同様に公知の材料が挙げられる。
GFとしては、例えば、ホウ珪酸鉛ガラスフリット(日本電気硝子株式会社製、融点420℃)が挙げられる。篩による分級は、公知の方法を用いて行うことができる。篩の開口径は、24〜100μmが好ましく、24〜37μmが特に好ましい。篩の開口径が上記の範囲であれば、信頼性が高く、接着強度に優れ、太陽電池セルに高出力(FF値)を付与する銀電極用ペーストが得られる。
銀電極用ペーストに用いられるGFの粒度分布は、通常、0.1〜100μm程度である。
【0017】
銀粉末としては、例えば、株式会社高純度化学研究所製のものなどが挙げられる。
樹脂としては、例えば、セルロース樹脂などが挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、酢酸ブチルカルビトールとテレピネオールの混合溶剤などが挙げられる。
【0018】
本発明の銀電極用ペーストは、必要に応じて、接触抵抗低減化剤として少なくとも1種の公知の添加剤を含んでいてもよい。
接触抵抗低減化剤としては、例えば、亜酸化リン、三酸化二リン、四酸化二リン、五酸化二リンのような酸化リン、および例えば、イリジウム、パラジウム、プラチナのような8族の金属元素のハロゲン化物などが挙げられる。
本発明の銀電極用ペーストを太陽電池セルの表面電極形成に用いる場合、上記の添加剤の中でも、五酸化二リンおよび塩化イリジウムが特に好ましい。
【0019】
本発明の銀電極用ペーストを太陽電池セルの銀電極形成に用いる場合、その配合割合は、諸条件により適宜設定することができるが、例えば、銀粉末80.0wt%、GF2.0wt%、樹脂1.7wt%、有機溶剤16.2wt%および添加剤0.1wt%が挙げられる。添加剤の配合割合は、例えば、五酸化二リン0.1wt%程度、塩化イリジウム0.005wt%程度である。
【0020】
本発明の銀電極用ペーストは、例えば、次のようにして調製できる。
予め、有機溶剤に樹脂を溶解させて樹脂溶液を調製する。得られた樹脂溶液の一部と銀粉末とGFを混錬機に投入し、残りの樹脂溶液を少しずつ加えながら混錬する。次いで、得られた混合物を所望のギャップに調整したロールミルを通過させ、銀電極用ペーストを得る。
【0021】
本発明の太陽電池セルは、受光面側の表面電極、pn接合を有する半導体基板および裏面電極を少なくとも具備し、表面電極および/または裏面電極が、本発明の銀電極用ペーストを用いて形成されてなる。
【0022】
半導体基板としては、太陽電池を形成するための基板であればよく、単結晶または多結晶のシリコン基板が挙げられる。その厚さは、100〜450μm程度である。
半導体インゴットから切り出された半導体基板は、表面清浄化のために、予め混酸エッチングと純水リンスに付すのが好ましい。
【0023】
半導体基板はpn接合を有するが、これは、第1導電型の半導体基板の表面側に第2導電型の受光面不純物拡散領域が形成されていることを意味する。ここで、第1導電型がn型の場合には、第2導電型はp型であり、第1導電型がp型の場合には、第2導電型はn型である。
【0024】
p型を与える不純物としては、ホウ素、アルミニウムなどが挙げられ、n型を与える不純物としては、リン、砒素などが挙げられる。
半導体基板には、p型、n型共に比抵抗で0.1〜10Ω・cm程度のシリコン基板が使用される。
【0025】
半導体基板の表面側には、気相拡散法などの公知の方法により第2導電型の不純物が拡散され、第2導電型の受光面不純物拡散領域が形成される。この領域は、表面から0.1〜0.5μmの範囲に形成されるのが好ましい。その不純物層としては、p型、n型共にシート抵抗値として20〜100Ω/□程度が好ましい。
【0026】
受光面側の表面電極および/または裏面電極は、本発明の銀電極用ペーストを用いて、スクリーン印刷法などの公知の方法により塗布し、焼成することにより形成することができる。その焼成条件は、例えば、空気中、550〜650℃程度で1〜5分間程度である。
【0027】
表面電極は、一般に太陽電池セルに用いられる形状およびパターン形状に形成され、その形状としては、四角形、楕円などが挙げられる。また、そのパターン形状は、くし型、ドット状、ストライプ形、格子形、フィシュボーン形が挙げられ、パターンの大きさ、配置ピッチは、使用する半導体基板の導電率、厚さなどのパラメータにより適宜設計すればよい。その膜厚は、数〜数十μm程度である。
【0028】
裏面電極は、表面電極と同様にして、本発明の銀電極用ペーストを用いて、スクリーン印刷法などの公知の方法により塗布し、焼成することにより形成することができる。
【0029】
なお、受光面不純物拡散領域において、表面電極が形成されていない部分には、通常、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、酸化チタン膜およびこれらの積層膜などからなる反射防止膜が形成される。反射防止膜は、プラズマCVD法などの公知の方法により形成することができ、その膜厚は、10〜100nm程度である。
【0030】
また、本発明の太陽電池セルにおいて、裏面電極が形成されていない部分には、通常、アルミ電極のような裏面集電電極が形成される。裏面集電電極は、例えば、アルミ電極用ペーストをスクリーン印刷法などの公知の方法により塗布し、焼成することにより形成することができる。その焼成条件は、例えば、空気中、650〜750℃程度で1〜5分間程度である。その膜厚は、数〜数十μm程度である。
【0031】
本発明の太陽電池セルの表面電極および/または裏面電極には、はんだディップなどの公知の方法により、はんだ層が形成される。その膜厚は、1〜10μm程度である。はんだ層は、太陽電池セル接続を容易にさせ、あるいは太陽電池のシリーズ抵抗となる電気抵抗を低下させる。
【0032】
本発明の太陽電池セルは、次の条件を満たすものが好ましい。
(1)表面電極に、はんだ層を形成したときのはんだの不濡れ部分の合計面積が該電極面積の2割以下である。
(2)表面電極に、3mm×1.5mmの面積で銅タブをはんだ付けし、銅タブを斜め45°に引張ったときの破壊強度が0.3kg以上である。なお、本発明において、破壊強度は接着強度として評価される。
(3)温湿度サイクル試験後にタブ剥離が発生しない。
上記の条件を満たす太陽電池セルは、信頼性が高い。
さらに、太陽電池セルの電気特性のFF値は、0.75以上で、できるだけ大きい値であるのが好ましい。
【0033】
【実施例】
本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例については、図1に基づいて説明する。
【0034】
実施例1
テクスチャエッチングされた厚さ330μm、125mm角型のp型シリコン基板1の片側表面に、900℃でリンを熱拡散させて約50Ω/□の面抵抗値を有するn型拡散層2を形成し、その上に反射防止膜3としてプラズマCVD法により約60nmのシリコン窒化膜を形成した。次いで、p型シリコン基板1の裏面に市販のアルミ電極用ペーストをスクリーン印刷法にて印刷し、150℃程度で乾燥した後、空気中、700℃で2分間焼成し、裏面集電電極4としてアルミ電極を形成した。
【0035】
次に、表面用として表1に示す組成からなる銀電極用ペーストを調製した。
まず、5kgのホウ珪酸鉛ガラスフリット(日本電気硝子株式会社製、融点420℃、GF)を、開口径37μm(400メッシュ)の網を備えた篩面積1050cm2の篩を装着した振動篩で3時間分級した。通過分のGFは約1.2kgで、そのうち6.4g秤量した。
【0036】
次に、公知の方法により表面用の銀電極用ペーストを調製した。
予め、酢酸ブチルカルビトールとテレピネオールの混合溶剤50gにセルロース樹脂5.5gを溶解させて樹脂溶液を調製した。得られた樹脂溶液の一部と銀粉末250gとGF6.4g、さらに五塩化リン0.3gと塩化イリジウム0.02gを、臼と杵の機能を有する混錬機に投入し、残りの樹脂溶液を少しずつ加えながら、2時間混錬した。得られた混合物を30μmのギャップに調整したロールミルに3回通し、表面用の銀電極用ペーストとした。
分級していないGFを用いること以外は、上記と同様にして裏面用の銀電極用ペーストを調製した。
【0037】
【表1】
【0038】
調製した裏面用の銀電極用ペーストを、スクリーン印刷法にてp型シリコン基板1のアルミ電極(裏面集電電極4)側における所定の位置に膜厚が約40μmになるように印刷し、150℃で約4分間乾燥した。また、調製した表面用の銀電極用ペーストを、スクリーン印刷法にてp型シリコン基板1の受光面(反射防止膜3)側における所定の位置に膜厚が約15μmになるようにパターン状に印刷し、150℃で約4分間乾燥した。次いで、得られたp型シリコン基板1を、酸化性雰囲気中、600℃で2分間焼成することにより、裏面電極(銀電極)5および表面電極(銀電極)6を形成した。
【0039】
次いで、銀電極を形成したp型シリコン基板1を、表2に示す組成のフラックスに常温で1分間浸漬し、約90℃で熱風乾燥した後、200℃に保持した2%銀入り6:4はんだ浴に2分間浸漬し、はんだ層7を形成した。これを水洗、乾燥して太陽電池セルを完成させた。
【0040】
【表2】
【0041】
上記の工程で25個の太陽電池セルを作製し、表面電極にはんだ層を形成する(はんだコーティング形成)際のはんだ濡れ性の判定、接着強度の測定および温湿度サイクル試験(信頼性試験)後における電極タブの剥離数の計数、ならびに太陽電池セルの電気特性(FF値、電気出力)の測定を行った。
はんだ濡れ性の判定を目視で行い、はんだ層を形成したときのはんだの不濡れ部分の合計面積が電極面積の2割以上である場合を不良とした。
裏面電極(銀電極)に3mm×1.5mmの面積で銅タブをはんだ付けし、銅タブを斜め45°に引張った時の破壊強度(kg)を測定し、この値を接着強度(kg)とし、0.3kg以上を合格とした。
【0042】
上記と同様に銅タブをはんだ付けした太陽電池セルを温湿度サイクル試験(−20〜85℃、85%RHで25サイクル)に付し、試験後における電極タブの剥離数の計数した。
渡邊商行社製の型式:WXS−155Sの測定装置を用いて、太陽電池セルの電気特性(FF値、電気出力(W))を測定した。
得られた結果を表3に示す。
【0043】
光散乱回折法により、使用したGFの粒度分布を測定した。具体的には、平均粒径(μm)、50%径(D50、μm)、40μm以上の粒子の体積割合(≧40μm、vol%)および1μm以下の粒子の体積割合(≦1μm、vol%)を得た。測定装置として、COULTER社製のLS230型を使用した。
また、流動法により、使用したGFの比表面積(m2/g)を測定した。測定装置として、株式会社島津製作所製のフローソーブIIを使用した。
粒度分布は測定誤差や測定方法によるずれが大きく、微粉末の管理には一般に比表面積が用いられることから、比表面積の測定を行った。
得られた結果を表3に示す。
【0044】
比較例1
分級していないGFを用いること以外は、実施例1と同様にして表面用の銀電極用ペーストを調製し、太陽電池セルを作製し、それを実施例1と同様にして評価した。
得られた結果を表3に示す。
【0045】
比較例2
分級による残留分のGFを用いること以外は、実施例1と同様にして表面用の銀電極用ペーストを調製し、太陽電池セルを作製し、それを実施例1と同様にして評価した。
得られた結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
表3の結果から、分級していないGFを用いた銀電極用ペースト(比較例1)では、温湿度サイクル試験(信頼性試験)後における電極タブの剥離不良が8%(25個中2個)発生しているのに対し、開口径37μmの篩で分級した通過分のGFを用いた銀電極用ペースト(実施例1)では、電極タブの剥離の判定が全数良品であり、かつFF値が向上していることがわかる。また、開口径37μmの篩で分級した残留分のGFを用いた銀電極用ペースト(比較例2)では、電極タブの剥離不良が76%(25個中19個)発生している。
以上のことから、本発明によれば、はんだ濡れ性を損なうことなく、信頼性高い高出力素子が実現できることがわかる。また、本発明の銀電極用ペーストは、GFを特定の篩で分級したものに変更するだけで、従来のプロセスを全てそのまま適用して調製およびセル作製することができる。
【0048】
実施例2〜7および比較例3
開口径24μm(500メッシュ)〜125μm(120メッシュ)の篩を用いること以外は、実施例1と同様にして表面用の銀電極用ペーストを調製し、太陽電池セルを作製し、それらの温湿度サイクル試験後における電極タブの剥離数の計数、および太陽電池セルの電気特性(FF値)の測定を行った。
得られた結果を表4に示す。
【0049】
【表4】
【0050】
表4の結果から、開口径24〜100μm、特に開口径37μm以下の篩で分級した通過分のGFを用いた銀電極用ペースト(実施例2〜7、特に実施例2〜4)において、良好な結果が得られることがわかる。
開口径125μm以上の篩で分級してもGFが篩上に残らなかった。なお、開口径24μm未満の篩は一般的には入手が非常に困難であり、工業的に適さない。
【0051】
実施例8
実施例1〜7および比較例1〜3では、各種の銀電極用ペーストを用いて形成した表面(受光面)電極にはんだ層を形成する際の比較を行った。実施例8では、開口径37μmの篩で分級した通過分のGFを用いて裏面用の銀電極用ペーストを調製し、それを用いて形成した裏面電極について評価した。
銀電極用ペーストの調製、太陽電池セルの作製および評価は、実施例1と同様にして行った。評価項目は、はんだ濡れ性の判定、温湿度サイクル試験(信頼性試験)後における電極タブの剥離数の計数、および太陽電池セルの電気特性(FF値)の測定とした。
得られた結果を表面電極の結果とともに表5に示す。
【0052】
比較例4
分級していないGFを用いること以外は、実施例8と同様にして裏面用の銀電極用ペーストを調製し、太陽電池セルを作製し、それを実施例8と同様にして評価した。
得られた結果を表面電極の結果とともに表5に示す。
【0053】
比較例5
分級による通過分のGFを用いること以外は、実施例1と同様にして裏面用の銀電極用ペーストを調製し、太陽電池セルを作製し、それを実施例8と同様にして評価した。
得られた結果を表面電極の結果とともに表5に示す。
【0054】
【表5】
【0055】
表5の結果から、本発明の銀電極用ペーストを裏面電極に適用しても何ら問題のないことがわかる。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、接着強度を低下させるGF量を増加させずに、信頼性が高く、接着強度に優れ、太陽電池セルに高出力(FF値)を付与する銀電極用ペーストおよびそれを用いた太陽電池セルを提供することができる。
本発明の銀電極用ペーストは、GFを特定の篩で分級した通過分に変更するだけで、従来のプロセスを全てそのまま適用して調製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な太陽電池セルの概略断面図である。
【図2】一般的な太陽電池セルの製造プロセスを示す流れ図である。
【図3】銀電極用ペーストの焼成後におけるガラス質の染み出し状態を示す概念図、(a)GFの粒径が大きい場合、(b)GFの粒径が小さい場合である。
【図4】銀電極用ペーストに使用するGFの平均粒径と接着信頼性およびFF値との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体基板(p型シリコン基板)
2 受光面不純物拡散領域(n型拡散層)
3 反射防止膜(シリコン窒化膜)
4 裏面集電電極(アルミ電極)
5 裏面電極(銀電極)
6 表面電極(銀電極)
7 はんだ層
8 銀成分
9 ガラス成分
Claims (5)
- 銀粉末、ガラスフリット、樹脂および有機溶剤を少なくとも含み、ガラスフリットが、開口径24〜100μmの篩で分級した通過分であることを特徴とする銀電極用ペースト。
- 篩が、開口径24〜37μmである請求項1に記載の銀電極用ペースト。
- ガラスフリットの平均粒径が、10.9μm未満である請求項1または2に記載の銀電極用ペースト。
- さらに接触抵抗低減化剤を含む請求項1〜3のいずれか1つに記載の銀電極用ペースト。
- 受光面側の表面電極、pn接合を有する半導体基板および裏面電極を少なくとも具備し、表面電極および/または裏面電極が、請求項1〜4のいずれか1つに記載の銀電極用ペーストを用いて形成されてなることを特徴とする太陽電池セル。
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