JP2004146113A - 燃料電池車両の水素充填装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池車両に水素切れが発生した場合に緊急的に水素充填をする。
【解決手段】燃料電池車両1A及び燃料電池車両1Bは、水素貯蔵タンク11、水素貯蔵タンク11と水素充填口21とを挿通し、水素貯蔵タンク11に水素を充填する水素充填流路14、水素充填流路14中に設けられ、水素貯蔵タンク11から水素充填口21への水素流入を防止する逆流防止弁13、逆流防止弁13をバイパスして水素貯蔵タンク11と水素充填口21とを挿通するバイパス流路15、バイパス流路15の流量を制御するバイパス弁16を備える。燃料電池車両1Aと燃料電池車両1Bとが水素配管2にて挿通された場合、コントロールユニット18によりバイパス弁16を開閉制御し、燃料電池車両1Aの水素貯蔵タンク11の内圧と、燃料電池車両1Bの水素貯蔵タンク11の内圧との間に差圧がある場合には、内圧の高い水素貯蔵タンク11から内圧の低い水素貯蔵タンク11に水素供給がなされる。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料電池車両1A及び燃料電池車両1Bは、水素貯蔵タンク11、水素貯蔵タンク11と水素充填口21とを挿通し、水素貯蔵タンク11に水素を充填する水素充填流路14、水素充填流路14中に設けられ、水素貯蔵タンク11から水素充填口21への水素流入を防止する逆流防止弁13、逆流防止弁13をバイパスして水素貯蔵タンク11と水素充填口21とを挿通するバイパス流路15、バイパス流路15の流量を制御するバイパス弁16を備える。燃料電池車両1Aと燃料電池車両1Bとが水素配管2にて挿通された場合、コントロールユニット18によりバイパス弁16を開閉制御し、燃料電池車両1Aの水素貯蔵タンク11の内圧と、燃料電池車両1Bの水素貯蔵タンク11の内圧との間に差圧がある場合には、内圧の高い水素貯蔵タンク11から内圧の低い水素貯蔵タンク11に水素供給がなされる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、定置型の水素供給設備から水素供給を受けると共に、他の燃料電池車両との間で水素移送を行うのに利用される燃料電池車両の水素充填装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、燃料電池スタックに発電反応を発生させるために、燃料電池車両に水素タンクを搭載し、当該水素タンクに水素を充填するための水素配管や水素充填口を備えた水素充填装置が知られている。この水素充填装置は、下記の特許文献1に記載されているように、定置型の水素供給設備(水素ステーション)を利用し、当該水素供給設備付近に停車した燃料電池車両に水素を供給するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−89793号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の水素充填装置では、定置型の水素供給設備を利用することを前提としているために、水素供給設備のない場所で燃料電池車両の水素切れが発生したときに、緊急的に水素を供給する必要があることに対応することができない。
【0005】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、燃料電池車両に水素切れが発生した場合に緊急的に水素充填をすることができる燃料電池車両の水素充填装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る燃料電池車両の水素充填装置は、水素ガスを利用して発電反応をする燃料電池スタックを搭載した燃料電池車両に水素を充填させる燃料電池車両に搭載され、他の燃料電池車両との間で水素の移送を実現するものである。
【0007】
このような水素充填装置は、燃料電池に発電反応を発生させるに際して供給する水素を充填する水素貯蔵タンクと、水素貯蔵タンクに充填する水素が燃料電池車両の外部から供給される水素充填口と、水素貯蔵タンクとを挿通する水素充填流路と、水素充填流路中に設けられ、水素貯蔵タンクから水素充填口への水素流入を防止する逆流防止弁と、逆流防止弁をバイパスして水素貯蔵タンクと水素充填口とを挿通するバイパス流路と、バイパス流路の流量を調整するバイパス弁とを備えて構成されている。この水素充填装置では、定置型の水素供給設備が水素充填口に接続された場合には、制御手段によりバイパス弁を閉状態にしたままにし、水素貯蔵タンクと水素供給設備の水素圧力差により、逆流防止弁を介して水素の供給を受ける。
【0008】
また、この水素充填装置では、他の燃料電池車両と上記水素充填口とが水素流路にて挿通された場合に、制御手段によりバイパス弁を開閉制御して、他の燃料電池車両との間で水素を移送させる。このとき、水素貯蔵タンクの内圧と、他の燃料電池車両の水素貯蔵タンクの内圧との間に差圧がある場合には、内圧の高い水素貯蔵タンクから内圧の低い水素貯蔵タンクに水素供給がなされる。ここで、水素貯蔵タンクの内圧の高い場合には、制御手段によりバイパス弁を開状態にし、逆流防止弁をバイパスして水素貯蔵タンクから水素流路に水素を送ることで、他の燃料電池車両に水素供給する。
【0009】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池車両の水素充填装置によれば、他の燃料電池車両の水素貯蔵タンクとの水素差圧を利用して、バイパス流路を介して他の燃料電池車両に水素を供給すると共に、他の燃料電池車両から水素の供給を受けることができる。したがって、この燃料電池車両の水素充填装置によれば、燃料電池車両に水素切れが発生した場合に緊急的に水素充填をすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について図面を参照して説明する。本発明は、例えば図1に示すように構成された水素充填システムに適用される。
【0011】
[第1実施形態]
[水素充填システムの構成]
この水素充填システムは、図1に示すように、燃料電池車両1Aと燃料電池車両1Bとを、水素配管2及び通信ケーブル3にて接続することで、燃料電池車両1Aの水素充填装置10Aと燃料電池車両1Bの水素充填装置10Bとの間で水素移送を実現するものである。なお、以下の説明では燃料電池車両1Aと燃料電池車両1Bとを総称する場合には単に「燃料電池車両1」と呼び、水素充填装置10Aと水素充填装置10Bとを総称する場合には単に「水素充填装置10」と呼ぶ。
【0012】
また、本例においては、燃料電池車両1Bよりも燃料電池車両1Aの方が水素貯蔵圧力が高く、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bに水素を移送することで、燃料電池車両1Aに充填していた水素を燃料電池車両1Bに供給する場合について説明する。
【0013】
この水素充填システムでは、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bに水素を供給するに際して、水素充填装置10Aと水素充填装置10Bとを水素配管2により接続して、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bへの水素移送路を形成する。そして、この水素充填システムでは、水素充填装置10Aと水素充填装置10Bとを通信ケーブル3により接続することで、水素充填装置10Aと水素充填装置10Bとの間で通信をして、水素供給の制御をする。
【0014】
「水素充填装置10の構成」
つぎに、各燃料電池車両1に搭載される水素充填装置10の構成について説明する。なお、特に区別しない限り、燃料電池車両1Aの水素充填装置10Aと燃料電池車両1Bの水素充填装置10Bとは同じ構成なので、総称した説明をすることで、各水素充填装置10の説明を省略する。
【0015】
この水素充填装置10は、図示しない燃料電池システムに水素ガスを供給するために水素を高圧にて貯蔵する水素貯蔵タンク11を備える。この水素貯蔵タンク11は、水素ガスを燃料ガスとし、空気を酸化剤ガスとして、水素ガス及び空気を供給することで燃料電池スタックを発電させる燃料電池システムと接続されている。この水素貯蔵タンク11は、図示しない燃料電池システムの制御手段の制御に従って、内部に充填した水素を水素ガスとして燃料電池スタックに供給する。
【0016】
この水素充填装置10は、外部から水素貯蔵タンク11に充填する水素が供給される水素充填口21、外部との通信を可能とするスイッチ部22及び電気コネクタ23を内蔵した外部接続部12を備える。
【0017】
水素充填口21は、例えば水素ステーション等の定置型の水素供給設備と接続されて、当該水素供給設備の水素供給を受ける。水素供給設備からの水素は、水素貯蔵タンク11から外部接続部12に水素が逆流することを防止する逆流防止弁13を介して、水素充填配管14に送られて水素貯蔵タンク11に充填される。
【0018】
ここで、逆流防止弁13は、水素供給設備から水素が供給されるときの所定の供給水素圧力により開状態になるように設計されている。すなわち、逆流防止弁13では、所定の水素圧力にて開状態になり、外部接続部12からの水素を水素貯蔵タンク11に供給可能に設計されている。
【0019】
また、水素充填口21は、水素充填装置10を備えた他の燃料電池車両1と水素配管2により接続されて、他の燃料電池車両1との間で水素の移送する。この水素配管2は、気密カプラを両端に有して、各水素充填装置10の水素充填口21と接続される。また、水素配管2と通信ケーブル3とは、一体化された構造のケーブルで構成されている。
【0020】
ここで、水素貯蔵タンク11に充填された水素を他の燃料電池車両1に移送する場合には、水素充填口21には、逆流防止弁13をバイパスするバイパス流路15及びバイパス弁16を介して水素が供給されて、水素配管2に送る。また、他の燃料電池車両1から水素の移送を受ける場合には、水素配管2からの水素を逆流防止弁13を介して水素貯蔵タンク11に送る。
【0021】
外部接続部12は、他の燃料電池車両1との間で水素を移送するに際して、他の燃料電池車両1に搭載されている水素充填装置10と通信ケーブル3を介して接続される。この通信ケーブル3は、電気コネクタ23にて接続され、他の水素充填装置10との電気的接続を実現する。
【0022】
また、水素充填装置10は、水素充填配管14の水素圧力を検出することで水素貯蔵タンク11内の水素圧力であるタンク内圧力を検出する圧力センサ17を備えている。この圧力センサ17により検出したセンサ信号は、コントロールユニット18により読み込まれる。
【0023】
コントロールユニット18は、他の燃料電池車両1との間で水素の移送をするに際して、圧力センサ17から読み込んだセンサ信号や、スイッチ部22、バイパス弁16の状態を検出して、上述した各部を制御することで、燃料電池車両1間にて水素移送をする車両間燃料交換制御処理をする。
【0024】
このとき、コントロールユニット18は、バイパス弁16を開閉制御すると共に、スイッチ部22を開閉制御する。コントロールユニット18は、バイパス弁16を開状態にしており他の燃料電池車両1に水素を供給している場合には、LED(Light Emitting Diode)が内蔵されているスイッチ部22を点灯状態にする。また、コントロールユニット18は、バイパス弁16を閉状態にしており、他の燃料電池車両1や水素供給設備から水素供給を受けている場合にはスイッチ部22を消灯状態にする。これにより、コントロールユニット18では、水素移送の状態を操作者などに通知する。
【0025】
[水素充填システムの動作]
つぎに、上述した水素充填装置10を備えた燃料電池車両1A及び燃料電池車両1Bにおいて、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bに水素を供給するときの車両間燃料交換制御処理について図2のフローチャートを参照して説明する。なお、この処理は、例えば操作者により燃料電池車両1Aと燃料電池車両1Bとの間で水素移送をする動作モードに切り替えられた場合において、例えば10msecごとの所定期間毎に実行する。
【0026】
「車両間水素交換制御処理」
この車両間水素交換制御処理では、先ずステップS1において、燃料電池車両1Aのコントロールユニット18により、水素配管2及び通信ケーブル3の端部に設けられた気密カプラが水素充填口21及び電気コネクタ23に接続されており、燃料電池車両1Aの外部接続部12と燃料電池車両1Bの外部接続部12と接続されているかの確認をする車両間燃料移送ケーブル接続確認処理をする。コントロールユニット18では、水素配管2及び通信ケーブル3の両端が燃料電池車両1A及び燃料電池車両1Bに接続されていると確認した場合には内部に保持しているケーブル接続確認フラグCの値を「1」にして、次のステップS2に処理を進める。
【0027】
このとき、燃料電池車両1Aのコントロールユニット18では、図3に示すように、先ず、水素充填口21及び電気コネクタ23に水素配管2及び通信ケーブル3が接続されたか否かを判定する(ステップS11)。ここで、コントロールユニット18は、水素配管2及び通信ケーブル3の端部に設けられた気密カプラが外部接続部12に接続した場合に、開状態となるスイッチ部22からの接続確認信号を受信したか否かにより、水素配管2及び通信ケーブル3が接続されているか否かを判定する。
【0028】
コントロールユニット18は、スイッチ部22からの接続確認信号を受信しておらず、水素配管2及び通信ケーブル3が接続されていない場合にはケーブル接続確認フラグCの値を「0」にして、処理を終了する(ステップS15)。
【0029】
これに対し、コントロールユニット18は、スイッチ部22からの接続確認信号を受信して、水素充填口21及び電気コネクタ23に水素配管2及び通信ケーブル3が接続されていると判定した場合には、水素配管2及び通信ケーブル3の接続を確認したことを示すコネクタ接続確認信号を燃料電池車両1Bに送信する(ステップS12)。
【0030】
そして、燃料電池車両1Bのコントロールユニット18にて、上述のステップS11及びステップS12と同様の処理を実行したことに応じてコネクタ接続確認信号を燃料電池車両1Aに送信することで、燃料電池車両1Aのコントロールユニット18にて燃料電池車両1Bからのコネクタ接続確認信号を受信した場合には(ステップS13)、燃料電池車両1A及び燃料電池車両1Bの接続を確認したとして、燃料電池車両1Aのコントロールユニット18にてケーブル接続確認フラグCの値を「1」にして処理をステップS2に進める(ステップS14)。
【0031】
また、ステップS12にてコネクタ接続確認信号を燃料電池車両1Bに送信したにも拘わらず、燃料電池車両1Bからコネクタ接続確認信号を受信しない場合には(ステップS13)、燃料電池車両1A及び燃料電池車両1Bの接続が確認できないためにケーブル接続確認フラグCの値を「0」にて処理をステップS2に進める(ステップS15)。
【0032】
ここで、ステップS12にて燃料電池車両1A及び燃料電池車両1Bのコントロールユニット18にて通信するコネクタ接続確認信号は、例えば水素ステーションから水素の供給を受ける通常の水素充填時に、定置型の水素供給設備から送信される信号とは異なる信号である。これにより、燃料電池車両1A及び燃料電池車両1Bのコントロールユニット18では、外部接続部12の接続先が水素供給設備とは異なる他の燃料電池車両1であることを認識して、以降の処理を実行することになる。
【0033】
ステップS2においては、コントロールユニット18により、ステップS1でのケーブル接続確認処理の結果、ケーブル接続確認フラグCの値が「1」となっているか否かを判定する。ケーブル接続確認フラグCの値が「1」となっていると判定した場合には燃料電池車両1Aと燃料電池車両1Bとの間で水素移送が可能であると判定してステップS3に処理を進め、ケーブル接続確認フラグCの値が「1」ではなく「0」であると判定した場合には燃料電池車両1Aと燃料電池車両1Bとの間で水素移送が不能であると判定してステップS4に処理を進める。
【0034】
ステップS4においては、コントロールユニット18により、バイパス弁16を閉状態にする制御をして、水素移送を行えないようにして、ステップS5に処理を進める。
【0035】
ステップS3においては、燃料電池車両1Aのコントロールユニット18により、バイパス弁16を開閉制御するバイパス弁開閉制御をして、ステップS5に処理を進める。これにより、燃料電池車両1Bの水素貯蔵タンク11と比較して、高圧となっている燃料電池車両1Aの水素貯蔵タンク11からバイパス流路15及び水素配管2を介して水素を燃料電池車両1Bに移送する。
【0036】
このとき、燃料電池車両1Aのコントロールユニット18は、図4に示すように、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bへの水素移送が終了したか否かを示す燃料移送終了フラグFの値が「1」か否かを判定することで、水素移送が終了したか否かを判定する(ステップS21)。ケーブル接続確認フラグCの値が「1」であって水素移送が終了した場合にはバイパス弁16を閉状態にして処理を終了する(ステップS27)。
【0037】
これに対し、ケーブル接続確認フラグCの値が「0」であって水素移送が終了していない場合にはバイパス弁16を開状態に保持し(ステップS22)、圧力センサ17からのセンサ信号を読み込むことで、水素貯蔵タンク11のタンク内圧P1nを検出する(ステップS23)。
【0038】
そして、コントロールユニット18では、前回のタンク内圧P1n−1と今回のタンク内圧P1nとの差圧の絶対値が、所定値δ1より小さいか否かを判定する(ステップS24)。
【0039】
ここで、所定値δ1とは、タンク内圧が高い燃料電池車両1Aからタンク内圧が低い燃料電池車両1Bに水素を供給することで、燃料電池車両1Aのタンク内圧が低下すると共に次第に燃料電池車両1Aのタンク内圧の変化が小さくなり、燃料電池車両1Bへの水素供給量が少なくなって燃料電池車両1Bへの水素供給を終了したと判定する値が設定されている。また、この所定値δ1は、処理を繰り返し実行する場合の時間に対する差圧の変化量に応じて設定しても良い。また、この所定値δ1としては、例えば「0」に近い正の微小量を設定することで、前回のタンク内圧P1n−1とタンク内圧P1nとが略同一になったことで水素移送を終了させる。
【0040】
差圧の絶対値が所定値δ1よりも小さいと判定した場合には、コントロールユニット18は、燃料電池車両1Bへの水素移送を終了するために燃料移送終了フラグFの値を「1」にし(ステップS25)、バイパス弁16を閉状態にして(ステップS26)、ステップS5に処理を進める。これに対し、差圧の絶対値が所定値δ1よりも小さくないと判定した場合には、バイパス弁16を開状態のままにしてステップS5に処理を進める。
【0041】
次のステップS5においては、コントロールユニット18により、水素移送が終了したことに応じて、燃料電池車両1Bへの水素移送が終了したことを示す燃料移送終了フラグFの値をリセットすることで「0」にして処理を終了する。
【0042】
このとき、コントロールユニット18では、図5に示すように、ケーブル接続確認フラグCの値が「0」であって燃料移送終了フラグFの値が「1」であるか否かを判定する(ステップS31)。すなわち、コントロールユニット18では、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bへの水素供給が終了して燃料移送終了フラグFの値が「1」となり、燃料電池車両1A又は燃料電池車両1Bの水素配管2及び通信ケーブル3が取り外されてケーブル接続確認フラグCの値が「0」となっているか否かを判定する。
【0043】
ケーブル接続確認フラグCの値が「0」でない場合又は燃料移送終了フラグFの値が「1」でない場合には水素供給が終了していないとして、燃料移送終了フラグFを「1」のまま保持し、ケーブル接続確認フラグCの値が「0」であって燃料移送終了フラグFの値が「1」であると判定した場合には、次の処理のために燃料移送終了フラグFの値を「0」にして処理を終了する(ステップS32)。
【0044】
なお、上述した車両間燃料交換制御処理では、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bに水素を供給する場合であって、主として燃料電池車両1Aの動作について説明したが、燃料電池車両1Bから燃料電池車両1Aに水素を供給する場合には燃料電池車両1Bにて上述の処理を実行することになる。
【0045】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第1実施形態に係る水素充填システムによれば、逆流防止弁13をバイパスするバイパス流路15を設けると共に、バイパス流路15の水素流量を調整するバイパス弁16を設けて、コントロールユニット18によりバイパス弁16を開閉制御することにより、他の燃料電池車両1の水素貯蔵タンク11との水素差圧を利用して、バイパス流路15を介して他の燃料電池車両1に水素を供給すると共に、他の燃料電池車両1から水素の供給を受けることができる。したがって、この水素充填システムによれば、燃料電池車両に水素切れが発生した場合に緊急的に他の燃料電池車両から水素充填をすることができる。
【0046】
ここで、水素充填装置10では、定置型の水素供給設備からの水素供給を受ける場合には、バイパス流路15を閉状態に保持し、逆流防止弁13を介して水素を水素貯蔵タンク11に充填することで、水素貯蔵タンク11から水素充填配管14への水素の逆流を防止することができる。
【0047】
また、この水素充填システムによれば、外部接続部12に水素配管2及び通信ケーブル3が接続されたことに応じて、他の燃料電池車両1が接続されたことを検出してバイパス弁16を閉状態から開状態にして水素移送をするので、水素充填口21に他の燃料電池車両1が接続していない場合にバイパス弁16を開状態にすることを防止すると共に、水素貯蔵タンク11からバイパス流路15への水素の逆流を防止して、意に反して車外に水素を放出することを防止することができる。
【0048】
更に、この水素充填システムによれば、スイッチ部22にLED等の発光機構を内蔵して、バイパス弁16を開状態にしている場合にLEDを発光させることで水素移送を行っていることを外部に通知するので、燃料電池車両1間の水素移送が終了したか否かを通知して、水素配管2の接続を解除可能か否かを操作者に通知することができる。
【0049】
更にまた、この水素充填システムによれば、バイパス弁16を開状態にして他の燃料電池車両1に水素を供給しているときに、圧力センサ17からのセンサ信号を読み込んでタンク内圧の変動が少なくなった場合にバイパス弁16を閉じて水素供給を終了するようにしたので、燃料電池車両1の操作者に負担を強いる必要なく水素移送を短時間で終了させることができる。
【0050】
更にまた、この水素充填システムによれば、水素配管2及び通信ケーブル3を一体化したケーブルを使用し、当該ケーブルの端部に気密カプラを設けた構成としたので、水素配管2又は通信ケーブル3の何れかの接続を忘れることを防止すると共に、燃料電池車両1から水素配管2及び通信ケーブル3を切り離すときに内部に残存している水素の流出を防止することができる。
【0051】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る水素充填システムについて説明する。なお、上述の第1実施形態と構成が同様なので同一符号を付することによりその詳細な説明を省略し、同一の処理については同一ステップ番号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0052】
第2実施形態に係る水素充填システムでは、車両間燃料移送ケーブル接続確認処理において、図6に示すように、ステップS11にて水素充填口21及び電気コネクタ23に水素配管2及び通信ケーブル3が接続されたと判定した後に、燃料電池車両1Aのコントロールユニット18では、水素貯蔵タンク11のタンク内圧P1nを検出し(ステップS41)、当該タンク内圧P1nの値を他の燃料電池車両1に送信する(ステップS42)。
【0053】
そして、燃料電池車両1Bのコントロールユニット18にて、上述のステップS41及びステップS42と同様の処理を実行したことに応じて燃料電池車両1Bのタンク内圧P2nを燃料電池車両1Aに送信することで、燃料電池車両1Aのコントロールユニット18にて燃料電池車両1Bからのタンク内圧P2nを受信した場合にはケーブル接続確認フラグCの値を「1」にし(ステップS14)、受信しない場合にはケーブル接続確認フラグCの値を「0」にする(ステップS15)。
【0054】
ステップS2にてケーブル接続確認フラグCの値が「1」であると判定した次のステップS3のバイパス弁開閉制御処理では、図7に示すように、ステップS22にてバイパス弁16を開状態にした後、コントロールユニット18により、図6の車両間燃料移送ケーブル接続確認処理にて検出したタンク内圧P1nと、受信したタンク内圧P2nとの差圧の絶対値が、所定値δ2よりも小さいか否かを判定する(ステップS51)。
【0055】
ここで、所定値δ2は、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bに水素供給することで、燃料電池車両1Aに搭載された水素貯蔵タンク11のタンク内圧P1nと、燃料電池車両1Bに搭載された水素貯蔵タンク11のタンク内圧P2nとが近づいて、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bへの水素供給を終了する圧力値である。この所定値δ2としては、例えば「0」に近い正の微小量を設定することで、タンク内圧P1nとタンク内圧P2nとが略同一になったことで水素移送を終了させる。
【0056】
コントロールユニット18では、タンク内圧P1nとタンク内圧P2nとの差圧が所定値δ2よりも小さくないと判定した場合にはバイパス弁16を開状態に保持してステップS5に処理を進め、タンク内圧P1nとタンク内圧P2nとの差圧が所定値δ2よりも小さいと判定した場合にはステップS25に処理を進める。
【0057】
このような処理をする水素充填システムによれば、燃料電池車両1間にて水素移送をして、各燃料電池車両1のタンク内圧が略同一となった場合に水素移送を終了させることができるので、燃料電池車両1の操作者に負担を強いる必要なく水素移送を短時間で終了させることができる。
【0058】
また、この水素充填システムによれば、水素配管2及び通信ケーブル3が燃料電池車両1A及び燃料電池車両1Bに接続されているかの接続確認をするときに、双方の燃料電池車両1のタンク内圧情報を送受信するので、バイパス弁16を開状態から閉状態にして水素移送を終了するかの判定に利用することができ、第1実施形態における処理と比較して、処理の単純化を図ることができる。
【0059】
更に、この水素充填システムによれば、水素配管2及び通信ケーブル3により接続されたときに他の燃料電池車両1からのタンク内圧情報を受信するので、簡単な構成で燃料電池車両1間のタンク内圧情報の交換をすることができる。
【0060】
更にまた、この水素充填システムによれば、タンク内圧情報を利用して水素配管2及び通信ケーブル3の接続確認をすることができるので、燃料電池車両1間の通信量を最小限にすることができ、システムを簡略化することができる。
【0061】
なお、上述の第1実施形態及び第2実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の第1実施形態及び第2実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0062】
すなわち、上述した実施形態では、コントロールユニット18の制御によりバイパス弁16を開閉制御する場合について説明したが、バイパス弁16を手動にて開閉動作させる開閉機構を備えても良い。このとき、コントロールユニット18では、車両間燃料移送ケーブル接続確認処理を実行し、ケーブル接続確認フラグCの値が「0」の場合には、手動にてバイパス弁16を開操作してもバイパス弁16が開かないように禁止制御を行う。このようにバイパス弁16を手動動作にした場合には、バイパス弁開閉制御処理、燃料移送終了フラグリセット制御処理を省略する。
【0063】
このような水素充填システムによれば、バイパス弁16の開閉動作を手動で行うように構成し、燃料電池車両1間の水素配管2及び通信ケーブル3の接続確認がなされた状態でない限りバイパス弁16を閉じておくので、操作者の意に反して水素貯蔵タンク11からの水素の逆流や放出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した水素充填システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した第1実施形態における水素充填システムにおいて、コントロールユニットによる車両間燃料交換制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明を適用した第1実施形態における水素充填システムにおいて、コントロールユニットによる車両間燃料移送ケーブル接続確認処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明を適用した第1実施形態における水素充填システムにおいて、コントロールユニットによるバイパス弁開閉制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明を適用した第1実施形態における水素充填システムにおいて、コントロールユニットによる燃料移送終了フラグリセット制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明を適用した第2実施形態における水素充填システムにおいて、コントロールユニットによる車両間燃料移送ケーブル接続確認処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明を適用した第2実施形態における水素充填システムにおいて、コントロールユニットによるバイパス弁開閉制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃料電池車両
2 水素配管
3 通信ケーブル
10 水素充填装置
11 水素貯蔵タンク
12 外部接続部
13 逆流防止弁
14 水素充填配管
15 バイパス流路
16 バイパス弁
17 圧力センサ
18 コントロールユニット
21 水素充填口
22 スイッチ部
23 電気コネクタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、定置型の水素供給設備から水素供給を受けると共に、他の燃料電池車両との間で水素移送を行うのに利用される燃料電池車両の水素充填装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、燃料電池スタックに発電反応を発生させるために、燃料電池車両に水素タンクを搭載し、当該水素タンクに水素を充填するための水素配管や水素充填口を備えた水素充填装置が知られている。この水素充填装置は、下記の特許文献1に記載されているように、定置型の水素供給設備(水素ステーション)を利用し、当該水素供給設備付近に停車した燃料電池車両に水素を供給するものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−89793号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の水素充填装置では、定置型の水素供給設備を利用することを前提としているために、水素供給設備のない場所で燃料電池車両の水素切れが発生したときに、緊急的に水素を供給する必要があることに対応することができない。
【0005】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、燃料電池車両に水素切れが発生した場合に緊急的に水素充填をすることができる燃料電池車両の水素充填装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る燃料電池車両の水素充填装置は、水素ガスを利用して発電反応をする燃料電池スタックを搭載した燃料電池車両に水素を充填させる燃料電池車両に搭載され、他の燃料電池車両との間で水素の移送を実現するものである。
【0007】
このような水素充填装置は、燃料電池に発電反応を発生させるに際して供給する水素を充填する水素貯蔵タンクと、水素貯蔵タンクに充填する水素が燃料電池車両の外部から供給される水素充填口と、水素貯蔵タンクとを挿通する水素充填流路と、水素充填流路中に設けられ、水素貯蔵タンクから水素充填口への水素流入を防止する逆流防止弁と、逆流防止弁をバイパスして水素貯蔵タンクと水素充填口とを挿通するバイパス流路と、バイパス流路の流量を調整するバイパス弁とを備えて構成されている。この水素充填装置では、定置型の水素供給設備が水素充填口に接続された場合には、制御手段によりバイパス弁を閉状態にしたままにし、水素貯蔵タンクと水素供給設備の水素圧力差により、逆流防止弁を介して水素の供給を受ける。
【0008】
また、この水素充填装置では、他の燃料電池車両と上記水素充填口とが水素流路にて挿通された場合に、制御手段によりバイパス弁を開閉制御して、他の燃料電池車両との間で水素を移送させる。このとき、水素貯蔵タンクの内圧と、他の燃料電池車両の水素貯蔵タンクの内圧との間に差圧がある場合には、内圧の高い水素貯蔵タンクから内圧の低い水素貯蔵タンクに水素供給がなされる。ここで、水素貯蔵タンクの内圧の高い場合には、制御手段によりバイパス弁を開状態にし、逆流防止弁をバイパスして水素貯蔵タンクから水素流路に水素を送ることで、他の燃料電池車両に水素供給する。
【0009】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池車両の水素充填装置によれば、他の燃料電池車両の水素貯蔵タンクとの水素差圧を利用して、バイパス流路を介して他の燃料電池車両に水素を供給すると共に、他の燃料電池車両から水素の供給を受けることができる。したがって、この燃料電池車両の水素充填装置によれば、燃料電池車両に水素切れが発生した場合に緊急的に水素充填をすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態及び第2実施形態について図面を参照して説明する。本発明は、例えば図1に示すように構成された水素充填システムに適用される。
【0011】
[第1実施形態]
[水素充填システムの構成]
この水素充填システムは、図1に示すように、燃料電池車両1Aと燃料電池車両1Bとを、水素配管2及び通信ケーブル3にて接続することで、燃料電池車両1Aの水素充填装置10Aと燃料電池車両1Bの水素充填装置10Bとの間で水素移送を実現するものである。なお、以下の説明では燃料電池車両1Aと燃料電池車両1Bとを総称する場合には単に「燃料電池車両1」と呼び、水素充填装置10Aと水素充填装置10Bとを総称する場合には単に「水素充填装置10」と呼ぶ。
【0012】
また、本例においては、燃料電池車両1Bよりも燃料電池車両1Aの方が水素貯蔵圧力が高く、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bに水素を移送することで、燃料電池車両1Aに充填していた水素を燃料電池車両1Bに供給する場合について説明する。
【0013】
この水素充填システムでは、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bに水素を供給するに際して、水素充填装置10Aと水素充填装置10Bとを水素配管2により接続して、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bへの水素移送路を形成する。そして、この水素充填システムでは、水素充填装置10Aと水素充填装置10Bとを通信ケーブル3により接続することで、水素充填装置10Aと水素充填装置10Bとの間で通信をして、水素供給の制御をする。
【0014】
「水素充填装置10の構成」
つぎに、各燃料電池車両1に搭載される水素充填装置10の構成について説明する。なお、特に区別しない限り、燃料電池車両1Aの水素充填装置10Aと燃料電池車両1Bの水素充填装置10Bとは同じ構成なので、総称した説明をすることで、各水素充填装置10の説明を省略する。
【0015】
この水素充填装置10は、図示しない燃料電池システムに水素ガスを供給するために水素を高圧にて貯蔵する水素貯蔵タンク11を備える。この水素貯蔵タンク11は、水素ガスを燃料ガスとし、空気を酸化剤ガスとして、水素ガス及び空気を供給することで燃料電池スタックを発電させる燃料電池システムと接続されている。この水素貯蔵タンク11は、図示しない燃料電池システムの制御手段の制御に従って、内部に充填した水素を水素ガスとして燃料電池スタックに供給する。
【0016】
この水素充填装置10は、外部から水素貯蔵タンク11に充填する水素が供給される水素充填口21、外部との通信を可能とするスイッチ部22及び電気コネクタ23を内蔵した外部接続部12を備える。
【0017】
水素充填口21は、例えば水素ステーション等の定置型の水素供給設備と接続されて、当該水素供給設備の水素供給を受ける。水素供給設備からの水素は、水素貯蔵タンク11から外部接続部12に水素が逆流することを防止する逆流防止弁13を介して、水素充填配管14に送られて水素貯蔵タンク11に充填される。
【0018】
ここで、逆流防止弁13は、水素供給設備から水素が供給されるときの所定の供給水素圧力により開状態になるように設計されている。すなわち、逆流防止弁13では、所定の水素圧力にて開状態になり、外部接続部12からの水素を水素貯蔵タンク11に供給可能に設計されている。
【0019】
また、水素充填口21は、水素充填装置10を備えた他の燃料電池車両1と水素配管2により接続されて、他の燃料電池車両1との間で水素の移送する。この水素配管2は、気密カプラを両端に有して、各水素充填装置10の水素充填口21と接続される。また、水素配管2と通信ケーブル3とは、一体化された構造のケーブルで構成されている。
【0020】
ここで、水素貯蔵タンク11に充填された水素を他の燃料電池車両1に移送する場合には、水素充填口21には、逆流防止弁13をバイパスするバイパス流路15及びバイパス弁16を介して水素が供給されて、水素配管2に送る。また、他の燃料電池車両1から水素の移送を受ける場合には、水素配管2からの水素を逆流防止弁13を介して水素貯蔵タンク11に送る。
【0021】
外部接続部12は、他の燃料電池車両1との間で水素を移送するに際して、他の燃料電池車両1に搭載されている水素充填装置10と通信ケーブル3を介して接続される。この通信ケーブル3は、電気コネクタ23にて接続され、他の水素充填装置10との電気的接続を実現する。
【0022】
また、水素充填装置10は、水素充填配管14の水素圧力を検出することで水素貯蔵タンク11内の水素圧力であるタンク内圧力を検出する圧力センサ17を備えている。この圧力センサ17により検出したセンサ信号は、コントロールユニット18により読み込まれる。
【0023】
コントロールユニット18は、他の燃料電池車両1との間で水素の移送をするに際して、圧力センサ17から読み込んだセンサ信号や、スイッチ部22、バイパス弁16の状態を検出して、上述した各部を制御することで、燃料電池車両1間にて水素移送をする車両間燃料交換制御処理をする。
【0024】
このとき、コントロールユニット18は、バイパス弁16を開閉制御すると共に、スイッチ部22を開閉制御する。コントロールユニット18は、バイパス弁16を開状態にしており他の燃料電池車両1に水素を供給している場合には、LED(Light Emitting Diode)が内蔵されているスイッチ部22を点灯状態にする。また、コントロールユニット18は、バイパス弁16を閉状態にしており、他の燃料電池車両1や水素供給設備から水素供給を受けている場合にはスイッチ部22を消灯状態にする。これにより、コントロールユニット18では、水素移送の状態を操作者などに通知する。
【0025】
[水素充填システムの動作]
つぎに、上述した水素充填装置10を備えた燃料電池車両1A及び燃料電池車両1Bにおいて、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bに水素を供給するときの車両間燃料交換制御処理について図2のフローチャートを参照して説明する。なお、この処理は、例えば操作者により燃料電池車両1Aと燃料電池車両1Bとの間で水素移送をする動作モードに切り替えられた場合において、例えば10msecごとの所定期間毎に実行する。
【0026】
「車両間水素交換制御処理」
この車両間水素交換制御処理では、先ずステップS1において、燃料電池車両1Aのコントロールユニット18により、水素配管2及び通信ケーブル3の端部に設けられた気密カプラが水素充填口21及び電気コネクタ23に接続されており、燃料電池車両1Aの外部接続部12と燃料電池車両1Bの外部接続部12と接続されているかの確認をする車両間燃料移送ケーブル接続確認処理をする。コントロールユニット18では、水素配管2及び通信ケーブル3の両端が燃料電池車両1A及び燃料電池車両1Bに接続されていると確認した場合には内部に保持しているケーブル接続確認フラグCの値を「1」にして、次のステップS2に処理を進める。
【0027】
このとき、燃料電池車両1Aのコントロールユニット18では、図3に示すように、先ず、水素充填口21及び電気コネクタ23に水素配管2及び通信ケーブル3が接続されたか否かを判定する(ステップS11)。ここで、コントロールユニット18は、水素配管2及び通信ケーブル3の端部に設けられた気密カプラが外部接続部12に接続した場合に、開状態となるスイッチ部22からの接続確認信号を受信したか否かにより、水素配管2及び通信ケーブル3が接続されているか否かを判定する。
【0028】
コントロールユニット18は、スイッチ部22からの接続確認信号を受信しておらず、水素配管2及び通信ケーブル3が接続されていない場合にはケーブル接続確認フラグCの値を「0」にして、処理を終了する(ステップS15)。
【0029】
これに対し、コントロールユニット18は、スイッチ部22からの接続確認信号を受信して、水素充填口21及び電気コネクタ23に水素配管2及び通信ケーブル3が接続されていると判定した場合には、水素配管2及び通信ケーブル3の接続を確認したことを示すコネクタ接続確認信号を燃料電池車両1Bに送信する(ステップS12)。
【0030】
そして、燃料電池車両1Bのコントロールユニット18にて、上述のステップS11及びステップS12と同様の処理を実行したことに応じてコネクタ接続確認信号を燃料電池車両1Aに送信することで、燃料電池車両1Aのコントロールユニット18にて燃料電池車両1Bからのコネクタ接続確認信号を受信した場合には(ステップS13)、燃料電池車両1A及び燃料電池車両1Bの接続を確認したとして、燃料電池車両1Aのコントロールユニット18にてケーブル接続確認フラグCの値を「1」にして処理をステップS2に進める(ステップS14)。
【0031】
また、ステップS12にてコネクタ接続確認信号を燃料電池車両1Bに送信したにも拘わらず、燃料電池車両1Bからコネクタ接続確認信号を受信しない場合には(ステップS13)、燃料電池車両1A及び燃料電池車両1Bの接続が確認できないためにケーブル接続確認フラグCの値を「0」にて処理をステップS2に進める(ステップS15)。
【0032】
ここで、ステップS12にて燃料電池車両1A及び燃料電池車両1Bのコントロールユニット18にて通信するコネクタ接続確認信号は、例えば水素ステーションから水素の供給を受ける通常の水素充填時に、定置型の水素供給設備から送信される信号とは異なる信号である。これにより、燃料電池車両1A及び燃料電池車両1Bのコントロールユニット18では、外部接続部12の接続先が水素供給設備とは異なる他の燃料電池車両1であることを認識して、以降の処理を実行することになる。
【0033】
ステップS2においては、コントロールユニット18により、ステップS1でのケーブル接続確認処理の結果、ケーブル接続確認フラグCの値が「1」となっているか否かを判定する。ケーブル接続確認フラグCの値が「1」となっていると判定した場合には燃料電池車両1Aと燃料電池車両1Bとの間で水素移送が可能であると判定してステップS3に処理を進め、ケーブル接続確認フラグCの値が「1」ではなく「0」であると判定した場合には燃料電池車両1Aと燃料電池車両1Bとの間で水素移送が不能であると判定してステップS4に処理を進める。
【0034】
ステップS4においては、コントロールユニット18により、バイパス弁16を閉状態にする制御をして、水素移送を行えないようにして、ステップS5に処理を進める。
【0035】
ステップS3においては、燃料電池車両1Aのコントロールユニット18により、バイパス弁16を開閉制御するバイパス弁開閉制御をして、ステップS5に処理を進める。これにより、燃料電池車両1Bの水素貯蔵タンク11と比較して、高圧となっている燃料電池車両1Aの水素貯蔵タンク11からバイパス流路15及び水素配管2を介して水素を燃料電池車両1Bに移送する。
【0036】
このとき、燃料電池車両1Aのコントロールユニット18は、図4に示すように、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bへの水素移送が終了したか否かを示す燃料移送終了フラグFの値が「1」か否かを判定することで、水素移送が終了したか否かを判定する(ステップS21)。ケーブル接続確認フラグCの値が「1」であって水素移送が終了した場合にはバイパス弁16を閉状態にして処理を終了する(ステップS27)。
【0037】
これに対し、ケーブル接続確認フラグCの値が「0」であって水素移送が終了していない場合にはバイパス弁16を開状態に保持し(ステップS22)、圧力センサ17からのセンサ信号を読み込むことで、水素貯蔵タンク11のタンク内圧P1nを検出する(ステップS23)。
【0038】
そして、コントロールユニット18では、前回のタンク内圧P1n−1と今回のタンク内圧P1nとの差圧の絶対値が、所定値δ1より小さいか否かを判定する(ステップS24)。
【0039】
ここで、所定値δ1とは、タンク内圧が高い燃料電池車両1Aからタンク内圧が低い燃料電池車両1Bに水素を供給することで、燃料電池車両1Aのタンク内圧が低下すると共に次第に燃料電池車両1Aのタンク内圧の変化が小さくなり、燃料電池車両1Bへの水素供給量が少なくなって燃料電池車両1Bへの水素供給を終了したと判定する値が設定されている。また、この所定値δ1は、処理を繰り返し実行する場合の時間に対する差圧の変化量に応じて設定しても良い。また、この所定値δ1としては、例えば「0」に近い正の微小量を設定することで、前回のタンク内圧P1n−1とタンク内圧P1nとが略同一になったことで水素移送を終了させる。
【0040】
差圧の絶対値が所定値δ1よりも小さいと判定した場合には、コントロールユニット18は、燃料電池車両1Bへの水素移送を終了するために燃料移送終了フラグFの値を「1」にし(ステップS25)、バイパス弁16を閉状態にして(ステップS26)、ステップS5に処理を進める。これに対し、差圧の絶対値が所定値δ1よりも小さくないと判定した場合には、バイパス弁16を開状態のままにしてステップS5に処理を進める。
【0041】
次のステップS5においては、コントロールユニット18により、水素移送が終了したことに応じて、燃料電池車両1Bへの水素移送が終了したことを示す燃料移送終了フラグFの値をリセットすることで「0」にして処理を終了する。
【0042】
このとき、コントロールユニット18では、図5に示すように、ケーブル接続確認フラグCの値が「0」であって燃料移送終了フラグFの値が「1」であるか否かを判定する(ステップS31)。すなわち、コントロールユニット18では、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bへの水素供給が終了して燃料移送終了フラグFの値が「1」となり、燃料電池車両1A又は燃料電池車両1Bの水素配管2及び通信ケーブル3が取り外されてケーブル接続確認フラグCの値が「0」となっているか否かを判定する。
【0043】
ケーブル接続確認フラグCの値が「0」でない場合又は燃料移送終了フラグFの値が「1」でない場合には水素供給が終了していないとして、燃料移送終了フラグFを「1」のまま保持し、ケーブル接続確認フラグCの値が「0」であって燃料移送終了フラグFの値が「1」であると判定した場合には、次の処理のために燃料移送終了フラグFの値を「0」にして処理を終了する(ステップS32)。
【0044】
なお、上述した車両間燃料交換制御処理では、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bに水素を供給する場合であって、主として燃料電池車両1Aの動作について説明したが、燃料電池車両1Bから燃料電池車両1Aに水素を供給する場合には燃料電池車両1Bにて上述の処理を実行することになる。
【0045】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第1実施形態に係る水素充填システムによれば、逆流防止弁13をバイパスするバイパス流路15を設けると共に、バイパス流路15の水素流量を調整するバイパス弁16を設けて、コントロールユニット18によりバイパス弁16を開閉制御することにより、他の燃料電池車両1の水素貯蔵タンク11との水素差圧を利用して、バイパス流路15を介して他の燃料電池車両1に水素を供給すると共に、他の燃料電池車両1から水素の供給を受けることができる。したがって、この水素充填システムによれば、燃料電池車両に水素切れが発生した場合に緊急的に他の燃料電池車両から水素充填をすることができる。
【0046】
ここで、水素充填装置10では、定置型の水素供給設備からの水素供給を受ける場合には、バイパス流路15を閉状態に保持し、逆流防止弁13を介して水素を水素貯蔵タンク11に充填することで、水素貯蔵タンク11から水素充填配管14への水素の逆流を防止することができる。
【0047】
また、この水素充填システムによれば、外部接続部12に水素配管2及び通信ケーブル3が接続されたことに応じて、他の燃料電池車両1が接続されたことを検出してバイパス弁16を閉状態から開状態にして水素移送をするので、水素充填口21に他の燃料電池車両1が接続していない場合にバイパス弁16を開状態にすることを防止すると共に、水素貯蔵タンク11からバイパス流路15への水素の逆流を防止して、意に反して車外に水素を放出することを防止することができる。
【0048】
更に、この水素充填システムによれば、スイッチ部22にLED等の発光機構を内蔵して、バイパス弁16を開状態にしている場合にLEDを発光させることで水素移送を行っていることを外部に通知するので、燃料電池車両1間の水素移送が終了したか否かを通知して、水素配管2の接続を解除可能か否かを操作者に通知することができる。
【0049】
更にまた、この水素充填システムによれば、バイパス弁16を開状態にして他の燃料電池車両1に水素を供給しているときに、圧力センサ17からのセンサ信号を読み込んでタンク内圧の変動が少なくなった場合にバイパス弁16を閉じて水素供給を終了するようにしたので、燃料電池車両1の操作者に負担を強いる必要なく水素移送を短時間で終了させることができる。
【0050】
更にまた、この水素充填システムによれば、水素配管2及び通信ケーブル3を一体化したケーブルを使用し、当該ケーブルの端部に気密カプラを設けた構成としたので、水素配管2又は通信ケーブル3の何れかの接続を忘れることを防止すると共に、燃料電池車両1から水素配管2及び通信ケーブル3を切り離すときに内部に残存している水素の流出を防止することができる。
【0051】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る水素充填システムについて説明する。なお、上述の第1実施形態と構成が同様なので同一符号を付することによりその詳細な説明を省略し、同一の処理については同一ステップ番号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0052】
第2実施形態に係る水素充填システムでは、車両間燃料移送ケーブル接続確認処理において、図6に示すように、ステップS11にて水素充填口21及び電気コネクタ23に水素配管2及び通信ケーブル3が接続されたと判定した後に、燃料電池車両1Aのコントロールユニット18では、水素貯蔵タンク11のタンク内圧P1nを検出し(ステップS41)、当該タンク内圧P1nの値を他の燃料電池車両1に送信する(ステップS42)。
【0053】
そして、燃料電池車両1Bのコントロールユニット18にて、上述のステップS41及びステップS42と同様の処理を実行したことに応じて燃料電池車両1Bのタンク内圧P2nを燃料電池車両1Aに送信することで、燃料電池車両1Aのコントロールユニット18にて燃料電池車両1Bからのタンク内圧P2nを受信した場合にはケーブル接続確認フラグCの値を「1」にし(ステップS14)、受信しない場合にはケーブル接続確認フラグCの値を「0」にする(ステップS15)。
【0054】
ステップS2にてケーブル接続確認フラグCの値が「1」であると判定した次のステップS3のバイパス弁開閉制御処理では、図7に示すように、ステップS22にてバイパス弁16を開状態にした後、コントロールユニット18により、図6の車両間燃料移送ケーブル接続確認処理にて検出したタンク内圧P1nと、受信したタンク内圧P2nとの差圧の絶対値が、所定値δ2よりも小さいか否かを判定する(ステップS51)。
【0055】
ここで、所定値δ2は、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bに水素供給することで、燃料電池車両1Aに搭載された水素貯蔵タンク11のタンク内圧P1nと、燃料電池車両1Bに搭載された水素貯蔵タンク11のタンク内圧P2nとが近づいて、燃料電池車両1Aから燃料電池車両1Bへの水素供給を終了する圧力値である。この所定値δ2としては、例えば「0」に近い正の微小量を設定することで、タンク内圧P1nとタンク内圧P2nとが略同一になったことで水素移送を終了させる。
【0056】
コントロールユニット18では、タンク内圧P1nとタンク内圧P2nとの差圧が所定値δ2よりも小さくないと判定した場合にはバイパス弁16を開状態に保持してステップS5に処理を進め、タンク内圧P1nとタンク内圧P2nとの差圧が所定値δ2よりも小さいと判定した場合にはステップS25に処理を進める。
【0057】
このような処理をする水素充填システムによれば、燃料電池車両1間にて水素移送をして、各燃料電池車両1のタンク内圧が略同一となった場合に水素移送を終了させることができるので、燃料電池車両1の操作者に負担を強いる必要なく水素移送を短時間で終了させることができる。
【0058】
また、この水素充填システムによれば、水素配管2及び通信ケーブル3が燃料電池車両1A及び燃料電池車両1Bに接続されているかの接続確認をするときに、双方の燃料電池車両1のタンク内圧情報を送受信するので、バイパス弁16を開状態から閉状態にして水素移送を終了するかの判定に利用することができ、第1実施形態における処理と比較して、処理の単純化を図ることができる。
【0059】
更に、この水素充填システムによれば、水素配管2及び通信ケーブル3により接続されたときに他の燃料電池車両1からのタンク内圧情報を受信するので、簡単な構成で燃料電池車両1間のタンク内圧情報の交換をすることができる。
【0060】
更にまた、この水素充填システムによれば、タンク内圧情報を利用して水素配管2及び通信ケーブル3の接続確認をすることができるので、燃料電池車両1間の通信量を最小限にすることができ、システムを簡略化することができる。
【0061】
なお、上述の第1実施形態及び第2実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の第1実施形態及び第2実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0062】
すなわち、上述した実施形態では、コントロールユニット18の制御によりバイパス弁16を開閉制御する場合について説明したが、バイパス弁16を手動にて開閉動作させる開閉機構を備えても良い。このとき、コントロールユニット18では、車両間燃料移送ケーブル接続確認処理を実行し、ケーブル接続確認フラグCの値が「0」の場合には、手動にてバイパス弁16を開操作してもバイパス弁16が開かないように禁止制御を行う。このようにバイパス弁16を手動動作にした場合には、バイパス弁開閉制御処理、燃料移送終了フラグリセット制御処理を省略する。
【0063】
このような水素充填システムによれば、バイパス弁16の開閉動作を手動で行うように構成し、燃料電池車両1間の水素配管2及び通信ケーブル3の接続確認がなされた状態でない限りバイパス弁16を閉じておくので、操作者の意に反して水素貯蔵タンク11からの水素の逆流や放出を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した水素充填システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した第1実施形態における水素充填システムにおいて、コントロールユニットによる車両間燃料交換制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明を適用した第1実施形態における水素充填システムにおいて、コントロールユニットによる車両間燃料移送ケーブル接続確認処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明を適用した第1実施形態における水素充填システムにおいて、コントロールユニットによるバイパス弁開閉制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明を適用した第1実施形態における水素充填システムにおいて、コントロールユニットによる燃料移送終了フラグリセット制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明を適用した第2実施形態における水素充填システムにおいて、コントロールユニットによる車両間燃料移送ケーブル接続確認処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明を適用した第2実施形態における水素充填システムにおいて、コントロールユニットによるバイパス弁開閉制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃料電池車両
2 水素配管
3 通信ケーブル
10 水素充填装置
11 水素貯蔵タンク
12 外部接続部
13 逆流防止弁
14 水素充填配管
15 バイパス流路
16 バイパス弁
17 圧力センサ
18 コントロールユニット
21 水素充填口
22 スイッチ部
23 電気コネクタ
Claims (9)
- 水素ガスを利用して発電反応をする燃料電池を搭載した燃料電池車両に水素を充填させる燃料電池車両の水素充填装置であって、
上記燃料電池に発電反応を発生させるに際して供給する水素を充填する水素貯蔵タンクと、
上記水素貯蔵タンクに充填する水素が上記燃料電池車両の外部から供給される水素充填口と、上記水素貯蔵タンクとを挿通する水素充填流路と、
上記水素充填流路中に設けられ、上記水素貯蔵タンクから上記水素充填口への水素流入を防止する逆流防止弁と、
上記逆流防止弁をバイパスして上記水素貯蔵タンクと上記水素充填口とを挿通するバイパス流路と、
上記バイパス流路の流量を調整するバイパス弁と、
他の燃料電池車両と上記水素充填口とが水素流路にて挿通された場合に、上記バイパス弁を開閉制御して、他の燃料電池車両との間で水素を移送させる制御手段と
を備えることを特徴とする燃料電池車両の水素充填装置。 - 他の燃料電池車両と通信ケーブルを介して接続し、他の燃料電池車両との間で通信を行うための電気コネクタを更に備え、
上記制御手段は、上記電気コネクタを介して入力される他の燃料電池車両からの信号から他の燃料電池車両と上記水素充填口とが挿通されたことを認識して、上記バイパス弁を開状態にする制御をすることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池車両の水素充填装置。 - 上記バイパス弁が開状態である場合に、他の燃料電池車両との間で水素移送をしている旨を通知する通知手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池車両の水素充填装置。
- 上記水素貯蔵タンクの内圧を検出する圧力センサを更に備え、
上記制御手段は、上記圧力センサからのセンサ信号から、上記水素貯蔵タンクの内圧の変動が所定値より小さくなった場合に上記バイパス弁を閉状態にする制御をすることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池車両の水素充填装置。 - 上記水素貯蔵タンクの内圧を検出する圧力センサを更に備え、
上記制御手段は、他の燃料電池車両に搭載されている水素貯蔵タンクの内圧を示す情報を受信し、上記圧力センサのセンサ信号から検出した内圧と受信した内圧とが略等しい場合に上記バイパス弁を閉状態にする制御をすることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池車両の水素充填装置。 - 上記制御手段は、上記電気コネクタを介して他の燃料電池車両に上記水素貯蔵タンクの内圧を示す情報を送信することを特徴とする請求項5に記載の燃料電池車両の水素充填装置。
- 上記制御手段は、他の燃料電池車両から水素貯蔵タンクの内圧を示す情報を受信したことに応じて、他の燃料電池車両と上記水素充填口とが水素流路にて挿通されたことを判定することを特徴とする請求項5に記載の燃料電池車両の水素充填装置。
- 他の燃料電池車両と通信ケーブルを介して接続し、他の燃料電池車両との間で通信を行うための電気コネクタと、
上記バイパス弁を手動にて開閉する開閉機構とを更に備え、
上記制御手段は、上記電気コネクタを介して入力される他の燃料電池車両からの信号から他の燃料電池車両と上記水素充填口とが挿通されたことを認識して手動による上記バイパス弁の開閉を可能とするように上記開閉機構を制御し、他の燃料電池車両と上記水素充填口とが挿通されたことを認識していない場合には手動による上記バイパス弁の開閉を禁止するように上記開閉機構を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池車両の水素充填装置。 - 他の燃料電池車両と通信ケーブルを介して接続し、他の燃料電池車両との間で通信を行うための電気コネクタを更に備え、
上記通信ケーブルと、上記水素充填口と他の燃料電池車両とを挿通する水素流路とが一体化されたケーブルが接続され、当該ケーブルの両端に気密カプラが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池車両の水素充填装置。
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