JP2004146085A - ガスクラスターイオンの発生方法及びその発生装置 - Google Patents

ガスクラスターイオンの発生方法及びその発生装置 Download PDF

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大野 茂
Shinji Sasaki
佐々木 新治
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Abstract

【課題】赤熱したフィラメントから供給される熱電子やプラズマ中の電子を用いた電離法では、高エネルギー電子によるガスクラスターのフラグメント化が避けられない。
【解決手段】気体状物質の断熱膨張によって得たガスクラスターに、波長範囲が10nm以上100nm以下の紫外線、または波長範囲が2nm以上10nm以下の軟X線を照射することによって前記ガスクラスターをイオン化する。従来の電子衝撃法によるイオン化ではクラスターのフラグメント化防止と実用的なビーム電流を両立することは困難であるが、本発明を用いることによって、クラスターのフラグメント化を防止しながら、実用的なビーム電流を得ることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスクラスターイオンビームの発生方法及び発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットを初めとする情報技術(IT)の急速な発展には、膨大な情報を高速で処理したり、記録する技術が不可欠である。それを支えているのが、磁気ディスク装置(HDD)の高記録密度化や半導体集積回路の高速・高集積化である。
【0003】
HDDでは、記録密度の向上に伴い、薄膜磁気ヘッド装置と磁気ディスクとの間隙(浮上量)は、記録密度の向上伴って減少の一途をたどっている。薄膜磁気ヘッド装置は、磁気ディスクの回転によって生じる気流によって磁気ディスク上に浮上した状態で情報の記録・再生を行う。磁気ディスクに対して薄膜磁気ヘッド装置を安定に浮上させ、記録・再生を安定に行うためには、薄膜磁気ヘッド装置の磁気ディスクと相対する面(浮上面)を十分に平坦化する必要がある。従来、浮上面の平坦化には機械的研磨や化学的機械的研磨(CMP)を用いて行われている。しかし、これらの方法で得られる表面粗さは5nm程度が現状での限界である。
【0004】
一方、半導体装置では、高速・高集積化に伴い、スケーリング則に従ってパターン寸法が小さくなるとともにソース・ドレインにおける接合深さも浅くなる。ソース、ドレインへの不純物ドープは、イオンビームを用いたイオン注入によってなされてきた。接合深さを減少させるにはイオンビームを低加速電圧で照射する必要があるが、低加速電圧では空間電荷効果の為にビームが拡散してしまい、ビーム輸送が困難になる。そのため、従来のイオン注入法では生産性が極端に低下してしまう。
【0005】
上記した課題の解決法として、ガスクラスターイオンビームが注目されている。ガスクラスターイオンビームは、原子または分子(以後、モノマーという)が数百〜数千個の固まりになったものである。その発生方法は、特許文献1に述べられている。また、クラスターのイオン化方法は、特許文献1に述べられている電子線照射によるものの他に、特許文献2に高密度プラズマを用いた方法が記載されている。イオン化されたクラスターは加速電圧により加速され、ワークに照射される。クラスターがワークに衝突すると、入射エネルギーはクラスターを構成する個々の原子に分配されるので、モノマーイオンビームに比べて高密度、低エネルギーでの照射が可能となる。
【0006】
上記のようにして発生させたガスクラスターイオンビームは、従来のモノマーイオンビームとは異なった特徴を持つ。例えば、ラテラルスパッタ効果により凹凸面の平坦化が可能である。ガスクラスターイオンビームの平坦化加工への適用例は特許文献3〜5に紹介されている。また、ガスクラスターイオンは大きな質量を持つため、同じ加速電圧を与えてもモノマーイオンに比べ低速での照射が可能である。そのため浅い接合深さを実現するイオン注入法としても注目されている。ガスクラスターイオンを用いたイオン注入方法は特許文献6に開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平8−319105号公報
【特許文献2】
特開平6−275545号公報
【特許文献3】
特開平11−120547号公報
【特許文献4】
特開平8−120470号公報
【特許文献5】
特開平8−293483号公報
【特許文献6】
特開平10−163123号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、ガスクラスターイオンビームは薄膜磁気ヘッド装置及び半導体装置の製造方法として有望である。ガスクラスターイオンビーム加工法の特長は、モノマーイオンに比べて遙かに大きい質量を持ち、多数の原子または分子の集合体であるクラスターを用いることにある。すなわち、断熱膨張で効率よくクラスターを発生させ、クラスターをフラグメント化させずに効率よく電離させ、ビームの拡散を抑制してワークまで輸送することが重要な課題となる。
【0009】
しかし、断熱膨張で発生したクラスターは、化学的な結合力に比べて遥かに弱いファンデルワールス力で結びついているので、特開平8−319105号公報に述べられている電子衝撃を利用した電離では、高エネルギー電子との衝突によってフラグメント化することが考えられる。
【0010】
電子衝撃によるフラグメント化の形態でもっとも起こりやすいのが、クラスターの最表面からモノマーや小さなクラスターが発生することである。こうして生じたモノマーや小クラスターが電子衝撃により電離されてクラスターイオンとともにワークに照射された場合の原子1個当たりのエネルギーは、大クラスターがワークに照射されることによって生じた原子1個当たりのエネルギーに比べて大きいため、ワークに損傷を与える。また、モノマーや小クラスターはクラスターに比べて質量が小さいため、同じ電圧で加速すると大きな速度を持つ。そのため、ビーム中を先行する大きなクラスターと衝突して破壊することも考えられる。
【0011】
一方、プラズマを用いた電離法の場合、ノズルから発生したクラスターの進路上にプラズマを発生させるので、プラズマ中の原子、分子、イオンとの衝突でクラスターが破壊される。また、プラズマ中に存在する高エネルギーの電子による衝突でクラスターがフラグメント化されることが考えられる。
【0012】
本発明の目的は、ワーク表面に損傷を与えたり、ガスクラスターイオンビームの輸送の妨げとなるモノマーイオンや小クラスターイオンの発生を抑制する方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
モノマーイオンや小クラスターイオンの発生を抑制するためには高エネルギーを持った電子との衝突に依らない電離法が必要である。そのため、本発明では2nm以上、100nm以下の波長範囲を持った紫外線、または軟X線を用いた光電離法、若しくは電離の閾値エネルギー程度の低エネルギーでの電子衝撃による電離法に前述した波長を持つ光を用いた光電離法を併用する方法を提供する。
【0014】
100nm以上の波長を持つ紫外線では光エネルギーが10eV以下となり、気体分子・原子の電離閾値エネルギー以下となるため、電離が困難となる。一方、波長が2nm以下の軟X線では光エネルギーが500eV以上となる。照射した光エネルギーと電離に要するエネルギーの差分は光電離で生じた電子の運動エネルギーになる。そのため、2nm以下の短波長の光を照射すると、電離によって数百eVのエネルギーを持った電子が発生し、この高エネルギー電子との衝突によってクラスターが破壊され、モノマーイオン、小クラスターイオンが発生しやすくなる。
【0015】
一般に光電離断面積は電子衝突電離断面積に比べて約1桁小さいため、電子衝突電離法に比べてモノマーイオンは発生しにくい。一方で、ガスクラスターはモノマーに比べて大きいので、大きいクラスターほど効率よく電離できる。また、光電離断面積はイオン化の閾値エネルギー付近で最大値を持つ。そのため、照射した光エネルギーとイオン化エネルギーの差は発生した電子の運動エネルギーとなるが、電離断面積が最大となる波長の光を照射することによって、発生した電子によるフラグメント化を防止しながら、効率よく電離することができる。
【0016】
上記の電離を実現するために、本発明では、真空ポンプにより排気されたガスクラスター発生室とイオン化室を備えたガスクラスターイオンの発生装置において、前記イオン化室に、クラスター発生室から導入されたガスクラスターに光を照射して、これを光イオン化させるための照射光学系を設けた。
【0017】
さらに、照射光を有効に利用するために、本発明ではクラスターの進行方向に沿って光源のアレイを形成し、クラスターの進行方向と垂直な方向から光を照射する方法、クラスターの進行方向に平行な面を持つシート状の光を照射する方法、またはクラスターの進行方向とのなす角が浅い方向から照射する方法、さらにこれらの照射光を反射光学系で反射させる方法を提案している。
【0018】
また、光電離では充分なビーム電流を得られない場合には、電離の閾値エネルギーと同程度のエネルギーを持った電子をクラスターに照射する低エネルギー電子衝撃法を併用することによって、ビーム電流の不足分を補うことができる。照射する電子は、電流を流したフィラメントから発生する熱電子やプラズマから発生する電子を用いる。照射する電子のエネルギーは150eV以下とする。一般に、電子衝撃電離断面積は100〜150eVで最大となり、それ以上では緩やかに減少する。したがって150eV以上で照射をしてもクラスターのフラグメント化を促進するだけで、電離能率の観点からは効果が無い。
【0019】
一方、電離閾値エネルギー程度の低エネルギー電子によるモノマーの電離断面積は、100eV以上の高エネルギー電子による電離断面積に比べると1桁以上小さい。しかし、多数のモノマーが凝集したクラスターほど断面積が大きくなるので、大クラスターを選択的に電離させる上で有効である。すなわち、光照射と電子衝撃を併用してクラスターのフラグメント化を防止しながら、十分なビーム電流を得るには、電子衝撃エネルギーは、150eV以下とするのが妥当である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態を説明するガスクラスターイオンビーム装置の概略図、図2はイオン化室の拡大図である。ガスクラスターイオンビームは以下のように発生させることができる。クラスター生成室1、イオン化室2、イオン照射室3は、図示されていない真空ポンプにより予め排気されており、クラスターイオン照射時も常に排気されている。ノズルの1次(高圧)側4にガスクラスターイオンの原料ガス、例えばArガスを導入し、ノズルの2次(低圧)側5から真空中に噴射する。
【0021】
このとき急激な断熱膨張により、Arのクラスター流19が形成される。ここで形成されたArクラスター流19の進行方向に垂直な断面でクラスターサイズの分布を見ると中心ほど大きなクラスターが形成される。そこで、スキマー6によって、中心部の大きなクラスターを抽出し、イオン化室2に導入する。イオン化室2に導入されたクラスター流19に光源7から紫外光または軟X線8を照射する。
【0022】
紫外光8は、一般に図2に示すような光強度分布20を持ち、一定強度以上の光が照射される部分21で効率よくイオンを発生させることができる。大きいクラスターほど断面積が大きいので、大きいクラスターを選択的に電離することができる。ここで、照射する紫外光8はHe、Ne等の共鳴線や紫外線レーザー若しくは軟X線領域の特性X線等、単色光が望ましい。これは、単色光の場合、光電離によって発生した電子のエネルギーを制御し易いためであるが、複数の波長を含む光や連続した波長を持つ光であっても構わない。
【0023】
ただし、電離エネルギー以上のエネルギーを持った光を照射した場合、あまったエネルギーは電子の運動エネルギーとなる。従って、極端な短波長成分が強い光を照射した場合は、高エネルギーの光電子によるフラグメントが生じる可能性があるので、それらの成分はフィルターで除去する必要がある。
【0024】
また、原料ガスによって光電離断面積が最大となる波長が異なるので、単色光の場合は適切な波長を選択する必要がある。例えば、原料ガスがArの場合、光電離断面積が18eV、波長にすると69nmで最大となるため、69nm付近の波長を持った光を照射することが望ましいが、Arのイオン化閾値エネルギー15.7eV以上のエネルギーを与えられる光、すなわち79nm以下の波長を持った光であれば、他の波長の光であっても構わない。
【0025】
さて、紫外光8を照射する領域は加速電極11と同電位のメッシュ状のケース9で覆われている。加速電極11およびケース9には電源10より加速電圧が印加される。紫外光8の照射により発生したガスクラスターイオンは、加速電極11、電源13に接続され、減速電圧を印加された減速電極12、接地電極14に設けられた穴を通して引き出される。こうして引き出されたガスクラスターイオンビームに質量選別用磁石15から磁界を印加する。この磁界によりビーム中に含まれるモノマーイオンや小クラスターイオンの軌道は曲げられ、質量の大きいクラスターイオンのみが直進してイオン照射室3に導入され、ワーク17に照射される。イオンビームのみを照射するとワークが帯電し、加工が進まなくなるのを防ぐため、電荷中和器16から電子を供給する。
【0026】
ここで、照射される光の波長範囲は以下のように決定される。100nm以上の波長を持つ紫外線では光エネルギーが10eV以下となり、気体分子・原子の電離閾値エネルギー以下となるため、電離が困難となる。一方、波長が2nm以下の軟X線では光エネルギーが500eV以上となる。
【0027】
照射した光エネルギーと電離に要するエネルギーの差分は光電離で生じた電子の運動エネルギーになる。そのため、2nm以下の短波長の光を照射すると、電離によって数百eVのエネルギーを持った電子が発生し、この高エネルギー電子との衝突によってクラスターが破壊され、モノマーイオン、小クラスターイオンが発生しやすくなる。
【0028】
以上より、照射される光の波長範囲は2nm以上100nm以下とした。但し、特定のガスに照射する際には、照射されるガス分子・原子のイオン化エネルギー、2荷イオン化エネルギーを考慮して波長範囲を決定することが望ましい。例えばArの場合、20nm以上、80nm以下であることが望ましい。しかし、40nm以下はArの2荷イオンが発生するため、更に望ましくは40nm以上、80nm以下の波長範囲とする。Neの場合は10nm以上、60nm以下の波長範囲が望ましいが、2荷イオンの発生を抑制するためには25nm以上、60nm以下の波長範囲が望ましい。Nの場合には25nm以上、90nm以下の波長範囲が望ましい。
【0029】
ところで、ケース9から加速電極、減速電極、接地電極、質量選別用磁石、電荷中和器の配置や構造はクラスターイオンを輸送するための構造で、本発明とは直接関係なく、クラスターイオンを輸送できれば他の構造であっても構わない。
【0030】
上述の範囲の波長を持った光を照射することによってクラスターのフラグメント化を防ぎ、モノマーイオンや小クラスターイオンによる加工損傷を低減したがすくラスターイオンビームによる加工を実現できる。
【0031】
(第2の実施の形態)
図3を用いて本発明の第2の実施の形態を説明する。第1の実施の形態ではクラスターをイオン化できる領域21は、クラスター流のごく一部でしかなかった。そこで、スキマーから加速電極に至るまでのできるだけ広い領域でクラスターをイオン化できるように、光源7とクラスター流の間の光路上にビームスプリッター22を設けた。
【0032】
これにより、光源7から照射された光8をクラスター流の進行方向に平行なシート状の光に変換することができる。クラスター流に照射された光の強度分布は201のようになり、光電離に適した領域211が広がるため、クラスターイオンビーム電流を増やすことができる。
【0033】
(第3の実施の形態)
図4を用いて本発明の第3の実施の形態を説明する。第1の実施の形態ではクラスターをイオン化できる領域21は、クラスター流のごく一部でしかなかった。そこで、スキマーから加速電極に至るまでのできるだけ広い領域でクラスターをイオン化できるように、複数の光源をクラスター流に沿って並べた。この光源アレイ71により、クラスター流に照射された光の強度分布は202のようになり、光電離に適した領域212が広がるため、クラスターイオンビーム電流を増やすことができる。
【0034】
さらに図5に示すように、光源の間隔を狭めることにより、クラスター流に照射された光の強度分布は203のようになり、光電離に適した領域213がさらに広がるため、クラスターイオンビーム電流を増やすことができる。
【0035】
また、光源の形状等によって、光源アレイを高密度で形成できない場合には、図6に示すように複数の方向、例えば紙面に平行な方向と紙面に垂直な方向の2方向から照射することができる。これにより、クラスター流に照射された光の強度分布は204のようになり、光電離に適した領域214が広がるため、クラスターイオンビーム電流を増やすことができる。
【0036】
(第4の実施の形態)
図7を用いて本発明の第4の実施の形態を説明する。第1の実施の形態ではクラスターをイオン化できる領域215は、クラスター流のごく一部でしかなかった。そこで、スキマーから加速電極に至るまでのできるだけ広い領域でクラスターをイオン化できるように、入射光学系74に相対して反射光学系22を設ける。少なくとも1回以上の反射をすることで光電離に適した領域215が広がるため、クラスターイオンビーム電流を増やすことができる。
【0037】
(第5の実施の形態)
図8を用いて第5の実施の形態を説明する。図8はクラスター流19の進行方向に垂直で、照射光学系75を含む平面で切った断面図である。照射光学系75に相対して反射光学系23を設けることでクラスター流19を透過してしまった光を再利用して、クラスターをイオン化する領域216の光量を増す。
【0038】
クラスター流19を透過してしまった光を再度クラスター流19に照射できる構造であれば、反射光学系23の配置はここで説明したもの以外であってもかまわない。
【0039】
(第6の実施の形態)
図9を用いて本発明の第6の実施の形態を説明する。第1の実施の形態ではクラスター流19の進行方向に対して法線方向から光を照射しているが、浅い角度でクラスター流19を横切るように光を照射しても同様の効果を得ることができる。極力、イオン化できる領域216を広く取ることができるように、光の照射角θはできるだけ小さくするのが望ましい。
【0040】
また、この系においても、図10に示すように、照射光学系77に相対して反射光学系24を設け、クラスター流19を透過してしまった光を反射することで再利用する。クラスター流19を透過してしまった光を再度クラスター流19に反射できる構造であれば、反射光学系24の配置はここで説明したもの以外であってもかまわない。
【0041】
(第7の実施の形態)
図11を用いて電子衝撃による電離方法と光照射による電離方法を併用した場合の実施の形態を説明する。ここでは第二の実施の形態に電子衝撃による電離方法を併用した場合について説明するが、第1乃至第6の実施の形態のいずれに適用しても良い。
【0042】
電流源25に接続されたフィラメント26を少なくとも1本以上、ガスクラスター流19に沿ってその進行方向に平行に配置する。電流源25から電流を流すことによりフィラメント26は赤熱し、熱電子を発生させる。このとき、ケース9とフィラメント26との電位差が大きいと高エネルギー電子が発生する原因となるので、ケース9とフィラメント26との電位差は150eV以下とする。
【0043】
本方法を用いることで、光電離だけでは充分なイオンビーム電流を得ることができない場合に電子衝撃電離を併用することにより、ビーム電流を増加させることができる。
【0044】
(第8の実施の形態)
図12を用いて電子衝撃による電離方法と光照射による電離方法を併用した場合の実施の形態を説明する。ここでは第二の実施の形態に電子衝撃による電離方法を併用した場合について説明するが、第一乃至第六の実施の形態のいずれに適用しても良い。図示していない電源などを用いて長さ方向がガスクラスター流に中空の円筒状のプラズマ27をガスクラスター流19に沿って配置する。
【0045】
本方法を用いることで、光電離だけでは充分なイオンビーム電流を得ることができない場合に電子衝撃電離を併用することにより、ビーム電流を増加させることができる。
【0046】
【発明の効果】
光電離法でガスクラスターを電離することによって、電子衝撃電離では発生しやすい高エネルギー電子の衝突によるクラスターのフラグメント化を防止し、実用的なビーム電流を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を説明するガスクラスターイオンビーム装置の断面図である。
【図2】光電離法を適用したガスクラスターのイオン化室の断面の拡大図である。
【図3】本発明の第2の実施例を説明するガスクラスターのイオン化室の断面の拡大図である。
【図4】本発明の第3の実施例を説明するガスクラスターのイオン化室の断面の拡大図である。
【図5】本発明の第3の実施例で、光源アレイを高密度化した場合のガスクラスターのイオン化室の断面の拡大図である。
【図6】本発明の第3の実施例で、光源アレイをガスクラスター流に垂直で紙面に平行な方向及び垂直な方向の2方向から光を照射した場合のガスクラスターのイオン化室の断面の拡大図である。
【図7】本発明の第4の実施例を説明するガスクラスターのイオン化室の断面の拡大図である。
【図8】本発明の第5の実施例を説明するガスクラスターのイオン化室の断面の拡大図である。
【図9】本発明の第6の実施例を説明するガスクラスターのイオン化室の断面の拡大図である。
【図10】本発明の第6の実施例で、反射光学系を備えたガスクラスターのイオン化室の様子を説明する断面の拡大図である。
【図11】本発明の第7の実施例を説明するガスクラスターのイオン化室の断面の拡大図である。
【図12】本発明の第7の実施例を説明するガスクラスターのイオン化室の断面の拡大図である。
【符号の説明】
1…クラスター生成室、2…イオン化室、3…クラスター照射室、4…ノズル高圧側、5…ノズル真空側、6…スキマー、7、71、72、73、74、75、76、77…光源、8、81、82、83、84、85、86、87…照射光、9…メッシュケース、10…加速電圧源、11…加速電極、12…減速電極、13…原則電圧源、14…設置電極、15…質量選別用磁石、16…電荷中和器、17…ワーク、18…ステージ、19…ガスクラスターイオンビーム、20、201、202、203、204…光強度分布、21、211、212、213、214、215、216、217…光イオン化領域、22、23、24…反射光学系、25…電流源、26…フィラメント、27…プラズマ

Claims (8)

  1. 気体状物質を断熱膨張させることによって得たガスクラスターを電離させたガスクラスターイオンの発生方法であって、前記ガスクラスターに光を照射することによって前記ガスクラスターを電離させることを特徴としたガスクラスターイオンの発生方法。
  2. 気体状物質を断熱膨張させることによって得たガスクラスターを電離させたガスクラスターイオンの発生方法であって、前記ガスクラスターに光を照射することと電子衝撃を併用することによって前記ガスクラスターを電離させることを特徴としたガスクラスターイオンの発生方法。
  3. 前記光が2nm以上、100nm以下の波長範囲にある紫外線または軟X線であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスクラスターイオンの発生方法
  4. 気体状物質を断熱膨張させることによって得たガスクラスターを電離させるガスクラスターイオンの発生装置であって、真空ポンプにより排気されたガスクラスター発生室とイオン化室を備え、該イオン化室が、前記クラスター発生室から導入されたガスクラスターに光を照射して、前記ガスクラスターを光イオン化させるための照射光学系を具備してなることを特徴とするガスクラスターイオンの発生装置。
  5. 前記イオン化室が、更に該ガスクラスターに電子を照射し電子衝撃により、前記ガスクラスターをイオン化させるための電子照射部を具備してなることを特徴とする請求項4に記載のガスクラスターイオンの発生装置。
  6. 前記電離部が更に光反射部を備え、前記光照射部からの照射光と該照射光が前記光反射部で反射させた反射光とを前記ガスクラスターに照射するように前記光照射部と前記光反射部とが配置されてなることを特徴とする請求項4に記載のガスクラスターイオンの発生装置。
  7. 前記電離部が更に該ガスクラスターに電子を照射し電子衝撃により、前記ガスクラスターをイオン化させるための電子照射部と光反射部を備え、前記光照射部からの照射光と該照射光が前記光反射部で反射させた反射光とを前記ガスクラスターに照射するように前記光照射部と前記光反射部とが配置されてなることを特徴とする請求項4に記載のガスクラスターイオンの発生装置。
  8. 前記光照射部から照射される光が、2nm以上、100nm以下の波長範囲にある紫外線または軟X線であることを特徴とする請求項4に記載のガスクラスターイオンの発生装置。
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