JP2004146002A - ディスクドライブ装置、およびアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】シークタイムの遅延を防止し、データ処理時間の向上を図るディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ディスクドライブ装置において、記録ディスク12に対してデータを読み書きする磁気ヘッド32を回動させるアクチュエータ30に、アクチュエータ30を駆動するボイスコイル33の近傍であって、このボイスコイル33を覆う領域を有するようにプレート36を配置した。
【選択図】 図2
【解決手段】ディスクドライブ装置において、記録ディスク12に対してデータを読み書きする磁気ヘッド32を回動させるアクチュエータ30に、アクチュエータ30を駆動するボイスコイル33の近傍であって、このボイスコイル33を覆う領域を有するようにプレート36を配置した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばハードディスク等のディスクドライブ装置等に関し、より詳しくは記録ディスクに対してデータの書き込みおよび読み出しを行なうためのアクチュエータを備えたディスクドライブ装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ装置におけるデータの主な格納先としてハードディスクドライブ等のディスクドライブ装置が多用されている。このようなディスクドライブ装置は、ディスクエンクロージャと称される筺体内に、データを記録するための円盤状の記録ディスクを収納した構成となっている。記録ディスクは、単数または複数が、筺体に固定されたスピンドルに回転自在に保持されて、スピンドルモータによって回転駆動される。そして、記録ディスクの近傍には、記録ディスクに対してデータの読み出し・書き込みを行なうためのアクチュエータが配置されている。
【0003】
アクチュエータは、ディスクドライブ装置の筺体に固定されたピボットシャフトに、ベアリングを介して回動自在に設けられている。このアクチュエータは、ピボットシャフトに対して一方の側に延出するアームを備え、このアームの先端部に磁気ヘッドが設けられている。また、ピボットシャフトを挟んでアームの反対側にはコイルサポートが設けられ、コイルサポートにはこのアクチュエータを駆動するためのボイスコイルモータ(VCM)を構成するボイスコイルが保持されている。
【0004】
そして、アクチュエータのボイスコイルに対向する位置には、VCMを構成するステータが設けられており、ステータとVCMとの間に生じる磁界を変化させることによって、アクチュエータをピボットシャフトの周りに駆動するようになっている。その結果、アクチュエータのアームの先端部に設けられた磁気ヘッドが記録ディスクの表面に沿った方向に移動し、記録ディスク表面上の目的のトラックにアクセスして、記録ディスクに記録されたデータの読み出し、あるいはデータの記録ディスクへの書き込みが行なわれるのである。
【0005】
ところで、近年、ディスクドライブ装置は記録容量の大容量化が著しく、それに伴って記録ディスクに対するデータの読み書きの高速化も要求されている。これには、磁気ヘッドで読み書きするデータの処理速度もさることながら、記録ディスク上の目的のトラックに磁気ヘッドがアクセス(シーク)する際の、アクチュエータの機械的な回動動作速度の向上が重要な要素となる。そのため、アクチュエータを速く回動させて記録ディスク表面上の目的のトラックに素早くアクセスするために、アクチュエータの慣性モーメントを小さく構成するとともに、ボイスコイルに大量の電流を流すことが好ましい。
【0006】
ここで、記録媒体上でアクチュエータを目的のトラックにアクセスする従来技術として、VCMによってアクチュエータを記録媒体の略半径方向に横切って移動させる際のアクチュエータの動作を制御する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−8331号公報(第4頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のディスクドライブ装置では、ボイスコイルに流す電流量は多いほどアクチュエータの回動スピードを上げることができる。しかしながら、ボイスコイルに流す電流量には設計上の上限があり、通常は最大1.6A程度の電流が使用されるが、ボイスコイルに1.6A程度の電流を流すとボイスコイルが発熱し、そのためにボイスコイル自体の抵抗値が上昇するという現象が生じる。その結果、記録ディスク上を磁気ヘッドがシーク動作を続けている間にボイスコイルの電流量が低下し、シークタイムが遅延するという問題が生じていた。
特に、3inchの記録ディスクを10000rpmで使用したり、2.5inchの記録ディスクを15000rpmで使用する、大容量のデータを処理するサーバ装置では、シークタイムの遅延はデータ処理時間に大きな影響を及ぼすこととなる。
【0009】
なお、上記の特許文献1に記載された技術では、記録媒体上でアクチュエータを目的のトラックにアクセスする技術は開示されているが、アクチュエータのシークタイムの遅延を防止するための有効な技術は開示されていない。
【0010】
そこで本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、シークタイムの遅延を防止し、データ処理時間の向上を図るディスクドライブ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明のディスクドライブ装置は、コイルを装着したアクチュエータが、コイルの近傍であってこのコイルを覆う領域を有するように配置されたプレートを備えたことを特徴とする。このようにコイルの近傍であってこのコイルを覆う領域を有するようにプレートを配置することにより、コイルの温度上昇に基づく抵抗値の上昇を抑えることができ、コイルに十分な電流を供給できる。このプレートは、放熱板として機能する。また、このプレートは、アクチュエータの回動軸の近傍に配置することが好ましい。これにより、プレートを配置したことによるアクチュエータの慣性モーメントの増加を最小限に抑えることができる。
また、プレートは、複数枚配置することができる。プレートを複数枚配置することによってコイルからの熱の吸収量を増やすことができる。特に、複数のプレートはコイルを挟んで両側に配置するのが好ましい。
さらに、プレートは、表面に溝を形成した構成とすることができる。これにより、プレートの放熱量を大きくし、同時に軽量化が図れる。また、プレートは、プレートの断面形状が矩形または波形で構成することもできる。
【0012】
本発明のディスクドライブ装置は、アクチュエータの回動軸の近傍に配置した放熱部材を有することを特徴とする。このような構成によって、コイルの温度上昇に基づく抵抗値の上昇を抑えると同時に、放熱部材を配置したことによるアクチュエータの慣性モーメントの増加を最小限に抑えることができる。また、放熱部材は、アクチュエータの回動軸と一体的に構成することができる。さらに、放熱部材は、アクチュエータの回動軸に接着して構成してもよい。
【0013】
本発明をアクチュエータとして捉えれば、このアクチュエータは、ヘッドと、回動軸を中心に回動可能な支持部材と、コイルと、コイルの近傍であってこのコイルを覆う領域を有するように配置したプレートと、を有することを特徴とする。このような構成によって、コイルの温度上昇に基づく抵抗値の上昇を抑えることができる。
【0014】
また、本発明をアクチュエータとして捉え、このアクチュエータは、ヘッドと、 回動軸を中心に回動可能な支持部材と、コイルと、回動軸の近傍に配置した放熱部材と、を有することを特徴とする。このような構成によって、コイルの温度上昇に基づく抵抗値の上昇を抑えることができ、また、放熱部材を配置したことによるアクチュエータの慣性モーメントの増加を最小限に抑えることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明について詳細に説明する。図1に示すものは、本実施の形態におけるハードディスクドライブ(ディスクドライブ装置)20を説明する図である。このハードディスクドライブ20は、図示しないPC(Personal Computer)に内蔵または外付けされ、ホスト側となるPCからの命令に基づき、データの読み出し・書き込み動作等を行う。
ハードディスクドライブ20は、ディスクエンクロージャ(筺体)11内に、所定枚数の記録ディスク(ディスク状媒体、データ記録媒体)12と、アクチュエータ30とを備えている。
【0016】
ディスクエンクロージャ11は、上部に開放した有底箱状のベース13と、このベース13の上部の開口を塞ぐカバー(図示せず)とから構成されている。
記録ディスク12は、例えば磁気ディスク等の不揮発性の記録媒体であり、ベース13に設けられたスピンドル10にセットされている。ここで、記録ディスク12を複数枚備える場合には、スピンドル10に所定枚数の記録ディスク12を積層させる。スピンドル10は、ハブイン構造のスピンドルモータ(ディスク駆動源:図示せず)を一体に備えたものであり、このスピンドルモータにより記録ディスク12をスピンドル10の軸線周りに所定の回転速度で回転駆動させることができるようになっている。
【0017】
アクチュエータ30は、中間部においてピボット(回動軸)31を介してベース13に対して回動自在に取り付けられており、ピボット31を中心として記録ディスク12の表面に沿った面内で回動可能となっている。
アクチュエータ30は、ピボット31に対してその一方の側にアーム37が延出し、アーム37の先端部にサスペンションアーム38が設けられ、このサスペンションアーム38に磁気ヘッド32が設けられた構成となっている。ここで、磁気ヘッド32は、ハードディスクドライブ20に備えられる記録ディスク12のそれぞれに対し、上下2個一対となるよう備えられている。
また、このアクチュエータ30は、アーム37とはピボット31を挟んで反対側に延出する略U字状またはV字状の一対のコイル保持アーム34A、34Bが備えられている。そして、この一対のコイル保持アーム34A、34Bには、所定の巻き数を有したボイスコイル33が保持されている。
【0018】
アクチュエータ30のボイスコイル33に対向する位置には、ボイスコイル33との間で磁界を発生させるための上下一対のステータ40L、40Uがベース13に固定されて設けられている。これらボイスコイル33とステータ40L、40Uとによって、アクチュエータ30をピボット31の周りに回動させるための駆動源としてのボイスコイルモータ(VCM)が構成され、ボイスコイル33への通電を制御することによってステータ40L、40Uとボイスコイル33との間に生じる磁界を変化させ、これによってアクチュエータ30が回動するようになっている。その結果、アクチュエータ30は、VCMの駆動によってピボット31を中心として回動し、磁気ヘッド32が記録ディスク12の略半径方向にシークして記録ディスク12上の目的のトラックに対向した位置にアクセスし、記録ディスク12に記録されたデータの読み出しあるいはデータの記録ディスク12への書き込みを行うのである。
【0019】
図2は本実施の形態におけるアクチュエータ30を説明する図である。図2に示したように、アクチュエータ30は、0.3mm厚のアルミニウムの平板で構成されたプレート36が、ピボット軸受部35のボイスコイル33側の側面35Aに、ボイスコイル33面と略平行に配置されている。さらに、プレート36は、ボイスコイル33が配置された領域のうち、ピボット軸受部35側領域の一部を覆うように配置されている。
すなわち、ボイスコイル33はロの字形で構成され、ボイスコイル33面がピボット31と直交するように配置されているが、プレート36は、ボイスコイル33のうちピボット軸受部35側に位置する1辺33Aの略全面を覆うように配置されている。
【0020】
図3はアクチュエータ30のボイスコイル33側の断面図である。図3(a)は図2におけるYY’断面を示し、図3(b)は図2におけるZZ’断面を示している。図3に示したように、ボイスコイル33には、ボイスコイル33を挟んで上下方向に、ボイスコイル33に近接してステータ40L、40Uが配置されているが、アクチュエータ30を回動させるトルクを発生させるのは、ボイスコイル33の各辺のうちピボット31の方向を向く2辺33B、33Cである。したがって、ステータ40L、40Uはボイスコイル33の各辺のうちピボット31の方向を向く2辺33B、33Cが移動する領域のみに配置され(図3(b))、ボイスコイル33のうちピボット軸受部35側の1辺33Aおよび外周部側の1辺33Dが移動する領域には配置されていない(図3(a))。そこでプレート36は、ピボット軸受部35とステータ40L、40Uとの間のボイスコイル33の1辺33Aが占める領域において、ボイスコイル33のコイル面の法線方向近傍に配置している。また、プレート36は、ボイスコイル33の法線方向上下双方に2枚装着している。
【0021】
ボイスコイル33に電圧が印加されると、アクチュエータ30は回動して磁気ヘッド32が記録ディスク12の略半径方向にシークして記録ディスク12の目的のトラックに対向した位置に移動する。その際、ボイスコイル33には1.6A程度の電流が流され、ボイスコイル33は自己の抵抗により発熱する。そのためにボイスコイル33の温度は上昇して、ボイスコイル33の抵抗値が上がるという現象が起こる。その結果、ボイスコイル33を流れる電流量が減少して、所望のシークスピードを得ることができなくなる。
【0022】
本実施の形態におけるアクチュエータ30では、プレート36はボイスコイル33のコイル面の法線方向近傍において、ボイスコイル33のピボット軸受部35側に位置する1辺33Aの略全面を覆うように配置されているので、ボイスコイル33のピボット軸受部35側の1辺33Aで発生した熱はプレート36に放射され、プレート36によって吸収される。それによってボイスコイル33の温度は全体的に低下することとなる。
すなわち、プレート36により、ボイスコイル33で発生した熱は、ピボット軸受部35側の1辺33Aを介してプレート36に流れ、さらにその吸収された熱を外部に放射するという経路が形成される。それによって、ボイスコイル33の熱を効率よく外部に流出させることが可能となった。
【0023】
実験では、シークスピードを50iops(input output per second)に設定した場合には、プレート36を装着しない場合にボイスコイル33の温度が45.3℃に上昇していたものが、プレート36を装着することによって35.7℃に抑えることが可能であった。また、シークスピードを150iopsに設定した場合には、プレート36を装着しない場合に81.3℃に上昇していたものが、プレート36を装着することによって69.3℃に抑えることが可能であった。
【0024】
図4および図5に示すものは、シークスピードを変えて、プレート36を装着した場合と、装着しない場合とについて、平均シークタイムをシミュレーション実験した結果を表す図である。すなわち、図4は、アクチュエータ30が記録ディスク12をシークスピード50iopsでシークする場合のボイスコイル33に流れる電流量を縦軸にとり、横軸に時間経過を表している。また、図5はシークスピード150iopsでシークする場合を表している。
図4および図5より、同一のシークスピードで比較した場合に、シークスピード50iops,150iopsのいずれの場合にもボイスコイル33に流れる電流量の減少を改善することが可能となることが判明した。その結果、シークスピード50iopsでは、プレート36を装着しない場合にシークタイムが5.44580msecであったものが、プレート36を装着することによって5.29332msecと短縮することが可能となって、シークタイムに3.1%の改善がみられた。また、シークスピード150iopsでは、プレート36を装着しない場合にシークタイムが5.78869msecであったものが、プレート36を装着することによって5.67490msecと短縮することが可能となって、シークタイムに2.2%の改善がみられた。
【0025】
ところで、プレート36は、ピボット軸受部35のボイスコイル33側の側面35Aに配置した。プレート36をアクチュエータ30の回動中心の近傍であるピボット軸受部35に配置することで、プレート36を配置したことによるアクチュエータ30の慣性モーメントの増加を最小限に抑えることが可能となった。これによって、アクチュエータ30の回動性は損なわれず、シークタイムの遅延に与える影響を最小限に抑えることができる。
さらに、アクチュエータ30の慣性モーメントを小さくするためには、プレート36の材質は、アルミニウムやマグネシウム合金のような比重が軽いものを選択するのが好ましい。
【0026】
また、プレート36は、ボイスコイル33とは0.5mmだけ離して配置した。なお、ボイスコイル33で発生した熱をより効率よく吸収するためには、ボイスコイル33に近づける方が熱吸収効果は大きい。そのため、プレート36はボイスコイル33と接触させた構成が好ましい。
一方、プレート36は、表面積を大きくすることにより熱容量を大きくするとともに、ボイスコイル33からの熱の吸収量および熱の放射量も増やすことができ、ボイスコイル33の冷却効果が大きくなる。ただし、表面積を大きくするとプレート36の重量が増えアクチュエータ30の慣性モーメントが増加するため、ボイスコイル33の冷却効果とアクチュエータ30の慣性モーメントの増加とを比較考量した上で最適値が決定することが適当である。
【0027】
図6はプレート36の表面形状を示した図である。図6において、プレート36の表面に溝36Aを形成したものである。プレート36の表面に溝36Aを形成することによって、プレート36の表面積を大きくするとともに、プレート36の軽量化が図れるのでアクチュエータ30の慣性モーメントを小さく設計することが可能となる。なお、形成する溝36Aの方向は、いずれの方向でもよいが、溝36Aの密度は大きい方がボイスコイル33からの熱の吸収量および熱の放射量を増やす効果を大きくすることができる。
なお、溝36Aはプレート36の片側一面に形成したが、両面に形成することにより、より優れた効果が得られる。
また、図7はプレート36の他の表面形状を示した図である。図7に示したように、プレート36の断面形状を矩形または波形としても同様の効果が得られる。
【0028】
また、アクチュエータ30本体はアルミニウムを押出成型して製造されるが、その際、プレート36はアクチュエータ30本体と一体的に構成される。一体的に構成することによって、プレート36で吸収された熱がアクチュエータ30本体に発散されるのでボイスコイル33の冷却効果をより高めることが可能である。
なお、プレート36は、アクチュエータ30本体を製造した後に、接着剤で接着して構成してもよい。接着して構成する場合は、断面形状が矩形や波形などの複雑な形状のプレート36を装着する場合に、生産性を向上することができる。この場合、接着剤としては、熱伝導率の高いものを使用するのが好ましい。
【0029】
このように、本実施の形態によれば、ボイスコイル33の温度上昇は抑えられ、ボイスコイル33の抵抗値の過度な上昇を防止することができるためにボイスコイル33に十分な電流を供給することが可能となって、シークタイムの遅延を生じることなく高速なデータアクセスを実行することができる。特に、大容量のデータを高速で処理するサーバ装置では、高速なデータアクセスを実行することができる効果が大きい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シークタイムの遅延を防止し、データ処理時間の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態が適用されるハードディスク装置を示す斜視図である。
【図2】本実施の形態が適用されるアクチュエータを示す斜視図である。
【図3】本実施の形態が適用されるアクチュエータのボイスコイル側の断面図であり、(a)は図2におけるYY’断面を示し、(b)は図2におけるZZ’断面を示している。
【図4】シークスピード50iopsでのボイスコイルを流れる電流を比較した図である。
【図5】シークスピード150iopsでのボイスコイルを流れる電流を比較した図である。
【図6】プレートの表面形状を説明するための図である。
【図7】プレートの他の表面形状を説明するための図である。
【符号の説明】
10…スピンドル、11…ディスクエンクロージャ、12…記録ディスク、13…ベース、20…ハードディスクドライブ、30…アクチュエータ、31…ピボット、32…磁気ヘッド、33…ボイスコイル、33A,33B,33C,33D…ボイスコイルの辺、34A,34B…コイル保持アーム、35…ピボット軸受部、36…プレート、36A…プレートの溝、37…アーム、38…サスペンションアーム、40L,40U…ステータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばハードディスク等のディスクドライブ装置等に関し、より詳しくは記録ディスクに対してデータの書き込みおよび読み出しを行なうためのアクチュエータを備えたディスクドライブ装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ装置におけるデータの主な格納先としてハードディスクドライブ等のディスクドライブ装置が多用されている。このようなディスクドライブ装置は、ディスクエンクロージャと称される筺体内に、データを記録するための円盤状の記録ディスクを収納した構成となっている。記録ディスクは、単数または複数が、筺体に固定されたスピンドルに回転自在に保持されて、スピンドルモータによって回転駆動される。そして、記録ディスクの近傍には、記録ディスクに対してデータの読み出し・書き込みを行なうためのアクチュエータが配置されている。
【0003】
アクチュエータは、ディスクドライブ装置の筺体に固定されたピボットシャフトに、ベアリングを介して回動自在に設けられている。このアクチュエータは、ピボットシャフトに対して一方の側に延出するアームを備え、このアームの先端部に磁気ヘッドが設けられている。また、ピボットシャフトを挟んでアームの反対側にはコイルサポートが設けられ、コイルサポートにはこのアクチュエータを駆動するためのボイスコイルモータ(VCM)を構成するボイスコイルが保持されている。
【0004】
そして、アクチュエータのボイスコイルに対向する位置には、VCMを構成するステータが設けられており、ステータとVCMとの間に生じる磁界を変化させることによって、アクチュエータをピボットシャフトの周りに駆動するようになっている。その結果、アクチュエータのアームの先端部に設けられた磁気ヘッドが記録ディスクの表面に沿った方向に移動し、記録ディスク表面上の目的のトラックにアクセスして、記録ディスクに記録されたデータの読み出し、あるいはデータの記録ディスクへの書き込みが行なわれるのである。
【0005】
ところで、近年、ディスクドライブ装置は記録容量の大容量化が著しく、それに伴って記録ディスクに対するデータの読み書きの高速化も要求されている。これには、磁気ヘッドで読み書きするデータの処理速度もさることながら、記録ディスク上の目的のトラックに磁気ヘッドがアクセス(シーク)する際の、アクチュエータの機械的な回動動作速度の向上が重要な要素となる。そのため、アクチュエータを速く回動させて記録ディスク表面上の目的のトラックに素早くアクセスするために、アクチュエータの慣性モーメントを小さく構成するとともに、ボイスコイルに大量の電流を流すことが好ましい。
【0006】
ここで、記録媒体上でアクチュエータを目的のトラックにアクセスする従来技術として、VCMによってアクチュエータを記録媒体の略半径方向に横切って移動させる際のアクチュエータの動作を制御する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−8331号公報(第4頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のディスクドライブ装置では、ボイスコイルに流す電流量は多いほどアクチュエータの回動スピードを上げることができる。しかしながら、ボイスコイルに流す電流量には設計上の上限があり、通常は最大1.6A程度の電流が使用されるが、ボイスコイルに1.6A程度の電流を流すとボイスコイルが発熱し、そのためにボイスコイル自体の抵抗値が上昇するという現象が生じる。その結果、記録ディスク上を磁気ヘッドがシーク動作を続けている間にボイスコイルの電流量が低下し、シークタイムが遅延するという問題が生じていた。
特に、3inchの記録ディスクを10000rpmで使用したり、2.5inchの記録ディスクを15000rpmで使用する、大容量のデータを処理するサーバ装置では、シークタイムの遅延はデータ処理時間に大きな影響を及ぼすこととなる。
【0009】
なお、上記の特許文献1に記載された技術では、記録媒体上でアクチュエータを目的のトラックにアクセスする技術は開示されているが、アクチュエータのシークタイムの遅延を防止するための有効な技術は開示されていない。
【0010】
そこで本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、シークタイムの遅延を防止し、データ処理時間の向上を図るディスクドライブ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明のディスクドライブ装置は、コイルを装着したアクチュエータが、コイルの近傍であってこのコイルを覆う領域を有するように配置されたプレートを備えたことを特徴とする。このようにコイルの近傍であってこのコイルを覆う領域を有するようにプレートを配置することにより、コイルの温度上昇に基づく抵抗値の上昇を抑えることができ、コイルに十分な電流を供給できる。このプレートは、放熱板として機能する。また、このプレートは、アクチュエータの回動軸の近傍に配置することが好ましい。これにより、プレートを配置したことによるアクチュエータの慣性モーメントの増加を最小限に抑えることができる。
また、プレートは、複数枚配置することができる。プレートを複数枚配置することによってコイルからの熱の吸収量を増やすことができる。特に、複数のプレートはコイルを挟んで両側に配置するのが好ましい。
さらに、プレートは、表面に溝を形成した構成とすることができる。これにより、プレートの放熱量を大きくし、同時に軽量化が図れる。また、プレートは、プレートの断面形状が矩形または波形で構成することもできる。
【0012】
本発明のディスクドライブ装置は、アクチュエータの回動軸の近傍に配置した放熱部材を有することを特徴とする。このような構成によって、コイルの温度上昇に基づく抵抗値の上昇を抑えると同時に、放熱部材を配置したことによるアクチュエータの慣性モーメントの増加を最小限に抑えることができる。また、放熱部材は、アクチュエータの回動軸と一体的に構成することができる。さらに、放熱部材は、アクチュエータの回動軸に接着して構成してもよい。
【0013】
本発明をアクチュエータとして捉えれば、このアクチュエータは、ヘッドと、回動軸を中心に回動可能な支持部材と、コイルと、コイルの近傍であってこのコイルを覆う領域を有するように配置したプレートと、を有することを特徴とする。このような構成によって、コイルの温度上昇に基づく抵抗値の上昇を抑えることができる。
【0014】
また、本発明をアクチュエータとして捉え、このアクチュエータは、ヘッドと、 回動軸を中心に回動可能な支持部材と、コイルと、回動軸の近傍に配置した放熱部材と、を有することを特徴とする。このような構成によって、コイルの温度上昇に基づく抵抗値の上昇を抑えることができ、また、放熱部材を配置したことによるアクチュエータの慣性モーメントの増加を最小限に抑えることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明について詳細に説明する。図1に示すものは、本実施の形態におけるハードディスクドライブ(ディスクドライブ装置)20を説明する図である。このハードディスクドライブ20は、図示しないPC(Personal Computer)に内蔵または外付けされ、ホスト側となるPCからの命令に基づき、データの読み出し・書き込み動作等を行う。
ハードディスクドライブ20は、ディスクエンクロージャ(筺体)11内に、所定枚数の記録ディスク(ディスク状媒体、データ記録媒体)12と、アクチュエータ30とを備えている。
【0016】
ディスクエンクロージャ11は、上部に開放した有底箱状のベース13と、このベース13の上部の開口を塞ぐカバー(図示せず)とから構成されている。
記録ディスク12は、例えば磁気ディスク等の不揮発性の記録媒体であり、ベース13に設けられたスピンドル10にセットされている。ここで、記録ディスク12を複数枚備える場合には、スピンドル10に所定枚数の記録ディスク12を積層させる。スピンドル10は、ハブイン構造のスピンドルモータ(ディスク駆動源:図示せず)を一体に備えたものであり、このスピンドルモータにより記録ディスク12をスピンドル10の軸線周りに所定の回転速度で回転駆動させることができるようになっている。
【0017】
アクチュエータ30は、中間部においてピボット(回動軸)31を介してベース13に対して回動自在に取り付けられており、ピボット31を中心として記録ディスク12の表面に沿った面内で回動可能となっている。
アクチュエータ30は、ピボット31に対してその一方の側にアーム37が延出し、アーム37の先端部にサスペンションアーム38が設けられ、このサスペンションアーム38に磁気ヘッド32が設けられた構成となっている。ここで、磁気ヘッド32は、ハードディスクドライブ20に備えられる記録ディスク12のそれぞれに対し、上下2個一対となるよう備えられている。
また、このアクチュエータ30は、アーム37とはピボット31を挟んで反対側に延出する略U字状またはV字状の一対のコイル保持アーム34A、34Bが備えられている。そして、この一対のコイル保持アーム34A、34Bには、所定の巻き数を有したボイスコイル33が保持されている。
【0018】
アクチュエータ30のボイスコイル33に対向する位置には、ボイスコイル33との間で磁界を発生させるための上下一対のステータ40L、40Uがベース13に固定されて設けられている。これらボイスコイル33とステータ40L、40Uとによって、アクチュエータ30をピボット31の周りに回動させるための駆動源としてのボイスコイルモータ(VCM)が構成され、ボイスコイル33への通電を制御することによってステータ40L、40Uとボイスコイル33との間に生じる磁界を変化させ、これによってアクチュエータ30が回動するようになっている。その結果、アクチュエータ30は、VCMの駆動によってピボット31を中心として回動し、磁気ヘッド32が記録ディスク12の略半径方向にシークして記録ディスク12上の目的のトラックに対向した位置にアクセスし、記録ディスク12に記録されたデータの読み出しあるいはデータの記録ディスク12への書き込みを行うのである。
【0019】
図2は本実施の形態におけるアクチュエータ30を説明する図である。図2に示したように、アクチュエータ30は、0.3mm厚のアルミニウムの平板で構成されたプレート36が、ピボット軸受部35のボイスコイル33側の側面35Aに、ボイスコイル33面と略平行に配置されている。さらに、プレート36は、ボイスコイル33が配置された領域のうち、ピボット軸受部35側領域の一部を覆うように配置されている。
すなわち、ボイスコイル33はロの字形で構成され、ボイスコイル33面がピボット31と直交するように配置されているが、プレート36は、ボイスコイル33のうちピボット軸受部35側に位置する1辺33Aの略全面を覆うように配置されている。
【0020】
図3はアクチュエータ30のボイスコイル33側の断面図である。図3(a)は図2におけるYY’断面を示し、図3(b)は図2におけるZZ’断面を示している。図3に示したように、ボイスコイル33には、ボイスコイル33を挟んで上下方向に、ボイスコイル33に近接してステータ40L、40Uが配置されているが、アクチュエータ30を回動させるトルクを発生させるのは、ボイスコイル33の各辺のうちピボット31の方向を向く2辺33B、33Cである。したがって、ステータ40L、40Uはボイスコイル33の各辺のうちピボット31の方向を向く2辺33B、33Cが移動する領域のみに配置され(図3(b))、ボイスコイル33のうちピボット軸受部35側の1辺33Aおよび外周部側の1辺33Dが移動する領域には配置されていない(図3(a))。そこでプレート36は、ピボット軸受部35とステータ40L、40Uとの間のボイスコイル33の1辺33Aが占める領域において、ボイスコイル33のコイル面の法線方向近傍に配置している。また、プレート36は、ボイスコイル33の法線方向上下双方に2枚装着している。
【0021】
ボイスコイル33に電圧が印加されると、アクチュエータ30は回動して磁気ヘッド32が記録ディスク12の略半径方向にシークして記録ディスク12の目的のトラックに対向した位置に移動する。その際、ボイスコイル33には1.6A程度の電流が流され、ボイスコイル33は自己の抵抗により発熱する。そのためにボイスコイル33の温度は上昇して、ボイスコイル33の抵抗値が上がるという現象が起こる。その結果、ボイスコイル33を流れる電流量が減少して、所望のシークスピードを得ることができなくなる。
【0022】
本実施の形態におけるアクチュエータ30では、プレート36はボイスコイル33のコイル面の法線方向近傍において、ボイスコイル33のピボット軸受部35側に位置する1辺33Aの略全面を覆うように配置されているので、ボイスコイル33のピボット軸受部35側の1辺33Aで発生した熱はプレート36に放射され、プレート36によって吸収される。それによってボイスコイル33の温度は全体的に低下することとなる。
すなわち、プレート36により、ボイスコイル33で発生した熱は、ピボット軸受部35側の1辺33Aを介してプレート36に流れ、さらにその吸収された熱を外部に放射するという経路が形成される。それによって、ボイスコイル33の熱を効率よく外部に流出させることが可能となった。
【0023】
実験では、シークスピードを50iops(input output per second)に設定した場合には、プレート36を装着しない場合にボイスコイル33の温度が45.3℃に上昇していたものが、プレート36を装着することによって35.7℃に抑えることが可能であった。また、シークスピードを150iopsに設定した場合には、プレート36を装着しない場合に81.3℃に上昇していたものが、プレート36を装着することによって69.3℃に抑えることが可能であった。
【0024】
図4および図5に示すものは、シークスピードを変えて、プレート36を装着した場合と、装着しない場合とについて、平均シークタイムをシミュレーション実験した結果を表す図である。すなわち、図4は、アクチュエータ30が記録ディスク12をシークスピード50iopsでシークする場合のボイスコイル33に流れる電流量を縦軸にとり、横軸に時間経過を表している。また、図5はシークスピード150iopsでシークする場合を表している。
図4および図5より、同一のシークスピードで比較した場合に、シークスピード50iops,150iopsのいずれの場合にもボイスコイル33に流れる電流量の減少を改善することが可能となることが判明した。その結果、シークスピード50iopsでは、プレート36を装着しない場合にシークタイムが5.44580msecであったものが、プレート36を装着することによって5.29332msecと短縮することが可能となって、シークタイムに3.1%の改善がみられた。また、シークスピード150iopsでは、プレート36を装着しない場合にシークタイムが5.78869msecであったものが、プレート36を装着することによって5.67490msecと短縮することが可能となって、シークタイムに2.2%の改善がみられた。
【0025】
ところで、プレート36は、ピボット軸受部35のボイスコイル33側の側面35Aに配置した。プレート36をアクチュエータ30の回動中心の近傍であるピボット軸受部35に配置することで、プレート36を配置したことによるアクチュエータ30の慣性モーメントの増加を最小限に抑えることが可能となった。これによって、アクチュエータ30の回動性は損なわれず、シークタイムの遅延に与える影響を最小限に抑えることができる。
さらに、アクチュエータ30の慣性モーメントを小さくするためには、プレート36の材質は、アルミニウムやマグネシウム合金のような比重が軽いものを選択するのが好ましい。
【0026】
また、プレート36は、ボイスコイル33とは0.5mmだけ離して配置した。なお、ボイスコイル33で発生した熱をより効率よく吸収するためには、ボイスコイル33に近づける方が熱吸収効果は大きい。そのため、プレート36はボイスコイル33と接触させた構成が好ましい。
一方、プレート36は、表面積を大きくすることにより熱容量を大きくするとともに、ボイスコイル33からの熱の吸収量および熱の放射量も増やすことができ、ボイスコイル33の冷却効果が大きくなる。ただし、表面積を大きくするとプレート36の重量が増えアクチュエータ30の慣性モーメントが増加するため、ボイスコイル33の冷却効果とアクチュエータ30の慣性モーメントの増加とを比較考量した上で最適値が決定することが適当である。
【0027】
図6はプレート36の表面形状を示した図である。図6において、プレート36の表面に溝36Aを形成したものである。プレート36の表面に溝36Aを形成することによって、プレート36の表面積を大きくするとともに、プレート36の軽量化が図れるのでアクチュエータ30の慣性モーメントを小さく設計することが可能となる。なお、形成する溝36Aの方向は、いずれの方向でもよいが、溝36Aの密度は大きい方がボイスコイル33からの熱の吸収量および熱の放射量を増やす効果を大きくすることができる。
なお、溝36Aはプレート36の片側一面に形成したが、両面に形成することにより、より優れた効果が得られる。
また、図7はプレート36の他の表面形状を示した図である。図7に示したように、プレート36の断面形状を矩形または波形としても同様の効果が得られる。
【0028】
また、アクチュエータ30本体はアルミニウムを押出成型して製造されるが、その際、プレート36はアクチュエータ30本体と一体的に構成される。一体的に構成することによって、プレート36で吸収された熱がアクチュエータ30本体に発散されるのでボイスコイル33の冷却効果をより高めることが可能である。
なお、プレート36は、アクチュエータ30本体を製造した後に、接着剤で接着して構成してもよい。接着して構成する場合は、断面形状が矩形や波形などの複雑な形状のプレート36を装着する場合に、生産性を向上することができる。この場合、接着剤としては、熱伝導率の高いものを使用するのが好ましい。
【0029】
このように、本実施の形態によれば、ボイスコイル33の温度上昇は抑えられ、ボイスコイル33の抵抗値の過度な上昇を防止することができるためにボイスコイル33に十分な電流を供給することが可能となって、シークタイムの遅延を生じることなく高速なデータアクセスを実行することができる。特に、大容量のデータを高速で処理するサーバ装置では、高速なデータアクセスを実行することができる効果が大きい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、シークタイムの遅延を防止し、データ処理時間の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態が適用されるハードディスク装置を示す斜視図である。
【図2】本実施の形態が適用されるアクチュエータを示す斜視図である。
【図3】本実施の形態が適用されるアクチュエータのボイスコイル側の断面図であり、(a)は図2におけるYY’断面を示し、(b)は図2におけるZZ’断面を示している。
【図4】シークスピード50iopsでのボイスコイルを流れる電流を比較した図である。
【図5】シークスピード150iopsでのボイスコイルを流れる電流を比較した図である。
【図6】プレートの表面形状を説明するための図である。
【図7】プレートの他の表面形状を説明するための図である。
【符号の説明】
10…スピンドル、11…ディスクエンクロージャ、12…記録ディスク、13…ベース、20…ハードディスクドライブ、30…アクチュエータ、31…ピボット、32…磁気ヘッド、33…ボイスコイル、33A,33B,33C,33D…ボイスコイルの辺、34A,34B…コイル保持アーム、35…ピボット軸受部、36…プレート、36A…プレートの溝、37…アーム、38…サスペンションアーム、40L,40U…ステータ
Claims (16)
- データを記憶する回転可能なディスク状媒体と、
回動軸を中心に回動可能に構成され、前記ディスク状媒体に記憶されたデータの読み出しまたは書き込みのいずれか一方または双方を行なうヘッドと、当該回動軸を挟んで当該ヘッドとは反対側に装着されたコイルとを有するアクチュエータと、を備え、
前記アクチュエータは、前記コイルの近傍であって当該コイルを覆う領域を有するように配置されたプレートを有することを特徴とするディスクドライブ装置。 - 前記プレートは放熱板であることを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
- 前記プレートは前記回動軸の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
- 前記プレートは複数枚配置されていることを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
- 複数枚配置された前記プレートは前記コイルを挟んで両側に配置されていることを特徴とする請求項4記載のディスクドライブ装置。
- 前記プレートは表面の少なくともいずれか一面に溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
- 前記プレートは断面形状が矩形または波形であることを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ装置。
- データを記憶する回転可能なディスク状媒体と、
回動軸を中心に回動可能に構成され、前記ディスク状媒体に記憶されたデータの読み出しまたは書き込みのいずれか一方または双方を行なうヘッドと、当該回動軸を挟んで当該ヘッドとは反対側に装着されたコイルとを有するアクチュエータと、を備え、
前記アクチュエータは、前記回動軸の近傍に配置した放熱部材を有することを特徴とするディスクドライブ装置。 - 前記放熱部材は前記回動軸と一体的に構成したことを特徴とする請求項8記載のディスクドライブ装置。
- 前記放熱部材は前記回動軸に接着して構成したことを特徴とする請求項8記載のディスクドライブ装置。
- データの読み出しまたは書き込みのいずれか一方または双方を行なうヘッドと、
前記ヘッドを支持し、回動軸を中心に回動可能な支持部材と、
前記支持部材の前記回動軸を挟んで前記ヘッドとは反対側に設けられたコイルと、
前記コイルの近傍であって当該コイルを覆う領域を有するように配置したプレートと、
を有するアクチュエータ。 - 前記プレートは前記回動軸の近傍に配置されていることを特徴とする請求項11記載のアクチュエータ。
- 前記プレートは複数枚配置されていることを特徴とする請求項11記載のアクチュエータ。
- データの読み出しまたは書き込みのいずれか一方または双方を行なうヘッドと、
前記ヘッドを支持し、回動軸を中心に回動可能な支持部材と、
前記支持部材の前記回動軸を挟んで前記ヘッドとは反対側に装着されたコイルと、
前記回動軸の近傍に配置した放熱部材と、
を有するアクチュエータ。 - 前記放熱部材は前記回動軸と一体的に構成したことを特徴とする請求項14記載のアクチュエータ。
- 前記放熱部材は前記回動軸に接着して構成したことを特徴とする請求項14記載のアクチュエータ。
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