JP2004145864A - トーンスケール関数における変曲点を用いるデジタル画像のトーン特性をエンハンスする方法 - Google Patents

トーンスケール関数における変曲点を用いるデジタル画像のトーン特性をエンハンスする方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、トーン特性を改善するためにソースデジタル画像において動作することが可能であるトーンスケール関数を生成する方法を提供する。
【解決手段】複数の画素を含むソースデジタル画像を受け取る段階と、トーンスケール関数における参照ポイントに相対して規定されるハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントをもつトーンスケール関数を生成する段階と、から構成される方法であって、ハイライトトーンスケールセグメントはシャドートーンスケールセグメントより異なる数学的関数により規定され、少なくとも1つのハイライトトーンスケールセグメント又はシャドートーンスケールセグメントが少なくとも1つの変曲点をもち、ハイライトトーンスケールセグメントは参照ポイントに等しいか又は参照ポイントより大きいポイントについて規定され、並びにシャドートーンスケールセグメントは参照ポイントに等しいか又は参照ポイントより小さいポイントについて規定される、ことを特徴とする方法。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル画像処理に関し、特に、カラー、輝度、トーンスケールの各特性をエンハンスするためのデジタル画像処理に関する。
【0002】
【従来の技術】
多くのデジタル画像形成システムは、トーンスケール曲線の適用によりデジタル画像のコントラスト及び明るさ特性をエンハンスする。生成されたトーンスケール曲線f()に対して、入力画素値xは出力画素値f(x)に変換される。トーンスケール曲線の形状は処理デジタル画像に与えられる視覚的効果を確定する。一部のデジタル画像に適用されるトーンスケール曲線は、処理されるデジタル画像における画素値に依存しない。そのような画像に依存しないトーンスケール曲線は処理デジタル画像に写真ルックを確立するために有用である。多くのデジタルをエンハンスするために画像に依存しないトーンスケール曲線を用いることが可能であり、コントラストが高過ぎるか又は低すぎるデジタル画像は、処理されるデジタル画像における画素値に対応するトーンスケール曲線の適用による恩恵を受けることが可能である。画像に依存するトーンスケール曲線に対して、関数f(x)を得るために用いられる数式は画像エンハンスメントの特性及び度合いを決定する。
【0003】
トーンスケール関数を得る方法の一つはヒストグラム等価方法から導き出される。ヒストグラム関数H(x)即ち発生頻度の関数は、デジタル画像の画素値xから演算される。次に、関数f(x)が決定される。処理画素のヒストグラム関数H(f(x))がどの特定の目的関数W(x)を有するかを決定する。この制約を満足する関数f(x)は、kが正規化定数である場合にf(x)=kC(W(H(x)))で与えられる式により演算されることが可能である。目的関数W(x)が定数である特別な場合について、トーンスケール曲線f(x)の式はf(x)=kC(H(x))で与えられる。
【0004】
従来技術におけるヒストグラム等価方法を基礎とする方法は数多く存在する。同一出願人による米国特許第4,731,671号明細書(特許文献1)において、Alkoferは、目的関数W(x)としてガウス関数を用いる方法を開示している。同一出願人による米国特許第4,745,465号明細書(特許文献2)において、Kwonは、ヒストグラム等価方法から導かれた方法を用いてトーンスケール曲線を得る方法を開示し、ガウス関数が目的関数として用いられている。Kwonの方法において、画像ヒストグラムは、空間的にアクティブであるとして演算された画像内において画素をサンプリングすることにより演算される。エッジ検出空間フィルタは、各々の画素に対して局所的空間アクティビティの度合いを決定するために用いられる。局所的空間アクティビティの測定は、画素値がトーンスケール曲線を得るために用いられるヒストグラム関数に依存するかどうかを決定するための閾値と比較される。洗練されていないヒストグラム等価方法に基づく方法のように、Alkofer及びKwonにより開示された方法は一貫性のない画像エンハンスメントパフォーマンスを欠点としてもっている。それ故、画像の小さい割合の部分により表される極端に明るいか又は暗い画像範囲は、過度に明るくレンダリングされるシャドーを過度に暗くレンダリングされる反射するハイライトをもつトーンスケールが調節された画像を結果的に得る、より広い部分を占める画像範囲によって支配されることとなる。従って、ヒストグラム等価方法に基づく方法は、自然のシーンのトーン再生を含む用途に比べて、画像の細部の視覚化が要求されるような画像を利用する用途により適合する。
【0005】
同一出願人による米国特許第6,285,798号明細書(特許文献3)において、Leeは、デジタル画像のダイナミックレンジを縮小する目的でトーンスケール曲線を得る方法を開示している。このトーンスケール曲線構成方法は6つの制限を設け、次いで、それらの制約を満足するための連続的な積分による方法を実行する。Leeno方法においては、0.5%の画像累積ヒストグラム関数値により決定される暗いポイントが白色紙濃度にマッピングされ、99.5%の画像累積ヒストグラム関数により決定される明るいポイントは黒色紙濃度にマッピングされ、そして中程度のポイントはそのままマッピングされる。次に、1.0より大きいシャドースロープ制限が0.5%のシャドーポイントに加えられ、1.0のハイライトスロープ制限が99.5%のハイライトポイントに加えられ、そして1.0の中程度のトーンのスロープ制限が中程度のポイントに加えられる。Leeは、6つの制限を満足することが可能であるトーンスケール曲線の数は無限大にあると述べている。Leeの方法は、トーンスケール曲線のために一部の初期スロープを仮定し且つガウススムージング関数をトーンスケール曲線に連続的に併せることにより、調査においてトーンスケール曲線が6つの制限を満足して任意の許容範囲内に入るまで、6つの制限を満足するトーンスケール曲線を構成する。Leeの方法においては、6つの制限に対して、閉じた形式の解、即ち、各々のポイントについて評価されることができる数学的関数について検討しているのではなく、複雑な積分による手法に依存しなければならないものである。そのようにして構成されるトーンスケール曲線は、中程度のポイントとシャドーポイントとの間の変曲点及び中程度のポイントとハイライトポイントとの間の変曲点をもつ中程度のポイントと極端なポイントにおける大きいスロープ値を得るようにスムーズに変化させる。同一出願人による米国特許第6,285,798号明細書(特許文献3)に開示されたLeeの方法はスムーズに変化させるトーンスケール曲線を得る一方、その方法においては、6つの制限を満足する曲線に常に収束する訳ではない。更に、Leeの方法は、一部のデジタル画像がエンハンスメントを達成するためにデジタル画像のダイナミックレンジの拡張を必要とする場合であっても、それには対応できない。それに加えて、極端なポイント及び中程度のポイントの画素強度範囲において加えられる大きいスロープ制限により、中程度のポイントとハイライトポイントとの間及びシャドーポイントと中程度のポイントとの間にある画素値に対応する画像コンテンツの質を犠牲にすることもあり得る。
【0006】
学術雑誌Journal of Electronic Images Vol.8,No.4,p380−393(1999年10月)に掲載された論文“Image lightness rescaling using sigmoidal contrast enhancement functions”(非特許文献1)において、著者のBraun等は、デジタル画像のコントラストエンハンスメントのために用いられることが可能であるトーンスケール曲線を得る方法として、例えば、ガウス関数の積分のような、単純なS字状関数を用いる方法について検討している。Braun等により提案されたS字関数は関数の形状を決定するオフセットパラメータと標準偏差を用いて制御する。オフセットパラメータは、標準偏差パラメータがコントラスト変化を加えるために用いられる間に、デジタル画像に明るさの変化を加えるために用いられる。Braun等により提案されたS字型トーンスケールを得る方法は写真において許容される結果を提供する一方、画像のシャドー範囲及びハイライト範囲に対応する関数の形を独立して制御することが可能ではない。従って、所定のデジタル画像に対して、所望の度合いのコントラストエンハンスメントを得て、同時に最適な画像の明るさのレンディションを得ることは困難である。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第4,731,671号明細書
【特許文献2】
米国特許第4,745,465号明細書
【特許文献3】
米国特許第6,285,798号明細書
【非特許文献1】
Braun等,“Image lightness rescaling using sigmoidal contrastenhancement functions”,Journal of Electronic Images Vol.8,No.4,pp380−393,1999年10月
【発明が解決しようとする課題】
従来の方法においては、一部のデジタル画像がエンハンスメントを達成するためにデジタル画像のダイナミックレンジの拡張を必要とする場合であっても、それには対応できない。それに加えて、極端なポイント及び中程度のポイントの画素強度範囲において加えられる大きいスロープ制限により、中程度のポイントとハイライトポイントとの間及びシャドーポイントと中程度のポイントとの間にある画素値に対応する画像コンテンツの質を犠牲にすることもあり得る。
【0008】
また、画像のシャドー範囲及びハイライト範囲に対応する関数の形を独立して制御することが可能ではなく、所定のデジタル画像に対して、所望の度合いのコントラストエンハンスメントを得て、同時に最適な画像の明るさのレンディションを得ることは困難である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、デジタル画像のトーン特性をエンハンスするために用いることができるトーンスケール関数を生成するための方法を改善することである。
【0010】
この目的は、トーン特性を改善するためにソースデジタル画像において動作することが可能であるトーンスケール関数を生成する方法であって:
a)複数の画素を含むソースデジタル画像を受け取る段階;並びに
b)トーンスケール関数における参照ポイントに相対して規定されるハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントをもつトーンスケール関数を生成する段階;
から構成される方法であって、
i)ハイライトトーンスケールセグメントはシャドートーンスケールセグメントより異なる数学的関数により規定され;
ii)少なくとも1つのハイライトトーンスケールセグメント又はシャドートーンスケールセグメントが少なくとも1つの変曲点をもち;
iii)ハイライトトーンスケールセグメントは参照ポイントに等しいか又は参照ポイントより大きいポイントについて規定され;並びに
iv)シャドートーンスケールセグメントは参照ポイントに等しいか又は参照ポイントより小さいポイントについて規定される;
ことを特徴とする方法により達成することができる。
【0011】
本発明を実施することにより、デジタル画像のハイライト範囲及びシャドー範囲の特性を著しくエンハンスすることができる。本発明の重要な特徴は、少なくとも1つのハイライトトーンスケールセグメント又はシャドートーンスケールセグメント或いはそれら両方が少なくとも1つの変曲点をもつことである。ハイライト変曲点は、画像の極端な反射性ハイライト範囲が紙のホワイト濃度にレンダリングされ、それ故、反射性ハイライトの視覚的印象が維持できる。同様に、シャドー変曲点は、画像の暗い範囲が紙のブラック濃度にレンダリングされ、それ故、濃いシャドーの視覚的印象が維持できる。
【0012】
本発明は、ハイライト範囲とシャドー範囲のレンディションを改善するためにトーンスケール関数を用いることを容易にし、トーンスケール関数の形がハイライト画像範囲及びシャドー画像範囲について独立して変曲点を得て、そのような変曲点は独立して互いに制御可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下の説明において、本発明の好適な実施形態についてソフトウェアプログラムとして説明する。当業者は、そのようなソフトウェアと等価なハードウェアをまた構築することが可能であることを、容易に認識するであろう。画像処理アルゴリズム及びシステムは周知であるため、本発明の説明は、特に、アルゴリズム及びシステムを形成する部分であって、本発明に従った方法により直接的に関連する部分について説明する。そのようなアルゴリズム及びシステムの他の特徴、及び含まれる画像信号を生成し或いは処理するハードウェア及び/又はソフトウェアは、ここでは特に図に示すことも説明することもしないが、当該分野において周知のシステム、アルゴリズム及び構成要素から選択されることが可能である。以下の詳細な説明において詳述するように、コンピュータプログラムとしての全てのソフトウェアの実施は、従来からのものであり当業者の経験の範囲内にあるものといえる。
【0014】
更に、ここで用いるように、コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶することが可能であり、そのような記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク)又は磁気テープのような磁気記憶媒体、光ディスク、光テープ又は機械読み取り可能バーコード等の光記憶媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読み出し専用メモリ(ROM)、又はコンピュータプログラムを記憶するための他の物理素子或いは媒体から構成することが可能である。
【0015】
デジタル画像は、1つ又はそれ以上のデジタル画像チャンネルから構成される。各々のデジタル画像チャンネルは、画素の2次元アレイから構成される。各々の画素値は、画素の幾何学的範囲に対応する画像形成捕捉装置により受け取られる光量に関係する。カラーの画像形成の応用に対しては、デジタル画像は、一般に、赤、緑及び青のデジタル画像チャンネルから成る。他の構成としては、例えば、シアン、マゼンタ及び黄色のデジタル画像チャンネルが実施される。単色の応用に対しては、デジタル画像は1つのデジタル画像チャンネルから構成される。動きのある画像形成の応用はデジタル画像の時間シーケンスとして捉えることが可能である。当業者は、限定されることなく、上述の何れの応用に対しても本発明をデジタル画像チャンネルに適用することが可能であるということを理解するであろう。
【0016】
本発明においては、行列に配列された画素値の2次元アレイとしてデジタル画像チャンネルを説明するが、当業者は、本発明がモザイク状のアレイに同様の効果をもって適用されることが可能であることを理解するであろう。
【0017】
本発明はコンピュータハードウェアにおいて実施されることが可能である。図1を参照するに、以下の説明は、デジタル捕捉装置10、デジタル画像プロセッサ20、画像出力装置30、30b、及び一般的制御コンピュータ40から構成されるデジタル画像形成システムに関連する。そのシステムは、コンピュータコンソール又はペーパプリンタのようなモニタ装置50を含むことが可能である。そのシステムは又、キーボード及び/又はマウスポインタのようなオペレータのための入力制御装置60を含むことが可能である。更に、ここで用いるように、本発明は、コンピュータメモリ装置70、即ち、コンピュータ読み取り可能媒体に記憶することが可能でありコンピュータプログラムとして実施することが可能である。このコンピュータ読み取り可能媒体は、例えば、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク)又は磁気テープのような磁気記憶媒体、光ディスク、光テープ又は機械読み取り可能バーコード等の光記憶媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読み出し専用メモリ(ROM)、又はコンピュータプログラムを記憶するための他の物理素子或いは媒体から構成することが可能である。本発明について説明する前に、パーソナルコンピュータのようなよく知られているコンピュータシステムに本発明を好適に利用することができることに注目することにより理解が容易になる。
【0018】
多様な画像形成装置から得られるデジタル画像に対して本発明を用いることができることを、複数の画像捕捉装置10a、10b及び10cは示している。例えば、図1は、例えばカラーネガティブフィルム又はスライド透明フィルム等の従来の写真画像を走査することにより画像捕捉装置10aがデジタル画像を生成するデジタルフォトフィニシングシステムを表すことが可能である。同様にして、画像捕捉装置10bはデジタルカメラとすることが可能である。デジタルが相プロセッサ20は、意図された出力装置又は媒体に満足の行く画像を生成するためにデジタル画像を処理するための手段を提供する。本発明がデジタル写真プリンタとソフトコピー表示装置を含むことが可能である種々の出力装置を用いることが可能であることを、複数の画像出力装置30a、30bは示している。デジタルカメラによりエクスポートされる前にデジタルカメラにより生成されたデジタル画像が本発明を用いて処理されるように、デジタルカメラのハードウェア及びソフトウェアにおいて本発明を実施することが可能であることにも留意する必要がある。
【0019】
図1において示すデジタル画像プロセッサ20について、図2により詳細に示している。図2に示すカスケード式画像処理モジュールはデジタル画像処理経路を表している。オリジナルのデジタル画像101は図1に示される画像入力装置の1つから受け取られ、画像出力装置において実現することが可能であるレンダリングされたデジタル画像103を生成するために処理される。RLSE(relative log scene exposure:相対的対数シーン露出)変換モジュール310はオリジナルのデジタル画像101を受け取り、トーンスケール関数の適用及びバランシングのために調整されるRLSEデジタル画像を生成する。シーンバランスモジュール320はRLSEデジタル画像を受け取り、ソースデジタル画像102(図4参照)を結果として得る明るさ及び色バランス調整を実行する。トーンスケールモジュール330はソースデジタル画像を受け取り、ソースデジタル画像からトーンスケール関数を生成し、そしてエンハンスされたデジタル画像をもたらすソースデジタル画像にトーンスケール関数を適用する。RLSE変換モジュール310とシーンバランスモジュール320がモジュールの画像処理経路から削除される場合、トーンスケールモジュール330はソースデジタル画像としてオリジナルデジタル画像101を、直接、受け取る。デジタルプリンタのような出力画像装置と共に用いられるとき、好ましい結果が得られるように生成されたレンダードデジタル画像103の画素値が調整されるように、レンダリングモジュール340はエンハンスされたデジタル画像を処理する。レンダリングモジュール340により実行される処理の一部として、出力画像装置に必要とされる入力対出力マッピングを達成するためにエンハンスされたデジタル画像の画素データに、レンダリング関数R(x)を適用する。図2に示す処理モジュールの構成を、現実に、単色又はカラーのどちらかのデジタル画像を処理するために用いる。即ち、オリジナルデジタル画像101は画素の1つ又はそれ以上のデジタル画像チャンネルを含み、各々のデジタル画像チャンネルは、赤、緑及び青表示又は輝度−クロミナンス表示を含むオリジナルデジタル画像101のような異なる色又は画素に関連する。
【0020】
本発明により得られるトーンスケール関数は、相対的対数シーン露出(RLSE)表示されたデジタル画像を用いて最もよく機能するようにデザインされる。即ち、オリジナルデジタル画像101の画素は、オリジナルデジタル画像101が導かれる光のオリジナルシーン強度にと対数関係にある。例えば、図1に示す画像捕捉装置10aは、写真のネガティブ又はポジティブフィルムの透明なサンプルにより投影された透過光の量と線形又は対数関係にあるデジタル画像を生成する写真フィルムスキャナを表すことが可能である。得られたオリジナルデジタル画像の画素値が受け取られた光(即ち、画素は密度表示されている)と対数関係にある場合、オリジナルデジタル画像101は相対的対数シーン露出表示されているとみなされる。オリジナルデジタル画像101の画素が受け取られた光と線形関係にある場合、写真フィルムサンプルにより投下された光量がオリジナルの写真化シーンから受け取られた光量に線形に比例するとされる妥当な近似の範囲内で、オリジナルデジタル画像101は線形露出表示シーンであるとみなされる。線形露出表示デジタル画像は、図2に示すRLSEモジュール310を用いて、関数又はルックアップテーブル(LUT:Look Up Table)として実施される線形対対数変換による相対的対数シーン露出表示に変換されることが可能である。
【0021】
デジタルカメラを用いて生成されたデジタル画像の最も一般的な表示はレンダリングされた表示である、即ち、デジタル画像は電子表示装置において自然に見える画像が生成されるように処理される。デジタルカメラを用いて生成される殆どのデジタル画像に対して、対象とされる出力画像装置はときどきガンマ範囲表示と呼ばれるCRTモニタ表示装置が用いられる。レンダリングされたデジタル画像は又、LUT変換を用いて、相対的対数シーン露出表示に変換されることが可能である。デジタルカメラを用いて生成されたデジタル画像に対しては、変換においては、デジタルカメラがオリジナルデジタル画像101を生成するために用いたレンダリングトーンスケール関数に関連する逆レンダリングトーンスケール関数に続いて、対象となる電子表示装置に関連するパワーロー(power law)関数の逆関数を含む。又、同一出願人による米国特許第6,282,311号明細書においてMcCarthy等が開示した方法を、レンダリングされたデジタル画像からRLSE表示を生成するために用いることが可能である。
【0022】
最もよい結果は相対的対数シーン露出表示により表されるデジタル画像を用いて得られる一方、上述した線形及びガンマ範囲表示のような他の表示で表されるデジタル画像のアピアランスをエンハンスするために、本発明を用いることが可能である。特に、CIELAB(CIEと略されるInternational Commission on Illuminationにより定義された色空間の1つ)のような視覚領域にあるデジタル画像を処理するために用いられることが可能である。
【0023】
シーンバランスモジュール320は、RLSE変換モジュール310からRLSEデジタル画像を受け取り、明るさ及び色バランス調整を実施する。得られる処理デジタル画像は、トーンスケールモジュールへの入力デジタル画像であるため、ソースデジタル画像102と呼ばれる。画素データに関する明るさ調整は、オリジナルデジタル画像101における露出の変化性の原因となる。入力画素データの明るさ整又は輝度バランス調整を行う任意のアルゴリズムと共に、本発明を用いることが可能である。特に、明るさバランスの手法は、RLSEデジタル画像からの1つ又はそれ以上の予測される特徴の演算を含む。これらの予測される特徴は、理論的な18%のグレーのシーンリフレクタに相当する画素値の評価に関連する単一輝度バランス値に、予測される特徴の線形式を用いて、結合される。そのような予測される特徴は数多くある一方、本発明は、最も重要な予測される特徴として空間的アクティビティ手段を用いる。RLSE輝度−クロミナンスデジタル画像は、RLSEデジタル画像から得られる。続いて、空間アクティビティフィルタが、RLSE輝度−クロミナンスデジタル画像の輝度画素データに適用される。空間アクティビティフィルタは、3x3画素領域内の隣接画素値の最小差を演算し、画素にその最小差を割り当てる。所定の閾値を越える最小差の値をもつ画素は、第1の予測される特徴を得るために平均化される。第2の予測される特徴は、4つのストリップにRLSE輝度−クロミナンスデジタル画像の輝度画素を分割することにより演算され、4つのストリップの各々から最大画素値の平均を演算する。有用であると認められる他の予測される特徴は、平均画素値と90%の累積ヒストグラム画素値である。
【0024】
RLSEデジタル画像の輝度バランス値が演算された後、RLSEデジタル画像の色かぶりが演算され、全体的な色かぶりを取り除くために用いられる。色かぶりの本質的な原因はソース照明の色の変化であり、第2にはオリジナルデジタル画像を記録したイメージセンサの色忠実性である。色バランスの位置は、理論的な色中性シーンリフレクタのクロミナンス座標を表すRLSEデジタル画像のために演算される。カラーバランス位置は、RLSE輝度−クロミナンスデジタル画像のクロミナンス画素データに適用された2次元ガウス重み付け表面を用いて演算される。クロミナンス画素データは重み付けされない方法で平均化されることが可能であるが、よりよい結果は2次元ガウス重み付け表面を用いることにより得られる。これは、主として、演算からの著しくカラフルなシーンの対象物のデエンファシス(de−emphasis)による。バランスルックアップテーブルは、トーンスケールモジュール330に対してソースデジタル画像を生成するためにRLSEデジタル画像に適用される。バランスルックアップテーブルを適用した結果、予測されたバランス値に等しい値であるRLSEデジタル画像における画素値は、システムにより定義された参照グレーポイントに等しい値に変換される。同様に、色バランス位置に対応する対応クロミナンス値をもつ画素は色中性位置に変換される。
【0025】
上述の明るさバランス手法の操作を、以下に詳細に説明するトーンスケール関数の構成を組み合わせることが又可能であることに留意する必要がある。明るさバランス操作は、トーンスケール関数の構成において用いられる参照グレーポイントを調整することに等価である。明るさバランス操作がトーンスケール関数の構成と組み合わされる場合、処理されているデジタル画像の画素は参照グレーポイントを演算するために用いられるため、画素に依存しない。
【0026】
レンダリングモジュール340は、トーンスケールモジュール330からエンハンスされたデジタル画像を受け入れ、出力画像装置における表示のために画素データを調整する。レンダリングモジュール340は色変換、トーンのレンダリング変換及び出力コード化変換を行う。画素データは、異なるオリジナルシーンカラーを表す画素データが出力画像装置に関する色のスペクトルの特性に対して適切になるように、変換される必要がある。これは複数段階を有する手法において達成される。初めに、エンハンスされたデジタル画像のRLSE表示画素データは線形表示に変換される。次いで、カラーマトリクス変換がその線形変換画素データに適用される。カラーマトリクスは、3x3の要素マトリクスとすることが可能であり、マトリクスの要素は画像化されたカラーパッチターゲットの集合を分析すること及び対象としての出力画像装置を用いて結果的に得られる色を測定することにより決定される。
【0027】
他のタスクは、レンダリング関数R(x)を適用することにより、レンダード表示に線形又は想定的対数シーン露出表示から画素データを変換することを含む。一般に、エンハンスされたデジタル画像のダイナミックレンジは、CRTモニタ又は感光紙のような代表的な出力画像装置に表示することが可能である場合よりかなり広い。それ故、エンハンスされたデジタル画像の画素データが出力画像装置により直接受け取られる場合、画素データの多くは、空間の細部の実質的な損失を伴う画像の極端に明るい部分と暗い部分においてクリップclippedされる。
非処理画素データが、表示されたときに、画素値が出力画像装置の限界に近づくにつれて、空間的細部が暫時損失する結果をもたらすように、レンダリング関数は画素データの見事なロールオフ(roll−off)を実行する。
【0028】
同一出願人による米国特許第5,300,381号明細書において、Buhr等により開示された方法を用いて得られたレンダリング関数のようなレンダリング関数についての多くの異なる数学的方法と共に、本発明を用いることが可能である。一般に、最適な結果は、S字の形をもつレンダリング関数、即ち、極端な入力画素値に対してゼロ又はゼロに近い傾きをもち且つ中程度のトーン入力値に対して得られる傾きの最大値をもつレンダリング関数を用いて、得られる。一部のレンダリング関数は、入力画素値の最も暗い領域に対して比較的大きい傾きをもつことが可能であるが、殆ど全てのレンダリング関数は最も明るい領域の画素値に対して特徴的であるゼロ又はゼロに近い傾きをもつ。レンダリング関数は、ある程度までは、アナログの画像形成の応用において用いられる感光紙の光応答性に真似ることができる。
【0029】
処理されるデジタル画像に依存するレンダリング関数を用いることは可能であるが、本発明の好適な実施形態は、デジタル画像に依存しないS字形のレンダリング関数を用いる。処理されるデジタル画像への画像に依存しない修正が、レンダリング関数の適用の前に、トーンスケールモジュール330により実施される。それ故、トーンスケールモジュール330は画像コンテンツへのシーンに依存する変化を担っており、レンダリングモジュール340は画像出力装置に対する最終処理画像の調整を担っている。
【0030】
図3aは、本発明に従った適切なレンダリング関数R(x)(参照符号590で示される曲線)のグラフを示している。ポイント591は、参照グレーポイントに等しい入力画素値に対応する。ポイント592は、オリジナルデジタル画像101における明るい領域に対応する最も明るい画素に対するレンダリング関数の応答を示している。ポイント593は、オリジナルデジタル画像101における暗い領域に対応するシャドー画素値に対するレンダリング関数の応答を示している。ポイント595は、出力画像装置の最も明るい再生出力値に対応するレンダリング関数の応答を示している。同様に、ポイント596は、出力画像装置の最も暗い再生出力値に対応するレンダリング関数の応答を示している。ポイント597は、参照グレーポイント591に必ずしも一致しない最大値を瞬間の傾きがもつレンダリング関数におけるポイントを示している。傾きの最大値をもつポイントは又、S字形関数の変曲点、即ち、レンダリング関数R(x)の対応する傾き関数における局所的最大又は最小である。図3aに示すレンダリング関数の例は、処理されているデジタル画像に対する12ビットの画素値表示を用いるデジタル画像形成システムのために適切である。多くの出力表示装置が8ビットの画素値表示を用いるデジタル画像を受け入れている。図3aに示すレンダリング関数の例は、255から0までの範囲の出力レンダリング画素値に対して、0から4095までの範囲の12ビットの入力画素値をマッピングしている。
【0031】
図3aに示すレンダリング関数の例は、デジタル写真プリントを得るデジタルプリンタと共に使用することに対して代表的なものである。示された出力画素値のスケールは、感光紙の密度に関連することが可能であり、例えば、デジタルプリンタは、各々の画素符号値がプリントにおいて得られる光学濃度の100倍に等しくなるように、較正されることが可能である。しかしながら、本発明は又、電子表示装置と共に用いられることが可能である。電子表示装置と共に用いるための代表的なレンダリング関数は図3bに示され、曲線598により表されている。図3bに示すレンダリング関数R(x)により、より大きい数の入力画素値に対してはより大きい数の出力レンダリング画素値が得られることに留意されたい。代表的なコンピュータモニタ装置に対して、出力画素値は0(黒で表される)から255(白で表される)の範囲内にある。図3bに示すレンダリング関数の例は、255から0までの範囲の出力レンダリング画素値に対して、0から4095までの範囲の12ビットの入力画素値をマッピングしている。
【0032】
レンダリングモジュール340により実行される最終操作は、出力画像装置と共に用いるための出力画素値の符号化である。殆どの出力画像装置は、既知の暗黙の関係をもつ画素データを受け入れるために較正される。例えば、一部のデジタル画像プリンタは、画素データに関連する視覚的明るさを受け入れるために較正され、他の装置は画素データに関連する光学濃度のために較正される。符号化操作は、特定の装置のために画素データを調整する強度変換を実行する。
【0033】
レンダリングモジュール340は又、非特定出力画像装置のためにエンハンスされたデジタル画像の画像画素データを調整する操作を実行することが可能である。例えば、International Image ConsortiumのProfile Connection Spaceにより定義されるようなCIEXYZ座標に画素データを変換することが可能である。
【0034】
図2を参照するに、画像処理モジュールの連鎖が、トーンスケールモジュール330を含む場合又は含まない場合にうまく機能するようにデザインされている。シーンバランスモジュール320は、露出及び照明システムの変化性に適応する。レンダリングモジュール340は出力画像装置に映し出すために画像データを調整する。トーンスケールモジュール330を伴わない図2に示すようなデジタル画像プロセッサ20が受け入れられる写真の結果を得ることを、当業者は評価することであろう。即ち、システムのコントラスト、明るさ及び色再現性が大部分の典型的なデジタル画像に対して最適な写真の結果が設定される。トーンスケールモジュール330を備えることにより、被処理デジタル画像のアピアランスがエンハンスされ、それ故、ダイナミックレンジに関して基準から外れるデジタル画像が全体的にエンハンスされ且つシステムのための基準内にあるデジタル画像がトーンスケールモジュール330により変化されることがない。本発明の代表的な実施形態に従って、オリジナルのデジタル画像101のダイナミックレンジ(画像の極端なポイントに基づくオリジナルのシーン強度に対応する比)は約64対1である。ダイナミックレンジが約64対1である、被処理オリジナルデジタル画像に対応する被エンハンスデジタル画像はトーンスケールモジュール330によって殆ど影響を受けない。それとは対照的に、ダイナミックレンジが64対1より大きい及び64対1より小さい、被処理オリジナルデジタル画像101に対応する被エンハンスデジタル画像はトーンスケールモジュール330により著しくエンハンスされる、即ちより細部に及び且つより高色飽和度を備えるようにレンダリングされることが可能である。特に、低コントラストのオリジナルデジタル画像においては、一般に、コントラスト利得が得られ、他方、高コントラストのオリジナルデジタル画像においては、一般に、より空間的細部に及び且つより飽和度の高い色をもたらすコントラストは削減する。
【0035】
図2に示したトーンスケールモジュール330について、図4により詳細に示す。ソースデジタル画像102は、分析デジタル画像201と呼ばれるソースデジタル画像102からより低い空間分解能デジタル画像を生成する分析画像ジェネレータ250により受け取られる。トーンスケール関数ジェネレータ230は分析デジタル画像201を受け取り、分析デジタル画像201のコンテンツを分析し、そしてトーンスケール関数203を得る。トーンスケール関数203は、ソースデジタル画像102における画素値の範囲に対して規定される信号評価関数である。トーンスケール関数アプリケータ240は、エンハンスされたデジタル画像104を生成するためにソースデジタル画像102にトーンスケール関数203を適用する。トーンスケール関数203の形は、エンハンスされたデジタル画像104に与えられるコントラスト及び明るさの変化を決定する。このような実施形態において、トーンスケール関数アプリケータ240は、ソースデジタル画像102の個々のカラーデジタル画像チャンネルにトーンスケール関数203を適用する。
又、輝度−クロミナンス表示が施されるオリジナルデジタル画像を用いて本発明を実施することが可能である。図5は、ソースデジタル画像102から導かれた輝度デジタル画像107にトーンスケール関数203を適用する本発明の実施形態を示している。LCC変換モジュール210は、赤、緑及び青の画素を含むソースデジタル画像102を受け取り、そして、2つのクロミナンス又即ち式差、デジタル画像チャンネルを含むクロミナンスデジタル画像109及び信号デジタル画像チャンネルを含む輝度デジタル画像107を生成する。画像入力装置10a、10b及び10cが輝度−クロミナンス表示においてオリジナルデジタル画像101を生成することが又、可能である。そのような場合、LCC変換モジュール210は用いられない。分析画像ジェネレータ250はソースデジタル画像102を受け取り、上述のように分析デジタル画像210を生成する。同様に、トーンスケール関数ジェネレータ230は分析デジタル画像201を受け取り、トーンスケール関数203を生成する。トーンスケール関数アプリケータ240はトーンスケール関数203を受け取り、それをエンハンスされた輝度デジタル画像を結果として得る輝度デジタル画像107に適用する。RGB変換モジュール220は、エンハンスされたデジタル画像104を生成するために、エンハンスされた輝度デジタル画像113とクロミナンスデジタル画像109を結合する。
【0036】
図5に示すLCCモジュール210は、ソースデジタル画像102の赤、緑および青の画素値を輝度及びクロミナンス画素値に変換するために3x3素子マトリクス変換を用いる。Rij、Gij及びBijをi番目の列及びj番目の行に位置する赤、緑及び青のデジタル画像チャンネルに対応する画素値として参照された
い。Lij、GMij及びILLijを、それぞれ、LCC変換デジタル画像の変換された輝度画素値、第1クロミナンス画素値及び第2クロミナンス画素値として参照されたい。マトリクス変換の3x3素子は次式(1)により表される。
ij=0.333Rij+0.333Gij+0.333Bij (1)
GMij=−0.25Rij+0.50Gij−0.25Bij
ILLij=−0.50Rij+0.50Bij
当業者は、輝度/クロミナンスマトリクス変換における係数について用いられる正確な値が変化され且つ尚も略同じ効果を得ることが可能であることを理解するであろう。この技術において用いる他の要素は次式(2)により表される。
ij=0.375Rij+0.500Gij+0.125Bij (2)
GMij=−0.250Rij+0.500Gij−0.250Bij
ILLij=−0.500Rij+0.500Bij
図5に示すRGB変換モジュール220は、LCC変換モジュール210に逆マトリクス操作を行うことにより輝度及びクロミナンス画素値を赤、緑及び青の画素値に変換するために、3x3マトリクス変換を用いる。RGB変換モジュールのマトリクス要素は次式(3)により与えられ、(1)により与えられるマトリクスの逆マトリクスを表す。
ij=Lij−0.666GMij−ILLij   (3)
ij=Lij+1.333GMij
ij=Lij−0.666GMij−ILLij
図4及び図5に示すトーンスケール関数アプリケータ240について、更に詳細に図6に示す。ぺデスタルジェネレーションモジュール410は、入力デジタル画像401により表される処理されるデジタル画像を受け取り、ぺデスタルデジタル画像403を生成する。ぺデスタルジェネレーションモジュール410は、入力デジタル画像401からテクスチャを取り除き且つエッジ情報を残す、入力デジタル画像401に適用される空間フィルタを用いる。本発明のコンテクストにおいて、テクスチャは、微細な空間細部および空間シェーディング構造を含む画像コンテンツを参照する。フィルタの当然の結果として、ノイズが又、取り除かれる。このように、ぺデスタルデジタル画像403は、入力デジタル画像401のエッジコンテンツの多くを伴う入力デジタル画像401の非常にスムーズにされたものである。ぺデスタルデジタル画像403は差モジュール420により入力デジタル画像401から差し引かれ、その結果、テクスチャデジタル画像402が得られる。入力デジタル画像401の全ての情報は、ぺデスタルデジタル画像403又はテクスチャデジタル画像402のどちらかに含まれることは評価されるであろう。トーンスケールぺデスタルアプリケータ430はぺデスタルデジタル画像403にトーンスケール関数203を適用し、その結果、トーン調整デジタル画像407が得られる。従って、ぺデスタルデジタル画像403のトーン特性は、入力デジタル画像401のテクスチャコンテンツを影響することなく、トーンスケール関数203を適用することによりエンハンスされる。加算モジュール440は、出力デジタル画像409を生成するために、トーン調整デジタル画像407をテクスチャデジタル画像402と結合させる。それ故、出力デジタル画像409は、入力デジタル画像401のテクスチャ画像構造コンテンツを有する入力デジタル画像401のトーンスケールエンハンスされたものである。
【0037】
空間フィルタを用いることによりトーンスケール関数を適用することは、トーンスケール関数が非常に圧縮されたものであるとき、特に有利である。非常に圧縮されたトーンスケール関数が入力デジタル画像に直接適用されるとき、トーン特性はエンハンスされるが、テクスチャ画像構造は大きさの点で小さくされることが可能である。空間フィルタを適用するために用いることにより、テクスチャ画像構造を保ちながら、トーンスケール関数は所望のトーンスケールエンハンスメントを達成することが可能である。改善された結果を得るために種々の空間フィルタを用いることが可能である。本発明においては、同一出願人による米国特許第6,317,521号明細書において、GallagherとGindeleが開示した、ぺデスタルデジタル画像403においてエッジを保つための制御信号又はマスキング信号の使用を採用する空間フィルタを用いる。本発明は又、同一出願人による米国特許第6,285,798号明細書においてLeeが開示した方法と同様の方法を用いることが可能である。用いることが可能である他の空間フィルタは、2次元ガウスフィルタのような、簡単なローパスフィルタである。しかしながら、ローパスフィルタを用いる場合、ガウス標準偏差パラメータの大きさは非常に大きくする、例えば、処理されているデジタル画像の大きさの四分の一にする必要がある。
【0038】
穏やかな圧縮のトーンスケール関数に対しては空間フィルタを用いる必要がないことは又、留意すべきことである。このように、トーンスケール関数アプリケータ240は、出力デジタル画像409を生成するために入力デジタル画像401の画素にトーンスケール関数203を直接適用することが可能である。拡張性のトーンスケールデジタル画像について、入力デジタル画像401へのトーンスケール関数203の直接適用は、空間フィルタが上述のように用いられる場合に比べて、トーンエンハンスメントのレベルが非常に大きくなる結果をもたらすことが可能である。これは、主に、拡張性トーンスケール関数からもたらされる画像テクスチャの増幅による。しかしながら、画像テクスチャが又高レベルのノイズを含む場合、一部のデジタル画像に対して、画像テクスチャの増幅は画像品質には損失になり得る。従って、上述のような空間フィルタを用いてトーンスケール関数を適用することは、圧縮性及び拡張性トーンスケール関数の両方に対して有利となり得る。
【0039】
図4及び図5に示すトーンスケール関数ジェネレータ230について、以下で更に詳細に説明する。トーンスケール関数ジェネレータ230は、自動モードか又はマニュアルモードのどちらかで用いられることが可能であり、トーンスケール関数203は分析デジタル画像201の画素を用いて演算され、トーンスケール関数203はグラフィックユーザインタフェースにより供給されるユーザ入力の選択231を用いて演算される。それらのどちらのモードについては、演算の数式は同じである。
【0040】
トーンスケール関数203は、ソースデジタル画像102における画素値の範囲を規定する、単一評価関数、即ち各々の入力画素値のための1つの出力画素値である。トーンスケール関数203の形は、数学的形が処理されるデジタル画像における効果を決定するため、本発明の重要な特徴である。本発明は、少なくとも2つの関数セグメントからトーンスケール関数203を構築し、2つの関数セグメントは1つより多い入力画素値を共通に共有することはない。本発明の好適な実施形態は、2つの関数セグメントを用い、且つ、関数範囲を2つのトーンスケールセグメントに分割する、入力画素値をして共通に18%のシーンリフレクタに対応する参照グレーポイント画素値を定義する。明るい画像範囲に関連する関数セグメント、即ちオリジナル写真撮影シーンの明るい範囲に対応する画像範囲は、ハイライトトーンスケールセグメントと呼ばれる。暗い画像範囲に関連する関数セグメントはシャドートーンスケールセグメントと呼ばれる。トーンスケール関数203は、コンピュータソフトウェア及び/又はハードウェアの実施が可能である限りは、連続関数であることに留意する必要がある。トーンスケール関数203は連続する第1導関数をもつことが可能であることに留意する必要がある。しかしながら、好ましいけれど、連続第1導関数の特性は本発明において要求されるものではない。
【0041】
デジタルが増加システムにおいて用いられるデジタル画像の画素極性は、システム設計者によって任意に決定されるものである。例えば、正の画素極性のデジタル画像は、大きい数値は受け取られる光がより多いことに関連する画素を有する。それに対して、負の画素極性のデジタル画像は、大きい数値は受け取られる光がより少ないことに関連する画素を有する。何れかの画素極性をもつデジタル画像と共に本発明を用いることが可能である。しかしながら、明確化のために、以下の説明は正の画素極性変換を仮定することにする。当業者は、増加関数の傾き又は減少関数の傾きに対してなされる参照は製の画素極性のデジタル画像に関するものであることを理解するであろう。関数の傾きの特性についての説明は、負の画素極性のデジタル画像を用いるシステムに対しては反転される必要がある。これは、増加関数又は減少関数は数字が増加する横軸座標に関して定義されるため、解釈する上で重要な特徴である。例えば、以下で与えられるハイライト成分関数及び影成分関数の構築についての説明において、一部の影成分関数は単調に増加する傾きの性質をもつとして説明され、一部のハイライト成分関数は単調に減少する傾きの性質をもつとして説明される。この説明は正の画素極性の変換に関するものである。負の画素極性の変換に対しては、等価の影成分関数は単調に減少する傾きの性質として説明され、等価のハイライト成分関数は単調に増加する傾きの性質として説明される。同様に、正の画素極性の変換に対しては、トーンスケール関数は、常に0より大きいか又は等しい傾き関数を有する。それとは対照的に、即ち負の画素極性変換においては、トーンスケール関数は、常に0より小さいか又は等しい傾き関数を有する。
【0042】
ハイライトトーンスケールセグメント及び影トーンスケールセグメントは各々、2つ又はそれ以上の成分関数を用いて構築されることが可能である。複数の成分関数を結合させる効果により、入力画素値の範囲内の少なくとも1つの変曲点をもつトーンスケールセグメントがもたらされる。トーンスケールセグメントの傾き関数を調べることにより、変曲点について最もよく理解することができる。変曲点が現れると、対応する傾き関数は局所的な最小または最大を得ることとなる。ハイライトトーンスケールセグメント及び影トーンスケールセグメントの両方が編曲を形成することができる。又、トーンスケールセグメントの1つが変曲点をもち、他のトーンスケールセグメントが変曲点をもつことも可能である。以下で更に詳細に説明するように、1つのトーンスケールセグメントが1つより
多い変曲点をもつことも可能である。
【0043】
ハイライトトーンスケールセグメントは1つ又はそれ以上の成分関数から構成され、それらの幾つかは次の制限を満足する。
1)成分関数は、参照グレーポイントに等しいか又はそれより大きい全ての入力画素値のために単調な減少傾き関数をもつ。
2)成分関数は、参照グレーポイントに等しいか又はそれより大きく且つデジタル画像において表される最大の入力画素値に等しいか又はそれより小さい全ての入力画素値のために単調な増加傾き関数をもつ。
関数がその第1導関数の逆関数である場合、その関数は所定の範囲に亘り単調である(デジタルの実施に対して、傾き関数は第1導関数の妥当な近似とみなされる)。又、特定の画像において表されるものより大きい入力画素値についての関数特性は、何れの画素も影響を受けないため、学問的問題であることは留意する必要がある。上述の制限の両者は重要であり、少し説明を必要とする。
【0044】
ハイライトトーンスケールセグメントは明るい画素、即ち受け取られる光が多い画素に関連する。一般に、広いダイナミックレンジのデジタル画像に対して、本発明を用いないで生成された対応するレンダードデジタル画像は、最も明るい画像範囲における空間的細部がないか又は殆どない。これは、平均的なダイナミックレンジのデジタル画像を好ましくレンダリングするために必要とされる全体的に高いシステムコントラストの結果である。従って、広いダイナミックレンジのデジタル画像に対して、明るい画素に含まれる画像コンテンツの一部はレンダリングされないこととなり、それ故、空間的細部の変調はレンダードデジタル画像103において保たれる。これは、結果として得られたレンダードデジタル画像103に暗いハイライトコンテンツをもつ処理されたデジタル画像をもたらす。そのような入力対出力マッピング操作を実行することが可能である関数は数多く存在する。しかしながら、単調増加関数はよりローバストにする、即ち、単調でない関数より画像アーチファクトを少なくするために、実験的に決定される。
【0045】
多くの単調な関数は、大きい入力画素値対低い出力画素値のマッピングを達成することができる一方、全ての関数は、異なる平均画素値に対応する画像範囲に関するコントラストにおける幾つかの補償の形式を負わせる。特に、ハイライトトーンスケールセグメントを構築するために用いられる成分関数の瞬間傾き値(第1導関数)は、結果的に得られたレンダードデジタル画像103におけるコントラルト及び空間的細部の変調の認識に重大な影響を及ぼすこととなる。従って、単調に減少する瞬間傾き値をもつ成分関数を用いて構築されたハイライトトーンスケールセグメントは、低い出力画素値に対してハイライト画素をマッピングすることにより明るい画像範囲に対する空間的細部変調のレンダリングを改善することができる。ハイライトトーンスケールセグメントのドメイン内の大きい瞬間傾き値に対応する画像範囲は画像細部の変調を更に保つ傾向にある。このように、単調に減少する瞬間傾きの条件は、参照グレーポイントに値を近づける画素値に対応する画像コンテンツに利益をもたらす。一般に、主な対象物の範囲のような重要な画像コンテンツは参照グレーポイントに数字的に近づく傾向にある一方、背景の画像コンテンツは、画素値に関してより一様に表される傾向にある。
【0046】
同様に、シャドートーンスケールセグメントは1つ又はそれ以上の成分関数から構築されることが可能であり、それらの関数の幾つかは次の制限を満足する。
1)成分関数は、参照グレーポイントに等しいか又はそれより小さい全ての入力画素値のために単調な増加傾き関数をもつ。
2)成分関数は、参照グレーポイントに等しいか又はそれより小さく且つデジタル画像において表される最小の入力画素値に等しいか又はそれより大きい全ての入力画素値のために単調な増加関数をもつ。
同様に、シャドートーンスケールセグメントを構築するために用いられる成分関数の単調な性質はよりロバストな画像品質結果に関係する。シャドートーンスケールセグメントを構築するために用いられる成分関数の単調な増加傾き関数の性質は、この条件が又参照グレーポイントの値に近い画素値に対応する画像コンテンツに利益をもたらすため、同様に重要である。広いダイナミックレンジの画像に対して、シャドートーンスケールセグメントを構築するために用いられる成分関数の単調な増加傾き関数の性質は、小さい入力画素値対大きい出力画素値のマッピング操作を達成する。これは、結果的に得られたレンダードデジタル画像103における明るいシャドーコントラストをもつ処理されたデジタル画像をもたらす。
【0047】
上述の傾き関数の制限による当然の結果として、参照グレーポイントにおける大きい傾き関数の値をもつトーンスケール関数を生成する。従って、参照グレーポイント値の選択は、大きい傾き関数の値を画像におけるどの範囲が得るかをそれが決定するため、重要である。18%のグレーシーンリフレクタに対応する参照グレーポイント値は、それが認識される明るさの略中間を表すために、選択される。他の参照グレーポイントの値の選択は又、すばらしい結果をもたらす。参照グレーポイントのための妥当な値は10%のシーンリフレクタ値から25%のシーンリフレクタ値までの範囲内にある。
【0048】
図4及び図5に示すトーンスケール関数ジェネレータ230の第1の実施形態において、ハイライトトーンスケールセグメントか又はシャドートーンスケールセグメントのどちらかは指数関数に基づく単一成分関数を用いて構築される。ハイライトトーンスケールセグメントのために用いられる成分関数は次式(4)により与えられる。
【0049】
【数1】
Figure 2004145864
ここで、xは参照グレーポイントを表し、βh1及びαh1は、成分関数fh1(x)の形と傾きを決定する定数である。シャドートーンスケールセグメントのために用いられる成分関数は次式(5)により与えられる。
【0050】
【数2】
Figure 2004145864
ここで、βs1及びαs1は、同様に、成分関数fs1(x)の形と傾きを決定する定数である。傾きの制限1.0が参照グレーポイントにおいて課される場合、定数βh1及びβs1は、それぞれαh1及びαs1に等しい。この条件のための関数、
h1(x)及びfs1(x)は次の式(6)及び(7)により与えられ、
【0051】
【数3】
Figure 2004145864
【0052】
【数4】
Figure 2004145864
トーンスケール関数203T(x)のための式は、次式(8)により与えられる。
【0053】
T(x)=fh1(x),x>=xρ            (8)
T(x)=fs1(x),x<xρ
ハイライト成分関数は、次式(9)に与えられるように縦軸の値xを結果として得る横軸の値xh0により規定される特定の座標点を通るために制限される。
【0054】
【数5】
Figure 2004145864
この制限は、対象物をマッピングするハイライトホワイトポイントを得る。ハイライト成分関数のためのホワイトポイント値xは、約0.2である白い感光紙の濃度に対応するレンダリング関数R(x)により好適にマッピングされる。定義された変数xとxρを用いて、変数αh1の値が、反復数値解法による式(9)を用いて所定のxh0の値の解を得ることが可能である。同様に、シャドー成分関数は、次式(10)に与えられるように、縦軸の値xを結果として得る横軸の値xs0により規定される特定の座標点を通るように制限される。
【0055】
【数6】
Figure 2004145864
この制限により、シャドーブラックポイントをマッピングする対象物が得られる。シャドートーンスケール関数に対するブラックポイント値xは、約2.0の黒色の感光紙濃度に一致するレンダリング関数R(x)により好適にマッピングされる画素値に基づいて予め決定される。一般的に言って、前述のホワイトポイント値と暗いポイント値は、第1及び第2の所定の目標濃度又は符号値を表す。これらの目標濃度が感光紙の濃度測定に関連して説明され、当業者は、出力装置が感光紙(例えば、コンピュータモニタ)でない場合でさえも、同じ方法を用いることが可能であることを認識するであろう。変数x及びxρが定義されると、反復数値解法により式(10)を用いて所定のxs0の値について、変数αs1の値を求めることが可能である。式(9)及び(10)についての反復数値解法は、αs1の初期値を初めに推定し、式の各々の項を演算し、差としてのエラー項を演算し、エラーを調べ、αs1の推定値を調整し、そしてエラー項が許容される程度の小さい値になるまでこの方法を反復するプロセスを含む。この反復解法の結果は全ての可能なαs1値について演算され、LUTに記憶される。同じ演算及び方法がαh1値を決定するために用いられる。
【0056】
変数xh0及びxs0は、選択され次第、式(6)及び(7)について関数の形および傾き特性を決定する、式(9)及び(10)における制御変数である。図7は、異なるxh0値と共に得られたハイライトトーンスケールセグメントを表す曲線群と、異なるxs0値と共に得られたシャドートーンスケールセグメントを表す曲線群とを示すグラフである。ポイント500は参照グレーポイントxρを表す。曲線501は1つのハイライト成分関数から構築されたハイライトトーンスケールセグメントを表す。曲線502は1つのシャドー成分関数から構築されたシャドートーンスケールセグメントを表す。ライン503は一対一の入力対出力ラインを表す。図7に示す各々のハイライトトーンスケールセグメントについて、グラフ化されたハイライト成分関数は単調な減少瞬間傾き値をもつ。同様に、図7に示すおのおののシャドートーンスケールセグメントについて、グラフ化されたシャドー成分関数は単調な増加瞬間傾き値をもつ。変数xh0及びxs0は独立して選択されることが可能である。このように、2つのトーンスケールセグメントの傾きは互いに独立して制御されることが可能である。
【0057】
傾き関数(成分関数に対応する)が、参照グレーポイントにおいて評価されるとき、1.0に等しくなくてはならないという制限を用いて、式(6)及び(7)は導かれた。本発明の他の実施形態においては、加えられた傾きの制限と同様なやり方で、指数関数が用いられる。そのハイライト成分関数の傾きは選択値φに等しい必要があり、且つシャドー成分関数は選択値φに等しい必要がある。この実施形態のために、加えられた傾きの制限は、式(4)における変数βh1とαh1との関係、並びに式(11)及び(12)それぞれにより与えられる式(5)における変数βs1とαs1との関係をもたらす。
【0058】
βh1=φαh1                 (11)
βs1=φαs1                 (12)
ハイライト成分関数及びシャドー成分関数についての式は、それぞれ(13)及び(14)により与えられる。
【0059】
【数7】
Figure 2004145864
【0060】
【数8】
Figure 2004145864
ハイライト成分関数及び陰の成分関数の傾き関数をあらわす第1導関数は次の式(15)及び(16)によりそれぞれ与えられる。
【0061】
【数9】
Figure 2004145864
【0062】
【数10】
Figure 2004145864
h0値がx値より大きい場合、ハイライト成分関数は、出力画素値の小さい範囲に入力画素値の大きい範囲をマッピングし、従って、圧縮関数とみなされる。それとは対照的に、xh0値がx値より小さい場合、ハイライト成分関数は、出力画素値の大きい範囲に入力画素値の小さい範囲をマッピングし、従って、拡張関数とみなされる。同様に、xs0値がx値より小さい場合、シャドー成分関数は、出力画素値の小さい範囲に入力画素値の大きい範囲をマッピングし、従って、圧縮関数とみなされる。それとは対照的に、xs0値がx値より大きい場合、ハイライト成分関数は、出力画素値の大きい範囲に入力画素値の小さい範囲をマッピングし、従って、拡張関数とみなされる。従って、変数xh0とxの値に基づいて、ハイライトトーンスケールセグメントは、圧縮、拡張又は中間として分類されることが可能である。xh0値がx値に等しいとき、ハイライトトーンスケールセグメントは、特異な条件に対してハイライトトーンスケールセグメントが同一のマッピング関数とみなされるため、中間に分類される。変数xs0とxの値に基づいて、シャドートーンスケールセグメントは、圧縮、拡張又は中間として分類されることが可能である。xs0値がx値に等しいとき、シャドートーンスケールセグメントは、特異な条件に対してシャドートーンスケールセグメントが同一のマッピング関数とみなされるため、中間に分類される。
【0063】
圧縮性ハイライト成分関数について、定数αh1は正である。φの正の値に対いて式(15)により与えられるハイライト成分関数の対応する傾き関数は、参照グレーポイントxρに等しいかそれより大きい全てのxの値に対して、正の傾き関数値をもたらす。第2導関数についての式、即ちハイライト成分関数の傾き関数は次式(17)により与えられる。
【0064】
【数11】
Figure 2004145864
図8aは、1.0に設定されたφ変数、0.0に設定された参照グレーポイント及び1.0に設定されたαh1を用いて得られたハイライトトーンスケールセグメントの1例のグラフを示している。図8aに示したグラフを調べること及び式(17)から理解できるように、αh1及びφの正の値は、0に等しいか又はそれより大きい値を仮定する単調な減少傾き関数を用いて圧縮性ハイライトトーンスケールセグメントをもたらす。曲線512は、ハイライトトーンスケールセグメントを構築するために用いられるそのようなハイライト成分関数を示し、曲線513は、それに対応する傾き関数を示している。参照グレーポイントはポイント511により示されている。
【0065】
同様に、圧縮性のシャドー成分関数について、定数αs1は負である。φの正の値に対いて式(16)により与えられるシャドー成分関数の対応する傾き関数は、参照グレーポイントxρに等しいかそれより小さい全てのxの値に対して、正の傾き値をもたらす。第2導関数についての式、即ちシャドー成分関数の傾き関数は次式(18)により与えられる。
【0066】
【数12】
Figure 2004145864
図8bは、1.0に設定されたφ変数、0.0に設定された参照グレーポイント及び1.0に設定されたαs1を用いて得られたシャドートーンスケールセグメントの1例のグラフを示している。図8bに示したグラフを調べること及び式(18)から理解できるように、αs1及びφの正の値は、0に等しいか又はそれより大きい値を仮定する単調な増加傾き関数を用いて圧縮性のシャドートーンスケールセグメントをもたらす。曲線515は、シャドートーンスケールセグメントを構築するために用いられるそのようなシャドー成分関数を示し、曲線516は、それに対応する傾き関数を示している。参照グレーポイントはポイント514により示されている。
【0067】
図8cに示すトーンスケール関数の1例は、ハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントから構築され、それらの各々は、上述のように、単一の成分関数から構築される。上述のように、同じ傾きの条件は、本発明により得られるトーンスケール関数について要求されたものではない。図8cに示すトーンスケール関数の1例において、ハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントの傾きは、参照グレーポイント519において評価されるとき、等しくない。曲線517はトーンスケール関数203を示し、曲線518は対応する傾き関数を示している。参照グレーポイントはポイント519により示されている。図8cに示す例のグラフから理解できるように、トーンスケール関数は、参照グレーポイントにおける傾き関数において不連続である。連続的な傾き関数をもつトーンスケール関数が、一般に、所望されている。しかしながら、自然の写真撮影されるシーンに関連するデジタル画像に適用するとき、トーンスケール関数の傾き関数における不連続性はしばしば問題にならないことが、実験により示されている。同一出願人による米国特許第6,285,798号明細書に説明されているような、他のトーンスケース関数を生成するための方法は、構築プロセスにおいて傾きの制限の連続性を課している。本発明の支援において実施される実験により、傾きの制限の連続性は一部のデジタル画像形成の適用に対しては不必要な制限であることが分かった。傾きの制限の連続性を課さないことにより、有用なトーンスケール関数についての大きい違いが生じ得る。特に、ソースデジタル画像に適用されるとき、ソースデジタル画像の画素に対応する方法で構築されたトーンスケール関数は、全体的なコントラルトのエンハンスメントのレベルを高めることが可能である。
【0068】
本発明の他の実施形態においては、ハイライトトーンスケールセグメントを圧縮性ハイライト成分関数から構築する。圧縮性ハイライト成分関数に対して、xh0はxより大きいことを思い出されたい。この実施形態のために、(6)により与えられた式は、参照グレーポイントにおける関数の傾きの条件に関連する線形関数と組み合わされる。そのハイライト成分関数のための式は次式(19)により与えられる。
【0069】
【数13】
Figure 2004145864
ここで、変数γHCは、xρからxh0までの間隔に亘る関数のための平均の傾きを表し、変数γHCは次式(20)により与えられる。
【0070】
γHC=(x−xρ)/(xh0−xρ)        (20)
変数ΦHCはハイライト成分関数に対する線形関数の寄与を決定する。変数ΦHCは、ハイライト成分関数として式(19)を用いるハイライトトーンスケールセグメントの傾きにおける変化に影響を及ぼすために選択されることが可能である。ΦHCが0.0に設定される場合、式(19)は式(6)に戻る。ΦHCが1.0に設定される場合、式(19)は次式(21)により与えられる線形関数を仮定する。
【0071】
h1=γHC(x−xρ)+xρ            (21)
このように、変数ΦHCは、ハイライト成分関数が純粋な指数関数として振舞う度合いを選択するために用いられることが可能である制御パラメータである。同様に、シャドー成分関数のための式は次式(22)により与えられる。
【0072】
【数14】
Figure 2004145864
ここで、変数γSCは、xs0からxρまでの間隔に亘る関数のための平均の傾きを表し、変数γSCは次式(23)により与えられる。
【0073】
γSC=(x−xρ)/(xs0−xρ)        (23)
変数ΦSCは、シャドー成分関数として式(22)を用いるシャドートーンスケールセグメントの傾きを変化させるために選択されることが可能である。ΦSCが0.0に設定される場合、式(22)は式(7)に戻る。ΦSCが1.0に設定される場合、式(22)は次式(24)により与えられる線形関数を仮定する。
【0074】
s1=γSC(x−xρ)+xρ            (24)
このように、変数ΦSCは、シャドー成分関数が純粋な指数関数として振舞う度合いを選択するために用いられることが可能である制御パラメータである。
【0075】
変数ΦHC及びΦSCの変化は、被処理デジタル画像のアピアランスに重要な効果を与えることができる。変数ΦHC及びΦSCを0.0に設定することにより、一層従来のような写真の高コントラストなアピアランスをもつ被処理デジタル画像を得ることができる。それと対比して、変数ΦHC及びΦSCを1.0に設定することにより、人物撮影に対して更に適切である一層プロのような写真の低コントラストなアピアランスをもつ被処理デジタル画像を得ることができる。図9は、異なるxh0値を用いて式(19)により得られたハイライトトーンスケールセグメントを表す曲線群と異なるxs0値を用いて式(22)により得られたシャドートーンスケールセグメントを表す曲線群とを示すグラフである。ポイント521は参照レーポイントxρを示す。曲線522は1つのハイライト成分関数から構築されたハイライトトーンスケールセグメントを示す。曲線523は1つのシャドー成分関数から構築されたシャドートーンスケールセグメントを示す。ライン524は、同一のマッピングである一対一対応の入力画素値対出力画素値のラインを示している。トーンスケール関数203は、変数xh0及びxs0を独立して選択することが可能であるため、何れかの図9に示されたハイライトトーンスケールセグメント、又は何れかのシャドートーンスケールセグメントから構築することが可能である。又、変数ΦHC及びΦSCを0.0に設定する場合、結果的に得られるトーンスケール関数は、一般に、参照グレーポイントにおいて連続的な傾き関数をもたないことに留意する必要がある。
【0076】
hoがxより小さい場合に、式(4)、(6)又は(13)を用いて構築されるハイライト成分関数は、単調な増加瞬間傾きをもつ関数をもたらす。そのような関数の1例を図10aにおける曲線530に示す。曲線530により示される関数は、入力画素値xh0対出力画素値xのマッピングを満足する一方、そのような関数に基づくトーンスケール関数は幾らか不自然な見え方の画像を生成し得る。これは、曲線530により示されるハイライト成分関数の傾きが、参照グレーポイントの近くの入力画素範囲に対して、単調に増加して、単調に減少しない傾きであるという事実に、主に起因するものである。しかしながら、ハイライト成分関数は、参照グレーポイント(ポイント533で示される)に等しいか又はそれより大きい入力画素値に対して次式(25)により与えられるライン531で表されるラインに関して反射される、式(4)、(6)又は(13)を用いて構築されることが可能である。
【0077】
y(x)=(x−xρ)/(xho−xρ)(x−xρ)+xρ (25)反射プロセスにより得られる関数は、図10aにおける曲線532により示されるように、単調な減少瞬間傾きをもつ単調な増加関数である。拡張性ハイライト成分関数の形は以下の段階により演算される。第1の段階においては、定数αh1を決定するために制限xh0=xを用いて、式(4)、(6)又は(13)が解かれる。第2段階においては、第1の回転変換が座標(x,f(x))に適用され、式(26)に与えれるような変換座標(u,v)が得られる。
【0078】
u=xcos(θ)+f(x)sin(θ)      (26)
v=−xsin(θ)−f(x)cos(θ)
ここで、角度θは(27)式により与えられる。
【0079】
θ=tan−1((x−xρ)/(xh0−xρ))    (27)
第1回転変換は、式(24)により表されるラインをx軸に変換するためにデザインされた。第3段階において、v座標は、v座標の負の値をとることにより新しいx軸に関して反射される。第4段階において、(28)式により与えられるように、座標(u′,v′)のために座標(u,−v)に適用される逆回転変換を適用する。
【0080】
u′=ucos(θ)+vsin(θ)       (28)
v′=xsin(θ)−vcos(θ)
第4段階において、座標(u′,v′)はハイライト成分関数g(u)を定義し、画素値を評価する。
【0081】
図10bを参照するに、xso>xbである場合に、上述と同様な方法で、拡張性のシャドー成分関数を構築することが可能である。シャドー成分関数は、定数αs1を決定するために制限xs0=xを用いて、参照グレーポイント(ポイント534で示される)に等しいか又はそれより小さい入力画素値のために式(29)により与えられるライン535で表されるラインに関して反射される、式(4)、(6)又は(13)を用いて構築されることが可能である。
【0082】
y(x)=(x−xρ)/(xs0−xρ)(x−xρ)+xρ (29)
図10bにおいて参照符号536により示される曲線は、正の定数αslのために式(5)、(7)又は(14)を用いる関数を示している。反射処理の段階により得られる、対応する拡張性のシャドー成分関数は曲線537により示される。
【0083】
上述の成分関数を用いて構築された拡張性のハイライトトーンスケールセグメント及び拡張性のシャドートーンスケールセグメントから構築されたトーンスケール関数のグラフの1例を図10cに示す。それらハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントは両者共拡張性であるため、曲線539により示されるトーンスケース関数は、xs0からxh0までの入力画素値の範囲に亘り拡張性である。式(25)及び(29)により与えられた結合された線形関数は、ポイント538により示される参照グレーポイントと共に、ライン540として示されている。曲線517として図8cに描かれているトーンスケール関数は、構築において用いられるハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントの両者が圧縮性成分関数であるため、xs0からxh0までの入力画素値の範囲に亘り圧縮性である。参照グレーポイントはポイント538により示されている。
【0084】
2つのトーンスケールセグメントは独立して制御可能であるため、拡張性のシャドー成分関数及び圧縮性のハイライト成分関数から、又は圧縮性のシャドー成分関数及び拡張性のハイライト成分関数からトーンスケール関数を構築することが可能である。その2つのセグメントが異なる形の分類に属すため、そのようなトーンスケール関数は、ここでは、折衷関数と呼ぶ。しかしながら、上述のように、その2つのセグメントは、それらが共通点をもつ1つの入力画素値における等しい関数値、即ち参照グレーポイントを有する必要がある。
【0085】
本発明の好適な実施形態において、拡張性ハイライト成分関数fh1(x)は、次の式(30)及び(31)により与えられる制限に従属している式(4)を用いて、構築される。
【0086】
h1(xh0′)=x              (30)
hl′(x)=1.0             (31)
ここで、変数xh0は式(32)により与えられ、
h1(xh0′)=(1.0−η)(x−xh0)+xh0 (32)
変数ηは、その関数の形を選択するために用いることが可能である制御パラメータを表す。関数fh1(x)に加えられたこれら2つの制限と共に、ハイライト成分関数は、所定の出力値xに対する所定の入力画素値xh0′のマッピングの目的を達成する。xρからxh0′までの間隔に亘る関数γHCの平均の傾きは次式(33)により与えられ、
γHC=(x−xρ)/(xh0′−xρ)      (33)
がxh0′より大きいため、式(33)は1.0より大きい。上述の方法と同様な方法において、式(4)において用いられる変数αh1及びβh1については、反復数値近似により解を求め、後に呼び出すためにLUTに記憶することができる。変数ηは、好適には、0.5に設定される。更に良好な結果を得るために、ハイライト成分関数は、制御パラメータΦHEを用いて線形関数と組み合わされる。拡張性ハイライト成分関数のための最終の式は次式(34)により与えられる。
【0087】
【数15】
Figure 2004145864
同様に、拡張性のシャドー成分関数fs1(x)は、次の式(35)及び(36)により与えられる制限に従属する式(5)を用いて、構築される。
【0088】
sl(xs0′)=x               (35)
sl′(x)=1.0              (36)
ここで、変数xs0′は次式(37)により与えられ、
sl(xs0′)=(1.0−η)(x−xs0)+xs0 (37)
変数ηは、その関数の形を選択するために用いることが可能である制御パラメータを表す。関数fsl(x)に加えられたこれら2つの制限と共に、シャドー成分関数は、所定の出力値xに対する所定の入力画素値xs0′のマッピングの目的を達成する。xs0′からxρまでの間隔に亘る関数γSCの平均の傾きは次式(38)により与えられ、
γSE=(xρ−x)/(xρ−xs0′)       (38)
がxs0′より大きいため、式(38)は1.0より大きい。上述の方法と同様な方法において、式(5)において用いられる変数αsl及びβslについては、反復数値近似により解を求め、後に呼び出すためにLUTに記憶することができる。変数ηは、好適には、0.5に設定される。更に良好な結果を得るために、シャドー成分関数は、制御パラメータΦSEを用いて線形関数と組み合わされる。拡張性のシャドー成分関数のための最終の式は次式(39)により与えられる。
【0089】
【数16】
Figure 2004145864
図11は、式(34)及び(39)を用いて、単一の拡張性成分関すから各々得られるハイライトトーンスケールセグメント群及びシャドートーンスケールセグメント群をそれぞれ示している。ポイント541は参照グレーポイントxρを示している。ライン542は、同一のマッピングである一対一対応の入力画素値対出力画素値のラインを示している。曲線543は、式(34)を用いて、ハイライトトーンスケールセグメントの例を示している。曲線544は、式(39)を用いて、シャドートーンスケールセグメントの例を示している。
【0090】
本発明の方法を用いて構築されたトーンスケールセグメントの重要な特徴は、圧縮性タイプの関数から拡張性タイプの関数への変遷に対応する関数の形の逐次の変遷にある。図12aは、成分関数が拡張性であるときは式(34)を、成分関数が圧縮性であるときは式(19)を用いて、単一のハイライト成分関数から構築されるハイライトトーンスケールセグメント群を示している。ポイント549は、参照グレーポイントを示している。曲線550は、高い圧縮性のハイライト成分関数を示す一方、曲線551は中程度のハイライト成分関数を示している。圧縮性の度合いが高くなる程、関数の曲率は大きくなる。ハイライト成分関数が圧縮性でもなく拡張性でもないとき、その関数は、曲線552により示される、同一のマッピングである一対一対応の入力画素値対出力画素値のラインを仮定している。曲線553は中程度の拡張性のハイライト成分関数を示している。曲線554は高い拡張性のハイライト成分関数を示している。拡張性の度合いが高くなるにつれ、関数の曲率は大きくなる。従って、中程度の圧縮性及び中程度の拡張性のハイライト成分関数に対しては、その関数の傾きはより直線に近いものとなる。図12aに示すように、ハイライト成分セグメントを構築するために用いる圧縮性ハイライト成分関数のために、変数ΦHEの値として0.0が用いられた。式(19)において用いられた変数ΦHEの値は、式(34)において用いられた変数ΦHEの値に独立して選択されることが可能である。
【0091】
シャドートーンスケールセグメントの形は、又、圧縮性関数タイプと拡張性関数タイプとの間で上品な変遷をする。図12aは又、成分関数が拡張性であるときは式(39)を、成分関数が圧縮性であるときは式(22)を用いて、単一のシャドー成分関数から構築されるシャドートーンスケールセグメント群を示している。曲線555は、高い圧縮性のシャドー成分関数を示す一方、曲線556は中程度のシャドー成分関数を示している。圧縮性の度合いが高くなる程、関数の曲率は大きくなる。シャドー成分関数が圧縮性でもなく拡張性でもないとき、その関数は、曲線557により示される、同一のマッピングである一対一対応の入力画素値対出力画素値のラインを仮定している。曲線558は中程度の拡張性のシャドー成分関数を示している。曲線559は高い拡張性のシャドー成分関数を示している。拡張性の度合いが高くなるにつれ、関数の曲率は大きくなる。従って、中程度の圧縮性及び中程度の拡張性のシャドー成分関数に対しては、その関数の傾きはより直線に近いものとなる。図12aに示すように、シャドー成分セグメントを構築するために用いる圧縮性のシャドー成分関数のために、変数ΦSCの値として0.0が用いられた。シャドー成分セグメントを構築するために用いる拡張性のシャドー成分関数のために、変数ΦSEの値として0.0が用いられた。式(22)において用いられた変数ΦSCの値は、式(39)において用いられた変数ΦHEの値に独立して選択されることが可能である。
【0092】
図12bは、全て0.5に設定された変数ΦHC、ΦHE、ΦSC及びΦSEと共に式(19)、(34)、(22)及び(39)を用いて構築されたハイライトトーンスケールセグメント群及びシャドートーンスケールセグメント群を示している。図12bに示した曲線から理解されるように、本発明の方法を用いて構築されたトーンスケールセグメントは、圧縮性タイプの関数から拡張性タイプの関数への変遷に対応する関数の形の逐次の変遷にある。
【0093】
ハイライト成分関数についての他の代替の実施形態において、変数φにより、圧縮の度合いの関数、即ち(x−xρ)対(xho−xρ)の比が得られる。ハイライト成分関数fhl(x)のための式は(13)により与えられ、式(13)における傾き変数φは次式(40)により与えられ、
φ=1.0−η(1.0−(x/xh0))     (40)
変数ηはハイライト成分関数の形を制御する。変数ηは選択されることが可能である。変数ηが1.0に設定されるとき、ハイライト成分関数は式(21)として与えられるラインの式と仮定される。変数ηが0.0に設定されるとき、ハイライト成分関数は式(13)として与えられる指数関数の式と仮定される。同様に、圧縮性のシャドー成分関数について、変数φにより、圧縮の度合いの関数、即ち(xρ−x)対(xρ−xs0)の比が得られる。シャドー成分関数fsl(x)のための式は(14)により与えられ、式(14)における傾き変数φは次式(41)により与えられ、
φ=1.0−η(1.0−(x/xs0))     (41)
変数ηはシャドー成分関数の形を制御する。変数ηが1.0に設定されるとき、シャドー成分関数は式(24)として与えられるラインの式と仮定される。変数ηが0.0に設定されるとき、シャドー成分関数は式(14)として与えられる指数関数の式と仮定される。
【0094】
変曲点が得られるハイライトトーンスケールセグメントは、1つ以上のハイライト成分関数を用いて、構築されることが可能である。第2のハイライト成分関数は、式(42)により与えられるように、関数値xweをもたらす横座標x により規定される特定の座標点を通るように構築された式(6)と同様な関数の形式を用いて構築される。
【0095】
【数17】
Figure 2004145864
この制限により、被処理デジタル画像の最も明るい部分に関連する対象物をマッピングする極端なハイライトホワイトポイントが得られる。第2のハイライト成分関数のために、約0.08である白色紙濃度、即ち、紙が得ることが可能である最小の紙濃度に対応するレンダリング関数R(x)によりマッピングされる画素に基づいて、ホワイトポイント値xweが予め設定される。変数αh2は、上述した反復数値解法を用いて解を得ることが可能である。第2ハイライト成分関数は次式(43)により表される。
【0096】
【数18】
Figure 2004145864
ハイライトトーンスケールセグメントF(x)は、式(43)により与えられる第2ハイライト成分関数と式(19)により与えられる第1ハイライト成分関数を組み合わせることにより、構築される。F(x)は式(44)により与えられる。
【0097】
Figure 2004145864
ここで、関数ω(x)は2つの成分関数の混合関数を表し、次式(45)により与えられる。
【0098】
ω(x)=(x−xhc)/(xhe−xhc)      (45)
以上のように構築されたハイライトトーンスケールセグメントは3つの入力画素ドメインからなる。第1ドメインは、参照グレーポイントxρから変数xhcで規定されるポイントまで及んでいる。第2度メインは、第1ハイライト成分関数と第2ハイライト成分関数の混合したものを用いて構築され、ポイントxhcから極端なハイライトポイントxheまで及んでいる。第3のシャドードメインは、xheの値より大きい入力画素値についての範囲のために構築される。入力画素値が増加するにつれ、即ち、ここでは変数xで表されるが、それがxheに近づくにつれ、ハイライトトーンスケールセグメントは第2ハイライト成分関数fh2(x)の値に近づく。式(44)を用いて構築されたハイライトトーンスケールセグメントは、xρからxheまでの範囲内の任意の入力画素値xに対する関数の形において変曲点を得ることができる。即ち、ハイライトトーンスケールセグメントの形は、xρからxheまでの範囲内において局所的な最小値をもつ。従って、この実施形態を用いて得られるハイライトソーンスケールセグメントの傾きは、各々の成分関数が単調な減少関数であるとしても、xρからxheまでの範囲に亘り、必ずしも単調な減少関数であるとは限らない。しかしながら、この実施形態を用いて得られるハイライトトーンスケールセグメントの傾きは、xρからxhcまでの範囲、即ち、ハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントの交点を含む入力画素値の範囲に亘って、単調な減少関数である。この実施形態の構築方法のために、ハイライトトーンスケールセグメントが、xheの近傍において入力画素値のドメインに対して1.0より大きいことは、又、可能である。こハイライトトーンスケールセグメントが圧縮性関数であるとしても、即ち、入力画素値の範囲(xρからxheまで)が出力画素値の範囲(xρからxweまで)より大きいとしても、この特徴は輝点のような鏡面ハイライトのアピアランスを保つ傾向にある。
【0099】
類似する方法において、変曲点が得られる、シャドートーンスケールセグメントが、1つ以上のシャドー成分関数を用いて、構築されることが可能である。他の実施形態において、式(46)により与えられるような関数値xbeが得られる横軸の値xseにより規定される特定の座標点を通るように制限される式(7)と同様な関数の形式を用いて、第2のシャドー成分関数が構築される。
【0100】
【数19】
Figure 2004145864
この制限により、被処理デジタル画像の暗い部分に関連する対象物をマッピングする極端なシャドーブラックポイントが得られる。第2のシャドー成分関数のために、約2.3である黒色紙濃度、即ち、紙が得ることが可能である最大の紙濃度に対応するレンダリング関数R(x)によりマッピングされる画素に基づいて、ブラックポイント値xbeが予め設定される。変数αs2は、上述した反復数値解法を用いて解を得ることが可能である。第2のシャドー成分関数は次式(47)により表される。
【0101】
【数20】
Figure 2004145864
シャドートーンスケールセグメントF(x)は、式(47)により与えられる第2のシャドー成分関数と式(22)により与えられる第1のシャドー成分関数を組み合わせることにより、構築される。F(x)は式(48)により与えられる。
【0102】
Figure 2004145864
ここで、関数ω(x)は2つの成分関数の混合関数を表し、次式(49)により与えられる。
【0103】
ω(x)=(x−xsc)/(xse−xsc)       (49)
以上のように構築されたシャドートーンスケールセグメントは3つの入力画素ドメインからなる。第1ドメインは、参照グレーポイントxρから変数xscで規定されるポイントまで及んでいる。第2度メインは、第1のシャドー成分関数と第2のシャドー成分関数の混合したものを用いて構築され、ポイントxscから極端なハイライトポイントxseまで及んでいる。第3のシャドードメインは、xseの値より大きい入力画素値についての範囲のために構築される。入力画素値が増加するにつれ、即ち、ここでは変数xで表されるが、それがxseに近づくにつれ、シャドートーンスケールセグメントは第2のシャドー成分関数fs2(x)の値に近づく。式(48)を用いて構築されたシャドートーンスケールセグメントは、xρからxseまでの範囲内のsome入力画素値xに対する関数の形において変曲点を得ることができる。即ち、シャドートーンスケールセグメントの形は、xρからxseまでの範囲内において局所的な最小値をもつ。従って、この実施形態を用いて得られるシャドーソーンスケールセグメントの傾きは、各々の成分関数が単調な減少関数であるとしても、xρからxseまでの範囲に亘り、必ずしも単調な減少関数であるとは限らない。しかしながら、この実施形態を用いて得られるシャドートーンスケールセグメントの傾きは、xρからxscまでの範囲、即ち、ハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントの交点を含む入力画素値の範囲に亘って、単調な減少関数である。この実施形態の構築方法のために、シャドートーンスケールセグメントが、xseの近傍において入力画素値のドメインに対して1.0より大きいことは、又、可能である。こハイライトトーンスケールセグメントが圧縮性関数であるとしても、即ち、入力画素値の範囲(xseからxρまで)が出力画素値の範囲(xbeからxρまで)より大きいとしても、この特徴は非常に暗い範囲のような濃いシャドーアピアランスを保つ傾向にある。
【0104】
2つの成分関数から各々構築されたハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントを用いて構築されたトーンスケール関数203の1例のグラフを図13aに示す。同一のマッピングである一対一対応の入力画素値対出力画素値のラインをライン560により示し、参照グレーポイントをポイント561により示している。ハイライトトーンスケールセグメントについての上述の第1入力画素ドメイン、第2入力画素ドメイン及び第3入力画素ドメインを、それぞれドメイン562、563及び564により示している。ポイント565についての横軸及び縦軸の値は、それぞれ変数xhe及びxweである。シャドートーンスケールセグメントについての上述の第1、第2及び第3入力画素ドメインを、それぞれドメイン567、568及び569により示している。ポイント570についての横軸及び縦軸の値は、それぞれ変数xse及びxbeである。ポイント571についての横軸の値は変数xceである。
【0105】
ドメイン564により示される第3ハイライトドメインは変数xheより大きい値である画素に関係している。以下に更に詳細に説明するように、この入力画素値のドメインは最も明るい値の0.1%の画素に関連している。それ故、第3ハイライトドメインの形は、画像範囲の非常に小さい部分のみに影響を与える。変数xseより小さい値をもつ画素に関係するドメイン569により示される第3のシャドードメインについて、同じ論法を展開することができる。許容可能な結果が得られる第3ハイライトドメインの形を決定するための他の方法は、ポイント566から直線を描くためにポイント566においてトーンスケール関数の瞬間傾きを用いることである。同様に、ポイント570におけるトーンスケール関数の瞬間傾きを、第3のシャドードメインについてポイント570から直線を描くために用いることが可能である。
【0106】
図13bは、トーンスケール関数203とその対応する傾き関数を示している。同一のマッピングである一対一対応の入力画素値対出力画素値のラインをライン573により示し、参照グレーポイントをポイント574により示している。図13aに示したトーンスケール関数203を、曲線575として図13bに示している。図13bに示す幾つかの傾き関数の特徴は注目に値する。ポイント579は、参照グレーポイントに等しい横軸の値における傾き関数を示している。傾き関数は参照グレーポイントにおいて殆ど不連続であり、参照グレーポイントにおいて局所的な最大値が得られる。それ故、対応する傾き関数が参照グレーポイントにおいて局所的な最大値となるため、図13a及び13bに示したトーンスケール関数203は、参照グレーポイントに等しい横軸の値において変曲点をもつ。ポイント577は、ハイライトトーンスケールセグメントに対応する入力画素ドメイン内の傾き関数の局所的な最小値を示している。このように、2つのハイライト成分関数を用いて構築されたトーンスケール関数203は、ハイライトトーンスケールセグメントの入力画素ドメイン内に変曲点をもつことが可能である。同様に、ポイント578は、シャドートーンスケールセグメントに対応する入力画素ドメイン内の傾き関数の局所的な最小値を示している。このように、2つのシャドー成分関数を用いて構築されたトーンスケール関数203は、シャドートーンスケールセグメントの入力画素ドメイン内に変曲点をもつことが可能である。
【0107】
図13bに示した傾き関数(曲線580)は、傾き関数に対する大きさを示すグラフのスケールと共に曲線580により示すように、図13cに分離して示されている。このように、トーンスケール関数を示す瞬間スロープの値は負にはならない、即ち、ソーンスケール関数は単調関数であることが理解できる。図13a及び13bに示すトーンスケール関数は、ハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントの両方について圧縮性である。このように、図13cに示すような対応する傾き関数の値の平均は1.0より小さい。ハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントについての変曲点を、ポイント577及び578にそれぞれ示す(これらのポイントを又、図13bに示す)。傾き関数は、ドメイン581により示される極端なハイライトドメインにおいて比較的大きい値をもたらす。ドメイン581における傾き関数の大きさは、ポイント579の近くの中程度のトーンのドメインについての傾き関数の大きさと略同じである。ドメイン582により示される極端なシャドードメインは、なお一層大きい大きさの傾きをもたらす。それ故、図13aおよび13bに示したトーンスロープ関数は、参照グレーポイントにおいて並びに極端なハイライトドメイン及び極端なシャドードメイン内において、比較的大きい傾きをもたらす。
【0108】
図4を参照するに、ソースデジタル画像の画素、即ち、トーンスケールモジュール330への入力デジタル画像は、変数xh0及びxs0を決定するために、即ち、トーンスケール関数の傾きを決定するために用いられることが可能である。分析画像ジェネレータ250はソースデジタル画像を受け取り、ローパス空間フィルタを適用しかつサンプリング操作を実行することにより分析デジタル画像201を生成する。その結果は、同じ画像コンテンツを表示する小数の画素を有するソースデジタル画像のより低い空間分解能バージョンである。分析デジタル画像201の代表的な空間分解能は縦横約64画素に96画素である。分析デジタル画像は又、式(1)を用いて輝度−クロミナンス表示になるように変換される。
【0109】
トーンスケールジェネレータ230は、分析デジタル画像201の画素を分析することにより、トーンスケール関数203を演算する。画素ヒストグラム関数、即ち出現度数関数は、分析デジタル画像201の輝度デジタル画像チャンネルの画素から演算される。累積ヒストグラム関数は、画素値の関数として画素ヒストグラムの値を積算することにより画素ヒストグラム関数から演算される。図14は、曲線601により示されるヒストグラムの1例とそれに対応する曲線602により示される累積ヒストグラム関数のグラフを示している。累積ヒストグラム関数は、0.0と1.0の間で拡大され、画像範囲の100%に対応する1.0によりデジタル画像のパーセンテージ範囲を関連付けられている。累積ヒストグラム関数の縦座標の値は所定のパーセンテージ画像範囲Zに関連する。対応する横座標の値は、Pより小さい値をもつ画像における画素のパーセンテージがZにより与えられる画素値Pに関連する。99.0%の累積ヒストグラム関数の値は、ハイライトポイントの値、即ちxh0を決定するために用いられる。1.0%の累積ヒストグラム関数の値は、シャドーポイントの値、即ちxs0を決定するために用いられる。変数xh0及びxs0の値を、図14に示すグラフにおいてポイント603及び604としてそれぞれ示している。
【0110】
2つのハイライト成分関数がハイライトトーンスケールセグメントを構築するために用いられる上述の実施形態に対して、ソースデジタル画像の画素は又、変数xheの値を設定するために用いられることが可能である。99.9%の累積ヒストグラム関数の値は、極端なハイライトポイントの値、即ちxheを決定するために用いられる。同様に、2つのシャドー成分関数がシャドートーンスケールセグメントを構築するために用いられる上述の実施形態に対して、0.1%の累積ヒストグラム関数の値を用いて、極端なシャドーポイントの値xseを決定する。変数xhe及びxseの値を、図14に示すグラフにおいてポイント605及び606としてそれぞれ示している。本発明が上述の変数xso,xho,xhe及びxse以外の累積ヒストグラムのパーセンテージの値を用いることが可能であり、それにより本発明の利点がもたらされることを、当業者は理解するであろう。最適な結果を得るために、変数xso及びxhoを、それぞれ比較的暗いシーン対象物及び比較的明るいシーン対象物に関連させ、且つxhe及びxseを、それぞれ極端に暗いシーン対象物及び極端に明るいシーン対象物に関連させる必要がある。
【0111】
本発明は、変数xs0,xh0,xhe及びxseを決定するために画像画素値の累積ヒストグラム関数を用いる一方、画像画素値のマスキングされる累積ヒストグラム関数を用いることは又可能である。例えば、空間アクティビティフィルタが、処理されるデジタル画像において作動され、画像マスクを生成するために閾値と比較されることが可能である。画像マスクは、マスキングされた累積ヒストグラム関数に含まれる画素を表示する。
【0112】
上述した指数関数以外の関数を、ハイライト成分関数及びシャドー成分関数を得るために用いることが可能である。例えば、整数ガウス関数を、ハイライト成分関数及びシャドー成分関数を構築するために用いることが可能である。制御パラメータσを用いるガウス関数γ(x,σ)は次式(50)により与えられる。
【0113】
【数21】
Figure 2004145864
ハイライト成分関数fhl(x)は次式(51)により演算される。
【0114】
【数22】
Figure 2004145864
ここで、xはx>=xρに対して定義され、シャドー成分関数fsl(x)は次式(52)により演算され、ここで、xはx=<xρに対して定義される。
【0115】
【数23】
Figure 2004145864
積分による手法は、xMIN及びxMAXが最小及び最大の見込まれる画素値をそれぞれ表すルックアップテーブルを生成するための変数xに対して離散値を用いて実施される。変数α及びαは、成分関数の形を決定する制御パラメータを表す。変数α及びαは、次の式(53)及び(54)をそれぞれ用いて決定される。
【0116】
α=3.0(xhe−xρ)              (53)
α=3.0(xρ−xse)              (54)
本発明の他の実施形態において、ハイライト成分関数及びシャドー成分関数を構築するためにS字形関数を用いることができる。ハイライト成分fhl(x)は次式(55)により与えられ、
【0117】
【数24】
Figure 2004145864
シャドー成分fsl(x)は次式(56)により与えられる。
【0118】
【数25】
Figure 2004145864
ハイライト成分関数及びシャドー成分関数それぞれの形を変化させるために、変数K及びKを独立して選択することが可能である。変数Kはfhl(xho)=xのように決定される。変数Kはfsl(xso)=xのように決定される。
【0119】
ハイライト成分関数及びシャドー成分関数を生成するためにS字形関数の一般クラスにおいて他の多くの関数を用いることが可能であることに留意する必要がある。S字形関数は、ここでは、次のような特性を有する関数である。即ち、その関数の第1導関数は入力ドメインの最小値及び最大値において0に近づき、その関数は、入力ドメインの最小値と最大値の間に0となる第1導関数をもたず、そしてその関数は入力ドメインにおいて単調に増加するか又は減少する。ハイライト成分関数及びシャドー成分関数についてS字形関数を用いる場合の重要な特徴は、2つの成分関数が独立していることである。従って、第1S字形関数をハイライト成分関数について用いることができ、第2S字形関数をシャドー成分関数について用いることができる。2つの成分関数についてのS字形関数の形式は同じであるが、第1及び第2S字形関数は異なる制御パラメータをもつ必要があり、もしそうでなければ、その2つのS字形関数は単一のS字形関数となる。上述したように2つのS字形関数を用いて構築されるトーンスケール関数は、参照グレーポイントより小さい入力画素値については単調に増加する傾きをもち、参照グレーポイントより大きい入力画素値については単調に減少する傾きをもつ。
【0120】
本発明の重要な特徴は、トーンスケール関数を構築するために2つのトーンスケールセグメントを用いることである。本発明の他の重要な特徴は、2つのトーンスケールセグメントを構築するために数学的関数を用いることである。特に、シャドートーンスケールセグメントに対してというより、ハイライトソーンスケールセグメントに対してことなる数学的関数を用いることである。本発明のコンテクストにおいて、異なる数学的関数は、同じ数式、即ち同じ数学的変数の組み合わせを共有するが、異なる数学的関数についての制御変数の値は異なる必要がある。例えば、式(13)及び(14)それぞれのハイライト成分関数及びシャドー成分関数は同じ数式を共有するが、αhl及びαslで表される制御変数αについて異なる値をもち、従って異なる数学的関数をもつとみなすことができる。
【0121】
単一の成分関数だけを用いてハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントそれぞれを構築するために式(19)又は(22)が用いられるとき、変数φ及びφは独立して選択されることが可能である。変数φに対して1.0を選択するとき、ハイライトトーンスケールセグメントは、線形関数により表すことができる。同様に、変数φに対して1.0を選択するとき、シャドートーンスケールセグメントは、線形関数により表すことができる。本発明は、好適には、変数φ及びφの値として0.5を選択する。しかしながら、一部のデジタル画像形成システムの応用に対して及び個人個人の好みに応じて、変数φ及びφの値として1.0を選択し、非常によい結果を得られる。これは、レンダリングモジュール340により用いられる画像非依存性S字形レンダリング関数R(x)とトーンスケールモジュール330により用いられる画像依存性トーンスケール関数203との組み合わせに大いによるものである。S字形レンダリング関数R(x)を用いることにより、被処理デジタル画像に写真的に許容可能なアピアランスをもたらす両者の極端な画素値(極端な明るさと極端な暗さ)の上品なロールオフ(roll−off)が得られる。変数φ及びφの値を1.0より小さく設定することにより、構築されたトーンスケール関数203は又、両者の極端な画素値の上品はロールオフの特性をもたらす。従って、他の本発明の重要な特徴は、S字形画像非依存性関数の使用と画像依存性の2つのセグメントのトーンスケール関数とを組み合わせることである。
【0122】
トーンスケール関数の構築に関する以上の説明においては、連続的な数学的構成要素として基本的な関数を扱っているが、デジタル画像形成の応用に対して、任意の関数を離散値により近似する必要があることを、当業者は認識するであろう。従って、デジタルコンピュータにおいて実施されるとき、トーンスケール関数203は、実際には、離散値の集合により表すことができる。本発明は、トーンスケール関数を実施し且つ記憶するために、ルックアップテーブルを用いる。デジタル表示が可能である限界以内においては、トーンスケール関す203は連続的である。しかしながら、トーンスケール関数203は又、一連のラインセグメントとして表すことが可能であり、ラインセグメントを規定するポイントは上述の数学的関数を用いて決定することたが可能である。一連のラインセグメントを用いる方法の主な利点により、ラインセグメントのトーンスケール関数のポイントを生成するために線形補間法を用いることにより演算リソースがセーブできる。
【0123】
図3及び図4を参照するに、トーンスケール関数ジェネレータ230は、トーンスケール関数203の生成においてユーザ入力選択231を受け入れることが可能である。例えば、図1に示すシステムにおけるユーザは可能な選択を見ることができ、及び/又は、モニタ装置50におけるパラータを制御し、キーボード又はマウスポインティング装置のような入力制御装置60を用いて選択を指し示すことができる。このようなマニュアルユーザモードが用いられるとき、ハイライト制御パラメータ及びシャドー制御パラメータが、ハイライトトーンスケールセグメントおよびシャドートーンスケールセグメントのそれぞれを生成するために用いられる成分関数の形を変化するために用いられる。
【0124】
この操作のマニュアルモードについての好適な実施形態において、式(44)及び(48)が、ハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントそれぞれを制御するために用いられる。
【0125】
先ず、ソースデジタル画像102の画素から得られる累積ヒストグラムの値を用いて、変数xs0,xh0,xhe及びxseを自動的に決定する。次に、上述の反復数値解法により、変数αh1、αh2、αs1及びαs2を決定する。トーンスケール関数203がハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントから構築される。次に、トーンスケール関数203が、上述の空間フィルタリング方法を用いて、ソースデジタル画像102に適用される。システムのユーザは、処理されたデジタル画像を用いて生成された写真プリントを見ることか又は電子表示装置における処理されたデジタル画像をみることのどちらかにより、結果としてのレンダードデジタル画像103を見る。表示された画像を分析した後、次いで、ユーザは、表示された画像のシャドー範囲の明るさ及び表示された画像のハイライト範囲の明るさに関する選択を表示することができる。ユーザは、写真ユーザインタフェースにより電子表示装置に表示された選択肢を用いてマウスポインティング装置を使用して選択する。ハイライト制御パラメータΔ及びシャドー制御パラメータΔを変化させるためにソフトウェアの実施により、ユーザ入力選択231を用いる。次いで、トーンスケール関数203のハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントを修正するために、ハイライト制御パラメータ及びシャドー制御パラメータを用いる。変数Δ及びΔは、先ず、式(57)及び(58)をそれぞれ用いて、演算される。
【0126】
Δ=x−F(x)               (57)
Δ=x−F(x)               (58)
ユーザ入力選択は、次いで、変数Δ′及びΔ′を得る変数Δ及びΔの値を変化させるために用いられる。次に、変数αh1が、式(59)により与えられる制限に従属して再演算される。
【0127】
(x)=x−Δ′              (59)
同様に、変数αs1が、式(60)により与えられる制限に従属して再演算される。
【0128】
(x)=x−Δ′              (60)
修正されたトーンスケール関数は、最演算されたハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントを用いて構築される。修正されたトーンスケール関数は、次いで、ソースデジタル画像102に再度適用され、結果として得られるレンダードデジタル画像103は電子表示装置に表示される。
【0129】
他の操作のマニュアルユーザモードの実施形態において、ハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントは、トーンスケール関数201が同一のマッピングである一対一対応の入力画素値対出力画素値のラインの形をもたらすように、デフォルトに設定される。ユーザは、トーンスケールの性質を変化させるために本質的にエンハンスされない電子表示装置上のレンダードデジタル画像103をみる。ユーザは、次いで、上述のように、表示された画像のシャドー明るさ特性及びハイライトの明るさ特性における変化をもたらすために、選択する。
【0130】
2つの変曲点をもつトーンスケールセグメントを有することは、少なくとも画像範囲の一部について、露出条件に関連しない画素をもつデジタル画像にとって優位点となり得る。例えば、写真フィルムストリップを走査することにより得られるデジタル画像は、露出されないことと区別ができない写真フィルム濃度に対応する画像範囲を有することが可能である。これらの画像範囲は、最小フィルム濃度に対応する画素値を有する。最小フィルム濃度の値は、隣接する画像フレーム間のフレーム相互のギャップを走査することにより得られる。最小の濃度値は、赤、緑及び青のデジタル画像チャンネル画素データについて、Rmin、G in及びGminとして得られる。これらの最小濃度値は、第3のシャドー成分関数を構築するために用いられる。結果的に得られるシャドートーンスケールセグメントは、2つの分離した変曲点を表す。
【0131】
第3のシャドー成分関数は、最小のフィルム濃度から最大の得られ得る紙濃度(上述の例で与えられるこの値は約2.3である)までに対応する画素値をマッピングするガウス関数を用いて演算される。第2のシャドー成分関数も又、最小のフィルム濃度から最大の得られ得る紙濃度までに対応する画素値をマッピングすることができるが、第3のシャドー成分関数は、最大の得られ得る紙濃度までの画素値のより大きい範囲をマッピングする。この第3のシャドー成分関数の特性は、最小のフィルム濃度応答性に関連するあらゆるノイズが最大の得られ得る紙濃度に対してマッピングされることを確実にする。最小のフィルム濃度は露出のない条件に関連することに留意する必要がある。従って、第3のシャドー成分関数は、光のない状態から最大の紙濃度までを受け取る条件に関連する応答値をマッピングする方法を達成する。
【0132】
先ず、ブラックレベル(変数xBLKにより表させる)はRmin、Gmin及びGminの平均に、式(61)により与えられるノイズについてのマージンを足したものとして演算される。
【0133】
BLK=ασ+(Rmin+Gmin+Gmin)/3  (61)
変数σは、最小のフィルム濃度(この量はフレーム間ギャップ内の画素からも測定される)に対応する画素値の範囲内において測定されるようなノイズの標準偏差を表す。変数αは、所望されるノイズ抑制レベルに基づいて設定され、好適には1.0乃至2.0の値として設定されるノイズの大きさのスケーリング係数を表す。第3のシャドー成分関数の式は(62)により与えられる。
【0134】
【数26】
Figure 2004145864
s3(x)=0.0        このとき、x<=xBLK
ここで、変数σBLKはガウス関数の影響を決定し、変数αBLKはその影響の大きさを決定する。シャドートーンスケールセグメントは、第3のシャドー成分関数を式(48)に数の上で置き換えることにより演算される。3つの成分関数を用いることによる、シャドートーンスケールセグメントの最終的な式は、次の式(63)により与えられる。
【0135】
Figure 2004145864
図15は、fs2(x)及び変曲点608により与えられるシャドートーンスケールセグメント(曲線607)と結合された第3成分関数の傾きを示す、シャドートーンスケールセグメントの一例を示している。図15に示す関数の例についての変数xBLKは788であり、参照グレーポイントの値は1618であり、変数σBLKの値は113であり、そして変数αBLKの値は376である。
【0136】
図16は、本発明に従って得られたトーンスケール関数の一例(曲線609)を示している。ハイライトトーンスケールセグメントは、ポイント613及び611により示す2つの変曲点をもっている。曲線610により示される、対応する傾き関数は、関数ポイント613及び611のそれぞれに対応するポイント614及び612により示される局所的傾きの最小値及び最大値を有している。シャドートーンスケールセグメントは、ポイント623、621、619及び617により示される4つの反射ポイントを有している。対応する傾き関数は、関数ポイント621及び617それぞれに対応するポイント622及び618により示される局所的な傾きの最小値を有する。傾き関数は、関数ポイント623および619にそれぞれ対応するポイント624及び620により示される局所的な傾きの最大値を有する。
【0137】
図16を参照するに、曲線609により示されるトーンスケール関数は又、2つのトーンスケールセグメントが出会う変曲点、即ち615により示されるポイントをもたらす。対応するトーンスケール関数、即ち曲線610は、ポイント616により示されるように局所的最大値を有する。ハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケースセグメントの形は、独立して選択されることが可能である。従って、図15に示すトーンスケール関数は、2つの独立した制御可能なトーンスケールセグメントから構築された変曲点をもたらすトーンスケールの一例である。
【発明の効果】
本発明の方法を用いて生成されたトーンスケール関数の重要な特徴は、トーンスケール関数のドメイン内に変曲点が得られることである。本発明は、各々が独立して少なくとも1つの特徴的な変曲点を有する2つの接続されたトーンスケールセグメントからトーンスケール関数を生成する。変曲点は、トーンスケール関数の局所的な傾きの特性における変化によるものである。対応する傾き関数におけるこのような変化は、一般に、適用される制限をマッピングするブラックアンドホワイトポイントとトーンスケール関数の構築において用いられる関数の選択との結果である。特に、ハイライトトーンスケールセグメント内に現れる変曲点は、次のような制限を同時に課すことによる帰結である。そのような制限としては、1)参照グレーポイントxρを維持すること、2)パーセンタイル値をホワイトポイント値xに固定した(xh0を99.0%の累積ヒストグラム間数値に設定する)第1画像ヒストグラムをマッピングすること、3)パーセンタイル値を極端なホワイトポイント値xweに固定した(xheを99.0%の累積ヒストグラム間数値に設定する)第1画像ヒストグラムをマッピングし、トーンスケールセグメントを制御するために2つ又はそれ以上の関数を用いること、が挙げられる。同様に、シャドートーンスケールセグメント内に現れる変曲点は、次のような制限を同時に課すことによる帰結である。そのような制限としては、1)参照グレーポイントxρを維持すること、2)パーセンタイル値をブラックポイント値xに固定した(xs0を1.0%の累積ヒストグラム間数値に設定する)第1画像ヒストグラムをマッピングすること、3)パーセンタイル値を極端なブラックポイント値xbeに固定した(xseを0.1%の累積ヒストグラム間数値に設定する)第1画像ヒストグラムをマッピングし、トーンスケールセグメントを制御するために2つ又はそれ以上の関数を用いること、が挙げられる。
【0138】
従って、2つの異なるホワイトポイント値にパーセンタイル値を固定された2つ又はそれ以上の画像ヒストグラムをマッピングについて同時の制限を満足することにより、トーンスケール関数のハイライトドメイン内の変曲点を得ることができる。トーンスケール関数の変曲点の特徴は、記録された反射性ハイライト(極端なホワイトポイント値にマッピングされた)について明るいホワイトの視覚的アピアランスをもたらすためにときどき必要であり、他の記録された明るいシーンコンテンツの明るいホワイトのアピアランスより暗くなることを同時にもたらす。例えば、所定のシーンにおいて、黄色の花は、ホワイトポイントxにマッピングされ、即ち明るい黄色のアピアランスを達成する明るい対象物を表すことができる。感光紙により得られる最も明るい値より小さい値に対して、黄色の花のシーンのコンテンツに対応する画素の平均値をマッピングすることにより、黄色の花の画像範囲における空間的変調を数値で表すことが可能である、それ故、視覚的に評価することができる。同じシーンにおいて、最も明るい部分としての白色のシーンコンテンツ、又はキラキラ反射する輝いている表面は、極端なホワイトポイントxweに対してマッピングされ、よれ故、明るいホワイトの視覚的アピアランスが得られる。それに代えて、これら2つのホワイトポイントのマッピングコンテンツの1つのみが満足される場合、結果的に得られるトーンスケール関数は、変曲点は得られず、且つ何れかの反射性ハイライト又は黄色の花の細部の視覚的アピアランスは犠牲にされることとなる。それ故、処理されたデジタル画像をみるときに、ハイライトトーンスケールセグメントにおける変曲点の特徴が感動的な視覚的結果を得るために重要となることは、評価されるであろう。
【0139】
同様な論法をシャドートーンスケールセグメントに対して行うことができる。2つの異なるブラックポイント値に対するパーセンタイル値が固定された2つ又はそれ以上の画像ヒストグラムをマッピングする同時的制限は、トーンスケール関数のシャドードメイン内の変曲点を得ることにより満足することが可能である。森のシーンの濃いシャドー又は夜のフラッシュを焚いたときの暗いバックグラウンド等の、画像の極端なシャドーは、達成可能である最も大きい紙濃度に対応する極端なブラックポイントxbeに対して最適にマッピングされる。このマッピング方法は、最も暗い画像範囲が写真プリントにおいて黒く現れるため、視覚的に満足のいく結果が得られる。しかしながら、黒いが明るい顔又は濃い色の衣服等の主な対象物に関連する他のシャドーシーンコンテンツは、極端なブラックポイントについて画像空間の細部を眼に見えるようにすることが可能である以上に数値が大きい画素値をマッピングする必要がある。従って、最適なシャドーシーンコンテンツのマッピングに対して、シャドートーンスケールセグメント内の変曲点(2つのポイントのマッピングの制限から得られる)はトーンスケール関数の重要な特徴である。
【0140】
参照グレーポイントにおいて得られるトーンスケール関数の変曲点の特徴は、同様に、ブラックポイント及びホワイトポイントのマッピングコンテンツを同時に適用する結果であることについては又留意する必要がある。従って、本発明により得られるトーンスケール関数は、参照グレーポイントにおけるのと同様にハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメント内において変曲点が得られることは評価されるであろう。
【0141】
本発明のより得られるトーンスケール関数の他の重要な特徴は、ハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントにおいて得られる変曲点の独立性である。画像ヒストグラムのデータによっては、これらのトーンスケールセグメントの1つ又は両方は変曲点をもつことがない。例えば、99,9%の累積値が99.0%の累積値より大きくなるような画像ヒストグラムの形の場合には、ハイライトトーンスケールセグメントの傾きは符号が逆になる可能性はなく、従って変曲点が存在することはない。同様に、0.1%の累積値が1.0%の累積値より小さくなる画像ヒストグラムの形の場合には、シャドートーンスケールセグメントの傾きは符号が逆になる可能性はなく、従って変曲点が存在することはない。しかしながら、任意のデジタル画像に対して、0.1%及び1.0%の累積値についての数値は99.0%及び99.9%の累積値についての数値から独立している。このように、本発明により生成されたトーンスケール関数は、シャドートーンスケールセグメントについて変曲点を示すことができるが、ハイライトトーンスケールセグメントについて変曲点は示さないことが可能である。同様に、トーンスケール関数は、ハイライトトーンスケールセグメントについて変曲点を示すことができるが、シャドートーンスケールセグメントについて変曲点を変曲点は示さないことが可能である。従って、本発明は、ハイライト範囲とシャドー範囲のレンディションを改善するためにトーンスケール関数を用いることを容易にし、トーンスケール関数の形がハイライト画像範囲及びシャドー画像範囲について独立して変曲点を得て、そのような変曲点は独立して互いに制御可能である。
【0142】
又、ヒストグラム均等化方法によりトーンスケール関数のドメイン内の変曲点を得ることが可能であることを当業者は認識しているであろう。しかしながら、画像画素値の統計データはトーンスケール関数の形を決定するため、ヒストグラム均等化方法により得られるトーンスケール関数は単一の数式である。この特性は、Alkoferによる米国特許第4,731,671号明細書及び同一出願人であってKwonによる米国特許第4,745,465号明細書に開示されたような制限付きヒストグラム均等化方法においても当て嵌まる。本発明は、トーンスケール関数の形を制御するために、少数の固定された累積ヒストグラムのパーセンタイル値と成分関数を用いている。本発明の1つの実施形態においては、4つの固定された累積ヒストグラムのパーセンタイル値を用いている。従って、2つの異なるデジタル画像は同じ4つの累積ヒストグラム値をもつことが可能であるが、全体的な累積ヒストグラム関数の形は非常に異なっている。しかしながら、これら2つのデジタル画像に対して本発明により得られるトーンスケール関数は同じであり、ヒストグラム均等化方法によってこれら2つの異なるデジタル画像に対して非常に異なる形のトーンスケール関数が得られる。
【0143】
本発明は、スキャナ、デジタル画像を処理するためにプログラムされたコンピュータ、及び感熱式プリンタ又はインクジェットプリンタのような出力装置等のデジタル画像のソースを含む画像処理システムにおいて実施されることが好ましい。本発明における方法は、本発明の各段階を実施するためのコンピュータコード関連のコンピュータ読み取り可能媒体を含むコンピュータプログラムプロダクトとして販売されることが可能である。
【0144】
コンピュータ読み取り可能記憶媒体としては、例えば、磁気ディスク(例えば、フロッピー(登録商標)ディスク)又は磁気テープのような磁気記憶媒体、光ディスク、光テープ又は機械読み取り可能バーコード等の光記憶媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は読み出し専用メモリ(ROM)、又はコンピュータプログラムを記憶するための他の物理素子或いは媒体から構成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に従ったシステムを実施するための構成要素を示す機能ブロック図である。
【図2】デジタル画像プロセッサの機能ブロック図である。
【図3a】レンダリング関数の一例を示すグラフである。
【図3b】レンダリング関数の他の例を示すグラフである。
【図4】トーンスケールモジュールの機能ブロック図である。
【図5】トーンスケールモジュールの他の実施形態を示す機能ブロック図である。
【図6】トーンスケール関数アプリケータの実施形態を示す機能ブロック図である。
【図7】ハイライトトーンスケールセグメント群とシャドートーンスケールセグメント群とを示すグラフである。
【図8a】圧縮性ハイライト成分関数とその関連の傾き関数の例を示すグラフである。
【図8b】圧縮性シャドー成分関数とその関連の傾き関数の例を示すグラフである。
【図8c】圧縮性ハイライト及びシャドートーンスケールセグメント並びに対応する傾き関数から構築されるトーンスケール関数の一例を示すグラフである。
【図9】構築されたハイライトトーンスケールセグメント群とシャドートーンスケールセグメント群とを示すグラフである。
【図10a】拡張性ハイライト成分関数とその関連の傾き関数の例を示すグラフである。
【図10b】拡張性シャドー成分関数とその関連の傾き関数の例を示すグラフである。
【図10c】拡張性ハイライト及びシャドートーンスケールセグメント並びに対応する傾き関数から構築されるトーンスケール関数の一例を示すグラフである。
【図11】ハイライトトーンスケールセグメント群とシャドートーンスケールセグメント群とを示すグラフである。
【図12a】圧縮及び拡張タイプ関数の両方のためのハイライトトーンスケールセグメント群とシャドートーンスケールセグメント群とを示すグラフである。
【図12b】圧縮及び拡張タイプ関数の両方のためのハイライトトーンスケールセグメント群とシャドートーンスケールセグメント群とを示す他のグラフである。
【図13a】トーンスケール関数の一例であって、ハイライトトーンスケールセグメントとシャドートーンスケールセグメント各々が2つの成分関数を用いて構築され、各々の成分トーンスケール関数が変曲点をもつトーンスケール関数の一例を示すグラフである。
【図13b】図12aに示されたトーンスケール関数及び対応する傾き関数の例を示すグラフであって、各々の成分トーンスケール関数は変曲点をもつグラフである。
【図13c】図12bの場合に、対応する傾き関数の詳細を示すグラフである。
【図14】画像ヒストグラム関数と対応する累積ヒストグラム関数の例を示すグラフである。
【図15】変曲点をもつ第3シャドー成分関数の形の例を示すグラフである。
【図16】トーンスケール関数であって、シャドートーンスケールセグメントは各々3つの成分関数を用いて構築され、各々の成分関数は変曲点をもつ、トーンスケール関数の例を示すグラフである。
【符号の説明】
10a  画像補足装置
10b  画像補足装置
10c  画像補足装置
20   デジタル画像プロセッサ
30a  画像出力装置
30b  画像出力装置
40   一般的制御コンピュータ
50   モニタ装置
60   入力制御装置
70   コンピュータメモリ装置
101  オリジナルデジタル画像
102  ソースデジタル画像
103  レンダードデジタル画像
104  エンハンスされたデジタル画像
201  分析デジタル画像
203  トーンスケール関数
230  トーンスケール関数ジェネレータ
240  トーンスケール関数アプリケータ
250  分析画像ジェネレータ
310  RLSE変換モジュール
320  シーンバランスモジュール
330  トーンスケールモジュール
340  レンダリングモジュール
401  入力デジタル画像
402  テクスチャデジタル画像
403  ぺデスタルデジタル画像
407  トーン調整デジタル画像
409  出力デジタル画像
410  ぺデスタルジェネレーションモジュール
420  差モジュール
430  トーンスケールぺデスタルアプリケータ
440  加算モジュール
500、511,514、519、521、533,534、538,541、549、561、565,566,570,571,574、577,578、579,603,604,605,606、612、614,618,620、622、624 ポイント
501、512、503、512、513、515、516,517、518、522、523、530,532、536、537、539、543、544、550、551,552,553,554,555,556,557,558、559、575、580,601、602、607,609,610  曲線
524、531、535、540,542、560、573  ライン
563、564、567、568、569、581、582  ドメイン
608,615  変曲点
611,613、617、619、621、623、  関数ポイント
616  局所的最大値

Claims (10)

  1. トーン特性を改善するためにソースデジタル画像において動作することが可能であるトーンスケール関数を生成する方法であって:
    a)複数の画素を含むソースデジタル画像を受信する段階;並びに
    b)トーンスケール関数における参照ポイントに相対して規定されるハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントをもつトーンスケール関数を生成する段階;
    から構成される方法であって、
    i)ハイライトトーンスケールセグメントはシャドートーンスケールセグメントより異なる数学的関数により規定され;
    ii)少なくとも1つのハイライトトーンスケールセグメント又はシャドートーンスケールセグメントが少なくとも1つの変曲点をもち;
    iii)ハイライトトーンスケールセグメントは参照ポイントに等しいか又は参照ポイントより大きいポイントについて規定され;並びに
    iv)シャドートーンスケールセグメントは参照ポイントに等しいか又は参照ポイントより小さいポイントについて規定される;
    ことを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、エンハンスさらタデジタル画像を生成するためにトーンスケール関数とソースデジタル画像とを用いる、ことを特徴とする方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、レンダリングされたデジタル画像を生成するためにソースデジタル画像から独立したS字形レンダリング関数とエンハンスされたデジタル画像とを用いる、ことを特徴とする方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、ハイライトトーンスケールセグメントは少なくとも1つのハイライト制御パラメータを用いてマニュアルで制御され、シャドートーンスケールセグメントは少なくとも1つのシャドー制御パラメータを用いてマニュアルで制御される、ことを特徴とする方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、ハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントの両者は変曲点をもつ、ことを特徴とする方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、シャドートーンスケールセグメントは少なくとも2つの変曲点をもつ、ことを特徴とする方法。
  7. 請求項1に記載の方法であって、ハイライトトーンスケールセグメントを規定するために少なくとも2つの指数関数が用いられる、ことを特徴とする方法。
  8. 請求項1に記載の方法であって、シャドートーンスケールセグメントを規定するために少なくとも2つの指数関数が用いられる、ことを特徴とする方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、ハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントの傾きは各々参照ポイントに等しい、ことを特徴とする方法。
  10. トーン特性を改善するためにデジタル画像において動作するトーンスケール関数を生成する方法であって:
    a)複数の画素を含むソースデジタル画像を受け取る段階;並びに
    b)トーンスケール関数における参照ポイントに相対して規定されるハイライトトーンスケールセグメント及びシャドートーンスケールセグメントをもつトーンスケール関数を生成する段階;
    から構成される方法であって、
    i)ハイライトトーンスケールセグメントはシャドートーンスケールセグメントより異なる数学的関数により規定され;
    ii)少なくとも1つのハイライトトーンスケールセグメント又はシャドートーンスケールセグメントが少なくとも1つの変曲点をもち;
    iii)ハイライトトーンスケールセグメントは参照ポイントに等しいか又は参照ポイントより大きいポイントについて規定され;並びに
    iv)トーンスケール関数は参照ポイントにおいて変曲点をもつ;
    ことを特徴とする方法。
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