JP2004145734A - 建築物の集団点検管理システム及びメンテナンスプログラム管理システム - Google Patents

建築物の集団点検管理システム及びメンテナンスプログラム管理システム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、非常時などの集団点検におけるシステム及び通信手段の負荷を軽減し、点検及び補修を円滑に行うことのできる管理システムを提供することを目的としている。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明にかかる建築物の集団点検管理システムの代表的な構成は、少なくとも顧客情報、建物構成を含む建築物の物件情報を格納したメインデータベースと、前記物件情報の一部である基本情報を格納するサブデータベースと、前記メインデータ及びサブデータベースに対し検索、抽出、及び所定の処理を行う制御手段と、端末と接続される通信手段とを有し、前記制御手段は、前記端末から通信手段を介して事案に応じた抽出条件を受信し、抽出条件に従って前記メインデータベースから該当する物件情報の基本情報を抽出し、前記抽出した基本情報を事案毎にグループ化して前記サブデータベースに格納し、前記グループ化した基本情報を前記端末から検索、参照可能とすることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、災害時や特定の製品の点検などを主眼として、大量の建築物を短期間に点検、補修する集団点検に用いるための管理システムに関するものである。
【0002】
なお本発明においてメンテナンスプログラムとは、建築物のメンテナンスに関する時期及び内容の計画もしくは予定をいう。
【0003】
【従来の技術】
古くは、建築物に関する物件情報、すなわち顧客情報や建築物の仕様、点検、補修情報は文書や図面を用いて行われていた。また各物件情報はその地域を担当する事業所に管理されており、他の事業所からは容易には参照できないのが通常であった。
【0004】
最近の住宅建築では、50年或いは100年という長い期間を快適で且つ安全な居住性を得るようにした所謂ロングライフ住宅が開発されて提供されている。このように長期間の使用に耐え且つ量産化された建築物を全国規模で販売した場合、使用中の建築物の数は飛躍的に増大することとなる。前記の如き建築物では、予防措置として予め設定された期間を経過する毎に定期的な点検を行い、この点検に基づいて必要な場合に補修を行なうこととなるが、これら点検、補修等の作業は、信頼性の点や、品質確保の点から見てメーカーが実施するのが最善である。
【0005】
しかし、建築物毎に設定された物件の情報(例えば、竣工時の仕様)や図面、及び点検履歴や補修履歴、増築履歴等の情報を文書として管理した場合、個々の建築物毎に管理すべき文書量が増大し、現在使用中の全ての建築物に対する管理すべき文書の総量は膨大な量となる。また、例えば、地震、台風、降雪、降ひょう等の被災や、火災や車の衝突等の事故で発生する非定期的な点検や補修も、通常の同様に、予め点検部門が実情を確認した後、必要な補修及び増築部門に文書を送付して指示していた。このようにして得た点検、補修及び増築の報告書は、文書や図面として建築物毎に次回の点検時や補修時に引き出せるようにファイル等に保管される。
【0006】
この結果、文書の検索が困難となる。全ての建築物に対して標準的なメンテナンスプログラムに基づく定期点検の実施時期の検索は行なえるとしても、前回の定期点検、補修結果に基づく次回の補修等の作業の指示は、全て過去の点検、診断、補修、増築履歴を確認して診断してゆくものである。補修結果の文書による報告を次回に残す。その情報の管理は重要であるが、人手を要するものであり、時間と費用がかかり、且つミスも発生し易くなるという問題をかかえている。
【0007】
また、建物の状況は、住宅メーカー側の情報だけでは適切に管理し得ない場合がある。例えば、台風や洪水等の雨被害、火災、自動車衝突、ガス爆発等の事故、所有者が自身で手配し且つ施工した給湯器の交換等の軽微な増改築等については、直接的に住宅メーカーが対応しない場合が多いため、情報の蓄積がしにくいからである。しかし、建築物のメンテナンスプログラムの計画は、前記補修や増築を組み込んで行なうことが望ましいため、これらの情報についてもあわせて管理し、これに基づいて点検項目毎の調整を行なうことで次回以降のメンテナンスプログラムの再設定を行い、所有者に対するきめの細かいサービスの提供と、住宅メーカーに於ける業務効率の向上をはかることが考えられる。
【0008】
そこで近年は、コンピュータ技術の発展も相俟って、物件情報の電子化が進められている。電子化は住所氏名などの顧客情報から始まり、建築物の仕様など多岐の項目に渡って進められている。またネットワーク技術の発展により物件情報の集中管理が可能となり、担当地域外の事業所からも参照が容易となり、物件情報の検索、抽出が簡易かつ迅速になってきている。
【0009】
さらに出願人は、特願2001−132856により、メンテナンスプログラムの管理システムを提案している。これによれば物件情報をデータベースにて一括管理し、またコード化の難しい若しくはコード化するまでもない情報は紙データをイメージ情報として格納し、物件情報と関連づけて参照可能としている。このシステムにより、点検を行う事業所と補修を行う事業所との連携を図り、また点検時期の管理も可能としている。
【0010】
【特許文献1】
特願2001−132856
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、通常状態における定期的な点検であれば、上記構成の管理システムによって十分にメンテナンスプログラムを稼働させることができると考えられるが、地震や雹害、洪水などの大規模災害時、および特定の製品の点検などによる特別点検を行おうとした場合には、問題が生じると考えられる。
【0012】
すなわち、かかる場合には大量の物件を短期間に点検、診断、補修しなくてはならず、取り扱うべき物件情報も相当な数となる。一方、各地の事業所から集めて集中管理とした物件情報はさらに膨大な数となっている。また、かかる場合には作業の緊急度が高く短期間に作業する必要があり、複数箇所が損傷することから点検、補修する部分も多岐にわたる。膨大なデータに対して大量のデータの検索、抽出の要求が一度期に集中すれば、システムの負荷も大きく、満足なレスポンスが得られないばかりか、場合によってはサーバがダウンしてしまうおそれもある。
【0013】
そして特に地震などの災害時にあっては、通信設備も損傷を受け、満足にデータ転送を行うことがままならないおそれもある。このような時に大量のデータ転送を行えば、回線がパンクしたり、帯域を圧迫して他の通信に支障をきたすおそれもある。このように必要なときにこそ使えないという事態を未然に回避するために、非常事態に備えたシステムを事前に構築しておく必要がある。
【0014】
また、業務の細分化により、点検を行う事業所と補修を行う事業所ないし事業者が別れている場合がある。かかる場合に、災害時などには特に、点検及び診断結果、点検若しくは補修の必要な建築物の位置関係、補修の進渉状況などについてことさら密に連携を取る必要がある。さらには、完全に通信設備が動作しなくなった場合であっても、ライフラインの復旧などのために点検補修は行われる必要がある。
【0015】
また近年はコンピュータ技術の進歩により、建築物のメンテナンスはコンピュータ装置によりデータベースを用いて管理され、個々の建築物に対する点検時期及び補修時期を含むメンテナンスプログラムが処理される(特願2001−132856参照)。ここで建築物に補修などを行えば次の点検、補修等の時期についてはメンテナンスプログラムを再設定する必要があるが、このときに災害や集団点検に伴う集団補修の結果についても、同様に参照してメンテナンスプログラムを再設定する必要がある。
【0016】
そこで本発明は、非常時などの集団点検におけるシステム及び通信手段の負荷を軽減し、点検及び補修を円滑に行うことのできる管理システムを提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明にかかる建築物の集団点検管理システムの代表的な構成は、少なくとも顧客情報、建物構成を含む建築物の物件情報を格納したメインデータベースと、前記物件情報の一部である基本情報を格納するサブデータベースと、前記メインデータ及びサブデータベースに対し検索、抽出、及び所定の処理を行う制御手段と、端末と接続される通信手段とを有し、前記制御手段は、前記端末から通信手段を介して事案に応じた抽出条件を受信し、抽出条件に従って前記メインデータベースから該当する物件情報の基本情報を抽出し、前記抽出した基本情報を事案毎にグループ化して前記サブデータベースに格納し、前記グループ化した基本情報を前記端末から検索、参照可能とすることを特徴とする。
【0018】
これにより、メインデータベース及び制御手段にかかる負荷を削減し、また取り扱うデータ量を減らすことができるため、処理の高速化および通信手段の負担軽減を図ることができる。
【0019】
また前記サブデータベースには、前記端末から前記通信手段を介して受信した修正情報若しくは追加情報を格納する。これにより住所氏名や連絡先などの顧客情報の修正、点検した項目やその診断結果、補修の進渉状況などの追加した情報をサブデータベースに格納することができる。
【0020】
また前記メインデータベースに格納された情報と、前記サブデータベースに格納された情報とは、定期的に相互に更新する。これによりサブデータベースに格納した基本情報の修正や追加情報をメインデータベースに反映することができる。また同様に、メインデータベースにおいて基本情報が修正された場合にもサブデータベースに反映され、円滑に連携を取って作業を行うことができる。
【0021】
また通信手段を介して前記サブデータベースに接続され、前記サブデータベースに格納された基本情報の全部または一部を複製して保持する局所データベースを有することを特徴とする。すなわち事業所において少なくともその担当する地域の基本情報の複製を保持しておくことにより、非常事態に対する備えとなり、災害などによって通信手段が分断若しくは満足にデータ転送できない事態に陥った場合であっても、点検、補修などの作業を開始することができる。
【0022】
そして前記局所データベースに対してなされた修正情報若しくは追加情報を用いて、前記サブデータベースを更新する。これにより通信手段が回復した後には、事業所に設置された局所データベースにおいて更新された情報をサブデータベース、ひいてはメインデータベースに反映させることができる。
【0023】
また本発明に係る建築物のメンテナンスプログラム管理システムの代表的な構成は、コンピュータ装置により個々の建築物に対する点検及び補修の時期及び内容を含むメンテナンスプログラムを管理するシステムであって、少なくとも顧客情報、建物構成、建築物の竣工時期を含む建築物の物件情報と、点検、補修、増築の時期および履歴とを格納したメインデータベースと、前記物件情報の一部である基本情報を格納するサブデータベースと、前記メインデータ及びサブデータベースに対し検索、抽出、及び所定の処理を行う制御手段と、点検管理用端末及び補修管理用端末と接続される通信手段とを有し、前記制御手段は、メンテナンスプログラムの設定に応じて所定の点検項目を建築物毎に前記点検管理用端末に送信し、該制御手段からの送信に応じて若しくは自発的に前記点検管理用端末から前記メインデータベースに建築物に関する診断情報が入力されたことを検索し、その検索結果を前記補修管理用端末に報知するものであって、更に前記制御手段は、建築物の竣工時期を起点として前記メンテナンスプログラムを設定すると共に、建築物に対する補修履歴を参照して前記メンテナンスプログラムを再設定するものであり、前記補修履歴には前記サブデータベースから前記メンテナンスプログラムに対して更新された修正情報若しくは追加情報を含むことを特徴とする。集団点検に伴う補修によっても、通常の補修と同様にそこから起算して次の点検、補修等の時期を設定するべきだからである。
【0024】
【発明の実施の形態】
[第一実施形態]
本発明に係る建築物の集団点検管理システムの実施形態について説明する。図1は本実施形態に係る建築物の集団点検管理システムの構成を説明するブロック図、図2は通常状態におけるシステムの動作を説明するフローチャート、図3は集団点検の際のシステムの動作を説明するフローチャート、図4は入力表の例を示す図、図5は工程表の例を示す図である。
【0025】
図1において、メインデータベース1は事業者が物件情報を集中管理するデータベースである。物件情報には住所、顧客の氏名、家族構成、連絡方法などからなる顧客情報や、住宅やビル等の建築物(以下代表して「住宅」という)のタイプ、構造、設備構成などをコード化した建物構成、点検補修履歴などが格納されている。また図示しないイメージ情報データベースと接続されており、物件情報のコードと関連づけて端末からその物件について格納されているイメージ情報を参照可能となっている。イメージ情報は物件の図面、点検や診断の入力票、その他コード化の難しい若しくはコード化するまでもない紙データを読み込んで格納している。
【0026】
メインデータベース1には、アナログ電話回線やISDN回線、インターネットなどの通信手段4を介して点検業者5及び補修業者6が接続、操作、参照可能となっている。点検業者5とは主としてその住宅を提供した事業者であり、各地域に当該地域を担当する複数の点検業者5が存在する。補修業者6とは事業者若しくは顧客から依頼を受けて工事を行う工務店等をいい、作業内容に応じて複数存在する。このように通信手段4を介して接続することにより、複数箇所から参照、操作することが可能となっている。従って、本実施形態のように点検業者5と補修業者6とが別組織であっても、本システムを通じて円滑に顧客対応から工事まで監理することができる。
【0027】
図2に示すように、通常の状態においては、メインデータベース1の制御手段1aから、点検する時期に来た物件について点検業者5に報知する(S201)。点検業者5は直接メインデータベース1に接続し、報知された物件についての物件情報、すなわち顧客の連絡先や住宅の仕様、図面を検索、抽出して取得する(S202)。その際メインデータベース1は点検項目を列挙した入力票を生成し、点検業者5が出力する(S203)。点検業者5は取得した情報に基づいて顧客に連絡し、点検および診断し、記入した入力票に基づいてメインデータベース1に点検履歴を格納し(S204)、また補修業者6に作業を発注する(S205)。補修業者6は作業の進渉状況、作業結果をメインデータベース1に格納する(S206)。
【0028】
また図1に示すように、メインデータベース1には、サブデータベース2および制御手段2aが接続されている。サブデータベース2と制御手段2aとは単一のコンピュータであっても、別体のコンピュータであっても良い。制御手段2aは通信手段4を介して点検業者5及び補修業者6から接続され、要求に応じて後述するようにサブデータベース2に対し検索、抽出、及び所定の処理を行う。
【0029】
サブデータベース2は集団点検において用いられるものであり、メインデータベース1からあらかじめすべての物件につき、その一部である基本情報を抽出して格納している。基本情報とは物件情報の一部をいい、顧客の住所氏名や連絡先、住宅の仕様などが含まれる。メインデータベース1に格納された物件情報には点検に必要ないものも含まれることから、システムの負荷軽減のために物件情報の点検に必要な部分のみをサブデータベースに格納するためである。
【0030】
そしてサブデータベース2においては、次に述べるシステムの動作により、格納された基本情報が集団点検の事案毎にグループ化され、さらに各物件についての点検、診断、補修の進渉及び結果の履歴が格納される。集団点検とは地震や雹害、洪水などの大規模災害時、および特定の製品の点検などによる特別点検などにより、大量の住宅を短期間に点検、補修することをいう。事案とは、個々の集団点検の理由となる地震、特定の製品の改修や修理点検などの事態をいう。事案毎にグループ化するとは、災害であれば被害の及ぶ地域に設置された住宅によってデータベースのテーブルを構成し、特定の製品の点検であれば当該製品を有する仕様の住宅によってデータベースのテーブルを構成することをいう。
【0031】
このように集団点検において必要な物件の基本情報のみをサブデータベース2に抽出し、これを対象として情報の参照、編集、追加削除などを行うことにより、メインデータベース1及び制御手段1aにかかる負荷を削減することができる。また取り扱うデータ量を減らすことができるため、処理の高速化および通信手段4の負担軽減を図ることができる。
【0032】
図3を用いて、集団点検の際のシステムの動作について説明する。まず集団点検を行う事案が発生すると、点検業者5が通信手段4を介して制御手段2aに接続し(S301)、事案名を入力してグループ登録を行う(S302)。事案名とは、例えば「○○地震対策」のように一見して把握容易なように設定し、あわせて集団点検の種類、規模、地域などを入力する。そして事案に応じた抽出条件、例えば災害であれば被害地域、特定の製品の点検であれば当該製品を含む仕様のコード等について入力する(S303)。また、一括した抽出条件では含まれなかった物件について個別的に抽出、追加したり、抽出条件に含まれるが対象とならない物件について個別的に削除する(S304)。
【0033】
上記のようにして対象となる物件が特定されると、制御手段2aはサブデータベース2に格納されている基本情報を抽出し、グループ化して格納する(S305)。この基本情報については、サブデータベース2内においては参照である。
【0034】
そして制御手段2aは、集団点検の種類などに基づいて、サブデータベース2に格納された基本情報から入力表や工程表などの出力情報を生成し、点検業者5に対して出力可能とする(S306)。図4は災害時における入力表の例を示している。このように基本情報に基づいて点検、診断すべき項目を設定することにより、事案に応じて必要な点検項目を過不足なく設定することができる。また、重要度(緊急度)に応じて効率的に作業を割り振ることができる。さらに、サブデータベース2を用いて工程表を生成することにより、点検もれや訪問の重複、見積もり遅れを回避することができ、また近隣の住宅を効率的に巡回することができる。
【0035】
また図5は複数の点検業者5のチームについての作業工程表の例を示している。工程表は、実際には顧客と連絡を取りつつ日程が埋められる。各チームをあらかじめサブデータベース2に登録しておき、選択式とすることにより、予定の重複を回避することができる。また集団点検の対象となる物件を総括的に把握していることから、点検する物件の地域的範囲、順序なども効率よく設定することが可能である。なお図において工程表では、物件のコードを入力することによって顧客の住所氏名、連絡先などを自動的に補填するよう構成している。
【0036】
点検業者5は工程表に従って顧客を訪問し、住宅の点検及び診断を行いつつ入力表に記入する。そして事業所に戻ってから、入力表の記載内容を制御手段2aを通じてサブデータベース2に入力する(S307)。また、補修業者6に作業を発注する(S308)。このときも制御手段2aは工程表などの出力情報を生成し、補修業者6に対して出力可能とする(S309)。補修業者6は工程表に従って作業を行い、作業の進渉状況、作業結果をサブデータベース2に入力する(S310)。
【0037】
メインデータベース1とサブデータベース2とは、定期的(例えば毎晩)に、相互に差分情報を更新する。すなわち、例えば制御手段1a又は制御手段2aは、メインデータベース1とサブデータベース2の基本情報部分のデータ同士を照合し、変更箇所を抽出し、メインデータベース1においてデータが変更された場合にはサブデータベース2の基本情報の該当部分を更新する。同様にサブデータベース2の基本情報、及び点検、診断、補修の進渉及び結果の履歴が変更された場合には、これらの情報を用いてメインデータベース1の該当部分を更新する。ここで差分情報とは修正情報と追加情報とに分けることができ、修正情報とは既に存在するが変更のあったデータをいい、追加情報とは以前は存在しなかったが追加されたデータをいう。なお図1においてはメインデータベース1とサブデータベース2とを直接的に接続する如く記載しているが、これらを遠隔地に設置し、通信手段4を介して接続することでもよい。なお、制御手段1a、2aの機能は、いずれか一方に集約することも可能である。
【0038】
このように情報を更新することにより、常にメインデータベース1及びサブデータベース2の物件情報を最新の状態に保つことができる。特に災害時などにおいては多数の物件情報に変更が生じるものと予測されるが、規模の小さいサブデータベース2を操作することによりシステムの負荷を軽減し、かつメインデータベース1の情報をも更新できるという効果を有している。
【0039】
[第二実施形態]
本発明に係る建築物の集団点検管理システムの第二実施形態について説明する。図6は本実施形態に係る建築物の集団点検管理システムの構成を説明するブロック図であって、上記第一実施形態と説明の重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
図6に示すように、本実施形態に係る集団点検管理システムにおいては、上記第一実施形態に係るシステムに加えて、局所データベース7が設けられている。局所データベース7は、通信手段4が使用不全の場合にあっても点検補修作業を円滑に行うためのバックアップとして用いられるものである。
【0041】
局所データベース7は、点検業者5や補修業者6が存在する各地域に設置されている。局所データベース7には、サブデータベース2と同様に、メインデータベース1からあらかじめ基本情報を抽出して格納している。ここで局所データベース7はサブデータベース2と異なり、事業者が取り扱うすべての物件についての基本情報を格納しておく必要はなく、当該点検業者5または補修業者6が取り扱う物件についての基本情報を格納することでよい。
【0042】
局所データベース7の制御手段は、使用者のコマンド操作に基き、サブデータベース2から所定の基本情報を一括して取得する。また局所データベース7の基本情報、及び点検、診断、補修の進渉及び結果の履歴は、制御手段が使用者の意志によりサブデータベース2に一括して送信する。メインデータベース1とサブデータベース2とは上記した如く相互に差分を自動的(定期的)に更新していたが、局所データベース7は通信手段4が使用不全の場合を想定しているため、使用者のコマンド操作に基き、一括して更新するよう構成している。なお、一括更新については局所データベース7の制御手段でなく、制御手段1a、2aによって行うことも可能である。
【0043】
局所データベース7に対しては、当該データベースが設置された事業所の点検業者5、補修業者6が操作しうるほか、同一地域を担当する他の点検業者5、補修業者6も通信手段4を介して接続可能とする。災害時などには遠距離からの通信は規制され近距離間の通信は規制されない場合があり、また事業所が近距離であれば独自の通信手段を設けることも可能だからである。
【0044】
すなわち、通常の状態にあっては逐次任意の時点で(例えば毎日)サブデータベース2から基本情報を取得しておく。災害時などにおいては局所データベース7に対して点検業者5、補修業者6が接続して、図3のS302〜S310に示したと同様にグループ登録、条件入力を行い、点検診断結果及び補修作業の進渉状況、作業結果を入力する。そしてサブデータベース2と局所データベース7の通信手段が十分に回復した後に、もしくはその集団点検が終了した後に、サブデータベース2に対して更新された情報を一括送信する。サブデータベース2において局所データベース7から一括して送信された情報を用いて基本情報その他を更新すると、通常の定期的処理によってメインデータベース1の情報が更新される。
【0045】
[第三実施形態]
次に、本発明に係る建築物のメンテナンスプログラム管理システムの実施形態について説明する。本発明においてメンテナンスプログラムとは、建築物のメンテナンスに関する時期及び内容の計画もしくは予定をいう。本発明に係るメンテナンスプログラム管理システムは、住宅やビル等の住宅を特定するための物件情報や、個々の住宅に対する点検情報及び補修情報を含むメンテナンス情報を管理すると共に活用し、管理すべき住宅戸数が増大した場合であっても、夫々の住宅に対し適切な時期に必要な情報を検索して対象となる部門に報知し得るようにしたものである。
【0046】
すなわち、上記第一、第二実施形態においては集団点検や災害時などに大量の住宅を極めて短期間に点検、補修するためのシステムについて説明した。これに対し本実施形態に説明するシステムは、長期的な点検、補修のためのメンテナンスプログラムを設定するためのものであって、過去に行った定期点検による補修履歴、アンケート等により得た過去の補修の情報、および上記実施形態において説明した集団点検による補修履歴を参照することを特徴としている。
【0047】
(システム構成)
以下、上記管理システムの好ましい実施形態について図を用いて説明する。図7は本実施形態に係る管理システムを説明する図、図8はサーバ機能を説明する図、図9はメンテナンスプログラムを説明する図であって、上記第一実施形態と説明の重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】
図7に示す管理システムにおいては、メインサーバは住宅情報管理サーバ11とメンテナンス管理サーバ12とから構成されている。住宅情報管理サーバ11はいわゆる物件情報を格納したものであり、物件番号、住宅の建設地の住居表示や所有者の履歴を含む顧客情報、定期点検の起点となる施工時点の情報、外壁の塗装仕様を含む住宅の基本仕様の情報がコード化されて記憶される。またメンテナンス管理サーバ12は点検補修履歴を格納したものであり、後述するメンテナンスプログラム(図9参照)、定期点検を実施した際の点検情報、診断情報、補修や補修を実施したときの補修情報などがコード化されて記憶される。またサブデータベース2は上記第一実施形態と同様の構成となっている。
【0049】
なお、本発明に係る管理システムによって管理される情報は、上記各情報のみに限定するものではなく、対象となる住宅のメンテナンスに必要な一切の情報を含み、特に、各点検時や診断時或いは適宜顧客に対して実施され、居住性やサービス、増改築の要望、転売時期、所有者にて手配し独自に行なった工事の内容、天災や被災等に対するアンケート情報も含まれている。なおアンケートとは、居住者に対して行うものであって、居住者からの補修や増改築の要望、もしくは事業者の管理下にない補修等の事実を得るためのものである。
【0050】
住宅情報管理サーバ11、メンテナンス管理サーバ12、およびサブデータベース2は、通信手段4を介して点検業者5、補修業者6、本部8の夫々の端末に接続される。なお、点検業者5と補修業者6の端末は、必ずしもそれらの機能を区別する必要はない。また事務所等に固定されたコンピュータである必要はなく、携帯電話に代表されるモバイル情報端末機器を用いることも可能である。この場合には、例えば現場の点検員が端末に表示された点検項目に従って点検し、直ちに結果を入力することが可能であり、住宅の状況の画像を例えば管理部門等の必要な部門に伝送することで、事務所に駐在する別の診断員による即時診断や現場診断の承認も可能となる。また通信手段4に接続可能な住宅の所有者10の端末も接続されており、本システムに対し参照、操作可能となっている。
【0051】
本部8の端末は、事業者が物件番号を含む物件情報や基本仕様の情報、住宅の竣工時の図面や写真を含む工事情報を入力し、更に、定期点検が必要な住宅の検索作業の開始指令を発するために用いられる。点検業者5の端末と補修業者6の端末は夫々同様の機能を発揮し得るように構成されている。なお、点検業者5の端末と補修業者6の端末は別個のものとせずに両機能を兼ね備えた端末としても良い。所有者10の端末は対象となる住宅の所有者或いは居住者であり、コンピュータを保有する所有者を対象としている。このように所有者10の端末をネットワークで接続することによって、該所有者が所有する住宅に予期せぬ支障が生じたとき、或いはメーカー側からの情報の提供やアンケートの実施を円滑に行なうことが可能となる。
【0052】
図8に示すように、住宅情報管理サーバ11及びメンテナンス管理サーバ12には、これらに対し検索、抽出、及び所定の処理を行う制御手段9(例えばコンピュータ装置)が接続されている。制御手段9は、演算処理部9a(CPU等)と、コード情報データベースを記憶する記憶部9b(ハードディスク等の記憶媒体)と、物件番号を含む物件情報や基本仕様の情報、住宅の竣工時の図面や写真を含む工事情報を入力し、或いは出力する入出力部9c(キーボードやマウス、バーコードリーダ等)と、表示部9d(ディスプレイ、プリンタ等)とを有して構成されている。
【0053】
また制御手段9は、通信手段4を介して、各地区毎の点検業者5の端末、補修業者6の端末に設けられた各種のイメージ情報データベースに接続される。イメージ情報データベースには、設計図面、構造計算結果、当初建設時の仕様書、施工図面、検査図面或いは完成時の図面及び写真等を含む工事情報などが、物件番号と対応付けされてイメージ情報として記憶される。更に、住宅を建築する際の契約内容を記載した契約書や、点検報告書及び補修報告書はスキャナーによって読み取られてイメージ情報として処理され、物件番号に対応付けされて記憶される。従って、物件番号を特定することで、該物件番号に対応付けされたコード情報とイメージ情報を検索することが可能である。
【0054】
なお、イメージ情報とは、すでにCADによって作成された仕様データ、図面データがある場合、或いは文書がテキストデータである場合は必ずしもイメージデータ化する必要はなくそのままデジタル情報を記憶すれば良く、これを含めたものをいう。また、イメージ情報データベースを各地に設けることは記憶部の記憶容量と記憶させるべきデータ量との関係で決まる問題であり、このイメージ情報データベースを1つに纏め、或いは制御手段9の中に設けても良い。
【0055】
制御手段9は、ソフトウェア処理内容として、点検計画管理部20及び点検履歴管理部30を有している。点検計画管理部20は、点検項目や診断項目、補修項目、増改築項目、アンケート項目等に代表されるコードを入力するコード登録部51と、項目と点検時期の対応表を入力し、或いは出力する様式やフォーマットを規定する出力制御部52と、部位や部品に対応した標準点検期間を登録する点検期間登録部、個別物件の初期のメンテナンスプログラムを計画する点検計画演算処理部、最新補修履歴に対応して次回の点検時期を再設定する点検計画更新演算処理部を含むメンテナンスプログラム計画部53と、点検予定物件を報知する点検予定報知制御部54を有している。点検履歴管理部30は、建物に関する診断情報として報知する対象となるコード情報を登録する報知コード登録部55と、点検コードや診断コード、及び補修コード、アンケートコード等のコードを含むコードを抽出するコード抽出部56と、補修予定物件を報知する補修予定報知制御部58とを有して構成されている。
【0056】
(システムの動作)
次に、上記の如く構成されたネットワークを利用して住宅に対する点検、補修のための情報を管理する手順について説明する。
【0057】
住宅が完成すると、この住宅の建設地や建主或いは所有者等の顧客情報、契約内容や資料、基本図面、検査図面、写真を含む工事情報及び建物の基本仕様等の情報、を含む物件情報が、物件番号と共に本部8の端末に設けた住宅情報管理サーバ11及びメンテナンス管理サーバ12に格納される。この作業は、通常、住宅メーカーに於ける営業部門及び建設部門が使用する顧客管理システムやCADシステム及び工程管理システム、発注管理システム等で入力されたデータを用いて、本部8の端末から入力することにより行われる。
【0058】
制御手段9は、定期的(例えば毎日)に、住宅情報管理サーバ11及びメンテナンス管理サーバ12から、メンテナンスプログラムに従って点検を要する物件を検索する。そして、検索結果を点検業者5の端末に対して選択的に報知する。このとき点検情報と共に、当該住宅の物件情報とイメージ情報、補修履歴などをあわせて抽出し、点検業者5の端末に送信する。
【0059】
点検が終了すると、点検担当者は、点検業者5の端末を操作し、通信手段4を介して制御手段9に接続し、コード情報及びイメージ情報からなる診断情報を住宅固有の物件番号と共に入力する。
【0060】
また制御手段9は同様に、定期的(例えば毎日)に、住宅情報管理サーバ11及びメンテナンス管理サーバ12から、補修を要する診断情報を検索する。そして、検索結果を補修業者6の端末に対して選択的に報知する。このとき診断情報と共に、当該住宅の物件番号によって対応付けされた物件情報、イメージ情報、補修履歴などをあわせて抽出し、補修業者6の端末に送信する。そして補修業者6は、過去の標準設計図や構造計算結果を引き出して増改築の具体的な設計提案を含めた顧客へのサービスに活用することが可能となる。
【0061】
すなわち、点検を要する物件についてはメンテナンステーブルに従って検索されるが、補修を要する物件については診断情報に従って検索される。なお、点検を要する物件の検索と補修を要する物件の検索は別個独立に並列処理されているが、診断情報が入力されたところで即時に補修業者への報知を行うよう構成してもよい。
【0062】
補修が終了すると、補修担当者は、補修業者6の端末を操作し、通信手段4を介して制御手段9に接続し、コード情報及びイメージ情報からなる補修情報を物件番号に対応付けて入力する。即ち、補修部位に対応するコード情報を入力し、更に、補修した部位を撮影した写真、及び補修図面等のイメージ情報を入力し、送信する。
【0063】
制御手段9は、入力された補修情報に対応するコードを取得して物件番号及び点検時期を対応付けしたレコードを生成し、住宅情報管理サーバ11及びメンテナンス管理サーバ12に格納する。
【0064】
また所有者に対してアンケートを行った場合、居住者からの補修や増改築の要望、もしくは事業者の管理下にない補修事実などの情報を得ることができる。このアンケート結果については、点検の際にアンケートを行った点検業者が回収して入力することも可能であるが、所有者10の端末から入力してもらうことも可能である。
【0065】
また上記第一及び第二実施形態にて説明した如く、集団点検が行われた場合には、サブデータベース2から差分更新されることにより、住宅情報管理サーバ11及びメンテナンス管理サーバ12に物件情報、イメージ情報、補修履歴が格納される。また第二実施形態にて説明した如く、局所データベース7(図6参照)からサブデータベース2に一括更新された場合にも、同様にサブデータベース2から住宅情報管理サーバ11及びメンテナンス管理サーバ12に差分更新されることとなるため、同様に補修履歴などが格納される。
【0066】
(メンテナンスプログラムの管理)
上記説明した如く、点検業者への点検情報の送信は、メンテナンスプログラムに従って行われる。従って、いずれの物件においてどの部分をいつ点検すべきかについて、メンテナンスプログラムを整備しておく必要がある。そこで、メンテナンスプログラムの管理について、以下に説明する。
【0067】
まず管理の概要を説明すれば、住宅が完成した後、部分(部材)ごとに定期的に点検すべき経過期間を設定すると共に、夫々の経過期間に応じて重点的に点検すべき項目を設定したメンテナンスプログラムを計画しておく。なお、住宅が完成した後、定期的に点検すべき経過期間としては特に限定するものではなく、住宅の構造や地域等の条件に応じて適宜設定することが可能である。
【0068】
そして、随時、建築物に対する補修履歴を参照して個別のメンテナンスプログラムを再設定するが、その補修履歴には過去に行った定期点検による補修履歴、アンケート等により得た過去の補修の情報、および上記実施形態において説明した集団点検による補修履歴を参照する。集団点検に伴う補修によっても、通常の補修と同様にそこから起算して次の点検、補修等の時期を設定するべきだからである。
【0069】
例えば、躯体が鉄骨造で且つ床、屋根等にコンクリート系のパネルを用いた住宅の場合のメンテナンスプログラムの例について図9により説明する。なお、図9(a)は目的の住宅が竣工したときに、外壁の塗装、屋根防水シート、給水管に対して計画された初期のメンテナンスプログラム、図9(b)は既に建築されて15年が経過した住宅を本発明の管理システムに組み入れたときのメンテナンスプログラム、図9(c)は10年経過の時点で災害による集団補修が行われたときのメンテナンスプログラムを示している。
【0070】
図9(a)に示すように、新築された住宅である場合、まず初めに各部分ごとに点検すべき期間を用いて、メンテナンスプログラムを設定する。例えば本実施形態では、外壁の塗装の場合15年毎に再塗装、屋根防水シートでは30年で交換、給水管は30年で交換としている。なお、本実施形態では説明しない、使用期間の増加に伴って性能が劣化する他の部材にも、予めメンテナンスプログラムを設定する。メンテナンスプログラムの対象となる部材の詳細な名称或いは呼称は特に限定するものではなく、住宅を構成する部材であって、経時的に性能が劣化する部材が対象となる。このように設定したメンテナンスプログラムに従って点検、補修を行うことで、劣化しつつある部材を早い段階で察知し、予備的な且つ予防的なメンテナンスを実施して長期間にわたり初期の性能を維持することが可能となる。
【0071】
そして定期点検に応じて補修が行われると(例えば15年目の外壁の塗装)、補修業者6が補修情報をメンテナンス管理サーバ12に格納し、それに伴い制御手段9がメンテナンスプログラムを再設定する。これにより、次の外壁の塗装についての点検時期は、新築後30年経過時となる。このようにメンテナンスプログラムを再設定することにより、継続的に、適切に点検、補修を行うことができる。
【0072】
図9(b)に示すように、既に建築された住宅を本管理システムに組み入れる場合には、本管理システムを実行するのに必要なコード情報、イメージ情報を設定し、これらの情報を夫々対象となるデータベースに記憶させることで、新築した住宅の場合と同様のメンテナンス管理に移行することが可能である。このとき、住宅の現状を把握してメンテナンスプログラムを計画しておくことが必要となる。このため、本管理システムに組み入れるに際し、対象となる住宅の現状を調査し、また所有者からアンケートを取得し、これらの結果に基づいてメンテナンスプログラムを設定する。
【0073】
例えば、新築後15年経過した住宅を本管理システムに組み入れる場合、その際に定期点検を行う。このとき外壁の塗装が新築後11年目に行なわれたことがわかった場合にはこれを補修履歴としてメンテナンス管理サーバ12に格納する。すると制御手段9のメンテナンスプログラム計画部53においては、外壁の塗装については、予め点検期間登録部に登録した期間(15年)の値に基づいて、点検計画更新演算処理部において再塗装を行なった11年目を起点として次の点検までの期間(26年目)を計算し、メンテナンスプログラムを設定する。また屋根防水シートの場合では、先ず新築時に用いた屋根防水シートの寿命が確認される。この結果、寿命が25年であるとわかった場合、新築後25年目に達したときに交換すること、このときに屋根防水シートの耐用の仕様を変更することがメンテナンスプログラムに設定される。また新築時に用いた給水管の寿命が30年であることが確認された場合、30年目に到達したときに交換することが設定される。
【0074】
上記の如くして、新築後数年経過した住宅であっても、本発明に係る管理システムに組み込むことが可能であり、更に、数十年経過した住宅であっても本管理システムに組み込むことで、全ての所有者に対し、均等で且つ合理的なサービスを提供することが可能となる。
【0075】
また図9(c)に示すように、新築後10年を経過した時点で地震や雹害などの災害が発生し、外壁の塗装、屋根防水シートの交換、給水管の交換がまとめて行われたとする。これらの補修または交換についての補修情報がサブデータベース2からメンテナンス管理サーバ12に更新されると、制御手段9はその部分についての次の点検までの期間を災害が発生した10年目を起点として計算し、メンテナンスプログラムを再設定する。従って例えば外壁の塗装は25年目、40年目に行うように、屋根防水シート及び給水管の交換は40年目に行うようにメンテナンスプログラムを再設定する。
【0076】
メンテナンスプログラムの再設定は、これらの補修情報がメンテナンス管理サーバ12に格納された時点で、制御手段9のうち点検計画管理部20のメンテナンスプログラム計画部53によって処理される(図8参照)。なお、次の点検時期を迎えた物件を検索するに際し、検索する際に補修履歴から都度計算する方法と、あらかじめ計算して日時データとして格納しておきこれを抽出する方法とが考えられるが、本発明はいずれも採用することができ、取り扱う物件の数と制御手段9の処理能力の兼ね合いによりシステムの仕様を決定することができる。
【0077】
【発明の効果】
上記説明した如く、本発明にかかる建築物の集団点検管理システムにおいては、サブデータベースに対して基本情報を事案に応じてグループ化し、検索抽出、情報の入出力を行うように構成したことにより、非常時などの集団点検におけるシステム及び通信手段の負荷を軽減し、集団点検を円滑に行うことができる。
【0078】
また局所データベースに基本情報を格納しておき、当該局所データベースに対してグループ化、検索抽出、情報の入出力を行うように構成したことにより、災害時などにおいて通信不全の場合であっても集団点検を円滑に行うことができる。
【0079】
また本発明に係るメンテナンスプログラム管理システムにおいては、定期的なメンテナンスを行うためのプログラムの管理において、対象となる住宅が新築住宅にのみ限定されることなく、建築後数年或いは数十年経過した住宅であっても、改修や増改築、集団点検や災害による補修履歴を参照することによって、該点検時以降のメンテナンスプログラムを再設定することができ、所有者に対して適切で良好なサービスを実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態に係る建築物の集団点検管理システムの構成を説明するブロック図である。
【図2】通常状態におけるシステムの動作を説明するフローチャートである。
【図3】集団点検の際のシステムの動作を説明するフローチャートである。
【図4】入力表の例を示す図である。
【図5】工程表の例を示す図である。
【図6】第二実施形態に係る建築物の集団点検管理システムの構成を説明するブロック図である。
【図7】第三実施形態に係る管理システムを説明する図である。
【図8】サーバ機能を説明する図である。
【図9】メンテナンスプログラムを説明する図である。
【符号の説明】
1    …メインデータベース
1a  …演算手段
2    …サブデータベース
2a  …制御手段
4    …通信手段
5    …点検業者
6    …補修業者
7    …局所データベース
8    …本部
9    …制御手段
9a  …演算処理部
9b  …記憶部
9c  …入出力部
9d  …表示部
10    …所有者
11    …住宅情報管理サーバ
11a  …演算手段
12    …メンテナンス管理サーバ
12a  …演算手段
20    …点検計画管理部
30    …点検履歴管理部
51    …コード登録部
52    …出力制御部
53    …メンテナンスプログラム計画部
54    …点検予定報知制御部
55    …報知コード登録部
56    …コード抽出部
58    …改修予定報知制御部

Claims (6)

  1. 少なくとも顧客情報、建物構成を含む建築物の物件情報を格納したメインデータベースと、
    前記物件情報の一部である基本情報を格納するサブデータベースと、
    前記メインデータ及びサブデータベースに対し検索、抽出、及び所定の処理を行う制御手段と、
    端末と接続される通信手段とを有し、
    前記制御手段は、
    前記端末から通信手段を介して事案に応じた抽出条件を受信し、
    抽出条件に従って前記メインデータベースから該当する物件情報の基本情報を抽出し、
    前記抽出した基本情報を事案毎にグループ化して前記サブデータベースに格納し、
    前記グループ化した基本情報を前記端末から検索、参照可能とすることを特徴とする建築物の集団点検管理システム。
  2. 前記サブデータベースには、前記端末から前記通信手段を介して受信した修正情報若しくは追加情報を格納することを特徴とする請求項1記載の建築物の集団点検管理システム。
  3. 前記制御手段は、前記メインデータベースに格納された情報と、前記サブデータベースに格納された情報とを、定期的に相互に更新することを特徴とする請求項1記載の建築物の集団点検管理システム。
  4. 通信手段を介して前記サブデータベースに接続され、前記サブデータベースに格納された基本情報の全部または一部を複製して保持する局所データベースを有することを特徴とする請求項1記載の建築物の集団点検管理システム。
  5. 前記制御手段は、前記局所データベースに対してなされた修正情報若しくは追加情報を用いて、前記サブデータベースを更新することを特徴とする請求項4記載の建築物の集団点検管理システム。
  6. コンピュータ装置により個々の建築物に対する点検及び補修の時期及び内容を含むメンテナンスプログラムを管理するシステムであって、
    少なくとも顧客情報、建物構成、建築物の竣工時期を含む建築物の物件情報と、点検、補修、増築の時期および履歴とを格納したメインデータベースと、
    前記物件情報の一部である基本情報を格納するサブデータベースと、
    前記メインデータ及びサブデータベースに対し検索、抽出、及び所定の処理を行う制御手段と、
    点検管理用端末及び補修管理用端末と接続される通信手段とを有し、
    前記制御手段は、メンテナンスプログラムの設定に応じて所定の点検項目を建築物毎に前記点検管理用端末に送信し、該制御手段からの送信に応じて若しくは自発的に前記点検管理用端末から前記メインデータベースに建築物に関する診断情報が入力されたことを検索し、その検索結果を前記補修管理用端末に報知するものであって、
    更に前記制御手段は、建築物の竣工時期を起点として前記メンテナンスプログラムを設定すると共に、建築物に対する補修履歴を参照して前記メンテナンスプログラムを再設定するものであり、前記補修履歴には前記サブデータベースから前記メンテナンスプログラムに対して更新された修正情報若しくは追加情報を含むことを特徴とする建築物のメンテナンスプログラム管理システム。
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