JP2004145254A - 記録材料用支持体及びその製造方法 - Google Patents

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Shinji Fujimoto
藤本 進二
Yasuhiro Ogata
緒方 安弘
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Abstract

【課題】イエロー濃度の低下又は蛍光増白剤の黄変若しくは熱分解などの問題が起こらない記録材料用支持体を提供すること。
【解決手段】紙基体の両面に耐水性樹脂被覆層を設けた記録材料用支持体において、該耐水性樹脂被覆層に接する下塗り層中に蛍光増白剤を含有することを特徴とする記録材料用支持体により課題は解決される。
【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録材料用支持体及びその製造方法に関し、特に、ハロゲン化銀写真感光材料に適した記録材料用支持体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハロゲン化銀写真感光材料等に用いられる記録材料用支持体の白色度を高めるために蛍光増白剤を使用することはよく知られた技術である(例えば、特許文献1〜3参照。)。前記蛍光増白剤は紫外光を吸収し、通常やや青味を帯びた蛍光を発し対象物をより白く見せる効果がある。
【0003】
前記蛍光増白剤を使用する方法の一つとして、ハロゲン化銀乳剤層又はその他の写真塗布層中に水溶性蛍光増白剤又は油溶性蛍光増白剤を添加する方法がある。しかし本方法では、第二次三原色のうちのイエロー濃度が大幅に低下するという問題点があった。
【0004】
前記蛍光増白剤を使用する他の方法として、前記記録材料用支持体の紙基体上に設けられる耐水性樹脂被覆層中に添加する方法が挙げられる。本方法によれば、前記蛍光増白剤は耐水性樹脂中に添加され、紙基体上に被覆される。しかし、前記耐水性樹脂を紙基体上に被覆する場合、該樹脂は約300℃に加熱されて用いられるため、添加された前記蛍光増白剤が熱分解又は黄変するなどの問題点があった。さらに、添加される蛍光増白剤が高価であるという問題もあった。
【0005】
一方、耐水性樹脂で覆われた紙基体を記録材料用支持体として用いた場合、支持体上に設けられる層が支持体から剥離するのを防止する目的で、下塗り層が設けられる。この下塗り層は、ゼラチンなどの親水性コロイド成分と水とからなる下塗り層用塗布液を支持体に塗布することにより形成されるが、下塗り層用塗布液の塗布量が多く、塗布後の乾燥工程における負荷が高いという問題があった。
【0006】
さらに、ハロゲン化銀写真感光材料用支持体として用いられた場合に、支持体上に塗布される親水性コロイド成分の量が多いと、現像処理過程において支持体に吸収される現像液の量が多く、現像処理後の支持体の乾燥負荷が高いという問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開平2−71256号公報
【特許文献2】
特公平3−68370号公報
【特許文献3】
特開昭60−154251号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち本発明は、イエロー濃度の低下または蛍光増白剤の黄変又は熱分解などの問題が起こらない記録材料用支持体を提供する。更に、前記記録材料用支持体を一貫した連続工程により製造する製造方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
<1>紙基体の両面に耐水性樹脂被覆層を設けた記録材料用支持体において、該耐水性樹脂被覆層に接する下塗り層中に蛍光増白剤を含有することを特徴とする記録材料用支持体である。
【0010】
<2>前記記録材料用支持体がハロゲン化銀写真感光材料用支持体であることを特徴とする<1>に記載の記録材料用支持体である。
【0011】
<3>前記蛍光増白剤が水溶性であり、かつ前記下塗り層が蛍光増白剤染着剤を含有することを特徴とする<1>又は<2>に記載の記録材料用支持体である。
【0012】
<4>前記蛍光増白剤染着剤が、ポリビニルピロリドン及び/又はポリビニルアルコールであることを特徴とする<3>に記載の記録材料用支持体である。
【0013】
<5>前記蛍光増白剤が油溶性であり、乳化分散物として存在することを特徴とする<1>又は<2>に記載の記録材料用支持体である。
【0014】
<6>前記下塗り層に含まれる親水性コロイド成分が1.0g/m以下であることを特徴とする<1>乃至<5>のいずれか1つに記載の記録材料用支持体である。
【0015】
<7>前記下塗り層のウエット塗布量が20g/m以下であることを特徴とする<1>乃至<6>のいずれか1つに記載の記録材料用支持体である。
【0016】
<8>前記下塗り層用の塗布液の溶剤が水とアルコールとの混合溶剤からなることを特徴とする<1>乃至<7>のいずれか1つに記載の記録材料用支持体である。
【0017】
<9><1>乃至<8>のいずれか1つに記載の記録材料用支持体の製造方法であって、前記耐水性樹脂被覆層のラミネーション工程から前記下塗り層の塗布乾燥工程までを一貫した連続工程で行うことを特徴とする記録材料用支持体の製造方法である。
【0018】
従来、記録材料用支持体の生産効率や、記録材料用支持体をハロゲン化銀写真感光材料用支持体として用いた場合の現像処理後の乾燥負荷を考慮すると、薄膜中に蛍光増白剤を高濃度で添加し、染着する必要があった。その場合、蛍光の濃度消光や蛍光増白剤の現像液への溶出のため十分な蛍光強度が得られないと考えられたが、本発明においては、薄膜中に蛍光増白剤を高濃度で添加しても十分な効果が得られることがわかった。
また本発明においては、スタチックカブリの問題も発生せず、高品質な記録材料用支持体を安定的に製造することが可能となった。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の記録材料用支持体及びその製造方法について詳細に説明する。本発明の記録材料用支持体は、紙基体の両面に耐水性樹脂被覆層を有し、さらに、該耐水性樹脂被覆層に接する下塗り層中に蛍光増白剤を含有することを特徴とする。
本発明の記録材料用支持体は、ハロゲン化銀写真感光材料用支持体として好適に用いられる。
【0020】
(紙基体)
本発明に基体として用いられる紙は、特に限定されるものではなく、天然パルプ又は合成パルプ等からなる紙を使用できる。
特に好ましい紙基体として、エポキシ化脂肪酸アミドを含有すると共に、pHが5.5〜6.5に調整された紙料から抄紙し、次いでその水分含量を1〜4質量%に調整した後、アルカリ水溶液を用いて表面サイズ処理して、紙面のpHを7〜8に調整した原紙(特願平4−97365号)を挙げることができる。本発明においては、JIS P8119により規定されるベック平滑度が100秒以上の平滑面を有する紙基体が好ましく、特に200秒以上の平滑面を有するものが好ましい。
【0021】
ベック平滑度が100秒以上の紙基体を製造する方法としては、一般的には、短繊維で平滑性の出易い広葉樹パルプを多く用い、叩解機により長繊維分がなるべく少なくなるように叩解する。この場合、パルプの叩解は、叩解後のパルプの繊維長を、42メッシュ残分が20〜45%、濾水度が20〜350CSFとなるようにすることが好ましい。
【0022】
該紙基体の厚みに関しては特に限定はないが、その坪量は40g/m〜250g/mであることが好ましい。
本発明で用いられる紙基体において、記録層が塗布される面と反対の面には、必要に応じて製品名等を印刷しても良い。この場合の印刷方法は、グラビア印刷、フレキソ印刷、凸版印刷又はオフセット印刷等の一般的印刷方法のいずれを用いても良い。
【0023】
(耐水性樹脂被覆層)
前記紙基体は、その両面を耐水性樹脂で被覆される。被覆は、最初に記録層の設けられない裏面に行い、次いで記録層の設けられるおもて面に行う。
特に、おもて面の被覆に際しては、二酸化チタンの微粒子を含有させ、必要に応じて、更にブルーイング剤を含有させることが好ましい。被覆層は、単層とすることも、2層以上の複数層とすることもできる。複数層とする場合には、全ての層を同時に塗布することが、工程数を減らす上から好ましい。
【0024】
使用する耐水性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン系共重合体等のポリオレフィン等が挙げられるが、特に好ましくはポリエチレンを用いる。ポリエチレンは高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン及びこれらポリエチレンの混合物を用いることができる。又、ポリオレフィン樹脂の加工前のメルトフローレート(以下MFRと略す)はJISK 7210の表1の条件4で測定された値で1.2g/10分〜12g/10分の範囲であることが好ましい。
【0025】
耐水性樹脂層に含有されるブルーイング剤としては、一般に知られる群青、コバルトブルー、酸化燐酸コバルト、キナクドリン系顔料等とその混合物が用いられる。ブルーイング剤の粒子径に特に限定はないが、市販のブルーイング剤の粒径は通常0.3μm〜10μm程度であり、この範囲の粒径であれば特に使用上支障がない。また、上下層に異なるブルーイング剤を使用しても良い。
【0026】
本発明の記録材料用支持体の耐水性樹脂被覆層が多層構造を有する場合、ブルーイング剤の含有量は、最上層に0.01〜0.8質量%、好ましくは0.05〜0.6質量%、特に好ましくは0.1質量%〜0.4質量%、又、それより下層側においては0〜0.6質量%好ましくは0.01〜0.45質量%、特に好ましくは、0.05〜0.3質量%含有させるとよい。
【0027】
また、ブルーイング剤と共に耐水性樹脂被覆層に含有される二酸化チタンとしては、アナターゼ型、ルチル型どちらでも良いが、白色度を優先する場合アナターゼ型二酸化チタンを、また鮮鋭度を優先する場合はルチル型二酸化チタンを使用することが好ましい。白色度と鮮鋭度両方を考慮してアナターゼ型二酸化チタン及びルチル型二酸化チタンをブレンドして用いても良いし、上層にアナターゼ型二酸化チタンを、下層にルチル型二酸化チタンを使用しても良い。上、下層の二酸化チタン濃度は、5質量%〜20質量%の間で任意の濃度の二酸化チタンを使用することができる。上、下層の濃度が異なっても良い。
【0028】
使用される二酸化チタンは、一般に二酸化チタンの活性を抑えて黄変を防止するため、その表面に含水酸化アルミニウム、含水酸化珪素等の無機物質で表面処理したもの、或いは多価アルコール、多価アミン、金属石鹸、アルキルチタネート、ポリシロキサン等の有機物質で表面処理したものを使用することができる。表面処理量は二酸化チタンに対して無機物質で0.2質量%〜2.0質量%、有機物質で0.1質量%〜1.0質量%であることが好ましい。二酸化チタンの粒径は0.1μm〜0.4μm程度が好ましい。
【0029】
本発明の少なくとも記録層を塗布する側の耐水性樹脂被覆層には、適宜、公知の酸化防止剤、滑剤、界面活性剤又は無滴剤等の添加剤を含有させることができる。
【0030】
前記酸化防止剤は、樹脂が酸化分解してアルデヒドやケトン等を発生し、これによって写真フィルムにカブリや感度異常が発生するのを防止するために、或いは、非溶解性の異物の発生や着色故障等を防止する観点から添加される。このような酸化防止剤の代表例として、例えば、フェノール系酸化防止剤、ケトンアミン縮合系酸化防止剤、アリルアミン系酸化防止剤、イミダゾール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤又はチオ尿素系酸化防止剤などが挙げられる。
【0031】
前記滑剤は、他の添加剤の混練性を向上させるために添加される。前記滑剤の代表例として、例えば、脂肪酸アミド系滑剤、シリコーン系滑剤、非イオン界面活性剤系滑剤、炭化水素系滑剤、脂肪酸系滑剤、エステル系滑剤、アルコール系滑剤又は金属石鹸などが挙げられる。
【0032】
前記界面活性剤は、無機顔料その他の添加物の樹脂中における分散性を良好なものにしたり、帯電防止を目的として使用することが好ましい。これらの界面活性剤は、当業界において公知の非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤の中から適宜選択して用いることができる。
【0033】
本発明においては、耐水性樹脂被覆層の基紙に対する接着性を改善するために、前記耐水性樹脂被覆層中に酸変性熱可塑性樹脂、特に、酸変性ポリオレフィン樹脂を添加することが好ましい。上記の酸変性ポリオレフィン樹脂とは、例えば、ポリオレフィン樹脂を不飽和カルボン酸類を用いてグラフト変性した樹脂であり、具体的には、グラフト変性ポリエチレン樹脂、グラフト変性ポリプロピレン樹脂及びグラフト変性エチレン共重合体樹脂を挙げることができる。
【0034】
前記紙基体への耐水性樹脂被覆層の形成は、逐次ラミネート法又はフィートブロックタイプ、マルチマニホールドタイプ、マルチスロットタイプの多層押出ダイによるラミネート法のいずれかの方法により塗布形成される。
【0035】
多層押出用ダイの形状としてはTダイ、コートハンガーダイ等が一般的であり、特に限定を受けない。耐水性樹脂の加熱溶融押出時の出口温度は通常、280℃〜340℃、特に好ましくは310℃〜330℃である。また、樹脂を紙基体に被覆する前に、紙基体にコロナ放電処理、火炎処理、グロー放電処理などの活性化処理を施すことが好ましい。
【0036】
前記耐水性樹脂被覆層の被覆厚さは、記録層の塗布されるおもて面では、10μm〜60μmの範囲が好ましく、特に20μm〜50μmの範囲が好ましい。また、裏面には、5μm〜50μmの範囲が好ましく、特に好ましくは10μm〜40μmの範囲である。
【0037】
(蛍光増白剤)
前記下塗り層は蛍光増白剤を含有することを特徴とする。該蛍光増白剤は、水溶性か、又は油溶性蛍光増白剤を用いることができる。
前記水溶性蛍光増白剤としては、下記一般式(1)で表される化合物を用いることができる。
【0038】
【化1】
Figure 2004145254
【0039】
ここで、R21、R22、R23及びR24は、それぞれ同じか又は異なっていてもよい。R21〜R24は、例えば、水素原子、ハロゲン原子、置換または無置換のアルキル基(例えばエチル基、2−エチルアミノエチル基)、置換または無置換のアリール基(例えばフェニル基)、置換または無置換のアルキルアミノ基(例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジエチルアミノ基、β−ヒドロキシエチルアミノ基、ジ−β−ヒドロキシエチルアミノ基、β−スルホエチルアミノ基)、置換または無置換のアリールアミノ基(例えばアニリノ基、o−、m−またはp−スルホアニリノ基、o−、m−またはp−クロロアニリノ基、o−、m−またはp−アニシジノ基、o−、m−またはp−トルイジノ基、o−、m−またはp−カルボキシアニリノ基、ヒドロキシアニリノ基、スルホナフチルアミノ基、o−、m−またはp−アミノアニリノ基、o−アセトアミノ−アニリノ基など)、ヘテロ環基(例えばモルホリニル基、ピペリジル基など)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基など)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基、トリルチオ基など)、アルキルオキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基など)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基、ナフトキシ基、o−トロキシ基、p−スルホフェノキシ基など)、ヘテロシクリルチオ基(例えばベンゾチアゾイルチオ基、ベンゾイミダゾイルチオ基、フェニルテトラゾリルチオ基など)、シクロヘキシルアミノ基を表す。
【0040】
以下に、一般式(1)で表される水溶性蛍光増白剤の具体例を示すが、本発明は下記化合物に限定されるものではない。
【0041】
【表1】
Figure 2004145254
【0042】
【表2】
Figure 2004145254
【0043】
【表3】
Figure 2004145254
【0044】
【表4】
Figure 2004145254
【0045】
また、前記水溶性蛍光増白剤としては、以下の化合物を用いることもできる。
【0046】
【化2】
Figure 2004145254
【0047】
【化3】
Figure 2004145254
【0048】
【化4】
Figure 2004145254
【0049】
前記油溶性蛍光増白剤としては、下記一般式(2)〜(5)で表される化合物を用いることができる。
【0050】
【化5】
Figure 2004145254
【0051】
ここで、Y及びYはアルキル基、Z及びZは水素原子又はアルキル基、nは1又は2、R、R、R及びRは水素原子、アリール基、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、カルボキシル基、アミド基、エステル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基又はジアルキルスルホニル基である。R及びRは、水素原子、メチル基、エチル基等のアルキル基又はシアノ基である。R15はアミノ基又は有機一級若しくは二級アミンである。R16はフェニル基、ハロゲン原子又はアルキル置換フェニル基である。これらの基は更に置換基を有していてもよい。
【0052】
以下に、一般式(2)〜(5)で表される油溶性蛍光増白剤の具体例を示すが、本発明は下記化合物に限定されるものではない。
【0053】
【化6】
Figure 2004145254
【0054】
【化7】
Figure 2004145254
【0055】
【化8】
Figure 2004145254
【0056】
【化9】
Figure 2004145254
【0057】
また、前記油溶性蛍光増白剤としては、以下の化合物を用いることもできる。
【0058】
【化10】
Figure 2004145254
【0059】
前記蛍光増白剤の添加量は、5〜300mg/m、好ましくは10〜200mg/m、より好ましくは20〜100mg/mである。
【0060】
(蛍光増白剤染着剤)
蛍光増白剤として水溶性蛍光増白剤を用いる場合、前記下塗り層中には蛍光増白剤染着剤を含有させることが好ましい。
蛍光増白剤染着剤を下塗り層中に含有させることにより、蛍光増白剤の効果を増進させることができる。
前記蛍光増白剤染着剤としては、特公昭43−13498号、同43−22882号、米国特許第3,052,544号、同第3,666,470号、同第3,167,429号、同第3,168,403号、同第3,252,801号の各明細書に記載されているビニルピロリドン系ポリマー、米国特許第2,448,507号、同第2,448,508号、同第2,721,852号の各明細書に記載されているピリジン系ポリマー、米国特許第3,341,332号明細書に記載されているモルホリン系ポリマー、米国特許第3,006,762号明細書に記載されているオキサゾリジン系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー等を使用することができる。この中でも、下記繰返し単位の構造を持つポリビニルピロリドン及び/又はポリビニルアルコールが好ましい。
【0061】
【化11】
Figure 2004145254
【0062】
前記蛍光増白剤染着剤は高分子量のものが好ましく、例えばポリビニルピロリドンであればその分子量は100000以上が好ましく、1000000以上が特に好ましい。蛍光増白剤染着剤が高分子量であると、蛍光増白剤の染着効果に優れるため好ましい。
前記蛍光増白剤染着剤の添加量は、0.05〜3g/mが好ましく、特に好ましくは0.1〜1g/mである。前記蛍光増白剤染着剤の添加量が0.05〜3g/mであると、蛍光増白剤の染着効果に優れるため好ましい。
【0063】
(乳化分散物)
蛍光増白剤として油溶性蛍光増白剤を用いる場合、前記油溶性蛍光増白剤は、前記下塗り層中に乳化分散物として存在することが好ましい。
前記油溶性蛍光増白剤の乳化分散方法としては、例えば、フタール酸アルキルエステル(ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなど)、リン酸エステル(トリクレジスフオスフエート、ジオクチルブチルフオスフエートなど)、クエン酸エステル(例えばアセチルクエン酸トリブチルなど)、安息香酸エステル(例えば安息香酸オクチル)、アルキルアミド(例えばジエチルラウリルアミド)、脂肪酸エステル(例えばジブトキシエチルサクシネート)、トリメシン酸エステル類(例えばトリメシン酸トリブチル)、塩素化パラフイン(例えばエンパラ40(味の素(株)製)など)等の高沸点有機溶剤を単独か、または、前記高沸点有機溶剤と沸点約30℃ないし150℃の有機溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチルなどの低級アルキルアセテート、プロピオン酸エチル、2級ブチルアルコール、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルセロソルブアセテート等)とを併用して前記油溶性蛍光増白剤を溶解させたのち、ボールミル等の公知の分散手段を用いて親水性コロイド水溶液(例えば界面活性剤を含むゼラチン水溶液)に分散させて乳化分散物を得ることができる。
【0064】
(親水性コロイド成分)
前記下塗り層は親水性コロイド成分を含有することが好ましい。前記親水性コロイド成分としては、写真材料などに通常用いられる親水コロイド形成材料ならばいずれも用いることができる。例えば、ゼラチン等の天然高分子化合物又は、ポリビニルアルコール若しくはポリビニルピロリドン等の合成高分子等を挙げることができる。
前記ゼラチンとしては、いわゆる石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン及びゼラチン分子中に含まれる官能基としてのアミノ基、イミノ基、ヒドロキシル基またはカルボキシル基をそれらと反応しうる基を1個持った試薬で処理、改質したゼラチン誘導体、又はゼラチン側鎖にカルボキシル基を増すような試薬例えばフタル酸無水物、コハク酸無水物、トリメリット酸無水物で処理したフタル化ゼラチン、コハク化ゼラチン、トリメリット化ゼラチン等の変性ゼラチン等、当業界で一般に用いられているものはいずれも用いることができる。
【0065】
前記下塗り層中に含まれる親水性コロイド成分は、1.0g/m以下が好ましく、0.5g/m以下が特に好ましい。
親水性コロイド成分の含有量を1.0g/m以下にすることにより、本発明の記録材料用支持体製造時の乾燥工程において、乾燥負荷を軽減することができ、その結果として記録材料用支持体の生産効率を向上させることができる。さらに、本発明の記録材料用支持体をハロゲン化銀写真感光材料用支持体として用いた場合、現像処理後の乾燥負荷が軽減される。
【0066】
これら親水性コロイド成分は、蛍光増白剤染着剤又は乳化分散物における親水性コロイド水溶液として下塗り層中に存在していてもよい。
【0067】
前記下塗り層中には、硬膜剤を添加してもよい。本発明の硬膜剤としては、前記水溶性コロイド成分等と反応して硬膜するものであれば、制限なく使用できるが、例えばアジリジン系、エポキシ系、ビニルスルホン系、アクリロイル系、クロロトリアジン系、メタンスルホン酸エステル系、イソシアナート系、カルボジアイミド系、マレイミド系、アルデヒド系、ケトン系、高分子系、無機化合物系など写真工業分野で使用されているものが挙げられ、リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclosure)No.17643.26項、同No.18716,651項及びThe Theory of the Photographic process 3rd.Ed.,54項(Macmillan社刊)等に記載されている。これらの中でも水により失活しにくい硬膜剤、特にビニルスルホン系、クロロトリアジン系が好ましく、これらを単独または併用して使用することがより望ましい。
【0068】
また、前記下塗り層中には、塗布助剤としての界面活性剤、染料、かぶり防止剤、pH調整剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤又は白色顔料等を添加することができる。
【0069】
前記下塗り層は、耐水性樹脂被覆層を設けた紙基体上に下塗り層用塗布液を塗布し乾燥することにより形成される。
前記下塗り層用塗布液に用いられる溶剤は、水とアルコールとの混合溶剤からなることが好ましい。該アルコールとして、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール又はt−ブタノール等を挙げることができる。この中でもメタノールを用いるのが好ましい。
また、水とアルコールの混合比は、質量比で90:10〜10:90が好ましく、70:30〜30:70が特に好ましい。
【0070】
前記下塗り層用塗布液を塗布する方法は、一般に良く知られた方法、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ドクターコート法、ワイヤーバーコート法、スライドコート法、グラビアコート法、或いは米国特許第2,681,294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート法等により塗布することが出来る。必要に応じて、米国特許第2,761,791号、同第3,508,947号、同第2,941,898号、及び同第3、526、528号明細書、原崎勇次著「コーティング工学」253頁(1973年朝倉書店発行)等に記載された方法等により2層以上に分けて、同時に塗布することも可能であり、塗布量、塗布速度等に応じて適切な方法を選ぶことができる。
【0071】
前記下塗り層用塗布液のウエット塗布量は20g/m以下であることが好ましく、さらに好ましくは10g/m以下である。
ウエット塗布量を20g/m以下にすることにより、下塗り層用塗布液の塗布後の乾燥工程において、乾燥負荷を小さくすることができ、その結果として記録材料用支持体の生産効率を向上させることができる。
【0072】
前記下塗り層の膜厚は、0.1〜4μmが好ましく、0.3〜2μmが特に好ましい。前記下塗り層の膜厚を0.1〜4μmの範囲とすることにより、塗布液の粘度を適正領域に制御しやすくなり、良好な塗布面状を得ることが可能となる。
【0073】
前記下塗り層塗布後の乾燥温度は、乾燥方法、塗布液に含まれる溶媒や、塗膜の厚み等によっても異なるが、50〜120℃が好ましく、60〜100℃がより好ましい。
【0074】
(記録材料用支持体の製造方法)
本発明の記録材料用支持体の製造方法は、前記紙基体への耐水性樹脂被覆層のラミネーション工程と前記下塗り層塗布乾燥工程とを、巻き取り工程等を介在させることなく一貫した連続工程で行うことを特徴とする。前記2つの工程を連続して行うことにより、記録材料用支持体の製造効率を向上させることができる。
【0075】
本発明の記録材料用支持体をハロゲン化銀写真感光材料用支持体に用いる場合、前記下塗り層上にはハロゲン化銀乳剤層等が設けられる。該ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化学熟成及び分光増感を行ったものを使用する。このような工程で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロージャーNo.17643、同No.18716及び同No.307105に記載されており、その該当箇所を下記表5にまとめた。
【0076】
【表5】
Figure 2004145254
【0077】
前記感光材料には、感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、粒子サイズ分布、ハロゲン組成、粒子の形状、感度の少なくとも1つの特性の異なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用することができる。例えば、米国特許第4,082,553号明細書に記載された粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、米国特許第4,626,498号明細書及び特開昭59−214852号公報に記載された粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子及びコロイド銀等を、感光性ハロゲン化銀乳剤層及び/又は実質的に非感光性の親水性コロイド層に好ましく使用できる。
【0078】
粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子とは、感光材料の未露光部及び露光部を問わず、一様に(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のことをいう。粒子内部または表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子の調製法は、米国特許第4,626,498号明細書及び特開昭59−214852号公報に記載されている。粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハロゲン化銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、同一のハロゲン組成をもつものでも異なるハロゲン組成をもつものでもよい。
【0079】
粒子内部又は表面をかぶらせたハロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀のいずれをも用いることができる。これらのかぶらされたハロゲン化銀粒子の粒子サイズは特に限定されないが、平均粒子サイズとしては0.01〜0.75μmであることが好ましく、特に0.05〜0.6μmであることが好ましい。また、粒子形状についても特に限定はなく、規則的な粒子でも良い。また、乳剤は多分散乳剤でも良いが、単分散(ハロゲン化銀粒子の質量又は粒子数の少なくとも95%が平均粒子径の±40%以内の粒子径を有するもの)であることが好ましい。
【0080】
塗布銀量は6.0g/m以下であることが好ましく、特に、4.5g/m以下とすることが好ましい。乳剤層の上には、通常の如く、保護層を設け、スリットして製品とする。
【0081】
本発明の記録材料用支持体は、ハロゲン化銀写真感光材料用支持体だけでなく、昇華型プリンター、熱転写型プリンター、感熱方式プリンター又はインクジェットプリンター等の各種プリンター用紙の支持体としても用いることができる。
【0082】
【実施例】
以下本発明を、実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0083】
〔実施例1〕
(記録材料用支持体の製造)
坪量170g/mの紙基体の記録層の設けられない裏面に高密度ポリエチレン(HDPE)と、低密度ポリエチレン(LDPE)との混合樹脂を溶融押出しラミネートし、冷却エンボスロールで型付けした。次に、記録層の設けられるおもて面に二酸化チタンを12質量%含有するLDPE混合物を30μmの厚みでラミネートし、冷却エンボスロールで型付けした後、おもて面のポリエチレン表面にグロー放電処理を施し以下の内容の下塗り層用塗布液1をグラビア塗布機を用いて塗布乾燥して、記録材料用支持体を得た。この際の下塗り層用塗布液1のウエット塗布量は5g/mであった。なお、以上の工程は紙基体を一旦巻き取ることなく一貫した連続工程で行った。
【0084】
<下塗り層用塗布液1>
イオン交換水            38.3質量部
メタノール             45.9質量部
ポリビニルピロリドン(分子量:150万)
(PVP−K90;ISP社製)   5.0質量部 (0.25g/m
18質量%ゼラチン水溶液       9.2質量部
下記蛍光増白剤A           1.66質量部 (80mg/m
【0085】
【化12】
Figure 2004145254
【0086】
(記録層の形成)
上記記録材料用支持体上に形成された下塗り層の上に写真構成層を設けることにより写真用カラー印画紙を作製した。写真構成層は特開2000−352805号公報の段落番号〔0168〕〜〔0196〕に記載の処方と同様にして形成した。
【0087】
〔実施例2〕
以下の内容の下塗り層用塗布液2を使用し、下塗り層用塗布液2のウエット塗布量を20g/mとした以外は実施例1と同様にして写真用カラー印画紙を作製した。
<下塗り層用塗布液2>
イオン交換水           188.1質量部
メタノール            195.6質量部
ポリビニルピロリドン(分子量:150万)
(PVP−K90;ISP社製)   5.0質量部 (0.25g/m
18質量%ゼラチン水溶液       9.2質量部
前記蛍光増白剤A           1.66質量部 (80mg/m
【0088】
〔実施例3〕
以下の内容の下塗り層用塗布液3を使用し、下塗り層用塗布液3のウエット塗布量を5g/mとした以外は実施例1と同様にして写真用カラー印画紙を作製した。
<下塗り層用塗布液3>
イオン交換水            38.3質量部
メタノール             45.9質量部
ポリビニルピロリドン(分子量:10000)
(PVP−K15;ISP社製)  5.0質量部 (0.25g/m
18質量%ゼラチン水溶液      9.2質量部
前記蛍光増白剤A          1.66質量部 (80mg/m
【0089】
〔比較例1〕
以下の内容の下塗り層用塗布液4を使用し、下塗り層用塗布液4のウエット塗布量を5g/mとし、記録材料用支持体を作成した。さらに、前記写真構成層における混色防止層に前記蛍光増白剤Aを、保護層にポリビニルピロリドン
(分子量:150万、製品名PVP−K90;ISP社製)を面積当たりの塗設量がそれぞれ80mg/m及び0.25g/mとなるように添加した以外は実施例1と同様にして写真用カラー印画紙を作製した。
<下塗り層塗布液4>
イオン交換水              8.0質量部
メタノール              45.8質量部
18質量%ゼラチン水溶液       46.2質量部
【0090】
実施例及び比較例における下塗り層の概略を表6に示す。
【0091】
【表6】
Figure 2004145254
【0092】
前記記録材料用支持体製造時の乾燥負荷の評価を行った。さらに、前記写真用カラー印画紙を用いた白色度及びY(イエロー)濃度の評価を行った。
【0093】
(記録材料用支持体製造時の乾燥負荷の評価)
記録材料用支持体製造時の乾燥負荷は、70℃の乾燥温度において、乾燥に要する時間により評価された。評価基準を以下に示す。
◎:30秒以内。
○:1分以内。
△:2分以内。
×:2分以上。
【0094】
(白色度の評価)
白色度は、色評価用蛍光灯F8の元、目視により評価された。評価基準を以下に示す。
○:十分満足。
△:許容。
×:不満足。
【0095】
(Y濃度の評価)
Y濃度は、色分解フィルターと諧調ウエッジを介して前記写真用カラー印画紙を露光した後現像処理を行い、Yベタ部分の光学濃度低下を比較することにより評価された。光学濃度低下は、蛍光増白剤を全く含まない印画紙サンプルに対するYベタ部分の光学濃度差により求めた。
評価基準を以下に示す。
○:光学濃度低下が0.1未満。
×:光学濃度低下が0.1以上。
なお、光学濃度の評価は、Xライト社製、カラー透過・反射濃度計310にてイエロー反射濃度を測定することにより行った。
【0096】
上記評価結果を表6に示す。
【0097】
〔実施例4〕
(記録材料用支持体の製造)
坪量170g/mの紙基体の記録層の設けられない裏面に高密度ポリエチレン(HDPE)と、低密度ポリエチレン(LDPE)との混合樹脂を溶融押出しラミネートし、冷却エンボスロールで型付けした。次に、記録層の設けられるおもて面に、アナターゼ型二酸化チタン15質量部と、LDPE85質量部とを含有するLDPE混合物を30μmの厚みでラミネートし、冷却エンボスロールで型付けした後、おもて面のポリエチレン表面にグロー放電処理を施し以下の内容の下塗り層用塗布液5をグラビア塗布機を用いて塗布乾燥して、記録材料用支持体を得た。この際の下塗り層用塗布液5のウエット塗布量は20g/mであった。なお、以上の工程は紙基体を一旦巻き取ることなく一貫した連続工程で行った。
【0098】
<下塗り層用塗布液5>
−油相液の調整−
酢酸エチル200質量部と、TCP(大八化学社製)192質量部と、下記蛍光増白剤B8質量部とを混合し、油相液を調整した。
【0099】
【化13】
Figure 2004145254
【0100】
−水相液の調整−
水1025質量部と、15質量%ゼラチン水溶液800質量部と、10質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液175質量部とを混合し、水相液を調整した。
−乳化液の調整−
前記水相液54質量部と、前記油相液216質量部とを40℃に加熱しながらホモジナイザーで3000rpmで5分間攪拌、乳化した後、60℃で2時間攪拌しながら酢酸エチル成分を脱溶媒して乳化液を調製した。
−下塗り層用塗布液の調整−
水53.84質量部と、15質量%ゼラチン水溶液11.08質量部と、前記乳化液33.73質量部と、エチレンオキサイド系界面活性剤(1.66%メタノール溶液)1.35質量部とを混合し、下塗り層用塗布液5を調整した。
【0101】
〔実施例5〕
下塗り層用塗布液として、下記下塗り層用塗布液6を用いた以外は実施例4と同様にして記録材料用支持体を作製した。この際の下塗り層用塗布液6のウエット塗布量は20g/mであった。
<下塗り層用塗布液6>
−油相液の調整−
酢酸エチル200質量部と、TCP(大八化学社製)192質量部と、上記蛍光増白剤B8質量部とを混合し、油相液を調整した。
−水相液の調整−
水891.15質量部と、ゴーセファイマーZ210(12.85質量%溶液)(日本合成化学工業(株)製)933.85質量部と、10質量%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液175質量部とを混合し、水相液を調整した。
−乳化液の調整−
前記水相液54質量部と、前記油相液216質量部とを40℃に加熱しながらホモジナイザーで3000rpmで5分間攪拌、乳化した後、60℃で2時間攪拌しながら酢酸エチル成分を脱溶媒して乳化液を調製した。
−下塗り層用塗布液の調整−
水51.98質量部と、ゴーセファイマーZ210(12.85質量%溶液)(日本合成化学工業(株)製)12.93質量部と、前記乳化液33.73質量部と、エチレンオキサイド系界面活性剤(1.66%メタノール溶液)1.35質量部とを混合し、下塗り層用塗布液6を調整した。
【0102】
〔比較例2〕
実施例4の記録材料用支持体の製造において、LDPE混合物として、アナターゼ型二酸化チタン15質量部と、LDPE85質量部と、上記蛍光増泊剤B0.10質量部とを含有するLDPE混合物を用い、かつ下塗り層を形成しなかった以外は実施例4と同様にして記録材料用支持体を作製した。
【0103】
実施例4,5及び比較例2における耐水性樹脂被覆層及び下塗り層の概略を表7に示す。
【0104】
【表7】
Figure 2004145254
【0105】
実施例4、5及び比較例2の記録材料用支持体を用いた蛍光強度及び黄変の評価を行った。結果を表7に示す。
【0106】
(蛍光強度評価)
カラーアナライザーC−2000S(光源D65:日立)を用いて、記録材料用支持体の435nmにおける反射率と、蛍光増白剤を含有していない下記構成のサンプルAの435nmにおける反射率を測定した。
記録材料用支持体の反射率と、下記サンプルAの反射率との差が10%以上を○、それ以下を×と評価した。
【0107】
−サンプルAの構成−
実施例4の記録材料用支持体の製造において、下塗り層を形成しない以外は実施例4と同様にして蛍光増白剤を含有していないサンプルAを作成した。
【0108】
(黄変評価)
記録材料用支持体を、100℃の環境下に24時間放置した際のY濃度の変化により黄変評価を行った。放置前後の濃度変化が0.01未満の場合を○、0.03未満の場合を△、0.03以上の場合を×と評価した。
Y濃度は、Xライト社製カラー・透過反射濃度計310にて測定した。
【0109】
【発明の効果】
本発明によれば蛍光増白剤は下塗り層中に含有されるため、蛍光増白剤の黄変又は熱分解などの問題を起こすことがなく、Y濃度及び白色度に優れる記録材料用支持体を得ることが可能となる。

Claims (9)

  1. 紙基体の両面に耐水性樹脂被覆層を設けた記録材料用支持体において、該耐水性樹脂被覆層に接する下塗り層中に蛍光増白剤を含有することを特徴とする記録材料用支持体。
  2. 前記記録材料用支持体がハロゲン化銀写真感光材料用支持体であることを特徴とする請求項1に記載の記録材料用支持体。
  3. 前記蛍光増白剤が水溶性であり、かつ前記下塗り層が蛍光増白剤染着剤を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録材料用支持体。
  4. 前記蛍光増白剤染着剤が、ポリビニルピロリドン及び/又はポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項3に記載の記録材料用支持体。
  5. 前記蛍光増白剤が油溶性であり、乳化分散物として存在することを特徴とする請求項1又は2に記載の記録材料用支持体。
  6. 前記下塗り層に含まれる親水性コロイド成分が1.0g/m以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の記録材料用支持体。
  7. 前記下塗り層のウエット塗布量が20g/m以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の記録材料用支持体。
  8. 前記下塗り層用の塗布液の溶剤が水とアルコールとの混合溶剤からなることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の記録材料用支持体。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の記録材料用支持体の製造方法であって、前記耐水性樹脂被覆層のラミネーション工程から前記下塗り層の塗布乾燥工程までを一貫した連続工程で行うことを特徴とする記録材料用支持体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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