JP2004144684A - 原子炉格納容器ヘッド吊上げ方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】原子炉格納容器ヘッドをクレーンで吊上げた状態で、各吊点に取り付けられた治具により軽弱な力で水平度調整を行う。
【解決手段】クレーン12より天秤31を介して多点で吊下げた原子炉格納容器ヘッド11の各吊点に、ウォームホイールギア機構の操作によりケーシングから出入されて突出長さを可変とする伸縮型調整治具40を吊下げる。当該伸縮型調整治具40は、軽弱な力で吊点の長さ調整を行うことができるため、原子炉格納容器ヘッド11を吊上げた状態で水平度調整を行うことができる。また、調整治具のウォームにアクチュエータを接続し、水平度測定手段32の検出値に基づいて制御手段33からアクチュエータの制御信号を出力するようにすれば、水平度調整の自動化を図ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】クレーン12より天秤31を介して多点で吊下げた原子炉格納容器ヘッド11の各吊点に、ウォームホイールギア機構の操作によりケーシングから出入されて突出長さを可変とする伸縮型調整治具40を吊下げる。当該伸縮型調整治具40は、軽弱な力で吊点の長さ調整を行うことができるため、原子炉格納容器ヘッド11を吊上げた状態で水平度調整を行うことができる。また、調整治具のウォームにアクチュエータを接続し、水平度測定手段32の検出値に基づいて制御手段33からアクチュエータの制御信号を出力するようにすれば、水平度調整の自動化を図ることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子炉格納容器ヘッドを吊上げた状態で水平度を調整する原子炉格納容器ヘッド吊上げ方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、原子力発電所において、原子炉格納容器(Primary Containment Vessel:以下、PCVという)内を定期点検する場合に、頂部のPCVヘッドを取り外し、定期点検中は原子炉建屋内の所定位置に仮置きしておく。定期点検終了後は仮置台に接地しているPCVヘッドを天井クレーンで吊上げ、PCVに復帰している。吊上げをする際は、PCVヘッドの水平度を許容値内にしなければならないが、従来方法は図3と図4に示すように行われていた。
【0003】
原子炉圧力容器10などを覆うPCVヘッド11を天井クレーン12により天秤31を介して多点吊で吊上げる。各吊点にはターンバックル13が配設され、これらのターンバックル13を操作することにより、PCVヘッド11の水平度を調整する。しかしながら、例えば荷重が45トンもあるPCVヘッド11を、人力によりターンバックル13を回転させて水平調整することは大重量のため不可能であった。そのため、水平床14上にあるPCVヘッド仮置台15にPCVヘッド11が接地し、ターンバックル13に強大な張力が作用しない状態で、作業者がPCVヘッド11に上がり、バールをターンバックル13の隙間Aに差し込み、ターンバックル13を回し各吊点の長さを調整していた。ターンバックル13の調整が終わると天井クレーン12によりPCVヘッド11を吊上げ、途中で停止させる。吊上げた状態でPCVヘッド11の底面に水準器をあて水平度の許容値内に入っているか確認し、水平レベルが許容値内にあれば天井クレーン12により吊上げを再開しPCV16に復帰していた。
また、重量物の吊上げ装置に関する自動水平度調整装置については特許文献1が挙げられる。この発明はクレーン等で吊り荷を移動させる際の水平度調整手段として、吊りスリングに取り付けてあるバランサを移動して吊り荷の水平度を自動調整する装置である。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−162972
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、PCVヘッド11の水平度調整後に天井クレーン12で吊上げる際は、クレーンフック17と天秤31側のピン18が常に同じ位置で噛み合わないため、僅かだけずれる場合がある。このときはPCVヘッド11の水平度がずれてしまい水平度が許容値内に入らなくなってしまう。この場合、PCVヘッド11を水平床14のPCVヘッド仮置台15に再び降し、再度ターンバックル13で水平度を調整していた。この作業は水平度が許容値内に入るまで続き、作業の労力と時間の負担が大きくなっていた。
【0006】
本発明は前記従来技術の欠点を解消するために、PCVヘッドを天井クレーンで吊上げた状態で、各吊点にPCVヘッドの大重量が加わっているにもかかわらず、PCVヘッドの水平度を容易に調整することができる原子炉格納容器ヘッド吊上げ方法を提供することを目的とする。さらに、PCVヘッドを天井クレーンで吊上げた状態でPCVヘッドの水平度を自動で調整することができる原子炉格納容器ヘッド吊上げ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る原子炉格納容器ヘッド吊上げ方法は、クレーンにより天秤を介して多点吊りした原子炉格納容器ヘッドを水平調整する方法であって、各吊点に配設された伸縮型調整治具の長さをウォームホイールギア機構の操作で調整することにより前記クレーンにより原子炉格納容器ヘッドを吊上げた状態において原子炉格納容器ヘッドの水平調整をなすようにしたことを特徴とする。
この場合において、前記ウォームホイールギア機構の操作を、ウォームに接続したアクチュエータにより行えるように構成できる。
【0008】
更に、本発明に係る原子炉格納容器ヘッド吊上げ装置は、クレーンにより天秤を介して多点吊りした原子炉格納容器ヘッドを水平調整する原子炉格納容器ヘッド吊上げ装置であって、各吊点にウォームホイールギア機構による操作によりケーシングから出入されて突出長さを可変とする伸縮型調整治具を配設し、当該調整治具のウォームには回転駆動用のアクチュエータを接続し、前記原子炉格納容器ヘッドに装着した水平レベルセンサによる検出値に基づき前記アクチュエータへの駆動信号を出力する制御手段を備えたことを特徴としている。
【0009】
【作用】
上記のごとく構成した本発明により、吊上げ重量物であるPCVヘッドのウォームギヤを回転操作することにより、吊上げた状態で軽微な力で水平度調整を行うことができる。ウォームギヤを回転操作するのにアクチュエータを用いればより簡便となる。また、吊上げた状態で水平度調整を行うので、1度の吊上げで水平調整を行える。これにより、作業労力と作業時間を削減できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係るPCVヘッド吊上げ方法および装置についての実施の形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1はPCVヘッド11の水平調整する吊上げ装置を用いてPCVヘッド11を吊上げたときの状態図である。PCVヘッド11を吊上げ時に使う天井クレーン12により、吊上げ天秤31を吊下げている。天秤31にPCVヘッド11の大きさに合わせた数の吊点を設定し、各吊点に調整治具40を介して直接吊下げている。図2(a)に調整治具40の正面図、図2(b)に断面図を示す。調整治具40はケーシング41の内部に軸42を有し、軸42がケーシング41に対し上下に移動することにより、調整治具40の長さが変化する。各吊点に吊下げられた調整治具40の長さを調整することにより、PCVヘッド11の水平度を調整できる。この調整治具40の下にPCVヘッド11を吊下げる構成となっている。
【0011】
軸42にはケーシング41内部側の下半部におねじが切ってあり、このおねじ部分にケーシング内部でナット43が噛みあっている。ナット43はケーシング41内部で軸42と共に移動せず、ナット43の水平方向に回転するようケーシング41に設置されている。このナット43が水平方向に回転すると、ナット43の内部で噛みあっている軸42が上方向または下方向に動く。軸42の下部にはナット43の回転と共に軸42も回転してしまうのを防ぐ回転防止手段44が設けられているので、吊点がねじれることはない。ナット43の外側には垂直な向きにねじ43Aが切ってあり、その外側のねじ43Aと噛み合うようにウォーム45が設置されている。ウォーム45の端には六角ボルト46が取り付けられ、六角ボルト46を回転させるときに使う図示しないレバーが取り付けられる構成となっている。軸42にはケーシング41とナット43から外れない位置にストッパ47が取り付けられているので、レバーを回転させすぎて軸42がケーシング41から抜けることはない。
【0012】
また、前記レバーを使ってウォーム45を回転させる代わりに、ウォーム45にアクチュエータを接続して調整治具の長さを調整する構成とすることもできる。
上記構成をとるPCVヘッド吊上げ装置において、まず、天井クレーン12によりPCVヘッド11を吊上げ、途中で吊上げを停止させる。吊上げた状態で水平度測定手段32により水平度が許容値内に入っているか確認する。水平度測定手段32は水準器などのPCVヘッド11が水平度の許容値内に入っていることを確認できる手段であればよい。また、PCVヘッド11を吊上げた状態で水平度を測定するため、水平度測定手段32に遠隔にいる監視者のもとへ計測値を伝送する伝送手段を設け、遠隔より確認できる手段としてもよい。
【0013】
PCVヘッド11の水平度が許容値内に入っていなければ、各吊点に設置された調整治具40を水平度の許容値内に入れるよう調整する。このときの調整は作業者がPCVヘッド11に上がり、図示しないレバーを用いて六角ボルト46を回転させる。六角ボルト46が回転することにより六角ボルト46と一体になったウォーム45も回転し、ウォーム45と噛み合ったナット43も回転する。ナット43の回転により、ナット43の内側で噛み合った軸42が上下方向に移動する。各吊点に掛かるPCVヘッド11の重量に対しても作業者の力で容易に調整できるように、ナット43の減速比を大きくしている。軸42の移動方向は前記図示しないレバーの回転方向により変わるため、前記レバーの回転方向を変えることにより軸42がケーシング41より伸びるまたは縮むの動作をする。作業者がウォーム45を回転させるには前記レバーだけを用いるのではなく、ラチェット付きレバーなど作業者が容易に回転させる手段を用いればよい。調整治具40の調整によりPCVヘッド11が水平度の許容値内に入ったら、天井クレーン12を操作して、PCVヘッドを設置場所に移動させ設置する。
【0014】
これにより、ウォーム45を回転操作し調整治具40を調整することにより、PCVヘッド11を吊上げた状態で軽弱な力で水平度調整を行うことができ、作業労力の軽減と作業時間の短縮ができる。
【0015】
また、ウォーム45にアクチュエータを接続して調整治具40の長さを調整する構成とした駆動型調整治具50を各吊点に設置し、遠隔より駆動型調整治具50を操作する操作手段を設ければ、作業者がPCVヘッド11に上がらず水平度の調整を行うことができる。
【0016】
この場合、水平度測定手段32で計測された検出値により駆動型調整治具50の調整量を制御する制御手段33を設置すると、より一層便利である。すなわち、PCVヘッド11に設置された水平度測定手段32には検出値を制御手段33に送信する図示しない伝送手段を取り付けておく。また、駆動型調整治具50には、制御手段33からの駆動信号を受信し、自動で長さを調整し、調整結果を制御手段33に送信する図示しない伝送手段を取り付けておく。
【0017】
この構成により、天井クレーン12によりPCVヘッド11を吊上げ、途中で吊上げを停止させる。この状態でPCVヘッド11の水平度を水平度測定手段32が計測し、検出値を制御手段33に伝送する。PCVヘッド11の水平度が許容値内に入っていなければ制御手段33は各吊点の調整量を演算し、駆動信号を駆動型調整治具50のアクチュエータに伝送する。アクチュエータは駆動信号に基づき駆動型調整治具50の長さを自動調整し、調整結果を制御手段に伝送する。前記調整結果を受信した制御手段33は再度PCVヘッド11の水平度を計測し、水平度が許容値内にあれば水平度調整は終了し、天井クレーン12で吊上げを再開し、設置場所に設置する。水平度が許容値内になければ再度水平調整を行う。
【0018】
これにより、PCVヘッド11の水平度調整を自動で行うことができ、作業労力を軽減し、作業時間を短縮できる。水平度測定手段32として複数の水平度を測定する手段をPCVヘッド11に取り付け、それぞれの検出値より得た水平度の平均値を水平度の目標値とするように制御手段33で演算すると水平度調整の精度が向上する。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、吊上げ重量物であるPCVヘッドのウォームギヤを回転操作することにより、吊上げた状態で軽微な力で水平度調整を行うことができる。前記ウォームギヤを回転操作するのにアクチュエータを用いればより簡便となる。また、PCVヘッドを吊上げた状態で水平度調整を行うので、1度の吊上げで水平調整を行える。これにより、作業労力と作業時間を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PCVヘッドを水平調整する装置の構成図である。
【図2】調整治具の構成図である。
【図3】原子炉建屋内のPCV配置図である。
【図4】従来技術におけるPCVヘッド吊上げ時の構成図である。
【符号の説明】
11………PCVヘッド、12………天井クレーン、13………ターンバックル、17………クレーンフック、18………ピン、32………水平度測定手段、33………制御手段、40………調整治具、41………ケーシング、42………軸、43………ナット、45………ウォーム、46………六角ボルト、50………駆動型調整治具。
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子炉格納容器ヘッドを吊上げた状態で水平度を調整する原子炉格納容器ヘッド吊上げ方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、原子力発電所において、原子炉格納容器(Primary Containment Vessel:以下、PCVという)内を定期点検する場合に、頂部のPCVヘッドを取り外し、定期点検中は原子炉建屋内の所定位置に仮置きしておく。定期点検終了後は仮置台に接地しているPCVヘッドを天井クレーンで吊上げ、PCVに復帰している。吊上げをする際は、PCVヘッドの水平度を許容値内にしなければならないが、従来方法は図3と図4に示すように行われていた。
【0003】
原子炉圧力容器10などを覆うPCVヘッド11を天井クレーン12により天秤31を介して多点吊で吊上げる。各吊点にはターンバックル13が配設され、これらのターンバックル13を操作することにより、PCVヘッド11の水平度を調整する。しかしながら、例えば荷重が45トンもあるPCVヘッド11を、人力によりターンバックル13を回転させて水平調整することは大重量のため不可能であった。そのため、水平床14上にあるPCVヘッド仮置台15にPCVヘッド11が接地し、ターンバックル13に強大な張力が作用しない状態で、作業者がPCVヘッド11に上がり、バールをターンバックル13の隙間Aに差し込み、ターンバックル13を回し各吊点の長さを調整していた。ターンバックル13の調整が終わると天井クレーン12によりPCVヘッド11を吊上げ、途中で停止させる。吊上げた状態でPCVヘッド11の底面に水準器をあて水平度の許容値内に入っているか確認し、水平レベルが許容値内にあれば天井クレーン12により吊上げを再開しPCV16に復帰していた。
また、重量物の吊上げ装置に関する自動水平度調整装置については特許文献1が挙げられる。この発明はクレーン等で吊り荷を移動させる際の水平度調整手段として、吊りスリングに取り付けてあるバランサを移動して吊り荷の水平度を自動調整する装置である。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−162972
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、PCVヘッド11の水平度調整後に天井クレーン12で吊上げる際は、クレーンフック17と天秤31側のピン18が常に同じ位置で噛み合わないため、僅かだけずれる場合がある。このときはPCVヘッド11の水平度がずれてしまい水平度が許容値内に入らなくなってしまう。この場合、PCVヘッド11を水平床14のPCVヘッド仮置台15に再び降し、再度ターンバックル13で水平度を調整していた。この作業は水平度が許容値内に入るまで続き、作業の労力と時間の負担が大きくなっていた。
【0006】
本発明は前記従来技術の欠点を解消するために、PCVヘッドを天井クレーンで吊上げた状態で、各吊点にPCVヘッドの大重量が加わっているにもかかわらず、PCVヘッドの水平度を容易に調整することができる原子炉格納容器ヘッド吊上げ方法を提供することを目的とする。さらに、PCVヘッドを天井クレーンで吊上げた状態でPCVヘッドの水平度を自動で調整することができる原子炉格納容器ヘッド吊上げ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る原子炉格納容器ヘッド吊上げ方法は、クレーンにより天秤を介して多点吊りした原子炉格納容器ヘッドを水平調整する方法であって、各吊点に配設された伸縮型調整治具の長さをウォームホイールギア機構の操作で調整することにより前記クレーンにより原子炉格納容器ヘッドを吊上げた状態において原子炉格納容器ヘッドの水平調整をなすようにしたことを特徴とする。
この場合において、前記ウォームホイールギア機構の操作を、ウォームに接続したアクチュエータにより行えるように構成できる。
【0008】
更に、本発明に係る原子炉格納容器ヘッド吊上げ装置は、クレーンにより天秤を介して多点吊りした原子炉格納容器ヘッドを水平調整する原子炉格納容器ヘッド吊上げ装置であって、各吊点にウォームホイールギア機構による操作によりケーシングから出入されて突出長さを可変とする伸縮型調整治具を配設し、当該調整治具のウォームには回転駆動用のアクチュエータを接続し、前記原子炉格納容器ヘッドに装着した水平レベルセンサによる検出値に基づき前記アクチュエータへの駆動信号を出力する制御手段を備えたことを特徴としている。
【0009】
【作用】
上記のごとく構成した本発明により、吊上げ重量物であるPCVヘッドのウォームギヤを回転操作することにより、吊上げた状態で軽微な力で水平度調整を行うことができる。ウォームギヤを回転操作するのにアクチュエータを用いればより簡便となる。また、吊上げた状態で水平度調整を行うので、1度の吊上げで水平調整を行える。これにより、作業労力と作業時間を削減できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係るPCVヘッド吊上げ方法および装置についての実施の形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1はPCVヘッド11の水平調整する吊上げ装置を用いてPCVヘッド11を吊上げたときの状態図である。PCVヘッド11を吊上げ時に使う天井クレーン12により、吊上げ天秤31を吊下げている。天秤31にPCVヘッド11の大きさに合わせた数の吊点を設定し、各吊点に調整治具40を介して直接吊下げている。図2(a)に調整治具40の正面図、図2(b)に断面図を示す。調整治具40はケーシング41の内部に軸42を有し、軸42がケーシング41に対し上下に移動することにより、調整治具40の長さが変化する。各吊点に吊下げられた調整治具40の長さを調整することにより、PCVヘッド11の水平度を調整できる。この調整治具40の下にPCVヘッド11を吊下げる構成となっている。
【0011】
軸42にはケーシング41内部側の下半部におねじが切ってあり、このおねじ部分にケーシング内部でナット43が噛みあっている。ナット43はケーシング41内部で軸42と共に移動せず、ナット43の水平方向に回転するようケーシング41に設置されている。このナット43が水平方向に回転すると、ナット43の内部で噛みあっている軸42が上方向または下方向に動く。軸42の下部にはナット43の回転と共に軸42も回転してしまうのを防ぐ回転防止手段44が設けられているので、吊点がねじれることはない。ナット43の外側には垂直な向きにねじ43Aが切ってあり、その外側のねじ43Aと噛み合うようにウォーム45が設置されている。ウォーム45の端には六角ボルト46が取り付けられ、六角ボルト46を回転させるときに使う図示しないレバーが取り付けられる構成となっている。軸42にはケーシング41とナット43から外れない位置にストッパ47が取り付けられているので、レバーを回転させすぎて軸42がケーシング41から抜けることはない。
【0012】
また、前記レバーを使ってウォーム45を回転させる代わりに、ウォーム45にアクチュエータを接続して調整治具の長さを調整する構成とすることもできる。
上記構成をとるPCVヘッド吊上げ装置において、まず、天井クレーン12によりPCVヘッド11を吊上げ、途中で吊上げを停止させる。吊上げた状態で水平度測定手段32により水平度が許容値内に入っているか確認する。水平度測定手段32は水準器などのPCVヘッド11が水平度の許容値内に入っていることを確認できる手段であればよい。また、PCVヘッド11を吊上げた状態で水平度を測定するため、水平度測定手段32に遠隔にいる監視者のもとへ計測値を伝送する伝送手段を設け、遠隔より確認できる手段としてもよい。
【0013】
PCVヘッド11の水平度が許容値内に入っていなければ、各吊点に設置された調整治具40を水平度の許容値内に入れるよう調整する。このときの調整は作業者がPCVヘッド11に上がり、図示しないレバーを用いて六角ボルト46を回転させる。六角ボルト46が回転することにより六角ボルト46と一体になったウォーム45も回転し、ウォーム45と噛み合ったナット43も回転する。ナット43の回転により、ナット43の内側で噛み合った軸42が上下方向に移動する。各吊点に掛かるPCVヘッド11の重量に対しても作業者の力で容易に調整できるように、ナット43の減速比を大きくしている。軸42の移動方向は前記図示しないレバーの回転方向により変わるため、前記レバーの回転方向を変えることにより軸42がケーシング41より伸びるまたは縮むの動作をする。作業者がウォーム45を回転させるには前記レバーだけを用いるのではなく、ラチェット付きレバーなど作業者が容易に回転させる手段を用いればよい。調整治具40の調整によりPCVヘッド11が水平度の許容値内に入ったら、天井クレーン12を操作して、PCVヘッドを設置場所に移動させ設置する。
【0014】
これにより、ウォーム45を回転操作し調整治具40を調整することにより、PCVヘッド11を吊上げた状態で軽弱な力で水平度調整を行うことができ、作業労力の軽減と作業時間の短縮ができる。
【0015】
また、ウォーム45にアクチュエータを接続して調整治具40の長さを調整する構成とした駆動型調整治具50を各吊点に設置し、遠隔より駆動型調整治具50を操作する操作手段を設ければ、作業者がPCVヘッド11に上がらず水平度の調整を行うことができる。
【0016】
この場合、水平度測定手段32で計測された検出値により駆動型調整治具50の調整量を制御する制御手段33を設置すると、より一層便利である。すなわち、PCVヘッド11に設置された水平度測定手段32には検出値を制御手段33に送信する図示しない伝送手段を取り付けておく。また、駆動型調整治具50には、制御手段33からの駆動信号を受信し、自動で長さを調整し、調整結果を制御手段33に送信する図示しない伝送手段を取り付けておく。
【0017】
この構成により、天井クレーン12によりPCVヘッド11を吊上げ、途中で吊上げを停止させる。この状態でPCVヘッド11の水平度を水平度測定手段32が計測し、検出値を制御手段33に伝送する。PCVヘッド11の水平度が許容値内に入っていなければ制御手段33は各吊点の調整量を演算し、駆動信号を駆動型調整治具50のアクチュエータに伝送する。アクチュエータは駆動信号に基づき駆動型調整治具50の長さを自動調整し、調整結果を制御手段に伝送する。前記調整結果を受信した制御手段33は再度PCVヘッド11の水平度を計測し、水平度が許容値内にあれば水平度調整は終了し、天井クレーン12で吊上げを再開し、設置場所に設置する。水平度が許容値内になければ再度水平調整を行う。
【0018】
これにより、PCVヘッド11の水平度調整を自動で行うことができ、作業労力を軽減し、作業時間を短縮できる。水平度測定手段32として複数の水平度を測定する手段をPCVヘッド11に取り付け、それぞれの検出値より得た水平度の平均値を水平度の目標値とするように制御手段33で演算すると水平度調整の精度が向上する。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、吊上げ重量物であるPCVヘッドのウォームギヤを回転操作することにより、吊上げた状態で軽微な力で水平度調整を行うことができる。前記ウォームギヤを回転操作するのにアクチュエータを用いればより簡便となる。また、PCVヘッドを吊上げた状態で水平度調整を行うので、1度の吊上げで水平調整を行える。これにより、作業労力と作業時間を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】PCVヘッドを水平調整する装置の構成図である。
【図2】調整治具の構成図である。
【図3】原子炉建屋内のPCV配置図である。
【図4】従来技術におけるPCVヘッド吊上げ時の構成図である。
【符号の説明】
11………PCVヘッド、12………天井クレーン、13………ターンバックル、17………クレーンフック、18………ピン、32………水平度測定手段、33………制御手段、40………調整治具、41………ケーシング、42………軸、43………ナット、45………ウォーム、46………六角ボルト、50………駆動型調整治具。
Claims (3)
- クレーンにより天秤を介して多点吊りした原子炉格納容器ヘッドを水平調整する方法であって、各吊点に配設された伸縮型調整治具の長さをウォームホイールギア機構の操作で調整することにより前記クレーンにより原子炉格納容器ヘッドを吊上げた状態において原子炉格納容器ヘッドの水平調整をなすようにしたことを特徴とする原子炉格納容器ヘッド吊上げ方法。
- 前記ウォームホイールギア機構の操作を、ウォームに接続したアクチュエータにより行うことを特徴とする請求項1記載の原子炉格納容器ヘッド吊上げ方法。
- クレーンにより天秤を介して多点吊りした原子炉格納容器ヘッドを水平調整する原子炉格納容器ヘッド吊上げ装置であって、各吊点にウォームホイールギア機構による操作によりケーシングから出入されて突出長さを可変とする伸縮型調整治具を配設し、当該調整治具のウォームには回転駆動用のアクチュエータを接続し、前記原子炉格納容器ヘッドに装着した水平レベルセンサによる検出値に基づき前記アクチュエータへの駆動信号を出力する制御手段を備えたことを特徴とする原子炉格納容器ヘッド吊上げ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002312020A JP2004144684A (ja) | 2002-10-28 | 2002-10-28 | 原子炉格納容器ヘッド吊上げ方法および装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002312020A JP2004144684A (ja) | 2002-10-28 | 2002-10-28 | 原子炉格納容器ヘッド吊上げ方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004144684A true JP2004144684A (ja) | 2004-05-20 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2002312020A Pending JP2004144684A (ja) | 2002-10-28 | 2002-10-28 | 原子炉格納容器ヘッド吊上げ方法および装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004144684A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101510453B (zh) * | 2009-03-18 | 2011-06-15 | 太原重工股份有限公司 | 核电站起重机起升机构平衡杠杆的缓冲装置 |
CN109585048A (zh) * | 2018-11-21 | 2019-04-05 | 中科瑞华(安徽)中子能源技术有限公司 | 一种小型铅基反应堆用的非直视深潜式连接工具 |
CN114030974A (zh) * | 2021-11-04 | 2022-02-11 | 中广核研究院有限公司 | 反应堆主设备吊装工具 |
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-
2002
- 2002-10-28 JP JP2002312020A patent/JP2004144684A/ja active Pending
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CN114030974B (zh) * | 2021-11-04 | 2024-01-09 | 中广核研究院有限公司 | 反应堆主设备吊装工具 |
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