JP2004144613A - 粉体量の測定装置及びポリオレフィンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】気相重合法で製造される反応容器内の粉体ポリオレフィンの量を測定する。
【解決手段】反応容器1内に、鉛直方向に平行に延びる一対の検出プローブ3を設け、この一対の検出プローブ3の間の粉体ポリオレフィン量によって変化する静電容量を、帰還コンデンサ11を有する差動増幅器10で計測する。演算部12は、計測された静電容量と予め測定した実測グラフとに基づいて、粉体量を演算する。
【選択図】 図1
【解決手段】反応容器1内に、鉛直方向に平行に延びる一対の検出プローブ3を設け、この一対の検出プローブ3の間の粉体ポリオレフィン量によって変化する静電容量を、帰還コンデンサ11を有する差動増幅器10で計測する。演算部12は、計測された静電容量と予め測定した実測グラフとに基づいて、粉体量を演算する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体量の測定装置及びポリオレフィンの製造方法に関し、更に詳しくは、容器内の粉体量を正確に測定することが出来る粉体量の測定装置、および、その測定装置を用いたポリオレフィンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
気相重合プロセスは、重合用触媒と生成したポリマー粒子とを、モノマーガス中で流動させながら重合を進行させるプロセスである。ポリマー粒子を成長させるためのオレフィン重合用触媒を、間欠的に又は連続的に供給する一方、成長したポリマー粒子は、間欠的に又は連続的に製品として抜き出す。触媒の供給量と、成長したポリマー粒子の抜き出し量とのバランスによって、重合反応容器内に保持される粉体ポリマーの量が決定される。
【0003】
触媒の供給量は、その触媒の重合活性にも左右される。通常は、重合開始前に、流動ベッドとして粉体ポリマーを重合反応容器内に装填しておく。重合を開始し、時間が経過するにつれて、流動ベッドは、重合によって生成した粒体ポリマーが占める割合が高くなっていく。
【0004】
代表的な気相重合プロセスには、気相流動式と攪拌流動式とがある。気相流動式プロセスでは、反応容器下部に設置した分散板を通して流動ガスを送り込み、気泡によってベッドポリマーを攪拌し、反応熱の除去をおこなう。一方、攪拌式流動プロセスでは、機械的な攪拌によってベッドポリマーを攪拌し、反応熱を除去する。
【0005】
オレフィンの気相連続重合プロセスにおいて、或るインデックスの製品を生産する場合には、均質なオレフィン重合体を安定して生産するため、反応容器内のベッドの粉体量をほぼ一定に維持し、反応容器内で生成した重合体粒子の滞留時間を一定にする必要がある。また、製造する製品グレードを切り替える際には、重合条件が大きく変更され、それに伴い、反応容器内の粉体量を変化させる場合がある。これら目的のため、反応容器内の粉体量を測定する粉体量の測定装置が使用されている。
【0006】
特に、商業的規模でポリオレフィンを生産するプロセスでは、反応容器内の粉体量を正確に測定する要求がある。ここで、一般に反応容器の断面積は一定であることから、粉体量は、堆積した粉体の高さに比例することになる。従って、粉体レベル計を利用して反応容器内の粉体レベルを測定することにより、反応容器内の粉体量が求められる。具体的には、反応容器内の粉体量を求めるには、粉体の上面レベルを測定し、その高さと、反応容器の底面積と、流動時の粉体の密度とから、粉体量(質量)を算出することが出来る。
【0007】
ところが、反応容器内部の粉体層の表面は、気泡や撹拌機の作用によって波打った状態となっており、粉体レベル計によって粉体層の高さを正確に測定することは困難である。このため、反応容器内の粉体量を正確に求める方法として、粉体層内の一地点の圧力と粉体層上部空間の圧力との間の差圧を測定し、この差圧に基づいて反応容器内の粉体量を計測する方法が知られている(特公平3−32562号公報参照)。また、γ線照射装置および2台の検出器を用いることによって、反応容器内の粉体量を計測する方法も知られている(特開平10−221274号公報参照)。
【0008】
【特許文献1】
特公平3−32562号公報
【特許文献2】
特開平10−221274号公報
【0009】
なお、特公昭56−7574号公報には、静電容量式位置検出装置として、粉体の上面レベルが所定位置に達したか否かを検出する位置検出装置が記載されているが、この位置検出装置は、粉体の上面レベルを数値的に計測する装置ではなく、また、粉体量を測定する装置でもない。
【0010】
【特許文献3】
特公昭56−7574号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
特公平3−32562号公報に記載された、差圧を用いる粉体量の測定方法では、反応容器に供給される流体、あるいは、機械的撹拌による動圧の影響が大きく、精度高く粉体レベルを計測することは困難である。また、この測定方法は、重合粉体が、差圧測定用のノズルに詰まって、ノズルを閉塞させやすく、ノズル内を頻繁にガスパージする必要があるという問題もあり、特に小型の反応容器への適用が困難であった。
【0012】
また、特開平10−221274号公報に記載された、γ線を用いる粉体量の測定方法では、流動状態が不均一なときには誤差が大きくなり、また、精度を上げるためには、γ線の照射強度を高くしなければならず、放射線の取り扱いについて、安全管理上の問題が発生する。
【0013】
上記に鑑み、本発明の目的は、反応容器などの容器内の粉体量を正確かつ安全に測定することが出来る粉体量の測定装置、および、その測定装置を用いたポリオレフィンの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の粉体量の測定装置は、容器内の粉体の質量を測定する粉体量の測定装置において、容器内又はその近傍に配設され、少なくとも鉛直方向成分を含んだ方向に且つ互いに平行に延びる一対の検出プローブと、前記一対の検出プローブ間の静電容量を測定する静電容量測定部と、前記静電容量測定部で測定された静電容量に基づいて容器内の粉体量を演算する演算器とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る粉体量の測定装置によると、鉛直方向成分を含んで相互に平行方向に延びる一対の検出プローブ間及びその近傍に粉体が存在すると、この一対の検出プローブ間に形成される静電容量が増大し、この増大する静電容量は、一対の検出プローブ間や近傍に存在する粉体の質量に依存する。そこで、この静電容量を静電容量測定部で測定し、演算器によってこれを粉体量に換算することにより、粉体量が測定できる。
【0016】
静電容量から粉体量の換算にあたっては、例えば、一対の検出プローブ間又はその近傍に全く粉体が存在しない状態から、粉体が最大限に存在するまでの間の静電容量の変化を予め複数点測定しておき、これと実際に測定された静電容量とを対比する。
【0017】
本発明の粉体量の測定装置では、差圧を計測することがないので、気相重合法に適用しても、動圧によって精度が低下する問題が生じない。また、γ線を使用することもないので、放射線の取扱に伴う安全上の問題も生じない。
【0018】
容器が導電性を有する場合には、一対の検出プローブを容器内に配設する。あるいは、これに代えて、一対の検出プローブの一方に代えて、この導電性容器を検出プローブとし、他方の検出プローブとの間の静電容量を検出してもよい。また、容器が絶縁性の場合には、一対の検出プローブの少なくとも一方を、容器内ではなく容器の近傍に配設することが出来る。
【0019】
本発明の粉体量の測定方法は、特に、質量を測定すべき粉体が、気相重合法によって生成される粉体である場合に好適に適用できる。気相重合法で生成される粉体では、粉体の上面は絶えず波打っており、また、その密度も状況毎に異なるので、単に粉体レベルを測定してもその質量を精度よく求めることは困難である。しかし、本発明方法では、流動時あるいは撹拌時の粉体の密度も加味した粉体の絶対量(質量)が計測可能である。
【0020】
本発明のポリオレフィンの製造方法は、上記本発明の粉体量の測定装置を用い反応容器内でポリオレフィンを製造する方法であって、前記演算器で演算された粉体ポリオレフィンの量に基づいて、供給される触媒の供給量及び粉体ポリオレフィンの抜き出し量の少なくとも一方を調整して、反応容器内の粉体ポリオレフィンの量を目標値になるように制御することを特徴とする。
【0021】
本発明のポリオレフィンの製造方法によると、上記本発明の粉体量の測定装置を使用することによって粉体ポリオレフィンの質量の正確な測定が可能となり、反応容器内の粉体ポリオレフィンの質量が目標値になるように正確に制御することが出来る。
【0022】
なお、本明細書で使用する「粉体」は、「粒体」を含む概念であり、また、「粒体」と粉状体の混合も粉体に含まれる。これらも、粉状体と同様に本発明の粉体量の測定装置で質量が測定可能だからである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態例に基づいて、本発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態例に係る粉体量の測定装置を有するポリオレフィン製造装置の構成示すブロック図である。
【0024】
図1において、符号1は、内部で重合反応が進行する気相反応容器を示し、気相反応容器1には端子箱2及び一対の検出プローブ3を含む静電容量部20が配設される。本実施形態例の粉体量の測定装置は、この静電容量部20と、静電容量部20の静電容量に基づいて粉体量を測定する制御演算部30とから構成される。制御演算部30は、静電容量部20に交流電源を供給する発振器9、静電容量部20から交流信号を受信する差動増幅器10、及び、差動増幅器10の出力電圧から粉体量を演算する演算器12から構成される。発振器9及び差動増幅器10が本発明の粉体量の測定装置における静電容量測定部を構成する。
【0025】
気相反応容器1の下部には、流動ガスを送り込むための分散板4が取り付けられている。各検出プローブ3は、端子箱2との接続部分において、ガード5によって保護されている。反応容器1の内部では、モノマーガス及び重合用触媒が供給されて重合反応が進行し、粉体ポリオレフィンが製造される。反応容器1内の粉体ポリオレフィンの量が目標値になるように、反応容器1外に抜き出される粉体ポリオレフィンの量が制御される。
【0026】
図2は、図1の検出プローブ3の取り付け部分を拡大して示している。一対の検出プローブ3は、気相重合反応容器1の上フタ1Aから、鉛直方向に且つ互いに平行となるように、下方に延びている。端子箱2は、気相重合反応容器1の上フタ1Aに取り付けられた金属製のケースからなり、金属製のガード5を一体的に保持している。各検出プローブ3は、端子箱1の底部穴を貫通する一体の端子部分3Aを有し、端子部分3Aは、絶縁性端子台6Aを介して、端子箱2に固定される。検出プローブ3とガード5との間には、絶縁体6が介在している。
【0027】
端子箱2と、制御演算部30の差動増幅器10との間は、シールド線7によって配線される。シールド線7のシールド8は、端子箱2のケースに接地される。図1に戻り、一対の検出プローブ3の一方から延びる一方のシールド線7には、発振器9から交流電源が入力され、他方の検出プローブ3から延びる他方のシールド線7は、差動増幅器10の反転端子に接続される。差動増幅器10の非反転端子は、前記他方のシールド線7のシールド8に接続される。差動増幅器10の出力端子と、その反転端子との間には、帰還コンデンサ11が接続される。差動増幅器10の出力は、演算器12に入力される。
【0028】
上記粉体量の測定装置において、発振器9の出力電流をEiとし、一対の検出プローブ3によって形成される静電容量をCxとし、帰還コンデンサ11の容量をCcとすると、差動増幅器10の出力端子に現れる出力電力E0は次式[1]で与えられる。
E0=(Cx/Cc)*Ei … [1]
【0029】
一般に、粉体は気体よりも大きな比誘電率を有することから、一対の検出プローブ3間の粉体量(質量)に比例して、出力電圧E0の値が変化する。ここで、予め実測によって、出力電圧E0と容器内の粉体量との関係を求めておき、演算器12内に記憶する。つまり、反応容器1内の粉体量がゼロから最大値までの間の適当な間隔で、差動増幅器10の出力電圧値と粉体量の関係を実測し、例えばこの実測値に基づいてグラフを作り、制御演算部30の演算器12に記憶させておく。このため、演算器12は、差動増幅器10からの出力電圧E0に基づいて、容器内の粉体量を求めることが出来る。なお、グラフの作成に代えて、予め実測し記憶している数値から補間法によって求めてもよい。
【0030】
上記実施形態例の粉体量の測定装置では、反応容器内の粉体の流動状態が変化して、見かけ上の粉面が上昇又は下降した場合でも、一対の検出プローブ3間に形成される静電容量は、その間又は近傍に存在する粉体の絶対量、具体的にはその質量によって定まることが期待できる。つまり、粉体量が変化しなければ、見かけ上の粉面が上昇又は下降しても静電容量部20を流れる電流値は実質的に変化せず、差動増幅器10の出力電圧はほぼ一定となる。従って、本実施形態例の粉体量の測定装置は、粉体の流動状態の如何に拘わらず、容器内の粉体量を正確に測定することが可能になる。
【0031】
上記実施形態例では、一対の検出プローブ3は、反応容器1の上部であって反応に寄与する粉体が存在しないことが明らかな部分については、ガード5によって囲まれているので、反応容器1の上フタ1Aの近傍に長期的に付着した粉体等の影響を除くことが出来る。更に、ガード5及び検出プローブ3は、シールド線としても機能し、この部分に働く外乱の影響を除くことが出来る。
【0032】
従来の差圧式の粉体量測定装置では、差圧測定のためにガスの通り道を設ける必要があり、専用の細い配管が設けられ、その配管に、差圧計測定のための各種センサーが設置される。オレフィン重合用の触媒は、流動ベッド用の粉体ポリマーよりもはるかに粒径が小さいため、流動の条件が不適切であると、触媒が差圧測定用の配管に混入し、そこでオレフィンを重合させ、管を閉塞させる問題があった。あるいは、完全に閉塞しなくとも、部分閉塞によって正確な差圧が得られず、計測される差圧の精度に信頼性が欠けていた。また、流動のために送り込む気泡や付着防止のためのフラッシングガスの動圧によって圧力変動が生じ、測定に影響を及ぼすこともあった。
【0033】
しかし、本実施形態例の粉体量測定装置では、差圧を測定する配管の必要がないので、上記不具合が生じず、精度が高い検出が可能となる。また、検出プローブの延びる方向が鉛直であり、粉体付着の頻度が小さいので、付着防止のためのノズル等を必要としない。このため、反応容器への設置が容易である。更に、微弱な高周波電流の使用によっても測定が可能であり、測定に要する電力は小さくて足りる。更に、γ線を利用する方式とは異なり、放射線取扱上の問題が生じないので、安全性にも優れている。
【0034】
上記実施形態例の粉体の測定装置では、測定の範囲は、検出プローブおよびガード部分の高さ方向の長さを変化させることで、容器全体から或る限られた範囲まで、自由に調整することが可能であり、目的によって使い分けることが出来る。
【0035】
なお、対象とする粉体を収容する容器が金属製でない場合には、一対の検出プローブの双方を容器内に設置する方法に限らず、一方を容器の外側に設置する方法、双方を容器の外側に設置する方法を採用することもできる。また、容器が金属製の場合には、一対の検出プローブを容器内に設置する方法、あるいは一方は容器内に設置し、他方は容器そのものを利用する方法を採用することが出来る。
【0036】
本発明の粉体量の測定装置が適用できるオレフィン重合用気相重合プロセスでは、触媒は、チーグラー触媒系であれ、メタロセン系触媒であれ特に制限されない。気相重合法に使用できるためには、具体的には、担持型触媒であるものが好ましい。担体としては無機担体、有機担体といった種類を問わない。
【0037】
重合条件としては、通常の気相重合の条件が使用でき、重合圧力は0.5〜5MPa、重合温度は30〜120℃、滞留時間は0.1〜10hrである。また、使用できるオレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等である。
【0038】
【実施例】
以下に、実施例としてコールドモデル実験の結果を示す。内径が190mmで、下部に分散板4を備え、窒素ガスを下部から上部に向けて流通させることが出来る円筒状の流動式反応容器1に、平均粒径410μmのポリプロピレンのパウダー1kgを導入した。
【0039】
静止状態から窒素流量を徐々に上げていき、分散板4の上下の差圧を測定したところ、窒素流量で250NL/分以上で変化が見られなくなったことから、完全流動化領域に入ったと判断し、以下の測定は窒素流量300NL/分で行うこととした。
【0040】
一旦、窒素を完全に停止し、粉体の上面が水平となるように粉体をならした。上部より、発振器9及び差動増幅器10を含む粉体量検出部(マイテック社製、万能電極式粉体量検出部マイスターMCM2121)に接続された一対の金属製検出プローブ3を容器1内に導入し、静止状態で金属製検出プローブ3の先端部分がちょうど粉面の最上部になるように長さを調整して固定し、この状態で粉体量検出部指示値がゼロとなるように調整した。
【0041】
次に、容器1内にポリマーを1kg追加し、窒素流量を300NL/分に設定して、そのときの指示値と振れ幅を記録した。さらにポリマーを1kgずつ、5kgまで追加して、同様の測定を行った。結果を表1及び図3に示す。
【表1】
【0042】
本コールドモデル実験により、表1及び図3から理解できるように、ポリマー量と指示値との間に良好な線形の関係が得られること、及び、指示値の振れ幅が非常に小さいことが示された。すなわち、本測定法を用いることで、上面が波打っている粉体についても、その正確な質量の計測が可能であることが示された。
【0043】
重合反応時も、原理的にはコールドモデルと同等の状況になるため、本測定方法を用いることで、気相重合反応容器内の粉体量を精度よく測定することができ、また、この測定値に基づいて反応容器内の粉体ポリオレフィン量の制御を行うことで、精度が高い制御が可能となる。
【0044】
なお、上記実施形態例では、一対の検出プローブが鉛直方向に且つ平行に延びる例を示したが、検出プローブが延びる方向は、相互に平行であって、且つ、鉛直方向成分を持てばよく、一部が水平方向又は斜め方向に伸びていてもよい。
【0045】
以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明の粉体量の測定装置及びポリオレフィンの製造方法は、上記実施形態例の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【0046】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の粉体量の測定装置によると、粉体の流動によって粉体の上面が波打っていても、容器内の粉体量が正確に且つ安全性が高く測定できる利点がある。このため、ポリオレフィンの製造に好適に用いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例に係る粉体量の測定装置を有するポリオレフィン製造装置のブロック図。
【図2】図1に示した検出プローブの取り付け部分の拡大図。
【図3】実施例で得られた、容器内のポリマーの質量と粉体量の測定装置の指示値との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1:反応容器
2:端子箱
3:検出プローブ
4:分散板
5:ガード
6:絶縁体
7:シールド線
8:シールド
9:発振器
10:差動増幅器
11:帰還コンデンサ
12:演算器
20:静電容量部
30:制御演算部
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体量の測定装置及びポリオレフィンの製造方法に関し、更に詳しくは、容器内の粉体量を正確に測定することが出来る粉体量の測定装置、および、その測定装置を用いたポリオレフィンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
気相重合プロセスは、重合用触媒と生成したポリマー粒子とを、モノマーガス中で流動させながら重合を進行させるプロセスである。ポリマー粒子を成長させるためのオレフィン重合用触媒を、間欠的に又は連続的に供給する一方、成長したポリマー粒子は、間欠的に又は連続的に製品として抜き出す。触媒の供給量と、成長したポリマー粒子の抜き出し量とのバランスによって、重合反応容器内に保持される粉体ポリマーの量が決定される。
【0003】
触媒の供給量は、その触媒の重合活性にも左右される。通常は、重合開始前に、流動ベッドとして粉体ポリマーを重合反応容器内に装填しておく。重合を開始し、時間が経過するにつれて、流動ベッドは、重合によって生成した粒体ポリマーが占める割合が高くなっていく。
【0004】
代表的な気相重合プロセスには、気相流動式と攪拌流動式とがある。気相流動式プロセスでは、反応容器下部に設置した分散板を通して流動ガスを送り込み、気泡によってベッドポリマーを攪拌し、反応熱の除去をおこなう。一方、攪拌式流動プロセスでは、機械的な攪拌によってベッドポリマーを攪拌し、反応熱を除去する。
【0005】
オレフィンの気相連続重合プロセスにおいて、或るインデックスの製品を生産する場合には、均質なオレフィン重合体を安定して生産するため、反応容器内のベッドの粉体量をほぼ一定に維持し、反応容器内で生成した重合体粒子の滞留時間を一定にする必要がある。また、製造する製品グレードを切り替える際には、重合条件が大きく変更され、それに伴い、反応容器内の粉体量を変化させる場合がある。これら目的のため、反応容器内の粉体量を測定する粉体量の測定装置が使用されている。
【0006】
特に、商業的規模でポリオレフィンを生産するプロセスでは、反応容器内の粉体量を正確に測定する要求がある。ここで、一般に反応容器の断面積は一定であることから、粉体量は、堆積した粉体の高さに比例することになる。従って、粉体レベル計を利用して反応容器内の粉体レベルを測定することにより、反応容器内の粉体量が求められる。具体的には、反応容器内の粉体量を求めるには、粉体の上面レベルを測定し、その高さと、反応容器の底面積と、流動時の粉体の密度とから、粉体量(質量)を算出することが出来る。
【0007】
ところが、反応容器内部の粉体層の表面は、気泡や撹拌機の作用によって波打った状態となっており、粉体レベル計によって粉体層の高さを正確に測定することは困難である。このため、反応容器内の粉体量を正確に求める方法として、粉体層内の一地点の圧力と粉体層上部空間の圧力との間の差圧を測定し、この差圧に基づいて反応容器内の粉体量を計測する方法が知られている(特公平3−32562号公報参照)。また、γ線照射装置および2台の検出器を用いることによって、反応容器内の粉体量を計測する方法も知られている(特開平10−221274号公報参照)。
【0008】
【特許文献1】
特公平3−32562号公報
【特許文献2】
特開平10−221274号公報
【0009】
なお、特公昭56−7574号公報には、静電容量式位置検出装置として、粉体の上面レベルが所定位置に達したか否かを検出する位置検出装置が記載されているが、この位置検出装置は、粉体の上面レベルを数値的に計測する装置ではなく、また、粉体量を測定する装置でもない。
【0010】
【特許文献3】
特公昭56−7574号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
特公平3−32562号公報に記載された、差圧を用いる粉体量の測定方法では、反応容器に供給される流体、あるいは、機械的撹拌による動圧の影響が大きく、精度高く粉体レベルを計測することは困難である。また、この測定方法は、重合粉体が、差圧測定用のノズルに詰まって、ノズルを閉塞させやすく、ノズル内を頻繁にガスパージする必要があるという問題もあり、特に小型の反応容器への適用が困難であった。
【0012】
また、特開平10−221274号公報に記載された、γ線を用いる粉体量の測定方法では、流動状態が不均一なときには誤差が大きくなり、また、精度を上げるためには、γ線の照射強度を高くしなければならず、放射線の取り扱いについて、安全管理上の問題が発生する。
【0013】
上記に鑑み、本発明の目的は、反応容器などの容器内の粉体量を正確かつ安全に測定することが出来る粉体量の測定装置、および、その測定装置を用いたポリオレフィンの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の粉体量の測定装置は、容器内の粉体の質量を測定する粉体量の測定装置において、容器内又はその近傍に配設され、少なくとも鉛直方向成分を含んだ方向に且つ互いに平行に延びる一対の検出プローブと、前記一対の検出プローブ間の静電容量を測定する静電容量測定部と、前記静電容量測定部で測定された静電容量に基づいて容器内の粉体量を演算する演算器とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る粉体量の測定装置によると、鉛直方向成分を含んで相互に平行方向に延びる一対の検出プローブ間及びその近傍に粉体が存在すると、この一対の検出プローブ間に形成される静電容量が増大し、この増大する静電容量は、一対の検出プローブ間や近傍に存在する粉体の質量に依存する。そこで、この静電容量を静電容量測定部で測定し、演算器によってこれを粉体量に換算することにより、粉体量が測定できる。
【0016】
静電容量から粉体量の換算にあたっては、例えば、一対の検出プローブ間又はその近傍に全く粉体が存在しない状態から、粉体が最大限に存在するまでの間の静電容量の変化を予め複数点測定しておき、これと実際に測定された静電容量とを対比する。
【0017】
本発明の粉体量の測定装置では、差圧を計測することがないので、気相重合法に適用しても、動圧によって精度が低下する問題が生じない。また、γ線を使用することもないので、放射線の取扱に伴う安全上の問題も生じない。
【0018】
容器が導電性を有する場合には、一対の検出プローブを容器内に配設する。あるいは、これに代えて、一対の検出プローブの一方に代えて、この導電性容器を検出プローブとし、他方の検出プローブとの間の静電容量を検出してもよい。また、容器が絶縁性の場合には、一対の検出プローブの少なくとも一方を、容器内ではなく容器の近傍に配設することが出来る。
【0019】
本発明の粉体量の測定方法は、特に、質量を測定すべき粉体が、気相重合法によって生成される粉体である場合に好適に適用できる。気相重合法で生成される粉体では、粉体の上面は絶えず波打っており、また、その密度も状況毎に異なるので、単に粉体レベルを測定してもその質量を精度よく求めることは困難である。しかし、本発明方法では、流動時あるいは撹拌時の粉体の密度も加味した粉体の絶対量(質量)が計測可能である。
【0020】
本発明のポリオレフィンの製造方法は、上記本発明の粉体量の測定装置を用い反応容器内でポリオレフィンを製造する方法であって、前記演算器で演算された粉体ポリオレフィンの量に基づいて、供給される触媒の供給量及び粉体ポリオレフィンの抜き出し量の少なくとも一方を調整して、反応容器内の粉体ポリオレフィンの量を目標値になるように制御することを特徴とする。
【0021】
本発明のポリオレフィンの製造方法によると、上記本発明の粉体量の測定装置を使用することによって粉体ポリオレフィンの質量の正確な測定が可能となり、反応容器内の粉体ポリオレフィンの質量が目標値になるように正確に制御することが出来る。
【0022】
なお、本明細書で使用する「粉体」は、「粒体」を含む概念であり、また、「粒体」と粉状体の混合も粉体に含まれる。これらも、粉状体と同様に本発明の粉体量の測定装置で質量が測定可能だからである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態例に基づいて、本発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態例に係る粉体量の測定装置を有するポリオレフィン製造装置の構成示すブロック図である。
【0024】
図1において、符号1は、内部で重合反応が進行する気相反応容器を示し、気相反応容器1には端子箱2及び一対の検出プローブ3を含む静電容量部20が配設される。本実施形態例の粉体量の測定装置は、この静電容量部20と、静電容量部20の静電容量に基づいて粉体量を測定する制御演算部30とから構成される。制御演算部30は、静電容量部20に交流電源を供給する発振器9、静電容量部20から交流信号を受信する差動増幅器10、及び、差動増幅器10の出力電圧から粉体量を演算する演算器12から構成される。発振器9及び差動増幅器10が本発明の粉体量の測定装置における静電容量測定部を構成する。
【0025】
気相反応容器1の下部には、流動ガスを送り込むための分散板4が取り付けられている。各検出プローブ3は、端子箱2との接続部分において、ガード5によって保護されている。反応容器1の内部では、モノマーガス及び重合用触媒が供給されて重合反応が進行し、粉体ポリオレフィンが製造される。反応容器1内の粉体ポリオレフィンの量が目標値になるように、反応容器1外に抜き出される粉体ポリオレフィンの量が制御される。
【0026】
図2は、図1の検出プローブ3の取り付け部分を拡大して示している。一対の検出プローブ3は、気相重合反応容器1の上フタ1Aから、鉛直方向に且つ互いに平行となるように、下方に延びている。端子箱2は、気相重合反応容器1の上フタ1Aに取り付けられた金属製のケースからなり、金属製のガード5を一体的に保持している。各検出プローブ3は、端子箱1の底部穴を貫通する一体の端子部分3Aを有し、端子部分3Aは、絶縁性端子台6Aを介して、端子箱2に固定される。検出プローブ3とガード5との間には、絶縁体6が介在している。
【0027】
端子箱2と、制御演算部30の差動増幅器10との間は、シールド線7によって配線される。シールド線7のシールド8は、端子箱2のケースに接地される。図1に戻り、一対の検出プローブ3の一方から延びる一方のシールド線7には、発振器9から交流電源が入力され、他方の検出プローブ3から延びる他方のシールド線7は、差動増幅器10の反転端子に接続される。差動増幅器10の非反転端子は、前記他方のシールド線7のシールド8に接続される。差動増幅器10の出力端子と、その反転端子との間には、帰還コンデンサ11が接続される。差動増幅器10の出力は、演算器12に入力される。
【0028】
上記粉体量の測定装置において、発振器9の出力電流をEiとし、一対の検出プローブ3によって形成される静電容量をCxとし、帰還コンデンサ11の容量をCcとすると、差動増幅器10の出力端子に現れる出力電力E0は次式[1]で与えられる。
E0=(Cx/Cc)*Ei … [1]
【0029】
一般に、粉体は気体よりも大きな比誘電率を有することから、一対の検出プローブ3間の粉体量(質量)に比例して、出力電圧E0の値が変化する。ここで、予め実測によって、出力電圧E0と容器内の粉体量との関係を求めておき、演算器12内に記憶する。つまり、反応容器1内の粉体量がゼロから最大値までの間の適当な間隔で、差動増幅器10の出力電圧値と粉体量の関係を実測し、例えばこの実測値に基づいてグラフを作り、制御演算部30の演算器12に記憶させておく。このため、演算器12は、差動増幅器10からの出力電圧E0に基づいて、容器内の粉体量を求めることが出来る。なお、グラフの作成に代えて、予め実測し記憶している数値から補間法によって求めてもよい。
【0030】
上記実施形態例の粉体量の測定装置では、反応容器内の粉体の流動状態が変化して、見かけ上の粉面が上昇又は下降した場合でも、一対の検出プローブ3間に形成される静電容量は、その間又は近傍に存在する粉体の絶対量、具体的にはその質量によって定まることが期待できる。つまり、粉体量が変化しなければ、見かけ上の粉面が上昇又は下降しても静電容量部20を流れる電流値は実質的に変化せず、差動増幅器10の出力電圧はほぼ一定となる。従って、本実施形態例の粉体量の測定装置は、粉体の流動状態の如何に拘わらず、容器内の粉体量を正確に測定することが可能になる。
【0031】
上記実施形態例では、一対の検出プローブ3は、反応容器1の上部であって反応に寄与する粉体が存在しないことが明らかな部分については、ガード5によって囲まれているので、反応容器1の上フタ1Aの近傍に長期的に付着した粉体等の影響を除くことが出来る。更に、ガード5及び検出プローブ3は、シールド線としても機能し、この部分に働く外乱の影響を除くことが出来る。
【0032】
従来の差圧式の粉体量測定装置では、差圧測定のためにガスの通り道を設ける必要があり、専用の細い配管が設けられ、その配管に、差圧計測定のための各種センサーが設置される。オレフィン重合用の触媒は、流動ベッド用の粉体ポリマーよりもはるかに粒径が小さいため、流動の条件が不適切であると、触媒が差圧測定用の配管に混入し、そこでオレフィンを重合させ、管を閉塞させる問題があった。あるいは、完全に閉塞しなくとも、部分閉塞によって正確な差圧が得られず、計測される差圧の精度に信頼性が欠けていた。また、流動のために送り込む気泡や付着防止のためのフラッシングガスの動圧によって圧力変動が生じ、測定に影響を及ぼすこともあった。
【0033】
しかし、本実施形態例の粉体量測定装置では、差圧を測定する配管の必要がないので、上記不具合が生じず、精度が高い検出が可能となる。また、検出プローブの延びる方向が鉛直であり、粉体付着の頻度が小さいので、付着防止のためのノズル等を必要としない。このため、反応容器への設置が容易である。更に、微弱な高周波電流の使用によっても測定が可能であり、測定に要する電力は小さくて足りる。更に、γ線を利用する方式とは異なり、放射線取扱上の問題が生じないので、安全性にも優れている。
【0034】
上記実施形態例の粉体の測定装置では、測定の範囲は、検出プローブおよびガード部分の高さ方向の長さを変化させることで、容器全体から或る限られた範囲まで、自由に調整することが可能であり、目的によって使い分けることが出来る。
【0035】
なお、対象とする粉体を収容する容器が金属製でない場合には、一対の検出プローブの双方を容器内に設置する方法に限らず、一方を容器の外側に設置する方法、双方を容器の外側に設置する方法を採用することもできる。また、容器が金属製の場合には、一対の検出プローブを容器内に設置する方法、あるいは一方は容器内に設置し、他方は容器そのものを利用する方法を採用することが出来る。
【0036】
本発明の粉体量の測定装置が適用できるオレフィン重合用気相重合プロセスでは、触媒は、チーグラー触媒系であれ、メタロセン系触媒であれ特に制限されない。気相重合法に使用できるためには、具体的には、担持型触媒であるものが好ましい。担体としては無機担体、有機担体といった種類を問わない。
【0037】
重合条件としては、通常の気相重合の条件が使用でき、重合圧力は0.5〜5MPa、重合温度は30〜120℃、滞留時間は0.1〜10hrである。また、使用できるオレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン等である。
【0038】
【実施例】
以下に、実施例としてコールドモデル実験の結果を示す。内径が190mmで、下部に分散板4を備え、窒素ガスを下部から上部に向けて流通させることが出来る円筒状の流動式反応容器1に、平均粒径410μmのポリプロピレンのパウダー1kgを導入した。
【0039】
静止状態から窒素流量を徐々に上げていき、分散板4の上下の差圧を測定したところ、窒素流量で250NL/分以上で変化が見られなくなったことから、完全流動化領域に入ったと判断し、以下の測定は窒素流量300NL/分で行うこととした。
【0040】
一旦、窒素を完全に停止し、粉体の上面が水平となるように粉体をならした。上部より、発振器9及び差動増幅器10を含む粉体量検出部(マイテック社製、万能電極式粉体量検出部マイスターMCM2121)に接続された一対の金属製検出プローブ3を容器1内に導入し、静止状態で金属製検出プローブ3の先端部分がちょうど粉面の最上部になるように長さを調整して固定し、この状態で粉体量検出部指示値がゼロとなるように調整した。
【0041】
次に、容器1内にポリマーを1kg追加し、窒素流量を300NL/分に設定して、そのときの指示値と振れ幅を記録した。さらにポリマーを1kgずつ、5kgまで追加して、同様の測定を行った。結果を表1及び図3に示す。
【表1】
【0042】
本コールドモデル実験により、表1及び図3から理解できるように、ポリマー量と指示値との間に良好な線形の関係が得られること、及び、指示値の振れ幅が非常に小さいことが示された。すなわち、本測定法を用いることで、上面が波打っている粉体についても、その正確な質量の計測が可能であることが示された。
【0043】
重合反応時も、原理的にはコールドモデルと同等の状況になるため、本測定方法を用いることで、気相重合反応容器内の粉体量を精度よく測定することができ、また、この測定値に基づいて反応容器内の粉体ポリオレフィン量の制御を行うことで、精度が高い制御が可能となる。
【0044】
なお、上記実施形態例では、一対の検出プローブが鉛直方向に且つ平行に延びる例を示したが、検出プローブが延びる方向は、相互に平行であって、且つ、鉛直方向成分を持てばよく、一部が水平方向又は斜め方向に伸びていてもよい。
【0045】
以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明の粉体量の測定装置及びポリオレフィンの製造方法は、上記実施形態例の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
【0046】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の粉体量の測定装置によると、粉体の流動によって粉体の上面が波打っていても、容器内の粉体量が正確に且つ安全性が高く測定できる利点がある。このため、ポリオレフィンの製造に好適に用いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例に係る粉体量の測定装置を有するポリオレフィン製造装置のブロック図。
【図2】図1に示した検出プローブの取り付け部分の拡大図。
【図3】実施例で得られた、容器内のポリマーの質量と粉体量の測定装置の指示値との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1:反応容器
2:端子箱
3:検出プローブ
4:分散板
5:ガード
6:絶縁体
7:シールド線
8:シールド
9:発振器
10:差動増幅器
11:帰還コンデンサ
12:演算器
20:静電容量部
30:制御演算部
Claims (4)
- 容器内の粉体の質量を測定する粉体量の測定装置において、
容器内又はその近傍に配設され、少なくとも鉛直方向成分を含んだ方向に且つ互いに平行に延びる一対の検出プローブと、
前記一対の検出プローブ間の静電容量を測定する静電容量測定部と、
前記静電容量測定部で測定された静電容量に基づいて容器内の粉体量を演算する演算器とを備えることを特徴とする粉体量の測定装置。 - 前記容器が導電性を有し、前記一対の検出プローブの一方に代えて前記導電性容器を使用する、請求項1に記載の粉体量の測定装置。
- 前記粉体が、気相重合法によって生成される粉体である、請求項1又は2に記載の粉体量の測定装置。
- 請求項3に記載の粉体量の測定装置を用い気相重合反応容器内でポリオレフィンを製造する方法であって、
前記演算器で演算された粉体ポリオレフィンの量に基づいて、供給される触媒の供給量及び粉体ポリオレフィンの抜き出し量の少なくとも一方を調整して、反応容器内の粉体ポリオレフィンの量を目標値になるように制御することを特徴とするポリオレフィンの製造方法。
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JP2002309896A JP2004144613A (ja) | 2002-10-24 | 2002-10-24 | 粉体量の測定装置及びポリオレフィンの製造方法 |
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JP2008157872A (ja) * | 2006-12-26 | 2008-07-10 | Japan Polypropylene Corp | 粉体質量測定装置及びそれを用いたポリオレフィンの製造方法 |
JP2008309604A (ja) * | 2007-06-14 | 2008-12-25 | Japan Polypropylene Corp | 液体量測定装置及びそれを用いたポリオレフィンの製造方法 |
JP2010143972A (ja) * | 2008-12-16 | 2010-07-01 | Japan Polypropylene Corp | ポリオレフィンの製造方法及びその装置 |
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2002
- 2002-10-24 JP JP2002309896A patent/JP2004144613A/ja active Pending
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