JP5519096B2 - 粉体質量測定装置及びそれを用いたポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、攪拌機構付き容器内の粉体の質量を測定する装置及びそれを用いたポリオレフィン製造方法に関し、更に詳しくは、気相重合反応器内の粉体質量を正確に測定することができる粉体質量測定装置及びその測定装置を用いたポリオレフィンの製造方法に関する。
ポリエチレン、ポリプロピレンを代表とするポリオレフィンを製造する方法として、気相重合プロセスが知られている。当該プロセスは、固体触媒成分を実質的に液体の存在しない反応器に装入し、重合により得られたポリマー粒子を製品として抜き出すものである。
この方式は、生産性の観点からして、いわゆる連続重合が好適に行われ、触媒を含む原料成分が連続的もしくは間歇的に反応系に供給され、重合で得られたポリマー粒子が連続的または間歇的に反応器から排出されるなど優れている。このような気相重合法は、ポリマー粒子と同伴して抜き出される気固混合物を脱圧するのみで製品粉体が得られるため、実質的に液体を伴う環境下で重合を行うスラリー重合やバルク重合よりも、プロセスが簡易化でき、またエネルギー的にも有利であることから賞用されている。
気相重合プロセスは、大別すると、流動層式と攪拌流動式に分類される。流動層式プロセスでは、反応器下部に設置した分散板を通して流動化ガスを送り込むことで、流動層を形成させ、これにより重合粉体の攪拌を行うと同時に、流動化ガスの顕熱により反応熱の除去を行う。一方、攪拌流動式プロセスでは、機械的な攪拌によって、重合粉体を攪拌し、同時に反応器内で容易に気化する液体を供給することにより、この蒸発潜熱により反応熱を除去する。
これらのポリオレフィンの気相連続重合プロセスにおいては、均質なオレフィン重合体を安定して生産するために、反応器内の重合粉体質量を一定に維持する必要がある。一般的に、反応器内に存在する重合粉体質量と反応器から排出される重合粉体質量のバランスによって、その平均滞留時間が決定されるが、得られる重合活性やMFR制御性、あるいは多段重合における各段での重合量比は、平均滞留時間に大きく影響されることが分っている。また、製造する製品グレードを切り替える際には、重合条件が大きく変更され、それに伴い、反応容器内の粉体質量を変化させる場合がある。これらの目的のため、反応容器内の粉体質量を正確に測定し、これを制御することは、気相重合によりポリオレフィンを製造する上で必要不可欠となっている。
ところで、気相重合プロセスのうち、流動層式では、反応器内の重合粉体質量を測定するために、差圧式レベル計が多用されている。よく知られている通り、流動層が形成された状態下においては、流動化ガスにより粉体層の上下に現れる差圧は、ガス線速には依存せず、粉体質量にほぼ比例する。従って、粉体層下部と流動層フリーボード部の間の差圧を計測すれば、反応器内の重合粉体質量を間接的に測定することが可能となる。ただし、計測すべき差圧は、微小であるため、ガス流動や攪拌などによる動圧の影響などを極力排除する必要がある。これらに対応したものとしては、特許文献1に開示された方法を挙げることができる。
一方、気相重合反応器において重合粉体質量を測定する別の方法として、γ線照射装置と2台の検出器を用いる方法(特許文献2参照。)や、重合反応器内に一対のプローブを配設して、粉体質量により変化する静電容量から粉体質量を算出する方法(特許文献3参照。)が開示されている。
更には、重合反応器内の高さ方向に対する粉体相および気相の温度を測定して、当該重合反応容器内部の高さ方向に対する温度分布を求め、この温度分布における温度の変曲点に対応する高さを粉体の高さレベルとする方法(特許文献4参照。)が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された、差圧を用いて粉体質量を測定する方法は、流動層式プロセスの場合にのみ、適用可能であり、攪拌流動式プロセスには、適用できなかった。また、この測定方法は、重合粉体が、差圧測定用のノズルに詰まって、ノズルを閉塞させやすく、ノズル内を頻繁にガスパージする必要があるという問題もあり、特に小型の反応容器への適用が困難であった。
また、特許文献2に開示された、γ線を用いる粉体質量の測定方法は、粉体界面の状態が不安定な場合には、正確な測定が困難である一方、精度を上げるためには、γ線の照射強度を高くしなければならないといった放射線の取り扱いについての安全管理上の問題があった。
また、特許文献3に開示された、重合反応器内部における粉体質量の変化に対応する検出プローブを配設して、粉体質量により変化する静電容量から粉体質量を算出する方法は、攪拌機構を有する、特に小型反応容器の場合には、測定のための検出プローブを内部に設けるのが困難であるという問題があった。
更に、特許文献4に開示された、重合反応器内の高さ方向に対する粉体相および気相の温度を測定して、当該重合反応容器内部の高さ方向に対する温度分布を求め、この温度分布における温度の変曲点に対応する高さを、粉体の高さレベルとする方法では、当該容器内において、粉体相と気相に明確な温度分布が存在する場合にのみ適用可能であり、温度均一層の条件下では適用困難であった。また、温度分布が存在している場合でも、正確なレベル高さを知ろうと思うと、当該容器内部の高さ方向に対する温度検知部を多数設けなければならないという問題点があった。
特公平3−32562号公報 特開平10−221274号公報 特開2004−144613号公報 特開2006−208154号公報
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、攪拌機構を有する反応器内部の粉体ポリオレフィン量を正確かつ安全に測定することができる粉体質量測定装置、及びそれを用いたポリオレフィン製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、粉体が収容された攪拌機構付き容器において、容器本体と攪拌軸などの攪拌機構とを電気的に絶縁し、これらの間に生ずる静電容量を測定する、例えば発振器と帰還コンデンサを有する差動増幅器の静電容量測定部又は測定手段により、静電容量を求め、その静電容量に基づいて、容器内の粉体質量を演算することにより、容器内の粉体量が正確かつ安全に測定することができることを見出し、さらに、この知見を応用して、攪拌機構を有する反応器内部の粉体ポリオレフィン量の測定にも適用でき、上記の課題を解決できることを見出し、これらの知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、粉体が収容された攪拌機構付き気相重合反応器内の粉体の質量を測定する装置であって、気相重合反応器本体と攪拌機構を電気的に絶縁し、該攪拌機構は、水平方向の検出プローブを撹拌軸とするものであり、該気相重合反応器本体と攪拌機構の間に生ずる静電容量を測定する静電容量測定部又は測定手段と、測定された静電容量に基づいて気相重合反応器内の粉体の質量を演算する演算器とを備えることを特徴とする粉体の質量測定装置が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、粉体であるポリマーが収容された攪拌機構付き気相重合反応器であって、気相重合反応器本体と攪拌機構を電気的に絶縁し、該攪拌機構は、水平方向の検出プローブを撹拌軸とするものであり、該気相重合反応器本体と攪拌機構の間に生ずる静電容量を測定する静電容量測定部又は測定手段と、測定された静電容量に基づいて気相重合反応器内のポリマー質量を演算する演算器とを備えることを特徴とする気相重合反応器が提供される。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第2の発明において、前記気相重合反応器は、横型反応器または縦型反応器であることを特徴とする気相重合反応器が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明に係る粉体の質量測定装置を用いてポリオレフィンを製造する方法であって、演算器で演算されたポリオレフィン粉体質量に基づき、触媒の供給量及び/又はポリオレフィン粉体の抜出し量の少なくとも一方を調整して、気相重合反応器内のポリオレフィン粉体質量を目標値になるように制御することを特徴とするポリオレフィンの製造方法が提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、第2又は3の発明に係る気相重合反応器を用いてポリオレフィンを製造する方法であって、演算器で演算されたポリオレフィン粉体質量に基づき、触媒の供給量及び/又はポリオレフィン粉体の抜出し量の少なくとも一方を調整して、気相重合反応器内のポリオレフィン粉体質量を目標値になるように制御することを特徴とするポリオレフィンの製造方法が提供される。
本発明の粉体質量測定装置によれば、差圧を計測することがないので差圧測定のためのノズル閉塞や、γ線を使用することもないので放射線の取扱いに伴う安全上の問題も生じなく、粉体の流動によって粉体の上面が波打ったり、温度均一層であっても、容器内の粉体質量を正確に且つ高い安全性が高く測定できるという効果がある。
このため、本発明の粉体質量測定装置は、ポリオレフィンの製造に、好適に用いることができる。
本発明の粉体質量測定装置(以下、本測定装置ともいう)は、攪拌機構付き容器において、容器本体と攪拌機構の攪拌軸を電気的に絶縁し、これらの間に生ずる静電容量を測定する静電容量測定部又は測定手段と、その測定された静電容量に基づいて、容器内の粉体質量を演算する演算器とを備えるものであり、また、本発明のポリオレフィン製造方法は、本測定装置を用い、演算器で演算されたポリオレフィン粉体質量に基づき、触媒の供給量又はポリオレフィン粉体の抜出し量の少なくとも一方を調整して、反応器内のポリオレフィン粉体質量を目標値になるように、制御するものである。
以下、本測定装置について、その構成や、該装置を用い、ポリオレフィン粉体質量を制御するポリオレフィン製造方法等について詳細に説明する。
本測定装置によると、一対の検出プローブ間およびその近傍に粉体が存在すると、この一対の検出プローブ間に形成される静電容量が増大し、この増大する静電容量は、一対の検出プローブ間や近傍に存在する粉体の質量に依存する。そこで、この静電容量を測定部又は測定手段で測定し、演算器によって、これを粉体質量に換算することにより、粉体質量を測定することができる。
静電容量から粉体質量の換算にあたっては、例えば、一対の検出プローブ間またはその近傍に全く粉体が存在しない状態から、粉体質量が最大限に存在するまでの間の静電容量の変化を、予め複数点測定して、検量線を作成しておき、これと実際に測定された静電容量とを照合対比すればよい。
本発明の粉体質量測定装置では、差圧を計測することがないので、攪拌流動プロセスの気相重合法に適用しても、差圧測定のノズル閉塞の問題を生じないし、また、γ線を使用することもないので、放射線の取扱いに伴う安全上の問題も生じない。
また、攪拌軸を検出プローブとしているので、攪拌機構を有する容器であれば、容器自体の大きさは、何ら制限されない。更には、粉体相と気相それぞれに温度計を配設し、温度分布を測定する必要もない。
なお、流動層式プロセスでも、攪拌機を有する反応器には、問題なく適用可能であり、差圧を計測するためのノズルを要しないことから、閉塞や攪拌による動圧の影響を受けることなく、良好な重合粉体質量計測と制御が可能となる。
本発明の粉体質量測定装置は、特に、質量を測定すべき粉体が、気相重合法によって生成されるポリオレフィン粉体である場合に、好適に使用できる。
気相重合法で生成される粉体は、粉体の上面が絶えず波打っており、また、その密度も状況毎に異なるので、単に粉体レベルを測定しても、その質量を精度良く測定することは困難である。
しかし、本発明の粉体質量測定装置を用いた方法では、流動時あるいは攪拌時の粉体の密度も加味した粉体の絶対量(質量)が測定可能である。
また、本発明に係るポリオレフィン製造方法によると、本発明の粉体質量測定装置を使用することによって、ポリオレフィン粉体質量の正確な測定が可能となり、反応容器内のポリオレフィン粉体の質量が目標値になるように、正確に制御することができる。
なお、本明細書で使用する「粉体」は、「粒体」を含む概念であり、また、「粒体」と粉状体の混合物も、粉体に含まれる。これらも、粉状体と同様に、本発明の粉体質量測定装置で質量測定が可能である。
以下、本発明の実施形態の一態様を、図面に基づいて説明する。
図1において、符号1は、内部で重合反応が進行する横型気相反応容器を示し、反応器1、攪拌シャフト(軸)2は、互いに絶縁された一対の検出プローブとして配設され、制御演算部14から構成される。制御演算部14は、反応器1に交流電源を供給する発振器8、攪拌シャフト2から交流信号を受信する差動増幅器9、及び、差動増幅器9の出力電圧から粉体質量を演算する演算器11から構成されている。発振器8及び差動増幅器9は、本発明の粉体質量測定装置における静電容量測定部を構成する。
図1において、一対の検出プローブの反応器1は、絶縁ガスケット4を介して、反応器蓋3で保護され、また、もう一方の検出プローブの攪拌シャフト2は、絶縁軸受5を介して、反応器蓋3と絶縁され、さらに、攪拌シャフト2は、絶縁カップリング13を介して、電動機とも絶縁されている。
攪拌シャフト2と、制御演算部14の差動増幅器9との間は、シールド芯線6によって、集電子(ブラシ)12を介して、配線される。また、シールド(網線)7は、反応器蓋3に配線される。反応器1から延びる一方のシールド芯線6には、発振器8から交流電源が入力され、他方の攪拌シャフト2から延びるシールド芯線6は、差動増幅器9の反転端子に接続される。差動増幅器9の非反転端子は、前記、反応器蓋3のシールド(網線)7に接続される。差動増幅器9の出力端子と、その反転端子との間には、帰還コンデンサ10が接続される。差動増幅器9の出力は、演算器11に入力される。
上記粉体質量測定装置において、発振器8の出力電流をEiとし、一対の検出プローブ(1と2)によって形成される静電容量をCxとし、帰還コンデンサ10の容量をCcとすると、差動増幅器9の出力端子に現れる出力電力E0は、次式[1]で与えられる。
E0=(Cx/Cc)×Ei ・・・[1]
一般に、粉体は、気体よりも大きな比誘電率を有することから、一対の検出プローブ(1と2)間の粉体質量に比例して、出力電圧E0が変化する。
ここで、予め実測によって、出力電圧E0と容器内の関係を求めておき、演算器12内に記憶する。つまり、反応容器1内の粉体質量がゼロから最大値までの間の適当な間隔で、差動増幅器9からの出力電圧値と粉体質量の関係を実測し、例えば、この実測値に基づいて、グラフを作り、制御演算部14の演算器11に記憶させておく。このようにすると、演算器11により、差動増幅器9からの出力電圧E0に基づいて、容器内の粉体質量を求めることができる。
なお、グラフの作成に代えて、あらかじめ実測した記憶している数値から補間法によって求めてもよい。
上記実施形態の一態様例の粉体質量測定装置では、反応容器内の粉体の流動状態が変化して、見かけ上の粉面が上昇又は下降した場合でも、一対の検出プローブ(1と2)間に形成される静電容量は、その間又は近傍に存在する粉体の絶対量、具体的にはその質量によって定まることが期待できる。つまり、粉体質量が変化しなければ、見かけ上の粉面が上昇又は下降しても、静電容量部を流れる電流値は、実質的に変化せず、差動増幅器9の出力電圧は、ほぼ一定となる。
従って、本実施形態の一態様例の粉体質量測定装置は、粉体の流動状態の如何に拘わらず、容器内の粉体質量を正確に測定することが可能になる。
従来の差圧式の粉体質量測定装置では、差圧測定のためにガスの通り道を設ける必要があり、専用の細い配管が設けられ、その配管に、差圧計測定のための各種センサーが設置される。
オレフィン重合用の触媒は、流動ベッド用の粉体ポリマーよりも、はるかに粒径が小さいため、流動の条件が不適切であると、触媒が差圧測定用の配管に混入し、そこでオレフィンを重合させ、管を閉塞させるなどの問題があった。あるいは、完全に閉塞しなくとも、部分閉塞によって、正確な差圧が得られず、計測される差圧の信頼性に欠けていた。また、流動のために送り込む気泡や、付着防止のためのフラッシングガスの動圧によって、圧力変化が生じ、測定に影響を及ぼすこともあった。
しかし、本実施形態例の粉体質量測定装置では、差圧を測定する配管の必要がないので、上記不具合が生じず、精度が高い検出が可能であり、また、γ線を利用する方式とは異なり、放射線取扱い上の問題が生じないので、安全性にも優れている。
また、攪拌機構を有する反応器では、必然的に具備されている攪拌シャフトを検出プローブの一方とすることで、静電容量測定のための検出プローブを、反応器内に設ける煩わしさもない。更には、反応器内部の高さ方向に対する温度分布を網羅的に測定しなければ正確な粉体レベルは把握できないといったことも、全くないのである。
上記実施形態例の反応器としては、横型反応器(図1)以外にも、縦型反応器等が挙げられる。攪拌シャフト2に装備された攪拌翼としてパドル翼を示しているが、このほか、アンカー翼、ヘリカルリボン翼といった形状を使用することもでき、形状は、何ら限定されない。
本発明の粉体質量測定装置が適用できるオレフィン重合用気相プロセスでは、触媒は、チーグラー触媒系であれ、メタロセン触媒系であれ、特に制限されない。気相重合法に適用しうるようにするためには、具体的には、担持型触媒を用いるのが好ましい。担体としては、無機担体、有機担体といった種類を問わない。
重合条件としては、通常の気相重合の条件が適用でき、重合圧力は、0.5〜5MPaG、重合温度は、30〜120℃、滞留時間は、0.1〜10時間である。
また、使用できるオレフィンは、プロピレン、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等である。これらオレフィンの単独重合若しくは共重合は、必要に応じて分子量調節剤である水素ガスを供しながら実施される。
ポリオレフィン量測定および製造法は、特に、ポリプロピレンに適用するのが好ましい。
以下、実施例として、コールドモデルテストに基づいて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
内径が約100mm、胴長が約900mmで上部から粉体を投入できる攪拌機構を有する横型反応器1において、胴体部に発振器からシールド芯線を接続し、また、攪拌シャフトに接している集電子(ブラシ)に差動増幅器からのシールド芯線を接続し、更に、差動増幅器からのシールド(網線)をフランジ蓋に接続した。
ここで、反応器と反応器蓋間、反応器蓋と攪拌シャフト間には、それぞれテフロン(登録商標)製のガスケット、軸受を介在させた。また、攪拌シャフトと電動機は、塩化ビニルチューブで絶縁した。
そして、室温条件、70rpmで攪拌下に、該反応器内部の静電容量をバックグラウンドとして測定した。
次に、70rpmの攪拌下、平均粒径350μmのポリプロピレン粉体を順次投入し、その際の静電容量を測定した。その結果から検量線を作成した。これら結果を、表1および図2に示す。
Figure 0005519096
本コールドモデル実験により、表1および図2から理解できるように、ポリマー質量と静電容量との間に、良好な線形の関係が得られることが示された。
即ち、本測定法を用いることで、機械的攪拌によって上面が波打っている粉体についても、その正確な質量の計測が可能であることが示された。
重合反応時も、原理的にはコールドモデルと同等の状況にあるため、本測定法を用いることで、気相重合反応器内の粉体質量を精度よく測定でき、また、この測定値に基づいて反応器内の粉体質量の制御を行うことにより、精度の高い制御が可能となる。
なお、上記実施形態例では、一対の検出プローブが水平方向に且つ平行に延びる例を示したが、検出プローブが延びる方向は、相互に平行でなくても何ら問題はない。
即ち、反応器は横型でも縦型でもよく、且つ、攪拌翼は、水平、鉛直方向であってもよい。
以上、本発明をその好適な実施形態例に基づいて説明したが、本発明の粉体質量測定装置およびポリオレフィン製造法は、上記実施形態例の構成にのみ、限定されるものではなく、上記実施形態例の構成から種々の修正および変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。
本発明の粉体質量測定装置は、攪拌機構付き容器内の粉体質量を、正確かつ安全に測定することができるため、攪拌機構を有する反応器内部の粉体ポリオレフィン量も、正確かつ安全に測定することができ、しかも、横型反応器や縦型反応器等にも適用でき、さらに、オレフィン重合用気相プロセスにも、また、流動層式プロセスでも攪拌機を有する反応器でれば、適用でき、産業上利用可能性が高いものである。
本発明の一実施形態例に係る粉体質量測定装置を有する横型気相反応容器を説明するブロック図である。 実施例のコールドモデル実験により得られた、ポリマー質量と静電容量との関係を示すプロット図である。
符号の説明
1 反応器(本体)
2 攪拌シャフト
3 反応器蓋
4 絶縁ガスケット
5 絶縁軸受
6 シールド芯線
7 シールド(網線)
8 発振器
9 差動増幅器
10 帰還コンデンサ
11 演算器
12 集電子(ブラシ)
13 絶縁カップリング
14 制御演算部

Claims (5)

  1. 粉体が収容された攪拌機構付き気相重合反応器内の粉体の質量を測定する装置であって、
    気相重合反応器本体と攪拌機構を電気的に絶縁し、該攪拌機構は、水平方向の検出プローブを撹拌軸とするものであり、該気相重合反応器本体と攪拌機構の間に生ずる静電容量を測定する静電容量測定部又は測定手段と、測定された静電容量に基づいて気相重合反応器内の粉体の質量を演算する演算器とを備えることを特徴とする粉体の質量測定装置。
  2. 粉体であるポリマーが収容された攪拌機構付き気相重合反応器であって、
    気相重合反応器本体と攪拌機構を電気的に絶縁し、該攪拌機構は、水平方向の検出プローブを撹拌軸とするものであり、該気相重合反応器本体と攪拌機構の間に生ずる静電容量を測定する静電容量測定部又は測定手段と、測定された静電容量に基づいて気相重合反応器内のポリマー質量を演算する演算器とを備えることを特徴とする気相重合反応器。
  3. 前記気相重合反応器は、横型反応器または縦型反応器であることを特徴とする請求項2に記載の気相重合反応器。
  4. 請求項1に記載の粉体の質量測定装置を用いてポリオレフィンを製造する方法であって、
    演算器で演算されたポリオレフィン粉体質量に基づき、触媒の供給量及び/又はポリオレフィン粉体の抜出し量の少なくとも一方を調整して、気相重合反応器内のポリオレフィン粉体質量を目標値になるように制御することを特徴とするポリオレフィンの製造方法。
  5. 請求項2又は3に記載の気相重合反応器を用いてポリオレフィンを製造する方法であって、
    演算器で演算されたポリオレフィン粉体質量に基づき、触媒の供給量及び/又はポリオレフィン粉体の抜出し量の少なくとも一方を調整して、気相重合反応器内のポリオレフィン粉体質量を目標値になるように制御することを特徴とするポリオレフィンの製造方法。
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