JP2004144340A - 床暖房用断熱パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】厚さを減少させた温水式の床暖房用断熱パネルをコストを抑えて提供する。
【解決手段】断熱基板2の上面に配管溝10(10a,10b,10c)が形成された床暖房用断熱パネル1において、配管溝10に温水配管3(3a,3b,3c)が配設されたときに温水配管3の下方の温水配管3と対向する断熱基板2の部分のみに、断熱基板2よりも断熱効果が高い真空断熱部材12(12a,12b,12c)を埋設する。
【選択図】 図1
【解決手段】断熱基板2の上面に配管溝10(10a,10b,10c)が形成された床暖房用断熱パネル1において、配管溝10に温水配管3(3a,3b,3c)が配設されたときに温水配管3の下方の温水配管3と対向する断熱基板2の部分のみに、断熱基板2よりも断熱効果が高い真空断熱部材12(12a,12b,12c)を埋設する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、温水式の床暖房装置に使用される床暖房用断熱パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
温水式の床暖房装置に使用される床暖房用断熱パネルにおいては、床下側への放熱損失を防止すると共に、床面の熱膨張による軋み音の発生を防止するため、温水配管は断熱基板の上面に形成された配管溝に配設される(特許文献1)。
【0003】
そして、断熱基板による断熱効果を十分に確保するためには、断熱基板を厚くすることが有効であるが、断熱基板を厚くすると床暖房用断熱パネルが厚くなって床面が高くなり、ドアの開閉が困難になる等の不都合が生じる。
【0004】
そこで、断熱基板よりも熱伝導率が低く、断熱効果の高い断熱材(例えば、真空断熱材)を断熱基板と床面の間に設けることにより、断熱基板の厚みを減少させて床暖房用断熱パネルの厚さを薄くすることができる。しかし、この場合には、高価な断熱材を使用することにより、床暖房用断熱パネルのコストが高くなってしまうという不都合がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−198153号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記不都合を解消し、厚みを減少させた床暖房用断熱パネルをコストを抑えて提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、断熱基板の上面に温水配管の配管溝が形成された床暖房用断熱パネルにおいて、前記配管溝に温水配管が配設されたときに該温水配管の下方で該温水配管と対向する前記断熱基板の部分のみに、前記断熱基板よりも断熱効果が高い断熱部材を埋設したことを特徴とする。
【0008】
かかる本発明において、前記断熱基板の前記配管溝が形成された部分は他の部分に比べて厚さが薄くなって床下側への断熱効果が低下する。そこで、本発明では、前記配管溝に配設された温水配管の下方の該温水配管と対向する部分にのみ前記断熱基板よりも断熱効果が高い前記断熱部材を設けて、床下側への断熱効果の低下を抑制している。そして、これにより前記断熱基板を厚くすることなく温水配管の下方の断熱効果を維持している。
【0009】
また、前記断熱基板よりも断熱効果が高い前記断熱部材のコストは一般に前記断熱基板よりも高くなるが、本発明では、温水配管からの放熱量が多い前記温水配管の下方部分のみに限定して前記断熱部材を設けている。そのため、前記断熱部材を前記断熱基板の下面全体に亘って設ける場合に比べて、床暖房用断熱パネルのコストを下げることができる。
【0010】
また、前記断熱部材を、前記配管溝に温水配管が配設されたときに該温水配管の外面と当接する部分に埋設することによって、該温水配管の下方への放熱を断熱する効果を高めることができる。
【0011】
また、本発明の第2の態様は、断熱基板の上面に温水配管の配管溝が形成された床暖房用断熱パネルにおいて、前記配管溝に温水配管が配設されたときに該温水配管の外面と当接する箇所から前記断熱基板の上表面に至るまでの部分のみに、前記断熱基板よりも断熱効果が高い断熱部材を埋設し、該断熱部材よりも熱伝導率が高い熱伝導シートを該断熱部材の上面に設けたことを特徴とする。
【0012】
かかる本発明によれば、温水配管の下方への放熱が該温水配管の外面に当接した前記断熱部材によって抑制されるため、前記第1の態様と同様に、前記断熱基板を厚くすることなく温水配管の下方への断熱効果を維持することができる。そして、下方への伝播が抑制された温水配管からの放熱を前記熱伝導シートを介して前記断熱基板の上面に効率良く伝播させることができる。また、前記断熱部材は、前記配管溝に温水配管が配設されたときに該温水配管の外面と当接する箇所から前記断熱基板の上表面に至るまでの部分に限定して埋設されるため、前記断熱部材を前記断熱基板の上面の全面に設ける場合に比べて床暖房用断熱パネルのコストを下げることができる。
【0013】
また、前記第1の態様及び前記第2の態様において、前記断熱部材が微細多孔体を真空密封した真空部材である場合は、該真空部材は前記温水配管の下方の前記温水配管と対向する部分のみに設けられるため、前記断熱基板の該真空部材が設けられていない部分にビス止め等を行うことにより、該真空部材を傷つけることなく床暖房用断熱パネルを固定することができる。
【0014】
また、前記第1の態様及び前記第2の態様において、前記断熱部材の間の前記断熱基板の部分に、前記断熱基板を折り曲げ可能とするスリットを設けることにより、床暖房用断熱パネルの運搬を容易にすることができる。特に前記断熱部材が前記真空部材である場合は、該真空部材が設けられていない部分にスリットが設けられるため、前記断熱基板が折り曲げられたときに、摩擦や干渉により該真空部材が破損することを防止することができる。
【0015】
また、前記第1の態様及び前記第2の態様において、前記温水配管は平行して配設された複数の配管部分を有し、該配管部分の下方の該配管部分と対向する部分に設けられた前記断熱部材の幅を、該配管部分の内径以上であって、且つ隣り合った該配管部分の中心間の距離の1/2以下の範囲内で設定したことを特徴とする。
【0016】
かかる本発明によれば、前記断熱部材の幅の拡大による前記温水配管の下方への断熱効果と、前記断熱部材の幅の縮小による床暖房用断熱パネルのコストダウン効果をバランスさせて、前記断熱部材の幅を適切に設定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1〜図3を参照して説明する。図1は第1の実施の形態における床暖房用断熱パネルの構成図、図2は図1に示した真空断熱部材の幅設定の説明図、図3は第2及び第3の実施の形態における床暖房用断熱パネルの構成図である。
【0018】
先ず、図1(a)及び図1(b)を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1(a)は床暖房用断熱パネル1の上表面に貼着された放熱板を剥がした状態を示しており、発泡ポリスチレン等の断熱材料で作られた断熱基板2の上面に形成された配管溝に、温水配管3が配設されている。そして、温水配管3の入口ヘッダー4は給湯往き管(図示しない)と接続され、また、温水配管3の出口ヘッダー5は給湯戻り管(図示しない)と接続されて、熱源機(図示しない)から該給湯往き管を介して温水が供給されると共に、温水配管内を流通して放熱した温水が該給湯戻り管を介して熱源機に回収される。
【0019】
図1(b)は図1(a)に示した床暖房用断熱パネル1の横断面図であり、断熱基板2の上表面に形成された配管溝10(10a,10b,10c)に温水配管3が配設されて、放熱板20が貼着されている。また、温水配管3の配管部分3a,3b,3cは、互いに平行に間隔を空けて配設されている。
【0020】
図1(b)に示したように、断熱基板2の上表面に配管溝10を形成した場合、配管溝10の下側の断熱基板2の厚さが薄くなり、床下側への断熱効果が減少する。そこで、断熱基板2の温水配管3の下方の該温水配管3と対向する部分に、断熱基板2よりも熱伝導率が低く断熱効果が大きい真空断熱部材12(12a,12b,12c、本発明の断熱部材に相当する)が埋設されている。
【0021】
そして、このように温水配管3の下方に真空断熱部材12を埋設することによって、断熱基板2のみを用いて所定レベルの断熱効果を得る場合に比べて、床暖房用断熱パネル1の厚さを薄くして該所定レベルの断熱効果を得ることができる。
【0022】
また、コストが断熱基板2よりも高い真空断熱部材12を、温水配管3からの放熱が大きい温水配管3の下方の温水配管3と対向する部分のみに限定して設けることにより、真空断熱部材12を断熱基板2の下面全体に設ける場合に比べて、床暖房用断熱パネル1のコストを抑えて効率良く床下側への断熱効果を得ることができる。さらに、真空断熱部材12が設けられた部分以外の断熱基板2の箇所にビス止め等を行って、容易に床暖房用断熱パネル1を床面に固定することができる。
【0023】
また、図2は、図1に示した床暖房用断熱パネル1における真空断熱部材12の幅(W)を決定する方法の1例を示したものであり、図中、Lは断熱基板2の厚さ、Sは温水配管3の配管部分3b,3cの中心間の距離(配設ピッチ)、d1は配管部分3b,3cの外径、d2は配管部分3b,3cの内径である。
【0024】
図2において、配管部分3b,3cの下方への放熱が多いのは配管部分3b,3cの内径(d2)の内側部分(図中Xの部分)である。したがって、配管部分3b,3cの下方側の断熱効果を確保するためには、真空断熱部材12の幅(W)を配管部分3b,3cの内径(d2)以上とすることが望ましい。
【0025】
一方、真空断熱部材12のコストを考えると、真空断熱部材12の幅(W)が狭いほうが望ましい。また、真空断熱部材12の幅(W)が狭ければ、それだけ真空断熱部材12が設けられておらずビス打ち等が可能な断熱基板2の部分が増えるため、床暖房用断熱パネル1の設置施工性が向上する。そこで、断熱効果、コストの抑制、及び施工性の向上という各要素のバランスを考慮して、配管部分3b,3cの内径(d2)以上で、且つ配管部分3b,3cの配設ピッチ(S)の1/2以下の範囲で真空断熱部材12の幅(W)を決定することが望ましい。
【0026】
また、真空断熱部材12の幅(W)の他の決定方法として、断熱基板2の厚さ(L)と温水配管3の外径(d1)との関係に基づいて、以下の式(1)により真空断熱部材12の幅を決定してもよい。
【0027】
W = α × d1/(L−d1) ・・・・・(1)
但し、α:断熱基板2の熱伝導率に基づいて実験等により定められた係数。
【0028】
また、図1(b)を参照して、断熱基板2にスリット25を設けて断熱基板2を折り曲げ可能とすることにより、床暖房用断熱パネル1の運搬を容易にすることができる。
【0029】
次に、図3を参照して、本発明の第2、第3の実施の形態について説明する。なお、図1(b)に示した床暖房用断熱パネル1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0030】
図3(a)を参照して、本発明の第2の実施の形態の床暖房用断熱パネル30においては、温水配管3の外面に当接する部分に真空断熱部材31(31a,31b,31c)が埋設されている。
【0031】
この場合、温水配管3が真空断熱部材31に密接して配設されるため、温水配管3からの下方及び側方への放熱を断熱する効果を高めることができる。
【0032】
また、図3(b)を参照して、本発明の第3の実施の形態の床暖房用断熱パネル40においては、図3(a)に示した床暖房用断熱パネル30と同様に、温水配管3の外面に当接する部分に真空断熱部材41(41a,41b,41c)が埋設されている。
【0033】
そして、真空断熱部材41と温水配管3の間から放熱板20と断熱基板2の上表面の間に亘って、熱伝導率が真空断熱部材41よりも高い熱伝導シート42が設けられている。この場合、温水配管3から放熱されて真空断熱部材41により下方及び側方への伝播が妨げられた熱を、熱伝導シート42を経由して放熱板20に効率良く拡散させることができる。
【0034】
なお、図3(b)に示したように、真空断熱部材41を配管溝10から断熱基板2の上表面まで延設することにより、温水配管3からの放熱を床暖房用断熱パネル40の上表面に拡散させる効果を一層高めることができる。
【0035】
また、本実施の形態では、本発明の断熱部材として真空断熱部材を用いたが、断熱基板2よりも熱伝導率が低い断熱部材であれば、他の種類の断熱部材を用いた場合であっても本発明の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における床暖房用断熱パネルの構成図。
【図2】真空断熱部材の幅設定の説明図。
【図3】第2及び第3の実施の形態における床暖房用断熱パネルの構成図。
【符号の説明】
1…床暖房用断熱パネル、2…断熱基板、3…温水配管、10…配管溝、12…真空断熱部材、30…床暖房用断熱パネル、31…真空断熱部材、40…床暖房用断熱パネル
【発明の属する技術分野】
本発明は、温水式の床暖房装置に使用される床暖房用断熱パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
温水式の床暖房装置に使用される床暖房用断熱パネルにおいては、床下側への放熱損失を防止すると共に、床面の熱膨張による軋み音の発生を防止するため、温水配管は断熱基板の上面に形成された配管溝に配設される(特許文献1)。
【0003】
そして、断熱基板による断熱効果を十分に確保するためには、断熱基板を厚くすることが有効であるが、断熱基板を厚くすると床暖房用断熱パネルが厚くなって床面が高くなり、ドアの開閉が困難になる等の不都合が生じる。
【0004】
そこで、断熱基板よりも熱伝導率が低く、断熱効果の高い断熱材(例えば、真空断熱材)を断熱基板と床面の間に設けることにより、断熱基板の厚みを減少させて床暖房用断熱パネルの厚さを薄くすることができる。しかし、この場合には、高価な断熱材を使用することにより、床暖房用断熱パネルのコストが高くなってしまうという不都合がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−198153号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記不都合を解消し、厚みを減少させた床暖房用断熱パネルをコストを抑えて提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、断熱基板の上面に温水配管の配管溝が形成された床暖房用断熱パネルにおいて、前記配管溝に温水配管が配設されたときに該温水配管の下方で該温水配管と対向する前記断熱基板の部分のみに、前記断熱基板よりも断熱効果が高い断熱部材を埋設したことを特徴とする。
【0008】
かかる本発明において、前記断熱基板の前記配管溝が形成された部分は他の部分に比べて厚さが薄くなって床下側への断熱効果が低下する。そこで、本発明では、前記配管溝に配設された温水配管の下方の該温水配管と対向する部分にのみ前記断熱基板よりも断熱効果が高い前記断熱部材を設けて、床下側への断熱効果の低下を抑制している。そして、これにより前記断熱基板を厚くすることなく温水配管の下方の断熱効果を維持している。
【0009】
また、前記断熱基板よりも断熱効果が高い前記断熱部材のコストは一般に前記断熱基板よりも高くなるが、本発明では、温水配管からの放熱量が多い前記温水配管の下方部分のみに限定して前記断熱部材を設けている。そのため、前記断熱部材を前記断熱基板の下面全体に亘って設ける場合に比べて、床暖房用断熱パネルのコストを下げることができる。
【0010】
また、前記断熱部材を、前記配管溝に温水配管が配設されたときに該温水配管の外面と当接する部分に埋設することによって、該温水配管の下方への放熱を断熱する効果を高めることができる。
【0011】
また、本発明の第2の態様は、断熱基板の上面に温水配管の配管溝が形成された床暖房用断熱パネルにおいて、前記配管溝に温水配管が配設されたときに該温水配管の外面と当接する箇所から前記断熱基板の上表面に至るまでの部分のみに、前記断熱基板よりも断熱効果が高い断熱部材を埋設し、該断熱部材よりも熱伝導率が高い熱伝導シートを該断熱部材の上面に設けたことを特徴とする。
【0012】
かかる本発明によれば、温水配管の下方への放熱が該温水配管の外面に当接した前記断熱部材によって抑制されるため、前記第1の態様と同様に、前記断熱基板を厚くすることなく温水配管の下方への断熱効果を維持することができる。そして、下方への伝播が抑制された温水配管からの放熱を前記熱伝導シートを介して前記断熱基板の上面に効率良く伝播させることができる。また、前記断熱部材は、前記配管溝に温水配管が配設されたときに該温水配管の外面と当接する箇所から前記断熱基板の上表面に至るまでの部分に限定して埋設されるため、前記断熱部材を前記断熱基板の上面の全面に設ける場合に比べて床暖房用断熱パネルのコストを下げることができる。
【0013】
また、前記第1の態様及び前記第2の態様において、前記断熱部材が微細多孔体を真空密封した真空部材である場合は、該真空部材は前記温水配管の下方の前記温水配管と対向する部分のみに設けられるため、前記断熱基板の該真空部材が設けられていない部分にビス止め等を行うことにより、該真空部材を傷つけることなく床暖房用断熱パネルを固定することができる。
【0014】
また、前記第1の態様及び前記第2の態様において、前記断熱部材の間の前記断熱基板の部分に、前記断熱基板を折り曲げ可能とするスリットを設けることにより、床暖房用断熱パネルの運搬を容易にすることができる。特に前記断熱部材が前記真空部材である場合は、該真空部材が設けられていない部分にスリットが設けられるため、前記断熱基板が折り曲げられたときに、摩擦や干渉により該真空部材が破損することを防止することができる。
【0015】
また、前記第1の態様及び前記第2の態様において、前記温水配管は平行して配設された複数の配管部分を有し、該配管部分の下方の該配管部分と対向する部分に設けられた前記断熱部材の幅を、該配管部分の内径以上であって、且つ隣り合った該配管部分の中心間の距離の1/2以下の範囲内で設定したことを特徴とする。
【0016】
かかる本発明によれば、前記断熱部材の幅の拡大による前記温水配管の下方への断熱効果と、前記断熱部材の幅の縮小による床暖房用断熱パネルのコストダウン効果をバランスさせて、前記断熱部材の幅を適切に設定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図1〜図3を参照して説明する。図1は第1の実施の形態における床暖房用断熱パネルの構成図、図2は図1に示した真空断熱部材の幅設定の説明図、図3は第2及び第3の実施の形態における床暖房用断熱パネルの構成図である。
【0018】
先ず、図1(a)及び図1(b)を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1(a)は床暖房用断熱パネル1の上表面に貼着された放熱板を剥がした状態を示しており、発泡ポリスチレン等の断熱材料で作られた断熱基板2の上面に形成された配管溝に、温水配管3が配設されている。そして、温水配管3の入口ヘッダー4は給湯往き管(図示しない)と接続され、また、温水配管3の出口ヘッダー5は給湯戻り管(図示しない)と接続されて、熱源機(図示しない)から該給湯往き管を介して温水が供給されると共に、温水配管内を流通して放熱した温水が該給湯戻り管を介して熱源機に回収される。
【0019】
図1(b)は図1(a)に示した床暖房用断熱パネル1の横断面図であり、断熱基板2の上表面に形成された配管溝10(10a,10b,10c)に温水配管3が配設されて、放熱板20が貼着されている。また、温水配管3の配管部分3a,3b,3cは、互いに平行に間隔を空けて配設されている。
【0020】
図1(b)に示したように、断熱基板2の上表面に配管溝10を形成した場合、配管溝10の下側の断熱基板2の厚さが薄くなり、床下側への断熱効果が減少する。そこで、断熱基板2の温水配管3の下方の該温水配管3と対向する部分に、断熱基板2よりも熱伝導率が低く断熱効果が大きい真空断熱部材12(12a,12b,12c、本発明の断熱部材に相当する)が埋設されている。
【0021】
そして、このように温水配管3の下方に真空断熱部材12を埋設することによって、断熱基板2のみを用いて所定レベルの断熱効果を得る場合に比べて、床暖房用断熱パネル1の厚さを薄くして該所定レベルの断熱効果を得ることができる。
【0022】
また、コストが断熱基板2よりも高い真空断熱部材12を、温水配管3からの放熱が大きい温水配管3の下方の温水配管3と対向する部分のみに限定して設けることにより、真空断熱部材12を断熱基板2の下面全体に設ける場合に比べて、床暖房用断熱パネル1のコストを抑えて効率良く床下側への断熱効果を得ることができる。さらに、真空断熱部材12が設けられた部分以外の断熱基板2の箇所にビス止め等を行って、容易に床暖房用断熱パネル1を床面に固定することができる。
【0023】
また、図2は、図1に示した床暖房用断熱パネル1における真空断熱部材12の幅(W)を決定する方法の1例を示したものであり、図中、Lは断熱基板2の厚さ、Sは温水配管3の配管部分3b,3cの中心間の距離(配設ピッチ)、d1は配管部分3b,3cの外径、d2は配管部分3b,3cの内径である。
【0024】
図2において、配管部分3b,3cの下方への放熱が多いのは配管部分3b,3cの内径(d2)の内側部分(図中Xの部分)である。したがって、配管部分3b,3cの下方側の断熱効果を確保するためには、真空断熱部材12の幅(W)を配管部分3b,3cの内径(d2)以上とすることが望ましい。
【0025】
一方、真空断熱部材12のコストを考えると、真空断熱部材12の幅(W)が狭いほうが望ましい。また、真空断熱部材12の幅(W)が狭ければ、それだけ真空断熱部材12が設けられておらずビス打ち等が可能な断熱基板2の部分が増えるため、床暖房用断熱パネル1の設置施工性が向上する。そこで、断熱効果、コストの抑制、及び施工性の向上という各要素のバランスを考慮して、配管部分3b,3cの内径(d2)以上で、且つ配管部分3b,3cの配設ピッチ(S)の1/2以下の範囲で真空断熱部材12の幅(W)を決定することが望ましい。
【0026】
また、真空断熱部材12の幅(W)の他の決定方法として、断熱基板2の厚さ(L)と温水配管3の外径(d1)との関係に基づいて、以下の式(1)により真空断熱部材12の幅を決定してもよい。
【0027】
W = α × d1/(L−d1) ・・・・・(1)
但し、α:断熱基板2の熱伝導率に基づいて実験等により定められた係数。
【0028】
また、図1(b)を参照して、断熱基板2にスリット25を設けて断熱基板2を折り曲げ可能とすることにより、床暖房用断熱パネル1の運搬を容易にすることができる。
【0029】
次に、図3を参照して、本発明の第2、第3の実施の形態について説明する。なお、図1(b)に示した床暖房用断熱パネル1と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0030】
図3(a)を参照して、本発明の第2の実施の形態の床暖房用断熱パネル30においては、温水配管3の外面に当接する部分に真空断熱部材31(31a,31b,31c)が埋設されている。
【0031】
この場合、温水配管3が真空断熱部材31に密接して配設されるため、温水配管3からの下方及び側方への放熱を断熱する効果を高めることができる。
【0032】
また、図3(b)を参照して、本発明の第3の実施の形態の床暖房用断熱パネル40においては、図3(a)に示した床暖房用断熱パネル30と同様に、温水配管3の外面に当接する部分に真空断熱部材41(41a,41b,41c)が埋設されている。
【0033】
そして、真空断熱部材41と温水配管3の間から放熱板20と断熱基板2の上表面の間に亘って、熱伝導率が真空断熱部材41よりも高い熱伝導シート42が設けられている。この場合、温水配管3から放熱されて真空断熱部材41により下方及び側方への伝播が妨げられた熱を、熱伝導シート42を経由して放熱板20に効率良く拡散させることができる。
【0034】
なお、図3(b)に示したように、真空断熱部材41を配管溝10から断熱基板2の上表面まで延設することにより、温水配管3からの放熱を床暖房用断熱パネル40の上表面に拡散させる効果を一層高めることができる。
【0035】
また、本実施の形態では、本発明の断熱部材として真空断熱部材を用いたが、断熱基板2よりも熱伝導率が低い断熱部材であれば、他の種類の断熱部材を用いた場合であっても本発明の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における床暖房用断熱パネルの構成図。
【図2】真空断熱部材の幅設定の説明図。
【図3】第2及び第3の実施の形態における床暖房用断熱パネルの構成図。
【符号の説明】
1…床暖房用断熱パネル、2…断熱基板、3…温水配管、10…配管溝、12…真空断熱部材、30…床暖房用断熱パネル、31…真空断熱部材、40…床暖房用断熱パネル
Claims (6)
- 断熱基板の上面に温水配管の配管溝が形成された床暖房用断熱パネルにおいて、
前記配管溝に温水配管が配設されたときに該温水配管の下方で該温水配管と対向する前記断熱基板の部分のみに、前記断熱基板よりも断熱効果が高い断熱部材を埋設したことを特徴とする床暖房用断熱パネル。 - 前記断熱部材を、前記配管溝に温水配管が配設されたときに該温水配管の外面と当接する部分に埋設したことを特徴とする請求項1記載の床暖房用断熱パネル。
- 断熱基板の上面に温水配管の配管溝が形成された床暖房用断熱パネルにおいて、
前記配管溝に温水配管が配設されたときに該温水配管の外面と当接する箇所から前記断熱基板の上表面に至るまでの前記断熱基板の部分のみに、前記断熱基板よりも断熱効果が高い断熱部材を埋設し、該断熱部材よりも熱伝導率が高い熱伝導シートを該断熱部材の上面に設けたことを特徴とする床暖房用断熱パネル。 - 前記断熱部材は、微細多孔体を真空密封した真空部材であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか1項記載の床暖房用断熱パネル。
- 前記断熱部材の間の前記断熱基板の部分に、前記断熱基板を折り曲げ可能とするスリットを設けたことを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか1項記載の床暖房用断熱パネル。
- 前記温水配管は平行して配設された複数の配管部分を有し、該配管部分の下方の該配管部分と対向する部分に設けられた前記断熱部材の幅を、該配管部分の内径以上であって、且つ隣り合った該配管部分の中心間の距離の1/2以下の範囲内としたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか1項記載の床暖房用断熱パネル。
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