JP2004144324A - 冷蔵庫用脱臭装置及びこれを備えた冷蔵庫 - Google Patents

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星野 仁
Toshimitsu Tsukui
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Abstract

【課題】光触媒による脱臭効果が高く、かつ広範な臭い成分を分解除去することができる脱臭装置を備えた冷蔵庫及び冷蔵庫用脱臭装置を提供すること。
【解決手段】200nm以下の波長の光を放射し、その少なくとも片面に光触媒被膜を形成した平面状の紫外線放射ランプを有する冷蔵庫用脱臭装置、及び開閉自在な扉と、被冷却物を収納する収納部と、該収納部と連通しその中を空気が通る風路と、この風路中に設けられ風路内の空気を冷却する冷却器、この冷却された空気を強制的に前記収納部の上方からその内部へ循環させる送風機、及び前記冷蔵庫用脱臭装置を前記風路中の冷却器の風上に設けた冷蔵庫。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光触媒及びオゾンにより臭気成分が分解され、かつ殺菌作用を有する冷蔵庫用脱臭装置及びこれを備えた冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷蔵庫は様々な食品を保存するため、庫内には、食品から発せられる種々雑多な臭い成分が存在する。従来、冷蔵庫内の脱臭は活性炭等の吸着剤で行なわれていたが、吸着効果が早い時期に消失するなどの問題があった。最近では、冷蔵庫そのものに脱臭装置を備えた冷蔵庫が種々提案されている。
例えば以下の特許文献1には、冷蔵庫の空気循環路に置かれたカバー内面に吸着型熱分解触媒(吸着剤と熱分解触媒を混合したもの)を設け、この触媒を除霜ヒータにより加熱して触媒の再生を行なう脱臭装置が記載されている。触媒の加熱は除霜時のヒータ加熱と兼ねて行なわれるので、新たなヒータを必要としないものの、除霜ヒータは空気循環路中において冷却器と触媒の両方を加熱する必要があるため除霜ヒータを置く場所におのずと制限があることと、触媒はカバー内面に設けられていることがあいまって、循環路内の空気が必ずしも有効に触媒に接するとは限らない。
【0003】
また以下の特許文献2には、除霜運転時に用いるガラス管ヒータの外周面に、吸着型熱分解触媒を被覆し、冷却器からの冷気の流入を制御するダンパ装置の積算開口時間(冷蔵庫運転率に相当)が所定値以下になった場合にヒータを通電する制御装置により、前記加熱時間を制御し、冷蔵庫内の臭気成分を除去する冷蔵庫が記載されている。この冷蔵庫は除霜運転時に用いるガラス管ヒータを触媒加熱に用いるので、触媒加熱のための新たな熱源は要しないものの、前記のようにダンパ装置の積算開口時間に基づくヒータ通電制御装置が必要となる。
【0004】
さらに以下の特許文献3には、触媒をカバー内面に設ける代わりに除霜ヒータ管の外表面に被覆し、さらに触媒層の下に吸着体の層を形成し、吸着体で吸着した臭気成分を除霜ヒータ通電時に触媒で分解させる冷蔵庫が記載されている。しかしながら、この方法で脱臭する方法は、吸着体と触媒の量で脱臭能力が決まり、そのため被膜を厚くして脱臭能力を上げると、除霜ヒータとしての加熱能力が低下して除霜ヒータ本来の能力が得られず、加熱能力と吸着体・触媒の量との兼ね合いから十分な脱臭能力を設定できないという問題がある。
特許文献1ないし3に記載の吸着型熱分解触媒を用いる脱臭装置は、前記のごとき問題がある他、吸着型熱分解触媒が冷蔵庫内の種々雑多な臭気成分をすべて吸着できるものでもないという問題点を有する。
【0005】
これらの問題及び要請に基づき、本発明者らは特願2001−227375号出願として、光触媒を用いて脱臭する冷蔵庫を提案した。この冷蔵庫は、冷却器の風上に設けられる平面状の紫外線放射ランプと、この紫外線放射ランプの照射範囲内にコルゲート型またはハニカム型の通風路が構成された光触媒フィルタを設けたもので、光触媒フィルタの紫外線が照射される側の表層に、紫外線照射により励起されて通風路を通過する空気中の臭い分子を分解する機能を有する光触媒を配置し、光触媒フィルタの紫外線が照射されない側の表層には、前記庫内の雰囲気において前記通風路を通過する空気中の臭い分子を分解する機能を有する酸化触媒を配置したものである。この冷蔵庫は、フィルタの各部分まで距離がほぼ均等になり、光触媒に対する紫外線の照射強度がほぼ均一になるので、光触媒の活性化が均一で十分となり脱臭効率や殺菌効率が向上するとともに、光触媒フィルタの表層の裏表を有効に利用して、紫外線の照射中は勿論のこと、紫外線の照射を停止したり間欠的に行って紫外線照射を行わない間も脱臭できる。
しかし、光触媒の効果を高めるため紫外線放射ランプと光触媒を近づけ過ぎると空気の循環が円滑に行なわれなくなり、また、光触媒と酸化触媒によりすべての臭い成分、特に分子量の大きい臭い成分は除去しにくく改善の余地が残されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−206457号公報
【特許文献2】
特開平5−118737号公報
【特許文献3】
特開平5−168855号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のごとき要請に基づいてなされたもので、その目的は、光触媒による脱臭効果が高く、かつ広範な臭い成分を分解除去することができる脱臭装置を備えた冷蔵庫及び冷蔵庫用脱臭装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、以下の冷蔵庫及び冷蔵庫用脱臭装置を提供することにより解決される。
(1)開閉自在な扉と、被冷却物を収納する収納部と、該収納部と連通しその中を空気が通る風路と、この風路中に設けられ風路内の空気を冷却する冷却器及びこの冷却された空気を強制的に前記収納部の上方からその内部へ循環させる送風機と、前記風路中の前記冷却器の風上に設けられ、200nm以下の波長の光を放射し、その少なくとも片面に光触媒被膜を有する平面状の紫外線放射ランプとを備える冷蔵庫。
(2)前記光触媒被膜が30nm以下の光触媒粒子を含むことを特徴とする前記(1)に記載の冷蔵庫。
(3)前記光触媒被膜の厚さが1μm以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の冷蔵庫。
(4)前記触媒被膜が平面状紫外線放射ランプの両面に設けられることを特徴とする前記(1)ないし(3)のいずれか1に記載の冷蔵庫。
(5)前記平面状紫外線放射ランプの片面が紫外線を遮蔽する材料で構成されていることを特徴とする前記(1)ないし(3)のいずれか1に記載の冷蔵庫。
(6)200nm以下の波長の光を放射し、その少なくとも片面に光触媒被膜を形成した平面状の紫外線放射ランプを有する冷蔵庫用脱臭装置。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の冷蔵庫に用いられる脱臭装置について以下に詳細に説明する。
本発明における脱臭装置は、200nm以下の波長の光を放射し、その少なくとも片面に光触媒被膜を有する平板状の紫外線放射ランプからなる。
200nm以下の波長の光は、光触媒を励起し、かつオゾンを発生させる機能を有する。したがって本発明において用いる紫外線放射ランプから放射される光はランプの少なくとも片面に形成されている光触媒を励起するとともに、風路中の酸素を酸化しオゾンを発生させる。励起された光触媒は、その表面に吸着されているあるいはその表面上を流れる空気中の臭い成分を分解し、また発生したオゾンも臭い成分を分解する。オゾンは比較的分子量が大きい臭い成分を分解することができる。オゾン分解によって生成するより低分子量の成分は、さらに光触媒により分解される。したがって、本発明における脱臭装置は、光触媒による臭い成分分解機能と、オゾンによる臭い成分分解機能を有し、この両機能により冷蔵庫内の臭いを有効に除去することができる。
また、本発明の紫外線放射ランプにより放射される紫外線は短波領域であるので、殺菌作用を得ることもできる。紫外線により死滅した細菌の残骸は光触媒により分解される。
しかも、光触媒被膜は平板状の紫外線放射ランプの表面に設けられ、光源と光触媒被膜との間の距離が非常に短いので、光触媒機能が強く発現する。さらに、従来より知られている管状の紫外線放射ランプは空気の流れを阻害するのに対し、本発明の紫外線放射ランプは平板状であるため、冷蔵庫の風路に設置した場合、冷気の循環を妨げることがなく、その結果静音効果が得られる。
【0010】
図1に本発明の脱臭装置の一例を示す。図1は紫外線放射ランプの片面に光触媒被膜を設けた例である。図1(A)は紫外線放射ランプ30の斜視図を、図1(B)はその長手方向の一部断面図を示す。図中、32は可視光を通し有害な300nm以下の紫外線を遮断する板(例えばソーダガラス板)、34は200nm以下の紫外線を透過させる板(例えば石英ガラス板)、36は光触媒被膜、38a及び38bは電極をそれぞれ示す。アルカリガラス板と石英ガラス板で区画される空間には水銀、キセノンガス等が封入されている。本発明で用いる紫外線放射ランプはこれに限定されるものでなく、200nm以下の波長の光を放射する平板状の紫外線放射ランプであれば制限なく用いることができる。
図1で示す紫外線放射ランプの、ソーダガラス板で構成される面は冷蔵庫の収納室に露出するように配置され、紫外線放射ランプから放射される光のうち可視光は収納室内部に照射される(図2参照)。
【0011】
前記図1で示す紫外線放射ランプは、片面を可視光を通し有害な300nm以下の紫外線を遮断する板(例えばソーダガラス板)で、他の面を波長200nm以下の光を透過させる板(例えば石英ガラス)で構成したが、両面を波長200nm以下の光を透過させる板とし、その両面あるいは片面に光触媒層を形成することもできる。片面に形成する場合はオゾン発生作用が強まる。
また、光触媒層は面全体に設ける必要はなく、光触媒機能とオゾン発生機能の割合に応じて適宜決めることができる。なお、オゾンは毒性があるので、循環する冷気中の濃度が0.1ppm程度以下にするように制御することが好ましい。
前記平板状紫外線放射ランプの大きさは、それによって得られる脱臭機能、それが用いられる冷蔵庫の機種等に配慮しながら、風路内において空気流れを可及的に阻害しないようなものであれば特に制限はない。
【0012】
紫外線放射ランプに用いられる光源は、主ピークの波長が200nm以下の光を放射するものが用いられ、例えば、水銀灯より発する光、ハロゲンランプ等のフィラメントランプより生ずる光、ショートアークキャノン光、半導体レーザー光線、紫外線ランプ、ブラックライト、蛍光燈(例えば、冷陰極蛍光ランプ)、青色LEDまたは紫外線LEDなどのLED等の人工光源が挙げられる。これらは1つ以上組み合わせて使用してもよい。
【0013】
本発明で用いる光触媒は、光の照射によってその触媒反応を促進させるものであり、その種類は限定されることはないが、例えば酸化チタン(TiO )、酸化鉄(Fe O )、酸化タングステン(WO )、酸化スズ(SnO )、酸化ビスマス(Bi O )、酸化ニッケル(NiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO )、酸化ケイ素(SiO )、硫化モリブデン(MoS )、リン化インジウム(InP)、リン化ガリウム(GaP)、インジウム鉛(InPb)等のn型及びP型半導体、あるいはさらに高活性にするため該半導体に白金(Pt)、ロジウム(Ru)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)、スズ(Sn)、酸化ルテニウム(RuO )、酸化ニッケル(NiO)等の金属または金属酸化物を担持した半導体の固体光触媒及びルテニウムビピリジル錯体等のルテニウム(Ru)錯体、ポルフイリン類、クロロフイル等の分子光触媒が挙げられる。本発明においては、これら光触媒のうち1種または2種以上を使用することができる。中でもアナターゼ型酸化チタンが好ましく用いられ、特に中性タイプのアナターゼ型酸化チタンが好ましい。
光触媒は市販のものを用いることができる他、金属の高温焼成、電解酸化、化学的蒸着法、真空蒸着法、塗布法、共沈法、金属ハロゲン化物等の蒸発酸化法等により調製することもできる。
【0014】
紫外線放射ランプの少なくとも片面に設けられる光触媒被膜は、前記のごとき光触媒の微粒子をバインダーとともに分散させた液を、たとえばスプレー塗布、ロール塗布等により形成することができる。
光触媒の粒子の平均粒径は小さい方が光触媒活性の点で好ましく、平均粒径は30nm以下であることが好ましい。粒径の下限に特に制限はないが、製造の容易性又は入手の容易性等から、平均粒径は10〜30nm、好ましくは25〜30nmであることが好ましい。
バインダーとしては無機質セラミックバインダー、オルガノポリシロキサン等を用いることができる。紫外線放射ランプをオゾン発生管として機能させるためには、放射光が光触媒被膜を透過する必要があるので、このバインダーとしてオルガノポリシロキサンを用いることが好ましい。
光触媒とバインダーとの混合比(質量比)は、50:50〜90:10の範囲が好ましく、より好ましくは70:30〜80:20の範囲である。この範囲にあると、光触媒機能とオゾン発生作用を両立させることができる。
光触媒被膜は1μm程度あれば十分に光触媒機能を発揮することができ、特に厚く形成する必要はない。(必要以上に厚くすると放射光が被膜を透過できずオゾン発生作用が望めない。)使用しうる塗布方法や光触媒機能の点からみて、光触媒被膜は0.1〜10μm程度、好ましくは0.5〜1μm程度が適切である。
本発明の紫外線放射ランプは平板状の形状を有しているため、塗布法に制限がなく、所望の厚さの光触媒被膜を容易に、例えば前記のごとき塗布法により、形成することができる。
前記図1に示す紫外線放射ランプの一例を示すと、ランプの大きさは20mm×140mm×5mmで、片面はソーダガラス板で構成され、他の面は表面に光触媒被膜が形成された石英ガラスで構成される。また、光触媒被膜は、アナターゼ型TiO(平均径30nm)、オルガノポリシロキサン及び硬化触媒(Zn)を含む塗布液を、ディップ(浸漬)法により、石英ガラスの表面に1μmの乾燥膜厚になるように塗布形成される。
【0015】
次に、本発明の脱臭装置により、光触媒被膜による脱臭とオゾンガスによる脱臭が行なわれるが、両者を併用した場合の脱臭効果について具体的に説明する。
図6に、硫黄化合物臭気を有するメチルメルカプタンを、光触媒とオゾン(5.20V)を併用して脱臭した例と、オゾン(5.20V)だけを用いて脱臭した例について、メチルメルカプタンの初期濃度に対する残存濃度の割合(残存率(%))の経時的変化(分)をグラフに示す。図6中、Aは併用する場合の曲線を、Bはオゾン単独の場合を示す曲線である。試験は、メチルメルカプタンの初期濃度を、光触媒及びオゾン併用の場合11ppmに、オゾン単独の場合13ppmにし、デシケータを用いて行なった。
図6が示すように、本発明のように光触媒とオゾンによる脱臭を併用すると、オゾン単独の場合よりも、初期の脱臭速度がより大きく、また、光触媒は、脱臭器出口での残存オゾンの分解とともにメチルメルカプタンの分解にも寄与していることが分かる。
【0016】
次に、前記のごとき脱臭装置を備えた冷蔵庫について具体的に説明するが、本発明の冷蔵庫はこれに限定されるものではない。
図2は前記図1で示す本発明の脱臭装置を備えた冷蔵庫の冷蔵室部分の断面説明図である。図3は、図2に示した本発明の冷蔵庫の背面板の説明図であり、図4は、図2の一部拡大図である。
図2において、10は家庭用冷蔵庫である。この家庭用冷蔵庫10は、上から被冷却物を収納する収納部である冷蔵室R(冷蔵温度帯エリア)、野菜室冷蔵室V(冷蔵温度帯エリア)、冷凍室(図示せず)の順で配置されている。この冷蔵庫10は、少なくとも圧縮器、凝縮器、蒸発器からなる冷凍サイクルを有するものであり、蒸発器(エバ)を蒸発温度を違えて2つ有し、2エバ・タイプと呼ばれるものである。冷蔵温度帯エリア冷却用の冷蔵用の蒸発器(以下、冷却器17という)と、冷凍温度帯エリア冷却用の冷凍用の蒸発器(冷却器)(図示せず)とを備えている。収納部は複数の棚11を有して被冷却物を収納可能にしている。12は外箱、13は内箱であり、14はこの両者(12、13)間に発泡充填された断熱材である。
【0017】
15は家庭用冷蔵庫10の前面に備えられた冷蔵室用の開閉自在な回転扉であり、片側に設けた回転軸を中心に開閉する。16は冷蔵室の背面板である。この背面板16は冷蔵庫10の内箱13との間に冷蔵庫内の空気を循環させる風路20を形成している。この風路20中に冷蔵室用の冷却器17、冷蔵庫内の空気を循環させるファン18、庫内灯19が設置されており、風路20を通って冷却器17で冷却された冷気をファン18を介して庫内の上段の棚11の上方側から冷蔵室へ吐出させる。
21は、断熱材であり、背面板16の内箱13側でファン18、冷却器17の低温の冷熱(冷気)が冷蔵室に伝わるのを抑制している。
22は、除霜用のヒータであり、冷却器17を下方から加熱して冷却器17の除霜を行うものである。23は、冷蔵室Rおよび野菜室Vを経た冷蔵室内の戻り空気を、冷却器17に循環するための風路20の一部を構成する戻りダクトである。
【0018】
30は、ピーク波長185nmの紫外線を照射する、本発明の脱臭装置たる平面状の紫外線放射ランプである。この紫外線放射ランプは、前記図1に示すような、紫外線放射ランプの片面をソーダガラス板で、他の面を表面に光触媒被膜が形成された石英ガラスで構成されている。
紫外線放射ランプ30は、ソーダガラス板の面が冷蔵室R側になるように、背面板16にはめ込まれ、風路20に向けて紫外線が照射され、冷蔵室R側には可視光が照射される。なお、戻りダクト23内の紫外線照射領域には、紫外線照射による内箱13の樹脂の変形や劣化を防止するための図示しないアルミなどの紫外線を反射できる反射材を貼付してもよい。
【0019】
冷蔵庫10のファン18が作動し、庫内冷気が風路20に循環すると、冷気中の臭い分子(例えば、アンモニア、アセトアルデヒド、メチルメルカプタン、硫化水素、ホルムアルデヒドなどやエチレンなどの有機化合物分子)も同時に循環して流れる。この臭い分子は、光触媒被膜の上を流れると同時にその一部は光触媒被膜に吸着される。
一方、紫外線放射ランプに通電すると波長が200nm以下の紫外線が放射され、紫外線放射ランプ表面に被覆された光触媒被膜を励起するとともに、光触媒被膜を透過した紫外線は、空気中の酸素を酸化してオゾンを発生せしめる。そうすると、励起された光触媒被膜は該被膜に吸着された臭い成分を分解し、また、発生したオゾンは風路内の臭い成分を分解する。オゾンは比較的高い分子量の臭い成分を分解すると考えられるが、その分解によって生成するより低分子量の成分は、さらに光触媒により分解される。また、本発明の紫外線放射ランプにより殺菌作用を得ることもできる。紫外線により死滅した細菌の残骸は光触媒により分解される。
【0020】
本発明の脱臭装置として、その両面が波長200nm以下の光を透過する板で構成され、その両方または片方に光触媒被膜を設けたものを用いる場合には、脱臭装置は、戻りダクト23内であって、空気の循環を著しく妨げない任意の位置に設置することができる。例えば図5に両面に光触媒被膜を設けた平板状紫外線放射ランプを設置する場合の例を示す。この例の冷蔵庫では、光触媒被膜を紫外線放射ランプの両面に被覆しているので、さらに脱臭機能が強化される。
【0021】
【発明の効果】
本発明における脱臭装置は、光触媒による臭い成分分解機能と、オゾンによる臭い成分分解機能を有し、この両機能により冷蔵庫内の臭いを有効に除去することができる。また、本発明の紫外線放射ランプにより放射される紫外線は短波領域であるので、殺菌作用を得ることもできる。紫外線により死滅した細菌の残骸は光触媒により分解される。
しかも、光触媒被膜は平板状の紫外線放射ランプの表面に設けられ、光源と光触媒被膜との間の距離が非常に短いので、光触媒機能が強く発現する。さらに、従来紫外線放射ランプは管状のものが知られているが、管状のランプは空気の流れを阻害するのに対し、本発明の紫外線放射ランプは平板状であるため、冷蔵庫の風路に設置した場合、冷気の循環を妨げることがなく、その結果静音効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の紫外線放射ランプの一例を示す概略図で、(A)は斜視図を(B)は長手方向における一部断面図を示す。
【図2】本発明の脱臭装置を設けた冷蔵庫の一例を示す断面図である。
【図3】本発明の冷蔵庫の背面板を説明する図である。
【図4】図2の冷蔵庫の一部拡大図である。
【図5】本発明の他の脱臭装置を設けた冷蔵庫の一部拡大図である。
【図6】光触媒とオゾン併用による脱臭及びオゾン単独による脱臭の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 冷蔵庫
16 背面板
17 冷却器
18 ファン(送風機)
20 風路
30 平面状の紫外線放射ランプ
36 光触媒被膜

Claims (6)

  1. 開閉自在な扉と、被冷却物を収納する収納部と、該収納部と連通しその中を空気が通る風路と、この風路中に設けられ風路内の空気を冷却する冷却器及びこの冷却された空気を強制的に前記収納部の上方からその内部へ循環させる送風機と、前記風路中の前記冷却器の風上に設けられ、200nm以下の波長の光を放射し、その少なくとも片面に光触媒被膜を有する平面状の紫外線放射ランプとを備える冷蔵庫。
  2. 前記光触媒被膜が30nm以下の光触媒粒子を含むことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記光触媒被膜の厚さが1μm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記触媒被膜が平面状紫外線放射ランプの両面に設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  5. 前記平面状紫外線放射ランプの片面が紫外線を遮蔽する材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  6. 200nm以下の波長の光を放射し、その少なくとも片面に光触媒被膜を形成した平面状の紫外線放射ランプを有する冷蔵庫用脱臭装置。
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