JP2004143989A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Yasuyuki Irisawa
入澤 泰之
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/008Controlling each cylinder individually
    • F02D41/0087Selective cylinder activation, i.e. partial cylinder operation
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D2250/00Engine control related to specific problems or objectives
    • F02D2250/41Control to generate negative pressure in the intake manifold, e.g. for fuel vapor purging or brake booster
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02DCONTROLLING COMBUSTION ENGINES
    • F02D41/00Electrical control of supply of combustible mixture or its constituents
    • F02D41/0025Controlling engines characterised by use of non-liquid fuels, pluralities of fuels, or non-fuel substances added to the combustible mixtures
    • F02D41/003Adding fuel vapours, e.g. drawn from engine fuel reservoir

Abstract

【課題】減筒運転時に、サージタンク負圧の低下に伴うパージ制御異常やブレーキ性能低下などが発生することを防止する
【解決手段】気筒休止機構を有するエンジンにおいて、減筒運転時にはサージタンクなどのエンジン吸気系の吸入負圧が低下する。サージタンクの負圧は、キャニスタからの蒸発燃料のパージに利用されるとともに、ブレーキブースタに必要な負圧を供給するためにも利用されるので、サージタンク内の負圧が低下すると、パージ異常やブレーキ性能の低下などが生じうる。よって、パージ濃度が所定値以上でパージを促進する必要があるとき、又は、ブレーキブースタ内の負圧が所定値以下でブレーキ性能が低下する可能性があるときには、減筒運転を禁止し、通常運転を行うことによりサージタンク内の負圧を確保する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気筒休止機構を有するエンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃費向上などの観点から、比較的多数の気筒を有し、その一部の気筒を休止させる気筒休止機構を備えたエンジンが知られている。なお、一部の気筒が休止した状態を以下、「減筒」とも呼ぶ。気筒の休止は、一般的に、ECU(Engine Control Unit)からの気筒休止指示に応答して、指定された気筒の排気弁及び吸気弁の少なくとも一方を閉じるとともに、当該気筒への燃料の供給を停止することにより行われる。そのようなエンジンでは、要求出力が所定以下の低・中負荷運転時に減筒運転を行うことにより、運転を行う気筒(以下、「稼働気筒」とも呼ぶ。)に供給する吸入空気量を全気筒運転時より増大させることにより、スロットル弁開度を増大させて吸気抵抗を減少させ、燃費の向上などを図る。
【0003】
一般的に減筒運転時は通常運転時と比較してアクセル開度が大きくなるため、稼働気筒のサージタンク内の負圧が低下し、エンジンの運転性能などに悪影響が及ぶことがある。例えば、サージタンク内の負圧の低下により、燃料タンクからの蒸発燃料を収容するキャニスタからのパージ量に異常を生じたり、ブレーキブースタ内の負圧低下によりブレーキ性能が低下したりという現象が生じうる。
【0004】
このような問題を解決するため、稼働気筒の吸気通路内にスロットル弁とは別個に吸気制御弁を設け、吸気負圧を確保する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
なお、当該技術分野の水準を示す文献として、減筒運転時においても常時キャニスタパージを実行する方法を開示した特許文献2がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−101140号公報。
【0007】
【特許文献2】
特開平7−63127号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のように吸気制御弁を設ける方法では、吸気制御弁の動作時に吸気制御弁下流の吸気負圧が大きくなりすぎてシリンダ内へのオイル上がり(オイルの燃焼室への逆流)が生じた入り、吸気制御弁の隙間から空気が漏れて排気系の触媒を劣化させたりという問題が生じることがあった。
【0009】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、吸気制御弁などの特別な機構を設けることなく、減筒運転時に、サージタンク負圧の低下に伴うパージ制御異常やブレーキ性能低下などが発生することを防止することが可能なエンジンの制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点では、複数気筒を有するエンジンを備える車両に搭載されるエンジン制御装置は、気筒休止時に、前記気筒への燃料噴射を停止するとともに吸気弁及び排気弁の少なくとも一方を閉じる気筒休止機構と、前記エンジンの排気通路に設けられた空燃比センサと、前記空燃比センサからの出力に基づいて、前記エンジンと接続されたキャニスタからのパージ濃度を取得するパージ濃度取得手段と、前記パージ濃度が所定値以上である場合に、前記気筒休止機構による気筒休止を禁止する制御手段と、を備える。
【0011】
上記のエンジンの制御装置は複数の気筒を備え、それらのうちの少なくとも1つ気筒を休止する気筒休止機構を備える。気筒休止機構は、休止の対象となる気筒への燃料噴射を停止するとともに、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方を閉じる。また、車両はエンジンと接続されたキャニスタを備え、エンジンの吸気通路(例えばサージタンク)の負圧により蒸発燃料をエンジンの気筒に供給するパージ処理を行う。キャニスタからのパージ濃度は、エンジンの排気通路に設けられた空燃比センサからの出力に基づいて求められる。気筒休止時は、通常運転時(全気筒稼働時)と比較してエンジンの吸気通路の負圧が低下するため、気筒休止時はキャニスタからのパージ量が減少する。よって、空燃比センサの出力に基づいて求められたパージ濃度が所定値以上である場合は、気筒の休止を禁止し、全気筒を稼働して通常運転を行うことにより、吸気通路のサージタンクなどの負圧を確保し、パージを促進する。こうして、減筒運転時におけるパージ処理異常を回避することができる。
【0012】
本発明の他の観点では、複数気筒を有するエンジンを備える車両に搭載されるエンジン制御装置は、気筒休止時に、前記気筒への燃料噴射を停止するとともに吸気弁及び排気弁の少なくとも一方を閉じる気筒休止機構と、前記車両に搭載されたブレーキブースタ内の負圧を検出する圧力センサと、前記圧力センサにより検出した負圧が所定値以下である場合に、前記気筒休止機構による気筒休止を禁止する制御手段と、を備える。
【0013】
上記のエンジンの制御装置は複数の気筒を備え、それらのうちの少なくとも1つ気筒を休止する気筒休止機構を備える。気筒休止機構は、休止の対象となる気筒への燃料噴射を停止するとともに、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方を閉じる。また、車両はブレーキ装置の一部としてブレーキブースタを備え、圧力センサによりブレーキブースタ内の負圧が検出される。気筒休止時は、通常運転時(全気筒稼働時)と比較してエンジンの吸気通路の負圧が低下するため、ブレーキブースタへの負圧の供給が不十分となり、ブレーキ性能が低下する場合がある。よって、検出されたブレーキブースタ内の負圧が所定値以下である場合は、気筒の休止を禁止し、全気筒を稼働して通常運転を行うことにより、吸気通路の負圧を確保する。これにより、エンジンの吸気通路からブレーキブースタへ十分な負圧を供給することが可能となり、減筒運転に起因するブレーキ性能の低下を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0015】
本発明は、気筒休止機構を備えるエンジンにおいて、減筒運転中にサージタンク内の負圧が低下するためにエンジンの運転性能が損なわれる状態においては、減筒運転を実行しないように制御を行うものである。
【0016】
[エンジンの構成]
まず、本発明を適用した気筒休止機構を備えるエンジンの構成を説明する。図1は、気筒休止機構を備えるエンジン100の概略構成を示す。
【0017】
図示のように、エンジン100はV型8気筒のエンジンであり、4気筒ずつの2つのバンクに合計8気筒(#1〜#8)を備える。気筒#1と#7、気筒#2と#8、気筒#3と#5、気筒#4と#6がそれぞれ組になって動作する。即ち、減筒状態においても、各組のうちの少なくとも一方の気筒は作動する。なお、8つの気筒の点火順序は、気筒#1→#8→#4→#3→#6→#5→#7→#2の順である。図1における左側の4気筒(#1、#3、#5、#7)を第1バンク、右側の4気筒(#2、#4、#6、#8)を第2バンクと呼ぶ。
【0018】
各気筒の吸気ポートは吸気枝管73を介して吸気管72に接続されている。なお、各吸気枝管73にはそれぞれの気筒の吸気ポートに燃料を噴射するための燃料噴射弁(図示せず)が設けられている。吸気管72はサージタンク70に接続され、サージタンク70の上流には運転者のアクセルペダル(図示せず)の操作量に応じて開閉するスロットル弁65、スロットル弁65の開度に応じた出力電圧信号を発生するスロットル開度センサ66が設けられている。スロットル弁65の上流側の吸気管にはエンジン吸入空気量に応じた出力電圧信号を発生するエアフローメータ67が設けられている。
【0019】
サージタンク70には、パージ通路42を介してキャニスタ50が接続される。また、サージタンク70は、通路94を介して、ブレーキブースタ90のA室(負圧室)95に接続されている。ブレーキブースタ90の負圧室95には、負圧室内95内の圧力を検出するための圧力センサ92が設けられ、その出力信号92aはECU60へと送られる。
【0020】
一方、各気筒からの排気ガスは排気通路74に排出され、矢印80の方向へ送られる。各排気通路54にはA/Fセンサ又はOセンサなどの空燃比センサ56が設けられており、排気ガスの空燃比を検出してECU60へ送る。排気通路74の空燃比センサ56より下流側には、エミッションの浄化処理を行うための触媒58が設けられている。
【0021】
ECU60は、図示しない各種センサからの出力に基づいてエンジン100の全体動作を制御する。また、ECU60は、制御信号81を各気筒の可変動弁機構に供給して、各気筒の吸気弁及び排気弁の開閉制御を行う。さらに、ECU60は、ブレーキブースタ90の圧力センサ92により検出される、負圧室95の負圧(以下、「ブレーキブースタ内負圧」とも呼ぶ。)を示す出力信号92aに応じて後述のブレーキ制御処理を実行するとともに、空燃比センサ56からの出力信号に基づいて得られるパージ濃度に基づいて、後に説明するパージ制御処理を実行する。
【0022】
気筒の休止は、ECU60が対象となる気筒の吸気弁及び排気弁を閉じるとともに、当該気筒の吸気通路への燃料噴射を停止することにより行われる。より具体的には、ECU60は、まず、可変動弁機構を制御して排気弁を閉じ、次に燃料噴射を停止し、次に可変動弁機構を制御して吸気弁を閉じる。これにより、通常、気筒休止中には燃焼室内には排気ガスが残留した状態となる。一方、気筒休止状態からの復帰時には、ECU60はまず排気弁を開け、次に燃料噴射を開始し、次に吸気弁を開ける。
【0023】
(可変動弁装置)
次に、各気筒の吸気弁及び排気弁の開閉を制御する可変動弁装置について説明する。図2及び図3に、油圧回路により制御される可変動弁装置の構造の一例を示す。図2は、可変動弁装置の斜視図であり、図3はその側部断面図である。
【0024】
図3に示されるように、可変動弁装置は、カム11が設けられたカムシャフト10を備えている。カム11の下方には、ロッカシャフト20に回動可能に軸支されたロッカアーム21が設けられている。このロッカアーム21の先端側には、アーム22が前方へと突出する態様で形成されている。このアーム22の先端は、一対の機関バルブ13の上端と当接されており、バルブスプリングの付勢力によってそれらバルブ13が閉弁される側に押圧されている。そして、ロッカシャフト20を軸としたロッカアーム21の回動にともない揺動されるアーム22の押圧に基づき、機関バルブ13は開閉駆動される。
【0025】
図2及び図3に示されるように、ロッカアーム21の上面には、カム11に対応した可動カムフォロワ23が配設されている。可動カムフォロワ23は、ロッカアーム21の上下方向に沿って形成された摺動孔35(図3)内に摺動可能に配設されている。また、これら可動カムフォロワ23は、コイルばね(図示略)の付勢力によってカム11に向けて常時付勢されている。そのため、可動カムフォロワ23は、カム11とすべり接触をしつつ、その押圧を受けるようになる。
【0026】
ロッカアーム21の下方には、上記可動カムフォロワ23が嵌入された摺動孔35と交差するシリンダ穴36が形成されている。シリンダ穴36内には、ロッカアーム21と可動カムフォロワ23とを選択的に締結若しくは締結解除するロックピン31が摺動可能に配設されている。
【0027】
次に、ロックピン31を中心として構成されるカム切り換え機構について、図4(a)及び4(b)に基づき詳細に説明する。なお、図4(a)及び4(b)3はロックピン31付近の側部断面構造を示す断面図であり、図4(a)は締結解除時の態様を、図4(b)は締結時の態様をそれぞれ示している。
【0028】
先述したように、可動カムフォロワ23はロッカアーム21を上下に貫く摺動孔35内に摺動可能に嵌入されている。さらにロッカアーム21の下方には、この摺動孔35と交差するシリンダ穴36が形成されており、その内部にはロックピン31が摺動可能に嵌入されている。ロックピン31は、コイルばね33によってロッカアーム21の基端側、すなわち可動カムフォロワ23から離間する方向に向けて常時付勢されている。
【0029】
ロックピン31には、その中央部から先端側にかけて溝32が形成されている。この溝32には、可動カムフォロワ23の下端部が嵌入可能となっている。さらに、溝32の先端側は、可動カムフォロワ23の上下方向の摺動を許容すべく底面が切り欠かれている。一方、溝32の中央部側(基端側)は、可動カムフォロワ23の下端と当接可能なようにその底面が残されている。
【0030】
シリンダ穴36にあってロックピン31によって区画されたロッカアーム21の基端側の空間34は、同ロックピン31を動作させるための作動油が導入される油圧室となっている。この油圧室34は、ロッカアーム21内に形成された油通路49と接続されている。さらにこの油通路49は、ロッカシャフト20内に形成された油通路43と接続されており、これら油通路43,49を通じて行われる作動油の供給及び排出によって、油圧室34内の油圧が調整される。そしてロックピン31は、この油圧室34内の油圧に基づく力と前記コイルばね33の付勢力とのつり合いに応じてシリンダ穴36内を移動し、図4(a)に示す位置と図4(b)に示す位置との間を往復摺動する。
【0031】
ロッカアーム21と可動カムフォロワ23との締結を解除する場合、上記油圧室34内から作動油を排出して同室34内の油圧を低下させる。その結果、ロックピン31は、コイルばね33の付勢力によってロッカアーム21の基端側に向けて移動し、図4(a)に示す位置に位置するようになる。このとき、可動カムフォロワ23の下端部は、ロックピン31の溝32の底面が切り欠かれた部分に位置しているため、その上下方向の摺動が許容される。
【0032】
他方、ロッカアーム21と可動カムフォロワ23とを締結する場合、上記油圧室34に作動油を供給して同油圧室34内の油圧を上昇させる。その結果、ロックピン31は、コイルばね33の付勢力に抗してロッカアーム21の先端側に移動し、図4(b)に示す位置に位置するようになる。このとき、可動カムフォロワ23の下端部は、ロックピン31の溝32の底面が残された部分に位置するようになる。このとき可動カムフォロワ23が押し下げられると、その下端面と溝32の底面とが当接する。
【0033】
このときのカム11の押圧は、可動カムフォロワ23及びロックピン31の当接を通じてロッカアーム21にも直接的に伝達されるようになる。すなわち、このときの可動カムフォロワ23とロッカアーム21とは連結された状態となり、一体となって回動するようになる。そしてこの場合には、ロッカアーム21はカム11によって回動されるようになり、機関バルブ13もカム11によって開閉駆動されるようになる。
【0034】
従って、ECU60は、可変動弁装置の油圧回路内に設けられた電磁弁などを制御して油圧室34への作動油の供給を制御することにより、機関バルブ13の作動及び停止を制御することができる。
【0035】
(キャニスタ)
次に、キャニスタ50の構成について図5を参照して説明する。図5は、キャニスタの概略構成及び動作を示す図である。キャニスタ50は、通路52、逆止弁53を介してエンジンの燃料タンク51内の上部空間に接続されるとともに、配管54と遮断弁44とを介してパージ通路42に接続されている。エンジン停止時などに発生する蒸発燃料は燃料タンク51の上部空間から逆止弁53を通って配管52によりキャニスタ50に導かれ、キャニスタ50内の活性炭50aに吸着される。また、エンジン運転中に遮断弁44が開弁されると、パージ通路42が吸気管を介して接続されたサージタンク70の負圧により、キャニスタ50のパージ空気入口50bから空気が吸入され、活性炭50aに吸着された燃料を離脱させてパージ通路42から吸気管を介して稼働気筒に供給する。これにより、燃料タンク51内の蒸発燃料は気筒内で燃焼され、無駄に大気に放出されることがないので、燃費の悪化や大気汚染が生じることが防止される。
【0036】
このように、キャニスタ50内の活性炭50aに吸着された蒸発燃料はサージタンク70の負圧により、パージ通路42及び吸気管72を通じてエンジン100の稼働気筒に供給される。よって、サージタンク70の負圧が低下すると、パージ制御を正しく行うことができなくなる。
【0037】
(ブレーキブースタ)
次に、ブレーキブースタの構造及び作用の概略を説明する。ブレーキブースタ(「倍力装置」とも呼ばれる。)は、エンジンの吸入負圧と大気圧の差を利用してブレーキのアシスト力を発生する装置であり、ブレーキペダルとブレーキマスターシリンダの間に配置される。図1に示すように、ブレーキブースタ90は、パワーダイヤフラム及びパワーピストン(図示せず)により隔離されたA室95及びB室96を備える。また、ブレーキブースタ90の中央には、オペレーティングロッド93と、プッシュロッド98と、リアクションディスク99とが、図の左右方向に移動可能に配置されている。また、オペレーティングロッド93の図中左側端部付近には、大気弁と真空弁を備えるコントロールバルブが設けられている(図示せず)。
【0038】
非作動状態では、A室95とB室96はコントロールバルブの真空弁を通じて連通しており、両室は負圧に保たれる。オペレーティングロッド93が図中左方へ押されると、まずコントロールバルブの真空弁が閉じ、A室95とB室96との連通が遮断される。ついで大気弁が開くと、大気がB室96に流入してA室95との間に差圧が生じ、差圧がプッシュロッド98を押すアシスト力を発生する。ブレーキアシスト時には、運転者がブレーキペダルを踏み込むことにより生じるオペレーティングロッド93への入力に加えて、上記の差圧により生じるアシスト力とがリアクションディスク99に作用し、リアクションディスク99に発生した内圧がプッシュロッド98を押してマスタシリンダに液圧を発生させる。
【0039】
このように、ブレーキブースタ90のA室(負圧室95)は通路94を通じてサージタンク70に接続され、サージタンクの負圧によりブレーキブースタ90のA室95に負圧が供給される。よって、サージタンク70の負圧が低下すると、ブレーキブースタ90に必要な負圧が供給できなくなり、ブレーキブースタ90によるアシスト力が十分に発生できなくなる結果、ブレーキ性能が低下することになる。
【0040】
[減筒運転時のサージタンク圧力]
次に、減筒運転時のサージタンク圧力の変化について説明する。図6に、8気筒エンジンの通常運転時(即ち、8気筒全てを稼働)と4気筒での減筒運転時におけるサージタンク内の圧力(負圧)の相違を、回転数の変化とともに示す。なお、図6において、横軸は車両速度であり、左側の縦軸は回転数であり、右側の縦軸はサージタンク内圧力である。図6から理解されるように、通常運転時に比べると、減筒運転時にはどのエンジン回転数においてもサージタンク内の負圧は小さくなる。従って、通常運転時には、パージの実行やブレーキブースタ圧力の要求値に対して十分に負圧が確保できる回転数においても、減筒運転時には負圧の確保が困難となる。
【0041】
[パージ制御]
次に、本発明におけるパージ制御について説明する。本発明においては、キャニスタ50からのパージ濃度を検出し、パージ濃度が所定値より濃い場合には、減筒運転が可能な条件下であっても減筒運転を禁止し、パージを優先する。前述のように、パージ処理は、サージタンク内の負圧を利用してキャニスタ50内の蒸発燃料を気筒に供給する処理であるが、減筒運転時は前述のようにサージタンク内の負圧が低下するため、パージを効率的に促進することができない。よって、パージ濃度が高い場合には、減筒運転を行わないことによりサージタンク内の負圧を確保し、パージを促進させるのである。
【0042】
ここで、パージ濃度の検出方法について説明する。パージ濃度は空燃費センサ56の出力信号に基づいて検出することができる。通常の燃焼制御では、ECU60は空燃比を所定の目標値(例えば理論空燃比)に維持するために必要な燃料の基本噴射時間をエアフローメータ67が検出した吸入空気量及び機関回転数に基づいて特定し、その基本噴射時間に各種の補正係数を乗算して燃料噴射時間を算出し、その算出結果に従って燃料噴射弁の開度(デューティ比)を制御する。なお、基本噴射時間は、機関回転数(回転速度)をN、吸入空気量をQとすれば、機関回転数N及び機関付加Q/Nから一時的に定められるものであり、燃料噴射量を燃料噴射弁からの燃料噴射時間に換算した値に相当する。一般的に、燃料噴射時間は以下の式で表される:
燃料噴射時間 = TP×FAF×K
ここで、TPは上記のように機関回転数Nと機関負荷Q/Nによって定まる基本噴射時間である。FAFは空燃比センサ56によって検出される空燃比の実測値に応じて制御される空燃比補正係数であり、空燃比が目標値のときに1.0に設定される。図7に示すように、空燃比が目標値よりもリーン側にずれたとき空燃比補正係数FAFは1.0よりも大きく設定され、空燃比が目標値よりもリッチ側にずれたとき空燃比補正係数FAFは1.0よりも小さい側に設定される。いずれにせよ、空燃比補正係数FAFは1.0を中心として空燃比の変動を打ち消すように制御される。空燃比補正係数FAFは、空燃比が目標値に対してリーン側からリッチ側に変化したときにFAFLから所定のステップ量Sだけ低下し、その後リーン状態が続くと所定の定数Kずつ減らされる。また、空燃比がリーン側からリッチ側に変化すると、空燃比補正係数FAFはその時点の補正係数FAFRからステップ量Sだけ増加し、その後リッチ状態が続くと所定の定数Kずつ増やされる。このような空燃比補正係数の制御は周知の燃料噴射量制御装置と同様である。
【0043】
上述のように、キャニスタ50からのパージが行われると空燃比がリッチ側に変化し、それを解消すべく空燃比補正係数FAFが変化する。従って、空燃比補正係数FAFに基づいてパージ濃度を推定することができる。即ち、ECU60は、空燃比センサ56の出力に基づいて空燃比補正変化係数FAFの変化を演算し、それに基づいてキャニスタ50からのパージ濃度を検出することができる。
【0044】
[減筒制御処理]
次に、減筒制御処理について説明する。減筒制御処理は、ECU60がエンジン100の減筒運転を制御する処理である。なお、減筒制御処理に関連して、パージ制御処理及びブレーキ制御処理が実行される。パージ制御処理はパージ濃度に基づいて減筒運転の禁止/許可を設定し、ブレーキ制御処理はブレーキブースタ内の負圧に基づいて減筒運転の禁止/許可を設定する。
【0045】
まず、パージ制御処理について図8を参照して説明する。図8は、パージ制御のフローチャートであり、主としてECU60により実行される。まず、ECU60は、空燃比センサ56からの出力に基づいて上述の方法でパージ濃度を算出し、それが所定値よりも大きいか否かを判定する(ステップS11)。ECU60は、パージ濃度が所定値よりも大きい場合にはエンジンの減筒運転を禁止に設定し(ステップS12)、パージ濃度が所定値よりも小さい場合にはエンジンの減筒運転を許可に設定する(ステップS13)。そして、ECU60はサージタンク70内の負圧を利用してパージを実行する(ステップS14)。
【0046】
次に、ブレーキ制御処理について図9を参照して説明する。図9はブレーキ制御処理であり、ECU60により実行される。まず。ECU60は、ブレーキブースタ90に設けられた圧力センサ92の出力信号に基づいてブレーキブースタ内の負圧を検出し、それが所定値よりも小さいか否かを判定する(ステップS21)。ECU60は、ブレーキブースタ負圧が所定値よりも小さい場合には減筒運転を禁止に設定し(ステップS22)、所定値よりも大きい場合には減筒運転を許可に設定する(ステップS23)。
【0047】
これらパージ制御処理及びブレーキ制御処理を周期的に繰り返し実行することにより、パージ濃度が所定値を超えた場合、又は、ブレーキブースタ負圧が所定値より小さくなった場合に、減筒運転が禁止に設定される。
【0048】
そして、ECU60は、パージ制御処理及びブレーキ制御処理と並行して、図10に示す減筒制御処理を繰り返し実行する。図10において、ECU60はまず減筒運転を実行するための条件が具備されているか否かを判定し(ステップS31)、条件が具備されている場合、その時点で減筒運転が許可に設定されているか否かを判定する(ステップS32)。減筒運転が許可に設定されている場合には、ECU60は減筒運転を実行する(ステップS32)。一方、減筒運転が禁止に設定されている場合(ステップS32:No)、ECU60は減筒運転を行うことなく、通常運転、つまり全気筒を稼働させる(ステップS34)。
【0049】
減筒運転の禁止又は許可の設定は、減筒運転の可否を示す特定のフラグなどの設定により行うことができる。例えば減筒運転可否フラグを用意し、減筒運転許可時には「1」、減筒運転禁止時には「0」と決めておく。パージ制御処理とブレーキ制御処理における設定が一致しない場合は、減筒禁止を優先とする。即ち、パージ制御処理とブレーキ制御処理の両方が減筒運転許可に設定した場合のみ、減筒運転可否フラグを「1」に設定し、いずれか一方でも減筒運転を禁止に設定した場合は減筒運転可否フラグを「0」に設定することとする。図10に示す減筒制御処理では、単純に減筒運転可否フラグを参照して減筒運転の実行/禁止を行えばよい。
【0050】
図10に示す減筒制御処理は例えば所定時間毎に実行されるので、その周期で減筒運転の可否がチェックされる。よって、通常運転中に減筒制御処理が実行され、減筒運転が禁止に設定されていれば、減筒運転は行わない。また、減筒運転中に減筒制御処理が実行され、減筒運転が禁止に設定されていれば、その時点で減筒運転を解除して通常運転に復帰することになる。
【0051】
なお、上記の実施形態では、パージ制御処理とブレーキ制御処理の両方を実行する例を示したが、これは必須ではなく、いずれか一方のみを実行するように車両及びエンジン制御装置を構成することももちろん可能である。
【0052】
【発明の効果】
以上のように本発明では、キャニスタからのパージ濃度が高い場合、又は、ブレーキブースタ内負圧が低い場合には、減筒運転を禁止してサージタンク内の負圧を上昇させるので、減筒運転を実行することによりパージ制御に異常が生じたりブレーキの効きが低下するなどの不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるエンジンの概略構成を示す。
【図2】可変動弁装置の概略構成を示す斜視図である。
【図3】図2に示す可変動弁装置の側部断面構造を示す図である。
【図4】図2に示す可変動弁装置のカム切り換え機構の側部断面図である。
【図5】図1に示すキャニスタの概略構成を示す。
【図6】通常運転時と減筒運転時におけるサージタンク内圧力の変化を示すグラフである。
【図7】空燃比補正係数を説明するためのタイムチャートである。
【図8】パージ制御処理のフローチャートである。
【図9】ブレーキ制御処理のフローチャートである。
【図10】減筒制御処理のフローチャートである。
【符号の説明】
50 キャニスタ
56 空燃比センサ
58 触媒
60 ECU
65 スロットル弁
67 エアフローメータ
70 サージタンク
72 吸気管
74 排気管
90 ブレーキブースタ
92 圧力センサ
100 エンジン

Claims (2)

  1. 複数気筒を有するエンジンを備える車両に搭載されるエンジン制御装置において、
    気筒休止時に、前記気筒への燃料噴射を停止するとともに吸気弁及び排気弁の少なくとも一方を閉じる気筒休止機構と、
    前記エンジンの排気通路に設けられた空燃比センサと、
    前記空燃比センサからの出力に基づいて、前記エンジンと接続されたキャニスタからのパージ濃度を取得するパージ濃度取得手段と、
    前記パージ濃度が所定値以上である場合に、前記気筒休止機構による気筒休止を禁止する制御手段と、を備えることを特徴とする車両の制御装置。
  2. 複数気筒を有するエンジンを備える車両に搭載されるエンジン制御装置において、
    気筒休止時に、前記気筒への燃料噴射を停止するとともに吸気弁及び排気弁の少なくとも一方を閉じる気筒休止機構と、
    前記車両に搭載されたブレーキブースタ内の負圧を検出する圧力センサと、
    前記圧力センサにより検出した負圧が所定値以下である場合に、前記気筒休止機構による気筒休止を禁止する制御手段と、を備えることを特徴とする車両の制御装置。
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