JP2004142688A - 降坂速度制御装置 - Google Patents

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Yutaka Watanabe
渡辺 豊
Hiroshi Watanabe
渡邊 洋
Yasushi Tokuda
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Abstract

【課題】下り坂の走行時における制御性を向上した降坂速度制御装置を提供することにある。
【解決手段】ステアリング角度設定スイッチ50aと降坂傾斜角設定スイッチ50bとによって設定されたデータは、コントローラ100の中の教示データ保持手段150に、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と同期して保持される。再生時には設定スイッチ50a,50bで設定されたデータは、教示データ保持手段150から再生手段160によって、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と同期して読み出され、実際の車速が降坂時の目標速度に一致するようにブレーキ量を制御する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下り坂における速度を制御する降坂速度制御装置に係り、特に、ダンプトラックのように積載重量が大きな車両が降坂する際にブレーキを操作を適切に行い降坂速度を自動的に制御するに好適な降坂速度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
降坂時に制御したい車速を保つために、オペレータがフットブレーキやレバーを操作してブレーキ量を調整する方法が従来から行われてきた。しかし、鉱山のような長距離の坂がある場所では、その都度ブレーキを操作することは煩雑であるため、そのようなオペレータによる操作の手間を省く降坂速度制御装置としては、例えば、特開平6−135260号公報に記載されているように、路面傾斜センサによって検出された路面傾斜角に応じて目標車速を設定するとともに、車速センサによって検出された車速が目標車速になるように、リターダブレーキを制御するものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平6−135260号公報で提案されたように、斜面状態,荷重,傾斜といった降坂のブレーキ制御に必要な検出を行おうとすると、畢竟システムの価格は高価なものとなる。また、一般的に利用されている傾斜角センサは加速度の影響により誤差を発生することが多く、走行中の傾斜を的確に判断することは極めて困難である。加えて、降坂の際に必要とされるブレーキ量は様々な要因によって変化し、たとえば、坂道が土砂であるか舗装されているかあるいは濡れているといったような要因によってブレーキ量を調整する必要が生じ、そういった要因の変化に対して臨機応変にブレーキ量を変更する必要が生じる。一例として、ダンプトラック等が走行する下り坂は、一般に未舗装路であり、その表面には凹凸(窪みやコブ)が存在する。特開平6−135260号公報に記載されているように、路面傾斜センサによって検出された路面傾斜角を検出する方式では、ダンプトラックのタイヤが窪みに入ると、路面傾斜角が大きくなったものと判断して目標車速が低くなり、そのため、急にブレーキが掛かるような制御が行われる。そして、窪みを脱すると再び元の車速となるようにブレーキが緩められる。また、ダンプトラックのタイヤがコブに乗り上げると、路面傾斜角が小さくなったものと判断して目標車速が高く、そのため、ブレーキが緩められ、加速するという制御が行われる。そして、コブを乗り越えると再び元の車速となるようにブレーキが掛けられる。この結果、路面の凹凸の状態に応じて車速が変動し、制御が不安定になるという問題が生じてくる。
【0004】
本発明の目的は、予め目標速度等を設定することにより、下り坂の走行時における制御性を向上した降坂速度制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、実際の車速が降坂時の目標速度に一致するようにブレーキ量を制御する制御手段を有する降坂速度制御装置において、前記制御手段は、予め教示された降坂路の状況に応じて制御パラメータを設定し、この制御パラメータに基づいて、ブレーキ量を制御するようにしたものである。
鉱山においては、坂は一定の傾斜で整地されることが多く走行パターン数は限られるのが一般的である。また、坂の路面状態も少なくとも一日のうちでは大きく変わることは少ない。そのため、ある坂に対して一旦ブレーキ量が調整されれば繰り返しそのブレーキ量に基づいて走行が可能になる場合が多い。そこで、このように予め教示された降坂路の状況に応じて、制御パラメータを設定し、ブレーキ量を制御することにより、路面の凹凸等により路面状態が変化しても目標速度は一定のままであるため、制御を安定にして制御性を向上することができる。
【0006】
(2)上記(1)において、好ましくは、さらに、前記降坂路の状況を設定する設定器と、降坂路の降坂開始時からの距離を検出する距離センサとを備え、前記制御手段は、前記設定器によって予め設定教示された降坂路の状況を前記距離センサによって検出された降坂開始時からの距離に対応させて保持し、前記距離センサによって検出された降坂開始時からの距離に対応させて保持された降坂路の状況を再生しながら、この降坂路の状況に応じて制御パラメータを設定し、この制御パラメータに基づいて、ブレーキ量を制御するようにしたものである。
【0007】
(3)上記(1)において、好ましくは、さらに、前記降坂路の状況を検出する状況検出センサと、降坂路の降坂開始時からの距離を検出する距離センサとを備え、前記制御手段は、前記状況検出センサによって予め設定教示された降坂路の状況を前記距離センサによって検出された降坂開始時からの距離に対応させて保持し、前記距離センサによって検出された降坂開始時からの距離に対応させて保持された降坂路の状況を再生しながら、この降坂路の状況に応じて制御パラメータを設定し、この制御パラメータに基づいて、ブレーキ量を制御するようにしたものである。
【0008】
(4)上記(1)において、好ましくは、さらに、前記降坂路の状況を検出する状況検出センサと、降坂路中の位置を検出する位置センサとを備え、前記制御手段は、前記状況検出センサによって予め設定教示された降坂路の状況を前記位置センサによって検出された降坂路中の位置に対応させて保持し、前記位置センサによって検出された降坂路中の位置に対応させて保持された降坂路の状況を再生しながら、この降坂路の状況に応じて制御パラメータを設定し、この制御パラメータに基づいて、ブレーキ量を制御するようにしたものである。
【0009】
(5)上記(1)において、好ましくは、さらに、前記降坂路の状況を送信する道路マーカーからの降坂路状況を受信する受信機を備え、前記制御手段は、前記道路マーカーに予め設定教示された降坂路の状況を前記受信機によって受信し、受信された降坂路の状況に応じて制御パラメータを設定し、この制御パラメータに基づいて、ブレーキ量を制御するようにしたものである。
【0010】
(6)上記(1)において、好ましくは、前記降坂路の状況は、降坂路のステアリング角度であり、前記制御手段は、降坂路のステアリング角度に応じて、制御パラメータである目標速度を設定し、降坂時の速度が前記目標速度となるように、ブレーキ量を制御するようにしたものである。
【0011】
(7)上記(1)において、好ましくは、前記降坂路の状況は、降坂路の傾斜角度であり、前記制御手段は、降坂路の傾斜角度に応じて、制御パラメータであるPID演算の制御定数を設定し、ブレーキ量を制御するようにしたものである。
【0012】
(8)上記(1)において、好ましくは、前記降坂路の状況は、降坂路の傾斜角度であり、前記制御手段は、降坂路の傾斜角度に応じて、制御パラメータである比例弁に対するオフセット出力値を設定し、ブレーキ量を制御するようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図5を用いて、本発明の第1の実施の形態による降坂速度制御装置の構成及び動作について説明する。本実施の形態は、ダンプトラックに本発明を適用したものである。
【0014】
図1は、本実施の形態による降坂速度制御装置を用いたダンプトラックの構成を示すブロック図である。
【0015】
エンジン10から発生した駆動力は、トランスミッション15,ディファレンシャルギヤ20及び車軸25A,25Bを介して、2つの駆動輪30A,30Bに伝達され、ダンプトラックの車体を走行させる。車軸25A,25Bには、それぞれの駆動輪30A,30Bに対して制動力を発生するリターダブレーキ35A,35Bが取り付けられている。リターダブレーキ35A,35Bには、エンジン10によって駆動されるポンプPからブレーキ弁40A,40Bを介して油圧が供給される。
【0016】
駆動輪30A,30Bには、車輪の回転数を検出する車速センサ45A,45Bが設けられている。車速センサ45A,45Bによって検出された車速データは、コントローラ100に入力される。設定器50は、ステアリング角度や降坂傾斜角を設定するために用いられ、その詳細については図2を用いて後述する。また、コントローラ100には、距離センサ75から走行距離に関する情報が入力され、特に、降坂路の開始点からの距離情報をコントローラ100が用いる。コントローラ100は、目標速度の教示と、目標速度の再生制御を実行する。目標速度の教示時には、コントローラ100は、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と、設定器50によって設定されたステアリング角度や降坂傾斜角に基づいて、降坂路の位置(降坂開始時点からの距離)毎の降坂路の状態を教示され、その教示データを保持する。目標速度の再生制御時には、コントローラ100は、保持された教示データを距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報に対応させて再生し、そのときの目標速度等を設定し、さらに、車速センサ45A,45Bによって検出された車速が、設定された目標車速となるように、電磁比例弁60A,60Bに制御信号を出力する。電磁比例弁60A,60Bは、それぞれシャトル弁65A,65Bを介してブレーキ弁40A,40Bに接続されており、ブレーキ弁40A,40Bをそれぞれ制御して、リターダブレーキ35A,35Bにおいて発生する制動力を制御し、車速が目標車速となるとように制御する。
【0017】
また、ブレーキペダル70は、シャトル弁65A,65Bに接続されている。シャトル弁65A,65Bは、ブレーキペダル70からの圧力と電磁比例弁60A,60Bからの圧力の内、高い方の圧力を選択してブレーキ弁40A,40Bに伝達する構成となっている。リターダブレーキ35A,35Bは、通常は、コントローラ100によって自動制御されているが、ダンプトラックのオペレータがブレーキペダル70を踏むと、そのオペレータの意志を反映してリターダブレーキ35A,35Bが動作し、ダンプトラックの車体を停止させたり、減速したりすることができる。
【0018】
図2は、本実施の形態による降坂速度制御装置の構成を示すシステムブロック図である。
【0019】
設定器50は、ステアリング角度設定スイッチ50aと、降坂傾斜角設定スイッチ50bと、教示/再生選択スイッチ50cを備えている。設定スイッチ50a,50bは、それぞれ設定値を段階的に切り換えて設定できるロータリースイッチのようなものから構成されている。ステアリング角度設定スイッチ50aは、オペレータが降坂路のステアリング角度を切換設定するスイッチであり、カーブを曲がる際のステアリング角度を教示するのに用いられ、例えば、0°,20°,40°,60°,80°,100°の6種類のステアリング角度の中から選択して設定することができる。降坂傾斜角設定スイッチ50bは、教示時に用いられるものであり、オペレータがこれから降坂する坂道の傾斜角を切換設定するスイッチであり、例えば、0°,5°,10°,15°,20°,25°,30°の7種類の降坂傾斜角の中から選択して設定することができる。教示/再生選択スイッチ50cは、コントローラ100による教示制御と再生制御を切り換えるためのスイッチである。
【0020】
コントローラ100は、パラメータ選択手段110と、減算手段120と、PID演算手段130と、加算手段140と、教示データ保持手段150と、再生手段160とを備えている。
【0021】
教示/再生選択スイッチ50cが教示状態に選択されているとき、設定スイッチ50a,50bで設定されたデータは、コントローラ100の中の教示データ保持手段150に、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と同期して保持される。ダンプトラックのオペレータは、教示動作をするときは、例えば、降坂路の開始地点で、教示/再生選択スイッチ50cを教示状態に選択し、ステアリング角度設定スイッチ50aによってステアリング角度を、降坂傾斜角設定スイッチ50bによって降坂傾斜角を設定する。一般に、ダンプトラックが走行する降坂路は予めステアリング角度や傾斜角が一定になるように設計されているので、降坂開始時に設定するのみで、教示動作を完了することができる。なお、降坂路の途中でステアリング角度や傾斜角度が異なるときは、その位置でステアリング角度設定スイッチ50aによってステアリング角度を、降坂傾斜角設定スイッチ50bによって降坂傾斜角を設定することで、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と同期して保持手段150に保持される。降坂路のステアリング角度や傾斜角のデータは現場の地図情報から得ることができる。
【0022】
教示/再生選択スイッチ50cが再生状態に選択されているとき、設定スイッチ50a,50bで設定されたデータは、コントローラ100の中の教示データ保持手段150から再生手段160によって、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と同期して読み出される。
【0023】
パラメータ選択手段110は、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と同期して再生手段160から読み出されたステアリング角度や降坂傾斜角に基づいて、そのときの降坂路の状態に応じた目標速度,制御定数,比例弁オフセット出力値等を設定する。パラメータ選択手段110は、ステアリング角度に応じた目標速度を設定するためのマップを備えている。例えば、ステアリング角度が「0°」のときは目標速度が15km/h,ステアリング角度が「20°」のときは目標速度が12km/h,ステアリング角度が「40°」のときは目標速度が10km/h,ステアリング角度が「60°」のときは目標速度が8km/h,ステアリング角度が「80°」のときは目標速度が6km/hというように、ステアリング角度に応じて目標速度を予め設定している。
【0024】
減算手段120は、パラメータ選択手段110が出力する目標速度データVtと、車速センサ45によって検出された実際の車速Vrの差分ΔVを求め、PID演算手段130に出力する。PID演算手段130は、減算手段120の出力ΔVに基づいて、実際の車速Vrが目標速度Vtに一致するように、加算手段140を経由して、電磁比例弁60に制御信号を出力する。なお、図1に示したように、本実施の形態においては、右側の車輪と左側の車輪のそれぞれに、車速センサ45A,45B及び電磁比例弁60A,60Bの2系統のセンサ及びアクチュエータを備えているが、図2に示した例では、これらの2系統のセンサ及びアクチュエータの内の一系統のみを図示しており、実際には、パラメータ選択手段110及びPID演算手段130は2系統分備えられている。
【0025】
また、パラメータ選択手段110は、再生手段160から再生されるステアリング角度や降坂傾斜角に応じたPID演算の制御定数を設定するためのマップを備えており、PID演算の制御定数をPID演算手段130に出力する。
【0026】
PID演算手段130は、図3に示すような演算処理を実行する。比例演算処理では、減算手段120から入力した目標速度データVtと実際の車速Vrの差分ΔVに対して比例定数Kpを掛けて比例制御値Fb−pを演算する(ステップS132)。積分演算処理では、減算手段120から入力した目標速度データVtと実際の車速Vrの差分ΔVの積分値に対して積分定数Kiを掛けて積分制御値Fb−iを演算する(ステップS134)。微分演算処理では、減算手段120から入力した目標速度データVtと実際の車速Vrの差分ΔVの微分値に対して微分定数Kdを掛けて微分制御値Fb−dを演算する(ステップS136)。次に、各制御値(比例制御値Fb−p,積分制御値Fb−i,微分制御値Fb−d)を加算して、PID制御値Fbを演算する。図2において、パラメータ選択手段110が出力する制御定数は、例えば、積分定数Kiであり、積分定数Kiが降坂傾斜角に応じて変更されるようになっている。パラメータ選択手段110は、降坂傾斜角に応じた積分乗数を設定するためのマップを備えている。積分定数は降坂傾斜角が増加するに従って、積分定数Kiが増加し、ブレーキ量が増加するように予め設定されている。再生手段160から再生される降坂傾斜角に応じて、積分定数マップから該当するPID演算の積分定数Kiを読み出して、PID演算手段130に出力する。
【0027】
さらに、パラメータ選択手段110は、再生手段160から再生される降坂傾斜角に応じた比例弁オフセット値を、加算手段140に出力する。比例弁オフセット値は、所定の目標設定速度に実際の速度が一致するようにフィードバック制御する際の収束性を向上させるファクタであり、ブレーキ量に相当するものである。比例弁オフセット値は、積分定数マップと同様に、降坂傾斜角が増加するに従って増加し、ブレーキ量が増加するように予め設定されている。パラメータ選択手段110は、再生手段160から再生される降坂傾斜角に応じた比例弁オフセット値を読み出して、加算手段140に出力する。加算手段140は、PID演算手段130の出力と、パラメータ選択手段110が出力する比例弁オフセット値を加算して、その結果を電磁比例弁60に出力して、リターダブレーキ35によるブレーキ力を制御する。
【0028】
以上のようにして、オペレータが設定器50のステアリング角度設定スイッチ50aと降坂傾斜角設定スイッチ50bを用いてステアリング角度と傾斜角を予め教示し、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と同期して保持手段150に保持し、再生時には、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と同期して再生手段160から読み出されたステアリング角度や降坂傾斜角に基づいて、そのときの降坂路の状態に応じた目標速度,制御定数,比例弁オフセット出力値等を設定し、予め教示された降坂路の状況に応じた目標速度となるようにリターダブレーキ35が制御される。したがって、ダンプトラックのオペレータによる教示動作のみで、容易に目標速度を設定することができる。特開平4−309211号公報に記載された方式では、目標車速設定回路は路面傾斜センサの出力に応じて目標速度を設定するものであり、降坂路に掛かった後その降坂路の傾斜角が変化したときはじめて目標速度を低減するものであるため、降坂路に入ったときの実際の車速が目標車速設定回路によって設定された車速に対して大きく異なっている場合には制御不能になる場合もある。それに対して、本実施の形態のように、オペレータの操作によって、降坂路に差し掛かる前に目標速度を設定できることにより制御不能になる事態を回避することができる。
【0029】
また、オペレータが、設定器50の降坂傾斜角設定スイッチ50bを用いて傾斜角を予め教示し、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と同期して保持手段150に保持するので、容易に降坂傾斜角を設定することができる。再生時には、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と同期して再生手段160から読み出された降坂傾斜角に基づいて、そのときの降坂路の状態に応じた目標速度,制御定数,比例弁オフセット出力値等を設定し、予め教示された降坂路の状況に応じた目標速度となるようにリターダブレーキ35が制御される。降坂傾斜角設定スイッチにより傾斜角を設定するようにしているため設定を変えない限り傾斜角は変更がないものとして目標速度も設定されるため、路面の凹凸によって制御が不安定になる事態を回避することができる。なお、一般に、採掘現場等の大型のダンプトラックを使用する場所では降坂傾斜角は一定になるように坂道が設計されている。ダンプトラックのオペレータはこの傾斜角情報を予め知らされているため、降坂傾斜角センサによる傾斜角の設定切換も容易に行うことができる。
【0030】
また、傾斜角センサや積荷量センサが不要であり制御装置を安価に構成することができる。
【0031】
次に、図4を用いてコントローラ100における教示動作時の処理について説明する。教示動作時の処理は、教示/再生選択スイッチ50cが教示動作側に選択されている時機能する。
【0032】
図4において、最初に、教示開始時か否かを判定し、教示開始時にはステップS210に進み、次回以降はステップS230に進む(ステップS200)。
【0033】
教示開始時には、距離センサ75から走行距離Lを読み込み教示データ保持手段150内の初期値L0とし(ステップS210)、次に、教示データ保持手段150内の記憶カウンタを「0」として、メモリの教示データ記憶領域をリセットする(ステップS220)。距離センサ75はオドメータのようなものであり、教示開始時に、教示用の距離データ及び教示データ記憶領域内に記憶されているステアリング角度や降坂傾斜角のデータをイニシャライズする。
【0034】
イニシャライズ処理が終了すると、距離センサ75から走行距離Lを読み込み、相対距離ΔL=L−L0として求める(ステップS230)。そして、走行距離が前回からdL変化したか否かを判定し、変化している場合にはステップS250に進み、変化していない場合にはステップS200に戻る(ステップS240)。
【0035】
走行距離が変化している場合には、降坂傾斜スイッチ50aの状態を読み込み、そのスイッチ位置に応じた降坂傾斜角θを設定する(ステップS250)。次に、ステアリング角度スイッチ50bの状態を読み込み、そのスイッチ位置に応じたステアリング角度αを設定する(ステップS260)。次に、記憶カウンタを+1して、それに応じた教示データ保持手段150内のメモリの教示データ記憶領域に、相対距離ΔL,降坂傾斜角θ,ステアリング角度αを記憶する(ステップS270)。
【0036】
次に、図5を用いてコントローラ100における再生動作時の処理について説明する。教示動作時の処理は、教示/再生選択スイッチ50cが再生動作側に選択されている時機能する。
【0037】
図5において、最初に、再生開始時か否かを判定し、再生開始時にはステップS305に進み、次回以降はステップS320に進む(ステップS300)。
【0038】
再生開始時には、距離センサ75から走行距離Lを読み込み教示データ保持手段150内の初期値L0とし(ステップS305)、次に、教示データ保持手段150内の再生カウンタを「0」とする(ステップS310)。
【0039】
イニシャライズ処理が終了すると、距離センサ75から走行距離Lを読み込み、相対距離ΔL=L−L0として求める(ステップS320)。そして、走行距離が前回からdL変化したか否かを判定し、変化している場合にはステップS330に進み、変化していない場合にはステップS300に戻る(ステップS325)。
【0040】
次に、再生手段160は再生カウンタを+1し、それに応じた教示データ保持手段150内のメモリの教示データ記憶領域から教示データ(相対距離ΔL,降坂傾斜角θ,ステアリング角度α)を読み出して、パラメータ選択手段110に出力する(ステップS330)。
【0041】
次に、パラメータ選択手段110は再生手段160によって読み出された教示データ(相対距離ΔL,降坂傾斜角θ,ステアリング角度α)に応じて、パラメータ(目標速度Vt,積分定数Ki,比例弁オフセット値)を設定する(ステップS335)。減算手段120は車速センサ45から実際の車速値Vrを読み込み(ステップS340)、パラメータ選択手段110が出力する目標速度Vtと実際の車速値Vrの偏差ΔVを演算し、PID演算手段130に出力する(ステップS345)。
【0042】
次に、PID演算手段130は減算手段120が出力する速度偏差値ΔVと、パラメータ選択手段110が出力する積分定数Kiに基づいて図4で説明した演算によりPID制御値Fbを演算し、加算手段140に出力する(ステップS350)。加算手段140はPID演算手段130が出力する制御値Fbとパラメータ選択手段110が出力する比例弁オフセット値を加算し(ステップS355)、電磁比例弁60に制御値Fbを出力して(ステップS360)、リターダブレーキ35のブレーキ量を制御する。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態によれば、予め目標速度等を教示してパラメータを設定することにより、車体の状態によって傾斜角や目標速度値などのパラメータが頻繁に変化して、制御が不安定になることを回避することができる。また、坂道に入る前で予め目標速度を設定できるため、制御不能になる事態を回避することができる。このようにして、下り坂の走行時における制御性を向上することができる。
【0044】
次に、図6〜図8を用いて、本発明の第2の実施の形態による降坂速度制御装置の構成及び動作について説明する。本実施の形態は、ダンプトラックに本発明を適用したものである。
【0045】
図6は、本実施の形態による降坂速度制御装置を用いたダンプトラックの構成を示すブロック図である。図1と同一符号は同一構成を示している。図1に示した実施の形態と異なる点は、降坂路の傾斜角を検出する降坂傾斜角センサ80と、ステアリング角度を検出するためのステアリング角センサ85を備えている。設定器50は、後述するように、教示/再生選択スイッチ50cのみを備えている。
【0046】
図7は、本実施の形態による降坂速度制御装置の構成を示すシステムブロック図である。
【0047】
設定器50Aは、図2に示した実施の形態と同様に、教示/再生選択スイッチ50cを備えている。教示/再生選択スイッチ50cは、コントローラ100による教示制御と再生制御を切り換えるためのスイッチである。
【0048】
コントローラ100は、パラメータ選択手段110と、減算手段120と、PID演算手段130と、加算手段140と、教示データ保持手段150Aと、再生手段160とを備えている。
【0049】
本実施の形態では、図2に示した実施の形態とは、教示データ保持手段150による教示動作が異なるものであり、その点について説明する。教示/再生選択スイッチ50cが教示状態に選択されているとき、降坂傾斜角センサ80によって検出された降坂路の傾斜角データと、ステアリング角センサ85によって検出されたステアリング角度データは、コントローラ100の中の教示データ保持手段150Aに、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と同期して保持される。ダンプトラックのオペレータは、教示動作をするときは、例えば、降坂路の開始地点で教示/再生選択スイッチ50cを教示状態に選択し、その後降坂を開始することで、降坂傾斜角センサ80によって検出された降坂路の傾斜角データとステアリング角センサ85によって検出されたステアリング角度データが、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と同期して保持手段150Aに保持される。
【0050】
教示/再生選択スイッチ50cが再生状態に選択されているときは、降坂傾斜角センサ80によって検出された降坂路の傾斜角データとステアリング角センサ85によって検出されたステアリング角度データは、コントローラ100の中の教示データ保持手段150Aから再生手段160によって、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と同期して読み出される。
【0051】
パラメータ選択手段110は、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と同期して再生手段160から読み出されたステアリング角度や降坂傾斜角に基づいて、そのときの降坂路の状態に応じた目標速度,制御定数,比例弁オフセット出力値等を設定する。パラメータ選択手段110は、ステアリング角度に応じた目標速度を設定するためのマップを備えている。例えば、ステアリング角度が「0°」のときは目標速度が15km/h,ステアリング角度が「1〜20°」のときは目標速度が12km/h,ステアリング角度が「21〜40°」のときは目標速度が10km/h,ステアリング角度が「41〜60°」のときは目標速度が8km/h,ステアリング角度が「61〜80°」のときは目標速度が6km/hというように、ステアリング角度に応じて目標速度を予め設定している。
【0052】
減算手段120は、パラメータ選択手段110が出力する目標速度データVtと、車速センサ45によって検出された実際の車速Vrの差分ΔVを求め、PID演算手段130に出力する。PID演算手段130は、減算手段120の出力ΔVに基づいて、実際の車速Vrが目標速度Vtに一致するように、加算手段140を経由して、電磁比例弁60に制御信号を出力する。また、パラメータ選択手段110は、再生手段160から再生される降坂傾斜角に応じたPID演算の制御定数を設定するためのマップを備えており、PID演算の制御定数をPID演算手段130に出力する。
【0053】
PID演算手段130は、図3にて説明した演算処理を実行し、減算手段120から入力した目標速度データVtと実際の車速Vrの差分ΔVからPID制御値Fbを演算する。パラメータ選択手段110が出力する制御定数である積分定数Kiは、降坂傾斜角が増加するに従って、積分定数Kiが増加し、ブレーキ量が増加するように予め設定されている。再生手段160から再生される降坂傾斜角に応じて、積分定数マップから該当するPID演算の積分定数Kiを読み出して、PID演算手段130に出力する。
【0054】
さらに、パラメータ選択手段110は、再生手段160から再生される降坂傾斜角に応じた比例弁オフセット値を、加算手段140に出力する。比例弁オフセット値は、積分定数マップと同様に、降坂傾斜角が増加するに従って増加し、ブレーキ量が増加するように予め設定されている。パラメータ選択手段110は、再生手段160から再生される降坂傾斜角に応じた比例弁オフセット値を読み出して、加算手段140に出力する。加算手段140は、PID演算手段130の出力と、パラメータ選択手段110が出力する比例弁オフセット値を加算して、その結果を電磁比例弁60に出力して、リターダブレーキ35によるブレーキ力を制御する。
【0055】
以上のようにして、予め降坂傾斜角センサ80によって検出された降坂路の傾斜角データとステアリング角センサ85によって検出されたステアリング角度データを、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と同期して保持手段150に保持し、再生時には、距離センサ75から入力する降坂路の開始点からの距離情報と同期して再生手段160から読み出されたステアリング角度や降坂傾斜角に基づいて、そのときの降坂路の状態に応じた目標速度,制御定数,比例弁オフセット出力値等を設定し、予め教示された降坂路の状況に応じた目標速度となるようにリターダブレーキ35が制御される。したがって、ダンプトラックのオペレータによる教示動作のみで、容易に目標速度を設定することができる。そして、本実施の形態のように、オペレータの操作によって、降坂路に差し掛かる前に目標速度を設定できることにより制御不能になる事態を回避することができる。
【0056】
また、ダンプトラックのオペレータは、教示/再生選択スイッチを教示側にセットするだけで、容易に降坂路の状態を教示することができる。
【0057】
次に、図8を用いてコントローラ100における教示動作時の処理について説明する。教示動作時の処理は、教示/再生選択スイッチ50cが教示動作側に選択されている時機能する。
【0058】
図8に示す処理内容は、図4に示した教示時の処理内容とほぼ同じであり、異なる点は、ステップS250A,S260Aの処理内容である。すなわち、ステップS240の判定で、走行距離が変化している場合には、降坂傾斜角センサ80から降坂傾斜角θを読み込み(ステップS250A)、ステアリング角センサ85からステアリング角度αを読み込む(ステップS260A)。次に、記憶カウンタを+1して、それに応じた教示データ保持手段150内のメモリの教示データ記憶領域に、相対距離ΔL,降坂傾斜角θ,ステアリング角度αを記憶する(ステップS270)。
【0059】
コントローラ100における再生動作時の処理内容は、図5に示したものと同様である。
【0060】
以上説明したように、本実施の形態によれば、予め目標速度等を教示してパラメータを設定し、再生時にはそのパラメータを相対距離データに同期して読み出してブレーキ量を制御することにより、車体の状態によって傾斜角や目標速度値などのパラメータが頻繁に変化して、制御が不安定になることを回避することができる。また、坂道に入る前で予め目標速度を設定できるため、制御不能になる事態を回避することができる。このようにして、下り坂の走行時における制御性を向上することができる。
【0061】
次に、図9〜図12を用いて、本発明の第3の実施の形態による降坂速度制御装置の構成及び動作について説明する。本実施の形態は、ダンプトラックに本発明を適用したものである。
【0062】
図9は、本実施の形態による降坂速度制御装置を用いたダンプトラックの構成を示すブロック図である。図6と同一符号は同一構成を示している。図6に示した実施の形態と異なる点は、図6において備えている距離センサ75に代えて、GPSなどのグローバル座標位置センサ90を備えている。設定器50は、図6ど同様に、教示/再生選択スイッチ50cのみを備えている。図10は、本実施の形態による降坂速度制御装置の構成を示すシステムブロック図である。
【0063】
コントローラ100は、パラメータ選択手段110と、減算手段120と、PID演算手段130と、加算手段140と、教示データ保持手段150Bと、再生手段160Bとを備えている。
【0064】
本実施の形態では、図6に示した実施の形態とは、位置に関する情報の入手法法が異なるものであり、その点について説明する。教示/再生選択スイッチ50cが教示状態に選択されているとき、降坂傾斜角センサ80によって検出された降坂路の傾斜角データと、ステアリング角センサ85によって検出されたステアリング角度データは、コントローラ100の中の教示データ保持手段150Bに、グローバル座標位置センサ90によって検出された降坂路の中の位置情報と同期して保持される。ダンプトラックのオペレータは、教示動作をするときは、例えば、降坂路の開始地点で教示/再生選択スイッチ50cを教示状態に選択し、その後降坂を開始することで、降坂傾斜角センサ80によって検出された降坂路の傾斜角データとステアリング角センサ85によって検出されたステアリング角度データが、グローバル座標位置センサ90によって検出された降坂路の中の位置情報と同期して保持手段150Aに保持される。
【0065】
教示/再生選択スイッチ50cが再生状態に選択されているときは、降坂傾斜角センサ80によって検出された降坂路の傾斜角データとステアリング角センサ85によって検出されたステアリング角度データは、コントローラ100の中の教示データ保持手段150Aから再生手段160Bによって、グローバル座標位置センサ90によって検出された降坂路の中の位置情報と同期して読み出される。読み出されたデータに基づいて、パラメータ選択手段110,減算手段120,PID演算手段130,加算手段140は、図6と同様にして、制御値Fbを電磁比例弁60に出力して、リターダブレーキ35によるブレーキ力を制御する。
【0066】
以上のようにして、予め降坂傾斜角センサ80によって検出された降坂路の傾斜角データとステアリング角センサ85によって検出されたステアリング角度データを、グローバル座標位置センサ90によって検出された降坂路の中の位置情報と同期して保持手段150に保持し、再生時には、グローバル座標位置センサ90によって検出された降坂路の中の位置情報と同期して再生手段160から読み出されたステアリング角度や降坂傾斜角に基づいて、そのときの降坂路の状態に応じた目標速度,制御定数,比例弁オフセット出力値等を設定し、予め教示された降坂路の状況に応じた目標速度となるようにリターダブレーキ35が制御される。したがって、ダンプトラックのオペレータによる教示動作のみで、容易に目標速度を設定することができる。そして、本実施の形態のように、オペレータの操作によって、降坂路に差し掛かる前に目標速度を設定できることにより制御不能になる事態を回避することができる。
【0067】
また、ダンプトラックのオペレータは、教示/再生選択スイッチを教示側にセットするだけで、容易に降坂路の状態を教示することができる。
【0068】
次に、図11を用いてコントローラ100における教示動作時の処理について説明する。教示動作時の処理は、教示/再生選択スイッチ50cが教示動作側に選択されている時機能する。
【0069】
図11に示す処理内容は、図8に示した教示時の処理内容とほぼ同じであり、異なる点は、ステップS210B,S230B,S240B,S270Bの処理内容である。すなわち、ステップS200の判定で、教示開始時とされると、グローバル座標位置センサ90から位置情報Pを読み込み教示データ保持手段150B内の初期値P0とする(ステップS210B)。
【0070】
また、イニシャライズ処理が終了すると、グローバル座標位置センサ90から位置情報Pを読み込み、距離偏差ΔP=P−P0として求める(ステップS230B)。そして、位置が前回からdP変化したか否かを判定し、変化している場合にはステップS250に進み、変化していない場合にはステップS200に戻る(ステップS240B)。
【0071】
また、ステップS270Bでは、記憶カウンタを+1して、それに応じた教示データ保持手段150B内のメモリの教示データ記憶領域に、距離偏差ΔP,降坂傾斜角θ,ステアリング角度αを記憶する(ステップS270B)。
【0072】
次に、図12を用いてコントローラ100における再生動作時の処理について説明する。再生動作時の処理は、教示/再生選択スイッチ50cが再生動作側に選択されている時機能する。
【0073】
図12に示す処理内容は、図8に示した教示時の処理内容とほぼ同じであり、異なる点は、ステップS305B,S320B,S325B,S330B,S335Bの処理内容である。すなわち、ステップS300の判定で、教示開始時とされると、グローバル座標位置センサ90から位置情報Pを読み込み教示データ保持手段150B内の初期値P0する(ステップS305B)。
【0074】
イニシャライズ処理が終了すると、グローバル座標位置センサ90から位置情報Pを読み込み、距離偏差ΔP=P−P0として求める(ステップS320B)。そして、距離偏差が前回からdP変化したか否かを判定し、変化している場合にはステップS330Bに進み、変化していない場合にはステップS300に戻る(ステップS325B)。
【0075】
次に、再生手段160Bは再生カウンタを+1し、それに応じた教示データ保持手段150B内のメモリの教示データ記憶領域から教示データ(距離偏差ΔP,降坂傾斜角θ,ステアリング角度α)を読み出して、パラメータ選択手段110に出力する(ステップS330B)。
【0076】
次に、パラメータ選択手段110は再生手段160Bによって読み出された教示データ(距離偏差ΔP,降坂傾斜角θ,ステアリング角度α)に応じて、パラメータ(目標速度Vt,積分定数Ki,比例弁オフセット値)を設定する(ステップS335B)。
【0077】
以上説明したように、本実施の形態によれば、予め目標速度等を教示してパラメータを設定し、再生時にはそのパラメータを位置情報に同期して読み出してブレーキ量を制御することにより、車体の状態によって傾斜角や目標速度値などのパラメータが頻繁に変化して、制御が不安定になることを回避することができる。また、坂道に入る前で予め目標速度を設定できるため、制御不能になる事態を回避することができる。このようにして、下り坂の走行時における制御性を向上することができる。
【0078】
次に、図13及び図14を用いて、本発明の第4の実施の形態による降坂速度制御装置の構成及び動作について説明する。本実施の形態は、ダンプトラックに本発明を適用したものである。
【0079】
図13は、本実施の形態による降坂速度制御装置を用いたダンプトラックの構成を示すブロック図である。図1と同一符号は同一構成を示している。図1に示した実施の形態と異なる点は、図1に示した設定器50と距離センサ75に代えて、受信機90を備えている点である。
【0080】
図14は、本実施の形態による降坂速度制御装置の構成を示すシステムブロック図である。
【0081】
コントローラ100Cは、パラメータ選択手段110と、減算手段120と、PID演算手段130と、加算手段140とを備えている。受信機90は、道路マーカー200から降坂路のステアリング角度や傾斜角の情報を受信する。降坂路の途中には、道路状況(ステアリング角度や傾斜角)が変化するところに、それぞれ道路マーカー200が予め設置されている。
【0082】
コントローラ100Cは、降坂路の途中に設置されている道路マーカ200から受信機200によって受信された道路状況(ステアリング角度や傾斜角)に基づいて、パラメータ選択手段110,減算手段120,PID演算手段130,加算手段140を用いて、図6と同様にして、制御値Fbを電磁比例弁60に出力して、リターダブレーキ35によるブレーキ力を制御する。
【0083】
以上説明したように、本実施の形態によれば、道路マーカーから得られる道路状況に基づいてブレーキ量を制御することにより、車体の状態によって傾斜角や目標速度値などのパラメータが頻繁に変化して、制御が不安定になることを回避することができる。このようにして、下り坂の走行時における制御性を向上することができる。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、下り坂の走行時における制御性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態による降坂速度制御装置を用いたダンプトラックの構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態による降坂速度制御装置の構成を示すシステムブロック図である。
【図3】PID演算処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施の形態による教示動作時の処理内容を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態による再生動作時の処理内容を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態による降坂速度制御装置を用いたダンプトラックの構成を示すブロック図である。
【図7】第2の実施の形態による降坂速度制御装置の構成を示すシステムブロック図である。
【図8】第2の実施の形態による教示動作時の処理内容を示すフローチャートである。
【図9】第3の実施の形態による降坂速度制御装置を用いたダンプトラックの構成を示すブロック図である。
【図10】第3の実施の形態による降坂速度制御装置の構成を示すシステムブロック図である。
【図11】第3の実施の形態による教示動作時の処理内容を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態による再生動作時の処理内容を示すフローチャートである。
【図13】第4の実施の形態による降坂速度制御装置を用いたダンプトラックの構成を示すブロック図である。
【図14】第4の実施の形態による降坂速度制御装置の構成を示すシステムブロック図である。
【符号の説明】
10 エンジン
15 トランスミッション
20 ディファレンシャルギヤ
25A,25B 車軸
30A,30B 駆動輪
35A,35B リターダブレーキ
40A,40B ブレーキ弁
45A,45B 車速センサ
50 設定器
50A 目標速度設定スイッチ
50B 降坂傾斜角設定スイッチ
50C 積荷設定スイッチ
60A,60B 電磁比例弁
65A,65B シャトル弁
70 ブレーキペダル
75 距離センサ
80 降坂傾斜角センサ
85 ステアリング角センサ
90 グローバル座標位置センサ
95 受信機
100 コントローラ
110 パラメータ選択手段
120 減算手段
130 PID演算手段
140 加算手段

Claims (8)

  1. 実際の車速が降坂時の目標速度に一致するようにブレーキ量を制御する制御手段を有する降坂速度制御装置において、
    前記制御手段は、予め教示された降坂路の状況に応じて制御パラメータを設定し、この制御パラメータに基づいて、ブレーキ量を制御することを特徴とする降坂速度制御装置。
  2. 請求項1記載の降坂速度制御装置において、さらに、
    前記降坂路の状況を設定する設定器と、
    降坂路の降坂開始時からの距離を検出する距離センサとを備え、
    前記制御手段は、前記設定器によって予め設定教示された降坂路の状況を前記距離センサによって検出された降坂開始時からの距離に対応させて保持し、前記距離センサによって検出された降坂開始時からの距離に対応させて保持された降坂路の状況を再生しながら、この降坂路の状況に応じて制御パラメータを設定し、この制御パラメータに基づいて、ブレーキ量を制御することを特徴とする降坂速度制御装置。
  3. 請求項1記載の降坂速度制御装置において、さらに、
    前記降坂路の状況を検出する状況検出センサと、
    降坂路の降坂開始時からの距離を検出する距離センサとを備え、
    前記制御手段は、前記状況検出センサによって予め設定教示された降坂路の状況を前記距離センサによって検出された降坂開始時からの距離に対応させて保持し、前記距離センサによって検出された降坂開始時からの距離に対応させて保持された降坂路の状況を再生しながら、この降坂路の状況に応じて制御パラメータを設定し、この制御パラメータに基づいて、ブレーキ量を制御することを特徴とする降坂速度制御装置。
  4. 請求項1記載の降坂速度制御装置において、さらに、
    前記降坂路の状況を検出する状況検出センサと、
    降坂路中の位置を検出する位置センサとを備え、
    前記制御手段は、前記状況検出センサによって予め設定教示された降坂路の状況を前記位置センサによって検出された降坂路中の位置に対応させて保持し、前記位置センサによって検出された降坂路中の位置に対応させて保持された降坂路の状況を再生しながら、この降坂路の状況に応じて制御パラメータを設定し、この制御パラメータに基づいて、ブレーキ量を制御することを特徴とする降坂速度制御装置。
  5. 請求項1記載の降坂速度制御装置において、さらに、
    前記降坂路の状況を送信する道路マーカーからの降坂路状況を受信する受信機を備え、
    前記制御手段は、前記道路マーカーに予め設定教示された降坂路の状況を前記受信機によって受信し、受信された降坂路の状況に応じて制御パラメータを設定し、この制御パラメータに基づいて、ブレーキ量を制御することを特徴とする降坂速度制御装置。
  6. 請求項1記載の降坂速度制御装置において、
    前記降坂路の状況は、降坂路のステアリング角度であり、
    前記制御手段は、降坂路のステアリング角度に応じて、制御パラメータである目標速度を設定し、降坂時の速度が前記目標速度となるように、ブレーキ量を制御することを特徴とする降坂速度制御装置。
  7. 請求項1記載の降坂速度制御装置において、
    前記降坂路の状況は、降坂路の傾斜角度であり、
    前記制御手段は、降坂路の傾斜角度に応じて、制御パラメータである制御定数を設定し、ブレーキ量を制御することを特徴とする降坂速度制御装置。
  8. 請求項1記載の降坂速度制御装置において、
    前記降坂路の状況は、降坂路の傾斜角度であり、
    前記制御手段は、降坂路の傾斜角度に応じて、制御パラメータである比例弁に対するオフセット出力値を設定し、ブレーキ量を制御することを特徴とする降坂速度制御装置。
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