JP2004142536A - オートライトシステム及びそれを備えた自動車、並びに、それに用いられる日照センサ - Google Patents
オートライトシステム及びそれを備えた自動車、並びに、それに用いられる日照センサ Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】オートライトシステム20は、車両前方からの光の照度を検知する前方日照センサ21と、車両後方からの光の照度を検知する後方日照センサ22と、後方日照センサ22で検知した車両後方からの光の照度が前方日照センサ21で検知した車両前方からの光の照度の所定倍よりも大きいとき、車両前方に光を発する車両ライトを点灯させるライト点灯制御部24と、を備える。
【選択図】図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オートライトシステム及びそれを備えた自動車、並びに、それに用いられる日照センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のオートライトシステムとして、ダッシュボード上に設置された日射センサで車両を照らす光の照度を検知し、その検知した光の照度に基づいてスモールランプやヘッドライトを点灯させるものが知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、日射センサのセンサ出力が所定電圧値以下になるときの変化時間を検出する機能と、同変化時間と設定変化時間との対比に従って断線であることを確定する機能と、断線と確定したらヘッドライトを点灯し続けさせる機能とをマイクロコンピュータで構成されたECUに設け、それによって、断線を検知した後、断線と判断してヘッドライトを点灯させ、その点灯を継続させる車両のオートライトコントロール装置が開示されており、かかる構成によれば、断線発生時でも点灯及び消灯を繰り返す点灯動作なくヘッドライトを点灯させることができる、との内容が記載されている。
【0004】
また、交通事故防止の観点からは、昼間でもヘッドライトを点灯することが安全性向上に有効である。米国では、エンジン稼働中に自動的にヘッドライトが点灯されるDRL(daytime running light)が用いられた自動車に乗ることを義務付けることにより交通事故が5%減った、という報告がなされている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−164965号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、昼間にヘッドライトを点灯することが安全性向上に有効であることは明らかであるものの、一般のドライバーはバッテリーの負担やバルブの寿命を懸念してヘッドライトの点灯を躊躇する場合が多い。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車両前方に光を発する車両ライトを常時点灯させることなく、極めて危険度の高い薄暮時等で逆光線を受けた場合に車両ライトを点灯させるオートライトシステム及びそれを備えた自動車、並びに、それに用いられる日照センサを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
日照センサを太陽に対向して設けて順光線を受けたときの照度と、日照センサを太陽に背を向けて設けて逆光線を受けたときの照度とは、太陽の高さの高い昼間では大差がないものの、薄暮時等では昼間に比べて大きな差がある。そこで、本発明は、車両前方及び後方からの光の照度をそれぞれ検知し、車両後方からの光の照度(Lx2)が車両前方からの光の照度(Lx1)の所定倍よりも大きいかどうかを比較すると共に、それが大きい場合に車両が薄暮時等で逆光線を受けていると判断して車両ライトを点灯させ、それによって極めて危険度の高い薄暮時等で逆光線を受けたときの運転の安全性を高めたものである。
【0009】
つまり、本発明のオートライトシステムは、
車両前方からの光の照度(Lx1)を検知する前方日照センサと、
車両後方からの光の照度(Lx2)を検知する後方日照センサと、
上記後方日照センサで検知した車両後方からの光の照度(Lx2)が上記前方日照センサで検知した車両前方からの光の照度(Lx1)の所定倍よりも大きいとき、車両前方に光を発する車両ライトを点灯させるライト点灯制御部と、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
ここで、車両ライトとは、例えば、ヘッドライトやスモールランプ等である。
【0011】
本発明のオートライトシステムを備えた本発明の自動車は、薄暮時等に逆光線を受けると自動的に車両ライトが点灯する安全性の高いものである。
【0012】
薄暮時には太陽の高さが低いので日光が略横方向から車両に入射する。そして、本発明のオートライトシステムでは、その略横方向に入射してきた日光を日照センサで検知するのであるが、日照センサが昼間の高さの高い太陽からの日光をも検知できるように構成されていたのでは、誤動作を起こす虞がある。従って、日照センサとしては、センサ本体に対してその受光部正面を含む所定入射角範囲からの光のみを入射させるようにしたものであることが望ましい。
【0013】
従って、本発明のオートライトシステムに用いることができる本発明の日照センサは、
光の照度を検知するセンサ本体と、
上記センサ本体に対してその受光部正面を含む所定入射角範囲からの光のみを入射させる入射光規制部と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
かかる日照センサの具体的態様としては、光の照度を検知するセンサ本体と、センサ本体を奥側に収容すると共に該センサ本体から前方に行くに従って広がるように形成されて開口し、該センサ本体に対してその受光部正面を含む所定入射角範囲からの光のみを入射させるフードと、を備えたものを挙げることができる。
【0015】
入射光規制部によってセンサ本体の受光部正面を含む所定入射角範囲以外からの光がセンサ本体に入射することを阻止できたとしても、入射光規制部で反射した光がセンサ本体に入射する虞がある。従って、日照センサとしては、入射光規制部で反射した光がセンサ本体に入射するのを阻止するようにしたものであることが望ましい。
【0016】
従って、本発明の日照センサは、上記入射光規制部が、該入射光規制部で反射した光の上記センサ本体への入射を阻止する反射光入射阻止手段が設けられているものであることが望ましい。
【0017】
かかる反射光入射阻止手段としては、上記の具体的な日照センサの態様において、上記フードの内側の面を非平坦面に形成することをを挙げることができる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、車両前方及び後方からの光の照度をそれぞれ検知し、車両後方からの光の照度が車両前方からの光の照度の所定倍よりも大きいときに車両ライトを点灯させるようにしているので、極めて危険度の高い薄暮時等で逆光線を受けたときの運転の安全性が高いものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態に係る自動車10である。
【0021】
この自動車10は、オートライトシステム20を備えている。
【0022】
図2は、そのオートライトシステム20の構成を示す。
【0023】
このオートライトシステム20は、前方日照センサ21と、後方日照センサ22と、それらの前方及び後方日照センサ21,22並びにイグニッションスイッチ23がそれぞれ接続されたヘッドライトECU(ライト点灯制御部)24と、を有する。
【0024】
前方日照センサ21は、フロントガラス下方のフロントダッシュボード上に設けられており、車両前方からの光の照度(Lx1)を検知する。この前方日照センサ21は、図3に示すように、パネル状の照度センサたるセンサ本体21aと、そのセンサ本体21aを奥側に収容したフード21bと、からなる。フード21bは、センサ本体21aから前方に行くに従って広がるように形成されて開口し、センサ本体21aに対してその受光部正面を含む所定入射角範囲からの光のみを入射させるようになっている。つまり、薄暮時等のように高さの低い太陽Sから略横方向に入射してきた日光については直接的に前方日照センサ21で検知されるが、昼間の高さの高い太陽Sからの日光についてはフード21bで遮断されて前方日照センサ21で直接的に検知されないようになっている。また、フード21bの内側の面は、断面鋸歯形状に形成されており、それによってフード21bで反射した光がセンサ本体21aに入射するのが阻止されている。
【0025】
後方日照センサ22は、リアガラス下方のリアダッシュボード上に設けられており、車両後方からの光の照度(Lx2)を検知する。この後方日照センサ22の構造は、前方日照センサ21と同一である。
【0026】
ヘッドライトECU24は、制御回路系に組み込まれており、前方及び後方日照センサ21,22並びにイグニッションスイッチ23からの信号に基づいて以下の制御を行なう。
【0027】
図4は、ヘッドライトECU24による制御フローチャートを示す。
【0028】
まず、スタート後のステップS1では、イグニッションスイッチ23がオンであるかどうかが判断され、YESの場合には続くステップS2に進み、NOの場合にはスタートに戻る。つまり、このオートライトシステム20は、自動車10が走行状態乃至走行可能な状態において動作するものである。
【0029】
続くステップS2では、後方日照センサ22で検知された車両後方からの光の照度(Lx2)が前方日照センサ21で検知された車両前方からの光の照度(Lx1)の所定倍よりも大きいか否かが判断され、YESの場合にはステップS3に進んでヘッドライト25を点灯させ、NOの場合にはスタートに戻る。つまり、日照センサを太陽Sに対向して設けて順光線を受けたときの照度と、日照センサを太陽Sに背を向けて設けて逆光線を受けたときの照度とは、太陽Sの高さの高い昼間では大差がないものの、太陽の高さが低い薄暮時では昼間に比べて大きな差があることから、Lx1とLx2との差が小さくLx2がLx1の所定倍以下である場合には薄暮時等ではない乃至薄暮時等で順光線を受けていると判断し、Lx2がLx1の所定倍よりも大きい場合には薄暮時等で逆光線を受けていると判断してヘッドライト25を点灯するようになっている。なお、Lx2がLx1の所定倍よりも大きいか否かの比較は、Lx1/Lx2が所定値よりも小さいか、Lx2/Lx1が所定値よりも大きいかの検証により行なうことができる。
【0030】
続くステップS4では、イグニッションスイッチ23がオンであるかどうかが判断され、YESの場合には続くステップS3に戻ってヘッドライト25の点灯を維持し、NOの場合にはステップ5に進んでヘッドライト25を消灯する。つまり、このオートライトシステム20は、一旦ヘッドライト25が点灯されると、自動車10のイグニッションスイッチ23がオフになるまで消灯されないようになっている。
【0031】
なお、オートライトシステム20の動作を解除することについて、薄暮時の次には夜であるため、その場合の考慮は不要である。しかしながら、早朝など薄暮時に類した状態でもこのオートライトシステム20は動作する。そのため、この自動車10では、オートライトシステム20をオフにするマニュアルスイッチが設けられている。
【0032】
以上の構成のオートライトシステム20によれば、車両前方及び後方からの光の照度(Lx1,Lx2)をそれぞれ検知し、車両後方からの光の照度(Lx2)が車両前方からの光の照度(Lx1)の所定倍よりも大きいかどうかを比較すると共に、それが大きい場合に車両が薄暮時等で逆光線を受けていると判断して車両ライトが点灯されるので、このオートライトシステム20を備えた自動車10では、極めて危険度の高い薄暮時等で逆光線を受けたときの運転の安全性が高いものとなる。
【0033】
また、前方及び後方日照センサ21,22が昼間の高さの高い太陽Sからの日光をも直接的に検知できるように構成されていたのでは、誤動作を起こす虞があるが、上記構成の前方及び後方日照センサ21,22によれば、フード21bによってセンサ本体21aに対してその受光部正面を含む所定入射角範囲からの光のみを入射させるようにしているので、かかる誤動作が回避される。
【0034】
さらに、フード21bによってセンサ本体21aの受光部正面を含む所定入射角範囲以外からの光がセンサ本体21aに直接的に入射することを阻止できたとしても、フード21bで反射した光がセンサ本体21aに入射することが危惧されるが、上記構成の前方及び後方日照センサ21,22によれば、フード21bの内側の面が断面鋸歯形状の非平坦面に形成されているので、そのフード21bの内側の面に当たった反射光が外部に導かれてそのセンサ本体21aへの入射が阻止される。
【0035】
なお、上記実施形態では、前方日照センサ21をダッシュボード上に設けたが、特にこれに限定されるものではなく、前方日照センサ21をフロントガラスに取り付け、車両前方からの光を鏡等でセンサ本体21aに導くようにしてもよい。同様に、後方日照センサ22をリアガラスに取り付け、車両後方からの光を鏡等でセンサ本体21aに導くようにしてもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、イグニッションスイッチ23のオン/オフによってオートライトシステム20が機能するか否かを制御したが、特にこれに限定されるものではなく、車速信号やパーキングブレーキの解除によって制御するようにしてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、マニュアルスイッチでオートライトシステム20をオフにできるようにしたが、前方及び後方日照センサ21,22でそれぞれ検知された光の照度の変化に基づいて、薄暮時のみにこのオートライトシステム20が動作するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る自動車の走行状態を示す側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るオートライトシステムの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る前方日照センサの断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るオートライトシステムのフローチャートである。
【符号の説明】
10 自動車
20 オートライトシステム
21 前方日照センサ
21a センサ本体
21b フード
22 後方日照センサ
23 イグニッションスイッチ
24 ヘッドライトECU(ライト点灯制御部)
25 ヘッドライト
S 太陽
Claims (6)
- 車両前方からの光の照度を検知する前方日照センサと、
車両後方からの光の照度を検知する後方日照センサと、
上記後方日照センサで検知した車両後方からの光の照度が上記前方日照センサで検知した車両前方からの光の照度の所定倍よりも大きいとき、車両前方に光を発する車両ライトを点灯させるライト点灯制御部と、
を備えたことを特徴とするオートライトシステム。 - 請求項1に記載されたオートライトシステムを備えたことを特徴とする自動車。
- 光の照度を検知するセンサ本体と、
上記センサ本体に対してその受光部正面を含む所定入射角範囲からの光のみを入射させる入射光規制部と、
を備えたことを特徴とする日照センサ。 - 請求項3に記載された日照センサにおいて、
上記入射光規制部は、該入射光規制部で反射した光の上記センサ本体への入射を阻止する反射光入射阻止手段が設けられていることを特徴とする日照センサ。 - 光の照度を検知するセンサ本体と、
上記センサ本体を奥側に収容すると共に該センサ本体から前方に行くに従って広がるように形成されて開口し、該センサ本体に対してその受光部正面を含む所定入射角範囲からの光のみを入射させるフードと、
を備えたことを特徴とする日照センサ。 - 請求項4に記載された日照センサにおいて、
上記フードは、該フード内側で反射した光の上記センサ本体への入射が阻止されるようにその内側の面が非平坦面に形成されていることを特徴とする日照センサ。
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