JP2004142452A - インクジェット記録方法及び装置、プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録ヘッドの記録ノズル列周辺で発生する気流を低減することができるインクジェット記録方法及び装置、プログラムを提供する。
【解決手段】 コントローラ100は、記録対象の画像データの階調情報に基づいて、記録ヘッド1の複数の記録ノズル列の内、隣接する少なくとも第1及び第2記録ノズル列それぞれで記録する記録データを生成する。生成された記録データに基づいて、第1及び第2記録ノズル列により記録媒体の画素にインクを吐出して記録を行う。ここで、コントローラ100は、第1記録ノズル列により記録されるドット数と第2記録ノズル列により記録されるドット数の合計が所定数を超えない範囲で、第1及び第2記録ノズル列それぞれに対応した記録データを生成する。
【選択図】 図7

Description

 本発明は、インク吐出用の記録ノズル列を複数個配列した記録ヘッドからインクを吐出することにより記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法及び装置、プログラムに関するものである。
 パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等のOA機器が広く普及している現在、これらのOA機器で入力した情報を記録媒体に記録するための様々な記録装置及び記録方法が開発されている。特に、OA機器ではその情報処理能力の向上によって処理対象の情報がカラー化される傾向にあり、これに伴なって、その処理対象の情報を出力する記録装置にあってもカラー化が進んでいる。
 カラー画像を形成し得る記録装置としては、コスト、機能などにおいて様々なものがあり、比較的単純な機能を有する安価なものから、記録すべき画像の種類や使用目的などに応じて記録速度、画質などを選択し得る多機能なものまで種々存在している。
 特に、インクジェット記録装置は、低騒音、低ランニングコスト、小型化、カラー化等が容易であるという特徴を有し、プリンタ、複写機、ファクシミリ等に広く利用されている。
 一般に、カラーインクジェット記録装置は、シアン、マゼンタ、イエロ−の3色のカラーインク、またはこれらのインクにさらに黒を加えた4色のインクを使用してカラー画像の記録を行う。
 ところで、従来のインクジェット記録装置では、インクがにじまず、高発色のカラー画像を得るためには、記録媒体として、インク吸収層を有する専用紙を使用するのが一般的であったが、現在では、インクの改良によりプリンタや複写機等で大量に使用される「普通紙」に対して記録適性を持たせたものも実用化されている。
 また、カラー記録などの複数色記録を行う場合の記録手段としては、記録に使用する各色の記録ノズル列群(使用ノズル群)を、記録媒体の搬送方向(副走査方向)とは垂直な方向である主走査方向に沿って順次配設し、同一の記録走査において各ノズル群から同一のラスタにそれぞれインク滴を吐出させるようにした、所謂、記録ノズル列群が横並びの記録ヘッドが用いられている。
 この横並びの記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置において、より高画質記録を行うための手段として高解像度記録が挙げられる。そのため、記録ヘッドの記録素子及びノズルの集積密度を上げた高密度記録ヘッドを用いる構成が有効な手段となってきている。最近では、半導体プロセスを用いた高密度記録ヘッドも登場して、記録ノズル列としては600dpi(ノズルピット:約42.3μm)の高密度記録ヘッドも製造されるようになっている。
 更に、より高密度にするために、複数の記録ノズル列を並列に配置して、且つ、副走査方向に所定量オフセットして配列した記録ヘッドも製造されるようになった。例えば、1つの記録ノズル列の密度が600dpiの場合、この記録ノズル列を2つ並列に配置して、更に2つの記録ノズル列を副走査方向に1200dpi(ノズルピッチ:約21.2μm)分だけずらして配置することで、1200dpiの高密度記録ヘッドとして用いることができる。
 また、より高画質記録を行うためのもう1つの手段として小液滴記録が挙げられる。これを実現するために、記録ヘッドの記録素子及びノズルの小サイズ化を図り、小液滴を吐出する記録ヘッドを用いる構成が有効な手段となってきている。最近では、吐出量が4〜5plの小液滴の吐出が行える記録ヘッドも登場して、高精細記録に有利な記録ヘッドも製造されるようになっている。
 以上のような形態、つまり、高密度記録に有利な構成の記録ヘッドや、より高精細な記録に有利な小液滴の吐出が行える記録ヘッド等を用いることで、更なる高画質記録を行っていくことができる。
 しかしながら、上記のような記録ヘッドを用いる場合には、複数の記録ノズル列がそれぞれのインク吐出を行うことの影響が相互に出てしまうことがある。これはノズルから吐出されたインク液滴が周囲の空気を引き込むために、多数のインク液滴が吐出された場合のインク液滴の移動と、同時に記録ヘッドが高速で移動することにより、空気の流れ(気流)を発生しまい、吐出そのものに影響を及ぼすことがある。
 ここで、具体的に気流の発生メカニズムについて述べる。まず、図1を用いて記録ヘッドの動作に応じた気流の発生について説明する。
 図1は記録ヘッドの吐出面を上部から見た図であり、図示しないが記録ノズルから紙面に対して垂直方向にインクが吐出される。図1において、記録ヘッドが進行方向(主走査方向)に移動しながら、記録ノズル列1の記録ノズルからインクを吐出して被記録媒体に記録を行っていく。その際に、記録ノズルの鉛直下にはインク吐出によるインクの流れができていて、それが気体の流れを妨げる「気体の壁」となっている。この状態のまま、記録ヘッドが進行方向に移動することにより、気体の壁の後方に空気の流れが発生して、それが気流(図1の矢印で示す)となり、進行方向に対し記録ノズル1の後方に流れ込む。その結果、この気流が、記録ノズル列2でのインク吐出に影響を及ぼす場合がある。
 また、この記録ヘッドを横方向から見た図を図2に示す。
 図1同様に、記録ヘッドが進行方向に移動しながら、記録ノズル列1の記録ノズルからインクを吐出して記録を行っていく。ここでは気体の壁の後方における、インクの流れに起因する空気の流れを説明する。図2に示すように、インクを吐出することにより、上方から下方へと空気の流れ(気流)ができており、被記録媒体付近で後方に流れの向きが変わる。
 更に、記録ヘッドを進行方向の正面から見た図を図3に示す。
 図3は、図1もしくは図2に示した記録ヘッドの記録ノズル列2に着目して図示している。図1同様に、記録ヘッドが進行方向に移動しながら、記録ノズルからインクを吐出して記録を行っていく。ここで、図3において、気流の影響から記録ノズル列2の端部の記録ノズルから吐出されたインク滴が被記録媒体に近くなるに従い、内側へ曲がってしまっている。
 その結果、記録ノズル列2の両端部付近の記録ノズルから吐出されたインク滴は、被記録媒体上の本来の着弾位置から内側にずれた位置に着弾してしまい、ヨレや不吐と同じ画像弊害として認識されてしまう。この原因は、図1で説明した気体の壁の後方に流れ込む気流と、図2で説明したインク吐出による気流と、双方が影響して、端部の記録ノズルで吐出されたインク滴の吐出を曲げてしまうためである。
 以上のような気流の影響は、記録ヘッドの複数の記録ノズル列間の距離が短く、近接していれば、その影響を受け易くなる。また、インク体積が大きければ、その影響は受け難いが、インク体積が小さくなれば、その影響を受け易くなる。また、記録ノズル密度が高くなれば、気流発生の原因であるインク液滴そのものが増えるために、その影響が大きくなる。また、記録ヘッドの移動速度が速いほどその影響を受け易くなる。このように、記録ヘッドの形態やその移動速度、更には、インク吐出の条件により、影響度は様々であるが、記録ヘッドの周辺で気流が発生してしまう。
 このように、従来の記録ヘッドを用いた記録装置にあっては、記録ヘッドによるインク吐出状態や記録条件などにより、気流が発生してしまい記録媒体上に形成される画像に弊害を引き起こす場合があった。そして、この弊害を解消するために、複雑な記録制御を行ったり、記録ヘッドの移動速度を極端に落としたりして、記録動作上、不利益な制御を行わなくてはならないという課題が生じていた。
 本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、記録ヘッドの記録ノズル列周辺で発生する気流を低減することができるインクジェット記録方法及び装置、プログラムを提供することを目的とする。
 上記の目的を達成するための本発明によるインクジェット記録方法は以下の構成を備える。即ち、
 インクを吐出するための複数の記録ノズルで構成される記録ノズル列を複数個配列した記録ヘッドからインクを吐出することにより記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であって、
 記録対象の画像データの階調情報に基づいて、前記複数の記録ノズル列の内、隣接する少なくとも第1及び第2記録ノズル列それぞれで記録する記録データを生成する生成工程と、
 前記生成工程で生成された記録データに基づいて、前記第1及び第2記録ノズル列により前記記録媒体の画素にインクを吐出して記録を行う記録工程とを備え、
 前記生成工程では、前記第1記録ノズル列により記録されるドット数と前記第2記録ノズル列により記録されるドット数の合計が所定数を超えない範囲で、前記第1及び第2記録ノズル列それぞれに対応した記録データを生成する。
 また、好ましくは、前記所定数は、前記第1及び第2記録ノズル列によるインク吐出に伴って生じる気流の影響を許容できる最大の記録ドット数である。
 また、好ましくは、前記第1及び第2記録ノズル列は、共通のインク液室を挟んで配置される。
 また、好ましくは、前記生成工程では、前記第1記録ノズル列による記録ドット数が相対的に多くなるに伴って前記第2記録ノズル列による記録ドット数が相対的に少なくなるように、前記第1及び第2記録ノズル列それぞれに対応する記録データを生成する。
 上記の目的を達成するための本発明によるインクジェット記録方法は以下の構成を備える。即ち、
 インクを吐出するための複数の記録ノズルで構成される記録ノズル列を複数個配列した記録ヘッドからインクを吐出することにより記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であって、
 前記複数の記録ノズル列の内、隣接する少なくとも第1及び第2記録ノズル列それぞれで記録する記録データを生成する生成工程と、
 前記生成工程で生成された記録データに基づいて、前記第1及び第2記録ノズル列により前記記録媒体の所定領域にインクを吐出して記録を行う記録工程とを備え、
 前記生成工程では、前記第1記録ノズル列により記録される記録比率と前記第2記録ノズル列により記録される記録比率の合計が所定の比率以下となるように、前記第1及び第2記録ノズル列それぞれで前記所定領域に記録する記録データを生成する。
 上記の目的を達成するための本発明によるインクジェット記録方法は以下の構成を備える。即ち、
 インクを吐出するための複数の記録ノズルで構成される記録ノズル列を複数個配列した記録ヘッドからインクを吐出することにより記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であって、
 前記複数の記録ノズル列の内、隣接する少なくとも第1及び第2記録ノズル列それぞれで記録する記録データを生成する生成工程と、
 前記生成工程で生成された記録データに基づいて、前記第1及び第2記録ノズル列により前記記録媒体の所定領域にインクを吐出して記録を行う記録工程とを備え、
 前記生成工程では、前記第1及び第2記録ノズル列によるインク吐出に伴って生じる気流の影響が許容できる範囲内で、前記第1及び第2記録ノズル列それぞれで前記所定領域に記録する記録データを生成する。
 また、好ましくは、前記許容できる範囲内とは、気流の影響に関わらず、ドットの理想着弾位置からのズレ量が当該ドット径の半分未満となる範囲である。
 上記の目的を達成するための本発明によるインクジェット記録装置は以下の構成を備える。即ち、
 インク吐出用の記録ノズル列を複数個配列した記録ヘッドからインクを吐出することにより記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置であって、
  記録対象の画像データの階調情報に基づいて、前記複数の記録ノズル列の内、隣接する少なくとも第1及び第2記録ノズル列それぞれで記録する記録データを生成する生成手段と、
 前記生成手段で生成された記録データに基づいて、前記記録ヘッドの前記第1及び第2記録ノズル列による記録を制御する制御手段とを備え、
 前記生成手段は、前記第1記録ノズル列により記録されるドット数と前記第2記録ノズル列により記録されるドット数の合計が所定数を超えない範囲で、前記第1及び第2記録ノズル列それぞれに対応した記録データを生成する。
 また、好ましくは、前記所定数は、前記第1及び第2記録ノズル列によるインク吐出に伴って生じる気流の影響を許容できる最大の記録ドット数である。
 また、好ましくは、前記第1及び第2記録ノズル列は、共通のインク液室を挟んで配置される。
 また、好ましくは、前記第1記録ノズル列から1回の吐出で吐出する第1インク量と、前記第2記録ノズル列から1回の吐出で吐出する第2インク量とは異なる。
 また、好ましくは、前記第1記録ノズル列から1回の吐出で吐出する第1インク量は、前記第2記録ノズル列から1回の吐出で吐出する第2インク量より多い。
 また、好ましくは、前記第1記録ノズル列による第1記録比率は、前記第2記録ノズル列による第2記録比率より大きい。
 また、好ましくは、前記生成手段は、前記第1及び第2記録ノズル列に対応する記録データを独立に生成する。
 また、好ましくは、前記記録対象の画像データに基づいて生成される1つの記録データを前記複数の記録ノズル列それぞれの記録データに変換するインデックス処理を行う。
 また、好ましくは、前記第1記録比率と前記第2記録比率は、記録モード毎に互いに異なるように設定される。
 また、好ましくは、前記第1及び第2記録ノズル列は、同じ種類のインクを吐出する。
 また、好ましくは、前記第1及び第2記録ノズル列は、異なる種類のインクを吐出する。
 上記の目的を達成するための本発明によるインクジェット記録装置は以下の構成を備える。即ち、
 インクを吐出するための複数の記録ノズルで構成される記録ノズル列を複数個配列した記録ヘッドからインクを吐出することにより記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置であって、
 前記複数の記録ノズル列の内、隣接する少なくとも第1及び第2記録ノズル列それぞれで記録する記録データを生成する生成手段と、
 前記生成手段で生成された記録データに基づいて、前記第1及び第2記録ノズル列により前記記録媒体の所定領域にインクを吐出して記録を行う記録制御手段とを備え、
 前記生成手段は、前記第1及び第2記録ノズル列によるインク吐出に伴って生じる気流の影響が許容できる範囲内で、前記第1及び第2記録ノズル列それぞれで前記所定領域に記録する記録データを生成する。
 また、好ましくは、前記許容できる範囲内とは、気流の影響に関わらず、ドットの理想着弾位置からのズレ量が当該ドット径の半分未満となる範囲である。
 上記の目的を達成するための本発明によるプログラムは以下の構成を備える。即ち、
 インク吐出用の記録ノズル列を複数個配列した記録ヘッドからインクを吐出することにより記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置を制御するプログラムであって、
 記録対象の画像データの階調情報に基づいて、前記複数の記録ノズル列の内、隣接する少なくとも第1及び第2記録ノズル列のそれぞれの記録ノズルで記録する記録データを生成する生成工程のプログラムコードとを含み、
 前記生成工程のプログラムコードでは、前記第1記録ノズル列により記録されるドット数と前記第2記録ノズル列により記録されるドット数の合計が所定数を超えない範囲で、前記第1及び第2記録ノズル列それぞれで前記画素に記録する記録データを生成する。
 前記プログラムは、インクジェット記録装置へ記録データを供給するホスト装置上で動作する。
 本発明によれば、記録ヘッドの記録ノズル列周辺で発生する気流を低減することができるインクジェット記録方法及び装置、プログラムを提供できる。
 以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
 以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
 本発明は、紙や布、革、不織布、OHP用紙等、さらには金属等の記録媒体を用いる機器の全てに適用可能である。具体的な適用機器としては、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の事務機器や工業用生産機器等を挙げることができる。
 以下では、本発明の実施形態として、複数の記録ヘッドを有するシリアルプリンタ型のインクジェット記録装置を例に説明する。
 本発明の一実施形態では、複数の記録ノズル列を有する記録ヘッドにおいて、それぞれの記録ノズル列の記録比率を取得して、1つの記録ノズル列の記録比率に応じて、他方の記録ノズル列の記録比率を設定する。
 これにより、記録ヘッドによる吐出状態や記録条件などにより発生する気流による画像弊害を抑制することができ、記録ヘッドの持っている性能を引き出し、最適な記録を行うことを実現する。つまり、複数の記録ノズル列での記録比率を管理することにより、複雑な制御を行わずに、気流問題そのものが発生し難い記録が行えるインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法を提供できる。
 具体的な、記録制御の一例を、図4を用いて説明する。
 尚、気流問題の発生の有無を決定する1つの要素として、隣接する記録ノズル列間の距離が挙げられる。この距離としては、一例として、600dpi画素の間隔で、20画素以上であれば、気流問題を生じることはほとんどないが、10画素以内であれば気流問題を生じる場合がある。但し、記録ヘッドの性能、1回のインク吐出量、インク吐出条件等の記録ヘッドの記録条件により変動するものである。
 本発明は、このような記録ヘッドの記録条件を考慮して、気流問題を低減することができる記録制御を実現する。
 図4は本発明の各実施形態で適用可能な記録ヘッドの複数の記録ノズル列の記録比率を示す図である。
 図4では、記録ノズル列1とそれと並行に主走査方向に配置されている記録ノズル列2を有する記録ヘッドにおいて、横軸に記録ノズル列1の記録比率、縦軸に記録ノズル列1の記録比率に応じて決定される記録ノズル列2の記録比率を示す記録比率管理テーブルを示している。
 尚、ここでいう記録比率の定義は、例えば、記録ヘッドの1走査で記録される記録領域全体を、記録ヘッドの記録ノズル列の記録ノズル列1の記録ノズル群すべてから吐出して記録した場合を記録比率100%としている。もしくは、単位時間当たりに、記録ヘッドの1つの記録ノズル列が1走査で記録できる記録領域を、全て記録した場合を記録比率100%としている。但し、この記録比率の定義は、これに限定されず、用途や目的に応じて、その定義を適宜決定すれば良い。
 図4において、吐出量Aで記録を行う場合は、記録ノズル列1と記録ノズル列2の1ノズル当たりの吐出量は同じとなるような記録比率制御ライン401が設定されている。ここでは、記録ノズル列1の記録比率が増加するに従って、記録ノズル列2の記録比率が減少し、ほぼ線形の関係にある。
 ここで、記録比率制御ライン401の上側にある領域、つまり、記録ノズル列1と記録ノズル列2の記録比率の合計が多い領域は、気流の影響が大きく、記録媒体上に形成される画像の品位が良好にならないNG領域に設定している。一方、記録比率制御ライン401の下側にある領域、つまり、記録ノズル列1と記録ノズル列2の記録比率の合計が少ない領域は、気流の影響が小さく、記録媒体上に形成される画像の品位が良好になるOK領域に設定している。そして、記録制御上は、このOK領域を用いて記録を行うように設定する。
 次に、吐出量Bで記録を行う場合は、記録ノズル列1の1ノズル当たりのインク吐出量に対して、記録ノズル列2の1ノズル当たりの吐出量は約半分となるような記録比率制御ライン402が設定されている。ここでも、記録ノズル列1の記録比率が増加するに従って、記録ノズル列2の記録比率は減少するが、線形の関係はなく、記録ノズル列1の記録比率の影響は大きく、記録ノズル列2の記録比率を大きくすることはできない。
 この場合も同様に、記録比率制御ライン402の上側にある領域、つまり、記録ノズル列1と記録ノズル列2の記録比率の合計が多い領域は、気流の影響が大きく、記録媒体上に形成される画像の品位が良好にならないNG領域に設定している。一方、記録比率制御ライン402の下側にある領域、つまり、記録ノズル列1と記録ノズル列2の記録比率の合計が少ない領域は、気流の影響が小さく、記録媒体上に形成される画像の品位が良好になるOK領域に設定している。そして、記録制御上は、このOK領域を用いて記録を行うように設定する。
 尚、記録ノズル列1の第1記録比率は、記録ノズル列2の第2記録比率はより大きいことが好ましく、この各記録比率は、記録対象の画像データの階調情報に基づいて決定される。また、この記録比率は、記録モード(例えば、高画質記録モード、高速記録モード等)に基づいて決定されても良い。
 [実施形態1]
 実施形態1では、複数の記録ノズル列を有する記録ヘッドの各ノズルから記録媒体上にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録に関するものである。特に、実施形態1では、近接する複数の記録ノズル列で吐出するドット数を制御して、相互のインク吐出による気流の影響を抑制する。
 尚、以下に示す図において、同一符号にて示す部分は、同一もしくは対応部分とする。
 (記録装置の構成)
 図5は本発明の実施形態1のインクジェット記録装置の要部構成を模式的に示す斜視図である。
 図5のインクジェット記録装置1000において、複数(4個)のヘッドカートリッジ1A,1B,1C,1Dを有する記録ヘッド1は、キャリッジ2に交換可能に搭載されている。各ヘッドカートリッジ1A〜1Dのそれぞれには、記録ヘッド1を駆動する信号を受けるためのコネクタが設けられている。
 尚、以下の説明では、ヘッドカートリッジ1A〜1Dの全体または任意の1つを指す場合にも、単に記録ヘッド1で示すことにする。
 記録ヘッド1のヘッドカートリッジ1A〜1Dそれぞれは、それぞれ異なる色のインクで記録するものであり、それぞれのヘッドカートリッジ1A〜1Dには、例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(Bk)などの異なるインクを貯留するインクタンク部が収納されている。各ヘッドカートリッジ1A〜1Dは、キャリッジ2に位置決めして交換可能に搭載されており、そのキャリッジ2には、コネクタを介して各ヘッドカートリッジ1A〜1Dに駆動信号等を伝達するためのコネクタホルダ(電気接続部)が設けられている。
 キャリッジ2は、主走査方向で装置本体に設置されたガイドシャフト3に沿って移動方向に案内支持される。そして、このキャリッジ2は、主走査モータ4により、モータプーリ5、従動プーリ6及びタイミングベルト7を介して駆動され、その位置及び移動を制御される。
 また、装置本体の左側には記録ヘッド1のインク吐出状態を良好に保つための回復動作を行う回復部14が配設されており、その回復部14には、記録ヘッド1のヘッドカートリッジ1A〜1Dから吐出されるインクを回収するインク回収部15、記録ヘッド1をキャップするキャップ(不図示)、記録ヘッド1のインク吐出面を拭うワイパ18、及び記録ヘッド1のインク吐出ノズルからインクを吸引ノズル27を介して吸引するための吸引ポンプ16等が設けられている。また、ワイパ18は、使用しない時はワイパ収納部17に収納されている。
 記録媒体8は、2組の搬送ローラ9,10及び11,12の回転により、記録ヘッド1の吐出口面と対向する位置(記録部)を通して副走査方向に搬送(紙送り)される。
 尚、記録媒体8は、記録部において平坦な記録面を形成できるように、その裏面をプラテン(不図示)により指示されている。この場合、キャリッジ2に搭載された記録ヘッド1の各カートリッジ1A〜1Dは、それらの吐出口面がキャリッジ2から下方へ突出して2組の搬送ローラ9,10及び11,12の間で記録媒体8と平坦になるように保持されている。
 記録ヘッド1は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。また、記録ヘッド1は電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させ、記録を行うものである。
 次に、記録ヘッド1のインク吐出部13の主要部構造について、図6を用いて説明する。
 図6は本発明の実施形態1の記録ヘッドのインク吐出部の主要部構造を模式的に示す斜視図である。
 図6において、記録媒体8と所定の隙間(約0.5〜2[mm]程度)をおいて対面する吐出口面21には、所定のピッチで複数の吐出口22が形成され、共通液室23を各吐出口22とを連通する各流路24の壁面に沿ってインク吐出量のエネルギーを発生するために電気熱変換体(発熱抵抗体など)25が配設されている。
 実施形態1においては、記録ヘッド1は、吐出口22がキャリッジ2の走査方向と交差する方向に並ぶような位置関係で、該キャリッジ2に搭載されている。そして、記録データに基づいて対応する電気熱変換体25を駆動(通電)して、流路24内のインクを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によって吐出口22からインクを吐出させる記録ヘッド1が構成されている。
 次に、インクジェット記録装置1000の制御回路の構成について、図7を用いて説明する。
 図7は本発明の実施形態1のインクジェット記録装置の制御回路の概略構成を示す図である。
 図7において、コントローラ100は主制御部であり、例えば、マイクロコンピュータ形態のCPU101、後述する本発明の各実施形態で実行される処理を実現するプログラムを含む各種プログラムや各種記録ドット管理テーブル、その他の固定データを格納したROM103、画像データを展開する領域や作業用の領域等を設けたRAM105を有し、記録ヘッド制御部等として機能する。
 ホスト装置110は、画像データの供給源(記録データの作成、処理等を行うコンピュータとする他、画像読み取り用のリーダ部、デジタルカメラ等の形態であってもよい)である。画像データ、その他のコマンド、ステータス信号等は、インタフェース(I/F)112を介してコントローラ100と送受信される。
 尚、このインタフェース(I/F)112の具体例としては、USBインタフェース、パラレルインタフェース、IrDAインタフェース等が挙げられる。
 ホスト装置110は、インクジェット記録装置1000のコントローラ100での記録制御を実現可能にするための記録データを生成し、その記録データのコントローラ100への出力を制御する。この記録データの生成及び出力制御は、例えば、ホスト装置110上に搭載されるプリンタドライバ等の専用プログラムによって実現されるが、その専用プログラムが実行する処理を実現する専用ハードウェアで実現されても良い。
 また、ホスト装置110は、汎用コンピュータに搭載される標準的な構成要素(例えば、CPU、RAM、ROM、ハードディスク、外部記憶装置、ネットワークインタフェース、ディスプレイ、キーボード、マウス等)を有している。
 一方、インクジェット記録装置1000において、操作部120は、操作者による指示入力を受容するスイッチ群であり、電源スイッチ122、プリント開始を指示するためのスイッチ124、吸引回復の起動を指示するための回復スイッチ126等を有する。
 ヘッドドライバ140は、記録データ等に応じて記録ヘッド1の吐出ヒータ25を駆動するドライバである。ヘッドドライバ140は、記録データを電気熱変換体(吐出ヒータ)25の位置に対応させて整列させるシフトレジスタ、適宜のタイミングでラッチするラッチ回路、駆動タイミング信号に同期して吐出ヒータを作動させる論理回路素子の他、ドット形成位置合わせのために駆動タイミング(吐出タイミング)を適切に設定するタイミング設定部等を有する。
 記録ヘッド1には、サブヒータ142が設けられている。サブヒータ142は、インクの吐出特性を安定させるための温度調整を行うものであり、吐出ヒータ25と同時に記録ヘッド基板上に形成された形態及び/または記録ヘッド1本体ないしヘッドカートリッジ1A〜1Dに取り付けられる形態とすることができる。
 モータドライバ150は、主走査モータ152を駆動するドライバである。副走査モータ162は、記録媒体8を搬送(副走査)するために用いられるモータである。モータドライバ160は、副走査モータ162を駆動するドライバである。
 次に、記録ノズル列付近で発生する気流を制御するための実施形態1のインクジェット記録装置1000で実行する記録ドット制御について、説明する。
 (気流制御)
 図8は本発明の実施形態1の近接する2つの記録ノズル列で1画素毎に記録を行う場合の気流制御のための記録ドット制御の一例を示す図である。なお、この2つの記録ノズル列(第1及び第2記録ノズル列)はノズルの配列方向とは異なる主走査方向に隣接して配置されている。
 図8では、気流制御ライン801に従って、記録ノズル列1の記録ドット数に応じて記録ノズル列2の記録ドット数を制御するための記録ドット管理テーブルを示している。特に、図8の記録ドット管理テーブルの気流制御ライン801の上側の領域は、記録ノズル列1のインク吐出に起因する気流の影響が大きく、記録媒体上の画像の品位が良好にならないNG領域である。従って、記録ノズル列1及び記録ノズル列2の記録ドット数は、気流制御ライン801の下側の領域、つまり、記録媒体上の画像の品位が良好になるOK領域を用いて記録を制御する。
 なお、本明細書において、NG領域とは、図3に示すように気流の影響で端部ノズルの着弾がずれてしまい、ヨレやムラ等の画像弊害を生じてしまう領域、つまり、図8の記録ノズル列1のインク吐出に起因する気流の影響により記録ノズル列2の記録ドットの着弾がずれてしまい、画像弊害を生じてしまう領域と定義されるものである。
 具体的には、約30μmのドットを用いて1200dpiの高密度記録を行う場合、隣接ドット間において1ドット分の着弾位置のズレが発生する場合をNG領域としている。1回の記録走査の中で、1つのドットの理想着弾位置からのズレ量を測定して、そのズレ量が約15μmとなる場合で、隣接ドットが同様に反対方向に約15μmずれると、隣接ドット間で合計約30μmずれることになり、画像弊害となってしまう。
 従って、NG領域は、1つのドットの理想着弾位置からのズレ量が、ドット径(1つのドットの直径)の半分以上の距離になってしまう領域である。一方、OK領域とは、気流の影響が全くない、もしくは気流影響があっても、ヨレやムラ等の画像弊害を生じない領域と定義されるものであり、1回の記録走査の中で、1つのドットの理想着弾位置からのズレ量を測定して、その1つのドットの理想着弾位置からのズレ量が、ドット径の半分未満の距離となる領域である。
 具体的な例として、約30μmのドットを用いて1200dpiの高密度記録を行う場合について記載したが、上記のNG領域もしくはOK領域のズレ量は、マルチパス記録、具体的には4パス記録で特殊紙(商品名:プロフェッショナルフォトペーパー、キヤノン(株)製)に記録した場合の一例である。記録密度、パス数、被記録媒体等の条件により、基準となるズレ量は変化するものである。
 このように本実施形態では、記録ノズル列1および記録ノズル列2によるインク吐出に伴って生じる気流の影響が許容できる範囲内で、記録ノズル列1および記録ノズル列2それぞれの記録データを生成する。ここで、気流の影響が許容できる範囲とは、気流制御ライン801の下側にあるOK領域の範囲のことであり、言い換えれば、気流の影響に関わらず、ドットの理想着弾位置からのズレ量がドット径の半分未満の距離となる範囲のことである。
 図8では、1画素に対する記録ドット数で図示しているが、複数画素の平均記録ドット数としても同等の制御が行える。また、単位時間当たりの記録比率としても同等で、単位時間当たりの記録画素の平均記録ドット数として制御することもできる。
 図9は本発明の実施形態1の記録ヘッドの記録ノズル列の構成の一例を示す図である。
 図9において、記録ヘッド1は進行方向に移動しながら、記録ノズル列1、記録ノズル列2の各記録ノズルから同色のインクを吐出して記録を行っていく。ここで、記録ノズル列1と記録ノズル列2の位置関係について説明をする。各記録ノズル列はそれぞれ、600dpiの間隔でノズルが配列され、また、記録ノズル列1と記録ノズル列2はインク液室を挟んで左右に配置されている。そして、記録ノズル列1に対して、記録ノズル列2は1200dpi分だけ位置が上下方向にずれて配置されていて、1200dpiのノズルピッチを有する記録ヘッド1として構成されている。
 図10は本発明の実施形態1の記録ヘッドを用いて1画素を構成するドットの配置の一例を示す図である。
 ここでは、1画素を0〜4つの何れかの個数のドットで形成する。なお、図10は、最大ドット数である4ドットで1画素を形成する場合を示している。具体的には、画像処理におけるデータの取り扱いを600dpi単位として、1画素に対して、多値情報を生成する。インクジェット記録装置1000は、多値情報から、その画素に対応する複数のノズルで記録するドット数を設定する。
 図10では、600dpiの1つの画素に対して、縦2ドット、横2ドットが記録できるように構成されている。つまり、1画素に対して、最大4つのドットで画像形成を行う。これは1例であり、インクジェット記録装置1000や記録ヘッド1の特性により、1画素を構成するドット数は様々である。
 ここで、記録ドット制御の実現方法について、いくつか説明する。
 まず、ホスト装置110上で記録ドットを制御するための記録データを生成する場合について説明する。
 この場合、ホスト装置110で動作するアプリケーションで生成された記録対象の画像データに基づいて、プリンタドライバにおいて、インクジェット記録装置1000が記録を行うことができる2値情報もしくは多値情報の記録データを生成する。特に、プリンタドライバでは、処理対象の画像データは画素毎に処理される構成になっている。ここでは、プリンタドライバは、記録ノズル列1、記録ノズル列2に対応する記録データをそれぞれ独立に生成する。
 具体的には、画素毎に記録データを生成する際には、その画素を表現するための記録ドットを、図8の気流制御ライン801に基づいて決定する。例えば、ある画素の階調を表現するために、記録ドットが3ドット必要となる場合は、記録ノズル列1及び2それぞれから吐出する記録ドットは、気流制御ライン801の下側にあるOK領域内で、記録ドット数が3ドットとなる組み合わせを選択する。
 図8の場合では、気流制御ライン801の下側にあるOK領域内で、記録ドット数が3ドットとなる組み合わせは、例えば、記録ノズル列1から2ドット、記録ノズル列2から1ドットを吐出するようにすれば、記録ドット数が3ドットとなる。もちろん、これ以外にも、気流制御ライン801の下側にあるOK領域内で、記録ドット数が3ドットとなる組み合わせであればどのようなものでもよい。
 このように記録ノズル列1により記録されるドット数と、記録ノズル列1に隣接する記録ノズル列2により記録されるドット数の合計が所定数(気流制御ライン801に沿ったドット数)を超えない範囲で、記録ノズル列1および記録ノズル列2それぞれに対応した記録データを生成するのである。これにより、記録ノズル列1及び2間で発生する気流を抑制することが可能な、複数の記録ノズル列に対応した画像データをそれぞれ独立に生成することができる。
 なお、上記した所定数は、気流ライン801上のドット数に相当するものであるので、記録ノズル列1および記録ノズル列2によるインク吐出に伴って生じる気流の影響を許容できる最大の記録ドット数ということができる。
 尚、記録ドットの組み合わせは、記録ドット管理テーブルの気流制御ラインで決定されるOK領域内であれば様々なものが想定されるが、気流を抑制する観点からは、記録ノズル列1から1回の吐出で吐出する第1インク量(ドット数)と、記録ノズル列2から1回の吐出で吐出する第2インク量(ドット数)とが異なっていることが好ましい。加えて、第1インク量は第2インク量より多いことが好ましい。
 次に、ホスト装置110で生成された記録対象の画像データに基づいて、インクジェット記録装置1000が記録ドットを制御するための記録データを生成する場合について説明する。ここでは、インクジェット記録装置1000が記録ドットを制御するための記録データを生成する一例として、インデックス制御について説明をする。
 インデックス制御は、1つの多値情報(階調情報)から複数の組み合わせの記録ドットを生成して、1画素での階調表現を行うものである。例えば、図11にインデックス制御の一例を示す。ここでは、図10と同様に、1つの画素に対して縦2ドット、横2ドットの計4つのドットが記録できるように構成されている。また、記録ドットは大小の2種類として、大ドットは5ng、小ドットは2ngとする。また、ホスト装置110から受信する多値情報の画像データは3bit、つまり、8値の階調情報(Level0〜7の8階調)であるとする。そして、この階調情報(Level0〜7)に応じて、1画素を形成するドットの組合わせを決定する。
 図11において、階調レベルが上がって行くに従って、最初は小ドットが1ドットずつ増加して、途中から大ドットが小ドットと入れ替わるように入りだし、階調性を損なうことなく、8段階の階調表現ができている。
 ここで、図8もしくは図9における記録ノズル列1で記録されるドットが大ドット、記録ノズル列2で記録されるドットが小ドットとすると、図11に示したインデックス制御の一例は、図8の気流制御ライン801の下側にあるOK領域で、大ドットと小ドットが使用されていることがわかる。つまり、このようなインデックス制御において、図8の記録ドット管理テーブルの気流制御ライン801の下側にあるOK領域を満足する状態、つまり、気流制御が実現されている状態での、記録ノズル列1及び2それぞれから吐出する記録ドットの組み合わせを決定することができる。このように、インデックス制御の形態であっても、記録ノズル列1により記録されるドット数と記録ノズル列2により記録されるドット数の合計が所定数(気流制御ライン801に沿ったドット数)を超えない範囲で、記録ノズル列1および記録ノズル列2それぞれに対応した記録データを生成できる。
 ここで、ホスト装置110で記録ドットを制御するための記録データを生成する場合(複数の記録ノズル列に対して独立の記録データを生成する方法)と、インクジェット記録装置1000で記録ドットを制御するための記録データを生成する場合(インデックス制御)とを比較してみる。
 前者は汎用性が高く、様々な組み合わせを実現できるメリットがあり、厳密な画像生成を行う場合には有効な方法である。また、後者は、記録ドットの組み合わせにおいて多様性がなく、単純な組み合わせしかできない。しかし、画像データ量を少なくできるメリットがある。どちらを用いるかは、記録装置の特徴により決まるものであり、気流制御上は双方供に同様な制御が行える。
 また、上記の2種類の記録データの生成方法は、前者をホスト装置110、後者をインクジェット記録装置1000で実現する構成として説明したが、これに限定されず、ホスト装置100及びインクジェット記録装置1000の処理能力、記録モード等の各種条件に基づいて、ホスト装置100及びインクジェット記録装置1000の少なくとも一方で実行しても良いし、処理内容を分散して両装置間で協調的に実行するようにしても良い。
 次に、気流制御の変形例として、所定の記録領域を複数回の記録ヘッドの走査で記録を完了するマルチパス記録を行う場合の気流制御の一例について説明する。
 図12は本発明の実施形態1の4パス記録時と6パス記録時の気流制御のための記録ドット制御の一例を示す図である。
 ここでは、図8の場合と同様に、近接する2つの記録ノズル列1及び2で1画素毎に記録を行う場合の気流制御のための記録ドット制御の一例であり、気流制御ライン1201及び1202に従って、記録ノズル列1の記録ドット数と記録ノズル列2の記録ドット数を制御している。
 図12において、6パス記録時では6パス用の気流制御ライン1201の上側の領域、また4パス記録時では4パス用の気流制御ライン1202の上側の領域は、記録ノズル列1のインク吐出に起因する気流の影響が大きく、記録媒体上の画像の品位が良好にならないNG領域である。従って、記録ノズル列2の記録ドット数は、6パス記録時では6パス用の気流制御ライン1201の下側の領域、また4パス記録時では4パス用の気流制御ライン1202の下側の領域、つまり、記録媒体上の画像の品位が良好になるOK領域を用いて記録を制御する。
 ここで、4パス記録時と6パス記録時では、1つの画素に同じドット数を記録しても、それぞれの1回の記録走査での記録比率は異なる。具体的には、4パス記録よりも6パス記録の方が記録比率は低い。そのため、比較的低い記録比率で記録が行われる6パス記録の場合、4パス記録の場合に比べ、気流の影響を受けにくいため、その気流制御ライン1201の制限ラインが高めに設定されており、OK領域が広く取られている。このように、記録モード(4パス記録あるいは6パス記録)毎に気流制御条件(気流制御ライン)を変更することにより、その記録モードに適切な制御を行うことができる。
 以上説明したように、実施形態1によれば、複数の記録ノズル列を有する記録ヘッドの各記録ノズルから記録媒体上にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録において、近接する複数の記録ノズル列で吐出するドット数を1画素毎に制御することで、相互のインク吐出による気流の影響を抑制することができる。これによって、複数の記録ノズル列を用いた記録に最適な制御が行え、高画質記録を実現することができる。
 [実施形態2]
 実施形態2では、複数種類のインクを、それぞれ複数の記録ノズル列を有する記録ヘッドの各記録ノズルから記録媒体上にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録に関するものである。特に、実施形態2では、近接する複数の記録ノズル列で、異なるインクを記録する際に、それぞれ吐出するドット数を制御して、相互のインク吐出による気流の影響を抑制する。
 図13は本発明の実施形態2の記録ヘッドの記録ノズル列の構成の一例を示す図である。
 図13において、記録ノズル列1及び2を有する記録ヘッドと、記録ノズル列3及び4を有する記録ヘッドは進行方向に移動しながら、記録ノズル列1〜4の各記録ノズルからインクを吐出して記録を行っていく。図13では、図9の記録ヘッド1が2つ主走査方向に並列に配列されている状態であり、インク液室を挟んで左右に600dpiの間隔で記録ノズルが配列されている。更に、左右の記録ノズル列が1200dpi分だけ位置が上下方向にずれて配置されていて、1200dpiのノズルピッチを有する記録ヘッドとして構成されている。
 また、1画素を構成するドットの配置は実施形態1と同様であり、図10に示す通り、600dpiの1つの画素に対して、最大縦2ドット、横2ドットで構成され、1画素に対して、最大4つのドットで画像形成を行うものである。
 図14は本発明の実施形態2の近接する2つの記録ノズル列で1画素毎に記録を行う場合の気流制御のための記録ドット制御の一例を示す図である。
 図14では、記録ノズル列2の記録ドット数に応じて記録ノズル列3の記録ドット数を制御しており、図14の気流制御ライン1410の上側の領域は、記録ノズル列2のインク吐出に起因する気流の影響が大きく、記録媒体上の画像の品位が良好にならないNG領域である。従って、記録ノズル列3の記録ドット数は、気流制御ライン1401の下側の領域、つまり、記録媒体上の画像の品位が良好になるOK領域を用いて記録を制御する。
 ここで、図13の記録ヘッドの構成であれば、記録ノズル列3の記録を記録ノズル列4で行うことが可能である。また、気流発生の原因になっている記録ノズル列2でのインク吐出を抑制するために、記録ノズル列1で代替することも可能である。
 ここでは、近接する記録ノズル列2と記録ノズル列3に着目している。記録ノズル列1、記録ノズル列4ではそれぞれ、記録ノズル列の間隔が大きいため、相互の気流の影響は出ない。また、記録ノズル列1の吐出による記録ノズル列3への気流の影響、及び記録ノズル列2の吐出による記録ノズル列4への気流の影響、またその反対の影響もほとんどないと考えられる。
 従って、最も近接していて、気流の影響が大きいと考えられる記録ノズル列2と記録ノズル列3の記録ドット数に着目して、気流に影響よる画像劣化が予測される領域では、それぞれ代替の記録ノズル列を用いるように制御を行い、気流影響の少ないOK領域で画像形成を行うように制御している。
 尚、記録ドットを制御するための記録データを生成する方法については、実施形態1と同様であり、記録ノズル列2及び3毎に画像データをそれぞれ独立に生成する、もしくは図11に示したようなインデックス制御を用いることで対応する。
 また、記録ドットを制御するための記録データの生成は、記録ノズル列2及び3を対象としているが、記録ノズル列1及び2、記録ノズル列3及び4に対しても実行しても良い。つまり、用途や目的に応じて、隣接する記録ノズル列に対して、適宜、記録ドットを制御するための記録データの生成することは設計事項である。
 以上説明したように、実施形態2によれば、複数の種類のインクを、それぞれ複数の記録ノズル列を有する記録ヘッドの各ノズルから記録媒体上にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録において、近接する複数の記録ノズル列で吐出するドット数を1画素毎に制御して、相互のインク吐出による気流の影響を抑制することができる。これによって、複数の記録ノズル列を用いた記録に最適な制御が行え、高画質記録を実現することができる。
 [実施形態3]
 実施形態3では、複数の記録ノズル列を有する記録ヘッドの各ノズルから記録媒体上にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録に関するものである。特に、実施形態3では、複数のインク量を吐出する、それぞれの記録ノズルが配列されている記録ノズル列を複数用いて、近接する複数の記録ノズル列で吐出するドット数を1画素毎に制御して、相互のインク吐出による気流の影響を抑制するものである。
 図15は本発明の実施形態3の記録ヘッドの記録ノズル列の構成の一例を示す図である。
 図15において、記録ヘッドは進行方向に移動しながら、記録ノズル列1、記録ノズル列2の各記録ノズルからインクを吐出して記録を行っていく。ここで、記録ノズル列1と記録ノズル列2の位置関係について説明をする。各記録ノズル列1及び2はそれぞれ、600dpiの間隔でノズルが配列され、また、記録ノズル列1と記録ノズル列2はインク液室を挟んで左右に配置されている。
 そして、記録ノズル列1及び2は、共に、大ドット用の記録ノズルと小ドット用の記録ノズルが交互に配列されている。また、記録ノズル列1と記録ノズル列2において、大ドット用の記録ノズルと小ドット用の記録ノズルとの位置がずれるように配置されている。つまり、600dpiのノズルピッチを有する大小ドットの記録ヘッドとして構成されている。
 図16は本発明の実施形態3の大小ドットが混在している記録ノズル列で近接する2つの記録ノズル列で1画素毎に記録を行う場合の気流制御のための記録ドット制御の一例を示す図である。
 図16では、大ドットで記録される記録ドット数に応じて、小ドットで記録される記録ドット数を制御しており、図16の気流制御ライン1601の上側の領域は、大ドットのインク吐出に起因する気流の影響が大きく、記録媒体上の画像の品位が良好にならないNG領域である。従って、小ドットの記録ドット数は、気流制御ライン1601の下側の領域、つまり、記録媒体上の画像の品位が良好になるOK領域を用いて記録を制御する。
 尚、記録ドットを制御するための記録データを生成する方法については、実施形態1と同様であり、大ドット、小ドット毎に画像データをそれぞれ独立に生成する、もしくは図11に示したようなインデックス制御を用いることで対応する。
 ここで、実施形態3では、記録ノズル列毎の気流制御ではなく、吐出量が異なる記録ノズルが交互に配列されている記録ノズル列に対して、吐出量の異なる記録ノズル毎に記録ドットを制御するものである。
 以上説明したように、実施形態3によれば、複数の記録ノズル列を有する記録ヘッドの各ノズルから記録媒体上にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録において、複数のインク量を吐出する、それぞれの記録ノズルが配列されている記録ノズル列を複数用いて、近接する複数の記録ノズル列で吐出するドット数を1画素毎に制御して、相互のインク吐出による気流の影響を抑制することができる。これによって、複数のインク吐出量を有する複数のノズルを用いた記録に最適な制御が行え、高画質記録を実現することができる。
 最後に、本発明の各実施形態で実現される記録ドットを制御するための記録データを生成する処理について、図17を用いて説明する。
 図17は本発明の各実施形態で実現される記録ドットを制御するための記録データを生成する処理の概要フローを示すフローチャートである。
 尚、図17では、説明を簡単にするため、実施形態1の場合を例に挙げて説明するが、実施形態2や3の場合にも、その処理対象や条件を変更することで、それぞれの実施形態で実現される処理を実行できる。
 まず、ステップS101で、記録対象の画像データを入力する。
 尚、ここでの入力は、以降の処理をホスト装置110内のプリンタドライバで実行する場合には、ホスト装置110の画像処理アプリケーション上で生成された画像データをプリンタドライバへの入力を意味する。また、以降の処理をインクジェット記録装置1000内で実行する場合には、ホスト装置110の画像処理アプリケーション上で生成された画像データをインクジェット記録装置1000への入力を意味する。
 そして、以降の処理は、プリンタドライバあるいはインクジェット記録装置1000のコントローラ100で実現されることになる。
 次に、ステップS102で、画像データの階調情報を取得する。次に、ステップS103で、取得した階調情報に基づいて、記録ドット管理テーブルを参照する。
 ステップS104及び105で、記録ドット管理テーブルを参照することによって、記録ドット管理テーブルの気流制御ラインのOK領域を満足する、記録ノズル列1及び2それぞれから吐出する記録ドットの組み合わせを決定し、各記録ノズル列に対応する記録データを生成する。
 ステップS106で、生成した記録データを出力先(インクジェット記録装置1000あるいはヘッドドライバ140)へ出力する。
 尚、上記の処理は一例であり、実施形態1の図11で説明したインデックス制御を実行する場合には、ステップS104及び105で、画像データの階調情報(Level0〜7)に基づいて、記録ドット管理テーブルを参照し、記録ノズル列1から吐出する大ドットの数と記録ノズル列2から吐出する小ドットの組み合わせを決定して、それぞれの記録ノズル列に対応する記録データを生成すれば良い。
 また、記録ドット管理テーブルを基に、各階調ごとに記録ノズル列1及び2それぞれで吐出する記録ドットを決定するテーブルを作成しておき、プリンタドライバあるいはインクジェット記録装置1000に保持しておくことでも、同等の処理を行うことができる。
 尚、本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
 その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。
 この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて、書く沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印可することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが出来る。
 記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に記載されているような吐出口、液路電気熱変換体の組合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59―123670号公報や熱エネルギの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59―138461号公報に基づいた構成としても本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録を確実に効率よく行うことが出来るようになるからである。
 さらに、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅に対応して長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのような記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
 加えて、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
 また、本発明の記録装置の構成として、記録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定出来るので、好ましいものである。これらを具体的にあげれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体或いはこれとは別の加熱素子或いはこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出手段をあげることができる。
 また、搭載される記録ヘッドの種類ないし個数についても、例えば単色のインクに対応して1個のみが設けられたもののほか、記録色や濃度を異にする複数のインクに対応して複数個設けられるものであっても良い。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては記録ヘッドを一体的に構成するか複数個によるかのいずれでも良いが、異なる色の複数カラー、または、混色によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備えた装置にも本発明はきわめて有効である。
 さらに加えて、以上説明した本発明実施形態においては、インクを液体として説明しているが、室温やそれ以上で固化するインクであって、室温で軟化もしくは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよい。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与によってはじめて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合のインクは、特開昭54―56847号公報あるいは特開昭60―71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対してもっとも有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
 さらに加えて、本発明インクジェット方式の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
 尚、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
 従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
 その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
 プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などがある。
 その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
 また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
 また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
 さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現される。
インク吐出による気流発生を説明する記録ヘッドの吐出面の上面図である。 インク吐出による気流発生を説明する記録ヘッドの側面図である。 インク吐出による気流発生を説明する記録ヘッドを進行方向からの正面図である。 本発明の各実施形態で適用可能な記録ヘッドの複数の記録ノズル列の記録比率を示す図である。 本発明の実施形態1のインクジェット記録装置の要部構成を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施形態1の記録ヘッドのインク吐出部の主要部構造を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施形態1のインクジェット記録装置の制御回路の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態1の近接する2つの記録ノズル列で記録を行う場合の気流制御のための記録ドット制御の一例を示す図である。 本発明の実施形態1の記録ヘッドの記録ノズル列の構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態1の記録ヘッドを用いて1画素を構成するドットの配置の一例を示す図である。 本発明の実施形態1のインデックス制御の一例を示す図である。 本発明の実施形態1の4パス記録時と6パス記録時の気流制御のための記録ドット制御の一例を示す図である。 本発明の実施形態2の記録ヘッドの記録ノズル列の構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態2の近接する2つの記録ノズル列で記録を行う場合の気流制御のための記録ドット制御の一例を示す図である。 本発明の実施形態3の記録ヘッドの記録ノズル列の構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態3の大小ドットが混在している記録ノズル列で近接する2つの記録ノズル列で記録を行う場合の気流制御のための記録ドット制御の一例を示す図である。 本発明の各実施形態で実現される記録ドットを制御するための記録データを生成する処理の概要フローを示すフローチャートである。
符号の説明
 1 記録ヘッド
 1A、1B、1C、1D ヘッドカートリッジ
 2 キャリッジ
 3 ガイドシャフト
 4 主走査モータ
 5 モータプーリ
 6 従動プーリ
 7 タイミングベルト
 8 記録媒体
 9,10,11,12 搬送ローラ
 13 記録ヘッド部
 21 吐出口面
 22 吐出口
 23 共通液室
 24 液路
 25 電気熱変換体
 100 コントローラ
 101 CPU
 103 ROM
 105 RAM
 110 ホストコンピュータ装置
 112 I/F
 120 操作部
 122 電源スイッチ
 124 プリントスイッチ
 126 回復スイッチ
 140 ヘッドドライバ
 142 サブヒータ
 150、160 モータドライバ
 152 主走査モータ
 162 副走査モータ

Claims (22)

  1.  インクを吐出するための複数の記録ノズルで構成される記録ノズル列を複数個配列した記録ヘッドからインクを吐出することにより記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であって、
     記録対象の画像データの階調情報に基づいて、前記複数の記録ノズル列の内、隣接する少なくとも第1及び第2記録ノズル列それぞれで記録する記録データを生成する生成工程と、
     前記生成工程で生成された記録データに基づいて、前記第1及び第2記録ノズル列により前記記録媒体の画素にインクを吐出して記録を行う記録工程とを備え、
     前記生成工程では、前記第1記録ノズル列により記録されるドット数と前記第2記録ノズル列により記録されるドット数の合計が所定数を超えない範囲で、前記第1及び第2記録ノズル列それぞれに対応した記録データを生成する
     ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  2.  前記所定数は、前記第1及び第2記録ノズル列によるインク吐出に伴って生じる気流の影響を許容できる最大の記録ドット数である
     ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  3.  前記第1及び第2記録ノズル列は、共通のインク液室を挟んで配置される
     ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  4.  前記生成工程では、前記第1記録ノズル列による記録ドット数が相対的に多くなるに伴って前記第2記録ノズル列による記録ドット数が相対的に少なくなるように、前記第1及び第2記録ノズル列それぞれに対応する記録データを生成する
     ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録方法。
  5.  インクを吐出するための複数の記録ノズルで構成される記録ノズル列を複数個配列した記録ヘッドからインクを吐出することにより記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であって、
     前記複数の記録ノズル列の内、隣接する少なくとも第1及び第2記録ノズル列それぞれで記録する記録データを生成する生成工程と、
     前記生成工程で生成された記録データに基づいて、前記第1及び第2記録ノズル列により前記記録媒体の所定領域にインクを吐出して記録を行う記録工程とを備え、
     前記生成工程では、前記第1記録ノズル列により記録される記録比率と前記第2記録ノズル列により記録される記録比率の合計が所定の比率以下となるように、前記第1及び第2記録ノズル列それぞれで前記所定領域に記録する記録データを生成する
     ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  6.  インクを吐出するための複数の記録ノズルで構成される記録ノズル列を複数個配列した記録ヘッドからインクを吐出することにより記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法であって、
     前記複数の記録ノズル列の内、隣接する少なくとも第1及び第2記録ノズル列それぞれで記録する記録データを生成する生成工程と、
     前記生成工程で生成された記録データに基づいて、前記第1及び第2記録ノズル列により前記記録媒体の所定領域にインクを吐出して記録を行う記録工程とを備え、
     前記生成工程では、前記第1及び第2記録ノズル列によるインク吐出に伴って生じる気流の影響が許容できる範囲内で、前記第1及び第2記録ノズル列それぞれで前記所定領域に記録する記録データを生成する
     ことを特徴とするインクジェット記録方法。
  7.  前記許容できる範囲内とは、気流の影響に関わらず、ドットの理想着弾位置からのズレ量が当該ドット径の半分未満となる範囲である
     ことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録方法。
  8.  インク吐出用の記録ノズル列を複数個配列した記録ヘッドからインクを吐出することにより記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置であって、
      記録対象の画像データの階調情報に基づいて、前記複数の記録ノズル列の内、隣接する少なくとも第1及び第2記録ノズル列それぞれで記録する記録データを生成する生成手段と、
     前記生成手段で生成された記録データに基づいて、前記記録ヘッドの前記第1及び第2記録ノズル列による記録を制御する制御手段とを備え、
     前記生成手段は、前記第1記録ノズル列により記録されるドット数と前記第2記録ノズル列により記録されるドット数の合計が所定数を超えない範囲で、前記第1及び第2記録ノズル列それぞれに対応した記録データを生成する
     ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  9.  前記所定数は、前記第1及び第2記録ノズル列によるインク吐出に伴って生じる気流の影響を許容できる最大の記録ドット数である
     ことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10.  前記第1及び第2記録ノズル列は、共通のインク液室を挟んで配置される
     ことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  11.  前記第1記録ノズル列から1回の吐出で吐出する第1インク量と、前記第2記録ノズル列から1回の吐出で吐出する第2インク量とは異なる
     ことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  12.  前記第1記録ノズル列から1回の吐出で吐出する第1インク量は、前記第2記録ノズル列から1回の吐出で吐出する第2インク量より多い
     ことを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録装置。
  13.  前記第1記録ノズル列による第1記録比率は、前記第2記録ノズル列による第2記録比率より大きい
     ことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  14.  前記生成手段は、前記第1及び第2記録ノズル列に対応する記録データを独立に生成する
     ことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  15.  前記記録対象の画像データに基づいて生成される1つの記録データを前記複数の記録ノズル列それぞれの記録データに変換するインデックス処理を行う
     ことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  16.  前記第1記録比率と前記第2記録比率は、記録モード毎に互いに異なるように設定される
     ことを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記録装置。
  17.  前記第1及び第2記録ノズル列は、同じ種類のインクを吐出する
     ことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  18.  前記第1及び第2記録ノズル列は、異なる種類のインクを吐出する
     ことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置。
  19.  インクを吐出するための複数の記録ノズルで構成される記録ノズル列を複数個配列した記録ヘッドからインクを吐出することにより記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置であって、
     前記複数の記録ノズル列の内、隣接する少なくとも第1及び第2記録ノズル列それぞれで記録する記録データを生成する生成手段と、
     前記生成手段で生成された記録データに基づいて、前記第1及び第2記録ノズル列により前記記録媒体の所定領域にインクを吐出して記録を行う記録制御手段とを備え、
     前記生成手段は、前記第1及び第2記録ノズル列によるインク吐出に伴って生じる気流の影響が許容できる範囲内で、前記第1及び第2記録ノズル列それぞれで前記所定領域に記録する記録データを生成する
     ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  20.  前記許容できる範囲内とは、気流の影響に関わらず、ドットの理想着弾位置からのズレ量が当該ドット径の半分未満となる範囲である
     ことを特徴とする請求項19に記載のインクジェット記録装置。
  21.  インク吐出用の記録ノズル列を複数個配列した記録ヘッドからインクを吐出することにより記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置を制御するプログラムであって、
     記録対象の画像データの階調情報に基づいて、前記複数の記録ノズル列の内、隣接する少なくとも第1及び第2記録ノズル列のそれぞれの記録ノズルで記録する記録データを生成する生成工程のプログラムコードとを含み、
     前記生成工程のプログラムコードでは、前記第1記録ノズル列により記録されるドット数と前記第2記録ノズル列により記録されるドット数の合計が所定数を超えない範囲で、前記第1及び第2記録ノズル列それぞれで前記画素に記録する記録データを生成する
     ことを特徴とするプログラム。
  22.  前記プログラムは、インクジェット記録装置へ記録データを供給するホスト装置上で動作する
     ことを特徴とする請求項21に記載のプログラム。
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