JP2004142283A - 押出機用フィルタ交換ユニット及び同ユニットを使用した押出機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可動型13に異物Gを堆積収容する異物収容室20を形成したことにより、第1メッシュM1から第2メッシュM2に切り替える時期を従来よりも長くできる。すなわち、第1メッシュM1を使用する時間が従来よりも長時間となる。つまり、第1メッシュM1は、異物収容室20内の異物Gの堆積厚さが異物収容室20の深さTとほぼ同一となる寸前まで使用することができる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉砕された使用済み樹脂を溶融し、所定形状に押し出す押出機に使用されるフィルタ交換ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から射出成形に使用される材料としてペレット(造粒)が使用されている。ペレットは一般に未使用のバージン樹脂を押出機により溶融して所定の棒状にしてから切断工程を経て得られる。押出機の先端には金属メッシュからなるフィルタが装着されており、溶融樹脂がフィルタを通過することにより、万一バージン樹脂に異物が混入していても、ペレットへの異物の混入を防止することができるような構造とされている。
ところで、近年ではリサイクル問題について強く叫ばれていることから、前記バージン樹脂に代えて、使用済み容器や使用済みパッケージ等の使用済み樹脂を回収し、その回収した使用済み樹脂を再利用してペレットを製造することが行われている。
ところが、回収された使用済み樹脂の中には樹脂以外の異物(木材・アルミ箔・たばこの吸い殻等)が多く含まれているためこれを除去する必要がある。これらは再生過程における破砕工程・洗浄工程等を経て基本的に除去しているが、完全には除去しきれずに残ってしまうため上記のようにフィルタによって濾し取る必要が生ずる。このような再生プラスチック由来の破砕材料(いわゆるフレーク)を使用した押出機について簡単に説明する。
【0003】
図7に示すように、押出機を構成するシリンダAは筒状に形成され、内部には図示しないスクリューコンベアが収容されている。シリンダAの上部にはフレークFが放り込まれるホッパHが装着されている。シリンダAの後部には駆動部Dが設置され、同駆動部Dの駆動に伴い、前記シリンダA内の押出スクリューが回転し、ホッパーH内のフレークFを前方へ搬送する。シリンダAには図示しないヒータが内蔵され、フレークFはヒータの熱によりシリンダAの前端に到達するまでに溶融されるようになっている。シリンダAの前端部にはフィルタ交換ユニットYが装着されている。
図8に示すように、フィルタ交換ユニットYの可動型55には上述したバージン樹脂の溶融時に使用されたものと同様の金属製メッシュ56が装着され、溶融樹脂が金属メッシュ56を通過することにより前工程にて除去されなかった異物が濾されて樹脂と分離される。そして、異物が除去された樹脂はフィルタ交換ユニットYの下流側に装着された排出ユニット(ダイ)Sより棒状となってコンベアC上に排出される。棒状に排出された溶融樹脂は冷却された後、切断工程を経てペレットに成形されて再度容器等に再利用される。
【0004】
ここに前記溶融樹脂は金属メッシュ56を通過する際に、異物と溶融樹脂とに分離されるが、この分離された異物が大量に堆積すると、金属メッシュ56の目を詰まらせ内部圧力が上がってしまうことからシリンダAとフィルタ交換ユニットYとの接合部の密閉性が低下して、シリンダAから押し出されてくる溶融樹脂がシリンダAとフィルタ交換ユニットYとの接合部から漏出してしまうことがあった。これを防止するために、金属メッシュ56を所定時間使用したら、未使用の金属メッシュ56に交換する。これは、金属メッシュ56から異物のみを取り除く作業が困難であり、金属フィルタ56ごと交換した方が作業効率が良いためである。
さらにこの際に、金属メッシュ56の交換作業効率を上げるために、前記フィルタ交換ユニットYには並行して第1金属メッシュ56と第2金属メッシュ(図示せず)の2枚の金属メッシュが装着されている。第1金属メッシュ56を所定時間使用したらフィルタ交換ユニットYを駆動させ、両金属メッシュ56が装着されている可動型55をスライドさせて第1金属メッシュ56と第2金属メッシュとの位置を入れ替える。すなわち、第1金属メッシュ56に代えて第2金属メッシュにより異物の除去を行い、一方で異物の付着した第1金属メッシュ56を取り外し、新たなメッシュ56を装着するわけである。このように、フィルタ交換ユニットYに2枚の金属メッシュを並行して装着して交互に使用することにより、素早く金属メッシュの交換作業を行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では次のような問題があった。
フィルタ交換ユニットYを駆動させるタイミング、すなわち、第1金属メッシュ56から第2金属メッシュへの交換サイクルをメッシュの目がさほど詰まっていない状態で比較的早く行わなければならないという問題があった。これは、金属メッシュ56に付着している異物が、可動型55をスライドさせた際に可動型55と固定型57との間に入り込んでしまい、可動型55のスライド動作がスムーズに行われなくなり、フィルタ交換ユニットYが破損するおそれがあるためである。そのため、メッシュの交換サイクルを長くするとともにこのような不具合の生じにくいフィルタ交換ユニットを備えた押出機が求められていた。
また、従来では、メッシュ56により分離された異物が堆積してシリンダAに入り込んでしまう。シリンダAに異物が入り込んでしまった状態で、フィルタ交換ユニットYを駆動して可動型55をスライドさせた際、すなわち、第1金属メッシュ56から第2金属メッシュに切り替えた際に、シリンダAに入り込んだ異物が未使用の第2金属メッシュ側に一気に入り込んでしまう。そのため、切り替えたばかりのメッシュがすぐに目詰まりを発生し、短時間で異物分離能力が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記問題を解消するためになされたものであって、その目的は、フィルタの交換時期を長くして、成形工程の効率の向上が期待できる押出機用フィルタ交換ユニット及び同ユニットを使用した押出機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、押出機のシリンダからダイに至る溶融樹脂の通過経路上に貫通孔を配置させるとともに、同貫通孔に面してセットされたフィルタにより同溶融樹脂を濾して溶融樹脂内に混入している異物を除去するようにした押出機用フィルタ交換ユニットにおいて、前記フィルタが装着された状態で、同フィルタよりも上流側に異物を堆積収容する異物収容室を備えたことをその要旨とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記異物収容室の下流側には前記フィルタが嵌合される装着溝を形成したことをその要旨とする。 請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、前記異物収容室は前記貫通孔が形成されたベースに対して交差可能なスライド体に複数形成されており、同スライド体は駆動手段によって移動させられて同ベースと交差し、いずれかの同異物収容室が同貫通孔と面するとともに他の異物収容室が外部に露出されるようにしたことをその要旨とする。
請求項4に記載の発明では、加熱下にあるシリンダ内部に配設された押出スクリューによって樹脂材料を混練させ、シリンダ前方のダイから所定形状に成形した溶融樹脂を連続的に排出する押出機において、前記シリンダからダイに至る溶融樹脂の通過経路上に押出機用フィルタ交換ユニットを配設し、同交換ユニットの貫通孔を同通過経路上に配置させ、同貫通孔に面してセットされたフィルタによって同溶融樹脂を濾して溶融樹脂内に混入している異物を除去するようにするとともに、同交換ユニットには同フィルタが装着された状態で同フィルタよりも上流側に異物を堆積収容する異物収容室を備えるようにしたことをその要旨とする。
【0007】
(作用)
上記のような構成では、押出機において溶融樹脂に混合する異物は貫通孔に面して配設されたフィルタにて分離される。フィルタの上流には異物収容室があるためこの分離された異物は異物収容室に堆積収容される。この際に異物収容室の下流側には前記フィルタが嵌合される装着溝が形成されることが好ましい。フィルタを装着溝に嵌合させることによりフィルタの移動が規制されるためである。また、異物収容室を貫通孔が形成されたベースに対して交差可能なスライド体に複数形成し、このスライド体をシリンダ装置等のような駆動手段によって移動させて、いずれかの異物収容室が貫通孔と面するようにしてもよい。このようにすれば現在使用中の異物収容室に異物が堆積して交換の必要が生じた場合に、スライド体を移動させて他の異物収容室を貫通孔と面するようにするだけで引き続き異物を除去でき、その間に異物が付着したフィルタを交換することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、上記従来技術にて説明したフィルタ交換ユニットYの構成が相違するだけであるため、同一部材については同従来技術と同じ符号を付すことで詳しい説明は省略する。尚、以下の説明において前後あるいは下流・上流とは図2における左右方向を言う。
図3に示すように、フィルタ交換ユニットYを構成するベースとしての固定型11はシリンダAの先端に同シリンダAの排出方向と交差して連結され、その中央部にはシリンダAと略同径の円形形状の貫通孔12が形成されている。固定型11には可動型13が左右方向へスライド可能に嵌合されている。図3において固定型11の右端面には支持部材15を介して油圧シリンダ16が支持されている。油圧シリンダ16のピストンロッド17は前記可動型13の右端面に連結されている。前記可動型13は前後方向に厚みのある板体であって、左右方向に2つのメッシュ収容凹部18が並んで形成されている。
メッシュ収容凹部18は円形の透孔とされ、同凹部18の内周面には内方に向かって突出するリング状のフィルタ支持部としてのリブ19が全周に渡って形成されている。
両フィルタ収容凹部18内部であってリブ19の上流側には第1メッシュM1及び第2メッシュM2がそれぞれ収容保持されている。メッシュM1,M2の外形は前記メッシュ収容凹部18の孔径よりもわずかに大径となっている。メッシュ収容凹部18の内周面であってリブ19と隣接する位置には装着溝21が形成されている。装着溝21の溝幅は前記メッシュM1,M2の厚さとほぼ同じである。また、装着溝21の内径はメッシュM1,M2の外形とほぼ同径である。前記メッシュM1,M2は装着溝21に嵌合されており、可動型13に対するメッシュM1,M2の移動が規制されるようになっている。
前記可動型13の上流側端面とメッシュM1,M2との間におけるメッシュ収容凹部18には異物収容室20が形成されている。本実施形態では、この異物収容室20の深さTは30mmとされている。
【0009】
前記ピストンロッド17の伸長時には図3に示すように、第1メッシュM1と固定型11の貫通孔12とが対向する位置に可動型13が保持され、ピストンロッド17の収縮時には図4に示すように、第2メッシュM2と固定型11の貫通孔12とが対向する位置に可動型13が保持されるようになっている。
【0010】
次に、本実施形態の作用について説明する。
まず、作業開始時にはフィルタ交換ユニットYは図3に示す状態に保持されている。すなわち、ピストンロッド17が進出状態とされ、第1メッシュM1と固定型11の貫通孔12とが対向している状態に保持されている。押出機を駆動させ、ホッパH内にフレークFを入れ込むと、フレークFはスクリューコンベアによりシリンダA内を下流側へ向けて搬送される。フレークFはシリンダA内で溶融された状態で固定型11の貫通孔12及び可動型13のフィルタ収容凹部18から第1メッシュM1を通過し、排出ユニット(ダイ)Sへ押し出される。溶融樹脂が第1メッシュM1を通過する際、樹脂に混入していた異物Gが分離され、異物Gが取り除かれた溶融樹脂のみが排出ユニット(ダイ)S方向へ押し出される。第1メッシュM1により溶融樹脂と分離された異物Gは第1メッシュM1の上流側の面に付着する。引き続きシリンダAから押し出されてきた溶融樹脂中の異物GがメッシュM1に付着しきれなくなった場合には、既に第1メッシュM1に付着している異物Gに堆積していく。すなわち、異物Gは異物収容室20に堆積収容されていく。
【0011】
押出機を駆動してから所定時間が経過したら、作業者は油圧シリンダ16を操作してピストンロッド17を後退させる。すなわち、可動型13の位置を第2メッシュM2と固定型11の貫通孔12とが対向する図4の状態に切り替えさせる。これにより、異物Gの分離能力の低下した第1メッシュM1に代わって未使用の第2メッシュM2による異物Gの除去が行われる。第2メッシュM2により異物Gの除去が行われている状態において、先に異物Gの除去作業を終えた使用済みの第1メッシュM1を可動型13から取り外す。第1メッシュM1の装着方向の逆方向側(下流側)から第1メッシュM1を強く押し出すようにすることで、収容溝21から第1メッシュM1が外れ、可動型13から第1メッシュM1を取り出すことができる。そして、未使用のメッシュM1をメッシュ収容凹部18から強く挿入し、第1メッシュM1をわずかに変形させながら装着溝21に第1メッシュM1を嵌合させる。これで、未使用の第1メッシュM1の交換作業が完了する。
また、同じように第2メッシュM2による異物Gの除去が行われてから所定時間が経過したら、油圧シリンダ16を操作してピストンロッド17を再び伸長させて可動型13を図3の位置に切り替えさせる。そして、上記と同様に異物Gの除去作業を終えた使用済みの第2メッシュM2と未使用のメッシュM2を交換する。
以上の動作が繰り返されて溶融樹脂の押出工程が行われる。
【0012】
以上、詳述したように本実施形態では上記のようにフィルタ交換ユニットYを構成したことにより、次のような効果を得ることができる。
(1)可動型13に異物Gを堆積収容する異物収容室20を形成したことにより、第1メッシュM1から第2メッシュM2に切り替える時期を従来よりも長くできる。すなわち、第1メッシュM1を使用する時間が従来よりも長時間となる。つまり、第1メッシュM1は、異物収容室20内の異物Gの堆積厚さが異物収容室20の深さTとほぼ同一となる寸前まで使用することができる。このように、本実施形態では、従来よりも多くの異物Gを収容可能であることから装置の稼働時間を長時間とでき、ペレットの製造効率を向上することができる。
(2)従来では短い時間でこまめにメッシュの切り替え作業を行わなければ、可動型55と固定型57との間に異物Gが入り込んでしまい、可動型55のスライド動作がスムーズに行われなくなり、フィルタ交換ユニットYが破損するおそれがあった。しかし、本実施形態では、可動型13に異物Gを堆積収容する異物収容室20を形成したことにより、第1メッシュM1から第2メッシュM2に切り替える時期を余裕を持つことができ、フィルタ交換ユニットYの破損を防止できる。
(3)可動型13に装着溝21を形成し、同溝31にメッシュM1,M2を嵌合させて可動型13に対するメッシュM1,M2の移動を規制するようにした。すなわち、他の規制部材(スナップリング等)を使用することなく可動型13に対するメッシュM1,M2の移動を規制することができることから、メッシュM1,M2の交換作業を素早く行うことができ、さらに一層ペレットの製造効率を向上することができる。
(4)可動型13に異物収容室20を形成したことにより、シリンダA側への異物Gの逆流を防止できる。すなわち、メッシュM1,M2にて分離された異物Gは可動型13の異物収容室20に堆積収容されることから、分離された異物GがシリンダAへ入り込むのを防止できる。これにより、メッシュ交換時(メッシュM1(M2)→メッシュM2(M1)への切り替え時)において、可動型13をスライドさせてもシリンダAには先のメッシュM1(M2)にて分離された異物Gが残留していないことから、切り替わったメッシュM1(M2)による異物Gの分離能力を長時間において維持することができる。
【0013】
本発明を、以下のように具体化して実施してもよい。
・上記実施形態では、フィルタとして金属メッシュ製のものを使用したが、フィルタとして図5に示す金属板にプレス加工で多数のパンチ孔41を開けたプレートPを使用して具体化してもよい。
・上記実施形態では、第1メッシュM1側と第2メッシュM2側の両側に異物収容室20を形成したが、第1メッシュM1側のみに異物収容室20を形成して具体化してもよい。
・フィルタとしてのメッシュM1,M2の粗さを適宜変更して具体化してもよい。
・異物収容室20の深さを適宜変更して具体化してもよい。
・フィルタ交換ユニットYの可動型13に装着溝21を形成せずに具体化してもよい。
・スナップリングを使用してフィルタとしてのメッシュM1,M2を固定型11に固定してもよい。
・スライド体としての可動型13を、図6のように代えて具体化してもよい。すなわち、図6に示すように、本実施形態のスライドとしての可動型41は円盤状に形成されている。可動型41には上記実施形態と同形状のメッシュ収容凹部42が等角度間隔で4カ所に形成されている。各メッシュ収容凹部42には第1メッシュM1、第2メッシュM2、第3メッシュM3、第4メッシュM4が各々収容されている。可動型41はモータ43の軸44に連結され、モータ43の駆動に伴い回転する。
すなわち、本実施形態では、可動型41を90°ずつ回転させ、固定型45に対して各メッシュ収容凹部42を相対移動させることにより、第1メッシュM1→第2メッシュM2→第3メッシュM3→第4メッシュM4への交換が行われる。このように、構成しても上記実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、可動型41に装着するメッシュM1〜M4の枚数を多くできることから、メッシュM1〜M4の交換作業(使用済みのメッシュ→未使用のメッシュへの交換作業)の作業回数を減少できるという効果を奏する。
ここで、前記可動型41に形成するメッシュ収容凹部42の数は3箇所又は5カ所以上として具体化してもよい。
・フィルタ交換ユニットYと排出ユニット(ダイ)Sとの間に他のユニット、例えば定量制御用のポンプ等が配設されていてもよい。
・上記実施形態では、1つのメッシュ収容凹部18にそれぞれ1枚ずつフィルタとしてのメッシュM1,M2を装着して具体化したが、1メッシュ収容凹部18当たり、2枚以上のメッシュM1,M2を装着して具体化してもよい。
・可動型13を駆動する駆動手段としては油圧シリンダ16以外の手段であってもよい。また、上記では作業者が時間をチェックして自身で操作していたが、自動的に切り換えるようにしても構わない。
・フィルタとしてのメッシュの材質を金属製以外のセラミック製や樹脂製として具体化してもよい。フィルタの材質を樹脂として具体化する場合には、シリンダAにより溶融される樹脂の融点温度よりも高い樹脂製のフィルタを使用することが望ましい。
その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において変更した態様で実施することは自由である。
【0014】
本発明の目的を達成するために上記実施の形態から把握できるその他の技術的思想について下記に付記として説明する。
(1)前記異物収容室の下流側には前記フィルタの周縁が支持されるフィルタ支持部が形成され、前記装着溝は同フィルタ支持部の上流側に隣接して形成されていることを特徴とする請求項1〜3に記載の押出機用フィルタ交換ユニット。
(2)前記スライド体は駆動手段によって回転していずれかの異物収容室がベースの貫通孔と面することを特徴とする請求項3又は付記1に記載の押出機用フィルタ交換ユニット。
(3)前記異物収容室の下流側には前記フィルタの周縁が支持されるフィルタ支持部が形成され、前記装着溝は同フィルタ支持部の上流側に隣接して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の押出機。
(4)前記異物収容室の下流側には前記フィルタが嵌合される装着溝を有することを特徴とする請求項4又は付記3に記載の押出機。
(5)前記異物収容室は前記貫通孔が形成されたベースに対して交差可能なスライド体に複数形成されており、同スライド体は駆動手段によって移動させられて同ベースと交差し、いずれかの同異物収容室が同貫通孔と面するとともに他の異物収容室が外部に露出されるようにしたことを特徴とする請求項4若しくは付記3又は4のいずれかに記載の押出機。
【0015】
【発明の効果】
請求項1及び請求項4に記載の発明によれば、フィルタにて分離された異物が異物収容室に堆積収容されることから、従来よりもフィルタ交換時期を長くすることができる。その結果、装置の駆動時間が長くなり、ペレットの製造効率の向上を図ることができるという優れた効果を奏する。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、フィルタの交換作業を簡略化でき、ペレットの製造効率の向上を図ることができるという優れた効果を奏する。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明の効果に加え、いずれかの異物収容室が貫通孔と面するようにしてもよい。このようにすれば現在使用中の異物収容室に異物が堆積して交換の必要が生じた場合に、スライド体を移動させて他の異物収容室を貫通孔と面するようにするだけで引き続き異物を除去でき、その間に異物が付着したフィルタを交換することができるためペレットの製造効率の向上を図ることができるという優れた効果を奏する。
【0016】
【図面の簡単な説明】
【図1】可動型の斜視図。
【図2】フィルタ交換ユニットの側断面図。
【図3】ピストンロッド伸長時のフィルタ交換ユニットの正面図。
【図4】ピストンロッド収縮時のフィルタ交換ユニットの正面図。
【図5】他の実施形態のフィルタの正面図。
【図6】他の実施形態のフィルタ交換ユニットの正面図。
【図7】押出機の概略側面図。
【図8】従来技術のフィルタ交換ユニットの側断面図。
【符号の説明】
11…フィルタ交換ユニットを構成するベースとしての固定型、13…フィルタ交換ユニットを構成するスライド体としての可動型、16…フィルタ交換ユニットを構成するシリンダ、20…異物収容室、21…装着溝、41…フィルタ交換ユニットを構成するスライド体としての可動型、45…フィルタ交換ユニットを構成するベースとしての固定型G…異物、Y…フィルタ交換ユニット、M1…フィルタとしての第1メッシュ、M2…フィルタとしての第2メッシュ、M3…フィルタとしての第3メッシュ、M4…フィルタとしての第4メッシュ。
Claims (4)
- 押出機のシリンダからダイに至る溶融樹脂の通過経路上に貫通孔を配置させるとともに、同貫通孔に面してセットされたフィルタにより同溶融樹脂を濾して溶融樹脂内に混入している異物を除去するようにした押出機用フィルタ交換ユニットにおいて、
前記フィルタが装着された状態で、同フィルタよりも上流側に異物を堆積収容する異物収容室を備えたことを特徴とする押出機用フィルタ交換ユニット。 - 前記異物収容室の下流側には前記フィルタが嵌合される装着溝を有することを特徴とする請求項1に記載の押出機用フィルタ交換ユニット。
- 前記異物収容室は前記貫通孔が形成されたベースに対して交差可能なスライド体に複数形成されており、同スライド体は駆動手段によって移動させられて同ベースと交差し、いずれかの同異物収容室が同貫通孔と面するとともに他の異物収容室が外部に露出されるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の押出機用フィルタ交換ユニット。
- 加熱下にあるシリンダ内部に配設された押出スクリューによって樹脂材料を混練させ、シリンダ前方のダイから所定形状に成形した溶融樹脂を連続的に排出する押出機において、
前記シリンダからダイに至る溶融樹脂の通過経路上に押出機用フィルタ交換ユニットを配設し、同交換ユニットの貫通孔を同通過経路上に配置させ、同貫通孔に面してセットされたフィルタによって同溶融樹脂を濾して溶融樹脂内に混入している異物を除去するようにするとともに、同交換ユニットには同フィルタが装着された状態で同フィルタよりも上流側に異物を堆積収容する異物収容室を備えたことを特徴とする押出機。
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---|---|---|---|
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014172230A (ja) * | 2013-03-07 | 2014-09-22 | Nippon Spindle Mfg Co Ltd | 2軸押出機 |
JP2015077698A (ja) * | 2013-10-15 | 2015-04-23 | 株式会社豊田自動織機 | 混練機 |
JP2016518280A (ja) * | 2013-05-10 | 2016-06-23 | グノイス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングGneuss GmbH | スクリーンホイールフィルタを運転する方法及び装置 |
-
2002
- 2002-10-25 JP JP2002310399A patent/JP2004142283A/ja active Pending
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