JP2004141879A - 熱間圧延における被圧延材異常状態の自動検出方法 - Google Patents

熱間圧延における被圧延材異常状態の自動検出方法 Download PDF

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Yoshimitsu Fukui
福井 義光
Masato Koide
小出 正人
Takushi Kagawa
香川 卓士
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Abstract

【課題】被圧延材の仕上圧延前の段階で、被圧延材異常状態を自動検出することにより、トラブルとそれに伴う操業の中断を未然に防止する。
【解決手段】熱間圧延ライン中仕上圧延機前に配置された温度計の測定データに基づき、圧延途中の被圧延材先端部分の温度と、被圧延材の中間部分の温度を比較し、その値の範囲により、異常であると判定する。あるいは、被圧延材幅方向オフセット部の温度について被圧延材先端部分の温度と、被圧延材中間部分の温度を比較し、その値の範囲により、異常であると判定する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属帯の熱間圧延における被圧延材(特に、粗圧延終了前後の、厚さの比較的厚い状態)の異常状態を自動検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱間圧延とは、金属材料を数百〜千数百℃に加熱した後、熱間圧延ライン上に抽出し、ローラー(ロール)で挟圧しつつそのロールを回転させ、薄く延ばすことをいう。
【0003】
本発明は金属帯全般について適用可能であるが、説明の便宜上、以下、最も多い帯鋼の場合を例に話を進めることにすると、帯鋼の熱間圧延ラインには図8に示すように、3/4連続と呼ばれるタイプのものが多い。これは、被圧延材の搬送方向上流から下流に向かう順に、加熱炉10、複数の粗圧延機(Rougher)20(多くの場合4機。そのうち一部(多くの場合1機)を往復圧延するものとし、残る圧延機が一方向圧延を行う。しかし、4機中3機が一方向のタイプに限らず例えば3機中1機が一方向のタイプも含め、3/4連続という)、クロップシャー30、仕上圧延機(Finisher)50、冷却ゾーン60、コイラー(巻取装置)70を順次配列して成る。各設備間には図示しない多数のテーブルローラがあり、回転により被圧延材を搬送する。
【0004】
粗圧延機、仕上圧延機は複数あるのでそれぞれRougher、Finisherの頭文字を取り、各スタンドのナンバーを付与して、R1、R2、R3、F1、F2 … F7などと略称される。コイラーも同様に複数あって、号機ナンバーを付与して、DC1、DC2などと略称される。
【0005】
熱間圧延では、仕上圧延機で被圧延材の先端を噛み込み、中間部分を順次圧延し、尾端を圧延し終わり、という動作を断続的に繰り返す圧延方法が一般的である。
【0006】
従来、圧延中の被圧延材の表面に発生した異物や疵、あるいは被圧延材の穴開きなどの異常検出は、現場作業者の目視による方法が一般的であった。
【0007】
しかしながら、近年、省力化に伴う作業者の減少、作業場所の統合などに伴い、目視による異常検出が十分に行えなくなってきている、という実情がある。
【0008】
そのため、熱間圧延ライン上部に照明装置とテレビカメラなどの撮像装置を設置し、その撮像した映像を統合された作業場所に表示してその映像を作業者が常時監視することで遠隔検査を行う場合もあったが、▲1▼照明装置やテレビカメラなどが高価であること▲2▼現場の環境が、騒音、湿気、塵埃、高温などの悪環境にあること、などの理由もあり、最終製品である帯鋼(鋼板)の巻取装置(コイラー)近くに1台から2台設置するにとどまっていた。
【0009】
あるいは、特許文献1に、仕上圧延後の鋼板について、やはり巻取装置近くに、金属板の有無を検知する金属板検知センサを被圧延材搬送方向あるいは幅方向に複数配列し、それらセンサのオンオフ状態の出力信号の組合せから、被圧延材の穴開きの有無を検出し、金属板が無いと制御装置が誤認するのを防止する、という技術が提案されている。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−143927号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先述の、巻取装置近くにテレビカメラ等の撮像装置を設置し、作業者が被圧延材の異常の有無を検出する方法、あるいは、特許文献1に記載のような巻取装置近くに、金属板の有無を検知する金属板検知センサを被圧延材搬送方向あるいは幅方向に複数配列し、それらセンサのオンオフ状態の出力信号の組合せから、被圧延材の穴開きの有無を検出する方法では、仕上圧延以前の段階で被圧延材の観察ができないことから、被圧延材がまだ加熱炉に入る前の段階、すなわち、スラブヤードの地面にじかにスラブ状の被圧延材を置いていた段階ですでに被圧延材に砂等の異物が付着していた場合や、被圧延材が加熱炉内にある段階で、加熱炉内の耐火物等が脱落し、被圧延材上に乗った場合、また、粗圧延段階で粗圧延機の機械構造物上に堆積したスケールやあるいはそれにさらにグリースが混合した異物等がシートバー状の被圧延材上に落下した場合等、仕上圧延以前の段階で被圧延材に異常があった場合には、時すでに遅し、という問題があった。
【0012】
なぜなら、それら異物の付着した異常部分では、それが被圧延材が加熱炉に入れられる以前または加熱炉での加熱中に生じていたのであれば、加熱炉内での熱の伝わり方が他の部分と異なり、被圧延材の搬送方向あるいは幅方向に温度不均一が発生することにより、また、それが加熱炉からの抽出後、粗圧延段階で生じたのであれば、異物の仕上圧延における変形抵抗の他の部分との相違により、いずれにせよ仕上圧延中の荷重分布の不均一さに繋がり、さらに仕上圧延中の被圧延材の張力不均一や蛇行に繋がって、ひどい場合には、被圧延材が破断して通板不能とり、操業停止してしまうからであった。
【0013】
このような問題が発生していたほか、そこまでいかないまでも、同部が局部的に低温であることに起因して、鋼板製品の強度や伸びの不足、等の品質不良になる場合が少なくない、等の問題が発生していた。
【0014】
そして、そのような問題に加え、さらに近年の省力化の要請の一層の高まりにより、もはや遠隔検査を行う作業者すら省力せざるをえない状況となりつつある、という問題もある。
【0015】
なお、被圧延材の温度を検出する目的で温度計を複数設けることは、例えば特許文献2に記載されているが、温度計を異常検出に用いることは考えられていなかった。
【0016】
【特許文献2】
特開平11−169910号公報
【0017】
本発明は、従来技術のかような問題点を解決すべくなされたもので、仕上圧延前に被圧延材の異常状態を的確に自動検出することを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一つは、金属帯の熱間圧延ラインでの仕上圧延機前に配置された温度計の温度測定データに基づき、圧延途中の被圧延材先端部分の温度と、被圧延材の中間部分の温度を比較し、その値の範囲により、異常であると判定することを特徴とする熱間圧延における被圧延材異常状態の自動検出方法であり、もう一つは、
金属帯の熱間圧延ラインでの仕上圧延機前にて被圧延材幅方向に配列された複数の温度計の温度測定データに基づき、圧延途中の被圧延材温度について、各温度計とも先端部分の温度と中間部分の温度を比較し、どれか1つ以上の偏差が所定の範囲を外れている場合に、異常であると判定することを特徴とする熱間圧延における被圧延材異常状態の自動検出方法である。
【0019】
なお、本発明にいう被圧延材異常状態とは、特に圧延途中の被圧延材の表面に異物や疵が発生している場合や、あるいは被圧延材に穴開きが発生している場合等のことを指す。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0021】
図1に熱間粗圧延機出側から仕上圧延機入側にかけての温度計や、被圧延材8の存在の有無を検出する例えばレーザCMD(コールドメタルディテクタ)やHMD(ホットメタルディテクタ)等のセンサの配置と、それらセンサから発せられるデータの伝送ルートの例を示す。粗最終圧延機R3の出側には、放射熱を検出することによってシートバー状の被圧延材80の表面温度を計測する温度計101が熱間圧延ラインで圧延する被圧延材の幅方向中心に配置されている。あるいはさらに、温度計101とは別に、被圧延材の幅方向にずらす形で、その熱間圧延ラインで圧延することがある被圧延材のうち最小の幅の半分よりも前述の幅方向の中心寄りに、別の温度計103を併設してもよい。これらの温度計は、各被圧延材ごとに被圧延材の温度をその長手方向に連続的に計測する。計測された温度データは、図1中に実線で示す伝送ルートを通じて、制御装置110に伝送され、あるいはさらに計算機120にも伝送される。
【0022】
補足的に述べると、従来から、この温度計101により測定した粗最終圧延機出側でのシートバー状の被圧延材80の温度データは、制御装置110を介して計算機120に伝送され、計算機120内では、そのシートバー状の被圧延材8の長手方向に連続した温度データを加工し、最先端数mを除いた数m分の平均値を算出して、仕上圧延における被圧延材の圧延時の温度の予測計算や、あるいはさらに被圧延材8の仕上圧延を行う直前の、仕上圧延機各スタンドのワークロール間隙の設定ほか(当業者間でセットアップと呼ばれる)の計算に、多くの場合使用されていた。仕上圧延機出側やコイラー入側にも従来から多くの場合、図示しないが温度計が設置され、被圧延材のそれら設置ポイントでの温度を所定範囲に収め、製品材質を所望範囲に収めるための制御用、あるいは、その所望範囲から実績被圧延材温度が外れていないかの品質管理用に使用されていた。
【0023】
ところで、粗圧延機(図1の例では粗最終圧延機R3)のワークロールの図示しない駆動軸には、これも図示しないロータリーエンコーダ等のトラッキング用センサが設置され、ロール周速情報が制御装置110に伝送されるとともに、粗圧延機出側温度計101(103)の出側には、メジャーリングロールやレーザ速度計等のトラッキング用センサ109が設置されており、被圧延材の搬送に伴い、どれだけの搬送距離だけ被圧延材がそれらトラッキング用センサの配設位置を通過したかを計測できるようになっている。この粗圧延機出側のトラッキング用センサから制御装置110に伝送されるトラッキング情報は、後述のように、シートバー状の被圧延材80の測長に使用される。
【0024】
ここで、トラッキング用センサの一つの例であるメジャーリングロールについて説明しておくと、これは被圧延材80と直接接触して、被圧延材搬送速度と等しい周速で回転され、所定周長回転されるごとにパルスを発し、制御装置110に伝送する仕組みのロールが、図2に示すようにエアシリンダー等のアクチュエータ102により、被圧延材8の存在時は接触させられ、不在時は離隔される仕組みのものである。
【0025】
具体的な接触と離隔の動作およびパルスのカウントによるトラッキングを行うための鍵となる各種タイミングについて述べると、図2(a)に示すように、まず、メジャーリングロール109の出側に設置したホットメタルディテクタ105が被圧延材から放射される赤外線を検知してON状態になったときに、前記エアシリンダー等のアクチュエータ102が駆動されてメジャーリングロール109のロールの部分が被圧延材に接触させられ、さらに、図2(b)に示すように、ホットメタルディテクタ105の出側のコールドメタルディテクタ106の光軸を被圧延材が遮光してON状態になったときに、制御装置110がメジャーリングロール109に設置された図示しない発信器から発せられるパルスをカウント開始する。そして、制御装置110では、パルス1つあたりに相当するメジャーリングロール109のロールの周長に、パルスのカウント数を掛け算したものを、先述のメジャーリングロール109配設位置からコールドメタルディテクタ106配設位置までの機械的な長さd3に加算した値を、被圧延材のメジャーリングロール109配設位置からの搬送距離として時々刻々に認識する。
【0026】
一方、被圧延材搬送が進み、被圧延材尾端がメジャーリングロール109位置を通過するタイミングについては、これを正確に捉えるには、被圧延材尾端が通過し終わっても、ある程度の時間、惰力でロール109が回転しつづけてしまうという問題があるため、メジャーリングロール109よりも入側にもコールドメタルディテクタ108を設置しておき、図2(c)に示すように、コールドメタルディテクタ108が通光したことを以って尾端がメジャーリングロール109よりも入側のコールドメタルディテクタ108を通過したと認識し、両者間の機械的長さd2の分だけメジャーリングロール109がパルス数をカウントしたことを以ってパルス数のカウントを終了するとともに被圧延材8の尾端がメジャーリングロール109の配設位置を通過したと認識する。被圧延材8の尾端がメジャーリングロール109の配設位置を通過したと認識したら、前記エアシリンダー等のアクチュエータ102が駆動されてロールの部分109が被圧延材から離隔される。これら一連の動作が、各被圧延材1本ごとの通過とともに繰り返される。
【0027】
制御装置110側に伝送されたこれら被圧延材長手方向温度データやトラッキングデータは、制御装置110内であるいはさらに計算機120に伝送され、そしてパルス1つあたりの長さ(インクリメント)にパルスカウント数を掛け算したものにd3を足し算して被圧延材80の測長結果として認識されるとともに、被圧延材長手方向温度データと被圧延材測長結果とは計算機内でその先端と尾端が符号するように照合される。これにより温度の異常部分があれば、それがシートバー状の被圧延材の長さ方向のどの位置にあるのか、そしてどれだけの長さにわたり分布するのかがわかる。あるいはさらに、温度計101に対し幅方向にずらして別の位置に別の温度計103を設置した場合は、その温度データもさらに加えて照合され、長手方向同じ位置での幅方向の被圧延材温度差もわかる。
【0028】
トラッキング用センサ109として、メジャーリングロールの代わりにレーザ速度計を使用すれば、上記のようなトラッキング開始や終了のタイミングの認識やアクチュエータの動作タイミングの工夫は一切不用になるが、レーザ速度計は高額であるため、費用対効果の観点からどちらを採用するかは適宜決定してよい。
【0029】
計算機120側では、温度計101にて被圧延材長手方向に所定以上の温度偏差を検知した場合に異常と判定する、あるいはさらに、温度計101に対し幅方向にずらして別の位置に別の温度計103を設置した場合は、温度計103にて被圧延材長手方向に所定以上の温度偏差を検知した場合に異常と判定する、そして好ましくは、温度計101と温度計103の計測結果が所定以上の温度偏差を検知した場合にも異常と判定する、それらに該当しない場合は正常と判定するなどして異常を判定し、異常と判定した場合は、現場作業者への音声または監視画面へのアラーム表示あるいはその両方により、現場作業者に注意喚起するように促す。これら音声やアラーム表示を受けた現場作業者は、被圧延材の搬送を一旦停止し、オシレーション(往復動作)させ待機させるとともに、現場作業者の目で被圧延材の現物を観察の結果、確かに温度の局部的に低い部分や異物の付着した部分あるいは穴の空いた部分があることを確認した場合は、仕上圧延を中止してシートバー状の被圧延材を熱間圧延ラインから除去し、トラブルを防止するようにする。
【0030】
ちなみに、ホットメタルディテクタ(HMD)105とは、図3に示すように、被圧延材80の発する赤外線を検出することで、被圧延材の存在を検知するセンサである。コールドメタルディテクタ(CMD)106、108とは、被圧延材80を挟んで一方に投光器106Aを、他方に受光器106Bを設置し、投光器から受光器に向けてレーザ光等を発信し、図4(a)に示すように、被圧延材の存在により光が遮られ、受光器側がオフ状態になったことを以って、それに伝送ルートを介して接続された制御装置側では、被圧延材が存在すると認識し、図4(b)に示すように、光が受光器側に届き、受光器側がオン状態になったことを以って、それに伝送ルートを介して接続された制御装置側では、被圧延材が存在しないと認識する。
【0031】
また、被圧延材先端あるいはさらに尾端の温度の測定データについては、被圧延材先端あるいは尾端は、図5に斜線部で示したように、加熱炉内での加熱時に、バーナー12や炉壁14に近い分、過加熱になることがあるため、この外乱を排除する目的で、マスキングと称する、長手方向平均温度や代表温度の計算から除外する計算機内の処理を施してもよい。
【0032】
一方、被圧延材長手方向の温度分布については、粗最終圧延機のワークロール駆動軸に設置されたロータリーエンコーダ等の発するパルスをやはり制御装置1110側でカウントし、所定の先進率にパルス1つあたりの長さ(インクリメント)とパルスのカウント数を時々刻々にカウントしたものに、温度計101あるいは103が温度データとして有意な高温データを検出して以降、長手方向に分布する温度データを時々刻々に対応させる。トラッキング用センサ109が発するパルスを制御装置110がカウント開始して以降は、先述のメジャーリングロール109あるいはレーザ速度計からのトラッキングデータに切換えて対応させる。
【0033】
【実施例】
(実施例1)
今、ある被圧延材の先端が、図1に示す熱間圧延ラインにおける粗最終圧延機R3出側の被圧延材幅方向中心に設置した温度計101に達し、測定温度が一定値(700℃)を超えた時点を以って、制御装置110は被圧延材の先端が温度計の直下に達した時点とした。その時点より、長手方向に連続して被圧延材全長にわたり被圧延材温度を温度計101で測定するとともに、制御装置110内では、粗圧延機のロールの直径に先進率の予測値として所定の値を掛け算し、さらに、先述の被圧延材の先端が温度計の直下に達した時点からのロールの延べ回転数を掛け算することにより、2mを計測し、2mを超えた部分より先、5mまでの間の被圧延材の温度を1mピッチで測定し、平均した値を被圧延材先端部分の温度(R3DT:先端部A)とした。先端2mを除外したのは、先述のマスキングである。
【0034】
次に、該温度計101よりさらに下流側に設置されたメジャーリングロール109により、被圧延材長手方向の搬送長の計測結果の受け渡しが制御装置110に対し行われ、このメジャーリングロール109による被圧延材長全長の測定結果と先述の長手方向に連続して全長測定した温度測定結果とを照合した。ちなみに被圧延材は、加熱炉10内では厚さ260mm、幅1060mm、長さ8500mmであったものを、粗圧延して、粗最終圧延機R3出側にて厚さ35mm、幅1050mm、長さ63,740mmとした。
【0035】
そして、先端と同様に被圧延材最尾端から遡って2mの位置までを逆算し、最尾端2mについてもマスキングして次に述べる被圧延材の中間部分から除外して扱うようにした。
【0036】
最後に、この先端2mと尾端2mを含まない中間の被圧延材部分を中間部分とし、その間の連続して測定した被圧延材温度のうちの最小値を示す点(R3DT:ミニマムB)を求めるとともに、R3DT先端部AとR3DTミニマムBとの差を求めて、この差が100℃以上となった場合、被圧延材異常状態と判定し、現場作業者に異常の旨の音声アナウンスと、監視画面112へのアラーム表示の両方を制御装置110から行うようにした。
【0037】
R3DT先端部AとR3DTミニマムBとの差が何℃以上の場合に被圧延材異常状態と判定するか、については、スキッドマークは最大でも50℃内外であることから、それより大きな値、つまり上記の例のように、例えば100℃に設定するのがよいが、これに限るものではない。
【0038】
これら音声アナウンスや監視画面へのアラーム表示を受けた現場作業者は、被圧延材の搬送を一旦停止し、オシレーション(往復動作)させて待機させるとともに、目視で被圧延材の現物を観察した結果、確かに温度の局部的に低い部分があることを確認したため、被圧延材の仕上圧延を中止してシートバー状の被圧延材を熱間圧延ラインから除去したため、トラブルを防止することができた。
【0039】
このときの温度チャートを図6(b)に示すが、この異常材では、R3DT先端部AとR3DTミニマムBとの温度差が120℃もあり、異常であると制御装置110は自動判断した。その結果、現場作業者に異常の旨の音声アナウンスと、監視画面へのアラーム表示が行われたのである。正常な場合の図6(a)に示す温度チャートと見比べても、R3DT先端部AとR3DTミニマムBとの温度差が大きいことがよくわかる。
【0040】
(実施例2)
上記の(実施例1)の場合においては、実は幅方向中心から駆動側に300mmオフセットした位置にも温度計103を併設しており、その被圧延材温度測定結果を図6(c)に示す。
【0041】
この場合は、実質的に図6(b)の被圧延材温度測定結果と同じであるが、これは被圧延材の局部的に低温な部分が被圧延材幅方向、少なくとも幅方向中心から駆動側に300mmオフセットした位置にかけては、同様に分布していたからと考えられる。
【0042】
制御装置110内での判定のしかたとしては、図7(a)に示すように設置した、温度計101と温度計103の少なくともいずれか一方の温度測定結果について、R3DT先端部AとR3DTミニマムBとの温度差が100℃以上の場合に異常と判定する仕組みとしてあった。
【0043】
この場合は、温度計101による温度測定結果図6(b)と温度計103による温度測定結果図6(c)とが実質的に同じであったが、被圧延材の局部的に低温な部分の分布が被圧延材幅方向中心から駆動側の反対である被動側にかけて分布しているような場合も想定しうる。しかし、温度計101と温度計103の少なくともいずれか一方の温度測定結果について、R3DT先端部AとR3DT ミニマムBとの温度差が100℃以上の場合に異常と判定する仕組みとしてあれば、そういう場合でも異常であることを判定し損なうことはない。
【0044】
あるいはより確実には、図7(b)に示すように、さらに別の温度計104を、熱間圧延ライン幅方向中心から駆動側と反対側の被動側に300mm内外オフセットした位置にも併設し、3つの温度計のうちの少なくともいずれか一方の温度測定結果について、R3DT先端部AとR3DTミニマムBとの温度差が100℃以上の場合に異常と判定する仕組みとしてあれば、被圧延材の局部的に低温な部分が被圧延材幅方向被動側にいよいよ偏って存在したような場合でも異常であることを判定し損なうことがない。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、被圧延材の仕上圧延前の段階で、被圧延材異常状態を自動検出することができるようになったため、それを現場作業者に知らせるとともに、被圧延材の仕上圧延を中止することができるようになり、トラブルとそれに伴う操業の中断を未然に防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するための粗圧延機〜仕上圧延機の設備およびセンサの配置の概要を示す図
【図2】メジャーリングロールの動作を説明する図
【図3】ホットメタルディテクタとその原理を示す図
【図4】コールドメタルディテクタとその原理を示す図
【図5】加熱炉内での被圧延材のようすを示す図
【図6】粗圧延機出側温度チャートを示す図
【図7】粗圧延機出側温度計の配置の例を示す図
【図8】熱間圧延ラインの例を示す図
【符号の説明】
10…加熱炉
12…バーナ
14…炉壁
20…粗圧延機
30…クロップシャー
40…デスケーリング装置
50…仕上圧延機
60…冷却ゾーン
70…コイラー(巻取装置)
80…被圧延材
100…熱間圧延ライン
102…アクチュエータ
101、103、104…温度計
105…ホットメタルディテクタ(HMD)
106、108…コールドメタルディテクタ(CMD)
109…トラッキング用センサ
110…制御装置
112…監視画面
120…計算機

Claims (2)

  1. 金属帯の熱間圧延ラインでの仕上圧延機前に配置された温度計の温度測定データに基づき、
    圧延途中の被圧延材先端部分の温度と、
    被圧延材の中間部分の温度を比較し、その値の範囲により、異常であると判定することを特徴とする熱間圧延における被圧延材異常状態の自動検出方法。
  2. 金属帯の熱間圧延ラインでの仕上圧延機前にて被圧延材幅方向に配列された複数の温度計の温度測定データに基づき、
    圧延途中の被圧延材温度について、各温度計とも先端部分の温度と中間部分の温度を比較し、どれか1つ以上の偏差が所定の範囲を外れている場合に異常であると判定することを特徴とする熱間圧延における被圧延材異常状態の自動検出方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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