JP2004141802A - 汚泥処理装置及び汚泥処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】汚水を活性汚泥で分解処理して発生した余剰汚泥を安定させて効率よく分解処理すると共に、減量化することができる汚泥処理装置及び汚泥処理方法を提供する。
【解決手段】本発明の汚泥処理装置1は、汚水と活性汚泥を混合して混合液としこの混合液を曝気して汚水を分解処理する活性汚泥反応槽2と、この活性汚泥反応槽2によって分解処理された汚水の活性汚泥を沈殿させて上澄液と活性汚泥とに分離する沈殿槽4と、この沈殿した活性汚泥4bの一部を活性汚泥反応槽に返送する汚泥返送装置6と、沈殿槽内の沈殿した活性汚泥の残部である余剰汚泥を所定濃度に濃縮する沈殿汚泥濃縮装置11と、この濃縮された余剰汚泥を捕食動物に捕食させて余剰汚泥を分解処理する汚泥捕食装置8と、この余剰汚泥を捕食した捕食動物を破壊すると共にこの破壊した捕食動物を活性汚泥反応槽に返送する捕食動物破壊返送装置10と、を有することを特徴としている。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の汚泥処理装置1は、汚水と活性汚泥を混合して混合液としこの混合液を曝気して汚水を分解処理する活性汚泥反応槽2と、この活性汚泥反応槽2によって分解処理された汚水の活性汚泥を沈殿させて上澄液と活性汚泥とに分離する沈殿槽4と、この沈殿した活性汚泥4bの一部を活性汚泥反応槽に返送する汚泥返送装置6と、沈殿槽内の沈殿した活性汚泥の残部である余剰汚泥を所定濃度に濃縮する沈殿汚泥濃縮装置11と、この濃縮された余剰汚泥を捕食動物に捕食させて余剰汚泥を分解処理する汚泥捕食装置8と、この余剰汚泥を捕食した捕食動物を破壊すると共にこの破壊した捕食動物を活性汚泥反応槽に返送する捕食動物破壊返送装置10と、を有することを特徴としている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚泥処理装置及び汚泥処理方法に係り、特に、汚水に含まれている有機物を微生物により浄化する汚水処理で発生する余剰汚泥を処理する汚泥処理装置及び汚泥処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、汚水に含まれている有機物を微生物により浄化する活性汚泥法による汚水処理が行われているが、この活性汚泥法による汚泥処理では大量の余剰汚泥が発生し、この余剰汚泥を減量化することが従来から要請されている。
この活性汚泥法による余剰汚泥処理として、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されているような処理装置が知られている。
従来の余剰汚泥処理装置を図4により具体的に説明する。図4に示すように、従来の余剰汚泥処理装置50は、微生物を含む活性汚泥と汚水を混合して混合液とし、この混合液を空気により曝気し、汚水を微生物の接触酸化作用により分解処理する活性汚泥反応槽52を備え、さらに、この活性汚泥反応槽52で分解処理された水の活性汚泥分を沈殿させることにより上澄液と活性汚泥とに分離する沈殿槽54を備えている。この沈殿槽54の上澄液54aは消毒液等で殺菌処理され、処理水として外部に排水されるようになっている。
一方、沈殿槽54の活性汚泥54bは、一部が汚泥返送装置56によって活性汚泥槽52に返送されて汚水の分解処理に再利用されるが、残りの余剰汚泥は、担体が設けられた余剰汚泥消化槽58に送られ、この担体に付着して生息している原生動物(ゾウリムシやツリガネムシ等)や後生動物(ワムシ等)により余剰汚泥中に含まれる微生物が捕食されて、余剰汚泥は炭酸ガスと水とに分解されるようになっている。また、この分解された水は、再び活性汚泥反応槽52に戻されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−39092号公報
【特許文献2】
特開2002−143895号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の余剰汚泥処理装置50においては、余剰汚泥消化槽58中には捕食動物を保持する担体が設けられているが、この担体そのものが設備のコスト高を引き起こしており、さらにこの担体の内部では、捕食動物が増殖し、その量が多くなるにつれて酸欠となり嫌気腐敗が生じやすく、余剰汚泥の分解処理の妨げとなるという問題がある。
また、上述したような担体内部の嫌気腐敗を防ぐのに曝気を強化する等の対策が必要であるが、曝気を強化するほど、安定した汚泥の分解処理も難しくなるという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、汚水を活性汚泥で分解処理して発生した余剰汚泥を安定させて効率よく分解処理すると共に、減量化することができる汚泥処理装置及び汚泥処理方法を提供することを目的としている。
また、本発明は、余剰汚泥を収容した水槽内の温度及び酸素管理を容易におこなうことができ、担体を設けることなく捕食動物を十分保持できる汚泥処理装置及び汚泥処理方法を提供することを目的としている。
さらに、捕食処理装置における捕食動物を有効利用することによりコストを低減させることができる汚泥処理装置及び汚泥処理方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、汚水に含まれている有機物を微生物により浄化する汚水処理で発生する汚泥を処理する汚泥処理装置であって、汚水と活性汚泥を混合して混合液としこの混合液を曝気して汚水を分解処理する活性汚泥反応槽と、この活性汚泥反応槽によって分解処理された汚水の活性汚泥を沈殿させて上澄液と活性汚泥とに分離する沈殿槽と、この沈殿した活性汚泥の一部を活性汚泥反応槽に返送する汚泥返送手段と、沈殿槽内の沈殿した活性汚泥の残部である余剰汚泥の濃度を所定濃度に設定する汚泥濃度設定手段と、この汚泥濃度設定手段により濃度が設定された余剰汚泥を捕食動物に捕食させて余剰汚泥を分解処理する汚泥捕食手段と、この汚泥捕食手段における余剰汚泥を捕食した捕食動物を破壊すると共にこの破壊した捕食動物を活性汚泥反応槽に返送する捕食動物破壊返送手段と、を有することを特徴としている。
【0007】
また、本発明において、好ましくは、汚泥捕食手段は、捕食動物を収容する少なくとも3段以上の水槽と、この各水槽内の水温を所定の水温範囲に制御する温度制御手段と、各水槽内のpHを所定のpH範囲に制御するpH制御手段と、各水槽内を曝気する曝気手段と、を備えている。
また、本発明において、好ましくは、汚泥捕食手段の捕食動物は水生ミミズである。
また、本発明において、好ましくは、汚泥捕食手段の水槽は、互いに連通し、水槽の内の最上流の水槽には、汚泥濃度設定手段から余剰汚泥が流入し、水槽のうちの最下流の水槽には、この水槽内の捕食動物の一部を最上流の水槽に返送する返送手段が設けられている。
また、本発明において、好ましくは、温度制御手段は、各水槽内の水温を約20℃〜約38℃に制御する。
また、本発明において、好ましくは、pH制御手段は、各水槽内のpHを約5〜約9.5に制御する。
また、本発明において、好ましくは、曝気手段は、各水槽内を溶存酸素濃度が約0.1mg/l以上となるように曝気する。
また、本発明において、好ましくは、汚泥濃度設定手段は、各水槽内の余剰汚泥の初期濃度が約3〜約70g/lになるように汚泥濃度を設定する。
【0008】
さらに、本発明は、汚水に含まれている有機物を微生物により浄化する汚水処理で発生する汚泥を処理する汚泥処理方法であって、活性汚泥反応槽にて汚水と活性汚泥を混合して混合液としこの混合液を曝気して汚水を分解処理する汚水分解処理工程と、この分解処理された汚水の活性汚泥を沈殿させて上澄液と活性汚泥とに分離する分離工程と、この沈殿した活性汚泥の一部を活性汚泥反応槽に返送する汚泥返送工程と、沈殿槽内の沈殿した活性汚泥の残部である余剰汚泥の濃度を所定濃度に設定する汚泥濃度設定工程と、この濃度設定された余剰汚泥を捕食動物に捕食させて余剰汚泥を分解処理する余剰汚泥分解処理工程と、この余剰汚泥を捕食した捕食動物を破壊すると共にこの破壊した捕食動物を活性汚泥反応槽に返送する捕食動物破壊返送工程と、を有することを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の汚泥処理装置及び汚泥処理方法の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による汚泥処理装置を示す全体構成図である。この図1に示すように、本発明の実施形態による汚泥処理装置1は、活性汚泥反応槽2を備え、この活性汚泥反応槽2が、主として細菌類等の低級微生物を含む活性汚泥と汚水を混合し、この混合液を空気により曝気し、汚水を微生物の接触酸化作用により分解処理するようになっている。
また、汚泥処理装置1は、活性汚泥反応槽2の下流側には沈殿槽4を備え、この沈殿槽4が、活性汚泥反応槽2で分解処理された水の活性汚泥分を沈殿させて上澄液4aと活性汚泥4bとに分離し、上澄液4aを処理水として排水するようになっている。
【0010】
さらに、汚泥処理装置1は、沈殿槽4の下流側に汚泥返送装置6と、汚泥捕食装置8と、をそれぞれ備え、汚泥返送装置6が、沈殿槽4の活性汚泥4bの一部を活性汚泥反応槽2に返送し、活性汚泥4bの一部は種菌として汚水の分解処理に再利用されるようになっている。
一方、汚泥捕食装置8は、詳細は後述するが、汚泥返送装置6によって返送されずに沈殿槽4に残された活性汚泥、即ち余剰汚泥中の微生物を水生ミミズ等の捕食動物に捕食させるようになっている。
また、汚泥処理装置1は、汚泥捕食装置8の下流側に捕食動物破壊処理装置10を備え、この捕食動物破壊処理装置10は、汚泥捕食装置8で処理した、捕食動物を含む残りの余剰汚泥を活性汚泥反応槽2で再分解できるように破壊し、活性汚泥反応槽2に供給するようになっている。ここで、捕食動物破壊処理装置10には、カッター付きポンプ、ハイスピードミキサ、食品廃棄物用ディスポーザの等の比較的低動力で簡易な装置が用いられる。
【0011】
図2は、汚泥捕食装置の概略断面図である。つぎに、この図2により汚泥捕食装置8を詳細に説明する。図2に示すように、汚泥捕食装置8は、水槽12を備え、この水槽12内には水生ミミズ(環形動物)、ワムシ(後生動物)、ツリガネムシ(原生動物)等の微小動物を含む捕食動物が収容されている。この水槽12は、3つの仕切壁14a,14b,14cによって第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dの4つの水槽に分割されている。ここで、水槽12は、少なくとも2つ以上の仕切壁によって分割し、少なくとも3つ以上の多段槽にするのがよい。
また、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dのそれぞれ隣り合う水槽は、互いに各仕切壁14a,14b,14cの少なくとも一部分で連通している。
さらに、第1槽12aと沈殿槽4との間には、沈殿汚泥濃縮装置11が設けられ、この沈殿汚泥濃縮装置11は、沈殿槽4の活性汚泥4bの余剰部分を濃縮して、第1槽12a内へ供給し、水槽12内の汚泥の初期濃度を約3〜約70g/l、好ましくは、約5〜約50g/lにするようになっている。
【0012】
汚泥捕食装置8は、ポンプ等を含む捕食動物返送装置16を備え、この捕食動物返送装置16が、最終槽12d内で捕食動物の一部、好ましくは、沈殿汚泥濃縮装置11から第1槽12aに流入する余剰汚泥4bの流量の約0.1〜約0.5倍に相当する量の捕食動物を第1槽12aに返送するようになっている。
汚泥捕食装置8は、温度検知制御装置18を備え、この温度検知制御装置18が、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dの水温を検知し、水温が常に約20℃〜約38℃、好ましくは、約25℃〜約35℃になるように制御するようになっている。
汚泥捕食装置8は、pH検知制御装置20を備え、このpH検知制御装置20が、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dのpHを検知し、pHが常に約5〜約9.5、好ましくは、約6〜約8.5になるように制御するようになっている。
汚泥捕食装置8は、曝気装置22を備え、この曝気装置22が、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dの底部にそれぞれ設けられた散気部22a,22b,22c,22dで第1槽から第4槽内に空気を供給し、第1槽から第4槽内を溶存酸素濃度が約0.1mg/l以上となるように曝気するようになっている。
【0013】
つぎに、上述した本発明の実施形態の汚泥処理装置1による汚泥処理方法(動作)を説明する。まず、下水等の汚水が、細菌類等の低級微生物を含む活性汚泥を収容した活性汚泥反応槽2内に流入し、活性汚泥と汚水との混合液となる。この混合液は活性汚泥反応槽2内で曝気され、微生物の接触酸化作用により混合液が分解処理され、沈殿槽4で貯水される。
沈殿槽4内に貯水された水は、その活性汚泥分が沈殿し、上澄液4aと活性汚泥4bとに分離され、この上澄液4aは処理水として外部に排水された後、消毒処理等で浄化される。一方、沈殿槽4で沈殿した活性汚泥4bは、その一部が汚泥返送装置6によって活性汚泥反応槽2に返送され、種菌として汚水の分解処理に再利用される。
【0014】
また、汚泥返送装置6によって返送されずに沈殿槽4に残された活性汚泥、即ち余剰汚泥は、沈殿汚泥濃縮装置11に送られ、ここで所定濃度に濃縮された後、水生ミミズ等の捕食動物が収容されている汚泥捕食装置8の水槽12のうちの第1槽12aへ流入する。この第1槽12aの汚泥は、仕切壁14a,14b、14cによってそれぞれ少なくとも一部が連通した第2槽12b、第3槽12c、第4槽12d内へと送られる。
ここで、余剰汚泥が捕食される前の初期濃度は、それぞれ約3〜約70g/l、好ましくは、約5〜約50g/lとなっている。
なお、本実施形態では、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12d内内の汚泥の初期濃度については、上述した沈殿汚泥濃縮装置11を用いて、第1槽12a内に供給される前の余剰汚泥4bを濃縮することによって濃度を調整することを一例として述べたが、このことに限定されず、水槽12側に別の濃度設定手段を設け、沈殿汚泥濃縮装置11を使用せずに沈殿槽4の余剰汚泥4bを直接第1槽12aに供給した後、この別の濃度設定手段で第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dの汚泥を濃縮又は希釈して所定濃度に設定するようにしてもよい。また余剰汚泥の濃度によっては、汚泥濃縮を省略することも出来る。
【0015】
つぎに、温度検知制御装置18が、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dの水温を検知し、水温が常に約20℃〜約38℃、好ましくは、約25℃〜約35℃になるように制御し、pH検知制御装置20が、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dのpHを検知し、pHが常に約5〜約9.5、好ましくは、約6〜約8.5になるように制御する。
また、曝気装置22が、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dの底部にそれぞれ設けられた散気部22a,22b,22c,22dで第1槽から第4槽12a,12b,12c,12d内を曝気し、第1槽から第4槽内の溶存酸素濃度を約0.1mg/l以上にして、第1槽から第4槽内が部分的に嫌気状態となり腐敗溶出成分が捕食動物の捕食を阻害しないようにする。
このような曝気によって、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12d内の余剰汚泥4bと水生ミミズ等の捕食動物が懸濁され、適正な好気条件下で余剰汚泥4bの微生物について捕食動物による捕食が促進される。
ここで、余剰汚泥4bの水槽12内の滞留日数については、汚泥を十分に分解させるために少なくとも5日以上とする。
【0016】
余剰汚泥4bの捕食が進むにつれて水槽12内全体の余剰汚泥4bの量は減少し、捕食動物は増殖するが、水槽12は仕切壁14a,14b,14cによって第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dに仕切られているため、第1槽から第4槽内の汚泥濃度は、余剰汚泥が流入する第1槽12a内の濃度が最も高く、槽の段数が進むにつれて漸減する。一方、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12d内の捕食動物の比率は、槽の段数が進むにつれて漸増し、第4槽12dが最も高くなる。
このため、ポンプ等を含む捕食動物返送装置16が、第4槽12d内の捕食動物の一部、好ましくは、沈殿汚泥濃縮装置11から第1槽12aに流入する余剰汚泥4bの流量の約0.1〜約0.5倍に相当する量の捕食動物を第1槽12a内に返送し、捕食動物の種付けを行う。
このようにして、本実施形態による汚泥処理装置1によれば、捕食動物返送装置16が水槽12内全体の捕食動物のバランスを考慮して、捕食を促進しつつ安定化させることができる。また、水槽12内の死水域をなくし、汚泥腐敗を防ぐことができる。
【0017】
一般に、捕食される汚泥濃度が高濃度であると、捕食動物の餌となる汚泥の接触が高まり、捕食動物の捕食や生育に好ましいが、高濃度が過ぎると、曝気を増やしても嫌気腐敗が生じやすく捕食を阻害することがある。また、曝気による流動攪拌が過剰になると捕食動物の捕食や生育が阻害されることになる。
これらのことを考慮して、本実施形態による汚泥処理装置1では、上述したように、沈殿汚泥濃縮装置11が汚泥捕食装置8の水槽12内に供給する汚泥の濃度を汚泥捕食処理に適した濃度に設定し、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12d内では、曝気装置22が適当な溶存酸素濃度で曝気し、温度検知制御装置18が適当な水温に制御し、pH検知制御装置20が適当なpHに制御するため、第1槽から第4槽内を適正な好気条件下で維持し、効率よく余剰汚泥の分解処理を行うことができる。
さらに、本実施形態による汚泥処理装置1によれば、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12d内には、捕食動物を保持する担体を設けないので設備面でも低コストであるばかりでなく、担体の内部腐敗に対する曝気の強化が不要となり、酸素管理が容易で、軽微な曝気と温度制御によって効率よく安定した余剰汚泥の分解処理を行うことができる。
【0018】
余剰汚泥4bが汚泥捕食装置8で十分に捕食分解処理された後、捕食動物が残りの余剰汚泥と共に第4槽12dから捕食動物破壊処理装置10に送り込まれる。カッター付きポンプ、ハイスピードミキサ、食品廃棄物用ディスポーザ等の比較的低動力で簡易な装置を備えた捕食動物破壊処理装置10は、捕食動物やその消化物(糞等)を数秒から数十秒で容易に数十ミクロン程度以下に破壊し、活性汚泥反応槽2に返送する。この活性汚泥反応槽2に返送された破壊汚泥は、活性汚泥反応槽2内で活性汚泥と共に再分解される。
【0019】
従来、微生物菌体のままの堅くて分解されにくい汚泥(菌体汚泥)の破壊は、ビーズミル菌体破壊機等の大動力の破壊装置によって行われている。一方、上述したように、本実施形態の汚泥処理装置1の捕食動物破壊処理では、汚泥の主成分である細菌、酵母、かび等の微生物細胞のような強固な細胞壁が水生ミミズ等の捕食動物にはなく、その捕食動物を含む汚泥も菌体汚泥に比べて軟らかく、破壊も容易である。
したがって、本実施形態の汚泥処理装置1の捕食動物破壊処理装置10は、ビーズミル菌体破壊機等の破壊装置に比べて大幅に低動力で簡易な破壊装置を適用することができ、低コストである。
また、本実施形態の汚泥処理装置1によれば、捕食動物を含む汚泥が捕食動物破壊処理装置10を通過するだけで活性汚泥反応槽2で再分解容易な状態となるため、活性汚泥反応槽2内での微生物による再分解を加速させ、捕食動物の破壊汚泥を有効利用することができる。
【0020】
つぎに、図3は、本実施形態の汚泥処理装置1を使用して1日あたり200リットルの食品排水の活性汚泥処理を行った場合の汚泥発生量の結果の一例である。ここで、原水のBOD(生物化学的酸素要求量)が220〜280ppm、処理水のBODが12〜25ppmであり、図3中の破線は汚泥捕食装置8及び捕食動物破壊処理装置10の両方による余剰汚泥処理を行わなかった場合を示し、一点破線は、汚泥捕食装置8のみによる余剰汚泥処理を行った場合を示し、実線は、汚泥捕食装置8及び捕食動物破壊処理装置10の両方による処理を行った場合を示している。
図3に示すように、余剰汚泥処理を行ったいずれの場合も余剰汚泥発生量は処理日数と共に漸増しているが、処理日数200日付近では、汚泥捕食装置8のみによる余剰汚泥処理を行った場合の余剰汚泥発生量は、非処理の場合の30%程度となっており、汚泥捕食装置8及び捕食動物破壊処理装置10の両方による処理を行った場合の余剰汚泥発生量は、非処理の場合の10〜20%程度となっている。
このように、本実施形態の汚泥処理装置1によれば、汚泥捕食装置8及び捕食動物破壊処理装置10を組み合わせた装置を使用しない従来の余剰汚泥処理に比べ、大幅に減量化することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の汚泥処理装置及び汚泥処理方法によれば、汚水を活性汚泥で分解処理して発生した余剰汚泥を安定させて効率よく分解処理すると共に、減量化することができる。また、余剰汚泥を収容した水槽内の温度及び酸素管理を容易に行うことができ、担体を設けることなく捕食動物を十分保持できる。さらに、捕食処理装置における捕食動物を有効利用することによりコストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による汚泥処理装置を示す全体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による汚泥処理装置の汚泥捕食装置の概略断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による汚泥処理装置の汚泥発生量の結果の一例を示すグラフである。
【図4】従来の汚泥処理装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 汚泥処理装置
2 活性汚泥反応槽
4 沈殿槽
4a 上澄液
4b 活性汚泥(この内、汚泥返送されなかった残りが余剰汚泥)
6 汚泥返送装置
8 汚泥捕食装置
10 捕食動物破壊処理装置
11 沈殿汚泥濃縮装置
12,12a,12b,12c,12d 水槽
14a,14b,14c 仕切壁
16 捕食動物返送装置
18 温度検知制御装置
20 pH検知制御装置
22 曝気装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、汚泥処理装置及び汚泥処理方法に係り、特に、汚水に含まれている有機物を微生物により浄化する汚水処理で発生する余剰汚泥を処理する汚泥処理装置及び汚泥処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、汚水に含まれている有機物を微生物により浄化する活性汚泥法による汚水処理が行われているが、この活性汚泥法による汚泥処理では大量の余剰汚泥が発生し、この余剰汚泥を減量化することが従来から要請されている。
この活性汚泥法による余剰汚泥処理として、例えば、特許文献1や特許文献2に記載されているような処理装置が知られている。
従来の余剰汚泥処理装置を図4により具体的に説明する。図4に示すように、従来の余剰汚泥処理装置50は、微生物を含む活性汚泥と汚水を混合して混合液とし、この混合液を空気により曝気し、汚水を微生物の接触酸化作用により分解処理する活性汚泥反応槽52を備え、さらに、この活性汚泥反応槽52で分解処理された水の活性汚泥分を沈殿させることにより上澄液と活性汚泥とに分離する沈殿槽54を備えている。この沈殿槽54の上澄液54aは消毒液等で殺菌処理され、処理水として外部に排水されるようになっている。
一方、沈殿槽54の活性汚泥54bは、一部が汚泥返送装置56によって活性汚泥槽52に返送されて汚水の分解処理に再利用されるが、残りの余剰汚泥は、担体が設けられた余剰汚泥消化槽58に送られ、この担体に付着して生息している原生動物(ゾウリムシやツリガネムシ等)や後生動物(ワムシ等)により余剰汚泥中に含まれる微生物が捕食されて、余剰汚泥は炭酸ガスと水とに分解されるようになっている。また、この分解された水は、再び活性汚泥反応槽52に戻されるようになっている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−39092号公報
【特許文献2】
特開2002−143895号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の余剰汚泥処理装置50においては、余剰汚泥消化槽58中には捕食動物を保持する担体が設けられているが、この担体そのものが設備のコスト高を引き起こしており、さらにこの担体の内部では、捕食動物が増殖し、その量が多くなるにつれて酸欠となり嫌気腐敗が生じやすく、余剰汚泥の分解処理の妨げとなるという問題がある。
また、上述したような担体内部の嫌気腐敗を防ぐのに曝気を強化する等の対策が必要であるが、曝気を強化するほど、安定した汚泥の分解処理も難しくなるという問題もある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来技術の問題を解決するためになされたものであり、汚水を活性汚泥で分解処理して発生した余剰汚泥を安定させて効率よく分解処理すると共に、減量化することができる汚泥処理装置及び汚泥処理方法を提供することを目的としている。
また、本発明は、余剰汚泥を収容した水槽内の温度及び酸素管理を容易におこなうことができ、担体を設けることなく捕食動物を十分保持できる汚泥処理装置及び汚泥処理方法を提供することを目的としている。
さらに、捕食処理装置における捕食動物を有効利用することによりコストを低減させることができる汚泥処理装置及び汚泥処理方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、汚水に含まれている有機物を微生物により浄化する汚水処理で発生する汚泥を処理する汚泥処理装置であって、汚水と活性汚泥を混合して混合液としこの混合液を曝気して汚水を分解処理する活性汚泥反応槽と、この活性汚泥反応槽によって分解処理された汚水の活性汚泥を沈殿させて上澄液と活性汚泥とに分離する沈殿槽と、この沈殿した活性汚泥の一部を活性汚泥反応槽に返送する汚泥返送手段と、沈殿槽内の沈殿した活性汚泥の残部である余剰汚泥の濃度を所定濃度に設定する汚泥濃度設定手段と、この汚泥濃度設定手段により濃度が設定された余剰汚泥を捕食動物に捕食させて余剰汚泥を分解処理する汚泥捕食手段と、この汚泥捕食手段における余剰汚泥を捕食した捕食動物を破壊すると共にこの破壊した捕食動物を活性汚泥反応槽に返送する捕食動物破壊返送手段と、を有することを特徴としている。
【0007】
また、本発明において、好ましくは、汚泥捕食手段は、捕食動物を収容する少なくとも3段以上の水槽と、この各水槽内の水温を所定の水温範囲に制御する温度制御手段と、各水槽内のpHを所定のpH範囲に制御するpH制御手段と、各水槽内を曝気する曝気手段と、を備えている。
また、本発明において、好ましくは、汚泥捕食手段の捕食動物は水生ミミズである。
また、本発明において、好ましくは、汚泥捕食手段の水槽は、互いに連通し、水槽の内の最上流の水槽には、汚泥濃度設定手段から余剰汚泥が流入し、水槽のうちの最下流の水槽には、この水槽内の捕食動物の一部を最上流の水槽に返送する返送手段が設けられている。
また、本発明において、好ましくは、温度制御手段は、各水槽内の水温を約20℃〜約38℃に制御する。
また、本発明において、好ましくは、pH制御手段は、各水槽内のpHを約5〜約9.5に制御する。
また、本発明において、好ましくは、曝気手段は、各水槽内を溶存酸素濃度が約0.1mg/l以上となるように曝気する。
また、本発明において、好ましくは、汚泥濃度設定手段は、各水槽内の余剰汚泥の初期濃度が約3〜約70g/lになるように汚泥濃度を設定する。
【0008】
さらに、本発明は、汚水に含まれている有機物を微生物により浄化する汚水処理で発生する汚泥を処理する汚泥処理方法であって、活性汚泥反応槽にて汚水と活性汚泥を混合して混合液としこの混合液を曝気して汚水を分解処理する汚水分解処理工程と、この分解処理された汚水の活性汚泥を沈殿させて上澄液と活性汚泥とに分離する分離工程と、この沈殿した活性汚泥の一部を活性汚泥反応槽に返送する汚泥返送工程と、沈殿槽内の沈殿した活性汚泥の残部である余剰汚泥の濃度を所定濃度に設定する汚泥濃度設定工程と、この濃度設定された余剰汚泥を捕食動物に捕食させて余剰汚泥を分解処理する余剰汚泥分解処理工程と、この余剰汚泥を捕食した捕食動物を破壊すると共にこの破壊した捕食動物を活性汚泥反応槽に返送する捕食動物破壊返送工程と、を有することを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の汚泥処理装置及び汚泥処理方法の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による汚泥処理装置を示す全体構成図である。この図1に示すように、本発明の実施形態による汚泥処理装置1は、活性汚泥反応槽2を備え、この活性汚泥反応槽2が、主として細菌類等の低級微生物を含む活性汚泥と汚水を混合し、この混合液を空気により曝気し、汚水を微生物の接触酸化作用により分解処理するようになっている。
また、汚泥処理装置1は、活性汚泥反応槽2の下流側には沈殿槽4を備え、この沈殿槽4が、活性汚泥反応槽2で分解処理された水の活性汚泥分を沈殿させて上澄液4aと活性汚泥4bとに分離し、上澄液4aを処理水として排水するようになっている。
【0010】
さらに、汚泥処理装置1は、沈殿槽4の下流側に汚泥返送装置6と、汚泥捕食装置8と、をそれぞれ備え、汚泥返送装置6が、沈殿槽4の活性汚泥4bの一部を活性汚泥反応槽2に返送し、活性汚泥4bの一部は種菌として汚水の分解処理に再利用されるようになっている。
一方、汚泥捕食装置8は、詳細は後述するが、汚泥返送装置6によって返送されずに沈殿槽4に残された活性汚泥、即ち余剰汚泥中の微生物を水生ミミズ等の捕食動物に捕食させるようになっている。
また、汚泥処理装置1は、汚泥捕食装置8の下流側に捕食動物破壊処理装置10を備え、この捕食動物破壊処理装置10は、汚泥捕食装置8で処理した、捕食動物を含む残りの余剰汚泥を活性汚泥反応槽2で再分解できるように破壊し、活性汚泥反応槽2に供給するようになっている。ここで、捕食動物破壊処理装置10には、カッター付きポンプ、ハイスピードミキサ、食品廃棄物用ディスポーザの等の比較的低動力で簡易な装置が用いられる。
【0011】
図2は、汚泥捕食装置の概略断面図である。つぎに、この図2により汚泥捕食装置8を詳細に説明する。図2に示すように、汚泥捕食装置8は、水槽12を備え、この水槽12内には水生ミミズ(環形動物)、ワムシ(後生動物)、ツリガネムシ(原生動物)等の微小動物を含む捕食動物が収容されている。この水槽12は、3つの仕切壁14a,14b,14cによって第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dの4つの水槽に分割されている。ここで、水槽12は、少なくとも2つ以上の仕切壁によって分割し、少なくとも3つ以上の多段槽にするのがよい。
また、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dのそれぞれ隣り合う水槽は、互いに各仕切壁14a,14b,14cの少なくとも一部分で連通している。
さらに、第1槽12aと沈殿槽4との間には、沈殿汚泥濃縮装置11が設けられ、この沈殿汚泥濃縮装置11は、沈殿槽4の活性汚泥4bの余剰部分を濃縮して、第1槽12a内へ供給し、水槽12内の汚泥の初期濃度を約3〜約70g/l、好ましくは、約5〜約50g/lにするようになっている。
【0012】
汚泥捕食装置8は、ポンプ等を含む捕食動物返送装置16を備え、この捕食動物返送装置16が、最終槽12d内で捕食動物の一部、好ましくは、沈殿汚泥濃縮装置11から第1槽12aに流入する余剰汚泥4bの流量の約0.1〜約0.5倍に相当する量の捕食動物を第1槽12aに返送するようになっている。
汚泥捕食装置8は、温度検知制御装置18を備え、この温度検知制御装置18が、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dの水温を検知し、水温が常に約20℃〜約38℃、好ましくは、約25℃〜約35℃になるように制御するようになっている。
汚泥捕食装置8は、pH検知制御装置20を備え、このpH検知制御装置20が、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dのpHを検知し、pHが常に約5〜約9.5、好ましくは、約6〜約8.5になるように制御するようになっている。
汚泥捕食装置8は、曝気装置22を備え、この曝気装置22が、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dの底部にそれぞれ設けられた散気部22a,22b,22c,22dで第1槽から第4槽内に空気を供給し、第1槽から第4槽内を溶存酸素濃度が約0.1mg/l以上となるように曝気するようになっている。
【0013】
つぎに、上述した本発明の実施形態の汚泥処理装置1による汚泥処理方法(動作)を説明する。まず、下水等の汚水が、細菌類等の低級微生物を含む活性汚泥を収容した活性汚泥反応槽2内に流入し、活性汚泥と汚水との混合液となる。この混合液は活性汚泥反応槽2内で曝気され、微生物の接触酸化作用により混合液が分解処理され、沈殿槽4で貯水される。
沈殿槽4内に貯水された水は、その活性汚泥分が沈殿し、上澄液4aと活性汚泥4bとに分離され、この上澄液4aは処理水として外部に排水された後、消毒処理等で浄化される。一方、沈殿槽4で沈殿した活性汚泥4bは、その一部が汚泥返送装置6によって活性汚泥反応槽2に返送され、種菌として汚水の分解処理に再利用される。
【0014】
また、汚泥返送装置6によって返送されずに沈殿槽4に残された活性汚泥、即ち余剰汚泥は、沈殿汚泥濃縮装置11に送られ、ここで所定濃度に濃縮された後、水生ミミズ等の捕食動物が収容されている汚泥捕食装置8の水槽12のうちの第1槽12aへ流入する。この第1槽12aの汚泥は、仕切壁14a,14b、14cによってそれぞれ少なくとも一部が連通した第2槽12b、第3槽12c、第4槽12d内へと送られる。
ここで、余剰汚泥が捕食される前の初期濃度は、それぞれ約3〜約70g/l、好ましくは、約5〜約50g/lとなっている。
なお、本実施形態では、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12d内内の汚泥の初期濃度については、上述した沈殿汚泥濃縮装置11を用いて、第1槽12a内に供給される前の余剰汚泥4bを濃縮することによって濃度を調整することを一例として述べたが、このことに限定されず、水槽12側に別の濃度設定手段を設け、沈殿汚泥濃縮装置11を使用せずに沈殿槽4の余剰汚泥4bを直接第1槽12aに供給した後、この別の濃度設定手段で第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dの汚泥を濃縮又は希釈して所定濃度に設定するようにしてもよい。また余剰汚泥の濃度によっては、汚泥濃縮を省略することも出来る。
【0015】
つぎに、温度検知制御装置18が、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dの水温を検知し、水温が常に約20℃〜約38℃、好ましくは、約25℃〜約35℃になるように制御し、pH検知制御装置20が、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dのpHを検知し、pHが常に約5〜約9.5、好ましくは、約6〜約8.5になるように制御する。
また、曝気装置22が、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dの底部にそれぞれ設けられた散気部22a,22b,22c,22dで第1槽から第4槽12a,12b,12c,12d内を曝気し、第1槽から第4槽内の溶存酸素濃度を約0.1mg/l以上にして、第1槽から第4槽内が部分的に嫌気状態となり腐敗溶出成分が捕食動物の捕食を阻害しないようにする。
このような曝気によって、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12d内の余剰汚泥4bと水生ミミズ等の捕食動物が懸濁され、適正な好気条件下で余剰汚泥4bの微生物について捕食動物による捕食が促進される。
ここで、余剰汚泥4bの水槽12内の滞留日数については、汚泥を十分に分解させるために少なくとも5日以上とする。
【0016】
余剰汚泥4bの捕食が進むにつれて水槽12内全体の余剰汚泥4bの量は減少し、捕食動物は増殖するが、水槽12は仕切壁14a,14b,14cによって第1槽から第4槽12a,12b,12c,12dに仕切られているため、第1槽から第4槽内の汚泥濃度は、余剰汚泥が流入する第1槽12a内の濃度が最も高く、槽の段数が進むにつれて漸減する。一方、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12d内の捕食動物の比率は、槽の段数が進むにつれて漸増し、第4槽12dが最も高くなる。
このため、ポンプ等を含む捕食動物返送装置16が、第4槽12d内の捕食動物の一部、好ましくは、沈殿汚泥濃縮装置11から第1槽12aに流入する余剰汚泥4bの流量の約0.1〜約0.5倍に相当する量の捕食動物を第1槽12a内に返送し、捕食動物の種付けを行う。
このようにして、本実施形態による汚泥処理装置1によれば、捕食動物返送装置16が水槽12内全体の捕食動物のバランスを考慮して、捕食を促進しつつ安定化させることができる。また、水槽12内の死水域をなくし、汚泥腐敗を防ぐことができる。
【0017】
一般に、捕食される汚泥濃度が高濃度であると、捕食動物の餌となる汚泥の接触が高まり、捕食動物の捕食や生育に好ましいが、高濃度が過ぎると、曝気を増やしても嫌気腐敗が生じやすく捕食を阻害することがある。また、曝気による流動攪拌が過剰になると捕食動物の捕食や生育が阻害されることになる。
これらのことを考慮して、本実施形態による汚泥処理装置1では、上述したように、沈殿汚泥濃縮装置11が汚泥捕食装置8の水槽12内に供給する汚泥の濃度を汚泥捕食処理に適した濃度に設定し、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12d内では、曝気装置22が適当な溶存酸素濃度で曝気し、温度検知制御装置18が適当な水温に制御し、pH検知制御装置20が適当なpHに制御するため、第1槽から第4槽内を適正な好気条件下で維持し、効率よく余剰汚泥の分解処理を行うことができる。
さらに、本実施形態による汚泥処理装置1によれば、第1槽から第4槽12a,12b,12c,12d内には、捕食動物を保持する担体を設けないので設備面でも低コストであるばかりでなく、担体の内部腐敗に対する曝気の強化が不要となり、酸素管理が容易で、軽微な曝気と温度制御によって効率よく安定した余剰汚泥の分解処理を行うことができる。
【0018】
余剰汚泥4bが汚泥捕食装置8で十分に捕食分解処理された後、捕食動物が残りの余剰汚泥と共に第4槽12dから捕食動物破壊処理装置10に送り込まれる。カッター付きポンプ、ハイスピードミキサ、食品廃棄物用ディスポーザ等の比較的低動力で簡易な装置を備えた捕食動物破壊処理装置10は、捕食動物やその消化物(糞等)を数秒から数十秒で容易に数十ミクロン程度以下に破壊し、活性汚泥反応槽2に返送する。この活性汚泥反応槽2に返送された破壊汚泥は、活性汚泥反応槽2内で活性汚泥と共に再分解される。
【0019】
従来、微生物菌体のままの堅くて分解されにくい汚泥(菌体汚泥)の破壊は、ビーズミル菌体破壊機等の大動力の破壊装置によって行われている。一方、上述したように、本実施形態の汚泥処理装置1の捕食動物破壊処理では、汚泥の主成分である細菌、酵母、かび等の微生物細胞のような強固な細胞壁が水生ミミズ等の捕食動物にはなく、その捕食動物を含む汚泥も菌体汚泥に比べて軟らかく、破壊も容易である。
したがって、本実施形態の汚泥処理装置1の捕食動物破壊処理装置10は、ビーズミル菌体破壊機等の破壊装置に比べて大幅に低動力で簡易な破壊装置を適用することができ、低コストである。
また、本実施形態の汚泥処理装置1によれば、捕食動物を含む汚泥が捕食動物破壊処理装置10を通過するだけで活性汚泥反応槽2で再分解容易な状態となるため、活性汚泥反応槽2内での微生物による再分解を加速させ、捕食動物の破壊汚泥を有効利用することができる。
【0020】
つぎに、図3は、本実施形態の汚泥処理装置1を使用して1日あたり200リットルの食品排水の活性汚泥処理を行った場合の汚泥発生量の結果の一例である。ここで、原水のBOD(生物化学的酸素要求量)が220〜280ppm、処理水のBODが12〜25ppmであり、図3中の破線は汚泥捕食装置8及び捕食動物破壊処理装置10の両方による余剰汚泥処理を行わなかった場合を示し、一点破線は、汚泥捕食装置8のみによる余剰汚泥処理を行った場合を示し、実線は、汚泥捕食装置8及び捕食動物破壊処理装置10の両方による処理を行った場合を示している。
図3に示すように、余剰汚泥処理を行ったいずれの場合も余剰汚泥発生量は処理日数と共に漸増しているが、処理日数200日付近では、汚泥捕食装置8のみによる余剰汚泥処理を行った場合の余剰汚泥発生量は、非処理の場合の30%程度となっており、汚泥捕食装置8及び捕食動物破壊処理装置10の両方による処理を行った場合の余剰汚泥発生量は、非処理の場合の10〜20%程度となっている。
このように、本実施形態の汚泥処理装置1によれば、汚泥捕食装置8及び捕食動物破壊処理装置10を組み合わせた装置を使用しない従来の余剰汚泥処理に比べ、大幅に減量化することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の汚泥処理装置及び汚泥処理方法によれば、汚水を活性汚泥で分解処理して発生した余剰汚泥を安定させて効率よく分解処理すると共に、減量化することができる。また、余剰汚泥を収容した水槽内の温度及び酸素管理を容易に行うことができ、担体を設けることなく捕食動物を十分保持できる。さらに、捕食処理装置における捕食動物を有効利用することによりコストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による汚泥処理装置を示す全体構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による汚泥処理装置の汚泥捕食装置の概略断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による汚泥処理装置の汚泥発生量の結果の一例を示すグラフである。
【図4】従来の汚泥処理装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 汚泥処理装置
2 活性汚泥反応槽
4 沈殿槽
4a 上澄液
4b 活性汚泥(この内、汚泥返送されなかった残りが余剰汚泥)
6 汚泥返送装置
8 汚泥捕食装置
10 捕食動物破壊処理装置
11 沈殿汚泥濃縮装置
12,12a,12b,12c,12d 水槽
14a,14b,14c 仕切壁
16 捕食動物返送装置
18 温度検知制御装置
20 pH検知制御装置
22 曝気装置
Claims (9)
- 汚水に含まれている有機物を微生物により浄化する汚水処理で発生する汚泥を処理する汚泥処理装置であって、
汚水と活性汚泥を混合して混合液としこの混合液を曝気して汚水を分解処理する活性汚泥反応槽と、
この活性汚泥反応槽によって分解処理された汚水の活性汚泥を沈殿させて上澄液と活性汚泥とに分離する沈殿槽と、
この沈殿した活性汚泥の一部を上記活性汚泥反応槽に返送する汚泥返送手段と、
上記沈殿槽内の沈殿した活性汚泥の残部である余剰汚泥の濃度を所定濃度に設定する汚泥濃度設定手段と、
この汚泥濃度設定手段により濃度が設定された余剰汚泥を捕食動物に捕食させて余剰汚泥を分解処理する汚泥捕食手段と、
この汚泥捕食手段における余剰汚泥を捕食した上記捕食動物を破壊すると共にこの破壊した捕食動物を上記活性汚泥反応槽に返送する捕食動物破壊返送手段と、
を有することを特徴とする汚泥処理装置。 - 上記汚泥捕食手段は、上記捕食動物を収容する少なくとも3段以上の水槽と、この各水槽内の水温を所定の水温範囲に制御する温度制御手段と、上記各水槽内のpHを所定のpH範囲に制御するpH制御手段と、上記各水槽内を曝気する曝気手段と、を備えている請求項1記載の汚泥処理装置。
- 上記汚泥捕食手段の捕食動物は水生ミミズである請求項1又は請求項2に記載の汚泥処理装置。
- 上記汚泥捕食手段の上記水槽は、互いに連通し、上記水槽の内の最上流の水槽には、上記汚泥濃度設定手段から余剰汚泥が流入し、上記水槽のうちの最下流の水槽には、この水槽内の捕食動物の一部を上記最上流の水槽に返送する返送手段が設けられている請求項2記載の汚泥処理装置。
- 上記温度制御手段は、上記各水槽内の水温を約20℃〜約38℃の範囲に制御する請求項2記載の汚泥処理装置。
- 上記pH制御手段は、上記各水槽内のpHを約5〜約9.5の範囲に制御する請求項2記載の汚泥処理装置。
- 上記曝気手段は、上記各水槽内を溶存酸素濃度が約0.1mg/l以上となるように曝気する請求項2記載の汚泥処理装置。
- 上記汚泥濃度設定手段は、上記各水槽内の余剰汚泥の初期濃度が約3〜約70g/lになるように汚泥濃度を設定する請求項1又は請求項2に記載の汚泥処理装置。
- 汚水に含まれている有機物を微生物により浄化する汚水処理で発生する汚泥を処理する汚泥処理方法であって、
活性汚泥反応槽にて汚水と活性汚泥を混合して混合液としこの混合液を曝気して汚水を分解処理する汚水分解処理工程と、
この分解処理された汚水の活性汚泥を沈殿させて上澄液と活性汚泥とに分離する分離工程と、
この沈殿した活性汚泥の一部を上記活性汚泥反応槽に返送する汚泥返送工程と、
上記沈殿槽内の沈殿した活性汚泥の残部である余剰汚泥の濃度を所定濃度に設定する汚泥濃度設定工程と、
この濃度設定された余剰汚泥を捕食動物に捕食させて余剰汚泥を分解処理する余剰汚泥分解処理工程と、
この余剰汚泥を捕食した上記捕食動物を破壊すると共にこの破壊した捕食動物を上記活性汚泥反応槽に返送する捕食動物破壊返送工程と、
を有することを特徴とする汚泥処理方法。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060110 |