JP2004141798A - 液状体の吐出方法と液状体の吐出装置、及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】液状体の高粘度化に起因する課題を解消し、しかもフラッシンングを不要にした、液状体の吐出方法と液状体の吐出装置、及び電子機器を提供する。
【解決手段】基板SUBに対し、溶媒あるいは分散媒を含む液状体をノズルから吐出する吐出ヘッド2を有した液状体の吐出装置1である。吐出ヘッド2と基板SUBとを収容するチャンバー23と、チャンバー23内に溶媒あるいは分散媒の蒸気を供給するための蒸気供給機構5と、蒸気供給機構5から供給される蒸気の温度を、チャンバー23内の温度以下に調整する温度調整機構31と、を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】基板SUBに対し、溶媒あるいは分散媒を含む液状体をノズルから吐出する吐出ヘッド2を有した液状体の吐出装置1である。吐出ヘッド2と基板SUBとを収容するチャンバー23と、チャンバー23内に溶媒あるいは分散媒の蒸気を供給するための蒸気供給機構5と、蒸気供給機構5から供給される蒸気の温度を、チャンバー23内の温度以下に調整する温度調整機構31と、を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状体を吐出する吐出方法に係り、詳しくは吐出ヘッドのノズルでの、液状体の高粘度化に起因する液状体の飛行曲がりやノズル詰まりなどを防止した、液状体の吐出方法、液状体の吐出装置、及びこれらによって得られる電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器に用いられるデバイスの構成要素として、各種の材料からなる薄膜がある。このような薄膜を形成する技術としては、従来、スピンコート法や蒸着法など種々の方法が知られているが、近年、これらに代わる方法として、いわゆるインクジェット塗布法を利用した技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この技術は、相対移動手段によりインクジェットヘッド(吐出ヘッド)のノズルを基板に対し直線的に相対移動させ、これによって液状体よりなる塗布液を、基板上に均一に塗布できるようにしたものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−250389号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のようなインクジェット塗布法による技術では、以下に述べる解決すべき課題がある。
インクジェット塗布法に用いられる液状体を吐出するためのヘッド(吐出ヘッド)には、通常、液状体を吐出するためのノズルが多数形成されている。ところが、実際に液状体を吐出してこれを描画する際には、描画するパターンに応じて吐出がなされることから、全てのノズルから同時に吐出を行うことはなく、部分的にほとんど吐出を行わないノズルも存在してしまう。
【0005】
すると、このようにほとんど吐出を行わず、休止状態になるノズルでは、ノズル近傍にある液状体中の溶媒が蒸発してしまい、高粘度化してしまう。このような高粘度化がさらに進むと、液状体中の固形分が析出してしまう。
しかし、液状体が高粘度化すると吐出特性が変化してしまい、所望の描画品質が確保できなくなってしまう。また、固形分が析出してしまうと、この析出物によって液状体の液滴が飛行曲がりを起こし、さらには、吐出する液滴の重量や速度も変動してしまう。そして、はなはだしい場合には析出物によるノズル詰まりが起こり、液滴の吐出ができなくなってしまうこともある。
【0006】
このような課題を解消するため従来では、一定時間毎に、あるいは前記の休止状態が所定時間続くと、基板とは別の領域に液滴を吐出するフラッシングを所定時間(または所定回数)行い、休止状態にあるノズルの高粘度化した液状体を強制的に吐出するようにしている。
【0007】
しかしながら、このようなフラッシングを行うと、フラッシングにより液状体が無駄になってしまい、特に液状体が高価であったり希少であったりする場合に、大きな問題となってしまう。
また、フラッシングに時間を要してしまうことから、吐出に要する時間が長くなってしまい、結果として生産性が損なわれてしまう。
また、フラッシングを行うために各種の設備が必要となり、このため吐出装置自体が高価になってしまう。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、液状体の高粘度化に起因する課題を解消し、しかもフラッシンングを不要にした、液状体の吐出方法と液状体の吐出装置、及び電子機器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明の液状体の吐出方法は、ノズルから溶媒あるいは分散媒を含む液状体を吐出する吐出ヘッドを有した液状体の吐出装置により、基板に対し前記液状体を吐出する吐出方法であって、前記基板に対して前記液状体を吐出するに先立ち、予め前記吐出ヘッドと基板との間に溶媒あるいは分散媒の蒸気を配しておくことを特徴としている。
【0010】
この液状体の吐出方法によれば、予め前記吐出ヘッドと基板との間に溶媒あるいは分散媒の蒸気を配しておくので、吐出ヘッドから液状体を吐出する際、吐出ヘッド中の液状体中に含まれる溶媒あるいは分散媒の蒸発が起こりにくくなる。したがって、休止状態にあるノズルにあっても、このノズル近傍にある液状体中の溶媒あるいは分散媒が蒸発しにくいことによりその高粘度化が抑えられる。よって、液状体の高粘度化に起因する課題を解消することができ、しかもフラッシンングを不要にすることができる。
【0011】
また、前記液状体の吐出方法においては、前記吐出ヘッドと基板との間に配する蒸気を、前記液状体に含まれる溶媒あるいは分散媒と同じ溶媒あるいは分散媒の蒸気とするのが好ましい。
このようにすれば、吐出ヘッドと基板との間に配された蒸気により、基板に吐出された液状体の性状に影響がでることが防止され、またノズル近傍にある液状体中の溶媒の蒸発がより確実に抑えられる。
【0012】
また、前記液状体の吐出方法においては、前記吐出ヘッドと基板との間に配する溶媒あるいは分散媒の蒸気の温度を、前記吐出ヘッドと基板との間の温度以下にするのが好ましい。
このようにすれば、吐出ヘッドと基板との間に配された蒸気がここで冷えて元の温度より低くなることがなく、したがって過飽和になって蒸気の一部が液化し、基板面や吐出ヘッドのノズル形成面を濡らすといったことが防止される。
【0013】
本発明の液状体の吐出装置は、基板に対し、溶媒あるいは分散媒を含む液状体をノズルから吐出する吐出ヘッドを有した液状体の吐出装置であって、前記吐出ヘッドと基板とを収容するチャンバーと、前記チャンバー内に溶媒あるいは分散媒の蒸気を供給するための蒸気供給機構と、前記蒸気供給機構から供給される蒸気の温度を、前記チャンバー内の温度以下に調整する温度調整機構と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
この液状体の吐出装置によれば、蒸気供給機構によって吐出前に予めチャンバー内に溶媒あるいは分散媒の蒸気を供給しておき、前記吐出ヘッドと基板との間に前記蒸気を配しておけば、吐出ヘッドから液状体を吐出する際、吐出ヘッド中の液状体中に含まれる溶媒あるいは分散媒の蒸発を起こりにくくすることができる。したがって、休止状態にあるノズルにあっても、このノズル近傍にある液状体中の溶媒あるいは分散媒が蒸発しにくいことによりその高粘度化が抑えられる。よって、液状体の高粘度化に起因する課題を解消することができ、しかもフラッシンングを不要にすることができる。
また、前記蒸気供給機構から供給される蒸気の温度を、温度調整機構によって前記チャンバー内の温度以下に調整することにより、吐出ヘッドと基板との間に配された蒸気がここで冷えて元の温度より低くなることを防止することができる。したがって、過飽和になって蒸気の一部が液化し、基板面や吐出ヘッドのノズル形成面を濡らすといったことを防止することができる。
【0015】
本発明の電子機器は、前記液状体の吐出方法、あるいは前記液状体の吐出装置によって構成要素の一部が形成されたことを特徴としている。
この電子機器によれば、液状体の高粘度化に起因する課題を解消することができ、しかもフラッシンングを不要にすることができる方法あるいは装置によって構成要素の一部が形成されているので、コストダウンが図られ、また生産性も向上したものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1、図2は本発明の液状体の吐出装置の一実施形態例を示す図であって、これらの図において符号1は液状体の吐出装置(以下、吐出装置と記す)である。この吐出装置1は、有機EL装置や液晶表示装置、電気泳動装置、プラズマディスプレイなどの電気光学装置や、各種半導体装置などからなるデバイスの構成要素を基板SUB上に形成するためのもので、液状体Lを基板SUB上に所望パターンで吐出するためのものである。
【0017】
また、この吐出装置1は、基板SUB上に液状体Lを吐出する吐出ヘッド2を有する吐出機構3と、該吐出ヘッド2と基板SUBとの位置を相対的に移動させる移動機構4と、吐出ヘッド2及び基板SUBを収容するチャンバー23と、吐出機構3及び移動機構4を制御する制御部Cとを備え、さらに前記チャンバー23内に溶媒あるいは分散媒の蒸気を供給する蒸気供給機構5を有して構成されたものである。
【0018】
前記移動機構4は、図2に示すように基板ステージ6上に載置された基板SUBの上方に、吐出ヘッド2を下方に向けて支持するヘッド支持部7と、上方の吐出ヘッド2に対して基板ステージ6とともに基板SUBをX、Y方向に移動させるステージ駆動部8とから構成されたものである。
【0019】
前記ヘッド支持部7は、吐出ヘッド2を基板SUBに対してその垂直方向(Z軸)に任意の移動速度で移動可能かつ位置決め可能なリニアモータ等の機構と、垂直中心軸を中心に吐出ヘッド2を回転させることによって下方の基板SUBに対して任意な角度に設定可能なステッピングモータ等の機構とを備えたものである。
【0020】
前記ステージ駆動部8は、垂直中心軸を中心に基板ステージ6を回転させて上方の吐出ヘッド2に対して任意な角度に設定可能なθ軸ステージ9と、基板ステージ6を吐出ヘッド2に対して水平方向(X方向、Y方向)にそれぞれ移動させかつ位置決めするステージ10a、10bとを備えている。なお、θ軸ステージ9は、ステッピングモータ等から構成され、ステージ10a、10bは、リニアモータ等から構成されている。
【0021】
前記吐出機構3は、吐出ヘッド2とこれにチューブ11を介して接続されたタンクTを備えてなるものである。タンクTは液状体Lを貯留するもので、チューブ11を介してこの液状体Lを吐出ヘッド2に供給するものとなっている。このような構成によって吐出機構3は、タンクTに貯留された液状体Lを吐出ヘッド2から吐出し、これを基板SUB上に塗布するようになっている。なお、液状体Lは、目的とする構成要素となる固形分(樹脂や金属など)と、これを溶解させる溶媒あるいは分散させる分散媒と、必要に応じて加えられる各種添加材とによって形成されるもので、全体が溶液であり、あるいはコロイド状、分散液状等の液状を呈するものである。
【0022】
前記吐出ヘッド2は、例えばピエゾ素子によって液室を圧縮してその圧力波で液体を吐出させるもので、一列又は複数列に配列された複数のノズル(ノズル孔)を有している。
ここで、吐出ヘッド2は、図3(a)に示すように例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数のキャビティ15…とリザーバ16とが形成されており、これらキャビティ15…とリザーバ16とは流路17を介して連通している。
【0023】
各キャビティ15とリザーバ16の内部とは液状体で満たされるようになっており、これらの間の流路17はリザーバ16からキャビティ15に液状体を供給する供給口として機能するようになっている。また、ノズルプレート12には、キャビティ15から液状体を噴射するための孔状のノズル18が縦横に整列した状態で複数形成されている。一方、振動板13には、リザーバ16内に開口する孔19が形成されており、この孔19にはタンクTがチューブ11(図1、図2参照)を介して接続されている。
【0024】
また、振動板13のキャビティ15に向く面と反対の側の面上には、図3(b)に示すように圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21、21間に挟持され、通電により外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたもので、吐出ヘッド2における吐出手段として機能するものである。
【0025】
このような構成のもとに圧電素子20が接合された振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲し、これによりキャビティ15の容積を増大させる。すると、キャビティ15内とリザーバ16内とが連通しており、リザーバ16内に液状体が充填されている場合には、キャビティ15内に増大した容積分に相当する液状体が、リザーバ16から流路17を介して流入する。
そして、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。よって、キャビティ15も元の容積に戻ることから、キャビティ15内部の液状体の圧力が上昇し、ノズル18から液状体の液滴22が吐出される。
【0026】
なお、吐出ヘッドの吐出手段としては、前記の圧電素子(ピエゾ素子)20を用いた電気機械変換体以外でもよく、例えば、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた方式や、帯電制御型、加圧振動型といった連続方式、静電吸引方式、さらにはレーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用で液状体を吐出させる方式を採用することもできる。
【0027】
前記制御部Cは、装置全体の制御を行うマイクロプロセッサ等のCPUや、各種信号の入出力機能を有するコンピュータなどによって構成されたもので、図1、図2に示したように吐出機構3及び移動機構4にそれぞれ電気的に接続されたことにより、吐出機構3による吐出動作、及び移動機構4による移動動作の少なくとも一方、本例では両方を制御するものとなっている。そして、このような構成により、液状体Lの塗布条件を変え、形成する薄膜の膜厚等を制御する機能を有したものとなっている。
【0028】
すなわち、制御部Cは、前記膜厚を制御する機能として、基板SUB上の液状体Lの吐出間隔を変える制御機能と、1ドット当たりの液状体Lの吐出量を変える制御機能と、ノズル18の配列方向と移動機構4による移動方向との角度θを変える制御機能と、基板SUB上の同一位置に繰り返し塗布を行う際に繰り返す塗布ごとに塗布条件を設定する制御機能と、基板SUB上を複数の領域に分けて各領域ごとに塗布条件を設定する制御機能とを備えている。
【0029】
さらに、制御部Cは、前記吐出間隔を変える制御機能として、基板SUBと吐出ヘッド2との相対的な移動の速度を変えて吐出間隔を変える制御機能と、移動時における吐出の時間間隔を変えて吐出間隔を変える制御機能と、複数のノズルのうち同時に液状体Lを吐出させるノズルを任意に設定して吐出間隔を変える機能とを備えている。
【0030】
チャンバー23は、本例では図1に示したように前記吐出ヘッド2を収容するとともに、基板SUB及びこれを移動させるステージ駆動部8を収容したもので、内部を気密に保持して設定した雰囲気に保持できるようにしたものである。また、このチャンバー23には温度調整器(図示せず)が設けられており、内部の温度が設定温度に保持されるようになっている。また、このチャンバー23には配管24を介して前記蒸気供給機構5が接続され、別の配管25を介して蒸気処理装置26が接続され、さらに別の配管27を介して大気中に開放されるようになっている。
【0031】
前記蒸気供給機構5は、溶媒や分散媒、すなわち前記液状体Lに用いられた溶媒や分散媒、あるいはこれらと物性が近い溶媒等の液を貯留するガラス瓶等からなる液貯留部28と、この液貯留部28内の溶媒等の蒸気をチャンバー23内に供給するための送気ポンプ29と、配管24の開閉をなす電磁弁30とを備えて構成されたものである。液貯留部28は、内部を密空間とし、この内部に前記溶媒等の液を貯留したもので、液状の溶媒等の上部側に、この溶媒等から発生した蒸気を貯留させたものである。そして、この蒸気を貯留させた上部側に前記配管24が接続されていることにより、この蒸気はチャンバー23側に流出可能となっている。
【0032】
すなわち、電磁弁30を開いて配管24をチャンバー23内に連通させ、その状態で送気ポンプ29を作動させることにより、前記蒸気をチャンバー23内に供給できるようになっている。
また、この蒸気供給機構5には、配管24を通じてチャンバー23内に供給される蒸気の温度を調整するための温度調整機構31が設けられている。この温度調整機構31は、本例では前記液貯留部28を内部に収容する槽32と、この槽32内に温度を調整した水を循環させるための温度調整器33とから構成されたもので、液貯留部28内の液や蒸気の温度を循環水によって設定温度に調整するためのものである。ここで、温度調整器33は、その循環水の温度を前記チャンバー23内の温度以下に設定するよう構成されたもので、これによりチャンバー23内に導入する蒸気の温度を、チャンバー23内の温度以下となるようにしたものである。
【0033】
前記蒸気処理装置26は、前記蒸気を処理するための蒸気処理槽34と、この蒸気処理槽34に接続された真空ポンプからなる吸引ポンプ35と、配管25の開閉をなす電磁弁36とを備えて構成されたものである。蒸気処理槽34は、活性炭等の蒸気吸着剤を充填したもので、後述するようにチャンバー23内から吸引された蒸気を吸着除去するためのものである。なお、この蒸気処理槽34の前に冷却器で冷却された回収瓶を配しておき、チャンバー23内から流出してきた蒸気を回収瓶で冷却して液化・回収するようにし、その後前記の蒸気処理槽34で残りの蒸気を吸着除去するようにしてもよい。
配管27にはこれを開閉するための電磁弁37が設けられており、これが開かれることによってチャンバー23内は大気中に開放されるようになっている。
【0034】
次に、このような構成の吐出装置1による液状体の吐出を基に、本発明の液状体の吐出方法の一例を説明する。なお、この説明においては、液状体の種類として特に限定することなく、任意のものを用いるものとする。
まず、チャンバー23内に基板SUBを入れてこれをステージ駆動部8上の所定位置に載置固定する。
【0035】
次いで、吐出ヘッド2からの液状体の吐出に先立ち、蒸気供給機構5によってチャンバー23内に溶剤等の蒸気、好ましくは吐出ヘッド2から吐出する液状体Lに用いられている溶媒あるいは分散媒の蒸気を導入する。すなわち、液貯留部28に液状体Lに用いられている溶媒あるいは分散媒を入れ、電磁弁30を閉じた状態で温度調整器33により液貯留部28を所定温度に調整する。すると、液貯留部28内では溶媒あるいは分散媒の液の気化が起こり、気液平衡となる量の蒸気が液貯留部28内の空間部分に生成される。
【0036】
このようにして十分な量の蒸気が生成したら、電磁弁30を開き、その後送気ポンプ29を作動させてチャンバー23内に前記液貯留部28内の蒸気を導入する。このとき、チャンバー23については、予め吸引ポンプ35によって十分に減圧しておき、チャンバー23内に導入された蒸気の濃度が十分に高くなるようにしておくのが好ましい。
ただし、蒸気濃度が高くなりすぎて過飽和状態にならないようにするのが望ましい。なぜなら、過飽和状態になると、一部の蒸気が液化し、基板SUB面を濡らして形成する構成要素の性状を損なったり、吐出ヘッド2の吐出面を濡らして吐出性能を損なうおそれがあるからである。
【0037】
また、このように過飽和になるのを防止するため、前記蒸気の温度は温度調整機構31によってチャンバー23内の温度より低くなるようにしておく。このようにすれば、チャンバー23内に導入された蒸気がチャンバー23内で冷えて元の温度より低くなり、その一部が液化してしまうのを防止することができるからである。
【0038】
このようにして蒸気をチャンバー23内に導入に、これにより吐出ヘッド2と基板SUBとの間に蒸気を配したら、送気ポンプ29を停止し、電磁弁30を閉じる。そして、吐出ヘッド2、移動機構4をそれぞれ作動させ、吐出ヘッド2より液状体Lを吐出する。このとき、吐出ヘッド2と基板SUBとの間に蒸気があるので、吐出ヘッド2中の液状体L中に含まれる溶媒あるいは分散媒の蒸発が起こりにくくなる。
【0039】
すなわち、図4に示すように吐出ヘッド2のノズル18近傍にある液状体L中の溶媒あるいは分散媒の分子Sは、吐出ヘッド2と基板SUBとの間にある蒸気Vの存在によってその気化が抑えられることにより、蒸発が起こりにくくなっているのである。したがって、長い時間液状体Lを吐出しない休止状態にあるノズル18にあっても、このノズル18の近傍にある液状体L中の溶媒あるいは分散媒が蒸発しにくいことから、その高粘度化が抑えられる。よって、液状体の高粘度化に起因する課題が解消され、フラッシンングも不要になる。
【0040】
そして、このようにフラッシングを行うことなく予定の吐出を終了したら、電磁弁36を開いて吸引ポンプ35を作動させ、さらに配管27の電磁弁37も開き、チャンバー23内を空気で置換する。また、チャンバー23内の蒸気は蒸気処理槽34で吸着除去し、またはその前に設けた回収瓶に回収する。
その後、チャンバー23から基板SUBを取り出し、乾燥工程に送って吐出・塗布した液状体を乾燥し、基板SUB上に構成要素を形成する。
【0041】
このような液状体の吐出方法にあっては、予めチャンバー23内に蒸気を導入し、吐出ヘッド2と基板SUBとの間に溶媒あるいは分散媒の蒸気を配しておくので、吐出ヘッド2中の液状体L中に含まれる溶媒あるいは分散媒の蒸発を起こりにくくし、休止状態にあるノズル18にある液状体Lの高粘度化を抑えることができ、したがってこの高粘度化に起因する課題を解消し、フラッシンングも不要にすることができる。そして、このようなことから、液状体Lの吐出によって形成する生産物のコストダウンを図り、その生産性を向上することができる。
【0042】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変更が可能である。例えば、蒸気供給機構5としては、前述したように送気ポンプ29によって液貯留部28から蒸気を吸引し、これをチャンバー23内に導入するようにしたが、図1中二点鎖線で示すように液貯留部28に配管40を通し、この配管40に乾燥ガスを通気してバブリングにより液状体Lの蒸気をチャンバー23内に導入するようにしてもよい。すなわち、乾燥ガスとして窒素やドライエアーを配管40を介して液貯留部28の液状体L内に通気し、乾燥ガス中に液状体Lの蒸気を含有させてこれをチャンバー23内に導入することにより、チャンバー23内に液状体Lの蒸気を流入させることができる。この場合にも、温度調整機構31によってチャンバー23内に流入させる蒸気及び乾燥ガスの温度を、チャンバー23内の温度より低くなるようにしておくのが好ましい。
【0043】
また、前記実施形態では、吐出ヘッド2と基板SUBとの間に溶媒あるいは分散媒の蒸気を配する方法としてチャンバー23を用いたが、このようなチャンバー23に代え、吐出ヘッド2と基板SUBとの間とその周囲とをエアーカーテンで仕切ってここに蒸気を導入するようにしてもよく、あるいは吐出ヘッド2と基板SUBとの間に連続的に蒸気を流すようにしてもよい。
【0044】
また、前記吐出装置1では、液状体を選択することにより任意の構成要素を形成することができる。例えば、有機EL素子の形成材料や金属配線の材料となる金属コロイド、さらにはマイクロレンズ材料やカラーフィルタ材料、液晶材料など各種の材料を液状体として用いることにより、デバイスを構成する種々の要素を形成することができる。また、生物学的な検体の作製などにも応用することができる。
【0045】
次に、このような構成要素の形成例として、有機EL装置の製造例について説明する。
図5は、前記吐出装置により一部の構成要素が製造された有機EL装置の側断面図であり、まずこの有機EL装置の概略構成を説明する。
図5に示すようにこの有機EL装置301は、基板311、回路素子部321、画素電極331、バンク部341、発光素子351、陰極361(対向電極)、および封止基板371から構成された有機EL素子302に、フレキシブル基板(図示略)の配線および駆動IC(図示略)を接続したものである。回路素子部321は基板311上に形成され、複数の画素電極331が回路素子部321上に整列している。そして、各画素電極331間にはバンク部341が格子状に形成されており、バンク部341により生じた凹部開口344に、発光素子351が形成されている。陰極361は、バンク部341および発光素子351の上部全面に形成され、陰極361の上には封止用基板371が積層されている。
【0046】
有機EL素子を含む有機EL装置301の製造プロセスは、バンク部341を形成するバンク部形成工程と、発光素子351を適切に形成するためのプラズマ処理工程と、発光素子351を形成する発光素子形成工程と、陰極361を形成する対向電極形成工程と、封止用基板371を陰極361上に積層して封止する封止工程とを備えている。
【0047】
発光素子形成工程は、凹部開口344、すなわち画素電極331上に正孔注入層352および発光層353を形成することにより発光素子351を形成するもので、正孔注入層形成工程と発光層形成工程とを具備している。そして、正孔注入層形成工程は、正孔注入層352を形成するための第1組成物(液状体)を各画素電極331上に吐出する第1吐出工程と、吐出された第1組成物を乾燥させて正孔注入層352を形成する第1乾燥工程とを有し、発光層形成工程は、発光層353を形成するための第2組成物(液状体)を正孔注入層352の上に吐出する第2吐出工程と、吐出された第2組成物を乾燥させて発光層353を形成する第2乾燥工程とを有している。
【0048】
この発光素子形成工程において、正孔注入層形成工程における第1吐出工程と、発光層形成工程における第2吐出工程とで前記の吐出装置1を用いている。
この有機EL装置301の製造においても、各構成要素形成のための吐出に先立ち、予め液状体Lの高粘度化を抑えることによってこの高粘度化に起因する課題を解消し、フラッシンングも不要にすることができ、したがって有機EL装置301のコストダウンを図り、その生産性を向上することができる。
【0049】
次に、前記吐出装置によって一部の構成要素を形成した電子機器の一例を説明する。
図6は、このような電子機器の一例としての携帯電話を示す斜視図である。図6において符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は前記の有機EL素子(有機EL装置301)を用いた表示部を示している。
図6に示した電子機器(携帯電話)は、前記の有機EL素子からなる表示部1001を備えているので、コストダウンが図られ、また生産性も向上したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吐出装置の概略構成図である。
【図2】図1に示した吐出装置の要部を説明するための図である。
【図3】(a)、(b)は吐出ヘッドの概略構成図である。
【図4】吐出ヘッドのノズル近傍の拡大図である。
【図5】有機EL装置の側断面図である。
【図6】電子機器の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…吐出装置、2…吐出ヘッド、5…蒸気供給機構、18…ノズル、
23…チャンバー、31…温度調整機構、SUB…基板、L…液状体、
1000…携帯電話本体、1001…表示部
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状体を吐出する吐出方法に係り、詳しくは吐出ヘッドのノズルでの、液状体の高粘度化に起因する液状体の飛行曲がりやノズル詰まりなどを防止した、液状体の吐出方法、液状体の吐出装置、及びこれらによって得られる電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器に用いられるデバイスの構成要素として、各種の材料からなる薄膜がある。このような薄膜を形成する技術としては、従来、スピンコート法や蒸着法など種々の方法が知られているが、近年、これらに代わる方法として、いわゆるインクジェット塗布法を利用した技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この技術は、相対移動手段によりインクジェットヘッド(吐出ヘッド)のノズルを基板に対し直線的に相対移動させ、これによって液状体よりなる塗布液を、基板上に均一に塗布できるようにしたものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−250389号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のようなインクジェット塗布法による技術では、以下に述べる解決すべき課題がある。
インクジェット塗布法に用いられる液状体を吐出するためのヘッド(吐出ヘッド)には、通常、液状体を吐出するためのノズルが多数形成されている。ところが、実際に液状体を吐出してこれを描画する際には、描画するパターンに応じて吐出がなされることから、全てのノズルから同時に吐出を行うことはなく、部分的にほとんど吐出を行わないノズルも存在してしまう。
【0005】
すると、このようにほとんど吐出を行わず、休止状態になるノズルでは、ノズル近傍にある液状体中の溶媒が蒸発してしまい、高粘度化してしまう。このような高粘度化がさらに進むと、液状体中の固形分が析出してしまう。
しかし、液状体が高粘度化すると吐出特性が変化してしまい、所望の描画品質が確保できなくなってしまう。また、固形分が析出してしまうと、この析出物によって液状体の液滴が飛行曲がりを起こし、さらには、吐出する液滴の重量や速度も変動してしまう。そして、はなはだしい場合には析出物によるノズル詰まりが起こり、液滴の吐出ができなくなってしまうこともある。
【0006】
このような課題を解消するため従来では、一定時間毎に、あるいは前記の休止状態が所定時間続くと、基板とは別の領域に液滴を吐出するフラッシングを所定時間(または所定回数)行い、休止状態にあるノズルの高粘度化した液状体を強制的に吐出するようにしている。
【0007】
しかしながら、このようなフラッシングを行うと、フラッシングにより液状体が無駄になってしまい、特に液状体が高価であったり希少であったりする場合に、大きな問題となってしまう。
また、フラッシングに時間を要してしまうことから、吐出に要する時間が長くなってしまい、結果として生産性が損なわれてしまう。
また、フラッシングを行うために各種の設備が必要となり、このため吐出装置自体が高価になってしまう。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、液状体の高粘度化に起因する課題を解消し、しかもフラッシンングを不要にした、液状体の吐出方法と液状体の吐出装置、及び電子機器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本発明の液状体の吐出方法は、ノズルから溶媒あるいは分散媒を含む液状体を吐出する吐出ヘッドを有した液状体の吐出装置により、基板に対し前記液状体を吐出する吐出方法であって、前記基板に対して前記液状体を吐出するに先立ち、予め前記吐出ヘッドと基板との間に溶媒あるいは分散媒の蒸気を配しておくことを特徴としている。
【0010】
この液状体の吐出方法によれば、予め前記吐出ヘッドと基板との間に溶媒あるいは分散媒の蒸気を配しておくので、吐出ヘッドから液状体を吐出する際、吐出ヘッド中の液状体中に含まれる溶媒あるいは分散媒の蒸発が起こりにくくなる。したがって、休止状態にあるノズルにあっても、このノズル近傍にある液状体中の溶媒あるいは分散媒が蒸発しにくいことによりその高粘度化が抑えられる。よって、液状体の高粘度化に起因する課題を解消することができ、しかもフラッシンングを不要にすることができる。
【0011】
また、前記液状体の吐出方法においては、前記吐出ヘッドと基板との間に配する蒸気を、前記液状体に含まれる溶媒あるいは分散媒と同じ溶媒あるいは分散媒の蒸気とするのが好ましい。
このようにすれば、吐出ヘッドと基板との間に配された蒸気により、基板に吐出された液状体の性状に影響がでることが防止され、またノズル近傍にある液状体中の溶媒の蒸発がより確実に抑えられる。
【0012】
また、前記液状体の吐出方法においては、前記吐出ヘッドと基板との間に配する溶媒あるいは分散媒の蒸気の温度を、前記吐出ヘッドと基板との間の温度以下にするのが好ましい。
このようにすれば、吐出ヘッドと基板との間に配された蒸気がここで冷えて元の温度より低くなることがなく、したがって過飽和になって蒸気の一部が液化し、基板面や吐出ヘッドのノズル形成面を濡らすといったことが防止される。
【0013】
本発明の液状体の吐出装置は、基板に対し、溶媒あるいは分散媒を含む液状体をノズルから吐出する吐出ヘッドを有した液状体の吐出装置であって、前記吐出ヘッドと基板とを収容するチャンバーと、前記チャンバー内に溶媒あるいは分散媒の蒸気を供給するための蒸気供給機構と、前記蒸気供給機構から供給される蒸気の温度を、前記チャンバー内の温度以下に調整する温度調整機構と、を備えたことを特徴としている。
【0014】
この液状体の吐出装置によれば、蒸気供給機構によって吐出前に予めチャンバー内に溶媒あるいは分散媒の蒸気を供給しておき、前記吐出ヘッドと基板との間に前記蒸気を配しておけば、吐出ヘッドから液状体を吐出する際、吐出ヘッド中の液状体中に含まれる溶媒あるいは分散媒の蒸発を起こりにくくすることができる。したがって、休止状態にあるノズルにあっても、このノズル近傍にある液状体中の溶媒あるいは分散媒が蒸発しにくいことによりその高粘度化が抑えられる。よって、液状体の高粘度化に起因する課題を解消することができ、しかもフラッシンングを不要にすることができる。
また、前記蒸気供給機構から供給される蒸気の温度を、温度調整機構によって前記チャンバー内の温度以下に調整することにより、吐出ヘッドと基板との間に配された蒸気がここで冷えて元の温度より低くなることを防止することができる。したがって、過飽和になって蒸気の一部が液化し、基板面や吐出ヘッドのノズル形成面を濡らすといったことを防止することができる。
【0015】
本発明の電子機器は、前記液状体の吐出方法、あるいは前記液状体の吐出装置によって構成要素の一部が形成されたことを特徴としている。
この電子機器によれば、液状体の高粘度化に起因する課題を解消することができ、しかもフラッシンングを不要にすることができる方法あるいは装置によって構成要素の一部が形成されているので、コストダウンが図られ、また生産性も向上したものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
図1、図2は本発明の液状体の吐出装置の一実施形態例を示す図であって、これらの図において符号1は液状体の吐出装置(以下、吐出装置と記す)である。この吐出装置1は、有機EL装置や液晶表示装置、電気泳動装置、プラズマディスプレイなどの電気光学装置や、各種半導体装置などからなるデバイスの構成要素を基板SUB上に形成するためのもので、液状体Lを基板SUB上に所望パターンで吐出するためのものである。
【0017】
また、この吐出装置1は、基板SUB上に液状体Lを吐出する吐出ヘッド2を有する吐出機構3と、該吐出ヘッド2と基板SUBとの位置を相対的に移動させる移動機構4と、吐出ヘッド2及び基板SUBを収容するチャンバー23と、吐出機構3及び移動機構4を制御する制御部Cとを備え、さらに前記チャンバー23内に溶媒あるいは分散媒の蒸気を供給する蒸気供給機構5を有して構成されたものである。
【0018】
前記移動機構4は、図2に示すように基板ステージ6上に載置された基板SUBの上方に、吐出ヘッド2を下方に向けて支持するヘッド支持部7と、上方の吐出ヘッド2に対して基板ステージ6とともに基板SUBをX、Y方向に移動させるステージ駆動部8とから構成されたものである。
【0019】
前記ヘッド支持部7は、吐出ヘッド2を基板SUBに対してその垂直方向(Z軸)に任意の移動速度で移動可能かつ位置決め可能なリニアモータ等の機構と、垂直中心軸を中心に吐出ヘッド2を回転させることによって下方の基板SUBに対して任意な角度に設定可能なステッピングモータ等の機構とを備えたものである。
【0020】
前記ステージ駆動部8は、垂直中心軸を中心に基板ステージ6を回転させて上方の吐出ヘッド2に対して任意な角度に設定可能なθ軸ステージ9と、基板ステージ6を吐出ヘッド2に対して水平方向(X方向、Y方向)にそれぞれ移動させかつ位置決めするステージ10a、10bとを備えている。なお、θ軸ステージ9は、ステッピングモータ等から構成され、ステージ10a、10bは、リニアモータ等から構成されている。
【0021】
前記吐出機構3は、吐出ヘッド2とこれにチューブ11を介して接続されたタンクTを備えてなるものである。タンクTは液状体Lを貯留するもので、チューブ11を介してこの液状体Lを吐出ヘッド2に供給するものとなっている。このような構成によって吐出機構3は、タンクTに貯留された液状体Lを吐出ヘッド2から吐出し、これを基板SUB上に塗布するようになっている。なお、液状体Lは、目的とする構成要素となる固形分(樹脂や金属など)と、これを溶解させる溶媒あるいは分散させる分散媒と、必要に応じて加えられる各種添加材とによって形成されるもので、全体が溶液であり、あるいはコロイド状、分散液状等の液状を呈するものである。
【0022】
前記吐出ヘッド2は、例えばピエゾ素子によって液室を圧縮してその圧力波で液体を吐出させるもので、一列又は複数列に配列された複数のノズル(ノズル孔)を有している。
ここで、吐出ヘッド2は、図3(a)に示すように例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数のキャビティ15…とリザーバ16とが形成されており、これらキャビティ15…とリザーバ16とは流路17を介して連通している。
【0023】
各キャビティ15とリザーバ16の内部とは液状体で満たされるようになっており、これらの間の流路17はリザーバ16からキャビティ15に液状体を供給する供給口として機能するようになっている。また、ノズルプレート12には、キャビティ15から液状体を噴射するための孔状のノズル18が縦横に整列した状態で複数形成されている。一方、振動板13には、リザーバ16内に開口する孔19が形成されており、この孔19にはタンクTがチューブ11(図1、図2参照)を介して接続されている。
【0024】
また、振動板13のキャビティ15に向く面と反対の側の面上には、図3(b)に示すように圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21、21間に挟持され、通電により外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたもので、吐出ヘッド2における吐出手段として機能するものである。
【0025】
このような構成のもとに圧電素子20が接合された振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲し、これによりキャビティ15の容積を増大させる。すると、キャビティ15内とリザーバ16内とが連通しており、リザーバ16内に液状体が充填されている場合には、キャビティ15内に増大した容積分に相当する液状体が、リザーバ16から流路17を介して流入する。
そして、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。よって、キャビティ15も元の容積に戻ることから、キャビティ15内部の液状体の圧力が上昇し、ノズル18から液状体の液滴22が吐出される。
【0026】
なお、吐出ヘッドの吐出手段としては、前記の圧電素子(ピエゾ素子)20を用いた電気機械変換体以外でもよく、例えば、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いた方式や、帯電制御型、加圧振動型といった連続方式、静電吸引方式、さらにはレーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用で液状体を吐出させる方式を採用することもできる。
【0027】
前記制御部Cは、装置全体の制御を行うマイクロプロセッサ等のCPUや、各種信号の入出力機能を有するコンピュータなどによって構成されたもので、図1、図2に示したように吐出機構3及び移動機構4にそれぞれ電気的に接続されたことにより、吐出機構3による吐出動作、及び移動機構4による移動動作の少なくとも一方、本例では両方を制御するものとなっている。そして、このような構成により、液状体Lの塗布条件を変え、形成する薄膜の膜厚等を制御する機能を有したものとなっている。
【0028】
すなわち、制御部Cは、前記膜厚を制御する機能として、基板SUB上の液状体Lの吐出間隔を変える制御機能と、1ドット当たりの液状体Lの吐出量を変える制御機能と、ノズル18の配列方向と移動機構4による移動方向との角度θを変える制御機能と、基板SUB上の同一位置に繰り返し塗布を行う際に繰り返す塗布ごとに塗布条件を設定する制御機能と、基板SUB上を複数の領域に分けて各領域ごとに塗布条件を設定する制御機能とを備えている。
【0029】
さらに、制御部Cは、前記吐出間隔を変える制御機能として、基板SUBと吐出ヘッド2との相対的な移動の速度を変えて吐出間隔を変える制御機能と、移動時における吐出の時間間隔を変えて吐出間隔を変える制御機能と、複数のノズルのうち同時に液状体Lを吐出させるノズルを任意に設定して吐出間隔を変える機能とを備えている。
【0030】
チャンバー23は、本例では図1に示したように前記吐出ヘッド2を収容するとともに、基板SUB及びこれを移動させるステージ駆動部8を収容したもので、内部を気密に保持して設定した雰囲気に保持できるようにしたものである。また、このチャンバー23には温度調整器(図示せず)が設けられており、内部の温度が設定温度に保持されるようになっている。また、このチャンバー23には配管24を介して前記蒸気供給機構5が接続され、別の配管25を介して蒸気処理装置26が接続され、さらに別の配管27を介して大気中に開放されるようになっている。
【0031】
前記蒸気供給機構5は、溶媒や分散媒、すなわち前記液状体Lに用いられた溶媒や分散媒、あるいはこれらと物性が近い溶媒等の液を貯留するガラス瓶等からなる液貯留部28と、この液貯留部28内の溶媒等の蒸気をチャンバー23内に供給するための送気ポンプ29と、配管24の開閉をなす電磁弁30とを備えて構成されたものである。液貯留部28は、内部を密空間とし、この内部に前記溶媒等の液を貯留したもので、液状の溶媒等の上部側に、この溶媒等から発生した蒸気を貯留させたものである。そして、この蒸気を貯留させた上部側に前記配管24が接続されていることにより、この蒸気はチャンバー23側に流出可能となっている。
【0032】
すなわち、電磁弁30を開いて配管24をチャンバー23内に連通させ、その状態で送気ポンプ29を作動させることにより、前記蒸気をチャンバー23内に供給できるようになっている。
また、この蒸気供給機構5には、配管24を通じてチャンバー23内に供給される蒸気の温度を調整するための温度調整機構31が設けられている。この温度調整機構31は、本例では前記液貯留部28を内部に収容する槽32と、この槽32内に温度を調整した水を循環させるための温度調整器33とから構成されたもので、液貯留部28内の液や蒸気の温度を循環水によって設定温度に調整するためのものである。ここで、温度調整器33は、その循環水の温度を前記チャンバー23内の温度以下に設定するよう構成されたもので、これによりチャンバー23内に導入する蒸気の温度を、チャンバー23内の温度以下となるようにしたものである。
【0033】
前記蒸気処理装置26は、前記蒸気を処理するための蒸気処理槽34と、この蒸気処理槽34に接続された真空ポンプからなる吸引ポンプ35と、配管25の開閉をなす電磁弁36とを備えて構成されたものである。蒸気処理槽34は、活性炭等の蒸気吸着剤を充填したもので、後述するようにチャンバー23内から吸引された蒸気を吸着除去するためのものである。なお、この蒸気処理槽34の前に冷却器で冷却された回収瓶を配しておき、チャンバー23内から流出してきた蒸気を回収瓶で冷却して液化・回収するようにし、その後前記の蒸気処理槽34で残りの蒸気を吸着除去するようにしてもよい。
配管27にはこれを開閉するための電磁弁37が設けられており、これが開かれることによってチャンバー23内は大気中に開放されるようになっている。
【0034】
次に、このような構成の吐出装置1による液状体の吐出を基に、本発明の液状体の吐出方法の一例を説明する。なお、この説明においては、液状体の種類として特に限定することなく、任意のものを用いるものとする。
まず、チャンバー23内に基板SUBを入れてこれをステージ駆動部8上の所定位置に載置固定する。
【0035】
次いで、吐出ヘッド2からの液状体の吐出に先立ち、蒸気供給機構5によってチャンバー23内に溶剤等の蒸気、好ましくは吐出ヘッド2から吐出する液状体Lに用いられている溶媒あるいは分散媒の蒸気を導入する。すなわち、液貯留部28に液状体Lに用いられている溶媒あるいは分散媒を入れ、電磁弁30を閉じた状態で温度調整器33により液貯留部28を所定温度に調整する。すると、液貯留部28内では溶媒あるいは分散媒の液の気化が起こり、気液平衡となる量の蒸気が液貯留部28内の空間部分に生成される。
【0036】
このようにして十分な量の蒸気が生成したら、電磁弁30を開き、その後送気ポンプ29を作動させてチャンバー23内に前記液貯留部28内の蒸気を導入する。このとき、チャンバー23については、予め吸引ポンプ35によって十分に減圧しておき、チャンバー23内に導入された蒸気の濃度が十分に高くなるようにしておくのが好ましい。
ただし、蒸気濃度が高くなりすぎて過飽和状態にならないようにするのが望ましい。なぜなら、過飽和状態になると、一部の蒸気が液化し、基板SUB面を濡らして形成する構成要素の性状を損なったり、吐出ヘッド2の吐出面を濡らして吐出性能を損なうおそれがあるからである。
【0037】
また、このように過飽和になるのを防止するため、前記蒸気の温度は温度調整機構31によってチャンバー23内の温度より低くなるようにしておく。このようにすれば、チャンバー23内に導入された蒸気がチャンバー23内で冷えて元の温度より低くなり、その一部が液化してしまうのを防止することができるからである。
【0038】
このようにして蒸気をチャンバー23内に導入に、これにより吐出ヘッド2と基板SUBとの間に蒸気を配したら、送気ポンプ29を停止し、電磁弁30を閉じる。そして、吐出ヘッド2、移動機構4をそれぞれ作動させ、吐出ヘッド2より液状体Lを吐出する。このとき、吐出ヘッド2と基板SUBとの間に蒸気があるので、吐出ヘッド2中の液状体L中に含まれる溶媒あるいは分散媒の蒸発が起こりにくくなる。
【0039】
すなわち、図4に示すように吐出ヘッド2のノズル18近傍にある液状体L中の溶媒あるいは分散媒の分子Sは、吐出ヘッド2と基板SUBとの間にある蒸気Vの存在によってその気化が抑えられることにより、蒸発が起こりにくくなっているのである。したがって、長い時間液状体Lを吐出しない休止状態にあるノズル18にあっても、このノズル18の近傍にある液状体L中の溶媒あるいは分散媒が蒸発しにくいことから、その高粘度化が抑えられる。よって、液状体の高粘度化に起因する課題が解消され、フラッシンングも不要になる。
【0040】
そして、このようにフラッシングを行うことなく予定の吐出を終了したら、電磁弁36を開いて吸引ポンプ35を作動させ、さらに配管27の電磁弁37も開き、チャンバー23内を空気で置換する。また、チャンバー23内の蒸気は蒸気処理槽34で吸着除去し、またはその前に設けた回収瓶に回収する。
その後、チャンバー23から基板SUBを取り出し、乾燥工程に送って吐出・塗布した液状体を乾燥し、基板SUB上に構成要素を形成する。
【0041】
このような液状体の吐出方法にあっては、予めチャンバー23内に蒸気を導入し、吐出ヘッド2と基板SUBとの間に溶媒あるいは分散媒の蒸気を配しておくので、吐出ヘッド2中の液状体L中に含まれる溶媒あるいは分散媒の蒸発を起こりにくくし、休止状態にあるノズル18にある液状体Lの高粘度化を抑えることができ、したがってこの高粘度化に起因する課題を解消し、フラッシンングも不要にすることができる。そして、このようなことから、液状体Lの吐出によって形成する生産物のコストダウンを図り、その生産性を向上することができる。
【0042】
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変更が可能である。例えば、蒸気供給機構5としては、前述したように送気ポンプ29によって液貯留部28から蒸気を吸引し、これをチャンバー23内に導入するようにしたが、図1中二点鎖線で示すように液貯留部28に配管40を通し、この配管40に乾燥ガスを通気してバブリングにより液状体Lの蒸気をチャンバー23内に導入するようにしてもよい。すなわち、乾燥ガスとして窒素やドライエアーを配管40を介して液貯留部28の液状体L内に通気し、乾燥ガス中に液状体Lの蒸気を含有させてこれをチャンバー23内に導入することにより、チャンバー23内に液状体Lの蒸気を流入させることができる。この場合にも、温度調整機構31によってチャンバー23内に流入させる蒸気及び乾燥ガスの温度を、チャンバー23内の温度より低くなるようにしておくのが好ましい。
【0043】
また、前記実施形態では、吐出ヘッド2と基板SUBとの間に溶媒あるいは分散媒の蒸気を配する方法としてチャンバー23を用いたが、このようなチャンバー23に代え、吐出ヘッド2と基板SUBとの間とその周囲とをエアーカーテンで仕切ってここに蒸気を導入するようにしてもよく、あるいは吐出ヘッド2と基板SUBとの間に連続的に蒸気を流すようにしてもよい。
【0044】
また、前記吐出装置1では、液状体を選択することにより任意の構成要素を形成することができる。例えば、有機EL素子の形成材料や金属配線の材料となる金属コロイド、さらにはマイクロレンズ材料やカラーフィルタ材料、液晶材料など各種の材料を液状体として用いることにより、デバイスを構成する種々の要素を形成することができる。また、生物学的な検体の作製などにも応用することができる。
【0045】
次に、このような構成要素の形成例として、有機EL装置の製造例について説明する。
図5は、前記吐出装置により一部の構成要素が製造された有機EL装置の側断面図であり、まずこの有機EL装置の概略構成を説明する。
図5に示すようにこの有機EL装置301は、基板311、回路素子部321、画素電極331、バンク部341、発光素子351、陰極361(対向電極)、および封止基板371から構成された有機EL素子302に、フレキシブル基板(図示略)の配線および駆動IC(図示略)を接続したものである。回路素子部321は基板311上に形成され、複数の画素電極331が回路素子部321上に整列している。そして、各画素電極331間にはバンク部341が格子状に形成されており、バンク部341により生じた凹部開口344に、発光素子351が形成されている。陰極361は、バンク部341および発光素子351の上部全面に形成され、陰極361の上には封止用基板371が積層されている。
【0046】
有機EL素子を含む有機EL装置301の製造プロセスは、バンク部341を形成するバンク部形成工程と、発光素子351を適切に形成するためのプラズマ処理工程と、発光素子351を形成する発光素子形成工程と、陰極361を形成する対向電極形成工程と、封止用基板371を陰極361上に積層して封止する封止工程とを備えている。
【0047】
発光素子形成工程は、凹部開口344、すなわち画素電極331上に正孔注入層352および発光層353を形成することにより発光素子351を形成するもので、正孔注入層形成工程と発光層形成工程とを具備している。そして、正孔注入層形成工程は、正孔注入層352を形成するための第1組成物(液状体)を各画素電極331上に吐出する第1吐出工程と、吐出された第1組成物を乾燥させて正孔注入層352を形成する第1乾燥工程とを有し、発光層形成工程は、発光層353を形成するための第2組成物(液状体)を正孔注入層352の上に吐出する第2吐出工程と、吐出された第2組成物を乾燥させて発光層353を形成する第2乾燥工程とを有している。
【0048】
この発光素子形成工程において、正孔注入層形成工程における第1吐出工程と、発光層形成工程における第2吐出工程とで前記の吐出装置1を用いている。
この有機EL装置301の製造においても、各構成要素形成のための吐出に先立ち、予め液状体Lの高粘度化を抑えることによってこの高粘度化に起因する課題を解消し、フラッシンングも不要にすることができ、したがって有機EL装置301のコストダウンを図り、その生産性を向上することができる。
【0049】
次に、前記吐出装置によって一部の構成要素を形成した電子機器の一例を説明する。
図6は、このような電子機器の一例としての携帯電話を示す斜視図である。図6において符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は前記の有機EL素子(有機EL装置301)を用いた表示部を示している。
図6に示した電子機器(携帯電話)は、前記の有機EL素子からなる表示部1001を備えているので、コストダウンが図られ、また生産性も向上したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吐出装置の概略構成図である。
【図2】図1に示した吐出装置の要部を説明するための図である。
【図3】(a)、(b)は吐出ヘッドの概略構成図である。
【図4】吐出ヘッドのノズル近傍の拡大図である。
【図5】有機EL装置の側断面図である。
【図6】電子機器の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…吐出装置、2…吐出ヘッド、5…蒸気供給機構、18…ノズル、
23…チャンバー、31…温度調整機構、SUB…基板、L…液状体、
1000…携帯電話本体、1001…表示部
Claims (5)
- ノズルから溶媒あるいは分散媒を含む液状体を吐出する吐出ヘッドを有した液状体の吐出装置により、基板に対し前記液状体を吐出する吐出方法であって、
前記基板に対して前記液状体を吐出するに先立ち、予め前記吐出ヘッドと基板との間に溶媒あるいは分散媒の蒸気を配しておくことを特徴とする液状体の吐出方法。 - 前記吐出ヘッドと基板との間に配する蒸気を、前記液状体に含まれる溶媒あるいは分散媒と同じ溶媒あるいは分散媒の蒸気とすることを特徴とする請求項1記載の液状体の吐出方法。
- 前記吐出ヘッドと基板との間に配する溶媒あるいは分散媒の蒸気の温度を、前記吐出ヘッドと基板との間の温度以下にすることを特徴とする請求項1又は2記載の液状体の吐出方法。
- 基板に対し、溶媒あるいは分散媒を含む液状体をノズルから吐出する吐出ヘッドを有した液状体の吐出装置であって、
前記吐出ヘッドと基板とを収容するチャンバーと、
前記チャンバー内に溶媒あるいは分散媒の蒸気を供給するための蒸気供給機構と、
前記蒸気供給機構から供給される蒸気の温度を、前記チャンバー内の温度以下に調整する温度調整機構と、を備えたことを特徴とする液状体の吐出装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の液状体の吐出方法、あるいは請求項4記載の液状体の吐出装置によって構成要素の一部が形成されてなることを特徴とする電子機器。
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JP2002311110A Pending JP2004141798A (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | 液状体の吐出方法と液状体の吐出装置、及び電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004141798A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011027557A (ja) * | 2009-07-27 | 2011-02-10 | Tokyo Metropolitan Univ | 試料の気液平衡化装置 |
JP2012071240A (ja) * | 2010-09-28 | 2012-04-12 | Dainippon Toryo Co Ltd | インクジェット塗装方法 |
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2002
- 2002-10-25 JP JP2002311110A patent/JP2004141798A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011027557A (ja) * | 2009-07-27 | 2011-02-10 | Tokyo Metropolitan Univ | 試料の気液平衡化装置 |
JP2012071240A (ja) * | 2010-09-28 | 2012-04-12 | Dainippon Toryo Co Ltd | インクジェット塗装方法 |
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