JP2004141389A - 採血補助器具 - Google Patents

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JP2004141389A JP2002309533A JP2002309533A JP2004141389A JP 2004141389 A JP2004141389 A JP 2004141389A JP 2002309533 A JP2002309533 A JP 2002309533A JP 2002309533 A JP2002309533 A JP 2002309533A JP 2004141389 A JP2004141389 A JP 2004141389A
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Masami Kamiya
神谷 正己
Akitoshi Nishikawa
西川 晃敏
Masahiro Tanpo
反保 雅博
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Sanwa Kagaku Kenkyusho Co Ltd
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Abstract

【課題】採血補助器具の換針カートリッジの交換作業時に、針先が作業者の身体に不用意に接触することのない構成を提供して、感染を防止する。
【解決手段】換針カートリッジを着脱可能に受け入れるカートリッジホルダをケース状本体10内に設け、このカートリッジホルダへのアクセスを許容する開閉ドア11をケース状本体の表面に設ける。カートリッジホルダは、カートリッジのキャップを保持してケース状本体10内でスライド可能なキャップホルダ部50と、カートリッジの本体を保持してケース状本体内でスライド可能な穿孔針ホルダ部60と、を備えていて、両ホルダ部は、開閉ドア近傍のアクセス位置において互いに隣接することで、キャップの付いた換針カートリッジの授受を可能する。換針カートリッジは、キャップが付いた状態においてのみ、開閉ドア11を通して、採血補助器具内に装着したり、取り外したりできる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、採血補助器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、病院内において糖尿病患者が所定の時間隔(例えば、4時間)で血糖値を測定する場合に、採血補助器具が使用される。採血補助器具は、先端部から針先が瞬時に突出して器具内に後退するものであって、これを用いて患者は、自身の指先を僅かに傷付け、そこから絞り出した血液を別の測定機にかけて、血糖値が測定される。
【0003】
従来の採血補助器具として、細長いペンシル状の本体内にスプリングを介して針27を進退可能に保持し、ペンシル状本体の先端に設けた小孔から針を瞬間的に突出させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ペンシル状の本体の先端に交換可能な穿刺針カートリッジを備えたものも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭59−160441号公報(第3頁左下欄、図2および図3)
【特許文献2】
特開2000−245717号公報(段落番号「0026」「0027」、図1〜図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の採血補助器具のいずれにおいても、針交換の際の安全性についての配慮が十分とは言えない。患者毎に別々の針を使用する等の目的で、針を交換する場合、採血補助器具から針を取り外す作業が当然必要となる。この取外作業において、針の先端が作業者の指先等に触れ、それによる感染が生じるおそれがある。
【0006】
特許文献2に開示された採血補助器具の穿刺針カートリッジにおいては、針を覆うキャップが設けられてはいるものの、針交換時において作業者が意識的にキャップを被せる作業を履行しない限りは、感染の危険性は防ぐことができない。
【0007】
【課題を解決するための手段・作用・効果】
本発明は、上記従来技術の問題を有効に解決するために創案されたものであり、以下の特徴を備えた採血補助器具を提供するものである。
【0008】
本発明の採血補助器具は、換針カートリッジを着脱可能に受け入れるカートリッジホルダをケース状本体内に備える。さらに、カートリッジホルダへのアクセスを許容する開閉ドアをケース状本体の表面に備える。
【0009】
そして、カートリッジホルダは、「キャップを保持してケース状本体内でスライド可能なキャップホルダ部」と「カートリッジ本体を保持してケース状本体内でスライド可能な穿孔針ホルダ部」とを備えていて、両ホルダ部は、開閉ドア近傍のアクセス位置において互いに隣接することで、キャップの付いた換針カートリッジの授受を可能する。
【0010】
したがって、換針カートリッジは、針先を覆うキャップを取り付けた状態においてのみ、採血補助器具に装着したり、取り外したりすることができる。また、換針カートリッジからキャップを外して針先を露出させるのは、ケース状本体の内部においてのみ行なわれる。針先が指先に穿孔を行なうのもケース状本体内においてのみである。
【0011】
なお、換針カートリッジとは、針が固定されたカートリッジ本体と、針先を覆う着脱可能なキャップと、を備えた交換カートリッジである。複数のカートリッジを用意することで、患者毎に異なる針を用いて指先への穿孔を行なうことができる。
【0012】
以上のように、本発明の採血補助器具においては、換針カートリッジの交換作業において、作業者の面前に針が露出することがない。したがって、針先が不用意に作業者の身体に触れるということがなく、したがって、それによる感染を引き起こすこともない。
【0013】
また、本発明の採血補助器具を用いて、患者毎に異なる穿孔針を用いて採血を行なうにあたって、換針カートリッジの使用・未使用の区別を明確にする方法が提供される。これは、換針カートリッジにおけるカートリッジ本体とキャップとの相対位置が、使用後の換針カートリッジと未使用の換針カートリッジとにおいて異なることとなるように設定することで達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。
【0015】
換針カートリッジの説明
図1は、換針カートリッジ1を示す斜視図である。換針カートリッジ1は、穿孔針4が固定されたカートリッジ本体3と、この本体に取り付けて針先を覆う着脱可能なキャップ2と、を備える。
【0016】
この換針カートリッジ1を後述の採血補助器具に装着して、指先への穿孔を行なう。複数のカートリッジを用意することで、患者毎に異なる針を用いて指先への穿孔を行なうことができる。
【0017】
採血補助器具全体の概要
図2は、本発明に係る採血補助器具の一例を示す斜視図である。図3は、図2の採血補助器具を反対側から見た図である。採血補助器具は、細長いケース状の本体10から構成されている。
【0018】
ケース状本体10の表面に設けた開閉ドア11は、ヒンジ式のドアであって、図3において紙面手前側に向かって開けることができる。開閉ドア11を開けることで、ケース状本体10内に配置されたカートリッジホルダへアクセスすることができる。カートリッジホルダの構成については後述する。換針カートリッジ(図1参照)は、キャップを取り付けた状態においてのみ、開閉ドア11を通して、カートリッジホルダに装着したり、取り出したりできる。
【0019】
キャップ操作レバー12a、12bは、ケース状本体10の側面にスライド可能に設けられている。換針カートリッジを本体内に装着した後、このレバーを矢印a方向にスライドさせることで、換針カートリッジからキャップが取り外される。キャップ操作レバー12aおよび12bのスライドと連動して、閉止板16aおよび16bもスライドし、その結果、穿孔時に指先を挿入するための挿入口17が開かれる。
【0020】
穿孔準備レバー13は、ケース状本体10の端部に配置されている。このレバー13を矢印b方向にスライドさせることで、ケース状本体10内で、キャップが外れて針先が露出した換針カートリッジを待機位置に待機させることができる。その後、開口状態にある挿入口17に指先を挿入した状態で発射ボタン14を押圧すると、指先に向ってカートリッジホルダ本体の針先が瞬間的に進退し、これにより指先への穿孔が行なわれる。患者は、指先を挿入口17から抜き、指先に滲み出た血液を別の測定装置にかけて、血糖値を測定する。
【0021】
穿孔後、カートリッジ本体3は元の位置に復帰する。換針カートリッジを交換する際には、キャップ操作レバー12a、12bを操作して、キャップ2をカートリッジ本体3に取り付ける。次に、イジェクトボタン15を押圧すると、開閉ドア11が開いて、キャップが付いた状態の換針カートリッジが本体10内から出てくる。
【0022】
このように、換針カートリッジは、針先を覆うキャップを取り付けた状態においてのみ、採血補助器具に装着したり、取り出したりすることができる。また、換針カートリッジからキャップが外れて針先が露出するのは、ケース状本体10の内部においてのみであって、針先が指先に穿孔を行なうのもケース状本体10内においてのみである。したがって、カートリッジの交換時に針先が不用意に作業者の身体に触れるということがなく、それによる感染を引き起こすこともない。
【0023】
採血補助器具の内部機構
次に、採血補助器具の内部機構を詳細に説明する。
【0024】
1.カートリッジホルダ
カートリッジホルダは、採血補助器具のケース状本体10の内部に収容されていて、ケース状本体10内をスライドする2つのホルダ部分(すなわち、キャップホルダ50と穿孔針ホルダ60)によって構成される。図4を参照して、これを説明する。
図4(a)は、ケース状本体の要部透視図である。図4(b)および図4(c)は、ケース状本体内にスライド可能に配置されたキャップホルダ50および穿孔針ホルダ60を取り出して示したものである。
【0025】
(キャップホルダ50)
キャップホルダ50のプレート部分16aには突起51が形成されていて、この突起51は、ケース状本体10に形成したスリット19aから外部に突出し、そこにキャップ操作レバー12aが固定される。なお、キャップホルダ50は、反対側にも同様のプレート部分16bを備えていて、そこに形成された突起が反対側のスリット19bから外部に突出し、そこにキャップ操作レバー12bが固定される。
すなわち、使用者は、ケース状本体10の表面に露出したキャップ操作レバー12a、12bを操作することで、ケース状本体10内のキャップホルダ50をスライドさせることができる。
なお、プレート部分16aおよび16bは、図2および図3に示した閉止板を構成する。すなわち、ケース状本体10の表面には穿孔時に指を挿入する挿入口17が設けられているが、図2および図3の状態においては、プレート部分16aおよび16bが当該挿入口17を閉止している。キャップ操作レバー12a、12bをスライドさせると、それと連動して閉止板(プレート部分)16a、16bもスライドし、その結果、穿孔時に指を挿入する挿入口が開かれる。
【0026】
(穿孔針ホルダ60)
また、穿孔針ホルダ60は、後述するように、穿孔準備レバー13(図2参照)に連結されていて、使用者は、ケース状本体10の表面に露出した穿孔準備レバー13を操作することで、ケース状本体10内の穿孔針ホルダ60を図4(b)のアクセス位置から図4(c)の待機位置までスライドさせることができる。
【0027】
(アクセス位置)
キャップホルダ50および穿孔針ホルダ60は、それぞれ、図4(b)に示したアクセス位置と図4(c)に示した位置との間で直線的にスライドすることができる。後述するように、アクセス位置においてのみ、開閉ドア11を通して、換針カートリッジは、カートリッジ本体3とキャップ2とを装着した状態で、採血補助器具のケース状本体10に装着したり、取り出したりすることができる。換言すると、使用者は、キャップホルダ50および穿孔針ホルダ60がアクセス位置にあるときのみ、開閉ドア11を通して、両者によって構成されるカートリッジホルダにアクセスすることができる。
図4(b)のアクセス位置においては、キャップホルダ50および穿孔針ホルダ60は最も接近し、互いのホールド部分52および62を隣接させる。このとき、隣接状態にある両ホールド部分52、62は開閉ドア11の近傍に位置する。したがって、この場合にのみ、換針カートリッジ1は、カートリッジ本体3にキャップ2を取り付けた状態で、隣接したホールド部分52および62に装着可能となる。逆に、ケース状本体10内へのアクセス経路は、開閉ドア11だけであるので、キャップホルダ50または穿孔針ホルダ60がアクセス位置からずれた位置にあると、換針カートリッジは、ケース状本体10に装着したり、取り外したりすることができない。
【0028】
(効果)
以上のような機構によって、換針カートリッジ1は、キャップを取り付けた状態においてのみ、採血補助器具のケース状本体10に対して装着および取外しが可能となる。したがって、換針カートリッジの交換作業の際に、作業者の面前に針先が露出することが確実に防止され、これにより、感染等を未然に防ぐことが可能となる。
【0029】
2.穿孔を行なうための機構(穿孔機構)
(不図示の前進用スプリング)
ケース状本体10の内面からは、内部に向かって突出する突起21が設けられている(図4(a)参照)。穿孔針ホルダ60は、突起21との間に不図示の前進用スプリングを挟み込んだ状態で、ケース状本体10内に配置されている。すなわち、穿孔針ホルダ60は、ケース状本体10内でスライド移動可能ではあるが、前進用スプリングによってアクセス位置(図4(b)の位置)に向けて付勢されている。
【0030】
(退避用スプリング69を介した穿孔針ホルダとスライド基台との連結)
一方、穿孔針ホルダ60は、スライド基台70を介して、穿孔準備レバー13(図2参照)に連結されている。スライド基台70は、ケース状本体10内で、ガイド壁22(図4(a)参照)に案内されてスライドする。
図5に示したように、穿孔針ホルダ60の一端には延在部65が設けられており、延在部65の図中右側先端には、紙面向こう側に向かって屈曲するフック部(不図示)が形成されている。このフック部(不図示)をスライド基台70の凹部71に係合させることで、穿孔針ホルダ60とスライド基台70とが連結される。
図6は、連結後における穿孔針ホルダ60およびスライド基台70を示している。穿孔針ホルダ60とスライド基台70とは、退避用スプリング69によって、互いに引き合う方向に付勢されている。退避用スプリング69は、その一端が穿孔針ホルダ60に設けた係合部64に固定され、他端がスライド基台70に設けた係合部74に固定されている。後述するように、この退避用スプリング69の付勢力によって、穿孔針4は、指先に刺さった後、瞬時に後退することができる。
【0031】
(穿孔準備レバーを構成するカバープレート13)
退避用スプリング69の一端が固定されたスライド基台70の係合部74には、その上側からカバープレート13が固定される(図7参照)。カバープレート13は、採血補助器具のケース状本体10の表面に露出し、図2に示した穿孔準備レバー13を構成する。
【0032】
3.穿孔手順
(換針カートリッジ1の装着 〜 キャップ2の取外し)
キャップホルダ50および穿孔針ホルダ60をアクセス位置において隣接させる。この状態で、開閉ドア11を開けて、キャップ2を取り付けた状態の換針カートリッジ1をケース状本体10内に装着する。このとき、換針カートリッジ1のキャップ2は、キャップホルダ50のホールド部52に保持され、換針カートリッジ本体3は、穿孔針ホルダ60のホールド部62に保持される。
開閉ドア11を閉じた後、キャップ操作レバー12a、12bをスライドさせて、ケース状本体10内に保持された換針カートリッジ1からキャップ2を外す。キャップ操作レバー12a、12bのスライドと連動して、開閉板16a、16bもスライドし、指を挿入する挿入口17が現れる。
【0033】
(穿孔準備レバー13の操作による、穿孔針ホルダ60の待機位置への移動)
穿孔針ホルダ60は、アクセス位置へと向けて付勢されているが、穿孔準備レバー13を右側にスライドさせると、穿孔針ホルダ60はスライド基台70にフック係合しているので、前進用スプリング(不図示)の付勢力に抗して、穿孔針ホルダ60を図4(c)の待機位置にまで移動させることができる。
ケース状本体10の内部には、係合孔24aを有する壁部24が立設されていて、穿孔針ホルダ60が待機位置にまでくると、穿孔針ホルダ60のアーム66の側面に形成した突部66aが係合孔24と係合する。この状態では、穿孔準備レバー13から手を離しても、アームの突部66aが係合孔24aに係合しているので、穿孔針ホルダ60は、前進用スプリング(不図示)の付勢力に抗して、待機位置に保持される。
【0034】
(発射ボタン14の押圧による穿孔)
穿孔針ホルダ60を図4(c)の待機位置に保持した状態で、挿入口17に指を挿入する。そして発射ボタン14を押圧すると、アームの突部66aと係合孔24aとの係合が解かれ、換針カートリッジ本体を保持した穿孔針ホルダ60が、前進用スプリング(不図示)の付勢力によって指先に向かって前進する。すなわち、穿孔針4が指先に向けて発射され、瞬間的に指先に穿孔を行なった後、今度は、退避用スプリング69の付勢力によって後退する。このときの指先に対する穿孔深さは、後述する穿孔深さ調節機構によって調節することができる。
【0035】
(換針カートリッジの取出し)
穿孔が終了した後、キャップ操作レバー12a、12bを操作して、換針カートリッジの本体3にキャップ2を固定する。採血補助器具のケース状本体10の側面から突出するイジェクタボタン15(図2参照)を押圧すると、イジェクタボタン15からケース状本体10内へと延びる不図示の突起が、換針カートリッジ1を押圧し、これにより、キャップが付いた状態の換針カートリッジ1が開閉ドア11を押し開けて外部に排出される。
これを可能とするため、イジェクトボタン15は、ケース状本体10上の開閉ドア11と対向する反対側のケース壁面に設けられている。また、開閉ドア11は、ヒンジ式でなくてもよく、スライド式、その他適宜の構成を採用できるが、イジェクトボタン15により押圧された換針カートリッジ1自身が開閉ドア11を押し開けて排出されるようにするためには、ヒンジ式の開閉ドア11が好ましい。
【0036】
4.穿孔深さ調節機構
(調整板80の構成)
穿孔針4を指先に突き刺す際の深さは、図8に要部を示した深さ調節機構によって調節することができる。この機構は、扇形の調整板80で構成される。調整板80は、軸81を中心として揺動可能であって、図8中紙面向こう側へと突出する操作つまみ83を備える。操作つまみ83は、図3に示しているように、ガイド孔18を通して、採血補助器具のケース状本体10の表面に突出する。
調整板80は、操作つまみ83が設けられた面とは反対側の面に、湾曲壁84を有している。湾曲壁84は、採血補助器具のケース状本体10の内側へ向かって、一定高さをもって立設されている。図8から分かるように、湾曲壁84は、調整板80の回転軸81を中心とした円弧Aを、斜めに横切るようにして形成されている。
【0037】
(調整板80の機能)
発射ボタン14が押圧された後、指先に向かって前進する穿孔針ホルダ60は、その一部が湾曲壁84に当接することで、前進移動が阻止され、その後、退避用スプリング69(図6参照)の付勢力によって反対方向へ後退する。すなわち、この当接が生じる位置は、カートリッジ本体3を保持して指先へ向かって前進する穿孔針ホルダ60の当該前進の終端位置を規定する。この当接は、図8中に想像線Lで示した線上で行なわれるように設定されている。
使用者は、ガイド孔18(図3参照)に沿って操作つまみ83を操作して、調整板80を回転軸81回りに回動させることで、想像線L上で生じる上記当接位置(終端位置)を変更することができる。すなわち、図8は、調整板80が中央位置にある状態を示しているが、調整板80が揺動して湾曲壁の端部84aが想像線L上にくると、当接位置(終端位置)は図8中左側(指先に近い側)となり、穿孔深さは最も深く調節される。
逆に、湾曲壁の反対側の端部84bが想像線L上にくると、当接位置(終端位置)は図8中右側(指先から遠い側)となり、穿孔深さは最も浅く調節される。操作つまみ83によって調整板80の揺動位置を換えることで、適宜、穿孔深さを調節することができる。
【0038】
なお、上記の機能が達成される限り、調節板は扇形である必要は無く、円形等、適宜の形態を採用することができ、同様に、湾曲壁84に換えて直線状に延在する壁部を採用してもよい。
【0039】
5.換針カートリッジの使用 未使用を区別するための機構
(概要)
未使用の換針カートリッジ1のキャップ2は、その端部2aが換針カートリッジ4の周面に設けたフランジ部5にぴったりと接して閉じられている。本発明においては、使用後に採血補助器具のケース状本体10から取り出した換針カートリッジと、未使用の換針カートリッジと、の区別が容易になるような工夫をしている。
すなわち、穿孔後に、キャップ操作レバー12a、12bを操作してキャップ2をアクセス位置にまで戻すときに、当該キャップ2を受ける換針カートリッジ本体3が“特定位置”に固定されるようにする。この“特定位置”に固定された換針カートリッジ本体3に対して、キャップ操作レバー12a、12bを図2中最も右側まで押し込んで、キャップ2を最後まで閉じたとき、キャップ2の端部2aとフランジ部5との間に所定の隙間が残るように、上記“特定位置”を設定する。そのための機構を、図9を参照して説明する。
【0040】
(弾性アームの突部と“特定位置”)
ケース状本体10の内部には、弾性アーム30が固定されている(図4(a)参照)。この弾性アーム30には、側方に向かって突出する突部31が設けられている。穿孔後に、キャップ操作レバー12a、12bを操作して、キャップ2を換針カートリッジ本体3に取り付けるとき、その際の押圧力で穿孔針ホルダ60は、図9中右側へと押圧される。しかし、そのとき、アーム30に設けた突部31が、穿孔針ホルダ60の側面に設けた係合凹部68と係合し、穿孔針ホルダ60がそれ以上、図中右側へと移動しないように“特定位置”に固定する。この“特定位置”は、各部材の寸法設計により適宜設定することができる。
【0041】
(効果)
以上のようにすることで、未使用の換針カートリッジにおいては、キャップ端部2aとフランジ部5との間に隙間がなく、使用後の換針カートリッジにおいては隙間が存在することとなる。これによって、両者を明瞭に区別することが可能となる。また、隙間が生じたときに露出する換針カートリッジ周面を目立つ色に着色しておけば、その区別がさらに明瞭となる。
【0042】
(楔状突起75aの構成)
なお、穿孔前に、アクセス位置にある穿孔針ホルダ60を待機位置へ向けて引っ張る際には、アーム30の突部31が係合凹部68と係合するのを防止する必要がある。これは、スライド基台70に設けた楔状突起75aを利用して行なう。図5に示したように、スライド基台70の一端から直線状に延びるアーム75の先端には、楔状突起75aが形成されている。この楔状突起75aは、アーム75の表面から紙面手前側に向かって突出している。
【0043】
(楔状突起75aの機能)
穿孔針ホルダ60を待機位置へと移動させるべく、穿孔準備レバー13を操作するとき、基台70も穿孔針ホルダ60と一体となって図9中右側へとスライドする。このとき、基台70に形成した楔状突起75aが弾性アーム30と当接し、弾性アーム30を穿孔針ホルダ60から遠ざかる方向へと撓ませる。この状態で、穿孔針ホルダ60側面の係合凹部68が突部31の側方を通り抜けるので、突部31が係合凹部68と係合することはなく、穿孔針ホルダ60は待機位置にまでスライドすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の採血補助器具に使用される換針カートリッジを説明する図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る採血補助器具を示す斜視図である。
【図3】図2の採血補助器具を反対側から見た図である。
【図4】カートリッジホルダの機構を説明する図である。
【図5】穿孔針ホルダとスライド基台を、連結前の状態で示す図である。
【図6】穿孔針ホルダとスライド基台を、連結後の状態で示す図である。
【図7】図6の状態から、スライド基台にカバープレートを取り付けた状態を示す図である。
【図8】穿孔深さを調節するための機構を説明する図である。
【図9】換針カートリッジの使用前後の区別を明瞭ならしめるための機構を説明する図である。
【符号の説明】
1 換針カートリッジ
2 キャップ
3 カートリッジ本体
4 穿孔針
5 フランジ部
10 ケース状本体
11 開閉ドア
12a、12b キャップ操作レバー
13 穿孔準備レバー(カバープレート)
14 発射ボタン
15 イジェクトボタン
16a、16b 閉止板(プレート部分)
17 挿入口
18 ガイド孔
19a、19b スリット
21 突起
22 ガイド壁
24 壁部
24a 係合孔
30 弾性アーム
31 突部
50 キャップホルダ
51 突起
52 ホールド部
60 穿孔針ホルダ
62 ホールド部
64 係合部
65 延在部
66 弾性アーム
66a 突部
68 係合凹部
69 退避用スプリング
70 スライド基台
71 凹部
74 係合部
75 アーム
75a 楔状突起
80 調整板
81 回転軸
83 操作つまみ
84 湾曲壁

Claims (6)

  1. 換針カートリッジ(1)を着脱可能に受け入れるカートリッジホルダをケース状本体(10)内に備えるとともに、カートリッジホルダへのアクセスを許容する開閉ドア(11)をケース状本体(10)の表面に備えた採血補助器具であって、
    換針カートリッジ(1)は、穿孔針(4)が固定されたカートリッジ本体(3)と、針先を覆う着脱可能なキャップ(2)と、を備えており、
    カートリッジホルダは、キャップ(2)を保持してケース状本体(10)内でスライド可能なキャップホルダ部(50)と、穿孔針が固定されたカートリッジ本体(3)を保持してケース状本体(10)内でスライド可能な穿孔針ホルダ部(60)と、を備えていて、両ホルダ部は、開閉ドア(11)近傍のアクセス位置において互いに隣接することで、キャップの付いた換針カートリッジ(1)の授受を可能とし、
    ケース状本体(10)には指を挿入する開口が設けられていて、
    カートリッジ本体(3)を保持した穿孔針ホルダ部(60)を上記開口から離れた待機位置に一時的に係止するとともに、発射ボタン(14)の操作により当該係止を解いて、上記開口に挿入された指先に向って穿孔針(4)の針先を瞬間的に進退させる穿孔機構を備えた、採血補助器具。
  2. 上記ケース状本体(10)には、調整板(80)が揺動可能に取り付けられていて、
    当該調整板(80)は、ケース状本体(10)の外部に露出する操作つまみ(83)と、カートリッジ本体(3)を保持して指先へ向かって前進する穿孔針ホルダ(60)と当接することで当該前進の終端位置を規定する壁部(84)と、を備えていて、
    操作つまみ(83)で調整板(80)の揺動位置を変えることで、穿孔針ホルダ(60)と壁部(84)とが当接する上記終端位置を変え、これにより、穿孔針(4)の指先への穿孔深さを調整することができる、請求項1記載の採血補助器具。
  3. 上記開閉ドア(11)は、ケース状本体(10)に対してヒンジ式に開閉するように設けられていて、
    ケース状本体(10)上の開閉ドア(11)と対向する反対側のケース壁面にイジェクトボタン(15)が設けられていて、イジェクトボタン(15)はケース状本体(10)内部に向かって突出する突起を備え、
    キャップ(2)の付いた換針カートリッジ(1)が上記アクセス位置にあるときイジェクトボタンを押圧すると、上記突起が換針カートリッジ(1)を押圧して、開閉ドア(11)を通して外部に排出する、請求項1記載の採血補助器具。
  4. 指先への穿孔後にケース状本体(10)内でカートリッジ本体(3)にキャップ(2)を取り付けるときに、キャップ(2)からカートリッジ本体(3)に作用する押圧力を支持して、カートリッジ本体(3)を特定位置に位置決めする係合機構(31、68)を備え、
    上記特定位置にあるカートリッジ本体(3)に対して、キャップ(2)を装着したとき、カートリッジ本体(3)とキャップ(2)との相対位置が、未使用の換針カートリッジにおけるそれとは異なるように設定し、これにより、換針カートリッジの使用・未使用の区別が明確となるようにした、請求項1記載の採血補助器具。
  5. 請求項1記載の採血補助器具を用いて、患者毎に異なる穿孔針を用いて採血を行なうにあたって、
    カートリッジ本体(3)とキャップ(2)との相対位置が、使用後の換針カートリッジと未使用の換針カートリッジとにおいて異なることとなるように設定し、これにより、換針カートリッジの使用・未使用の区別を明確にする方法。
  6. 使用後の換針カートリッジにおいてのみ外部に露出する部分が存在することとなるように、使用後の換針カートリッジと未使用の換針カートリッジとにおいて、カートリッジ本体(3)とキャップ(2)との相対位置を異ならせ、
    当該露出する部分に目立つ着色を施して、換針カートリッジの使用・未使用の区別を明確にする、請求項5記載の方法。
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US8246645B2 (en) 2005-09-29 2012-08-21 Izumi-Cosmo Company, Limited Lancet assembly and pricking device

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