JP2004141229A - 紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】筒状軸の両端から条片を剥ぎ取ることにより異なる2種類の芯材を露出せしめることができる紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具を与える。
【解決手段】巻紙を巻いて形成される筒状軸及び該筒状軸の筒内に位置する棒状の芯材から成る、紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具であって、巻紙は基準線に関し逆方向に傾斜した複数の切離線を有し、該切離線によって多数の条片が形成され、条片を剥ぎ取ることにより芯材が露出するところの紙巻鉛筆型化粧品及び筆記用具であり、芯材は異なる特性を有する化粧料若しくは筆記具材料から成り、筒状軸の両端から条片を剥ぎ取ることにより、両端から芯材を露出せしめることができることを特徴とする、紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具。
【選択図】図1
【解決手段】巻紙を巻いて形成される筒状軸及び該筒状軸の筒内に位置する棒状の芯材から成る、紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具であって、巻紙は基準線に関し逆方向に傾斜した複数の切離線を有し、該切離線によって多数の条片が形成され、条片を剥ぎ取ることにより芯材が露出するところの紙巻鉛筆型化粧品及び筆記用具であり、芯材は異なる特性を有する化粧料若しくは筆記具材料から成り、筒状軸の両端から条片を剥ぎ取ることにより、両端から芯材を露出せしめることができることを特徴とする、紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧品若しくは筆記具に関し、特に、紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、紙を巻いて形成した筒状軸を有する、リップ、リップライナー、アイブロウ、アイライナー、アイシャドウ、コンシーラー等の紙巻鉛筆型化粧品、若しくはクレヨン、色鉛筆、消しゴム等の紙巻鉛筆型筆記具が使用されている。ペンシル化粧品として棒状化粧料を剥脱可能に紙で巻いた紙巻化粧料が周知である(例えば、特許文献1参照)。また、紙巻棒状化粧料の製造方法も周知である(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
実開昭55−95612号公報
【0004】
【特許文献2】
特許第2741097号公報
【0005】
これらの紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具は、一般的に、巻紙を巻いて形成する筒状軸及び筒状軸の筒内に位置する芯材から構成されており、筒状軸の一方の端部の巻紙を順次剥くことにより、芯材を徐々に露出させて使用する。
【0006】
このような紙巻鉛筆型化粧品または筆記具は、芯材を露出させるために軸を削る必要がないため、手間が省ける。また、旅行に携帯する際などにも、削り器を必要としないため荷物を少なくすることができる。さらに、削り器から出る削り屑により使用者の手や衣服を汚す心配がない。
【0007】
しかし、このような従来の紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具は、筒状軸の一方端からのみ芯材が露出する構成となっているため、色を替えようとすると、2本必要になる。その結果、荷物が倍になって携帯性が悪くなるばかりか、経済的でないといった問題がある。
【0008】
本願はこのような問題点に鑑みて為されたものである。したがって、本発明の目的は、携帯性及び経済性に優れ、1本で2種類の色を使用できる紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具を与えることである。
【0009】
また、本願の他の目的は、1本で2種類の色を兼ね備えた紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の製造方法を与えることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る巻紙を巻いて形成される筒状軸及び該筒状軸の筒内に位置する棒状の芯材から成る、紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具は、
巻紙が基準線に関し逆方向に傾斜した複数の切離線を有し、該切離線によって多数の条片が形成され、
条片を剥ぎ取ることにより芯材が露出するところの紙巻鉛筆型化粧品及び筆記用具であり、
芯材は異なる特性を有する化粧料若しくは筆記具材料から成り、
筒状軸の両端から条片を剥ぎ取ることにより、両端から芯材を露出せしめることができることを特徴とする。
【0011】
好適には、巻紙は、矩形のシートであり、該矩形の一方の長辺に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線が形成された第1の部分と、該矩形の他方の長辺に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線が形成された第2の部分とから成り、第1の部分と第2の部分の切離線は矩形の基準線に関して対称である。
【0012】
変形的に、巻紙は、矩形のシートであり、該矩形の一方の長辺に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線が形成された第1の部分と、該矩形の他方の長辺に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線が形成された第2の部分とから成り、第1の部分と第2の部分の切離線は矩形の基準線に関して非対称である。
【0013】
他に、巻紙は台形のシート部分を含み、該台形のシート部分は台形の一方の辺に沿って複数の切離線が形成された第1の部分と、該台形の他方の辺に沿って複数の切離線が形成された第2の部分とから成り、第1の部分と第2の部分の切離線は台形の基準線に関して対称である。
【0014】
変形的に、巻紙は台形のシート部分を含み、該台形のシート部分は台形の一方の辺に沿って複数の切離線が形成された第1の部分と、台形の他方の辺に沿って複数の切離線が形成された第2の部分とから成り、第1の部分と第2の部分の切離線は台形の基準線に関して非対称である。
【0015】
一方、本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具の製造方法は、
基準線に関して逆方向に所定の角度で傾斜する複数の切離線を有する巻紙を形成する工程と、
巻紙の端縁部に棒状の2種類の化粧料若しくは筆記具材料から成る芯材を固定し、当該芯材に巻紙を巻きつけて筒状軸を形成する工程と、
から成る。
【0016】
好適に、巻紙を形成する工程は、
基準線に関して一方側の面に基準線に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線を形成する工程と、
基準線に関して他方側の面に基準線に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線を形成する工程と、
から成る。
【0017】
他に、巻紙を形成する工程は、
基準線に関して逆方向に所定の角度で傾斜する複数の刃を有する切離線成形板によって、巻紙を押圧する工程から成る。
【0018】
【発明の実施の態様】
以下、図面を参照しながら本願発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の好適実施例を示したものである。紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具1は筒状軸2及び該筒状軸2の中心に位置する芯材(5,6)から成る。該筒状軸2は巻紙3を筒状に巻いたものである。巻紙3には以下に詳細に説明するように、筒状軸2の軸線と垂直な方向に対してやや傾斜した複数の好適に平行な切離線(好適にはミシン目)8が施されており、該ミシン目8によって複数の条片4が形成される。各条片4には孔7が穿設されており、孔7は筒状軸2の軸線方向に一列を為している。孔7の下側には切離糸9が封入され、その先端及び後端が3〜5mm程度外側に露出している。芯材(5,6)は、色、硬さ等の特性が異なる2種類の化粧料若しくは筆記具材料から成る。芯材(5,6)は後に詳細に説明するように、予め棒状に成形した固形化粧料若しくは固形筆記具材料を使用してもよいが、溶融した化粧料若しくは筆記具材料を筒状軸2内部に流し込んで冷却固化し棒状に形成してもよい。使用者は切離糸9を引いて筒状軸2から条片4を引き離し、それを剥ぎ取ることにより、芯材(5,6)を露出せしめることができる。従来の紙巻鉛筆型化粧品は、筒状軸のいずれか一方の端部からのみ芯材を露出させて使用されてきた。本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品1は、筒状軸2の両端から異なる色若しくは硬さを有する芯材(5,6)を露出させることが可能であるように構成されている。使用者は好みに応じて、いずれかの色を選択して使用することができる。紙巻鉛筆型化粧品1の両端には通常ペン先を保護するために透明若しくは半透明のプラスチック製のキャップ(図示せず)が装着されている。
【0019】
図2は、図1の紙巻鉛筆型化粧料1の筒状軸2を形成する巻紙3を展開したものである。巻紙3は好適には長方形の再生紙シートから成る。巻紙3は長辺22に対して所定の傾斜角度αを有する好適に平行な複数のミシン目25が形成された第1の部分Aと、長辺21に対して所定の傾斜角度−αを有する好適に平行な複数のミシン目24が形成された第2の部分Bから成る。傾斜角度αは芯材の太さ、材質、硬さ等に応じて適宜選択可能である。第1の部分Aのミシン目25及び第2の部分Bのミシン目24は長方形シートの基準線(好適には中心線)Cに関して対称である。平行なミシン目の間には条片4が形成される。長方形巻紙シート3の短辺26付近には、短辺26に沿って条片ごとに孔7が穿設されている。孔7の近傍には巻紙3を巻いて筒状軸2を形成した際に孔7の下側になるような位置に、切離糸9が接着剤等により接着されている。切離糸9は例えば丈夫なナイロン製の糸から成り、その両端は巻紙3の長辺(21,22)から3〜5mm程度長い位置で切断される。巻紙3の短辺26側には、短辺26に沿って所定の幅の着色シート(図示せず)が貼着されている。該着色シートには商品名、品番、色番、イメージ模様等が記載されている。着色シートは紙巻鉛筆型化粧品の外皮を構成し、商品の見栄えを良くし、消費者の購買意欲を刺激するのに役立つ。芯材として棒状に成形した固形のものを使用する場合には、短辺23に沿って芯材を配置し、芯材の回りに巻紙3を巻きつけることによって筒状軸2を形成する。
【0020】
図7は、巻紙3の変形例を示したものである。巻紙70は巻紙3と同様に長方形の再生紙シートから成る。巻紙70は長辺76に対して所定の傾斜角度αを有する好適に平行な複数のミシン目74が形成された第1の部分Aと、長辺75に対して所定の傾斜角度−αを有する好適に平行な複数のミシン目73が形成された第2の部分Bから成る。傾斜角度αは芯材の太さ、材質、硬さ等に応じて適宜選択可能である。第1の部分Aのミシン目74及び第2の部分Bのミシン目73は長方形シートの基準線(好適には中心線)Cに関して非対称である。平行なミシン目74の間には条片72が形成され、平行なミシン目73の間には条片71が形成される。条片71は条片72に比べ幅が広い。このような巻紙70は、第1の部分A側の芯材よりも第2の部分B側の芯材が軟らかく、減り方が速い場合に適用される。巻紙としてこれ以外にも、 第1の部分Aと第2の部分Bとでミシン目の傾斜角度が異なるもの、基準線Cが中心からずれたものなどが考えられる。
【0021】
図3は、本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の他の実施例を示したものである。紙巻鉛筆型化粧品30は筒状軸31及び該筒状軸31の中心に位置する芯材(33,34)から成る。該筒状軸31は巻紙32を筒状に巻いたものである。以下で詳細に説明するように、巻紙32の外皮部分41には、筒状軸31の軸線と垂直な方向に沿って好適に平行な複数のミシン目36が施されており、該ミシン目36によって複数の条片35が形成される。外皮部分41の下側には切離糸37が封入され、その先端及び後端が3〜5mm程度外側に露出している。芯材(33,34)は、色若しくは硬さの異なる2種類の化粧料若しくは筆記具材料から成る。芯材(33,34)は後に詳細に説明するように、予め棒状に成形した固形化粧料若しくは固形筆記具材料を使用してもよいが、溶融した化粧料若しくは筆記具材料を筒状軸30内部に流し込んで冷却固化し棒状に形成してもよい。使用者は切離糸37を引いて筒状軸31から条片35を引き離し、それを剥ぎ取ることにより、芯材(33,34)を露出せしめることができる。使用者は好みに応じて、いずれかの色を選択して使用することができる。紙巻鉛筆型化粧品30の両端には通常ペン先を保護するために透明若しくは半透明のプラスチック製のキャップ(図示せず)が装着されている。
【0022】
図4は、図3の紙巻鉛筆型化粧料30の筒状軸31を形成する巻紙32を展開したものである。巻紙32は台形部分40及び長方形の外皮部分41から成る。台形部分40は、辺43に沿って好適に平行な複数のミシン目45が形成された第1の部分Aと、辺42に沿って好適に平行な複数のミシン目44が形成された第2の部分Bから成る。第1の部分Aのミシン目45及び第2の部分Bのミシン目44は台形シートの基準線(好適には中心線)Cに関して対称である。平行なミシン目の間には条片35が形成される。長方形の外皮部分41には長辺46と垂直に複数のミシン目36が形成されている。外皮部分41は好適には、商品名、品番、色番、イメージ模様等が施された着色シートから成る。台形部分40及び外皮部分41は、それらの境界線48において、ミシン目(44,45)とミシン目36とが整合するように、接着剤等により接合される。境界線48近傍には巻紙32を巻いて筒状軸31を形成した際に外皮部分41の下側になるような位置に、切離糸37が接着剤等により接着されている。切離糸37は例えば丈夫なナイロン製の糸から成り、その両端は巻紙32の辺(42,43)から3〜5mm程度長い位置で切断される。芯材として棒状に成形した固形のものを使用する場合には、辺47に沿って芯材を配置し、芯材の回りに巻紙32を巻きつけることによって筒状軸31を形成する。図4の巻紙の変形例として、ミシン目45とミシン目44とが基準線Cに関して非対称なもの(例えば、ミシン目45と基準線Cとの間の角度が、ミシン目44と基準線Cとの間の角度と異なるもの、ミシン目45が作る条片の幅がミシン目44の作る条片の幅と異なるもの等)、基準線Cが巻紙の中心線からずれたもの等が考えられる。
【0023】
次に、本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の製造方法について説明する。当該方法は、基準線に関して逆方向に所定の角度で傾斜する好適に平行な複数の切離線を有する巻紙を形成する工程を含む。
【0024】
図5は、基準線に関して所定の角度で傾斜する好適に平行な複数の切離線を有する巻紙を形成するのに使用する装置を略示したものである。装置50は好適に平行な複数の刃55を有するカッターローラー53、駆動ローラー54、軸受け(51,52)及びテーブル56から成る。駆動ローラー54は例えばモーター等の駆動装置(図示せず)に連結されている。駆動装置からの回転力はベルト若しくはチェーンを介して駆動ローラー54に伝達される。駆動ローラー54が回転すると、それに伴ってカッターローラー53が回転する。テーブル56上に載置された巻紙57は、カッターローラー53及び駆動ローラー54の間に挟まれ、図中矢印A方向に移動される。巻紙57がカッターローラー53及び駆動ローラー54の間を通過するとき、巻紙上に複数の平行なミシン目が形成される。カッターローラー53に対してやや斜めに巻紙57を配置することによって、巻紙上に傾斜したミシン目を形成することができる。
【0025】
図2に示した巻紙3を形成する場合は、まず、第1の部分Aをその長辺22がカッターローラー53の軸線と垂直な方向に対し角度αを有するように配置し、それをカッターローラー53及び駆動ローラー54の間に通すことによって、ミシン目25を形成する。次に、第2の部分Bをその長辺21がカッターローター53の軸線と垂直な方向に対し角度−αを有するように配置し、それをカッターローラー53及び駆動ローラー54の間に通すことによって、ミシン目24を形成する。変形的に、長方形シートを基準線Cで切断し、切断した第1の部分A及び第2の部分Bにそれぞれミシン目25及び24を形成した後、それらを基準線Cで接合することによって巻紙3を形成してもよい。接合には例えば接着テープ等を使用することができる。最後に、パンチング機械によって、短辺26に沿って一列に条片4毎に孔7を穿設する。
【0026】
図7に示した巻紙70を形成する場合は、刃55の幅の異なる2種類のカッターローラーを使用することにより、上と同様に形成することができる。
【0027】
図4に示した巻紙32の台形部分40を形成する場合は、まず、第1の部分Aをその辺43がカッターローラー53の軸線と垂直になるように配置し、それをカッターローラー53及び駆動ローラー54の間に通すことによって、ミシン目45を形成する。次に、第2の部分Bをその辺42がカッターローラー53の軸線と垂直になるように配置し、それをカッターローラー53及び駆動ローラー54の間に通すことによって、ミシン目44を形成する。変形的に、所定の大きさの台形シートを基準線Cで切断し、切断した第1の部分A及び第2の部分Bにそれぞれミシン目45及び44を形成した後、第1の部分A及び第2の部分Bを基準線Cで接合することによって巻紙32の台形部分40を形成してもよい。続いて、着色シートである長方形の外皮部分41をその辺46がカッターローラー53の軸線と平行になるように配置し、それをカッターローラー53及び駆動ローラー54の間に通すことによってミシン目36を形成する。刃の間隔の異なる2種類のカッターローラーを使用することにより、基準線Cに関して非対称なミシン目を形成することもできる。最後に、台形部分40及び着色シートの外皮部分41を境界線48においてそれぞれのミシン目が整合するように接合する。
【0028】
次に、基準線に関して逆方向に所定の角度で傾斜する好適に平行な複数のミシン目を有する巻紙を形成する他の方法を説明する。基本的に図5に示される装置50を使用するが、異なるのは、カッターローラー53の替わりに図6に示されるカッターローラー60を使用する点である。図6(a)及び(b)はカッターローラー60の正面図及び背面図を示したものである。カッターローラー60の表面には、中心線61に対して所定の角度αだけ傾斜した複数の平行な刃(62,63)が中心線61に関して対称に形成されている。それぞれの刃は等間隔でかつスパイラル状に形成されている。カッターローラー60の周囲の長さは図2に示した巻紙3の長辺の長さ及び図4に示した巻紙32の台形部分40の高さに等しい。
【0029】
図6に示したカッターローラー60を使って図2に示した巻紙3を形成する場合には、まず、短辺26に沿って端部付近に着色シートを貼着した長方形の巻紙3の基準線Cをカッターローラー60の中心線61に合わせ、巻紙3の短辺26をカッターローラー60の境界線64と位置合わせする。次に、駆動ローラー54を回転させて巻紙3にミシン目(24,25)を同時に形成する。最後に、パンチング機械で孔7を穿設する。
【0030】
同様に、図4に示した巻紙32を形成する場合には、まず、巻紙の台形部分40の基準線Cをカッターローラー60の中心線61に合わせ、台形部分40の辺49をカッターローラー60の境界線64と位置合わせする。次に、駆動ローラー54を回転させて、巻紙の台形部分40にミシン目(44,45)を同時に形成する。続いて、従来のカッターローラー53によって着色シートである外皮部分41にミシン目36を形成する。最後に、台形部分40及び外皮部分41を、境界線48においてそれぞれのミシン目が整合するように接合する。
【0031】
基準線に関して非対称なミシン目を有する巻紙を形成する場合には、スパイラル状に形成された複数の平行な刃の角度及び/または間隔を適宜調整したカッターローラーを使用すればよい。
【0032】
基準線に関して逆方向に所定の角度で傾斜する好適に平行な複数のミシン目を有する巻紙を形成するさらに他の方法として、平坦な切離線成形板によって巻紙シートを押圧する方法がある。切離線成形板の表面には、基準線に関して逆方向に所定の角度で傾斜する好適に平行な複数の刃が形成されている。該切離線成形板により所定の圧力で巻紙シートをプレスすることで切離線成形板上の刃の模様がミシン目として巻紙シートに転写される。
【0033】
これらの方法によれば、一回の操作で基準線に関して逆方向に所定の角度で傾斜する複数の平行なミシン目を有する巻紙を形成することができるので、スループットが向上する。
【0034】
また、本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の製造方法は、巻紙の一方の端部付近に巻紙の短辺と平行に切離糸を固定する工程を含む。図2の巻紙3に切離糸9を固定する場合には、巻紙を巻いて筒状軸を形成した際、孔7の下側に位置するように切離糸9を接着剤等で固定する。図4の巻紙32に切離糸37を固定する場合には、巻紙を巻いて筒状軸を形成した際、着色シートの下側に位置するように台形部分40と外皮部分41との境界線48付近に該境界線48に沿って切離糸37を接着剤等で固定する。
【0035】
さらに、本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の製造方法は、巻紙の端縁部に予め棒状に成形した2種類の色を有する芯材を固定し、当該芯材を巻紙に巻きつけて筒状軸を形成する工程を含む。これ以外にも、巻紙を円柱状の棒体に巻き付け端縁部を接着剤で固定し、該棒体を引き抜いて筒状軸を形成した後、該筒状軸の内部に両端から溶融した2種類の化粧料若しくは筆記具材料を交互に流し込み、固化させて芯材を形成する方法もある。
【0036】
【効果】
本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具によれば、両端から条片を剥ぎ取ることによって2種類の色の芯材を露出せしめることができ、携帯性及び経済性に優れたペンシル型化粧品若しくは筆記具を与えることができた。
【0037】
本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の製造方法によれば、スループットを向上させることができ、その結果製造コストを下げることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の好適実施例を示す。
【図2】図2は、図1の紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具に使用する巻紙の展開図である。
【図3】図3は、本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の他の実施例を示す。
【図4】図4は、図3の紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具に使用する巻紙の展開図である。
【図5】図5は、本発明に係る紙巻型鉛筆化粧品若しくは筆記具に使用する巻紙を製造するための装置の略示図である。
【図6】図6は、図5の装置に使用するカッターローラーの変形例を示す。
【図7】図7は、図2の巻紙の変形例を示す。
【符号の説明】
1 紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具
2 筒状軸
3 巻紙
4 条片
5 芯材
6 芯材
7 孔
8 ミシン目
9 切離糸
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧品若しくは筆記具に関し、特に、紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、紙を巻いて形成した筒状軸を有する、リップ、リップライナー、アイブロウ、アイライナー、アイシャドウ、コンシーラー等の紙巻鉛筆型化粧品、若しくはクレヨン、色鉛筆、消しゴム等の紙巻鉛筆型筆記具が使用されている。ペンシル化粧品として棒状化粧料を剥脱可能に紙で巻いた紙巻化粧料が周知である(例えば、特許文献1参照)。また、紙巻棒状化粧料の製造方法も周知である(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
実開昭55−95612号公報
【0004】
【特許文献2】
特許第2741097号公報
【0005】
これらの紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具は、一般的に、巻紙を巻いて形成する筒状軸及び筒状軸の筒内に位置する芯材から構成されており、筒状軸の一方の端部の巻紙を順次剥くことにより、芯材を徐々に露出させて使用する。
【0006】
このような紙巻鉛筆型化粧品または筆記具は、芯材を露出させるために軸を削る必要がないため、手間が省ける。また、旅行に携帯する際などにも、削り器を必要としないため荷物を少なくすることができる。さらに、削り器から出る削り屑により使用者の手や衣服を汚す心配がない。
【0007】
しかし、このような従来の紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具は、筒状軸の一方端からのみ芯材が露出する構成となっているため、色を替えようとすると、2本必要になる。その結果、荷物が倍になって携帯性が悪くなるばかりか、経済的でないといった問題がある。
【0008】
本願はこのような問題点に鑑みて為されたものである。したがって、本発明の目的は、携帯性及び経済性に優れ、1本で2種類の色を使用できる紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具を与えることである。
【0009】
また、本願の他の目的は、1本で2種類の色を兼ね備えた紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の製造方法を与えることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る巻紙を巻いて形成される筒状軸及び該筒状軸の筒内に位置する棒状の芯材から成る、紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具は、
巻紙が基準線に関し逆方向に傾斜した複数の切離線を有し、該切離線によって多数の条片が形成され、
条片を剥ぎ取ることにより芯材が露出するところの紙巻鉛筆型化粧品及び筆記用具であり、
芯材は異なる特性を有する化粧料若しくは筆記具材料から成り、
筒状軸の両端から条片を剥ぎ取ることにより、両端から芯材を露出せしめることができることを特徴とする。
【0011】
好適には、巻紙は、矩形のシートであり、該矩形の一方の長辺に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線が形成された第1の部分と、該矩形の他方の長辺に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線が形成された第2の部分とから成り、第1の部分と第2の部分の切離線は矩形の基準線に関して対称である。
【0012】
変形的に、巻紙は、矩形のシートであり、該矩形の一方の長辺に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線が形成された第1の部分と、該矩形の他方の長辺に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線が形成された第2の部分とから成り、第1の部分と第2の部分の切離線は矩形の基準線に関して非対称である。
【0013】
他に、巻紙は台形のシート部分を含み、該台形のシート部分は台形の一方の辺に沿って複数の切離線が形成された第1の部分と、該台形の他方の辺に沿って複数の切離線が形成された第2の部分とから成り、第1の部分と第2の部分の切離線は台形の基準線に関して対称である。
【0014】
変形的に、巻紙は台形のシート部分を含み、該台形のシート部分は台形の一方の辺に沿って複数の切離線が形成された第1の部分と、台形の他方の辺に沿って複数の切離線が形成された第2の部分とから成り、第1の部分と第2の部分の切離線は台形の基準線に関して非対称である。
【0015】
一方、本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具の製造方法は、
基準線に関して逆方向に所定の角度で傾斜する複数の切離線を有する巻紙を形成する工程と、
巻紙の端縁部に棒状の2種類の化粧料若しくは筆記具材料から成る芯材を固定し、当該芯材に巻紙を巻きつけて筒状軸を形成する工程と、
から成る。
【0016】
好適に、巻紙を形成する工程は、
基準線に関して一方側の面に基準線に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線を形成する工程と、
基準線に関して他方側の面に基準線に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線を形成する工程と、
から成る。
【0017】
他に、巻紙を形成する工程は、
基準線に関して逆方向に所定の角度で傾斜する複数の刃を有する切離線成形板によって、巻紙を押圧する工程から成る。
【0018】
【発明の実施の態様】
以下、図面を参照しながら本願発明を詳細に説明する。図1は、本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の好適実施例を示したものである。紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具1は筒状軸2及び該筒状軸2の中心に位置する芯材(5,6)から成る。該筒状軸2は巻紙3を筒状に巻いたものである。巻紙3には以下に詳細に説明するように、筒状軸2の軸線と垂直な方向に対してやや傾斜した複数の好適に平行な切離線(好適にはミシン目)8が施されており、該ミシン目8によって複数の条片4が形成される。各条片4には孔7が穿設されており、孔7は筒状軸2の軸線方向に一列を為している。孔7の下側には切離糸9が封入され、その先端及び後端が3〜5mm程度外側に露出している。芯材(5,6)は、色、硬さ等の特性が異なる2種類の化粧料若しくは筆記具材料から成る。芯材(5,6)は後に詳細に説明するように、予め棒状に成形した固形化粧料若しくは固形筆記具材料を使用してもよいが、溶融した化粧料若しくは筆記具材料を筒状軸2内部に流し込んで冷却固化し棒状に形成してもよい。使用者は切離糸9を引いて筒状軸2から条片4を引き離し、それを剥ぎ取ることにより、芯材(5,6)を露出せしめることができる。従来の紙巻鉛筆型化粧品は、筒状軸のいずれか一方の端部からのみ芯材を露出させて使用されてきた。本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品1は、筒状軸2の両端から異なる色若しくは硬さを有する芯材(5,6)を露出させることが可能であるように構成されている。使用者は好みに応じて、いずれかの色を選択して使用することができる。紙巻鉛筆型化粧品1の両端には通常ペン先を保護するために透明若しくは半透明のプラスチック製のキャップ(図示せず)が装着されている。
【0019】
図2は、図1の紙巻鉛筆型化粧料1の筒状軸2を形成する巻紙3を展開したものである。巻紙3は好適には長方形の再生紙シートから成る。巻紙3は長辺22に対して所定の傾斜角度αを有する好適に平行な複数のミシン目25が形成された第1の部分Aと、長辺21に対して所定の傾斜角度−αを有する好適に平行な複数のミシン目24が形成された第2の部分Bから成る。傾斜角度αは芯材の太さ、材質、硬さ等に応じて適宜選択可能である。第1の部分Aのミシン目25及び第2の部分Bのミシン目24は長方形シートの基準線(好適には中心線)Cに関して対称である。平行なミシン目の間には条片4が形成される。長方形巻紙シート3の短辺26付近には、短辺26に沿って条片ごとに孔7が穿設されている。孔7の近傍には巻紙3を巻いて筒状軸2を形成した際に孔7の下側になるような位置に、切離糸9が接着剤等により接着されている。切離糸9は例えば丈夫なナイロン製の糸から成り、その両端は巻紙3の長辺(21,22)から3〜5mm程度長い位置で切断される。巻紙3の短辺26側には、短辺26に沿って所定の幅の着色シート(図示せず)が貼着されている。該着色シートには商品名、品番、色番、イメージ模様等が記載されている。着色シートは紙巻鉛筆型化粧品の外皮を構成し、商品の見栄えを良くし、消費者の購買意欲を刺激するのに役立つ。芯材として棒状に成形した固形のものを使用する場合には、短辺23に沿って芯材を配置し、芯材の回りに巻紙3を巻きつけることによって筒状軸2を形成する。
【0020】
図7は、巻紙3の変形例を示したものである。巻紙70は巻紙3と同様に長方形の再生紙シートから成る。巻紙70は長辺76に対して所定の傾斜角度αを有する好適に平行な複数のミシン目74が形成された第1の部分Aと、長辺75に対して所定の傾斜角度−αを有する好適に平行な複数のミシン目73が形成された第2の部分Bから成る。傾斜角度αは芯材の太さ、材質、硬さ等に応じて適宜選択可能である。第1の部分Aのミシン目74及び第2の部分Bのミシン目73は長方形シートの基準線(好適には中心線)Cに関して非対称である。平行なミシン目74の間には条片72が形成され、平行なミシン目73の間には条片71が形成される。条片71は条片72に比べ幅が広い。このような巻紙70は、第1の部分A側の芯材よりも第2の部分B側の芯材が軟らかく、減り方が速い場合に適用される。巻紙としてこれ以外にも、 第1の部分Aと第2の部分Bとでミシン目の傾斜角度が異なるもの、基準線Cが中心からずれたものなどが考えられる。
【0021】
図3は、本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の他の実施例を示したものである。紙巻鉛筆型化粧品30は筒状軸31及び該筒状軸31の中心に位置する芯材(33,34)から成る。該筒状軸31は巻紙32を筒状に巻いたものである。以下で詳細に説明するように、巻紙32の外皮部分41には、筒状軸31の軸線と垂直な方向に沿って好適に平行な複数のミシン目36が施されており、該ミシン目36によって複数の条片35が形成される。外皮部分41の下側には切離糸37が封入され、その先端及び後端が3〜5mm程度外側に露出している。芯材(33,34)は、色若しくは硬さの異なる2種類の化粧料若しくは筆記具材料から成る。芯材(33,34)は後に詳細に説明するように、予め棒状に成形した固形化粧料若しくは固形筆記具材料を使用してもよいが、溶融した化粧料若しくは筆記具材料を筒状軸30内部に流し込んで冷却固化し棒状に形成してもよい。使用者は切離糸37を引いて筒状軸31から条片35を引き離し、それを剥ぎ取ることにより、芯材(33,34)を露出せしめることができる。使用者は好みに応じて、いずれかの色を選択して使用することができる。紙巻鉛筆型化粧品30の両端には通常ペン先を保護するために透明若しくは半透明のプラスチック製のキャップ(図示せず)が装着されている。
【0022】
図4は、図3の紙巻鉛筆型化粧料30の筒状軸31を形成する巻紙32を展開したものである。巻紙32は台形部分40及び長方形の外皮部分41から成る。台形部分40は、辺43に沿って好適に平行な複数のミシン目45が形成された第1の部分Aと、辺42に沿って好適に平行な複数のミシン目44が形成された第2の部分Bから成る。第1の部分Aのミシン目45及び第2の部分Bのミシン目44は台形シートの基準線(好適には中心線)Cに関して対称である。平行なミシン目の間には条片35が形成される。長方形の外皮部分41には長辺46と垂直に複数のミシン目36が形成されている。外皮部分41は好適には、商品名、品番、色番、イメージ模様等が施された着色シートから成る。台形部分40及び外皮部分41は、それらの境界線48において、ミシン目(44,45)とミシン目36とが整合するように、接着剤等により接合される。境界線48近傍には巻紙32を巻いて筒状軸31を形成した際に外皮部分41の下側になるような位置に、切離糸37が接着剤等により接着されている。切離糸37は例えば丈夫なナイロン製の糸から成り、その両端は巻紙32の辺(42,43)から3〜5mm程度長い位置で切断される。芯材として棒状に成形した固形のものを使用する場合には、辺47に沿って芯材を配置し、芯材の回りに巻紙32を巻きつけることによって筒状軸31を形成する。図4の巻紙の変形例として、ミシン目45とミシン目44とが基準線Cに関して非対称なもの(例えば、ミシン目45と基準線Cとの間の角度が、ミシン目44と基準線Cとの間の角度と異なるもの、ミシン目45が作る条片の幅がミシン目44の作る条片の幅と異なるもの等)、基準線Cが巻紙の中心線からずれたもの等が考えられる。
【0023】
次に、本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の製造方法について説明する。当該方法は、基準線に関して逆方向に所定の角度で傾斜する好適に平行な複数の切離線を有する巻紙を形成する工程を含む。
【0024】
図5は、基準線に関して所定の角度で傾斜する好適に平行な複数の切離線を有する巻紙を形成するのに使用する装置を略示したものである。装置50は好適に平行な複数の刃55を有するカッターローラー53、駆動ローラー54、軸受け(51,52)及びテーブル56から成る。駆動ローラー54は例えばモーター等の駆動装置(図示せず)に連結されている。駆動装置からの回転力はベルト若しくはチェーンを介して駆動ローラー54に伝達される。駆動ローラー54が回転すると、それに伴ってカッターローラー53が回転する。テーブル56上に載置された巻紙57は、カッターローラー53及び駆動ローラー54の間に挟まれ、図中矢印A方向に移動される。巻紙57がカッターローラー53及び駆動ローラー54の間を通過するとき、巻紙上に複数の平行なミシン目が形成される。カッターローラー53に対してやや斜めに巻紙57を配置することによって、巻紙上に傾斜したミシン目を形成することができる。
【0025】
図2に示した巻紙3を形成する場合は、まず、第1の部分Aをその長辺22がカッターローラー53の軸線と垂直な方向に対し角度αを有するように配置し、それをカッターローラー53及び駆動ローラー54の間に通すことによって、ミシン目25を形成する。次に、第2の部分Bをその長辺21がカッターローター53の軸線と垂直な方向に対し角度−αを有するように配置し、それをカッターローラー53及び駆動ローラー54の間に通すことによって、ミシン目24を形成する。変形的に、長方形シートを基準線Cで切断し、切断した第1の部分A及び第2の部分Bにそれぞれミシン目25及び24を形成した後、それらを基準線Cで接合することによって巻紙3を形成してもよい。接合には例えば接着テープ等を使用することができる。最後に、パンチング機械によって、短辺26に沿って一列に条片4毎に孔7を穿設する。
【0026】
図7に示した巻紙70を形成する場合は、刃55の幅の異なる2種類のカッターローラーを使用することにより、上と同様に形成することができる。
【0027】
図4に示した巻紙32の台形部分40を形成する場合は、まず、第1の部分Aをその辺43がカッターローラー53の軸線と垂直になるように配置し、それをカッターローラー53及び駆動ローラー54の間に通すことによって、ミシン目45を形成する。次に、第2の部分Bをその辺42がカッターローラー53の軸線と垂直になるように配置し、それをカッターローラー53及び駆動ローラー54の間に通すことによって、ミシン目44を形成する。変形的に、所定の大きさの台形シートを基準線Cで切断し、切断した第1の部分A及び第2の部分Bにそれぞれミシン目45及び44を形成した後、第1の部分A及び第2の部分Bを基準線Cで接合することによって巻紙32の台形部分40を形成してもよい。続いて、着色シートである長方形の外皮部分41をその辺46がカッターローラー53の軸線と平行になるように配置し、それをカッターローラー53及び駆動ローラー54の間に通すことによってミシン目36を形成する。刃の間隔の異なる2種類のカッターローラーを使用することにより、基準線Cに関して非対称なミシン目を形成することもできる。最後に、台形部分40及び着色シートの外皮部分41を境界線48においてそれぞれのミシン目が整合するように接合する。
【0028】
次に、基準線に関して逆方向に所定の角度で傾斜する好適に平行な複数のミシン目を有する巻紙を形成する他の方法を説明する。基本的に図5に示される装置50を使用するが、異なるのは、カッターローラー53の替わりに図6に示されるカッターローラー60を使用する点である。図6(a)及び(b)はカッターローラー60の正面図及び背面図を示したものである。カッターローラー60の表面には、中心線61に対して所定の角度αだけ傾斜した複数の平行な刃(62,63)が中心線61に関して対称に形成されている。それぞれの刃は等間隔でかつスパイラル状に形成されている。カッターローラー60の周囲の長さは図2に示した巻紙3の長辺の長さ及び図4に示した巻紙32の台形部分40の高さに等しい。
【0029】
図6に示したカッターローラー60を使って図2に示した巻紙3を形成する場合には、まず、短辺26に沿って端部付近に着色シートを貼着した長方形の巻紙3の基準線Cをカッターローラー60の中心線61に合わせ、巻紙3の短辺26をカッターローラー60の境界線64と位置合わせする。次に、駆動ローラー54を回転させて巻紙3にミシン目(24,25)を同時に形成する。最後に、パンチング機械で孔7を穿設する。
【0030】
同様に、図4に示した巻紙32を形成する場合には、まず、巻紙の台形部分40の基準線Cをカッターローラー60の中心線61に合わせ、台形部分40の辺49をカッターローラー60の境界線64と位置合わせする。次に、駆動ローラー54を回転させて、巻紙の台形部分40にミシン目(44,45)を同時に形成する。続いて、従来のカッターローラー53によって着色シートである外皮部分41にミシン目36を形成する。最後に、台形部分40及び外皮部分41を、境界線48においてそれぞれのミシン目が整合するように接合する。
【0031】
基準線に関して非対称なミシン目を有する巻紙を形成する場合には、スパイラル状に形成された複数の平行な刃の角度及び/または間隔を適宜調整したカッターローラーを使用すればよい。
【0032】
基準線に関して逆方向に所定の角度で傾斜する好適に平行な複数のミシン目を有する巻紙を形成するさらに他の方法として、平坦な切離線成形板によって巻紙シートを押圧する方法がある。切離線成形板の表面には、基準線に関して逆方向に所定の角度で傾斜する好適に平行な複数の刃が形成されている。該切離線成形板により所定の圧力で巻紙シートをプレスすることで切離線成形板上の刃の模様がミシン目として巻紙シートに転写される。
【0033】
これらの方法によれば、一回の操作で基準線に関して逆方向に所定の角度で傾斜する複数の平行なミシン目を有する巻紙を形成することができるので、スループットが向上する。
【0034】
また、本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の製造方法は、巻紙の一方の端部付近に巻紙の短辺と平行に切離糸を固定する工程を含む。図2の巻紙3に切離糸9を固定する場合には、巻紙を巻いて筒状軸を形成した際、孔7の下側に位置するように切離糸9を接着剤等で固定する。図4の巻紙32に切離糸37を固定する場合には、巻紙を巻いて筒状軸を形成した際、着色シートの下側に位置するように台形部分40と外皮部分41との境界線48付近に該境界線48に沿って切離糸37を接着剤等で固定する。
【0035】
さらに、本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の製造方法は、巻紙の端縁部に予め棒状に成形した2種類の色を有する芯材を固定し、当該芯材を巻紙に巻きつけて筒状軸を形成する工程を含む。これ以外にも、巻紙を円柱状の棒体に巻き付け端縁部を接着剤で固定し、該棒体を引き抜いて筒状軸を形成した後、該筒状軸の内部に両端から溶融した2種類の化粧料若しくは筆記具材料を交互に流し込み、固化させて芯材を形成する方法もある。
【0036】
【効果】
本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具によれば、両端から条片を剥ぎ取ることによって2種類の色の芯材を露出せしめることができ、携帯性及び経済性に優れたペンシル型化粧品若しくは筆記具を与えることができた。
【0037】
本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の製造方法によれば、スループットを向上させることができ、その結果製造コストを下げることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の好適実施例を示す。
【図2】図2は、図1の紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具に使用する巻紙の展開図である。
【図3】図3は、本発明に係る紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具の他の実施例を示す。
【図4】図4は、図3の紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具に使用する巻紙の展開図である。
【図5】図5は、本発明に係る紙巻型鉛筆化粧品若しくは筆記具に使用する巻紙を製造するための装置の略示図である。
【図6】図6は、図5の装置に使用するカッターローラーの変形例を示す。
【図7】図7は、図2の巻紙の変形例を示す。
【符号の説明】
1 紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記具
2 筒状軸
3 巻紙
4 条片
5 芯材
6 芯材
7 孔
8 ミシン目
9 切離糸
Claims (8)
- 巻紙を巻いて形成される筒状軸及び該筒状軸の筒内に位置する棒状の芯材から成る、紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具であって、
前記巻紙は基準線に関し逆方向に傾斜した複数の切離線を有し、該切離線によって多数の条片が形成され、
前記条片を剥ぎ取ることにより前記芯材が露出するところの紙巻鉛筆型化粧品及び筆記用具であり、
前記芯材は異なる特性を有する化粧料若しくは筆記具材料から成り、
前記筒状軸の両端から前記条片を剥ぎ取ることにより、両端から前記芯材を露出せしめることができることを特徴とする、紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具。 - 請求項1に記載の紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具であって、
前記巻紙は、矩形のシートであり、該矩形の一方の長辺に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線が形成された第1の部分と、該矩形の他方の長辺に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線が形成された第2の部分とから成り、前記第1の部分と前記第2の部分の切離線は矩形の基準線に関して対称である、
ところの紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具。 - 請求項1に記載の紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具であって、
前記巻紙は、矩形のシートであり、該矩形の一方の長辺に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線が形成された第1の部分と、該矩形の他方の長辺に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線が形成された第2の部分とから成り、前記第1の部分と前記第2の部分の切離線は矩形の基準線に関して非対称である、
ところの紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具。 - 請求項1に記載の紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具であって、
前記巻紙は台形のシート部分を含み、該台形のシート部分は台形の一方の辺に沿って複数の切離線が形成された第1の部分と、台形の他方の辺に沿って複数の切離線が形成された第2の部分とから成り、前記第1の部分と第2の部分の切離線は台形の基準線に関して対称である、
ところの紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具。 - 請求項1に記載の紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具であって、
前記巻紙は台形のシート部分を含み、該台形のシート部分は台形の一方の辺に沿って複数の切離線が形成された第1の部分と、台形の他方の辺に沿って複数の切離線が形成された第2の部分とから成り、前記第1の部分と第2の部分の切離線は台形の基準線に関して非対称である、
ところの紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具。 - 紙巻鉛筆型化粧品若しくは筆記用具の製造方法であって、
基準線に関して逆方向に所定の角度で傾斜する複数の切離線を有する巻紙を形成する工程と、
前記巻紙の端縁部に棒状の2種類の化粧料若しくは筆記具材料から成る芯材を固定し、当該芯材に前記巻紙を巻きつけて筒状軸を形成する工程と、
から成る方法。 - 請求項6に記載の方法であって、前記巻紙を形成する工程は、
前記基準線に関して一方側の面に前記基準線に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線を形成する工程と、
前記基準線に関して他方側の面に前記基準線に対して所定の角度で傾斜した複数の切離線を形成する工程と、
から成る方法。 - 請求項6に記載の方法であって、前記巻紙を形成する工程は、
基準線に関して逆方向に所定の角度で傾斜する複数の刃を有する切離線成形板によって、前記巻紙を押圧する工程から成る、
ところの方法。
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Cited By (4)
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CN101391545B (zh) * | 2007-09-21 | 2011-03-16 | 耿蛟 | 一种用替换材料制造铅笔的方法 |
KR101062694B1 (ko) * | 2008-10-29 | 2011-09-14 | 오휘진 | 시트를 구비한 필기구 |
KR101379731B1 (ko) * | 2008-10-29 | 2014-03-28 | 오휘진 | 필기구 |
KR101775947B1 (ko) * | 2015-12-10 | 2017-09-07 | (주)아모레퍼시픽 | 위생적 사용이 가능한 스틱타입 아이리무버 |
-
2002
- 2002-10-22 JP JP2002306946A patent/JP2004141229A/ja active Pending
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