JP2004141127A - 電流式松くい虫駆除法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マツノザイセンチュウに感染した松の根元と先端に電極A,Bを設置し、それに電流を流して、マツノザイセンチュウを感電死させる。
【選択図】図1
Description
松は根からの浸透圧と葉からの蒸散(ポンプの役目)で茎から葉の組織まで仮導管から水や養分を運んで生命活動を営んでいる。
【2】「松くい虫」被害
「松くい虫」被害はマツノザイセンチュウ(1ミリも満たない)により引き起こされている。
【3】松くい虫被害のメカニズム
マツノマダラカミキリとマツノザイセンチュウは共生関係にあり、マツノマダラカミキリは産卵するための枯死木を提供してもらい、マツノザイセンチュウは生存圏の移動を助けてもらっている。
▲1▼ マツノマダラカミキリがマツノザイセンチュウを体に付着させ6月〜7月にかけて、健全木の小枝の皮を食べる。
▲2▼ そのとき、マツノマダラカミキリの体内に付着していたマツノザイセンチュウは、マツノマダラカミキリの食べた傷口から松の中に侵入し、仮導管等の細胞中で増殖を始める。松はマツノザイセンチュウが入りこむと過剰に反応をおこし、根から水分を吸い上げる仮導管に気体が生じ水分が通らなくなる。松くい虫に感染し20日位で樹木中の水分移動や樹脂分泌が止まり、樹勢が衰えていく。8月〜9月頃にかけて葉が赤変色し松が枯れる。
▲3▼ マツノマダラカミキリの成虫は1ケ月ほど生存し、その間に交尾と産卵を行う。移動範囲は2〜3kmで、その範囲に被害木があれば、危険度は増大する。産卵は樹脂流出が止まった被害木で行われ、枝径が10cm前後の比較的細い枝幹の浅い樹皮に噛み傷をつけ、そこから産卵管で内皮との境に産卵する。
▲4▼ マツノマダラカミキリの卵は、4〜5日でふ化し、1ケ月後位から材内へ穿孔し、10月には蛹室を作り、越冬する。そしてその頃、マツノザイセンチュウが蛹室周りに集まる。
▲5▼ 翌年5〜6月に蛹になり、マツノザイセンチュウは蛹に移動し、成虫の体に付着し、共に穴から脱出する。
このようなメカニズムで松くい虫被害は拡大していくのである。
【4】松くい虫を駆除する。
松をマツノザイセンチュウの被害から守るためには「松くい虫」のメカニズムを絶ちきらなければならない。そのためには予防や防除でなくマツノザイセンチュウを松の木全体から電流を流すことにより感電死させ駆除する必要がある。それが本特許である。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マツノザイセンチュウを駆除する為に感染した松の根元と先端に電極を設置し、それに電流を流してマツノザイセンチュウを感電死させるものである。
本来なら木そのものは電気を通さない絶縁体であるが、生きている木は生命活動のために樹内から水分が吸い上げられている。電極を設置して電流を流せばその水分が伝導体の役割を果たす。
【0002】
【従来の技術】
従来の松くい虫から松を守る手段としては松くい虫の運び屋であるマツノマダラカミキリを退治する事が最良として実行されてきた。それには二つの方法がある。一つは、マツノマダラカミキリ発生時の加害から松を守る方法で、5月下旬から7月中旬にかけて、有機リン系薬剤を散布する。二つには松くい虫の発生源を少なくする方法で、すでに枯れてしまった松を早めに切り倒して焼却するか、有機リン系薬剤等を枝条に散布し材内にいるマツノマダラカミキリの幼虫を駆除する。
また、松に高電圧パレス電流を流すことで、マツノザイセンチュウの増殖を抑制する方法も一部で行われてきた。しかし、この方法もマツノザイセンチュウを駆除する事は出来なかった。
このように、マツノザイセンチュウに感染した松は、現在のところ有効な治療法は無く、枯れ死を免れないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
松はマツノザイセンチュウが入りこむと過剰に反応をおこし、根から水分を吸い上げる仮導管に気体が生じ水分が通らなくなる。松くい虫に感染すると20日位で樹木中の水分移動や樹脂分泌が止まり、樹勢が衰えて枯れる。従って松に入りこんだマツノザイセンチュウを電流によって感電死させれば松が生きがえる。
松にマツノザイセンチュウが入りこむと水分を吸い上げる仮導管に詰まりが生じる。それでも松は葉からの蒸散でポンプのように水を吸い上げようとするが、仮導管が詰まっているために、根からの水が堰止められ、一部に気体が生じると考えられる。
マツノザイセンチュウが感電死すれば、仮導管の詰まりがなくなり根元から水分が吸い上げられるようになる。またマツノザイセンチュウが入りこむことによる過剰反応によって生じた気体もマツノザイセンチュウが死滅する事によって消滅する。その結果、松枯れの進行は止まり松が生きがえる。そして「枯れ松」を切り倒すために生じていた新たな自然破壊についても減少させていくことが可能となる。
電流によってマツノザイセンチュウを感電死させると共に、松そのものを生きがえらせるために、松に適切な水をやり施肥をする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
考案は【図1】のように、マツノザイセンチュウを駆除する為に感染した松の根元と、先端に電極を設置し、それに電流を流してマツノザイセンチュウを感電死させるものである。その際、電極は松の幹に全体的に電流が流れるようにするために数本の電極棒を設置するなど実情に応じて工夫する。(【図2】)
感電は電圧よりも電流の大きさによって殺傷力が大きくなる。マツノザイセンチュウを駆除する為には感染した松の大きさによって電流と電圧の調整が必要である。電流を流す時間は10分を目安とする。また、電流の流れを良くするために松全体に散水をする。
【0005】
【発明の実施の形態】
【図1】に示すように、松の根元と先端部分に電極を設置して電流を流し松くい虫(マツノマダラカミキリとマツノザイセンチュウ)を感電死させ駆除する。
【0006】
【実施例】
まず、マツノザイセンチュウに感染した松の根元に松の半径程の長さの電極棒を5本打ちこみ、それぞれの電極棒を電線でつなぐ。同じように松の先端部分にも同様な工事を施す。それぞれを電極にして電源を入れる。この電極間に電流が流れるとマツノザイセンチュウが感電死する。その際、電流が良く流れるようにするために、松全体に散水をする。
【0007】
【発明の効果】
従来の松くい虫防除には「駆除」と〔予防〕があった。マツノザイセンチュウに感染した松を早めに切り倒して焼却するか、有機リン系薬剤等を枝条に散布し、材内にいるマツノマダラカミキリの幼虫を駆除してきたために二次被害も大きく発生してきた。
枯れ松を切り倒すために貴重な雑木までもが切り倒されたり、さらに薬剤散布によって生き物が殺傷されるなど、自然環境を守るうえで大きな問題になっている。
しかも、松は年輪を重ねて大きくなっているが、その貴重な財産を切り倒すのは大変な経済的損失になっている。さらに各地方自治体では多額の予算を使って防除にあたってきている。本発明によりそれらの損失が減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】松くい虫駆除装置
電流による松くい虫駆除法の全体図である。
(1) マツノザイセンチュウに感染した松の根元に電極棒を5本打ちこみそれぞれの電極棒を電線で結ぶ。(電極A)
(2) 同様に松の先端にも同じような電極棒を打ちこみ電線で結ぶ。
(電極B)
(3) 電極A、電極Bから、電源スイッチまでを電線で接続する。
(4) 電源スイッチから電源までを配線をする。
(5) 電線の太さは30アンペア以上の電流に耐えるような太さのものを使用する。
【図2】電極断面図
松に電極棒の設置を示した断面図である。
(1)電極Aの断面図(松の根元に設置された電極)。電極Bも同様。
(2)電極棒を松の周囲から5本の電極棒を円周を5等分をした間隔で打ち込む。樹内に電流が行き渡るようにする。それぞれの電極棒を電線で結ぶ。
【図3】電極側面図
松に電極棒の設置を示した側面図である。
(1)電極棒を打ちこみそれぞれを電線で結ぶ。
【図1】電流式松くい虫駆除装置
【図2】電極断面図
【図3】電極側面図
Claims (1)
- 【図1】のように、松の根元と先端部分に電極A、Bを設置して電流を流し、松くい虫(マツノマダラカミキリとマツノザイセンチュウ)を感電死させ駆除する。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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ES2302631A1 (es) * | 2006-11-17 | 2008-07-16 | Jose Valle Ocon | Dispositivo para la eliminacion de parasitos en arboles frutas y similares. |
KR101117161B1 (ko) | 2009-06-25 | 2012-03-07 | 서울전력주식회사 | 병해충 방제를 위한 전류 인가방법 및 장치 |
ITBA20120006A1 (it) * | 2012-01-23 | 2013-07-24 | Samer Sermani | Il sistema elettronico inibitore dell'alimentazione delle larve degli insetti xilofagi (elfs) |
FR3050358A1 (fr) * | 2016-04-25 | 2017-10-27 | Martial Monteux | Systeme d'elimination par electrocution des parasites de palmiers et autres vegetaux |
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