JP2007209329A - 松くい虫の駆除法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 薬剤を用いず、確実に駆除できる方法を提供するものであり、松くい虫の原因「マツノザイセンチュウ」の運び屋である、「マツノマダラカミキリ」などのマツの木を食べて育つ昆虫類を駆除することで、松くい虫を駆除する方法を提供するものである。
【解決手段】 網の目をマツの木に穴をあけ,マツの木を食べて育つ昆虫類の首回りよりやや小いさく、そして網全体が伸縮し得るように編成して成る網を対象樹木にカバーするようにして行なう松くい虫の駆除法であり、飛来したカミキリムシがこの網の目をくぐり抜けようとした時に、網の目にカミキリムシの首の部分や体の部分が挟まったり、引っかかったりして動けなくし、そのまま放置することで死なせるようにするものであり、また被害木4に忌避剤付着網5を被せて、カミキリムシを閉じ込めて餓死されることで駆除する。
【選択図】 図3
【解決手段】 網の目をマツの木に穴をあけ,マツの木を食べて育つ昆虫類の首回りよりやや小いさく、そして網全体が伸縮し得るように編成して成る網を対象樹木にカバーするようにして行なう松くい虫の駆除法であり、飛来したカミキリムシがこの網の目をくぐり抜けようとした時に、網の目にカミキリムシの首の部分や体の部分が挟まったり、引っかかったりして動けなくし、そのまま放置することで死なせるようにするものであり、また被害木4に忌避剤付着網5を被せて、カミキリムシを閉じ込めて餓死されることで駆除する。
【選択図】 図3
Description
本発明は薬剤を使用せずに行なう、松くい虫の駆除法に関するものである。
沖縄県では、貴重な針葉樹として、「リュウキュウマツ」が県産家具材やフローリング材、パルプ材として利用されている。
街路樹や風致木としても古くから植栽され、また、琉歌にもよく歌われている、沖縄県の貴重な森林資源の一つであり、沖縄県の県木でもある。
このリュウキュウマツが松くい虫の被害のため、危機に瀕しており、緊急な松くい虫対策が行なわれている。
この松くい虫とは、「マツノザイセンチュウ」という体長0.6〜1.0mmの線虫が、マツの樹体内に入り、生理・生態に異常を引き起こし、松を枯らすものである。
しかし、マツノザイセンチュウは、自力で他のマツへ移動することはできない。
このため、マツの中にいる、マツノマダラカミキリという昆虫が蛹から成虫になるとき、カミキリの体内に入りこみ、カミキリがマツから飛び立つのを利用して他のマツへ移動する。
成虫になったカミキリは、健全なマツの枝を食べるが、その時、マツノザイセンチュウは枝の傷痕とから侵入し、マツ枯れを引き起こしていく。
特開2005−103872号公報
松くい虫の対策として、従来は、
1)樹幹注入
健康なマツに前もって薬剤を注入し、侵入してきた線虫を殺したりすることで、増殖を防ぎます。
1)樹幹注入
健康なマツに前もって薬剤を注入し、侵入してきた線虫を殺したりすることで、増殖を防ぎます。
2)地上散布
地上から動力噴霧器などを用いて薬剤を健康なマツに散布し、カミキリを駆除します。
地上から動力噴霧器などを用いて薬剤を健康なマツに散布し、カミキリを駆除します。
3)特別防除
空からヘリコプターなどを利用して薬剤を健康なマツに散布し、カミキリを駆除します。
空からヘリコプターなどを利用して薬剤を健康なマツに散布し、カミキリを駆除します。
4)樹種転換
守るべきマツ林の周辺を、マツ以外の種類の木、または線虫に強い性質を持つマツ(抵抗性マツ)の森林に転換します。
守るべきマツ林の周辺を、マツ以外の種類の木、または線虫に強い性質を持つマツ(抵抗性マツ)の森林に転換します。
5)伐倒駆除
被害木を切り倒し、薬剤をかけたり、薫蒸して、カミキリの幼虫を駆除します。
被害木を切り倒し、薬剤をかけたり、薫蒸して、カミキリの幼虫を駆除します。
6)特別伐倒駆除
被害木を切り倒して、チップにしたり、焼却して、木の中にいるカミキリの幼虫を駆除します。
被害木を切り倒して、チップにしたり、焼却して、木の中にいるカミキリの幼虫を駆除します。
以上の防除、駆除が行なわれているが、十分な効果を上げていないのが現状である。
また、薬害による環境衛生上の問題が提起されており、さらに薬剤散布では効果が1週間程度しかなく、通行人や車の通らない深夜しか作業ができない等の多くの問題がある。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、薬剤を用いず、確実に駆除できる方法を提供するものであり、松くい虫の原因「マツノザイセンチュウ」の運び屋である、「マツノマダラカミキリ」などのマツの木を食べて育つ昆虫類を駆除することで、松くい虫を駆除する方法を提供するものである。
上記の問題を解決するために、本発明の請求項1では、網の目をマツの木に穴をあけ、マツの木を食べて育つ昆虫類の首回りよりやや小いさく、そして網全体が伸縮し得るように編成して成る網を対象樹木にカバーするようにして行なう松くい虫の駆除法である。
また、本発明の請求項2では、前記のマツの木に穴をあけ、マツの木を食べて育つ昆虫がマツノマダラカミキリであることを特徴とする松くい虫の駆除法である。
松の木に上記のような網を被せ、あるいは一部の幹に網を巻き付けておき、飛来したカミキリ虫がこの網の目をくぐり抜けようとした時に、網の目にカミキリムシの首の部分や体の部分が挟まったり、引っかかったりして動けなくし、そのまま放置することで死なせるようにするものである。
また、本発明の請求項3では、前記の網において、前記の昆虫又は他の鳥獣類が嫌う忌避物が付着処理された網であることを特徴とする松くい虫の駆除法である。
松食い虫の被害木を網でカバーすることで、カミキリ虫が網から脱出できないようにし、網の中で餓死させることで、松くい虫の被害の拡大を防止することができる。しかしながら、上記の昆虫は、松の枝を噛み切ることのできる強靭な顎を持ち、また、他の鳥獣類がその網を噛み切る場合などによる破損によって、カミキリ虫が逃げ出してしまうことが懸念されるが、前記の網に対して、それらの動物が嫌う忌避物を付着処理することで、網の破損を防止し、カミキリ虫の脱出を防止することができる。
忌避物はそれらの動物が嫌うものであればいずれでも良く、例えば、木酢液、唐辛子、ユーカリ、月桃などが使用でき、これら忌避物をそのまま、あるいは、抽出エキスを付着させるものでも良い。付着処理は、噴霧、塗布、接着、溶着などでも良く、網の繊維に予め溶け込ませたものなどでも良い。
本発明によれば、カミキリムシが挟まったり、引っかかったりするため、確実にかつ簡単に駆除することができる。
また、松の木に単に網をカバーするだけで良いので作業が簡単であり、また薬剤散布などとは異なり、効果が持続でき、そして環境汚染などの心配もない。
また、松くい虫の被害木に忌避剤が付着処理された網をカバーすることで、カミキリ虫を閉じ込めて、餓死させて死滅させ、被害の拡大を確実に防止できる。
餓死させるので、薬剤とは異なり、安全で環境への影響も無く、網の中のカミキリ虫を完全に死滅させることができる。
また、従来のカミキリ虫の幼虫の駆除法では、特に環境問題となる薫蒸処理や焼却処理の必要があったが、本発明では、幼虫の状態で駆除するのではなく、成長して成虫となるまで網で閉じ込めておき、成虫にしてから駆除するものである。
カミキリ虫の幼虫の餌は松の木の幹であり、カミキリ虫の成虫の餌は、若枝の皮である。従って、松食い虫により枯れた木は、幼虫の餌とはなるが、成虫の餌とはならないので、閉じ込められると餓死してしまうこととなる。
カミキリ虫の幼虫の餌は松の木の幹であり、カミキリ虫の成虫の餌は、若枝の皮である。従って、松食い虫により枯れた木は、幼虫の餌とはなるが、成虫の餌とはならないので、閉じ込められると餓死してしまうこととなる。
以下に本発明の実施の形態について説明する。
〔実施例1〕
糸を釣り用のテグスと同一材を使用し、編みにて網を製作し、松の木に巻き付けた。
糸を釣り用のテグスと同一材を使用し、編みにて網を製作し、松の木に巻き付けた。
該網の網目は、5.0mmとした。これは、マツノマダラカミキリの成虫を30匹捕獲し、その体長と、首周りを測定した結果から、首周りの最小値とした。測定結果、体長では、最大26.7mm、最小18.0mmであり、首周りでは、最大8.6mm、最小5.0mmであった。
その捕獲試験の結果、カミキリムシの駆除率は80%を超えた。
そして網の耐用年数も4年以上であり、その間に成長する松の葉に対しては、綱の編み方からくる伸縮性により、ある程度まで対処できる。
尚、網の材質、目の大きさ、あるいは色彩等に変化をもたせることにより、各種の虫に対応させることが可能であり、また透明のものを用いれば景観を損わずに実施できる。
また、糸は伸縮性の糸を使用しても良く、糸にカミキリムシが引っかかりやすいように、棘や突起などを設けても良い。
また、カミキリムシが好む臭い(エタノール臭:枯れたマツから出る匂い)をつけても良い。
〔実施例2〕
忌避剤を塗布した網を用いたマツノマダラカミキリの駆除実施例について、図面を用いて説明する。
忌避剤を塗布した網を用いたマツノマダラカミキリの駆除実施例について、図面を用いて説明する。
本実施例は、箱型ネットハウス内に、被害木である、松食い虫により枯れた琉球松を積み上げ、この被害木に忌避剤付着網を被せたものである。
図1は、箱型ネットハウス1を示す図である。単管パイプ2を組み合わた骨組みに、細かい網目(3mm)の外部ネット3を貼り付けた構造である。
図2は、箱型ネットハウス内に積み上げた琉球松の被害木4を示す。
図3は、上記の琉球松の被害木4に忌避剤付着網5を被せた状態を示す図である。
図4は、網を被せてから1週間後に忌避剤付着網5を除去した状態を示す図であり、マツノマダラカミキリの成虫の死骸6を示す図である。
発明者らの実験によると、マツノマダラカミキリの成虫は、餌の内状態では、3日〜5日程度で餓死することが確認された。
また、発明者らの羽化試験により、マツノマダラカミキリは、4月から7月が羽化時期であり、5月が最も多いことが解った。
従って、忌避剤付着網で閉じ込めておく必要があるのは、7月末までで良く。その後は被害木を放置しても問題は無く、薫蒸処理や焼却処理の必要はなく、駆除コスト及び作業量を大幅に削減できた。
このように、本発明では、松食い虫の病原虫である、マツノザイセンチュウの運び屋となっている、マツノマダラカミキリの確実な駆除を実現するものであり、松食虫による被害木中のマツノマダラカミキリの確実な駆除を実現すると共に、安全で環境問題の恐れがなく、かつ、簡単な作業で実現できるものである。
1 箱型ネットハウス
2 単管パイプ
3 外部ネット
4 琉球松の被害木
5 忌避剤付着網
6 マツノマダラカミキリの成虫の死骸
2 単管パイプ
3 外部ネット
4 琉球松の被害木
5 忌避剤付着網
6 マツノマダラカミキリの成虫の死骸
Claims (3)
- 網の目をマツの木に穴をあけ、マツの木を食べて育つ昆虫類の首回りよりやや小いさく、そして網全体が伸縮し得るように編成して成る網を対象樹木にカバーするようにして行なう松くい虫の駆除法。
- 前記のマツの木に穴をあけ、マツの木を食べて育つ昆虫がマツノマダラカミキリであることを特徴とする請求項1に記載の松くい虫の駆除法。
- 前記の網は、前記の昆虫又は他の鳥獣類が嫌う忌避物が付着処理された網であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の松くい虫の駆除法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006238876A JP2007209329A (ja) | 2006-01-16 | 2006-09-04 | 松くい虫の駆除法 |
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JP2006007827 | 2006-01-16 | ||
JP2006238876A JP2007209329A (ja) | 2006-01-16 | 2006-09-04 | 松くい虫の駆除法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007209329A true JP2007209329A (ja) | 2007-08-23 |
Family
ID=38488270
Family Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009165469A (ja) * | 2007-12-18 | 2009-07-30 | Yasutake Toyama | パイナップルの栽培用培地及びその栽培方法 |
JP2012147711A (ja) * | 2011-01-18 | 2012-08-09 | Kagoshima Univ | 穿孔性害虫の防除方法 |
JP2013009668A (ja) * | 2011-05-30 | 2013-01-17 | Eco Net Munezane:Kk | 樹木の保護方法 |
KR101654329B1 (ko) * | 2015-12-29 | 2016-09-06 | 주식회사 시내 & 들 | 소나무 재선충 방제용 망지 제작방법 및 그 제작방법에 의해 제조된 피복망지 |
CN107439282A (zh) * | 2017-06-28 | 2017-12-08 | 唐喜军 | 天牛防逸装置及其防治方法 |
CN114521436A (zh) * | 2019-09-26 | 2022-05-24 | 深圳市名高科技有限公司 | 线虫疫木防护网及防护方法 |
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2006
- 2006-09-04 JP JP2006238876A patent/JP2007209329A/ja active Pending
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