JP2004141025A - 細胞発現用合成dna断片及び作成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】培養細胞における発現実験では、cDNAクローンから目的遺伝子コード部分を発現ベクターにサブクローニングすることが必要であるが、目的のサブクローンが得られるまで数日、トランスフェクションに必要な大量プラスミドDNAを調製するためにはさらに時間がかかる。
【解決手段】発現用プラスミドDNAを調製する代わりに、PCR法を用いて細胞での発現に必要な配列である、プロモーター、目的遺伝子、発現マーカー遺伝子、ターミネーター配列、ポリアデニレーションシグナル配列を含むDNA断片をより短期間で調製する方法を開発した。さらに本方法では、発現用DNA断片の環状化を細胞導入後におこる外来DNAに対するDNA分解酵素の攻撃を回避するのに有効な手段として提供する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遺伝子工学の分野、組換えDNA技術を用いた培養細胞における目的遺伝子発現用ベクターの代替手段およびその効率的な調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高等生物由来の細胞への遺伝的形質転換に関する多くの技術が、過去に開発されている。細胞内に外来遺伝子を導入する技術、即ち、形質転換技術は、導入遺伝子の機能の解析、組み換えタンパク質の生産、遺伝子治療、有用形質転換細胞種の作出などに用いられる遺伝子工学分野における基本的な技術である。
当分野で周知の方法を使用して発現検定目的遺伝子は取得される。まず公知の方法で細胞由来のDNA断片からcDNAまたはゲノムライブラリーのいずれかを調製することができる。また、特定のタンパク質をコードするDNA断片は、精製タンパク質から得られたアミノ酸配列の情報に基づく該タンパク質の一部分に相同なヌクレオチドプローブによりそのようなライブラリーをスクリーニングすることにより同定することができる。あるいは、抗体プローブを使用して、発現クローニング法により生成されたライブラリー、例えばλgt11(Young and Davis,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.80:1194−1198)をスクリーニングすることができる。対象となる遺伝子の一部をクローニング及び発現に使用することもできるが、完全長のクローン、即ち、タンパク質の全コード領域を含むものが発現のために好ましい。この目的のためには、DNAの単離、適当な制限断片の生成、クローン及びライブラリーの構築、及び組換え体のスクリーニングのために当業者に周知の技術を使用することができる。(例えば、Maniatis et al.,1989,MolecularCloning,A laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,N.Y.に記載された技術)。
また、これまで真核細胞において多数の発現系が開発され、目的遺伝子を発現するのに使用されてきた。培養細胞への遺伝子導入法として、エレクトロポレーション(Neumannら,1982,EMBO J.7:841−845)、レトロウイルス(Schimotohonoら,1981,Cell 26:67−77)、直接DNA注入(Benvenstyら,1986,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.83:9551−9555;Wolffら,1990,Science 247:1465−1468)、特異的受容体を介するDNA取り込み(Wuら,1988,J.Biol.Chem.263:14621−14624;Wuら,1989,J.Biol.Chem.264:16985−16987)、および、より最近になってエアロゾルDNAデリバリー(Striblingら,1992,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:11277−11281)といった直接的な遺伝子導入のほかに、リン酸カルシウム沈降(Wiglerら,1979,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.76:1373−1376)、DEAE−デキストラン(Sompagnacら,1981,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:7575−7578)、リポフェクション(lipofection)(Felgnerら,1987,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.84:7413−7417)、など薬剤を用いた間接的な方法がある。後者では、試薬の種類や遺伝子導入条件を細胞の種類ごとに最適化する開発が進み、昨今、トランスフェリン等の試薬を用いてCOS細胞、Hela細胞でのハイスループットスクリーニングが報告されている。
遺伝子導入手法が多様化したとはいえ、いずれも基本的には目的遺伝子の導入に発現ベクターを用いている。このため培養細胞での目的遺伝子の発現には発現用ベクターの構築及び調製といった操作が必要であり、cDNAライブラリーから培養細胞を用いたcDNA遺伝子発現の発現及び解析までのステップは時間がかかり、しばしば困難を伴うものであった。近年、ゲノム解析技術の進歩に伴い発現解析対象遺伝子が増加するにつれ、新規技術の開発によりこの段階で費やされる時間と労力の軽減が必要とされていることは明らかである。
通常の遺伝子導入における遺伝子発現のためには、宿主細胞の核内への外因性遺伝子の導入と組み込みを必要とする。しかし、DNAを取り込んだ細胞のうちごくわずかのものが細胞核内に外来DNAを含有するにすぎない。この問題を解消すべく開発した手法が特許として報告されている。これは導入遺伝子を工夫して宿主細胞のゲノム中に組み込まれることなく細胞の細胞質中で機能でき、遺伝子発現の開始と維持のために宿主細胞因子を必要としない真核生物細胞中における遺伝子発現系を構築した特許である「あらかじめDNAに結合させたRNAポリメラーゼを用いた遺伝子発現系」(特表平8−510132)。
一方、宿主を改変する特許としては、1kbpに満たない短鎖のDNA断片から10kbp を超える長鎖のDNA断片まで、鎖長に係わらず一律にクローニングすることができる形質転換体の作製方法、及びそれに利用するクローニングベクターの提供法に関する「クローニングベクター及び形質転換体の作製方法」(特開平11−9273)、および「DNAクローニングに用いられる宿主及びクローニング方法」(特開平11−9277)がある。これらは具体的にはクローニングベクターを取り込んだ宿主菌体でリコンビナーゼを発現させて、直鎖で導入したクローニングベクターを細胞内で環状化する工程を含む形質転換体を作製する方法である。ただしこの手法は培養細胞には適用されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述の、RNAポリメラーゼを用いた遺伝子発現系は目的遺伝子発現系構築に手間がかかりコストも高い。発現検定を行う目的遺伝子の数も制限されてしまう。また、リコンビナーゼを用いた遺伝子発現系は培養細胞には適用されていない。そこで、培養細胞に導入可能な発現ベクター様DNA断片の簡便かつ効率的な調製方法および培養細胞へ効率良く遺伝子を導入できるシステムの開発が必要とされていた。さらに、導入した遺伝子の機能検定の為,安定した発現を達成する遺伝子導入用組成物が希求されていた。
【0004】
本発明は、簡便かつ効率的な培養細胞に導入可能な発現ベクター様DNA断片の調製方法を提供することを課題とする。また、本発明は、安定した発現を達成する遺伝子導入用組成物を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明の目的は、先行技術で認められた上記問題点を克服し、高等生物cDNAに由来し、かつその大きさが100kb以下であるDNA断片またはその等価なDNA断片を宿主細胞に導入して細胞の染色体に組み込むことを特徴とする方法によって解決される。
本発明の別の目的は、発現マーカーと目的蛋白質の融合蛋白質発現に必要な遺伝子群を含むDNA断片を構築することである。
本発明のさらなる目的は、細胞導入時に目的蛋白質の発現をモニタリングする手段を備えた新規なサブクローニング代替手段を提供することである。
そこで、本発明者らは、PCR法を用いて調整した、プロモーター配列、発現マーカー遺伝子と融合遺伝子を形成している外来遺伝子およびターミネーター配列の3部分を含むDNA断片は直接Hela細胞に導入可能であり、さらに、リガーゼ処理によりこのDNA断片を環状化することで比較的長時間安定な遺伝子発現を行う細胞を作製し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、cDNA発現ベクターの代替DNA断片を提供する。DNA断片はさらに、その他の必要な配列、例えば発現マーカー遺伝子、シグナル配列、プロモーター等を包含する。
プロモーターとしては、例えば、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)プロモーター等を使用し、外来遺伝子としては、例えば、ルシフェラーゼ遺伝子、緑色蛍光蛋白質(GFP)遺伝子、ネオマイシンフォスフォトランスフェラーゼ遺伝子、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子、β−グルクロニダーゼ遺伝子、ハイグロマイシンフォスフォトランスフェラ−ゼ遺伝子等を使用することが出来る。さらにターミネーターとしては、例えばSV40由来のターミネーター等を使用することが出来る。サイトメガロウイルスプロモーターを特定するポリヌクレオチド配列は、Boshartら,Cell 41:521−530(1985)に従い得ることができる。該プロモーターの後にはポリリンカー、ついでcDNA−GFP融合タンパク質をコードする遺伝子が続き得る。
本発明に於いては、2つ以上の外来遺伝子を使用し、かつ、そのうち1つは目的とする導入遺伝子発現細胞を選択する際に有効な、発現マーカー遺伝子を使用するのが望ましい。かかるマーカーとしては、測光による定量が可能なルシフェラーゼ遺伝子、緑色蛍光蛋白質(GFP)遺伝子が好ましい。
本発明に於いては、発現マーカー遺伝子と他の外来遺伝子を融合遺伝子として構築し、同一のプラスミド様DNA断片中に有するものを使用しても良いし、発現マーカー遺伝子と他の外来遺伝子の間にIRES配列を挿入して同一のプラスミド様DNA断片中に有りながら別個の遺伝子として発現させる系を利用しても良い。
さらに、本明細書中で提供されるのは、本発明の組換えベクター相当DNA断片で遺伝子導入した宿主細胞である。宿主細胞は、高等生物の培養細胞である。適切な例は動物細胞由来の293−EBNA Cell、293−F Cells、293−H Cells、HIGH FIVE、Sf−9、CHO−S、COS−7L等である。
発現マーカーであるGFPをコードする塩基配列としては、オワンクラゲAequorea victoria由来のGFP遺伝子を含むのが好ましい。これらの塩基配列は、対応の遺伝子を含むベクターからPCRまたは酵素切断によって得ることができ、また、化学的に合成することもできる。本発明ではpQBI25(TaKaRa)を鋳型としてPCRによって必要なリンカー配列を付加したGFPを得た。該GFPは励起波長が473 nmで蛍光波長が509nmとはなれているため励起光によるノイズが少なく、蛍光測定による発現検定に好適である。
発現ベクター様DNA断片の配列は、CMVをコードするプロモーター配列の5’−末端とポリアデニレーションシグナルをコードする塩基配列の3’−末端が、得られる塩基配列の両末端となるように連続的に連結させる。この融合配列を増幅し、CMV−cDNA−GFP−ポリAをコードする融合遺伝子を含む新規なDNA断片を発現ベクターの代替物として取得することができる。
本発明に於いては、CMV−cDNA−GFPポリA遺伝子をコードするDNA断片の環状化により、培養細胞内導入後のエキソヌクレアーゼからの外来DNAへの攻撃を回避することが出来る。
【0007】
本発明に於いてはCMV−cDNA−GFPポリAをコードする融合遺伝子を含むDNA断片を構築するに当り、いくつかの方法を提供する。
接続サイト利用法(図1)
(A) 人為的に付加した制限酵素サイトを利用して各DNA断片を接続する方法である。
鋳型DNAとして、CMVプロモーター及びGFP遺伝子についてはpQBI25(TaKaRa)を用いた。cDNAについてはhuman lung由来のmRNA(フナコシ)よりクローニングしたHomo sapiens mosaic serine protease (MSP)遺伝子(ACCESSION   NM_032046)を用いた。
CMV断片、cDNA断片、GFPポリA断片をPCR増幅するにあたり、プライマーに特異的制限酵素の配列を組み込み、各断片の末端に付加した。
すなわち、プロモーター3‘側とcDNA5’側には制限酵素A(例えばClaI I)、cDNA3‘側とGFPポリA5’側には制限酵素B(例えばAge I)を用いて、付加した。
(B)このPCR産物を制限酵素A、Bで処理して末端に認識配列を突出させたのち、ライゲーションを行う。必要に応じてアガロースゲル電気泳動によるバンド精製などの手段を用いてCMV−cDNA−GFP−ポリAの発現ベクター用DNA断片を精製する。トランスフェクションに必要なDNA量を得るため、得られたCMV−cDNA−GFP−ポリADNA断片を鋳型にさらにPCR増幅を行う。再度CMV−cDNA−GFP−ポリADNA断片を増幅する際、最終的に環状化するための準備として、5‘末端をリン酸化したCMV部分のセンスプライマーを用いる。
(C) セルフのブラントライゲーションによる環状化を行う。
別法として、ライゲーション効率を挙げる為にCMV部分のセンスプライマーとGFPポリA側のアンチセンスプライマーに制限酵素C(例えばXba I)配列を組み込み、突出末端をもつDNA断片を用いる方法が挙げられる。
アニーリング法(図2)
(A)CMV断片、cDNA断片、GFPポリA断片のプライマーとして、それぞれに隣接する予定の配列を付加したハイブリッドプライマーを用いてPCR反応を行う。これによりプライマー部分が共通配列となり、PCR産物同士のアニーリングが可能となる。
すなわち、(a)CMVの場合:GFPポリAの3’側下流20〜30bpを5’側上流に付加したセンスプライマーとcDNA5’側配列を3’側下流に付加したアンチセンスプライマー、(b) cDNAの場合:CMV3’側配列を5’上流に付加したセンスプライマーとGFPポリA5’側配列を3’下流に付加したアンチセンスプライマー、(c)GFPポリAの場合:cDNA3’側配列を付加したセンスプライマーとCMV3’側配列を付加したアンチセンスプライマー、以上3組のプライマーセットを用いることによりCMVとcDNAおよびGFPポリAの各末端配列が接続部分となったCMV−cDNA−GFP−ポリA発現ベクター様DNA断片が合成可能となる。
(B)共通配列を付加した3種類のDNA断片を鋳型とし、プロモーターのセンスプライマーとGFPポリAのアンチセンスプライマーを用いて2次PCRを行う。標準法では、CMVとcDNA、cDNAとGFPポリAのように2断片を連結した接続断片を構築後に、3次PCRでCMV−cDNA−GFP−ポリA3断片接続断片を構築するが、検討の結果いずれの方法を用いても目的DNA断片の増幅効率に大きな違いが見られなかったことから、本特許では効率化のため3断片1段階連結を行うこととする。
(C)必要に応じてアガロースゲル電気泳動によるバンド精製などの手段を用いてCMV−cDNA−GFP−ポリAの発現ベクター用DNA断片を精製する。トランスフェクションに必要なDNA量を得るため、得られたCMV−cDNA−GFP−ポリADNA断片を鋳型にさらにPCR増幅を行う。再度CMV−cDNA−GFP−ポリADNA断片を増幅する際、最終的に環状化するための準備として、5‘末端をリン酸化したCMV部分のセンスプライマーを用いる。
(D) セルフのブラントライゲーションによる環状化を行う。
別法として、ライゲーション効率を挙げる為にCMV部分のセンスプライマーとGFPポリA側のアンチセンスプライマーに制限酵素C(例えばXba I)配列を組み込み、突出末端をもつDNA断片を用いる方法が挙げられる。
(3)ベクター利用法(図3)
培養細胞で利用可能なプロモーター配列および発現マーカー遺伝子配列を具備したプラスミドベクターが商業的に入手可能である場合に用いうる方法である。
(A)ベクター由来のプロモーター3’側配列とcDNA5’側配列、cDNA3’側配列と発現マーカー遺伝子5’側配列をもつハイブリッドプライマーを用いてcDNA遺伝子を鋳型としてPCR増幅を行う。PCR産物にはプロモーター由来の配列と発現マーカー遺伝子由来の配列が組み込まれる。
(B)商業的に入手した発現マーカー遺伝子配列を具備したプラスミドベクターをCMV配列と発現マーカー遺伝子の間で切断し直鎖化する。GFP発現ベクターpQBI25においては、制限酵素SacIIを用いた切断が好ましい。
(C)(B)で直鎖化したベクターと、(A)で増幅したベクター由来配列を組み込んだcDNA遺伝子断片を鋳型とし、CMV−cDNA−GFP−ポリA発現ベクター様DNA断片を構築するための2次PCRを行う。
この方法は他の方法に比べ非特異的増幅産物が少ない為、スケールアップして直接トランスフェクション用のDNA断片を得ることも可能である。このトランスフェクション用DNA増幅の際、最終的に環状化するため、5‘末端をリン酸化したCMV部分のセンスプライマーを用いる。また、鋳型であるcDNAの量や配列、PCR条件によってはCMV−cDNA−GFP−ポリA発現ベクター様DNA断片の精製が必要になる場合もある。この場合は必要に応じて好適な手法により精製し、以降の実験に供する。
(D) セルフのブラントライゲーションによる環状化を行う。
別法として、ライゲーション効率を挙げる為にCMV部分のセンスプライマーとGFPポリA側のアンチセンスプライマーに制限酵素C(例えばXba I)配列を組み込み、突出末端をもつDNA断片を用いる方法が挙げられる。
(1)接続サイト利用法(2)アニーリング法(3)ベクター利用法いずれの手法を用いた場合でも、数日から1週間を要してトランスフェクション用プラスミドDNAをサブクローニングして調製する場合に比べ短時間でCMV−cDNA−GFP−ポリA発現ベクター様DNA断片を調製できる。また、環状化DNAは直鎖化DNAに比べ、培養2日目の生存率が30−40%高いため、CMV−cDNA−GFP−ポリA発現ベクター様DNA断片の環状化は目的遺伝子cDNAの発現及び機能検定に有効な材料を提供する。
【0008】
【発明の効果】
本発明の方法に従うと、目的遺伝子が致死遺伝子のようなサブクローンを得にくい遺伝子であった場合でも、他の遺伝子と同等の作業内容および作業期間で発現検定を行うことが可能である。また、サブクローニング操作が不要であるため、発現検定までの期間が短縮され、1次スクリーニング等多種類の遺伝子についての発現検定に好適である。さらに直鎖のPCR産物を環状化することにより細胞内での導入DNA断片の寿命を延ばすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】接続サイト利用法についての簡単な説明図。
【図2】アニーリング法についての簡単な説明図。
【図3】ベクター利用法についての簡単な説明図。

Claims (16)

  1. プロモーター、目的遺伝子配列、発現マーカー及びポリアデニレーションシグナル配列(pA配列)から構成される組換え細胞を産生するDNA断片。
  2. 請求項1記載のDNA断片において、前記目的遺伝子がオープンリーディングフレームを含むcDNAクローンの部分配列であることを特徴とするDNA断片。
  3. 請求項1記載のDNA断片において、前記プロモーターがヒトサイトメガロバイラス(CMV)由来のものであり、リンカー中にクローニングサイトとして制限酵素配列を、前記目的遺伝子の5‘側上流DNA配列を含むことを特徴とするDNA断片。
  4. 請求項1記載のDNA断片において、 前記発現マーカーが3‘側下流にpA配列を含むオワンクラゲAequorea victoria由来の緑色蛍光タンパク質(GFP)であり、リンカー中にクローニングサイトとして制限酵素配列を前記目的遺伝子5‘上流のDNA配列に含むことを特徴とするDNA断片。
  5. 請求項1記載のDNA断片において、前記プロモーター、前記目的遺伝子配列及び前記発現マーカーがN末端からC末端へ連続的に連結されていることを特徴とするDNA断片。
  6. 請求項5記載のDNA断片において、 前記プロモーターが、前記目的遺伝子のコード予測最長アミノ酸の5‘側上流に作動可能な状態で連結されていることを特徴とするDNA断片。
  7. 請求項5記載のDNA断片において、前記目的遺伝子配列の3‘側下流に、前記発現マーカーが融合蛋白質を形成する状態でリンカー配列を介して、または、介さずして連結していることを特徴とするDNA断片。
  8. 請求項5記載のDNA断片において、前記発現マーカー下流にpA配列が作動可能な状態で連結していることを特徴とするDNA断片。
  9. 請求項5記載のDNA断片において、前記プロモーター配列の3‘側の配列と前記目的遺伝子配列の5’側の配列がPCRにより連結された共通配列であることを特徴とするDNA断片。
  10. 請求項5記載のDNA断片において、前記目的遺伝子配列の3‘側の配列と前記GFP配列の5’側の配列がPCRにより連結された共通配列であることを特徴とするDNA断片。
  11. 請求項5記載のDNA断片において、前記発現マーカー配列の3‘側末端と前記プロモーター配列の5’末端がライゲーションにより結合可能な状態である、または、制限酵素処理によりライゲーション可能な末端が生成された配列であることを特徴とするDNA断片。
  12. 請求項5記載のDNA断片において、前記DNA断片は、セルフライゲーションにより環状化しており、動物細胞に対し遺伝子導入可能であることを特徴とするDNA断片。
  13. 請求項1記載のDNA断片において、前記プロモータ配列は、既存のベクター、クローン、合成DNAを鋳型として増幅された増幅産物であることを特徴とするDNA断片。
  14. プロモーター、目的遺伝子配列、発現マーカー及びポリアデニレーションシグナル配列(pA配列)から構成される細胞発現用合成DNA断片作成方法において、前記プロモータの3‘側及び前記目的遺伝子配列の5’側のプライマーに第1の制限酵素配列を付加し、前記目的遺伝子配列の3‘側及び前記発現マーカーpA配列の5’側のプライマーに第2の制限酵素配列を付加して、前記プロモーター、前記目的遺伝子配列、発現マーカー及びポリアデニレーションシグナル配列(pA配列)を鋳型として第1の増幅反応を行い、
    前記第1の増幅反応による増幅産物をライゲーションし、
    前記ライゲーションによるDNA断片を鋳型として、5‘リン酸付加をした前記プロモーターのセンスプライマー及び前記発現マーカーのアンチセンスプライマーを用いて第2の増幅反応を行い
    前記第2の増幅反応による増幅産物の環状化を行うことを特徴とする細胞発現用合成DNA断片作成方法。
  15. プロモーター、目的遺伝子配列、発現マーカー及びポリアデニレーションシグナル配列(pA配列)から構成される細胞発現用合成DNA断片を作成する方法において、
    前記プロモータの3‘側及び前記目的遺伝子配列の5’側のプライマーに第1の共通配列を付加し、前記目的遺伝子配列の3‘側及び前記発現マーカーpA配列の5’側のプライマーに第2の共通配列を付加して、前記プロモーター、前記目的遺伝子配列、発現マーカー及びポリアデニレーションシグナル配列(pA配列)を鋳型として第1の増幅反応を行い、
    前記第1の増幅反応による、前記プロモーター、前記目的遺伝子配列、発現マーカー及びポリアデニレーションシグナル配列(pA配列)の増幅産物を鋳型として、前記プロモーターの5‘側プライマー及び前記発現マーカー及びポリアデニレーションシグナル配列(pA配列)の3’側プライマーを用いて、第2の増幅反応を行い、
    前記第2の増幅反応による増幅産物を鋳型として、5‘リン酸付加をした前記プロモーターのセンスプライマー及び前記発現マーカーのアンチセンスプライマーを用いて第3の増幅反応を行い、
    前記第3の増幅反応による増幅産物の環状化を行うことを特徴とする細胞発現用合成DNA断片作成方法。
  16. プロモーター、目的遺伝子配列、発現マーカー及びポリアデニレーションシグナル配列(pA配列)から構成される細胞発現用合成DNA断片を作成する方法において、
    前記プロモータの3‘側及び前記目的遺伝子配列の5’側配列を持つハイブリッドプライマーと、前記目的遺伝子配列の3‘側及び前記発現マーカーpA配列の5’側配列を有するハイブリッドプライマーを用い、前記目的遺伝子配列を鋳型として第1の増幅反応を行い、
    前記発現マーカー配列を有するプラスミドベクターを、前記プロモーターと前記発現マーカーの間で切断して直鎖ベクターを作成し、
    前記第1の増幅反応の増幅産物及び前記直鎖ベクターを鋳型とし、5‘リン酸付加をした前記プロモーターのセンスプライマー及び前記発現マーカーのアンチセンスプライマーを用いて第2の増幅反応を行い、
    前記第2の増幅反応による増幅産物の環状化を行うことを特徴とする細胞発現用合成DNA断片作成方法。
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