JP2004140289A - 電子部品の放熱構造およびこれを備えたディスクドライブ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業性が向上するとともに、材料費削減による製造コストの低減が図られたICの放熱構造を備えたディスクドライブ装置を提供する。
【解決手段】放熱されるべきIC10と、IC10が実装される実装面を有するプリント基板5と、プリント基板5の実装面側に位置し、プリント基板5と所定の間隔をもって離間して位置する金属製のボトムキャビネット2aとを備え、ボトムキャビネット2aは、IC10に対応する位置にプリント基板5に向かって突出するように形成された凸部2a1を有し、ボトムキャビネット2aのプリント基板5に対向する面には、凸部2a1に対応する位置に開口6aを有する絶縁シート6が貼付され、ボトムキャビネット2aとIC10との間には、凸部2a1とIC10とに挟まれて押圧固定された放熱シート7が位置する。
【選択図】 図1
【解決手段】放熱されるべきIC10と、IC10が実装される実装面を有するプリント基板5と、プリント基板5の実装面側に位置し、プリント基板5と所定の間隔をもって離間して位置する金属製のボトムキャビネット2aとを備え、ボトムキャビネット2aは、IC10に対応する位置にプリント基板5に向かって突出するように形成された凸部2a1を有し、ボトムキャビネット2aのプリント基板5に対向する面には、凸部2a1に対応する位置に開口6aを有する絶縁シート6が貼付され、ボトムキャビネット2aとIC10との間には、凸部2a1とIC10とに挟まれて押圧固定された放熱シート7が位置する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路装置に代表される電子部品の放熱構造に関し、また、この電子部品の放熱構造を備えたディスクドライブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子機器を構成する電子部品の放熱構造には様々な形態が取られており、電子部品において生ずる熱を如何に効率よく放熱するかが重要な課題となっている。特に近年では、目覚ましい半導体技術の進歩により、高性能の半導体集積回路装置(以下、IC(Integrated Circuit)と言う。)が電子機器の必須の電子部品となっており、このICの放熱構造は大変重要な設計事項となっている。
【0003】
ICの放熱構造としては、上述の通り種々の構造のものが提案されているが、その一つとして、ICにて生ずる熱を筐体である金属製のキャビネットに放熱する構造が知られている(たとえば、特許文献1または2参照)。この構造では、放熱部材としてキャビネットが用いられるため、別途放熱部材を必要とせず、部品の共通化が図られる。この結果、比較的容易に放熱構造を実現することが可能になる。
【0004】
ICを搭載した電子機器として、たとえばディスクドライブ装置がある。図4は、一般的なディスクドライブ装置の構造を示す斜視図である。ディスクドライブ装置1は、図に示すように、箱型形状の筐体であるキャビネット2によって覆われており、前面にはディスク状記録媒体である光ディスクを装填するためのトレイ4が出入りするトレイ用開口11や、イジェクトボタン12等の各種操作ボタンなどが位置している。
【0005】
図5は、図4に示すディスクドライブ装置の内部構造を説明するための分解斜視図である。なお、図5においては、内部構造の理解を容易とするためにディスクドライブ装置1に組付けられる光ピックアップやターンテーブルなどの部品はその図示を省略してある。
【0006】
図に示すように、キャビネット2は、ディスクドライブ装置1の底面を形成する金属製の板状部材であるボトムキャビネット2aと、天面、側面および背面を形成するカバー2bとから構成される。光ディスクが装填されるトレイ4は、樹脂製のフレーム3に移動自在に組付けられる。また、フレーム3の下端部分には、各種電子部品が実装されたプリント基板5が配設される。このプリント基板5は、下面側に電子部品が実装される実装面を有しており、この実装面にIC10が複数個実装されている。これらトレイ4およびプリント基板5が組付けられたフレーム3を内部に収容するように、ボトムキャビネット2aとカバー2bとがビス8によって固定されることにより、ディスクドライブ装置1が組立てられる。
【0007】
上記の構造のディスクドライブ装置にあっては、フレーム4の下端にプリント基板5が配設されるため、ボトムキャビネット2aとプリント基板5とは所定の間隔をもって対向して位置することになる。ボトムキャビネット2aとプリント基板5とは、ディスクドライブ装置1の小型化のために可能な限り接近させた状態にて配置することが好ましい。しかしながら、万が一、電子部品の導電部分や電子部品のプリント基板への電気的接続箇所などがボトムキャビネット2aに接触してしまうと、回路がショートしてしまう等の不具合が生ずるおそれがある。このため、ボトムキャビネット2aのプリント基板5に対向する面には、絶縁シート6が貼付され、絶縁が保たれるように配慮されている。
【0008】
このような構造のディスクドライブ装置にあっては、IC10にて生ずる熱を金属製のボトムキャビネット2aへと逃がす工夫がなされる。具体的には、図6に示すように、絶縁シート6のIC10に対応した位置に開口6aを設け、この開口6a内に位置し、かつIC10とボトムキャビネット2aとに挟まれて押圧固定されるように放熱シート7が配置される。放熱シート7は絶縁シート6に比べて熱伝導性に優れており、この放熱シートを介してIC10とボトムキャビネット2aとを接続することにより、IC10にて生ずる熱を効率よくボトムキャビネット2aへと放熱することが可能になる。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−286783号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平4−260396号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2000−115956号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにICにて生ずる熱を放熱シートを介してキャビネットに放熱する場合には、以下のような問題があった。
【0013】
第1に、放熱シートとして利用することが可能な部材が非常に高価である点が挙げられる。これは、放熱シートとして要求される特性に厳しい制約があるためであり、その制約としては、高熱伝導性、絶縁性および弾力性に富み、かつ長期にわたってこれら特性が維持されることなど挙げられる。これらの条件を満たす部材としては、たとえばシリコンラバーなどが採用されていた。しかしながら、このシリコンラバーからなる放熱シートは非常に高価な部材であり、製造コストの増大につながっていた。
【0014】
図6に示すように、従来のディスクドライブ装置にあっては、放熱シート7の厚みt2は、プリント基板5とキャビネット2aとの間の距離dからIC10の厚みtICを引いた厚み(t2=d−tIC)以上必要となっていた。上記において説明したように、プリント基板5とキャビネット2aとは所定の距離以上に離間して配置される必要があるため、このことが材料費の増大につながっていた。
【0015】
第2に、作業性が悪くなる点が挙げられる。上述のように、プリント基板には通常複数のICが実装されるが、これらICのプリント基板表面でのレイアウトには対称性がない場合が多く、必然的にキャビネットに貼付される絶縁シートには表裏が存在するようになる。たとえば、開口部が右側に位置するように貼付すべきものを、表裏を間違えて開口部が左側に位置するように貼付してしまうおそれがあった。このように、ボトムキャビネットに絶縁シートを貼り付ける工程において、表裏を間違って貼り付けるミスが生じるおそれがあり、作業が煩雑になっていた。
【0016】
したがって、本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、作業性が向上するとともに、材料費削減による製造コストの低減が図られた電子部品の放熱構造およびこれを備えたディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に基づくディスクドライブ装置は、半導体集積回路装置と、プリント基板と、ボトムキャビネットと、絶縁シートと、放熱シートとを備える。プリント基板は、半導体集積回路装置が実装される実装面を有しており、ボトムキャビネットは、金属製の板状部材であり、プリント基板の実装面側に位置し、基板と所定の間隔をもって離間して位置する。また、ボトムキャビネットは、半導体集積回路装置に対応する位置にプリント基板に向かって突出するように形成された凸部を有している。絶縁シートは、ボトムキャビネットの凸部に対応する位置に開口を有し、ボトムキャビネットのプリント基板に対向する面に貼付される。放熱シートは、熱伝導性に優れたシート状の部材であり、凸部と半導体集積回路装置とに挟まれて押圧固定される。
【0018】
このように、ボトムキャビネットの半導体集積回路装置に対応した位置に凸部を設け、この凸部と半導体集積回路装置との間に放熱シートを介在させることにより、プリント基板とボトムキャビネットとの距離を所定の距離以上に保った上で放熱シートの厚みを薄くすることが可能になる。これにより、放熱性能が向上するとともに材料費の削減が可能になる。
【0019】
また、上記構成においては、予めボトムキャビネットに凸部が形成されているため、絶縁シートをキャビネットに貼り付ける際に、絶縁シートの開口部分とボトムキャビネットの凸部とによって絶縁シートの表裏が確認されるとともに絶縁シートのボトムキャビネットに対する位置合わせが簡便に行なえるようになる。このように、上記構成の如くボトムキャビネットに凸部を設けることにより、作業性の大幅な改善が図られるようになる。
【0020】
本発明に基づく電子部品の放熱構造は、電子部品と、基板と、板状部材と、放熱部材とを備える。基板は、電子部品が実装される実装面を有しており、板状部材は金属からなり、基板の実装面側に位置し、基板と所定の間隔をもって離間して位置する。板状部材の電子部品に対応する位置には、基板に向かって突出するように形成された凸部が設けられている。放熱部材は、板状部材と電子部品とに接触して配置される。
【0021】
このように、板状部材の電子部品に対応した位置に凸部を設け、この凸部と電子部品との間に放熱部材を介在させることにより、基板と板状部材との距離を所定の距離以上に保った上で放熱部材の厚みを薄くすることが可能になる。これにより、放熱性能が向上するとともに材料費の削減が可能になる。
【0022】
上記本発明の基づく電子部品の放熱構造にあっては、たとえば、基板と板状部材との間には絶縁シートが位置しており、絶縁シートは凸部に対応する位置に開口を有し、板状部材の基板に対向する面に貼付されていることが望ましい。
【0023】
このように、基板と板状部材との間に絶縁シートを配置することにより、板状部材が万が一基板側に変形した場合にも基板に設けられる回路がショートする心配がなくなる。また、予め板状部材の電子部品に対応する位置に凸部が設けられているため、絶縁シートを板状部材に貼り付ける際に、絶縁シートの開口部分と板状部材の凸部とによって絶縁シートの表裏が確認されるとともに絶縁シートの板状部材に対する位置合わせが簡便に行なえるようになる。このように、本構成とすることにより作業性の大幅な改善が図られる。
【0024】
上記本発明に基づく電子部品の放熱構造にあっては、たとえば、放熱部材はシート状の部材であり、凸部と電子部品とに挟まれて押圧固定されていることが望ましい。
【0025】
このように、放熱部材をシート状の部材とすることにより、組付けの際にその取扱い性が向上する。
【0026】
上記本発明に基づく電子部品の放熱構造にあっては、たとえば、放熱部材は絶縁性のグリースであることが望ましい。
【0027】
このように、放熱部材を絶縁性のグリースとした場合には、上記のように放熱部材を放熱シートとした場合に生じ得る放熱部材の位置ずれの心配がないため、さらに作業性が向上する。
【0028】
上記本発明に基づく電子部品の放熱構造にあっては、たとえば、凸部は板状部材をプレス加工することにより形成され、板状部材はその中央部分が基板に近接する方向に向かって反っていることが望ましい。
【0029】
このように、板状部材にプレス加工を施すことによって凸部を形成することにより、凸部が簡便に形成されるとともに、板状部材の中央部分が僅かに基板側に向かって反った形状となる。これにより、板状部材を組付ける際にこの反りによって放熱部材が適度に押圧されるようになり、その密着性が向上する。このため、放熱性能が向上する効果も得られるようになる。
【0030】
上記本発明に基づく電子部品の放熱構造にあっては、たとえば、板状部材は基板を収容する筐体の一面であることが望ましい。
【0031】
このように、板状部材が筐体の一面であれば別途放熱用の板状部材を設ける必要がなくなるため、装置の小型化および部品点数の削減が可能になる。
【0032】
本発明に基づくさらに他のディスクドライブ装置は、上述のいずれかの電子部品の放熱構造を備えている。
【0033】
このように、上述の電子部品の放熱構造を用いたディスクドライブ装置とすることにより、放熱性能に優れた電子部品の放熱構造を備えたディスクドライブ装置を提供することが可能になり、製品寿命の向上につながる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例について、図を参照して説明する。
【0035】
図1は、本発明の実施の形態におけるディスクドライブ装置の内部構造を説明するための分解斜視図であり、図2(a)は、図1におけるキャビネットの形状を示す上面図であり、図2(b)は正面図、図2(c)は側面図である。また、図3は、本発明の実施の形態におけるICの放熱構造を説明するための断面図である。
【0036】
まず、図1を参照して、本実施の形態におけるディスクドライブ装置の構造について説明する。なお、内部構造の理解を容易とするためにディスクドライブ装置1に組付けられる光ピックアップやターンテーブルなどの部品はその図示を省略してある。
【0037】
本実施の形態におけるディスクドライブ装置1は、上述の従来例において示したディスクドライブ装置と同様の外観構造を有しており、正面を除く外面はキャビネット2によって覆われている。キャビネット2内には、光ディスクを装填するトレイ4が移動自在に組付けられるフレーム3や、同じくフレーム4に組付けられるプリント基板5、プリント基板5とキャビネット2との絶縁を確保する絶縁シート6などが積層配置される。
【0038】
キャビネット2は、ディスクドライブ装置1の底面を形成する金属製の板状部材であるボトムキャビネット2aと、天面、側面および背面を形成するカバー2bとから構成される。これらボトムキャビネット2aとカバー2bとは、上述のフレーム3やプリント基板5等を収容した状態にてビス8を用いて固定されることにより、箱型形状の筐体を構成する。
【0039】
ボトムキャビネット2aは、図2に示すように、プレス加工が施された金属製の板状部材からなる。ボトムキャビネット2aは、上方に向かって突出するように形成された凸部2a1を所定位置に有している。この凸部2a1はプレス加工によって形成され、ディスクドライブ装置1の組立て後において、ボトムキャビネット2aのプリント基板5に実装されたIC10に対応する位置に設けられる。また、凸部2a1の上面の大きさは、IC10の上面の大きさとほぼ同じと大きさとなるように形成される。
【0040】
また、図2(b)および図2(c)に示すように、ボトムキャビネット2aは凸部2a1を形成するためのプレス加工により、その中央部分が上方に反った形状となる。すなわち、ディスクドライブ装置1の組立て後において、プリント基板5と近接する方向に向かって僅かに反った形状となる。
【0041】
図1を参照して、プリント基板5は、各種電子部品が実装される実装面を下面側に有しており、この実装面にIC10が複数個実装されている。
【0042】
ボトムキャビネット2aとプリント基板5との間には、絶縁シート6および放熱シート7が配置される。絶縁シート6は、ボトムキャビネットの凸部2a1に対応した位置、すなわちプリント基板5に実装されるIC10に対応した位置に開口6aを有するフィルム状の部材であり、予めボトムキャビネット2aのプリント基板5に対向する面へと貼り付けられる。放熱シート7は、たとえば、シリコンラバーからなり、ボトムキャビネット2aの凸部2a1の上面と、プリント基板5に実装されたIC10の上面との間に挟み込まれるように押圧固定される。
【0043】
次に、図3を参照して、ICの放熱構造についてより詳細に説明する。図に示すように、キャビネット2aとプリント基板5とは、所定の距離を持って離間して配置されている。プリント基板5の下面側には、IC10が実装されており、キャビネット2aのIC10に対応する位置には、凸部2a1が形成されている。絶縁シート6は、凸部2a1に対応する位置に開口6aを有しており、キャビネット2aのプリント基板5に対向する面側に貼付されている。凸部2a1とIC10との間には、放熱シート7が挟み込まれて押圧固定されている。
【0044】
この放熱シートの厚みt1は、IC10と凸部2a1に押圧固定された状態において、プリント基板5とキャビネット2aとの距離dからIC10の厚みtICと凸部2a1の高さhを引いた厚み(t1=d−(tIC+h))となる。ただし、放熱シート7は前述のように押圧固定されるため、このt1よりも僅かに厚いものを使用する必要がある。
【0045】
以上のように、ボトムキャビネット2aのIC10に対応する位置に凸部2a1を設けることにより、放熱シートの厚みを従来に比して凸部2a1の高さ分だけ薄くすることが可能になる。これにより、材料費が削減されるのみならず、放熱性能の向上も図られる。
【0046】
また、上述のように、ボトムキャビネット2aに凸部2a1をプレス加工にて設けた場合には、ボトムキャビネット2aの中央部分がプリント基板5側へと近接する方向に反った形状となる。これにより、ボトムキャビネット2aを組付ける際にこの反りによって放熱シート7が適度に押圧されるようになり、その密着性が向上する。このため、放熱性能が向上する効果も得られるようになる。
【0047】
さらには、予めボトムキャビネット2aのIC10に対応する位置に凸部2a1が設けられているため、絶縁シート6をボトムキャビネット2aに貼り付ける際に、絶縁シート6の開口6aとボトムキャビネット2aの凸部2a1とによって絶縁シート6の表裏が確認されるとともに、絶縁シート6のボトムキャビネット2aに対する位置合わせが簡便に行なえるようになる。このように、作業性の大幅な改善も図られる。
【0048】
上記実施の形態においては、放熱部材として放熱シートを例示して説明を行なったが、特にこれに限定されるものではない。たとえば、放熱部材としてシリコングリースなどの放熱グリースを用いることも可能である。放熱グリースを用いた場合には、予めボトムキャビネットの凸部に放熱グリースを所定量塗布することにより、キャビネット組み付け後において、ボトムキャビネットの凸部上面とICの上面とが放熱グリースによって充填されるため、簡便に放熱構造を構成することが可能になる。これにより、放熱シートを用いた場合に比べて位置合わせが不要になるため、作業効率も改善される。なお、塗布する放熱グリースの量は予め試行などを行うことによって決定することが好ましく、適量であれば垂れ出す心配もなく、また接触不良が生じる心配もないことが発明者によって確認されている。さらには、ディスクドライブ装置に内蔵されるICの放熱構造に、このシリコングリースを用いた場合には、長期の使用によってシリコングリース内の油分が蒸発し、ピックアプのレンズに付着することが予想されるが、発明者により、適量の塗布であればこの問題も生じないことが確認されている。
【0049】
また、上記実施の形態においては、絶縁シートがボトムキャビネットのプリント基板側に貼付された場合を例示して説明を行なったが、特にこの絶縁シートは必須の要素ではなく、プリント基板およびプリント基板に実装される電子部品等とボトムキャビネットが接触する心配がない場合には不要である。
【0050】
なお、本考案は、CD(Compact Disc)、CD−ROM、CD−RW(Compact Disc−Rewritable)、DVD、DVD−ROM(Digital Versatile Disc− ReadOnly Memory)など、あらゆる光情報記録媒体のディスクドライブ装置に適用可能であり、またディスクドライブ装置以外の電子機器に適用することも可能である。
【0051】
以上のように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0052】
【発明の効果】
本発明により、作業性が向上するとともに、材料費削減による製造コストの低減が図られた電子部品の放熱構造およびこの放熱構造を備えたディスクドライブ装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるディスクドライブ装置の内部構造を示す分解斜視図である。
【図2】図1におけるボトムキャビネットの形状を示す(a)は上面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるICの放熱構造を説明するための断面図である。
【図4】一般的なディスクドライブ装置の構造を示す斜視図である。
【図5】図5におけるディスクドライブ装置の内部構造を示す分解斜視図である。
【図6】従来におけるICの放熱構造を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 ディスクドライブ装置、2 キャビネット、2a ボトムキャビネット、2a1 凸部、2b カバー、3 フレーム、4 トレイ、5 プリント基板、6 絶縁シート、6a 開口、7 放熱シート、8 ビス、10 IC、11 トレイ用開口、12 イジェクトボタン。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路装置に代表される電子部品の放熱構造に関し、また、この電子部品の放熱構造を備えたディスクドライブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子機器を構成する電子部品の放熱構造には様々な形態が取られており、電子部品において生ずる熱を如何に効率よく放熱するかが重要な課題となっている。特に近年では、目覚ましい半導体技術の進歩により、高性能の半導体集積回路装置(以下、IC(Integrated Circuit)と言う。)が電子機器の必須の電子部品となっており、このICの放熱構造は大変重要な設計事項となっている。
【0003】
ICの放熱構造としては、上述の通り種々の構造のものが提案されているが、その一つとして、ICにて生ずる熱を筐体である金属製のキャビネットに放熱する構造が知られている(たとえば、特許文献1または2参照)。この構造では、放熱部材としてキャビネットが用いられるため、別途放熱部材を必要とせず、部品の共通化が図られる。この結果、比較的容易に放熱構造を実現することが可能になる。
【0004】
ICを搭載した電子機器として、たとえばディスクドライブ装置がある。図4は、一般的なディスクドライブ装置の構造を示す斜視図である。ディスクドライブ装置1は、図に示すように、箱型形状の筐体であるキャビネット2によって覆われており、前面にはディスク状記録媒体である光ディスクを装填するためのトレイ4が出入りするトレイ用開口11や、イジェクトボタン12等の各種操作ボタンなどが位置している。
【0005】
図5は、図4に示すディスクドライブ装置の内部構造を説明するための分解斜視図である。なお、図5においては、内部構造の理解を容易とするためにディスクドライブ装置1に組付けられる光ピックアップやターンテーブルなどの部品はその図示を省略してある。
【0006】
図に示すように、キャビネット2は、ディスクドライブ装置1の底面を形成する金属製の板状部材であるボトムキャビネット2aと、天面、側面および背面を形成するカバー2bとから構成される。光ディスクが装填されるトレイ4は、樹脂製のフレーム3に移動自在に組付けられる。また、フレーム3の下端部分には、各種電子部品が実装されたプリント基板5が配設される。このプリント基板5は、下面側に電子部品が実装される実装面を有しており、この実装面にIC10が複数個実装されている。これらトレイ4およびプリント基板5が組付けられたフレーム3を内部に収容するように、ボトムキャビネット2aとカバー2bとがビス8によって固定されることにより、ディスクドライブ装置1が組立てられる。
【0007】
上記の構造のディスクドライブ装置にあっては、フレーム4の下端にプリント基板5が配設されるため、ボトムキャビネット2aとプリント基板5とは所定の間隔をもって対向して位置することになる。ボトムキャビネット2aとプリント基板5とは、ディスクドライブ装置1の小型化のために可能な限り接近させた状態にて配置することが好ましい。しかしながら、万が一、電子部品の導電部分や電子部品のプリント基板への電気的接続箇所などがボトムキャビネット2aに接触してしまうと、回路がショートしてしまう等の不具合が生ずるおそれがある。このため、ボトムキャビネット2aのプリント基板5に対向する面には、絶縁シート6が貼付され、絶縁が保たれるように配慮されている。
【0008】
このような構造のディスクドライブ装置にあっては、IC10にて生ずる熱を金属製のボトムキャビネット2aへと逃がす工夫がなされる。具体的には、図6に示すように、絶縁シート6のIC10に対応した位置に開口6aを設け、この開口6a内に位置し、かつIC10とボトムキャビネット2aとに挟まれて押圧固定されるように放熱シート7が配置される。放熱シート7は絶縁シート6に比べて熱伝導性に優れており、この放熱シートを介してIC10とボトムキャビネット2aとを接続することにより、IC10にて生ずる熱を効率よくボトムキャビネット2aへと放熱することが可能になる。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−286783号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平4−260396号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2000−115956号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようにICにて生ずる熱を放熱シートを介してキャビネットに放熱する場合には、以下のような問題があった。
【0013】
第1に、放熱シートとして利用することが可能な部材が非常に高価である点が挙げられる。これは、放熱シートとして要求される特性に厳しい制約があるためであり、その制約としては、高熱伝導性、絶縁性および弾力性に富み、かつ長期にわたってこれら特性が維持されることなど挙げられる。これらの条件を満たす部材としては、たとえばシリコンラバーなどが採用されていた。しかしながら、このシリコンラバーからなる放熱シートは非常に高価な部材であり、製造コストの増大につながっていた。
【0014】
図6に示すように、従来のディスクドライブ装置にあっては、放熱シート7の厚みt2は、プリント基板5とキャビネット2aとの間の距離dからIC10の厚みtICを引いた厚み(t2=d−tIC)以上必要となっていた。上記において説明したように、プリント基板5とキャビネット2aとは所定の距離以上に離間して配置される必要があるため、このことが材料費の増大につながっていた。
【0015】
第2に、作業性が悪くなる点が挙げられる。上述のように、プリント基板には通常複数のICが実装されるが、これらICのプリント基板表面でのレイアウトには対称性がない場合が多く、必然的にキャビネットに貼付される絶縁シートには表裏が存在するようになる。たとえば、開口部が右側に位置するように貼付すべきものを、表裏を間違えて開口部が左側に位置するように貼付してしまうおそれがあった。このように、ボトムキャビネットに絶縁シートを貼り付ける工程において、表裏を間違って貼り付けるミスが生じるおそれがあり、作業が煩雑になっていた。
【0016】
したがって、本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、作業性が向上するとともに、材料費削減による製造コストの低減が図られた電子部品の放熱構造およびこれを備えたディスクドライブ装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明に基づくディスクドライブ装置は、半導体集積回路装置と、プリント基板と、ボトムキャビネットと、絶縁シートと、放熱シートとを備える。プリント基板は、半導体集積回路装置が実装される実装面を有しており、ボトムキャビネットは、金属製の板状部材であり、プリント基板の実装面側に位置し、基板と所定の間隔をもって離間して位置する。また、ボトムキャビネットは、半導体集積回路装置に対応する位置にプリント基板に向かって突出するように形成された凸部を有している。絶縁シートは、ボトムキャビネットの凸部に対応する位置に開口を有し、ボトムキャビネットのプリント基板に対向する面に貼付される。放熱シートは、熱伝導性に優れたシート状の部材であり、凸部と半導体集積回路装置とに挟まれて押圧固定される。
【0018】
このように、ボトムキャビネットの半導体集積回路装置に対応した位置に凸部を設け、この凸部と半導体集積回路装置との間に放熱シートを介在させることにより、プリント基板とボトムキャビネットとの距離を所定の距離以上に保った上で放熱シートの厚みを薄くすることが可能になる。これにより、放熱性能が向上するとともに材料費の削減が可能になる。
【0019】
また、上記構成においては、予めボトムキャビネットに凸部が形成されているため、絶縁シートをキャビネットに貼り付ける際に、絶縁シートの開口部分とボトムキャビネットの凸部とによって絶縁シートの表裏が確認されるとともに絶縁シートのボトムキャビネットに対する位置合わせが簡便に行なえるようになる。このように、上記構成の如くボトムキャビネットに凸部を設けることにより、作業性の大幅な改善が図られるようになる。
【0020】
本発明に基づく電子部品の放熱構造は、電子部品と、基板と、板状部材と、放熱部材とを備える。基板は、電子部品が実装される実装面を有しており、板状部材は金属からなり、基板の実装面側に位置し、基板と所定の間隔をもって離間して位置する。板状部材の電子部品に対応する位置には、基板に向かって突出するように形成された凸部が設けられている。放熱部材は、板状部材と電子部品とに接触して配置される。
【0021】
このように、板状部材の電子部品に対応した位置に凸部を設け、この凸部と電子部品との間に放熱部材を介在させることにより、基板と板状部材との距離を所定の距離以上に保った上で放熱部材の厚みを薄くすることが可能になる。これにより、放熱性能が向上するとともに材料費の削減が可能になる。
【0022】
上記本発明の基づく電子部品の放熱構造にあっては、たとえば、基板と板状部材との間には絶縁シートが位置しており、絶縁シートは凸部に対応する位置に開口を有し、板状部材の基板に対向する面に貼付されていることが望ましい。
【0023】
このように、基板と板状部材との間に絶縁シートを配置することにより、板状部材が万が一基板側に変形した場合にも基板に設けられる回路がショートする心配がなくなる。また、予め板状部材の電子部品に対応する位置に凸部が設けられているため、絶縁シートを板状部材に貼り付ける際に、絶縁シートの開口部分と板状部材の凸部とによって絶縁シートの表裏が確認されるとともに絶縁シートの板状部材に対する位置合わせが簡便に行なえるようになる。このように、本構成とすることにより作業性の大幅な改善が図られる。
【0024】
上記本発明に基づく電子部品の放熱構造にあっては、たとえば、放熱部材はシート状の部材であり、凸部と電子部品とに挟まれて押圧固定されていることが望ましい。
【0025】
このように、放熱部材をシート状の部材とすることにより、組付けの際にその取扱い性が向上する。
【0026】
上記本発明に基づく電子部品の放熱構造にあっては、たとえば、放熱部材は絶縁性のグリースであることが望ましい。
【0027】
このように、放熱部材を絶縁性のグリースとした場合には、上記のように放熱部材を放熱シートとした場合に生じ得る放熱部材の位置ずれの心配がないため、さらに作業性が向上する。
【0028】
上記本発明に基づく電子部品の放熱構造にあっては、たとえば、凸部は板状部材をプレス加工することにより形成され、板状部材はその中央部分が基板に近接する方向に向かって反っていることが望ましい。
【0029】
このように、板状部材にプレス加工を施すことによって凸部を形成することにより、凸部が簡便に形成されるとともに、板状部材の中央部分が僅かに基板側に向かって反った形状となる。これにより、板状部材を組付ける際にこの反りによって放熱部材が適度に押圧されるようになり、その密着性が向上する。このため、放熱性能が向上する効果も得られるようになる。
【0030】
上記本発明に基づく電子部品の放熱構造にあっては、たとえば、板状部材は基板を収容する筐体の一面であることが望ましい。
【0031】
このように、板状部材が筐体の一面であれば別途放熱用の板状部材を設ける必要がなくなるため、装置の小型化および部品点数の削減が可能になる。
【0032】
本発明に基づくさらに他のディスクドライブ装置は、上述のいずれかの電子部品の放熱構造を備えている。
【0033】
このように、上述の電子部品の放熱構造を用いたディスクドライブ装置とすることにより、放熱性能に優れた電子部品の放熱構造を備えたディスクドライブ装置を提供することが可能になり、製品寿命の向上につながる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例について、図を参照して説明する。
【0035】
図1は、本発明の実施の形態におけるディスクドライブ装置の内部構造を説明するための分解斜視図であり、図2(a)は、図1におけるキャビネットの形状を示す上面図であり、図2(b)は正面図、図2(c)は側面図である。また、図3は、本発明の実施の形態におけるICの放熱構造を説明するための断面図である。
【0036】
まず、図1を参照して、本実施の形態におけるディスクドライブ装置の構造について説明する。なお、内部構造の理解を容易とするためにディスクドライブ装置1に組付けられる光ピックアップやターンテーブルなどの部品はその図示を省略してある。
【0037】
本実施の形態におけるディスクドライブ装置1は、上述の従来例において示したディスクドライブ装置と同様の外観構造を有しており、正面を除く外面はキャビネット2によって覆われている。キャビネット2内には、光ディスクを装填するトレイ4が移動自在に組付けられるフレーム3や、同じくフレーム4に組付けられるプリント基板5、プリント基板5とキャビネット2との絶縁を確保する絶縁シート6などが積層配置される。
【0038】
キャビネット2は、ディスクドライブ装置1の底面を形成する金属製の板状部材であるボトムキャビネット2aと、天面、側面および背面を形成するカバー2bとから構成される。これらボトムキャビネット2aとカバー2bとは、上述のフレーム3やプリント基板5等を収容した状態にてビス8を用いて固定されることにより、箱型形状の筐体を構成する。
【0039】
ボトムキャビネット2aは、図2に示すように、プレス加工が施された金属製の板状部材からなる。ボトムキャビネット2aは、上方に向かって突出するように形成された凸部2a1を所定位置に有している。この凸部2a1はプレス加工によって形成され、ディスクドライブ装置1の組立て後において、ボトムキャビネット2aのプリント基板5に実装されたIC10に対応する位置に設けられる。また、凸部2a1の上面の大きさは、IC10の上面の大きさとほぼ同じと大きさとなるように形成される。
【0040】
また、図2(b)および図2(c)に示すように、ボトムキャビネット2aは凸部2a1を形成するためのプレス加工により、その中央部分が上方に反った形状となる。すなわち、ディスクドライブ装置1の組立て後において、プリント基板5と近接する方向に向かって僅かに反った形状となる。
【0041】
図1を参照して、プリント基板5は、各種電子部品が実装される実装面を下面側に有しており、この実装面にIC10が複数個実装されている。
【0042】
ボトムキャビネット2aとプリント基板5との間には、絶縁シート6および放熱シート7が配置される。絶縁シート6は、ボトムキャビネットの凸部2a1に対応した位置、すなわちプリント基板5に実装されるIC10に対応した位置に開口6aを有するフィルム状の部材であり、予めボトムキャビネット2aのプリント基板5に対向する面へと貼り付けられる。放熱シート7は、たとえば、シリコンラバーからなり、ボトムキャビネット2aの凸部2a1の上面と、プリント基板5に実装されたIC10の上面との間に挟み込まれるように押圧固定される。
【0043】
次に、図3を参照して、ICの放熱構造についてより詳細に説明する。図に示すように、キャビネット2aとプリント基板5とは、所定の距離を持って離間して配置されている。プリント基板5の下面側には、IC10が実装されており、キャビネット2aのIC10に対応する位置には、凸部2a1が形成されている。絶縁シート6は、凸部2a1に対応する位置に開口6aを有しており、キャビネット2aのプリント基板5に対向する面側に貼付されている。凸部2a1とIC10との間には、放熱シート7が挟み込まれて押圧固定されている。
【0044】
この放熱シートの厚みt1は、IC10と凸部2a1に押圧固定された状態において、プリント基板5とキャビネット2aとの距離dからIC10の厚みtICと凸部2a1の高さhを引いた厚み(t1=d−(tIC+h))となる。ただし、放熱シート7は前述のように押圧固定されるため、このt1よりも僅かに厚いものを使用する必要がある。
【0045】
以上のように、ボトムキャビネット2aのIC10に対応する位置に凸部2a1を設けることにより、放熱シートの厚みを従来に比して凸部2a1の高さ分だけ薄くすることが可能になる。これにより、材料費が削減されるのみならず、放熱性能の向上も図られる。
【0046】
また、上述のように、ボトムキャビネット2aに凸部2a1をプレス加工にて設けた場合には、ボトムキャビネット2aの中央部分がプリント基板5側へと近接する方向に反った形状となる。これにより、ボトムキャビネット2aを組付ける際にこの反りによって放熱シート7が適度に押圧されるようになり、その密着性が向上する。このため、放熱性能が向上する効果も得られるようになる。
【0047】
さらには、予めボトムキャビネット2aのIC10に対応する位置に凸部2a1が設けられているため、絶縁シート6をボトムキャビネット2aに貼り付ける際に、絶縁シート6の開口6aとボトムキャビネット2aの凸部2a1とによって絶縁シート6の表裏が確認されるとともに、絶縁シート6のボトムキャビネット2aに対する位置合わせが簡便に行なえるようになる。このように、作業性の大幅な改善も図られる。
【0048】
上記実施の形態においては、放熱部材として放熱シートを例示して説明を行なったが、特にこれに限定されるものではない。たとえば、放熱部材としてシリコングリースなどの放熱グリースを用いることも可能である。放熱グリースを用いた場合には、予めボトムキャビネットの凸部に放熱グリースを所定量塗布することにより、キャビネット組み付け後において、ボトムキャビネットの凸部上面とICの上面とが放熱グリースによって充填されるため、簡便に放熱構造を構成することが可能になる。これにより、放熱シートを用いた場合に比べて位置合わせが不要になるため、作業効率も改善される。なお、塗布する放熱グリースの量は予め試行などを行うことによって決定することが好ましく、適量であれば垂れ出す心配もなく、また接触不良が生じる心配もないことが発明者によって確認されている。さらには、ディスクドライブ装置に内蔵されるICの放熱構造に、このシリコングリースを用いた場合には、長期の使用によってシリコングリース内の油分が蒸発し、ピックアプのレンズに付着することが予想されるが、発明者により、適量の塗布であればこの問題も生じないことが確認されている。
【0049】
また、上記実施の形態においては、絶縁シートがボトムキャビネットのプリント基板側に貼付された場合を例示して説明を行なったが、特にこの絶縁シートは必須の要素ではなく、プリント基板およびプリント基板に実装される電子部品等とボトムキャビネットが接触する心配がない場合には不要である。
【0050】
なお、本考案は、CD(Compact Disc)、CD−ROM、CD−RW(Compact Disc−Rewritable)、DVD、DVD−ROM(Digital Versatile Disc− ReadOnly Memory)など、あらゆる光情報記録媒体のディスクドライブ装置に適用可能であり、またディスクドライブ装置以外の電子機器に適用することも可能である。
【0051】
以上のように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【0052】
【発明の効果】
本発明により、作業性が向上するとともに、材料費削減による製造コストの低減が図られた電子部品の放熱構造およびこの放熱構造を備えたディスクドライブ装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるディスクドライブ装置の内部構造を示す分解斜視図である。
【図2】図1におけるボトムキャビネットの形状を示す(a)は上面図であり、(b)は正面図であり、(c)は側面図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるICの放熱構造を説明するための断面図である。
【図4】一般的なディスクドライブ装置の構造を示す斜視図である。
【図5】図5におけるディスクドライブ装置の内部構造を示す分解斜視図である。
【図6】従来におけるICの放熱構造を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 ディスクドライブ装置、2 キャビネット、2a ボトムキャビネット、2a1 凸部、2b カバー、3 フレーム、4 トレイ、5 プリント基板、6 絶縁シート、6a 開口、7 放熱シート、8 ビス、10 IC、11 トレイ用開口、12 イジェクトボタン。
Claims (8)
- 放熱されるべき半導体集積回路装置と、
前記半導体集積回路装置が実装される実装面を有するプリント基板と、
前記プリント基板の実装面側に位置し、前記プリント基板と所定の間隔をもって位置する金属製のボトムキャビネットとを備え、
前記ボトムキャビネットは、前記半導体集積回路装置に対応する位置に前記プリント基板に向かって突出するように形成された凸部を有し、
前記ボトムキャビネットの前記プリント基板に対向する面には、前記凸部に対応する位置に開口を有する絶縁シートが貼付され、
前記ボトムキャビネットと前記半導体集積回路装置との間には、前記凸部と前記半導体集積回路装置とに挟まれて押圧固定された放熱シートが位置している、ディスクドライブ装置。 - 放熱されるべき電子部品と、
前記電子部品が実装される実装面を有する基板と、
前記基板の実装面側に位置し、前記基板と所定の間隔をもって位置する金属製の板状部材とを備え、
前記板状部材は、前記電子部品に対応する位置に前記基板に向かって突出するように形成された凸部を有し、
前記板状部材と前記電子部品との間には、前記凸部と前記電子部品とに接触配置された放熱部材が位置している、電子部品の放熱構造。 - 前記基板と前記板状部材との間には、さらに絶縁シートが位置しており、前記絶縁シートは、前記凸部に対応する位置に開口を有し、前記板状部材の前記基板に対向する面に貼付されている、請求項2に記載の電子部品の放熱構造。
- 前記放熱部材は、放熱シートであり、前記凸部と前記電子部品とに挟まれて押圧固定されている、請求項2または3に記載の電子部品の放熱構造。
- 前記放熱部材は、絶縁性のグリースである、請求項2または3に記載の電子部品の放熱構造。
- 前記凸部は、前記板状部材をプレス加工することにより形成され、前記板状部材は、中央部分が前記基板に近接する方向に向かって反っている、請求項2から5のいずれかに記載の電子部品の放熱構造。
- 前記板状部材は、前記基板を収容する筐体の一面である、請求項2から6のいずれかに記載の電子部品の放熱構造。
- 請求項2から7のいずれかに記載の電子部品の放熱構造を備える、ディスクドライブ装置。
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JP2002305803A JP2004140289A (ja) | 2002-10-21 | 2002-10-21 | 電子部品の放熱構造およびこれを備えたディスクドライブ装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
- 2002-10-21 JP JP2002305803A patent/JP2004140289A/ja not_active Withdrawn
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