JP2004139693A - 磁気テープカートリッジおよびその組立方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カートリッジに湾曲したドアと引張コイルばねを組み付ける作業を容易に実現することができる磁気テープカートリッジおよびその組立方法を提供する。
【解決手段】湾曲したスライドドア6を有する磁気テープカートリッジにおいて、ドア側ばね掛け部63に隣接してばね置き台64を設ける。スライドドア6をカートリッジケース1に組み付ける際には、ドア側ばね掛け部63に引張コイルばね7の一端部7Aを掛け、ばね置き台64に引張コイルばね7を載置する。そして、この状態でスライドドア6を下ハーフ1Bに近づけ、引張コイルばね7の他端部7Bをケース側ばね掛け部8に掛ける。さらに、スライドドア6をガイド溝13に係合させて下ハーフ1Bへ組み付ける。
【選択図】 図5
【解決手段】湾曲したスライドドア6を有する磁気テープカートリッジにおいて、ドア側ばね掛け部63に隣接してばね置き台64を設ける。スライドドア6をカートリッジケース1に組み付ける際には、ドア側ばね掛け部63に引張コイルばね7の一端部7Aを掛け、ばね置き台64に引張コイルばね7を載置する。そして、この状態でスライドドア6を下ハーフ1Bに近づけ、引張コイルばね7の他端部7Bをケース側ばね掛け部8に掛ける。さらに、スライドドア6をガイド溝13に係合させて下ハーフ1Bへ組み付ける。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープカートリッジおよびその組立方法に関し、詳しくは、カートリッジケースにドアと引張コイルばねを組み付ける磁気テープカートリッジおよびその組立方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンピュータ等のデータバックアップ用の外部記録媒体として、記録媒体である磁気テープが巻装された単一のリールを収納して構成される磁気テープカートリッジがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−265560号公報(第2図)
【0004】
この種の磁気テープカートリッジとしてはいろいろな種類のものがあり、近年は、ドライブ装置内に挿入した際の磁気テープカートリッジの収容スペースを小さくするために、カートリッジケースの角部に開口を形成し、この開口を横長の薄板状に形成され湾曲した形状のドアで開閉するように構成した磁気テープカートリッジが開発されている。
【0005】
このような磁気テープカートリッジでは、ドアを開閉するために、ドアをケースに対してスライド自在な構造とするとともに、ドアにドア側ばね掛け部を設け、カートリッジケースの内面にケース側ばね掛け部を設け、ドア側ばね掛け部とケース側ばね掛け部に掛け渡された引張コイルばねによって、ドアを常時閉方向に付勢しておき、ドアの外面に形成された操作用突片をドライブ装置のローディング機構に付属する操作アームによって押動することによって、ドアの開操作を行う構造が考えられる。
【0006】
そして、このような構造の磁気テープカートリッジにおけるドアおよび引張コイルばねの組付作業を自動化する方法としては、まず、ドアをロボットハンドで把持してカートリッジケースの内面に形成されたガイド溝にセットし、その後、引張コイルばねをロボットハンドで把持して、引張コイルばねの両端をドアに設けられたドア側ばね掛け部と、カートリッジケースの内面に設けられたケース側ばね掛け部に取り付ける組付方法が考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した組付方法では、カートリッジケースのガイド溝にセットされたドアが左右にぐらついたり傾いたりすると、ドア側ばね掛け部のカートリッジケースに対する位置がずれるため、引張コイルばねの両端をドア側ばね掛け部とケース側ばね掛け部に取り付ける作業が困難になるという問題があった。
また、ドアとケース側ばね掛け部との隙間が狭いと、引張コイルばねの両端をドア側ばね掛け部とケース側ばね掛け部に取り付ける際に、引張コイルばねを把持し、ドアとケース側ばね掛け部との間に挿入することが困難になるという問題があった。つまり、前記した組付方法では、カートリッジケースにドアと引張コイルばねを組み付ける作業が困難であるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の課題は、カートリッジケースに湾曲したドアと引張コイルばねを組み付ける作業を容易に実現することができる磁気テープカートリッジおよびその組立方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の磁気テープカートリッジは、上ハーフおよび下ハーフからなるカートリッジケースと、前記カートリッジケースの側壁部分の角部に形成された磁気テープ引出口と、前記磁気テープ引出口を開閉する湾曲したドアと、前記ドアをその開閉方向に摺動自在に案内するガイド溝と、前記ドアに突設されたドア側ばね掛け部と、前記カートリッジケースの内面に形成されたケース側ばね掛け部と、前記ドア側ばね掛け部にその一端部が、前記ケース側ばね掛け部にその他端部が掛けられ、前記ドアを前記磁気テープ引出口の閉位置に付勢する引張コイルばねと、前記ドア側ばね掛け部に隣接して設けられ、前記ドア側ばね掛け部に仮組みさせた前記引張コイルばねを載置可能なばね置き台とを備えて構成されることを特徴とする。
【0010】
本発明の磁気テープカートリッジによれば、ばね置き台に引張コイルばねが載置されているため、引張コイルばねをドアに組み付けて搬送する際、引張コイルばねを保持し易い。
また、ばね置き台を介してドアとドア側ばね掛け部が構成されているため、部品剛性が向上し、稼動時の引張コイルばねの引張り力による繰り返し耐久性が向上する。
【0011】
本発明において、前記ばね置き台に載置される引張コイルばねが、その組付状態に対して下側に位置するように、前記ばね置き台が傾斜していることが好ましい。
このようにすると、製品の使用時、すなわちドアの開閉時に引張コイルばねがばね置き台に干渉することがなくドアを開閉できる。
【0012】
本発明において、前記ばね置き台は、前記引張コイルばねを一定位置に規制する溝が形成されていることが好ましい。
このようにすると、ばね置き台上で引張コイルばねの位置が決まり易く、例えばドア側ばね掛け部に引張コイルばねを仮組みした状態で、引張コイルばねを移動させる場合であっても、引張コイルばねの落下を防止することができる。
なお、前記溝形状は断面V字型の溝または半円型の溝等の凹状態の形状を含む。
【0013】
本発明において、前記ばね置き台に前記引張コイルばねを載置した状態で、前記他端部が前記ばね置き台の外側に配置されるように、すなわち前記引張コイルばねの他端部がばね置き台からはみ出るように、前記ばね置き台の長さが設定されていることが好ましい。なおここで、「ばね置き台の長さ」とは、ばね置き台に引張コイルばねを置いたときに、そのコイル軸方向についてのばね置き台の大きさ「L」(図4参照)をいう。
このようにすると、引張コイルばねの他端部をケース側ばね掛け部に掛けるときに、ばね置き台が他部品に干渉することなくスライドドアをカートリッジケースに確実に組み付けることができる。
【0014】
また、前記した磁気テープカートリッジを組み立てる場合には、前記ドアのドア側ばね掛け部に引張コイルばねの一端部を掛ける第1ステップと、前記引張コイルばねを前記ばね置き台に載置する第2ステップと、前記ドアを前記ガイド溝に近づけて、前記他端部を前記ケース側ばね掛け部に掛ける第3ステップと、前記引張コイルばねを引き伸ばしつつ、前記ドアを前記ガイド溝に係合させる第4ステップとを含むように組み立てるのが好ましい。
このようにすると、引張コイルばねの取り扱いが容易になって、スライドドアの組み付けを自動化し易い。
【0015】
本発明の組立方法において、前記第3ステップにおいて前記ドアを前記ガイド溝に近づける際に、前記引張コイルばねが、その組付状態と同じ傾きになるように前記ドアを前記下ハーフに対し傾斜させて把持する組立方法であることが好ましい。
このようにすると、引張コイルばねの他端をケース側ばね掛け部と位置決めし易い。また、組み付け作業時に部品間の干渉を確実に防止でき、部品搭載成功率を向上できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る磁気テープカートリッジ及びその組立方法の一実施の形態について、適宜図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
まず、本発明に係る磁気テープカートリッジについて、図1、図2および図3を参照して説明する。参照する図面において、図1は、本発明に係る磁気テープカートリッジMCの構成を分解して示す斜視図である。また、図2は、図1に示した磁気テープカートリッジMCに含まれる下ハーフ1Bの内面12の要部を拡大して示す斜視図である。また、図3は、図1に示した磁気テープカートリッジMCに含まれるスライドドア6を拡大して示す斜視図である。ここで「上ハーフ1A、下ハーフ1B」とは、組付時において上側になるものを「上ハーフ1A」といい、下側になるものを「下ハーフ1B」という。
【0018】
図1に示すように、磁気テープカートリッジMCは、上ハーフ1Aと下ハーフ1Bに分割して構成されたカートリッジケース1の内部に、記録媒体である磁気テープMTが巻装された単一のリール2、リール2の回転をロックするためのロックプレート3及び圧縮コイルばね4、リール2のロック状態を解除するためのリリースパッド5、カートリッジケース1の角部1Cに上ハーフ1Aと下ハーフ1Bに跨って形成された磁気テープ引出口1D、磁気テープ引出口1Dを開閉するスライドドア6、スライドドア6を磁気テープ引出口1Dの閉位置に付勢する引張コイルばね7、ケース側ばね掛け部8、スライドドア6が閉状態のときに磁気テープMTの先端に取り付けられたリーダピンLを係止する板ばね9、誤消去防止爪10、カートリッジメモリ11等を組み付けて構成されている。なお、カートリッジケース1の角部1Cは、カートリッジケース1の側壁部分の一部を切り欠いて斜めに形成されている。また、「スライドドア6」は、特許請求の範囲における「ドア」に相当する。
【0019】
また、図2に示すように、下ハーフ1Bの内面12には、スライドドア6の下端6b(図3参照)が嵌め込まれ、スライドドア6の開閉時にスライドドア6をその開閉方向に摺動自在に案内する湾曲した浅いガイド溝13、ケース側ばね掛け部8、板ばね9(図1参照)に係止されたリーダピンL(図1参照)の下端を保持するリーダピン保持凹部15等が形成されている。また、ここでは図示しないが、上ハーフ1Aの内面にも、下ハーフ1Bの内面12に形成されたガイド溝13、リーダピン保持凹部15に対応するガイド溝、ケース側ばね掛け部8に対応する係合部、リーダピン保持凹部が形成されている。
【0020】
スライドドア6は、図3に示すように、横長の薄板状に形成されており、湾曲した形状を有している。そして、スライドドア6の上端6a及び下端6bには、上ハーフ1A及び下ハーフ1Bに形成されたガイド溝13に摺動自在に嵌め込まれる摺動用突起60が複数形成されている。
【0021】
スライドドア6の外面(磁気テープカートリッジMCの外側に面する面)6cには、スライドドア6の開操作を行うための操作用突片61が突設されている。この操作用突片61は、磁気テープカートリッジMCが組み立てられた際は、上ハーフ1Aの側壁部分に形成された操作用開口部1E(図1参照)内に臨み、この操作用突片61をドライブ装置のローディング機構に付属する操作アームによって押動することによって、スライドドア6の開操作が行われる。
【0022】
スライドドア6の内面(磁気テープカートリッジMCの内側に面する面)6dには、その後端部(スライドドア6を下ハーフ1Bに組み付けたときに開方向側となる端部)6fに、引張コイルばね7が取り付けられるドア側ばね掛け部63が突設されている。つぎにこのドア側ばね掛け部63の基端に一体に形成されたばね置き台64が設けられている。
なお、ドア側ばね掛け部63の形状は、引張コイルばね7の一端が取り付けられる形状であれば特に限定されるものではない。また、ばね置き台64はドア側ばね掛け部63に隣接して設けられているが、必ずしもドア側ばね掛け部63と一体である必要はなくドア側ばね掛け部63との間に若干の隙間があってよい。
【0023】
また、スライドドア6の内面6bには、その前端部(スライドドア6を下ハーフ1Bに組み付けたときに閉方向側となる端部)6eに、スライドドア6が閉状態のときに、リーダピンL(図1参照)の下端を保持するストッパ62が形成されている。
【0024】
つぎに、本発明に係る磁気テープカートリッジの組立方法について、図4及び図5を参照して説明する。参照する図面において、図4は、図3に示すスライドドア6と引張コイルばね7の組立工程を示す斜視図であり、(a)が第1ステップ、(b)が第2ステップ、(c)が第3ステップおよび(d)が第4ステップを示す。
また、図5はスライドドア6を下ハーフ1Bに組み付けた状態を示す斜視図である。なお、本実施の形態では、スライドドア6に引張コイルばね7を仮組みしたものをカートリッジケース1の下ハーフ1Bに組み付ける場合を想定している。
【0025】
磁気テープカートリッジMCを組み立てるときは、搬送パレット上(図示せず)に、上ハーフ1A、下ハーフ1B、リール2、ロックプレート3、圧縮コイルばね4、リリースパッド5、スライドドア6、引張コイルばね7、板ばね9、誤消去防止爪10、カートリッジメモリ11等の各部品を配設しておき、各部品の組付工程においては、各部品を下ハーフ1Bの所定位置に組み付けている。(図1参照)
【0026】
ここで、図4に示す(a)から(d)の4つのステップにより、スライドドア6と引張コイルばね7を下ケース1Bに組み付ける方法について説明する。
【0027】
まず、第1ステップ(図4(a)参照)において、スライドドア6のドア側ばね掛け部63に引張コイルばね7の一端部7Aを掛ける。つぎに、第2ステップ(図4(b)参照)において、引張コイルばね7を、スライドドア6のばね置き台64に載置する。
【0028】
つぎに、第3ステップ(図4(c)参照)において、スライドドア6をガイド溝13に近づけて、引張コイルばね7の他端部7Bをケース側ばね掛け部8に掛ける。このとき、引張コイルばね7がその組付状態と同じ傾きになるように、スライドドア6を下ハーフ1Bに対し傾斜させて把持する。
【0029】
そして、第4ステップ(図4(d)参照)において、引張コイルばね7を引き伸ばしつつ、スライドドア6をガイド溝13に合わせるように下ろしていき、係合させる。
【0030】
最後に、スライドドア6を離せば図5に示すように、引張りコイルばね7は、ドア側ばね掛け部63とケース側ばね掛け部8を引っ張り、スライドドア6を磁気テープ引き出口1Dの閉位置に付勢する。
【0031】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく限りにおいて、種々の変形が可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、カートリッジケースにドアと引張コイルばねを組み付ける作業を容易に実現することができる磁気テープカートリッジおよびその組立方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気テープカートリッジMCの構成を分解して示す斜視図である。
【図2】図1に示した磁気テープカートリッジMCに含まれる下ハーフ1Bの内面12の要部を拡大して示す斜視図である。
【図3】図1に示した磁気テープカートリッジMCに含まれるスライドドア6を拡大して示す斜視図である。
【図4】図3に示すスライドドア6のドア側ばね部63の要部の組付工程を示すステップの斜視図であり、(a)が第1ステップ、(b)が第2ステップ、(c)が第3ステップおよび(d)が第4ステップである。
【図5】スライドドア6と下ハーフ1Bのばね掛け部8を引張コイルばねで付勢し組み付けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
6 スライドドア(ドア)
63 ドア側ばね掛け部
64 ばね置き台
7 引張コイルばね
7A 一端部
7B 他端部
8 ケース側ばね掛け部
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープカートリッジおよびその組立方法に関し、詳しくは、カートリッジケースにドアと引張コイルばねを組み付ける磁気テープカートリッジおよびその組立方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、コンピュータ等のデータバックアップ用の外部記録媒体として、記録媒体である磁気テープが巻装された単一のリールを収納して構成される磁気テープカートリッジがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−265560号公報(第2図)
【0004】
この種の磁気テープカートリッジとしてはいろいろな種類のものがあり、近年は、ドライブ装置内に挿入した際の磁気テープカートリッジの収容スペースを小さくするために、カートリッジケースの角部に開口を形成し、この開口を横長の薄板状に形成され湾曲した形状のドアで開閉するように構成した磁気テープカートリッジが開発されている。
【0005】
このような磁気テープカートリッジでは、ドアを開閉するために、ドアをケースに対してスライド自在な構造とするとともに、ドアにドア側ばね掛け部を設け、カートリッジケースの内面にケース側ばね掛け部を設け、ドア側ばね掛け部とケース側ばね掛け部に掛け渡された引張コイルばねによって、ドアを常時閉方向に付勢しておき、ドアの外面に形成された操作用突片をドライブ装置のローディング機構に付属する操作アームによって押動することによって、ドアの開操作を行う構造が考えられる。
【0006】
そして、このような構造の磁気テープカートリッジにおけるドアおよび引張コイルばねの組付作業を自動化する方法としては、まず、ドアをロボットハンドで把持してカートリッジケースの内面に形成されたガイド溝にセットし、その後、引張コイルばねをロボットハンドで把持して、引張コイルばねの両端をドアに設けられたドア側ばね掛け部と、カートリッジケースの内面に設けられたケース側ばね掛け部に取り付ける組付方法が考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した組付方法では、カートリッジケースのガイド溝にセットされたドアが左右にぐらついたり傾いたりすると、ドア側ばね掛け部のカートリッジケースに対する位置がずれるため、引張コイルばねの両端をドア側ばね掛け部とケース側ばね掛け部に取り付ける作業が困難になるという問題があった。
また、ドアとケース側ばね掛け部との隙間が狭いと、引張コイルばねの両端をドア側ばね掛け部とケース側ばね掛け部に取り付ける際に、引張コイルばねを把持し、ドアとケース側ばね掛け部との間に挿入することが困難になるという問題があった。つまり、前記した組付方法では、カートリッジケースにドアと引張コイルばねを組み付ける作業が困難であるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明の課題は、カートリッジケースに湾曲したドアと引張コイルばねを組み付ける作業を容易に実現することができる磁気テープカートリッジおよびその組立方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の磁気テープカートリッジは、上ハーフおよび下ハーフからなるカートリッジケースと、前記カートリッジケースの側壁部分の角部に形成された磁気テープ引出口と、前記磁気テープ引出口を開閉する湾曲したドアと、前記ドアをその開閉方向に摺動自在に案内するガイド溝と、前記ドアに突設されたドア側ばね掛け部と、前記カートリッジケースの内面に形成されたケース側ばね掛け部と、前記ドア側ばね掛け部にその一端部が、前記ケース側ばね掛け部にその他端部が掛けられ、前記ドアを前記磁気テープ引出口の閉位置に付勢する引張コイルばねと、前記ドア側ばね掛け部に隣接して設けられ、前記ドア側ばね掛け部に仮組みさせた前記引張コイルばねを載置可能なばね置き台とを備えて構成されることを特徴とする。
【0010】
本発明の磁気テープカートリッジによれば、ばね置き台に引張コイルばねが載置されているため、引張コイルばねをドアに組み付けて搬送する際、引張コイルばねを保持し易い。
また、ばね置き台を介してドアとドア側ばね掛け部が構成されているため、部品剛性が向上し、稼動時の引張コイルばねの引張り力による繰り返し耐久性が向上する。
【0011】
本発明において、前記ばね置き台に載置される引張コイルばねが、その組付状態に対して下側に位置するように、前記ばね置き台が傾斜していることが好ましい。
このようにすると、製品の使用時、すなわちドアの開閉時に引張コイルばねがばね置き台に干渉することがなくドアを開閉できる。
【0012】
本発明において、前記ばね置き台は、前記引張コイルばねを一定位置に規制する溝が形成されていることが好ましい。
このようにすると、ばね置き台上で引張コイルばねの位置が決まり易く、例えばドア側ばね掛け部に引張コイルばねを仮組みした状態で、引張コイルばねを移動させる場合であっても、引張コイルばねの落下を防止することができる。
なお、前記溝形状は断面V字型の溝または半円型の溝等の凹状態の形状を含む。
【0013】
本発明において、前記ばね置き台に前記引張コイルばねを載置した状態で、前記他端部が前記ばね置き台の外側に配置されるように、すなわち前記引張コイルばねの他端部がばね置き台からはみ出るように、前記ばね置き台の長さが設定されていることが好ましい。なおここで、「ばね置き台の長さ」とは、ばね置き台に引張コイルばねを置いたときに、そのコイル軸方向についてのばね置き台の大きさ「L」(図4参照)をいう。
このようにすると、引張コイルばねの他端部をケース側ばね掛け部に掛けるときに、ばね置き台が他部品に干渉することなくスライドドアをカートリッジケースに確実に組み付けることができる。
【0014】
また、前記した磁気テープカートリッジを組み立てる場合には、前記ドアのドア側ばね掛け部に引張コイルばねの一端部を掛ける第1ステップと、前記引張コイルばねを前記ばね置き台に載置する第2ステップと、前記ドアを前記ガイド溝に近づけて、前記他端部を前記ケース側ばね掛け部に掛ける第3ステップと、前記引張コイルばねを引き伸ばしつつ、前記ドアを前記ガイド溝に係合させる第4ステップとを含むように組み立てるのが好ましい。
このようにすると、引張コイルばねの取り扱いが容易になって、スライドドアの組み付けを自動化し易い。
【0015】
本発明の組立方法において、前記第3ステップにおいて前記ドアを前記ガイド溝に近づける際に、前記引張コイルばねが、その組付状態と同じ傾きになるように前記ドアを前記下ハーフに対し傾斜させて把持する組立方法であることが好ましい。
このようにすると、引張コイルばねの他端をケース側ばね掛け部と位置決めし易い。また、組み付け作業時に部品間の干渉を確実に防止でき、部品搭載成功率を向上できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る磁気テープカートリッジ及びその組立方法の一実施の形態について、適宜図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
まず、本発明に係る磁気テープカートリッジについて、図1、図2および図3を参照して説明する。参照する図面において、図1は、本発明に係る磁気テープカートリッジMCの構成を分解して示す斜視図である。また、図2は、図1に示した磁気テープカートリッジMCに含まれる下ハーフ1Bの内面12の要部を拡大して示す斜視図である。また、図3は、図1に示した磁気テープカートリッジMCに含まれるスライドドア6を拡大して示す斜視図である。ここで「上ハーフ1A、下ハーフ1B」とは、組付時において上側になるものを「上ハーフ1A」といい、下側になるものを「下ハーフ1B」という。
【0018】
図1に示すように、磁気テープカートリッジMCは、上ハーフ1Aと下ハーフ1Bに分割して構成されたカートリッジケース1の内部に、記録媒体である磁気テープMTが巻装された単一のリール2、リール2の回転をロックするためのロックプレート3及び圧縮コイルばね4、リール2のロック状態を解除するためのリリースパッド5、カートリッジケース1の角部1Cに上ハーフ1Aと下ハーフ1Bに跨って形成された磁気テープ引出口1D、磁気テープ引出口1Dを開閉するスライドドア6、スライドドア6を磁気テープ引出口1Dの閉位置に付勢する引張コイルばね7、ケース側ばね掛け部8、スライドドア6が閉状態のときに磁気テープMTの先端に取り付けられたリーダピンLを係止する板ばね9、誤消去防止爪10、カートリッジメモリ11等を組み付けて構成されている。なお、カートリッジケース1の角部1Cは、カートリッジケース1の側壁部分の一部を切り欠いて斜めに形成されている。また、「スライドドア6」は、特許請求の範囲における「ドア」に相当する。
【0019】
また、図2に示すように、下ハーフ1Bの内面12には、スライドドア6の下端6b(図3参照)が嵌め込まれ、スライドドア6の開閉時にスライドドア6をその開閉方向に摺動自在に案内する湾曲した浅いガイド溝13、ケース側ばね掛け部8、板ばね9(図1参照)に係止されたリーダピンL(図1参照)の下端を保持するリーダピン保持凹部15等が形成されている。また、ここでは図示しないが、上ハーフ1Aの内面にも、下ハーフ1Bの内面12に形成されたガイド溝13、リーダピン保持凹部15に対応するガイド溝、ケース側ばね掛け部8に対応する係合部、リーダピン保持凹部が形成されている。
【0020】
スライドドア6は、図3に示すように、横長の薄板状に形成されており、湾曲した形状を有している。そして、スライドドア6の上端6a及び下端6bには、上ハーフ1A及び下ハーフ1Bに形成されたガイド溝13に摺動自在に嵌め込まれる摺動用突起60が複数形成されている。
【0021】
スライドドア6の外面(磁気テープカートリッジMCの外側に面する面)6cには、スライドドア6の開操作を行うための操作用突片61が突設されている。この操作用突片61は、磁気テープカートリッジMCが組み立てられた際は、上ハーフ1Aの側壁部分に形成された操作用開口部1E(図1参照)内に臨み、この操作用突片61をドライブ装置のローディング機構に付属する操作アームによって押動することによって、スライドドア6の開操作が行われる。
【0022】
スライドドア6の内面(磁気テープカートリッジMCの内側に面する面)6dには、その後端部(スライドドア6を下ハーフ1Bに組み付けたときに開方向側となる端部)6fに、引張コイルばね7が取り付けられるドア側ばね掛け部63が突設されている。つぎにこのドア側ばね掛け部63の基端に一体に形成されたばね置き台64が設けられている。
なお、ドア側ばね掛け部63の形状は、引張コイルばね7の一端が取り付けられる形状であれば特に限定されるものではない。また、ばね置き台64はドア側ばね掛け部63に隣接して設けられているが、必ずしもドア側ばね掛け部63と一体である必要はなくドア側ばね掛け部63との間に若干の隙間があってよい。
【0023】
また、スライドドア6の内面6bには、その前端部(スライドドア6を下ハーフ1Bに組み付けたときに閉方向側となる端部)6eに、スライドドア6が閉状態のときに、リーダピンL(図1参照)の下端を保持するストッパ62が形成されている。
【0024】
つぎに、本発明に係る磁気テープカートリッジの組立方法について、図4及び図5を参照して説明する。参照する図面において、図4は、図3に示すスライドドア6と引張コイルばね7の組立工程を示す斜視図であり、(a)が第1ステップ、(b)が第2ステップ、(c)が第3ステップおよび(d)が第4ステップを示す。
また、図5はスライドドア6を下ハーフ1Bに組み付けた状態を示す斜視図である。なお、本実施の形態では、スライドドア6に引張コイルばね7を仮組みしたものをカートリッジケース1の下ハーフ1Bに組み付ける場合を想定している。
【0025】
磁気テープカートリッジMCを組み立てるときは、搬送パレット上(図示せず)に、上ハーフ1A、下ハーフ1B、リール2、ロックプレート3、圧縮コイルばね4、リリースパッド5、スライドドア6、引張コイルばね7、板ばね9、誤消去防止爪10、カートリッジメモリ11等の各部品を配設しておき、各部品の組付工程においては、各部品を下ハーフ1Bの所定位置に組み付けている。(図1参照)
【0026】
ここで、図4に示す(a)から(d)の4つのステップにより、スライドドア6と引張コイルばね7を下ケース1Bに組み付ける方法について説明する。
【0027】
まず、第1ステップ(図4(a)参照)において、スライドドア6のドア側ばね掛け部63に引張コイルばね7の一端部7Aを掛ける。つぎに、第2ステップ(図4(b)参照)において、引張コイルばね7を、スライドドア6のばね置き台64に載置する。
【0028】
つぎに、第3ステップ(図4(c)参照)において、スライドドア6をガイド溝13に近づけて、引張コイルばね7の他端部7Bをケース側ばね掛け部8に掛ける。このとき、引張コイルばね7がその組付状態と同じ傾きになるように、スライドドア6を下ハーフ1Bに対し傾斜させて把持する。
【0029】
そして、第4ステップ(図4(d)参照)において、引張コイルばね7を引き伸ばしつつ、スライドドア6をガイド溝13に合わせるように下ろしていき、係合させる。
【0030】
最後に、スライドドア6を離せば図5に示すように、引張りコイルばね7は、ドア側ばね掛け部63とケース側ばね掛け部8を引っ張り、スライドドア6を磁気テープ引き出口1Dの閉位置に付勢する。
【0031】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく限りにおいて、種々の変形が可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、カートリッジケースにドアと引張コイルばねを組み付ける作業を容易に実現することができる磁気テープカートリッジおよびその組立方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気テープカートリッジMCの構成を分解して示す斜視図である。
【図2】図1に示した磁気テープカートリッジMCに含まれる下ハーフ1Bの内面12の要部を拡大して示す斜視図である。
【図3】図1に示した磁気テープカートリッジMCに含まれるスライドドア6を拡大して示す斜視図である。
【図4】図3に示すスライドドア6のドア側ばね部63の要部の組付工程を示すステップの斜視図であり、(a)が第1ステップ、(b)が第2ステップ、(c)が第3ステップおよび(d)が第4ステップである。
【図5】スライドドア6と下ハーフ1Bのばね掛け部8を引張コイルばねで付勢し組み付けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
6 スライドドア(ドア)
63 ドア側ばね掛け部
64 ばね置き台
7 引張コイルばね
7A 一端部
7B 他端部
8 ケース側ばね掛け部
Claims (2)
- 上ハーフおよび下ハーフからなるカートリッジケースと、
前記カートリッジケースの側壁部分の角部に形成された磁気テープ引出口と、
前記磁気テープ引出口を開閉する湾曲したドアと、
前記ドアをその開閉方向に摺動自在に案内するガイド溝と、
前記ドアに突設されたドア側ばね掛け部と、
前記カートリッジケースの内面に形成されたケース側ばね掛け部と、
前記ドア側ばね掛け部にその一端部が、前記ケース側ばね掛け部にその他端部が掛けられ、前記ドアを前記磁気テープ引出口の閉位置に付勢する引張コイルばねと、
前記ドア側ばね掛け部に隣接して設けられ、前記ドア側ばね掛け部に仮組みさせた前記引張コイルばねを載置可能なばね置き台とを備えて構成されることを特徴とする磁気テープカートリッジ。 - 請求項1に記載の磁気テープカートリッジの組立方法であって、
前記ドアのドア側ばね掛け部に引張コイルばねの一端部を掛ける第1ステップと、
前記引張コイルばねを前記ばね置き台に載置する第2ステップと、
前記ドアを前記ガイド溝に近づけて、前記他端部を前記ケース側ばね掛け部に掛ける第3ステップと、
前記引張コイルばねを引き伸ばしつつ、前記ドアを前記ガイド溝に係合させる第4ステップとを含むことを特徴とする磁気テープカートリッジの組立方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002304948A JP2004139693A (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | 磁気テープカートリッジおよびその組立方法 |
US10/685,433 US6986479B2 (en) | 2002-10-18 | 2003-10-16 | Magnetic tape cartridge and assembling method thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002304948A JP2004139693A (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | 磁気テープカートリッジおよびその組立方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004139693A true JP2004139693A (ja) | 2004-05-13 |
Family
ID=32452217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002304948A Pending JP2004139693A (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | 磁気テープカートリッジおよびその組立方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004139693A (ja) |
-
2002
- 2002-10-18 JP JP2002304948A patent/JP2004139693A/ja active Pending
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