JP2004139115A - 定着方法及び定着部材並びに画像形成装置と画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低エネルギー定着型トナーに対しても耐ホットオフセット性にすぐれ、充分な定着性能が得られる電子写真方式における定着方法、該定着方法に用いる定着部材、及び該定着部材を用いた画像形成装置、並びに該定着方法による画像形成方法を提供する。
【解決手段】 画像担持体上に軟化温度が80℃以下の熱溶融性トナーを用いて形成した熱溶融性トナー像を、対向配置させた定着部材間で加圧搬送しつつ、加熱溶融した後、加熱溶融状態で定着部材よりトナー像を剥離して定着を行う定着方法において、加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面の静的接触角及び後退接触角を、双極子能率3.0デバイ以上の液体にて測定し、下記の式1に代入することにより算出した付着定数μs-b(1)と、双極子能率0デバイの液体を用いて同様の測定をして得られる付着定数μs-b(2)との比、μs-b(1)/μs-b(2)が5.0以下であり、表面にフッ素を含有する定着部材を用いることを特徴とする定着方法。
【数1】
Figure 2004139115

【選択図】   なし

 

Description

 本発明は複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置の熱圧定着装置に用いられる定着部材に関し、詳しくは、粘着性の高い熱溶融トナーに対して、表面が高い離型性を有する定着部材を用いる定着方法、該定着方法に用いる定着部材、及び該定着部材を用いた画像形成装置、並びに該定着方法による画像形成方法に関する。
 従来、電子写真方式による画像形成装置では、熱溶融性トナー粉末を用いて、紙等の画像担持体上に可視像を形成し、これを加熱溶融して定着させ画像を得ている。一般に、画像の定着には、熱効率の面から、定着ローラ等の定着部材を直接未定着トナー像に圧接して、そのトナーを熱溶融する方法が採られている。つまり、画像担持体は、溶融したトナーが介在した状態で、定着部材から引き剥がされることとなる。
 従って、定着部材の表面部が加熱時において溶融トナーと粘着しやすい場合には、定着部材に溶融トナーが付着し、これが再度、画像担持体の非画像部に転写する、いわゆる「ホットオフセット」が発生しやすくなる。
 そこでこれまでにも、この「ホットオフセット」が生じないようにするために種々の材料が定着部材の材料として検討されてきた。
 その中でも、表面自由エネルギーの低さから加熱時においても粘着しにくい性質を有するフッ素系高分子、シリコーン系高分子や、これらをベースとする複合材料等を定着部材に用いることが提案されてきた。
 特に、離型剤としてのオイル塗布を行わないオイルレス定着法では、フッ素系高分子を用いる方法が数多く提案されている。
 例えば、(1)金属ローラの表面にフッ化カーボンを1〜25重量%含有するフッ素系樹脂からなる樹脂被膜層を設ける(特開昭57−54968号公報…特許文献1)、(2)金属ローラの外面にフッ素ゴムとフッ素樹脂の混合物でその合計量の5〜70重量%がフッ素樹脂である被覆層を設ける(特開昭58−2864号公報…特許文献2)、(3)被覆材として末端基にCF3基を有するパーフルオロアルキル官能シランを用いる(特開昭61−36778号公報…特許文献3)、(4)熱定着ローラ表面に潤滑性並びに離型性を有する微粒子を含む複合メッキ層を設ける(特開昭61−205966号公報)、(5)ローラ基材をフッ素原子を含有するシラン化合物で被覆する(特開平4−273276号公報…特許文献4)、(6)表面に末端基がCF3よりなるPFA樹脂の層を形成したローラを用いる(特開平5−72934号公報…特許文献5)などがあげられる。
 しかしながら、これらの材料は定着部材の表面状態によっては、150℃以下の比較的低い温度でホットオフセットが発生したり、定着に必要な最低温度との間に十分な定着温度幅が得られないために温度制御が困難になったり、充分な定着性が発揮できないといった種々の問題がある。
 また、定着部材表面の持つ性質を特定することにより、離型性を保持して、ホットオフセットを防止しようと言う提案もなされてきている。
 それらの例としては、(7)定着ローラ表面の粗度を中心線平均粗さを0.5μm以上とする(特開昭62−168182号公報)、(8)ローラ表面を十点平均粗さ1〜100μmでかつ凹凸の平均間隔が1〜100μmの範囲にする(特開昭64−29882号公報)などである。
 しかし、これらで提案されている特性値は、熱や力をかけない状態での特性をとらえたものであり、溶融トナーが定着部材表面から離れる場合といった、加熱状態で力のかかった状態での定着部材の粘着しやすさについては把握し切れていない。
 従って、これらの提案に基づいた材料を定着部材に用いても充分な耐ホットオフセット特性は得られない。
 また、材料のぬれやすさについて静的接触角を測定して表面特性を検討することは従来より一般に行われている手法である。
 しかし、表面粗さと同様にそこで得られた値は、材料の静特性をとらえたものであり、動特性については把握できない。
 一方、「ホットオフセット」を改善するための複写機の機械構造的な面でも様々な提案がなされてきている。
 それらの例としては、(9)溶融トナーを冷却後引き剥がす(特開平5−341672号公報)、(10)熱伝達部材を加圧ローラに当接させ、長手方向の熱伝導性を向上させ温度むらを無くす(特開平7−92851号公報)等の定着装置の機械構造に関する提案もなされている。
 しかし、これらは先に述べた定着部材の表面特性の改善により溶融トナーとの粘着しにくさを改良する方法と比べて、複写装置全体の改造を必要とし耐ホットオフセットに対しての抜本的な解決とはならない。
 更に、昨今の省エネルギーについての関心の高まりから、今までよりも小さな熱エネルギーにより画像が定着されることが求められてきている。
 その場合、いわゆる低エネルギー定着型トナーは、低い定着温度においても、画像の定着性を確保するために、画像担持体とトナーとの接着性を高める必要がある。
 すなわち、この様なトナーは、熱感度を高めるべく融点の低い樹脂をトナー材料として用いているために、加熱時において定着部材表面に対しても粘着しやすくなってしまい、従来においては充分とされた加熱時における定着部材の粘着しにくさにかかる特性を有している材料でも、「ホットオフセット」が発生しやすい傾向にあった。
 従って、定着部材表面は、このような低温定着トナーを用いた場合においても加熱時において溶融トナーが粘着しにくい特性が更に求められることとなる。
特開昭57−54968号公報 特開昭58−2864号公報 特開昭61−36778号公報 特開平4−273276号公報 特開平5−72934号公報
 本発明は、上記の様な現状の問題点に鑑み、加熱時において粘着しにくい特性を必要とする定着部材の表面の特性を明らかにし、この表面特性を持つ定着部材を用いることにより、耐ホットオフセット性に優れた定着方法、特に低エネルギー定着型トナーに対しても耐ホットオフセット特性を有する定着方法、該定着部材、及びそれを用いた画像形成装置、並びに該定着方法による画像形成方法を提供することを目的とする。
 本発明者は鋭意検討の結果、「ホットオフセット」の発生と関係の深い定着部材の加熱時における粘着しにくさは、定着部材の材質が特定の2種類の双極子能率の測定液において測定した静的接触角と後退接触角より算出される付着定数の比率が一定範囲であれば良好であることを見いだした。本発明はこれに基づいてなされたものである。
 即ち、本発明によれば、画像担持体上に軟化温度が80℃以下の熱溶融性トナーを用いて形成した熱溶融性トナー像を、対向配置させた定着部材間で加圧搬送しつつ、加熱溶融した後、加熱溶融状態で定着部材よりトナー像を剥離して定着を行う定着方法において、加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面の静的接触角及び後退接触角を、双極子能率3.0デバイ以上の液体にて測定し、下記の式1に代入することにより算出した付着定数μs-b(1)と、双極子能率0デバイの液体を用いて同様の測定をして得られる付着定数μs-b(2)との比、μs-b(1)/μs-b(2)が5.0以下であり、表面にフッ素を含有する定着部材を用いることを特徴とする定着方法、該定着方法に用いる定着部材、及び該定着部材を用いた画像形成装置、並びに該定着方法による画像形成方法が提供される。この付着定数比の大きさが5.0以下である定着部材を用いれば耐ホットオフセット特性が向上する。
Figure 2004139115
 n=1のときは、双極子能率が3.0デバイ以上の液体にて測定、
 n=2のときは、双極子能率が0.0デバイの液体にて測定。
 本発明で定義する、定着部材の付着定数比μs-b(1)/μs-b(2)が5.0以下の範囲であれば、溶融トナーと定着部材間の加熱時における粘着しにくさを良好に確保でき、実用上の定着温度領域において、ホットオフセットの発生をなくすことができる。逆に、付着定数比の大きさが5.0を上回る場合には、たとえフッ素系高分子の様な撥水・撥油性を示すとされる材料で構成された表面であっても、ホットオフセットが発生し易くなる。
 本発明により定義される付着定数比の範囲を持つ定着部材は、実用上ホットオフセットの無い良好な画像を形成するのに有効なものであり、この定着部材を用いることにより、低エネルギー型トナーを用いた場合においても、充分な定着性能を有する定着方法を提供することができる。
 また、各測定液における測定結果の比較から明らかなように、本発明の主張する物性値の範囲を持つ測定液による付着定数比は、表面の比粘着性の表現に対して極めて有効となるものであった。
 以下に本発明をさらに詳細に説明する。
 定着がなされる際の、定着部材表面の加熱時における粘着しにくさを議論するには、帯電したトナー粉体の融液と定着部材表面との静電相互作用、及び、静電気力以外の相互作用の双方を考慮する必要がある。
 その場合、従来においては着目されていなかった後退接触角ならびに測定液の双極子能力の相違した二種類の測定液により後退接触角ならびに静的接触角を測定することにより、これらのその相関関係を見いだした。
 それは、後退接触角により動的特性を、静的接触角により静的特性をそれぞれ把握でき、それらを式1に代入することにより静特性と動特性を把握することが出来るからである。また、特定の二種類の双極子能力をもつ測定液で接触角を測定することにより液体の双極子能力成分による付着力の大きさを分離、表現出来るからである。
 詳しくは、3.0デバイ以上の双極子能率をもつ測定液は、トナー融液に見合う静電相互作用力を的確に表現することができ、加熱時においても粘着しにくい表面状態を特定できる。そして、0デバイの双極子能率の測定液は、静電相互作用力以外の相互作用を示すからである。
 従って、これらの測定液で得られた付着定数の比率を求めれば本発明における課題である「ホットオフセット」に対する加熱時における粘着しにくさを的確に把握することが出来る。
 これら2つの測定液で得られた接触角の関係により得られる付着定数の比と「ホットオフセット」の発生のしにくさとの関係を把握したことが本発明の特徴であり、材料がどのようなものであってもそれらの関係を満たすものは「ホットオフセット」が発生しにくい。
 双極子能率が3.0デバイ以上の測定液としては、例えば、1−ニトロブタン、2−ニトロプロパン、ニトロベンゼン、アセトフェノン、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ピリダジン等を使用することができる。これらの双極子能率の値を表1に示す。
Figure 2004139115
 また、双極子能率が0デバイの測定液としては、一般の飽和炭化水素を用いることができ、具体的には、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等が使用できる。
 そして、低エネルギー定着を行うには、先に述べた様に定着温度は低くすることが好ましい。かかる場合、複写機内における熱保存上の制約があるため低エネルギー定着と熱保存性を両立するには、溶融性トナーの溶融温度は、80℃以下である。この時には、付着定数比:μs-b(1)/μs-b(2)の値は5.0以下であるので、低エネルギー定着型トナーにおいてもホットオフセットは発生しにくくなる。溶融トナーの溶融温度の下限としては実用上は40℃以上、好ましくは50℃以上であることが好ましい。
 溶融温度は、ほとんどトナーに用いられる結着樹脂の融点に左右される。
 それらの結着剤樹脂の一例としては、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン/p−クロロスチレン共重合体、スチレン/プロピレン共重合体、スチレン/ビニルトルエン共重合体、スチレン/ビニルナフタレン共重合体、スチレン/アクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリル酸エチル共重合体、スチレン/アクリル酸ブチル共重合体、スチレン/アクリル酸オクチル共重合体、スチレン/メタクリル酸メチル共重合体、スチレン/メタクリル酸エチル共重合体、スチレン/メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン/α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/ビニルメチルケトン共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン共重合体、スチレン/マレイン酸共重合体等のスチレン系共重合体;ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル系単重合体やその共重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル等のポリビニル誘導体;ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリアミド系重合体、ポリイミド系重合体、ポリオール系重合体、エポキシ系重合体、テンペン系重合体、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられ、単独あるいは混合して使用できるが特にこれらに限定するものではない。
 更に優れた耐ホットオフセット性を得るには、静電相互作用力の大きさ、すなわち付着定数自体が小さいことも重要であり、その場合は双極子能率3.0デバイ以上の液体による付着定数μs-b(1)が0.3以下であることが好ましい。そして、更に優れた耐ホットオフセット性を得るには、定着部材表面と溶融トナーとの間の付着力の大きさ自身も小さい方が好ましい。その場合は、双極子能率3.0デバイ以上の液体での後退接触角が大きい方が良く、30度以上であることが好ましく、40度以上であれば更に好ましいものである。
 また、定着部材と溶融トナーの接触面積は小さい方が付着力を小さくするにはより有利となるため、定着部材表面の表面粗さRaは3.0μm以下であれば更に優れた耐ホットオフセット性を得ることができる。
 本発明における定着部材表面の材料は、上記条件を満たすものであれば、なんら制限を受けるものではないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系樹脂単独の表面層や、これにフッ化カーボン、フッ化ピッチ、フッ化カルシウム等の充填材を添加した材料をベースとして表面層を形成すると、比較的容易に上記条件を満たす表面を得ることができる。
 定着部材の基体としては、一般に使われるものをそのまま使用できる。
 具体的には、アルミニウムや鉄、ステンレスに代表される金属製の管状物、ガラス製の管状物やこの表面に面状発熱体を設けたもの、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリパラバン酸等の高耐熱性樹脂フィルムをエンドレスの筒状にしたものを使用することができる。
 表面層の具体的な作成例としては、上記のような樹脂、充填材に媒液を加え、超音波分散器、撹拌子、ボールミル、サンドミル等の公知の方法を用いて、分散または溶解して塗液とし、表面層を形成する定着部材母体上へディッピング、スプレー、キャスティング等の公知の方法により塗工後、乾燥・焼成を行い、定着部材表面とすれば良い。焼結は一般に380℃程度で行うが、その温度が低いと焼成物の表面は形状が角張ったまま残りやすい傾向にある。また、必要であれば、研磨、押圧等による表面の平滑化を行っても良い。
 また、表面層には、本発明の示す特性を逸脱しない範囲で、導電性付与のためのカーボン、導電性ウイスカー、微小金属片、有機導電剤等の充填剤、添加剤を併用しても良い。
 この他には、定着部材表面を直接フッ素化する方法、フッ素含有表面処理剤による間接的表面フッ素化や、フッ素含有分子を表面に配向させる方法によっても、上記条件を満たす表面を得ることができる。
 さらには、本発明の示す特性は、定着部材表面についての規定であるため、表面部分以外には、例えば基体と上塗り層との接着力を高めるために表面層の下にプライマー層や、弾性付与のためのゴムや発泡樹脂といった弾性体層等を設けても全く差し支えない。
 以下に、実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、部は重量基準である。
(A.定着部材の作成)
実施例1
  PTFE(三井デュポンフルオロケミカル社製、J−30)  100部
  蒸留水                          100部
 上記割合の混合物を、超音波分散器によって20分間分散し、表面層用フッ素系塗料を得た。この塗料を用いて、焼成後の塗工層厚さ20μmを目安にして、予めプライマー層を形成したアルミニウム製中空ローラ上へ、スプレーコートしPTFE塗工層を形成した。これを大気雰囲気、常圧下で、110℃にて10分間乾燥した後、400℃にて30分間焼成後、急冷してPTFE表面層を形成した。そして、このローラを回転させながら、約2.5kg/cm2の圧力でガラス板を押し当て、ローラ表面を平滑化処理した。以上の様にして、平滑なPTFE表面層を持つ定着ローラを得た。なお、プライマーとしては、デュポン社製855−001を用いた。
実施例2
  PFA(ダイキン工業社製、AD−2CR)         100部
  蒸留水                          200部
 表面層用塗料として、上記割合の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして定着部材を作成した。
実施例3
  フッ素系ラッテクス(ダイキン工業社製、GLS−213D) 100部
  蒸留水                          200部
  アミン系硬化剤                        5部
 表面層用塗料として上記割合の混合物を用い、実施例1と同様の方法により定着部材を形成した。ただしこの時、プライマー層は設けず、焼成条件は250℃で20分間とした。また、表面の平滑化処理は行わなかった。
実施例4
 表面を平滑化処理しなかった以外は実施例1と同様にして定着部材を作成した。
実施例5
 アルミニウム製中空ローラ表面をジンケート処理後、常法によりニッケル電気メッキを行った。得られたニッケルメッキローラを、密閉型の表面処理用反応容器に入れて、内部をフッ素ガス置換し、200℃の処理温度で、120分間、表面フッ素化処理を行い定着部材を得た。
比較例1
  メチルフェニルシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング・
  シリコーン社製、SR−2306)             100部
  トルエン                         100部
 表面層用塗料として上記割合の混合物を用い、また表面を平滑化処理しなかった以外は、実施例1と同様にして、定着部材を作成した。
比較例2
 焼成条件を300℃で30分間とした以外は、実施例4と同様にして定着部材を作成した。
比較例3
  フッ素系3元重合体(住友3M社製、THV200P)    100部
  メチルエチルケトン                    200部
  メチルイソブチルケトン                  200部
  アミン系硬化剤                       10部
 表面層用塗料として上記割合の混合物を用い、実施例2と同様の方法により定着部材を作成した。ただしこの時、プライマー層は設けず、焼成条件は250℃で60分間とした。
(B.定着部材の評価)
(1)接触角の測定
 この定着ローラ表面の静的接触角、後退接触角を、以下の測定液を用いて静的接触角は、容量約4mm3の測定液滴を定着部材上に形成し、この部分を拡大して写真撮影後、定着部材表面と液滴のなす角度を実測した。
 一方、後退接触角は、容量約30mm3以上の測定液を定着部材上に乗せ、これをシリンジにて吸い取る様子を録画後、一定角度を保ちつつ後退する液滴の静止画像を出力して、定着部材表面と液滴のなす角度を実測した。
   測定液1・・・2−ニトロプロパン   双極子能率:3.73デバイ
   測定液2・・・アセトフェノン     双極子能率:3.00デバイ
   測定液3・・・1−クロロブタン    双極子能率:2.05デバイ
   測定液4・・・蒸留水         双極子能率:1.87デバイ
   測定液5・・・n−ヘプタン      双極子能率:0.00デバイ
 付着定数比:μs-b(1)/μs-b(2)は、2−ニトロプロパン(測定液1)による値とn−ヘプタン(測定液5)による値との比による。
(2)表面粗さの測定
 この定着ローラの表面粗さを、HOMMELWERKE社製の表面粗さ計Hommel Tester T1000にて測定した。
 表面粗さはμm単位で表した。
(3)ホットオフセット特性の評価
 定着ローラを、離型用の定着オイルの供給は行わないよう改造したデジタル複写機(MF−150:リコー社製)の定着機構に装着して、定着温度を変更しながら定着試験を行ない、ホットオフセットの発生開始温度を測定した。
 この時の定着速度は、100mm/secとした。
 更に、この定着温度用画像サンプルとしては、低エネルギー定着用トナーにて形成した未定着画像を用いた。
 トナーは、同じものを用い示差熱分析計により、別途測定したトナーの軟化温度は、約75℃であった。
 以上の評価結果を表2、表3に示す。
Figure 2004139115
Figure 2004139115
 実施例1〜5におけるように付着定数比が5.0以下のものは185℃以上においてホットオフセットが発生するのに対して比較例1〜3はいずれも170℃以下でホットオフセットが発生する。

Claims (12)

  1.  画像担持体上に軟化温度が80℃以下の熱溶融性トナーを用いて形成した熱溶融性トナー像を、対向配置させた定着部材間で加圧搬送しつつ、加熱溶融した後、加熱溶融状態で定着部材よりトナー像を剥離して定着を行う定着方法において、加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面の静的接触角及び後退接触角を、双極子能率3.0デバイ以上の液体にて測定し、下記の式1に代入することにより算出した付着定数μs-b(1)と、双極子能率0デバイの液体を用いて同様の測定をして得られる付着定数μs-b(2)との比、μs-b(1)/μs-b(2)が5.0以下であり、表面にフッ素を含有する定着部材を用いることを特徴とする定着方法。
    Figure 2004139115
  2.  加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面の静的接触角及び後退接触角を、双極子能率3.0デバイ以上の液体にて測定し、前記の式1に代入することにより算出した付着定数μs-b(1)が0.3以下である定着部材を用いることを特徴とする請求項1に記載の定着方法。
  3.  加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面における、双極子能率3.0デバイ以上の液体での後退接触角が30度以上である定着部材を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着方法。
  4.  加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面における、表面粗さ(Ra)が3.0μm以下である定着部材を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の定着方法。
  5.  画像担持体上に軟化温度が80℃以下の熱溶融性トナーを用いて形成した熱溶融性トナー像に加圧加熱下で接触させて、該トナー像を、対向配置させた定着部材間で加圧搬送しつつ、加熱溶融した後、加熱溶融状態で定着部材よりトナー像を剥離して定着させるための定着部材において、加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面の静的接触角及び後退接触角を、双極子能率3.0デバイ以上の液体にて測定し、下記の式1に代入することにより算出した付着定数μs-b(1)と、双極子能率0デバイの液体を用いて同様の測定をして得られる付着定数μs-b(2)との比、μs-b(1)/μs-b(2)が5.0以下であり、表面にフッ素を含有することを特徴とする定着部材。
    Figure 2004139115
  6.  加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面の静的接触角及び後退接触角を、双極子能率3.0デバイ以上の液体にて測定し、前記の式1に代入することにより算出した付着定数μs-b(1)が0.3以下であることを特徴とする請求項5に記載の定着部材。
  7.  加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面における、双極子能率3.0デバイ以上の液体での後退接触角が30度以上であることを特徴とする請求項5又は6に記載の定着部材。
  8.  加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面における、表面粗さ(Ra)が3.0μm以下であることを特徴とすることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の定着部材。
  9.  前記定着部材の表面が、角張った形状が残らないような温度で焼結し、次いで急冷して形成されたフッ素含有材料層からなることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の定着部材。
  10.  前記定着部材の表面が、角張った形状が残らないような温度で該定着部材の基体を直接フッ化処理されたものであることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の定着部材。
  11.  軟化温度が80℃以下の熱溶融性トナーを用い、画像担持体上に形成した該トナー像に加圧加熱下で接触させて、該トナー像を加熱溶融した後、加熱溶融状態で定着部材よりトナー像を剥離して定着させるための定着部材からなる定着部を有する画像形成装置において、該定着部材として請求項5〜10のいずれかに記載の定着部材を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  12.  請求項1〜4のいずれかに記載の定着方法でトナー像を定着して画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
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JP2015090378A (ja) * 2013-11-05 2015-05-11 シャープ株式会社 画像形成装置及びその設計方法

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