JP2004139115A - 定着方法及び定着部材並びに画像形成装置と画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 画像担持体上に軟化温度が80℃以下の熱溶融性トナーを用いて形成した熱溶融性トナー像を、対向配置させた定着部材間で加圧搬送しつつ、加熱溶融した後、加熱溶融状態で定着部材よりトナー像を剥離して定着を行う定着方法において、加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面の静的接触角及び後退接触角を、双極子能率3.0デバイ以上の液体にて測定し、下記の式1に代入することにより算出した付着定数μs-b(1)と、双極子能率0デバイの液体を用いて同様の測定をして得られる付着定数μs-b(2)との比、μs-b(1)/μs-b(2)が5.0以下であり、表面にフッ素を含有する定着部材を用いることを特徴とする定着方法。
【数1】
【選択図】 なし
Description
従って、定着部材の表面部が加熱時において溶融トナーと粘着しやすい場合には、定着部材に溶融トナーが付着し、これが再度、画像担持体の非画像部に転写する、いわゆる「ホットオフセット」が発生しやすくなる。
その中でも、表面自由エネルギーの低さから加熱時においても粘着しにくい性質を有するフッ素系高分子、シリコーン系高分子や、これらをベースとする複合材料等を定着部材に用いることが提案されてきた。
特に、離型剤としてのオイル塗布を行わないオイルレス定着法では、フッ素系高分子を用いる方法が数多く提案されている。
それらの例としては、(7)定着ローラ表面の粗度を中心線平均粗さを0.5μm以上とする(特開昭62−168182号公報)、(8)ローラ表面を十点平均粗さ1〜100μmでかつ凹凸の平均間隔が1〜100μmの範囲にする(特開昭64−29882号公報)などである。
しかし、これらで提案されている特性値は、熱や力をかけない状態での特性をとらえたものであり、溶融トナーが定着部材表面から離れる場合といった、加熱状態で力のかかった状態での定着部材の粘着しやすさについては把握し切れていない。
従って、これらの提案に基づいた材料を定着部材に用いても充分な耐ホットオフセット特性は得られない。
しかし、表面粗さと同様にそこで得られた値は、材料の静特性をとらえたものであり、動特性については把握できない。
それらの例としては、(9)溶融トナーを冷却後引き剥がす(特開平5−341672号公報)、(10)熱伝達部材を加圧ローラに当接させ、長手方向の熱伝導性を向上させ温度むらを無くす(特開平7−92851号公報)等の定着装置の機械構造に関する提案もなされている。
しかし、これらは先に述べた定着部材の表面特性の改善により溶融トナーとの粘着しにくさを改良する方法と比べて、複写装置全体の改造を必要とし耐ホットオフセットに対しての抜本的な解決とはならない。
その場合、いわゆる低エネルギー定着型トナーは、低い定着温度においても、画像の定着性を確保するために、画像担持体とトナーとの接着性を高める必要がある。
すなわち、この様なトナーは、熱感度を高めるべく融点の低い樹脂をトナー材料として用いているために、加熱時において定着部材表面に対しても粘着しやすくなってしまい、従来においては充分とされた加熱時における定着部材の粘着しにくさにかかる特性を有している材料でも、「ホットオフセット」が発生しやすい傾向にあった。
従って、定着部材表面は、このような低温定着トナーを用いた場合においても加熱時において溶融トナーが粘着しにくい特性が更に求められることとなる。
n=2のときは、双極子能率が0.0デバイの液体にて測定。
また、各測定液における測定結果の比較から明らかなように、本発明の主張する物性値の範囲を持つ測定液による付着定数比は、表面の比粘着性の表現に対して極めて有効となるものであった。
定着がなされる際の、定着部材表面の加熱時における粘着しにくさを議論するには、帯電したトナー粉体の融液と定着部材表面との静電相互作用、及び、静電気力以外の相互作用の双方を考慮する必要がある。
その場合、従来においては着目されていなかった後退接触角ならびに測定液の双極子能力の相違した二種類の測定液により後退接触角ならびに静的接触角を測定することにより、これらのその相関関係を見いだした。
それは、後退接触角により動的特性を、静的接触角により静的特性をそれぞれ把握でき、それらを式1に代入することにより静特性と動特性を把握することが出来るからである。また、特定の二種類の双極子能力をもつ測定液で接触角を測定することにより液体の双極子能力成分による付着力の大きさを分離、表現出来るからである。
従って、これらの測定液で得られた付着定数の比率を求めれば本発明における課題である「ホットオフセット」に対する加熱時における粘着しにくさを的確に把握することが出来る。
これら2つの測定液で得られた接触角の関係により得られる付着定数の比と「ホットオフセット」の発生のしにくさとの関係を把握したことが本発明の特徴であり、材料がどのようなものであってもそれらの関係を満たすものは「ホットオフセット」が発生しにくい。
溶融温度は、ほとんどトナーに用いられる結着樹脂の融点に左右される。
具体的には、アルミニウムや鉄、ステンレスに代表される金属製の管状物、ガラス製の管状物やこの表面に面状発熱体を設けたもの、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリパラバン酸等の高耐熱性樹脂フィルムをエンドレスの筒状にしたものを使用することができる。
さらには、本発明の示す特性は、定着部材表面についての規定であるため、表面部分以外には、例えば基体と上塗り層との接着力を高めるために表面層の下にプライマー層や、弾性付与のためのゴムや発泡樹脂といった弾性体層等を設けても全く差し支えない。
実施例1
PTFE(三井デュポンフルオロケミカル社製、J−30) 100部
蒸留水 100部
上記割合の混合物を、超音波分散器によって20分間分散し、表面層用フッ素系塗料を得た。この塗料を用いて、焼成後の塗工層厚さ20μmを目安にして、予めプライマー層を形成したアルミニウム製中空ローラ上へ、スプレーコートしPTFE塗工層を形成した。これを大気雰囲気、常圧下で、110℃にて10分間乾燥した後、400℃にて30分間焼成後、急冷してPTFE表面層を形成した。そして、このローラを回転させながら、約2.5kg/cm2の圧力でガラス板を押し当て、ローラ表面を平滑化処理した。以上の様にして、平滑なPTFE表面層を持つ定着ローラを得た。なお、プライマーとしては、デュポン社製855−001を用いた。
PFA(ダイキン工業社製、AD−2CR) 100部
蒸留水 200部
表面層用塗料として、上記割合の混合物を用いた以外は、実施例1と同様にして定着部材を作成した。
フッ素系ラッテクス(ダイキン工業社製、GLS−213D) 100部
蒸留水 200部
アミン系硬化剤 5部
表面層用塗料として上記割合の混合物を用い、実施例1と同様の方法により定着部材を形成した。ただしこの時、プライマー層は設けず、焼成条件は250℃で20分間とした。また、表面の平滑化処理は行わなかった。
表面を平滑化処理しなかった以外は実施例1と同様にして定着部材を作成した。
アルミニウム製中空ローラ表面をジンケート処理後、常法によりニッケル電気メッキを行った。得られたニッケルメッキローラを、密閉型の表面処理用反応容器に入れて、内部をフッ素ガス置換し、200℃の処理温度で、120分間、表面フッ素化処理を行い定着部材を得た。
メチルフェニルシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング・
シリコーン社製、SR−2306) 100部
トルエン 100部
表面層用塗料として上記割合の混合物を用い、また表面を平滑化処理しなかった以外は、実施例1と同様にして、定着部材を作成した。
焼成条件を300℃で30分間とした以外は、実施例4と同様にして定着部材を作成した。
フッ素系3元重合体(住友3M社製、THV200P) 100部
メチルエチルケトン 200部
メチルイソブチルケトン 200部
アミン系硬化剤 10部
表面層用塗料として上記割合の混合物を用い、実施例2と同様の方法により定着部材を作成した。ただしこの時、プライマー層は設けず、焼成条件は250℃で60分間とした。
(1)接触角の測定
この定着ローラ表面の静的接触角、後退接触角を、以下の測定液を用いて静的接触角は、容量約4mm3の測定液滴を定着部材上に形成し、この部分を拡大して写真撮影後、定着部材表面と液滴のなす角度を実測した。
一方、後退接触角は、容量約30mm3以上の測定液を定着部材上に乗せ、これをシリンジにて吸い取る様子を録画後、一定角度を保ちつつ後退する液滴の静止画像を出力して、定着部材表面と液滴のなす角度を実測した。
測定液1・・・2−ニトロプロパン 双極子能率:3.73デバイ
測定液2・・・アセトフェノン 双極子能率:3.00デバイ
測定液3・・・1−クロロブタン 双極子能率:2.05デバイ
測定液4・・・蒸留水 双極子能率:1.87デバイ
測定液5・・・n−ヘプタン 双極子能率:0.00デバイ
付着定数比:μs-b(1)/μs-b(2)は、2−ニトロプロパン(測定液1)による値とn−ヘプタン(測定液5)による値との比による。
この定着ローラの表面粗さを、HOMMELWERKE社製の表面粗さ計Hommel Tester T1000にて測定した。
表面粗さはμm単位で表した。
定着ローラを、離型用の定着オイルの供給は行わないよう改造したデジタル複写機(MF−150:リコー社製)の定着機構に装着して、定着温度を変更しながら定着試験を行ない、ホットオフセットの発生開始温度を測定した。
この時の定着速度は、100mm/secとした。
更に、この定着温度用画像サンプルとしては、低エネルギー定着用トナーにて形成した未定着画像を用いた。
トナーは、同じものを用い示差熱分析計により、別途測定したトナーの軟化温度は、約75℃であった。
Claims (12)
- 加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面の静的接触角及び後退接触角を、双極子能率3.0デバイ以上の液体にて測定し、前記の式1に代入することにより算出した付着定数μs-b(1)が0.3以下である定着部材を用いることを特徴とする請求項1に記載の定着方法。
- 加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面における、双極子能率3.0デバイ以上の液体での後退接触角が30度以上である定着部材を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着方法。
- 加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面における、表面粗さ(Ra)が3.0μm以下である定着部材を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の定着方法。
- 画像担持体上に軟化温度が80℃以下の熱溶融性トナーを用いて形成した熱溶融性トナー像に加圧加熱下で接触させて、該トナー像を、対向配置させた定着部材間で加圧搬送しつつ、加熱溶融した後、加熱溶融状態で定着部材よりトナー像を剥離して定着させるための定着部材において、加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面の静的接触角及び後退接触角を、双極子能率3.0デバイ以上の液体にて測定し、下記の式1に代入することにより算出した付着定数μs-b(1)と、双極子能率0デバイの液体を用いて同様の測定をして得られる付着定数μs-b(2)との比、μs-b(1)/μs-b(2)が5.0以下であり、表面にフッ素を含有することを特徴とする定着部材。
- 加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面の静的接触角及び後退接触角を、双極子能率3.0デバイ以上の液体にて測定し、前記の式1に代入することにより算出した付着定数μs-b(1)が0.3以下であることを特徴とする請求項5に記載の定着部材。
- 加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面における、双極子能率3.0デバイ以上の液体での後退接触角が30度以上であることを特徴とする請求項5又は6に記載の定着部材。
- 加熱定着中に溶融トナーと接触する定着部材表面における、表面粗さ(Ra)が3.0μm以下であることを特徴とすることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の定着部材。
- 前記定着部材の表面が、角張った形状が残らないような温度で焼結し、次いで急冷して形成されたフッ素含有材料層からなることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の定着部材。
- 前記定着部材の表面が、角張った形状が残らないような温度で該定着部材の基体を直接フッ化処理されたものであることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の定着部材。
- 軟化温度が80℃以下の熱溶融性トナーを用い、画像担持体上に形成した該トナー像に加圧加熱下で接触させて、該トナー像を加熱溶融した後、加熱溶融状態で定着部材よりトナー像を剥離して定着させるための定着部材からなる定着部を有する画像形成装置において、該定着部材として請求項5〜10のいずれかに記載の定着部材を用いたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の定着方法でトナー像を定着して画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
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JP2003398008A JP2004139115A (ja) | 1996-02-09 | 2003-11-27 | 定着方法及び定着部材並びに画像形成装置と画像形成方法 |
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JP2003398008A JP2004139115A (ja) | 1996-02-09 | 2003-11-27 | 定着方法及び定着部材並びに画像形成装置と画像形成方法 |
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CN103017689A (zh) * | 2012-12-31 | 2013-04-03 | 华北电力大学(保定) | 一种静态接触角的计算方法 |
JP2015090378A (ja) * | 2013-11-05 | 2015-05-11 | シャープ株式会社 | 画像形成装置及びその設計方法 |
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2003
- 2003-11-27 JP JP2003398008A patent/JP2004139115A/ja active Pending
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