JP2004139052A - 配向基板の製造方法、および配向基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 アライメントマークの形成に係る工程の増加を招くことなく、液晶層と接する箇所において形成されたアライメントマークを備える配向基板の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板21上に形成された配向膜22の全面に対して第1ラビングを行った後、配向膜22上にレジストによるマスク51aとアライメントマーク20Cとを形成する。マスク51aの上から配向膜22に対して第2ラビングを行い、マスク51aとして形成されたレジストのみを除去する。アライメントマーク20Cとして形成されたレジストに対しては、焼成処理によって耐溶剤性を与える。
【選択図】 図1
【解決手段】 基板21上に形成された配向膜22の全面に対して第1ラビングを行った後、配向膜22上にレジストによるマスク51aとアライメントマーク20Cとを形成する。マスク51aの上から配向膜22に対して第2ラビングを行い、マスク51aとして形成されたレジストのみを除去する。アライメントマーク20Cとして形成されたレジストに対しては、焼成処理によって耐溶剤性を与える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、複数の視点に対して異なる画像を表示する表示状態と全画面領域で一つの画像を表示する表示状態とを切替可能な液晶表示パネル、例えば2D/3D切替型液晶表示パネル等に用いられるアライメントマークを備えた配向基板およびその製造方法に関するものである。
液晶表示パネルの製造工程等においては、液晶層を挟持するための2枚の基板をそれぞれ別々に作成した後、これらの基板を貼り合わせるといった工程がとられる。これらの基板を貼り合わせる工程においては、通常、両方の基板のそれぞれにアライメントマークを形成しておき、これらのアライメントマークを用いた位置合わせが行われる。また、上記アライメントマークは、各基板の製造工程中においても、配線パターン等の形成時のマスクとの位置合わせにも用いられる。
このようなアライメントマークの形成に係る工程の増加を回避する技術として、特許文献1には、配線パターンを形成する際に用いられるレジストをアライメントマークとして利用することが開示されている。
すなわち、上記特許文献1に係る液晶表示装置では、配線となるITO(Indium Tin Oxide)膜を現像によってパターニングする際のマスクとなるレジスト層において、上記マスク箇所以外にアライメントマークとなる箇所を同時に形成する。そして現像による配線パターン形成後、上記レジスト層のマスク箇所のみを除去し、アライメントマークはそのまま残して、以後の工程での位置合わせに用いる。
一方、近年では、基板上に配向膜および液晶層を形成した位相差板において、その異なる領域に異なる光学特性を持たせたパターン化位相差板を視差バリアとして用いた2D/3D切替型液晶表示パネルが提案されている(例えば、特許文献2)。
このような2D/3D切替型液晶表示パネルにおいては、表示画像を生成する液晶パネルに対して上記パターン化位相差板を位置合わせして貼り合わせる必要があり、該パターン化位相差板のアライメントマーク形成においても工程の増加を招かない方法が要求される。
さらに、液晶表示装置の種類として液晶層の配向状態を与える配向膜において、その異なる領域に異なる配向方向を持たせた広視野角液晶表示装置がある(例えば、特許文献3)。
このような広視野角液晶表示装置においては、基板の配向膜における配向状態がパターン形成されるため、その配向パターンに合わせて配線パターンを位置合わせする必要がある。このため、配線パターン形成前においてパターン化位相差板にアライメントマークが形成されている必要があり、そのアライメントマーク形成においても工程の増加を招かない方法が要求される。
特開平1−92721号公報(公開日平成1年4月12日)
特開平10−123461号公報(公開日平成10年5月15日)
特開昭64−88520号公報(公開日昭和64年4月3日)
ところが、上記特許文献1の構成では、上記アライメントマークは配線パターン形成に使用されるレジスト層にて形成されているため、該アライメントマークが液晶層の形成領域に配置される場合には、基板の貼り合わせ後においても液晶が注入されるセル内面に残る。このため、上記アライメントマークは、セル内に注入された液晶とじかに接する。
上記アライメントマークに利用されるレジストは、本来、耐溶剤性が低く、該アライメントマークを液晶とじかに接する箇所に形成すると、レジストが液晶溶液に溶解することで変形し、高精度な位置合わせが行えないといった問題が生じる。
上記特許文献1のアライメントマーク形成方法を液晶パネル用の基板に適用する場合は、該アライメントマークを液晶層以外の領域に形成することで上記問題は解消できる。しかしながら、特許文献2に示されるようなパターン化位相差板では、液晶層が基板全面に形成されるため、上記特許文献1のアライメントマーク形成方法は適用できない。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、液晶層と接する箇所において、レジストにて形成されたアライメントマークを形成することができる基板の製造方法を提供することにある。
本発明の配向基板の製造方法は、上記の課題を解決するために、基板素材上に、配向方向がそれぞれ異なる複数の領域が形成された配向膜を有すると共に、他の部材との貼り合わせ用のアライメントマークを有する配向基板の製造方法において、基板素材上に形成された配向膜の全面に対してラビングを行う第1ラビング工程と、配向膜上にレジストによるマスクとアライメントマークとを形成するマスク形成工程と、マスクの上から配向膜に対してラビングを行う第2ラビング工程と、マスクとして形成されたレジストを除去するマスク除去工程と、アライメントマークとして形成されたレジストに耐溶剤性を与える耐溶剤性付与工程とを含むことを特徴としている。
また、本発明の配向基板は、上記の課題を解決するために、基板素材上に、配向方向がそれぞれ異なる複数の領域が形成された配向膜を有すると共に、他の部材との貼り合わせ用のアライメントマークを有する配向基板において、上記アライメントマークが、上記配向膜へのラビング時にマスクを形成するためのレジストを利用して形成されており、かつ、耐溶剤性を有するための処理が施されていることを特徴としている。
また、本発明のパターン化位相差板の製造方法は、上記の課題を解決するために、基板素材上に、配向方向がそれぞれ異なる複数の領域が形成された配向膜と、該配向膜上に形成される液晶層とを有すると共に、他の部材との貼り合わせ用のアライメントマークを有するパターン化位相差板の製造方法において、基板素材上に形成された配向膜の全面に対してラビングを行う第1ラビング工程と、配向膜上にレジストによるマスクとアライメントマークとを形成するマスク形成工程と、マスクの上から配向膜に対してラビングを行う第2ラビング工程と、マスクとして形成されたレジストを除去するマスク除去工程と、アライメントマークとして形成されたレジストに耐溶剤性を与える耐溶剤性付与工程と、配向膜上に液晶層を形成する液晶層形成工程とを含むことを特徴としている。
また、本発明のパターン化位相差板は、上記の課題を解決するために、基板素材上に、配向方向がそれぞれ異なる複数の領域が形成された配向膜と、該配向膜上に形成される液晶層とを有すると共に、他の部材との貼り合わせ用のアライメントマークを有するパターン化位相差板において、上記アライメントマークが、上記配向膜へのラビング時にマスクを形成するためのレジストを利用して形成されており、かつ、耐溶剤性を有するための処理が施されていることを特徴としている。
また、本発明の液晶表示パネル用基板の製造方法は、上記の課題を解決するために、基板素材上に、配向方向がそれぞれ異なる複数の領域が形成された配向膜と、該配向膜上に形成される配線層とを有すると共に、他の部材との貼り合わせ用のアライメントマークを有する液晶表示パネル用基板の製造方法において、基板素材上に形成された配向膜の全面に対してラビングを行う第1ラビング工程と、配向膜上にレジストによるマスクとアライメントマークとを形成するマスク形成工程と、マスクの上から配向膜に対してラビングを行う第2ラビング工程と、マスクとして形成されたレジストを除去するマスク除去工程と、アライメントマークとして形成されたレジストに耐溶剤性を与える耐溶剤性付与工程と、配向膜上に配線層を形成する配線層形成工程とを含むことを特徴としている。
また、本発明の液晶表示パネル用基板は、上記の課題を解決するために、基板素材上に、配向方向がそれぞれ異なる複数の領域が形成された配向膜と、該配向膜上に形成される配線層とを有すると共に、他の部材との貼り合わせ用のアライメントマークを有する液晶表示パネル用基板において、上記アライメントマークが、上記配向膜へのラビング時にマスクを形成するためのレジストを利用して形成されており、かつ、耐溶剤性を有するための処理が施されていることを特徴としている。
本発明の配向基板の製造方法は、以上のように、基板素材上に形成された配向膜の全面に対してラビングを行う第1ラビング工程と、配向膜上にレジストによるマスクとアライメントマークとを形成するマスク形成工程と、マスクの上から配向膜に対してラビングを行う第2ラビング工程と、マスクとして形成されたレジストを除去するマスク除去工程と、アライメントマークとして形成されたレジストに耐溶剤性を与える耐溶剤性付与工程とを含む構成である。
それゆえ、第1ラビング工程、マスク形成工程、第2ラビング工程、およびマスク除去工程によって、配向膜に配向方向がそれぞれ異なる複数の領域が形成される。そして、マスク形成工程では上記マスクと同時にアライメントマークがレジストによって形成され、マスク除去工程ではマスクとして形成されたレジストのみが除去されアライメントマークとして形成されたレジストは残される。これにより、上記アライメントマークを形成するための専用の工程を付加することなく、配向膜に複数の領域を与えるラビング処理工程の中でアライメントマークを同時に形成でき、工程数の増加を抑制できるといった効果を奏する。
また、上記アライメントマークを形成するレジストには耐溶剤性付与工程によって耐溶剤性が与えられるため、その上に液晶層が形成されてもアライメントマークが液晶層に溶解することが無く、液晶層の形成後もアライメントマークとしての機能を維持できるという効果を併せて奏する。
また、本発明の配向基板は、以上のように、上記アライメントマークが、上記配向膜へのラビング時にマスクを形成するためのレジストを利用して形成されており、かつ、耐溶剤性を有するための処理が施されている構成である。
それゆえ、上記アライメントマークを形成するレジストには耐溶剤性が与えられるため、その上に液晶層が形成されてもアライメントマークが液晶層に溶解することが無く、液晶層の形成後もアライメントマークとしての機能を維持できるといった効果を奏する。
また、本発明のパターン化位相差板の製造方法は、以上のように、基板素材上に形成された配向膜の全面に対してラビングを行う第1ラビング工程と、配向膜上にレジストによるマスクとアライメントマークとを形成するマスク形成工程と、マスクの上から配向膜に対してラビングを行う第2ラビング工程と、マスクとして形成されたレジストを除去するマスク除去工程と、アライメントマークとして形成されたレジストに耐溶剤性を与える耐溶剤性付与工程と、配向膜上に液晶層を形成する液晶層形成工程とを含む構成である。
また、本発明のパターン化位相差板は、以上のように、基板素材上に、配向方向がそれぞれ異なる複数の領域が形成された配向膜と、該配向膜上に形成される液晶層とを有すると共に、他の部材との貼り合わせ用のアライメントマークを有するパターン化位相差板において、上記アライメントマークが、上記配向膜へのラビング時にマスクを形成するためのレジストを利用して形成されており、かつ、耐溶剤性を有するための処理が施されている構成である。
それゆえ、上記アライメントマークを形成するレジストには耐溶剤性が与えられるため、その上に液晶層が形成されてもアライメントマークが液晶層に溶解することが無く、液晶層の形成後もアライメントマークとしての機能を維持できる。このため、上記パターン化位相差板を表示用液晶パネルと貼り合わせて、例えば2D/3D切替型液晶表示パネルを形成する際などに、高精度の位置合わせが行えるといった効果を奏する。
また、本発明の液晶表示パネル用基板の製造方法は、以上のように、基板素材上に形成された配向膜の全面に対してラビングを行う第1ラビング工程と、配向膜上にレジストによるマスクとアライメントマークとを形成するマスク形成工程と、マスクの上から配向膜に対してラビングを行う第2ラビング工程と、マスクとして形成されたレジストを除去するマスク除去工程と、アライメントマークとして形成されたレジストに耐溶剤性を与える耐溶剤性付与工程と、配向膜上に配線層を形成する配線層形成工程とを含む構成である。
また、本発明の液晶表示パネル用基板は、以上のように、上記アライメントマークが、上記配向膜へのラビング時にマスクを形成するためのレジストを利用して形成されており、かつ、耐溶剤性を有するための処理が施されている構成である。
それゆえ、上記アライメントマークは基板製造の初期の工程(配向膜のラビング工程)にて形成される。このため、基板の貼り合わせ時の位置合わせ以外に、基板製造途中の配線形成工程における基板と露光マスクとの位置合わせ等にも用いることができるといった効果を奏する。
また、上記アライメントマークを形成するレジストには耐溶剤性が与えられるため、その上に液晶層が形成されてもアライメントマークが液晶層に溶解することが無く、液晶層の形成後もアライメントマークとしての機能を維持できる。このため、上記基板を用いた液晶表示パネルを、例えば2D/3D切替型液晶表示パネルの表示用液晶パネルとして用いる場合等に、パターン化位相差板との貼り合わせの際に高精度の位置合わせが行えるといった効果を併せて奏する。
本発明の実施の一形態について図1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。尚、本実施の形態においては、2D/3D切替型液晶表示パネルにおいて使用されるパターン化位相差板の製造方法として本発明を例示する。
先ず、本実施の形態に係る2D/3D切替型液晶表示パネルの概略構成を図2を参照して説明する。
上記2D/3D切替型液晶表示パネルは、図2に示すように、表示用液晶パネル10、パターン化位相差板20、スイッチング液晶パネル30を貼り合わせた構成となっている。
表示用液晶パネル10は、TFT液晶表示パネルとして具備されており、第1の偏光板11、対向基板12、液晶層13、アクティブマトリクス基板14、および第2の偏光板15が積層されてなり、アクティブマトリクス基板14には、表示を行うべき画像に対応した画像データがFPC(Flexible Printed Circuits)等の配線51を介して入力される。
すなわち、上記表示用液晶パネル10は、上記2D/3D切替型液晶表示パネルに対し、画像データに応じた表示画面を生成する機能を与えるために備えられている。尚、表示画面を生成する機能を有するものであれば、表示用液晶パネル10における表示方式(TN方式やSTN方式)や駆動方式(アクティブマトリクス駆動やパッシブマトリクス駆動)は特に限定されるものではない。
パターン化位相差板20は、視差バリアの一部として機能するものであり、図3(a)に示すように、透明基板21上に配向膜22を形成し、さらにその上に液晶層23を積層してなる構成である。また、パターン化位相差板20のアクティブエリアにおいては、図3(b)に示すように、それぞれ、偏光状態の異なる第1の領域20A(図中、斜線部にて示す)と第2の領域20B(図中、射影部にて示す)とが交互にストライプ状に形成されている。さらに、パターン化位相差板20においては、後述する製造工程にて形成されるアライメントマーク20C(図中、黒塗り部にて示す)が設けられている。
スイッチング液晶パネル30は、駆動側基板31、液晶層32、対向基板33、および第3の偏光板34が積層されてなり、駆動側基板31には液晶層32のON時に駆動電圧を印加するための配線52が接続されている。
スイッチング液晶パネル30は、液晶層32のON/OFFに応じて該スイッチング液晶パネル30を透過する光の偏光状態を切り替えるために配置されている。尚、スイッチング液晶パネル30は表示用液晶パネル10のようにマトリクス駆動される必要は無く、駆動側基板31および対向基板33に備えられる駆動電極は該スイッチング液晶パネル30のアクティブエリア全面に形成されればよい。
次に、上記構成の2D/3D切替型液晶表示パネルの表示動作について説明する。
先ず、図2に示す2D/3D切替型液晶表示パネルにおいて、各構成部材の光学軸の方向を図4にて例示する。尚、図4において示される光学軸は、液晶パネルおよび位相差板では配向膜における遅相軸の方向(すなわち、配向膜に対するラビング方向)、偏光板では透過軸の方向である。
図4の構成では、光源から出射された入射光は、最初に、スイッチング液晶パネル30の第3の偏光板34によって偏光される。また、スイッチング液晶パネル30は、3D表示時はOFFの状態で1/2波長板として作用する。
また、スイッチング液晶パネル30を通過した光は、次にパターン化位相差板20に入射される。パターン化位相差板20の第1の領域20Aと第2の領域20Bとでは、そのラビング方向、すなわち遅相軸の方向が異なるため、第1の領域20Aを通過した光と第2の領域20Bを通過した光とでは、その偏光状態が異なる。図4の例では、第1の領域20Aを通過した光と第2の領域20Bを通過した光との偏光軸が90°異なっている。また、パターン化位相差板20は、液晶層23の複屈折率異方性と膜厚により1/2波長板として作用するように設定されている。
パターン化位相差板20を通過した光は、表示用液晶パネル10の第2の偏光板15に入射される。3D表示時には、パターン化位相差板20の第1の領域20Aを通過した光の偏光軸は第2の偏光板15の透過軸と平行であり、第1の領域20Aを通過した光は偏光板15を透過する。一方で、第2の領域20Bを通過した光の偏光軸は第2の偏光板15の透過軸と90°の角度をなし、第2の領域20Bを通過した光は偏光板15を透過しない。
すなわち、図4の構成では、パターン化位相差板20との第2の偏光板15との関連した光学作用によって視差バリアの機能が達成され、パターン化位相差板20における第1の領域20Aが透過領域、第2の領域20Bが遮断領域となる。
第2の偏光板15を通過した光は、表示用液晶パネル10の液晶層13において黒表示を行う画素と白表示を行う画素とで異なる光学変調を受け、白表示を行う画素によって光学変調を受けた光のみが第1の偏光板11を透過することで画像表示が行われる。
この時、上記視差バリアの透過領域を通過することや特定の視野角が与えられた光が、表示用液晶パネル10において右目用画像および左目用画像のそれぞれに対応する画素を通過することで右目用画像と左目用画像とが異なる視野角に分離され、3D表示が行われる。
また、2D表示が行われる場合には、スイッチング液晶パネル30がONされ、該スイッチング液晶パネル30を通過する光に対して光学変調が与えられない。スイッチング液晶パネル30を通過した光は、次にパターン化位相差板20を通過することで、第1の領域20Aを通過した光と第2の領域20Bを通過した光とで異なる偏光状態が与えられる。
しかしながら、2D表示の場合では、3D表示の場合とは異なり、スイッチング液晶パネル30での光学変調作用が無いため、パターン化位相差板20を通過した光の偏光軸は、第2の偏光板15の透過軸に対して、左右対称の角度のずれが生じることとなる。このため、パターン化位相差板20の第1の領域20Aを通過した光、第2の領域20Bを通過した光ともに、第2の偏光板15を同じ透過率で透過し、パターン化位相差板20と第2の偏光板15との関連した光学作用による視差バリアの機能が達成されず(特定の視野角が与えられない)、2D表示となる。
続いて、上記2D/3D切替型液晶表示パネルの組立工程を、図5を参照して説明する。
本実施の形態に係る2D/3D切替型液晶表示パネルは、それぞれ別々に製造された表示用液晶パネル10、パターン化位相差板20、およびスイッチング液晶パネル30を貼り合わせることによって完成する。
上記2D/3D切替型液晶表示パネルの組立工程では、図5に示すように、表示用液晶パネル10にパターン化位相差板20が接着剤にて貼り合わされる(S1)。
さらに、パターン化位相差板20付の表示用液晶パネル10に、接着剤によってスイッチング液晶パネル30を貼り合わせることにより、2D/3D切替型液晶表示パネルが完成する(S2〜S3)。
これらの貼り合わせ工程における位置合わせには、表示用液晶パネル10、パターン化位相差板20、およびスイッチング液晶パネル30のそれぞれにおいて形成されているアライメントマークが使用される。このため、表示用液晶パネル10、パターン化位相差板20、およびスイッチング液晶パネル30のそれぞれの製造工程においては、アライメントマーク形成のための工程を含む。
本発明は、特にパターン化位相差板20の製造工程においてのアライメントマーク形成方法に特徴がある。ここで、パターン化位相差板20の製造工程を、図6および図1を参照して説明する。
パターン化位相差板20の製造工程においては、図6に示すように、先ず、基板(基板素材)21となる素ガラスに対して洗浄を行い、洗浄された基板の片面にポリイミドを塗布し焼成することで配向膜22を形成する(S11〜S13)。次に、配向膜22に対して1回目のラビング処理(第1ラビング)を行う(S14)。第1ラビングにおけるラビング方向は、第1の領域20Aのラビング方向とする。上記S11〜S14の処理が終了した状態を図1(a)に示す。
第1ラビング後、洗浄された基板の配向膜22上にレジストを塗布して仮焼きすることで、レジスト層51が形成される(S15〜S16)。尚、S16の工程における仮焼きは、レジスト層51の溶剤を蒸発させ配向膜22への密着性を向上させるために行われるプリベーク処理であり、レジスト層51におけるポリマーの重合や添加物の熱分解が生じない程度の温度で行われる。また、上記レジスト層51の材料としては、ノボラック系レジスト材(ノボラック樹脂,感光剤,溶剤を主成分とする。例えば、富士フィルムアーチ社製;FH2030D)が好適に用いられる。上記S15〜S16の処理が終了した状態を図1(b)に示す。
レジスト層51の形成後、露光、現像、乾燥の工程によって該レジスト層51がパターニングされる(S17〜S18)。パターニングされたレジスト層51は、パターン化位相差板20の第1の領域20Aとなる箇所を覆うマスク部51aとなると共に、アライメントマーク20Cとしても形成される。上記S17〜S18の処理が終了した状態を図1(c)に示す。
こうしてレジスト層51がパターニングされた後の基板に対し、該レジスト層51側から2回目のラビング処理(第2ラビング)が行われる(S19)。この第2ラビングにおけるラビング方向は、第2の領域20Bのラビング方向とする。この時、配向膜22がマスク部51aで覆われた第1の領域2Aでは、第1ラビングによって形成された遅相軸の向きが維持されるが、マスク部51aで覆われずに露出した第2の領域2Bでは、第2ラビングのラビング方向に沿った遅相軸の向きとなる。上記S19の処理が終了した状態を図1(d)に示す。
第2ラビング後、洗浄された基板の配向膜22上に残っているレジストに対して再度、露光、現像により、マスク部51aとして残っているレジストが除去され、その後、乾燥される(S20〜S22)。尚、S21の露光処理において、アライメントマーク20Cを形成するレジストに対しては、露光されないようにマスクが被せられる。これにより、S22の現像処理においてもアライメントマーク20Cは除去されずに配向膜22上に残る。上記S20〜S22の処理が終了した状態を図1(e)に示す。
マスク部51aとなるレジストが除去された後の基板に対しては、150℃〜250℃程度の温度での焼成処理が施される(S23)。この焼成処理により、レジスト内のノボラック樹脂および感光剤が架橋反応を起こし、難溶性に変化する。すなわち、S23の焼成処理は、アライメントマーク20Cを形成するレジストに耐溶剤性を与えるための処理である。上記S23の処理が終了した状態を図1(f)に示す。尚、本実施の形態に係るパターン化位相差板20においては、図1(f)に示す状態が特許請求の範囲に記載の配向基板となる。
上記S23での焼成処理が施された後、配向膜22上にUV硬化型液晶溶液がスピンコート法等によって塗布され、さらに該UV硬化型液晶溶液にUV照射を行うことによって液晶分子が架橋され高分子化される(S24〜S25)。こうして、液晶層23が形成される。この時、アライメントマーク20Cは、液晶層23に直に接するように形成されるが、該アライメントマーク20Cを形成するレジストはS23の焼成処理によって耐溶剤性が与えられている。このため、アライメントマーク20CはS24の工程にて塗布されるUV硬化型液晶溶液に対しても溶解することなく、パターニングされた直後の形状を維持することができる。上記S25の処理が終了した状態を図1(g)に示す。
尚、上記S23では焼成処理によってアライメントマーク20Cに耐溶剤性を与えているが、用いられるレジストの種類によっては、例えばUV照射など、他の処理によって耐溶剤性を与えられてもよい。
上記S11〜S25の処理は、複数のパターン化位相差板20を1枚の大型基板上に一括して形成するように実施される。このため、複数のパターン化位相差板20が形成された基板を個々のパターン化位相差板20に分断し、検査することで、パターン化位相差板20が完成する(S26〜S28)。
以上のように、本実施の形態に係るパターン化位相差板20の製造方法では、配向膜22において配向方向が異なる2つの領域を形成するために、第1ラビング処理後にレジストにてマスクを形成し、該マスク上から第2ラビングを施している。そして、上記マスクとなるレジストによって同時にアライメントマークを形成する構成である。
上記アライメントマークを形成するレジストは、その上に液晶層を形成する前の焼成処理によって耐溶剤性が与えられる。このため、上記アライメントマークが液晶層と直に接するように形成されていても液晶溶液への溶解によってその形状が変化するといった不具合が発生せず、高精度の位置合わせにも利用可能となる。
尚、本実施の形態においては、アライメントマークの形成方法を、2D/3D切替型液晶表示パネルにて用いられるパターン化位相差板の製造方法を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、広視野角液晶表示パネルにて用いられる液晶パネル用基板(アクティブマトリクス基板や対向基板)の製造時においても適用可能である。
広視野角液晶表示パネルは、液晶表示パネルにおける視野角の向上を図るために、各画素領域を2つ以上の領域に分割して、各領域での液晶の初期配向状態を異ならせるように構成されている。このため、広視野角液晶表示パネルで用いられる液晶パネル用基板では、配向膜において配向方向が異なる複数の領域を形成するために、図1で示した製造工程と同様のラビング手順がとられる。
したがって、広視野角液晶表示パネルで用いられる液晶パネル用基板においても、2回目以降のラビング処理時におけるマスクを形成するレジストにてアライメントマークを同時に形成することが可能であり、このアライメントマークの形成に本発明を適用することが可能である。
上述のような広視野角液晶表示パネル用の基板において本発明を適用する場合には、上記アライメントマークは基板製造の初期の工程(配向膜のラビング工程)にて形成される。このため、基板の貼り合わせ時の位置合わせ以外に、基板製造途中の配線形成工程における基板と露光マスクとの位置合わせ等にも用いることができる。
また、上記アライメントマークは、基板同士(アクティブマトリクス基板および対向基板)を貼り合わせた後の液晶注入後においても溶解しないため、上記広視野角液晶表示パネルを図2に示すような2D/3D切替型液晶表示パネルの表示用液晶パネルに用いる場合には、パターン化位相差板やスイッチング液晶パネルとの貼り合わせにおいても用いることができる。
尚、広視野角液晶表示パネル用の基板において本発明を適用する場合、アライメントマークの焼成工程は、配向膜上に配線パターンを形成する工程の前であってもよく後であってもよい。
また、上述の説明では、本発明を2D/3D切替型液晶表示パネルに使用されるパターン化位相差板の製造方法として例示したが、このようなパターン化位相差板が使用可能な液晶表示パネルは、2D/3D切替型液晶表示パネルに限定されるものではない。
例えば、本発明に係る液晶表示パネルは、3D表示の変わりに視差バリア手段によって分離される2つの画像のそれぞれに異なる映像ソースを表示する画面表示を行うような液晶表示パネルに適用することも可能である。
このような液晶表示パネルの使用法の一例として、自動車の運転席のドライバーにカーナビゲーションシステムの映像を表示し、かつ助手席の同乗者にテレビ放送の映像を表示するような表示装置への利用が考えられる。複数の観察者に異なる映像を表示する場合には、それぞれの画素を透過した光が、所定の距離をおいた複数の観察者のそれぞれが観察すべき映像として分離できるように、視差バリアの遮光部と透過部の配置パターンを適宜設定すればよい。
10 表示用液晶パネル
20 パターン化位相差板
20C アライメントマーク
21 透明基板(基板素材)
22 配向膜
23 液晶層
30 スイッチング液晶パネル
51 レジスト層
51a マスク
20 パターン化位相差板
20C アライメントマーク
21 透明基板(基板素材)
22 配向膜
23 液晶層
30 スイッチング液晶パネル
51 レジスト層
51a マスク
Claims (8)
- 基板素材上に、配向方向がそれぞれ異なる複数の領域が形成された配向膜を有すると共に、他の部材との貼り合わせ用のアライメントマークを有する配向基板の製造方法において、
基板素材上に形成された配向膜の全面に対してラビングを行う第1ラビング工程と、
配向膜上にレジストによるマスクとアライメントマークとを形成するマスク形成工程と、
マスクの上から配向膜に対してラビングを行う第2ラビング工程と、
マスクとして形成されたレジストを除去するマスク除去工程と、
アライメントマークとして形成されたレジストに耐溶剤性を与える耐溶剤性付与工程とを含むことを特徴とする配向基板の製造方法 - 基板素材上に、配向方向がそれぞれ異なる複数の領域が形成された配向膜を有すると共に、他の部材との貼り合わせ用のアライメントマークを有する配向基板において、
上記アライメントマークが、上記配向膜へのラビング時にマスクを形成するためのレジストを利用して形成されており、かつ、耐溶剤性を有するための処理が施されていることを特徴とする配向基板。 - 基板素材上に、配向方向がそれぞれ異なる複数の領域が形成された配向膜と、該配向膜上に形成される液晶層とを有すると共に、他の部材との貼り合わせ用のアライメントマークを有するパターン化位相差板の製造方法において、
基板素材上に形成された配向膜の全面に対してラビングを行う第1ラビング工程と、
配向膜上にレジストによるマスクとアライメントマークとを形成するマスク形成工程と、
マスクの上から配向膜に対してラビングを行う第2ラビング工程と、
マスクとして形成されたレジストを除去するマスク除去工程と、
アライメントマークとして形成されたレジストに耐溶剤性を与える耐溶剤性付与工程と、
配向膜上に液晶層を形成する液晶層形成工程とを含むことを特徴とするパターン化位相差板の製造方法 - 基板素材上に、配向方向がそれぞれ異なる複数の領域が形成された配向膜と、該配向膜上に形成される液晶層とを有すると共に、他の部材との貼り合わせ用のアライメントマークを有するパターン化位相差板において、
上記アライメントマークが、上記配向膜へのラビング時にマスクを形成するためのレジストを利用して形成されており、かつ、耐溶剤性を有するための処理が施されていることを特徴とするパターン化位相差板。 - 上記請求項4に記載のパターン化位相板を視差バリアとして用いていることを特徴とする液晶表示パネル。
- 基板素材上に、配向方向がそれぞれ異なる複数の領域が形成された配向膜と、該配向膜上に形成される配線層とを有すると共に、他の部材との貼り合わせ用のアライメントマークを有する液晶表示パネル用基板の製造方法において、
基板素材上に形成された配向膜の全面に対してラビングを行う第1ラビング工程と、
配向膜上にレジストによるマスクとアライメントマークとを形成するマスク形成工程と、
マスクの上から配向膜に対してラビングを行う第2ラビング工程と、
マスクとして形成されたレジストを除去するマスク除去工程と、
アライメントマークとして形成されたレジストに耐溶剤性を与える耐溶剤性付与工程と、
配向膜上に配線層を形成する配線層形成工程とを含むことを特徴とする液晶表示パネル用基板の製造方法。 - 基板素材上に、配向方向がそれぞれ異なる複数の領域が形成された配向膜と、該配向膜上に形成される配線層とを有すると共に、他の部材との貼り合わせ用のアライメントマークを有する液晶表示パネル用基板において、
上記アライメントマークが、上記配向膜へのラビング時にマスクを形成するためのレジストを利用して形成されており、かつ、耐溶剤性を有するための処理が施されていることを特徴とする液晶表示パネル用基板。 - 上記請求項7に記載の液晶表示パネル用基板同士が貼り合わされ、その間隙に液晶層を挟持してなることを特徴とする液晶表示パネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003325974A JP2004139052A (ja) | 2002-09-26 | 2003-09-18 | 配向基板の製造方法、および配向基板 |
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JP2002280560 | 2002-09-26 | ||
JP2003325974A JP2004139052A (ja) | 2002-09-26 | 2003-09-18 | 配向基板の製造方法、および配向基板 |
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JP2003325974A Withdrawn JP2004139052A (ja) | 2002-09-26 | 2003-09-18 | 配向基板の製造方法、および配向基板 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7738055B2 (en) | 2006-01-31 | 2010-06-15 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Display device having stacked polarizers that differ in degrees of light absorbing bands and that are between a pair of protective layers such that no protective layer is located between the stacked polarizers |
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US8405800B2 (en) | 2006-02-02 | 2013-03-26 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Display device with stacked polarizers |
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-
2003
- 2003-09-18 JP JP2003325974A patent/JP2004139052A/ja not_active Withdrawn
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