JP2004138733A - 映像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶素子を用いても、黒浮き現象が改善され、ダイナミックレンジが広い、映像表示装置を提供する。
【解決手段】ディスプレイ装置1は、バックライト光源10からの光のパス上において、画素毎に液晶素子201及び301がタンデムに配列されている。ドライバ50は、入力映像信号から画素毎にバックライト光源10によって発せられる光を透過させる透過率を求め、この透過率を画素毎に設けられた液晶素子201及び301の透過率の積によって実現するドライブ信号を液晶素子201及び301のそれぞれに与えて駆動する。このように駆動された液晶素子201及び301はバックライト光源10からの光を変調する。このようにディスプレイ装置1は、画素毎に設けられた複数の液晶素子よって光を変調できるので、黒浮き現象が抑制され、ダイナミックレンジの広い映像表示装置となっている。
【選択図】 図1
【解決手段】ディスプレイ装置1は、バックライト光源10からの光のパス上において、画素毎に液晶素子201及び301がタンデムに配列されている。ドライバ50は、入力映像信号から画素毎にバックライト光源10によって発せられる光を透過させる透過率を求め、この透過率を画素毎に設けられた液晶素子201及び301の透過率の積によって実現するドライブ信号を液晶素子201及び301のそれぞれに与えて駆動する。このように駆動された液晶素子201及び301はバックライト光源10からの光を変調する。このようにディスプレイ装置1は、画素毎に設けられた複数の液晶素子よって光を変調できるので、黒浮き現象が抑制され、ダイナミックレンジの広い映像表示装置となっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイ装置及びプロジェクタ装置を含む映像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶素子を備える映像表示装置が普及している。モノクロ映像を表示する映像表示装置は、光源と、画素数分の液晶素子が配列された液晶パネルとを備えている。また、カラー映像を表示する映像表示装置は、光源と、RGB3原色の色成分毎に設けられた液晶素子とRGB3原色のフィルタとを備えている。このような映像表示装置としては、光源から発せられ液晶素子によって変調された光を直視する直視型の映像表示装置と、光源から発せられ液晶素子によって変調された光をスクリーンに投影する投写型の映像表示装置がある(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−258401号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように液晶素子による光の変調を利用する映像表示装置は、黒色をスクリーンに再現する場合に、液晶素子に0レベルのドライブ信号を与えても、液晶素子において光の漏れを生じるため、完全な黒色が再現されない黒浮き現象が生じるという問題点や、ダイナミックレンジが狭いという問題点を有していた。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、液晶素子を用いても、黒浮き現象が改善され、ダイナミックレンジが広い、映像表示装置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の映像表示装置は、光源と、上記光源から発せられる光のパス上においてタンデムに配列された複数の液晶素子を含む複数の液晶ユニットと、入力映像信号に基づいて上記光源から発せられる光を透過させる各々の画素の透過率を求め、画素に対応して設けられた上記液晶ユニットに含まれる上記複数の液晶素子の透過率による総合の透過率を、上記画素の透過率とするよう当該複数の液晶素子各々を駆動するドライブ信号を生成するドライバとを備えることを特徴としている。
【0007】
この発明による映像表示装置では、複数の液晶素子を含む液晶ユニットが複数設けられている。この液晶ユニットでは、複数の液晶素子が光源から発せられる光のパス上においてタンデムに配列されている。そして、ドライバが、入力映像信号から、映像を表示するために光源からの光を透過させる各画素の透過率を求め、画素に対応して設けられた液晶ユニットに含まれる複数の液晶素子の透過率による総合の透過率を、上記画素の透過率とするようドライブ信号を生成して、各々の液晶素子を駆動する。光のパス上にタンデムに配列された複数の液晶素子の透過率による総合の透過率は、それぞれの液晶素子の透過率の積となるので、複数の液晶素子によって光を変調すると、一つの液晶素子で光を変調する場合に比べて上述した黒浮き現象を抑制できる。したがって、黒浮き現象が抑制され、ダイナミックレンジの広い、映像表示装置が提供可能となる。
【0008】
また、本発明の映像投影装置においては、上記液晶ユニットは、画素毎に設けられ、上記光源から発せられる光のパス上にタンデムに配列された複数の輝度変調用の液晶素子を含み、上記光源から発せられる光を上記複数の液晶ユニットによって画素毎にそれぞれ輝度変調してモノクロ映像を表示することを特徴としても良い。
【0009】
この発明による映像表示装置では、画素毎に液晶ユニットが設けられる。この液晶ユニットには、複数の液晶素子が光のパス上においてタンデムに配列さており、各々の液晶素子が輝度変調を行う。したがって、上述した黒浮き現象を抑制でき、ダイナミックレンジの広い、モノクロ映像を表示する映像表示装置が提供可能となる。
【0010】
また、本発明の映像投影装置においては、上記液晶ユニットは、画素毎に設けられ、各々異なる色成分の変調を行う液晶素子を複数含み、同一の色成分の変調を行う上記液晶素子は上記光源から発せられる光のパス上においてタンデムに配列され、上記ドライバは、上記入力映像信号に基づいて上記光源から発せられる光を透過させる各々の画素の透過率を上記色成分毎に求め、画素に対応して設けられた上記液晶ユニットに含まれる上記複数の液晶素子の透過率による各色成分毎の総合の透過率それぞれが、対応する色成分の上記画素の透過率となるように、上記複数の液晶素子各々を駆動するドライブ信号を生成し、上記光源から発せられる光を上記複数の液晶ユニットによって画素毎にそれぞれ変調してカラー映像を表示することを特徴としても良い。
【0011】
この発明による映像表示装置では、画素毎に液晶ユニットが設けられる。この液晶ユニットは、各々異なる色成分の変調を行う液晶素子を複数含み、同一の色成分の変調を行う液晶素子は光源から発せられる光のパス上においてタンデムに配列されている。すなわち、色成分毎に光のパス上に液晶素子を複数設けるので、上述した黒浮き現象を抑制でき、ダイナミックレンジの広い、カラー映像を表示する映像表示装置が提供可能となる。
【0012】
また、本発明の映像投影装置においては、上記液晶ユニットは、画素毎に設けられ、輝度変調用の液晶素子と、各々異なる色相成分の変調を行う色相変調用の液晶素子とを含み、上記輝度変調用の液晶素子と上記色相変調用の液晶素子は、上記光源から発せられる光のパス上においてタンデムに配列され、上記ドライバは、上記入力映像信号から輝度成分を含む輝度成分ドライブ信号と色相成分を含む色相成分ドライブ信号とを画素毎に生成し、画素毎に上記輝度成分ドライブ信号に基づいて上記輝度変調用の液晶素子を駆動すると共に上記色相成分ドライブ信号に基づいて上記色相変調用の液晶素子を駆動し、カラー映像を表示することを特徴としても良い。
【0013】
この発明による映像表示装置では、画素毎に液晶ユニットが設けられる。この液晶ユニットは、輝度変調用の液晶素子と、各々異なる色相成分の変調を行う色相変調用の液晶素子とを含み、同一の色成分の変調を行う液晶素子は光源から発せられる光のパス上においてタンデムに配列されている。すなわち、輝度変調用の液晶素子によって輝度変調した光を、色相変調用の液晶素子で更に変調するので、上述した黒浮き現象を抑制でき、ダイナミックレンジの広い、カラー映像を表示する映像表示装置が提供できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態にかかる映像表示装置について説明する。なお、以下の実施形態に関する説明においては、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
【0015】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態にかかる直視型のモノクロ映像表示装置であるディスプレイ装置1について説明する。図1は、ディスプレイ装置1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、ディスプレイ装置1は、バックライト光源10と、液晶パネル20及び30と、ドライバ50とを備えて構成される。以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0016】
バックライト光源10は、液晶パネル20へ向けて光を照射する。バックライト光源10には、例えば、電球、LED、蛍光ランプ、メタルハライドランプ等を用いることができる。
【0017】
液晶パネル20は、二次元配列された画素数分の液晶素子201を備える。また、液晶パネル30も同様に、二次元配列された画素数分の液晶素子301を備える。液晶素子201及び液晶素子301は、ドライバ50によって与えられるドライブ信号によって駆動され、バックライト光源10から発せられる光を変調する。液晶素子201と液晶素子301はそれぞれ画素毎に設けられ、バックライト光源10から発せられる光のパス上において、タンデムに配列されている。
【0018】
ドライバ50は、信号線15から入力されるモノクロの入力映像信号に基づいて、バックライト光源10から発せられる光を透過させる透過率を各画素毎に求める。そして、ドライバ50は、このように求めた画素における透過率を、その画素に対応して設けた液晶素子201及び液晶素子301との総合の透過率によって実現するために、液晶素子201及び301のそれぞれに与えるドライブ信号を生成する。ドライバ50は、このドライブ信号によって液晶素子201及び液晶素子301を駆動する。例えば、液晶素子201と液晶素子301とによる総合の透過率がそれぞれの液晶素子の透過率の積となる場合、ドライバ50は液晶素子201及び301のそれぞれの透過率が、上記の総合の透過率によって実現しようとする所期の透過率の平方根となるように、液晶素子201及び301に与えるドライブ信号の信号レベルを決定することができる。なお、液晶素子201及び301のそれぞれの透過率は、上記の値に限定されるものではなく、液晶素子201と液晶素子301との総合の透過率によって、所期の透過率が実現されるように、液晶素子201及び301のそれぞれの透過率が制御されれば良い。
【0019】
ここで、上述したドライブ信号の信号レベルと液晶素子の光の透過率の関係について説明する。図2は、液晶素子に与えるドライブ信号の信号レベルと液晶素子の光の透過率の関係を示す図である。図2において、曲線101は、信号レベルと光の透過率の理想的な関係を示す曲線である。曲線102は、信号レベルと液晶素子の光の透過率の実際の関係を示す曲線である。液晶素子にドライブ信号を与えると、その液晶素子の光の透過率は、曲線102のようになり、信号レベルが0に近づくにつれて、曲線101とのずれを生じる。すなわち、液晶素子に0に近い信号レベルのドライブ信号を与えても、光の漏れを生ずる為に、黒色が再現できないという黒浮き現象が生じている。ここで、曲線103は、液晶素子をタンデムに二つ配列した場合に、総合の透過率が曲線101の透過率となるように、各々の液晶素子が持つべき透過率を示す曲線である。すなわち、液晶素子を二重に使用すると、各々の液晶素子の透過率の積が総合透過率となる。曲線104は、光のパス上に液晶素子を2重に配列し、曲線103の透過率を得るための信号レベルをそれらの液晶素子各々に与えることによって実現される総合の透過率を示す。曲線104に示すように、液晶素子を二重にすると、黒浮き現象が生じる領域は、曲線102と曲線103との交点より左側の領域(参照符号105を附した点線の左側の領域)のみとなる。したがって、一つの液晶素子によって光を変調する場合と比較して、液晶素子を二重に用いることによって、黒浮き現象が抑制されて、ダイナミックレンジが広くなる。
【0020】
以下、本実施形態にかかるディスプレイ装置1の動作について説明する。ドライバ50が、入力映像信号から各画素においてバックライト光源10から発せられる光を透過させる透過率を計算する。そして、各画素毎にタンデムに配列された液晶素子201及び301による総合の透過率が上記のように計算された透過率となる為の信号レベルをもつドライブ信号を求めて、このドライブ信号によって液晶素子201及び301を駆動する。バックライト光源10から発せられる光は、画素毎にタンデムに配列された液晶素子201及び301によって輝度変調される。以上のように、バックライト光源10から発せられた光は画素毎に輝度変調され、輝度変調された光によってモノクロ映像が表示される。
【0021】
以下、本実施形態にかかるディスプレイ装置1の作用及び効果を説明する。ディスプレイ装置1は、画素毎に液晶素子201及び301が、バックライト光源10からの光のパス上においてタンデムに配列されている。ドライバ50は、上記の光を画素毎に透過させる透過率を入力映像信号から求め、その透過率を液晶素子201及び301それぞれの透過率の積によって実現するためのドライブ信号を液晶素子201及び301に与えることによって、各々の液晶素子を駆動する。このように二つの液晶素子をタンデムに配列して、バックライト光源10からの光を変調するので、上述したように、黒浮き現象が抑制され、ダイナミックレンジの広いディスプレイ装置1となる。
【0022】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態にかかる直視型のカラー映像表示装置であるディスプレイ装置2について説明する。図3は、ディスプレイ装置2の構成を示すブロック図である。図3に示すように、ディスプレイ装置2は、バックライト光源10と、液晶パネル21及び31と、カラーフィルタ41と、ドライバ50とを備えて構成される。なお、バックライト光源10は第1実施形態のディスプレイ装置1のバックライト光源10と同様の構成を有するので、説明を省略する。
【0023】
液晶パネル21は、3つの液晶素子を含むユニット211を画素数分備え、これらのユニット211は二次元的に配列されている。ユニット211に含まれる3つの液晶素子は、それぞれ、R(赤)成分の変調、G(緑)成分の変調、B(青)成分の変調を行う。液晶パネル31も、液晶パネル21と同様に3つの液晶素子を含むユニット311を画素数分備え、これらのユニット311が二次元的に配列されている。ユニット211の液晶素子とユニット311の液晶素子とは、画素毎に同じ色成分を変調する液晶素子が、バックライト光源10からの光のパス上において、タンデムに配列されている。
【0024】
カラーフィルタ41は、入射する光のうち、Rのスペクトル成分,Gのスペクトル成分,Bのスペクトル成分をそれぞれ透過させる3つのフィルタ素子からなるユニット411を画素数分備え、これらのユニット411が二次元的に配列されている。このユニット411に含まれるフィルタ素子は、同じ画素に設けられたユニット211及びユニット311に含まれる液晶素子のうち、透過させる光の色成分と同じ色成分の変調を行う液晶素子と、バックライト光源10からの光のパス上においてタンデムに配列されている。
【0025】
ドライバ51は、信号線15から入力されるカラーの入力映像信号に基づいて、バックライト光源10から発せられる光を透過させる各画素毎の透過率をRGBの色成分毎に求める。そして、ドライバ51は、上記のように求めた色成分毎の透過率を、その画素の変調を行うユニット211及び311において各色成分毎にタンデムに配列された液晶素子の総合の透過率によって実現するためのドライブ信号を生成する。ドライバ51は、このドライブ信号によってユニット211及びユニット311に含まれる液晶素子を駆動する。例えば、ユニット211及び311において、色成分毎に、タンデムに配列された液晶素子による総合の透過率がそれぞれの液晶素子の透過率の積となる場合、ドライバ51は、タンデムに配列された液晶素子それぞれの透過率が、上記の総合の透過率によって実現しようとする所期の透過率の平方根となるように、それぞれの液晶素子に与えるドライブ信号の信号レベルを決定することができる。なお、ユニット211及び311に含まれる液晶素子のそれぞれの透過率は、上記の値に限定されるものではなく、タンデムに配列された液晶素子の総合の透過率によって、所期の透過率が実現されるように、それぞれの液晶素子の透過率が制御されれば良い。
【0026】
以下、本実施形態にかかるディスプレイ装置2の動作について説明する。ドライバ51が、入力映像信号から各画素においてバックライト光源10から発せられる光を透過させる透過率を色成分毎に計算する。そして、ユニット211及び311に含まれる液晶素子に、上記のように計算された透過率を得る為の信号レベルをもつドライブ信号を与えて、それぞれの液晶素子を駆動する。バックライト光源10から発せられる光は、画素毎に設けられたユニット211及び311によって色成分毎に変調される。このように色成分毎に変調された光は各々、ユニット411を透過して、フィルタ素子それぞれの色成分のスペクトルをもつ光となる。
【0027】
このように、ディスプレイ装置2には、光源から発せられる光のパス上に、色成分毎にタンデムに配列された液晶素子が設けられているので、ディスプレイ装置2は、第1実施形態のディスプレイ装置1と同様に黒浮き現象を抑制でき、ダイナミックレンジの広い直視型の映像表示装置となっている。
【0028】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態にかかる直視型のカラー映像表示装置であるディスプレイ装置3について説明する。図4は、ディスプレイ装置3の構成を示すブロック図である。図4に示すように、ディスプレイ装置3は、バックライト光源10と、液晶パネル22及び32と、カラーフィルタ41と、ドライバ52とを備えて構成される。なお、バックライト光源10とカラーフィルタ41は、第2実施形態のディスプレイ装置2に備えられたバックライト光源10とカラーフィルタ41とそれぞれ同様の構成を有するので、説明を省略する。
【0029】
液晶パネル22は、輝度変調用の液晶素子221を画素数分備え、バックライト光源10からの光を画素毎に輝度変調する。画素数分備えられた液晶素子221は、二次元的に配列されている。
【0030】
液晶パネル32は、3つの液晶素子を含むユニット321を画素数分備え、これらのユニット321が二次元的に配列さている。ユニット321に含まれる3つの液晶素子は、それぞれ、R(赤)成分の変調、G(緑)成分の変調、B(青)成分の変調を行う。同じ画素に設けられたユニット211の液晶素子とユニット311の3つの液晶素子とは、バックライト光源10からの光のパス上において、タンデムに配列されている。また、カラーフィルタ41に設けられたユニット411に含まれるフィルタ素子は、透過させる光の色成分と同じ色成分の変調を行う同じ画素のユニット321に含まれる液晶素子と、バックライト光源10からの光のパス上においてタンデムに配列されている。
【0031】
ドライバ52は、信号線15から入力されるカラーの入力映像信号に基づいて、輝度成分からなる輝度成分ドライブ信号とRGB3原色それぞれの色相成分ドライブ信号を画素毎に生成する。ドライバ52は、画素毎に求めた輝度成分ドライブ信号によって液晶素子221を駆動し、また、画素毎に求めたRGB3原色の色相成分からなる色相成分ドライブ信号によって、ユニット321に含まれる液晶素子を駆動する。
【0032】
以下、本実施形態にかかるディスプレイ装置3の動作について説明する。ドライバ52が、入力映像信号から各画素の輝度成分からなる輝度成分ドライブ信号とRGB3原色それぞれの色相成分からなる色相成分ドライブ信号を生成する。そして、ドライバ52は、画素毎に設けられた液晶素子221を画素毎に生成した上記の輝度成分ドライブ信号によって駆動し、画素毎に設けられたユニット321に含まれる液晶素子を画素毎に生成した上記の色相成分ドライブ信号によって駆動する。バックライト光源10から発せられる光は、画素毎に、液晶素子221によって輝度変調された後、ユニット321によって色相成分毎に変調される。このように色相成分毎に変調された光は各々、ユニット411を透過して、それぞれのフィルタ素子による色相成分のスペクトルもつ光となる。
【0033】
このように、ディスプレイ装置3には、光源から発せられる光のパス上に、輝度変調用の液晶素子と、色相成分変調用の液晶素子とが画素毎にタンデムに配列されているので、ディスプレイ装置3は、第2実施形態のディスプレイ装置2と同様に黒浮き現象が抑制され、ダイナミックレンジの広い直視型の映像表示装置となっている。
【0034】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態にかかる投写型のモノクロ映像表示装置であるプロジェクタ装置4について説明する。図5は、プロジェクタ装置4の構成を示すブロック図である。図5に示すように、プロジェクタ装置4は、光源12と、液晶パネル23及び33と、ドライバ53と、レンズ84とを備えて構成される。以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0035】
光源12は、液晶パネル23へ向けて光を照射する。光源12には、例えば、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
【0036】
液晶パネル23は、二次元配列された画素数分の液晶素子231を備える。また、液晶パネル33も同様に、二次元配列された画素数分の液晶素子331を備える。液晶素子231及び液晶素子331は、ドライバ53によって与えられるドライブ信号によって駆動され、光源12から発せられる光を変調する。液晶素子231と液晶素子331は、画素毎に光源12から発せられる光のパス上において、タンデムに配列されている。
【0037】
ドライバ53は、信号線15から入力されるモノクロの入力映像信号に基づいて、第1実施形態のディスプレイ装置1に備えられたドライバ50と同様に、各画素毎に液晶素子231及び331を駆動するドライブ信号を生成する。そして、ドライバ53は、各画素毎に生成したドライブ信号によって、各画素毎に設けられた液晶素子231及び331を駆動する。
【0038】
レンズ84は、液晶パネル33を透過した光によって形成される映像を、スクリーン90に所定の倍率で投写する。
【0039】
以下、本実施形態にかかるプロジェクタ装置4の動作について説明する。ドライバ53が、入力映像信号から各画素において光源12から発せられる光を透過させる透過率を計算する。そして、タンデムに配列された液晶素子231及び331による総合の透過率が上記のように計算された透過率となるように、ドライバ53が液晶素子231及び331にドライブ信号を与えて、これらの液晶素子を駆動する。光源12から発せられる光は、画素毎にタンデムに配列された液晶素子231及び331によって輝度変調される。そして、液晶パネル33を透過した光によって形成される映像は、レンズ84を介してスクリーン90に所定の倍率のモノクロ映像として投写される。
【0040】
以上のように、プロジェクタ装置4は、画素毎にタンデムに配列した複数の液晶素子を備えるので、第1実施形態のディスプレイ装置1と同様に、黒浮き現象を抑制でき、ダイナミックレンジが広い投写型の映像表示装置となっている。
【0041】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態にかかる投写型のカラー映像表示装置であるプロジェクタ装置5について説明する。図6は、プロジェクタ装置5の構成を示すブロック図である。図6に示すように、ディスプレイ装置5は、光源12と、液晶パネル61〜66と、フィルタ67〜69と、ドライバ54と、分配器80と、合成器82と、レンズ84とを備えて構成される。なお、光源12とレンズ84は、第4実施形態のプロジェクタ装置4に備えられた光源12とレンズ84とそれぞれ同様の構成を有するので、説明を省略する。
【0042】
分配器80は、光源12から発せられる光を液晶パネル61〜63それぞれに向けて分配する。分配器80は、例えば、ハーフミラーとミラーを組み合わせることによって構成できる。
【0043】
液晶パネル61〜66はそれぞれ、二次元的に配列された画素数分の液晶素子を備える。液晶パネル61と64は、R成分の変調を行い、液晶パネル62と65は、G成分の変調を行い、液晶パネル63と66は、B成分の変調を行う。液晶パネル61と64の液晶素子は光源12によって発せられる光のパス上において画素毎にタンデムに配列されている。液晶パネル62と65の液晶素子、及び液晶パネル63と66の液晶素子も、それぞれ同様に、光源12によって発せられる光のパス上において画素毎にタンデムに配列されている。そして、液晶パネル61〜66それぞれにおいて画素毎に設けられた液晶素子の組み合わせが一つのユニットとされ、このユニットによって一画素分の光の変調が行われる。
【0044】
ドライバ54は、信号線15から入力されるカラーの入力映像信号に基づいて、光源12から発せられる光を透過させる各画素毎の透過率をRGBの色成分毎に求める。そして、ドライバ54は、各画素毎に求めた色成分毎の透過率を、各色成分毎にタンデムに配列された液晶素子の総合の透過率によって実現するためのドライブ信号を生成する。ドライバ54は、このドライブ信号によって液晶パネル61〜66に備えられる液晶素子それぞれを駆動する。なお、ドライブ信号の信号レベルは、第2実施形態のディスプレイ装置2において、各画素毎に設けられたユニット211及び311にそれぞれ含まれる液晶素子を駆動するためのドライブ信号を生成する方法と同様の方法によって求められる。
【0045】
フィルタ67は液晶パネル64を透過する光のうちR成分のスペクトルの光を透過し、フィルタ68は液晶パネル65を透過する光のうちG成分のスペクトルの光を透過し、フィルタ69は液晶パネル66を透過する光のうちB成分のスペクトルの光を透過する。
【0046】
合成器82は、フィルタ67〜69をそれぞれ透過する光を合成する。合成器82によって合成された光によって形成される映像はレンズ84を介して、スクリーン90に所定の倍率のカラー映像として投写される。
【0047】
以下、本実施形態にかかるプロジェクタ装置5の動作について説明する。ドライバ54が、入力映像信号から各画素において光源12から発せられる光を透過させる透過率を色成分毎に計算する。そして、液晶パネル61〜66それぞれの液晶素子に、上記のように計算された透過率を得る為の信号レベルをもつドライブ信号を与えて、それぞれの液晶素子を駆動する。光源12から発せられる光は、分配器80によって、液晶パネル61〜63のそれぞれへ分配される。液晶パネル61〜63は、入射する光を画素毎にそれぞれ変調する。液晶パネル61を透過した光は液晶パネル64によって、液晶パネル62を透過した光は液晶パネル65によって、液晶パネル63を透過した光は液晶パネル66によって更に変調される。液晶パネル64を透過した光は、フィルタ67を透過してR成分のスペクトルの光となり、液晶パネル65を透過した光は、フィルタ68を透過してG成分のスペクトルの光となり、液晶パネル66を透過した光は、フィルタ69を透過してB成分のスペクトルの光となる。フィルタ67〜69を透過した光は、合成器82によって合成され、合成された光によって形成される映像は、レンズ84によってスクリーン90に所定の倍率のカラー映像として投影される。
【0048】
このように、プロジェクタ装置5は、光源12から発せられる光のパス上に色成分毎に複数の液晶素子がタンデムに配列されている。上述したように、光源から発せられる光を複数の液晶素子を透過させて変調すると、黒浮き現象を抑制できる。したがって、プロジェクタ装置5は、黒浮き現象を抑制でき、ダイナミックレンジの広い投写型の映像表示装置となっている。
【0049】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態にかかる投写型のカラー映像表示装置であるプロジェクタ装置6について説明する。図7は、プロジェクタ装置6の構成を示すブロック図である。図7に示すように、プロジェクタ装置6は、光源12と、ドライバ55と、液晶パネル70〜73と、フィルタ74〜76と、分配器80と、合成器82と、レンズ84とを備えて構成される。なお、光源12と、分配器80と、合成器82と、レンズ84は、第5実施形態のプロジェクタ装置5に備えられた光源12と、分配器80と、合成器82と、レンズ84とそれぞれ同様の構成を有するので、説明を省略する。
【0050】
液晶パネル70は、二次元的に配列された画素数分の液晶素子701を備える。これらの液晶素子701は、光源12から発せられる光の輝度変調をそれぞれ行う。
【0051】
液晶パネル71〜73も、二次元的に配列された画素数分の液晶素子を備える。液晶パネル71は、R成分の変調を行い、液晶パネル72は、G成分の変調を行い、液晶パネル73は、B成分の変調を行う。液晶パネル70の液晶素子と、液晶パネル71の液晶素子は、分配器80によって分配される光のパス上において、画素毎にタンデムに配列されており、液晶パネル70の液晶素子と液晶パネル72の液晶素子、液晶パネル70の液晶素子と液晶パネル73の液晶素子も同様に画素毎にタンデムに配列されている。すなわち画素毎に液晶パネル71の液晶素子701と、液晶パネル71〜73それぞれの液晶素子が設けられている。
【0052】
ドライバ55は、信号線15から入力されるカラーの入力映像信号に基づいて、輝度成分からなる輝度成分ドライブ信号とRGB3原色それぞれの色相成分ドライブ信号を画素毎に生成する。ドライバ55は、上記のように求めた輝度成分ドライブ信号によって液晶素子701を駆動し、また、画素毎に求めたR成分の色相成分ドライブ信号によって液晶パネル71の液晶素子を駆動し、画素毎に求めたG成分の色相成分ドライブ信号によって液晶パネル72の液晶素子を駆動し、画素毎に求めたB成分の色相成分ドライブ信号によって液晶パネル73の液晶素子を駆動する。
【0053】
以下、本実施形態にかかるプロジェクタ装置6の動作について説明する。ドライバ55が上述したように輝度成分ドライブ信号とRGB3原色それぞれの色相成分ドライブ信号を画素毎に生成しする。そして、ドライバ55は、画素毎に求めた輝度成分ドライブ信号によって画素毎に設けられた液晶素子701をそれぞれ駆動し、また、画素毎に求めたR成分の色相成分ドライブ信号によって液晶パネル71の液晶素子を駆動し、画素毎に求めたG成分の色相成分ドライブ信号によって液晶パネル72の液晶素子を駆動し、画素毎に求めたB成分の色相成分ドライブ信号によって液晶パネル73の液晶素子を駆動する。光源12から発せられる光は液晶パネル70の液晶素子701によって画素毎に輝度変調される。輝度変調された光はそれぞれ分配器80によって液晶パネル71〜73に分配される。液晶パネル71〜73は、分配された光を色相変調する。液晶パネル71によって変調された光はフィルタ74によってR成分のスペクトルの光とされ、液晶パネル72によって変調された光はフィルタ75によってG成分のスペクトルの光とされ、液晶パネル73によって変調された光はフィルタ75によってB成分のスペクトルの光とされる。フィルタ74〜76を透過した光は合成器82によって合成され、合成された光によって形成される映像は、レンズ84によって所定の倍率のカラー映像としてスクリーン90に投写される。
【0054】
このように、プロジェクタ装置6には、光源から発せられる光のパス上に、輝度変調用の液晶素子と、色相成分変調用の液晶素子とが画素毎にタンデムに配列されているので、プロジェクタ装置6は、第5実施形態のプロジェクタ装置5と同様に黒浮き現象を抑制でき、ダイナミックレンジの広い投写型映像表示装置となっている。
【0055】
以上、本発明の第1〜第6の実施形態においては、光源から発せられる光のパス上において画素毎に二つの液晶素子をタンデムに配列して光の変調を行っているが、更に多い数の液晶素子を光のパス上に配列することも可能である。このように、配列する液晶素子の数を増やすことによって、更に黒浮き現象を抑制することが可能となる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光源からの光のパス上に配列された複数の液晶素子によって光の変調を行うので、黒浮き現象を抑制でき、ダイナミックレンジの広い映像表示装置が提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1実施形態にかかるディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、液晶素子を駆動するドライブ信号と透過率の関係を示す図である。
【図3】図3は、第2実施形態にかかるディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、第3実施形態にかかるディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、第4実施形態にかかるプロジェクタ装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、第5実施形態にかかるプロジェクタの構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、第6実施形態にかかるプロジェクタの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1〜3…ディスプレイ装置、4〜6…プロジェクタ装置、10…バックライト光源、12…光源、20〜23,30〜33,61〜66,70〜73…液晶パネル、41…カラーフィルタ、50〜55…ドライバ、67〜69,74,75…フィルタ、80…分配器、82…合成器、84…レンズ、90…スクリーン
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイ装置及びプロジェクタ装置を含む映像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶素子を備える映像表示装置が普及している。モノクロ映像を表示する映像表示装置は、光源と、画素数分の液晶素子が配列された液晶パネルとを備えている。また、カラー映像を表示する映像表示装置は、光源と、RGB3原色の色成分毎に設けられた液晶素子とRGB3原色のフィルタとを備えている。このような映像表示装置としては、光源から発せられ液晶素子によって変調された光を直視する直視型の映像表示装置と、光源から発せられ液晶素子によって変調された光をスクリーンに投影する投写型の映像表示装置がある(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−258401号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように液晶素子による光の変調を利用する映像表示装置は、黒色をスクリーンに再現する場合に、液晶素子に0レベルのドライブ信号を与えても、液晶素子において光の漏れを生じるため、完全な黒色が再現されない黒浮き現象が生じるという問題点や、ダイナミックレンジが狭いという問題点を有していた。
【0005】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、液晶素子を用いても、黒浮き現象が改善され、ダイナミックレンジが広い、映像表示装置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の映像表示装置は、光源と、上記光源から発せられる光のパス上においてタンデムに配列された複数の液晶素子を含む複数の液晶ユニットと、入力映像信号に基づいて上記光源から発せられる光を透過させる各々の画素の透過率を求め、画素に対応して設けられた上記液晶ユニットに含まれる上記複数の液晶素子の透過率による総合の透過率を、上記画素の透過率とするよう当該複数の液晶素子各々を駆動するドライブ信号を生成するドライバとを備えることを特徴としている。
【0007】
この発明による映像表示装置では、複数の液晶素子を含む液晶ユニットが複数設けられている。この液晶ユニットでは、複数の液晶素子が光源から発せられる光のパス上においてタンデムに配列されている。そして、ドライバが、入力映像信号から、映像を表示するために光源からの光を透過させる各画素の透過率を求め、画素に対応して設けられた液晶ユニットに含まれる複数の液晶素子の透過率による総合の透過率を、上記画素の透過率とするようドライブ信号を生成して、各々の液晶素子を駆動する。光のパス上にタンデムに配列された複数の液晶素子の透過率による総合の透過率は、それぞれの液晶素子の透過率の積となるので、複数の液晶素子によって光を変調すると、一つの液晶素子で光を変調する場合に比べて上述した黒浮き現象を抑制できる。したがって、黒浮き現象が抑制され、ダイナミックレンジの広い、映像表示装置が提供可能となる。
【0008】
また、本発明の映像投影装置においては、上記液晶ユニットは、画素毎に設けられ、上記光源から発せられる光のパス上にタンデムに配列された複数の輝度変調用の液晶素子を含み、上記光源から発せられる光を上記複数の液晶ユニットによって画素毎にそれぞれ輝度変調してモノクロ映像を表示することを特徴としても良い。
【0009】
この発明による映像表示装置では、画素毎に液晶ユニットが設けられる。この液晶ユニットには、複数の液晶素子が光のパス上においてタンデムに配列さており、各々の液晶素子が輝度変調を行う。したがって、上述した黒浮き現象を抑制でき、ダイナミックレンジの広い、モノクロ映像を表示する映像表示装置が提供可能となる。
【0010】
また、本発明の映像投影装置においては、上記液晶ユニットは、画素毎に設けられ、各々異なる色成分の変調を行う液晶素子を複数含み、同一の色成分の変調を行う上記液晶素子は上記光源から発せられる光のパス上においてタンデムに配列され、上記ドライバは、上記入力映像信号に基づいて上記光源から発せられる光を透過させる各々の画素の透過率を上記色成分毎に求め、画素に対応して設けられた上記液晶ユニットに含まれる上記複数の液晶素子の透過率による各色成分毎の総合の透過率それぞれが、対応する色成分の上記画素の透過率となるように、上記複数の液晶素子各々を駆動するドライブ信号を生成し、上記光源から発せられる光を上記複数の液晶ユニットによって画素毎にそれぞれ変調してカラー映像を表示することを特徴としても良い。
【0011】
この発明による映像表示装置では、画素毎に液晶ユニットが設けられる。この液晶ユニットは、各々異なる色成分の変調を行う液晶素子を複数含み、同一の色成分の変調を行う液晶素子は光源から発せられる光のパス上においてタンデムに配列されている。すなわち、色成分毎に光のパス上に液晶素子を複数設けるので、上述した黒浮き現象を抑制でき、ダイナミックレンジの広い、カラー映像を表示する映像表示装置が提供可能となる。
【0012】
また、本発明の映像投影装置においては、上記液晶ユニットは、画素毎に設けられ、輝度変調用の液晶素子と、各々異なる色相成分の変調を行う色相変調用の液晶素子とを含み、上記輝度変調用の液晶素子と上記色相変調用の液晶素子は、上記光源から発せられる光のパス上においてタンデムに配列され、上記ドライバは、上記入力映像信号から輝度成分を含む輝度成分ドライブ信号と色相成分を含む色相成分ドライブ信号とを画素毎に生成し、画素毎に上記輝度成分ドライブ信号に基づいて上記輝度変調用の液晶素子を駆動すると共に上記色相成分ドライブ信号に基づいて上記色相変調用の液晶素子を駆動し、カラー映像を表示することを特徴としても良い。
【0013】
この発明による映像表示装置では、画素毎に液晶ユニットが設けられる。この液晶ユニットは、輝度変調用の液晶素子と、各々異なる色相成分の変調を行う色相変調用の液晶素子とを含み、同一の色成分の変調を行う液晶素子は光源から発せられる光のパス上においてタンデムに配列されている。すなわち、輝度変調用の液晶素子によって輝度変調した光を、色相変調用の液晶素子で更に変調するので、上述した黒浮き現象を抑制でき、ダイナミックレンジの広い、カラー映像を表示する映像表示装置が提供できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態にかかる映像表示装置について説明する。なお、以下の実施形態に関する説明においては、説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を附し、重複する説明は省略する。
【0015】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態にかかる直視型のモノクロ映像表示装置であるディスプレイ装置1について説明する。図1は、ディスプレイ装置1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、ディスプレイ装置1は、バックライト光源10と、液晶パネル20及び30と、ドライバ50とを備えて構成される。以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0016】
バックライト光源10は、液晶パネル20へ向けて光を照射する。バックライト光源10には、例えば、電球、LED、蛍光ランプ、メタルハライドランプ等を用いることができる。
【0017】
液晶パネル20は、二次元配列された画素数分の液晶素子201を備える。また、液晶パネル30も同様に、二次元配列された画素数分の液晶素子301を備える。液晶素子201及び液晶素子301は、ドライバ50によって与えられるドライブ信号によって駆動され、バックライト光源10から発せられる光を変調する。液晶素子201と液晶素子301はそれぞれ画素毎に設けられ、バックライト光源10から発せられる光のパス上において、タンデムに配列されている。
【0018】
ドライバ50は、信号線15から入力されるモノクロの入力映像信号に基づいて、バックライト光源10から発せられる光を透過させる透過率を各画素毎に求める。そして、ドライバ50は、このように求めた画素における透過率を、その画素に対応して設けた液晶素子201及び液晶素子301との総合の透過率によって実現するために、液晶素子201及び301のそれぞれに与えるドライブ信号を生成する。ドライバ50は、このドライブ信号によって液晶素子201及び液晶素子301を駆動する。例えば、液晶素子201と液晶素子301とによる総合の透過率がそれぞれの液晶素子の透過率の積となる場合、ドライバ50は液晶素子201及び301のそれぞれの透過率が、上記の総合の透過率によって実現しようとする所期の透過率の平方根となるように、液晶素子201及び301に与えるドライブ信号の信号レベルを決定することができる。なお、液晶素子201及び301のそれぞれの透過率は、上記の値に限定されるものではなく、液晶素子201と液晶素子301との総合の透過率によって、所期の透過率が実現されるように、液晶素子201及び301のそれぞれの透過率が制御されれば良い。
【0019】
ここで、上述したドライブ信号の信号レベルと液晶素子の光の透過率の関係について説明する。図2は、液晶素子に与えるドライブ信号の信号レベルと液晶素子の光の透過率の関係を示す図である。図2において、曲線101は、信号レベルと光の透過率の理想的な関係を示す曲線である。曲線102は、信号レベルと液晶素子の光の透過率の実際の関係を示す曲線である。液晶素子にドライブ信号を与えると、その液晶素子の光の透過率は、曲線102のようになり、信号レベルが0に近づくにつれて、曲線101とのずれを生じる。すなわち、液晶素子に0に近い信号レベルのドライブ信号を与えても、光の漏れを生ずる為に、黒色が再現できないという黒浮き現象が生じている。ここで、曲線103は、液晶素子をタンデムに二つ配列した場合に、総合の透過率が曲線101の透過率となるように、各々の液晶素子が持つべき透過率を示す曲線である。すなわち、液晶素子を二重に使用すると、各々の液晶素子の透過率の積が総合透過率となる。曲線104は、光のパス上に液晶素子を2重に配列し、曲線103の透過率を得るための信号レベルをそれらの液晶素子各々に与えることによって実現される総合の透過率を示す。曲線104に示すように、液晶素子を二重にすると、黒浮き現象が生じる領域は、曲線102と曲線103との交点より左側の領域(参照符号105を附した点線の左側の領域)のみとなる。したがって、一つの液晶素子によって光を変調する場合と比較して、液晶素子を二重に用いることによって、黒浮き現象が抑制されて、ダイナミックレンジが広くなる。
【0020】
以下、本実施形態にかかるディスプレイ装置1の動作について説明する。ドライバ50が、入力映像信号から各画素においてバックライト光源10から発せられる光を透過させる透過率を計算する。そして、各画素毎にタンデムに配列された液晶素子201及び301による総合の透過率が上記のように計算された透過率となる為の信号レベルをもつドライブ信号を求めて、このドライブ信号によって液晶素子201及び301を駆動する。バックライト光源10から発せられる光は、画素毎にタンデムに配列された液晶素子201及び301によって輝度変調される。以上のように、バックライト光源10から発せられた光は画素毎に輝度変調され、輝度変調された光によってモノクロ映像が表示される。
【0021】
以下、本実施形態にかかるディスプレイ装置1の作用及び効果を説明する。ディスプレイ装置1は、画素毎に液晶素子201及び301が、バックライト光源10からの光のパス上においてタンデムに配列されている。ドライバ50は、上記の光を画素毎に透過させる透過率を入力映像信号から求め、その透過率を液晶素子201及び301それぞれの透過率の積によって実現するためのドライブ信号を液晶素子201及び301に与えることによって、各々の液晶素子を駆動する。このように二つの液晶素子をタンデムに配列して、バックライト光源10からの光を変調するので、上述したように、黒浮き現象が抑制され、ダイナミックレンジの広いディスプレイ装置1となる。
【0022】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態にかかる直視型のカラー映像表示装置であるディスプレイ装置2について説明する。図3は、ディスプレイ装置2の構成を示すブロック図である。図3に示すように、ディスプレイ装置2は、バックライト光源10と、液晶パネル21及び31と、カラーフィルタ41と、ドライバ50とを備えて構成される。なお、バックライト光源10は第1実施形態のディスプレイ装置1のバックライト光源10と同様の構成を有するので、説明を省略する。
【0023】
液晶パネル21は、3つの液晶素子を含むユニット211を画素数分備え、これらのユニット211は二次元的に配列されている。ユニット211に含まれる3つの液晶素子は、それぞれ、R(赤)成分の変調、G(緑)成分の変調、B(青)成分の変調を行う。液晶パネル31も、液晶パネル21と同様に3つの液晶素子を含むユニット311を画素数分備え、これらのユニット311が二次元的に配列されている。ユニット211の液晶素子とユニット311の液晶素子とは、画素毎に同じ色成分を変調する液晶素子が、バックライト光源10からの光のパス上において、タンデムに配列されている。
【0024】
カラーフィルタ41は、入射する光のうち、Rのスペクトル成分,Gのスペクトル成分,Bのスペクトル成分をそれぞれ透過させる3つのフィルタ素子からなるユニット411を画素数分備え、これらのユニット411が二次元的に配列されている。このユニット411に含まれるフィルタ素子は、同じ画素に設けられたユニット211及びユニット311に含まれる液晶素子のうち、透過させる光の色成分と同じ色成分の変調を行う液晶素子と、バックライト光源10からの光のパス上においてタンデムに配列されている。
【0025】
ドライバ51は、信号線15から入力されるカラーの入力映像信号に基づいて、バックライト光源10から発せられる光を透過させる各画素毎の透過率をRGBの色成分毎に求める。そして、ドライバ51は、上記のように求めた色成分毎の透過率を、その画素の変調を行うユニット211及び311において各色成分毎にタンデムに配列された液晶素子の総合の透過率によって実現するためのドライブ信号を生成する。ドライバ51は、このドライブ信号によってユニット211及びユニット311に含まれる液晶素子を駆動する。例えば、ユニット211及び311において、色成分毎に、タンデムに配列された液晶素子による総合の透過率がそれぞれの液晶素子の透過率の積となる場合、ドライバ51は、タンデムに配列された液晶素子それぞれの透過率が、上記の総合の透過率によって実現しようとする所期の透過率の平方根となるように、それぞれの液晶素子に与えるドライブ信号の信号レベルを決定することができる。なお、ユニット211及び311に含まれる液晶素子のそれぞれの透過率は、上記の値に限定されるものではなく、タンデムに配列された液晶素子の総合の透過率によって、所期の透過率が実現されるように、それぞれの液晶素子の透過率が制御されれば良い。
【0026】
以下、本実施形態にかかるディスプレイ装置2の動作について説明する。ドライバ51が、入力映像信号から各画素においてバックライト光源10から発せられる光を透過させる透過率を色成分毎に計算する。そして、ユニット211及び311に含まれる液晶素子に、上記のように計算された透過率を得る為の信号レベルをもつドライブ信号を与えて、それぞれの液晶素子を駆動する。バックライト光源10から発せられる光は、画素毎に設けられたユニット211及び311によって色成分毎に変調される。このように色成分毎に変調された光は各々、ユニット411を透過して、フィルタ素子それぞれの色成分のスペクトルをもつ光となる。
【0027】
このように、ディスプレイ装置2には、光源から発せられる光のパス上に、色成分毎にタンデムに配列された液晶素子が設けられているので、ディスプレイ装置2は、第1実施形態のディスプレイ装置1と同様に黒浮き現象を抑制でき、ダイナミックレンジの広い直視型の映像表示装置となっている。
【0028】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態にかかる直視型のカラー映像表示装置であるディスプレイ装置3について説明する。図4は、ディスプレイ装置3の構成を示すブロック図である。図4に示すように、ディスプレイ装置3は、バックライト光源10と、液晶パネル22及び32と、カラーフィルタ41と、ドライバ52とを備えて構成される。なお、バックライト光源10とカラーフィルタ41は、第2実施形態のディスプレイ装置2に備えられたバックライト光源10とカラーフィルタ41とそれぞれ同様の構成を有するので、説明を省略する。
【0029】
液晶パネル22は、輝度変調用の液晶素子221を画素数分備え、バックライト光源10からの光を画素毎に輝度変調する。画素数分備えられた液晶素子221は、二次元的に配列されている。
【0030】
液晶パネル32は、3つの液晶素子を含むユニット321を画素数分備え、これらのユニット321が二次元的に配列さている。ユニット321に含まれる3つの液晶素子は、それぞれ、R(赤)成分の変調、G(緑)成分の変調、B(青)成分の変調を行う。同じ画素に設けられたユニット211の液晶素子とユニット311の3つの液晶素子とは、バックライト光源10からの光のパス上において、タンデムに配列されている。また、カラーフィルタ41に設けられたユニット411に含まれるフィルタ素子は、透過させる光の色成分と同じ色成分の変調を行う同じ画素のユニット321に含まれる液晶素子と、バックライト光源10からの光のパス上においてタンデムに配列されている。
【0031】
ドライバ52は、信号線15から入力されるカラーの入力映像信号に基づいて、輝度成分からなる輝度成分ドライブ信号とRGB3原色それぞれの色相成分ドライブ信号を画素毎に生成する。ドライバ52は、画素毎に求めた輝度成分ドライブ信号によって液晶素子221を駆動し、また、画素毎に求めたRGB3原色の色相成分からなる色相成分ドライブ信号によって、ユニット321に含まれる液晶素子を駆動する。
【0032】
以下、本実施形態にかかるディスプレイ装置3の動作について説明する。ドライバ52が、入力映像信号から各画素の輝度成分からなる輝度成分ドライブ信号とRGB3原色それぞれの色相成分からなる色相成分ドライブ信号を生成する。そして、ドライバ52は、画素毎に設けられた液晶素子221を画素毎に生成した上記の輝度成分ドライブ信号によって駆動し、画素毎に設けられたユニット321に含まれる液晶素子を画素毎に生成した上記の色相成分ドライブ信号によって駆動する。バックライト光源10から発せられる光は、画素毎に、液晶素子221によって輝度変調された後、ユニット321によって色相成分毎に変調される。このように色相成分毎に変調された光は各々、ユニット411を透過して、それぞれのフィルタ素子による色相成分のスペクトルもつ光となる。
【0033】
このように、ディスプレイ装置3には、光源から発せられる光のパス上に、輝度変調用の液晶素子と、色相成分変調用の液晶素子とが画素毎にタンデムに配列されているので、ディスプレイ装置3は、第2実施形態のディスプレイ装置2と同様に黒浮き現象が抑制され、ダイナミックレンジの広い直視型の映像表示装置となっている。
【0034】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態にかかる投写型のモノクロ映像表示装置であるプロジェクタ装置4について説明する。図5は、プロジェクタ装置4の構成を示すブロック図である。図5に示すように、プロジェクタ装置4は、光源12と、液晶パネル23及び33と、ドライバ53と、レンズ84とを備えて構成される。以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0035】
光源12は、液晶パネル23へ向けて光を照射する。光源12には、例えば、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。
【0036】
液晶パネル23は、二次元配列された画素数分の液晶素子231を備える。また、液晶パネル33も同様に、二次元配列された画素数分の液晶素子331を備える。液晶素子231及び液晶素子331は、ドライバ53によって与えられるドライブ信号によって駆動され、光源12から発せられる光を変調する。液晶素子231と液晶素子331は、画素毎に光源12から発せられる光のパス上において、タンデムに配列されている。
【0037】
ドライバ53は、信号線15から入力されるモノクロの入力映像信号に基づいて、第1実施形態のディスプレイ装置1に備えられたドライバ50と同様に、各画素毎に液晶素子231及び331を駆動するドライブ信号を生成する。そして、ドライバ53は、各画素毎に生成したドライブ信号によって、各画素毎に設けられた液晶素子231及び331を駆動する。
【0038】
レンズ84は、液晶パネル33を透過した光によって形成される映像を、スクリーン90に所定の倍率で投写する。
【0039】
以下、本実施形態にかかるプロジェクタ装置4の動作について説明する。ドライバ53が、入力映像信号から各画素において光源12から発せられる光を透過させる透過率を計算する。そして、タンデムに配列された液晶素子231及び331による総合の透過率が上記のように計算された透過率となるように、ドライバ53が液晶素子231及び331にドライブ信号を与えて、これらの液晶素子を駆動する。光源12から発せられる光は、画素毎にタンデムに配列された液晶素子231及び331によって輝度変調される。そして、液晶パネル33を透過した光によって形成される映像は、レンズ84を介してスクリーン90に所定の倍率のモノクロ映像として投写される。
【0040】
以上のように、プロジェクタ装置4は、画素毎にタンデムに配列した複数の液晶素子を備えるので、第1実施形態のディスプレイ装置1と同様に、黒浮き現象を抑制でき、ダイナミックレンジが広い投写型の映像表示装置となっている。
【0041】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態にかかる投写型のカラー映像表示装置であるプロジェクタ装置5について説明する。図6は、プロジェクタ装置5の構成を示すブロック図である。図6に示すように、ディスプレイ装置5は、光源12と、液晶パネル61〜66と、フィルタ67〜69と、ドライバ54と、分配器80と、合成器82と、レンズ84とを備えて構成される。なお、光源12とレンズ84は、第4実施形態のプロジェクタ装置4に備えられた光源12とレンズ84とそれぞれ同様の構成を有するので、説明を省略する。
【0042】
分配器80は、光源12から発せられる光を液晶パネル61〜63それぞれに向けて分配する。分配器80は、例えば、ハーフミラーとミラーを組み合わせることによって構成できる。
【0043】
液晶パネル61〜66はそれぞれ、二次元的に配列された画素数分の液晶素子を備える。液晶パネル61と64は、R成分の変調を行い、液晶パネル62と65は、G成分の変調を行い、液晶パネル63と66は、B成分の変調を行う。液晶パネル61と64の液晶素子は光源12によって発せられる光のパス上において画素毎にタンデムに配列されている。液晶パネル62と65の液晶素子、及び液晶パネル63と66の液晶素子も、それぞれ同様に、光源12によって発せられる光のパス上において画素毎にタンデムに配列されている。そして、液晶パネル61〜66それぞれにおいて画素毎に設けられた液晶素子の組み合わせが一つのユニットとされ、このユニットによって一画素分の光の変調が行われる。
【0044】
ドライバ54は、信号線15から入力されるカラーの入力映像信号に基づいて、光源12から発せられる光を透過させる各画素毎の透過率をRGBの色成分毎に求める。そして、ドライバ54は、各画素毎に求めた色成分毎の透過率を、各色成分毎にタンデムに配列された液晶素子の総合の透過率によって実現するためのドライブ信号を生成する。ドライバ54は、このドライブ信号によって液晶パネル61〜66に備えられる液晶素子それぞれを駆動する。なお、ドライブ信号の信号レベルは、第2実施形態のディスプレイ装置2において、各画素毎に設けられたユニット211及び311にそれぞれ含まれる液晶素子を駆動するためのドライブ信号を生成する方法と同様の方法によって求められる。
【0045】
フィルタ67は液晶パネル64を透過する光のうちR成分のスペクトルの光を透過し、フィルタ68は液晶パネル65を透過する光のうちG成分のスペクトルの光を透過し、フィルタ69は液晶パネル66を透過する光のうちB成分のスペクトルの光を透過する。
【0046】
合成器82は、フィルタ67〜69をそれぞれ透過する光を合成する。合成器82によって合成された光によって形成される映像はレンズ84を介して、スクリーン90に所定の倍率のカラー映像として投写される。
【0047】
以下、本実施形態にかかるプロジェクタ装置5の動作について説明する。ドライバ54が、入力映像信号から各画素において光源12から発せられる光を透過させる透過率を色成分毎に計算する。そして、液晶パネル61〜66それぞれの液晶素子に、上記のように計算された透過率を得る為の信号レベルをもつドライブ信号を与えて、それぞれの液晶素子を駆動する。光源12から発せられる光は、分配器80によって、液晶パネル61〜63のそれぞれへ分配される。液晶パネル61〜63は、入射する光を画素毎にそれぞれ変調する。液晶パネル61を透過した光は液晶パネル64によって、液晶パネル62を透過した光は液晶パネル65によって、液晶パネル63を透過した光は液晶パネル66によって更に変調される。液晶パネル64を透過した光は、フィルタ67を透過してR成分のスペクトルの光となり、液晶パネル65を透過した光は、フィルタ68を透過してG成分のスペクトルの光となり、液晶パネル66を透過した光は、フィルタ69を透過してB成分のスペクトルの光となる。フィルタ67〜69を透過した光は、合成器82によって合成され、合成された光によって形成される映像は、レンズ84によってスクリーン90に所定の倍率のカラー映像として投影される。
【0048】
このように、プロジェクタ装置5は、光源12から発せられる光のパス上に色成分毎に複数の液晶素子がタンデムに配列されている。上述したように、光源から発せられる光を複数の液晶素子を透過させて変調すると、黒浮き現象を抑制できる。したがって、プロジェクタ装置5は、黒浮き現象を抑制でき、ダイナミックレンジの広い投写型の映像表示装置となっている。
【0049】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態にかかる投写型のカラー映像表示装置であるプロジェクタ装置6について説明する。図7は、プロジェクタ装置6の構成を示すブロック図である。図7に示すように、プロジェクタ装置6は、光源12と、ドライバ55と、液晶パネル70〜73と、フィルタ74〜76と、分配器80と、合成器82と、レンズ84とを備えて構成される。なお、光源12と、分配器80と、合成器82と、レンズ84は、第5実施形態のプロジェクタ装置5に備えられた光源12と、分配器80と、合成器82と、レンズ84とそれぞれ同様の構成を有するので、説明を省略する。
【0050】
液晶パネル70は、二次元的に配列された画素数分の液晶素子701を備える。これらの液晶素子701は、光源12から発せられる光の輝度変調をそれぞれ行う。
【0051】
液晶パネル71〜73も、二次元的に配列された画素数分の液晶素子を備える。液晶パネル71は、R成分の変調を行い、液晶パネル72は、G成分の変調を行い、液晶パネル73は、B成分の変調を行う。液晶パネル70の液晶素子と、液晶パネル71の液晶素子は、分配器80によって分配される光のパス上において、画素毎にタンデムに配列されており、液晶パネル70の液晶素子と液晶パネル72の液晶素子、液晶パネル70の液晶素子と液晶パネル73の液晶素子も同様に画素毎にタンデムに配列されている。すなわち画素毎に液晶パネル71の液晶素子701と、液晶パネル71〜73それぞれの液晶素子が設けられている。
【0052】
ドライバ55は、信号線15から入力されるカラーの入力映像信号に基づいて、輝度成分からなる輝度成分ドライブ信号とRGB3原色それぞれの色相成分ドライブ信号を画素毎に生成する。ドライバ55は、上記のように求めた輝度成分ドライブ信号によって液晶素子701を駆動し、また、画素毎に求めたR成分の色相成分ドライブ信号によって液晶パネル71の液晶素子を駆動し、画素毎に求めたG成分の色相成分ドライブ信号によって液晶パネル72の液晶素子を駆動し、画素毎に求めたB成分の色相成分ドライブ信号によって液晶パネル73の液晶素子を駆動する。
【0053】
以下、本実施形態にかかるプロジェクタ装置6の動作について説明する。ドライバ55が上述したように輝度成分ドライブ信号とRGB3原色それぞれの色相成分ドライブ信号を画素毎に生成しする。そして、ドライバ55は、画素毎に求めた輝度成分ドライブ信号によって画素毎に設けられた液晶素子701をそれぞれ駆動し、また、画素毎に求めたR成分の色相成分ドライブ信号によって液晶パネル71の液晶素子を駆動し、画素毎に求めたG成分の色相成分ドライブ信号によって液晶パネル72の液晶素子を駆動し、画素毎に求めたB成分の色相成分ドライブ信号によって液晶パネル73の液晶素子を駆動する。光源12から発せられる光は液晶パネル70の液晶素子701によって画素毎に輝度変調される。輝度変調された光はそれぞれ分配器80によって液晶パネル71〜73に分配される。液晶パネル71〜73は、分配された光を色相変調する。液晶パネル71によって変調された光はフィルタ74によってR成分のスペクトルの光とされ、液晶パネル72によって変調された光はフィルタ75によってG成分のスペクトルの光とされ、液晶パネル73によって変調された光はフィルタ75によってB成分のスペクトルの光とされる。フィルタ74〜76を透過した光は合成器82によって合成され、合成された光によって形成される映像は、レンズ84によって所定の倍率のカラー映像としてスクリーン90に投写される。
【0054】
このように、プロジェクタ装置6には、光源から発せられる光のパス上に、輝度変調用の液晶素子と、色相成分変調用の液晶素子とが画素毎にタンデムに配列されているので、プロジェクタ装置6は、第5実施形態のプロジェクタ装置5と同様に黒浮き現象を抑制でき、ダイナミックレンジの広い投写型映像表示装置となっている。
【0055】
以上、本発明の第1〜第6の実施形態においては、光源から発せられる光のパス上において画素毎に二つの液晶素子をタンデムに配列して光の変調を行っているが、更に多い数の液晶素子を光のパス上に配列することも可能である。このように、配列する液晶素子の数を増やすことによって、更に黒浮き現象を抑制することが可能となる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光源からの光のパス上に配列された複数の液晶素子によって光の変調を行うので、黒浮き現象を抑制でき、ダイナミックレンジの広い映像表示装置が提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1実施形態にかかるディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、液晶素子を駆動するドライブ信号と透過率の関係を示す図である。
【図3】図3は、第2実施形態にかかるディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、第3実施形態にかかるディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、第4実施形態にかかるプロジェクタ装置の構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、第5実施形態にかかるプロジェクタの構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、第6実施形態にかかるプロジェクタの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1〜3…ディスプレイ装置、4〜6…プロジェクタ装置、10…バックライト光源、12…光源、20〜23,30〜33,61〜66,70〜73…液晶パネル、41…カラーフィルタ、50〜55…ドライバ、67〜69,74,75…フィルタ、80…分配器、82…合成器、84…レンズ、90…スクリーン
Claims (4)
- 光源と、
前記光源から発せられる光のパス上においてタンデムに配列された複数の液晶素子を含む複数の液晶ユニットと、
入力映像信号に基づいて前記光源から発せられる光を透過させる各々の画素の透過率を求め、画素に対応して設けられた前記液晶ユニットに含まれる前記複数の液晶素子の透過率による総合の透過率を、前記画素の透過率とするよう当該複数の液晶素子各々を駆動するドライブ信号を生成するドライバと
を備える映像表示装置。 - 前記液晶ユニットは、画素毎に設けられ、前記光源から発せられる光のパス上にタンデムに配列された複数の輝度変調用の液晶素子を含み、前記光源から発せられる光を前記複数の液晶ユニットによって画素毎にそれぞれ輝度変調してモノクロ映像を表示することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
- 前記液晶ユニットは、画素毎に設けられ、各々異なる色成分の変調を行う液晶素子を複数含み、同一の色成分の変調を行う前記液晶素子は前記光源から発せられる光のパス上においてタンデムに配列され、
前記ドライバは、前記入力映像信号に基づいて前記光源から発せられる光を透過させる各々の画素の透過率を前記色成分毎に求め、画素に対応して設けられた前記液晶ユニットに含まれる前記複数の液晶素子の透過率による各色成分毎の総合の透過率それぞれが、対応する色成分の前記画素の透過率となるように、前記複数の液晶素子各々を駆動するドライブ信号を生成し、
前記光源から発せられる光を前記複数の液晶ユニットによって画素毎にそれぞれ変調してカラー映像を表示することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。 - 前記液晶ユニットは、画素毎に設けられ、輝度変調用の液晶素子と、各々異なる色相成分の変調を行う色相変調用の液晶素子とを含み、前記輝度変調用の液晶素子と前記色相変調用の液晶素子は、前記光源から発せられる光のパス上においてタンデムに配列され、
前記ドライバは、前記入力映像信号から輝度成分を含む輝度成分ドライブ信号と色相成分を含む色相成分ドライブ信号とを画素毎に生成し、画素毎に前記輝度成分ドライブ信号に基づいて前記輝度変調用の液晶素子を駆動すると共に前記色相成分ドライブ信号に基づいて前記色相変調用の液晶素子を駆動し、
前記光源から発せられる光を前記複数の液晶ユニットによって画素毎にそれぞれ変調してカラー映像を表示することを特徴とする請求項1に記載の映像表示装置。
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JP2006064823A (ja) * | 2004-08-25 | 2006-03-09 | Seiko Epson Corp | 光学表示装置、光学表示方法、及び光学表示装置の制御用データ構造 |
WO2007108183A1 (ja) * | 2006-03-22 | 2007-09-27 | Sharp Kabushiki Kaisha | 液晶表示装置およびテレビジョン受信機 |
WO2016143236A1 (ja) * | 2015-03-10 | 2016-09-15 | 株式会社Jvcケンウッド | 表示装置 |
-
2002
- 2002-10-16 JP JP2002302095A patent/JP2004138733A/ja active Pending
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