JP2004136416A - ワークのエッジの研摩装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】1箇所のワーク取付け台における1回のチャッキング動作でワークのエッジに必要とされる粗研削及び研摩加工をすべて行うことができ、チャッキングのやり直しによるワークのセンタリングの誤差の累積をなくして、主としてシリコンウェーハ等の半導体ウェーハについて、高精度かつむらなく均一でしかも極めて平滑度の高い仕上げ研摩ができるようにする。
【解決手段】主としてシリコンウェーハ等の半導体ウェーハであるワーク18をチャッキング可能に構成されたワーク取付け台9と、該ワーク取付け台9に取り付けられたワーク18のエッジ18aに対し粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工をワーク取付け台9に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように種々の研摩特性を有する複数のホイール11,12,13,14とを備えた構成を特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】主としてシリコンウェーハ等の半導体ウェーハであるワーク18をチャッキング可能に構成されたワーク取付け台9と、該ワーク取付け台9に取り付けられたワーク18のエッジ18aに対し粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工をワーク取付け台9に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように種々の研摩特性を有する複数のホイール11,12,13,14とを備えた構成を特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウェーハ等の半導体ウェーハを主とするワークのエッジの研摩装置に係り、特にワーク取付け台へのワークの複数回のチャッキング動作を伴う研削工程と研摩工程間のワークの移動をなくして、1箇所のワーク取付け台における1回のチャッキング動作でワークのエッジに必要とされる粗研削及び研摩加工をすべて行うことができ、チャッキングのやり直しによるワークのセンタリングの誤差の累積をなくして、高精度かつむらなく均一でしかも極めて平滑度の高い仕上げ研摩ができるようにしたワークのエッジの研摩装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワークの一例たるシリコンウェーハ等の半導体ウェーハの外周エッジ、オリエンテーションフラット(OF)及びノッチの面取り研削及び研摩は、図13及び図14に示し、また特許文献1から特許文献6に示されているように、粗研削を行う工程と研摩を行う工程とが、例えば1台の装置内に別個に存在しており、まず研削工程でウェーハ1をワーク取付け台2に取り付け、例えばモータ3により矢印A方向に回転する粗研削用のホイール3aで粗研削を行い、該ウェーハ1を矢印B方向に取り外し、研摩工程に矢印C方向に移動させて別のワーク取付け台4に取り付け、スピンドル5に取り付けられた仕上げ研摩用のホイール5aをモータ6により巻掛け伝動部材8を介して回転させ、ワーク取付け台4を矢印D方向に、即ちホイール5aに接近及び接触させて研摩を行うように構成されていた。
【0003】しかし工程間の移動の際に、一旦ウェーハ1をワーク取付け台2から外してしまうので、別のワーク取付け台4に再度チャッキングして取り付ける際に、図15に示すように、センタリングの誤差eが生じていた。その誤差の大きさは、センタリング取り代により異なるが、例えば±50μmであり、繰り返してチャッキング動作を行うことによる誤差の累積によって、研摩面の仕上げ精度にむらが生じたり、研摩不足の部分ができてしまう等の不具合があった。
【0004】一方研削及び研摩に用いる砥石には、メタルボンド砥石(特許文献2、特許文献3)、砥粒を含んだゴムホイール(特許文献4、特許文献5、特許文献6)及びレジンボンド砥石等があり、メタルボンド砥石は主に粗研削に用いられ、レジンボンド砥石やゴムホイールは仕上げ研摩に用いられている。
【0005】ウェーハの外周を粗研削するメタルボンド砥石は、かつては断面台形の溝を形成しておき、ウェーハと砥石を回転させながら、溝内にウェーハの外周を当接させ、砥石を上下させながら研削していた。この場合、クーラントが溝の奥まで入りやすいので、砥石の痛みも少なかったが、研削時間短縮の要請から、砥石を上下動させることなく一度で研削できるように、外周面に総形の溝が形成された総形砥石が用いられるようになった。
【0006】しかしこの場合には、研削部位にクーラントが入りにくいため、砥石が傷付いたり、溝の最深部が早期に減り易く、砥石寿命が短くなってしまっていた。また傷付いた砥石によってエッジの研削部位に深い条痕が付き、エッジの面粗度が高くなってしまっていた。また後工程の研摩で条痕を取り除くのは容易ではない。
【0007】このため条痕ができることが少なく、またできたとしても浅い条痕で済むレジンボンド砥石によって研削を行うことが切望されていた。しかしレジンボンド砥石は柔らかく減りが速いため、ツルーイングを頻繁に行う必要があるが、総形のような複雑な形状にツルーイングすることは容易でなかった。
【0008】
【特許文献1】特開平6−262505号公報
【特許文献2】特開平9−168953号公報
【特許文献3】特開平11−207584号公報
【特許文献4】特開2000−52210号公報
【特許文献5】特開2000−317787号公報
【特許文献6】特開2001−300837号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術の欠点を除くためになされたものであって、その目的とするところは、ワークをチャッキング可能に構成されたワーク取付け台と、該ワーク取付け台に取り付けられたワークのエッジに対し粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工をワーク取付け台に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように種々の研摩特性を有する複数のホイールとを備えることによって、任意のホイールを使用して所望の研削及び研摩を行うことができるようにすると共に、研削ステージから研摩ステージ等へのワーク移動の際にチャッキングをやり直すことによって生じていたセンタリングの誤差の累積をなくして、高精度でむらなく均一でしかも極めて平滑度の高い仕上げ研摩ができるようにすることである。
【0010】また他の目的は、上記構成において、ワーク取付け台に取付けられたワークのエッジに対し粗研削を行う第1ホイールと、該エッジに対し仕上げ研摩を行う第2ホイールと、ワークのノッチに対し粗研削を行う第3ホイールと、ノッチの仕上げ研摩を行う第4ホイールとを備え、ワークのエッジ及びノッチの研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工を任意に組み合わせて一度の取付け動作で行うことができるように構成することによって、各ホイールとしてメタルボンド砥石やレジンボンド砥石、ゴムホイール等を適宜使用して加工時間の短縮化と仕上げ面精度の向上を両立させることができるようにすると共に、省スペース化をも図ることである。
【0011】更に他の目的は、上記構成において、外周面が総形に形成された第1ホイールをワークと同一面内で回転させてワークのエッジの粗研削を行い、第2ホイールをワークの面方向と略直角方向に回転させて該ワークのエッジの仕上げ研摩を行い、外周面が総形に形成された第3ホイールをワークと同一面内で回転させてワークのノッチの粗研削を行い、第4ホイールをワークの面方向と略直角方向に回転させて該ワークのノッチの仕上げ研摩を行うように構成することによって、装置の信頼性を高めると共に、各ホイールとしてメタルボンド砥石やレジンボンド砥石、ゴムホイール等を適宜組み合わせて使用して、最適な加工条件下で安定的で高精度な加工ができるようにすることである。
【0012】また他の目的は、上記構成において、仕上げ研摩の際に第2ホイール若しくは第4ホイール又は第2ホイール及び第4ホイールをワークのエッジへ軽く押圧付勢しかつ該エッジから適宜逃がすように構成された浮動機構とを備えることによって、ウェーハもホイールも傷めることなく、非常に高精度で平滑度の高い仕上げ研摩ができるようにすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
要するに本発明(請求項1)は、ワークをチャッキング可能に構成されたワーク取付け台と、該ワーク取付け台に取り付けられた前記ワークのエッジに対し粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工を前記ワーク取付け台に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように種々の研摩特性を有する複数のホイールとを備えたことを特徴とするものである。
【0014】また本発明(請求項2)は、ワークをチャッキング可能に構成されたワーク取付け台と、該ワーク取付け台に取付けられた前記ワークのエッジに対し粗研削を行う第1ホイールと、該エッジに対し仕上げ研摩を行う第2ホイールと、前記ワークのノッチに対し粗研削を行う第3ホイールと、前記ノッチの仕上げ研摩を行う第4ホイールとを備え、前記ワークの前記エッジ及び前記ノッチの粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工を任意に組み合わせて前記ワーク取付け台に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように構成したことを特徴とするものである。
【0015】また本発明(請求項3)は、ワークをチャッキング可能に構成されたワーク取付け台と、該ワーク取付け台に取付けられた前記ワークと略同一面内で回転し総形に形成された外周面で該ワークのエッジに対し粗研削を行う第1ホイールと、前記ワークの面方向と略直角方向に回転し前記エッジに対し仕上げ研摩を行う第2ホイールと、前記ワークと略同一面内で回転し総形に形成された外周面で該ワークのノッチに対し粗研削を行う第3ホイールと、前記ワークの面方向と略直角方向に回転し前記ノッチの仕上げ研摩を行う第4ホイールと、前記第2ホイール及び前記第4ホイールによる仕上げ研摩の際に該ホイールを前記ワークの面方向にトラバースさせると共に輪郭制御によって前記エッジ及び前記ノッチの断面形状に沿って移動させる駆動機構とを備え、前記ワークの前記エッジ及び前記ノッチの粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工を任意に組み合わせて前記ワーク取付け台に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように構成し、仕上げ研摩の際に輪郭制御とトラバース動作を行うように構成したことを特徴とするものである。
【0016】また本発明(請求項4)は、ワークをチャッキング可能に構成されたワーク取付け台と、該ワーク取付け台に取付けられた前記ワークと略同一面内で回転し総形に形成された外周面で該ワークのエッジに対し粗研削を行う第1ホイールと、前記ワークの面方向と略直角方向に回転し前記エッジに対し仕上げ研摩を行う第2ホイールと、前記ワークと略同一面内で回転し総形に形成された外周面で該ワークのノッチに対し粗研削を行う第3ホイールと、前記ワークの面方向と略直角方向に回転し前記ノッチの仕上げ研摩を行う第4ホイールと、前記第2ホイール及び前記第4ホイールによる仕上げ研摩の際に該ホイールを前記ワークの面方向にトラバースさせると共に輪郭制御によって前記エッジ及び前記ノッチの断面形状に沿って移動させる駆動機構と、仕上げ研摩の際に前記第2ホイール若しくは前記第4ホイール又は前記第2ホイール及び前記第4ホイールを前記ワークの前記エッジへ軽く押圧付勢しかつ該エッジから適宜逃がすように構成された浮動機構とを備え、前記ワークの前記エッジ及び前記ノッチの粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工を任意に組み合わせて前記ワーク取付け台に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように構成し、仕上げ研摩の際に輪郭制御とトラバース動作及び前記浮動機構による浮動動作を行うように構成したことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に示す実施例に基いて説明する。本発明に係るワークのエッジの研摩装置10は、図1から図4において、ワーク取付け台9と、第1ホイール11と、第2ホイール12と、第3ホイール13と、第4ホイール14と、駆動機構15と、浮動機構16とを備えている。
【0018】ワーク取付け台9は、図1から図4に示すように、ワークの一例たるウェーハ18をチャッキング可能に構成されたものであって、数値制御によって第1ホイール11等の方向に移動可能に構成されると共に、例えば水平面内で任意に回転させることができるように構成されている。ワーク取付け台9には、例えば円周方向及び半径方向に吸着溝9aが形成され、該吸着溝に通ずる吸気穴(図示せず)が形成されており、該吸気穴から吸着溝9a内の空気を吸引することによってウェーハ18を吸着固定してチャッキングできるようになっている。
【0019】第1ホイール11は、ワーク取付け台9に取付けられたウェーハ18と略同一面内で回転し、総形に形成された外周面11aでウェーハ18のエッジ18aに対し粗研削を行うための、例えばメタルボンド砥石であって、モータ19によって任意の回転速度で回転させることができるようになっている。
【0020】モータ19は、水平に配置されたスピンドル固定部材20にその軸19aが略垂直となるように取り付けられており、第1ホイール11はその軸19aの下端付近に取り付けられている。第1ホイール11の外周面11aの総形形状は、ウェーハ18の面取り研削を行うために適した形状となっている。スピンドル固定部材20は、Xテーブル22に取り付けられている。
【0021】第2ホイール12は、ウェーハ18の面方向と略直角方向に回転し、エッジ18aに対して仕上げ研摩を行うための、例えばレジンボンド砥石であって、スピンドル24の軸24aに取り付けられている。該軸24aにはプーリ24bが取り付けられており、モータ21の回転軸(図示せず)に取り付けられたプーリ21bとの間には巻掛け伝動部材25が巻き掛けられている。これによってモータ21からスピンドル24に駆動力が伝達されるようになっており、該モータ21によって第2ホイール12を任意の回転速度で回転させることができるようになっている。
【0022】スピンドル24は、スピンドル固定部材23にその軸24aが略水平となるように取り付けられており、スピンドル固定部材23はXテーブル22に取り付けられている。またモータ21は、その軸がスピンドル24の軸24aと平行となるように、モータ取付け部材26を介してXテーブル22に取り付けられている。
【0023】第3ホイール13は、ウェーハ18と略同一面内で回転し、総形に形成された外周面13aで該ウェーハ18のノッチ18bに対し粗研削を行うための、例えばメタルボンド砥石であって、モータ28によって任意の回転速度で回転させることができるようになっている。
【0024】モータ28は、図1から図3に示すように、モータ19の手前側となるように、スピンドル固定部材20にその軸28aが略垂直となるように取り付けられており、第3ホイール13はその軸28aの下端付近かつ第1ホイール11よりも上側に取り付けられている。これは第1ホイール11による粗研削を行う際に、第3ホイール13が干渉しないようにするためである。なお、第3ホイール13の外周面13aの総形形状は、ウェーハ18のノッチ18bの面取り研削を行うために適した形状となっている。
【0025】第4ホイール14は、ウェーハ18の面方向と略直角方向に回転し、ノッチ18bの仕上げ研摩を行うための、例えば砥粒を含んだゴムホイールであって、ノッチ18bの幅よりも薄く形成され、スピンドル29の軸29aに取り付けられている。図1及び図2に示すように、本実施例においては、第2ホイール12と第4ホイール14とは、互いに向き合った状態となっている。
【0026】軸29aにはプーリ29bが取り付けられており、モータ30の軸(図示せず)に取り付けられたプーリ30bとの間には巻掛け伝動部材31が巻き掛けられている。これによってモータ30からスピンドル29に駆動力が伝達されるようになっており、該モータ30によって第4ホイール14を任意の回転速度で回転させることができるようになっている。
【0027】スピンドル29は、スピンドル固定部材32にその軸29aが略水平となるように取り付けられており、スピンドル固定部材32は浮動機構16の浮動板33に取り付けられている。またモータ30は、その軸がスピンドル29の軸29aと平行となるように、モータ取付け部材34を介してスピンドル固定部材32に取り付けられている。なお、モータ取付け部材34は、スピンドル固定部材32と一体であってもよい。
【0028】駆動機構15は、図1から図3に示すように、第2ホイール12及び第4ホイール14による仕上げ研摩の際に該ホイール12,14をウェーハ18の面方向にトラバースさせると共に、輪郭制御によってエッジ18a及びノッチ18bの断面形状に沿って移動させるためのものであって、本実施例では第1ホイール11及び第3ホイール13についても駆動できるようになっている。
【0029】第1ホイール11、第2ホイール12及び第3ホイール13が取り付けられているXテーブル22には、浮動機構16も取り付けられ、該浮動機構16を介して第4ホイール14が浮動可能に取り付けられている。
【0030】Xテーブル22は、リニアガイド35を介してZテーブル36上をX軸方向、即ち左右方向に移動可能に構成されている。Zテーブル36には、支持部材38を介してねじ軸39が回動自在に支持されており、該ねじ軸39にはナット40が螺合してボールガイドを構成している。ナット40は、図2に示すように、ナット固定部材42によってXテーブル22に固定されている。そしてねじ軸39はサーボモータ41によって駆動されるようになっている。
【0031】Zテーブル36は、コラム43上に上下方向に取り付けられたリニアガイド44によってZ軸方向、即ち上下方向に移動可能に構成されている。図示はしていないが、Zテーブル36についても、例えばボールねじとサーボモータが用いられ、数値制御により駆動されるようになっている。
【0032】また詳細については図示しないが、ワーク取付け台9についても、例えばボールねじとサーボモータが用いられ、数値制御によりY軸方向、即ち前後方向(第1ホイール11等に対してウェーハ18を接近又は離間させる方向)に駆動されるようになっている。
【0033】浮動機構16は、仕上げ研摩の際に第2ホイール12若しくは第4ホイール14又は第2ホイール12及び第4ホイール14をウェーハ18のエッジ18aへ軽く押圧付勢し、かつ該エッジ18aから適宜逃がすように構成されたものである。図示の実施例では、ノッチ18bの仕上げ研摩に使用される第4ホイール14に浮動機構16が用いられているが、エッジ18aの仕上げ研摩に使用される第2ホイール12に浮動機構16を用いてもよい。
【0034】浮動機構16は、図2及び図3に示すように、Xテーブル22の前面側に水平に固定された固定板45の下側に、リニアガイド46を介して浮動板33が前後方向に移動可能に取り付けられている。
【0035】浮動板33の手前側には、ブラケット48が取り付けられており、該ブラケット48に取り付けられたストッパ部材48aが、固定板45上にブラケット49を介して取り付けられたシリンダ装置50のピストンロッド51に当接した状態となっている。
【0036】ピストンロッド51は、前後方向に伸縮可能に構成され、シリンダ装置50は、浮動板33が後退する際に該浮動板33に対して極くわずかな反発力を与えることができるように構成されている。
【0037】このほか、ワークのエッジの研摩装置10には、粗研削や仕上げ研摩を行う加工槽52が設けられている。クーラント液や研摩粉等(図示せず)を周囲に飛散させないようにするためである。
【0038】本発明は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。まず図5から図7に示すように、エッジ18aを粗研削するための第1ホイール11は、モータ19の回転によって、例えば矢印E方向又はその反対方向に回転する。ノッチ18bを粗研削するための第3ホイール13も、モータ28の回転によって、例えば矢印E方向又はその反対方向に回転する。第1ホイール11及び第3ホイール13の回転は、いずれもワーク取付け台9によるウェーハ18の回転方向と略同一面内である。
【0039】一方エッジ18aを仕上げ研摩するための第2ホイール12は、モータ21が回転することにより、該モータ21の回転軸が回転し、該回転軸に取り付けられたプーリ21bから巻掛け伝動部材25を介してスピンドル24のプーリ24bが回転する。該プーリ24bと共に軸24aが回転し、該軸24aに取り付けられた第2ホイール12が矢印F方向又は矢印G方向に回転する。
【0040】ノッチ18bを仕上げ研摩するための第4ホイール14も、モータ30が回転することにより、該モータ30の回転軸が回転し、該回転軸に取り付けられたプーリ30bから巻掛け伝動部材31を介してスピンドル29のプーリ29bが回転する。該プーリ29bと共に軸29aが回転し、該軸29aに取り付けられた第4ホイール14が矢印F方向又は矢印G方向に回転する。第2ホイール12及び第4ホイール14の回転は、いずれもウェーハ18と略直角方向である。
【0041】次に、ウェーハ18のエッジ18aを粗研削する場合の作用について説明すると、図7に示すように、ウェーハ18が吸着によりチャッキングされたワーク取付け台9が矢印D方向に移動する。また第1ホイール11は、例えば矢印E方向に回転しながらXテーブル(図示せず)によって矢印H方向に移動する。
【0042】そしてワーク取付け台9によってウェーハ18を矢印I又は矢印J方向に回転させながら、エッジ18aを第1ホイール11の外周面11aに接触させて粗研削することにより、該第1ホイール11の総形形状によりエッジ18aが面取りされる。
【0043】オリエンテーションフラット(OF)部18cを粗研削する場合には、該OF部18cの方向をX軸方向(左右方向)に一致させてウェーハ18の回転を止め、Xテーブルを矢印H方向及びその逆方向にトラバースさせながら研削を行う。
【0044】次に、ウェーハ18のエッジ18aを仕上げ研摩する場合の作用について説明すると、図8に示すように、粗研削後のウェーハ18をワーク取付け台9にチャッキングしたままで、矢印D方向に移動させ、第2ホイール12に接近させると共に、該第2ホイール12を矢印F又は矢印G方向に回転させ、かつ第2ホイール12を矢印H及び矢印K方向にトラバースさせながら、輪郭制御により粗研削後のエッジ18aの仕上げ研摩を行う。
【0045】輪郭制御は、第2ホイール12のトラバース及び上下動、そしてウェーハ18の回転及びワーク取付け台9の前後方向の移動を夫々数値制御することにより、図11及び図12に示すように行われる。
【0046】まず上側のエッジ18dに矢印F方向に回転する第2ホイール12を当接させ(アップカット)、該エッジ18dから端面18eまで矢印M方向に連続的に第2ホイール12を移動させ、そのまま下方に逃がす。次に下側のエッジ18fに矢印G方向に回転する第2ホイール12を当接させ(アップカット)、該エッジ18fから端面18eまで矢印L方向に連続的に第2ホイール12を移動させ、そのまま上方に逃がすことにより行われる。
【0047】また第2ホイール12にウェーハ18が接触すると、浮動機構16が作動して、第2ホイール12はわずかに逃げ、極く軽い力でウェーハ18と接触している状態となる。この力はシリンダ装置50の反発力を調節することによって定められる。これによってウェーハ18も第2ホイール12も痛むことなく、しかも極めて高精度の研摩が可能となる。
【0048】ウェーハ18のチャッキング動作は1回であるので、粗研削時と仕上げ研摩時との間にセンタリングの累積誤差が生じない。これによってエッジ18aに対して、高精度かつむらなく均一でしかも極めて平滑度の高い仕上げ研摩を行うことが可能である。
【0049】粗研削用の第1ホイール11にメタルボンド砥石、仕上げ研摩用の第2ホイール12にレジンボンド砥石を使用しているが、1回のチャッキング動作で粗研削及び仕上げ研摩を行っているので、理想的だが実用化が難しいとされるレジンボンド砥石のみでの粗研削及び仕上げ研摩と比較しても、ウェーハ18のセンタリング精度は全く劣ることがなく、同様の精度、平滑度を容易に得ることが可能である。
【0050】次に、ウェーハ18のノッチ18bを粗研削する場合の作用について説明すると、図9に示すように、エッジ18aの仕上げ研摩後、ウェーハ18のチャッキングは解除されず、ノッチ18bが第3ホイール13の方向を向いた状態のウェーハ18が矢印D方向に移動する。また第3ホイール13は、例えば矢印E方向に回転しながらXテーブル(図示せず)によって矢印H方向に移動する。
【0051】そしてノッチ18bを第3ホイール13の外周面13aに接触させ、ノッチ18bの幅及び奥行きに応じて適宜第3ホイール13及びウェーハ18を移動させながら粗研削することにより、該第3ホイール13の総形形状によりノッチ18bが面取りされる。
【0052】そしてウェーハ18のノッチ18bを仕上げ研摩する場合の作用について説明すると、図10に示すように、ノッチ18bが第4ホイール14の方向を向いたままの粗研削後のウェーハ18を矢印D方向に移動させ、第4ホイール14に接近させると共に、該第4ホイール14を矢印F又は矢印G方向に回転させ、かつ第4ホイール14を矢印H及び矢印K方向にトラバースさせながら、輪郭制御により粗研削後のノッチ18bの仕上げ研摩を行う。
【0053】トラバース量は、最大でもノッチ18bの幅をわずかに超える程度であり、ノッチ18bがV字形状をしていることから、第4ホイール14がノッチ18bに入り込んでいる深さに応じてトラバース量は加減される。即ち、ノッチ18bの最深部の研摩を行っているときにはトラバース量は極くわずかであり、浅い部分を研摩するに従って幅がV字に沿って広がるので、それに応じてトラバース量が増加するように制御される。
【0054】輪郭制御については、第2ホイール12と同様であるので、説明を省略する。
【0055】ここまでのチャッキング動作はエッジ18aの粗研削開始時の1回だけであり、エッジ18aの粗研削及び仕上げ研摩、そしてノッチ18bの粗研削及び仕上げ研摩までセンタリングの累積誤差が全く生じていない。これは通常1回チャッキング動作をやり直す度に、例えば±50μmのセンタリング誤差が累積していたものが、全く累積しないことを意味する。これによってエッジ18aに加えてノッチ18bに対しても、高精度かつむらなく均一でしかも極めて平滑度の高い仕上げ研摩を行うことが可能である。
【0056】なお上記実施例におけるモータ19,21,28,30の種類については特に示していなかったが、電動モータやエアスピンドル等、回転駆動することができるものであれば、どのようなものであってもよい。またモータ等によって直接第2ホイール12や第4ホイール14を駆動する場合には、巻掛け伝動部材25,31を使用する必要はない。
【0057】また第1ホイール11から第4ホイール14までをすべて備える必要はなく、例えばエッジ18aやノッチ18bの粗研削が不要であれば、第1ホイール11と第3ホイール13は不要であるし、またこれらの仕上げ研摩が不要であれば、第2ホイール12と第4ホイール14は不要であって、その組合せは任意である。
【0058】更に第1ホイール11及び第3ホイール13をメタルボンド砥石とし、第2ホイール12をレジンボンド砥石とし、第4ホイール14をゴムホイールとしたが、これに限られるものではなく、砥石の種類や大きさ、幅等は任意である。
【0059】
【発明の効果】
本発明は、上記のようにワークをチャッキング可能に構成されたワーク取付け台と、該ワーク取付け台に取り付けられたワークのエッジに対し粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工をワーク取付け台に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように種々の研摩特性を有する複数のホイールとを備えたので、任意のホイールを使用して所望の研削及び研摩を行うことができると共に、研削ステージから研摩ステージ等へのワーク移動の際にチャッキングをやり直すことによって生じていたセンタリングの誤差の累積をなくして、高精度でむらなく均一でしかも極めて平滑度の高い仕上げ研摩ができるという画期的な効果が得られる。
【0060】また上記構成において、ワーク取付け台に取付けられたワークのエッジに対し粗研削を行う第1ホイールと、該エッジに対し仕上げ研摩を行う第2ホイールと、ワークのノッチに対し粗研削を行う第3ホイールと、ノッチの仕上げ研摩を行う第4ホイールとを備え、ワークのエッジ及びノッチの研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工を任意に組み合わせて一度の取付け動作で行うことができるように構成したので、各ホイールとしてメタルボンド砥石やレジンボンド砥石、ゴムホイール等を適宜使用して加工時間の短縮化と仕上げ面精度の向上を両立させることができる効果があると共に、省スペース化をも図ることでができる効果がある。
【0061】更には、上記構成において、外周面が総形に形成された第1ホイールをワークと同一面内で回転させてワークのエッジの粗研削を行い、第2ホイールをワークの面方向と略直角方向に回転させて該ワークのエッジの仕上げ研摩を行い、外周面が総形に形成された第3ホイールをワークと同一面内で回転させてワークのノッチの粗研削を行い、第4ホイールをワークの面方向と略直角方向に回転させて該ワークのノッチの仕上げ研摩を行うように構成したので、装置の信頼性を高めることができると共に、各ホイールとしてメタルボンド砥石やレジンボンド砥石、ゴムホイール等を適宜組み合わせて使用して、最適な加工条件下で安定的で高精度な加工ができるという効果が得られる。
【0062】また上記構成において、仕上げ研摩の際に第2ホイール若しくは第4ホイール又は第2ホイール及び第4ホイールをワークのエッジへ軽く押圧付勢しかつ該エッジから適宜逃がすように構成された浮動機構とを備えたので、ウェーハもホイールも傷めることなく、非常に高精度で平滑度の高い仕上げ研摩ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1から図12は、本発明の実施例に係り、図1はワークのエッジの研摩装置の平面図である。
【図2】ワークのエッジの研摩装置の正面図である。
【図3】ワークのエッジの研摩装置の部分縦断面左側面図である。
【図4】加工槽内のワーク取付け台に取り付けられたウェーハと、夫々モータやスピンドルに取り付けられた第1ホイール、第2ホイール、第3ホイール及び第4ホイールの配置を示す斜視図である。
【図5】第1ホイール、第2ホイール及び第3ホイールの回転状態を示す斜視図である。
【図6】第2ホイール及び第4ホイールの回転状態を示す斜視図である。
【図7】第1ホイールによってウェーハのエッジを粗研削している状態を示す斜視図である。
【図8】第2ホイールによってウェーハのエッジを仕上げ研摩している状態を示す斜視図である。
【図9】第3ホイールによってウェーハのノッチを粗研削している状態を示す斜視図である。
【図10】第4ホイールによってウェーハのノッチを仕上げ研摩している状態を示す斜視図である。
【図11】輪郭制御によってウェーハのエッジの上面から端面を連続的に仕上げ研摩している状態を示す側面図である。
【図12】輪郭制御によってウェーハのエッジの下面から端面を連続的に仕上げ研摩している状態を示す側面図である。
【図13】図13から図15は、従来例に係り、図13はウェーハのエッジを粗研削した後、ワーク取付け台上のウェーハのチャッキングを解除して取り外した状態を示す斜視図である。
【図14】取り外したウェーハを別のワーク取付け台にチャッキングし直して仕上げ研摩仕様とする状態を示す斜視図である。
【図15】チャッキング動作の繰返しによってワーク取付け台上のウェーハにセンタリングの累積誤差が生じている状態を示す平面図である。
【符号の説明】
9 ワーク取付け台
10 ワークのエッジの研摩装置
11 第1ホイール
11a 外周面
12 第2ホイール
13 第3ホイール
13a 外周面
14 第4ホイール
15 駆動機構
16 浮動機構
18 ワークの一例たるウェーハ
18a エッジ
18b ノッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウェーハ等の半導体ウェーハを主とするワークのエッジの研摩装置に係り、特にワーク取付け台へのワークの複数回のチャッキング動作を伴う研削工程と研摩工程間のワークの移動をなくして、1箇所のワーク取付け台における1回のチャッキング動作でワークのエッジに必要とされる粗研削及び研摩加工をすべて行うことができ、チャッキングのやり直しによるワークのセンタリングの誤差の累積をなくして、高精度かつむらなく均一でしかも極めて平滑度の高い仕上げ研摩ができるようにしたワークのエッジの研摩装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワークの一例たるシリコンウェーハ等の半導体ウェーハの外周エッジ、オリエンテーションフラット(OF)及びノッチの面取り研削及び研摩は、図13及び図14に示し、また特許文献1から特許文献6に示されているように、粗研削を行う工程と研摩を行う工程とが、例えば1台の装置内に別個に存在しており、まず研削工程でウェーハ1をワーク取付け台2に取り付け、例えばモータ3により矢印A方向に回転する粗研削用のホイール3aで粗研削を行い、該ウェーハ1を矢印B方向に取り外し、研摩工程に矢印C方向に移動させて別のワーク取付け台4に取り付け、スピンドル5に取り付けられた仕上げ研摩用のホイール5aをモータ6により巻掛け伝動部材8を介して回転させ、ワーク取付け台4を矢印D方向に、即ちホイール5aに接近及び接触させて研摩を行うように構成されていた。
【0003】しかし工程間の移動の際に、一旦ウェーハ1をワーク取付け台2から外してしまうので、別のワーク取付け台4に再度チャッキングして取り付ける際に、図15に示すように、センタリングの誤差eが生じていた。その誤差の大きさは、センタリング取り代により異なるが、例えば±50μmであり、繰り返してチャッキング動作を行うことによる誤差の累積によって、研摩面の仕上げ精度にむらが生じたり、研摩不足の部分ができてしまう等の不具合があった。
【0004】一方研削及び研摩に用いる砥石には、メタルボンド砥石(特許文献2、特許文献3)、砥粒を含んだゴムホイール(特許文献4、特許文献5、特許文献6)及びレジンボンド砥石等があり、メタルボンド砥石は主に粗研削に用いられ、レジンボンド砥石やゴムホイールは仕上げ研摩に用いられている。
【0005】ウェーハの外周を粗研削するメタルボンド砥石は、かつては断面台形の溝を形成しておき、ウェーハと砥石を回転させながら、溝内にウェーハの外周を当接させ、砥石を上下させながら研削していた。この場合、クーラントが溝の奥まで入りやすいので、砥石の痛みも少なかったが、研削時間短縮の要請から、砥石を上下動させることなく一度で研削できるように、外周面に総形の溝が形成された総形砥石が用いられるようになった。
【0006】しかしこの場合には、研削部位にクーラントが入りにくいため、砥石が傷付いたり、溝の最深部が早期に減り易く、砥石寿命が短くなってしまっていた。また傷付いた砥石によってエッジの研削部位に深い条痕が付き、エッジの面粗度が高くなってしまっていた。また後工程の研摩で条痕を取り除くのは容易ではない。
【0007】このため条痕ができることが少なく、またできたとしても浅い条痕で済むレジンボンド砥石によって研削を行うことが切望されていた。しかしレジンボンド砥石は柔らかく減りが速いため、ツルーイングを頻繁に行う必要があるが、総形のような複雑な形状にツルーイングすることは容易でなかった。
【0008】
【特許文献1】特開平6−262505号公報
【特許文献2】特開平9−168953号公報
【特許文献3】特開平11−207584号公報
【特許文献4】特開2000−52210号公報
【特許文献5】特開2000−317787号公報
【特許文献6】特開2001−300837号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術の欠点を除くためになされたものであって、その目的とするところは、ワークをチャッキング可能に構成されたワーク取付け台と、該ワーク取付け台に取り付けられたワークのエッジに対し粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工をワーク取付け台に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように種々の研摩特性を有する複数のホイールとを備えることによって、任意のホイールを使用して所望の研削及び研摩を行うことができるようにすると共に、研削ステージから研摩ステージ等へのワーク移動の際にチャッキングをやり直すことによって生じていたセンタリングの誤差の累積をなくして、高精度でむらなく均一でしかも極めて平滑度の高い仕上げ研摩ができるようにすることである。
【0010】また他の目的は、上記構成において、ワーク取付け台に取付けられたワークのエッジに対し粗研削を行う第1ホイールと、該エッジに対し仕上げ研摩を行う第2ホイールと、ワークのノッチに対し粗研削を行う第3ホイールと、ノッチの仕上げ研摩を行う第4ホイールとを備え、ワークのエッジ及びノッチの研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工を任意に組み合わせて一度の取付け動作で行うことができるように構成することによって、各ホイールとしてメタルボンド砥石やレジンボンド砥石、ゴムホイール等を適宜使用して加工時間の短縮化と仕上げ面精度の向上を両立させることができるようにすると共に、省スペース化をも図ることである。
【0011】更に他の目的は、上記構成において、外周面が総形に形成された第1ホイールをワークと同一面内で回転させてワークのエッジの粗研削を行い、第2ホイールをワークの面方向と略直角方向に回転させて該ワークのエッジの仕上げ研摩を行い、外周面が総形に形成された第3ホイールをワークと同一面内で回転させてワークのノッチの粗研削を行い、第4ホイールをワークの面方向と略直角方向に回転させて該ワークのノッチの仕上げ研摩を行うように構成することによって、装置の信頼性を高めると共に、各ホイールとしてメタルボンド砥石やレジンボンド砥石、ゴムホイール等を適宜組み合わせて使用して、最適な加工条件下で安定的で高精度な加工ができるようにすることである。
【0012】また他の目的は、上記構成において、仕上げ研摩の際に第2ホイール若しくは第4ホイール又は第2ホイール及び第4ホイールをワークのエッジへ軽く押圧付勢しかつ該エッジから適宜逃がすように構成された浮動機構とを備えることによって、ウェーハもホイールも傷めることなく、非常に高精度で平滑度の高い仕上げ研摩ができるようにすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
要するに本発明(請求項1)は、ワークをチャッキング可能に構成されたワーク取付け台と、該ワーク取付け台に取り付けられた前記ワークのエッジに対し粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工を前記ワーク取付け台に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように種々の研摩特性を有する複数のホイールとを備えたことを特徴とするものである。
【0014】また本発明(請求項2)は、ワークをチャッキング可能に構成されたワーク取付け台と、該ワーク取付け台に取付けられた前記ワークのエッジに対し粗研削を行う第1ホイールと、該エッジに対し仕上げ研摩を行う第2ホイールと、前記ワークのノッチに対し粗研削を行う第3ホイールと、前記ノッチの仕上げ研摩を行う第4ホイールとを備え、前記ワークの前記エッジ及び前記ノッチの粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工を任意に組み合わせて前記ワーク取付け台に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように構成したことを特徴とするものである。
【0015】また本発明(請求項3)は、ワークをチャッキング可能に構成されたワーク取付け台と、該ワーク取付け台に取付けられた前記ワークと略同一面内で回転し総形に形成された外周面で該ワークのエッジに対し粗研削を行う第1ホイールと、前記ワークの面方向と略直角方向に回転し前記エッジに対し仕上げ研摩を行う第2ホイールと、前記ワークと略同一面内で回転し総形に形成された外周面で該ワークのノッチに対し粗研削を行う第3ホイールと、前記ワークの面方向と略直角方向に回転し前記ノッチの仕上げ研摩を行う第4ホイールと、前記第2ホイール及び前記第4ホイールによる仕上げ研摩の際に該ホイールを前記ワークの面方向にトラバースさせると共に輪郭制御によって前記エッジ及び前記ノッチの断面形状に沿って移動させる駆動機構とを備え、前記ワークの前記エッジ及び前記ノッチの粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工を任意に組み合わせて前記ワーク取付け台に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように構成し、仕上げ研摩の際に輪郭制御とトラバース動作を行うように構成したことを特徴とするものである。
【0016】また本発明(請求項4)は、ワークをチャッキング可能に構成されたワーク取付け台と、該ワーク取付け台に取付けられた前記ワークと略同一面内で回転し総形に形成された外周面で該ワークのエッジに対し粗研削を行う第1ホイールと、前記ワークの面方向と略直角方向に回転し前記エッジに対し仕上げ研摩を行う第2ホイールと、前記ワークと略同一面内で回転し総形に形成された外周面で該ワークのノッチに対し粗研削を行う第3ホイールと、前記ワークの面方向と略直角方向に回転し前記ノッチの仕上げ研摩を行う第4ホイールと、前記第2ホイール及び前記第4ホイールによる仕上げ研摩の際に該ホイールを前記ワークの面方向にトラバースさせると共に輪郭制御によって前記エッジ及び前記ノッチの断面形状に沿って移動させる駆動機構と、仕上げ研摩の際に前記第2ホイール若しくは前記第4ホイール又は前記第2ホイール及び前記第4ホイールを前記ワークの前記エッジへ軽く押圧付勢しかつ該エッジから適宜逃がすように構成された浮動機構とを備え、前記ワークの前記エッジ及び前記ノッチの粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工を任意に組み合わせて前記ワーク取付け台に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように構成し、仕上げ研摩の際に輪郭制御とトラバース動作及び前記浮動機構による浮動動作を行うように構成したことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に示す実施例に基いて説明する。本発明に係るワークのエッジの研摩装置10は、図1から図4において、ワーク取付け台9と、第1ホイール11と、第2ホイール12と、第3ホイール13と、第4ホイール14と、駆動機構15と、浮動機構16とを備えている。
【0018】ワーク取付け台9は、図1から図4に示すように、ワークの一例たるウェーハ18をチャッキング可能に構成されたものであって、数値制御によって第1ホイール11等の方向に移動可能に構成されると共に、例えば水平面内で任意に回転させることができるように構成されている。ワーク取付け台9には、例えば円周方向及び半径方向に吸着溝9aが形成され、該吸着溝に通ずる吸気穴(図示せず)が形成されており、該吸気穴から吸着溝9a内の空気を吸引することによってウェーハ18を吸着固定してチャッキングできるようになっている。
【0019】第1ホイール11は、ワーク取付け台9に取付けられたウェーハ18と略同一面内で回転し、総形に形成された外周面11aでウェーハ18のエッジ18aに対し粗研削を行うための、例えばメタルボンド砥石であって、モータ19によって任意の回転速度で回転させることができるようになっている。
【0020】モータ19は、水平に配置されたスピンドル固定部材20にその軸19aが略垂直となるように取り付けられており、第1ホイール11はその軸19aの下端付近に取り付けられている。第1ホイール11の外周面11aの総形形状は、ウェーハ18の面取り研削を行うために適した形状となっている。スピンドル固定部材20は、Xテーブル22に取り付けられている。
【0021】第2ホイール12は、ウェーハ18の面方向と略直角方向に回転し、エッジ18aに対して仕上げ研摩を行うための、例えばレジンボンド砥石であって、スピンドル24の軸24aに取り付けられている。該軸24aにはプーリ24bが取り付けられており、モータ21の回転軸(図示せず)に取り付けられたプーリ21bとの間には巻掛け伝動部材25が巻き掛けられている。これによってモータ21からスピンドル24に駆動力が伝達されるようになっており、該モータ21によって第2ホイール12を任意の回転速度で回転させることができるようになっている。
【0022】スピンドル24は、スピンドル固定部材23にその軸24aが略水平となるように取り付けられており、スピンドル固定部材23はXテーブル22に取り付けられている。またモータ21は、その軸がスピンドル24の軸24aと平行となるように、モータ取付け部材26を介してXテーブル22に取り付けられている。
【0023】第3ホイール13は、ウェーハ18と略同一面内で回転し、総形に形成された外周面13aで該ウェーハ18のノッチ18bに対し粗研削を行うための、例えばメタルボンド砥石であって、モータ28によって任意の回転速度で回転させることができるようになっている。
【0024】モータ28は、図1から図3に示すように、モータ19の手前側となるように、スピンドル固定部材20にその軸28aが略垂直となるように取り付けられており、第3ホイール13はその軸28aの下端付近かつ第1ホイール11よりも上側に取り付けられている。これは第1ホイール11による粗研削を行う際に、第3ホイール13が干渉しないようにするためである。なお、第3ホイール13の外周面13aの総形形状は、ウェーハ18のノッチ18bの面取り研削を行うために適した形状となっている。
【0025】第4ホイール14は、ウェーハ18の面方向と略直角方向に回転し、ノッチ18bの仕上げ研摩を行うための、例えば砥粒を含んだゴムホイールであって、ノッチ18bの幅よりも薄く形成され、スピンドル29の軸29aに取り付けられている。図1及び図2に示すように、本実施例においては、第2ホイール12と第4ホイール14とは、互いに向き合った状態となっている。
【0026】軸29aにはプーリ29bが取り付けられており、モータ30の軸(図示せず)に取り付けられたプーリ30bとの間には巻掛け伝動部材31が巻き掛けられている。これによってモータ30からスピンドル29に駆動力が伝達されるようになっており、該モータ30によって第4ホイール14を任意の回転速度で回転させることができるようになっている。
【0027】スピンドル29は、スピンドル固定部材32にその軸29aが略水平となるように取り付けられており、スピンドル固定部材32は浮動機構16の浮動板33に取り付けられている。またモータ30は、その軸がスピンドル29の軸29aと平行となるように、モータ取付け部材34を介してスピンドル固定部材32に取り付けられている。なお、モータ取付け部材34は、スピンドル固定部材32と一体であってもよい。
【0028】駆動機構15は、図1から図3に示すように、第2ホイール12及び第4ホイール14による仕上げ研摩の際に該ホイール12,14をウェーハ18の面方向にトラバースさせると共に、輪郭制御によってエッジ18a及びノッチ18bの断面形状に沿って移動させるためのものであって、本実施例では第1ホイール11及び第3ホイール13についても駆動できるようになっている。
【0029】第1ホイール11、第2ホイール12及び第3ホイール13が取り付けられているXテーブル22には、浮動機構16も取り付けられ、該浮動機構16を介して第4ホイール14が浮動可能に取り付けられている。
【0030】Xテーブル22は、リニアガイド35を介してZテーブル36上をX軸方向、即ち左右方向に移動可能に構成されている。Zテーブル36には、支持部材38を介してねじ軸39が回動自在に支持されており、該ねじ軸39にはナット40が螺合してボールガイドを構成している。ナット40は、図2に示すように、ナット固定部材42によってXテーブル22に固定されている。そしてねじ軸39はサーボモータ41によって駆動されるようになっている。
【0031】Zテーブル36は、コラム43上に上下方向に取り付けられたリニアガイド44によってZ軸方向、即ち上下方向に移動可能に構成されている。図示はしていないが、Zテーブル36についても、例えばボールねじとサーボモータが用いられ、数値制御により駆動されるようになっている。
【0032】また詳細については図示しないが、ワーク取付け台9についても、例えばボールねじとサーボモータが用いられ、数値制御によりY軸方向、即ち前後方向(第1ホイール11等に対してウェーハ18を接近又は離間させる方向)に駆動されるようになっている。
【0033】浮動機構16は、仕上げ研摩の際に第2ホイール12若しくは第4ホイール14又は第2ホイール12及び第4ホイール14をウェーハ18のエッジ18aへ軽く押圧付勢し、かつ該エッジ18aから適宜逃がすように構成されたものである。図示の実施例では、ノッチ18bの仕上げ研摩に使用される第4ホイール14に浮動機構16が用いられているが、エッジ18aの仕上げ研摩に使用される第2ホイール12に浮動機構16を用いてもよい。
【0034】浮動機構16は、図2及び図3に示すように、Xテーブル22の前面側に水平に固定された固定板45の下側に、リニアガイド46を介して浮動板33が前後方向に移動可能に取り付けられている。
【0035】浮動板33の手前側には、ブラケット48が取り付けられており、該ブラケット48に取り付けられたストッパ部材48aが、固定板45上にブラケット49を介して取り付けられたシリンダ装置50のピストンロッド51に当接した状態となっている。
【0036】ピストンロッド51は、前後方向に伸縮可能に構成され、シリンダ装置50は、浮動板33が後退する際に該浮動板33に対して極くわずかな反発力を与えることができるように構成されている。
【0037】このほか、ワークのエッジの研摩装置10には、粗研削や仕上げ研摩を行う加工槽52が設けられている。クーラント液や研摩粉等(図示せず)を周囲に飛散させないようにするためである。
【0038】本発明は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。まず図5から図7に示すように、エッジ18aを粗研削するための第1ホイール11は、モータ19の回転によって、例えば矢印E方向又はその反対方向に回転する。ノッチ18bを粗研削するための第3ホイール13も、モータ28の回転によって、例えば矢印E方向又はその反対方向に回転する。第1ホイール11及び第3ホイール13の回転は、いずれもワーク取付け台9によるウェーハ18の回転方向と略同一面内である。
【0039】一方エッジ18aを仕上げ研摩するための第2ホイール12は、モータ21が回転することにより、該モータ21の回転軸が回転し、該回転軸に取り付けられたプーリ21bから巻掛け伝動部材25を介してスピンドル24のプーリ24bが回転する。該プーリ24bと共に軸24aが回転し、該軸24aに取り付けられた第2ホイール12が矢印F方向又は矢印G方向に回転する。
【0040】ノッチ18bを仕上げ研摩するための第4ホイール14も、モータ30が回転することにより、該モータ30の回転軸が回転し、該回転軸に取り付けられたプーリ30bから巻掛け伝動部材31を介してスピンドル29のプーリ29bが回転する。該プーリ29bと共に軸29aが回転し、該軸29aに取り付けられた第4ホイール14が矢印F方向又は矢印G方向に回転する。第2ホイール12及び第4ホイール14の回転は、いずれもウェーハ18と略直角方向である。
【0041】次に、ウェーハ18のエッジ18aを粗研削する場合の作用について説明すると、図7に示すように、ウェーハ18が吸着によりチャッキングされたワーク取付け台9が矢印D方向に移動する。また第1ホイール11は、例えば矢印E方向に回転しながらXテーブル(図示せず)によって矢印H方向に移動する。
【0042】そしてワーク取付け台9によってウェーハ18を矢印I又は矢印J方向に回転させながら、エッジ18aを第1ホイール11の外周面11aに接触させて粗研削することにより、該第1ホイール11の総形形状によりエッジ18aが面取りされる。
【0043】オリエンテーションフラット(OF)部18cを粗研削する場合には、該OF部18cの方向をX軸方向(左右方向)に一致させてウェーハ18の回転を止め、Xテーブルを矢印H方向及びその逆方向にトラバースさせながら研削を行う。
【0044】次に、ウェーハ18のエッジ18aを仕上げ研摩する場合の作用について説明すると、図8に示すように、粗研削後のウェーハ18をワーク取付け台9にチャッキングしたままで、矢印D方向に移動させ、第2ホイール12に接近させると共に、該第2ホイール12を矢印F又は矢印G方向に回転させ、かつ第2ホイール12を矢印H及び矢印K方向にトラバースさせながら、輪郭制御により粗研削後のエッジ18aの仕上げ研摩を行う。
【0045】輪郭制御は、第2ホイール12のトラバース及び上下動、そしてウェーハ18の回転及びワーク取付け台9の前後方向の移動を夫々数値制御することにより、図11及び図12に示すように行われる。
【0046】まず上側のエッジ18dに矢印F方向に回転する第2ホイール12を当接させ(アップカット)、該エッジ18dから端面18eまで矢印M方向に連続的に第2ホイール12を移動させ、そのまま下方に逃がす。次に下側のエッジ18fに矢印G方向に回転する第2ホイール12を当接させ(アップカット)、該エッジ18fから端面18eまで矢印L方向に連続的に第2ホイール12を移動させ、そのまま上方に逃がすことにより行われる。
【0047】また第2ホイール12にウェーハ18が接触すると、浮動機構16が作動して、第2ホイール12はわずかに逃げ、極く軽い力でウェーハ18と接触している状態となる。この力はシリンダ装置50の反発力を調節することによって定められる。これによってウェーハ18も第2ホイール12も痛むことなく、しかも極めて高精度の研摩が可能となる。
【0048】ウェーハ18のチャッキング動作は1回であるので、粗研削時と仕上げ研摩時との間にセンタリングの累積誤差が生じない。これによってエッジ18aに対して、高精度かつむらなく均一でしかも極めて平滑度の高い仕上げ研摩を行うことが可能である。
【0049】粗研削用の第1ホイール11にメタルボンド砥石、仕上げ研摩用の第2ホイール12にレジンボンド砥石を使用しているが、1回のチャッキング動作で粗研削及び仕上げ研摩を行っているので、理想的だが実用化が難しいとされるレジンボンド砥石のみでの粗研削及び仕上げ研摩と比較しても、ウェーハ18のセンタリング精度は全く劣ることがなく、同様の精度、平滑度を容易に得ることが可能である。
【0050】次に、ウェーハ18のノッチ18bを粗研削する場合の作用について説明すると、図9に示すように、エッジ18aの仕上げ研摩後、ウェーハ18のチャッキングは解除されず、ノッチ18bが第3ホイール13の方向を向いた状態のウェーハ18が矢印D方向に移動する。また第3ホイール13は、例えば矢印E方向に回転しながらXテーブル(図示せず)によって矢印H方向に移動する。
【0051】そしてノッチ18bを第3ホイール13の外周面13aに接触させ、ノッチ18bの幅及び奥行きに応じて適宜第3ホイール13及びウェーハ18を移動させながら粗研削することにより、該第3ホイール13の総形形状によりノッチ18bが面取りされる。
【0052】そしてウェーハ18のノッチ18bを仕上げ研摩する場合の作用について説明すると、図10に示すように、ノッチ18bが第4ホイール14の方向を向いたままの粗研削後のウェーハ18を矢印D方向に移動させ、第4ホイール14に接近させると共に、該第4ホイール14を矢印F又は矢印G方向に回転させ、かつ第4ホイール14を矢印H及び矢印K方向にトラバースさせながら、輪郭制御により粗研削後のノッチ18bの仕上げ研摩を行う。
【0053】トラバース量は、最大でもノッチ18bの幅をわずかに超える程度であり、ノッチ18bがV字形状をしていることから、第4ホイール14がノッチ18bに入り込んでいる深さに応じてトラバース量は加減される。即ち、ノッチ18bの最深部の研摩を行っているときにはトラバース量は極くわずかであり、浅い部分を研摩するに従って幅がV字に沿って広がるので、それに応じてトラバース量が増加するように制御される。
【0054】輪郭制御については、第2ホイール12と同様であるので、説明を省略する。
【0055】ここまでのチャッキング動作はエッジ18aの粗研削開始時の1回だけであり、エッジ18aの粗研削及び仕上げ研摩、そしてノッチ18bの粗研削及び仕上げ研摩までセンタリングの累積誤差が全く生じていない。これは通常1回チャッキング動作をやり直す度に、例えば±50μmのセンタリング誤差が累積していたものが、全く累積しないことを意味する。これによってエッジ18aに加えてノッチ18bに対しても、高精度かつむらなく均一でしかも極めて平滑度の高い仕上げ研摩を行うことが可能である。
【0056】なお上記実施例におけるモータ19,21,28,30の種類については特に示していなかったが、電動モータやエアスピンドル等、回転駆動することができるものであれば、どのようなものであってもよい。またモータ等によって直接第2ホイール12や第4ホイール14を駆動する場合には、巻掛け伝動部材25,31を使用する必要はない。
【0057】また第1ホイール11から第4ホイール14までをすべて備える必要はなく、例えばエッジ18aやノッチ18bの粗研削が不要であれば、第1ホイール11と第3ホイール13は不要であるし、またこれらの仕上げ研摩が不要であれば、第2ホイール12と第4ホイール14は不要であって、その組合せは任意である。
【0058】更に第1ホイール11及び第3ホイール13をメタルボンド砥石とし、第2ホイール12をレジンボンド砥石とし、第4ホイール14をゴムホイールとしたが、これに限られるものではなく、砥石の種類や大きさ、幅等は任意である。
【0059】
【発明の効果】
本発明は、上記のようにワークをチャッキング可能に構成されたワーク取付け台と、該ワーク取付け台に取り付けられたワークのエッジに対し粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工をワーク取付け台に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように種々の研摩特性を有する複数のホイールとを備えたので、任意のホイールを使用して所望の研削及び研摩を行うことができると共に、研削ステージから研摩ステージ等へのワーク移動の際にチャッキングをやり直すことによって生じていたセンタリングの誤差の累積をなくして、高精度でむらなく均一でしかも極めて平滑度の高い仕上げ研摩ができるという画期的な効果が得られる。
【0060】また上記構成において、ワーク取付け台に取付けられたワークのエッジに対し粗研削を行う第1ホイールと、該エッジに対し仕上げ研摩を行う第2ホイールと、ワークのノッチに対し粗研削を行う第3ホイールと、ノッチの仕上げ研摩を行う第4ホイールとを備え、ワークのエッジ及びノッチの研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工を任意に組み合わせて一度の取付け動作で行うことができるように構成したので、各ホイールとしてメタルボンド砥石やレジンボンド砥石、ゴムホイール等を適宜使用して加工時間の短縮化と仕上げ面精度の向上を両立させることができる効果があると共に、省スペース化をも図ることでができる効果がある。
【0061】更には、上記構成において、外周面が総形に形成された第1ホイールをワークと同一面内で回転させてワークのエッジの粗研削を行い、第2ホイールをワークの面方向と略直角方向に回転させて該ワークのエッジの仕上げ研摩を行い、外周面が総形に形成された第3ホイールをワークと同一面内で回転させてワークのノッチの粗研削を行い、第4ホイールをワークの面方向と略直角方向に回転させて該ワークのノッチの仕上げ研摩を行うように構成したので、装置の信頼性を高めることができると共に、各ホイールとしてメタルボンド砥石やレジンボンド砥石、ゴムホイール等を適宜組み合わせて使用して、最適な加工条件下で安定的で高精度な加工ができるという効果が得られる。
【0062】また上記構成において、仕上げ研摩の際に第2ホイール若しくは第4ホイール又は第2ホイール及び第4ホイールをワークのエッジへ軽く押圧付勢しかつ該エッジから適宜逃がすように構成された浮動機構とを備えたので、ウェーハもホイールも傷めることなく、非常に高精度で平滑度の高い仕上げ研摩ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1から図12は、本発明の実施例に係り、図1はワークのエッジの研摩装置の平面図である。
【図2】ワークのエッジの研摩装置の正面図である。
【図3】ワークのエッジの研摩装置の部分縦断面左側面図である。
【図4】加工槽内のワーク取付け台に取り付けられたウェーハと、夫々モータやスピンドルに取り付けられた第1ホイール、第2ホイール、第3ホイール及び第4ホイールの配置を示す斜視図である。
【図5】第1ホイール、第2ホイール及び第3ホイールの回転状態を示す斜視図である。
【図6】第2ホイール及び第4ホイールの回転状態を示す斜視図である。
【図7】第1ホイールによってウェーハのエッジを粗研削している状態を示す斜視図である。
【図8】第2ホイールによってウェーハのエッジを仕上げ研摩している状態を示す斜視図である。
【図9】第3ホイールによってウェーハのノッチを粗研削している状態を示す斜視図である。
【図10】第4ホイールによってウェーハのノッチを仕上げ研摩している状態を示す斜視図である。
【図11】輪郭制御によってウェーハのエッジの上面から端面を連続的に仕上げ研摩している状態を示す側面図である。
【図12】輪郭制御によってウェーハのエッジの下面から端面を連続的に仕上げ研摩している状態を示す側面図である。
【図13】図13から図15は、従来例に係り、図13はウェーハのエッジを粗研削した後、ワーク取付け台上のウェーハのチャッキングを解除して取り外した状態を示す斜視図である。
【図14】取り外したウェーハを別のワーク取付け台にチャッキングし直して仕上げ研摩仕様とする状態を示す斜視図である。
【図15】チャッキング動作の繰返しによってワーク取付け台上のウェーハにセンタリングの累積誤差が生じている状態を示す平面図である。
【符号の説明】
9 ワーク取付け台
10 ワークのエッジの研摩装置
11 第1ホイール
11a 外周面
12 第2ホイール
13 第3ホイール
13a 外周面
14 第4ホイール
15 駆動機構
16 浮動機構
18 ワークの一例たるウェーハ
18a エッジ
18b ノッチ
Claims (4)
- ワークをチャッキング可能に構成されたワーク取付け台と、該ワーク取付け台に取り付けられた前記ワークのエッジに対し粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工を前記ワーク取付け台に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように種々の研摩特性を有する複数のホイールとを備えたことを特徴とするワークのエッジの研摩装置。
- ワークをチャッキング可能に構成されたワーク取付け台と、該ワーク取付け台に取付けられた前記ワークのエッジに対し粗研削を行う第1ホイールと、該エッジに対し仕上げ研摩を行う第2ホイールと、前記ワークのノッチに対し粗研削を行う第3ホイールと、前記ノッチの仕上げ研摩を行う第4ホイールとを備え、前記ワークの前記エッジ及び前記ノッチの粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工を任意に組み合わせて前記ワーク取付け台に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように構成したことを特徴とするワークのエッジの研摩装置。
- ワークをチャッキング可能に構成されたワーク取付け台と、該ワーク取付け台に取付けられた前記ワークと略同一面内で回転し総形に形成された外周面で該ワークのエッジに対し粗研削を行う第1ホイールと、前記ワークの面方向と略直角方向に回転し前記エッジに対し仕上げ研摩を行う第2ホイールと、前記ワークと略同一面内で回転し総形に形成された外周面で該ワークのノッチに対し粗研削を行う第3ホイールと、前記ワークの面方向と略直角方向に回転し前記ノッチの仕上げ研摩を行う第4ホイールと、前記第2ホイール及び前記第4ホイールによる仕上げ研摩の際に該ホイールを前記ワークの面方向にトラバースさせると共に輪郭制御によって前記エッジ及び前記ノッチの断面形状に沿って移動させる駆動機構とを備え、前記ワークの前記エッジ及び前記ノッチの粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工を任意に組み合わせて前記ワーク取付け台に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように構成し、仕上げ研摩の際に輪郭制御とトラバース動作を行うように構成したことを特徴とするワークのエッジの研摩装置。
- ワークをチャッキング可能に構成されたワーク取付け台と、該ワーク取付け台に取付けられた前記ワークと略同一面内で回転し総形に形成された外周面で該ワークのエッジに対し粗研削を行う第1ホイールと、前記ワークの面方向と略直角方向に回転し前記エッジに対し仕上げ研摩を行う第2ホイールと、前記ワークと略同一面内で回転し総形に形成された外周面で該ワークのノッチに対し粗研削を行う第3ホイールと、前記ワークの面方向と略直角方向に回転し前記ノッチの仕上げ研摩を行う第4ホイールと、前記第2ホイール及び前記第4ホイールによる仕上げ研摩の際に該ホイールを前記ワークの面方向にトラバースさせると共に輪郭制御によって前記エッジ及び前記ノッチの断面形状に沿って移動させる駆動機構と、仕上げ研摩の際に前記第2ホイール若しくは前記第4ホイール又は前記第2ホイール及び前記第4ホイールを前記ワークの前記エッジへ軽く押圧付勢しかつ該エッジから適宜逃がすように構成された浮動機構とを備え、前記ワークの前記エッジ及び前記ノッチの粗研削若しくは仕上げ研摩又はこれらの加工を任意に組み合わせて前記ワーク取付け台に対する1回のチャッキング動作で行うことができるように構成し、仕上げ研摩の際に輪郭制御とトラバース動作及び前記浮動機構による浮動動作を行うように構成したことを特徴とするワークのエッジの研摩装置。
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Cited By (1)
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2002
- 2002-10-18 JP JP2002305043A patent/JP2004136416A/ja active Pending
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