JP2004136249A - 有機物処理装置および有機物処理方法 - Google Patents

有機物処理装置および有機物処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】処理対象物の種類を問わず有機物であれば、有毒物質、有毒ガス、熱や煤塵、煤などを発生させることなく完全な無機物化が可能な有機物処理装置の実現を課題とする。
【解決手段】処理対象の有機物にマイナスイオンを作用させ酸化還元電位を低減させる排気処理装置4や循環手段などを含むマイナスイオン処理装置と、このマイナスイオン処理装置によってマイナスイオンを作用された処理対象の有機物を燻焼(極点無火炎燃焼)により乾溜炭化する処理室1とを設ける。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機物処理装置および有機物処理方法に関し、特に有機物全般を環境汚染を引き起こすことなく安全に分解処理する有機物処理装置および有機物処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機廃棄物の分解処理は焼却処理によって行われてきた。したがって従来の分解処理装置の大半が焼却装置であり、従来の技術の大半はこのような焼却装置での火炎燃焼の効率化を目指すものであった。しかし、このような従来からの火炎を伴う焼却装置においては、炉内において酸化雰囲気で焼却が行われるため、そこから硫黄酸化物や窒素酸化物等の有毒ガスの発生を見たり、ダイオキシン類などの有毒物質を発生したりするおそれがあった。そのため、焼却装置の燃焼温度をより高めたり、再燃焼などで熱分解領域での滞留時間を増やすなどの方法で、発生するダイオキシン類、硫黄酸化物、窒素酸化物を捕捉除去して排気や残渣物質の無害化を図る改良が進められている(例えば特許文献1および特許文献2参照。)。
【0003】
しかしながら、このような燃焼条件の管理や燃焼ガスの無害化を徹底して行おうすると、後端設備を大型にし、設置面積を広大化させることとなり、建設費も嵩むことになる。このような処理施設は、多量の廃棄物を長期間に亙って連続的に処理する場合には適しているものの、少量の廃棄物を単発的に処理する小型の処理設備には適しておらず、小型の焼却装置で完全燃焼と燃焼ガスの無害化を両立させることは困難であった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−330222号公報(第4−6頁、第1図)
【特許文献2】
特開2000−346324号公報(第3−4頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のごとく、従来の火炎を伴う焼却による有機廃棄物の処理装置では、有害物質を出さないようにするためには、装置を大型にして十分な管理を行う必要があり、そのため、設備が高価になり、小型の設備には適しないという問題があった。
本発明は、炉内を還元雰囲気とし、酸化領域を局部的にとどめることでこの問題を解決して、ダイオキシンをはじめとして、硫黄酸化物や窒素酸化物等の酸化化合物の発生を抑制し、有毒ガスの発生を防ぎ、さらに、熱分解されて生まれた乾溜ガスを燃焼させないようにして、煤塵、煤などの発生を防止することが可能な有機物処理装置および有機物処理方法の実現を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明は有機物処理装置において、処理対象の有機物にマイナスイオンを作用させ酸化還元電位を低減させるマイナスイオン処理手段と、このマイナスイオン処理手段によってマイナスイオンを作用された前記処理対象の有機物を燻焼(極点無火炎燃焼)する燻焼炉とを具備することを特徴とする。
これにより、炉内を還元雰囲気にして処理することができ、酸化領域を局部的にとどめ、ダイオキシン、硫黄酸化物、窒素酸化物等の発生を抑制し、かつ、煤塵、煤などの発生を防止することが可能な有機物処理装置を実現することができる。
【0007】
また、前記マイナスイオン処理手段は、マイナスイオンを発生させるマイナスイオン発生手段と、このマイナスイオン発生手段で発生したマイナスイオンを含むイオン化空気を前記燻焼炉内に送り込むとともに、前記燻焼炉内の蒸気や未燃性ガスを含む排気を前記マイナスイオン発生手段に送り込んで循環させる循環手段とを有することを特徴とする。
これにより、発生するマイナスイオンを有効に利用することができ、炉内を効率的に還元雰囲気とすることが可能な有機物処理手段を実現することができる。
【0008】
さらに、前記燻焼炉は、無酸素状態で燻焼することで、燻焼による熱で熱分解されて発生したガスを燃焼させず、その成分をタールとして炉内壁に付着させ、さらに炭化して落下したものを再度燻焼処理することを特徴とする。
これにより、煤塵、煤、有毒ガスなどの発生を抑えることができ、処理効率の高い有機物処理手段を実現することができる。
【0009】
さらに、前記燻焼炉は、無酸素状態で燻焼させ燻焼が極点で行われることで、炉内全体温度を低温のままで処理を行わせ、有害物質の発生を抑圧することを特徴とする。
これにより、装置の温度が低い状態で処理を行うことができ、ダイオキシンなどの有毒物質の発生を抑えることが可能な有機物処理手段を実現することができる。
【0010】
また、前記マイナスイオン処理手段は、前記排気をマイナスイオン化してマイナスに帯電させる機能を有し、一方、装置を収納する筺体をプラス帯電させるプラス帯電手段を設け、前記排気を前記筺体との間でクーロン力(静電気力)によりイオン結合させることで無害化することを特徴とする。
これにより、排気に含まれる不純物、臭気、水蒸気を除去することができ、無臭、無煙で処理を行うことが可能な有機物処理手段を実現することができる。
【0011】
有機物処理方法において、処理対象の有機物にマイナスイオンを作用させ酸化還元電位を低減させるマイナスイオン処理過程と、マイナスイオンを作用された前記処理対象の有機物を燻焼(極点無火炎燃焼)する燻焼過程と、前記燻焼過程で発生する排気をさらに燻焼部分へ循環させる循環過程とを具備することを特徴とする。
これにより、炉内を還元雰囲気にして酸化領域を局部的にとどめ、ダイオキシン、硫黄酸化物、窒素酸化物等の発生を抑制し、かつ、煤塵、煤などの発生を防止することが可能な有機物処理方法を実現することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる有機物処理装置および有機物処理方法を添付図面を参照にして詳細に説明する。
【0013】
本発明の有機物処理装置は、炉内にマイナスイオン化された空気を吸入することで、電気陰性度を大きくし、酸化還元電位を低減させて、還元雰囲気にするとともに、熱分解によって発生した乾溜ガスを燃焼させず、燻焼(無火炎燃焼)により酸化域を極力小さくすることでダイオキシン類、硫黄酸化物、窒素酸化物などの有害酸化物の発生を防ぐことを特徴としている。
【0014】
また、電気陰性度をマイナスイオンで大きくし、酸化還元電位を低下させて還元雰囲気にしている。
【0015】
さらに、蒸気を多く含んだ排気ガスはマイナスイオン化することでマイナスに帯電させ、一方、装置全体を収納する筺体をプラスに帯電させることで、排気を吸着し、排気に若干含まれている不純物、臭気、水蒸気を分解させ、無煙、無臭にしている。
【0016】
さらにまた、炉内の局部的な燻焼処理で、局部的に高温酸化を行わせて確実な酸化分解で処理対象有機物の無機化を行わせる。無機化されたセラミック状残渣は、蓄熱効果と熱輻射効果を持ち、燻焼(無火炎燃焼)作用をより効果的にするとともに、未処理物質の乾燥を促す。
【0017】
本発明の有機物処理装置においては、燻焼前の乾溜炭化に伴う発煙を、排気流動経路において、カルシュウム分を多量に含む無機化されたセラミック状残渣内を通過、対流させることで、セラミックに含まれるミネラル(金属物質)が塩素と反応して、CaCl2 、MgCl2 、MnCl2 、ZnCl2 などの単純塩になる。
【0018】
セラミック状残渣に含まれるカルシュウムアルミネート系鉱物{CaO(酸化カルシュウム)やAl(酸化アルミニュウム)などの鉱物}には、できた塩を固定する性質がある。このため、セラミック状残渣表面で塩が固定されて、モノサルフェートを経て、フリーデル塩という物質に変化する。この物質はきわめ安定しており、二度と塩素Clが分離されない。
【0019】
金属物質は、+イオン(カチオン)の性質を持っている。塩素は分離すると−イオンCl− となり、したがって、金属イオンと塩素イオンとはイオン結合を起こして塩(たとえばNaCl/食塩)となる。セラミック状残渣によって固定された塩の中の塩素Clが分離することはなく、この作用が原因でダイオキシンが合成されることはない。
【0020】
最終的な処理後の排気は、マイナスイオン化してマイナス帯電させ、装置を収納する筺体をプラス帯電させることで、クーロン力(静電気力)で相互に引き付けてイオン結合させ、排気に残る微量の未燃ガス(炭素)などや微量に残る窒素酸化物(NO)、硫黄酸化物(SO)をマイナスイオンの作用でOH、H、Oなどの活性ラジカルによって還元する。これによって、処理後の排気を無煙、無臭、低温の汚染物質を含まないものにしている。
【0021】
図1は、本発明の有機物処理装置の一実施の形態の構成を示す概念図である。本発明の有機物処理装置は、マイナスイオンが豊富な環境で有機物を燻焼酸化という局部的な高温域での酸化分解処理を行う装置である。図1において、符号1は処理対象の有機物の燻焼処理を行う処理室、符号2は処理室1より発生した蒸気および未燃性ガスを含む空気を送出する煙道ジャケット、符号3は煙道ジャケット2から送り込まれた蒸気を蒸留液化して貯留する炭化液貯留タンク、符号4は炭化液貯留タンク3で蒸気が蒸留液化された後の空気の排気処理装置、符号5は排気処理装置4で浄化された空気を誘引して排気する誘引ファン、符号6は排気処理装置4で浄化された空気の排気口、符号1eは排気口6から排出される多量のマイナスイオンを含んだ空気の一部を処理室1に戻すマイナスイオン吸気口である。
【0022】
処理室1は、炉内排気口1a、炉内循環噴出口1bを有する四角柱状の炉体と開閉可能な処理物投入口1d、セラミック状残滓取出口1c、マイナスイオン吸気口1e、煙道ジャケット1fからなる。処理室1に投入された処理対象物は、炉内で処理が進む過程で、下方から上方に向かい図2に示すように、セラミック状残渣層、炭化層、乾燥層、未処理層という具合に蓄積する。乾溜炭化の際の乾溜可燃性ガスは炉内壁にタールとして付着し、積層後、炭化して処理物上に落下し燻焼酸化分解される。
【0023】
処理室内の乾燥に伴って発生する蒸気と未燃性ガスは、炉内背面壁上部に設けられた炉内排気口1aより処理室の背面側にまわり、処理室背面、煙道ジャケット2を下降し、炉内背面壁下部に設けられた炉内循環噴出口1bより、炉内下部に積層するセラミック状残渣層内を対流した後、炉内側面に設けられた煙道ジャケット1fを上昇して、処理炉と炭化液(木酢液)タンク3を接続する煙道2aへと流出するように構成されている。
【0024】
煙道2aへと流出した蒸気と未燃性ガスは、炭化液(木酢液)タンク3で蒸留されて液化される。液化した炭化液(木酢液)はここに貯留される。未凝縮の蒸気と炭化液に溶け込めなかった未燃性ガス成分は、マイナスイオンによる排気処理装置4に流入する。
【0025】
排気処理装置4は5室から構成されていて、流入した未凝縮の蒸気と炭化液に溶け込めなかった未燃性ガス成分は、この第1室目に設けられたフィルター4aにより濾過される。濾過されて希薄になった未凝縮の蒸気と炭化液に溶け込めなかった未燃性ガス成分は、第2室目、第3室目、第4室目にそれぞれ設けられたマイナスイオン発生電極より発生するマイナスイオンによりマイナス帯電すると同時にその臭気が分解される。
【0026】
マイナスイオンの発生は、直流放電方式とする。空気イオン発生部が「放電極」とこれに対向する「対向電極」とからなり、放電極と対向電極間に直流の高電圧を印加して空気イオンを発生させる方式で、微弱な電流で高濃度の空気イオンを発生することができる。
【0027】
マイナスイオンによりマイナス帯電した蒸気と未燃性ガス成分は、プラス帯電する排気処理装置収納筺体との間で作用するクーロン力(静電気力)により引きつけられてイオン結合する。イオン結合してできた結晶微粒子は、最終フィルター4cにて濾過される。
排気処理装置4で浄化された排気は、誘引ファン5によって誘引され排気口6から排出される。この排出口6は銅製で、銅の触媒効果によって臭気の分解がなされる。
【0028】
誘引ファン5は、直接排気には接触せず、吹上圧により誘引する構造をとっている。また、排気は高濃度のマイナスイオンを含んでおり、この高濃度のマイナスイオンと吹き上げ空気を、処理室1のマイナスイオン吸気口1eから取り込んで炉内に循環させることで、乾溜炭化および燻焼の効果を増大させる構造となっている。
【0029】
次に、上述の有機物処理装置を使用する本発明の有機物処理方法を説明する。本発明の方法によって処理できる廃棄物は、厨芥などを含む都市ごみや一般の産業廃棄物などのうち、通常の焼却が可能な可燃物であれば良い。従来の焼却方法とは異なり、バーナーや送風機は使用せず、燻焼酸化という局部高温域における酸化分解を特徴とする。また、乾溜可燃ガスを燃焼させないことで有害ガスの発生を防ぐことから、従来、不燃物として焼却対象から除外されていた廃棄物でも、有機物であれば、どのような物品でも本発明の処理方法の処理対象物として取り扱うことができる。
【0030】
処理対象の有機物は、処理室1の上部、処理物投入口1dを開いて処理室内に投入される(図2の(1))。その後、排気処理装置4のスイッチを入れ、マイナスイオンの発生と誘引ファン5を起動させる。そうして、セラミック状残渣取出口1cより点火バーナーなどを用いて処理物に点火する。処理物投入口1dおよびセラミック状残渣取出口1cを閉じると、マイナスイオン吸気口1eより供給する空気イオンで、炉内ではマイナスイオンの作用により電気陰性度が大きくなり、酸化還元電位を低下させ、還元雰囲気になり、乾溜炭化が始まる。
【0031】
やがて、炉内では底部に蓄積するセラミック状残渣と、乾溜炭化によってできた炭化物の接触面で燻焼酸化が開始される。同時に、下方から上方に向かい、図2で示すように、セラミック状残渣、炭化層、乾燥層、未処理層と積層構造(図2の(2))が生まれてくる。
【0032】
乾溜炭化の際の乾溜可燃性ガスは、炉内壁にタールとして付着し、積層後、炭化し処理物上に落下して、その後、燻焼酸化分解する。また、処理室内の乾燥に伴う蒸気と未燃性ガスは、炉内背面壁上部に設けられた炉内排気口1aより処理室の背面側にまわり、処理室背面、煙道ジャケット2を下降し、炉内背面壁下部に設けられた炉内循環噴出口1bより、炉内下部に積層するセラミック状残渣層に噴出し、炉内下部に積層するセラミック状残渣層内を対流する(図2の(3))。この時に、セラミック状残渣に含まれるカルシュウムアルミネート系鉱物{CaO(酸化カルシュウム)やAl(酸化アルミニュウム)などの鉱物}には、できた塩を固定する性質があるため、セラミック状残渣表面で塩が固定されて、モノサルフェートを経て、フリーデル塩という物質に変化する。この物質はきわめて安定しており、塩素(Cl)は二度と分離しない。その後、乾溜炭化と燻焼酸化に伴う発煙は、炉内側面に設けられた煙道ジャケット1fを上昇し、処理炉と炭化液タンク3を接続する煙道2aへと流出する(図2の(4))。
【0033】
煙道2aへと流出した蒸気と未燃性ガスは、炭化液(木酢液)タンク3で、凝縮され液化される(図2の(5))。液化された炭化液(木酢液)は、タンクに貯留され、定期的に排出される。未凝縮の蒸気と炭化液に溶け込めなかった未燃性ガス成分は、マイナスイオンによる排気処理装置4に流入する(図2の(6))。
【0034】
排気処理装置4は5室から構成されていて、流入した未凝縮の蒸気と炭化液に溶け込めなかった未燃性ガス成分は、第1室目に設けられたフィルター4aによって濾過される。濾過されて希薄になった未凝縮の蒸気と炭化液に溶け込めなかった未燃性ガス成分は、第2、第3、第4室に設けられたマイナスイオン発生電極より発生するマイナスイオンによってマイナス帯電するとともに臭気が分解される(図2の(7))。
【0035】
マイナスイオンによりマイナス帯電した蒸気と未燃性ガス成分は、プラス帯電する排気処理装置収納筺体との間で作用するクーロン力(静電気力)により引きつけられてイオン結合する。イオン結合してできた結晶微粒子は、最終フィルター4cにて濾過される。
【0036】
排気処理装置4で浄化された排気は、誘引ファン5により誘引されて排気口6より排出される。この排出口6は銅製で、銅の触媒効果によってここでも臭気の分解が行われる(図2の(9))。
誘引ファン5は、直接排気には接触せず吹上圧により誘引して排気する(図2の(8))。排気は高濃度のマイナスイオンを含んでおり、この高濃度マイナスイオンと吹上空気を処理室1のマイナスイオン吸気口1eより炉内に循環させる(図2の(10))。
【0037】
本発明の有機物処理方法において、処理対象物の含水量によって、処理時間に差異は認められるが、炉内全体では燻焼による局部高温域でもダイオキシン類発生温度域には達せず、ダイオキシン類をはじめ有害物質の発生を抑制することができる。また、燻焼による局部(極点)酸化分解では、面領域や線領域ではなく、点で完全酸化分解を可能にし、残渣物を完全に無機物化(セラミック化)できる。このように、処理過程において火炎燃焼は伴わず、煤塵等の発生はない。また、従来の燃焼型焼却炉で行われる煤塵処理や、ダイオキシン類の発生を抑圧する対策として行われる活性炭や消石灰の吹き込み、その後のバグフィルターでの濾過といった処方を、ミネラル(金属)を多量に含むセラミック状残渣層内を対流させることで不要にしている。さらに、減容率も従来の通常の焼却処理よりも高く、残渣の再処理も不要で、また、残ったセラミック状残渣は、消臭剤や殺菌剤、抗菌剤、土壌改良剤などの有価物資源としての再利用が可能である。
【0038】
また、炭化液(木酢液)タンク3で回収される炭化液(木酢液)は、乾溜炭化に伴う発煙を凝縮させたもので、アルコール類(メタノール、ブタノール、アミルアルコール)、酸類(酢酸、蟻酸、酪酸、プロピオン酸)、フェノール類(クレゾール、グアヤコール、オイゲノール)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、フルフラール)、中性物質(アセトン、バレロラクトン、マルトール)、塩基性物質(アンモニア、メチルアミン、ピリジン)といった化合物が含まれる。
炭化液(木酢液)は、処理物が熱分解によって安全な成分になったもので、植物の成長を促進させたり、逆に阻害させたりする作用、殺虫作用、消臭作用がある。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の有機物処理方法は、処理可能な有機性廃棄物を乾溜炭化して、その後、燻焼による火炎を伴わない局部酸化で分解処理するもので、その過程で熱の発生が少なく、最終的に発生する無害な排気と無害な残渣は有用な資源として転化することができる。この排気中には、塩化水素、硫黄酸化物、窒素酸化物などの環境汚染ガスは含まれず、また、排気や残渣中にダイオキシン類などの有害物質も含まれることがなく、しかも煤塵の放出も起こらないという効果を有している。
そうして、本発明の有機物処理方法を実現するに適する本発明の有機物処理装置は、小型で高性能、低価格という要素を備え、性状の異なる種々の有機物を、環境汚染を引き起こすことなく酸化分解処理できる特徴を有し、操作が容易であり、処理後の廃棄物も有機物ではなく、無機物として回収することができるので、回収コストの低減化を可能にし、また、無機物として廃棄物を回収できるので、自然回帰の蘇生期を短縮することができる。そうして、廃棄物を発生したところで、発生した量だけ安全に処理し、残渣は資源として利用でき、循環型社会の構築に寄与することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機物処理装置の構成を示す概念図である。
【図2】本発明の有機物処理装置における炉内処理積層構成と発煙の流動経路を示す図である。
【符号の説明】
1   処理室
1a  炉内排気口
1b  炉内循環噴出口
1c  セラミック状残滓取出口
1d  処理物投入口
1e  マイナスイオン吸気口
1f  煙道ジャケット
2   煙道ジャケット
3   炭化液貯留タンク
4   排気処理装置
4a  フィルター
4b  マイナスイオン発生電極
4c  最終フィルター
5   誘引ファン
6   排気口

Claims (6)

  1. 処理対象の有機物にマイナスイオンを作用させ酸化還元電位を低減させるマイナスイオン処理手段と、
    このマイナスイオン処理手段によってマイナスイオンを作用された前記処理対象の有機物を燻焼(極点無火炎燃焼)する燻焼炉と
    を具備することを特徴とする有機物処理装置。
  2. 前記マイナスイオン処理手段は、
    マイナスイオンを発生させるマイナスイオン発生手段と、
    このマイナスイオン発生手段で発生したマイナスイオンを含むイオン化空気を前記燻焼炉内に送り込むとともに、前記燻焼炉内の蒸気や未燃性ガスを含む排気を前記マイナスイオン発生手段に送り込んで循環させる循環手段と
    を有することを特徴とする請求項1に記載の有機物処理装置。
  3. 前記燻焼炉は、無酸素状態で燻焼することで、燻焼による熱で熱分解されて発生したガスを燃焼させず、その成分をタールとして炉内壁に付着させ、さらに炭化して落下したものを再度燻焼処理することを特徴とする請求項1に記載の有機物処理装置。
  4. 前記燻焼炉は、無酸素状態で燻焼させ燻焼が極点で行われることで、炉内全体温度を低温のままで処理を行わせ、有害物質の発生を抑圧することを特徴とする請求項1に記載の有機物処理装置。
  5. 前記マイナスイオン処理手段は、前記排気をマイナスイオン化してマイナスに帯電させる機能を有し、一方、装置を収納する筺体をプラス帯電させるプラス帯電手段を設け、前記排気を前記筺体との間でクーロン力(静電気力)によりイオン結合させることで無害化することを特徴とする請求項1に記載の有機物処理装置。
  6. 処理対象の有機物にマイナスイオンを作用させ酸化還元電位を低減させるマイナスイオン処理過程と、
    このマイナスイオン処理過程でマイナスイオンを作用された前記処理対象の有機物を燻焼(極点無火炎燃焼)する燻焼過程と、
    前記燻焼過程で発生する排気をさらに燻焼部分へ循環させる循環過程と
    を具備することを特徴とする有機物処理方法。
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