JP4173761B2 - セラミックス生成方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミックス生成方法および装置に関するものであり、特に、有機廃棄物の熱分解工程においてセラミックスを生成するリサイクル型のセラミックス生成方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
セラミックスは、通常、原料となる無機物と微量成分とを組み合わせて、これを焼結して製造する。従って、従来のセラミックス製造方法では焼成工程が必ず必要であり、この焼成に多大なエネルギーを必要とする。なお、セラミックスメーカーは原料となる無機物をわざわざ購入して、セラミックスを製造しているのが現状である。
【0003】
また、悪臭物質の吸着、分解効果や、殺菌効果の高い良質のセラミックスを生成するには、原料を還元雰囲気中で焼成したのち、酸化雰囲気中で再度焼成するといった工程が必要であり、多くの手間が必要である。また、そのための装置として、酸化炉と還元炉が必要であり、設備投資にも多大なコストがかかる。
【0004】
一方で、ゴミ等のいわゆる産業廃棄物の処理方法としては、焼却炉にて消却することが一般的に行われている。この焼却処理は、廃棄物の減容率をゼロに近づけることが可能であるが、焼却に多大な外部エネルギーが必要であると共に、焼却時にダイオキシンや、二酸化炭素が発生し、対環境性に問題がある。この問題を解決すべく、最近では、炭化炉や熱分解反応を利用して産業廃棄物の処理がなされるようになっている。都市ゴミを還元雰囲気下で熱分解することによって、廃棄物を完全燃焼させて、ダイオキシンや炭酸ガスの発生を抑制するようにした都市ゴミの処理装置や、さらには、この熱分解工程で生じる熱や、水等の資源を再利用するシステムが、数多く、開発されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−230522号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したとおり、従来のセラミックスの製造工程では、電気あるいは火力を利用した焼成工程に多大なエネルギーが必要であり、また、この燃焼工程において、ダイオキシン類が発生したり、あるいは炭酸ガスの発生により地球温暖化が進むといった問題が生じている。さらに、セラミックスの原料となる無機物の購入にもコストがかかるため、セラミックスの製造コストが高くなるという問題もあった。
【0007】
本発明は、有機物、特に都市ゴミ等の産業廃棄物中に含まれている、紙、木、ビニール類(塩化ビニール、ポリエチレン、ポリエチレン、ポリスチレン等を材料とするもの)、食品残土等を原料とし、これらの有機廃棄物を熱分解する工程を利用してセラミックスを生成する方法および装置を提供せんとするものである。
【0008】
本発明によれば、上記のような産業廃棄物を原料としてセラミックスを生成することができるため、原料コストの低減を図ることができるとともに、この産業廃棄物の通常の処理工程である熱分解処理を利用することができるので、外部エネルギーをほとんど用いることなくセラミックスを生成することが可能となり、原料コストの低減と相まってセラミックスの製造コストを大幅に下げることが可能となる。
【0009】
また、本発明によれば、良質のセラミックスを得るために必要な還元と酸化の両工程を一度に行うことが可能であり、より簡易な装置で良質のセラミックスを得ることができる。本発明の方法で生成したセラミックスは、悪臭物質の吸着、分解、また、大腸菌、サルモネラ菌、MRSA等のバクテリアの殺菌効果に大変にすぐれている。さらには、このセラミックス生成過程の副産物としてできた木酢液も、防虫剤や、土壌改良材等、様々な分野で有効に利用できすることが可能である。
【0010】
なお、上述したとおり、産業廃棄物の熱分解処理はダイオキシンや炭酸ガスの発生を抑制するため最近では広く利用されているが、従来の熱分解処理では、廃棄物を炭化するまでの処理が行われるのみで、多量の有機物を炉内に残した状態で熱分解反応を終了させるものであり、廃棄物の減容率も1/10〜1/20程度でしかない。また、従来の熱分解装置では、熱分解によって発生したガスを2次燃焼室で燃焼させているため、排ガス処理においてダイオキシンや炭酸ガスが発生するという問題がある。本発明は、熱分解処理の開始から排ガス処理に至るまで、燃焼工程が一切ないため、非常に高い安全性を提供することができる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のセラミックス生成方法は、
微量の無機成分を含有する原料有機物を熱分解させる工程と、当該熱分解工程で発生したガスを処理するガス処理工程とを具え、当該熱分解工程が:
前記原料有機物を前記無機成分を含む炭化物と、ガス成分とに分解する工程と;
前記分離した炭化物に対して多量の電子と微量の酸素成分と共に送り込んで前記反応槽内を還元雰囲気に保つと共に、前記炭化物を更に分解してガス化して前記炭化物から前記無機成分を分離する工程と;
前記分離させた無機成分が前記電子と共に送り込まれた酸素成分と反応して酸化物を形成する第3工程と;
を具えることを特徴とする。
【0012】
本発明のセラミックス生成方法では、有機物の熱分解工程においてできる炭化物に対して多量の電子を送り込むことによって、炭化物をさらに分解してガス化して炭化物から無機成分を分離され、この電子と共に送り込まれた微量の酸素が、炭化物から分離された無機成分とが結合して無機酸化物、すなわちセラミックスが生成される。
【0013】
有機物の熱分解工程を利用しているため、セラミックスの生成に従来必要とされていた焼成工程が不要となり、製造コストを大幅に下げることができる。また、本発明によって生成したセラミックスは、還元工程と酸化工程を経て生成したものであるため、非常に高い悪臭成分の吸着、分解、殺菌効果を示す。
【0014】
本発明の方法では、微量の無機成分を含むものであれば、あらゆる有機物を原料とすることができるが、とくに、産業廃棄物に含まれる紙、木、ビニール類(塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)、あるいは食品残土等を好適に原料とすることができる。現在では、産業廃棄物を熱分解処理することは広く行われており、従って、わざわざ、セラミックス原料(無機物)を購入することなくセラミックスを生成することが可能となり、製造コストを低減することができる。
【0015】
さらに、本発明のセラミックス生成方法は、前記ガス処理工程が、前記熱分解工程で発生したガスを冷却して液化し、この液体を収集する工程を具えることを特徴とする。
【0016】
このように、熱分解工程で発生したガスは、炭化物がガス化したものであるためカーボン成分を含み、これを液化したものは木酢液となる。本発明の装置で収集した木酢液は、中和処理を行う等の二次加工を施すことによって、防虫剤や土壌改良材として有効に利用できすることができる。
【0017】
なお、本発明のセラミックス生成方法においては、前記原料有機物が3000カロリー/g以上の熱量を有するものであることが好ましい。原料がこの程度のカロリーを有することによって、熱分解が活発に行われ、効率よくセラミックスを生成することができる。
【0018】
本発明にかかるセラミックス生成装置は、材料投入口と、セラミックス取り出し口を具える熱分解反応槽と、前記熱分解反応槽内にできた炭化物に多量の電子および微量の酸素を送り込む電子/酸素供給手段と、前記熱分解反応槽内で生じた排ガスを収集する排ガス収集手段とを具えることを特徴とする。
【0019】
このように、本発明の装置では、熱分解反応によってできた炭化物に多量の電子を送り込むようにしているため、反応槽の上部は常に還元雰囲気に保たれると共に、炭化物が更に分解されてガス化して行く。また、反応槽の下部では、前記電子と共に送り込まれた微量の酸素成分と、炭化物から分離された微量の無機成分(ミネラル)とが反応してセラミックスが生成される。本発明の装置では、廃棄物の熱分解反応槽を利用できるとともに、この一つの反応槽のみでセラミックスを生成することができるため、大がかりな設備なくしてセラミックスを生成することが可能である。また、酸化と還元の両工程を経てセラミックスを生成しているため、悪臭物質の吸着、分解作用、および殺菌効果等に優れた良質のセラミックスを提供することができる。
【0020】
さらに、生成物取り出し口から生成したセラミックスを順次取り出すことにより、原材料の連続投入が可能となり、装置の稼働効率を高めることができる。
【0021】
なお、前記電子/酸素成分供給手段が、電子発生装置および当該装置で発生した電子を前記熱分解反応槽内へ送り込む通路とで構成されており、前記電子/酸素成分供給手段によって供給される酸素成分を前記電子発生装置から電子を送り込む際に同時に送り込まれる空気中の酸素成分とすることが好ましい。
【0022】
また、本発明のセラミックス生成装置は、前記排ガス収集手段にて収集した排ガスに、電子を送り込む第2の電子供給手段を具えることを特徴とする。本発明の装置の熱分解反応槽から排出されるガスには、ダイオキシンや炭酸ガスはほとんど含まれていないが、微量ではあるがこれらの物質が残ることがあるため、完全を期すべく、これに電子(マイナスイオン)を供給して無害化して、排気するようにする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して本発明のセラミック生成装置について説明する。
図1は、本発明のセラミックス生成装置の全体の構成を説明するための図である。
【0024】
本発明の装置は、熱分解反応槽1と、当該反応槽1内へ電子/酸素を供給するための電子発生装置2と、熱分解反応槽1内で発生した反応ガスを収集する反応ガス収集タンク3と、ここで収集した排ガスを処理する排ガス処理装置4を具える。
【0025】
熱分解反応槽1は、上部に原料投入口11と、下部にセラミックス取り出し口12を、更に、反応ガス収集用開口13を具える。なお、原料投入口11と、セラミックス取り出し口12は、これらを閉じることによって、反応槽1内を気密に保ち得るように構成されている。反応ガス収集用開口13は、ダクト13aを介して反応ガス収集タンク3と連通しており、反応槽1内で発生したガスは、ダクト13aを介して反応ガス収集タンク3に導入される。なお、タンク3は、更にダクト13bにて排ガス処理装置4に連通している。排ガス処理装置4の上流側には、吸引ブロア14が設けられており、反応ガスの収集タンク3への導入を容易に行えるようにしている。
【0026】
本発明の装置は、更に電子発生装置2を具えており、反応槽1の側部から、反応槽1内に電子を送り込むように構成されている。電子発生装置2は、どのような構成の装置を用いても良いが、高電圧を発生させて、単極の出力電極から電子を発生させる形式のものや、あるいは、空気を強磁場に通過させて空気中の電子を励起して電子を発生させる形式のもの、さらには電子を連続的に放出する鉱物を利用した装置などを特に好適に利用することができる。なお、電子を送り込む位置は、反応槽1内において、後述する炭化層ができる位置に送り込むようにする。
【0027】
排ガスタンク3は、その下部に、タンク内壁に結露した液状成分(木酢液)を受ける受け部(図示せず)、及びこの液状成分の取り出し口3aを具えている。
【0028】
以下に、本装置におけるセラミックス生成工程を説明する。
【0029】
まず、稼働初期工程を説明する。原料投入口11から原料となる有機廃棄物を投入し、反応槽1の下方に設けられているセラミック取り出し口12から、バーナー等の着火手段を用いて原料に直接火を付ける。ここで、原料投入口11を解放して、反応槽1内に酸素を取り入れて原料を一旦燃焼させ、その後、原料投入口11と、セラミックス取り出し口12を閉じる。
【0030】
原料投入口11と、セラミックス取り出し口12を閉じることによって、当然、原料の燃焼は止まり、火は消えることになるが、熱分解反応槽1内の温度は、先の燃焼によって300〜500度程度まで上昇しているため、反応槽1内で原料の熱分解が開始する。原料には、少なくとも3000カロリー/g程度の熱量を有する有機物を使用して、自己の有する熱量で熱分解が行われるようにする。このような有機物として、例えば都市ゴミ中の、紙、木、ビニール類(塩化ビニール、ポリエチレン、ポリエチレン、ポリスチレン等を材料とするもの)、食品残土等を好適に利用することができる。
【0031】
上記初期の燃焼、および熱分解によって発生したガスは、煙状となり、ダクト13aを介してタンク3側へ流れて行く。
【0032】
上述したとおり、本装置は、電子発生装置2を具えており、この装置2から反応槽1の側壁に設けた電子供給口から反応槽1内に電子を供給するように構成されている。すなわち、熱分解によって反応槽1内に生じたガスがタンク3に流れ出た分だけ、空気と共に電子が反応槽1内に流れ込むことになる。反応槽1内には、電子と共に流れ込む空気に含まれている酸素も当然に送り込まれることになるが、送り込まれる電子のエネルギーがこれに勝るため、反応槽1内は還元雰囲気に保たれ、槽内の温度が上昇しても、原料が発火することはない。
【0033】
すなわち、熱分解槽1内では、原料として投入した有機物自らの有するカロリーを利用して熱分解が行われる。熱分解が進むと、原料有機物は炭化物となり、熱分解反応槽1の下部に炭化層5ができてゆく。なお、電子発生装置2の電子供給口は、上述の炭化層ができる位置に設けられており、炭化層5ができた後は、この炭化層に向けて電子および空気(酸素成分)が供給される。
【0034】
上述の通り、有機物原料を投入して着火し、原料をある程度燃焼させて、空気を遮断して火を消すと、この燃焼により発生した熱で、有機物の熱分解とガス化が始まる。すなわち、原料中に含まれているカーボン分及び微量の無機ミネラル分以外の成分がガスとして蒸散する。残ったカーボン分は、炭化槽となって反応槽1の下部に溜まってゆく。炭化層内に電子発生器から電子を多量に送り込むことによって、炭化層の熱分解が更に進み、このカーボン分もガスとなって蒸散して、最終的に、原料中に含まれている無機ミネラル分のみが残留する。この無機ミネラル分が電子発生装置2から進入してくる空気に含まれる微量の酸素と結合して、無機酸化物、つまりセラミックス6として反応槽1の底部に残留することになる。このセラミックス6を反応槽1の下部あるいは底部に設けたセラミックス取り出し口12から取り出して利用する。
【0035】
本発明の方法により生成されるセラミックスは、原料に含有されている微量の無機物が酸化物となって残留したものであるため、その重量は、最初に投入した有機物原料の、数百分の1程度である。したがって、原料に対する生成物回収率は、低いものではあるが、産業廃棄物を有効に利用することが可能である。この産業廃棄物は、最近では熱分解処理を行って処理する方法が広く行われており、この廃棄物の熱分解装置をわずかに改良するのみで、廃棄物の処理の一環としてセラミックスを生成することが可能となる。
【0036】
また、この方法によって生成したセラミックスは、還元工程を経て生成されたものであるため、優れた脱臭性、抗菌性を有しており、多方面において有効に利用することができる。
【0037】
なお、投入した有機物が少なくなると、反応槽1内のカロリーが少なくなり熱分解が弱くなって、反応槽1内の温度が低下してしまう。この温度の低下による、熱分解サイクルの停止を防ぐために、常時、原料を投入し続けるのが好ましい。すなわち、一旦稼働を開始したら、本装置は、材料を投入し続けるだけで連続的に稼働させることができるため、装置を効率よく稼働させることができる。
【0038】
上述した熱分解の過程で発生するガスは、原料中に含まれていた油脂分や、水素、炭素を多量に含んでおり、可燃性ガスである。通常の、産業廃棄物の熱分解装置は、燃焼室を別に設けてこのガスを燃焼させるようにしている。しかしながら、このガスを燃焼させると、ダイオキシンの発生による公害問題や、炭酸ガスの発生による地球温暖化の問題が生じるため、本発明の装置では、独自のガス処理を行うようにしている。以下に、このガス処理について説明する。
【0039】
まず、ガスは、排ガスタンクに進入する。このタンクは外気と接しているため、自然冷却されており、従って進入したガスは冷却されてタンク内面に結露し、液体として回収することができる。この回収した液体はカーボンが主成分であり、木酢液(CH3COOH)の状態となり、中和処理等の二次処理を行うことによって、防虫剤、土壌改良材等に利用することができる。なお、投入原料によっては、油脂分や、アンモニア等が含まれることもあるので、適宜、これらの成分を除去する処理を行うものとする。
【0040】
排ガスタンク内の結露現象で回収できなかったガスは、極度の酸性ガスであるため、排ガス処理装置4にて水酸化ナトリウム等のアルカリ水で中和処理をする。更に残ったガスは、最終的に排気する前に還元装置として、電子発生装置(図示せず)を通過させて還元させ、ダイオキシン、炭酸ガス等を発生させないようにして外部に排気する。
【0041】
なお、排ガスタンク3の下流側に、ガス吸引装置14としてファン、あるいはポンプを設けるようにする。
【0042】
本願発明者は、上述した装置で熱分解を行って生成したセラミックスの特性を確認するため、以下の通りの消臭試験と抗菌試験を行った。
【0043】
(1)消臭試験
検体として、ゼオライト5g(検体1)と、本発明の装置にて生成したセラミックス粉末5g(検体2)を用意して、図2に示す試験装置を用いて消臭試験を行った。
【0044】
試験装置20として、寸法300×300×300mm、容量約27リットルのアクリル容器21を用意した。容器21は、試験ガス注入装置22が設けられており、容器21内に試験ガスを注入できるようになっている。容器21内に、上側に複数の孔を有する検体容器23を入れ、この検体容器23の上に反応ファン24(1.2m3/分)を置いて、容器21内のエアを攪拌できるようにした。容器21は更に、ガスの吸引測定口25を具えており、ここからポンプ26にて内部のガスを吸引して、検知器27にてその濃度を測定するように構成されている。なお、符号28は、検体挿入口である。
【0045】
試験ガスとして、初期濃度150ppmのアンモニア(試験ガス1)と、初期濃度32ppmのホルムアルデヒド(試験ガス2)を用意した。
【0046】
上記試験ガスを試験装置20に導入して、各検体について、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、24時間後の残存ガス濃度を測定して、残存率(%)を算出した。なお、初期濃度は、試験容器21にガスを注入した2分後に測定した数値である。
【0047】
試験ガス1についての、残存濃度の変化及び残存率を図3に、試験ガス2についての、残存濃度の変化及び残存率を図4に示す。
【0048】
これらの試験結果に明らかなとおり、本製品セラミックスは、消臭剤として一般的に使用されているゼオライトに比較して、ガスの残存濃度が有意に低く、従って高い消臭効果があることがわかる。
【0049】
(2)抗菌試験
試料として、本発明の装置で生成したセラミックス粉末を滅菌生理食塩水を用いて、0.01%,0.05%,0.1%,0.5%,1.0%,10.0%に希釈して検体、およびコントロール検体を用意した。
【0050】
供試菌として、
1)Eschericia coli 大腸菌 KEC-B-001
2)Staphylococcus aureus 黄色ブドウ球菌 KEC-B-002
3)Pseudomonas aeruginosa 緑濃菌 KIEC-B-003
4)Bacillus sobtillus 枯草菌 KEC-B-007
5)Salmonera typhimurium サルモネラ菌 KEC-B-009
を用意し、これらの菌をSA培地で、37℃、24時間前培養して試験に供した。
【0051】
図5は、本抗菌試験の試験手順を示す図である。
前培養した供試菌は、滅菌生理食塩水を用いて107×CFU/mlになるように調整した。この細胞液を各試験検体に0.1ml接種して、室温下、振倒機にて185/rpnの振倒処理を行い、所定時間(24時間、48時間)後に、被検物質0.1mlを無菌的に取り出して、滅菌生理食塩水で10倍希釈段階系列を作成した。次いで、これを、PDA培地に塗沫接種して、細菌は37℃で2日間、酵母は25℃で2日間、カビは28℃で7日間培養して、培地上に形成されたコロニーを測定した。
【0052】
図6乃至図11は、上記抗菌試験の試験結果を示す表である。各表に示すとおり、本発明によって生成したセラミックスには著しい抗菌効果が見られる。
【0053】
【発明の効果】
本発明のセラミックス生成方法では、焼成工程を経ることなくセラミックスを生成することができるので、エネルギーの削減を図ることができ、また、ダイオキシンの発生による公害問題や、炭酸ガスの発生による地球温暖化の問題を引き起こすことなく、セラミックスを生成することができる。
【0054】
本発明の方法によれば、初期段階で一旦運転を開始すると、有機物の熱分解によっって装置内の温度が約300〜500度に維持されるため、原料自らが熱分解に必要な温度を作り出すので、装置の運転自体も低コスト、低公害で行うことができる。
【0055】
また、原材料に、有機系廃棄物を利用することができるため、廃棄物のリサイクルが有効に行われる。
【0056】
さらに、本発明の方法で生成したセラミックスは、還元工程を経たものであるため、脱臭性、抗菌性に優れ、様々な分野で利用することができる。また、排ガスを液化してできた木酢液も、二次加工を施すことにより、有効に利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のセラミックス製造装置の構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の装置で生成したセラミックスの消臭試験に用いた試験装置の構成を示す図である。
【図3】図3は、本発明の装置で生成したセラミックスの消臭試験の結果を示すグラフである。
【図4】図4は、本発明の装置で生成したセラミックスの消臭試験の結果を示すグラフである。
【図5】図5は、本発明の装置で生成したセラミックスについて行った抗菌試験の手順を示す図である。
【図6】図6は、本発明の装置で生成したセラミックスの抗菌試験の結果を示す表である。
【図7】図7は、本発明の装置で生成したセラミックスの抗菌試験の結果を示す表である。
【図8】図8は、本発明の装置で生成したセラミックスの抗菌試験の結果を示す表である。
【図9】図9は、本発明の装置で生成したセラミックスの抗菌試験の結果を示す表である。
【図10】図10は、本発明の装置で生成したセラミックスの抗菌試験の結果を示す表である。
【図11】図11は、本発明の装置で生成したセラミックスの抗菌試験の結果を示す表である。
【符号の説明】
1 熱分解反応槽
2 電子発生装置
3 排ガスタンク
4 排ガス処理装置
11 材料投入口
12 生成物取り出し口
13 排気口
13a ダクト
13b ダクト
13c 木酢液受け部
14 吸引装置
Claims (7)
- 微量の無機成分を含有する原料有機物を熱分解させる工程と、当該熱分解工程で発生したガスを処理するガス処理工程とを具え、当該熱分解工程が:
前記原料有機物を前記無機成分を含む炭化物と、ガス成分とに分解する工程と;
前記分離した炭化物に対して多量の電子と微量の酸素成分を送り込んで前記反応槽内を還元雰囲気に保つと共に、前記炭化物をガス化して前記無機成分を前記炭化物から分離する工程と;
前記分離させた無機成分が前記電子と共に送り込まれた酸素成分と反応して酸化物を形成する工程と;
を具えることを特徴とするセラミックス生成方法。 - 請求項1に記載のセラミックス生成方法において、前記原料有機物が産業廃棄物であることを特徴とするセラミックス生成方法。
- 請求項1又は2に記載のセラミックス生成方法において、前記ガス処理工程が、前記熱分解工程で発生したガスを冷却して液化し、この液化物を収集する工程を具えることを特徴とするセラミックス生成方法。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のセラミックス生成方法において、前記原料有機物が少なくとも、3000カロリー/gの熱量を有するものであることを特徴とするセラミックス生成方法。
- 材料投入口と、セラミックス取り出し口を具える熱分解反応槽と、前記熱分解反応槽内にできた炭化物に多量の電子および微量の酸素成分を送り込む電子/酸素成分供給手段と、前記熱分解反応槽内で生じた排ガスを収集する排ガス収集手段とを具えることを特徴とするセラミックス生成装置。
- 請求項5に記載のセラミックス生成装置において、前記電子/酸素成分供給手段が、電子発生装置および当該装置で発生した電子を前記熱分解反応槽内へ送り込む通路とで構成されており、前記電子/酸素成分供給手段によって供給される酸素成分は前記電子発生装置から電子を送り込む際に同時に送り込まれる空気中の酸素成分であることを特徴とするセラミックス生成装置。
- 請求項5又は6に記載のセラミックス生成装置において、前記排ガス収集手段にて収集した排ガスに、電子を送り込む第2の電子供給手段を具えることを特徴とするセラミックス生成装置。
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