JP2004136031A - ゴルフクラブ - Google Patents

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Abstract

【課題】傷が目立つことなく、長期間にわたって光輝性を有する外観を維持することのできるゴルフクラブを提供すること
【解決手段】ホーゼル部22を介してシャフト12に取付けられ、ボールを打球するフェース18と、このフェースの反対側に位置するバック部34とを有する金属製のクラブヘッド14を備え、板状の金属材料で形成されてフェース18を表面に形成されるフェース部20が、微小な凹凸状態の粗面を形成されかつ金属材料よりも高硬質の硬質層40と、この硬質層を覆いかつ光を乱反射する粗外面を形成された極薄のセラミック被膜層42とを配置した裏面38を有し、このフェース部の裏面38は、バック部34に対して凹設された位置に配置される。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホーゼル部を介してシャフトに取付けられ、ボールを打球するフェースと、このフェースの反対側に位置するバック部とを有する金属製のクラブヘッドを備えたゴルフクラブに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、金属製のクラブヘッドにメッキ処理や金属蒸着層等の表面処理を行うことが知られている。
このようなクラブヘッドの表面処理の例として、金属製のヘッド本体をメッキ処理して内層を形成し、この内層の上にチタン合金を主成分とする中間層と外層とを物理蒸着することにより、三層構造の表面処理層を形成するものがある(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このような三層構造の表面処理層により、ヘッド本体の耐磨耗性、耐傷性、耐陥没性が向上することに加え、錆びの発生を抑制することができる。
【0004】
【特許文献1】
特開昭10−251号公報 (第3,4頁、図1,2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、フェースの反対側に位置するバック部は、クラブヘッドのトウ部とヒール部との間が大きく窪んだ凹設構造を有するため、表面処理が不十分となる。このため、色むらが生じ、あるいは、光輝性が損なわれ、外観不良を生じ易い。
また、クラブヘッドの他の部分については、所要の表面処理層を維持できるとしても、砂や土との接触により凹部等の窪んだ部分が傷付いた場合は、傷が広がりやすく、所期の機能を長期間にわたって維持することが困難であると共に、経時変化により外観が損なわれる点で改善することが望まれている。特に、金属蒸着層は、光輝性による優れた外観を形成するものの、一旦、傷が付くと、このような傷による不具合も目立ち易い。
【0006】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、例え砂や小石で傷ついた場合であっても、傷が目立つことなく、長期間にわたって光輝性を有する外観を維持することのできるゴルフクラブを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のゴルフクラブは、ホーゼル部を介してシャフトに取付けられ、ボールを打球するフェースと、このフェースの反対側に位置するバック部とを有する金属製のクラブヘッドを備え、板状の金属材料で形成されて前記フェースを表面に形成されるフェース部が、微小な凹凸状態の粗面を形成されかつ前記金属材料よりも高硬質の硬質層と、この硬質層を覆いかつ光を乱反射する粗外面を形成された極薄のセラミック被膜層とを配置した裏面を有し、このフェース部の裏面は、前記バック部に対して凹設された位置に配置されることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1から図4は、本発明の好ましい実施形態によるゴルフクラブを示す。
本実施形態のゴルフクラブは10は、例えば繊維強化樹脂あるいは金属で中空構造に形成したシャフト12の先端にクラブヘッド14を取付け、天然ゴムあるいは合成ゴム等の柔軟性や軟質材料で形成したグリップ16を基端に取付けたアイアンクラブとして形成してある。なお、本発明のゴルフクラブには、アイアンクラブの他にも、ピッチングウェッジ、サンドウェッジあるいはパター等のウッドクラブ以外のものであってもよい。
【0009】
図2に示すように、本実施形態のクラブヘッド14は、高弾性かつ高強度のフェース18を表面に形成するフェース部20を板状の金属材料で形成し、この板状のフェース部20を金属製のヘッド本体24に固定してある。このヘッド本体24は、中央部が僅かに下方に膨出したソール部26と、湾曲した先端部を形成するトウ部28と、ホーゼル部22を突出させたヒール部30と、このヒール部からトウ部に向けて上方に傾斜したトップ部32とで、フェース18側からバック部34(図4参照)に貫通する開口36を区画したフレーム状に形成してあり、この開口36にフェース部20が固定される。本実施形態では、開口36は段付き構造(図4参照)に形成してあり、この段部でフェース部20の周部を支えると共に、フェース18をヘッド本体24と面一状に配置する。なお、この開口36に嵌合されたフェース部20は、スコアライン18aを形成した部分よりも外周側の部位で、このヘッド本体24に溶接やカシメ等により一体的に固定することが好ましい。
【0010】
このようなクラブヘッド14は、ステンレス鋼、純チタン、チタン合金、アルミニウム合金、マルエージング鋼等の金属の他、このような金属と同様な強度を有するものであればその一部あるいは全体を繊維強化樹脂、繊維強化金属等で形成することも可能であり、したがって本発明の金属製クラブヘッドにはこのような繊維強化樹脂あるいは繊維強化金属で形成されるものも含まれる。また、例えばヘッド部20あるいはヘッド本体24等のクラブヘッド14を形成する各部分を複数の材料を組合せて形成することも可能である。なお、いずれの場合にも、フェース部20は、他の部分よりも高硬度の材質や高剛性の材質、更に、高強度の材料を用いることが好ましいが、低弾性、低比重の材料でも良い。
【0011】
図3および図4に示すように、ヘッド本体24は、トップ部32よりもソール部26をバック部34側に大きく突出させた低重心構造を有し、このソール部26のバック部34側の中央部からトップ部32側に向けて突出部25が突出する。このため、クラブヘッド14は、バック部34側でトウ部28とヒール部30との間およびトップ部32とソール部26との間の部位が、開口36により大きく窪むと共に、突出部25とフェース部20との間には中空部27が配置されるといった、複雑な凹設構造に形成される。なお、ウェイト部25は、複数の場合もあり、その大きさおよび形状もクラブヘッド14に必要な重心位置、慣性モーメント等の諸条件に応じて設定することができる。このような開口36および中空部27に、フェース18と反対側の裏面38が露出しており、この裏面38には、光を乱反射する粗外面を形成してあり、長期間にわたって優れた外観を維持することができる。
【0012】
図5および図6に示すように、フェース部20の裏面38には、例えばフェース部20の本体部材20aを形成する材料よりも硬質でかつ外面部を微小な凹凸状態に粗面化した硬質層40と、この硬質層上に形成したセラミック被膜膜42とが配置されている。この硬質層40は、図5に示すように、フェース部20の本体部材20aの外面部を硬質に改質することで形成し、あるいは、図6に示すように、本体部材20aとは異なる硬質材料をメッキや溶着等の表面処理を施すことで一体的に形成することができる。また、セラミック被膜層42は硬質層40の凹凸状態を維持した状態で硬質層40を覆い、光を乱反射させる粗外面を形成されている。
【0013】
図5に示すように本体部材20aの外面部を改質して硬質層40を形成する場合は、焼入れ(熱あるいは放電)、レーザードーピング、レーザー溶解硬化、プラズマ酸化、浸炭、窒化、ショットピーニング等の適宜の方法により、本体部材20aの外面部を硬化して形成することができる。このような硬質層40の表面を微小な凹凸状態とすることは、外面部を改質する前に、例えばショットピーニングにより行うことが好ましい。なお、例えば本体部材20aを形成する上述の材料以上に高硬度の微細な粒子(例えば径が100μm程度)を、例えば毎秒100m程度以上の高速で吹付ける場合には、高硬度の微粒子が本体部材20aの外面部に高速で衝突することにより、本体部材20aの外面部付近が加熱されて組織が変化し、熱処理された状態に硬化される。これにより、硬質層40の形成とこの外面を微小な凹凸状態とする粗面化とを同時に行うことができる。いずれの場合も、このような硬質層40は、3μm以上で、特に5μm〜50μmの厚さに形成することが好ましい。この理由は、耐久性、耐傷性を確保するためである。
【0014】
一方、図6に示すように本体部材20aの外面に、これと異なる材料で硬質層40を形成する場合は、図示のようにこの硬質層40の表面を粗面化することに代え、本体部材20aの表面を粗面化した後に硬質層を形成してもよい。この場合の硬質層40は、後述するニッケル、クロム、硬質クロム等の硬質金属で形成する金属層だけでなく、セラミック層を例えば溶着することで形成することもできる。このような硬質層40をメッキ処理により形成する場合は、一層に限らず複数層に形成してもよい。本体部材20aにメッキ処理を施してこのような硬質層40を形成する場合には、次のような4つの方法を採用することが好ましい。
【0015】
第1の方法は、例えば、本体部材20aをステンレス鋼で形成し、ガラスビーズ等の適宜の粒子を本体部材に噴射して下地処理を行った後、例えば厚さが1μm以下のニッケル層である第1層を形成し、この上に第2層としてニッケル層を例えば8μm以上の厚さに形成し、更に、第3層を形成するニッケル−コバルト合金層を例えば12μm以上の厚さに形成するものである。これらの第1層から第3層は、いずれも電気めっきで形成することができる。この場合の硬度は、ニッケル層が100〜500Hv、ニッケル−コバルト合金層が450〜500Hvである。
【0016】
第2の方法は、本体部材20aを鋼(例えばS20C)で形成し、100番程度の粗さのサテン研磨による下地処理を行った後、第1層を厚さ10μm以上のニッケル層で形成し、更に、第2層として5μm以上のクロム層を形成する2層構造に形成するものである。この場合のクロム層の硬度は、800〜1200Hv程度であり、耐磨耗性に優れる。
第3の方法は、第2の方法と同じ本体部材20aに、同様なサテン研磨を施した後、第1層を形成する20μm以上のニッケル層と、第2層を形成する1μm以下のニッケル層とを電気メッキした後、第3層としてニッケル−ボロン合金層を3μm以上の厚さに無電解メッキするものである。この場合のニッケル−ボロン合金層の硬度は、700〜800Hv程度であり、潤滑性および耐磨耗性に優れる。
第4の方法は、第2の方法と同じ本体部材20aにミラー研磨を施した後、第1層を形成する25μm以上のニッケル層と、第2層を形成する厚さ2μm以上のスズ−ニッケル合金層とを順に電気メッキするものである。この場合のスズ−ニッケル合金層の硬度は、500〜550Hv程度であり、耐食性および光沢性に優れる。
【0017】
なお、いずれの場合も、硬度は、マイクロビッカース硬さ計によるものであるが、断面のマクロ組織試験、または、顕微鏡組織による精密測定等により行うことも可能である。また、上述のようなメッキ処理、あるいは、溶着等の表面処理により、本体部材20aと異なる材料で形成する場合は、硬質層40の厚さを10μm以上で、特に15μm〜50μm程度に形成することが好ましい。更に、硬質層40は、一部を本体部材20aと異なる材料で形成し、他の部分を本体部材と同じ材料で形成してもよい。本体部材20aと異なる材料で硬質層40を形成する場合にあっても、この硬質層40は単一の方法に限らず、種々の方法を組合せて形成してもよい。
【0018】
このような硬質層40の外面部を微小な凹凸状態とする粗面化は、微細な筋目状の凹凸、点状の微小凹凸、あるいは、その他の形状の凹凸で形成することができる。
例えば筋目状の凹凸は、硬質層40の外面を筋目状に特定方向に研磨して、研磨目を残した状態に研磨加工することで形成することができる。この研磨加工は、サンダーベルトやサンドペーパーにより研磨することで行う。砥石の目の粗さは、80番〜320番程度のものを使用することが好ましいが、これ以外のものであってもよい。
また、点状の微小凹凸は、凸部の断面が半円以下、すなわち先端の高さが本体部材20aに近接する基端側の最大径の半分以下で、先端を含む外面が湾曲面状を形成するものが主体となることが好ましい。これは、後述するセラミック被膜層42が、凸部の頂部で局部的に磨耗するのを防止するためである。具体的には、凸部の頂部が鋭角状に尖った先端を形成するのを防止するために、高さは5μm以下で、0.5μm〜5.0μm程度とすることが好ましい。このような微小凹凸は、ショットブラスト加工により形成することができる。
【0019】
更に、粗面化された硬質層40の上に形成されるセラミック被膜層42は、極薄の装飾被膜として形成してあり、厚さcは、硬質層40の外面部の符号bで示す凹凸の深さあるいは高さよりも薄く、これにより、硬質層40の外面の微小な凹凸状態に対応した凹凸状態がセラミック被膜層42の外面に形成されることが好ましい。この硬質層40の厚さaと、凹凸深さあるいは高さbと、セラミック被膜層42の厚さcとの関係は、a>b>cの関係となるのが好ましい。
【0020】
このようなセラミック被膜層42は、硬質層40に存在するピンホール等を覆い、本体部材20aの腐食を防止すると共に、硬質層40の表面を更に硬質にして、砂や小石等の硬い物質に接触した場合にも、表面に傷等がつき難くする。セラミック被膜層50を形成する材料としては、TiN、Si3 4 、AlN、ZrN、Cr2 N等の窒化物セラミック、TiC、SiC、Cr3 2 、WC等の炭化物セラミック、TiO2 、SiO2 、Al2 3 等の酸化物セラミックやTiCNを用いることができる。これらのセラミック材料により、フェース部20の裏面38の外面硬度を向上させることができる。
【0021】
また、これらのセラミック材料は、種々の色を示す。例えばTiN、ZrNは金色、TiCNは灰色または茶色(淡い金色)、TiO2 はピンクまたは青色、Cr2 Nは銀色、TiCは銀色を示す。特にTiN、ZrNは、金色で、光輝性が高く、色彩的な豪華さを表すことができる。更に、ZrNは密着性に優れ、耐食性に優れている。このため、用途に応じて適宜セラミック被膜52の材料を選択して色を調整することができる。また、セラミック材料は、種々の特性を有しており、耐食性および耐磨耗性を向上させるためには、それぞれ硬度が3200(3000〜5000)Hv、2100(2000〜3000)HvであるTiCおよびTiNを用いるのが好ましく、それぞれ硬度が2300HvであるAl2 3 およびセラミックではないが2000HvであるWCを用いることもできる。
【0022】
これらのセラミック被膜層42は、イオンプレーティング、真空蒸着、スパッタリング等の物理蒸着法(PVD法)や、化学蒸着法(CVD法)や、溶射法や、電気めっき法等により、硬質層40上に被着させることができる。PVD法は、電気メッキ法やCVD法に比して、形成される膜が密着性に優れたおり、また、均一に膜形成することができるため、複雑な形状の本体部材20aの外面に対しても有効である。
【0023】
このようなセラミック被膜層42の厚さは、本体部材20aの凹凸状態にもよるが、強度および耐久性を向上するために、例えば0.5μm〜5μmの範囲に形成するのが好ましい。セラミック被膜層42の厚さが0.5μm以下の場合は色むらを生じやすく、5μmを超えるとコスト高となるからである。このような厚さのセラミック被膜層42は、硬質層40の外面の凹凸状態に沿って形成され、この硬質層40の外面と同様な凹凸状態の外面を形成する。
【0024】
図7は、このようなセラミック被膜層42の外面を拡大して示しており、白く見える部分は凸部、黒く見える部分は凹部である。
これらの凹部と凸部とは、単調な波状あるいは一方向性の凹凸形状に形成することが可能であるが、図6に示すように凸部の部分に更に小さな凹凸を形成し、あるいは、凹部の部分にも更に小さな凹凸を形成してもよい。この場合には、下側の層との接触面積が増大し、密着力を大きくすることができる。これはセラミック被膜層42と硬質層40との間だけでなく、本体部材20aと硬質層40とを異なる材料で形成した場合における本体部材20aと硬質層40との関係についても同様である。更に、セラミック被膜層42の外面からの乱反射が更にランダムなものとなり、安定したつや消し外観を形成する。
【0025】
実際に、このような裏面を形成したフェース部20を備えたクラブヘッド14を形成する場合は、次のように行うのが好ましい。先ず、硬質層40およびセラミック被膜層42を形成してないフェース部20を、ヘッド本体24の開口36に嵌合し、スコアライン18aを形成した部分よりも外周側の部位に沿ってこのヘッド本体に溶接する。そして、フェース部20の本体部材20aの裏面すなわちスコアライン18aを形成してない外面を研磨し、ショットピーニングにより上述のような微小な凹凸を形成する粗面化を行う。この後、上述の第2の方法に示すようなニッケル、クロムによるメッキ処理により、本体部材20aの粗面化された外面に硬質層40を形成し、更に、物理蒸着法によりセラミック被膜層42を形成する。これにより、裏面の凹凸状外面を損なうことなく、フェース部20をヘッド本体24に確実に取付けることができる。
【0026】
このようなクラブヘッド14を有するゴルフクラブ10は、打球するフェース18の反対側の裏面38側で、フェース部20の本体部材20aが硬質層40により微小な凹凸状態の粗面化された外面を形成され、更に、極薄のセラミック被膜層42とを重ねて形成したため、フェース部20の裏面38側の例えば窪んだ部分で、セラミック被膜層の厚さにばらつきが生じても、光を乱反射させることができ、色ムラや、光輝性のばらつきを抑えて目立たなくすることができ、優れた外観を維持することができる。
【0027】
また、フェース部20の裏面38側で硬質層40で支えられたセラミック被膜層42は、極めて硬度が高く、更に外面部が微小な凹凸状態に形成されているため、極薄構造であっても、土、砂あるいは小石に接触した際に傷つき難い。このため、例えばボールを打球した際の衝撃により、クラブヘッド14のバック部34側から開口36および中空部27内に入り込んだ砂や小石により、裏面38が傷付きあるいは損傷するのを防止できる。更に、この裏面38の微小な凹凸状態の粗外面は、微小な傷が生じても、打球時の衝撃等によりこの微小な傷が進行して拡大することを防止することができる。
【0028】
特に、硬質層40の表面を凹凸状態とする凸部の大部分が、上述のように緩やかな湾曲面を形成するため、セラミック被膜層42に局部的に大きな応力を作用させる尖った部分が形成されず、セラミック被膜層42の局部的な磨耗を防止することができる。
【0029】
このセラミック被膜層42が0.5μm〜5.0μmの範囲の厚さと、2000Hv以上の硬度とを有し、硬質層40がこのセラミック被膜層42よりも厚く形成される場合には、特にフェース部20の裏面38側の耐磨耗性が向上すると共に、長期間にわたって優れた外観を維持することができる。
【0030】
特に、フェース部20の裏面38側の外面部に、本体部材20aの金属材料よりも高硬度の硬質層40が形成され、セラミック被膜層42がこの硬質層40の上に形成されることにより、隣接する各層の硬度差が小さくなり、打球時のフェース部20の変形や衝撃で硬質層40およびセラミック被膜層42の剥離が生じるのを防止することができる。そして、フェース部20の本体部材20aが、ヘッド本体24を形成するフェース部位外の材料よりも硬質で、しかも、高強度の金属材料で形成する場合には、特に打球時における裏面38側が受ける影響が低下する。このため、打球時におけるフェース部20の変形あるいは衝撃により、セラミック被膜層42(硬質層40が本体部材20aと別部材で形成される場合にも硬質層40も)に剥離が生じるのを防止でき、長期間にわたって優れた外観を維持することができる。
【0031】
なお、このような硬質層40およびセラミック皮膜層42は、クラブヘッド14のフェース部20の裏面38に限らず、金属製シャフト12等の他の部分に形成することも可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上明らかなように、本発明のゴルフクラブによると、例え砂や小石で傷ついた場合であっても、傷が目立つことなく、長期間にわたって光輝性を有する外観を維持することのできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるゴルフクラブの概略図。
【図2】図1のゴルフクラブのクラブヘッドの拡大図。
【図3】図2のクラブヘッドのバック部側の説明図。
【図4】図2のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】クラブヘッドのフェース部の裏面側の拡大断面図。
【図6】変形例によるフェース部の図5と同様な拡大断面図。
【図7】フェース部の裏面側を拡大した顕微鏡写真。
【符号の説明】
10…ゴルフクラブ、12…シャフト、14…クラブヘッド、18…フェース、20…フェース部、22…ホーゼル部、34…バック部、38…裏面、40…硬質層、42…セラミック被膜層。

Claims (4)

  1. ホーゼル部を介してシャフトに取付けられ、ボールを打球するフェースと、このフェースの反対側に位置するバック部とを有する金属製のクラブヘッドを備えたゴルフクラブであって、板状の金属材料で形成されて前記フェースを表面に形成されるフェース部が、微小な凹凸状態の粗面を形成されかつ前記金属材料よりも高硬質の硬質層と、この硬質層を覆いかつ光を乱反射する粗外面を形成された極薄のセラミック被膜層とを配置した裏面を有し、このフェース部の裏面は、前記バック部に対して凹設された位置に配置されることを特徴とするゴルフクラブ。
  2. 前記セラミック被膜層は、0.5μm〜5.0μmの範囲の厚さと、2000Hv以上の硬度とを有し、前記硬質層は、このセラミック被膜層よりも厚く形成されることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブ。
  3. 前記フェース部は、前記裏面側の外面部が、前記金属材料よりも高硬度に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のゴルフクラブ。
  4. 前記フェース部の金属材料は、前記クラブヘッドの中で最も高硬度であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のゴルフクラブ。
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