JP2004134367A - リチウム二次電池及び電気自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電サイクルに伴う容量や出力の維持率の低下を抑制し、長寿命のリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】正極活物質にマンガン酸リチウム粉末を用いて作製した正極と、負極活物質に塊状黒鉛を用いて作製した負極と、を用いて円筒型リチウムイオン電池を作製した。負極のバインダには、熱硬化性ポリビニルアルコール系樹脂及びアクリル樹脂系可塑剤を用いて作製した熱硬化性可塑化ポリビニルアルコール系樹脂組成物と、ポリフッ化ビニリデンとを体積比60:40で混合した混合物を使用した。円筒型リチウムイオン電池の充放電に伴う負極合剤の剥離・脱落が抑制される。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はリチウム二次電池及び電気自動車に係り、特に、正極活物質にリチウム遷移金属複酸化物を用いた正極と、負極集電体に負極活物質及びバインダを含む負極混合材を塗着した負極と、を有するリチウム二次電池及び該リチウム二次電池を駆動用電源又は補助駆動用電源とした電気自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウム二次電池を代表するリチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度であるメリットを活かして、主にVTRカメラやノートパソコン、携帯電話等のポータブル機器の電源に使用されている。この電池の内部構造は、通常以下に示されるような捲回式構造とされている。電極は正極、負極共に活物質がバインダ(結着剤)により金属箔に塗着された帯状であり、セパレータを挟んで正極、負極が直接接触しないように断面が渦巻状に捲回され、捲回群を形成している。この捲回群が電池容器となる円筒状の電池缶に収容され、電解液注液後、封口されている。
【0003】
一般的な円筒型リチウムイオン二次電池の寸法は、18650型と呼ばれる、直径が18mm、高さ65mmであり、小形民生用リチウムイオン二次電池として広く普及している。18650型リチウムイオン二次電池の正極活物質には、高容量、長寿命を特徴とするコバルト酸リチウムが主として用いられており、電池容量は、おおむね1.3Ah〜2.0Ah、出力はおよそ10W程度である。
【0004】
一方、自動車産業界においては環境問題に対応すべく、排出ガスのない、動力源を完全に電池のみにした電気自動車や、内燃機関エンジンと電池との両方を動力源とするハイブリッド電気自動車の開発が加速され、一部実用化の段階にきている。また、最近では、鉛電池を使用しているゴルフカートの代替電源の開発が進められている。
【0005】
電気自動車の電源となる電池には当然高容量化や加速性能などを左右する高出力化、特に、電池の内部抵抗の低減化等による高エネルギー化が要求され、これらの要求にマッチした電池としてリチウムイオン二次電池が注目されている。電気自動車の普及のためには、電池の低価格化が必須であり、そのためには、低コスト電池材料が求められ、例えば、正極活物質であれば、資源的に豊富なマンガンの酸化物が特に注目され、電池の高性能化を狙った改善がなされてきた。更に、リチウムイオン二次電池を電気自動車の電源として用いるには、電気自動車の長期の使用期間に対応すべく電池の長寿命化が強く求められる。ここでいう長寿命化は、電池容量のみならず、出力の維持率の低下を抑制し、電気自動車を走行させるに必要な電気エネルギー供給能力を長期の使用期間に亘って満足することである。
【0006】
ところが、リチウムイオン二次電池では、充放電に伴い正負極の活物質が膨張、収縮を繰り返すため、活物質が集電体から剥離、脱落して容量、出力が低下する、という問題がある。特に、負極活物質に黒鉛質炭素を用いた場合は、膨張、収縮に伴い大きな体積変化を示すため、剥離、脱落が生じ易くなる。これを解決するために、バインダとして用いられるポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量を制限することで、集電体への正負極活物質の結着性を確保する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−270182号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、負極のバインダにポリフッ化ビニリデンを単独で用いる場合には、ポリフッ化ビニリデンが黒鉛質炭素に対する結着性に優れるため、ハイレート(高率充放電)での電池性能は優れているが、熱可塑性であることから、高温環境下で軟化するため、負極混合材と負極集電体との結着性が低下するので、負極混合材の剥離、脱落が生じ電池性能を劣化させる、という問題がある。これに対して、負極のバインダに熱硬化性のポリビニルアルコール樹脂を単独で用いる場合には、ポリフッ化ビニリデンの場合と比較して、負極混合材と負極集電体との結着性が向上するため、寿命特性が改善されるが、反面、高率充放電でのiRドロップ(電圧降下)が大きいため、出力を低下させる、という問題がある。更に、負極混合材と負極集電体との結着性をより向上させるためには、熱処理が必要である、という製造上の問題点もある。
【0009】
本発明は上記事案に鑑み、充放電サイクルに伴う容量や出力の維持率の低下を抑制し、長寿命のリチウム二次電池及び該リチウム二次電池を駆動用電源又は補助駆動用電源として搭載した電気自動車を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、正極活物質にリチウム遷移金属複酸化物を用いた正極と、負極集電体に負極活物質及びバインダを含む負極混合材を塗着した負極と、を有するリチウム二次電池において、前記バインダの主成分が、熱硬化性可塑化ポリビニルアルコール系樹脂組成物とポリフッ化ビニリデンとの混合物であることを特徴とする。
【0011】
第1の態様では、バインダにポリフッ化ビニリデンが混合されているので、高率充放電での電池性能に優れると共に、バインダに熱硬化性可塑化ポリビニルアルコール系樹脂組成物が混合されているので、負極混合材と負極集電体との結着性が向上し、充放電を繰り返しても負極混合材の剥離・脱落を防止することができ、得られるリチウム二次電池の容量や出力の維持率の低下を抑制することができる。
【0012】
第1の態様において、ポリビニルアルコール系樹脂組成物とポリフッ化ビニリデンとの体積比が80:20を超えると抵抗成分が増大して出力が低下し、20:80に満たないと結着性が不十分なため寿命が低下するので、体積比は80:20乃至20:80の範囲であることが好ましい。ポリビニルアルコール系樹脂組成物は、熱硬化性ポリビニルアルコール系樹脂からなる第1の樹脂成分と、アクリル樹脂系可塑剤からなる第2の樹脂成分とを含むようにしてもよい。このとき、第1の樹脂成分に、ポリビニルアルコール系樹脂に環状酸無水物を反応させた熱硬化性ポリビニルアルコール系樹脂を用いることができ、第2の樹脂成分に、ラウリルアクリレート/アクリル酸共重合物と二官能型エポキシ樹脂とを反応させたアクリル樹脂系可塑剤用いることができる。また、負極活物質が黒鉛質炭素であることが好ましい。更に、正極活物質のリチウム遷移金属複酸化物がスピネル結晶構造を有するようにすれば、スピネル結晶構造が熱安定性に優れるため、高温環境下でも高容量、高出力を維持することができる。又は、リチウム遷移金属複酸化物が層状結晶構造を有するようにすれば、層状結晶が二次元的なリチウムイオンの拡散経路を有することから、リチウムイオンの拡散性に優れるため、高出力を確保することができる。
【0013】
本発明の第2の態様は、上述した第1の態様のリチウム二次電池を駆動用電源又は補助駆動用電源として搭載した電気自動車である。本態様によれば、出力及び容量の維持率の低下を抑制したリチウム二次電池を駆動用電源又は補助駆動用電源に用いるので、充電、走行(放電)を繰り返しても、加速性能の低下が少ない長寿命の電気自動車を実現することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明をゴルフカートの動力用電源として用いられる円筒型リチウムイオン電池に適用した第1の実施の形態について説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態のゴルフカート30は、基体となるシャーシ31を備えている。シャーシ31の略中央部には、後述する円筒型リチウムイオン電池20を複数個直列に接続して収容した電池箱36が固定されている。電池箱36の上にはクッション35が配置されており、電池箱36とクッション35とで前部座席が構成されている。
【0016】
シャーシ31の前方には、円筒型リチウムイオン電池20を動力源とするモータやモータ軸の回転駆動力を車輪へ伝達する動力伝達機構がシャーシ31に固定されており、動力伝達機構がタイヤを回転させる構造とされている。前部座席に着席したドライバの足元の位置にはゴルフカート30の前進速度を調節する加速用ペダル37が配置されている。加速用ペダル37には踏み込み量に連動する可変抵抗器が接続されており、ゴルフカート30はドライバが加速用ペダル37を踏み込むことにより踏み込み量に応じて前進する構造とされている。
【0017】
電池箱36に収容された円筒型リチウムイオン電池20は以下のように作製したものである。
【0018】
(正極の作製)
図2に示すように、正極活物質にリチウム遷移金属複酸化物としてのマンガン酸リチウム(LiMn)を使用した。導電材の黒鉛粉末(日本黒鉛工業(株)製、商品名:J−SP)及びアセチレンブラック(電気化学工業(株)製、商品名:デンカブラック)とバインダー(結着材)のポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFという。)とを質量比85:8:2:5の割合で混合して正極混合材とした。これに必要に応じて分散溶媒のN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPという。)を添加、混練したスラリを厚さ20μmのアルミニウム箔W1(正極集電体)の両面に塗布した。このとき、正極長寸方向の一方の側縁に幅30mmの未塗布部を残した。
【0019】
その後乾燥、プレス、裁断して、幅82mm、所定長さ、正極混合材塗布部所定厚さの正極を得た。正極混合材層W2のかさ密度は2.65g/cmとした。側縁に残した未塗布部に切り欠きを入れ、切り欠き残部を正極リード片2とした。隣り合う正極リード片2を50mm間隔とし、正極リード片2の幅を5mmとした。
【0020】
(負極の作製)
負極活物質の塊状黒鉛(日立化成工業(株)製、商品名:MAG)、導電材の気相成長炭素繊維(昭和電工(株)製、商品名:VGCF)、及び、バインダーのPVdFと後述する熱硬化性可塑化ポリビニルアルコール系樹脂組成物(以下、PVAという。)との混合物のNMP溶液を質量比87.62:4.76:7.62の割合で混合して、負極混合材とした。これに必要に応じて分散溶媒のNMPを添加、混練したスラリを厚さ10μmの圧延銅箔W3(負極集電体)の両面に塗布した。このとき、負極長寸方向の一方の側縁に幅30mmの未塗布部を残した。
【0021】
その後乾燥、プレス、裁断して、幅86mm、所定長さ、混合材塗布部所定厚さの負極を得た。負極混合材層W4の空隙率が約35%となるように負極を圧縮した。側縁に残した未塗布部に正極と同様に切り欠きを入れ、切り欠き残部を負極リード片3とした。隣り合う負極リード片3を50mm間隔とし、負極リード片3の幅を5mmとした。
【0022】
PVAは、熱硬化性ポリビニルアルコール系樹脂からなる第一の樹脂成分と、アクリル樹脂系可塑剤からなる第二の樹脂成分とが、適当な溶媒中(本実施例では、NMP)に混合溶解されているものを用いた。第一の樹脂成分である熱硬化性ポリビニルアルコール系樹脂は、平均重合度約2000程度のポリビニルアルコール系樹脂に、例えばコハク酸無水物等の環状酸無水物を、NMP等の有機溶媒中、トリエチルアミン等の触媒存在下で実質的に無水の状態で反応させて得られる。ポリビニルアルコール系樹脂と環状酸無水物との反応割合は、ポリビニルアルコール系樹脂のアルコール性ヒドロキシル基1当量に対し、環状酸無水物の無水物基が、約0.1当量とするのがよい。第二の樹脂成分であるアクリル樹脂系可塑剤は、ラウリルアクリレート/アクリル酸共重合物と二官能型エポキシ樹脂との反応物が相応しい。
【0023】
第一の樹脂成分は、次のようにして合成した。撹拌機、温度計、冷却管、留出管、窒素ガス導入管を装備したセパラブルフラスコに、けん化度約98%のポリビニルアルコール51gとNMP650g及びトルエン10gを投入し、窒素バブリングと撹拌をしながら約30分間かけて195°Cに昇温した。同温度で2時間保温し、トルエンを還流させることによって水分を共沸させ、フラスコ内の水分を留去させた。次いでトルエンを留去して120°Cまで冷却し、同温度で保温しながら、コハク酸無水物7.7gを添加、1時間反応させた(ポリビニルアルコールのアルコール性ヒドロキシル基1当量に対し、酸無水物基が、約0.07当量)。室温まで冷却し、第一の樹脂成分が約8質量%のNMP溶液を得た。
【0024】
第二の樹脂成分は、次のようにして合成した。撹拌機、温度計、冷却管、留出管、窒素ガス導入管を装備したセパラブルフラスコに、重量平均分子量約3100の無溶剤型ラウリルアクリレート/アクリル酸共重合物を110gと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂71g(無溶剤型ラウリルアクリレート/アクリル酸共重合物のカルボキシル基1当量に対し、エポキシ基として約2当量)を投入し、窒素バブリングと撹拌をしながら約15分間かけて150°Cに昇温した。同温度で2時間保温して反応を進めた後、NMP78gを添加、室温まで冷却させて、第二の樹脂成分約70質量%のNMP溶液を得た。
【0025】
第一の樹脂成分8質量%のNMP溶液と第二の樹脂成分約70質量%のNMP溶液とを、それぞれの樹脂成分の質量換算で100:10の割合で混合し、PVAのNMP溶液を得た。
【0026】
(電池の作製)
作製した正極と負極とを、これら両極が直接接触しないように幅90mm、厚さ40μmのポリエチレン製セパレータW5と共に捲回した。捲回の中心には、ポリプロピレン製の中空円筒状の軸芯1を用いた。このとき、正極リード片2と負極リード片3とが、それぞれ捲回群(電極群)6の互いに反対側の両端面に位置するようにした。また、正極、負極、セパレータの長さを調整し、捲回群6の直径を38±0.1mmとした。
【0027】
正極リード片2を変形させ、その全てを、捲回群6の軸芯1のほぼ延長線上にある正極集電リング4の周囲から一体に張り出している鍔部周辺付近に集合、接触させた後、正極リード片2と鍔部周辺とを超音波溶接して正極リード片2を鍔部周面に接続した。一方、負極集電リング5と負極リード片3との接続操作も、正極集電リング4と正極リード片2との接続操作と同様に実施した。
【0028】
その後、正極集電リング4の鍔部周面全周に絶縁被覆を施した。この絶縁被覆には、基材がポリイミドで、その片面にヘキサメタアクリレートからなる粘着剤を塗布した粘着テープを用いた。この粘着テープを鍔部周面から捲回群6外周面に亘って一重以上巻いて絶縁被覆とし、捲回群6を電池容器7内に挿入した。電池容器7には、外形40mm、内径39mmでニッケルメッキが施されたスチール製の容器を用いた。
【0029】
負極集電リング5には予め電気的導通のための負極リード板8が溶接されており、電池容器7に捲回群6を挿入後、電池容器7の底部と負極リード板8とを溶接した。
【0030】
一方、正極集電リング4には、予め複数枚のアルミニウム製のリボンを重ね合わせて構成した正極リード9を溶接しておき、正極リード9の他端を、電池容器7を封口するための電池蓋の下面に溶接した。電池蓋には、円筒型リチウムイオン電池20の内圧上昇に応じて開裂する内圧開放機構として開裂弁11が設けられている。開裂弁11の開裂圧は、約9×10Paに設定した。電池蓋は、蓋ケース12と、蓋キャップ13と、気密を保つ弁押え14と、開裂弁(内部ガス排出弁)11とで構成されており、これらが積層されて蓋ケース12の周縁をカシメることによって組立てられている。
【0031】
非水電解液を所定量電池容器7内に注液し、その後、正極リード9を折りたたむようにして電池蓋で電池容器7に蓋をし、EPDM樹脂製ガスケット10を介してカシメて密封することにより円筒型リチウムイオン電池20を完成させた。
【0032】
非水電解液には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとの体積比1:1:1の混合溶媒中へ6フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1モル/リットル溶解したものを用いた。なお、円筒型リチウムイオン電池20には、電池温度の上昇に応じて電気的に作動する、例えば、PTC(Positive Temperature Coefficient)素子や、電池内圧の上昇に応じて正極あるいは負極の電気的リードが切断される電流遮断機構は設けられていない。
【0033】
【実施例】
次に、本実施形態に従って、負極バインダのPVdFとPVAとの混合比を変えて作製した円筒型リチウムイオン電池20及びゴルフカート30の実施例について説明する。以下、円筒型リチウムイオン電池20については実施例1〜実施例4に、ゴルフカート30については実施例5〜実施例8に詳述する。なお、比較のために作製した比較例の電池及びゴルフカートについても併記する。
【0034】
(実施例1)
下表1に示すように、実施例1では、負極活物質に塊状黒鉛を使用し、負極バインダーのPVdFとPVAとの混合比を体積比で20:80とした。
【0035】
【表1】
Figure 2004134367
【0036】
(実施例2〜4)
表1に示すように、実施例2〜実施例4では、PVdFとPVAとの混合比を変更する以外は実施例1と同様にした。実施例2では、混合比を40:60とし、実施例3では、混合比を60:40とし、実施例4では、混合比を80:20とした。
【0037】
(実施例5〜8)
実施例5〜実施例8では、実施例1〜実施例4の円筒型リチウムイオン電池20をそれぞれ72本直列に接続してゴルフカート30に搭載した。
【0038】
(比較例1〜3)
表1に示すように、比較例1〜比較例3では、PVdFとPVAとの混合比を変更する以外は実施例1と同様にした。比較例1では、PVdFのみとし、比較例2では、混合比を10:90とし、比較例3では、混合比を90:10とした。
【0039】
(比較例4)
表1に示すように、比較例4では、負極バインダーにPVAを単独で用い、バインダーの熱硬化処理を行うために150°Cで3時間の真空乾燥・熱処理を施した以外は実施例1と同様にした。
【0040】
(比較例5)
表1に示すように、比較例5では、負極活物質に非晶質炭素(呉羽工業(株)製、商品名:PIC(F))を使用し、PVdFとPVAとの混合比を40:60とした。
【0041】
(比較例6)
表1に示すように、比較例6では、PVdFとPVAとの混合比を10:90とする以外は比較例5と同様にした。
【0042】
(比較例7〜12)
比較例7〜比較例12では、比較例1〜比較例6の円筒型リチウムイオン電池をそれぞれ72本直列に接続してゴルフカートに搭載した。
【0043】
<試験・評価>
次に、以上のようにして作製した実施例及び比較例の各電池及びゴルフカートについて、以下の一連の試験を行った。
【0044】
実施例及び比較例の各電池は初充電を行い、試験環境温度25±1°Cの雰囲気で初期放電容量を測定した。充電条件は、4.2V定電圧、制限電流5A、4.5時間とした。放電条件は、5A定電流、終止電圧2.7Vとした。
【0045】
また、初充電後に、同じ環境温度の雰囲気で充電状態の電池の放電出力を測定した。測定条件は、1A、3A、6A、各放電電流で5秒目の電圧を読み取り、横軸電流値に対して縦軸に電圧値をプロットし、3点を結ぶ近似直線より初期直流抵抗値(DCR)を求めた。
【0046】
更に、実施例及び比較例の各電池について、25°C及び60°Cの雰囲気で電流値1C(5A)にて充放電を100回繰り返すサイクル試験を行った。25°Cの雰囲気では電流値10C(40A)のサイクル試験も行った。サイクル試験後、同様にして直流抵抗値及び放電容量を測定し、初期直流抵抗値及び初期放電容量に対するサイクル試験後の直流抵抗値及び放電容量の割合をそれぞれ百分率で求め、それぞれを直流抵抗上昇率及び容量維持率とした。当然のことながら、容量維持率が高く、直流抵抗上昇率が低いほうが寿命特性に優れることを示している。各電池の試験結果を下表2に示す。
【0047】
ゴルフカートの試験では、満充電状態の電池を搭載して発進し、ゴルフカートが10km/hに達するまでの所要時間を測定し、加速時間とした。電池をゴルフカートからはずし、上述したサイクル試験を行った後、再びゴルフカートに搭載して加速時間を同様に測定した。初期の加速時間に対するサイクル試験後の加速時間の増加率(%)を求めた。ゴルフカートの試験結果を下表3に示す。
【0048】
【表2】
Figure 2004134367
【0049】
表2に示すように、PVdFとPVAとの混合比を変えて作製した実施例1〜実施例4の電池では、PVAを60%、すなわちPVdFを40%使用したときに(実施例2の電池)、容量維持率が最大となる変曲点があることが判った。また、直流抵抗上昇率も同様に、PVA60%のときに直流抵抗の上昇が最も抑制されていることが判った。容量維持率、直流抵抗上昇率共に、サイクル試験の電流値を10Cと高くした試験においても、同様の結果を示した。これに対して比較例1〜比較例4の電池では、容量維持率が低下し、直流抵抗上昇率が増加した。従って、PVdFとPVAとの混合比は、体積比で80:20〜20:80とすることが好ましく、より好ましくは60:40〜40:60の範囲であることが判明した。
【0050】
また、PVAのみを用いた比較例4の電池では、PVdFのみを用いた比較例1の電池より、容量維持率が高い値を示し、直流抵抗上昇率が低い値を示した。従って、PVAが容量維持率、直流抵抗上昇率の向上に有効であることが判明したが、比較例4では、負極作製時に熱硬化処理を行っており、PVAを単独で使用するには製造上の問題がある。
【0051】
更に、負極活物質に非晶質炭素を用いた比較例5及び比較例6の電池では、PVdFとPVAとの体積比を40:60とした比較例5の電池の方が体積比を10:90とした比較例6の電池より容量維持率、直流抵抗上昇率共に優れた結果を示した。しかし、比較例5の電池と、負極活物質に塊状黒鉛を用いた実施例2の電池とを比較すると実施例2の電池の方が優れた結果を示している。従って、負極活物質に非晶質炭素を用いた場合でも、PVAとPVdFとを体積比80:20〜20:80で混合することで、容量維持率、直流抵抗上昇率を向上させることは可能であるが、負極活物質を塊状黒鉛とすることで、容量維持率、直流抵抗上昇率をより向上させることが可能であることが判った。
【0052】
【表3】
Figure 2004134367
【0053】
表3に示すように、実施例1〜実施例4の電池をそれぞれ搭載した実施例5〜実施例8のゴルフカート30では、比較例1〜比較例6の電池をそれぞれ搭載した比較例7〜比較例12のゴルフカートと比べて、仮想的な充電、走行(放電)の繰り返しに相当するサイクル試験後の加速時間増加率が低く抑えられ、高性能なゴルフカートとなった。また、ゴルフカートの加速時間増加率は、電池の放電容量、直流抵抗値に大きく依存することが判明し、負極バインダにPVdFとPVAとを混合して用いることで加速性能の低下を抑制できることが判明した。
【0054】
本実施形態の円筒型リチウムイオン電池20は、負極バインダとしてPVdFを混合して使用するので、電流値を10Cとした高率充放電を繰り返しても、容量維持率、直流抵抗上昇率共に優れた電池を得ることができる。また、PVAを混合して使用することで、負極合剤と負極集電体との結着性が向上するので、充放電を繰り返しても、負極合剤の剥離・脱落が防止され、容量維持率、直流抵抗上昇率を向上させることができる。また、PVAとPVdFとの体積比が80:20を超えると抵抗成分が増大(直流抵抗上昇率が増大)して出力が低下し、20:80に満たないと結着性が不十分なため容量維持率が低下する。このため、PVAとPVdFとの体積比は、80:20〜20:80とすることが好ましい。更に、PVAを単独で使用するときには、負極合剤と負極集電体との結着性を向上させるために熱処理が必要なため、製造上の問題点があるが、PVAとPVdFとの混合物を使用することで、製造上の問題点を克服することができる。これらの電池を搭載したゴルフカート30は、充電、走行を繰り返しても加速時間の低下が少なく、高性能なゴルフカートとすることができる。
【0055】
(第2実施形態)
次に、本発明をハイブリッド電気自動車の補助電源として用いられる円筒型リチウムイオン電池に適用した第2の実施の形態について説明する。本実施形態では、円筒型リチウムイオン電池を、主電池となる鉛電池を充電する補助電池として用いるものである。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付してその説明を省略し、異なる箇所のみ説明する。
【0056】
図3に示すように、本実施形態のハイブリッド電気自動車40は、内燃機関エンジン及び車両全体への電力を供給する電源システム50を備えている。
【0057】
図4に示すように、電源システム50は、車両駆動モータ等の機能を有するモータジェネレータ53、照明類、ワイパ、ラジオ等の負荷54、並びに、モータジェネレータ53及び負荷54へ電力を供給する充放電システム部60を有している。
【0058】
モータジェネレータ53は、図示を省略した車両制御システムにより3つの機能が切替制御され、車両始動から低速走行時には、充放電システム部60からの電力により作動し車両駆動及びエンジンの始動を行うモータとして、エンジン駆動中には、エンジンの回転力により発電し充放電システム部60の充電及び負荷54への電力供給が可能なオルタネータ(発電機)として、車両制動時には、回生エネルギーを電気エネルギーに変換し後述する補助電池52の充電及び負荷54への電力供給が可能な高出力のジェネレータとして、それぞれ機能する。
【0059】
充放電システム部60は、車両への電力供給の主電源となる主電池51、主電池51への充電電力を供給する補助電池52、補助電池52の電圧を昇圧するDC−DCコンバータ等の電圧昇圧部55、並びに、主電池51及び補助電池52の充放電状態を制御する充放電制御部56を有している。
【0060】
主電池51には、鉛電池が用いられている。鉛電池の電槽には、内部を18個のセル室に画定したモノブロック電槽が用いられている。各セル室には、複数の正極板と負極板とをガラス繊維セパレータを介して積層した極板群が1組ずつ収容されており、電解液(希硫酸)が注液されている。各セル室はモノブロック電槽の開口を一体に覆う蓋で密閉されており、各セル室上部に制御弁が配設され密閉化されている。各セル室間は導電性の接続部材により直列に接続されている。
【0061】
補助電池52は、10個の円筒型リチウムイオン電池20を直列に接続して構成されている。補助電池52と電圧昇圧部55とは直列に接続されている。なお、補助電池52の電圧が主電池51の電圧より高いときは、電圧昇圧部55を接続しないようにしてもよい。
【0062】
主電池51の正極外部端子は、電圧昇圧部55の一端に接続されている。モータジェネレータ53の一端及び負荷54の一端は、主電池51の正極外部端子に接続されている。主電池51及び補助電池52の負極外部端子は、グランドに接続されている。モータジェネレータ53及び負荷54の他端は、それぞれグランドに接続されている。従って、主電池51、電圧昇圧部55と直列に接続された補助電池52、モータジェネレータ53及び負荷54は、並列接続可能とされている。
【0063】
本実施形態の電源システム50では、補助電池52を構成するリチウムイオン電池20は、車両制動時の回生電力により充電される。主電池51は、電力受入性が低いため、回生電力による充電は行われない。主電池51の残存容量が低下したときは、補助電池52に蓄えられた電力が主電池51へ供給され、主電池51が充電される。補助電池52の電圧が低下したときは、電圧昇圧部55により補助電池52の電圧が昇圧され主電池51に供給される。
【0064】
また、本実施形態の電源システム50では、補助電池52が、モータジェネレータ53からの回生電力を蓄え、蓄えた電力により主電池51を穏やかに充電するので、主電池51の寿命特性を向上させることができる。また、補助電池52が、寿命特性の改善されたリチウムイオン電池20で構成されているので、電源システム全体の寿命特性を向上させることができる。
【0065】
なお、上記実施形態では、ゴルフカート用電源及びハイブリッド電気自動車用補助電源に用いられるリチウムイオン電池について例示したが、電池の大きさ、電池容量には限定されるものではなく、電池容量としておおむね3Ah乃至100Ah程度の電池に対して本発明は効果を著しく発揮することが確認されている。従って、リチウムイオン電池20は(純粋)電気自動車にも使用可能である。また、上記実施形態では、正負極板を捲回して用いた円筒型の電池について例示したが、本発明は電池の形状についても限定されるものではなく、角形、その他の多角形の電池や、正負極板を積層した積層タイプの電池にも適用可能である。更に、本発明の適用可能な形状としては、上述した有底筒状容器(缶)に電池上蓋がカシメによって封口されている構造の電池以外であっても構わない。このような構造の一例として、正負極外部端子が電池蓋を貫通し電池容器内で軸芯を介して正負極外部端子が押し合っている状態の電池を挙げることができる。また、電気自動車やハイブリッド電気自動車に搭載する電池の本数は、所望の出力、容量により適宜組み合わせればよく、電池の設置場所についても特に制限されるものではない。
【0066】
また、上記実施形態では、負極バインダの熱硬化性可塑化ポリビニルアルコール樹脂組成物の作製に、平均重合度約2000のポリビニルアルコール系樹脂、コハク酸無水物、重量平均分子量約3100のラウリルアクリレート/アクリル酸共重合物、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いる例を示したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、平均重合度の異なるポリビニルアルコール系樹脂や重量平均分子量の異なるラウリルアクリレート/アクリル酸共重合物を用いてもよい。この場合には、反応時の当量比や反応条件により所望の物性の熱硬化性可塑化ポリビニルアルコール樹脂組成物を得ることができる。
【0067】
更に、上記実施形態では、正極活物質にマンガン酸リチウムを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記実施形態以外で用いることのできる正極活物質としては、リチウムを挿入・脱離可能な材料であり、予め十分な量のリチウムを挿入したリチウム遷移金属複酸化物であればよく、遷移金属としてMn、Ni、Co等の単体又は2種以上を主成分とした材料を用いてもよい。また、スピネル結晶構造や層状結晶構造等の結晶構造についても特に制限されるものではない。更に、結晶中の遷移金属やリチウムの一部をそれら以外の例えば、Fe、Co、Ni、Cr、A1、Mg、等の元素で置換あるいはドープした材料、結晶中の酸素の一部をS、P等の元素で置換あるいはドープした材料を使用するようにしてもよい。これら以外に、電池電圧として5V級が可能なリチウムマンガン複酸化物を用いても、本発明の効果には変わりない。なお、一般に、マンガン酸リチウムは、炭酸リチウム等の適当なリチウム塩と二酸化マンガン等の酸化マンガンとを混合、焼成して合成することができるが、リチウム塩と酸化マンガンの仕込み比を制御することによって所望のLi/Mn比とすることができる。
【0068】
また更に、上記実施形態では、正極のバインダにPVdFを例示したが、上記実施形態以外で用いることのできる正極用バインダとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン/ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロ−ス、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン等の重合体及びこれらの混合体などが挙げられる。
【0069】
更にまた、上記実施形態では、負極活物質に塊状黒鉛を用いた例を示したが、本発明で用いることのできる負極活物質としては、上記特許請求の範囲に記載した事項以外に特に制限はない。例えば、天然黒鉛や、人造の各種黒鉛材、コークス、非晶質炭素などの炭素質材料等であればよく、黒鉛質炭素であれば更によい。ここでいう黒鉛質炭素は、必ずしも高結晶性の黒鉛を示すのではなく、メソフェーズ系黒鉛のような、X線回折による層間距離d002が0.3354nmを超える黒鉛でもよい。X線回折で、hkl指数付けが可能な回折線が現れるものでもよい。また、粒子形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に制限されるものではない。
【0070】
また、上記実施形態では、正極の導電材に黒鉛粉末、アセチレンブラックを用い、負極の導電材に炭素繊維を用いる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、通常用いられているいずれの導電材も使用可能である。
【0071】
更に、上記実施形態では、非水電解液にエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとジエチルカーボネートとの体積比1:1:1の混合溶媒中へ6フッ化リン酸リチウムを1モル/リットル溶解したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、一般的なリチウム塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した非水電解液を用いることができる。用いられるリチウム塩や有機溶媒は特に制限されない。例えば、電解質としては、LiCl0、LiAsF、LiPF、LiBF、LiB(C、CHS0Li、CFS0Li等やこれらの混合物を用いることができる。非水電解液有機溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエチルエ−テル、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等またはこれら2種類以上の混合溶媒を用いるようにしてもよく、混合配合比についても限定されるものではない。更に、固体電解質を用いてもよい。
【0072】
また更に、上記実施形態では、絶縁被覆に、基材がポリイミドで、その片面にヘキサメタアクリレートからなる粘着剤を塗布した粘着テープを用いた例を示したが、例えば、基材がポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンで、その片面又は両面にヘキサメタアクリレートやブチルアクリレート等のアクリル系粘着剤を塗布した粘着テープや、粘着剤を塗布しないポリオレフィンやポリイミドからなるテープ等も好適に使用することができる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バインダにポリフッ化ビニリデンが混合されているので、高率充放電での電池性能に優れると共に、バインダに熱硬化性可塑化ポリビニルアルコール系樹脂組成物が混合されているので、負極混合材と負極集電体との結着性が向上し、充放電を繰り返しても負極混合材の剥離・脱落を防止することができ、得られるリチウム二次電池の容量や出力の維持率の低下を抑制することができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な第1実施形態の円筒型リチウムイオン電池を動力用電源として搭載したゴルフカートを模式的に示す側面図である。
【図2】第1実施形態の円筒型リチウムイオン電池の断面図である。
【図3】本発明が適用可能な円筒型リチウムイオン電池を補助電源として搭載したハイブリッド電気自動車を模式的に示す側面図である。
【図4】ハイブリッド電気自動車の電源システムの概略ブロック図である。
【符号の説明】
20 円筒型リチウムイオン電池(リチウム二次電池)
30 ゴルフカート(電気自動車)
35 前部座席
36 電池箱
40 ハイブリッド電気自動車(電気自動車)
52 補助電池(補助駆動用電源)

Claims (9)

  1. 正極活物質にリチウム遷移金属複酸化物を用いた正極と、負極集電体に負極活物質及びバインダを含む負極混合材を塗着した負極と、を有するリチウム二次電池において、前記バインダの主成分が、熱硬化性可塑化ポリビニルアルコール系樹脂組成物とポリフッ化ビニリデンとの混合物であることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 前記ポリビニルアルコール系樹脂組成物と前記ポリフッ化ビニリデンとの体積比が80:20乃至20:80の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記ポリビニルアルコール系樹脂組成物が、熱硬化性ポリビニルアルコール系樹脂からなる第1の樹脂成分と、アクリル樹脂系可塑剤からなる第2の樹脂成分とを含むことを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記第1の樹脂成分が、ポリビニルアルコール系樹脂に環状酸無水物を反応させた熱硬化性ポリビニルアルコール系樹脂であることを特徴とする請求項3に記載のリチウム二次電池。
  5. 前記第2の樹脂成分が、ラウリルアクリレート/アクリル酸共重合物と二官能型エポキシ樹脂とを反応させたアクリル樹脂系可塑剤であることを特徴とする請求項3に記載のリチウム二次電池。
  6. 前記負極活物質が黒鉛質炭素であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  7. 前記リチウム遷移金属複酸化物が、スピネル結晶構造を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  8. 前記リチウム遷移金属複酸化物が、層状結晶構造を有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のリチウム二次電池を駆動用電源又は補助駆動用電源として搭載したことを特徴とする電気自動車。
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