JP2004134033A - 光学情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の記録層を有する前記のような光学情報記録媒体の製造工程において、ダミーディスク基板の引き剥がしの際に、ディスク基板の反射膜や記録層に剥離等の悪影響を与えることなく、量産に適した簡単な工程で複数の記録層を有する光学情報記録媒体を得ることができ、さらにダミーディスク基板の再利用が容易で、ディスク基板とダミーディスク基板を1台の成形機で成形できる光学情報記録媒体を提供すること。
【解決手段】ディスク基板とダミーディスク基板との間に、透明接着層を介して積層した複数の記録層を設けてなる光学情報記録媒体において、該ディスク基板及びダミーディスク基板が、粘度平均分子量10,000〜30,000の芳香族ポリカーボネートからなり、かつ、該ディスク基板の臨界表面張力が20mN/m以上で40mN/m以下であり、該ダミーディスク基板の臨界表面張力が5mN/m以上で20mN/m未満であることを特徴とする光学情報記録媒体。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の記録層を有する光学情報記録媒体に関するものである。さらに詳しくは、複数の記録層を透明接着層を介して積層した光学情報記録媒体であり、該光学情報記録媒体の構造体の一部であるディスク基板、記録層形成のみを目的とするダミーディスク基板とで、別種の芳香族ポリカーボネートを使用することにより、ダミーディスク基板の剥離時に、ディスク基板上の記録層や反射膜に悪影響を与えず、かつ、ダミーディスク基板を再利用できる光学情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ディスクは、低価格で高密度記録容量の光学情報記録媒体として、ここ数年、生産量が急激に増加している。それとともに、DVD−18と称されている4層構造で片面に2層ずつ記録層をもつ大容量の光学情報記録媒体も発表され、その製法も種々提案されている。
例えば、特公平08−023941号公報では、螺旋又は同心円状に第1の記録ピットが配列されたニッケルスタンパを成形型として、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PC(ポリカーボネート)等の透明樹脂を成形して透明基板を成形後、透明基板の記録ピット上に金あるいは珪素化合物等をスパッタあるいは蒸着し、半透明の第1反射層を形成する。次に、ガラス又はプラスチックからなる透明スタンパのピット面上に、液状の放射線硬化型樹脂を供給し、第1反射層を下に向けた透明基板を液状の放射線硬化型樹脂を介して透明スタンパ上に載置する。その後、透明スタンパ側から放射線を照射し、放射線硬化型樹脂を硬化させる。このようにして、透明スタンパに配列された第2の記録ピットを放射線硬化型樹脂上に転写する。転写後、放射線硬化型樹脂層から透明スタンパを剥離し、第2の記録ピット面上にアルミニウム等の金属をスパッタし、第2反射層を積層形成する、という既存技術がある。
しかし、上記方法によれば剥離性に優れる透明スタンパを作成しなければならず、技術的に困難が生じる。
【0003】
特公平08−023941号公報の問題点解消のため、特開平10−283682号公報では、ディスク基板に形成された半透明膜の第1反射層と、第1反射層上に形成され光ビームの大半を透過する第1中間層と、第1中間層上に形成された光ビームの大半を透過する第2中間層と、第2中間層上に形成された光ビームを反射する第2反射層を備え、第1反射層と第1中間層の接着力より第2反射層を形成するための金属系材料のスタンパと第2中間層の接着力を小さくすることにより、第1反射層がディスク基板から剥離する問題を解決している。この方法では、特公平08−023941号公報の放射線硬化型樹脂に相当するものとして、第1中間層と第2中間層の二つの層を形成する必要があり、その分だけ工程が複雑になるという新たな問題が発生する。
【0004】
別の方法として、第2の記録層を第1の記録層とは別の基板上に形成する、ダミーディスクという技術がある。
第2の記録層は、通常スタンパーを用いて信号を転写させて、第2の基板上に形成させ、その上に第2の反射膜をスパッタしたものを、別途同様にして、第1の記録層を形成し第1の反射膜をスパッタした第1の基板と、通常遅延硬化型接着剤を用いて貼り合わせ、両基板間に、透明接着層を介して積層した複数の記録層を設けてなる光学情報記録媒体を得る。その後、得られた光学情報記録媒体から、第2の基板を物理的に剥離させて、第2の反射膜を最表面に露出させた2層記録の片面構造体(A面)とする。これに、同様にして第2の基板を剥離させた別の2層記録の片面構造体(B面)を、通常さらに接着層を介して露出反射膜間で貼り合わせることによって、両面4層記録のDVD−18を得る。ここで、反射膜は半透過膜とも呼ばれ、その部分に光ビームのフォーカスが当たっている場合は反射膜として作用し、別の層に光ビームのフォーカスが当たっている場合は光ビームを透過させる。
本明細書においては、慣例に従い、上記光学情報記録媒体を構成する、上記第1の基板をディスク基板、上記第2の基板をダミーディスク基板と称する。
【0005】
特開2001−52378号公報では、第1の反射層を有するディスク基板と、第2の反射層を有するダミーディスク基板とを、接着剤で両反射層間を貼り合わせた後、機械的な力で第2の反射層とダミーディスク基板の間を予備剥離し、さらに圧搾空気を供給して第2の反射層からダミーディスク基板を剥離、除去する方法が提案されているが、この方法も予備剥離等、工程が複雑になる。
その他、ディスク基板を芳香族ポリカーボネートで成形し、ダミーディスク基板を第2の反射層から剥離し易いPMMAで成形する方法も開示されている。PMMAは流動性が良好で信号の転写性に優れ、同時に反射膜との接着力が弱いため、膜との剥離性に優れるという利点からダミーディスク基板に利用されている。ダミーディスク基板は、信号形成の目的のみに使用されるので、剥離後の基板は再利用されることが望ましい。しかし、ダミーディスク基板として使用済みのPMMAは、物性低下が大きく、再利用が非常に難しいという欠点がある。再利用品を成形する際に、内孔ゲートカット時や離型時に基板が割れ易くなり、基板の金型からの取り出しが困難になる。さらに、芳香族ポリカーボネートに少量のPMMAが混入すると透明性が低下するので、ディスク基板用の芳香族ポリカーボネートとダミーディスク基板用のPMMAは別の成形機で成形するか、同一成形機を使用する時は完全なパージが必要となることも問題である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、複数の記録層を有する前記のような光学情報記録媒体の製造工程において、ダミーディスク基板の引き剥がしの際に、ディスク基板の反射膜や記録層に剥離等の悪影響を与えることなく、量産に適した簡単な工程で複数の記録層を有する光学情報記録媒体を得ることができ、さらにダミーディスク基板の再利用が容易で、ディスク基板とダミーディスク基板を1台の成形機で成形できる光学情報記録媒体を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討した結果、ディスク基板用樹脂及びダミーディスク基板用樹脂として、それぞれ、特定のポリカーボネート樹脂を使用することによって、解決できることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明の要旨は、ディスク基板とダミーディスク基板との間に、透明接着層を介して積層した複数の記録層を設けてなる光学情報記録媒体において、該ディスク基板及びダミーディスク基板が、粘度平均分子量10,000〜30,000の芳香族ポリカーボネートからなり、かつ、該ディスク基板の臨界表面張力が20mN/m以上で40mN/m以下であり、該ダミーディスク基板の臨界表面張力が5mN/m以上で20mN/m未満であることを特徴とする光学情報記録媒体に存する。
【0009】
別の要旨は、ディスク基板とダミーディスク基板との間に、透明接着層を介して積層した複数の記録層を設けてなる光学情報記録媒体において、該ディスク基板が、分子末端のモル比で80%以上がフェノール又は炭素数9以下のアルキルフェノールで封止されている芳香族ポリカーボネートからなり、また、該ダミーディスク基板が分子末端のモル比で80%以上が炭素数10以上16以下のアルキルフェノールで封止されている芳香族ポリカーボネートからなることを特徴とする光学情報記録媒体に存する。
【0010】
また、別の要旨は、ダミーディスク基板が再生品であることを特徴とする光学情報記録媒体にある。
さらに、別の要旨は、上記いづれかの光学情報記録媒体からダミーディスク基板を剥離した片面構造体を、2枚貼り合わせてなる光学情報記録媒体にある。
【0011】
【発明の実施の形態】
ディスク基板とダミーディスク基板
本発明において、光学情報記録媒体の構造体の一部であるディスク基板の臨界表面張力(以下、単に「γc」と略称することもある。)は、20mN/m以上で40mN/m以下であり、記録層形成のみを目的とするダミーディスク基板の臨界表面張力は、5mN/m以上で20mN/m未満であることが必要である。ディスク基板のγcはダミーディスク基板に対して、少なくとも5mN/m程度高い方が望ましいが、40mN/mを超えると、成形後スタンパーからの剥離や移送中の空気との摩擦等により、基板に静電気が発生しやすくなる。他方、γcが20mN/m未満であると、ダミーディスク基板とのγcの差が小さくなり、ダミーディスク基板の剥離性が悪くなる。
ダミーディスク基板のγcは低い方が望ましいが5mN/m以下であれば成形時の信号の転写性が劣ったり、第2記録層のスパッタ不良が発生したりする。20mN/m以上であれば第1記録層基板との差が小さくなり上述の剥離性の問題が発生する。
【0012】
本発明の光学情報記録媒体について、ディスク基板及びダミーディスク基板の臨界表面張力γcを測定する方法の詳細は、次の通りである。
まず、マイクロシリンジを用いて、表面張力γが既知の液体(例えば、JISK6768に記載されているホルムアミド、エチレングリコールモノエチルエーテル及び両者の混合溶液等)の液滴約20μLを1滴、23℃、50%RHの環境下で、光学情報記録媒体のディスク基板(又はダミーディスク基板)側の内周部の表面に、好ましくは、グルーブの最内周縁から2〜3mm内方の位置に滴下し、ゴニオメーターにより、滴下30秒後の接触角θを測定する。この測定を、表面張力の異なる数種の液体について繰り返す。
次に、液体ごとに、測定された接触角θから、cosθを算出し、液体の表面張力γに対しプロットすると直線が得られるので、この直線上cosθ=1の点のγの値を求め、この値を成形基板の臨界表面張力γcとする。
【0013】
基板用樹脂
本発明において、ディスク基板又はダミーディスク基板用樹脂として用いられる、芳香族ポリカーボネートは、粘度平均分子量が10,000〜30,000の範囲内にあることが必要である。粘度平均分子量が10,000未満では、基板の強度が著しく低下し、再利用も困難になる。また、30,000を超えると、射出成形時の成形性が著しく低下するので望ましくない。粘度平均分子量は、好ましくは14,000〜18,000の範囲内から選ばれるべきである。ここでいう粘度平均分子量(M)は、オストワルド粘度計を用い塩化メチレンを溶媒とする溶液の20℃における極限粘度[η]を測定し、以下に示すSchnellの粘度式から算出される。
[η]=1.23×10−50.83
【0014】
芳香族ポリカーボネートは、所定のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、又は、ジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネート等の炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体又は共重合体である。
【0015】
本発明において、ディスク基板用樹脂は、分子末端のモル比で80%以上がフェノール又は炭素数9以下のアルキルフェノールで封止されている芳香族ポリカーボネートからなることが望ましい。その様な構造の芳香族ポリカーボネートの成形基板のγcは20mN/m以上で40mN/m以下になる。炭素数が少ないほど表面が親水化して表面張力が高くなることに起因している。
【0016】
一方、ダミーディスク基板用樹脂は、分子末端のモル比で80%以上が炭素数10以上16以下のアルキルフェノールで封止されている芳香族ポリカーボネートからなることが望ましい。その様な構造の芳香族ポリカーボネートの成形基板のγcは5mN/m以上で20mN/m以下になる。炭素数が多いほど表面が疎水化して表面張力が低くなることに起因している。
【0017】
カーボネート結合単位を導入するジヒドロキシジアリール化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[=ビスフェノールA]が挙げられる。それ以外のジヒドロキシジアリール化合物としては、例えば、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシジフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエ−テル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’−ジヒドロキシフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフォキシドのようなジヒドロキシジアリールスルフォキシド類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルフォン類等が挙げられる。
【0018】
末端封止用のフェノール類の具体的な例としては、ディスク基板用樹脂には、フェノール;ブチルフェノール、エチルフェノール、メチルフェノール等の炭素数9以下のアルキルフェノールが挙げられる。ダミーディスク基板用樹脂には、デシルフェノール、ドデシルフェノール、ミリスチルフェノール、パルミチルフェノール等の炭素数10以上16以下のアルキルフェノールが挙げられる。炭素数16を超えるアルキルフェノールは熱安定性に欠け、熱分解が発生し好ましくはない。アルキルフェノールのアルキル基は、ベンゼン核上の水酸基に対してo−、m−およびp−のいずれの位置にあってもよく、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。ポリカーボネートの末端封止は、本来、重合度を調節する目的と末端の熱安定性や耐加水分解性を向上させる目的のために行われ、通常、全分子末端に対して、80モル%以上の末端が封止される。
【0019】
透明接着層
本発明光学情報記録媒体において、ディスク基板とダミーディスク基板の間に介在する透明接着層は、記録された情報を読み取るための光ビームを十分透過することが必要である。そのような透明接着層を形成しうるものであれば、公知の接着剤、例えば、紫外線硬化型樹脂、可視光硬化型樹脂、瞬間接着樹脂および嫌気性硬化型樹脂からなる群より選択することができる。紫外線硬化型樹脂としてはエポキシ系、変性アクリレート系等があり、瞬間接着性樹脂としてはシアノアクリレート系樹脂等があり、嫌気性樹脂としてはアクリル系樹脂等がある。実用上は、これら接着剤は、スピンコートによって塗布されることが多いので、少なくとも塗布時には流動性を有する、液状の遅延硬化樹脂を選択するのが好ましい。
また、ダミーディスク基板を剥離した後の反射膜間を貼り合わせ、大容量光学情報記録媒体を作製するための接着層は、特に透明である必要はないが、実用上はやはり遅延硬化樹脂が多用される。
【0020】
光学情報記録媒体
本発明の複数の記録層を有する光学情報記録媒体は、通常、下記の▲1▼〜▲9▼の手順に従って、作製される。
▲1▼ディスク基板の成形: 螺旋又は同心円状に第1の記録ピットが配列されたスタンパを成形型として装着したキャビティ内に、ディスク基板用樹脂、例えば、フェノール又は炭素数9以下のアルキルフェノールで封止されている芳香族ポリカーボネートを射出して、第1の記録ピットが転写されたディスク基板を成形する。
▲2▼第1の反射膜の形成: ディスク基板上の転写されたピット表面に金等をスパッタし、第1の反射膜を形成する。
▲3▼ダミーディスク基板の成形: ダミーディスク基板用樹脂、例えば、炭素数10以上16以下のアルキルフェノールで封止されている芳香族ポリカーボネートを用いて、前記▲1▼と同様な方法で、第2の記録ピットが転写されたダミーディスク基板を成形する。
▲4▼第2の反射膜の形成: ダミーディスク基板上の転写されたピット表面にアルミニウム等をスパッタして第2の反射膜を形成する。
▲5▼スピンコート: 前記▲2▼で形成した第1の反射膜の上に、液状の遅延硬化樹脂をスピンコートする。
▲6▼基板の重ね合わせ: 前記▲4▼でダミーディスク基板上に形成した第2の反射膜を下にして、スピンコートされた遅延硬化樹脂を介して第1の反射膜のあるディスク基板上に載置する。
▲7▼透明接着層の形成: 時間が経過するとスピンコートされた遅延硬化樹脂が硬化し、上記ディスク基板上の第1の反射膜とダミーディスク基板上の第2の反射膜との間に、透明接着層が形成される。このようにして、複数の記録層を設けてなる光学情報記録媒体が得られる。
▲8▼ダミーディスク基板の剥離: 適当な手段、例えば基板の内孔側からエアーを導入し、ダミーディスク基板を第2の反射膜との界面から剥離する。このようにして、第2の反射膜の露出した片面構造体が得られる。
▲9▼第2の反射膜間の貼合: ▲8▼で得られた片面構造体2枚からなるセットを、第2の反射膜面同士を遅延硬化樹脂を介して貼り合わせる。このようにして、大容量光学情報記録媒体が得られる。
【0021】
さらに、本発明においては、ダミーディスク基板は、上記▲8▼で剥離された後、粉砕、ペレット化して、ダミーディスク基板用樹脂として再生することができるし、望ましい。再生回数は3回以内であれば、転写性、剥離性が良好なダミーディスク基板が得られる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳しく説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。
【0023】
基板用PCの調製
PC1
2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン     30部
p−ターシャリーブチルフェノール             1.0部
ピリジン                         500部
塩化メチレン                      2300部
上記の割合で、各材料を反応器に仕込み、300rpmの回転数にて撹拌し、20℃に保ちながら、ホスゲン50部を1時間かけて導入し反応を行った。反応終了後、過剰のピリジンを中和し、純水、塩酸、純水の順で洗浄し、塩化メチレンを蒸発乾固させてポリマー粉末を得た。得られたポリマー粉末を、270℃の温度で40mmφ単軸押出機にてペレット化し、PC1(粘度平均分子量15,000)を得た。
【0024】
PC2〜PC5:
上記PC1の調整に際して、p−ターシャリーブチルフェノール1.0部に代えて下記各種のフェノールを下記所定量用いた以外は、上記と同様にして、下記粘度平均分子量を有するPC2〜PC5を得た。
Figure 2004134033
【0025】
基板用PMMA
粘度平均分子量22,000を使用した。
【0026】
光学情報記録媒体の作製
実施例1〜4、比較例1〜2
▲1▼同心円状に第1の記録ピットが配列されたスタンパを成形型として、表−1に記載のディスク基板用樹脂を、下記の成形条件で射出成形して、ディスク基板を成形した。
成形機:住友重機DISK3
金型:12cmφDVD用金型
成形基板厚み:0.6mm
成形機のシリンダーの最高設定温度:340℃
スタンパーが装着されている側の金型の設定温度:110℃
射出時間:0.1秒
冷却時間:7.0秒
スクリュー回転数:360rpm
スクリュー径:25mmφ
型締め力:射出、保圧中20T、冷却中25T
成形基板は金型から取り出し後、18個のクーリングステージにて冷却。
【0027】
▲2▼前記▲1▼のディスク基板上に転写された第1の記録ピット表面に金をスパッタし、第1の反射膜を形成した。
▲3▼前記▲1▼と同様な方法で、第2の記録ピットを有するダミーディスク基板を、表−1に記載のダミーディスク基板用樹脂を用いて成形した。この成形時の基板の割れの有無を測定した結果を、表−1に示す。
▲4▼前記▲3▼のダミーディスク基板上に転写された第2の記録ピット表面にアルミニウムをスパッタして、第2の反射膜を形成した。
▲5▼前記▲2▼でディスク基板に形成した第1の反射膜の上に、液状の遅延硬化樹脂をスピンコートした。
▲6▼前記▲4▼のダミーディスク基板を、第2の反射膜を下にして、前記▲5▼のディスク基板の第1反射膜上にスピンコートされた遅延硬化樹脂の上に載置した。
▲7▼1分間経過すると遅延硬化樹脂が硬化し、上記ディスク基板とダミーディスク基板との間に、透明接着層を介して積層した2層の記録層を設けてなる、光学情報記録媒体が得られた。この光学情報記録媒体の、ディスク基板側の表面及びダミーディスク側の表面でγcを測定した結果を、表−1に示す。
【0028】
▲8▼前記▲7▼で得た光学情報記録媒体の内孔側からエアーを導入し、ダミーディスク基板と第2の反射膜との界面からダミーディスク基板を剥離、回収し、第2の反射膜の露出した片面構造体を得た。このダミーディスク基板の剥離性の測定結果を、表−1に示す。なお、回収されたダミーディスク基板は、粉砕再ペレット化して前記▲3▼に再使用した。また、前記▲3▼で使用したダミーディスク基板用樹脂の再生回数も、表−1に示す。
▲9▼前記▲8▼の片面構造体2枚(A面、B面)からなるセットを用意し、第2の反射膜面同士を遅延硬化樹脂で貼り合わせて、DVD−18型の大容量光学情報記録媒体を得た。
【0029】
【表1】
Figure 2004134033
【0030】
物性測定
(1)PCの粘度平均分子量:本文記載の方法によって測定した。ダミーディスク基板用PCが再生品の場合は、再生後の値を測定した。
(2)基板のγc(mN/m):本文記載の方法によって測定した。
(3)ダミーディスク基板の剥離性:ダミーディスク基板を第2の反射膜から剥離させる際の剥離のしやすさを、目視で判定した。良好はダミーディスク基板への第2の反射膜のはがれがないことを、不良はダミーディスク基板への第2の反射膜のはがれがあることを示す。
(4)ダミーディスク基板の割れの有無:上記成形時の金型からの離型時に基板の割れを目視で確認。
【0031】
【発明の効果】
本発明においては、ダミーディスク基板が、溶融熱安定性や機械的強度などに優れた芳香族ポリカーボネートから製造されているので、使用済みのダミーディスク基板を粉砕後、再利用し、ダミーディスク基板を成形しても物性低下が非常に小さく、廃棄物の発生量を抑制できる。さらに、本発明に使用するディスク基板用樹脂とダミーディスク基板用樹脂とは、いづれも分子末端がフェノール類で封止された芳香族ポリカーボネートであって、臨界表面張力以外の性能が非常に類似しているので、5重量%以下の比率で一方のポリカーボネートが他方のポリカーボネート中に混入しても、光線透過率の低下等の問題も発生しない。従って、ディスク基板用芳香族ポリカーボネートでディスク基板を成形した後、煩雑な清掃作業を必要とすることなく、同一成形機で、ダミーディスク基板用芳香族ポリカーボネートでダミーディスク基板を成形できる。またその逆も可能である。

Claims (4)

  1. ディスク基板とダミーディスク基板との間に、透明接着層を介して積層した複数の記録層を設けてなる光学情報記録媒体において、該ディスク基板及びダミーディスク基板が、粘度平均分子量10,000〜30,000の芳香族ポリカーボネートからなり、かつ、該ディスク基板の臨界表面張力が20mN/m以上で40mN/m以下であり、該ダミーディスク基板の臨界表面張力が5mN/m以上で20mN/m未満であることを特徴とする光学情報記録媒体。
  2. ディスク基板とダミーディスク基板との間に、透明接着層を介して積層した複数の記録層を設けてなる光学情報記録媒体において、該ディスク基板が、分子末端のモル比で80%以上がフェノール又は炭素数9以下のアルキルフェノールで封止されている芳香族ポリカーボネートからなり、また、該ダミーディスク基板が、分子末端のモル比で80%以上が炭素数10以上16以下のアルキルフェノールで封止されている芳香族ポリカーボネートからなることを特徴とする光学情報記録媒体。
  3. 上記ダミーディスク基板が再生品であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学情報記録媒体。
  4. 請求項1〜3のいづれかに記載の光学情報記録媒体からダミーディスク基板を剥離した片面構造体を、2枚貼り合わせてなる光学情報記録媒体。
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