JP2004134004A - 光磁気記録媒体の再生方法及び再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】拡大転写方式の光磁気ディスクの再生において、異なる記録マーク長を有する光磁気ディスクを高い信号品質で再生させることが可能な光磁気ディスクの再生方法及び再生装置を提供することができる。
【解決手段】本発明にかかるMOディスクの再生方法は磁区拡大転写方式のMOディスクの再生方法である。まず、低パワーのレーザー100及び高パワーのレーザー150からの光をMOディスク1にそれぞれ照射する。そして、それぞれの光に基づくMO信号をそれぞれ検出する。少なくとも一方のMO信号を用いて選択信号を発生させる。この選択信号は情報が記録されている記録マークの長さに応じた信号である。この選択信号に基づいて、いずれか一方のMO信号を選択する。そして選ばれたMO信号に基づいて情報を再生するものである。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明にかかるMOディスクの再生方法は磁区拡大転写方式のMOディスクの再生方法である。まず、低パワーのレーザー100及び高パワーのレーザー150からの光をMOディスク1にそれぞれ照射する。そして、それぞれの光に基づくMO信号をそれぞれ検出する。少なくとも一方のMO信号を用いて選択信号を発生させる。この選択信号は情報が記録されている記録マークの長さに応じた信号である。この選択信号に基づいて、いずれか一方のMO信号を選択する。そして選ばれたMO信号に基づいて情報を再生するものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光磁気媒体の再生方法及び再生装置に関し、さらに詳しくは記録層の磁区を再生層に拡大転写する磁区拡大転写方式の光磁気記録媒体の再生方法及び再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、書き換え可能な記録媒体として、光磁気記録媒体(光磁気ディスク、MOディスク)が注目されている。この光磁気ディスクの基板上には、あらかじめスパイラル状に溝(トラック)が切られている。このトラック上には磁性薄膜から形成される記録層が設けられ、この記録層に記録マークが形成される。この溝をレーザー光で走査し、光磁気効果を用いることにより情報の記録、再生を行っている。
【0003】
記録マークに光が入射すると、カー効果によって反射光の偏光状態が磁化に応じて変わる。従って、レーザー光を集光して照射し、その反射光の偏光状態を検出することによりデータを読み取ることができる。即ち、記録マークは磁化の向きが異なる磁区に対応し、この磁化方向により、光磁気的に性質が違う2種類のマークとして機能させることができる。よって、レーザー光を記録面に照射し、反射した光の振動方向の違いによって、データが0か1を読み取ることができる。
【0004】
記録時にはレーザー光の出力パワーを上げて照射する。するとレーザー光が照射されているスポットはレーザー光の熱エネルギーによって、磁性薄膜がキュリー温度に達する。そして磁石を近づけることで磁化の向きを反転させ、情報の記録を行う。
【0005】
また、最近では動画像や音声等の大容量データを取り扱うために、この光磁気ディスクの記憶容量を高め、大容量の記録媒体とする要求が高まっている。記憶容量を高めるためには、トラック間隔を狭めたり、記録マークの間隔を狭くして高密度化を図る必要がある。
【0006】
一般に、光磁気ディスクで再生することができる線記録密度の上限は、レーザ光の波長及び対物レンズの開口数NAに大きく依存する。すなわち、レーザ波長λと対物レンズの開口数NAが決まるとビームの径が決まる。そして、トラック間隔や記録マークの間隔をレーザー光のスポットの径(λ/NA、 λ:レーザーの波長、NA:絞り込みレンズの開口数)の半分より狭くすると、光スポット内に複数の記録マークが入るようになるため、記録マークの分別ができなくなる。従って記録密度の上限が定まってしまうという問題点があった。また記録密度を上げていくと、再生信号のS/N比が劣化し、正確な情報再生が困難になるという問題があった。
【0007】
この問題を解決する方法として本件の出願人は磁区を拡大転写して再生する磁区拡大転写方式(MAMMOS:Magnetic Amplifying Magneto Optical Systems)を提案している(例えば特許文献1、特許文献2)。この磁気拡大転写方式では記録層に記録されている記録マークの磁区を再生層に拡大して転写させている。すなわち、1つの磁区の磁化方向のみが再生層に拡大されるため、記録層に微小な記録マークを形成しても分別ができ、再生信号を高いS/N比で再生することが可能になる。これにより、光磁気ディスクの高密度化を図ることができる。
【0008】
しかし、磁気拡大転写方式には以下のような問題点があった。1枚の光磁気ディスクにおいては記録されている場所によって、磁区が記録されている記録マーク長が異なる。この記録マーク長によって磁区拡大力が異なるため、異なる記録マーク長を含む光磁気ディスクを再生させた場合に全ての記録マークを高いS/N比即ち高い信号品質で再生することが困難であった。そのため、再生エラーが発生してしまうという問題点があった。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−7350号公報
【特許文献2】
特開2002−222551号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の拡大転写方式の光磁気ディスクの再生方法及び再生装置では、異なる記録マーク長を有する光磁気ディスクを高い信号品質で再生させることが困難であるという問題点があった。
【0011】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、拡大転写方式の光磁気ディスクの再生において、異なる記録マーク長を有する光磁気ディスクを高い信号品質で再生させることが可能な光磁気ディスク再生方法及び光磁気ディスク再生装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる光磁気記録媒体の再生方法は、磁化方向によって情報が記録される記録磁区を有する記録層と、前記記録磁区が拡大して転写される再生層を備える光磁気記録媒体の再生方法であって、第1の再生光を前記光磁気媒体に照射するステップと、前記第1の再生光の反射光を検出し、前記記録層の磁化方向に基づく第1の光磁気信号を出力するステップと、前記第1の再生光とは異なる光強度を有する第2の再生光を前記光磁気媒体に照射するステップと、前記第2の再生光の反射光を検出し、前記記録層の磁化方向に基づく第2の光磁気信号を出力するステップと、前記第1の光磁気信号及び前記第2の光磁気信号の少なくともどちらか一方の光磁気信号に基づいて第1の光磁気信号又は第2の光磁気信号のいずれか一方を選択する選択信号を発生するステップと、前記選択信号に基づいて第1の光磁気信号又は第2の光磁気信号のいずれか一方を選択するステップを備え、前記選択された光磁気信号に基づいて記録磁区に記録された情報を再生するものである。これにより、光スポット半径より小さい記録マークから光スポット半径より大きな記録マークまで同程度に高いS/N比で再生できる。
【0013】
上述の再生方法は前記第1の光磁気信号及び前記第2の光磁気信号を記憶するステップをさらに有することが望ましい。これにより、情報の読み出しと再生をほぼ同時に行うことができる。
【0014】
上述の再生方法の好適な実施例は前記第1の再生光を照射するステップと前記第2の再生光を照射するステップがほぼ同時に行われ、前記第1の再生光と前記第2の再生光が異なるスポットに照射されるものである。これにより、再生を短時間で行うことができる。
【0015】
上記の再生方法においては前記第2の再生光は前記第1の再生光よりも弱い光強度を有し、前記第2の再生光に対応する第2の光磁気信号の強度を予め定めた値と比較し、その比較結果に基づいて前記選択信号を発生することが望ましい。
【0016】
あるいは前記第1の光磁気信号又は前記第2の光磁気信号のいずれか一方の光磁気信号に基づき検出された前記記録磁区の長さに応じて前記選択信号を発生させてもよい。
【0017】
本発明にかかる光磁気記録媒体の再生装置は、磁化方向によって情報が記録される記録磁区を有する記録層と、前記記録磁区が拡大して転写される再生層を備える光磁気記録媒体の再生装置であって、第1の再生光を前記光磁気媒体に照射する第1の光学手段(例えば、本発明の実施の形態におけるレーザー100、コリメーターレンズ101、成形ビームプリズム102、成形ビームプリズム103、ビームスプリッター104、105、立ち上げミラー108、対物レンズ109)と、前記第1の再生光の反射光を検出する第1の検出手段(例えば、本発明の実施の形態にかかるディテクター111、112、1/2波長板107、ビームスプリッタ105、106)と前記検出した結果に基づいて第1の光磁気信号を出力する第1の光磁気信号出力手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる差動増幅回路202)と、前記第1の再生光とは異なる光強度を有する第2の再生光を前記光磁気媒体に照射する第2の光学手段(例えば、本発明の実施の形態におけるレーザー150、コリメーターレンズ151、成形ビームプリズム152、153、ビームスプリッター154、155、立ち上げミラー158、対物レンズ159)と、前記第2の再生光の反射光を検出する第2の検出手段(例えば、本発明の実施の形態にかかるディテクター161、162、1/2波長板157、ビームスプリッタ155、156)と、前記記録層の磁化方向に基づく第2の光磁気信号を出力する第2の光磁気信号出力手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる差動増幅回路252)と、前記第1の光磁気信号及び前記第2の光磁気信号に基づいて、前記第1の光磁気信号又は前記第2の光磁気信号のいずれか一方を選択する選択信号を発生する選択信号発生手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる選択信号発生回路309)と、前記選択信号に基づいて第1の光磁気信号又は第2の光磁気信号のいずれか一方を選択する信号選択手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる信号選択回路313)を備え、前記選択された光磁気信号に基づいて記録磁区に記録された情報を再生するものである。これにより、記録マーク長によらず、高いS/N比で再生することができる。
【0018】
上記の再生装置においては前記第2の再生光は前記第1の再生光よりも弱い光強度を有し、前記第2の再生光に対応する第2の光磁気信号の強度を予め定めた値と比較し、その比較結果に基づいて前記選択信号を発生することが望ましい。
【0019】
あるいは前記第1の光磁気信号又は前記第2の光磁気信号のいずれか一方の光磁気信号に基づき検出された前記記録磁区の長さに応じて前記選択信号を発生させてもよい。
【0020】
本発明にかかる光磁気記録媒体の再生装置は、磁化方向によって情報が記録される記録磁区を有する記録層と、前記記録磁区が拡大して転写される再生層を備える光磁気記録媒体の再生装置であって、第1の再生光を前記光磁気媒体に照射する第1の光学手段(例えば、本発明の実施の形態におけるレーザー100、コリメーターレンズ101、成形ビームプリズム102、成形ビームプリズム103、ビームスプリッター104、105、立ち上げミラー108、対物レンズ109)と、前記第1の再生光の反射光を検出する第1の検出手段(例えば、本発明の実施の形態にかかるディテクター111、112、1/2波長板107、ビームスプリッタ105、106)と前記検出した結果に基づいて第1の光磁気信号を出力する第1の光磁気信号出力手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる差動増幅回路202)と、前記第1の再生光とは異なる光強度を有する第2の再生光を前記光磁気媒体に照射する第2の光学手段(例えば、本発明の実施の形態におけるレーザー150、コリメーターレンズ151、成形ビームプリズム152、153、ビームスプリッター154、155、立ち上げミラー158、対物レンズ159)と、前記第2の再生光の反射光を検出する第2の検出手段(例えば、本発明の実施の形態にかかるディテクター161、162、1/2波長板157、ビームスプリッタ155、156)と、前記記録層の磁化方向に基づく第2の光磁気信号を出力する第2の光磁気信号出力手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる差動増幅回路252)と、前記記録磁区の長さに基づいて、前記第1の光磁気信号又は前記第2の光磁気信号のいずれか一方を選択する選択信号を発生する選択信号発生手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる選択信号発生回路309)と、前記選択信号に基づいて第1の光磁気信号又は第2の光磁気信号のいずれか一方を選択する信号選択手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる信号選択回路313)を備え、前記選択された光磁気信号に基づいて記録磁区に記録された情報を再生するものである。これにより、記録マーク長によらず、高いS/N比で再生することができる。
【0021】
上述の再生装置において前記第1の光磁気信号及び前記第2の光磁気信号を記憶する記憶手段(例えば、本発明の実施の形態にかかるメモリ312)をさらに有することが望ましい。これにより、情報の読み出しと再生を同時に行うことができる。
【0022】
上述の再生装置の好適な実施の形態は前記第1の光学手段は前記第1の再生光を発生させる第1の光源(例えば、本発明の実施の形態にかかるレーザー100)を備え、前記第2の光学手段は前記第2の再生光を発生させる前記第1の光源とは異なる第2の光源(例えば、本発明の実施の形態にかかるレーザー150)を備え、第1の再生光と前記第2の再生光が異なるスポットに照射されるものである。これにより、より高いS/N比の信号を短時間で再生することが出来る。
【0023】
上述の再生装置の別の好適な実施の形態は前記第1の光学手段又は前記第2の光学手段のいずれか一方は光(例えば、本発明の実施の形態にかかるレーザー100)と、前記光源からの光を分岐する分岐手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる分岐手段113)を備え、前記分岐手段によって分岐された光の一方を前記第1の再生光とし、もう一方を前記第2の再生光として、前記第1の再生光と前記第2の再生光を異なるスポットに照射するものである。これにより、再生装置の部品点数を削減することが出来る。
【0024】
上述の再生装置の別の好適な実施の形態は前記第1の再生光及び第2の再生光が同一の光源(例えば、本発明の実施の形態にかかるレーザー100)から発生した光の光強度を変えることにより得られるものである。これにより、再生装置の部品点数をさらに削減することが出来る。
【0025】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.
本実施の形態にかかる光磁気ディスク(MOディスク)の再生装置の構成について図1を用いて説明する。図1は本発明にかかる光磁気ディスク再生装置の構成を示す構成図である。本実施の形態では光磁気ディスク上の異なるスポットに異なるパワーのレーザー光を照射して、再生を行うために2つのレーザーとその2つのレーザー光を光磁気ディスクに導くための光学系がそれぞれ2系統設けられている。また光磁気ディスクで反射した光を測定するための測定系もそれぞれ2系統設けられている。
【0026】
1は光磁気ディスク(MOディスク)、2はスピンドル、3は磁気ヘッドである。モーター(図示しない)によってスピンドル2を回転させることによりMOディスク1を回転し、記録再生を行う。また、磁気ヘッド3は情報記録磁区を形成するための外部磁界を発生させている。
【0027】
100はレーザー、101はコリメーターレンズ、102は成形ビームプリズム、103は成形ビームプリズム、104はビームスプリッター、105はビームスプリッター、106はビームスプリッター、107は1/2波長板、108は立ち上げミラー、109は対物レンズ、110はディテクター、111はディテクター、112はディテクターであり、これの光学部品がレーザー100からのレーザー光を光磁気ディスク1に導くための第1の光学系及び測定系を構成している。このレーザー100から発生し、光磁気ディスク1に照射された光を第1の再生光とする。
【0028】
150はレーザー、151はコリメーターレンズ、152は成形ビームプリズム、153は成形ビームプリズム、154はビームスプリッター、155はビームスプリッター、156はビームスプリッター、157は1/2波長板、158は立ち上げミラー、159は対物レンズ、160はディテクター、161はディテクター、162はディテクターであり、これらの光学部品がレーザー150からのレーザー光を光磁気ディスク1に導くための第2の光学系及びその測定系を構成している。このレーザー150から発生し、光磁気ディスク1に照射された光を第2の再生光とする。
【0029】
なお、レーザー150からのレーザー光はレーザー100からのレーザー光と光磁気ディスク1上の同一のトラックで異なるスポットに集光されるように光学系が配置、調整されている。さらにレーザー100はレーザー150よりも高いパワーのレーザー光を光磁気ディスク1に照射している。
【0030】
200はレーザー駆動系、201はサーボ回路、202は差動増幅器、203はMO信号判定回路、204はアクチュエーター駆動回路、205は磁気ヘッド駆動回路、206は制御回路、200はレーザー駆動系、251はサーボ回路、252は差動増幅回路である。なお、レーザー駆動系200はレーザー100を、レーザー駆動系250はレーザー150を駆動させている。ここではレーザー100のレーザー光はレーザー150のレーザー光よりも高いパワー(強度)で出力されている。よって、第1の再生光の強度は第2の再生光の強度より高い強度で光磁気ディスク1に照射されている。
【0031】
サーボ回路201、差動増幅回路202はレーザー100のレーザー光に基づく信号を検出している。同様にサーボ回路251、差動増幅回路252はレーザー150のレーザー光に基づく信号を検出している。これらの電気回路により、MOディスクの再生処理が行われる。なお、レーザー光を目的のトラック上に移動させるためのサーボ系は省略した。
【0032】
レーザー100からのレーザー光はコリメーターレンズ101、成形ビームプリズム102、成形ビームプリズム103、ビームスプリッター104、ビームスプリッター105を透過して立ち上げミラー108に入射される。立ち上げミラー108はレーザー光を光磁気ディスク1の方向に反射する。反射されたレーザー光は対物レンズ109によって、光磁気ディスク1の再生トラック上に集光される。
【0033】
なお、本実施の形態ではレーザー波長650nm、 対物レンズの開口率を0.6とした。また、媒体上に集光されるレーザースポット径を1.0μmとし、最短マークの記録マーク長を0.13μm(以下1Tと呼ぶ)とした。なお、光パルス磁界変調により媒体に記録磁区を記録している。
【0034】
光磁気ディスク1の照射されたレーザー光は再生面で反射する際にその偏光面が光磁気ディスク1に記録されている磁区方向に応じて回転する。光磁気ディスク1で反射された反射光は立ち上げミラー108によって反射され、光学系の方向に向かう。この反射光はビームスプリッター105によって2つに分岐される。その内、一方は1/2波長板107に入射し、もう一方はビームスプリッター104に入射する。
【0035】
1/2波長板107に入射した光は偏光面が45度回転し、ビームスプリッター106に入射する。ビームスプリッター106は偏光ビームスプリッター(PBS)であり入射光を互いに直交する偏光面を持つ偏光成分に分離する。すなわち、第1の偏光成分(P波)の光はビームスプリッター106を透過してディテクター111に入射する。第2の偏光成分(S波)の光はビームスプリッター106で反射されディテクター112に入射する。
【0036】
それぞれのディテクターは入射した光を検出し、検出結果に基づく光検出信号を差動増幅回路202に出力する。この出力信号は差動増幅回路202に入力される。差動増幅回路202はディテクター111とディテクター112の出力信号を差動増幅し、光磁気ディスク1の磁化方向に基づく光磁気信号(以下、MO信号)を読み取り、出力する。このようにしてレーザー100の光に基づいたMO信号が検出され、MO信号判定回路203に入力される。
【0037】
一方、ビームスプリッター105を透過した光はビームスプリッター104に入射される。ビームスプリッター104に入射した光の一部はディテクター110に入射される。このディテクター110は入射した光を検出し、検出結果に基づく光検出信号をサーボ回路201に出力する。サーボ回路201は入力した信号に基づいて、サーボ信号を出力する。このサーボ信号は制御回路206に入力される。制御回路206はサーボ信号に基づいて、レーザー光がトラックの中央に集光されるように調整する。
【0038】
また、レーザー150からのレーザー光についても同様の処理がされる。すなわち、第2の光学系及び測定系によって同様にMO信号及びサーボ信号が検出される。そして、MO信号はMO信号判定回路203に、サーボ信号は制御回路206に入力される。なお、レーザー光100に基づくMO信号を第1のMO信号、レーザー光150に基づくMO信号を第2のMO信号とする。
【0039】
本実施の形態では2つのレーザーを用いてそれぞれ駆動させているために第1の再生光のパワーと第2の再生光のパワーを別々に調節することができ、そのパワー比も任意の値にすることが出来る。なお、2つのレーザーにはレーザーアレイを用いることで代用することもできる。
【0040】
なお、本実施の形態では異なる記録マーク長を有する光磁気ディスク1の信号を高いS/N比で読み込むために、レーザー100とレーザー150の出力パワーを異なるものとしている。これは本件の出願人が、磁区拡大転写方式の再生において異なる記録マーク長に対してレーザー光のリードパワーを変えてC/N比(Carrer to Noise Ratio)を測定し、図5に示すように記録マーク長に応じて、リードパワーに対するC/N比の特性が異なることを発見したことに起因して、本発明にかかる再生装置及び再生方法を創作するに至った。このC/N比の特性の測定結果について説明する。
【0041】
まず、この測定で用いられた光磁気ディスクの構成について図4を用いて説明する。図4は光磁気ディスクの構成を示す断面図である。401は基板、402はエンハンス層、403は再生層、404はゲート層、405は記録層、406は記録補助層、407は第2ヒートシンク層、408は第1ヒートシンク層、409は紫外線硬化樹脂である。
【0042】
基板401はトラックピッチ0.6μm、板厚0.6mmのランドグルーブ基板であり、その上にSiNからなるエンハンス層402を形成する。このエンハンス層402によって、磁化方向の違いによる反射光の偏光面の差が強調される。
【0043】
その上にGdFeからなる再生層403、TbGdFeからなるゲート層404、TbFeCoからなる記録層405をスパッタ成膜した。記録層405に記録されている磁区はゲート層404によって再生層403への転写拡大を制御される。再生時には再生層403で反射されるレーザー光の偏光面の差によって情報を検出する。
【0044】
記録層405の上には記録に要する磁界を低減するために面内磁化膜である補助記録層406をGdFeCoにより形成した。さらに媒体の熱構造制御のためにSiNからなる第1ヒートシンク層408とAl合金からなる第2ヒートシンク層407を形成した。そして第1ヒートシンク層408の上に保護層として紫外線硬化樹脂409を形成した。
【0045】
図5はこの光磁気ディスクのC/N比の特性を示す図である。横軸は記録マーク長、縦軸はリードパワーであり、C/N比の値が同じ領域を等高線で示している。なお、このC/N比の測定はレーザー波長650nm、 対物レンズの開口率を0.6とした。また、媒体上に集光されるレーザースポット径を1.0μmとし、線速2.5m/sにおき分解能帯域幅30kHzで測定した結果である。
【0046】
約0.6μm以上の光スポット半径より長い記録マークでかつ再生パワーが1.0mW以下ではC/N比が45dB以上と高かった。また再生パワーが高くなるにつれC/N比が劣化した。これは再生パワーがある程度大きくなると、磁区拡大再生が始まり再生信号のジッターが大きくなることを示している。すなわち、0.6μm以上の長いマークでは再生パワーが1.5mWを超えると、磁区拡大再生が始まる。しかし、光スポット半径より大きい記録マークでは拡大再生動作が不安定になり、再生信号のジッターが大きくなるからである。
【0047】
一方、0.35−0.15μmの光スポット半径より短い記録マークで再生パワーが2.3−2.7mWのときは、C/N比が43dB以上で磁区拡大再生が十分に機能していた。これは、光スポット半径より記録マーク長が短い時は、高い再生パワーにおいて磁区拡大再生が充分機能しているからである。一方、再生パワーが例えば1.5mWと低い時には、C/N比が39dB以下になってしまう。低い再生パワーにおいては磁区拡大再生が機能せずに再生信号のレベルが低くなってしまうからである。
【0048】
これにより、光スポット半径より長い記録マーク長では低い再生パワーで再生した方が信号品質が高く情報再生に適しており、光スポット半径より短い記録マークでは高い再生パワーで再生した方が信号品質が高く情報再生に適していることが分かった。すなわち、磁区拡大媒体では光スポット径より長い記録マークでは低い再生パワーが、光スポット径より短い記録マークでは高い再生パワーが、情報再生に有利であることが分かった。
【0049】
上述のように記録マーク長に応じた再生パワーで再生することにより、高い信号品質で再生することが出来る。従って、本実施の形態では図1に示すように2つのレーザー及び光学系により再生を行っている。
【0050】
しかし、2つの再生パワーのレーザー光に基づくMO信号から情報を再生しただけでは、記録マーク長を判断することが出来ず、どちらの再生パワーが情報再生に有利であるか判別することができない。以下に2つのレーザーによってそれぞれMO信号を検出し、そのMO信号からどちらの再生パワーが適しているかを判定するMO信号判定回路について図2を用いて説明する。図2は図1のMO信号判定回路203内部の信号処理を示すブロック図である。
【0051】
301はフィルター(I)、302はフィルター(II)、303はフィルター(III)、304は微分回路(I)、305は微分回路(II)、306はコンパレータ(I)、307はコンパレータ(II)、308は同期回路、309は選択信号発生回路、310は位相調整回路(I)、311は位相調整回路(II)、312メモリ、313は信号合成回路、314は復調回路、315はフィルター(III)H、316はフィルター(III)Lを示している。
【0052】
高パワーで再生されたレーザー100に基づくMO信号をsig.1とし、低パワーで再生されたレーザー150に基づくMO信号をsig.2とした。なお、(I)を付したブロックはsig.1の処理を行うブロックを示し、(II)を付したブロックはsig.2の処理を行うブロックを示している。また、(III)を付したブロックは(II)を付したブロックとは異なる系統でsig.2の処理を行うブロックを示している。
【0053】
sig.1、sig.2はその後の信号処理と再生特性に適合したフィルター(I)301、フィルター(II)302にそれぞれ入力される。本実施の形態では、フィルター(I)301のカットオフ周波数(以下、fcと称す)を20MHz、フィルター(II)302のfcを10MHzとした。またsig.2はフィルター(II)302と同じ特性を持つフィルター(III)303にも入力される。
【0054】
このフィルターに入力されたMO信号の一例とその信号処理の様子を図3に示す。横軸は時間を示しており、媒体のトラック上の位置を示していることになる。縦軸は信号の強度(電圧)を示している。ここで再生した媒体(光磁気ディスク)は記録層に異なる長さの記録磁区(記録マーク)が形成されている。図3(a)はあるトラックにおける記録磁区の長さの一例を示したもので、白色又は黒色のマークが1つの記録磁区を示している。マークの長さは記録磁区の長さを示しており、また白色と黒色のマークでは磁化方向が反対になっているものとする。
【0055】
このトラックで検出されたMO信号は図3(b)と図3(c)に示すようになる。図3(b)はsig.1の、図3(c)はsig.2の信号波形である。sig.1の再生信号はマーク長に関わらずレベルが高いが、長マークでは磁区拡大再生の不安定さからジッター大きくなりエラーが起こりやすくなっている。sig.1の再生信号は短マークにおいては磁区拡大再生に達するパワーでないため再生レベルが低く、分解することができない。
【0056】
MO信号の判定を行うために、フィルター(III)から出力された信号をコンパレータ(III)H315及びコンパレータ(III)L316に入力する。それぞれのコンパレータは図3(c)に示すコンパレートレベルH及びコンパレートレベルLでAD変換する。すなわち、コンパレータ(III)H315はコンパレートレベルHより、信号レベルが高いとあるレベルの信号を出力し、反対に信号レベルが低いと出力値が0の信号を出力する。同様にコンパレータ(III)L316はコンパレートレベルLより、信号レベルが低いと同じレベル信号を出力し、反対に信号レベルが高いと出力値が0の信号を出力する。従って、コンパレータ(III)H315の出力信号は図3(d)、コンパレータ(III)L316の出力信号は図3(e)に示すようになる。もちろん、この信号の出力値は0以外の値でもよい。
【0057】
磁気拡大転写方式の再生信号レベルは光スポット半径と記録マーク長が同程度以下になると急激に下がるので、この時の信号レベルに基づいて上記コンパレートレベルを設定することができる。本実施の形態では、0.4〜0.5μm(4T)のマーク長において低パワーのレーザー光で再生した再生信号振幅の110%を上記コンパレートレベルH、Lと設定した。
【0058】
これらの信号は選択信号発生回路309に入力される。選択信号発生回路309ではこの2つの出力信号を足し合わせた選択信号を出力する。従って、この選択信号は図5(f)に示すようになっている。この選択信号の出力に基づいて、sig.1かsig.2のうち適している方のMO信号を選択する。これにより、選択信号のレベルに応じてsig.1、sig.2に基づく信号のどちらか一方を選択することができる。
【0059】
この選択信号は信号選択回路313に入力される。信号選択回路では微分回路(I)304、微分回路(II)305の出力信号のどちらか一方を選択して復調回路314に出力する。なお、微分回路(I)304、微分回路(II)305の出力信号間の同期を取るために位相調整回路(I)310、位相調整回路(II)311を用いた。そして復調回路314に入力されたMO信号に基づいて磁区に記録された情報が再生される。
【0060】
なお、上記の説明ではsig.2を直接コンパレータ(III)H315、コンパレータ(III)L316に入力しているが、さらに微分回路を通してからコンパレータ(III)H315、コンパレータ(III)L316に入力しても良い。微分回路を通して信号を用いることにより、信号のエッジ部を検出することができ、コンパレートレベル分の信号のずれを補正できる。よって、エッジ記録で記録されている情報を正確に再生することができる。なお、微分回路では2回微分を行っても良い。これにより、より正確なエッジ検出をすることができる。
【0061】
また、本実施の形態では位相調整回路(I)310及び位相調整回路(II)311と信号選択回路313の間にメモリ312が設けられている。このメモリ312は位相調整回路(I)310及び位相調整回路(II)311の出力信号を随時記憶している。そして一旦記憶した信号を信号選択回路313に出力することによって、情報を蓄えながら再生することができる。これにより、データの読み出しと再生を同時に行うことができる。
【0062】
上述のようにsig.2の信号レベルをコンパレートレベルと比較することによって選択信号を発生させて、sig.1、sig.2に基づく信号のいずれか一方を選択することで記録マーク長が異なる媒体であっても高いS/N比で再生することが可能になる。なお、この選択信号を発生させる上述の信号処理は一例であり、上述の信号処理とは異なる処理方法もある。
【0063】
本実施の形態ではこの異なる信号処理をさらに行い、これらの結果に基づいて選択信号を求めた。これはMOディスク表面に異物や傷がある場合等を考慮して、より高いS/N比で再生を行うためである。この選択信号を発生させる別の方法について図2を用いて説明する。
【0064】
フィルター(I)を通ったsig.1を微分回路(I)304に入力している。同様にフィルター(II)を通ったsig.2を微分回路(II)305に入力している。これにより、信号のエッジ部を判定することができる。
【0065】
次にそれぞれコンパレータ(I)306、コンパレータ(II)307に入力し、実際の記録マーク長を判断した。すなわちエッジ部の時間間隔によって記録マークの長さを判断することが出来る。この記録マーク長に応じた信号を選択信号発生回路309に入力する。
【0066】
一方、再生信号に含まれる同期信号はsig.1からフィルター(I)301、微分回路(1)304、コンパレータ(I)を通した信号から、同期回路によって求め、記録長の判定基準クロックとして用いた。同期信号は光スポット径より長いパターンが入らないように、2T及び4Tからなるパターンを用いた。この同期信号も選択信号発生回路309に入力する。
【0067】
選択信号発生回路では、上記4つの信号、即ちコンパレータ(I)306、コンパレータ(II)307、同期回路308及びコンパレータ(III)からの信号をもとに、選択信号を発生させる。ここで上記選択信号の発生に際しては、特に信頼度が高いコンパレータ(III)からの信号に重みを付加した。信号選択回路313では、選択信号を元に微分回路(I)(II)の出力信号のいずれか一方を選択して、復調回路314に出力した。
【0068】
このようにコンパレータ(III)からの情報以外の情報を選択信号発生回路309に入力して、複数の情報に基づいて選択信号を発生させてもよい。もちろん、コンパレータ(III)からの情報のみによって選択信号を発生させても良い。
【0069】
上述のような信号処理で選択信号を発生させて、sig.1、sig.2に基づく信号のいずれか一方を選択することで記録マーク長が異なる媒体であっても高いS/N比で再生することが可能になる。これは図5で示したように、記録マーク長に応じて再生に適する再生光のパワーが異なることを利用したものである。即ち光スポットの半径より短い記録マークを再生する際には高い再生パワーのレーザー光を用い、光スポットの半径より短い記録マークを再生する際には高い再生パワーのレーザー光を用いることにより高いS/N比で再生することができる。なお、予め決められた記録マーク長でもよい。
発明の実施の形態2.
【0070】
実施の形態1では2つのレーザー光源を用いて、異なるパワーの再生光を発生させ、MOディスクに照射させたが本実施の形態では、1つのレーザー光源からの光を分岐して照射させるものである。図6は本実施の形態にかかる光磁気記録媒体の再生装置の構成を示す構成図である。図1で付した符号と同一の符号は同一の構成を示すので説明を省略する。113は分岐手段である。
【0071】
本実施の形態ではレーザー100からのレーザー光を分岐手段113によって分岐して2つの再生光を発生させている。この分岐手段113には回折格子が用いられ0次回折光(直進光)を高いパワーの再生光とし、1次回折光を低いパワーの再生光とし、MOディスクに照射している。光学系、測定系はそれぞれに2系統設けられており、その信号処理回路は実施の形態1と同様なので説明を省略する。
【0072】
実施の形態1と同様の処理により、適した再生パワーに基づくMO信号を選択して再生した結果を図7に示す。図中のAは一つの再生光源で測定したビットエラーレート(以下BERとする)の結果、即ち従来の再生装置での測定結果である。Bは回折格子によって光を分岐して0次回折光を高パワーの第1の再生光とし、一次回折光を低パワーの第2の再生光とし情報再生したときのBERの結果である。なおグラフの横軸は記録時のパワーで縦軸はBERである。
【0073】
測定値の再生パワーはAでは2.5mW、後者では2.5mW(0次回折光)と0.25mW(一次回折光)とした。ここで、0次回折光と1次回折光の強度比を10:1にしたのは情報記録時において1次回折光によって記録マークに記録されている情報の消去がないようにするためである。すなわち、情報記録時には0次回折光のスポット光によって記録磁区の温度がキュリー温度以上になるようにレーザー出力を上げるが、この際に1次回折光のスポット光によって記録磁区の温度がキュリー温度以上に上がらないように回折光の強度比を設定する必要がある。
【0074】
BERが1E―4以下である記録パワーの範囲(以後記録パワーマージンと呼ぶ)は前者が1mW(7.25mW〜8.28mW)であったのに対して、後者では1.4mW(7.1mW〜8.5mW)と広がった。また、BERの底値も前者が1E−5であったのに対して、後者では2E−6とより低下した。さらに、いずれの記録パワーにおいてもBのBER方がAのBERよりも優れていることが測定された。即ち複数再生光により光スポット径より長い記録マークを低い再生パワーで情報再生し、光スポット径より短い記録マークを高い再生パワーで情報再生するとした場合の効果が示された。
【0075】
本実施の形態では分岐手段を用いることによって、1つの光源からの光を二つに分岐して2つの再生光を発生させている。従って、パワー比は固定されてしまうが、レーザー光源とその駆動系を1つとすることができ、部品点数の削減につながる。特に駆動系を一つにすることで電気系を簡素化することができる。また、分岐手段113が設けられる位置は図示した位置に限られず光路上に設けられていればよい。さらに、分岐手段113は回折格子に限られずビームスプリッターでもよい。この場合、透過率と反射率のスプリット比を適当に選択すれば、再生光のパワー比を適したものにすることができる。また、既に設けられているビームスプリッター104、105等を用いて分岐すれば、さらなる部品点数の削減が図れる。もちろんハーフミラーを用いて分岐しても良い。この場合、光路上にフィルターを挿入すれば、再生光の強度比を希望の値することができる。また分岐したレーザー光を光磁気ディスク1に照射するためにレンズやミラー等の光学部品を設けても良い。
【0076】
発明の実施の形態3.
実施の形態1、2では2つ再生光を用いて、異なるパワーの再生光を発生させ、MOディスクに照射させたが本実施の形態では、1つのレーザー光源からの光を2度照射して再生を行うものである。
【0077】
本実施の形態にかかる再生装置について図8を用いて説明する。図8は再生装置の内部構成を示す構成図である。図1で付した符号と同一の符号は同一の構成を示すため説明を省略する。207はデータ蓄積部である。
【0078】
本実施の形態ではレーザー100、光学系及び測定系が1系統のみ設けられている。本実施の形態ではまずレーザー駆動系が低パワーのレーザー光を出力し、そのレーザー光を光磁気ディスク1に照射する。この低パワーの再生光を実施の形態1で説明した第2の再生光とする。実施の形態1と同様にその反射光をディテクターにより検出する。その検出結果に基づいて差動増幅回路202は第2のMO信号(sig.2)を出力する。第2のMO信号はデータ蓄積部207によって、一度蓄積される。
【0079】
次にレーザー駆動系200は高パワーのレーザー光を出力し、そのレーザー光を光磁気ディスク1に照射する。この高パワーの再生光を実施の形態1で説明した第1の再生光とする。第1の再生光の反射光を検出して、第1のMO信号(sig.1)を求める。そしてこれらのMO信号を実施の形態1で示したように図2のフィルターに入力する。
【0080】
データ蓄積部207に蓄積されているsig.2は図2のフィルター(III)303に入力され、コンパレータ(III)H315、コンパレータ(III)L316にそれぞれ入力される。そして、実施の形態で説明した処理がなされ、選択信号発生回路309に入力される。さらに、選択信号発生回路309は選択信号を出力する。この選択信号に基づいて信号選択回路313はsig.1又はsig.2のいずれかに基づく信号を選択し、再生を行う。
【0081】
本実施の形態では2つの再生光を同時に照射できないが、レーザー光源、レーザー駆動系、光学系及び測定系が1系統のみで良いため、さらなる部品点数の削減につながる。特に検出器などの検出系とビームスプリッター等の光学系が1系統のみでよいため、部品点数を削減できコストダウンにつながる。また、レーザー駆動系200で適当なパワーを調整すればよいため、任意のパワーの再生光を照射することができる。さらに、再生光のパワーを2種類のみとせずに3種類以上の再生光を照射して、それらのうちの1つの再生光を選択することも可能である。例えば、記録マーク長に応じて3種類の再生光でMO信号を検出することも可能である。これにより、より高い信号品質で光磁気信号の再生を行うことができる。
【0082】
なお、再生する領域全てを低パワーのレーザー光を照射しMO信号を検出した後、高パワーのレーザー光を照射してMO信号を検出するように、レーザー光のパワーを切り替えるタイミングを設定してもよい。また、1周分又は数周分の記録磁区に低パワーのレーザー光を照射した後に高パワーのレーザー光を照射してMO信号を検出するようにレーザー光のパワーを切り替えるタイミングを設定しても良い。
【0083】
図9の本実施の形態にかかる再生装置で再生された結果を示す。図中Aは通常の一回の再生でのBERの結果、C1及びC2は2回、3回の再生を繰り返したときのBERの結果である。一回目の再生パワーは2.5mW、2回目の再生パワーは0.25mW、3回目の再生パワーは2.4mWとした。記録パワーマージンは再生回数を増やすごとに1mW、1.4mW、1.6mWと広がった。またBERの底値も1E−5、2E−6、1E−6と低下した。即ち複数回の情報再生を行い、かつ再生毎に再生パワーを変えることにより、情報再生がより正確に行えることが示された。
【0084】
また、レーザー駆動系によって再生光の出力を変える以外にも、光路上にフィルター等を出し入れすることによっても再生光の強度を変えることができる。
【0085】
その他の実施の形態
実施の形態1で示した磁区拡大転写方式の光磁気記録媒体(MOディスク)は図4で示した構造に限定されるものでなく、磁区拡大転写が行われるMOディスクならばよい。もちろん、各層の材料も記述したものに限られるものではない。
【0086】
なお、上述の実施の形態1、2で図示した再生装置の光学系は一例であり、図示したものに限られるものではない。MOディスクに2つの再生光(レーザー光)を照射できれば、図示した光学部品以外にもミラー、レンズ、スプリッター等の他の光学部品が設けられていてもよい。もちろん、検出系も図示したものに限られるものではない。さらに、上記の実施の形態では光強度の異なる2種類以上の再生光を照射したが、光強度の異なる3種類以上の再生光を照射して、いずれかのレーザー光に対応する光磁気信号を選択するようにしてもよい。
【0087】
なお、再生光の強度を変える方法をしてはレーザー駆動系によって光源の出力を変える以外にも、フィルターを光路上から出し入れすることによっても再生光の強度を変えることができる。また、光路上に偏光子等を設けて回転させても良い。また、実施の形態では光磁気記録媒体をMOディスクとしたがMD(Mini Disk)でもよい。
【0088】
本発明のいずれの実施の形態でも光スポットより短い記録マークを再生する際には高い再生パワーを用い、光スポットより長い記録マークを再生する際には低い再生パワーを用いている。そのためには、本再生の前に少なくともどちらかの記録マークがどの位置に存在するかを暫定的に判断する必要がある。本発明ではこの目的のために、常時低い再生パワーで情報再生し、その再生信号の振幅レベルを適切なコンパレートレベルでデジタル信号に変換する電気回路を別に用意する。再生信号レベルは光スポット径と記録マーク長が同程度以下になると急激に下がるので、この信号レベルを上記コンパレートレベルに設定しておく。そして上記コンパレートレベル以上の振幅をもつ再生信号があり、かつその再生信号の微分が極値を持つ点の間、或いは再生信号の2回微分がゼロクロスする点の間を記録マーク長と判断するようにする。以上の手段をとることにより、光スポット径より長い記録マークがある位置を暫定的に判断することができる
【0089】
なお、上述の実施の形態において選択信号の発生は複数の信号に基づいて発生させているが、いずれか1つの信号に基づいて発生させてもよい。また、上述の実施の形態では、光強度の異なる2種類のレーザー光に対応する光磁気信号のいずれか一方のみを選択しているが、これに限らずにいずれか一方の重み付けを大きくした上で両者を合成して信号を判断してよい。
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、拡大転写方式の光磁気ディスクの再生において、異なる記録マーク長を有する光磁気ディスクを高い信号品質で再生させることが可能な光磁気ディスクの再生方法及び再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる光磁気記録媒体の再生装置の構造を示す構造図である。
【図2】本発明の光磁気記録媒体の再生装置における信号処理回路を示すブロック図である。
【図3】本発明にかかる光磁気記録媒体の再生装置で処理された信号を示すグラフ図である。
【図4】本発明にかかる光磁気記録媒体の再生装置で再生される磁気拡大転写方式の光磁気記録媒体の構成を示す断面図である。
【図5】磁気拡大転写方式の光磁気記録媒体の再生特性を示すグラフ図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかる光磁気記録媒体の再生装置の構造を示す構造図である。
【図7】本発明の実施の形態2にかかる光磁気記録媒体の再生装置のエラーレートを示すグラフ図である。
【図8】本発明の実施の形態3にかかる光磁気記録媒体の再生装置の構造を示す構造図である。
【図9】本発明の実施の形態3にかかる光磁気記録媒体の再生装置のエラーレートを示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク(MOディスク)、2 スピンドル、3 磁気ヘッド、
100 レーザー、101 コリメーターレンズ、102 成形ビームプリズム、
103 成形ビームプリズム、104 ビームスプリッター
105 ビームスプリッター、106 ビームスプリッター
107 1/2波長板、108 立ち上げミラー、109 対物レンズ
110 ディテクター、111 ディテクター、112 ディテクター
113 分岐手段
150 レーザー、151 コリメーターレンズ、152 成形ビームプリズム
153 成形ビームプリズム、154 ビームスプリッター、
155 ビームスプリッター、156 ビームスプリッター、
157 1/2波長板、158 立ち上げミラー、159 対物レンズ
160 ディテクター、161 ディテクター、162 ディテクター
200 レーザー駆動回路、201 サーボ回路、202 差動増幅回路
203 MO信号判定回路、204 アクチュエーター回路
205 磁気ヘッド駆動回路、206 制御回路、207 データ蓄積部
250 レーザー駆動回路、251 サーボ回路、252 差動増幅回路、
301 フィルター(I)、302 フィルター(II)、フィルター(III)
304 微分回路(I)、305 微分回路(II)
306 コンパレータ(I)、306 コンパレータ(II)
308 同期回路、309 選択信号発生回路、310 位相調整回路(I)
311 位相調整回路(II)、312 メモリ、313 信号選択回路
314 復調回路、315 コンパレータ(III)H
316 コンパレータ(III)L
401 基板、402 エンハンス層、403 再生層、404 ゲート層
405 記録層、406 記録補助層、407 第2ヒートシンク層
408 第1ヒートシンク層、409 紫外線硬化樹脂
【発明の属する技術分野】
本発明は、光磁気媒体の再生方法及び再生装置に関し、さらに詳しくは記録層の磁区を再生層に拡大転写する磁区拡大転写方式の光磁気記録媒体の再生方法及び再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、書き換え可能な記録媒体として、光磁気記録媒体(光磁気ディスク、MOディスク)が注目されている。この光磁気ディスクの基板上には、あらかじめスパイラル状に溝(トラック)が切られている。このトラック上には磁性薄膜から形成される記録層が設けられ、この記録層に記録マークが形成される。この溝をレーザー光で走査し、光磁気効果を用いることにより情報の記録、再生を行っている。
【0003】
記録マークに光が入射すると、カー効果によって反射光の偏光状態が磁化に応じて変わる。従って、レーザー光を集光して照射し、その反射光の偏光状態を検出することによりデータを読み取ることができる。即ち、記録マークは磁化の向きが異なる磁区に対応し、この磁化方向により、光磁気的に性質が違う2種類のマークとして機能させることができる。よって、レーザー光を記録面に照射し、反射した光の振動方向の違いによって、データが0か1を読み取ることができる。
【0004】
記録時にはレーザー光の出力パワーを上げて照射する。するとレーザー光が照射されているスポットはレーザー光の熱エネルギーによって、磁性薄膜がキュリー温度に達する。そして磁石を近づけることで磁化の向きを反転させ、情報の記録を行う。
【0005】
また、最近では動画像や音声等の大容量データを取り扱うために、この光磁気ディスクの記憶容量を高め、大容量の記録媒体とする要求が高まっている。記憶容量を高めるためには、トラック間隔を狭めたり、記録マークの間隔を狭くして高密度化を図る必要がある。
【0006】
一般に、光磁気ディスクで再生することができる線記録密度の上限は、レーザ光の波長及び対物レンズの開口数NAに大きく依存する。すなわち、レーザ波長λと対物レンズの開口数NAが決まるとビームの径が決まる。そして、トラック間隔や記録マークの間隔をレーザー光のスポットの径(λ/NA、 λ:レーザーの波長、NA:絞り込みレンズの開口数)の半分より狭くすると、光スポット内に複数の記録マークが入るようになるため、記録マークの分別ができなくなる。従って記録密度の上限が定まってしまうという問題点があった。また記録密度を上げていくと、再生信号のS/N比が劣化し、正確な情報再生が困難になるという問題があった。
【0007】
この問題を解決する方法として本件の出願人は磁区を拡大転写して再生する磁区拡大転写方式(MAMMOS:Magnetic Amplifying Magneto Optical Systems)を提案している(例えば特許文献1、特許文献2)。この磁気拡大転写方式では記録層に記録されている記録マークの磁区を再生層に拡大して転写させている。すなわち、1つの磁区の磁化方向のみが再生層に拡大されるため、記録層に微小な記録マークを形成しても分別ができ、再生信号を高いS/N比で再生することが可能になる。これにより、光磁気ディスクの高密度化を図ることができる。
【0008】
しかし、磁気拡大転写方式には以下のような問題点があった。1枚の光磁気ディスクにおいては記録されている場所によって、磁区が記録されている記録マーク長が異なる。この記録マーク長によって磁区拡大力が異なるため、異なる記録マーク長を含む光磁気ディスクを再生させた場合に全ての記録マークを高いS/N比即ち高い信号品質で再生することが困難であった。そのため、再生エラーが発生してしまうという問題点があった。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−7350号公報
【特許文献2】
特開2002−222551号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の拡大転写方式の光磁気ディスクの再生方法及び再生装置では、異なる記録マーク長を有する光磁気ディスクを高い信号品質で再生させることが困難であるという問題点があった。
【0011】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、拡大転写方式の光磁気ディスクの再生において、異なる記録マーク長を有する光磁気ディスクを高い信号品質で再生させることが可能な光磁気ディスク再生方法及び光磁気ディスク再生装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる光磁気記録媒体の再生方法は、磁化方向によって情報が記録される記録磁区を有する記録層と、前記記録磁区が拡大して転写される再生層を備える光磁気記録媒体の再生方法であって、第1の再生光を前記光磁気媒体に照射するステップと、前記第1の再生光の反射光を検出し、前記記録層の磁化方向に基づく第1の光磁気信号を出力するステップと、前記第1の再生光とは異なる光強度を有する第2の再生光を前記光磁気媒体に照射するステップと、前記第2の再生光の反射光を検出し、前記記録層の磁化方向に基づく第2の光磁気信号を出力するステップと、前記第1の光磁気信号及び前記第2の光磁気信号の少なくともどちらか一方の光磁気信号に基づいて第1の光磁気信号又は第2の光磁気信号のいずれか一方を選択する選択信号を発生するステップと、前記選択信号に基づいて第1の光磁気信号又は第2の光磁気信号のいずれか一方を選択するステップを備え、前記選択された光磁気信号に基づいて記録磁区に記録された情報を再生するものである。これにより、光スポット半径より小さい記録マークから光スポット半径より大きな記録マークまで同程度に高いS/N比で再生できる。
【0013】
上述の再生方法は前記第1の光磁気信号及び前記第2の光磁気信号を記憶するステップをさらに有することが望ましい。これにより、情報の読み出しと再生をほぼ同時に行うことができる。
【0014】
上述の再生方法の好適な実施例は前記第1の再生光を照射するステップと前記第2の再生光を照射するステップがほぼ同時に行われ、前記第1の再生光と前記第2の再生光が異なるスポットに照射されるものである。これにより、再生を短時間で行うことができる。
【0015】
上記の再生方法においては前記第2の再生光は前記第1の再生光よりも弱い光強度を有し、前記第2の再生光に対応する第2の光磁気信号の強度を予め定めた値と比較し、その比較結果に基づいて前記選択信号を発生することが望ましい。
【0016】
あるいは前記第1の光磁気信号又は前記第2の光磁気信号のいずれか一方の光磁気信号に基づき検出された前記記録磁区の長さに応じて前記選択信号を発生させてもよい。
【0017】
本発明にかかる光磁気記録媒体の再生装置は、磁化方向によって情報が記録される記録磁区を有する記録層と、前記記録磁区が拡大して転写される再生層を備える光磁気記録媒体の再生装置であって、第1の再生光を前記光磁気媒体に照射する第1の光学手段(例えば、本発明の実施の形態におけるレーザー100、コリメーターレンズ101、成形ビームプリズム102、成形ビームプリズム103、ビームスプリッター104、105、立ち上げミラー108、対物レンズ109)と、前記第1の再生光の反射光を検出する第1の検出手段(例えば、本発明の実施の形態にかかるディテクター111、112、1/2波長板107、ビームスプリッタ105、106)と前記検出した結果に基づいて第1の光磁気信号を出力する第1の光磁気信号出力手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる差動増幅回路202)と、前記第1の再生光とは異なる光強度を有する第2の再生光を前記光磁気媒体に照射する第2の光学手段(例えば、本発明の実施の形態におけるレーザー150、コリメーターレンズ151、成形ビームプリズム152、153、ビームスプリッター154、155、立ち上げミラー158、対物レンズ159)と、前記第2の再生光の反射光を検出する第2の検出手段(例えば、本発明の実施の形態にかかるディテクター161、162、1/2波長板157、ビームスプリッタ155、156)と、前記記録層の磁化方向に基づく第2の光磁気信号を出力する第2の光磁気信号出力手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる差動増幅回路252)と、前記第1の光磁気信号及び前記第2の光磁気信号に基づいて、前記第1の光磁気信号又は前記第2の光磁気信号のいずれか一方を選択する選択信号を発生する選択信号発生手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる選択信号発生回路309)と、前記選択信号に基づいて第1の光磁気信号又は第2の光磁気信号のいずれか一方を選択する信号選択手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる信号選択回路313)を備え、前記選択された光磁気信号に基づいて記録磁区に記録された情報を再生するものである。これにより、記録マーク長によらず、高いS/N比で再生することができる。
【0018】
上記の再生装置においては前記第2の再生光は前記第1の再生光よりも弱い光強度を有し、前記第2の再生光に対応する第2の光磁気信号の強度を予め定めた値と比較し、その比較結果に基づいて前記選択信号を発生することが望ましい。
【0019】
あるいは前記第1の光磁気信号又は前記第2の光磁気信号のいずれか一方の光磁気信号に基づき検出された前記記録磁区の長さに応じて前記選択信号を発生させてもよい。
【0020】
本発明にかかる光磁気記録媒体の再生装置は、磁化方向によって情報が記録される記録磁区を有する記録層と、前記記録磁区が拡大して転写される再生層を備える光磁気記録媒体の再生装置であって、第1の再生光を前記光磁気媒体に照射する第1の光学手段(例えば、本発明の実施の形態におけるレーザー100、コリメーターレンズ101、成形ビームプリズム102、成形ビームプリズム103、ビームスプリッター104、105、立ち上げミラー108、対物レンズ109)と、前記第1の再生光の反射光を検出する第1の検出手段(例えば、本発明の実施の形態にかかるディテクター111、112、1/2波長板107、ビームスプリッタ105、106)と前記検出した結果に基づいて第1の光磁気信号を出力する第1の光磁気信号出力手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる差動増幅回路202)と、前記第1の再生光とは異なる光強度を有する第2の再生光を前記光磁気媒体に照射する第2の光学手段(例えば、本発明の実施の形態におけるレーザー150、コリメーターレンズ151、成形ビームプリズム152、153、ビームスプリッター154、155、立ち上げミラー158、対物レンズ159)と、前記第2の再生光の反射光を検出する第2の検出手段(例えば、本発明の実施の形態にかかるディテクター161、162、1/2波長板157、ビームスプリッタ155、156)と、前記記録層の磁化方向に基づく第2の光磁気信号を出力する第2の光磁気信号出力手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる差動増幅回路252)と、前記記録磁区の長さに基づいて、前記第1の光磁気信号又は前記第2の光磁気信号のいずれか一方を選択する選択信号を発生する選択信号発生手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる選択信号発生回路309)と、前記選択信号に基づいて第1の光磁気信号又は第2の光磁気信号のいずれか一方を選択する信号選択手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる信号選択回路313)を備え、前記選択された光磁気信号に基づいて記録磁区に記録された情報を再生するものである。これにより、記録マーク長によらず、高いS/N比で再生することができる。
【0021】
上述の再生装置において前記第1の光磁気信号及び前記第2の光磁気信号を記憶する記憶手段(例えば、本発明の実施の形態にかかるメモリ312)をさらに有することが望ましい。これにより、情報の読み出しと再生を同時に行うことができる。
【0022】
上述の再生装置の好適な実施の形態は前記第1の光学手段は前記第1の再生光を発生させる第1の光源(例えば、本発明の実施の形態にかかるレーザー100)を備え、前記第2の光学手段は前記第2の再生光を発生させる前記第1の光源とは異なる第2の光源(例えば、本発明の実施の形態にかかるレーザー150)を備え、第1の再生光と前記第2の再生光が異なるスポットに照射されるものである。これにより、より高いS/N比の信号を短時間で再生することが出来る。
【0023】
上述の再生装置の別の好適な実施の形態は前記第1の光学手段又は前記第2の光学手段のいずれか一方は光(例えば、本発明の実施の形態にかかるレーザー100)と、前記光源からの光を分岐する分岐手段(例えば、本発明の実施の形態にかかる分岐手段113)を備え、前記分岐手段によって分岐された光の一方を前記第1の再生光とし、もう一方を前記第2の再生光として、前記第1の再生光と前記第2の再生光を異なるスポットに照射するものである。これにより、再生装置の部品点数を削減することが出来る。
【0024】
上述の再生装置の別の好適な実施の形態は前記第1の再生光及び第2の再生光が同一の光源(例えば、本発明の実施の形態にかかるレーザー100)から発生した光の光強度を変えることにより得られるものである。これにより、再生装置の部品点数をさらに削減することが出来る。
【0025】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.
本実施の形態にかかる光磁気ディスク(MOディスク)の再生装置の構成について図1を用いて説明する。図1は本発明にかかる光磁気ディスク再生装置の構成を示す構成図である。本実施の形態では光磁気ディスク上の異なるスポットに異なるパワーのレーザー光を照射して、再生を行うために2つのレーザーとその2つのレーザー光を光磁気ディスクに導くための光学系がそれぞれ2系統設けられている。また光磁気ディスクで反射した光を測定するための測定系もそれぞれ2系統設けられている。
【0026】
1は光磁気ディスク(MOディスク)、2はスピンドル、3は磁気ヘッドである。モーター(図示しない)によってスピンドル2を回転させることによりMOディスク1を回転し、記録再生を行う。また、磁気ヘッド3は情報記録磁区を形成するための外部磁界を発生させている。
【0027】
100はレーザー、101はコリメーターレンズ、102は成形ビームプリズム、103は成形ビームプリズム、104はビームスプリッター、105はビームスプリッター、106はビームスプリッター、107は1/2波長板、108は立ち上げミラー、109は対物レンズ、110はディテクター、111はディテクター、112はディテクターであり、これの光学部品がレーザー100からのレーザー光を光磁気ディスク1に導くための第1の光学系及び測定系を構成している。このレーザー100から発生し、光磁気ディスク1に照射された光を第1の再生光とする。
【0028】
150はレーザー、151はコリメーターレンズ、152は成形ビームプリズム、153は成形ビームプリズム、154はビームスプリッター、155はビームスプリッター、156はビームスプリッター、157は1/2波長板、158は立ち上げミラー、159は対物レンズ、160はディテクター、161はディテクター、162はディテクターであり、これらの光学部品がレーザー150からのレーザー光を光磁気ディスク1に導くための第2の光学系及びその測定系を構成している。このレーザー150から発生し、光磁気ディスク1に照射された光を第2の再生光とする。
【0029】
なお、レーザー150からのレーザー光はレーザー100からのレーザー光と光磁気ディスク1上の同一のトラックで異なるスポットに集光されるように光学系が配置、調整されている。さらにレーザー100はレーザー150よりも高いパワーのレーザー光を光磁気ディスク1に照射している。
【0030】
200はレーザー駆動系、201はサーボ回路、202は差動増幅器、203はMO信号判定回路、204はアクチュエーター駆動回路、205は磁気ヘッド駆動回路、206は制御回路、200はレーザー駆動系、251はサーボ回路、252は差動増幅回路である。なお、レーザー駆動系200はレーザー100を、レーザー駆動系250はレーザー150を駆動させている。ここではレーザー100のレーザー光はレーザー150のレーザー光よりも高いパワー(強度)で出力されている。よって、第1の再生光の強度は第2の再生光の強度より高い強度で光磁気ディスク1に照射されている。
【0031】
サーボ回路201、差動増幅回路202はレーザー100のレーザー光に基づく信号を検出している。同様にサーボ回路251、差動増幅回路252はレーザー150のレーザー光に基づく信号を検出している。これらの電気回路により、MOディスクの再生処理が行われる。なお、レーザー光を目的のトラック上に移動させるためのサーボ系は省略した。
【0032】
レーザー100からのレーザー光はコリメーターレンズ101、成形ビームプリズム102、成形ビームプリズム103、ビームスプリッター104、ビームスプリッター105を透過して立ち上げミラー108に入射される。立ち上げミラー108はレーザー光を光磁気ディスク1の方向に反射する。反射されたレーザー光は対物レンズ109によって、光磁気ディスク1の再生トラック上に集光される。
【0033】
なお、本実施の形態ではレーザー波長650nm、 対物レンズの開口率を0.6とした。また、媒体上に集光されるレーザースポット径を1.0μmとし、最短マークの記録マーク長を0.13μm(以下1Tと呼ぶ)とした。なお、光パルス磁界変調により媒体に記録磁区を記録している。
【0034】
光磁気ディスク1の照射されたレーザー光は再生面で反射する際にその偏光面が光磁気ディスク1に記録されている磁区方向に応じて回転する。光磁気ディスク1で反射された反射光は立ち上げミラー108によって反射され、光学系の方向に向かう。この反射光はビームスプリッター105によって2つに分岐される。その内、一方は1/2波長板107に入射し、もう一方はビームスプリッター104に入射する。
【0035】
1/2波長板107に入射した光は偏光面が45度回転し、ビームスプリッター106に入射する。ビームスプリッター106は偏光ビームスプリッター(PBS)であり入射光を互いに直交する偏光面を持つ偏光成分に分離する。すなわち、第1の偏光成分(P波)の光はビームスプリッター106を透過してディテクター111に入射する。第2の偏光成分(S波)の光はビームスプリッター106で反射されディテクター112に入射する。
【0036】
それぞれのディテクターは入射した光を検出し、検出結果に基づく光検出信号を差動増幅回路202に出力する。この出力信号は差動増幅回路202に入力される。差動増幅回路202はディテクター111とディテクター112の出力信号を差動増幅し、光磁気ディスク1の磁化方向に基づく光磁気信号(以下、MO信号)を読み取り、出力する。このようにしてレーザー100の光に基づいたMO信号が検出され、MO信号判定回路203に入力される。
【0037】
一方、ビームスプリッター105を透過した光はビームスプリッター104に入射される。ビームスプリッター104に入射した光の一部はディテクター110に入射される。このディテクター110は入射した光を検出し、検出結果に基づく光検出信号をサーボ回路201に出力する。サーボ回路201は入力した信号に基づいて、サーボ信号を出力する。このサーボ信号は制御回路206に入力される。制御回路206はサーボ信号に基づいて、レーザー光がトラックの中央に集光されるように調整する。
【0038】
また、レーザー150からのレーザー光についても同様の処理がされる。すなわち、第2の光学系及び測定系によって同様にMO信号及びサーボ信号が検出される。そして、MO信号はMO信号判定回路203に、サーボ信号は制御回路206に入力される。なお、レーザー光100に基づくMO信号を第1のMO信号、レーザー光150に基づくMO信号を第2のMO信号とする。
【0039】
本実施の形態では2つのレーザーを用いてそれぞれ駆動させているために第1の再生光のパワーと第2の再生光のパワーを別々に調節することができ、そのパワー比も任意の値にすることが出来る。なお、2つのレーザーにはレーザーアレイを用いることで代用することもできる。
【0040】
なお、本実施の形態では異なる記録マーク長を有する光磁気ディスク1の信号を高いS/N比で読み込むために、レーザー100とレーザー150の出力パワーを異なるものとしている。これは本件の出願人が、磁区拡大転写方式の再生において異なる記録マーク長に対してレーザー光のリードパワーを変えてC/N比(Carrer to Noise Ratio)を測定し、図5に示すように記録マーク長に応じて、リードパワーに対するC/N比の特性が異なることを発見したことに起因して、本発明にかかる再生装置及び再生方法を創作するに至った。このC/N比の特性の測定結果について説明する。
【0041】
まず、この測定で用いられた光磁気ディスクの構成について図4を用いて説明する。図4は光磁気ディスクの構成を示す断面図である。401は基板、402はエンハンス層、403は再生層、404はゲート層、405は記録層、406は記録補助層、407は第2ヒートシンク層、408は第1ヒートシンク層、409は紫外線硬化樹脂である。
【0042】
基板401はトラックピッチ0.6μm、板厚0.6mmのランドグルーブ基板であり、その上にSiNからなるエンハンス層402を形成する。このエンハンス層402によって、磁化方向の違いによる反射光の偏光面の差が強調される。
【0043】
その上にGdFeからなる再生層403、TbGdFeからなるゲート層404、TbFeCoからなる記録層405をスパッタ成膜した。記録層405に記録されている磁区はゲート層404によって再生層403への転写拡大を制御される。再生時には再生層403で反射されるレーザー光の偏光面の差によって情報を検出する。
【0044】
記録層405の上には記録に要する磁界を低減するために面内磁化膜である補助記録層406をGdFeCoにより形成した。さらに媒体の熱構造制御のためにSiNからなる第1ヒートシンク層408とAl合金からなる第2ヒートシンク層407を形成した。そして第1ヒートシンク層408の上に保護層として紫外線硬化樹脂409を形成した。
【0045】
図5はこの光磁気ディスクのC/N比の特性を示す図である。横軸は記録マーク長、縦軸はリードパワーであり、C/N比の値が同じ領域を等高線で示している。なお、このC/N比の測定はレーザー波長650nm、 対物レンズの開口率を0.6とした。また、媒体上に集光されるレーザースポット径を1.0μmとし、線速2.5m/sにおき分解能帯域幅30kHzで測定した結果である。
【0046】
約0.6μm以上の光スポット半径より長い記録マークでかつ再生パワーが1.0mW以下ではC/N比が45dB以上と高かった。また再生パワーが高くなるにつれC/N比が劣化した。これは再生パワーがある程度大きくなると、磁区拡大再生が始まり再生信号のジッターが大きくなることを示している。すなわち、0.6μm以上の長いマークでは再生パワーが1.5mWを超えると、磁区拡大再生が始まる。しかし、光スポット半径より大きい記録マークでは拡大再生動作が不安定になり、再生信号のジッターが大きくなるからである。
【0047】
一方、0.35−0.15μmの光スポット半径より短い記録マークで再生パワーが2.3−2.7mWのときは、C/N比が43dB以上で磁区拡大再生が十分に機能していた。これは、光スポット半径より記録マーク長が短い時は、高い再生パワーにおいて磁区拡大再生が充分機能しているからである。一方、再生パワーが例えば1.5mWと低い時には、C/N比が39dB以下になってしまう。低い再生パワーにおいては磁区拡大再生が機能せずに再生信号のレベルが低くなってしまうからである。
【0048】
これにより、光スポット半径より長い記録マーク長では低い再生パワーで再生した方が信号品質が高く情報再生に適しており、光スポット半径より短い記録マークでは高い再生パワーで再生した方が信号品質が高く情報再生に適していることが分かった。すなわち、磁区拡大媒体では光スポット径より長い記録マークでは低い再生パワーが、光スポット径より短い記録マークでは高い再生パワーが、情報再生に有利であることが分かった。
【0049】
上述のように記録マーク長に応じた再生パワーで再生することにより、高い信号品質で再生することが出来る。従って、本実施の形態では図1に示すように2つのレーザー及び光学系により再生を行っている。
【0050】
しかし、2つの再生パワーのレーザー光に基づくMO信号から情報を再生しただけでは、記録マーク長を判断することが出来ず、どちらの再生パワーが情報再生に有利であるか判別することができない。以下に2つのレーザーによってそれぞれMO信号を検出し、そのMO信号からどちらの再生パワーが適しているかを判定するMO信号判定回路について図2を用いて説明する。図2は図1のMO信号判定回路203内部の信号処理を示すブロック図である。
【0051】
301はフィルター(I)、302はフィルター(II)、303はフィルター(III)、304は微分回路(I)、305は微分回路(II)、306はコンパレータ(I)、307はコンパレータ(II)、308は同期回路、309は選択信号発生回路、310は位相調整回路(I)、311は位相調整回路(II)、312メモリ、313は信号合成回路、314は復調回路、315はフィルター(III)H、316はフィルター(III)Lを示している。
【0052】
高パワーで再生されたレーザー100に基づくMO信号をsig.1とし、低パワーで再生されたレーザー150に基づくMO信号をsig.2とした。なお、(I)を付したブロックはsig.1の処理を行うブロックを示し、(II)を付したブロックはsig.2の処理を行うブロックを示している。また、(III)を付したブロックは(II)を付したブロックとは異なる系統でsig.2の処理を行うブロックを示している。
【0053】
sig.1、sig.2はその後の信号処理と再生特性に適合したフィルター(I)301、フィルター(II)302にそれぞれ入力される。本実施の形態では、フィルター(I)301のカットオフ周波数(以下、fcと称す)を20MHz、フィルター(II)302のfcを10MHzとした。またsig.2はフィルター(II)302と同じ特性を持つフィルター(III)303にも入力される。
【0054】
このフィルターに入力されたMO信号の一例とその信号処理の様子を図3に示す。横軸は時間を示しており、媒体のトラック上の位置を示していることになる。縦軸は信号の強度(電圧)を示している。ここで再生した媒体(光磁気ディスク)は記録層に異なる長さの記録磁区(記録マーク)が形成されている。図3(a)はあるトラックにおける記録磁区の長さの一例を示したもので、白色又は黒色のマークが1つの記録磁区を示している。マークの長さは記録磁区の長さを示しており、また白色と黒色のマークでは磁化方向が反対になっているものとする。
【0055】
このトラックで検出されたMO信号は図3(b)と図3(c)に示すようになる。図3(b)はsig.1の、図3(c)はsig.2の信号波形である。sig.1の再生信号はマーク長に関わらずレベルが高いが、長マークでは磁区拡大再生の不安定さからジッター大きくなりエラーが起こりやすくなっている。sig.1の再生信号は短マークにおいては磁区拡大再生に達するパワーでないため再生レベルが低く、分解することができない。
【0056】
MO信号の判定を行うために、フィルター(III)から出力された信号をコンパレータ(III)H315及びコンパレータ(III)L316に入力する。それぞれのコンパレータは図3(c)に示すコンパレートレベルH及びコンパレートレベルLでAD変換する。すなわち、コンパレータ(III)H315はコンパレートレベルHより、信号レベルが高いとあるレベルの信号を出力し、反対に信号レベルが低いと出力値が0の信号を出力する。同様にコンパレータ(III)L316はコンパレートレベルLより、信号レベルが低いと同じレベル信号を出力し、反対に信号レベルが高いと出力値が0の信号を出力する。従って、コンパレータ(III)H315の出力信号は図3(d)、コンパレータ(III)L316の出力信号は図3(e)に示すようになる。もちろん、この信号の出力値は0以外の値でもよい。
【0057】
磁気拡大転写方式の再生信号レベルは光スポット半径と記録マーク長が同程度以下になると急激に下がるので、この時の信号レベルに基づいて上記コンパレートレベルを設定することができる。本実施の形態では、0.4〜0.5μm(4T)のマーク長において低パワーのレーザー光で再生した再生信号振幅の110%を上記コンパレートレベルH、Lと設定した。
【0058】
これらの信号は選択信号発生回路309に入力される。選択信号発生回路309ではこの2つの出力信号を足し合わせた選択信号を出力する。従って、この選択信号は図5(f)に示すようになっている。この選択信号の出力に基づいて、sig.1かsig.2のうち適している方のMO信号を選択する。これにより、選択信号のレベルに応じてsig.1、sig.2に基づく信号のどちらか一方を選択することができる。
【0059】
この選択信号は信号選択回路313に入力される。信号選択回路では微分回路(I)304、微分回路(II)305の出力信号のどちらか一方を選択して復調回路314に出力する。なお、微分回路(I)304、微分回路(II)305の出力信号間の同期を取るために位相調整回路(I)310、位相調整回路(II)311を用いた。そして復調回路314に入力されたMO信号に基づいて磁区に記録された情報が再生される。
【0060】
なお、上記の説明ではsig.2を直接コンパレータ(III)H315、コンパレータ(III)L316に入力しているが、さらに微分回路を通してからコンパレータ(III)H315、コンパレータ(III)L316に入力しても良い。微分回路を通して信号を用いることにより、信号のエッジ部を検出することができ、コンパレートレベル分の信号のずれを補正できる。よって、エッジ記録で記録されている情報を正確に再生することができる。なお、微分回路では2回微分を行っても良い。これにより、より正確なエッジ検出をすることができる。
【0061】
また、本実施の形態では位相調整回路(I)310及び位相調整回路(II)311と信号選択回路313の間にメモリ312が設けられている。このメモリ312は位相調整回路(I)310及び位相調整回路(II)311の出力信号を随時記憶している。そして一旦記憶した信号を信号選択回路313に出力することによって、情報を蓄えながら再生することができる。これにより、データの読み出しと再生を同時に行うことができる。
【0062】
上述のようにsig.2の信号レベルをコンパレートレベルと比較することによって選択信号を発生させて、sig.1、sig.2に基づく信号のいずれか一方を選択することで記録マーク長が異なる媒体であっても高いS/N比で再生することが可能になる。なお、この選択信号を発生させる上述の信号処理は一例であり、上述の信号処理とは異なる処理方法もある。
【0063】
本実施の形態ではこの異なる信号処理をさらに行い、これらの結果に基づいて選択信号を求めた。これはMOディスク表面に異物や傷がある場合等を考慮して、より高いS/N比で再生を行うためである。この選択信号を発生させる別の方法について図2を用いて説明する。
【0064】
フィルター(I)を通ったsig.1を微分回路(I)304に入力している。同様にフィルター(II)を通ったsig.2を微分回路(II)305に入力している。これにより、信号のエッジ部を判定することができる。
【0065】
次にそれぞれコンパレータ(I)306、コンパレータ(II)307に入力し、実際の記録マーク長を判断した。すなわちエッジ部の時間間隔によって記録マークの長さを判断することが出来る。この記録マーク長に応じた信号を選択信号発生回路309に入力する。
【0066】
一方、再生信号に含まれる同期信号はsig.1からフィルター(I)301、微分回路(1)304、コンパレータ(I)を通した信号から、同期回路によって求め、記録長の判定基準クロックとして用いた。同期信号は光スポット径より長いパターンが入らないように、2T及び4Tからなるパターンを用いた。この同期信号も選択信号発生回路309に入力する。
【0067】
選択信号発生回路では、上記4つの信号、即ちコンパレータ(I)306、コンパレータ(II)307、同期回路308及びコンパレータ(III)からの信号をもとに、選択信号を発生させる。ここで上記選択信号の発生に際しては、特に信頼度が高いコンパレータ(III)からの信号に重みを付加した。信号選択回路313では、選択信号を元に微分回路(I)(II)の出力信号のいずれか一方を選択して、復調回路314に出力した。
【0068】
このようにコンパレータ(III)からの情報以外の情報を選択信号発生回路309に入力して、複数の情報に基づいて選択信号を発生させてもよい。もちろん、コンパレータ(III)からの情報のみによって選択信号を発生させても良い。
【0069】
上述のような信号処理で選択信号を発生させて、sig.1、sig.2に基づく信号のいずれか一方を選択することで記録マーク長が異なる媒体であっても高いS/N比で再生することが可能になる。これは図5で示したように、記録マーク長に応じて再生に適する再生光のパワーが異なることを利用したものである。即ち光スポットの半径より短い記録マークを再生する際には高い再生パワーのレーザー光を用い、光スポットの半径より短い記録マークを再生する際には高い再生パワーのレーザー光を用いることにより高いS/N比で再生することができる。なお、予め決められた記録マーク長でもよい。
発明の実施の形態2.
【0070】
実施の形態1では2つのレーザー光源を用いて、異なるパワーの再生光を発生させ、MOディスクに照射させたが本実施の形態では、1つのレーザー光源からの光を分岐して照射させるものである。図6は本実施の形態にかかる光磁気記録媒体の再生装置の構成を示す構成図である。図1で付した符号と同一の符号は同一の構成を示すので説明を省略する。113は分岐手段である。
【0071】
本実施の形態ではレーザー100からのレーザー光を分岐手段113によって分岐して2つの再生光を発生させている。この分岐手段113には回折格子が用いられ0次回折光(直進光)を高いパワーの再生光とし、1次回折光を低いパワーの再生光とし、MOディスクに照射している。光学系、測定系はそれぞれに2系統設けられており、その信号処理回路は実施の形態1と同様なので説明を省略する。
【0072】
実施の形態1と同様の処理により、適した再生パワーに基づくMO信号を選択して再生した結果を図7に示す。図中のAは一つの再生光源で測定したビットエラーレート(以下BERとする)の結果、即ち従来の再生装置での測定結果である。Bは回折格子によって光を分岐して0次回折光を高パワーの第1の再生光とし、一次回折光を低パワーの第2の再生光とし情報再生したときのBERの結果である。なおグラフの横軸は記録時のパワーで縦軸はBERである。
【0073】
測定値の再生パワーはAでは2.5mW、後者では2.5mW(0次回折光)と0.25mW(一次回折光)とした。ここで、0次回折光と1次回折光の強度比を10:1にしたのは情報記録時において1次回折光によって記録マークに記録されている情報の消去がないようにするためである。すなわち、情報記録時には0次回折光のスポット光によって記録磁区の温度がキュリー温度以上になるようにレーザー出力を上げるが、この際に1次回折光のスポット光によって記録磁区の温度がキュリー温度以上に上がらないように回折光の強度比を設定する必要がある。
【0074】
BERが1E―4以下である記録パワーの範囲(以後記録パワーマージンと呼ぶ)は前者が1mW(7.25mW〜8.28mW)であったのに対して、後者では1.4mW(7.1mW〜8.5mW)と広がった。また、BERの底値も前者が1E−5であったのに対して、後者では2E−6とより低下した。さらに、いずれの記録パワーにおいてもBのBER方がAのBERよりも優れていることが測定された。即ち複数再生光により光スポット径より長い記録マークを低い再生パワーで情報再生し、光スポット径より短い記録マークを高い再生パワーで情報再生するとした場合の効果が示された。
【0075】
本実施の形態では分岐手段を用いることによって、1つの光源からの光を二つに分岐して2つの再生光を発生させている。従って、パワー比は固定されてしまうが、レーザー光源とその駆動系を1つとすることができ、部品点数の削減につながる。特に駆動系を一つにすることで電気系を簡素化することができる。また、分岐手段113が設けられる位置は図示した位置に限られず光路上に設けられていればよい。さらに、分岐手段113は回折格子に限られずビームスプリッターでもよい。この場合、透過率と反射率のスプリット比を適当に選択すれば、再生光のパワー比を適したものにすることができる。また、既に設けられているビームスプリッター104、105等を用いて分岐すれば、さらなる部品点数の削減が図れる。もちろんハーフミラーを用いて分岐しても良い。この場合、光路上にフィルターを挿入すれば、再生光の強度比を希望の値することができる。また分岐したレーザー光を光磁気ディスク1に照射するためにレンズやミラー等の光学部品を設けても良い。
【0076】
発明の実施の形態3.
実施の形態1、2では2つ再生光を用いて、異なるパワーの再生光を発生させ、MOディスクに照射させたが本実施の形態では、1つのレーザー光源からの光を2度照射して再生を行うものである。
【0077】
本実施の形態にかかる再生装置について図8を用いて説明する。図8は再生装置の内部構成を示す構成図である。図1で付した符号と同一の符号は同一の構成を示すため説明を省略する。207はデータ蓄積部である。
【0078】
本実施の形態ではレーザー100、光学系及び測定系が1系統のみ設けられている。本実施の形態ではまずレーザー駆動系が低パワーのレーザー光を出力し、そのレーザー光を光磁気ディスク1に照射する。この低パワーの再生光を実施の形態1で説明した第2の再生光とする。実施の形態1と同様にその反射光をディテクターにより検出する。その検出結果に基づいて差動増幅回路202は第2のMO信号(sig.2)を出力する。第2のMO信号はデータ蓄積部207によって、一度蓄積される。
【0079】
次にレーザー駆動系200は高パワーのレーザー光を出力し、そのレーザー光を光磁気ディスク1に照射する。この高パワーの再生光を実施の形態1で説明した第1の再生光とする。第1の再生光の反射光を検出して、第1のMO信号(sig.1)を求める。そしてこれらのMO信号を実施の形態1で示したように図2のフィルターに入力する。
【0080】
データ蓄積部207に蓄積されているsig.2は図2のフィルター(III)303に入力され、コンパレータ(III)H315、コンパレータ(III)L316にそれぞれ入力される。そして、実施の形態で説明した処理がなされ、選択信号発生回路309に入力される。さらに、選択信号発生回路309は選択信号を出力する。この選択信号に基づいて信号選択回路313はsig.1又はsig.2のいずれかに基づく信号を選択し、再生を行う。
【0081】
本実施の形態では2つの再生光を同時に照射できないが、レーザー光源、レーザー駆動系、光学系及び測定系が1系統のみで良いため、さらなる部品点数の削減につながる。特に検出器などの検出系とビームスプリッター等の光学系が1系統のみでよいため、部品点数を削減できコストダウンにつながる。また、レーザー駆動系200で適当なパワーを調整すればよいため、任意のパワーの再生光を照射することができる。さらに、再生光のパワーを2種類のみとせずに3種類以上の再生光を照射して、それらのうちの1つの再生光を選択することも可能である。例えば、記録マーク長に応じて3種類の再生光でMO信号を検出することも可能である。これにより、より高い信号品質で光磁気信号の再生を行うことができる。
【0082】
なお、再生する領域全てを低パワーのレーザー光を照射しMO信号を検出した後、高パワーのレーザー光を照射してMO信号を検出するように、レーザー光のパワーを切り替えるタイミングを設定してもよい。また、1周分又は数周分の記録磁区に低パワーのレーザー光を照射した後に高パワーのレーザー光を照射してMO信号を検出するようにレーザー光のパワーを切り替えるタイミングを設定しても良い。
【0083】
図9の本実施の形態にかかる再生装置で再生された結果を示す。図中Aは通常の一回の再生でのBERの結果、C1及びC2は2回、3回の再生を繰り返したときのBERの結果である。一回目の再生パワーは2.5mW、2回目の再生パワーは0.25mW、3回目の再生パワーは2.4mWとした。記録パワーマージンは再生回数を増やすごとに1mW、1.4mW、1.6mWと広がった。またBERの底値も1E−5、2E−6、1E−6と低下した。即ち複数回の情報再生を行い、かつ再生毎に再生パワーを変えることにより、情報再生がより正確に行えることが示された。
【0084】
また、レーザー駆動系によって再生光の出力を変える以外にも、光路上にフィルター等を出し入れすることによっても再生光の強度を変えることができる。
【0085】
その他の実施の形態
実施の形態1で示した磁区拡大転写方式の光磁気記録媒体(MOディスク)は図4で示した構造に限定されるものでなく、磁区拡大転写が行われるMOディスクならばよい。もちろん、各層の材料も記述したものに限られるものではない。
【0086】
なお、上述の実施の形態1、2で図示した再生装置の光学系は一例であり、図示したものに限られるものではない。MOディスクに2つの再生光(レーザー光)を照射できれば、図示した光学部品以外にもミラー、レンズ、スプリッター等の他の光学部品が設けられていてもよい。もちろん、検出系も図示したものに限られるものではない。さらに、上記の実施の形態では光強度の異なる2種類以上の再生光を照射したが、光強度の異なる3種類以上の再生光を照射して、いずれかのレーザー光に対応する光磁気信号を選択するようにしてもよい。
【0087】
なお、再生光の強度を変える方法をしてはレーザー駆動系によって光源の出力を変える以外にも、フィルターを光路上から出し入れすることによっても再生光の強度を変えることができる。また、光路上に偏光子等を設けて回転させても良い。また、実施の形態では光磁気記録媒体をMOディスクとしたがMD(Mini Disk)でもよい。
【0088】
本発明のいずれの実施の形態でも光スポットより短い記録マークを再生する際には高い再生パワーを用い、光スポットより長い記録マークを再生する際には低い再生パワーを用いている。そのためには、本再生の前に少なくともどちらかの記録マークがどの位置に存在するかを暫定的に判断する必要がある。本発明ではこの目的のために、常時低い再生パワーで情報再生し、その再生信号の振幅レベルを適切なコンパレートレベルでデジタル信号に変換する電気回路を別に用意する。再生信号レベルは光スポット径と記録マーク長が同程度以下になると急激に下がるので、この信号レベルを上記コンパレートレベルに設定しておく。そして上記コンパレートレベル以上の振幅をもつ再生信号があり、かつその再生信号の微分が極値を持つ点の間、或いは再生信号の2回微分がゼロクロスする点の間を記録マーク長と判断するようにする。以上の手段をとることにより、光スポット径より長い記録マークがある位置を暫定的に判断することができる
【0089】
なお、上述の実施の形態において選択信号の発生は複数の信号に基づいて発生させているが、いずれか1つの信号に基づいて発生させてもよい。また、上述の実施の形態では、光強度の異なる2種類のレーザー光に対応する光磁気信号のいずれか一方のみを選択しているが、これに限らずにいずれか一方の重み付けを大きくした上で両者を合成して信号を判断してよい。
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、拡大転写方式の光磁気ディスクの再生において、異なる記録マーク長を有する光磁気ディスクを高い信号品質で再生させることが可能な光磁気ディスクの再生方法及び再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる光磁気記録媒体の再生装置の構造を示す構造図である。
【図2】本発明の光磁気記録媒体の再生装置における信号処理回路を示すブロック図である。
【図3】本発明にかかる光磁気記録媒体の再生装置で処理された信号を示すグラフ図である。
【図4】本発明にかかる光磁気記録媒体の再生装置で再生される磁気拡大転写方式の光磁気記録媒体の構成を示す断面図である。
【図5】磁気拡大転写方式の光磁気記録媒体の再生特性を示すグラフ図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかる光磁気記録媒体の再生装置の構造を示す構造図である。
【図7】本発明の実施の形態2にかかる光磁気記録媒体の再生装置のエラーレートを示すグラフ図である。
【図8】本発明の実施の形態3にかかる光磁気記録媒体の再生装置の構造を示す構造図である。
【図9】本発明の実施の形態3にかかる光磁気記録媒体の再生装置のエラーレートを示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 光磁気ディスク(MOディスク)、2 スピンドル、3 磁気ヘッド、
100 レーザー、101 コリメーターレンズ、102 成形ビームプリズム、
103 成形ビームプリズム、104 ビームスプリッター
105 ビームスプリッター、106 ビームスプリッター
107 1/2波長板、108 立ち上げミラー、109 対物レンズ
110 ディテクター、111 ディテクター、112 ディテクター
113 分岐手段
150 レーザー、151 コリメーターレンズ、152 成形ビームプリズム
153 成形ビームプリズム、154 ビームスプリッター、
155 ビームスプリッター、156 ビームスプリッター、
157 1/2波長板、158 立ち上げミラー、159 対物レンズ
160 ディテクター、161 ディテクター、162 ディテクター
200 レーザー駆動回路、201 サーボ回路、202 差動増幅回路
203 MO信号判定回路、204 アクチュエーター回路
205 磁気ヘッド駆動回路、206 制御回路、207 データ蓄積部
250 レーザー駆動回路、251 サーボ回路、252 差動増幅回路、
301 フィルター(I)、302 フィルター(II)、フィルター(III)
304 微分回路(I)、305 微分回路(II)
306 コンパレータ(I)、306 コンパレータ(II)
308 同期回路、309 選択信号発生回路、310 位相調整回路(I)
311 位相調整回路(II)、312 メモリ、313 信号選択回路
314 復調回路、315 コンパレータ(III)H
316 コンパレータ(III)L
401 基板、402 エンハンス層、403 再生層、404 ゲート層
405 記録層、406 記録補助層、407 第2ヒートシンク層
408 第1ヒートシンク層、409 紫外線硬化樹脂
Claims (13)
- 磁化方向によって情報が記録される記録磁区を有する記録層と、前記記録磁区が拡大して転写される再生層を備える光磁気記録媒体の再生方法であって、
第1の再生光を前記光磁気媒体に照射するステップと、
前記第1の再生光の反射光を検出し、前記記録層の磁化方向に基づく第1の光磁気信号を出力するステップと、
前記第1の再生光とは異なる光強度を有する第2の再生光を前記光磁気媒体に照射するステップと、
前記第2の再生光の反射光を検出し、前記記録層の磁化方向に基づく第2の光磁気信号を出力するステップと、
前記第1の光磁気信号及び前記第2の光磁気信号の少なくともどちらか一方の光磁気信号に基づいて第1の光磁気信号又は第2の光磁気信号のいずれか一方を選択する選択信号を発生するステップと、
前記選択信号に基づいて第1の光磁気信号又は第2の光磁気信号のいずれか一方を選択するステップを備え、
前記選択された光磁気信号に基づいて記録磁区に記録された情報を再生する光磁気記録媒体の再生方法。 - 前記第1の光磁気信号及び前記第2の光磁気信号を記憶するステップをさらに有する請求項1記載の光磁気記録媒体の再生方法。
- 前記第1の再生光を照射するステップと前記第2の再生光を照射するステップをほぼ同時に実行し、前記第1の再生光と前記第2の再生光を異なるスポットに照射することを特徴とする請求項1又は2記載の光磁気記録媒体の再生方法。
- 前記第2の再生光は前記第1の再生光よりも弱い光強度を有し、
前記第2の再生光に対応する第2の光磁気信号の強度を予め定めた値と比較し、その比較結果に基づいて前記選択信号を発生することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の光磁気記録媒体の再生方法。 - 前記第1の光磁気信号又は前記第2の光磁気信号のいずれか一方の光磁気信号に基づき検出された前記記録磁区の長さに応じて前記選択信号を発生することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の光磁気記録媒体の再生方法。
- 磁化方向によって情報が記録される記録磁区を有する記録層と、前記記録磁区の磁化方向が拡大して転写される再生層を備える光磁気記録媒体の再生装置であって、
第1の再生光を前記光磁気媒体に照射する第1の光学手段と、
前記第1の再生光の反射光を検出する第1の検出手段と
前記検出した結果に基づいて第1の光磁気信号を出力する第1の光磁気信号出力手段と、
前記第1の再生光とは異なる光強度を有する第2の再生光を前記光磁気媒体に照射する第2の光学手段と、
前記第2の再生光の反射光を検出する第2の検出手段と、
前記記録層の磁化方向に基づく第2の光磁気信号を出力する第2の光磁気信号出力手段と、
前記第1の光磁気信号及び前記第2の光磁気信号の少なくともいずれか一方に基づいて、前記第1の光磁気信号又は前記第2の光磁気信号のいずれか一方を選択する選択信号を発生する選択信号発生手段と、
前記選択信号に基づいて第1の光磁気信号又は第2の光磁気信号のいずれか一方を選択する信号選択手段を備え、
前記選択された光磁気信号に基づいて記録磁区に記録された情報を再生する光磁気記録媒体の再生装置。 - 前記第2の再生光は前記第1の再生光よりも弱い光強度を有し、
前記第2の再生光に対応する第2の光磁気信号の強度を予め定めた値と比較し、その比較結果に基づいて前記選択信号を発生することを特徴とする請求項6記載の光磁気記録媒体の再生装置。 - 前記第1の光磁気信号又は前記第2の光磁気信号の少なくともいずれか一方の光磁気信号に基づき検出された前記記録磁区の長さに応じて前記選択信号を発生することを特徴とする請求項6記載の光磁気記録媒体の再生装置。
- 磁化方向によって情報が記録される記録磁区を有する記録層と、前記記録磁区の磁化方向が拡大して転写される再生層を備える光磁気記録媒体の再生装置であって、
第1の再生光を前記光磁気媒体に照射する第1の光学手段と、
前記第1の再生光の反射光を検出する第1の検出手段と
前記検出した結果に基づいて第1の光磁気信号を出力する第1の光磁気信号出力手段と、
前記第1の再生光とは異なる光強度を有する第2の再生光を前記光磁気媒体に照射する第2の光学手段と、
前記第2の再生光の反射光を検出する第2の検出手段と、
前記記録層の磁化方向に基づく第2の光磁気信号を出力する第2の光磁気信号出力手段と、
前記記録磁区の長さに基づいて、前記第1の光磁気信号又は前記第2の光磁気信号のいずれか一方を選択する選択信号を発生する選択信号発生手段と、
前記選択信号に基づいて第1の光磁気信号又は第2の光磁気信号のいずれか一方を選択する信号選択手段を備え、
前記選択された光磁気信号に基づいて記録磁区に記録された情報を再生する光磁気記録媒体の再生装置。 - 前記第1の光磁気信号及び前記第2の光磁気信号を記憶する記憶手段をさらに有する請求項6乃至9記載の光磁気記録媒体の再生装置。
- 前記第1の光学手段は前記第1の再生光を発生させる第1の光源を備え、
前記第2の光学手段は前記第2の再生光を発生させる前記第1の光源とは異なる第2の光源を備え、
第1の再生光と前記第2の再生光が異なるスポットに照射されることを特徴とする請求項6乃至10いずれかに記載の光磁気記録媒体の再生装置。 - 前記第1の光学手段又は前記第2の光学手段のいずれか一方は光源と、
前記光源からの光を分岐する分岐手段を備え、
前記分岐手段によって分岐された光の一方を前記第1の再生光とし、もう一方を前記第2の再生光として、前記第1の再生光と前記第2の再生光を異なるスポットに照射することを特徴とする請求項6乃至10いずれかに記載の光磁気記録媒体の再生装置。 - 前記第1の再生光及び第2の再生光が同一の光源から発生した光の光強度を変えることにより得られることを特徴とする請求項10記載の光磁気記録媒体の再生装置。
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