JP2004133826A - 電子カルテシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】詳細な患者記録を容易に分析可能な電子カルテシステムを提供する。
【解決手段】電子カルテシステムは、電子カルテ入力・参照プログラム11と電子カルテ分析プログラム12、電子カルテデータベース13、電子カルテ分析データベース14を備え、データ選択機能15により電子カルテ分析プログラム12上で選択された患者に関する患者記録を電子カルテ入力・参照プログラム11に表示する。
【効果】分析データだけでは不足している詳細な患者記録を容易、正確に取得し、分析データに関連した部分を優先的に表示して分析データの解釈を支援できる。
【選択図】 図1
【解決手段】電子カルテシステムは、電子カルテ入力・参照プログラム11と電子カルテ分析プログラム12、電子カルテデータベース13、電子カルテ分析データベース14を備え、データ選択機能15により電子カルテ分析プログラム12上で選択された患者に関する患者記録を電子カルテ入力・参照プログラム11に表示する。
【効果】分析データだけでは不足している詳細な患者記録を容易、正確に取得し、分析データに関連した部分を優先的に表示して分析データの解釈を支援できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療分野における情報システムに関する。特に、患者記録やクリニカルパスを電子的に入力および蓄積、参照、分析するための電子カルテシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子カルテシステムとは、患者の基本的な情報や健康状態、診療履歴、診療計画、経過記録、指示・実施記録等の患者記録やクリニカルパス(標準的もしくは最適な診療計画、クリティカルパスとも呼ぶ)を電子的に入力および蓄積、参照、分析するための医療情報システムである。本システムに関する機能は、主に入力・参照を支援する入力・参照機能と、分析機能とに大別される。
【0003】
入力・参照機能の表示に関して、患者に行った診療記録とこれから行うべき診療計画を表形式にして表示する方法が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【0004】
クリニカルパスを用いて、患者に行う診療指示を一括発行可能なシステムが提案されている(特許文献4)。
【0005】
電子カルテシステムで扱う様々なデータを効率良く参照するために、複数の表示画面を制御する方法が提案されている(特許文献5)。
【0006】
入力画面をデータを用いて動的に作成することで、入力支援を行う技術が提案されている(特許文献6)。
【0007】
同一の患者に関して、様々なデータを複数の医療支援システムで参照可能とするシステム間の連携技術が提案されている(特許文献7、特許文献8)。
【0008】
また、入力・参照機能のデータ蓄積に関して、患者記録を記したファイルと検索用の項目とを関連付けてデータベース化する技術が提案されている(特許文献9、特許文献10)。
【0009】
また、クリニカルパスとクリニカルパスの適用条件を関連付けてデータベース化することで検索効率を向上させる技術が提案されている(特許文献11)。
【0010】
分析機能に関しては、分析用のデータベースに時間範囲を規定するためのテーブルを付加し、分析効率を向上させる技術が提案されている(特許文献12)。
【0011】
診療プロセスの分析用に多次元データを作成し、専用のプログラムでデータを可視化する技術が提案されている(特許文献13)。
【0012】
また、特定の患者に類似した患者の患者記録を分析し、当該患者の診療計画の作成支援を行う技術がある(特許文献14)。
【0013】
また、特に、クリニカルパスから外れる出来事をヴァリアンスと呼び、この頻度や原因を探索することが医療の向上に大切だと考えられている。ヴァリアンスの収集や分析方法は知られている(非特許文献1)。
【0014】
【特許文献1】
特許2706645号明細書
【特許文献2】
特許2815346号明細書
【特許文献3】
特開2001−118008号公報
【特許文献4】
特開2001−290885号公報
【特許文献5】
特開2001−142988号公報
【特許文献6】
特開平11−282936号公報
【特許文献7】
特開2000−235577号公報
【特許文献8】
特開2001−14411号公報
【特許文献9】
特開2000−315241号公報
【特許文献10】
特開2000−293599号公報
【特許文献11】
特開2001−273362号公報
【特許文献12】
特開2000−181981号公報
【特許文献13】
特開2002−123530号公報
【特許文献14】
特開2001−118014号公報
【非特許文献1】
カレン・ザンダー(山内訳)、「クリティカル・パス」、文光堂、1998年、p.149−168
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、電子カルテシステムの入力・参照機能や分析機能をそれぞれ向上させることを目的としており、入力・参照機能と分析機能との密接な連携方法が考慮されていなかった。また、従来、入力・参照効率や分析効率の向上、メンテナンス性の向上などの理由から、二つの機能に関するプログラムを独立して作成し、入力・参照と分析とを別々に実施するのが一般的であった。特に、分析効率を向上させるため、入力・参照機能で入力される患者記録のうち、分析目的に適したデータのみを分析機能で扱えるように構成するのが一般的であった。
【0016】
入力・参照機能と分析機能との連携を考慮した従来技術としては、特開2001−118014があるが、十分とは言えなかった。即ち、この従来技術では類似した複数の患者記録の分析結果を入力・参照に診療計画として反映させる連携方法が提案され、入力・参照時に分析結果を参照する方向の連携は一部可能としている。しかしながら、分析時に入力・参照機能を利用する方向の連携はできなかった。例えば、分析時には分析データベースにある一部の患者記録のみが参照可能で、データ解釈に必要な詳細な患者記録を簡単に取得できないという問題点があった。また、分析しながら患者記録を入力する作業も実施し難いという問題点があった。即ち、ヴァリアンスを生じた特異的な患者を探索し、ヴァリアンスの原因を追記する作業は困難であった。
【0017】
なお、特許文献7、特許文献8では、複数の医療システムを用いて同一患者の様々な情報を参照可能とする方法が提案されているが、電子カルテシステムの分析機能では複数の患者を扱わなければならないため、入力・参照機能と分析機能の間の連携に、この方法を使用できないという問題点があった。
【0018】
本発明の目的は、データ分析内容に呼応して、ユーザが関心を持ったデータに関連する詳細な患者記録を、容易かつ正確に提供可能な電子カルテシステムを実現することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電子カルテシステムは、図1に示すように、患者記録を入力または参照する電子カルテ入力・参照プログラム11と、入力された患者記録を蓄積する電子カルテデータベース13と、蓄積された患者記録を分析するためのデータ処理機能16と、このデータ処理機能16で処理されたデータを蓄積する電子カルテ分析データベース14と、電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者の統計データを作成および表示する電子カルテ分析プログラム12とを備え、電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一人または複数の患者を選択するデータ選択機能15を備え、選択された患者の患者記録を電子カルテデータベース13から抽出し、電子カルテ入力・参照プログラム11に表示する機能を備える。本機能により、分析結果に基づいてユーザが関心を持った患者に関して、その患者の詳細な患者記録を容易にかつ正確に表示することが可能となる。また、入力・参照と分析とが、通常分離した形態で運用されるため、それぞれの効率を劣化させないという利点もある。
【0020】
本発明の電子カルテシステムは、患者記録だけでなくクリニカルパスも扱うことが可能である。この場合、本発明の電子カルテシステムは、患者記録またはクリニカルパスを入力または参照する電子カルテ入力・参照プログラム11と、入力された患者記録またはクリニカルパスを蓄積する電子カルテデータベース12と、蓄積された患者記録またはクリニカルパスを分析するためのデータ処理機能16と、処理されたデータを蓄積する電子カルテ分析データベース13と、蓄積された処理データを使用して複数の患者とクリニカルパスの統計データを作成および表示する電子カルテ分析プログラム12とを備え、電子カルテ分析プログラム12は複数の患者のうち一人または複数の患者、またはクリニカルパスを選択するデータ選択機能15を備え、選択された患者の患者記録またはクリニカルパスを電子カルテデータベース13から抽出し、電子カルテ入力・参照プログラム11に表示する機能を備える。
【0021】
また、データ選択機能は、患者またはクリニカルパスの選択手段と、患者記録またはクリニカルパスを電子カルテデータベースから選択された患者またはクリニカルパスに応じて抽出する抽出条件を作成する手段と、電子カルテ分析プログラムの分析条件に応じて電子カルテ入力・参照プログラムで表示する表示条件を作成する手段を有し、抽出条件と表示条件に応じてデータ抽出とデータ表示を行う。本機能により、抽出したデータのどの部分を優先的に観察すべきか提示できるので、ユーザのデータ解釈にかかる労力を低減することが可能となる。
【0022】
また、電子カルテ分析プログラムでは、データ分析結果をグラフとして表示し、データ選択機能はこのグラフ上で患者またはクリニカルパスを選択する手段を有する。典型的なグラフとしては、次の三種類がある。
(1)横軸に経過時間、縦軸に患者状態や収支の情報を取り、複数の患者に関する当該情報の時間推移を表す折線グラフ。
(2)横軸に患者状態や収支の情報に基づく患者分類、縦軸に頻度を取るヒストグラムと、クリニカルパスが分析に含まれる場合には、クリニカルパスがどの分類に属すかを表す重畳グラフ。
(3)横軸に経過時間、縦軸に医療サービスを取り、各セルに医療サービスの実施量を色調で表示する二次元マトリクスと、横軸に患者、縦軸に医療サービスの実施量を取る一次元グラフを持ち、各グラフ上で関心領域を設定すると他のグラフで関心領域に制限されたデータのみの統計情報を表示する相互選択機能を有する対話的グラフ。
【0023】
また、これらグラフ表示では、患者の属性や診療記録のクラスタ分類結果に応じて、色調や線種等を変化させる。これにより、データの視認性が高まり、注目すべき患者等を選択しやすくなるという利点がある。
【0024】
また、データ選択機能で選択された患者またはクリニカルパスを電子カルテ入力・参照プログラムで表示した後、ユーザがデータ入力を行った場合に、入力データを電子カルテデータベースに蓄積すると共に、データ処理機能を起動して入力データに関連するデータ処理を行って結果を電子カルテ分析データベースに蓄積し、電子カルテ分析プログラムで結果を表示する。これにより、ヴァリアンス分析など患者記録を入力しながら、データ分析結果を観察することが可能となる。
【0025】
また、これらプログラムを搭載する電子カルテシステムの装置構成として、ネットワークで接続された第1のコンピュータには電子カルテ入力・参照プログラムと電子カルテ分析プログラムを搭載し、第2のコンピュータには電子カルテデータベースと電子カルテ分析データベースを搭載し、第1のコンピュータには前述の連携動作を行うデータ処理機能を搭載する。このような構成をとることにより、ネットワークで接続された大規模な情報システムを構築することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
実施の形態1:患者記録を入力または参照する電子カルテ入力・参照プログラムと、前記電子カルテ入力・参照プログラムで入力された患者記録を蓄積する電子カルテデータベースと、前記蓄積された患者記録を分析するためのデータ処理機能と、前記データ処理機能で処理されたデータを蓄積する電子カルテ分析データベースと、前記電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者の統計データを表示する電子カルテ分析プログラムとを備える電子カルテシステムであり、前記電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一人または複数の患者を選択するデータ選択機能を備え、選択された患者の患者記録を前記電子カルテデータベースから抽出し、前記電子カルテ入力・参照プログラムに表示する機能を備えることを特徴とする。
【0027】
実施の形態2:患者記録またはクリニカルパスを入力または参照する電子カルテ入力・参照プログラムと、前記電子カルテ入力・参照プログラムで入力された患者記録またはクリニカルパスを蓄積する電子カルテデータベースと、前記蓄積された患者記録またはクリニカルパスを分析するためのデータ処理機能と、前記データ処理機能で処理されたデータを蓄積する電子カルテ分析データベースと、前記電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者とクリニカルパスの統計データを表示する電子カルテ分析プログラムとを備える電子カルテシステムであり、前記電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一人、複数の患者、またはクリニカルパスを選択するデータ選択機能を備え、選択された患者の患者記録またはクリニカルパスを前記電子カルテデータベースから抽出し、前記電子カルテ入力・参照プログラムに表示する機能を備えることを特徴とする。
【0028】
実施の形態3:患者記録またはクリニカルパスを入力または参照する電子カルテ入力・参照プログラムと、前記電子カルテ入力・参照プログラムで入力された患者記録またはクリニカルパスを蓄積する電子カルテデータベースと、前記蓄積された患者記録またはクリニカルパスを分析するためのデータ処理機能と、前記データ処理機能で処理されたデータを蓄積する電子カルテ分析データベースと、前記電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者とクリニカルパスの統計データを表示する電子カルテ分析プログラムとを備える電子カルテシステムであり、前記電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一人または複数の患者、またはクリニカルパスを選択するデータ選択機能を備え、選択された患者の患者記録またはクリニカルパスを前記電子カルテデータベースから抽出し、前記電子カルテ入力・参照プログラムは、選択された患者またはクリニカルパスと前記電子カルテ分析プログラムの分析条件に応じて、抽出された患者記録またはクリニカルパスの表示方法を変更することを特徴とする。
【0029】
実施の形態4:実施の形態1、2、3の何れかに記載の電子カルテシステムにおいて、前記電子カルテ分析プログラムは、複数の患者または複数の患者とクリニカルパスの統計データのグラフ表示機能およびデータ選択機能を備え、前記グラフ表示機能は、横軸に日数、時間または時間帯からなる経過時間を取り、縦軸に患者状態を表すステージ、クリニカルパスで設定されている目標、収入、コスト、収益の全てまたは一部からなる情報を取り、複数の患者または複数の患者とクリニカルパスについて前記縦軸に取られた情報の時間推移または経過時間による累積値をグラフ表示し、前記データ選択機能は、前記グラフ表示機能で表示されたグラフの一部を選択することによりグラフに対応付けられた患者またはクリニカルパスを選択することを特徴とする。
【0030】
実施の形態5:実施の形態1、2、3の何れかに記載の電子カルテシステムにおいて、前記電子カルテ分析プログラムは、複数の患者または複数の患者とクリニカルパスの統計データのグラフ表示機能およびデータ選択機能を備え、前記グラフ表示機能は、横軸に入院日数または収入、コスト、収益の情報を取り、縦軸に患者の頻度を取るヒストグラムを表示するとともに、クリニカルパスを表示する場合には入院日数または収入、コスト、収益の情報を前記ヒストグラムに重畳表示し、前記データ選択機能は、前記グラフ表示機能で表示されたグラフの一部を選択することによりグラフに対応付けられた患者またはクリニカルパスを選択することを特徴とする。
【0031】
実施の形態6:実施の形態1、2、3の何れかに記載の電子カルテシステムにおいて、前記電子カルテ分析プログラムは、複数の患者または複数の患者とクリニカルパスの統計データのグラフ表示機能およびデータ選択機能を備え、前記グラフ表示機能は、横軸に患者の担当医師、病棟、適用クリニカルパス、診断、手術、年齢、性別、入退院年月日、転帰、アウトカム、ヴァリアンスの一部または全部の属性を用いた分類を取り、縦軸に患者の頻度または収入、コスト、収益の平均値または総和の情報を表示するとともに、クリニカルパスを表示する場合には、前記情報を同時に表示し、前記データ選択機能は、前記グラフ表示機能で表示されたグラフの一部を選択することによりグラフに対応付けられた患者またはクリニカルパスを選択することを特徴とする。
【0032】
実施の形態7:実施の形態1、2、3の何れかに記載の電子カルテシステムにおいて、前記電子カルテ分析プログラムは、複数の患者または複数の患者とクリニカルパスの統計データのグラフ表示機能およびデータ選択機能を備え、前記グラフ表示機能は、横軸に経過時間、縦軸に医療サービス、各セルに医療サービスの実施回数、収入、コスト、収益の情報を色調で表す二次元マトリクスと、横軸に患者、患者群またはクリニカルパス、縦軸に医療サービスの実施回数、収入、コスト、収益の情報を表す一次元グラフとを備え、前記二次元マトリクスと前記一次元グラフには関心領域の設定手段を備え、前記設定された関心領域に応じたデータのみに制限したグラフ表示を行う手段を備え、前記データ選択機能は、前記一次元グラフ上で患者、患者群またはクリニカルパスを選択する手段を備えることを特徴とする。
【0033】
実施の形態8:実施の形態4、5、6、7の何れかにに記載の電子カルテシステムにおいて、前記グラフ表示機能は、クリニカルパスおよび患者の担当医師、病棟、適用したクリニカルパス、診断、手術、年齢、性別、入退院年月日、転帰、アウトカム、ヴァリアンス、診療記録を用いたクラスタリング手法による患者分類の一部または全部の属性を用いた患者分類に応じて、相当するグラフの色調や線種、またはその両方を変更して描画することを特徴とする。
【0034】
実施の形態9:患者記録またはクリニカルパスを入力または参照する電子カルテ入力・参照プログラムと、前記電子カルテ入力・参照プログラムで入力された患者記録またはクリニカルパスを蓄積する電子カルテデータベースと、前記蓄積された患者記録またはクリニカルパスを分析するためのデータ処理機能と、前記データ処理機能で処理されたデータを蓄積する電子カルテ分析データベースと、前記電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者とクリニカルパスの統計データを表示する電子カルテ分析プログラムとを備える電子カルテシステムであり、前記電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一部の患者またはクリニカルパスを選択するデータ選択手段を備え、前記電子カルテ入力・参照プログラムは選択された患者の患者記録またはクリニカルパスを前記電子カルテデータベースから抽出して表示する機能とデータ入力機能を備え、前記データ入力機能で入力されたデータは前記電子カルテデータベースに蓄積されると共に、入力データを加えて前記データ処理を実施し、前記電子カルテ分析プログラムにデータ処理結果を表示することを特徴とする。
【0035】
実施の形態10:ネットワークで接続された第1のコンピュータには電子カルテ入力・参照プログラムと電子カルテ分析プログラムが搭載され、第2のコンピュータには電子カルテデータベースと電子カルテ分析データベースが搭載され、前記電子カルテ入力・参照プログラムは、患者記録またはクリニカルパスを入力または参照する手段を備え、前記電子カルテデータベースは入力された患者記録またはクリニカルパスを蓄積する手段を備え、前記電子カルテ分析データベースは蓄積された患者記録またはクリニカルパスを分析するためにデータ処理を行って処理データを蓄積する手段を備え、前記電子カルテ分析プログラムは前記電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者の統計データを表示する手段を備え、前記電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一部の患者またはクリニカルパスを選択するデータ選択手段を備え、選択された患者の患者記録またはクリニカルパスを前記電子カルテデータベースから抽出し、前記電子カルテ入力・参照プログラムに表示する機能を備えることを特徴とする電子カルテシステム。
【0036】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0037】
図1と図2は、本発明の電子カルテシステムの概念図である。図1は患者記録のみの場合、図2はクリニカルパスも含めた場合を示している。なお、クリニカルパスはデータの取り扱い上、「仮想的な標準患者」と考え、患者として取り扱う場合もある。また、本明細書では、記載を簡便にするため、健康診断情報なども含んだ「個人に関する医療や健康に関する記録」を患者記録と記し、特に疾病にかかっておらず健康な状態な個人も患者と記す。
【0038】
本発明に関する主なプログラムは、患者記録等を入力と参照するための電子カルテ入力・参照プログラム11、データの分析と結果表示を行う電子カルテ分析プログラム12、電子カルテ入力・参照プログラムで入力された患者記録を蓄積する電子カルテデータベース13、患者記録をデータ処理した結果を蓄積する電子カルテ分析データベース14である。
【0039】
典型的なシステム構成では、ネットワークで接続された第1のコンピュータ(電子カルテワークステーション19)と第2のコンピュータ(電子カルテデータベースサーバ20)の二種類のコンピュータを備え、それぞれ図1、2に示すようなプログラムを搭載する。即ち、電子カルテワークステーション19は、電子カルテ入力・参照プログラム12と電子カルテ分析プログラム13とを備えて、これらを同時表示または逐次的表示を繰り返す。電子カルテデータベースサーバ20は、電子カルテデータベース13と電子カルテ分析データベース14とを備え、電子カルテ入力・参照プログラム11や電子カルテ分析プログラム12の要求に応じてデータ蓄積やデータ加工・抽出を行う。以下、詳細に各プログラムの動作を説明する。
【0040】
電子カルテ入力・参照プログラム11は、患者の氏名、性別などの基本的情報やアレルギー歴や薬歴、診療歴、健康診断歴等の履歴情報、主訴や検査結果や診断結果等の経過を表す経過記録、医療サービスのオーダ状況を表す指示記録と実施状況を表す実施記録等からなる患者記録を入力および参照するためのプログラムである。このため、電子カルテユーザとのユーザインタフェースである患者記録表示・入力画面17や電子カルテデータベース13への入力機能、電子カルテデータベース13から抽出したデータを表示する表示機能を備えている。また、クリニカルパスを編集する機能を備えている場合もある。なお、本プログラムは、軽快なシステム運用やシステム障害時への対応のため、入力機能を省き、参照のみを行う場合もある。
【0041】
電子カルテデータベース13は、電子カルテ入力・参照プログラム11で入力された患者記録やクリニカルパスを蓄積し、要求に応じて抽出するプログラムである。通常、本プログラムには、データベースマネージメントシステム(DBMS)として、リレーショナルDBMSが用いられる。本プログラムは、電子カルテ入力・参照プログラムで入力された患者記録やクリニカルパスを整理してデータベースに蓄積する蓄積機能と、データ抽出条件を受け付けて条件に応じて患者記録を抽出する抽出機能を有する。勿論、本プログラムには他に、患者記録をアーカイブして保存しておく機能やバックアップを作成する機能、参照用に特化した患者記録参照ファイルを作成する機能を有していても良い。
【0042】
電子カルテ分析データベース14は、電子カルテデータベース13に蓄積された患者記録やクリニカルパスを用いて医療の質や効率を分析するための統計データを作成し、蓄積するプログラムである。通常、本プログラムでは、DBMSとしてリレーショナルDBMSまたはマルチディメンジョナルDBMS、またはこれら二つのハイブリッドDBMSが用いられる。作成される統計データとしては、例えば、科別患者数や収支、疾病別患者数や収支、医療サービスの使用状況等がある。データ処理機能16は、これら統計データを作成する機能である。簡単な集計データの作成等は、電子カルテ分析データベース14のDBMSに予め備わっている機能で実現されるが、フィッティングや推定値の作成など複雑な計算が必要な場合、データ処理機能16は電子カルテ分析データベース14とは独立したプログラムとして実装される場合もある。また、データ処理機能16は電子カルテデータベース13に蓄積された患者記録を元に統計データを作成するが、必要に応じて他システムのデータやマスタテーブルなどを付加して統計データを作成する場合もある。特に、収支計算を伴う場合には、医事会計システムや原価計算システムのデータを使用する場合もある。また、本プログラムには、電子カルテ分析プログラム12からの要求に応じてデータを加工して抽出するデータ加工・抽出機能を備える。なお、データ加工が複雑な場合、この部分は独立したプログラムとして実装される場合もある。また、図1では、電子カルテ分析データベース14を電子カルテデータベース13と独立に記しているが、同一のデータベースを用いて電子カルテデータベース13のデータマートとして実現してもよい。ただし、このような構成にした場合には、分析にかかる負荷が高まると電子カルテ入力・参照のレスポンスが低下する場合がある。
【0043】
電子カルテ分析プログラム12は、患者記録を横断的に分析するためのプログラムである。このため、分析者とのユーザインタフェースである分析結果表示画面18と分析方法などの条件入力機能や、抽出されたデータを加工し分析結果表示画面に表示するデータ加工・表示機能を備える。ここで、電子カルテ分析プログラム12にもデータ加工機能を持つことで、電子カルテ分析データベースでのデータ加工の負荷を低減したり、対話的な分析におけるレスポンスを向上することが可能となる。もちろん、電子カルテ分析データベースにデータ加工を集中すれば、電子カルテ分析プログラムにデータ加工機能はなくても構わない。
【0044】
本発明の特長は、データ選択機能15を備え、電子カルテ分析プログラム12で選択された患者の患者記録やクリニカルパスを電子カルテデータベース13から抽出し、抽出した患者記録やクリニカルパスを電子カルテ入力・参照プログラム11に表示する機能を有する点である。図3に、データ選択機能を詳細化した図を示す。データ選択機能15は、電子カルテ分析プログラム12と電子カルテ入力・参照プログラム11の連携した機能として実現される。電子カルテ分析プログラム12の分析結果表示画面18が有するデータ選択手段は、ユーザに患者を選択する手段を提供し、選択された患者のID等の選択情報を取得する。選択情報には、患者IDだけではなく、入外別と来院回数と患者IDを併せた患者来院ID、さらに来院日時等の時間情報を含めても良い。選択情報作成機能は、データ選択手段で取得された選択情報に必要であれば分析条件を付加する。ここで、分析条件としては、例えば図2の分析の場合、「クリニカルパスCP1を使用した入院患者に対する医療サービス使用状況の日別コスト分析」のように分析対象と分析項目が含められる。なお、データ選択情報には分析条件は必ずしも必要ではなく、これは、主として患者記録のうち、どの部分を優先的に表示するか指定するために使用される。選択情報送信機能は、選択情報を選択情報受信機能に送信する。ここでは、プログラムの連携を行うミドルウェアを用いても良い。また、ユーザがマウスのドラッグ&ドロップ操作等を使い、オペレーティングシステム等の機能を使用して、電子カルテ分析プログラム12から電子カルテ分析プログラム11への送受信を行っても良い。抽出・表示条件作成機能は、受信した選択情報から、電子カルテデータベース13からのデータ抽出条件と患者記録表示画面の表示条件を作成する。抽出条件には主として患者IDまたは患者来院ID等が指定され、表示条件には当該患者の患者記録のうち、どの記録を表示するかが指定される。抽出条件送信機能は電子カルテデータベース13に抽出条件を送信し、電子カルテ入力・参照プログラムの表示機能は抽出されたデータを、表示条件に従って患者記録・入力画面に表示する。なお、表示条件は主として分析条件で決定されるため、分析条件が選択情報に含められない場合等には設定されないこともある。
【0045】
本発明には、このようなデータ選択機能15を有することで、データ分析結果の解釈に必要な詳細情報を容易かつ正確に取得可能になるという著しい利点がある。すなわち、従来であれば、電子カルテ分析プログラム12では電子カルテ分析データベース14に蓄積されているデータのみが参照可能で、これだけではデータの解釈が難しく、患者記録を詳細に観察しなければならない場合があった。このため、電子カルテ入力・参照プログラム11に備わっている患者指定機能で当該患者を探索し、当該患者の患者記録を参照しながらデータ解釈を行っていた。本機能によれば、電子カルテ分析プログラム12で患者またはクリニカルパスを選択することで自動的に電子カルテ入力・参照プログラム11に当該患者の患者記録またはクリニカルパスが表示されるという利点がある。この際、当該患者の選択の間違いを排除し、正確なデータ取得を可能にするという利点も有する。さらに分析条件に応じて、当該患者の患者記録のうち、どれが優先的に表示されるべきか自動的に判定されるため、データ解釈に必要な詳細情報を迅速に探索できるという利点も持つ。例えば、図1では、分析結果表示画面18では医療サービス使用状況の日別コスト分析結果を表している。この結果より、「患者来院V−I1(患者Vの入院1回目の意味)」に関する折線が他の患者とはかなり異なった傾向を示していることが判る。ユーザが、この折線を選択すると、データ選択機能15は当該患者の入院1回目に関する患者記録を抽出し、医療サービスの指示・実施記録の入力・参照画面17を優先的に表示している。このように患者を横断的に観察して特異的な患者を探索し、特異的な部分に関連した詳細な患者記録を容易に観察することが可能となる。なお、患者選択機能のうち患者ID送信機能と患者ID受信機能を仲介する方法として、分析者による指定手段を用いても良い。例えば、分析結果表示画面18で選択した患者に関する表示データをドラッグすることで当該患者のIDを取得し、電子カルテ入力・参照プログラムにドロップすることで当該患者のIDを伝達するように構成しても良い。
【0046】
ここで、図1、2には、データ選択機能15で複数の患者のうち一人の患者を選択する場合を示しているが、複数の患者を選択することも可能である。この場合、電子カルテ入力・参照プログラム11には複数の患者の患者記録が同時にまたは逐次的に表示される。
【0047】
ここで、図2のクリニカルパスについて補足説明する。クリニカルパスは、疾病等で決定される特定の患者群に関する標準的もしくは最適な診療計画である。クリニカルパスは、「仮想的な標準患者」として通常の患者記録を便宜上持つことも可能である。クリニカルパス特有の記録としては、適用疾病等の適用条件やクリニカルパスの適用を中止する条件、メンテナンス情報等がある。これら記録は電子カルテデータベース13に蓄積される。データ処理機能16は、患者記録と共にクリニカルパスをデータ処理し、電子カルテ分析プログラム12は患者記録とクリニカルパスを分析した結果を表示する。通常、クリニカルパスと患者記録の分散を分析することが多く、クリニカルパスを他とは異なる色調等で表示することが多い。本発明によれば、クリニカルパスから外れた患者の患者記録を電子カルテデータベース13から容易に取得できるという利点がある。また、クリニカルパスが統計データから外れていた場合には、クリニカルパス自身を参照し、クリニカルパスを編集することが容易になるという利点がある。本発明のデータ選択機能15には、患者来院またはクリニカルパスが選択された場合に、どちらが選択されたかを自動的に判定し、患者来院であれば患者記録、クリニカルパスであればその編集画面を電子カルテ入力・参照プログラム11に表示可能という利点もある。
【0048】
図4は、本発明における各プログラムの主要動作をアクティビティ図で示したものである。電子カルテ分析プログラム12で、ユーザが所望の分析方法や条件を設定すると、設定された条件が電子カルテ分析データベース13に伝達され、電子カルテ分析データベース14では設定された条件に応じてデータ加工と抽出が行われ、抽出データが電子カルテ分析プログラム12に戻される。電子カルテ分析プログラム12では、追加工が必要な場合にはデータ加工を行い、表示する。これを所望の結果が得られるまで繰り返し行う。電子カルテ分析プログラム12は、ユーザに患者またはクリニカルパスの選択手段を提供する。ユーザが患者またはクリニカルパスを選択した場合には、データ選択機能15により、患者やクリニカルパスのID、分析条件等からなる選択情報が処理され、電子カルテ入力・参照プログラム11および電子カルテデータベース13に伝達される。電子カルテデータベース13は選択患者の患者記録やクリニカルパスを抽出して電子カルテ入力・参照プログラム11に伝達し、電子カルテ入力・参照プログラム11はそれらを表示する。表示の際、選択情報に応じて優先的に表示する患者記録や表示方法を変更する。
【0049】
図5は、電子カルテデータベース13と電子カルテ分析データベース14に蓄積されるデータの典型的なスキーマ図を例示したものである。電子カルテデータベースには患者情報がリレーショナルデータベースとして蓄積され、次のようなテーブルに整理される。患者の基本的な情報を表すため、患者IDを主キーとし、氏名、生年月日、性別、診療歴等を属性としてもつ患者基本情報テーブル、患者の各来院情報を表すため、患者IDと入外別、来院回数を主キーとし、診療科や診断名、手術名、入院日数、適用クリニカルパス(CP)等を属性としてもつ患者来院情報テーブル、医師が診療した内容や検査結果等を記録するため、患者IDと入外別、来院回数、診療実施日を主キーとする経過記録テーブル、さらに指示・実施した医療サービスを詳細に記録しておくための指示・実施記録テーブルがある。なお、このスキーマ図は主要なテーブルのみを記述したもので他にも多種多様なテーブルを取りうる。また、テーブルの構成もこれに限るものでないことは言うまでもない。電子カルテ分析データベースのデータスキーマは、医療サービスの実施状況、特に収支面を分析するための多次元データベースを例示している。患者来院IDと経過日数、医療サービスコードを主キーとし、実施回数や収入、コスト、収益を属性としてもつ診療実施収支をファクトテーブルとして持ち、医療サービスの内容と収支を表す医療サービス収支と、患者基本情報と来院情報を併せ持つ患者来院収支とをディメンジョンテーブルとして持つ。電子カルテデータベースを元にした電子カルテ分析データベースの作成は、前述のようにデータ処理機能16で行われる。データ処理機能16では、例えば、患者IDと入外別、来院回数から患者来院IDを作成するなど新規項目や分類属性の作成や、各分類属性に応じた収支や患者数等の統計量の算出等を行う。ただし、各医療サービスの収支情報など電子カルテデータベースに無い情報は医事会計システムや原価計算システム等の情報を使用して作成される。なお、ここで示したデータスキーマは電子カルテシステムの一例を示すものであり、これに限るものではない。本発明によれば、通常の分析で使用される分析データと、通常は入力・参照に用いられる患者記録とを分離して管理し、分析の必要に応じて患者記録を取得できる。このため、電子カルテ分析データベース14に分析に用いられるデータのみを有することで分析効率を向上でき、また、患者記録を通常の分析では参照しないようにすることで入力・参照効率を向上できる。さらに、分析に係るデータベースと入力・参照に係るデータベースとを分離することで、メンテナンスや障害復旧などの管理も行いやすくなる。
【0050】
図6は、電子カルテ分析プログラム12で表示される分析結果表示画面18の一例を示している。ここでは分析結果をグラフ化することで、患者選択を容易にしている。また、グラフ表示によりデータを確認しながら患者選択を行えるため、選択の間違いを減少させ、データ参照に係る効率を向上させる利点も有する。図示したグラフの横軸は入院からの経過時間を表し、縦軸は患者状態を表すステージやクリニカルパスで設定されている目標、収入、コスト、収益を取り、これら情報に関する各患者の時間推移を折線グラフで表示する。経過時間としては経過日数や時間帯、週などを取りうる。グラフとしては経過時間毎の推移や経過時間での累積値を取りうる。図では経過日数でのコストの累積値を折線で表示し、退院時で折線を終了するグラフを例示している。このような表示により、医療サービスの使用状況が判りやすく表示され、他と異なった使用状況の患者が選択しやすくなる。例えば、図では、数人の来院患者が平均的な折線から逸脱していることが判り、特に患者来院V−I1は累積コストが高く、折線の様子も他とは大きく異なっていることが判る。図1の電子カルテ入力・参照プログラム11に例示した患者来院V−I1の診療記録を見ると、手術が2回行われていることが判る。本発明によれば、このように折線の様子が他とは異なる患者を選択し、その理由を患者記録から探索することが可能になるという利点がある。また、グラフ右側には病棟を用いた患者分類による頻度や平均入院日数、平均コストを表で表示している。グラフはこれら分類によって色調や線種が変えて表示されるようにしても良い。このようなグラフ表示は、患者分類による傾向が把握しやすくなり、患者選択が容易になるという利点を有する。また、各グラフ間に距離を定義してクラスタリング技術を用いてクラスタを作成し、新たな患者分類として使用しても良い。特に、この方法をとることにより、アウトライアと呼ばれる標準から外れた診療実施記録を有する患者を自動的に強調表示でき、患者選択が容易になるという利点を有する。もちろん、図2の分析結果表示画面18に示すようにクリニカルパスを折線グラフで重畳表示して、クリニカルパスからの逸脱具合を見易く表示することも可能である。患者選択は、このグラフ上で折線をマウスでクリックすることで行う。これにより、グラフを確認しながら患者を選択することが可能となる。また、折線をマウスでドラッグして電子カルテ入力・参照プログラムにドロップすることで患者選択を行っても良い。単なるマウスのクリックでは不用意に患者選択が行われてしまう場合もあるが、ドラッグ&ドロップを使うことで不必要な患者選択起動を防止することが可能となる。
【0051】
図7は、電子カルテ分析プログラム12で表示される分析結果表示画面18の他の一例を示している。横軸には入院日数や収入、コスト、収益などの患者の分類情報や計数情報を取り、縦軸には患者の頻度を取り、ヒストグラムを表示する。クリニカルパスを重畳表示する場合には、横軸に関するクリニカルパスの情報を棒線等で表示する。また、グラフ右側には医師毎の頻度や平均入院日数を表で表示している。ヒストグラムの色調や線種は、これら分類によって変更して表示されるようにしても良い。患者選択では、ヒストグラム上でマウスをクリックすることでそこに含まれる患者のリストを表示し、その中から所望の患者をクリックもしくは前述したようにドラッグ&ドロップすることで行う。これによりヒストグラムで他とは異なる患者を簡単に見出すことを可能とし、その詳細な患者記録を容易かつ正確に取得することが可能になるという利点がある。
【0052】
図8は、電子カルテ分析プログラム12で表示される分析結果表示画面18の他の一例を示している。この画面は二つの連携したグラフからなる。一つは、横軸に入院からの経過時間、縦軸に医療サービスを取り、各セルには医療サービスの実施量を濃淡等の色調で表す二次元マトリクスである。ただし、図面では記載の都合上色調を数値で記述している。もう一つは、各患者の実施量を表す一次元グラフである。ここで図では実施量を医療サービスのコストとしている。この二つのグラフは、関心領域の設定手段を有し、ユーザが一方のグラフで関心領域を設定したときに、他方のグラフではその関心領域で制限されたデータで統計グラフを表示するという相互選択機能を持つ。これにより、グラフ上で関心をもった部分に関する詳細データの探索、特に特異な医療サービスを実施された患者の探索が可能となる。なお、このような画面表示に関する詳細は特許文献13が参考になる。本発明では、さらに一次元グラフに患者選択手段を搭載し、電子カルテ入力・参照プログラム11に当該患者の患者記録を表示する。これにより、特異な患者の実施記録だけでなく、経過記録などの情報も活用して、分析結果を解釈することが可能になるという利点がある。
【0053】
図9は、データ選択機能15によって選択された患者記録またはクリニカルパスを電子カルテ入力・参照プログラム11に表示した後、ユーザがデータを編集し、それを電子カルテ分析プログラム14に同時に反映する方法を概念的に示した図である。また、図10はその際の主要なプログラムの動作をアクティビティ図で表したものである。電子カルテ分析プログラム12で選択した患者記録を電子カルテ入力・参照プログラム11に呼び出し、入力したデータを電子カルテデータベース13に蓄積すると共に当該入力データに関連したデータ処理を行って電子カルテ分析データベース14に蓄積し、結果を電子カルテ分析プログラム12に表示している。ここで、図9に示しているのは、ヴァリアンス入力の例である。ヴァリアンスとは、クリニカルパスもしくは平均的な診療から外れた場合を指し、外れた原因を記載し分析することが、クリニカルパスの向上等に有効である。ヴァリアンスの記載は、通常の診療の流れの中でも行われるが、分析時にヴァリアンスを探索し、原因を特定しながら事後入力する場合もある。このような場合、本発明のように分析結果とヴァリアンス入力とを密に連携させることで、入力効率と分析効率の両方を向上させることが可能となる。また、電子カルテ分析プログラム12で表示する際に、現在電子カルテ入力・参照プログラム11で編集中の患者またはクリニカルパスを強調表示してもよい。これにより、現在編集中の患者またはクリニカルパスが、他の患者等と比較してどのような位置付けにあるか判りやすく表示することが可能である。
【0054】
本発明のシステム構成について補足説明する。ここまでの記述では、図1や図2に示したように、電子カルテワークステーションに電子カルテ入力・参照プログラム11と電子カルテ分析プログラム12が搭載されていた。しかし、電子カルテワークステーションは、診察室や病棟、薬剤部、検査部、事務室などに通常複数台存在する。このうち、本発明の電子カルテ入力・参照プログラム11と電子カルテ分析プログラム12の両方が搭載されているワークステーションは一部であって構わない。例えば、病棟回診に使用するモバイルワークステーション等には電子カルテ分析プログラム12の必要性は高くないので搭載していなくても良い。これにより、電子カルテ入力・参照プログラムのみが必要なワークステーション11のメンテナンスやバージョンアップにかかる労力を低減可能である。また、電子カルテデータベースサーバは通常1台もしくは数台で構成される。電子カルテデータベース13と電子カルテ分析データベース14とを別のサーバに搭載することで、負荷の分散やシステム障害時の復旧作業を容易化できる。また、クラスタサーバを使用することで、負荷分散や障害予防に効果がある。なお、比較的小規模の病院等では、メンテナンスを容易にするために、ワークステーションとサーバに分けず、一台のコンピュータに全てのプログラムを搭載しても良い。
【0055】
また、本発明の電子カルテシステムは一病院に限ったものではなく、複数の病院や診療所を結ぶ病院ネットワークや、さらに保健機関や介護機関等を含む地域医療ネットワーク等にも適用可能なことは言うまでもない。この場合、患者数増加や病院間比較による分析精度向上、健康状態や予後等を考慮した分析精度向上という利点がある。 以上説明したように、本発明によれば、分析結果で関心をもった患者に関する患者記録を容易かつ正確に取得できるという顕著な効果を有する。特に、分析条件に応じて患者記録の一部を優先的に表示することで、分析結果に対応した患者記録を迅速に取得する効果も有する。また、分析結果をグラフ化し、その上でデータ選択を行う機能を提供することで、データを確認しながら関心のあるデータを取得することが可能となり、データ取得の正確性を向上できるという効果も有する。さらに、通常の分析で使用するデータと、通常の電子カルテの入力・参照で使用するデータの蓄積方法や使用方法を異ならせることで、分析効率とデータ入力・参照に係る効率の両者を向上できるという効果も有する。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、データ分析内容に呼応して、ユーザが関心を持ったデータに関連する詳細な患者記録を、容易かつ正確に提供可能な電子カルテシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子カルテシステムの概念図。
【図2】本発明の電子カルテシステムにクリニカルパスの取り扱いを含めた場合を表す概念図。
【図3】本発明の電子カルテシステムのデータ選択機能の詳細図。
【図4】本発明の電子カルテシステムの主要なプログラムの動作を表すアクティビティ図。
【図5】本発明の電子カルテデータベースと電子カルテ分析データベースの典型的なデータスキーマを表す図。
【図6】本発明の電子カルテシステムにおいて電子カルテ分析プログラムで表示されるグラフの画面例を示す図。
【図7】本発明の電子カルテシステムにおいて電子カルテ分析プログラムで表示されるグラフの画面例を示す図。
【図8】本発明の電子カルテシステムにおいて電子カルテ分析プログラムで表示される対話的な診療プロセス分析画面の画面例を示す図。
【図9】本発明の電子カルテシステムで患者記録を編集しながら分析する場合の概念図。
【図10】本発明の電子カルテシステムで患者記録を編集しながら分析する場合の、主要なプログラムの動作を表すアクティビティ図。
【符号の説明】
11…電子カルテ入力・参照プログラム、12…電子カルテ分析プログラム、13…電子カルテデータベース、14…電子カルテ分析データベース、15…データ選択機能、16…データ処理機能、17…患者記録表示・入力画面、18…分析結果表示画面、19…電子カルテワークステーション、20…電子カルテデータベースサーバ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療分野における情報システムに関する。特に、患者記録やクリニカルパスを電子的に入力および蓄積、参照、分析するための電子カルテシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子カルテシステムとは、患者の基本的な情報や健康状態、診療履歴、診療計画、経過記録、指示・実施記録等の患者記録やクリニカルパス(標準的もしくは最適な診療計画、クリティカルパスとも呼ぶ)を電子的に入力および蓄積、参照、分析するための医療情報システムである。本システムに関する機能は、主に入力・参照を支援する入力・参照機能と、分析機能とに大別される。
【0003】
入力・参照機能の表示に関して、患者に行った診療記録とこれから行うべき診療計画を表形式にして表示する方法が提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
【0004】
クリニカルパスを用いて、患者に行う診療指示を一括発行可能なシステムが提案されている(特許文献4)。
【0005】
電子カルテシステムで扱う様々なデータを効率良く参照するために、複数の表示画面を制御する方法が提案されている(特許文献5)。
【0006】
入力画面をデータを用いて動的に作成することで、入力支援を行う技術が提案されている(特許文献6)。
【0007】
同一の患者に関して、様々なデータを複数の医療支援システムで参照可能とするシステム間の連携技術が提案されている(特許文献7、特許文献8)。
【0008】
また、入力・参照機能のデータ蓄積に関して、患者記録を記したファイルと検索用の項目とを関連付けてデータベース化する技術が提案されている(特許文献9、特許文献10)。
【0009】
また、クリニカルパスとクリニカルパスの適用条件を関連付けてデータベース化することで検索効率を向上させる技術が提案されている(特許文献11)。
【0010】
分析機能に関しては、分析用のデータベースに時間範囲を規定するためのテーブルを付加し、分析効率を向上させる技術が提案されている(特許文献12)。
【0011】
診療プロセスの分析用に多次元データを作成し、専用のプログラムでデータを可視化する技術が提案されている(特許文献13)。
【0012】
また、特定の患者に類似した患者の患者記録を分析し、当該患者の診療計画の作成支援を行う技術がある(特許文献14)。
【0013】
また、特に、クリニカルパスから外れる出来事をヴァリアンスと呼び、この頻度や原因を探索することが医療の向上に大切だと考えられている。ヴァリアンスの収集や分析方法は知られている(非特許文献1)。
【0014】
【特許文献1】
特許2706645号明細書
【特許文献2】
特許2815346号明細書
【特許文献3】
特開2001−118008号公報
【特許文献4】
特開2001−290885号公報
【特許文献5】
特開2001−142988号公報
【特許文献6】
特開平11−282936号公報
【特許文献7】
特開2000−235577号公報
【特許文献8】
特開2001−14411号公報
【特許文献9】
特開2000−315241号公報
【特許文献10】
特開2000−293599号公報
【特許文献11】
特開2001−273362号公報
【特許文献12】
特開2000−181981号公報
【特許文献13】
特開2002−123530号公報
【特許文献14】
特開2001−118014号公報
【非特許文献1】
カレン・ザンダー(山内訳)、「クリティカル・パス」、文光堂、1998年、p.149−168
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、電子カルテシステムの入力・参照機能や分析機能をそれぞれ向上させることを目的としており、入力・参照機能と分析機能との密接な連携方法が考慮されていなかった。また、従来、入力・参照効率や分析効率の向上、メンテナンス性の向上などの理由から、二つの機能に関するプログラムを独立して作成し、入力・参照と分析とを別々に実施するのが一般的であった。特に、分析効率を向上させるため、入力・参照機能で入力される患者記録のうち、分析目的に適したデータのみを分析機能で扱えるように構成するのが一般的であった。
【0016】
入力・参照機能と分析機能との連携を考慮した従来技術としては、特開2001−118014があるが、十分とは言えなかった。即ち、この従来技術では類似した複数の患者記録の分析結果を入力・参照に診療計画として反映させる連携方法が提案され、入力・参照時に分析結果を参照する方向の連携は一部可能としている。しかしながら、分析時に入力・参照機能を利用する方向の連携はできなかった。例えば、分析時には分析データベースにある一部の患者記録のみが参照可能で、データ解釈に必要な詳細な患者記録を簡単に取得できないという問題点があった。また、分析しながら患者記録を入力する作業も実施し難いという問題点があった。即ち、ヴァリアンスを生じた特異的な患者を探索し、ヴァリアンスの原因を追記する作業は困難であった。
【0017】
なお、特許文献7、特許文献8では、複数の医療システムを用いて同一患者の様々な情報を参照可能とする方法が提案されているが、電子カルテシステムの分析機能では複数の患者を扱わなければならないため、入力・参照機能と分析機能の間の連携に、この方法を使用できないという問題点があった。
【0018】
本発明の目的は、データ分析内容に呼応して、ユーザが関心を持ったデータに関連する詳細な患者記録を、容易かつ正確に提供可能な電子カルテシステムを実現することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の電子カルテシステムは、図1に示すように、患者記録を入力または参照する電子カルテ入力・参照プログラム11と、入力された患者記録を蓄積する電子カルテデータベース13と、蓄積された患者記録を分析するためのデータ処理機能16と、このデータ処理機能16で処理されたデータを蓄積する電子カルテ分析データベース14と、電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者の統計データを作成および表示する電子カルテ分析プログラム12とを備え、電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一人または複数の患者を選択するデータ選択機能15を備え、選択された患者の患者記録を電子カルテデータベース13から抽出し、電子カルテ入力・参照プログラム11に表示する機能を備える。本機能により、分析結果に基づいてユーザが関心を持った患者に関して、その患者の詳細な患者記録を容易にかつ正確に表示することが可能となる。また、入力・参照と分析とが、通常分離した形態で運用されるため、それぞれの効率を劣化させないという利点もある。
【0020】
本発明の電子カルテシステムは、患者記録だけでなくクリニカルパスも扱うことが可能である。この場合、本発明の電子カルテシステムは、患者記録またはクリニカルパスを入力または参照する電子カルテ入力・参照プログラム11と、入力された患者記録またはクリニカルパスを蓄積する電子カルテデータベース12と、蓄積された患者記録またはクリニカルパスを分析するためのデータ処理機能16と、処理されたデータを蓄積する電子カルテ分析データベース13と、蓄積された処理データを使用して複数の患者とクリニカルパスの統計データを作成および表示する電子カルテ分析プログラム12とを備え、電子カルテ分析プログラム12は複数の患者のうち一人または複数の患者、またはクリニカルパスを選択するデータ選択機能15を備え、選択された患者の患者記録またはクリニカルパスを電子カルテデータベース13から抽出し、電子カルテ入力・参照プログラム11に表示する機能を備える。
【0021】
また、データ選択機能は、患者またはクリニカルパスの選択手段と、患者記録またはクリニカルパスを電子カルテデータベースから選択された患者またはクリニカルパスに応じて抽出する抽出条件を作成する手段と、電子カルテ分析プログラムの分析条件に応じて電子カルテ入力・参照プログラムで表示する表示条件を作成する手段を有し、抽出条件と表示条件に応じてデータ抽出とデータ表示を行う。本機能により、抽出したデータのどの部分を優先的に観察すべきか提示できるので、ユーザのデータ解釈にかかる労力を低減することが可能となる。
【0022】
また、電子カルテ分析プログラムでは、データ分析結果をグラフとして表示し、データ選択機能はこのグラフ上で患者またはクリニカルパスを選択する手段を有する。典型的なグラフとしては、次の三種類がある。
(1)横軸に経過時間、縦軸に患者状態や収支の情報を取り、複数の患者に関する当該情報の時間推移を表す折線グラフ。
(2)横軸に患者状態や収支の情報に基づく患者分類、縦軸に頻度を取るヒストグラムと、クリニカルパスが分析に含まれる場合には、クリニカルパスがどの分類に属すかを表す重畳グラフ。
(3)横軸に経過時間、縦軸に医療サービスを取り、各セルに医療サービスの実施量を色調で表示する二次元マトリクスと、横軸に患者、縦軸に医療サービスの実施量を取る一次元グラフを持ち、各グラフ上で関心領域を設定すると他のグラフで関心領域に制限されたデータのみの統計情報を表示する相互選択機能を有する対話的グラフ。
【0023】
また、これらグラフ表示では、患者の属性や診療記録のクラスタ分類結果に応じて、色調や線種等を変化させる。これにより、データの視認性が高まり、注目すべき患者等を選択しやすくなるという利点がある。
【0024】
また、データ選択機能で選択された患者またはクリニカルパスを電子カルテ入力・参照プログラムで表示した後、ユーザがデータ入力を行った場合に、入力データを電子カルテデータベースに蓄積すると共に、データ処理機能を起動して入力データに関連するデータ処理を行って結果を電子カルテ分析データベースに蓄積し、電子カルテ分析プログラムで結果を表示する。これにより、ヴァリアンス分析など患者記録を入力しながら、データ分析結果を観察することが可能となる。
【0025】
また、これらプログラムを搭載する電子カルテシステムの装置構成として、ネットワークで接続された第1のコンピュータには電子カルテ入力・参照プログラムと電子カルテ分析プログラムを搭載し、第2のコンピュータには電子カルテデータベースと電子カルテ分析データベースを搭載し、第1のコンピュータには前述の連携動作を行うデータ処理機能を搭載する。このような構成をとることにより、ネットワークで接続された大規模な情報システムを構築することが可能となる。
【0026】
【発明の実施の形態】
実施の形態1:患者記録を入力または参照する電子カルテ入力・参照プログラムと、前記電子カルテ入力・参照プログラムで入力された患者記録を蓄積する電子カルテデータベースと、前記蓄積された患者記録を分析するためのデータ処理機能と、前記データ処理機能で処理されたデータを蓄積する電子カルテ分析データベースと、前記電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者の統計データを表示する電子カルテ分析プログラムとを備える電子カルテシステムであり、前記電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一人または複数の患者を選択するデータ選択機能を備え、選択された患者の患者記録を前記電子カルテデータベースから抽出し、前記電子カルテ入力・参照プログラムに表示する機能を備えることを特徴とする。
【0027】
実施の形態2:患者記録またはクリニカルパスを入力または参照する電子カルテ入力・参照プログラムと、前記電子カルテ入力・参照プログラムで入力された患者記録またはクリニカルパスを蓄積する電子カルテデータベースと、前記蓄積された患者記録またはクリニカルパスを分析するためのデータ処理機能と、前記データ処理機能で処理されたデータを蓄積する電子カルテ分析データベースと、前記電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者とクリニカルパスの統計データを表示する電子カルテ分析プログラムとを備える電子カルテシステムであり、前記電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一人、複数の患者、またはクリニカルパスを選択するデータ選択機能を備え、選択された患者の患者記録またはクリニカルパスを前記電子カルテデータベースから抽出し、前記電子カルテ入力・参照プログラムに表示する機能を備えることを特徴とする。
【0028】
実施の形態3:患者記録またはクリニカルパスを入力または参照する電子カルテ入力・参照プログラムと、前記電子カルテ入力・参照プログラムで入力された患者記録またはクリニカルパスを蓄積する電子カルテデータベースと、前記蓄積された患者記録またはクリニカルパスを分析するためのデータ処理機能と、前記データ処理機能で処理されたデータを蓄積する電子カルテ分析データベースと、前記電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者とクリニカルパスの統計データを表示する電子カルテ分析プログラムとを備える電子カルテシステムであり、前記電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一人または複数の患者、またはクリニカルパスを選択するデータ選択機能を備え、選択された患者の患者記録またはクリニカルパスを前記電子カルテデータベースから抽出し、前記電子カルテ入力・参照プログラムは、選択された患者またはクリニカルパスと前記電子カルテ分析プログラムの分析条件に応じて、抽出された患者記録またはクリニカルパスの表示方法を変更することを特徴とする。
【0029】
実施の形態4:実施の形態1、2、3の何れかに記載の電子カルテシステムにおいて、前記電子カルテ分析プログラムは、複数の患者または複数の患者とクリニカルパスの統計データのグラフ表示機能およびデータ選択機能を備え、前記グラフ表示機能は、横軸に日数、時間または時間帯からなる経過時間を取り、縦軸に患者状態を表すステージ、クリニカルパスで設定されている目標、収入、コスト、収益の全てまたは一部からなる情報を取り、複数の患者または複数の患者とクリニカルパスについて前記縦軸に取られた情報の時間推移または経過時間による累積値をグラフ表示し、前記データ選択機能は、前記グラフ表示機能で表示されたグラフの一部を選択することによりグラフに対応付けられた患者またはクリニカルパスを選択することを特徴とする。
【0030】
実施の形態5:実施の形態1、2、3の何れかに記載の電子カルテシステムにおいて、前記電子カルテ分析プログラムは、複数の患者または複数の患者とクリニカルパスの統計データのグラフ表示機能およびデータ選択機能を備え、前記グラフ表示機能は、横軸に入院日数または収入、コスト、収益の情報を取り、縦軸に患者の頻度を取るヒストグラムを表示するとともに、クリニカルパスを表示する場合には入院日数または収入、コスト、収益の情報を前記ヒストグラムに重畳表示し、前記データ選択機能は、前記グラフ表示機能で表示されたグラフの一部を選択することによりグラフに対応付けられた患者またはクリニカルパスを選択することを特徴とする。
【0031】
実施の形態6:実施の形態1、2、3の何れかに記載の電子カルテシステムにおいて、前記電子カルテ分析プログラムは、複数の患者または複数の患者とクリニカルパスの統計データのグラフ表示機能およびデータ選択機能を備え、前記グラフ表示機能は、横軸に患者の担当医師、病棟、適用クリニカルパス、診断、手術、年齢、性別、入退院年月日、転帰、アウトカム、ヴァリアンスの一部または全部の属性を用いた分類を取り、縦軸に患者の頻度または収入、コスト、収益の平均値または総和の情報を表示するとともに、クリニカルパスを表示する場合には、前記情報を同時に表示し、前記データ選択機能は、前記グラフ表示機能で表示されたグラフの一部を選択することによりグラフに対応付けられた患者またはクリニカルパスを選択することを特徴とする。
【0032】
実施の形態7:実施の形態1、2、3の何れかに記載の電子カルテシステムにおいて、前記電子カルテ分析プログラムは、複数の患者または複数の患者とクリニカルパスの統計データのグラフ表示機能およびデータ選択機能を備え、前記グラフ表示機能は、横軸に経過時間、縦軸に医療サービス、各セルに医療サービスの実施回数、収入、コスト、収益の情報を色調で表す二次元マトリクスと、横軸に患者、患者群またはクリニカルパス、縦軸に医療サービスの実施回数、収入、コスト、収益の情報を表す一次元グラフとを備え、前記二次元マトリクスと前記一次元グラフには関心領域の設定手段を備え、前記設定された関心領域に応じたデータのみに制限したグラフ表示を行う手段を備え、前記データ選択機能は、前記一次元グラフ上で患者、患者群またはクリニカルパスを選択する手段を備えることを特徴とする。
【0033】
実施の形態8:実施の形態4、5、6、7の何れかにに記載の電子カルテシステムにおいて、前記グラフ表示機能は、クリニカルパスおよび患者の担当医師、病棟、適用したクリニカルパス、診断、手術、年齢、性別、入退院年月日、転帰、アウトカム、ヴァリアンス、診療記録を用いたクラスタリング手法による患者分類の一部または全部の属性を用いた患者分類に応じて、相当するグラフの色調や線種、またはその両方を変更して描画することを特徴とする。
【0034】
実施の形態9:患者記録またはクリニカルパスを入力または参照する電子カルテ入力・参照プログラムと、前記電子カルテ入力・参照プログラムで入力された患者記録またはクリニカルパスを蓄積する電子カルテデータベースと、前記蓄積された患者記録またはクリニカルパスを分析するためのデータ処理機能と、前記データ処理機能で処理されたデータを蓄積する電子カルテ分析データベースと、前記電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者とクリニカルパスの統計データを表示する電子カルテ分析プログラムとを備える電子カルテシステムであり、前記電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一部の患者またはクリニカルパスを選択するデータ選択手段を備え、前記電子カルテ入力・参照プログラムは選択された患者の患者記録またはクリニカルパスを前記電子カルテデータベースから抽出して表示する機能とデータ入力機能を備え、前記データ入力機能で入力されたデータは前記電子カルテデータベースに蓄積されると共に、入力データを加えて前記データ処理を実施し、前記電子カルテ分析プログラムにデータ処理結果を表示することを特徴とする。
【0035】
実施の形態10:ネットワークで接続された第1のコンピュータには電子カルテ入力・参照プログラムと電子カルテ分析プログラムが搭載され、第2のコンピュータには電子カルテデータベースと電子カルテ分析データベースが搭載され、前記電子カルテ入力・参照プログラムは、患者記録またはクリニカルパスを入力または参照する手段を備え、前記電子カルテデータベースは入力された患者記録またはクリニカルパスを蓄積する手段を備え、前記電子カルテ分析データベースは蓄積された患者記録またはクリニカルパスを分析するためにデータ処理を行って処理データを蓄積する手段を備え、前記電子カルテ分析プログラムは前記電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者の統計データを表示する手段を備え、前記電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一部の患者またはクリニカルパスを選択するデータ選択手段を備え、選択された患者の患者記録またはクリニカルパスを前記電子カルテデータベースから抽出し、前記電子カルテ入力・参照プログラムに表示する機能を備えることを特徴とする電子カルテシステム。
【0036】
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0037】
図1と図2は、本発明の電子カルテシステムの概念図である。図1は患者記録のみの場合、図2はクリニカルパスも含めた場合を示している。なお、クリニカルパスはデータの取り扱い上、「仮想的な標準患者」と考え、患者として取り扱う場合もある。また、本明細書では、記載を簡便にするため、健康診断情報なども含んだ「個人に関する医療や健康に関する記録」を患者記録と記し、特に疾病にかかっておらず健康な状態な個人も患者と記す。
【0038】
本発明に関する主なプログラムは、患者記録等を入力と参照するための電子カルテ入力・参照プログラム11、データの分析と結果表示を行う電子カルテ分析プログラム12、電子カルテ入力・参照プログラムで入力された患者記録を蓄積する電子カルテデータベース13、患者記録をデータ処理した結果を蓄積する電子カルテ分析データベース14である。
【0039】
典型的なシステム構成では、ネットワークで接続された第1のコンピュータ(電子カルテワークステーション19)と第2のコンピュータ(電子カルテデータベースサーバ20)の二種類のコンピュータを備え、それぞれ図1、2に示すようなプログラムを搭載する。即ち、電子カルテワークステーション19は、電子カルテ入力・参照プログラム12と電子カルテ分析プログラム13とを備えて、これらを同時表示または逐次的表示を繰り返す。電子カルテデータベースサーバ20は、電子カルテデータベース13と電子カルテ分析データベース14とを備え、電子カルテ入力・参照プログラム11や電子カルテ分析プログラム12の要求に応じてデータ蓄積やデータ加工・抽出を行う。以下、詳細に各プログラムの動作を説明する。
【0040】
電子カルテ入力・参照プログラム11は、患者の氏名、性別などの基本的情報やアレルギー歴や薬歴、診療歴、健康診断歴等の履歴情報、主訴や検査結果や診断結果等の経過を表す経過記録、医療サービスのオーダ状況を表す指示記録と実施状況を表す実施記録等からなる患者記録を入力および参照するためのプログラムである。このため、電子カルテユーザとのユーザインタフェースである患者記録表示・入力画面17や電子カルテデータベース13への入力機能、電子カルテデータベース13から抽出したデータを表示する表示機能を備えている。また、クリニカルパスを編集する機能を備えている場合もある。なお、本プログラムは、軽快なシステム運用やシステム障害時への対応のため、入力機能を省き、参照のみを行う場合もある。
【0041】
電子カルテデータベース13は、電子カルテ入力・参照プログラム11で入力された患者記録やクリニカルパスを蓄積し、要求に応じて抽出するプログラムである。通常、本プログラムには、データベースマネージメントシステム(DBMS)として、リレーショナルDBMSが用いられる。本プログラムは、電子カルテ入力・参照プログラムで入力された患者記録やクリニカルパスを整理してデータベースに蓄積する蓄積機能と、データ抽出条件を受け付けて条件に応じて患者記録を抽出する抽出機能を有する。勿論、本プログラムには他に、患者記録をアーカイブして保存しておく機能やバックアップを作成する機能、参照用に特化した患者記録参照ファイルを作成する機能を有していても良い。
【0042】
電子カルテ分析データベース14は、電子カルテデータベース13に蓄積された患者記録やクリニカルパスを用いて医療の質や効率を分析するための統計データを作成し、蓄積するプログラムである。通常、本プログラムでは、DBMSとしてリレーショナルDBMSまたはマルチディメンジョナルDBMS、またはこれら二つのハイブリッドDBMSが用いられる。作成される統計データとしては、例えば、科別患者数や収支、疾病別患者数や収支、医療サービスの使用状況等がある。データ処理機能16は、これら統計データを作成する機能である。簡単な集計データの作成等は、電子カルテ分析データベース14のDBMSに予め備わっている機能で実現されるが、フィッティングや推定値の作成など複雑な計算が必要な場合、データ処理機能16は電子カルテ分析データベース14とは独立したプログラムとして実装される場合もある。また、データ処理機能16は電子カルテデータベース13に蓄積された患者記録を元に統計データを作成するが、必要に応じて他システムのデータやマスタテーブルなどを付加して統計データを作成する場合もある。特に、収支計算を伴う場合には、医事会計システムや原価計算システムのデータを使用する場合もある。また、本プログラムには、電子カルテ分析プログラム12からの要求に応じてデータを加工して抽出するデータ加工・抽出機能を備える。なお、データ加工が複雑な場合、この部分は独立したプログラムとして実装される場合もある。また、図1では、電子カルテ分析データベース14を電子カルテデータベース13と独立に記しているが、同一のデータベースを用いて電子カルテデータベース13のデータマートとして実現してもよい。ただし、このような構成にした場合には、分析にかかる負荷が高まると電子カルテ入力・参照のレスポンスが低下する場合がある。
【0043】
電子カルテ分析プログラム12は、患者記録を横断的に分析するためのプログラムである。このため、分析者とのユーザインタフェースである分析結果表示画面18と分析方法などの条件入力機能や、抽出されたデータを加工し分析結果表示画面に表示するデータ加工・表示機能を備える。ここで、電子カルテ分析プログラム12にもデータ加工機能を持つことで、電子カルテ分析データベースでのデータ加工の負荷を低減したり、対話的な分析におけるレスポンスを向上することが可能となる。もちろん、電子カルテ分析データベースにデータ加工を集中すれば、電子カルテ分析プログラムにデータ加工機能はなくても構わない。
【0044】
本発明の特長は、データ選択機能15を備え、電子カルテ分析プログラム12で選択された患者の患者記録やクリニカルパスを電子カルテデータベース13から抽出し、抽出した患者記録やクリニカルパスを電子カルテ入力・参照プログラム11に表示する機能を有する点である。図3に、データ選択機能を詳細化した図を示す。データ選択機能15は、電子カルテ分析プログラム12と電子カルテ入力・参照プログラム11の連携した機能として実現される。電子カルテ分析プログラム12の分析結果表示画面18が有するデータ選択手段は、ユーザに患者を選択する手段を提供し、選択された患者のID等の選択情報を取得する。選択情報には、患者IDだけではなく、入外別と来院回数と患者IDを併せた患者来院ID、さらに来院日時等の時間情報を含めても良い。選択情報作成機能は、データ選択手段で取得された選択情報に必要であれば分析条件を付加する。ここで、分析条件としては、例えば図2の分析の場合、「クリニカルパスCP1を使用した入院患者に対する医療サービス使用状況の日別コスト分析」のように分析対象と分析項目が含められる。なお、データ選択情報には分析条件は必ずしも必要ではなく、これは、主として患者記録のうち、どの部分を優先的に表示するか指定するために使用される。選択情報送信機能は、選択情報を選択情報受信機能に送信する。ここでは、プログラムの連携を行うミドルウェアを用いても良い。また、ユーザがマウスのドラッグ&ドロップ操作等を使い、オペレーティングシステム等の機能を使用して、電子カルテ分析プログラム12から電子カルテ分析プログラム11への送受信を行っても良い。抽出・表示条件作成機能は、受信した選択情報から、電子カルテデータベース13からのデータ抽出条件と患者記録表示画面の表示条件を作成する。抽出条件には主として患者IDまたは患者来院ID等が指定され、表示条件には当該患者の患者記録のうち、どの記録を表示するかが指定される。抽出条件送信機能は電子カルテデータベース13に抽出条件を送信し、電子カルテ入力・参照プログラムの表示機能は抽出されたデータを、表示条件に従って患者記録・入力画面に表示する。なお、表示条件は主として分析条件で決定されるため、分析条件が選択情報に含められない場合等には設定されないこともある。
【0045】
本発明には、このようなデータ選択機能15を有することで、データ分析結果の解釈に必要な詳細情報を容易かつ正確に取得可能になるという著しい利点がある。すなわち、従来であれば、電子カルテ分析プログラム12では電子カルテ分析データベース14に蓄積されているデータのみが参照可能で、これだけではデータの解釈が難しく、患者記録を詳細に観察しなければならない場合があった。このため、電子カルテ入力・参照プログラム11に備わっている患者指定機能で当該患者を探索し、当該患者の患者記録を参照しながらデータ解釈を行っていた。本機能によれば、電子カルテ分析プログラム12で患者またはクリニカルパスを選択することで自動的に電子カルテ入力・参照プログラム11に当該患者の患者記録またはクリニカルパスが表示されるという利点がある。この際、当該患者の選択の間違いを排除し、正確なデータ取得を可能にするという利点も有する。さらに分析条件に応じて、当該患者の患者記録のうち、どれが優先的に表示されるべきか自動的に判定されるため、データ解釈に必要な詳細情報を迅速に探索できるという利点も持つ。例えば、図1では、分析結果表示画面18では医療サービス使用状況の日別コスト分析結果を表している。この結果より、「患者来院V−I1(患者Vの入院1回目の意味)」に関する折線が他の患者とはかなり異なった傾向を示していることが判る。ユーザが、この折線を選択すると、データ選択機能15は当該患者の入院1回目に関する患者記録を抽出し、医療サービスの指示・実施記録の入力・参照画面17を優先的に表示している。このように患者を横断的に観察して特異的な患者を探索し、特異的な部分に関連した詳細な患者記録を容易に観察することが可能となる。なお、患者選択機能のうち患者ID送信機能と患者ID受信機能を仲介する方法として、分析者による指定手段を用いても良い。例えば、分析結果表示画面18で選択した患者に関する表示データをドラッグすることで当該患者のIDを取得し、電子カルテ入力・参照プログラムにドロップすることで当該患者のIDを伝達するように構成しても良い。
【0046】
ここで、図1、2には、データ選択機能15で複数の患者のうち一人の患者を選択する場合を示しているが、複数の患者を選択することも可能である。この場合、電子カルテ入力・参照プログラム11には複数の患者の患者記録が同時にまたは逐次的に表示される。
【0047】
ここで、図2のクリニカルパスについて補足説明する。クリニカルパスは、疾病等で決定される特定の患者群に関する標準的もしくは最適な診療計画である。クリニカルパスは、「仮想的な標準患者」として通常の患者記録を便宜上持つことも可能である。クリニカルパス特有の記録としては、適用疾病等の適用条件やクリニカルパスの適用を中止する条件、メンテナンス情報等がある。これら記録は電子カルテデータベース13に蓄積される。データ処理機能16は、患者記録と共にクリニカルパスをデータ処理し、電子カルテ分析プログラム12は患者記録とクリニカルパスを分析した結果を表示する。通常、クリニカルパスと患者記録の分散を分析することが多く、クリニカルパスを他とは異なる色調等で表示することが多い。本発明によれば、クリニカルパスから外れた患者の患者記録を電子カルテデータベース13から容易に取得できるという利点がある。また、クリニカルパスが統計データから外れていた場合には、クリニカルパス自身を参照し、クリニカルパスを編集することが容易になるという利点がある。本発明のデータ選択機能15には、患者来院またはクリニカルパスが選択された場合に、どちらが選択されたかを自動的に判定し、患者来院であれば患者記録、クリニカルパスであればその編集画面を電子カルテ入力・参照プログラム11に表示可能という利点もある。
【0048】
図4は、本発明における各プログラムの主要動作をアクティビティ図で示したものである。電子カルテ分析プログラム12で、ユーザが所望の分析方法や条件を設定すると、設定された条件が電子カルテ分析データベース13に伝達され、電子カルテ分析データベース14では設定された条件に応じてデータ加工と抽出が行われ、抽出データが電子カルテ分析プログラム12に戻される。電子カルテ分析プログラム12では、追加工が必要な場合にはデータ加工を行い、表示する。これを所望の結果が得られるまで繰り返し行う。電子カルテ分析プログラム12は、ユーザに患者またはクリニカルパスの選択手段を提供する。ユーザが患者またはクリニカルパスを選択した場合には、データ選択機能15により、患者やクリニカルパスのID、分析条件等からなる選択情報が処理され、電子カルテ入力・参照プログラム11および電子カルテデータベース13に伝達される。電子カルテデータベース13は選択患者の患者記録やクリニカルパスを抽出して電子カルテ入力・参照プログラム11に伝達し、電子カルテ入力・参照プログラム11はそれらを表示する。表示の際、選択情報に応じて優先的に表示する患者記録や表示方法を変更する。
【0049】
図5は、電子カルテデータベース13と電子カルテ分析データベース14に蓄積されるデータの典型的なスキーマ図を例示したものである。電子カルテデータベースには患者情報がリレーショナルデータベースとして蓄積され、次のようなテーブルに整理される。患者の基本的な情報を表すため、患者IDを主キーとし、氏名、生年月日、性別、診療歴等を属性としてもつ患者基本情報テーブル、患者の各来院情報を表すため、患者IDと入外別、来院回数を主キーとし、診療科や診断名、手術名、入院日数、適用クリニカルパス(CP)等を属性としてもつ患者来院情報テーブル、医師が診療した内容や検査結果等を記録するため、患者IDと入外別、来院回数、診療実施日を主キーとする経過記録テーブル、さらに指示・実施した医療サービスを詳細に記録しておくための指示・実施記録テーブルがある。なお、このスキーマ図は主要なテーブルのみを記述したもので他にも多種多様なテーブルを取りうる。また、テーブルの構成もこれに限るものでないことは言うまでもない。電子カルテ分析データベースのデータスキーマは、医療サービスの実施状況、特に収支面を分析するための多次元データベースを例示している。患者来院IDと経過日数、医療サービスコードを主キーとし、実施回数や収入、コスト、収益を属性としてもつ診療実施収支をファクトテーブルとして持ち、医療サービスの内容と収支を表す医療サービス収支と、患者基本情報と来院情報を併せ持つ患者来院収支とをディメンジョンテーブルとして持つ。電子カルテデータベースを元にした電子カルテ分析データベースの作成は、前述のようにデータ処理機能16で行われる。データ処理機能16では、例えば、患者IDと入外別、来院回数から患者来院IDを作成するなど新規項目や分類属性の作成や、各分類属性に応じた収支や患者数等の統計量の算出等を行う。ただし、各医療サービスの収支情報など電子カルテデータベースに無い情報は医事会計システムや原価計算システム等の情報を使用して作成される。なお、ここで示したデータスキーマは電子カルテシステムの一例を示すものであり、これに限るものではない。本発明によれば、通常の分析で使用される分析データと、通常は入力・参照に用いられる患者記録とを分離して管理し、分析の必要に応じて患者記録を取得できる。このため、電子カルテ分析データベース14に分析に用いられるデータのみを有することで分析効率を向上でき、また、患者記録を通常の分析では参照しないようにすることで入力・参照効率を向上できる。さらに、分析に係るデータベースと入力・参照に係るデータベースとを分離することで、メンテナンスや障害復旧などの管理も行いやすくなる。
【0050】
図6は、電子カルテ分析プログラム12で表示される分析結果表示画面18の一例を示している。ここでは分析結果をグラフ化することで、患者選択を容易にしている。また、グラフ表示によりデータを確認しながら患者選択を行えるため、選択の間違いを減少させ、データ参照に係る効率を向上させる利点も有する。図示したグラフの横軸は入院からの経過時間を表し、縦軸は患者状態を表すステージやクリニカルパスで設定されている目標、収入、コスト、収益を取り、これら情報に関する各患者の時間推移を折線グラフで表示する。経過時間としては経過日数や時間帯、週などを取りうる。グラフとしては経過時間毎の推移や経過時間での累積値を取りうる。図では経過日数でのコストの累積値を折線で表示し、退院時で折線を終了するグラフを例示している。このような表示により、医療サービスの使用状況が判りやすく表示され、他と異なった使用状況の患者が選択しやすくなる。例えば、図では、数人の来院患者が平均的な折線から逸脱していることが判り、特に患者来院V−I1は累積コストが高く、折線の様子も他とは大きく異なっていることが判る。図1の電子カルテ入力・参照プログラム11に例示した患者来院V−I1の診療記録を見ると、手術が2回行われていることが判る。本発明によれば、このように折線の様子が他とは異なる患者を選択し、その理由を患者記録から探索することが可能になるという利点がある。また、グラフ右側には病棟を用いた患者分類による頻度や平均入院日数、平均コストを表で表示している。グラフはこれら分類によって色調や線種が変えて表示されるようにしても良い。このようなグラフ表示は、患者分類による傾向が把握しやすくなり、患者選択が容易になるという利点を有する。また、各グラフ間に距離を定義してクラスタリング技術を用いてクラスタを作成し、新たな患者分類として使用しても良い。特に、この方法をとることにより、アウトライアと呼ばれる標準から外れた診療実施記録を有する患者を自動的に強調表示でき、患者選択が容易になるという利点を有する。もちろん、図2の分析結果表示画面18に示すようにクリニカルパスを折線グラフで重畳表示して、クリニカルパスからの逸脱具合を見易く表示することも可能である。患者選択は、このグラフ上で折線をマウスでクリックすることで行う。これにより、グラフを確認しながら患者を選択することが可能となる。また、折線をマウスでドラッグして電子カルテ入力・参照プログラムにドロップすることで患者選択を行っても良い。単なるマウスのクリックでは不用意に患者選択が行われてしまう場合もあるが、ドラッグ&ドロップを使うことで不必要な患者選択起動を防止することが可能となる。
【0051】
図7は、電子カルテ分析プログラム12で表示される分析結果表示画面18の他の一例を示している。横軸には入院日数や収入、コスト、収益などの患者の分類情報や計数情報を取り、縦軸には患者の頻度を取り、ヒストグラムを表示する。クリニカルパスを重畳表示する場合には、横軸に関するクリニカルパスの情報を棒線等で表示する。また、グラフ右側には医師毎の頻度や平均入院日数を表で表示している。ヒストグラムの色調や線種は、これら分類によって変更して表示されるようにしても良い。患者選択では、ヒストグラム上でマウスをクリックすることでそこに含まれる患者のリストを表示し、その中から所望の患者をクリックもしくは前述したようにドラッグ&ドロップすることで行う。これによりヒストグラムで他とは異なる患者を簡単に見出すことを可能とし、その詳細な患者記録を容易かつ正確に取得することが可能になるという利点がある。
【0052】
図8は、電子カルテ分析プログラム12で表示される分析結果表示画面18の他の一例を示している。この画面は二つの連携したグラフからなる。一つは、横軸に入院からの経過時間、縦軸に医療サービスを取り、各セルには医療サービスの実施量を濃淡等の色調で表す二次元マトリクスである。ただし、図面では記載の都合上色調を数値で記述している。もう一つは、各患者の実施量を表す一次元グラフである。ここで図では実施量を医療サービスのコストとしている。この二つのグラフは、関心領域の設定手段を有し、ユーザが一方のグラフで関心領域を設定したときに、他方のグラフではその関心領域で制限されたデータで統計グラフを表示するという相互選択機能を持つ。これにより、グラフ上で関心をもった部分に関する詳細データの探索、特に特異な医療サービスを実施された患者の探索が可能となる。なお、このような画面表示に関する詳細は特許文献13が参考になる。本発明では、さらに一次元グラフに患者選択手段を搭載し、電子カルテ入力・参照プログラム11に当該患者の患者記録を表示する。これにより、特異な患者の実施記録だけでなく、経過記録などの情報も活用して、分析結果を解釈することが可能になるという利点がある。
【0053】
図9は、データ選択機能15によって選択された患者記録またはクリニカルパスを電子カルテ入力・参照プログラム11に表示した後、ユーザがデータを編集し、それを電子カルテ分析プログラム14に同時に反映する方法を概念的に示した図である。また、図10はその際の主要なプログラムの動作をアクティビティ図で表したものである。電子カルテ分析プログラム12で選択した患者記録を電子カルテ入力・参照プログラム11に呼び出し、入力したデータを電子カルテデータベース13に蓄積すると共に当該入力データに関連したデータ処理を行って電子カルテ分析データベース14に蓄積し、結果を電子カルテ分析プログラム12に表示している。ここで、図9に示しているのは、ヴァリアンス入力の例である。ヴァリアンスとは、クリニカルパスもしくは平均的な診療から外れた場合を指し、外れた原因を記載し分析することが、クリニカルパスの向上等に有効である。ヴァリアンスの記載は、通常の診療の流れの中でも行われるが、分析時にヴァリアンスを探索し、原因を特定しながら事後入力する場合もある。このような場合、本発明のように分析結果とヴァリアンス入力とを密に連携させることで、入力効率と分析効率の両方を向上させることが可能となる。また、電子カルテ分析プログラム12で表示する際に、現在電子カルテ入力・参照プログラム11で編集中の患者またはクリニカルパスを強調表示してもよい。これにより、現在編集中の患者またはクリニカルパスが、他の患者等と比較してどのような位置付けにあるか判りやすく表示することが可能である。
【0054】
本発明のシステム構成について補足説明する。ここまでの記述では、図1や図2に示したように、電子カルテワークステーションに電子カルテ入力・参照プログラム11と電子カルテ分析プログラム12が搭載されていた。しかし、電子カルテワークステーションは、診察室や病棟、薬剤部、検査部、事務室などに通常複数台存在する。このうち、本発明の電子カルテ入力・参照プログラム11と電子カルテ分析プログラム12の両方が搭載されているワークステーションは一部であって構わない。例えば、病棟回診に使用するモバイルワークステーション等には電子カルテ分析プログラム12の必要性は高くないので搭載していなくても良い。これにより、電子カルテ入力・参照プログラムのみが必要なワークステーション11のメンテナンスやバージョンアップにかかる労力を低減可能である。また、電子カルテデータベースサーバは通常1台もしくは数台で構成される。電子カルテデータベース13と電子カルテ分析データベース14とを別のサーバに搭載することで、負荷の分散やシステム障害時の復旧作業を容易化できる。また、クラスタサーバを使用することで、負荷分散や障害予防に効果がある。なお、比較的小規模の病院等では、メンテナンスを容易にするために、ワークステーションとサーバに分けず、一台のコンピュータに全てのプログラムを搭載しても良い。
【0055】
また、本発明の電子カルテシステムは一病院に限ったものではなく、複数の病院や診療所を結ぶ病院ネットワークや、さらに保健機関や介護機関等を含む地域医療ネットワーク等にも適用可能なことは言うまでもない。この場合、患者数増加や病院間比較による分析精度向上、健康状態や予後等を考慮した分析精度向上という利点がある。 以上説明したように、本発明によれば、分析結果で関心をもった患者に関する患者記録を容易かつ正確に取得できるという顕著な効果を有する。特に、分析条件に応じて患者記録の一部を優先的に表示することで、分析結果に対応した患者記録を迅速に取得する効果も有する。また、分析結果をグラフ化し、その上でデータ選択を行う機能を提供することで、データを確認しながら関心のあるデータを取得することが可能となり、データ取得の正確性を向上できるという効果も有する。さらに、通常の分析で使用するデータと、通常の電子カルテの入力・参照で使用するデータの蓄積方法や使用方法を異ならせることで、分析効率とデータ入力・参照に係る効率の両者を向上できるという効果も有する。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、データ分析内容に呼応して、ユーザが関心を持ったデータに関連する詳細な患者記録を、容易かつ正確に提供可能な電子カルテシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子カルテシステムの概念図。
【図2】本発明の電子カルテシステムにクリニカルパスの取り扱いを含めた場合を表す概念図。
【図3】本発明の電子カルテシステムのデータ選択機能の詳細図。
【図4】本発明の電子カルテシステムの主要なプログラムの動作を表すアクティビティ図。
【図5】本発明の電子カルテデータベースと電子カルテ分析データベースの典型的なデータスキーマを表す図。
【図6】本発明の電子カルテシステムにおいて電子カルテ分析プログラムで表示されるグラフの画面例を示す図。
【図7】本発明の電子カルテシステムにおいて電子カルテ分析プログラムで表示されるグラフの画面例を示す図。
【図8】本発明の電子カルテシステムにおいて電子カルテ分析プログラムで表示される対話的な診療プロセス分析画面の画面例を示す図。
【図9】本発明の電子カルテシステムで患者記録を編集しながら分析する場合の概念図。
【図10】本発明の電子カルテシステムで患者記録を編集しながら分析する場合の、主要なプログラムの動作を表すアクティビティ図。
【符号の説明】
11…電子カルテ入力・参照プログラム、12…電子カルテ分析プログラム、13…電子カルテデータベース、14…電子カルテ分析データベース、15…データ選択機能、16…データ処理機能、17…患者記録表示・入力画面、18…分析結果表示画面、19…電子カルテワークステーション、20…電子カルテデータベースサーバ。
Claims (5)
- 患者記録を入力または参照する電子カルテ入力・参照プログラムと、前記電子カルテ入力・参照プログラムで入力された患者記録を蓄積する電子カルテデータベースと、前記蓄積された患者記録を分析するためのデータ処理機能と、前記データ処理機能で処理されたデータを蓄積する電子カルテ分析データベースと、前記電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者の統計データを表示する電子カルテ分析プログラムとを備える電子カルテシステムであって、前記電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一人または複数の患者を選択するデータ選択機能を備え、選択された患者の患者記録を前記電子カルテデータベースから抽出し、前記電子カルテ入力・参照プログラムに表示する機能を備えることを特徴とする電子カルテシステム。
- 患者記録またはクリニカルパスを入力または参照する電子カルテ入力・参照プログラムと、前記電子カルテ入力・参照プログラムで入力された患者記録またはクリニカルパスを蓄積する電子カルテデータベースと、前記蓄積された患者記録またはクリニカルパスを分析するためのデータ処理機能と、前記データ処理機能で処理されたデータを蓄積する電子カルテ分析データベースと、前記電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者とクリニカルパスの統計データを表示する電子カルテ分析プログラムとを備える電子カルテシステムであって、前記電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一人、複数の患者、またはクリニカルパスを選択するデータ選択機能を備え、選択された患者の患者記録またはクリニカルパスを前記電子カルテデータベースから抽出し、前記電子カルテ入力・参照プログラムに表示する機能を備えることを特徴とする電子カルテシステム。
- 患者記録またはクリニカルパスを入力または参照する電子カルテ入力・参照プログラムと、前記電子カルテ入力・参照プログラムで入力された患者記録またはクリニカルパスを蓄積する電子カルテデータベースと、前記蓄積された患者記録またはクリニカルパスを分析するためのデータ処理機能と、前記データ処理機能で処理されたデータを蓄積する電子カルテ分析データベースと、前記電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者とクリニカルパスの統計データを表示する電子カルテ分析プログラムとを備える電子カルテシステムであって、前記電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一人または複数の患者、またはクリニカルパスを選択するデータ選択機能を備え、選択された患者の患者記録またはクリニカルパスを前記電子カルテデータベースから抽出し、前記電子カルテ入力・参照プログラムは、選択された患者またはクリニカルパスと前記電子カルテ分析プログラムの分析条件に応じて、抽出された患者記録またはクリニカルパスの表示方法を変更することを特徴とする電子カルテシステム。
- 患者記録またはクリニカルパスを入力または参照する電子カルテ入力・参照プログラムと、前記電子カルテ入力・参照プログラムで入力された患者記録またはクリニカルパスを蓄積する電子カルテデータベースと、前記蓄積された患者記録またはクリニカルパスを分析するためのデータ処理機能と、前記データ処理機能で処理されたデータを蓄積する電子カルテ分析データベースと、前記電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者とクリニカルパスの統計データを表示する電子カルテ分析プログラムとを備える電子カルテシステムであって、前記電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一部の患者またはクリニカルパスを選択するデータ選択手段を備え、前記電子カルテ入力・参照プログラムは選択された患者の患者記録またはクリニカルパスを前記電子カルテデータベースから抽出して表示する機能とデータ入力機能を備え、前記データ入力機能で入力されたデータは前記電子カルテデータベースに蓄積されると共に、入力データを加えて前記データ処理を実施し、前記電子カルテ分析プログラムにデータ処理結果を表示することを特徴とする電子カルテシステム。
- ネットワークで接続された第1のコンピュータには電子カルテ入力・参照プログラムと電子カルテ分析プログラムが搭載され、第2のコンピュータには電子カルテデータベースと電子カルテ分析データベースが搭載され、前記電子カルテ入力・参照プログラムは、患者記録またはクリニカルパスを入力または参照する手段を備え、前記電子カルテデータベースは入力された患者記録またはクリニカルパスを蓄積する手段を備え、前記電子カルテ分析データベースは蓄積された患者記録またはクリニカルパスを分析するためにデータ処理を行って処理データを蓄積する手段を備え、前記電子カルテ分析プログラムは前記電子カルテ分析データベースに蓄積されたデータを使用して複数の患者の統計データを表示する手段を備え、前記電子カルテ分析プログラムは複数の患者のうち一部の患者またはクリニカルパスを選択するデータ選択手段を備え、選択された患者の患者記録またはクリニカルパスを前記電子カルテデータベースから抽出し、前記電子カルテ入力・参照プログラムに表示する機能を備えることを特徴とする電子カルテシステム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002299793A JP2004133826A (ja) | 2002-10-15 | 2002-10-15 | 電子カルテシステム |
Applications Claiming Priority (1)
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2002
- 2002-10-15 JP JP2002299793A patent/JP2004133826A/ja active Pending
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