JP2004133462A - 画像形成要素 - Google Patents
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Abstract
【課題】 直接観察した場合に明るい反射画像を提供し、また、裏側を照明した場合に充分な色素濃度を有する鮮鋭で明るい画像を提供する改良された画像形成要素を提供すること。
【解決手段】 少なくとも1つの両面塗布される画像形成層及び非ボイド化支持体を含んで成る画像形成要素であって、前記非ボイド化支持体が、ポリマー樹脂マトリックスと、少なくとも10:1のアスペクト比、0.01μm〜5μmの横方向寸法及び0.5nm〜10nmの垂直方向寸法を有する無機粒子を含む少なくとも1つの層を含み、前記非ボイド化支持体が上面及び底面を含む画像形成要素。
【選択図】 なし
【解決手段】 少なくとも1つの両面塗布される画像形成層及び非ボイド化支持体を含んで成る画像形成要素であって、前記非ボイド化支持体が、ポリマー樹脂マトリックスと、少なくとも10:1のアスペクト比、0.01μm〜5μmの横方向寸法及び0.5nm〜10nmの垂直方向寸法を有する無機粒子を含む少なくとも1つの層を含み、前記非ボイド化支持体が上面及び底面を含む画像形成要素。
【選択図】 なし
Description
本発明は、反射型及び透過型の写真画像形成用途における使用に適する新規な半透明な非ボイド化(又はボイド不含)ナノ複合材料支持体に関する。
写真ディスプレイ材料が、広告、及び写真画像の装飾的ディスプレイに利用されることは当該技術分野において知られている。これらのディスプレイ材料は広告に使用されるため、ディスプレイ材料の画質は、広告される製品又はサービスの質に関するメッセージを表現する点で重要である。さらに、写真ディスプレイ画像は、そのディスプレイ材料及びその伝達しようとする所望のメッセージに消費者の注意を引きつけようとするものであるため、インパクトの強いものであることが必要である。ディスプレイ材料の典型的な用途としては、公共の場、例えば空港、バス、スポーツスタジアムにおける製品及びサービスの広告、映画ポスター、並びに芸術写真が挙げられる。良質の高インパクト写真ディスプレイ材料の望ましい特性は、僅かな青濃度最小値、耐久性、鮮鋭性、及び平坦性である。ディスプレイ材料は代替のディスプレイ材料技術、例えば紙の上の平版印刷画像と比較して費用がかかる傾向があるため、コストも重要である。伝統的なカラーペーパーは、取扱い、写真処理、及び大フォーマット画像のディスプレイに求められる耐久性に欠けるので、ディスプレイ材料としては望ましくない。
従来技術の写真ディスプレイ材料は、歴史的に反射型又は透過型に分類されてきた。反射型ディスプレイ材料は、典型的には、高度に顔料を添加した画像支持体であって、感光性ハロゲン化銀コーティングが適用されたものである。反射型ディスプレイ材料は、典型的には、アイデアやメッセージを伝えるために画像を使用する商業的用途で使用される。反射型ディスプレイ材料の1つの用途例として、公共の場での製品広告がある。従来技術の反射型ディスプレイ材料は反射光を使用して感じの良い画像を提供するように最適化されてきた。透過型ディスプレイ材料は、商業上の画像形成用途に使用されており、典型的には光源を使用して裏側から光が当てられる。透過型ディスプレイ材料は、典型的には、感光性ハロゲン化銀及び組み込まれたディフューザー(観察照明を提供するために使用されるランプが「透けて見える」のを隠すため)を有する透明な支持体であるか、又は感光性ハロゲン化銀乳剤が塗布された実質的に透明な支持体であり、後者の場合には、媒体を照明するために使用されるランプが「透けて見える」のをぼやかす手段として当該ディスプレイ材料の裏側に配置された拡散スクリーンを必要とする。従来技術の透過型ディスプレイ材料は、様々な光源を使用して裏側から画像に光を当てた場合、感じの良い画像を提供するように最適化されてきた。従来技術の反射型及び透過型のディスプレイ材料は、反射型ディスプレイ画像又は透過型ディスプレイ画像のいずれかであるように最適化されてきたので、2種類の別個の製品デザインが製造の際存在せざるをえず、2種類のディスプレイ材料の仕掛り品を市販のプリンターで取り扱わなければならない。さらに、例えばバックライトが燃えたり、時間経過につれてバックライトの出力が低下して透過型ディスプレイ材料用のバックライトの質が低下した場合、透過画像が暗く見え、そしてその画像の商業的価値が低下する。画像支持体が、反射型及び透過型のディスプレイ材料の両者として機能すれば望ましいであろう。
従来技術の透過型ディスプレイ材料は、反射型写真プリント材料と比較して画像濃度を高めるために高塗布量の感光性ハロゲン化銀乳剤を使用する。塗布量を増加させると透過空間での画像濃度は増加するが、画像現像時間も塗布量の増加につれて増加する。典型的には、写真プリント材料の現像時間が45秒以下であるのに対し、高濃度の透過型ディスプレイ材料では、現像時間は110秒である。従来技術の高濃度の透過型ディスプレイ材料は、処理の際の現像ラボの生産性を低下させる。さらに、高塗布量の乳剤をコートすることは、製造中に余分の乳剤乾燥を必要とし、乳剤塗布機の生産性を低下させる。透過型ディスプレイ材料の濃度が高く、しかも50秒未満の現像時間であれば望ましいであろう。
ポリエステルベースを有する従来技術の反射型写真材料は、TiO2 顔料含有ポリエステルベースを使用する。このポリエステルベース上に、感光性ハロゲン化銀乳剤がコートされる。国際公開第94/04961号パンフレットには、10%〜25%のTiO2 を含有する不透明ポリエステルを写真支持体に使用することが提案されている。ポリエステル中のTiO2は望ましくない豪華な外観を反射型ディスプレイ材料に与える。また、TiO2顔料含有ポリエステルは費用がかかる。なぜならば、TiO2 を厚さ全体、典型的には100〜180μmにわたって分散させなければならないからである。このように使用されるTiO2はまた、ポリエステル支持体に僅かな黄色味を与える。黄色味は写真表示材料にとって望ましくない。写真ディスプレイ材料として使用する場合、TiO2を含有するポリエステル支持体には、ポリエステルの黄色味を相殺するために青色味を加えなければならず、このことは望ましい白色度を損ない、ディスプレイ材料にかかるコストを高くしてしまう。
従来技術の写真ディスプレイ材料は、ポリエステルを支持体のベースとして使用する。典型的には、ポリエステル支持体は、求められる剛性を提供するよう、厚さが150〜250μmである。従来技術の写真ディスプレイ材料は、典型的には、感光性ハロゲン化銀画像形成層が支持体の片側に塗布される。露光装置は、従来技術のディスプレイ材料の片側のみを露光させるように構成されるので、プリントプラテン設計についての懸念は殆ど無い。例えば、露光時に媒体を保持するために減圧ロールを使用する露光装置は、概して、減圧のために溝を用いる。これらの溝は、「ブラックトラップ(black trap)」(露光エネルギーが失われ、二次反射が殆ど無い領域)として作用し、このために、両面塗布される(duplitized)乳剤系においては、裏側の画像の濃度が不均一となる場合がある。
米国特許第6,030,756 号明細書において、両面塗布されるハロゲン化銀画像形成層をディスプレイ材料として使用することについて考察されている。米国特許第6,030,756 号明細書においては、ハロゲン化銀画像形成層の上部側を露光することによって、上部画像及び底部画像の両方を露光させている。米国特許第6,030,756 号明細書におけるディスプレイ材料は、反射型観察又は透過型観察のいずれにおいても良好な画像を形成するけれども、米国特許第6,030,756 号明細書に記載のディスプレイ材料は、不均一な反射プラテンを背景にして配置され、その後、光エネルギーにより露光される場合、裏側の画像の濃度が不均一になるという欠点を有する。
米国特許第6,030,756 号及び第6,017,685 号の各明細書において開示されている従来技術の構造体は、ハレーション防止層が無い場合に、特定のプリンターにおいて、制御されない後方散乱の結果として、不均一な濃度変動の欠点があることが見出された。明らかであるように、この望ましくない露光は、ハレーション防止層を加えることによって有効に抑制することができる。しかしながら、ハレーション防止層の存在により、特に裏側の画像形成層において、画像形成効率が大幅に低下することが見出された。この場合、露光量対濃度プロットの曲線形状は、中間スケールにおいて、かなりの折れ曲がりを示し、このことは、ハレーション防止層が無い要素と比較して、かなり低い肩及び最大濃度につながる。原則として、裏側の画像形成層に銀及びカプラーを添加することによって、この濃度を回復することは可能であるけれども、材料コストの観点から、また、必要とされる写真処理時間を最短に保ちたいとの要求から、このようにすることは非常に望ましくないであろう。
米国特許第6,355,404 号明細書には、反射観察で裏側画像から表側画像を分離し、その結果、従来技術のディスプレイ材料と比べて画像を高品位のものにすることができるボイド含有ポリエステルベース材料を含む両面塗布型写真ディスプレイ材料が開示されている。米国特許第6,355,404 号明細書に開示されているボイド含有ベース材料は、裏側画像から表側画像を分離するが、より高い光透過率を有するベース材料は、反射観察及び透過観察の両方で画像をより明るいものにすることができるであろう。
豊田中央研究所で行われた独創性に富む業績以来、産業界では、ポリマー−粘土・ナノ複合材料に多くの関心が集まっている。ポリマーの性能を高めるために添加剤として無機ナノ粒子を使用することはこれまで確立されている。過去10年程度の間に、性能向上用添加剤として無機ナノ粒子を使用することに対する学術分野及び産業界での関心がますます高まっている。これらのナノ複合材料の他に類のない物理的特性は、自動車業界、包装業界及びプラスチック製造のような様々な産業界で調査されている。これらの特性としては、弾性率及び引張強さなどの高い機械的特性、線形熱膨張率及び熱変形温度などの熱的特性、バリヤー特性(例えば、酸素及び水蒸気透過率)、耐燃性、磨耗性、又は溶剤の取り込みが挙げられる。関連する従来技術のいくつかは、米国特許第4,739,007 号、第4,810,734号、第4,894,411 号、第5,102,948 号、第5,164,440 号、第5,164,460 号、第5,248,720 号、第5,854,326 号及び第6,034,163 号に示されている。
一般的に、これらのナノ複合材料の場合の物理的特性の向上は、典型的には粘土又は有機変性粘土である無機相を20容量%未満、通常10容量%未満で添加することにより達成される。これらの向上は、無機相のナノスケール分散に関係する一般的な現象であるようであるが、特性の向上の程度はあらゆるポリマーで普遍的なわけではない。特性の向上は、ポリマーマトリックス中の無機相のモルフォロジー及び分散の程度に非常に大きく依存すると考えられている。
本発明のポリマー−粘土・ナノ複合材料中の粘土は、理想的には、以下の3つの構造をとると考えられる:(1)粘土格子中に有機物が挿入されずに粘土粒子が対面して凝集(face-to-face aggregation)している粘土タクトイド;(2)粘土格子が、格子の長距離秩序を保ったまま、個々のポリマー鎖の挿入による熱力学的に決まる平衡間隔に広がったインターカレートされた粘土;及び(3)単一の粘土小板が、粘土格子中へのポリマーの甚だしい滲入とその後の層間剥離(delamination)によりポリマー中にランダムに懸濁されている膨潤した粘土。先に示したように、ポリマー−粘土・ナノ複合材料の最大の特性の向上は、後者の2つの構造の場合に得られると予測される。
粘土は親水性であるため、粘土はほとんどの有機分子、特に疎水性の熱可塑性ポリマーと相溶性でない。ポリエステルのようなポリマー中にナノ粘土を分散及び相溶化させるための材料及び方法を開発することにこれまで多くの取り組みがなされてきた。これは、ポリエステルが、繊維、フィルム、食品及び飲料容器、並びにエンジニアリング用途で大量に使用されているプラスチックであるからである。非常に商業的に関心がもたれているポリエステルの幾つかは、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)、ポリ(エチレンナフタレート)(PEN)及びアモルファスグリコール変性PET(PETG)である。ポリエステル−粘土・ナノ複合材料び製造技術は、2つの大きなカテゴリーに分けられる。1つのカテゴリーは、スメクタイト粘土を重合中に処理し添加するin-situ 添合又はin-situ 重合と呼ばれるものである。粘土をモノマーとともに加えても重合工程中に加えてもよい。もう1つのカテゴリーは、ポリエステルと、処理済み粘土とを、コンパウンディング法により溶融混合するものである。
ポリエステルを得るためのモノマーは極性を有する。重合工程中に、分子量が増加するにつれて極性は減少し、粘土とポリマーの相分離が生じる。従って、粘土とポリマーの相溶性は重要である。in-situ 粘土添加には、粘土の相溶性を高めるための2つの一般的な手段がある。その1つは、米国特許第5,578,672 号及び第5,721,306 号明細書に開示されているようなAMCOL International Corporation により開発された新規な方法である。この方法では、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)又はポリ(ビニルアルコール)(PVOH)のような極性ポリマーで処理された粘土を、PETを得るためのモノマーであるエチレングリコール中で膨潤させる。粘土のこの膨潤は、重合条件を変えることによって、重合工程中持続する。Eastman Chemical(国際公開第98/29499号)は、同様な粘土変性方法を用い、PET溶融重合の装入物にDMTを直接導入し、酸素バリヤー性が改良されたPETナノ複合材料を調製した。別の方法は、有機粘土若しくは合成粘土又は焼成粘土、例えばフルオロマイカのin-situ 添加である(特開平8-73710 号公報、特開平8-120071号公報)。有機粘土は、典型的には、イオン交換法を用いて製造される。イオン交換法では、粘土を膨張させるために、オニウムイオン(特開平3-62846 号公報)又はアンモニウム塩(特開平7-166036号公報)が使用される。
溶融コンパウンディング法では、樹脂を有機粘土(国際公開第93/04118号)、合成粘土、又はAMCOL International Corporationにより開発された技術によって変性された粘土と溶融混合する(例えば、米国特許第5,552,469 号、第5,578,672 号、第5,698,624 号、第5,804,613 号及び第5,830,528 号明細書参照)。米国特許第5,552,469 号明細書では、PVP、PVOHのような水溶性ポリマー中に粘土を分散させる方法(水溶性ポリマーは、分散後、乾燥させ、次いで熱可塑性樹脂中に溶融混合される)が議論されている。米国特許第5,578,672 号明細書では、粘土を水及び官能基を有するポリマーと混合することにより粘土を変性する方法が議論されている。変性された粘土は、次いで乾燥させ、ポリマー樹脂と混合される。米国特許第5,698,624 号明細書では、非水性溶剤を使用して粘土にインターカレートさせるために、ベンゼン環、ヒドロキシル基、カルボキシル基を有するモノマー又は低分子量ポリマーを使用することが議論されている。粘土は、その後、ポリエステル等のポリマーと混合される。米国特許第5,804,613 号及び第5,830,528 号明細書では、粘土の同様なインターカレート方法であるが、乾燥させた粘土を熱可塑性樹脂と混合するのに先立って、水の存在下で異なる官能性モノマーを使用する方法が議論されている。
粘土粒子の層間剥離をさらに促進するとともに再凝集を妨げるために、これらのインターカレートされた粘土は、それらが組み込まれるマトリックスポリマーと相溶性でなくてはならない。これは、粘土の表面に結合する部分と、マトリックスポリマーと都合よく結合若しくは相互作用する別の部分からなる相溶化またはカップリング剤の慎重な選択と組み込みにより達成することができる。マトリックスポリマーと粘土粒子との相溶性は、マトリックスポリマー中でのインターカレートされた粘土の分散を促進する都合よい相互作用をもたらす。有効な相溶化は、典型的な疎水性マトリックスポリマー中での粘土粒子の均一な分散及び/又は膨潤若しくは層間剥離した粘土の百分率の増加をもたらす。当該技術分野で知られている典型的な作用物質としては、オルガノシラン、オルガノジルコネート及びオルガノチタネートカップリング剤等の一般的な種類の物質が挙げられる。しかしながら、相溶化剤の選択は、マトリックスポリマーや粘土にインターカレートさせるために使用される特定の成分に非常に大きく依存する。なぜなら、相溶化剤は、マトリックスポリマーと粘土の間の結合として作用しなくてはならないからである。
技術調査から、具体的なマトリックスポリマーと粘土の組み合わせに対するインターカレート剤及び相溶化剤の選択に関する一般的な指針がないことが明らかになった。これら2つの望ましい成分を試行錯誤によって特定したとしても、マトリックスポリマーと粘土は、通常は水の存在下で、2つの別個の構成要素として通常組み込まれ、その後、回分式で乾燥され、最後に、ナノ複合材料の溶融加工中に別のサイトで、マトリックスポリマーと組み合わされる。そのような複雑な方法は、明らかに、そのようなナノ複合材料を含む最終製品の開発及び製造にかかる費用を増大させる。当該技術分野では、前述の欠点の幾つかを解消する良好な材料及び方法を開発するための包括的な方策が緊急に必要とされている。
写真要素等の画像形成要素は、通常、可撓性の熱可塑性ベースを含み、その上に感光材料等の画像形成材料がコートされる。熱可塑性ベースは、通常、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)及びセルローストリアセテート(TAC)等のポリエステル類から誘導されたポリマーから製造される。カラー写真及び黒白写真用のフィルム並びに映画フィルムは、ロール状のそのような可撓性プラスチックベースを含む画像形成媒体の例である。TACは、処理後に高い透明性及びカール抵抗性といった特性を有するが、機械的強度が不十分である。一方、PETは、優れた機械的強度及び製造容易性を有するが、望ましくない処理後カールを示す。前の2つの特徴のために、PETは、より薄膜化しやすく、同じフィルム長で、より多くのフレームを有することができる。しかしながら、フィルムの薄層化は機械的強度の低下をもたらす。フィルムの厚さの立方根として剛さが減少する。また、親水性ゼラチンビヒクル中に含まれ、ベース上にコートされた感光性材料は、乾燥時に収縮し、乳剤側にカールする。従って、より薄いけれども収縮力によるこの応力に耐えるのに充分な剛さを有するベースが必要とされている。さらに、映画フィルムの場合に、画像歪みは、映写機バルブにより発生した熱により引き起こされるプラスチックフィルムの熱座曲(thermal buckle)に起因する。従って、そのより高い熱容量(heat capacity )のために高温で寸法安定な透明フィルムベースも非常に望ましい。
直接観察した場合に明るい反射画像を提供し、また、裏側を照明した場合に充分な色素濃度を有する鮮鋭で明るい画像を提供する改良された製品が依然として必要とされている。
本発明は、少なくとも1つの両面塗布される画像形成層(duplitized imaging layer)及び非ボイド化支持体を含んで成る画像形成要素であって、前記非ボイド化支持体が、ポリマー樹脂マトリックスと、少なくとも10:1のアスペクト比、0.01μm〜5μmの横方向寸法及び0.5nm〜10nmの垂直方向寸法を有する無機粒子を含む少なくとも1つの層を含み、前記非ボイド化支持体が上面及び底面を含む画像形成要素に関する。
本発明は、画像形成し現像した場合に、周囲の前面照明条件下で観察した場合に明るく鮮鋭な反射画像をもたらし、また、透過光源により照明した場合に十分な色素濃度を有する感じのよい画像をもたらす材料を提供する。好ましい形態において、本発明は、露光ステップを1回としたまま、また、処理時間を短くしたままで、各側にハロゲン化銀画像を備えることができる製品を提供する。
本発明は、従来技術のディスプレイ材料及びディスプレイ材料の画像形成方法を上回る多くの利点を有するが、必ずしも1つの態様が全ての利点を有するわけではない。本発明は、高品質の、低コストの、より強靭なディスプレイ材料を含む。このディスプレイ材料は、その表側にだけ光が当たる場合に十分な色素濃度の裏側画像を提供する。非ボイド化支持体は、マトリックスポリマー、好ましくはポリエステルと相溶性の無機粒子を含み、そのマトリックスポリマー中に無機粒子、好ましくは膨張した粘土を分散させることができる。1つの態様において、本発明は、マトリックスポリマーと、インターカレートされた粘土を含んで成る物品であって、インターカレートされた粘土がマトリックスと相溶性の成分を含む物品を提供する。本発明のディスプレイ材料は、光の非常に有効な拡散をもたらすと同時に光を高い百分率で透過させることを可能にする。1つの態様において、本発明の押出ポリマーシートの非ボイド化層は、最適な透過及び反射特性をもたらすように調節された所定のレベルの、膨張した無機粒子と樹脂マトリックスのナノ複合材料と、蛍光増白剤と、着色剤を有する。別の態様において、非ボイド化ポリマーシートは、高価なTiO2 又は他の白色顔料を使用せずに透過ディスプレイ材料に一般的に使用されている照明用光源を十分に拡散させるために、膨張した無機粒子と樹脂マトリックスのナノ複合材料層を有する。別の態様において、本発明の材料は、ポリマー−粘土・ナノ複合材料を形成するのに有効に組み込むことができる膨張した粘土を備える。当該マトリックスポリマーはポリエステルである。そのようなポリエステル−無機粒子・ナノ複合材料を、さらに、エンジニアリング用途の物品中に組み込むことができ、モジュラス、引張強さ、靭性、耐衝撃性、導電率、熱変形温度、線形熱膨張率、難燃性、酸素及び水蒸気バリヤー特性の向上などの物理的特性の向上を達成することができる。これらの特性は全て、ディスプレイ材料において商業的に重要な価値がある。
好ましい態様において少なくとも1つのシートを含む本発明の非ボイド化支持体は、機能層を同時に共押出しすることができ、ラミネーション、下塗り又は押出コーティングなどのさらなる加工の必要がなくなるため、低コストでもある。この材料は、ポリエステルベース層(好ましくは押出しされたもの)が一段階で製造されるため、低コストである。従来技術の製品は、典型的には、2段法で作られるものであるか、又は底部顔料含有層コーティングを含み、乾燥の負担が増大し、コーティング工程を遅くする。透過型ディスプレイ材料の形成には、使用される照明バルブの個々の要素が、表示される画像の観察者に見えないよう十分に光を拡散させるディスプレイ材料を用意しなくてはならない。一方、表示画像を明るく照明するのに十分に光が透過することが望ましい。本発明によって、より多量の照明光をディスプレイの照明として実際に使用すると同時に、光源が観察者に見えないように光源を非常に有効に拡散させることが可能となる。本発明のディスプレイ材料は、個々の光源が見えるのを防ぐために多量の光散乱性顔料を含まなければならないために幾分黄色く見える傾向がある従来技術の材料よりも白く観察者に見える。これらの高濃度の顔料は、観察者には黄色く見え、望ましいとされるものよりも暗い画像をもたらす。
この材料は、その好ましい態様において、ポリマーシートの両側にハロゲン化銀画像形成層を含むので、平行ビーム露光装置による1回の露光によって画像形成することができる。比較的薄い2層のハロゲン化銀画像材料が存在するために、これらの画像形成材料の薄い層を通って、現像液が迅速に浸透するので、本発明の要素の現像を迅速に行うことができ、これにより、商業的なプリントラボにおける生産性を高めることができる。最底部層に添加される材料により、種々の露光装置を利用して高品質の画像を形成することが可能となるので、本発明の材料は露光装置に対してロバスト性(robust)がある。本発明の材料により、画質を大きく低下させるプリンターの後方散乱の影響を防止しつつ、上部および底部の両方の画像形成層を同時に露光することが可能となる。この媒体の構造により、透過観察のために使用される照明ランプからのエアギャプを有するライトボックスにおいて画像を捕獲した場合に感じのよい反射画像を得ることが可能となり、同時にまた、透過型照明光源の均一な拡散が提供されて感じのよい透過画像も提供する。
好ましい本発明の材料は、処理後に表側および裏側に形成される色素濃度の感度が、ステータスA透過濃度測定によって求めた場合に、表側の乳剤と裏側の乳剤との不適当な感度の食い違いによって生ずる不均一性が実質的に無い、連続的で途切れていない曲線形状を呈するように、これら2つの感度の差を生じさせる。より薄いベース材料はコストがより低く、ロールの質量がより軽く、直径がより小さくなるので、効率の良いロールの取扱いを可能にする。必要とされる曲げ剛性を有するけれども、より薄く、コストを削減し、ロールの取扱い効率を高めるベース材料を使用するのが望ましいであろう。
本発明の別の態様は、あるブロックが無機粒子をインターカレート/膨潤させることができる親水性ポリマーであるように選ばれたブロックコポリマーにより無機粒子を膨張させることのさらなる利点を有する。親水性無機粒子の表面の場合、このブロックは、無機粒子表面に対する固有の親和性を有し、無機粒子の格子中に容易に入り込むことができ、無機粒子を膨張、すなわちインターカレート、膨潤又はそれらの両方をもたらす。前述のブロックコポリマーは、親油性であるマトリックス相溶性ブロックをさらに含む。そのようなものの一例はポリエステルであろう。ブロックコポリマーのそのような設計によって、ブロックコポリマーの1つの成分が無機粒子を膨張させ、別の成分、すなわちマトリックス相溶性ブロックは、膨張した無機粒子と疎水性マトリックスポリマーとを相溶化する。従って、望ましいポリマー−無機粒子−無機粒子・ナノ複合材料を形成するためにポリマー中に無機粒子を有効に分散させることに関する2つの基準、すなわち、無機粒子のインターカレーション及び/又は膨潤並びに相溶化は、本発明のブロックコポリマーの選択によって満たすことができる。ブロックコポリマーは、本質的に、2種類の別個の材料、すなわち無機粒子膨張剤と相溶化剤にとって代わる。
本発明の1つの態様の別の利点は、ブロックコポリマー等の膨張剤を実質的に乾燥した状態(すなわち、いかなる水性媒体も必要としない)で無機粒子中に組み込むことができることに起因する。この特徴によって、膨張した無機粒子の製造において費用及び時間のかかる乾燥工程の必要はなくなる。
本発明の1つの態様の別の利点は、無機粒子、膨張剤及びマトリックスポリマー、好ましくはポリエステルを、全て、好適なコンパウンダーにより一段階で組み合わせることができ、製造プロセスの効率が非常に高まることからもたらされる。
本発明の1つの態様の別の利点は、膨張剤の化学的性質を、無機粒子及び具体的なマトリックポリマーの選択に応じて調節できる一般的方法を教示することにある。さらなる態様において、膨張剤、ブロックコポリマーの場合においてブロックの分子量及び割合は、温度、せん断、粘度等の加工条件、及び生成物に関する要件、例えば様々な物理的特性を満足するように容易に調節できる。これら及び他の利点は、以下の詳細な記載から明らかなるであろう。
本明細書で使用する場合にはいつでも、本明細書に記載した用語は、以下の意味を有する。
「ナノ複合材料」とは、少なくとも1種の成分が、0.1〜100ナノメートルの範囲内の少なくとも1つの寸法を有する無機相、例えばスメクタイト粘土を含む複合材料を意味する。
「平板状体(plates)」とは、第3の寸法よりもかなり大きい2つの同等な寸法を有する粒子を意味する。例えば、粒子の長さと幅が同等な大きさを持つが、それらの大きさは粒子の厚さよりも桁違いに大きい場合をいう。
「層状物質」とは、複数の隣接して結合した層の形態にあるスメクタイト粘土のような無機物質を意味する。
「小板状体(platelets)」とは、層状物質の個々の層を意味する。
「インターカレーション」とは、層状物質の小板状体間に1つ以上の異物分子又は異物分子の一部が挿入することを意味し、米国特許第5,891,611 号明細書(第5欄第10行〜第7欄第23行)に示されているようにX線回折法によって通常検出される。
「インターカラント」とは、前記層状物質の小板状体間に装入される前述の異物分子を意味する。
「膨潤(exfoliation)」又は「層間剥離(delamination)」とは、個々の小板が分離して、積層秩序のない無秩序な構造になることを意味する。
「インターカレートした」とは、少なくとも部分的にインターカレーション及び/又は膨潤を経験した層状物質を意味する。
「有機粒子」とは、有機分子により変性された粒子を意味する。
「有機粘土」とは、有機分子により変性された粘土物質を意味する。
「膨張した(splayed)」層状物質とは、膨潤なしに完全にインターカレートした層状物質、インターカレーションなしに全体的に膨潤した物質、及びインターカレートと膨潤の両方を経験した層状物質(無秩序層状物質を包含)を意味する。
「膨張剤(splayant)」とは、膨張を可能にする物質である。
「膨張(splaying)」とは、層状物質の層の分離を意味する。層の分離は、インターカレーションにおけるように格子型配列を依然として保持する程度までの分離であっても、膨潤におけるように格子構造が消失するまで格子構造を広げる程度までの分離であってもよい。
「ナノ複合材料」とは、少なくとも1種の成分が、0.1〜100ナノメートルの範囲内の少なくとも1つの寸法を有する無機相、例えばスメクタイト粘土を含む複合材料を意味する。
「平板状体(plates)」とは、第3の寸法よりもかなり大きい2つの同等な寸法を有する粒子を意味する。例えば、粒子の長さと幅が同等な大きさを持つが、それらの大きさは粒子の厚さよりも桁違いに大きい場合をいう。
「層状物質」とは、複数の隣接して結合した層の形態にあるスメクタイト粘土のような無機物質を意味する。
「小板状体(platelets)」とは、層状物質の個々の層を意味する。
「インターカレーション」とは、層状物質の小板状体間に1つ以上の異物分子又は異物分子の一部が挿入することを意味し、米国特許第5,891,611 号明細書(第5欄第10行〜第7欄第23行)に示されているようにX線回折法によって通常検出される。
「インターカラント」とは、前記層状物質の小板状体間に装入される前述の異物分子を意味する。
「膨潤(exfoliation)」又は「層間剥離(delamination)」とは、個々の小板が分離して、積層秩序のない無秩序な構造になることを意味する。
「インターカレートした」とは、少なくとも部分的にインターカレーション及び/又は膨潤を経験した層状物質を意味する。
「有機粒子」とは、有機分子により変性された粒子を意味する。
「有機粘土」とは、有機分子により変性された粘土物質を意味する。
「膨張した(splayed)」層状物質とは、膨潤なしに完全にインターカレートした層状物質、インターカレーションなしに全体的に膨潤した物質、及びインターカレートと膨潤の両方を経験した層状物質(無秩序層状物質を包含)を意味する。
「膨張剤(splayant)」とは、膨張を可能にする物質である。
「膨張(splaying)」とは、層状物質の層の分離を意味する。層の分離は、インターカレーションにおけるように格子型配列を依然として保持する程度までの分離であっても、膨潤におけるように格子構造が消失するまで格子構造を広げる程度までの分離であってもよい。
改良された両面塗布されるディスプレイ材料を提供するため、本発明は、少なくとも1つの両面塗布される画像形成層及び非ボイド化支持体を含んで成る画像形成要素を含み、前記支持体は少なくとも1つの非ボイド化層(好ましくは押出されたもの)を含み、前記非ボイド化層は、少なくとも10:1のアスペクト比、0.01μm〜5μmの横方向寸法及び0.5nm〜10nmの垂直方向寸法を有する無機粒子とポリマー樹脂マトリックスを含む。少なくとも10:1のアスペクト比、0.01μm〜5μmの横方向寸法及び0.5nm〜10nmの垂直方向寸法を有する無機粒子を含むポリマー材料を備えることによって、非ボイド化支持体は、反射観察で表側画像及び裏側画像の優れた拡散を提供すると同時に、これら2つの画像は、画像の透過観察で優れた画像を得るのに十分な色素濃度を生じることができる。支持体中の無機粒子は、数回の屈折率変化をもたらして透過光を拡散させるが、ボイド含有層中に有機ボイド誘導粒子を使用する従来技術のボイド含有ポリマーシートよりも高い光透過率(%)を有し、反射及び透過の両方で画像をより明るく鮮鋭なものにすることができる。
反射及び透過の両方で観察できる画像形成材料を提供するために、支持体の上面にある上部画像形成層と支持体の底面にある底部画像形成層を含む。支持体の両面に画像形成層を適用することによって、画像を反射及び透過の両方で観察することができる。
本発明の好ましい態様において、非ボイド化支持体は、無機粒子とポリマー樹脂マトリックスを含む少なくとも1つの層を含む。この無機材料は、非ボイド化ポリマー樹脂マトリックスから成るバインダー層中にある形態でコートされることが好ましい。非ボイド化ポリマー樹脂マトリックスバインダーは、溶剤系であっても水系であってもよい。コーティング法は、カーテンコーティング、グラビアコーティング、ロールコーティング、又はエアナイフコーティングであることができる。被覆層は好ましくは5マイクロメートル未満である。非ボイド化ポリマー樹脂マトリックス材料は、ハロゲン化銀またはインクジェット色素受容層等の画像形成層の直接適用のための高表面エネルギー画像接着層を好ましくは含む。
本発明に好適な無機粒子物質は、いかなる無機物質からなっていてもよく、かなり高いアスペクト比を有する平板状の層状物質を好ましくは含む。しかしながら、高アスペクト比を有する他の形状も本発明に対して有利であろう。層状物質は、粘土を含むことが最も好適であるが、非粘土を含んでもよい。本発明に好適な粘土物質としては、フィロシリケート(phyllosilicates)類、例えば、モンモリロナイト(montmorillonite)、特にナトリウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト及び/又はカルシウムモンモリロナイト、ノントロナイト(nontronite)、バイデライト(beidellite)、ボルコンスコアイト(volkonskoite)、ヘクトライト(hectorite )、サポナイト(saponite)、ソーコナイト(sauconite)、ソボカイト(sobockite)、スティーブンサイト(stevensite)、スビンフォルダイト(svinfordite )、バーミキュライト(vermiculite)、マガディアイト(magadiite)、ケニヤアイト(kenyaite)、タルク(talc)、マイカ(mica)、カオリナイト(kaolinite )及びこれらの混合物が挙げられる。他の有用な層状物質としては、イライト(illite)、混合層状イライト/スメクタイト鉱物、例えばレディカイト(ledikite)、及びイライトと上に列挙した粘土鉱物との混合物が挙げられる。他の有用な層状物質は、層状複水酸化物又はハイドロタルサイト類、例えば、正の電荷を帯びた層と交換可能な陰イオンを層間空間内に有するMg6Al3.4(OH)18.8(CO3)1.7H2O である。層上に電荷をほとんど又は全く持たない他の層状物質が有用なことがあるが、当該層状物質に、その面間隔を広げる膨潤剤(swelling agent)をインターカレートできることを条件とする。そのような物質としては、塩化物、例えばFeCl3、FeOCl、カルコゲナイド類、例えばTiS2、MoS2及びMoS3、シアン化物類、例えばNi(CN)2、並びに酸化物類、例えばH2Si2O5 、V6O13、HTiNbO5、Cr0.5V0.5S2、V2O5、AgドープV2O5、W0.2V2.8O7 、Cr3O8、MoO3(OH)2、VOPO4・2H2O、CaPO4CH3・H2O、MnHAsO4・H2O、Ag6Mo10O33等が挙げられる。好ましい粘土は、他の物質、通常は有機イオン又は分子が層状物質にインターカレートし、及び/又は層状物質を膨潤させて、無機相の望ましい分散体をもたらすことができるものである。これらの膨潤可能な粘土としては、粘土に関する文献に定義されているような2:1型のフィロシリケート類である(例えば、H. van OlphenのAn Introduction to Clay Colloid Chemistry, John Wiley & Sons Publishers, 1977参照)。100g当たり50〜300ミリ当量のイオン交換能を有する典型的なフィロシリケート類が好ましい。本発明に好ましい粘土としては、スメクタイト粘土、例えばモンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、ボルコンスコアイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、ソボカイト、スティーブンサイト、スビンフォルダイト、ハロイサイト、マガディアイト、ケニヤアイト及びバーミキュライト、並びに層状複水酸化物又はハイドロタルサイト類が挙げられる。最も好ましい粘土としては、本発明におけるそれらの有効性及び/又はそれらの材料の商業的入手性から、モンモリロナイト、ヘクトライト及びハイドロタルサイト類が挙げられる。
上記の無機粒子は、天然物であっても合成物、例えば合成スメクタイト粘土であってもよい。この違いは、粒度及び/又は付随する不純物のレベルに影響を及ぼす。典型的には、粘土等の合成無機粒子は、横方向の寸法が比較的小さく、そのためより小さいアスペクト比を有する。しかしながら、合成無機粒子は天然無機粒子と比較して、より純粋で、より狭い粒度分布を有するものであり、さらなる精製や分離を必要としないことがある。本発明の場合、無機粒子の粒子は0.01μm〜5μm、好ましくは0.05μm〜2μm、より好ましくは0.1μm〜1μmの横方向の寸法を有するのがよい。無機粒子の粒子の厚さ又は垂直方向の寸法は、0.5nm〜10nm、好ましくは1nm〜5nmで様々な値をとりうる。無機粒子の粒子の最大寸法と最小寸法の比であるアスペクト比は、本発明の場合に、>10:1、好ましくは>100:1、より好ましくは>1000:1であるべきである。粒子のサイズ及び形状に関する上記の限界値は、ナノ複合材料の幾つかの特性を、他の特性に悪影響を及ぼさずに適切に改良するように設計される。例えば、大きな横方向寸法は、機械的特性及びバリヤー特性の向上にとって望ましい1つの尺度であるアスペクト比の増加をもたらすことがある。しかしながら、非常に大きな粒子は、曇りなどの光学的欠陥を引き起こすことがあり、また、処理、搬送及び仕上げ装置並びに画像形成層に対して研磨作用を生じることがある。
本発明において使用される無機粒子は有機変性無機粒子、すなわちオルガノ粒子(organoparticle)であることができる。好ましい態様において、オルガノ粒子は、有機粘土、すなわち有機変性粘土粒子を含む。有機粘土は、非官能化粘土を適切な膨張剤、すなわちインターカラント、膨潤剤又はそれらの両方と相互に作用させることにより生成する。これらのインターカラントは、典型的には中性又はイオン性であることができる有機化合物である。有用な中性有機分子としては、アミド類、エステル類、ラクタム類、ニトリル類、ウレア類、カーボネート類、ホスフェート類、ホスホネート類、スルフェート類、スルホネート類、ニトロ化合物等の極性分子が挙げられる。中性有機インターカラントは、モノマー、オリゴマー又はポリマーであることができる。中性の有機分子は、元の電荷を均衡するイオンの完全な交換を生じずに、水素結合を通じて粘土の層中へのインターカレーションを生じることができる。有用なイオン性化合物はカチオン界面活性剤であり、そのような界面活性剤としては、脂肪族、芳香族又はアリール脂肪族アミン類、ホスフィン類及びスルフィド類のアンモニウム(第1級、第2級、第3級及び第4級)、ホスホニウム又はスルホニウム誘導体等のオニウム化学種が挙げられる。典型的なオニウムイオンは、好ましいスメクタイト粘土の金属カチオンとのイオン交換を通じて層中へのインターカレーションを生じることができる。様々な工業用の有機粘土が粘土製造供給元から入手でき、本発明の実施に使用できる。
好ましくは、無機粒子は、無機粒子及び樹脂を含む層の2〜15質量部を成す。1質量部未満では、支持体中で十分な拡散をもたらさず、反射観察で許容できない暗い画像を生じる。18質量部を超えると、層は過度に拡散性となって、透過観察で許容できない色のさめた画像が生じる。さらに、20質量部を超える添加は、固有の黄色を支持体に与えて画像の最低濃度域に支障をきたすことが判った。より好ましくは、無機粒子は、無機粒子と樹脂を含む前記少なくとも1つの層の5〜10質量部を構成する。5〜10質量部の範囲では、画像の色を著しくシフトせずに透過及び反射観察の両方で許容可能な画像をもたらすことが判った。
別の態様において、無機粒子、好ましくは粘土は、両親媒性ブロックコポリマーにより膨張される。本発明において有用な両親媒性ブロックコポリマーは、粘土を膨張させることができる親水性ブロックを含む。このブロックコポリマーは、親油性ポリマーであり、ポリエステル樹脂に特に好適な、マトリックスに相溶性のブロックをさらに含む。同時係属出願の米国特許出願第10/011,040号(代理人事件番号82056)明細書、米国特許出願第10/008,810号(代理人事件番号82857)明細書、米国特許出願第10/006,545号(代理人事件番号82858)明細書及び米国特許出願第10/008,428号(代理人事件番号82859)明細書には、ポリマーマトリックス中の粘土のインターカレーション及び相溶化の2つの目的に役立ちうる有機物質の詳細が開示されている。
本発明において膨張剤として有用なブロックコポリマーは、両親媒性であることができ、親水性及び親油性成分を有する。さらに、本発明において膨張剤として有用なブロックコポリマーは、2ブロック型、すなわち「A−B」型(Aは親水性成分を表し、Bは親油性成分を表す)のものであるか、3ブロック型、すなわち「A−B−A」型のものであることができる。例えば、ブロックコポリマーは、3つのブロックを含んでいてよく、マトリックスは、そのコポリマーの少なくとも1つのマトリックス相溶性ブロックと相溶性であるコポリマー又は複数のポリマーのブレンドを含むことができる。また、マトリックスが複数のポリマーのブレンドであってもよい場合、そのブレンド中の個々のポリマーはコポリマーの別のブロックと混和性であってもよい。親水性成分として有用な目下のところ好ましい種類のポリマー成分の1つの種類は、水素結合及びイオン相互作用を通じて粘土格子などの無機粒子の格子にインターカレートするそれらの良く知られた能力やそれらの熱加工性及び潤滑性から、ポリ(エチレンオキシド)等のポリ(アルキレンオキシド)である。「ポリ(アルキレンオキシド)」なる用語は、本明細書で使用する場合、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物などを包含する、ポリ(エチレンオキシド)等のアルキレンオキシドから誘導されたポリマーを包含する。主に、本発明における有効性、各種の分子量で商業的に入手できること、及びブロックコポリマーの合成における広い寛容度から、ポリ(エチレンオキシド)が最も好ましい。
本発明において膨張剤として有用なポリ(エチレンオキシド)は、当該技術分野でよく知られたものであり、例えば米国特許第3,312,753 号明細書の第4欄に記載されている。有用な(アルキレンオキシド)ブロックは、一連の相互に連結したエチレンオキシ単位を含み、式:
により表される。ただし、ある1つの単位のオキシ基はその系の隣のエチレンオキシ単位の隣接するエチレンオキシド基のエチレン基に結合している。
他の有用な親水性成分としては、ポリ(2−エチルオキサゾリン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ポリサッカライド及びデキストランが挙げられる。
本発明において膨張剤として有用な親油性成分又はマトリックス相溶性ブロックも多くの一般的に良く知られた成分から選択することができる。親油性成分は、本発明において使用されるマトリックスポリマー中に少なくとも部分的に混和性であり、及び/又はマトリックスポリマーと、例えばエステル交換を通じて相互作用することを特徴とすることがある。ポリエステルマトリックスの場合、マトリックスと相溶性のブロックはポリエステルを含んで成る。具体例として、親油性成分は、カプロラクトン;プロピオラクトン;β−ブチロラクトン;δ−バレロラクトン;ε−カプロラクタム;乳酸;グリコール酸;ヒドロキシ酪酸;アクリル、アミド、リシンの誘導体;及びグルタミン酸誘導体等のモノマーから誘導することができる。ポリマーの形態のものとしては、ポリカプロラクトン;ポリプロピオラクトン;ポリβ−ブチロラクトン;ポリδ−バレロラクトン;ポリε−カプロラクタム;ポリ乳酸;ポリグリコール酸;ポリヒドロキシ酪酸;ポリアクリル、ポリアミド、リシンのポリ誘導体;及びグルタミン酸のポリ誘導体が挙げられる。
膨張剤の親水性成分及び親油性成分の分子量は重要ではない。親水性成分の分子量の有用な範囲は300〜50,000、好ましくは1,000〜25,000である。親油性成分の分子量は1,000〜100,000、好ましくは2,000〜50,000である。好ましくは、マトリックスに相溶性のブロックは、50〜500個のモノマー反復単位を含む。好ましい分子量範囲は、様々な条件下での合成及び加工が容易であるように選ばれる。最も好ましくは、これらの反復単位は、相溶性であるようにポリエステルポリマーマトリックス中にカプロラクトンを含む。
本発明の実施化に関し、マトリックスポリマーと、無機粒子の膨張のために使用されるコポリマーのブロックのうちの少なくとも1つとが相溶性であるようにすることが非常に望ましいであろう。マトリックスポリマーが複数のポリマーのブレンドを含む場合に、そのブレンド中のポリマーは無機粒子を膨張させるために使用されるコポリマーのブロックのうちの少なくとも1つと相溶性でなくてはならない。マトリックスポリマーがコポリマー(1種又は複数種)を含む場合、その又はそれらのコポリマーは、無機粒子を膨張させるために使用されるコポリマーのブロックのうちの少なくとも1つと相溶性でなくてはならない。
本発明において使用されるマトリックスポリマーは、いかなるポリマーであってもよいが、熱可塑性ポリマー、コポリマー若しくはインターポリマー、及び/又はこれらの混合物、並びに硬化性及び熱可塑性ゴムであることが好ましい。本発明に対して選ばれるマトリックスポリマーはポリエステル類に属する。好ましいポリエステルは、優れた物理的特性及び加工性から、線状ポリエステルである。
無機粒子及び樹脂を含む上記の少なくとも1つの非ボイド化層は好ましくはポリエステル樹脂を含んで成る。ポリエステルは強靭で薄い支持体材料を生じるため、ポリエステルが好ましい。さらに、本発明において使用される無機物質が、分散し、溶融押出加工できるものであることが見出された。さらに、青色味剤、帯電防止材料及びポリマー安定剤などの添加剤をポリエステルに添加して、画像の品質及び機能を向上させることもできる。別の好ましい態様において、本発明において使用される樹脂は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリスチレン及びポリウレタンからなる群から選ばれる。ポリオレフィン樹脂は安価で、画像形成層と本発明の非ボイド化支持体材料との間に優れた接着力を提供することが見出された。
ポリエステルのタイプは重要ではなく、具体的な状況で使用するために選択される個々のポリエステルは、最終形態物において望まれる物理的性質及び特徴、すなわち引張強さ、モジュラスに基本的に依存する。従って、様々な物理的特性を持つ結晶性及びアモルファスポリエステルを包含する様々な線状熱可塑性ポリエステルが、本発明の方法において使用するのに適する。
マトリックスポリマーとして使用するために選択される個々のポリエステルは、必要に応じてホモポリエステル若しくはコポリエステル又はそれらの混合物であることができる。ポリエステルは、通常、有機ジカルボン酸と有機ジオールの縮合により調製される。従って、有用なポリエステルの具体例は、これらのジオール及びジカルボン酸の前駆体に関して以下に記載する。
本発明において使用するのに好適なものであることができるポリエステルは、芳香族ジオール、脂環式ジオール及び脂肪族ジオールと脂肪族、芳香族及び脂環式ジカルボン酸の縮合から得られるものである。本発明の実施に使用することのできる有用な脂環式、脂肪族及び芳香族ポリエステルの例には、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンドデケート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(エチレン(2,7−ナフタレート))、ポリ(メタフェニレンイソフタレート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(エチレンセバケート)、ポリ(デカメチレンアゼレート)、ポリ(エチレンセバケート)、ポリ(デカメチレンアジペート)、ポリ(デカメチレンセバケート)、ポリ(ジメチルプロピオラクトン)、ポリ(パラ−ヒドロキシベンゾエート)(Ekonol)、ポリ(エチレンオキシベンゾエート)(A-tell)、ポリ(エチレンイソフタレート)、ポリ(テトラメチレンテレフタレート)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタレート)、ポリ(デカメチレンテレフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(trans)、ポリ(エチレン1,5−ナフタレート)、ポリ(エチレン2,6−ナフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(Kodel)(cis)、及びポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)(Kodel)(trans)がある。
ジオールと芳香族ジカルボン酸の縮合により調製されるポリエステル化合物は、支持体、特に画像形成要素の支持体としてのそれらの溶融加工性、強度及び可撓性から、本発明における使用に対してマトリックスポリマーとして好ましい。そのような有用な芳香族カルボン酸の例には、テレフタル酸、イソフタル酸及びo−フタル酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホン−ジカルボン酸、1,1,3−トリメチル−5−カルボキシ−3−(p−カルボキシフェニル)−イダン、ジフェニルエーテル4,4’−ジカルボン酸、ビス−p(カルボキシ−フェニル)メタン等がある。これらの芳香族ジカルボン酸のうち、ベンゼン環をベースにするもの(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸)が本発明の実施において使用するのに好ましい。これらの好ましい酸前駆体の中で、テレフタル酸が特に好ましい酸前駆体である。なぜなら、テレフタル酸は、溶融加工中に分解しにくく、より寸法安定性があるからである。
本発明の実施において使用するのに好ましいポリエステルとしては、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、及びポリ(エチレンナフタレート)、並びにそれらのコポリマー及び/又は混合物が挙げられる。これらの好ましいポリエステルのうち、本発明におけるその有効性、優れた機械的強度及び製造容易性から、ポリ(エチレンテレフタレート)が非常に好ましい。
好ましくは、本発明の画像形成要素は、30〜70%の光透過率を有するトランスパレンシーを成す。25%未満の光透過率は、透過型で裏側画像を観察するには十分でない。75%を超える光透過率は、表側画像と裏側画像の十分な分離をもたらさず、反射観察で許容できないほど暗い画像となる。最も好ましくは、本発明の画像形成要素は、45〜55%の光透過率を有するトランスパレンシーを成す。45〜55%の光透過率を有するトランスパレンシーは、透過及び反射観察で許容できる画像をもたらすことが判った。
本発明の非ボイド化支持体の全厚さは、76〜256マイクロメートル、好ましくは80〜150マイクロメートルであることができる。80マイクロメートル未満では、粘土拡散層を含む非ボイド化ポリエステルベースは、この材料から作られた大きなシートを取り扱う場合に特有の取扱い及びキンクに関わる問題を最低限に抑えるほどに十分に厚くないことがある。150マイクロメートルを超える厚さでは、表面平滑性又は機械的特性にほとんど改良が認められず、余計な材料にかかるコストのさらなる増大を正当にする理由はほとんどない。好ましい写真画像形成要素の場合、粘土拡散層を含む非ボイド化ポリエステルベースは6〜50マイクロメートルの厚さを有するべきである。6マイクロメートル未満であると、その層の拡散性が最低限に抑えられることがあり、50マイクロメートルを超えると、その層はより不透明になり、各側にコートされた画像受容層を用いる照明型用途にふさわしい品質を阻害する。
本発明において使用される無機粒子及びブロックコポリマーは、ナノ複合材料の製造に関して当該技術分野で周知の任意の好適な手段によりインターカレーション及び/又は膨潤のためにインターカレートすることができる。例えば、粘土を好適なモノマー又はオリゴマー中に分散させることができ、モノマー又はオリゴマーは、その後、重合させることができる。代わりに、無機粒子を、ブロックコポリマー、オリゴマー又はそれらの混合物と、好ましくはそれらの融点以上に相当する温度と溶融ブレンドしせん断することができる。別の態様において、無機粒子及びブロックコポリマーを溶媒相中で組み合わせ、インターカレーション及び/または膨潤を達成し、その後、乾燥によって溶媒を除去してもよい。前述の方法のうち、溶融ブレンドを伴う方法が、加工の容易さから好ましい。
本発明の好ましい態様において、適切に混合されるように好適な二軸スクリューコンパウンダーにより任意の添加剤とともに無機粒子をブロックコポリマーと溶融ブレンドする。後に詳述する実験で使用した二軸スクリューコンパウンダーの一例は、Leistritz Micro 27である。二軸スクリュー押出機は基本的原理に基づいて構築できる。すなわち、添加剤、滞留時間及び添加位置は、スクリューの設計、バレルの設計及びプロセスパラメーターを変更することにより容易に変えることができる。Leistritz 装置は、そのような融通がきく装置である。同様な装置は、同方向又は異方向回転モードで動作できるWerner and Pfleiderrer, Berstorffのような他の二軸スクリューコンパウンダー製造業者からも提供されている。Leistritz Micro 27コンパウンダーは、同方向回転又は異方向回転モードで動作できる。
Leistritz コンパウンダーのスクリューは、直径27mmのものであることができ、それらは直径40のファンクショナリー長(functionary length)を有する。このコンパウンダーの最大バレル帯域数は10である。このコンパウンダーの最大スクリュー回転速度は500rpmである。この二軸スクリューコンパウンダーは、樹脂を供給するメインフィーダーを備えていてもよいが、メインフィーダーのうちの1基を使用して又は2基のサイド・ラム押出機を使用して添加剤を供給してもよい。添加剤を供給するためにサイド・ラム押出機を使用する場合には、スクリューの設計は、適切に構成されたものである必要がある。ブロックコポリマーに無機粒子を添加する好ましいモードは、適切な粘性混合により無機粒子の膨張を達成するため、ポリマーマトリックス中への充填剤の分散を達成するため、及び添加剤の熱履歴を制御するために、サイド・ラム押出機を使用するものであることができる。このモードでは、メイン樹脂フィーダーを使用してブロックコポリマーを供給し、その後、ダウンストリーム・サイド・ラム押出機により無機粒子を添加してもよい。代わりに、同じ位置にメインフィーダーを使用して無機粒子及びブロックコポリマーを供給してもよい。
本発明のさらに別の態様において、好適な二軸スクリューコンパウンダーにより無機粒子、膨張剤及びマトリックスポリマーを任意の添加剤と共に溶融ブレンドすることができる。マトリックスポリマーへの無機粒子及びブロックコポリマー等の膨張剤の好ましい添加モードの1つは、適切な粘性混合により無機粒子の膨張、すなわちインターカレーション及び/又は膨潤が達成されるようにサイド・ラム押出機を使用することによるものであることができ、まずブロックコポリマーを添加し、その後、下流のサイド・ラム押出機により無機粒子を添加しても、その逆であってもよい。添加モードは、ブロックコポリマーの特性により決定される。代わりに、無機粒子とブロックコポリマーを予め混合し、1基のサイド・ラム押出機を通じて供給することができる。この方法は、1つのサイド・ラム押出機ポートだけが利用できる場合に特に好適な場合があり、スクリューの設計に制限があることがある。また、メイン供給機を使用して、無機粒子及びブロックコポリマーをマトリックス樹脂と同じ位置で供給する方法も好ましい。
一軸スクリューコンパウンダー、ブレンダー、ミキサー、スパチュラ、プレス、押出機又はモルダー等の任意の好適の混合装置を使用して、粘土を、いずれの任意添加剤とともに、ブロックコポリマー等の膨張剤と溶融ブレンドすることができる。
前述の任意添加剤としては、成核剤、充填剤、可塑剤、耐衝撃性改良剤、連鎖延長剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、顔料(例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム)、分散剤(例えば脂肪アミド(例えばステアラミド)、脂肪酸の金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム))、染料(例えばウルトラマリンブルー、コバルトバイオレット)、酸化防止剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、難燃剤、粗面化剤、架橋剤、ボイド生成剤が挙げられる。これらの任意添加剤及びそれらの対応する量は、必要に応じて選ぶことができる。
前述の方法を含む当該技術分野で周知の方法を使用して、マトリックスポリマー及び本発明において使用される膨張した無機粒子並びに他の任意添加剤を含む物品を形成することができる。そのような形成方法としては、限定するわけではないが、押出、一軸又は二軸の同時又は逐次延伸による配向を伴う又は伴わない共押出、吹込み成形、射出成形、ラミネーション、溶剤キャスティング、コーティング、圧伸成形又はスピニングが挙げられる。
好ましいポリエステルと膨張した無機粒子を含む本発明の材料は、適切な画像形成要素のベース中に使用するため、これらの材料及び/又はそれらの組み合わせのいずれに組み込まれてもよい。1つの態様において、非ボイド化ベース又は支持体は、単一の層から成っていてもよい。別の態様において、非ボイド化支持体は、多層画像形成要素を成し、本発明の前述の材料は、1つ以上のどの層であってもよく、画像形成用支持体中のどの場所(例えば支持体の上側、下側若しくは両側、及び/又は支持体の中間)に配置されてもよい。組み込み法としては、押出、延伸を伴う又は伴わない共押出、吹込み成形、キャスティング、共キャスティング、ラミネーション、カレンダリング、型押し、コーティング、吹き付け、成形が挙げられる。
本発明の好ましい態様において、無機粒子とポリマー樹脂マトリックスを含む非ボイド化層は押出被覆層を含む。押出コーティングは、低コストであり、ハロゲン化銀又はインクジェット受容層等の画像形成層に対する優れた接着性を提供することが判ったため、押出コーティングが好ましい。無機粒子とポリマー樹脂マトリックスを含む押出された非ボイド化被覆層は、ポリマー樹脂マトリックス中の無機粒子のある程度の配向をもたらし、バインダー中の被覆無機粒子のランダム配向と比べて光拡散の向上をもたらすことが判った。
別の態様において、マトリックスポリマーとしてのポリエステルと本発明において使用される膨張した無機粒子を含む本発明の非ボイド化画像形成支持体は、押出及び/又は共押出により形成できる。代わりに、マトリックスポリマーと膨張した無機粒子を含む組成物を、写真ペーパーの典型的な樹脂コーティング工程におけるように別の支持体上に押出被覆してもよい。さらに別の態様において、マトリックスポリマーとしてのポリエステルと本発明において使用される膨張した無機粒子を含む組成物を、典型的な積層型反射プリント媒体の形成におけるように、押出又は共押出して予備形成シートとし、その後、別の支持体に積層させてもよい。
本発明の画像形成要素用支持体は、任意の数の補助層を含むことができる。そのような補助層としては、例えば、帯電防止層、バックマーク保持層、つなぎ層又は接着促進層、摩耗抵抗層、輸送層(conveyance layer)、バリヤー層、スプライス提供層、紫外線吸収層、ハレーション防止層、光学的効果提供層、耐水層等が挙げられる。好ましい態様において、支持体は、画像形成層と支持体の間に少なくとも1つの表皮層を含む。別の態様において、画像形成要素は、前記画像形成層と前記支持体の間に接着剤層を含む。これらの補助層は、ボイド含有層を含んでいてもよい。
反射特性、並びに背面から照らした場合に感じのよい濃度を提供する手段として裏側に形成された十分な色素の両方を有する両面塗布型ディスプレイ材料は、ディスプレイ用途に非常に望ましいであろう。この媒体は、人目を引き付け、審美的に感じのよい反射画像を与え、裏側から照らされると、夜間又は周囲の光量が少ない場合に、十分な色素濃度の感じのよい画像を提供することができる。さらに、形成される画像の二重の性質(反射型及び透過型の両方)は、形成される表側の画像の性質によって、屋外用途又は制御不能な高周囲反射表面照明(人工的又は自然な)を受ける場合において感じのよい画像を可能とするであろう。本発明によると、形成され、半反射性の性質の基材によって支持され、そして表側表面の照明によって照らされる表側の画像は、従来の透過型のみのディスプレイ媒体において見られるような「塞いだ(blocked in)」外観には見えないであろう。しかしながら、多目的な観察用媒体を提供する同じ特性が、前記画像の形成において、若干の問題を呈することが見出された。プリンターの将来の設計及び現存するプリンターの予想される摩損を予測するのは不可能であるので、適正な潜像形成において深刻な欠陥が生ずる場合がある。具体的には、裏側の感光層は、(摩損又は設計のために)反射率が不均一な支持プラテンを背景に露光すると、形成される裏側の潜像や、後に処理される画像の両方の品質に悪影響が及び、局所的な不均一な色素濃度が生ずる場合がある。別の態様において、裏側の構造における最底部の感光層の下に隣接させたハレーション防止層を使用することにより、プリンターにおける何等かの支持装置の不均一な反射率の問題がすっかり解決されるであろうが、それに固有の一連の問題が生ずる。こうしてハレーション防止層を含めると、プリンターにおける媒体の支持に関する不均一な反射率による背面光散乱の問題は解決されるであろうけれども、裏側の感光層の二次露光の恩恵もなくなる。
本発明においては、表側だけから露光させた場合でも、「最初の一次露光」及び裏側の乳剤の自動的な「二次露光」が起こる。これは、媒体の計画的後方散乱によって起こり、媒体の表側を通して画像形成され、裏側の感光層に達する前に表側の吸収性色素、並びに濁った支持体の両方を通過することによって起こる、画像形成輻射線の初期損失を補償する。この様式において、十分な鮮鋭度及び十分な色素濃度の表側の画像の鏡像が、裏側に形成される。これにより、妥当な画像の位置合わせ(裏側の画像のフレアが低い〜無い)、並びに背面照明に耐えるのに十分な色素濃度の両方が可能となる。プリンターにおける制御されない後方散乱によって必要とされる裏側のハレーション防止層の存在下で、実際の結果は、裏側の画像の非常に低い濃度形成であろうし、表側の露光量を増大させて裏側の濃度を改良しようとする試みはいずれも、表側の感光層の露光過度を生じ、従って、表側の画像を悪化させるであろう。この障害は、ハレーション防止層の適用によりプリンターにおける支持プラテン又は背面照明の迷光に起因する不均一な反射率を克服することをも可能としつつ、最底部感光層に隣接する裏側に色調向上層を加えて調整可能な「二次露光」能力を提供する本発明によって1つの態様により解決された。これらの問題は、最底部感光層とハレーション防止層との間に色調向上層を付加することによって解決できることが見出された。この色調向上層は、ゼラチンと、散乱を最小としつつ光を反射することが可能な成分とを含んでなる。好適な材料としては、二酸化チタン、硫酸バリウム、粘土、炭酸カルシウム、又は好適な高分子材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な高分子材料としては、Ropaque(商標)ビーズ(HP-1055, Rohm & Haas) などの中空ポリスチレンビーズが挙げられる。もっとも好ましいのはTiO2 であり、これは、アナタース型又はルチル型のいずれであってもよい。二酸化チタンは、低コストで、有効で、画像形成材料と反応しないので、二酸化チタンが好ましい。
上記色調向上層には、好適な量のTiO2 又は他の光反射性材料が提供されていてもよい。一般的に好適な量は0.25〜10g/m2 である。より好適な量は0.75〜5g/m2 である。最良の色調向上及び妥当なコストに好ましい量は1.0〜2.5g/m2 である。
また、この色調向上層の使用により、裏側の画像の鮮鋭度をさらにいっそう改良し、同時に、表側の画質に悪影響を及ぼさずに、透過最大濃度を全体として感じよく増大させることも可能となる。
代わりの態様において、ハレーション防止層を用いずに、最底部感光層のすぐ下に色調向上層を使用することにより、相当量の銀の削減が可能となり、従って、より低コストの製品を生ずることができることが見出された。この手法において、色調向上層により、当該パックを通しての光の損失量が低減され、ゆえに、プリンターのプラテンからの不均一な後方反射の影響が低減される。
無機粒子対膨張剤の質量比は、1:99〜99:1で様々な値をとりうる。しかしながら、無機粒子と膨張剤を含むナノ複合材料の望ましい物理的特性を最適化するには、この比は、90:10〜50:50であることが好ましく、80:20〜60:40であることがより好ましい。
任意の添加剤とともに無機粒子、膨張剤及びマトリックスポリマーを含む製品中の無機粒子の質量%は70%程度の高い値をとることができる。しかしながら、加工性を確保するには、無機粒子の質量%は50%未満であることが好ましく、20%未満であることがより好ましい。
本明細書において使用する「画像形成要素」という用語は、インクジェット印刷又は感熱色素転写などの技術により支持体に画像を転写させるための画像形成支持体として使用できる材料及びハロゲン化銀画像のための支持体として使用できる材料を意味する。本明細書において使用する「写真要素」という用語は、画像の形成に際して感光性ハロゲン化銀を利用する材料を意味する。本発明の受容要素の感熱色素画像受容層は、例えば、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ(スチレン−co−アクリロニトリル)、ポリ(カプロラクトン)又はこれらの混合物を含んでよい。色素画像受容層は、意図する目的にとって効果的な任意の量で存在してよい。一般的に、約1〜約10g/m2の濃度で良好な結果が得られた。さらに、色素受容層の上に、Harrison他の米国特許第4,775,657 号明細書に記載されているようなオーバーコート層をコートすることができる。
本発明において使用される色素受容要素と共に使用できる色素供与体要素は、従来、色素を含有する層を上に備えた支持体を含む。本発明で使用される色素供与体には、いかなる色素も使用可能であるが、ただし、その色素が熱の作用によって色素受容層に転写可能であることを条件とする。昇華性色素により特に良好な結果が得られた。本発明における使用に適用可能な色素供与体は、例えば米国特許第4,916,112 号、第4,927,803 号及び第5,023,228 号の各明細書に記載されている。
上述のように、色素供与体要素は、色素転写画像を形成するのに使用される。このような方法は、色素供与体要素を像様加熱し、色素画像を上述のような色素受容要素に転写して色素転写画像を形成することを含む。
感熱色素転写印刷法の好ましい実施態様において、シアン、マゼンタ及びイエロー色素の逐次反復する領域でコートされたポリ(エチレンテレフタレート)支持体を含む色素供与体要素が使用され、色素転写ステップを各色ごとに順次実施することにより、3色色素の転写画像が得られる。このプロセスが単色に対してだけ実施される場合には、モノクロ色素の転写画像が得られる。
色素供与体要素から本発明の受容要素に色素を転写するのに使用可能なサーマルプリントヘッドは、商業的に入手可能である。例えば、Fujitsuサーマルヘッド(FTP-040 MCS001)、TDKサーマルヘッドF415 HH7-1089、又はRohmサーマルヘッドKE 2008-F3 を使用することができる。或いは、感熱色素転写のための別の周知のエネルギー源、例えば英国特許第2,083,726 号明細書に記載されているように、レーザを使用してもよい。
感熱色素転写集合体は、(a)色素供与体要素と、(b)上述のような色素受容要素とを含み、色素受容要素は、供与体要素の色素層が受容要素の色素画像受容層と接触するように、色素供与体要素と重なった関係にある。
三色画像を得ようとする場合には、サーマルプリントヘッドにより熱が加えられている間に三回、上述の集合体が形成される。第1の色素が転写されたあと、要素は互いに引き離される。次いで第2の色素供与体要素(又は異なる色素領域を有する別の供与体要素領域)を色素受容要素と見当合わせして、この過程が繰り返される。第3の色も同様に得られる。
電子記録法及び電子写真法並びにこれらの方法の個々のステップが従来技術において詳しく記載されている。これらの方法は基本ステップ、すなわち、静電画像を形成するステップと、その画像を荷電着色粒子(トナー)で現像するステップと、任意選択的に、その結果現像された画像を二次的な支持体に転写するステップと、さらに支持体に画像を定着させるステップとを含む。これらの方法及び基本ステップには多くのバリエーションがあり、乾燥トナーの代わりに液状トナーを使用することは、これらのバリエーションのうちの1つにすぎない。
第1の基本ステップ、つまり静電画像の形成は、種々の方法により達成することができる。複写機の電子写真法は、均一に荷電された光伝導体のアナログ露光又はデジタル露光による像様光放電を利用する。光伝導体は使い捨てシステムであるか、又は、セレン又は有機光受容体に基づくもののように、再充電可能であり、再画像形成可能であってよい。
別の電子記録法の場合、静電画像はイオノグラフィーにより形成することができる。潜像は、誘電性(電荷保持)媒体、すなわち紙又はフィルム上に形成することができる。媒体の全幅にわたって所定の間隔を置いて配置されたスタイラスのアレイから、選択した金属スタイラス又は書き込み用のニブに電圧を印加することにより、選択したスタイラスと媒体との間に空気の絶縁破壊を引き起こす。イオンが生じ、これらのイオンは媒体上に潜像を形成する。
しかし、発生した静電画像は、逆の電荷に帯電したトナー粒子を用いて現像される。液状トナーを用いた現像の場合、液体現像剤を静電画像に直接接触させる。通常、流動性の液体を使用し、充分なトナー粒子を現像に利用できるようにする。静電画像により形成された場は、非導電性の液体中に浮遊している荷電粒子を、電気泳動により動かす。こうして、静電潜像の電荷は、逆に帯電した粒子により中和される。液状トナーを用いた電気泳動現像の理論及び物理学的特性は、多くの文献及び刊行物に詳しく記載されている。
再画像形成可能な光受容体又は電気記録マスターが使用される場合、トーンを有する画像を紙(又は他の支持体)に転写させることができる。トナー粒子を紙に転写させるように選択された極性で、紙を静電的に帯電させる。最後に、トーンを有する画像を紙に定着させる。自己定着性トナーの場合、残留液を、空気乾燥又は加熱により紙から除去することができる。溶剤が蒸発すると、これらのトナーは、紙に結合した膜を形成する。熱融合性トナーの場合、熱可塑性ポリマーを粒子の一部として使用することができる。加熱により、残留液の除去及びトナーの紙への定着の両方が行われる。
インクジェット画像形成用の色素受容層又はDRLは、溶剤コーティング、又は溶融押出コーティング法等の周知の方法により適用することができる。DRLは、つなぎ層(TL)の上に、0.1〜10μm、好ましくは0.5〜5μmの範囲の厚さでコートされる。色素受容層として有用な多くの周知の配合物がある。主要な要件は、DRLがインクと適合性を有し、これによりDRLが所望の色域及び色濃度をもたらすように画像形成されることである。インク滴がDRLを通ると、色素はDRL内に保持されるか又は媒染されるのに対し、インク溶剤はDRLを自由に通過し、TLによって速やかに吸収される。さらにDRL配合物は、好ましくは水からコートされ、TLに対する十分な接着性を示し、表面光沢の容易な制御を可能にする。
例えば、米国特許第4,879,166 号、第5,264,275 号、第5,104,730 号及び第4,879,166 号の各明細書並びに日本国特許第1,095,091 号、第2,276,671 号、第2,276,670 号、第4,267,180 号、第5,024,335 号及び第5,016,517 号の各明細書にMisuda他によって、擬ベーマイトと特定の水溶性樹脂との混合物を含む水性DRL配合物が開示された。米国特許第4,903,040 号、第4,930,041 号、第5,084,338 号、第5,126,194 号、第5,126,195 号及び第5,147,717 号の各明細書にLight によって、ビニルピロリドンポリマーと特定の水分散性及び/又は水溶性のポリエステルとの混合物を他のポリマー及び添加剤と共に含む水性DRL配合物が開示された。米国特許第4,857,386 号明細書及び第5,102,717 号明細書にButter他によって、ビニルピロリドンポリマーと、アクリルポリマー又はメタクリルポリマーとの混合物を含むインク吸収性樹脂層が開示された。米国特許第5,194,317 号明細書にSato他によって、また米国特許第5,059,983 号明細書にHiguma他によって、ポリ(ビニルアルコール)を基剤とした水性コート可能なDRL配合物が開示された。米国特許第5,208,092 号明細書にIqbal によって、ビニルコポリマーを含み、このビニルコポリマーは、次いで架橋される水性DRL配合物が開示された。これらの例に加えて、DRLの上述の一次的及び二次的な要件と合致する他の周知又は予期されるDRL配合物があり、それらは全て、本発明の精神及び範囲内に含まれる。
好ましいDRLは厚さ0.1〜10μmであり、5部のアルモキサンと5部のポリ(ビニルピロリドン)との水性分散体としてコートされる。DRLはまた、光沢、摩擦及び/又は指紋抵抗を調節するための艶消し剤、表面均一性を高めるため及び乾燥したコーティングの表面張力を調整するための界面活性剤、媒染剤、酸化防止剤、UV吸収化合物及び光安定剤などを種々のレベル及びサイズで含有することができる。
上述のインク受容要素は、本発明の目的を達成するために効果的に使用することができるが、画像形成された要素の耐久性を向上させる目的で、DRLに上塗りを施すことが望ましい場合がある。そのようなオーバーコート層は、要素への画像形成の前又は後に、DRLに適用してよい。例えばDRLには、インクが自由に通過するインク透過性層をオーバーコートできる。このタイプの層は、米国特許第4,686,118 号、第5,027,131 号及び第5,102,717 号の各明細書に記載されている。或いは、要素が画像形成された後に、オーバーコートを加えてもよい。このことを目的として、周知の貼合わせ用フィルム及び装置のいずれをも用いることができる。上述の画像形成法に用いられるインクはよく知られており、インク配合物は特定の方法、すなわち連続法、圧電法、感熱法にしばしば密接に関係している。従って、個々のインクプロセスに応じて、インクは、溶剤、着色剤、防腐剤、界面活性剤及び湿潤剤などを種々異なる量及び組み合わせで含有してよい。本発明の画像記録要素との組み合わせにおいて使用するのに好ましいインクは、水性インク、例えばHewlett-Packard Desk Writer 560Cプリンター用に現在販売されているインクである。しかし、所定のインク記録法又は所定の商業的供給元に独特のインクと使用するように形成されていてもよい上述のような画像記録要素の別の実施態様も、本発明の範囲に入るものとする。
本明細書において使用する場合に、「写真要素」という用語は、画像の形成において感光性ハロゲン化銀を利用する材料を意味する。写真要素は、黒白要素、単色要素、又は多色要素であることができる。多色要素は、スペクトルの三つの主領域の各々に対して感受性を有する画像色素形成ユニットを含む。各々のユニットは、スペクトルの所定の領域に対して感受性を有する単一の乳剤層又は複数の乳剤層を含むことができる。要素を構成する層(画像形成ユニットを構成する層を含む)は、当該技術分野において知られている種々の順序で配列することができる。代替的なフォーマットでは、スペクトルの三つの主領域の各々に感受性の乳剤を単一のセグメント化された層として配置することができる。
本発明のディスプレイ材料の場合に、前記画像形成要素の上部側及び底部側に位置するハロゲン化銀及び色素形成カプラーを含む少なくとも1つの画像層が適切である。上部及び底部のいずれかに画像形成層を適用することが写真ディスプレイ材料には適切であるが、反射型ディスプレイ及び透過型ディスプレイの両方に最適な写真ディスプレイ材料を作り出すには不十分である。本発明のディスプレイ材料の場合、本発明の画像形成支持体の上部及び底部に位置する少なくとも1種の色素形成カプラーを含む少なくとも1つの画像形成層が好ましい。支持体の上部及び底部の両方に画像形成層を適用することによって、ディスプレイ材料は、画像の反射観察及び透過観察の両方に必要な濃度を有することができる。この両面塗布型「日中/夜間用」写真ディスプレイ材料には、反射観察及び透過観察の両方で日中/夜間用ディスプレイ材料を使用できるという観点でかなりの商業的価値がある。従来技術のディスプレイ材料は、透過観察又は反射観察のいずれかに対して最適化されたものであり、透過観察及び反射観察の両方に対して同時に最適化されたものではない。
二重の乳剤塗布量が、典型的な量の銀及びカプラーを含む反射性消費者向けペーパーの典型的な乳剤塗布量の75%超175%未満の範囲内にあるべきことが判った。表側で75%未満の塗布量であると、感じのよい反射プリントを得ることができないことが判った。さらに、裏側で75%未満の塗布量であると、感じのよい透過画像を得ることができない。材料費が増大すると共に処理液中での現像時間を長くすることが必要なため、175%を超える塗布量は望ましくない。より好ましい態様において、乳剤のレイダウンは、典型的な反射性消費者向けカラーペーパーについての乳剤レイダウンの100〜150%であるべきである。
色素形成カプラーの量が上部側と底部側とで実質的に同じである本発明のディスプレイ材料が最も好ましい。なぜなら、画像濃度の最適化が可能あると同時に50秒間未満での現像が可能であるからである。さらに、両側の感光性ハロゲン化銀乳剤の量が実質的に同じであるコーティングには、写真乳剤中に通常存在する吸湿性ゲルの収縮及び膨張によりもたらされる画像カールについて画像形成要素のバランスを保つというさらなる利点がある。
本発明に有用な写真乳剤は、概して、当該技術分野における常用の方法によりハロゲン化銀結晶をコロイド状マトリックス中に析出させることによって調製される。コロイドは、典型的には、ゼラチン、アルギン酸、又はそれらの誘導体などの親水性シート形成剤である。
析出工程で形成された結晶を洗浄し、次に、分光増感色素及び化学増感剤を添加し、そして加熱工程(乳剤温度を概して40℃〜70℃に上げ、一定時間維持する)に付すことによって化学増感及び分光増感させる。本発明に使用される乳剤を調製するのに利用される析出並びに分光増感及び化学増感の方法は当該技術分野において知られている方法であることができる。
乳剤の化学増感は、典型的には、硫黄含有化合物、例えばイソチオシアン酸アリル、チオ硫酸ナトリウム及びアリルチオウレア等の増感剤;還元剤、例えばポリアミン及び錫(II)塩;貴金属化合物、例えば金、白金;及び高分子薬剤、例えばポリアルキレンオキシドを使用する。先に述べたように、熱処理を使用して化学増感を完了する。分光増感は、可視又は赤外スペクトル内の目的の波長範囲に合うように構成された色素の組み合わせを使用して行われる。熱処理の前及び後の両方にそのような色素を添加することが知られている。
本発明において使用されるハロゲン化銀乳剤は、いかなるハロゲン化物分布を有するものから成っていてもよい。すなわち、本発明において使用されるハロゲン化銀乳剤は、塩化銀乳剤、臭化銀乳剤、臭塩化銀乳剤、塩臭化銀乳剤、ヨウ塩化銀乳剤、ヨウ臭化銀乳剤、臭ヨウ塩化銀乳剤、塩ヨウ臭化銀乳剤、ヨウ臭塩化銀乳剤及びヨウ塩臭化銀乳剤を含んで成ることができる。しかしながら、乳剤が主として塩化銀乳剤であることが好ましい。「主として塩化銀」とは、乳剤の粒子が約50モル%超塩化銀であることを意味する。好ましくは、乳剤の粒子は約90モル%超塩化銀であり、最適には約95モル%超塩化銀である。
ハロゲン化銀乳剤は、任意のサイズ及び形状の粒子を含んでよい。すなわち、粒子は、立方体、八面体、アルキメデス十四面体、又は立方格子型ハロゲン化銀粒子の他の天然由来の形状のいずれの形態をとっていてもよい。さらに、粒子は、球状粒子又は平板状粒子等の不規則性を有するものであってもよい。平板状又は立方体形状を有する粒子が好ましい。
本発明において使用される写真要素は、The Theory of the Photographic Process, Fourth Edition, T.H. James, Macmillan Publishing Company, Inc., 1977, p. 151-152に記載されているような乳剤を使用することができる。還元増感がハロゲン化銀乳剤の写真感度を向上することが知られている。還元増感されたハロゲン化銀乳剤は概して良好な写真感度を示すが、それらは往々にして望ましくないカブリと不十分な貯蔵安定性を欠点として有する。
還元増感は、還元増感剤、すなわち銀イオンを還元して金属銀原子を形成する化学薬剤を添加することによって、又は高pH(水酸化物イオン過剰)及び/又は低pAg(銀イオン過剰)等の還元環境を用意することにより意図的に行うことができる。ハロゲン化銀乳剤の析出の間に、例えば、乳剤粒子を形成するために硝酸銀又はアルカリ溶液が急速に添加されるか又は混合が不十分であると、意図的でない還元増感が起こることがある。また、チオエーテル類、セレノエーテル類、チオウレア類又はアンモニア等の熟成剤の存在下でのハロゲン化銀乳剤の析出は還元増感を促進する傾向がある。
乳剤を還元増感するために析出又は分光/化学増感の間に使用できる還元増感剤及び環境の例としては、米国特許第2,487,850 号及び第2,512,925 号並びに英国特許第789,823 号に記載されているようなアスコルビン酸誘導体、錫化合物、ポリアミン化合物及びチオウレアジオキシド系化合物が挙げられる。還元増感剤又は条件の具体例、ジメチルアミンホウ素、塩化錫(II)、ヒドラジン、高pH(pH 8〜11)及び低pAg(pAg1〜7)熟成が、S. CollierによりPhotographic Science and Engineering, 23, 113 (1979)に論考されている。意図的に還元増感したハロゲン化銀乳剤の調製方法の例は、欧州特許第0 348 934 A1号(Yamashita)、欧州特許第0 369 491号(Yamashita)、欧州特許第0 371 388号(Ohashi)、欧州特許第0 396 424 A1号(Takada)、欧州特許第0 404 142 A1号(Yamada)及び欧州特許第0 435 355 A1号(Makino)に記載されている。
本発明の写真要素において、Research Disclosure, Item 36544, Section I(1994年9月)[Kenneth Mason Publications, Ltd.(Dudley House, 12 North Street, Emsworth, Hampshire PO10 7DQ, England所在)により刊行]に記載されているように、イリジウム、ロジウム、オスミウム及び鉄等の第VIII族金属をドープした乳剤を使用してもよい。さらに、ハロゲン化銀乳剤の増感におけるイリジウムの使用に関する概要がCarroll,“Iridium Sensitization: A Literature Review,”Photographic Science and Engineering, Vol.24, No. 6, 1980に含まれている。イリジウム塩及び写真分光増感色素の存在下で乳剤を化学増感することによるハロゲン化銀乳剤の製造方法は米国特許第4,693,965 号明細書に記載されている。ある場合には、そのようなドーパントが組み込まれた場合に、カラーリバーサルE-6処理で処理されたときは、The British Journal of Photography Annual, 1982, p.201-203 に記載されているように、乳剤は、高いフレッシュカブリと低いコントラストセンシトメトリー曲線を示す。
本発明の典型的な多色写真要素は本発明の非ボイド化支持体を含んで成り、この非ボイド化支持体は、少なくとも1種のシアン色素形成カプラーを関連して有する少なくとも1つの赤感性ハロゲン化銀乳剤層を含んで成るシアン色素画像形成ユニットと、少なくとも1種のマゼンタ色素形成カプラーを関連して有する少なくとも1つの緑感性ハロゲン化銀乳剤層を含んで成るマゼンタ画像形成ユニットと、少なくとも1種のイエロー色素形成カプラーを関連して有する少なくとも1つの青感性ハロゲン化銀乳剤層を含んで成るイエロー色素画像形性ユニットとを有する。この要素は追加の層、例えばフィルター層、中間層、オーバーコート層、下引き層等を含んでよい。本発明の支持体を、黒白写真プリント要素に使用してもよい。
一体的な拡散層を有する本発明の非ボイド化ベース材料にハロゲン化銀写真要素がコートされる場合、電子プリント法又は常用の光学的プリント法のいずれかによって露光させたとき、優れた性能を発揮することが可能である。電子プリント法は、記録要素の輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤層を、少なくとも10-5μJ/cm2(10-4erg/cm2)の化学線に100μ秒以下の時間、画素毎に暴露することが含む(ハロゲン化銀乳剤層は上述のハロゲン化銀粒子を含んでなる)。常用の光学的プリント法は、記録要素の輻射線感受性ハロゲン化銀乳剤層を、少なくとも10-5μJ/cm2(10-4erg/cm2)の化学線に10-3〜300秒像様暴露することを含む(ハロゲン化銀乳剤層は上述のハロゲン化銀粒子を含んでなる)。本発明に、(a)銀に基づいて50モル%を超える塩化物を含み、(b)表面積の50%超が{100}結晶面によって提供され、そして(c)全銀の95〜99%を占める中央部分を有し、かつ以下の種類に関する要件(i)及び(ii)の各々を満足するように選ばれた2種のドーパントを含むハロゲン化銀粒子を含んでなる輻射線感受性乳剤を使用することができる:(i)下式:
(上式中、nは0、−1、−2、−3又は−4であり、Mはイリジウム以外のフロンティア軌道が満たされている多価金属イオンであり、そしてL6 は独立に選ぶことができる橋かけ配位子を表すが、これらの配位子のうち少なくとも4つは陰イオン性配位子であり、これらの配位子のうち少なくとも1つはシアノ配位子であるか又はシアノ配位子よりも電気的に陰性である配位子である)を満足する六配位金属錯体、及び(ii)チアゾール又は置換チアゾール配位子を含むイリジウム配位錯体。
ドーパント(i)及び(ii)の組み合わせは、いずれかのドーパント単独で達成することができるよりも大きな相反則不軌の低減をもたらす。さらに、ドーパント(i)及び(ii)の組み合わせは、いずれかのドーパント種類を単独で使用する場合に達成される低減の単純な加法的な和を超える相反則不軌の低減を達成する。ドーパント(i)及び(ii)の組み合わせは、特に高強度かつ短時間の露光に対して、相反則不軌の大幅な低減をもたらす。さらに、ドーパント(i)及び(ii)の組み合わせは、比較的少量のイリジウムを使用して高強度相反性を達成し、常用のゼラチン−ペプタイザー(例えば、低メチオニンゼラチン−ペプタイザー以外のもの)を使用する場合でも高強度及び低強度の両方の相反性を達成する。
好ましい実際の用途において、本発明の利点は、画像プロセッサーからのデジタルデータと同期的に各々の画素を逐次的に露光させる際のアーティファクトが実質的に無いデジタルカラープリント画像の処理量を増大させることができる。
チアゾール又は置換チアゾール配位子を含むイリジウム錯体ドーパントと組み合わせて種類(i)の六配位錯体ドーパントを使用することにより、(a)銀に基づいて50モル%を超える塩化物を含み、そして(b)表面積の50%超が{100}結晶面によって提供されるハロゲン化銀粒子で、改良された相反則性能を得ることができる。米国特許第5,783,373号及び第5,783,378号の各明細書(本明細書に記載のように低メチオニンゼラチン−ペプタイザーの使用を必要とし、メチオニン量が1g当たり30μモルを超える量から使用される全ペプタイザーの1%未満の濃度となるようにゼラチン−ペプタイザーの濃度を限定するのが好ましいと述べられている)に示されているドーパントの組み合わせについて記載されているコントラストの改良とは異なり、常用のゼラチン−ペプタイザーを使用して、ハロゲン化銀粒子について、相反則性の改良が得られる。本発明の乳剤のハロゲン化銀粒子のためのゼラチン−ペプタイザーとして、かなりの量(すなわち、全ペプタイザーの1質量%超)の従来のゼラチン(例えば、1g当たり少なくとも30μモルのメチオニンを有するゼラチン)を使用することが特に考えられる。コスト面及び特定の性能上の理由から使用されることがある酸化された低メチオニンゼラチンの量を限定するのが望ましいことが多いので、1g当たり少なくとも30μモルのメチオニンを含むゼラチンを少なくとも50質量%含んでなるゼラチン−ペプタイザーが使用される。
下式:
(上式中、nは0、−1、−2、−3又は−4であり、Mはイリジウム以外のフロンティア軌道が満たされている多価金属イオン、好ましくはFe+2、Ru+2、Os+2、Co+3、Rh+3、Pd+4又はPt+4、より好ましくは鉄イオン、ルテニウムイオン又はオスミウムイオンであり、最も好ましくはルテニウムイオンであり、L6 は独立に選ぶことができる6つの橋かけ配位子を表すが、これらの配位子のうち少なくとも4つは陰イオン性配位子であり、これらの配位子のうち少なくとも1つ(好ましくは少なくとも3つ、最適には少なくとも4つ)はシアノ配位子であるか又はシアノ配位子よりも電気的に陰性である配位子である。残りの配位子はいずれも、アクオ配位子、ハロゲン化物配位子(特に、フッ化物、塩化物、臭化物及びヨウ化物)、シアネート配位子、チオシアネート配位子、セレノシアネート配位子、テルロシアネート配位子、及びアジド配位子を含む種々の他の橋かけ配位子の中から選ぶことができる)を満足する種類(i)の六配位錯体ドーパントを使用することが考えられる。6つのシアノ配位子を含む種類(i)の六配位遷移金属錯体が特に好ましい。
高塩化物粒子に含ませることが特に考えられる種類(i)の六配位錯体の例示が、Olm 等の米国特許第5,503,970 号並びにDaubendiek 等の米国特許第5,494,789 号及び第5,503,971 号、並びにKeevert 等の米国特許第4,945,035 号の各明細書、並びにMurakami等の特願平2-249588号公報、並びにResearch Disclosure, Item 36736 に開示されている。種類(ii)のドーパント六配位錯体に有用な中性及び陰イオン性の有機配位子は、Olm 等の米国特許第5,360,712 号及びKuromoto等の米国特許第5,462,849 号の各明細書に開示されている。
種類(i)のドーパントは、少なくとも50%(非常に好ましくは75%、最適には80%)の銀が析出した後であるけれども、粒子の中央部分の析出が完了する前に、高塩化物粒子に導入されるのが好ましい。好ましくは、種類(i)のドーパントは、98%(非常に好ましくは95%、最適には90%)の銀が析出する前に導入される。完全に析出した粒子構造の観点で述べると、種類(i)のドーパントは、少なくとも50%(非常に好ましくは75%、最適には80%)の銀を囲み、より中央に位置する銀と共に、高塩化物粒子を形成しているハロゲン化銀の全中央部分(銀の99%)、非常に好ましくは95%、最適には90%を占める内部シェル領域に存在するのが好ましい。種類(i)のドーパントは先に規定した内部シェル領域の全体に分布しても、又はこの内部シェル領域内の1つ以上の帯状域として添加されてもよい。
種類(i)のドーパントは従前の有用な任意の濃度で使用できる。好ましい濃度範囲は、銀1モル当たり10-8〜10-3モル、非常に好ましくは銀1モル当たり10-6〜5×10-4モルである。
以下は種類(i)のドーパントの具体例である。
種類(i)のドーパントが正味で負の電荷を有する場合、それらは、析出の間に反応容器に添加された際に対イオンと会合すると認められる。この対イオンは、溶液中ではドーパントからイオン的に解離しており、粒子内に導入されないのでほとんど重要ではない。塩化銀の析出と完全に適合することが知られている一般的な対イオン(例えばアンモニウムイオン及びアルカリ金属イオン)が考えられる。以下に別途記載する種類(ii)のドーパントにも同じ説明があてはまることに注意されたい。
種類(ii)のドーパントは、少なくとも1つのチアゾール又は置換チアゾール配位子を含むイリジウム配位錯体である。R. S. Eachus, R. E. Graves及びM. T. OlmのJ. Chem. Phys., Vol. 69, pp. 4580-7 (1978)及びPhysica Status Solidi A, Vol. 57, 429-37 (1980)並びにR. S. Eachus及びM. T. OlmのAnnu. Rep. Prog. Chem. Sect. C. Phys. Chem., Vol. 83, 3, pp. 3-48 (1986) において説明されているように、注意深い科学的研究により、VIII族ヘキサハロ配位錯体が深い電子トラップを生じることが明らかとなった。種類(ii)のドーパントは、そのような深い電子トラップを生じると考えられる。チアゾール配位子は、ハロゲン化銀粒子へのドーパントの導入を妨げないいかなる写真用途に許容可能な置換基で置換されていてもよい。具体的な置換基としては、低級アルキル(例えば、1〜4個の炭素原子を含むアルキル基)、特にメチルが挙げられる。本発明に従って使用してもよい置換チアゾール配位子の具体例は5−メチルチアゾールである。種類(ii)のドーパントは、各々がシアノ配位子よりも電気的に陽性である配位子を有するイリジウム配位錯体であるのが好ましい。特に好ましい態様において、種類(ii)のドーパントを形成している配位錯体の残りのチアゾールでも置換チアゾールでもない配位子はハロゲン化物配位子である。
種類(ii)のドーパントを、Olm 等の米国特許第5,360,712 号、Olm 等の米国特許第5,457,021 号及びKuromoto等の米国特許第5,462,849 号の各明細書によって開示されている有機配位子を含む配位錯体の中から選ぶことが特に考えられる。
好ましい態様において、下式(II):
(上式中、n' は0、−1、−2、−3又は−4であり、そしてL1 6は独立に選ぶことができる6つの橋かけ配位子を表すが、これらの配位子のうち少なくとも4つは陰イオン性配位子であり、これらの配位子の各々はシアノ配位子よりも電気的に陽性であり、そして、これらの配位子のうち少なくとも1つはチアゾール又は置換チアゾール配位子を含む)を満足する六配位錯体を種類(ii)のドーパントとして使用することが考えられる。特に好ましい態様においては、これらの配位子の少なくとも4つが塩化物配位子又は臭化物配位子等のハロゲン化物配位子である。
種類(ii)のドーパントは、少なくとも50%(非常に好ましくは85%、最適には90%)の銀が析出した後であるけれども、粒子の中央部分の析出が完了する前に、高塩化物粒子に導入されるのが好ましい。好ましくは、種類(ii)のドーパントは、99%(非常に好ましくは97%、最適には95%)の銀が析出する前に導入される。完全に析出した粒子構造の観点で述べると、種類(ii)のドーパントは、少なくとも50%(非常に好ましくは85%、最適には90%)の銀を取り囲み、より中央に位置する銀と共に、高塩化物粒子を形成しているハロゲン化銀の全中央部分(銀の99%)、非常に好ましくは97%、最適には95%を占める内部シェル領域に存在するのが好ましい。種類(ii)のドーパントは先に規定した内部シェル領域の全体に分布しても、又はこの内部シェル領域内の1つ以上の帯状域として添加されてもよい。
種類(ii)のドーパントは従前の有用な任意の濃度で使用できる。好ましい濃度範囲は、銀1モル当たり10-9〜10-4モルである。イリジウムは、最も好ましくは銀1モル当たり10-8〜10-5モルの濃度範囲で使用される。
種類(ii)のドーパントの具体例は以下の通りである。
マゼンタ色素形成カプラーを使用する層における本発明の1つの好ましい態様において、種類(ii)のドーパントをOsCl5(NO)ドーパントと組み合わせると好ましい結果が得られることが見出されている。
上述の種類(i)及び(ii)のドーパントの組み合わせを使用することにより主に(>50%){100}結晶面を有する従来の高塩化物ハロゲン化銀粒子の析出を変化させることによって乳剤を実現することができる。
析出したハロゲン化銀粒子は、銀に基づいて50モル%を超える塩化物を含む。好ましくは、これらの粒子は、銀に基づいて少なくとも70モル%の塩化物を含み、最適には少なくとも90モル%の塩化物を含む。ヨウ化物は、ヨウ化物の溶解限度(ヨウ塩化銀粒子において、典型的な析出条件下で、銀に基づいて約11モル%である)まで粒子中に存在することができる。ヨウ化物を、銀に基づいて5モル%未満、最も好ましくは2モル%未満となるように限定するのがほとんどの写真用途に対して好ましい。
臭化銀と塩化銀は、あらゆる比率で混和しうる。従って、塩化物及びヨウ化物を入れない全ハロゲン化物の50モル%以下の任意の比率を臭化物とすることができる。カラー反射型プリント(すなわち、カラーペーパー)用途では、臭化物は銀に基づいて10モル%未満に限定され、ヨウ化物は銀に基づいて1モル%未満に限定される。
広く使用されている態様では、高塩化物粒子を析出させて立方体粒子、すなわち{100}主面及び長さの等しいエッジを有する粒子を形成させる。実際には、熟成効果により、通常は、粒子のエッジ及び角がある程度丸まる。しかしながら、極端な熟成条件下を除き、全粒子表面積の実質的に50%を超える面積を{100}結晶面が占める。
高塩化物十四面体粒子は立方体粒子の一般的な変種である。これらの粒子は6つの{100}結晶面と8つの{111}結晶面を含む。十四面体粒子は、全表面積の50%を超える面積を{100}結晶面が占めるという条件で本発明の企図する範囲内にある。
カラーペーパーにおいて使用される高塩化物粒子へのヨウ化物の導入を防止又は最低限に抑えることが一般的に行われているが、{100}結晶面及び(場合によっては)1つ以上の{111}結晶面を有するヨウ塩化銀粒子がひときわ優れたレベルの写真感度を提供することが最近確認された。これらの乳剤において、ヨウ化物は銀に基づいて0.05〜3.0モル%の全濃度で導入され、粒子は、ヨウ化物が実質的に存在しない50Åを超える表面シェルと、全銀の少なくとも50%を占めるコアを取り囲むヨウ化物濃度が最大である内部シェルとを有する。このような粒子構造は、Chen等によって欧州特許第0 718 679 号に説明されている。
もう1つの改良された態様において、高塩化物粒子は{100}主面を有する平板状粒子の形態を取ることができる。好ましい高塩化物{100}平板状粒子乳剤は、平板状粒子が全粒子投影面積の少なくとも70%(非常に好ましくは少なくとも90%)を占めるものである。好ましい高塩化物{100}平板状粒子乳剤は少なくとも5(非常に好ましくは少なくとも8)の平均アスペクト比を有する。平板状粒子は典型的には0.3μm未満、好ましくは0.2μm未満、最適には0.07μm未満の厚みを有する。高塩化物{100}平板状粒子乳剤及びそれらの調製については、Maskaskyの米国特許第5,264,337 号及び第5,292,632 号、House 等の米国特許第5,320,938 号、Brust 等の米国特許第5,314,798 号、並びにChang 等の米国特許第5,413,904 号の各明細書に開示されている。
主に{100}結晶面を有する高塩化物粒子が上述の種類(i)のドーパントと種類(ii)のドーパントとの組み合わせと共に析出すると、化学増感及び分光増感(続いて、選んだ画像形成用途に乳剤を適合させるために常用の添加剤が添加される)はいかなる好都合な常用の形態をとることもできる。これらの従来の態様は、先に引用したResearch Disclosure, Item 38957、特に、
III. 乳剤洗浄(Emulsion washing);
IV. 化学増感(Chemical sensitization);
V. 分光増感及び減感(Spectral sensitization and desensitization);
VII. カブリ防止剤及び安定剤(Antifoggants and stabilizers);
VIII. 吸収性材料及び散乱性材料(Absorbing and scattering materials);
IX. コーティング及び物理的性質調節用添加剤(Coating and physical property modifying addenda);並びに
X. 色素画像形成剤及び調節剤(Dye image formers and modifyers);
に例示されている。
III. 乳剤洗浄(Emulsion washing);
IV. 化学増感(Chemical sensitization);
V. 分光増感及び減感(Spectral sensitization and desensitization);
VII. カブリ防止剤及び安定剤(Antifoggants and stabilizers);
VIII. 吸収性材料及び散乱性材料(Absorbing and scattering materials);
IX. コーティング及び物理的性質調節用添加剤(Coating and physical property modifying addenda);並びに
X. 色素画像形成剤及び調節剤(Dye image formers and modifyers);
に例示されている。
幾らかのさらなるハロゲン化銀(典型的には全銀に基づいて1%未満)を導入して化学増感を促進することができる。ハロゲン化銀をホスト粒子の所定の部位にエピタキシャル堆積させてその感度を高められることも認められている。例えば、コーナーエピタキシーを有する高塩化物{100}平板状粒子がMaskaskyの米国特許第5,275,930号明細書によって説明されている。明確な区別をつけるために、本明細書においては、「ハロゲン化銀粒子」という用語は、粒子の最終的な{100}結晶面が形成される時点までの粒子形成に必要な銀を包含することにする。その後堆積したハロゲン化銀であって、粒子表面積の少なくとも50%を占める前もって形成された{100}結晶面の上に重ならなかったものは、ハロゲン化銀粒子を形成している全銀を求める際には排除される。従って、所定の部位のエピタキシーを形成する銀は、ハロゲン化銀粒子の一部ではないけれども、堆積して粒子の最終的な{100}結晶面を提供するハロゲン化銀は、それが前もって析出したハロゲン化銀とは組成が著しく異なる場合であっても、粒子を形成している全銀に含まれる。
酸化された発色現像主薬との反応によってシアン色素を形成するカプラー等の画像色素形成カプラーを要素に含めてもよく、そのようなカプラーは、例えば、米国特許第2,367,531 号、第2,423,730 号、第2,474,293 号、第2,772,162 号、第2,895,826 号、第3,002,836 号、第3,034,892 号、第3,041,236 号及び第4,883,746 号の各明細書、並びに“Farbkuppler - Eine Literature Ubersicht”(Agfa Mitteilungen刊行), Band III, pp. 156-175 (1961)などの代表的な特許明細書及び刊行物に記載されている。好ましくは、そのようなカプラーは、酸化された発色現像主薬との反応によってシアン色素を形成するフェノール類及びナフトール類である。また、例えば欧州特許出願第491,197 号、第544,322 号、第556,700 号、第556,777 号、第565,096 号、第570,006 号及び第574,948 号の各明細書に記載されているシアンカプラーも好ましい。
典型的なシアンカプラーは下記の式
(上式中、R1、R5及びR8は各々が水素又は置換基を表し、R2は置換基を表し、R3、R4及びR7は各々がハメットの置換基定数σparaが0.2以上である電子吸引性基を表し、R3とR4のσpara値の合計は0.65以上であり、R6はハメットの置換基定数σparaが0.35以上である電子吸引性基を表し、Xは水素又はカップリングオフ基を表し、Z1は少なくとも1つの解離性基を有する窒素含有6員複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表し、Z2は−C(R7)=及び−N=を表し、そしてZ3及びZ4は各々が−C(R8)=及び−N=を表す)によって表される。
さらにより好ましいのは、以下の式:
(上式中、R9 は置換基(好ましくはカルバモイル基、ウレイド基、またはカルボンアミド基)を表し、R10は置換基(好ましくはハロゲン、アルキル基、およびカルボンアミド基から個々に選ばれる)を表し、R11はバラスト置換基を表し、R12は水素または置換基(好ましくはカルボンアミド基またはスルホンアミド基)を表し、Xは水素またはカップリングオフ基を表し、そしてmは1〜3である)のシアンカプラーである。
解離性基は、好ましくは水中で3〜12のpKa値を有する、酸性プロトンを有するものである(例えば−NH−、−CH(R)−など)。ハメット則は、置換基を有するベンゼン誘導体の反応または平衡に対する置換基の影響を定量的に考察する目的のために、1935年に、L. P. Hammett によって提案された経験則である。この経験則は、広く受け入れられている。ハメットの置換基定数の値は文献において見出すことができ、または文献に記載されているように測定することができる。例えば、C. Hansch およびA. J. Leo の J. Med. Chem, 16, 1207 (1973)、J. Med. Chem, 20, 304 (1977)、並びにJ. A. DeanのLange's Handbook ofChemistry, 12th Ed. (1979) (McGraw-Hill)を参照されたい。
別の好ましいシアンカプラーは、現像主薬4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(2−メタンスルホンアミドエチル)アニリンセスキスルフェート水和物とカップリングして色素を形成することができる色素形成カプラーである「NBカプラー」であろう。このようにして形成される色素のセバシン酸ジ−n−ブチル溶媒中の3w/v%溶液を「スピンコーティング」した際のその吸収スペクトルの左側バンド幅(LBW)は、アセトニトリル中の同じ色素の3w/v%溶液のLBWよりも少なくとも5nm狭い。ある色素についてのスペクトル曲線の場合のLBWは、最大値の半分の濃度のところで測定されるスペクトル曲線の左側と吸収極大波長との間の距離である。
「スピンコーティング」試料は、先ずセバシン酸ジ−n−ブチル溶媒中の色素の溶液(3w/v%)を調製することによって調製することができる。色素が不溶性である場合は、幾らかの塩化メチレンの添加によって溶解させる。この溶液を濾過し、0.1〜0.2mlを透明なポリエチレンテレフタレート支持体(約4cm×4cm)に適用し、Headway Research Inc.[テキサス州ガーランド(Garland)所在]から入手可能なスピンコーティング装置、Model No. EC101 を使用して4,000RPMで回転させる。次に、このように作製された色素試料の透過スペクトルを記録する。
好ましい「NBカプラー」は、セバシン酸ジ−n−ブチル中で、「スピンコーティング」した際の吸収スペクトルのLBWがアセトニトリル中3%溶液(w/v)での同じ色素のLBWよりも、少なくとも15nm、好ましくは少なくとも25nm狭い色素を形成する。
本発明において有用なシアン色素形成「NBカプラー」は、式(IA):
(上式中、R' 及びR''は、当該カプラーが本明細書中に規定されている「NBカプラー」であるように選ばれる置換基であり、そしてZは、水素原子、又は当該カプラーと酸化された発色現像主薬との反応によって分離することができる基である)により表される。
式(IA)のカプラーは、R' 及びR''が未置換の又は置換されたアルキル、アリール、アミノ、アルコキシ及び複素環式基から好ましくは独立に選ばれる2,5−ジアミドフェノール系シアンカプラーである。
この「NBカプラー」は、下記式(I)により表される。
この「NBカプラー」は、下記式(I)により表される。
上式中、R''及びR''' は未置換の又は置換されたアルキル、アリール、アミノ、アルコキシ及び複素環式基から独立に選ばれ、Zは先に定義した通りであり、R1及びR2は独立に水素又は未置換の若しくは置換されたアルキル基であり、典型的には、R''はアルキル基、アミノ基、又はアリール基であり、フェニル基であるのが好適である。R''' はアルキル基若しくはアリール基であるか、又は窒素、酸素及び硫黄から選ばれるヘテロ原子を1つ以上含み、環基が未置換の又は置換されたものであることができる5〜10員複素環式基であるのが望ましい。
好ましい態様において、式(I)のカプラーは、例えば米国特許第5,686,235号明細書に記載されているものなどの、5−アミド部分が特定のスルホン(−SO2 -)基によってα位で置換されていてもよいカルボン酸のアミドであることができる2,5−ジアミドフェノールであることができる。このスルホン部分は、未置換の又は置換されたアルキルスルホン若しくはヘテロシクリルスルホンであるか、あるいは特にメタ位及び/又はパラ位で好ましくは置換されたアリールスルホンであることができる。
式(I)又は(IA)のこれらの構造を有するカプラーは、吸収極大(λmax)が浅色シフトしていて概して620〜645nmの範囲にある吸収曲線の短波長側が非常に鋭く切れている色素色相を有する画像色素を形成し、カラー写真ペーパーにおいて優れた色再現及び高い彩度を生ずるのに理想的に適しているシアン色素形成「NBカプラー」を成す。
式(I)に関して、R1及びR2は、独立に、水素、又は好ましくは1〜24個の炭素原子、特に1〜10個の炭素原子を有する、未置換の又は置換されたアルキル基であり、好適にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル若しくはデシル基であるか、又は1つ以上のフルオロ原子、クロロ原子、若しくはブロモ原子で置換されたアルキル基、例えばトリフルオロメチル基である。好適には、R1及びR2の少なくとも一方が水素原子であり、R1及びR2の一方のみが水素である場合には、他方は、好ましくは1〜4個の炭素原子、より好ましくは1〜3個の炭素原子、望ましくは2個の炭素原子を有するアルキル基である。
本明細書において、明細書を通して、特に断らない限り、「アルキル」という用語は、不飽和又は飽和の直鎖又は分岐鎖のアルキル基(アルケニルを包含する)を指し、さらに3〜8個の炭素原子を有するアラルキル基及び環式アルキル基(シクロアルケニルを包含する)を包含し、「アリール」という用語は、特に縮合アリールを包含する。
式(I)において、R''は、未置換の又は置換されたアミノ基、アルキル基若しくはアリール基、あるいは窒素、酸素及び硫黄から選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む5〜10員複素環(この環は未置換であっても、又は置換されたものであってもよい)であるのが好適であるけれども、より好適には未置換の又は置換されたフェニル基である。
このアリール又は複素環式環に好適な置換基の例としては、シアノ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、アルキル−若しくはアリール−カルボニル、アルキル−若しくはアリール−オキシカルボニル、カルボンアミド、アルキル−若しくはアリール−カルボンアミド、アルキル−若しくはアリール−スルホニル、アルキル−若しくはアリール−スルホニルオキシ、アルキル−若しくはアリール−オキシスルホニル、アルキル−若しくはアリール−スルホキシド、アルキル−若しくはアリール−スルファモイル、アルキル−若しくはアリール−スルホンアミド、アリール、アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、アルキル−若しくはアリール−ウレイド、及びアルキル−若しくはアリール−カルバモイル基(いずれもさらに置換されていてもよい)が挙げられる。好ましい基は、ハロゲン、シアノ、アルコキシカルボニル、アルキルスルファモイル、アルキル−スルホンアミド、アルキルスルホニル、カルバモイル、アルキルカルバモイル、又はアルキルカルボンアミドである。好適には、R''は4−クロロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、4−シアノフェニル、3−クロロ−4−シアノフェニル、ペンタフルオロフェニル、又は3−若しくは4−スルホンアミドフェニル基である。
式(I)において、R''' がアルキルである場合、R''' は未置換であっても、又はハロゲン若しくはアルコキシ等の置換基で置換されていてもよい。R''' がアリール又は複素環である場合、R''' は置換されていてもよい。R''' は、スルホニル基に対してα位で置換されていないのが望ましい。
式(I)において、R''' がフェニル基である場合、R''' はメタ位及び/又はパラ位でハロゲン、及び未置換の若しくは置換されたアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、アシルアミノ、アルキル−若しくはアリール−スルホニルオキシ、アルキル−若しくはアリール−スルファモイル、アルキル−若しくはアリール−スルファモイルアミノ、アルキル−若しくはアリール−スルホンアミド、アルキル−若しくはアリール−ウレイド、アルキル−若しくはアリール−オキシカルボニル、アルキル−若しくはアリール−オキシ−カルボニルアミノ、及びアルキル−若しくはアリール−カルバモイル基からなる群より独立に選ばれる1〜3個の置換基で置換されていてもよい。
特に、各々の置換基は、アルキル基、例えばメチル、t−ブチル、ヘプチル、ドデシル、ペンタデシル、オクタデシル又は1,1,2,2−テトラメチルプロピル;アルコキシ基、例えばメトキシ、t−ブトキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、又はオクタデシルオキシ;アリールオキシ基、例えばフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、又は4−ドデシル−フェノキシ;アルキル−若しくはアリール−アシルオキシ基、例えばアセトキシ又はドデカノイルオキシ;アルキル−若しくはアリール−アシルアミノ基、例えばアセトアミド、ヘキサデカンアミド、又はベンズアミド;アルキル−若しくはアリール−スルホニルオキシ基、例えばメチル−スルホニルオキシ、ドデシルスルホニルオキシ、又は4−メチルフェニル−スルホニルオキシ;アルキル−若しくはアリール−スルファモイル基、例えばN−ブチルスルファモイル又はN−4−t−ブチルフェニルスルファモイル;アルキル−若しくはアリール−スルファモイルアミノ基、例えばN−ブチル−スルファモイルアミノ又はN−4−t−ブチルフェニルスルファモイル−アミノ;アルキル−若しくはアリール−スルホンアミド基、例えばメタン−スルホンアミド、ヘキサデカンスルホンアミド、又は4−クロロフェニル−スルホンアミド;アルキル−若しくはアリール−ウレイド基、例えばメチルウレイド又はフェニルウレイド;アルコキシ−若しくはアリールオキシ−カルボニル、例えばメトキシカルボニル又はフェノキシカルボニル;アルコキシ−若しくはアリールオキシ−カルボニルアミノ基、例えばメトキシ−カルボニルアミノ又はフェノキシカルボニルアミノ;アルキル−若しくはアリール−カルバモイル基、例えばN−ブチルカルバモイル又はN−メチル−N−ドデシルカルバモイル;又はペルフルオロアルキル基、例えばトリフロロメチル又はヘプタフルオロプロピルであることができる。
上記置換基は、好適には1〜30個の炭素原子、より好ましくは8〜20個の脂肪族炭素原子を有する。望ましい置換基は、12〜18個の脂肪族炭素原子を有するアルキル基、例えばドデシル、ペンタデシル若しくはオクタデシル、8〜18個の脂肪族炭素原子を有するアルコキシ基、例えばドデシルオキシ及びヘキサデシルオキシ、ハロゲン、例えばメタクロロ基若しくはパラクロロ基、カルボキシ、又はスルホンアミドである。このような基はいずれも、酸素などの割り込むヘテロ原子を含んで、例えばポリアルキレンオキシドを形成していてもよい。
式(I)又は(IA)において、Zは水素原子、又は当該カプラーと酸化された発色現像主薬との反応によって分離することのできる基であり、写真技術分野においては「カップリングオフ基」として知られており、好ましくは水素、クロロ、フルオロ、置換アリールオキシ又はメルカプトテトラゾール、より好ましくは水素又はクロロであってもよい。
このような基の存在又は不在により、カプラーの化学当量、すなわちそれが2当量カプラーであるか又は4当量カプラーであるかが定まり、その個々の素生により、カプラーの反応性を変更することができる。そのような基は、カプラーからの放出後に、例えば色素形成、色素色相調整、現像促進又は現像抑制、漂白促進又は漂白抑制、電子伝達促進、色補正等の機能を果たすことによって、写真記録材料におけるカプラーが塗布される層又は他の層に好都合な影響を及ぼすことができる。
そのようなカップリングオフ基の代表的な種類としては、例えば、ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロシクリルオキシ、スルホニルオキシ、アシルオキシ、アシル、ヘテロシクリルスルホンアミド、ヘテロシクリルチオ、ベンゾチアゾリル、ホスホニルオキシ、アルキルチオ、アリールチオ及びアリールアゾが挙げられる。これらのカップリングオフ基は、例えば米国特許第2,455,169 号、第3,227,551 号、第3,432,521 号、第3,467,563 号、第3,617,291 号、第3,880,661 号、第4,052,212 号及び第4,134,766 号の各明細書、英国特許第1,466,728 号、第1,531,927 号及び第1,533,039 号の各明細書、並びに英国特許出願公開明細書第2,066,755A号及び第2,017,704A号に記載されている。ハロゲン、アルコキシ基及びアリールオキシ基が最も好適である。
具体的なカップリングオフ基の例には、−Cl、−F、−Br、−SCN、−OCH3 、−OC6H5、−OCH2C(=O)NHCH2CH2OH、−OCH2C(O)NHCH2CH2OCH3、−OCH2C(O)NHCH2CH2OC(=O)OCH3、−P(=O)(OC2H5)2、−SCH2CH2COOH、
がある。
典型的には、カップリングオフ基は、塩素原子、水素原子又はp−メトキシフェノキシ基である。
典型的には、カップリングオフ基は、塩素原子、水素原子又はp−メトキシフェノキシ基である。
カプラーが分散されている有機溶媒中でカプラー及び生成する色素を適切にバラスト化するように置換基を選ぶことが重要である。このバラスト化は、1つ以上の置換基に疎水性置換基を与えることによって達成できる。一般的に、バラスト基は、写真要素においてカプラーが塗布されている層からカプラーが実質的に拡散しないようにするのに十分な嵩高さ及び水不溶性をカプラー分子に与えるような大きさ及び形態を有する有機基である。従って、これらの条件を満たすように置換基の組み合わせを適切に選択するのが好適である。有効であるためには、バラスト基は、通常は少なくとも8個の炭素原子、典型的には10〜30個の炭素原子を含む。また、組み合わさってこれらの条件を満たす複数の基を提供することによって、好適なバラスト化を達成してもよい。本発明の好ましい態様においては、式(I)のR1は小さいアルキル基又は水素である。従って、これらの態様においては、バラスト基は他の基の一部として主に配置されるであろう。さらに、たとえカップリングオフ基Zがバラスト基を含む場合であっても、Zはカップリングによって分子から排除されるので、他の置換基もバラスト化する必要のあることが多く、従って、バラスト基をZ以外の基の一部として提供するのが最も好都合である。
以下の例により、本発明の好ましいカプラーをさらに例示する。本発明がこれらの例に限定されると解釈されるべきではない。
好ましいカプラーは、それらの好適に狭い左側バンド幅のゆえに、IC−3、IC−7、IC−35及びIC−36である。
酸化された発色現像主薬との反応によってマゼンタ色素を形成するカプラーは、次の代表的な特許明細書及び刊行物に記載されている。米国特許第2,311,082 号、第2,343,703 号、第2,369,489 号、第2,600,788 号、第2,908,573 号、第3,062,653 号、第3,152,896 号、第3,519,429 号及び第3,758,309 号の各明細書、並びに“Farbkuppler-eine Literature Ubersicht”(Agfa Mitteilungen刊行), Band III, pp. 126-156 (1961)。好ましくは、そのようなカプラーは、酸化された発色現像主薬との反応によってマゼンタ色素を形成するピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類、又はピラゾロベンゾイミダゾール類である。とりわけ好ましいカプラーは、1H−ピラゾロ[5,1−c]−1,2,4−トリアゾール及び1H−ピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾールである。1H−ピラゾロ[5,1−c]−1,2,4−トリアゾールカプラーの例は、英国特許第1,247,493 号、第1,252,418 号及び第1,398,979 号、並びに米国特許第4,443,536 号、第4,514,490 号、第 4,540,654 号、第4,590,153 号、第4,665,015 号、第4,822,730 号、第4,945,034 号、第5,017,465 号及び第5,023,170号の各明細書に記載されている。1H−ピラゾロ[1,5−b]−1,2,4−トリアゾール類の例は、欧州特許出願第176,804 号及び第177,765 号、並びに米国特許第4,659,652 号、第5,066,575 号及び第5,250,400 号の各明細書において見出すことができる。
典型的なピラゾロアゾールカプラー及びピラゾロンカプラーは、下記式:
(上式中、Ra及びRbは独立にH又は置換基を表し、Rcは置換基(好ましくはアリール基)であり、Rdは置換基(好ましくはアニリノ、カルボンアミド、ウレイド、カルバモイル、アルコキシ、アリールオキシカルボニル、アルコキシカルボニル、又はN−複素環式基)であり、Xは水素又はカップリングオフ基であり、Za、Zb及びZcは独立に置換メチン基、=N−、=C−、又は−NH−である。但し、Za−Zb結合又はZb−Zc結合のいずれか一方は二重結合であり、他方は単結合であり、Zb−Zc結合が炭素−炭素二重結合である場合には、それが芳香環の一部を成していてもよく、そしてZa、Zb及びZcの少なくとも1つは基Rb に結合されているメチン基を表す)により表される。
このようなカプラーの具体例は以下の通りである。
酸化された発色現像主薬との反応によってイエロー色素を形成するカプラーは、次の代表的な特許明細書及び刊行物に記載されている:米国特許第2,298,443 号、第2,407,210 号、第2,875,057 号、第3,048,194 号、第3,265,506 号、第3,447,928 号、第3,960,570 号、第4,022,620 号、第4,443,536 号、第4,910,126 号及び第5,340,703 号の各明細書、並びに“Farbkuppler-eine LiteratureUbersicht”(Agfa Mitteilungen刊行), Band III, pp. 112-126 (1961)。そのようなカプラーは典型的には開鎖ケトメチレン化合物である。例えば欧州特許出願第482,552 号、第510,535 号、第524,540 号及び第543,367 号並びに米国特許第5,238,803 号の各明細書に記載されているものなどのイエローカプラーも好ましい。色再現の改良には、長波長側で鋭く切れているイエロー色素を与えるカプラーが特に好ましい(例えば米国特許第5,360,713 号明細書を参照されたい)。
典型的な好ましいイエローカプラーは、下記式:
(上式中、R1、R2、Q1及びQ2は各々置換基を表し、Xは水素又はカップリングオフ基であり、Yはアリール基又は複素環式基を表し、Q3は、>N−と一緒になって窒素含有複素環式基を形成するのに必要な有機残基を表し、Q4は3〜5員炭化水素環、又はN、O、S及びPから選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子を環内に含む3〜5員複素環を形成するのに必要な非金属原子群を表す。Q1及びQ2が各々アルキル基、アリール基又は複素環式基を表し、R2がアリール基又は第三級アルキル基を表す場合が特に好ましい。)により表される。
好ましいイエローカプラーは、以下の一般構造式により表されるものであることができる。
特に断らない限り、本明細書において、分子上に置換されていてもよい置換基には、置換されていようといまいと、写真用途に必要な性質を損なわないならば、いかなる基も含まれる。「基」という用語を、置換可能な水素を含む置換基を指すのに使用する場合、それは、その置換基の未置換の形態のみならず、本明細書に挙げるいずれかの基(複数であってもよい)でさらに置換された形態をも包含することを意味する。好適には、この基はハロゲンであってもよく、又は炭素、ケイ素、酸素、窒素、リン又は硫黄の原子によって分子の残りの部分に結合されているものであってもよい。この置換基は、例えば、ハロゲン、例えば塩素、臭素、又はフッ素;ニトロ;ヒドロキシル;シアノ;カルボキシル;又は直鎖アルキル又は分岐鎖アルキルを包含するアルキル、例えばメチル、トリフルオロメチル、エチル、t−ブチル、3−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)プロピル、及びテトラデシル;アルケニル、例えばエチレン、2−ブテン;アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、2−メトキシエトキシ、sec−ブトキシ、ヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、テトラデシルオキシ、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)エトキシ及び2−ドデシルオキシエトキシ;アリール、例えばフェニル、4−t−ブチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、ナフチル;アリールオキシ、例えばフェノキシ、2−メチルフェノキシ、α−又はβ−ナフチルオキシ、及び4−トリルオキシ;カルボンアミド、例えばアセトアミド、ベンズアミド、ブチルアミド、テトラデカンアミド、α−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)アセトアミド、α−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチルアミド、α−(3−ペンタデシルフェノキシ)−ヘキサンアミド、α−(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェノキシ)−テトラデカンアミド、2−オキソ−ピロリジン−1−イル、2−オキソ−5−テトラデシルピロリン−1−イル、N−メチルテトラデカンアミド、N−スクシンイミド、N−フタルイミド、2,5−ジオキソ−1−オキサゾリジニル、3−ドデシル−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリル、及びN−アセチル−N−ドデシルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、ヘキサデシルオキシカルボニルアミノ、2,4−ジ−t−ブチルフェノキシカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、2,5−(ジ−t−ペンチルフェニル)カルボニルアミノ、p−ドデシル−フェニルカルボニルアミノ、p−トルイルカルボニルアミノ、N−メチルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N−メチル−N−ドデシルウレイド、N−ヘキサデシルウレイド、N,N−ジオクタデシルウレイド、N,N−ジオクチル−N’−エチルウレイド、N−フェニルウレイド、N,N−ジフェニルウレイド、N−フェニル−N−p−トルイルウレイド、N−(m−ヘキサデシルフェニル)ウレイド、N,N−(2,5−ジ−t−ペンチルフェニル)−N’−エチルウレイド、及びt−ブチルカルボンアミド;スルホンアミド、例えばメチルスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トルイルスルホンアミド、p−ドデシルベンゼンスルホンアミド、N−メチルテトラデシルスルホンアミド、N,N−ジプロピル−スルファモイルアミノ、及びヘキサデシルスルホンアミド;スルファモイル、例えばN−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N−ヘキサデシルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−[3−(ドデシルオキシ)プロピル]スルファモイル、N−[4−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチル]スルファモイル、N−メチル−N−テトラデシルスルファモイル及びN−ドデシルスルファモイル;カルバモイル、例えばN−メチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル、N−オクタデシルカルバモイル、N−[4−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチル]カルバモイル、N−メチル−N−テトラデシルカルバモイル及びN,N−ジオクチルカルバモイル;アシル、例えばアセチル、(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)アセチル、フェノキシカルボニル、p−ドデシルオキシフェノキシカルボニル、メトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、テトラデシルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、3−ペンタデシルオキシカルボニル、及びドデシルオキシカルボニル;スルホニル、例えばメトキシスルホニル、オクチルオキシスルホニル、テトラデシルオキシスルホニル、2−エチルヘキシルオキシスルホニル、フェノキシスルホニル、2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシスルホニル、メチルスルホニル、オクチルスルホニル、2−エチルヘキシルスルホニル、ドデシルスルホニル、ヘキサデシルスルホニル、フェニルスルホニル、4−ノニルフェニルスルホニル及びp−トルイルスルホニル;スルホニルオキシ、例えばドデシルスルホニルオキシ及びヘキサデシルスルホニルオキシ;スルフィニル、例えばメチルスルフィニル、オクチルスルフィニル、2−エチルヘキシルスルフィニル、ドデシルスルフィニル、ヘキサデシルスルフィニル、フェニルスルフィニル、4−ノニルフェニルスルフィニル及びp−トルイルスルフィニル;チオ、例えばエチルチオ、オクチルチオ、ベンジルチオ、テトラデシルチオ、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)エチルチオ、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−t−オクチルフェニルチオ及びp−トリルチオ;アシルオキシ、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、オクタデカノイルオキシ、p−ドデシルアミドベンゾイルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ、N−エチルカルバモイルオキシ、及びシクロヘキシルカルボニルオキシ;アミノ、例えばフェニルアニリノ、2−クロロアニリノ、ジエチルアミノ、ドデシルアミノ;イミノ、例えば1−(N−フェニルイミド)エチル、N−スクシンイミド又は3−ベンジルヒダントイニル;ホスフェート、例えばジメチルホスフェート及びエチルブチルホスフェート;ホスフィット、例えばジエチルホスフィット及びジヘキシルホスフィット;複素環式基、複素環式オキシ基又は複素環式チオ基(これらの各々は置換されていてもよく、酸素、窒素及び硫黄からなる群より選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子と炭素原子とを含んでなる3〜7員複素環を含む)、例えば2−フリル、2−チエニル、2−ベンゾイミダゾリルオキシ又は2−ベンゾチアゾリル;第四級アンモニウム、例えばトリエチルアンモニウム;及びシリルオキシ、例えばトリメチルシリルオキシなどの基(さらに置換されていてもよい)であってもよい。
所望であれば、これらの置換基は、それら自体が、上記の置換基でさらに1回以上置換されていてもよい。使用される個々の置換基は、個々の用途に望まれる写真特性を達成するように当業者が選ぶことができ、例えば疎水性基、可溶化基、ブロッキング基、放出性の又は放出可能な基等を含むことができる。一般的に、上記の基及びそれらの置換基は、48個以下の炭素原子、典型的には1〜36個の炭素原子、通常は24個未満の炭素原子を有するものを含んでいるけれども、選択される個々の置換基に応じて、より大きい数も可能である。
バラスト基上の代表的な置換基としては、アルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルチオ、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、カルボキシ、アシル、アシルオキシ、アミノ、アニリノ、カルボンアミド、カルバモイル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、スルホンアミド及びスルファモイル基が挙げられ、これらの置換基は、典型的には1〜42個の炭素原子を含む。このような置換基は、さらに置換されていてもよい。
これらの写真要素において使用することができる安定剤及びスキャベンジャーは以下の通りであるけれども、これらに限定されない。
本発明において使用することができる溶媒の例としては以下のものが挙げられる。
写真要素において使用される分散体は、例えば米国特許第4,992,358 号、第4,975,360 号及び第4,587,346 号の各明細書に記載されているものなどの紫外線(UV)安定剤や、いわゆる液体UV安定剤を含んでいてもよい。UV安定剤の例を以下に示す。
水性相は界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤は陽イオン性、陰イオン性、両イオン性、又は非イオン性であることができる。有用な界面活性剤としては以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
さらに、粒子が成長しやすい写真用分散体を、Zengerle等によって米国特許第5,468,604号明細書において開示されているものなどの疎水性の写真的に不活性な化合物の使用により安定化させることも考えられる。
好ましい態様において、本発明は、少なくとも3種のハロゲン化銀乳剤層ユニットを含むように構成されている記録要素を使用する。本発明において使用される記録要素に好適なフルカラー多層フォーマットは構造Iによって表される。
これらの画像形成ユニットは、色汚染を防ぐために発色現像主薬酸化体スキャベンジャーを含む親水性コロイド中間層により互いに隔てられている。上述の粒子及びゼラチン−ペプタイザーに関する要件を満たすハロゲン化銀乳剤は、これらの乳剤層ユニットのうちのいずれか1つ又はこれらの乳剤層ユニットの組み合わせの中に存在することができる。本発明の要素に有用なさらなる多色多層フォーマットとしては、米国特許第5,783,373号明細書に記載されている構造体が挙げられる。本発明に係るこのような構造の各々は、好ましくは、粒子の表面積の少なくとも50%が{100}結晶面によって占められており、かつ上述の種類(i)及び(ii)のドーパントを含む高塩化物粒子を含んでなる少なくとも6つのハロゲン化銀乳剤を含む。好ましくは、乳剤層ユニットの各々が、これらの条件を満たす乳剤を含む。
本発明の方法における使用が考えられる多層(及び特に多色)記録要素に導入することができる従来の態様は、先に引用したResearch Disclosure, Item 38957の、
XI. 層及び層構成(Layers and layer arrangements )
XII. カラーネガにのみ適用できる態様(Features applicable only to color negative)
XIII. カラーポジにのみ適用できる態様(Features applicable only to color positive)
B.カラーリバーサル(Color reversal)
C.カラーネガから得られるカラーポジ(Color positives derived from color negatives)
XIV. 走査を容易にする態様(Scan facilitating features)
に説明されている。
XI. 層及び層構成(Layers and layer arrangements )
XII. カラーネガにのみ適用できる態様(Features applicable only to color negative)
XIII. カラーポジにのみ適用できる態様(Features applicable only to color positive)
B.カラーリバーサル(Color reversal)
C.カラーネガから得られるカラーポジ(Color positives derived from color negatives)
XIV. 走査を容易にする態様(Scan facilitating features)
に説明されている。
本発明に係る輻射線感受性高塩化物乳剤層を含んでなる記録要素は、従来通り光学プリントをすることも、本発明のある特定の態様に従って、電子プリント法において典型的に使用される適切な高エネルギー輻射線源を使用して画素毎に像様露光することができる。エネルギーの好適な化学線としての形態には、電磁スペクトルの紫外領域、可視領域及び赤外領域、並びに電子ビーム放射線があり、1つ以上の発光ダイオード又はレーザー(気相レーザー又は固相レーザーを包含する)からのビームによって供給されるのが都合よい。露光は単色性、整色性又は全整色性であることができる。例えば、記録要素が多層多色要素である場合には、このような要素が感受性の適当な分光輻射線、例えば赤外波長、赤波長、緑波長又は青波長のレーザービーム又は発光ダイオードビームによって露光することができる。先に言及した米国特許第4,619,892号明細書において開示されているように、赤外領域の少なくとも2つの部分を含む電磁スペクトルの別個の部分における露光の関数として、シアン色素、マゼンタ色素、及びイエロー色素を生成する多色要素を使用することができる。好適な露光としては、2000nm以下、好ましくは1500nm以下の露光が挙げられる。好適な発光ダイオード及び市販のレーザー源は公知であり、商業的に入手可能である。T. H. James の The Theory of the Photographic Process, 4th Ed., Macmillan, 1977のChapter 4, 6, 17, 18及び23に説明されているように、従来の感光度測定技術によって求められる記録要素の有用な応答範囲内で、周囲温度、高温若しくは低温、及び/又は周囲圧力、高圧若しくは低圧における像様露光を使用することができる。
アニオン[MXxYyLz]六配位錯体[Mは第8又は9族金属(好ましくは鉄、ルテニウム又はイリジウム)であり、Xはハロゲン化物又は擬ハロゲン化物(好ましくはCl、Br又はCN)であり、xは3〜5であり、YはH2 Oであり、yは0又は1であり、LはC−C、H−C又はC−N−H有機配位子であり、そしてzは1又は2である]が高強度相反則不軌(HIRF)、低強度相反則不軌(LIRF)、及び熱による感度の変動(thermal sensitivity variance)を低減すること、並びに潜像保持(LIK)を向上することに有効であることが認められた。本明細書において用いられているように、HIRFは、露光量が等しいけれども露光時間が10-1〜10-6秒の範囲内である場合の写真特性の変動の目安である。LIRFは、露光量が等しいけれども露光時間が10-1〜100秒の範囲内である場合の写真特性の変動の目安である。これらの利点は、面心立方格子粒子構造と概して適合しうるであろうけれども、高(>50モル%、好ましくは90モル%以上)塩化物乳剤において、最も顕著な改良が認められた。好ましいC−C、H−C又はC−N−H有機配位子は、米国特許第5,462,849号明細書に記載されているタイプの芳香族複素環である。最も有効なC−C、H−C又はC−N−H有機配位子は、置換されていないか又はアルキル、アルコキシ、若しくはハロゲン化物置換基を含むアゾール類及びアジン類である(これらのアルキル部分は1〜8個の炭素原子を含む)。特に好ましいアゾール類及びアジン類としては、チアゾール類、チアゾリン類及びピラジン類が挙げられる。
露光源によって記録媒体に提供される高エネルギー化学輻射線の量又はレベルは一般的に少なくとも10-5μJ/cm2(10-4erg/cm2)、典型的には約10-5μJ/cm2〜10-4μJ/cm2(10-4erg/cm2〜10-3erg/cm2)の範囲内であり、往々にして10-4μJ/cm2〜10μJ/cm2(10-3erg/cm2〜102erg/cm2 )である。従来技術において知られているように、画素毎の記録要素の露光は非常に短い期間又は時間しか続かない。典型的な最大露光時間は100μ秒以下であり、たいてい10μ秒以下であり、ほんの0.5μ秒以下であることもしばしばである。各画素の単一露光又は多重露光が考えられる。画素密度は、当業者に明らかであるように、種々の態様に依存する。画素密度が高いほど、画像をより鮮鋭にすることができるけれども、装置の複雑さという犠牲を伴う。一般的に、本明細書に記載されているタイプの従来の電子プリント法において使用される画素密度は107画素/cm2を超えず、典型的には約104〜106画素/cm2 の範囲内にある。露光源、露光時間、露光レベル及び画素密度並びに他の記録要素特性を含むシステムの種々の特徴及び構成要素を検討したハロゲン化銀印画紙を使用する高品質連続階調カラー電子プリント技術についての評価は、Firth 等のA Continuous-Tone Laser Color Printer, Journal of Imaging Technology, Vol. 14, No. 3, June 1988 に掲載されている。本明細書において既に示したように、発光ダイオードビーム又はレーザービームなどの高エネルギービームを使用して記録要素を走査することを含む従来の電子プリント法の詳細のいくつかに関する記載が、Hiokiの米国特許第5,126,235号並びに欧州特許出願第479 167 A1号及び第502 508 A1号に示されている。
一度像様露光させると、記録要素を、任意の好都合な常用の手法で処理して、観察可能な画像を得ることができる。そのような処理は、先に引用したResearch Disclosure, Item 38957の、
XVIII. 化学現像システム(Chemical development systems)
XIX. 現像(Development)
XX. 脱銀、洗浄、濯ぎ、及び安定化(Desilvering, washing, rinsing and stabilizing)
に説明されている。
XVIII. 化学現像システム(Chemical development systems)
XIX. 現像(Development)
XX. 脱銀、洗浄、濯ぎ、及び安定化(Desilvering, washing, rinsing and stabilizing)
に説明されている。
さらに、本発明の材料に有用な現像剤は、均質なワンパート(one part)型現像剤であることができる。この均質なワンパート型発色現像主薬濃厚物は、以下の重要な一連の工程を使用して調製される。
最初の工程において、好適な発色現像主薬の水溶液を調製する。この発色現像主薬は一般的に硫酸塩の形態にある。この溶液の他の構成成分として、発色現像主薬のための酸化防止剤、アルカリ金属塩基によって提供される好適な数のアルカリ金属イオン(硫酸イオンに対して少なくとも化学量論的割合で)、及び写真的に不活性な水混和性又は水溶性のヒドロキシ含有有機溶媒を含む場合がある。この溶媒は、水の有機溶媒に対する質量比が約15:85〜約50:50であるような濃度で、最終的な濃厚物中に存在する。
この環境において、とりわけ高アルカリ性環境では、アルカリ金属イオンと硫酸イオンとが硫酸塩を形成し、この硫酸塩はヒドロキシ含有有機溶媒の存在下で析出する。次に、析出した硫酸塩を、任意の好適な液相/固相分離法(濾過、遠心分離又はデカンテーション等)を使用して容易に除去することができる。酸化防止剤が液体有機化合物である場合には、2つの相が形成される場合があり、水性相を廃棄することによって析出物を取り出すことができる。
本発明に有用な発色現像濃厚物は、当該技術分野において周知であり、酸化型では、処理された材料中の色素形成カラーカプラーと反応する1種以上の発色現像主薬を含む。このような発色現像主薬としては、アミノフェノール類、p−フェニレンジアミン類(とりわけN,N−ジアルキル−p−フェニレンジアミン類)、及び当該技術分野において周知の他のもの、例えば欧州特許第0 434 097 A1号(1991年6月26日公開)及び欧州特許第0 530 921 A1号(1993年3月10日公開)に記載されているものが挙げられが、これらに限定されない。発色現像主薬が当該技術分野において周知の1つ以上の水可溶化基を有することが有用な場合がある。このような材料のさらなる詳細は、Research Disclosure, Item 38957、第 592〜 639頁(1996年9月)に掲載されている。Research Disclosureは、Kenneth Mason Publications, Ltd.(Dudley House, 12 North Street, Emsworth, Hampshire PO10 7DQ, England所在)の刊行物である(Emsworth Design Inc., 121 West 19th Street, New York, N.Y. 10011からも入手可能である)。
好ましい発色現像主薬としては、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミンスルフェート(KODAK発色現像主薬CD−2)、4−アミノ−3−メチル−N−(2−メタンスルホンアミドエチル)アニリンスルフェート、4−(N−エチル−N−σ−ヒドロキシエチルアミノ)−2−メチルアニリンスルフェート(KODAK発色現像主薬CD−4)、p−ヒドロキシエチルエチルアミノアニリンスルフェート、4−(N−エチル−N−2−メタンスルホニルアミノエチル)−2−メチルフェニレンジアミンセスキスルフェート(KODAK発色現像主薬CD−3)、4−(N−エチル−N−2−メタンスルホニルアミノエチル)−2−メチルフェニレンジアミンセスキスルフェート、及び当業者に明らかな他のものが挙げられるが、これらに限定されない。
発色現像主薬を酸化から保護するために、一般的に、発色現像組成物に1種以上の酸化防止剤を含ませる。無機又は有機のいずれの酸化防止剤を使用することもできる。多くの種類の有用な酸化防止剤が知られており、これらとしては、亜硫酸塩(例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、及びメタ重亜硫酸カリウム)、ヒドロキシルアミン(及びその誘導体)、ヒドラジン類、ヒドラジド類、アミノ酸、アスコルビン酸(及びその誘導体)、ヒドロキサム酸類、アミノケトン類、単糖類及び多糖類、モノアミン及びポリアミン類、第四級アンモニウム塩、ニトロキシラジカル、アルコール類、及びオキシム類が挙げられるが、これらに限定されない。1,4−シクロヘキサジオン類もまた酸化防止剤として有用である。所望であれば、同じ種類又は異なる種類の酸化防止剤の化合物の混合物を使用することもできる。
特に有用な酸化防止剤は、例えば米国特許第4,892,804 号、第4,876,174 号、第5,354,646 号及び第5,660,974 号(これらは全て既に示した)、並びに米国特許第5,646,327 号(Burns 等)の各明細書に記載されているようなヒドロキシルアミン誘導体である。これらの酸化防止剤の多くは、一方又は両方のアルキル基上に1つ以上の置換基を有するモノアルキルヒドロキシルアミン及びジアルキルヒドロキシルアミンである。特に有用なアルキル置換基としては、スルホ、カルボキシ、アミノ、スルホンアミド、カルボンアミド、ヒドロキシ、及び他の可溶化置換基が挙げられる。
より好ましくは、上記ヒドロキシルアミン誘導体は、1つ以上のアルキル基上に1つ以上のヒドロキシ置換基を有するモノアルキルヒドロキシルアミン又はジアルキルヒドロキシルアミンであることができる。このタイプの代表的な化合物は、例えば米国特許第5,709,982 号(Marrese 等)明細書において、下記構造I:
[上式中、Rは水素、炭素原子数1〜10の置換された若しくは未置換のアルキル基、炭素原子数1〜10の置換された若しくは未置換のヒドロキシアルキル基、炭素原子数5〜10の置換された若しくは未置換のシクロアルキル基、又は6〜10個の炭素原子を芳香核に有する置換された若しくは未置換のアリール基であり、
X1は−CR2(OH)CHR1−であり、X2は−CHR1CR2(OH)−(式中、R1及びR2は独立に水素、ヒドロキシ、炭素原子数1若しくは2の置換された若しくは未置換のアルキル基、炭素原子数1若しくは2の置換された若しくは未置換のヒドロキシアルキル基であるか、あるいはR1とR2とが一緒になって、置換された若しくは未置換の飽和又は不飽和の5〜8員炭素環式環構造を完成するのに必要な炭素原子群を表す)であり、
Yは、炭素原子数が少なくとも4の偶数である置換された若しくは未置換のアルキレン基であるか、又はYは鎖中の炭素と酸素の総数が偶数である置換された若しくは未置換の二価脂肪族基であるが、その脂肪族基は鎖中に少なくとも4個の原子を有する]により表されると記載されている。
また、構造AIにおいて、m、n及びpは独立に0又は1である。好ましくは、m及びnの各々は1であり、pは0である。具体的な二置換ヒドロキシルアミン酸化防止剤としては、N,N−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)ヒドロキシルアミン、N,N−ビス(2−メチル−2,3−ジヒドロキシプロピル)ヒドロキシルアミン、及びN,N−ビス(1−ヒドロキシメチル−2−ヒドロキシ−3−フェニルプロピル)ヒドロキシルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。最初の化合物が好ましい。
下記の表において、(1)Research Disclosure, Item 17643(1978年12月)、(2)Research Disclosure, Item 308119(1989年12月)、及び(3)Research Disclosure, Item 36544(1994年9月)[全てKenneth Mason Publications, Ltd.(Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hampshire PO10 7DQ, England所在)により刊行]を参照する。下記の表及び下記の表の中で引用する文献は、本発明の要素で使用するのに適する特定の構成要素を示すものと理解されたい。下記表及びその引用文献は、要素の製造、露光、処理及び取扱いの適切な方法、並びにそこに含まれる画像も記載されている。
写真要素を、電磁スペクトルの紫外領域、可視領域及び赤外領域、及び電子ビーム、β線、γ線、X線、α粒子、中性子線、並びにレーザーにより生成されるような非コヒーレント(ランダム位相)形態又はコヒーレント(同位相)形態にある他の形態の粒子様かつ波様の放射線エネルギーを包含する様々な形態のエネルギーを用いて露光することができる。写真要素がX線により露光することを意図したものである場合に、その写真要素は常用の放射線写真要素に見出される特徴を含むことができる。
これによって、従来の画像処理装置を使用できる。本発明の画像形成要素は、ネガを使用する従来の光学的方法により露光できるが、コリメートされたビームにより露光して潜像を形成し、次いで、好ましくは熱処理以外の処理により可視画像を形成することが好ましい。コリメートされたビームは、著しい内部光散乱なしに上部側及び底部側での画像形成層のデジタルプリント及び同時露光を可能にするため、コリメートされたビームが好ましい。コリメートされたビームの好ましい例は、放射線の誘導放出による光増幅としても知られているレーザーである。レーザーが好ましい。なぜならこの技術は多くのデジタルプリント装置タイプで広範に使用されているからである。さらに、レーザーは、望ましくない光散乱なしに、本発明のディスプレイ材料の上部側及び底部側の感光性ハロゲン化銀コーティングを同時に露光するのに十分なエネルギーを与える。可視画像への潜像のその後の処理は、好ましくは周知のRA−4(商標)(Eastman Kodak Company )処理又は高塩化物乳剤を現像するのに適する他の処理システムで行うことが好ましい。
以下の例により本発明の実施を説明する。これらの例は、本発明のすべての可能な態様を網羅していると解されるべきものではない。特に断らない限り、部及び百分率は質量によるものである。
以下の例は、本発明を例示するためのものである。
以下の例は、本発明を例示するためのものである。
例1
この例において、本発明を典型的な従来技術の透過型ディスプレイ材料Kodak Duratrans(商標)と比較した。Kodak Duratrans(商標)は、シアン、マゼンタ及びイエロー色素形成乳剤層を片側に有するポリエステルテレフタレートベースを有する。本発明は、Na Cloisite粘土を含む両面塗りハロゲン化銀乳剤コーティングポリエステル支持体であった。Na Cloisite粘土は、1000:1〜20:1のアスペクト比の分布、0.1〜1.0ミクロン(μm)(若しくは100〜1000nm)の横方向寸法の分布、又は0.001〜0.005ミクロン(若しくは1〜5nm)の垂直方向寸法の分布を有する粒度分布を有する天然モンモリロナイトである。従来技術の材料と本発明とについて、透過率(%)、明るさ、色、照明の透き通りを調べた。この例により、従来技術の材料と比べて、ベースの黄色さが低減されることや現像時間が短縮されることを示す。
この例において、本発明を典型的な従来技術の透過型ディスプレイ材料Kodak Duratrans(商標)と比較した。Kodak Duratrans(商標)は、シアン、マゼンタ及びイエロー色素形成乳剤層を片側に有するポリエステルテレフタレートベースを有する。本発明は、Na Cloisite粘土を含む両面塗りハロゲン化銀乳剤コーティングポリエステル支持体であった。Na Cloisite粘土は、1000:1〜20:1のアスペクト比の分布、0.1〜1.0ミクロン(μm)(若しくは100〜1000nm)の横方向寸法の分布、又は0.001〜0.005ミクロン(若しくは1〜5nm)の垂直方向寸法の分布を有する粒度分布を有する天然モンモリロナイトである。従来技術の材料と本発明とについて、透過率(%)、明るさ、色、照明の透き通りを調べた。この例により、従来技術の材料と比べて、ベースの黄色さが低減されることや現像時間が短縮されることを示す。
Southern Clay Productsにより供給されているNa Cloisite粘土を2質量%添加した表皮層を含む二軸延伸ポリエステルシートの共押出によって、本発明の以下の写真透過型ディスプレイ材料を作製した。使用したインターカラントは、PEO−b−PCL、すなわちブロックコポリマーであるポリ(エチレンオキシド−b−カプロラクトン)(PEO:PCL分子量比5000:20000)から成っていた。
この構造体のベースコアは、画像形成要素に対する感光性乳剤のゼラチンの接着性を高めるために最底部に接着促進用ゼラチン系材料を下引きした透明ポリエステルであった。粘土を含む前記ポリエステル表皮層の外側表面に同じ接着促進材料を下引きした。蛍光増白剤を、ベースポリマーの0.05質量%で層L2に加えた。使用した蛍光増白剤は、Ciba-Geigy製のHostalux KSであった。ルチル型TiO2 を、ベースポリマーの0.5質量%でL2に加えた。このTiO2 タイプはDuPont R104(粒度0.22マイクロメートルのTiO2 )であった。また、シェパード・ブルー(Shepperd blue)色素125Aを、ベースポリマーの0.005質量%で層L2に加えた。表1に、この例で使用した特徴的な配向ポリエステルシートを示す。
露光なしでディスプレイ材料を処理して最低濃度を得た。X-Rite(商標)モデル310写真透過濃度計を使用してディスプレイ支持体のステータスA濃度を求めた。分光透過率を、ステータスA濃度の示度から計算されるもので、入射強度に対する透過強度の比を次式:TRGB=10-D×100(式中、Dは赤、緑及び青のステータスA透過濃度応答の平均値である)のように百分率で表したものである。光源D6500を用いるSpectrogard(商標)分光光度計、CIEシステムを使用して、ディスプレイ材料のL* 、a*及びb*も求めた。透過モードで、照明用バックライトが透けて見える量について定性的に評価した。かなりの量のランプが透けて見えるのは、裏側の照明用光源が画質を損なうために、望ましくないと見なされるであろう。本発明と対照標準の比較データを下記表4に示す。
上部側及び底部側にこの例の感光性ハロゲン化銀コーティングフォーマットがコートされた反射型/透過型ディスプレイ支持体は、反射型ディスプレイ材料及び透過型ディスプレイ材料の両方の機能を発揮することのできる写真ディスプレイ材料に必要な特性の全てを示す。さらに、この例の反射型/透過型写真ディスプレイ材料は、従来技術の写真ディスプレイ材料を凌駕する多くの利点を有する。Na Cloisite粘土を含む層は、従来技術の反射型ディスプレイ材料又は従来技術の透過型ディスプレイ材料と比較して改良された最低濃度位置を与えるように調節された所定レベルのTiO2及び着色剤を有する。そのため、本発明は、処理された乳剤層の固有の黄色度を打ち消すことができた(本発明のb*は−3.15であったのに対して、従来技術の透過型材料の典型的なb*は7.0であった)。透過モードでは、照明用バックライトは透けて見えなかった。このことは許容可能な透過型の製品であることを示している。
本発明での透過率(%)(58%)では、許容可能な反射画像が与えられるとともに、許容可能な透過画像を与えるのに充分な光が支持体を透過できる。透過型材料及び反射型材料の両方の機能を発揮するディスプレイ材料は、ディスプレイ材料の品質がライティング因子に対してロバストであるために、かなりの商業的価値を有する。さらに、Na Cloisite粘土を含む層は、高度の周囲光拡散をもたらし、表側ハロゲン化銀形成画像を、裏側ハロゲン化銀形成画像と視覚的に分離することができ、後方照明なしに画像を観察することができると同時に、照明光源が画像を通して透けて見えることなくデュープリタイズド画像(duplitized image)を透過光が通り抜けることができる。さらに、本発明の材料の58%の光透過率は、従来技術の有機粒子ボイド化支持体と比較して裏側画像の良好な露光を可能にする。裏側画像の良好な露光は、透過で良好な画像濃度を有するとともに、有機粒子ボイド化支持体と比較して上部画像に対して好ましいより低い濃度の画像を有するディスプレイをもたらす。
表5に示すように、考えられるコーティング2−1〜2−6を作製した。
当該技術分野に周知の方法によって調製した以下の層処方を以下の例において使用した。すべての材料のレイダウンはg/m2 単位で表す。
BL−1:青感性層
ゼラチン 1.184
青感性銀 0.280
Y−1(351HSR) 0.452
ST−1(ST112HBI) 0.078
ST−2(ST112BS) 0.026
ジウンデシルフタレート(DUP) 0.198
BL−2:青感性層
ゼラチン 1.306
青感性銀 0.350
Y−1(351HSR) 0.452
ST−1(ST112HBI) 0.078
ST−2(ST112BS) 0.026
ジウンデシルフタレート(DUP) 0.198
BL−3:青感性層
ゼラチン 1.629
青感性銀 0.322
Y−2(351HOY) 0.484
ST−3(ST112CF) 0.255
トリブチルシトレート(TBC) 0.141
ポリ(N−tert−ブチルアクリルアミド)(VB) 0.484
SY−1:エンハンサー層
ゼラチン 0.323
Y−1(351HSR) 0.194
ST−1(ST112HBI) 0.033
ST−2(ST112BS) 0.011
ジウンデシルフタレート(DUP) 0.085
ゼラチン 1.184
青感性銀 0.280
Y−1(351HSR) 0.452
ST−1(ST112HBI) 0.078
ST−2(ST112BS) 0.026
ジウンデシルフタレート(DUP) 0.198
BL−2:青感性層
ゼラチン 1.306
青感性銀 0.350
Y−1(351HSR) 0.452
ST−1(ST112HBI) 0.078
ST−2(ST112BS) 0.026
ジウンデシルフタレート(DUP) 0.198
BL−3:青感性層
ゼラチン 1.629
青感性銀 0.322
Y−2(351HOY) 0.484
ST−3(ST112CF) 0.255
トリブチルシトレート(TBC) 0.141
ポリ(N−tert−ブチルアクリルアミド)(VB) 0.484
SY−1:エンハンサー層
ゼラチン 0.323
Y−1(351HSR) 0.194
ST−1(ST112HBI) 0.033
ST−2(ST112BS) 0.011
ジウンデシルフタレート(DUP) 0.085
IL−1:中間層
ゼラチン 0.753
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.066
ジブチルフタレート(KS−2) 0.188
4,5-ジヒドロキシ-m-ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム塩(CDS) 0.065
Irganox 1076(商標) 0.010
GL−1:緑感性層
ゼラチン 1.340
緑感性銀 0.104
M−1(224AUE) 0.225
ジブチルフタレート(KS−2) 0.080
ST−4(ST122M) 0.061
ST−5(ST124AB) 0.171
ST−6(ST124AW) 0.571
GL−2:緑感性層
ゼラチン 1.340
緑感性銀 0.130
M−1(224AUE) 0.225
ジブチルフタレート(KS−2) 0.080
ST−4(ST122M) 0.061
ST−5(ST124AB) 0.171
ST−6(ST124AW) 0.571
UV IL−1:UV中間層
ゼラチン 0.712
UV−1(Tinuvin 326) 0.030
UV−2(Tinuvin 328) 0.172
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.055
ジブチルフタレート(KS−2) 0.034
1,4-シクロヘキシレンジメチレンビス(2-エチルヘキサノエート)(KSA-61) 0.034
ゼラチン 0.753
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.066
ジブチルフタレート(KS−2) 0.188
4,5-ジヒドロキシ-m-ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム塩(CDS) 0.065
Irganox 1076(商標) 0.010
GL−1:緑感性層
ゼラチン 1.340
緑感性銀 0.104
M−1(224AUE) 0.225
ジブチルフタレート(KS−2) 0.080
ST−4(ST122M) 0.061
ST−5(ST124AB) 0.171
ST−6(ST124AW) 0.571
GL−2:緑感性層
ゼラチン 1.340
緑感性銀 0.130
M−1(224AUE) 0.225
ジブチルフタレート(KS−2) 0.080
ST−4(ST122M) 0.061
ST−5(ST124AB) 0.171
ST−6(ST124AW) 0.571
UV IL−1:UV中間層
ゼラチン 0.712
UV−1(Tinuvin 326) 0.030
UV−2(Tinuvin 328) 0.172
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.055
ジブチルフタレート(KS−2) 0.034
1,4-シクロヘキシレンジメチレンビス(2-エチルヘキサノエート)(KSA-61) 0.034
RL−1:赤感性層
ゼラチン 1.338
赤感性銀 0.211
C−1(80ACQ) 0.381
ジブチルフタレート(KS−2) 0.373
UV−2(Tinuvin 328) 0.246
2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセテート(KSA−48) 0.031
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.003
トリルチオスルホン酸カリウム 0.003
トリルスルフィン酸カリウム 0.0003
RL−2:赤感性層
ゼラチン 1.338
赤感性銀 0.264
C−1(80ACQ) 0.381
ジブチルフタレート(KS−2) 0.373
UV−2(Tinuvin 328) 0.246
2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセテート(KSA−48) 0.033
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.003
トリルチオスルホン酸カリウム 0.003
トリルスルフィン酸カリウム 0.0003
UV−1:UVオーバーコート
ゼラチン 0.537
UV−1(Tinuvin 326) 0.023
UV−2(Tinuvin 328) 0.130
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.042
ジブチルフタレート(KS−2) 0.025
1,4-シクロヘキシレンジメチレンビス(2-エチルヘキサノエート)(KSA-61) 0.025
ゼラチン 1.338
赤感性銀 0.211
C−1(80ACQ) 0.381
ジブチルフタレート(KS−2) 0.373
UV−2(Tinuvin 328) 0.246
2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセテート(KSA−48) 0.031
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.003
トリルチオスルホン酸カリウム 0.003
トリルスルフィン酸カリウム 0.0003
RL−2:赤感性層
ゼラチン 1.338
赤感性銀 0.264
C−1(80ACQ) 0.381
ジブチルフタレート(KS−2) 0.373
UV−2(Tinuvin 328) 0.246
2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセテート(KSA−48) 0.033
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.003
トリルチオスルホン酸カリウム 0.003
トリルスルフィン酸カリウム 0.0003
UV−1:UVオーバーコート
ゼラチン 0.537
UV−1(Tinuvin 326) 0.023
UV−2(Tinuvin 328) 0.130
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.042
ジブチルフタレート(KS−2) 0.025
1,4-シクロヘキシレンジメチレンビス(2-エチルヘキサノエート)(KSA-61) 0.025
TEL−1:色調向上層
ゼラチン 0.537
UV−1(Tinuvin 326) 0.023
UV−2(Tinuvin 328) 0.130
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.066
二酸化チタン 0.269
ジブチルフタレート(KS−2) 0.025
1,4-シクロヘキシレンジメチレンビス(2-エチルヘキサノエート)(KSA-61) 0.025
TEL−2:色調向上層
ゼラチン 0.537
UV−1(Tinuvin 326) 0.023
UV−2(Tinuvin 328) 0.130
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.042
二酸化チタン 0.538
ジブチルフタレート(KS−2) 0.025
1,4-シクロヘキシレンジメチレンビス(2-エチルヘキサノエート)(KSA-61) 0.025
TEL−3:色調向上層
ゼラチン 0.537
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.042
二酸化チタン 0.538
ジブチルフタレート 0.120
Irganox 1076(商標) 0.006
ゼラチン 0.537
UV−1(Tinuvin 326) 0.023
UV−2(Tinuvin 328) 0.130
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.066
二酸化チタン 0.269
ジブチルフタレート(KS−2) 0.025
1,4-シクロヘキシレンジメチレンビス(2-エチルヘキサノエート)(KSA-61) 0.025
TEL−2:色調向上層
ゼラチン 0.537
UV−1(Tinuvin 326) 0.023
UV−2(Tinuvin 328) 0.130
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.042
二酸化チタン 0.538
ジブチルフタレート(KS−2) 0.025
1,4-シクロヘキシレンジメチレンビス(2-エチルヘキサノエート)(KSA-61) 0.025
TEL−3:色調向上層
ゼラチン 0.537
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.042
二酸化チタン 0.538
ジブチルフタレート 0.120
Irganox 1076(商標) 0.006
SOC−1:SOC
ゼラチン 1.076
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.013
ジブチルフタレート(KS−2) 0.039
SF−1(Alkanol XC) 0.009
SF−2 0.004
ポリスチレン艶消しビーズ(平均直径2.5μm) 0.013
Dye−1 0.011
Dye−2 0.004
Dye−3 0.009
SOC−2:SOC
ゼラチン 1.076
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.013
ジブチルフタレート(KS−2) 0.039
SF−1(Alkanol XC) 0.009
SF−2 0.004
ポリスチレン艶消しビーズ(平均直径2.5μm) 0.125
SOC−3:SOC
ゼラチン 1.076
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.013
ジブチルフタレート(KS−2) 0.039
SF−1(Alkanol XC) 0.009
SF−2 0.004
ポリスチレン艶消しビーズ(平均直径2.5μm) 0.125
Dye−4 0.054
Dye−5 0.108
ゼラチン 1.076
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.013
ジブチルフタレート(KS−2) 0.039
SF−1(Alkanol XC) 0.009
SF−2 0.004
ポリスチレン艶消しビーズ(平均直径2.5μm) 0.013
Dye−1 0.011
Dye−2 0.004
Dye−3 0.009
SOC−2:SOC
ゼラチン 1.076
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.013
ジブチルフタレート(KS−2) 0.039
SF−1(Alkanol XC) 0.009
SF−2 0.004
ポリスチレン艶消しビーズ(平均直径2.5μm) 0.125
SOC−3:SOC
ゼラチン 1.076
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.013
ジブチルフタレート(KS−2) 0.039
SF−1(Alkanol XC) 0.009
SF−2 0.004
ポリスチレン艶消しビーズ(平均直径2.5μm) 0.125
Dye−4 0.054
Dye−5 0.108
SOC−4:SOC
ゼラチン 1.076
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.013
ジブチルフタレート(KS−2) 0.039
SF−1(Alkanol XC) 0.009
SF−2 0.004
ポリスチレン艶消しビーズ(平均直径2.5μm) 0.125
二酸化チタン 1.076
SOC−5:SOC
ゼラチン 1.076
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.013
ジブチルフタレート(KS−2) 0.039
SF−1(Alkanol XC) 0.009
SF−2 0.004
ポリスチレン艶消しビーズ(平均直径2.5μm) 0.125
Dye−4 0.054
Dye−5 0.108
ゼラチン 1.076
2,5-ジ-tert-オクチルヒドロキノン 0.013
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SF−1(Alkanol XC) 0.009
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ポリスチレン艶消しビーズ(平均直径2.5μm) 0.125
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SOC−5:SOC
ゼラチン 1.076
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SF−2 0.004
ポリスチレン艶消しビーズ(平均直径2.5μm) 0.125
Dye−4 0.054
Dye−5 0.108
従来技術のコーティング構造体2−1は不適当であることが判った。なぜなら、写真媒体後方の光沢のあるプラテンによるなどの理由で後方散乱が制御されていない装置内で露光された場合に不均一な濃度(写真プリンター中のプリントプラテンの領域に対応する0.7の濃度変化)が得られたからである。プリントプラテンの領域に対応する不均一な濃度を減少させるために、この構造体にハレーション防止層を加えた(例2−2)場合に、上部スケール濃度が大きく減少した。色調向上層のみの添加(例2−3)は、より高い上部スケール濃度をもたらし(2−3参照)、それによってかなり改良された透過画像品質が得られた。ハレーション防止層と組み合わせて色調向上層を使用することは、プリンターの設計に原因がある可能性のある後方散乱又は摩耗に関わらず、上部スケール濃度を回復し、画像プリンティング中のロバストさをもたらす手段を提供する。
ハロゲン化銀色調向上層及びハレーション防止層との組み合わせで粘土層を含むポリエステルベースは、従来技術のボイド化ポリオレフィン支持体と比較して両面塗布される支持体を通してバックライト源が見えることなしに、表側画像の良好な照明を可能にする。さらに、粘土層を含むポリエステルベースは、ボイド化ポリオレフィンシートと比較して裏側画像の露光により多くの露光エネルギーを利用でき、裏側画像に対してより高い濃度を現像することができる(本発明と対照の透過率の差7%は、裏側濃度で0.3の増加をもたらした)。より高い裏側濃度は、透過式でより高い品質の画像を生じる。粘土拡散層は、レーザー露光エネルギーを散乱しないことも明らかとなり、上部及び底部画像を同時に露光でき、裏に対して表を見当合わせすることができ、これはTiO2 等の無機光拡散体と比較して粘土拡散体の独特な利点である。
最後に、両面塗布される感光性ハロゲン化銀コーティングのために、本発明は、45秒間の現像時間を要し、これに対して、従来技術の材料は、上側にだけ高被覆量を用いるため、従来技術の透過型ディスプレイ材料の場合には現像時間は110秒間である。45秒間の現像時間は、本発明のディスプレイ材料が、高価な処理装置の生産性を高めることができるという点で顕著な商業的価値を有する。
本発明の他の態様
本発明はさらなる態様を含む。1つのさらなる態様において、両面塗布される画像形成層は支持体の上面に上部画像形成層と支持体の底面に底部画像形成層を含む。別の態様において、無機粒子とポリマー樹脂マトリックスを含む層は少なくとも1つのシートを成す。別の態様において、無機粒子とポリマー樹脂マトリックスを含む層は押出被覆層を成す。別の態様において、無機粒子は、有機変性無機粒子を含み、膨張した粒子を含む有機変性無機粒子を特に特徴とする。別の態様において、膨張した粒子は膨潤又はインターカレートされたものである。別の態様において、無機粒子は、無機粒子と樹脂を含む層の2〜15質量部を成す。別のより好ましい態様において、無機粒子は、無機粒子と樹脂を含む層の5〜10質量部を成す。別の態様において、無機粒子と樹脂を含む層は、ポリエステル樹脂を含む。別の態様において、支持体は1つの層からなる。別の態様において、樹脂は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン及びポリウレタンからなる群から選ばれる。本発明の他の態様において、画像層は、感光性ハロゲン化銀、インクジェット受容材料、又は感熱色素受容材料を含む少なくとも1つの層を含む。別の態様において、無機粒子は、層状物質を含む。別の態様において、層状物質は粘土粒子を含む。別の態様において、粘土粒子は、スメクタイト、特にモンモリロナイトを含む。別の態様において、無機粒子はハイドロタルサイトを含む。別の態様において、無機粒子はマイカを含む。さらに別の態様において、層状物質は、Agドープ五酸化バナジウムを含む。さらに別の態様において、層状物質は非粘土を含む。別の態様において、層状物質は、FeCl3、FeOCl、TiS2、MoS2、MoS3、Ni(CN)2、H2Si2O5 、V6O13、HTiNbO5、Cr0.5V0.5S2、V2O5、W0.2V2.8O7 、Cr3O8、MoO3(OH)2、VOPO4・2H2O、CaPO4CH3・H2O、MnHAsO4・H2O又はAg6Mo10O33を含む。別の態様において、画像形成要素は、光透過率30〜70%のトランスパレンシーを成す。別の態様において、画像形成要素は、光透過率45〜55%のトランスパレンシーを成す。別の態様において、支持体は、反射及び透過の両方で観察される。別の態様において、画像形成要素は、画像形成層と支持体の間に少なくとも1つの表皮層をさらに含む。別の態様において、画像形成要素は、画像形成層と支持体の間に接着剤層をさらに含む。別の態様において、画像形成要素は、色調向上層をさらに含む。別の態様において、画像形成要素はハレーション防止層をさらに含む。
本発明はさらなる態様を含む。1つのさらなる態様において、両面塗布される画像形成層は支持体の上面に上部画像形成層と支持体の底面に底部画像形成層を含む。別の態様において、無機粒子とポリマー樹脂マトリックスを含む層は少なくとも1つのシートを成す。別の態様において、無機粒子とポリマー樹脂マトリックスを含む層は押出被覆層を成す。別の態様において、無機粒子は、有機変性無機粒子を含み、膨張した粒子を含む有機変性無機粒子を特に特徴とする。別の態様において、膨張した粒子は膨潤又はインターカレートされたものである。別の態様において、無機粒子は、無機粒子と樹脂を含む層の2〜15質量部を成す。別のより好ましい態様において、無機粒子は、無機粒子と樹脂を含む層の5〜10質量部を成す。別の態様において、無機粒子と樹脂を含む層は、ポリエステル樹脂を含む。別の態様において、支持体は1つの層からなる。別の態様において、樹脂は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン及びポリウレタンからなる群から選ばれる。本発明の他の態様において、画像層は、感光性ハロゲン化銀、インクジェット受容材料、又は感熱色素受容材料を含む少なくとも1つの層を含む。別の態様において、無機粒子は、層状物質を含む。別の態様において、層状物質は粘土粒子を含む。別の態様において、粘土粒子は、スメクタイト、特にモンモリロナイトを含む。別の態様において、無機粒子はハイドロタルサイトを含む。別の態様において、無機粒子はマイカを含む。さらに別の態様において、層状物質は、Agドープ五酸化バナジウムを含む。さらに別の態様において、層状物質は非粘土を含む。別の態様において、層状物質は、FeCl3、FeOCl、TiS2、MoS2、MoS3、Ni(CN)2、H2Si2O5 、V6O13、HTiNbO5、Cr0.5V0.5S2、V2O5、W0.2V2.8O7 、Cr3O8、MoO3(OH)2、VOPO4・2H2O、CaPO4CH3・H2O、MnHAsO4・H2O又はAg6Mo10O33を含む。別の態様において、画像形成要素は、光透過率30〜70%のトランスパレンシーを成す。別の態様において、画像形成要素は、光透過率45〜55%のトランスパレンシーを成す。別の態様において、支持体は、反射及び透過の両方で観察される。別の態様において、画像形成要素は、画像形成層と支持体の間に少なくとも1つの表皮層をさらに含む。別の態様において、画像形成要素は、画像形成層と支持体の間に接着剤層をさらに含む。別の態様において、画像形成要素は、色調向上層をさらに含む。別の態様において、画像形成要素はハレーション防止層をさらに含む。
Claims (2)
- 少なくとも1つの両面塗布される画像形成層及び非ボイド化支持体を含んで成る画像形成要素であって、前記非ボイド化支持体が、ポリマー樹脂マトリックスと、少なくとも10:1のアスペクト比、0.01μm〜5μmの横方向寸法及び0.5nm〜10nmの垂直方向寸法を有する無機粒子を含む少なくとも1つの層を含み、前記非ボイド化支持体が上面及び底面を含む画像形成要素。
- 前記無機粒子が膨張した粒子を含む請求項1記載の画像形成要素。
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