JP2004133277A - フォトニック結晶ファイバの接続方法、及びフォトニック結晶ファイバの接続構造 - Google Patents
フォトニック結晶ファイバの接続方法、及びフォトニック結晶ファイバの接続構造 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】フォトニック結晶ファイバ1の接続端面13における各細孔8aの開口を閉塞剤10で塞いだ上で、屈折率整合剤が充填されたメカニカルスプライス2,9を用いて一対のファイバ1,1の接続端面13同士を突き合わせて接続する。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フォトニック結晶ファイバの接続方法及びその接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光ファイバの端面同士を突き合わせて接続する方法として、メカニカルスプライスを用いた方法が知られている。このメカニカルスプライスとして、裸ファイバが内挿されるV溝が形成された基板と、この基板に重ね合わされる押さえ部材と、この重ね合わされた基板と押さえ部材とを挟持するコ字状のクランプ部材とからなるものが知られている(例えば特許文献1参照)。このものでは、V溝の両側それぞれから裸ファイバを挿入してその接続端面同士を突き合わし、この状態で基板と押さえ部材と重ね合わせて、これらをクランプ部材により挟持することで、一対の光ファイバの接続を行うようにしている。
【0003】
また、これとは異なるメカニカルスプライスとして、ガラス製の細管(キャピラリ)からなるものが知られており、このものでは、上記キャピラリの両端開口のそれぞれから裸ファイバを挿入して、キャピラリ内部でこれらの端面同士を突き合せて接続するようにしている。
【0004】
上記いずれのメカニカルスプライスにおいても、光ファイバの接続端面同士が突き合わされる突き合せ部分には、接続端面での反射に起因する接続損失を低減するために、コア部の屈折率と略同じ屈折率を有する屈折率整合剤(マッチングオイル)を充填している。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−318836号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記光ファイバはコア部及びクラッド部を有するものであるが、これとは異なるファイバとして、ファイバ中心に中実に形成されたコア部と、このコア部を囲むように設けられかつコア部に沿って延びる多数の細孔を有する多孔部とを備えたフォトニック結晶ファイバが知られている。
【0007】
このものは、多孔部で囲われたコア部に光を閉じ込めて伝送するものであるが、細孔の大きさやその間隔を異ならせる等して、光の波長分散を自由に制御可能であることから、従来の光ファイバでは実現できなった新しい波長域での通信が可能であり、通信の高速化とコストダウンとが期待されている。
【0008】
このフォトニック結晶ファイバ同士、又はフォトニック結晶ファイバと光ファイバとを上記メカニカルスプライスによって接続しようとすると、フォトニック結晶ファイバの端面における各細孔の開口からその内部にマッチングオイルが入り込んでしまうことになる。このマッチングオイルはコア部と略同じ屈折率を有するため、細孔内にマッチングオイルが入り込んでしまうとコア部内を伝播している信号光が径方向に漏れ出してしまい、その結果、ファイバの接続部分で大きな損失が発生することになる。また、上記マッチングオイルが、各細孔内を長手方向に流れてしまうと、ファイバの接続部分以外でも信号光の漏れが生じることになり、伝送損失の劣化を招く虞がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、メカニカルスプライスによりフォトニック結晶ファイバを接続する際に、接続損失が増大してしまうことを防止することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、フォトニック結晶ファイバの接続端面における各細孔の開口を閉塞剤で塞ぐこととした。
【0011】
具体的に、第1の発明は、少なくとも一方のファイバが、ファイバ中心をなしかつ中実に形成されたコア部と、該コア部を囲うように設けられかつ該コア部に沿って延びる多数の細孔を有する多孔部とを備えたフォトニック結晶ファイバである一対のファイバ同士を、メカニカルスプライスを用いて互いに接続するフォトニック結晶ファイバの接続方法に係る。
【0012】
そして、第1の発明に係る接続方法では、上記メカニカルスプライスを、ファイバの接続端面同士が突き合わされる突き合せ部分に屈折率整合剤が充填されたものとして、上記フォトニック結晶ファイバの接続端面における各細孔の開口を閉塞剤で塞く閉塞工程と、上記閉塞工程後に、上記メカニカルスプライスを用いて上記一対のファイバの接続端面同士を突き合わせて接続する接続工程とを含む。
【0013】
この構成によると、フォトニック結晶ファイバ同士、又はフォトニック結晶ファイバと光ファイバとの接続を行う際には、先ず閉塞工程で、フォトニック結晶ファイバの接続端面における各細孔の開口を閉塞剤で塞ぐ。
【0014】
こうした上で、メカニカルスプライスを用いて一対のファイバの接続端面同士を突き合わせて接続する。
【0015】
ここで、メカニカルスプライスは、上述したように、V溝が形成された基板と押さえ部材とクランプ部材とからなるものであってもよいし、キャピラリからなるものであってもよいが、ファイバの端面同士が突き合わされる突き合せ部分に屈折率整合剤が充填されたものとする。
【0016】
このようにメカニカルスプライスの突き合せ部分には、屈折率整合剤が充填されているものの、フォトニック結晶ファイバの各細孔は、その開口が閉塞剤で塞がれているため、上記屈折率整合剤が細孔内に入り込むことが防止される。こうして、フォトニック結晶ファイバをメカニカルスプライスを用いて接続する場合でも、接続損失の増大が防止される。
【0017】
ここで、上記閉塞工程は、閉塞剤としての樹脂を、フォトニック結晶ファイバの各細孔の先端開口からその長手方向に充填する充填工程と、上記各細孔内に充填した樹脂を硬化させる硬化工程と、上記硬化工程後に、上記フォトニック結晶ファイバ端部の閉塞剤が充填されている範囲において該ファイバの先端部を切除することにより、上記フォトニック結晶ファイバの接続端面を形成する切除工程とを含むようにすればよい。
【0018】
この構成によると、細孔内に閉塞剤としての樹脂を充填した後に、ファイバの先端部を切除してフォトニック結晶ファイバの接続端面を形成するため、そのコア部の端面(接続端面)に閉塞剤が付着することが防止されると共に、各細孔の開口を閉塞剤で確実に閉塞することが可能になる。つまり、フォトニック結晶ファイバの接続端面の形成を容易に行い得る。
【0019】
また、上記切除工程では、フォトニック結晶ファイバの接続端面から閉塞剤が充填されている範囲の長手方向の長さが10mm以下となるように、上記ファイバの先端部を切除することが好ましい。
【0020】
これは、通常は、各細孔内には空気が入っているためその屈折率は1であるのに対し、閉塞剤の屈折率は1よりも高くなることから、ファイバ長手方向の広い範囲に亘って細孔内に閉塞剤を充填したときには、その範囲の細孔内の屈折率が他の部分と異なることで信号孔の伝播に悪影響を及ぼす虞があるためである。そこで、こうした悪影響を低減するため、フォトニック結晶ファイバの接続端面から閉塞剤が充填されている範囲の長手方向の長さが10mm以下となるようにすることが好ましい。尚、閉塞剤が充填されている範囲の長手方向の長さは、フォトニック結晶ファイバの構造に応じて適宜設定すればよい。
【0021】
上記閉塞剤としては、フォトニック結晶ファイバのコア部の屈折率よりも低い屈折率を有する樹脂を用いることが好ましい。
【0022】
これは閉塞剤の屈折率がコア部の屈折率以上であると、閉塞剤により各細孔の開口を閉塞したときに、コア部を伝播する信号光が径方向に漏れ出して、フォトニック結晶ファイバの光学特性に影響を及ぼすことになるためである。
【0023】
また、閉塞剤としては、紫外線硬化型樹脂を用いるのがよい。こうすることで、上述した硬化工程においては、フォトニック結晶ファイバの外部から紫外線を照射することだけで、各細孔内に充填した樹脂を短時間で容易に硬化させることができ、作業性の向上が図られる。
【0024】
尚、閉塞剤としては、紫外線硬化型樹脂に限らず、例えば熱硬化型樹脂や、熱可塑性樹脂等を用いることも可能である。
【0025】
第2の発明は、少なくとも一方のファイバが、ファイバ中心をなしかつ中実に形成されたコア部と、該コア部を囲うように設けられかつ該コア部に沿って延びる多数の細孔を有する多孔部とを備えたフォトニック結晶ファイバである一対のファイバ同士が、メカニカルスプライスにより互いに接続されたフォトニック結晶ファイバの接続構造に係る。
【0026】
そして、第2の発明に係るフォトニック結晶ファイバの接続構造は、上記メカニカルスプライスにおいてファイバの接続端面同士が突き合わされる突き合せ部分に、屈折率整合剤を充填し、上記フォトニック結晶ファイバの接続端面における各細孔の開口を、閉塞剤で閉塞するものである。
【0027】
こうすることで、上述したように、フォトニック結晶ファイバの接続端面における各細孔の開口が閉塞剤で閉塞されているため、メカニカルスプライスの突き合せ部分に屈折率整合剤が充填されていても、この屈折率整合剤は細孔内に入り込むことがなく、このため、接続損失の増大が防止されたフォトニック結晶ファイバの接続構造が実現する。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、フォトニック結晶ファイバの接続端面における各細孔の開口を閉塞剤で閉塞することにより、屈折率整合剤が細孔内に入り込むことが防止され、その結果、メカニカルスプライスによりフォトニック結晶ファイバを接続するときにも、接続損失が増大することを防止することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0030】
(メカニカルスプライスの構成)
図1〜図4は、1対のファイバの接続端面同士を突き合わせて接続するためのメカニカルスプライス2を示していて、このものは、一対のファイバの接続端面同士が突き合わされるV溝31が形成された基板3と、この基板3と重ね合わされる押さえ部材41,42と、重ね合わされた基板3と押さえ部材41,42とを挟持するクランプ部材51,52とから構成されている。
【0031】
上記基板3は例えばプラスチック製等の板材により構成されており、図2に示すように、その幅方向(同図における上下方向)の略中央であって、その長手方向(同図における左右方向)の中央部にはV溝31が設けられ、その長手方向の両端部それぞれにはガイド溝33が設けられ、この各ガイド溝33とV溝31との間には各ガイド溝33とV溝31とを連通させる固定溝32が設けられている。
【0032】
上記V溝31は、ファイバ1の樹脂被覆が除去された裸ファイバ11が内挿されるものであり、図4に示すように、裸ファイバ11の径よりも僅かに大きい溝幅を有するV字状に形成されている。
【0033】
上記ガイド溝33は、上記裸ファイバ11を上記V溝31内に挿入する際の案内をするものであり、その長手方向の端部に向かって径が拡大するテーパ状に形成されている。
【0034】
上記固定溝32は、ファイバ1において、裸ファイバ11に隣接して樹脂被覆が残された部分(以下これを樹脂被覆部12という)が内挿されるものであり、この樹脂被覆部12よりも僅かに大きい溝幅を有するように構成されている。
【0035】
また、上記基板3における幅方向の両側部には、それぞれ後述する押さえ部材41,42の係合部41a,41c,42aと係合する係合溝34,35が形成されていて、この各係合溝34,35は、長手方向に延びて形成されている。
【0036】
上記押さえ部材41,42は、基板3においてV溝31が設けられた長手方向の中央部で、この基板3に重ね合わされる第1の押さえ部材41と、固定溝32及びガイド溝33が設けられた長手方向の両端部で、基板3に重ね合わされる2つの第2の押さえ部材42とから構成されている。
【0037】
上記第1及び第2の押さえ部材41,42には、その幅方向の両側部それぞれに、上記基板3の係合溝34,35と係合する係合部41a,41c,42a(図1又は図4参照)が設けられていて(尚、第2の押さえ部材42における一方の側の係合部は図示を省略する)、これにより、第1及び第2の押さえ部材41,42を基板3と重ね合わせたときに、両者の位置決めがなされるようにされている。
【0038】
また、上記2つの係合部41a,41c,42aの内の一方の係合部41a,42a(後述するクランプ部材51,52が取り付けられる側とは逆側の係合部)には、その長手方向の所定位置に切り欠き41b,42bが形成されており、これら第1及び第2の押さえ部材41,42を基板3と重ね合わせたときには、これらの切り欠き41b,42bと基板3の係合溝35とによって、後述するくさび6が挿入されるスリット22が形成されるようになっている。
【0039】
また、上記各第2の押さえ部材42には、図1又は図3に示すように、基板3と重ね合わされたときにその基板3のガイド溝33と相対向する部分に、このガイド溝33と同様に、長手方向の端部に向かって径が拡大するテーパ状のガイド溝53が形成されている。これにより、各第2の押さえ部材42を基板3と重ね合わせたときには、相対向する2つのガイド溝33,53によって、メカニカルスプライス2の長手方向両端に開口する挿入孔21が形成されるようになっている。
【0040】
上記クランプ部材51,52は、上記第1の押さえ部材41と基板3とを挟持する第1のクランプ部材51と、各第2の押さえ部材42と基板3とを挟持する2つの第2のクランプ部材52とから構成されている。
【0041】
上記第1及び第2のクランプ部材51,52は、図1、図3又は図4に示すように、それぞれ上記押さえ部材41,42の上面と当接する第1アーム51a,52aと、上記基板3の下面と当接する第2アーム51b(尚、第2のクランプ部材52における第2アームの図示は省略する)と、これら第1及び第2アーム51a,51bの基端同士を互いに連結する連結部51c(尚、第2のクランプ部材52における連結部の図示は省略する)とからなる断面略コ字状に形成されている。そして、重ね合わされた基板3と各押さえ部材41,42とは、各クランプ部材51,52の第1及び第2アーム51a,51b,52aによって挟持されることで、一体化するようになっている。
【0042】
尚、組み立てられた上記メカニカルスプライス2におけるV溝31内には、マッチングオイルが予め充填されるようになっている。つまり、メカニカルスプライス2のV溝31は、後述するように、ファイバの接続端面同士が突き合わされる突き合せ部分となる。
【0043】
このメカニカルスプライス2を用いて一対のファイバ1,1の接続を行うときには、接続をする各ファイバ1,1は、その先端部分の樹脂被覆12を剥がして裸ファイバ11を露出させた状態にする。
【0044】
そして、上記メカニカルスプライス2のの側面に形成された各スリット22にくさび6を挿入するようにし、これにより、クランプ部材51,52の挟持力に抗して基板3と各押さえ部材41,42との間に隙間を設ける(図4の一点鎖線参照)。
【0045】
この状態で、上記一対のファイバ1,1を、上記メカニカルスプライス2の両端に形成された挿入孔21からそれぞれ内部に挿入する。こうすることで、各ファイバ1,1の裸ファイバ11は、メカニカルスプライス2の固定溝32を通過してV溝31内まで挿入され、その接続端面同士がV溝31内の長手方向略中央で付き合わされる。このときには、各ファイバ1,1の樹脂被覆部12は固定溝32内に挿入された状態となる。
【0046】
そして、上記各くさび6を各スリット22から抜くことにより、各クランプ部材51,52によって基板3と各押さえ部材41,42とが挟持され、これにより、一対のファイバ1,1の接続端面同士が突き合わされた状態でこのファイバ1,1が固定され、一対のファイバ1,1の接続が完了する。
【0047】
(フォトニック結晶ファイバの構成)
図5は、フォトニック結晶ファイバ1の端末部を示している。このフォトニック結晶ファイバ1は、石英やプラスチック等により形成されており、ファイバ中心をなすコア部71と、そのコア部71を囲うように設けられた多孔部8と、多孔部8を囲うように設けられた被覆部72と、を備えている。
【0048】
上記コア部71は中実に形成されており、信号光は、このコア部71を長手方向に伝播するようにされている。このコア部71には、ゲルマニウム(Ge)等の機能性物質をドープするようにしてもよい。
【0049】
多孔部8は、上記コア部71の周囲で、このコア部71に沿って延びる複数の細孔8aが形成されており、この複数の細孔8aがファイバ横断面において三角格子を構成するように配設されることで、ファイバ径方向にフォトニック結晶構造を形成している。信号光は、この多孔部8によってコア部71に閉じ込められるようになる。
【0050】
かかるフォトニック結晶ファイバ1は、以下のようにして製造すればよい。すなわち、先ず、円筒状のサポート管と、複数本のキャピラリと、1本の棒状コア部材とを用意する。そして、上記サポート管内に複数本のキャピラリと1本のコア部材とを充填することによって、プリフォームを作製する。このとき、コア部材はサポート管の中心軸位置に配置されるようにする。
【0051】
次いで、上記のプリフォームを線引き機にセットし、それを高温に加熱すると共に高速で延伸して細径化(ファイバ化)する。また、線引きの際には、線引きされたフォトニック結晶ファイバ(裸ファイバ11)に樹脂による被覆が施される。
【0052】
(ファイバ接続の手順)
次に、上記メカニカルスプライス2により一対のフォトニック結晶ファイバ1を接続する手順について説明する。このときには、上記フォトニック結晶ファイバ1の接続端面13における各細孔8aの開口を閉塞剤10で閉塞した上で、接続を行うようにする。
【0053】
具体的にフォトニック結晶ファイバ1の端末処理の手順は、図6に示すように、先ず、フォトニック結晶ファイバ1の先端部分の樹脂被覆を剥がし、裸ファイバ11を露出させる(同図の(a)参照)。そして、その各細孔8aの先端開口から長手方向に閉塞剤としての樹脂10を充填する。この樹脂10は例えば紫外線硬化型樹脂を用いればよいが、紫外線硬化型樹脂に限らず、例えば熱硬化型樹脂や、熱可塑性樹脂を用いてもよい。さらに、上記樹脂の屈折率はコア部71の屈折率よりも低いものが好ましい。
【0054】
次いで、上記裸ファイバ11に対して紫外線を照射し、これにより、各細孔8a内に充填した樹脂10を硬化させる(同図の(b)参照)。
【0055】
そして、裸ファイバ11の樹脂10が充填されている範囲においてその先端部を切除することにより、フォトニック結晶ファイバ1の接続端面13を形成する(同図の(c)参照)。
【0056】
こうして、各フォトニック結晶ファイバ1の接続端面13における各細孔8aの開口を樹脂10で閉塞した後は、上述した手順でメカニカルスプライス2により一対のフォトニック結晶ファイバ1,1の接続を行う。
【0057】
このように本実施形態では、メカニカルスプライス2のV溝31には、マッチングオイルが充填されているが、フォトニック結晶ファイバ1の接続端面13における各細孔8aの開口は樹脂10により閉塞されているため、上記マッチングオイルが細孔8a内に入り込むことが防止される。また、細孔8aの開口を閉塞する樹脂10がコア部71の屈折率(純粋石英であれば1.452)よりも低い屈折率を有することで、コア部71内を伝播する信号光がその径方向に漏れ出すことが抑制される。その結果、接続損失の低下を防止することができる。また、各細孔8aの開口を閉塞することで、例えばこの細孔8a内に水分等が入り込むことも防止することが可能となり、伝送損失の低下を防止することができる。
【0058】
ここで、フォトニック結晶ファイバ1の接続端面13から樹脂10が充填されている範囲の長手方向の長さL(図6(c)参照)は10mm以下とすることが好ましい。ファイバ長手方向の広い範囲に亘って細孔8a内に樹脂10を充填したときにはその範囲の細孔8a内の屈折率が他の部分と異なることで信号孔の伝播に悪影響を及ぼす虞があるところを、上記長さLを10mm以下とすることで、こうした悪影響を防止することができる。これは、樹脂10が充填されたファイバ先端部を切除する際に、その切除位置を調整することにより容易に行い得る。
【0059】
また、フォトニック結晶ファイバ1の各細孔8aに樹脂10を充填した後に、その先端部を切除するため、ファイバ1の接続端面13におけるコア部71の端面に樹脂10が付着することが防止されると共に、各細孔8aの開口が樹脂10で確実に閉塞されるようになり、ファイバ1の接続端面13を容易に形成することが可能になる。
【0060】
尚、上記実施形態では、メカニカルスプライス2を、V溝31が形成された基板3と、押さえ部材41,42と、クランプ部材51,52とからなるものとしたが、本発明はこれに限らず、例えば図7に示すように、キャピラリ9からなるメカニカルスプライスにより一対のフォトニック結晶ファイバ1,1を接続するときにも適用可能である。
【0061】
つまり、上記キャピラリ9は例えばガラス製であり、その孔91は、裸ファイバ11の径よりも僅かに大きくされていると共に、長手方向両端部においては、その端部に向かって径が拡大するテーパ部92とされている。そして、上記キャピラリ9の孔91が、ファイバ1の接続端面13同士が突き合わされる突き合せ部分であり、ここには、マッチングオイルが予め充填されている。
【0062】
そして、このキャピラリ9により一対のフォトニック結晶ファイバ1,1を接続するときには、上述したように、フォトニック結晶ファイバ1の先端部分の樹脂被覆を剥がし、裸ファイバ11を露出させて、その各細孔8aの先端開口から長手方向に樹脂10を充填する。そして、各細孔8a内に充填した樹脂10を硬化させた上で、ファイバ端部の樹脂10が充填されている範囲においてその先端部を切除することにより、フォトニック結晶ファイバ1の接続端面13を形成する(図6参照)。
【0063】
こうして、接続端面13における各細孔8aの開口が樹脂10で閉塞されたフォトニック結晶ファイバ1を、上記キャピラリ9の両端開口からその内部にそれぞれ挿入し、ファイバ1の接続端面13同士を、上記キャピラリ9の略中央位置で突き合わせる。この状態で、上記各ファイバ1,1の樹脂被覆部12を例えば紫外線硬化型接着剤等により接着固定する。こうして、キャピラリ9を用いたフォトニック結晶ファイバ1の接続が完了する。
【0064】
この場合も、フォトニック結晶ファイバ1の接続端面13における各細孔8aの開口は樹脂10により閉塞されているため、キャピラリ9内に充填されたマッチングオイルが細孔8a内に入り込むことが防止される。その結果、伝送損失の低下を防止することができる。
【0065】
尚、上記実施形態では、フォトニック結晶ファイバ1同士を接続する場合について説明したが、本発明はフォトニック結晶ファイバ1とコア部とクラッド部とを有する光ファイバとを接続する場合にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】メカニカルスプライスを示す斜視図である。
【図2】メカニカルスプライスの基板を示す平面図である。
【図3】図1のA−A断面を示す断面図である。
【図4】図1のB−B断面を示す断面図である。
【図5】フォトニック結晶ファイバの端面を示す斜視図である。
【図6】フォトニック結晶ファイバの端末処理の手順を示す説明図である。
【図7】図1とは異なるメカニカルスプライスを示す図3対応図である。
【符号の説明】
1 フォトニック結晶ファイバ
10 閉塞剤
13 接続端面
2,9 メカニカルスプライス
31 V溝(突き合せ部分)
71 コア部
8 多孔部
8a 細孔
91 孔(突き合せ部分)
Claims (6)
- 少なくとも一方のファイバが、ファイバ中心をなしかつ中実に形成されたコア部と、該コア部を囲うように設けられかつ該コア部に沿って延びる多数の細孔を有する多孔部とを備えたフォトニック結晶ファイバである一対のファイバ同士を、メカニカルスプライスを用いて互いに接続するフォトニック結晶ファイバの接続方法であって、
上記メカニカルスプライスは、ファイバの接続端面同士が突き合わされる突き合せ部分に屈折率整合剤が充填されたものであり、
上記フォトニック結晶ファイバの接続端面における各細孔の開口を閉塞剤で塞く閉塞工程と、
上記閉塞工程後に、上記メカニカルスプライスを用いて上記一対のファイバの接続端面同士を突き合わせて接続する接続工程とを含む
ことを特徴とするフォトニック結晶ファイバの接続方法。 - 請求項1において、
閉塞工程は、
閉塞剤としての樹脂を、フォトニック結晶ファイバの各細孔の先端開口からその長手方向に充填する充填工程と、
上記各細孔内に充填した閉塞剤を硬化させる硬化工程と、
上記硬化工程後に、上記フォトニック結晶ファイバ端部の閉塞剤が充填されている範囲において該ファイバの先端部を切除することにより、上記フォトニック結晶ファイバの接続端面を形成する切除工程とを含む
ことを特徴とするフォトニック結晶ファイバの接続方法。 - 請求項2において、
切除工程では、フォトニック結晶ファイバの接続端面から閉塞剤が充填されている範囲の長手方向の長さが10mm以下となるように、上記ファイバの先端部を切除する
ことを特徴とするフォトニック結晶ファイバの接続方法。 - 請求項1において、
閉塞剤として、フォトニック結晶ファイバのコア部の屈折率よりも低い屈折率を有する樹脂を用いる
ことを特徴とするフォトニック結晶ファイバの接続方法。 - 請求項4において、
閉塞剤として、紫外線硬化型樹脂を用いる
ことを特徴とするフォトニック結晶ファイバの接続方法。 - 少なくとも一方のファイバが、ファイバ中心をなしかつ中実に形成されたコア部と、該コア部を囲うように設けられかつ該コア部に沿って延びる多数の細孔を有する多孔部とを備えたフォトニック結晶ファイバである一対のファイバ同士が、メカニカルスプライスにより互いに接続されたフォトニック結晶ファイバの接続構造であって、
上記メカニカルスプライスにおいてファイバの接続端面同士が突き合わされる突き合せ部分には、屈折率整合剤が充填されており、
上記フォトニック結晶ファイバの接続端面における各細孔の開口が、閉塞剤で閉塞されている
ことを特徴とするフォトニック結晶ファイバの接続構造。
Priority Applications (1)
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