JP2005037570A - 光ファイバ接続用アダプタ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】モードフィールド径の異なる2種の光ファイバを高精度に接続することのできる光ファイバ接続用アダプタ及びその製造方法を得る。
【解決手段】光ファイバ接続用アダプタ21は、モードフィールド径の異なる2種の光ファイバ1,3の融着部にTEC処理によってにテーパ部23を形成した後、TEC処理によって外径が痩せた部位の両側にTEC処理の影響を受けずにクラッド外径が一定の部分を残した光ファイバ25を切り出し、この光ファイバ25をキャピラリ27に収容したフェルール28をアダプタ本体29に内蔵する。
【選択図】 図1
【解決手段】光ファイバ接続用アダプタ21は、モードフィールド径の異なる2種の光ファイバ1,3の融着部にTEC処理によってにテーパ部23を形成した後、TEC処理によって外径が痩せた部位の両側にTEC処理の影響を受けずにクラッド外径が一定の部分を残した光ファイバ25を切り出し、この光ファイバ25をキャピラリ27に収容したフェルール28をアダプタ本体29に内蔵する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モードフィールド径の異なる第1光ファイバと第2光ファイバとの接続に使用する光ファイバ接続用アダプタ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5に示すように、モードフィールド径(MFD)の異なる第1光ファイバ1と第2光ファイバ3とを接続する場合、従来より、図6に示すように、小コア径の第2光ファイバ3の端部に対して所謂TEC(Themally Expanded Core)処理を実施して、コア径が徐々に拡径するテーパ部7を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−190030号公報
【0004】
上記のTEC処理とは、光ファイバの端部又は光ファイバ相互の融着部において、そのコアの周辺を加熱することによってドーパントを拡散させて、コア径が徐々に拡径するテーパ部を形成する処理である。
【0005】
なお、図5及び図6において、第1光ファイバ1は、モードフィールド径(コア径)が大きな光ファイバで、端部には、大径のコア1aの周囲のクラッド1bを嵌合保持するキャピラリ11が装着されている。また、第2光ファイバ3は、モードフィールド径(コア径)が小さな光ファイバで、端部には、小径のコア3aの周囲のクラッド3bを嵌合保持するキャピラリ13が装着されている。
それぞれの光ファイバ1,3においては、クラッド1b,3bの外径は等しい。従って、キャピラリ11,13相互は、内径及び外径が等しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようにTEC処理によってテーパ部7を形成した場合、クラッド3bの外径が痩せて、図7に示すようにキャピラリ13との間に隙間sが発生し、この隙間sが軸芯の心出し精度を低下させて、光ファイバ相互の接続部における伝送損失が大きくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、モードフィールド径の異なる2種の光ファイバを、軸芯の心出し精度の低下等による伝送損失の増加を招くことなく、簡単に、且つ、安価に接続することのできる光ファイバ接続用アダプタ及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る光ファイバ接続用アダプタは、請求項1に記載したように、モードフィールド径の異なる少なくとも2種類の光ファイバを内蔵する光ファイバ接続用アダプタであって、
フェルールを内部に収容保持して光ファイバを相互接続するアダプタ本体と、前記アダプタ本体に前記フェルールを介して固定保持され、モードフィールド径が小径部と該小径部から徐々に拡径するテーパ部と該テーパ部に連続する大径部とを有することを特徴とする。
【0009】
そして、本発明に係る光ファイバ接続用アダプタは、請求項2に記載したように、前記フェルールを形成するキャピラリの内径は、前記テーパ部を除いた領域の光ファイバのクラッド外径に略一致することを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る光ファイバ接続用アダプタの製造方法は、請求項3に記載したように、モードフィールド径の異なる2種類の光ファイバのそれぞれの端面を突き合わせて融着する工程と、融着部分を加熱し光ファイバのコアのドーパントを拡散させる工程と、前記ドーパントを拡散させた領域を除いた両端で前記光ファイバを所定長さに切り出す工程と、前記切り出した光ファイバをフェルールに収納してアダプタ本体に格納する工程と、からなることを特徴とする。
【0011】
このように構成された光ファイバ接続用アダプタにおいて、アダプタ本体内に保持された光ファイバのテーパ部は、モードフィールド径の異なる2種類の光ファイバのそれぞれの端面を突き合わせて融着した後に、その融着部分を加熱し光ファイバのコアのドーパントを拡散させるTEC処理を施すことによって、モードフィールド径が小径部から大径部へ徐々に拡径する連続形状に仕上げたものである。
そして、このテーパ部を有した光ファイバは、テーパ部の両端にTEC処理の影響を受けない小径部と大径部が所定長さで連続していて、両端のクラッド外径は当初の寸法を維持している。
【0012】
そのため、請求項2に記載したように、テーパ部を有した光ファイバに被せるキャピラリの内径は、前記したテーパ部を除いた両端部の領域の光ファイバのクラッド外径に略一致する構成とすることができ、単一のキャピラリ内に、テーパ部を有した光ファイバを保持したフェルールを得ることができる。
即ち、本発明の光ファイバ接続用アダプタにおいて、アダプタ本体内に内蔵されるフェルールは、TEC処理で外径が痩せた部分はキャピラリの中間部に隠れてしまい、端部においては、軸芯の心出し精度を低下させる原因となっていた隙間が生じない。
【0013】
従って、該フェルールの両端に、それぞれ、モードフィールド径が大径の第1光ファイバと、モードフィールド径が小径の第2光ファイバとを接続する場合、第1光ファイバと第2光ファイバとを高精度の心出し精度で接続することができ、モードフィールド径の異なる2種の光ファイバを、軸芯の心出し精度の低下等による伝送損失の増加を招くことなく、簡単に、且つ、安価に接続することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施の形態に係る光ファイバ接続用アダプタ及びその製造方法を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る光ファイバ接続用アダプタの一実施の形態を示したものである。
なお、以下に説明する実施の形態において、接続対象となるモードフィールド径の大きな第1光ファイバ1とこの第1光ファイバ1の端部を収容保持するキャピラリ11、モードフィールド径の小さな第2光ファイバ3とこの第2光ファイバ3の端部を収容保持するキャピラリ13は、既に図5に示した各光ファイバの場合と同一の構成であり、これらの同一の構成については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略する。
【0015】
この一実施の形態の光ファイバ接続用アダプタ21は、一端にテーパ部23を有した中継用の光ファイバ25と該光ファイバ25を収容保持するキャピラリ27とからなるフェルール28と、このフェルール28を収容保持するアダプタ本体29とを備えている。
【0016】
そして、アダプタ本体29の一端には、光ファイバ25の一端に突き合わせ接続する第1光ファイバ1の端部を収容する第1ファイバ収容部31が備えられ、且つ、アダプタ本体29の他端には、光ファイバ25の他端に突き合わせ接続する第2光ファイバ3の端部を収容する第2ファイバ収容部33が備えられている。
アダプタ本体29は、各ファイバ収容部31,33にそれぞれ第1光ファイバ1及び第2光ファイバ3を収容保持したキャピラリ11,13を挿通して、各第1光ファイバ1及び第2光ファイバ3の端部をアダプタ本体29内で突き合わせる光ファイバ25の端面に融着、又は密着させることで、第1光ファイバ1と第2光ファイバ3とを光ファイバ25を介して接続する。
【0017】
光ファイバ25は、テーパ部23のある一端側(図では右端側)のモードフィールド径がモードフィールド径の大きい第1光ファイバ1に適合すると共に、他端側(図では、左端側)のモードフィールド径がモードフィールド径の小さい第2光ファイバ3に適合するもので、テーパ部23は、次に示す各工程を実施することにより形成される。
【0018】
まず、図2に示すように、所定長さの第1光ファイバ1と第2光ファイバ3のそれぞれの端面を突き合わせて融着するファイバ融着工程を実施し、その後、これらの光ファイバ相互の端面の融着部分を加熱し、図3に示すようにモードフィールド径の小さな第2光ファイバ3のコアに対してドーパントを拡散させてコア径が徐々に拡径したテーパ部23を形成するTEC処理工程を実施する。その後、図3に示すように、TEC処理工程によってクラッド外径が痩せた範囲43の両側に、TEC処理の影響を受けずにクラッド外径が変化しない部分44,45を加えた仕上がり長さLの部分を切り出すことで、テーパ部23を有した長Lの光ファイバ25が完成する。
【0019】
切り出された光ファイバ25のコア25aの場合、テーパ部23より右側のコア径はコア径が大きな第1光ファイバ1のコア1aと略同じであり、また、テーパ部23より左側のコア径はコア径が小さな第2光ファイバ3のコア3aと同じである。また、光ファイバ25のクラッド25bの外径は、中間部ではTEC処理による痩せsが見られるが、両端部では接続対象の各光ファイバ1,3のクラッド1b,3bの外径と同一径である。
【0020】
切り出し工程を完了して所定寸法に仕上げられた中継用の光ファイバ25は、図4に示すようにキャピラリ27に収容保持されて、フェルール28として組み立てられた状態で、アダプタ本体29に装着される。
キャピラリ27は、図5に示した光ファイバ1,3に装着されるキャピラリ11,13と内外径が同一に設定されている。
【0021】
以上の一実施の形態の光ファイバ接続用アダプタ21において、アダプタ本体29内に保持された光ファイバ25のテーパ部23は、モードフィールド径の異なる2種類の光ファイバ1,3のそれぞれの端面を突き合わせて融着した後に、その融着部分を加熱し光ファイバ1のコアのドーパントを拡散させるTEC処理を施すことによって、モードフィールド径が小径部から大径部へ徐々に拡径する連続形状に仕上げたものである。
そして、このテーパ部23を有した光ファイバ25は、テーパ部23の両端にTEC処理の影響を受けない小径部と大径部が所定長さで連続していて、両端のクラッド外径は当初の寸法を維持している。
【0022】
そのため、テーパ部23を有した光ファイバ25に被せるキャピラリ27の内径は、テーパ部23を除いた両端部の領域の光ファイバのクラッド外径に略一致する構成とすることができ、単一のキャピラリ内に、テーパ部23を有した光ファイバ25を保持したフェルール28を得ることができる。
即ち、本実施の形態の光ファイバ接続用アダプタ21において、アダプタ本体29内に内蔵されるフェルール28は、TEC処理で外径が痩せた部分はキャピラリ27の中間部に隠れてしまい、端部においては、軸芯の心出し精度を低下させる原因となっていた隙間が生じない。
【0023】
従って、該フェルール28の両端に、それぞれ、モードフィールド径が大径の第1光ファイバ1と、モードフィールド径が小径の第2光ファイバ3とを接続する場合、第1光ファイバ1と第2光ファイバ3とを高精度の心出し精度で接続することができ、モードフィールド径の異なる2種の光ファイバ1,3を、軸芯の心出し精度の低下等による伝送損失の増加を招くことなく、簡単に、且つ、安価に接続することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の中継用光ファイバ及びその製造方法によれば、アダプタ本体内のテーパ部を有した光ファイバは、テーパ部の両端にTEC処理の影響を受けない小径部と大径部が所定長さで連続していて、両端のクラッド外径は当初の寸法を維持している。そのため、テーパ部を有した光ファイバに被せるキャピラリの内径は、前記テーパ部を除いた両端部の領域の光ファイバのクラッド外径に略一致する構成とすることができ、単一のキャピラリ内に、テーパ部を有した光ファイバを保持したフェルールを得ることができると同時に、TEC処理で外径が痩せた部分はキャピラリの中間部に隠して、端部においては、軸芯の心出し精度を低下させる原因となっていた隙間が生じない。
【0025】
従って、該フェルールの両端に、それぞれ、モードフィールド径が大径の第1光ファイバと、モードフィールド径が小径の第2光ファイバとを接続する場合、第1光ファイバと第2光ファイバとを高精度の心出し精度で接続することができ、モードフィールド径の異なる2種の光ファイバを、軸芯の心出し精度の低下等による伝送損失の増加を招くことなく、簡単に、且つ、安価に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバ接続用アダプタの一実施の形態の縦断面図である。
【図2】図1に示したフェルールに組み込まれる光ファイバの製造方法の説明図で、コア径の異なる光ファイバ相互を融着させる工程の説明図である。
【図3】図1に示したフェルールに組み込まれる光ファイバの製造方法の説明図で、コア径の異なる光ファイバ相互の融着部にTEC処理を実施した状態の説明図である。
【図4】図1に示した光ファイバ接続用アダプタで使用するフェルールの構成説明図である。
【図5】モードフィールド径が異なる第1光ファイバと第2光ファイバの説明図である。
【図6】第2光ファイバの端部に、TEC処理によってコア径を徐々に拡径したテーパ部を形成した状態の説明図である。
【図7】TEC処理によって形成した従来のテーパ部の問題点の説明図である。
【符号の説明】
1 第1光ファイバ
1a コア
1b クラッド
3 第2光ファイバ
3a コア
3b クラッド
11,13 キャピラリ
21 光ファイバ接続用アダプタ
23 テーパ部
25 光ファイバ
25a コア
25b クラッド
27 キャピラリ
28 フェルール
29 アダプタ本体
43 痩せた範囲
44,45 TEC処理の影響を受けない部分
【発明の属する技術分野】
本発明は、モードフィールド径の異なる第1光ファイバと第2光ファイバとの接続に使用する光ファイバ接続用アダプタ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5に示すように、モードフィールド径(MFD)の異なる第1光ファイバ1と第2光ファイバ3とを接続する場合、従来より、図6に示すように、小コア径の第2光ファイバ3の端部に対して所謂TEC(Themally Expanded Core)処理を実施して、コア径が徐々に拡径するテーパ部7を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−190030号公報
【0004】
上記のTEC処理とは、光ファイバの端部又は光ファイバ相互の融着部において、そのコアの周辺を加熱することによってドーパントを拡散させて、コア径が徐々に拡径するテーパ部を形成する処理である。
【0005】
なお、図5及び図6において、第1光ファイバ1は、モードフィールド径(コア径)が大きな光ファイバで、端部には、大径のコア1aの周囲のクラッド1bを嵌合保持するキャピラリ11が装着されている。また、第2光ファイバ3は、モードフィールド径(コア径)が小さな光ファイバで、端部には、小径のコア3aの周囲のクラッド3bを嵌合保持するキャピラリ13が装着されている。
それぞれの光ファイバ1,3においては、クラッド1b,3bの外径は等しい。従って、キャピラリ11,13相互は、内径及び外径が等しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のようにTEC処理によってテーパ部7を形成した場合、クラッド3bの外径が痩せて、図7に示すようにキャピラリ13との間に隙間sが発生し、この隙間sが軸芯の心出し精度を低下させて、光ファイバ相互の接続部における伝送損失が大きくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、モードフィールド径の異なる2種の光ファイバを、軸芯の心出し精度の低下等による伝送損失の増加を招くことなく、簡単に、且つ、安価に接続することのできる光ファイバ接続用アダプタ及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る光ファイバ接続用アダプタは、請求項1に記載したように、モードフィールド径の異なる少なくとも2種類の光ファイバを内蔵する光ファイバ接続用アダプタであって、
フェルールを内部に収容保持して光ファイバを相互接続するアダプタ本体と、前記アダプタ本体に前記フェルールを介して固定保持され、モードフィールド径が小径部と該小径部から徐々に拡径するテーパ部と該テーパ部に連続する大径部とを有することを特徴とする。
【0009】
そして、本発明に係る光ファイバ接続用アダプタは、請求項2に記載したように、前記フェルールを形成するキャピラリの内径は、前記テーパ部を除いた領域の光ファイバのクラッド外径に略一致することを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る光ファイバ接続用アダプタの製造方法は、請求項3に記載したように、モードフィールド径の異なる2種類の光ファイバのそれぞれの端面を突き合わせて融着する工程と、融着部分を加熱し光ファイバのコアのドーパントを拡散させる工程と、前記ドーパントを拡散させた領域を除いた両端で前記光ファイバを所定長さに切り出す工程と、前記切り出した光ファイバをフェルールに収納してアダプタ本体に格納する工程と、からなることを特徴とする。
【0011】
このように構成された光ファイバ接続用アダプタにおいて、アダプタ本体内に保持された光ファイバのテーパ部は、モードフィールド径の異なる2種類の光ファイバのそれぞれの端面を突き合わせて融着した後に、その融着部分を加熱し光ファイバのコアのドーパントを拡散させるTEC処理を施すことによって、モードフィールド径が小径部から大径部へ徐々に拡径する連続形状に仕上げたものである。
そして、このテーパ部を有した光ファイバは、テーパ部の両端にTEC処理の影響を受けない小径部と大径部が所定長さで連続していて、両端のクラッド外径は当初の寸法を維持している。
【0012】
そのため、請求項2に記載したように、テーパ部を有した光ファイバに被せるキャピラリの内径は、前記したテーパ部を除いた両端部の領域の光ファイバのクラッド外径に略一致する構成とすることができ、単一のキャピラリ内に、テーパ部を有した光ファイバを保持したフェルールを得ることができる。
即ち、本発明の光ファイバ接続用アダプタにおいて、アダプタ本体内に内蔵されるフェルールは、TEC処理で外径が痩せた部分はキャピラリの中間部に隠れてしまい、端部においては、軸芯の心出し精度を低下させる原因となっていた隙間が生じない。
【0013】
従って、該フェルールの両端に、それぞれ、モードフィールド径が大径の第1光ファイバと、モードフィールド径が小径の第2光ファイバとを接続する場合、第1光ファイバと第2光ファイバとを高精度の心出し精度で接続することができ、モードフィールド径の異なる2種の光ファイバを、軸芯の心出し精度の低下等による伝送損失の増加を招くことなく、簡単に、且つ、安価に接続することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の好適な実施の形態に係る光ファイバ接続用アダプタ及びその製造方法を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る光ファイバ接続用アダプタの一実施の形態を示したものである。
なお、以下に説明する実施の形態において、接続対象となるモードフィールド径の大きな第1光ファイバ1とこの第1光ファイバ1の端部を収容保持するキャピラリ11、モードフィールド径の小さな第2光ファイバ3とこの第2光ファイバ3の端部を収容保持するキャピラリ13は、既に図5に示した各光ファイバの場合と同一の構成であり、これらの同一の構成については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことにより説明を簡略化あるいは省略する。
【0015】
この一実施の形態の光ファイバ接続用アダプタ21は、一端にテーパ部23を有した中継用の光ファイバ25と該光ファイバ25を収容保持するキャピラリ27とからなるフェルール28と、このフェルール28を収容保持するアダプタ本体29とを備えている。
【0016】
そして、アダプタ本体29の一端には、光ファイバ25の一端に突き合わせ接続する第1光ファイバ1の端部を収容する第1ファイバ収容部31が備えられ、且つ、アダプタ本体29の他端には、光ファイバ25の他端に突き合わせ接続する第2光ファイバ3の端部を収容する第2ファイバ収容部33が備えられている。
アダプタ本体29は、各ファイバ収容部31,33にそれぞれ第1光ファイバ1及び第2光ファイバ3を収容保持したキャピラリ11,13を挿通して、各第1光ファイバ1及び第2光ファイバ3の端部をアダプタ本体29内で突き合わせる光ファイバ25の端面に融着、又は密着させることで、第1光ファイバ1と第2光ファイバ3とを光ファイバ25を介して接続する。
【0017】
光ファイバ25は、テーパ部23のある一端側(図では右端側)のモードフィールド径がモードフィールド径の大きい第1光ファイバ1に適合すると共に、他端側(図では、左端側)のモードフィールド径がモードフィールド径の小さい第2光ファイバ3に適合するもので、テーパ部23は、次に示す各工程を実施することにより形成される。
【0018】
まず、図2に示すように、所定長さの第1光ファイバ1と第2光ファイバ3のそれぞれの端面を突き合わせて融着するファイバ融着工程を実施し、その後、これらの光ファイバ相互の端面の融着部分を加熱し、図3に示すようにモードフィールド径の小さな第2光ファイバ3のコアに対してドーパントを拡散させてコア径が徐々に拡径したテーパ部23を形成するTEC処理工程を実施する。その後、図3に示すように、TEC処理工程によってクラッド外径が痩せた範囲43の両側に、TEC処理の影響を受けずにクラッド外径が変化しない部分44,45を加えた仕上がり長さLの部分を切り出すことで、テーパ部23を有した長Lの光ファイバ25が完成する。
【0019】
切り出された光ファイバ25のコア25aの場合、テーパ部23より右側のコア径はコア径が大きな第1光ファイバ1のコア1aと略同じであり、また、テーパ部23より左側のコア径はコア径が小さな第2光ファイバ3のコア3aと同じである。また、光ファイバ25のクラッド25bの外径は、中間部ではTEC処理による痩せsが見られるが、両端部では接続対象の各光ファイバ1,3のクラッド1b,3bの外径と同一径である。
【0020】
切り出し工程を完了して所定寸法に仕上げられた中継用の光ファイバ25は、図4に示すようにキャピラリ27に収容保持されて、フェルール28として組み立てられた状態で、アダプタ本体29に装着される。
キャピラリ27は、図5に示した光ファイバ1,3に装着されるキャピラリ11,13と内外径が同一に設定されている。
【0021】
以上の一実施の形態の光ファイバ接続用アダプタ21において、アダプタ本体29内に保持された光ファイバ25のテーパ部23は、モードフィールド径の異なる2種類の光ファイバ1,3のそれぞれの端面を突き合わせて融着した後に、その融着部分を加熱し光ファイバ1のコアのドーパントを拡散させるTEC処理を施すことによって、モードフィールド径が小径部から大径部へ徐々に拡径する連続形状に仕上げたものである。
そして、このテーパ部23を有した光ファイバ25は、テーパ部23の両端にTEC処理の影響を受けない小径部と大径部が所定長さで連続していて、両端のクラッド外径は当初の寸法を維持している。
【0022】
そのため、テーパ部23を有した光ファイバ25に被せるキャピラリ27の内径は、テーパ部23を除いた両端部の領域の光ファイバのクラッド外径に略一致する構成とすることができ、単一のキャピラリ内に、テーパ部23を有した光ファイバ25を保持したフェルール28を得ることができる。
即ち、本実施の形態の光ファイバ接続用アダプタ21において、アダプタ本体29内に内蔵されるフェルール28は、TEC処理で外径が痩せた部分はキャピラリ27の中間部に隠れてしまい、端部においては、軸芯の心出し精度を低下させる原因となっていた隙間が生じない。
【0023】
従って、該フェルール28の両端に、それぞれ、モードフィールド径が大径の第1光ファイバ1と、モードフィールド径が小径の第2光ファイバ3とを接続する場合、第1光ファイバ1と第2光ファイバ3とを高精度の心出し精度で接続することができ、モードフィールド径の異なる2種の光ファイバ1,3を、軸芯の心出し精度の低下等による伝送損失の増加を招くことなく、簡単に、且つ、安価に接続することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明の中継用光ファイバ及びその製造方法によれば、アダプタ本体内のテーパ部を有した光ファイバは、テーパ部の両端にTEC処理の影響を受けない小径部と大径部が所定長さで連続していて、両端のクラッド外径は当初の寸法を維持している。そのため、テーパ部を有した光ファイバに被せるキャピラリの内径は、前記テーパ部を除いた両端部の領域の光ファイバのクラッド外径に略一致する構成とすることができ、単一のキャピラリ内に、テーパ部を有した光ファイバを保持したフェルールを得ることができると同時に、TEC処理で外径が痩せた部分はキャピラリの中間部に隠して、端部においては、軸芯の心出し精度を低下させる原因となっていた隙間が生じない。
【0025】
従って、該フェルールの両端に、それぞれ、モードフィールド径が大径の第1光ファイバと、モードフィールド径が小径の第2光ファイバとを接続する場合、第1光ファイバと第2光ファイバとを高精度の心出し精度で接続することができ、モードフィールド径の異なる2種の光ファイバを、軸芯の心出し精度の低下等による伝送損失の増加を招くことなく、簡単に、且つ、安価に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバ接続用アダプタの一実施の形態の縦断面図である。
【図2】図1に示したフェルールに組み込まれる光ファイバの製造方法の説明図で、コア径の異なる光ファイバ相互を融着させる工程の説明図である。
【図3】図1に示したフェルールに組み込まれる光ファイバの製造方法の説明図で、コア径の異なる光ファイバ相互の融着部にTEC処理を実施した状態の説明図である。
【図4】図1に示した光ファイバ接続用アダプタで使用するフェルールの構成説明図である。
【図5】モードフィールド径が異なる第1光ファイバと第2光ファイバの説明図である。
【図6】第2光ファイバの端部に、TEC処理によってコア径を徐々に拡径したテーパ部を形成した状態の説明図である。
【図7】TEC処理によって形成した従来のテーパ部の問題点の説明図である。
【符号の説明】
1 第1光ファイバ
1a コア
1b クラッド
3 第2光ファイバ
3a コア
3b クラッド
11,13 キャピラリ
21 光ファイバ接続用アダプタ
23 テーパ部
25 光ファイバ
25a コア
25b クラッド
27 キャピラリ
28 フェルール
29 アダプタ本体
43 痩せた範囲
44,45 TEC処理の影響を受けない部分
Claims (3)
- モードフィールド径の異なる少なくとも2種類の光ファイバを内蔵する光ファイバ接続用アダプタであって、
フェルールを内部に収容保持して光ファイバを相互接続するアダプタ本体と、前記アダプタ本体に前記フェルールを介して固定保持され、モードフィールド径が小径部と該小径部から徐々に拡径するテーパ部と該テーパ部に連続する大径部とを有することを特徴とする光ファイバ接続用アダプタ。 - 前記フェルールを形成するキャピラリの内径は、前記テーパ部を除いた領域の光ファイバのクラッド外径に略一致することを特徴とする請求項1記載の光ファイバ接続用アダプタ。
- モードフィールド径の異なる2種類の光ファイバのそれぞれの端面を突き合わせて融着する工程と、融着部分を加熱し光ファイバのコアのドーパントを拡散させる工程と、前記ドーパントを拡散させた領域を除いた両端で前記光ファイバを所定長さに切り出す工程と、前記切り出した光ファイバをフェルールに収納してアダプタ本体に格納する工程と、からなる光ファイバ接続用アダプタの製造方法。
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2003
- 2003-07-18 JP JP2003198902A patent/JP2005037570A/ja active Pending
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