JP2004133247A - 電子写真用カラートナー - Google Patents

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Abstract

【課題】電子写真用カラートナーに関し、鮮やかな色調の画像を安定に現像できる様々な色のカラートナーを提供する。
【解決手段】少なくとも着色剤と結着樹脂と添加剤からなる電子写真用トナー組成物において、グレートナーと有彩色のカラートナーを混合することにより得られる電子写真用カラートナーにおけるグレートナーの着色剤として、カーボンブラックを用いる。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真用カラートナーに関するものであり、特に、イエロー、マゼンタ、シアン等から選ばれた1種類以上の有彩色のカラートナーと無彩色のグレートナーとを混合することにより得られるカラートナーの色再現領域を拡大するとともに現像性を安定化するための構成に特徴のある電子写真用カラートナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法は複写機、電子写真ファクシミリ、電子写真プリンタ等の画像形成装置において広く使用されている技術であり、電子写真法として光導電性絶縁体を用いた方式が一般的に使用される(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この方式では、コロナ放電や電荷供給ローラによって帯電させられた光導電性絶縁体上にレーザー、LEDなどの光を照射することによって静電潜像を形成したのち、トナーと称される顔料や染料により着色した樹脂粉末を上記静電潜像に静電的に付着させて現像を行い、可視化されたトナー画像を形成し、次いで、このトナー画像は紙やフィルム等の記録媒体上へ転写している。
【0004】
但し、この時のトナー画像は記録媒体上に単に載っているだけの粉像であるため、これを記録媒体上に定着する必要がある。
そこで、最後の工程として熱、圧力、光などによってトナーを記録媒体上で溶融した後に固化して、最終的に記録媒体上に定着したトナー画像を得ている。
【0005】
上記のようにトナーの定着とは、熱可塑性樹脂(以下、結着樹脂)を主成分とする粉体であるトナーを熱により溶融して記録媒体上に固着することであり、そのための方式として、トナー画像が形成された記録媒体を直接ローラによって加熱・加圧するヒートロール方式と、キセノンフラッシュランプ等のフラッシュ光照射によりトナーを記録媒体上に定着させるフラッシュ定着方式がよく知られている。
【0006】
カラー画像を得るためには、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーの3色のカラートナー、あるいは、該3色のカラートナーに加えブラックトナーの4色のカラートナーを現像、重ね合わせることにより、カラー印刷を行う印刷方式と、2色或いは2色以上の黒トナーあるいはカラートナーを重ね合わせることにより、カラー印刷を行う印刷方式が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
前者の印刷方式において、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーのカラートナーはそれぞれイエロー現像器、マゼンタ現像器、シアン現像器、ブラック現像器にセットされ、それぞれの現像により印刷画像が形成される。
この場合、各色トナーの物理的な物性が異なっていても、現像条件を最適化することにより現像特性を同じにすることも可能であるが、その反面、装置構造は複雑となり、高コストの装置となる。
【0008】
一方、後者の印刷方式において、カラートナーを現像する現像器は少なくとも1個あれば、カラー印刷を行うことができ、装置構造が簡略であり、低コストの装置となる。
【0009】
また、後者の印刷方式において、実質的に物理的に性質が等しく、色の異なるトナーをそれぞれ設定された割合で均一混合するための流動床を有する印刷装置が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【0010】
また、従来、トナーの電気抵抗は導電性の添加剤をトナーに添加する方法により調整されており、また、トナーと磁性キャリアから成る二成分現像剤においては、トナーと組み合わせる磁性キャリアのコア材やコーティング材の導電性を調整することにより、電気抵抗が制御されている。
【0011】
例えば、トナーの電気抵抗を制御する方法として、導電性の添加剤をトナーに添加する方法が知られている(例えば、特許文献4,5参照。)。
これは、導電性の添加剤を内添もしくは外添によりトナーに添加し、カラートナーの電気抵抗を変化させるものである。
【0012】
この様なイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等から選ばれた2種類以上のトナーを混合することにより様々な色のカラートナーを提供することができる。
【0013】
【特許文献1】
米国特許第2297691号明細書
【特許文献2】
特開昭61−132959号公報
【特許文献3】
特開平6−348101号公報
【特許文献4】
特開平5−19525号公報
【特許文献5】
特開平11−327192号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記した後者の印刷方式でカラー印刷を行うためには、様々な印字の色に合わせた様々な色のカラートナーが必要であり、様々な色のカラートナーを得るためには、様々な材質の着色剤を用いる必要がある。
【0015】
しかし、着色剤の材質が異なると、カラートナーの電気抵抗は、着色剤の電気抵抗に応じて変化するため、同じ条件の現像装置に用いるためには、カラートナー毎に電気抵抗を精密に制御する必要が生じるが、電気抵抗を精密に制御するためには、繰り返し、膨大な実験と評価を繰り返すことが必要となり、様々な色のカラートナーを提供することは現実的には不可能であるという問題がある。
【0016】
また、仮に上記の方法により着色剤を変えて様々な色のカラートナーを提供した場合、多数の品種のカラートナーを生産することとなり、色の異なるカラートナーの生産を行うたびに配管や製造設備の清掃が必要となり、生産コスト等の面で大きなデメリットが生じることが問題となる。
【0017】
即ち、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーから選ばれた2種類以上のトナーを混合することにより、様々な色のカラートナーを提供することができるが、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーに着色剤としてそれぞれ用いられるイエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料の電気抵抗は大きく異なるため、電気抵抗の異なるイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーが得られることになる。
【0018】
この電気抵抗の異なるカラートナーを組み合わせて混合することにより得られるカラートナーを印刷すると、組み合わせたカラートナーが不均等に現像されるため、印刷画像の色調が不安定になるという問題が発生する。
このため、電気抵抗の異なるイエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料をそれぞれ含有するイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーの電気抵抗を精密に調整するための方法が必要になる。
【0019】
さらに、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーの混合により得られるカラートナーで再現できる色は、L* * * 色空間において、所定の範囲に限られるので、この事情を図9を参照して説明する。
【0020】
図9参照
即ち、これらのトナーの混合比を変化させることにより、図に示すY−L−A−B−M−D−E−F−C−I−H−J−Yの閉じた曲線上の色を再現することが可能であるが、曲線の内部の色、および、a* −b* 平面に対して垂直な明度軸L* の異なる色を表現することはできない。
【0021】
したがって、Y−L−A−B−M−D−E−F−C−I−H−J−Yの閉じた曲線上に示す色以外の色を再現するためには、さらなる調色方法を改良することが必要となる。
【0022】
したがって、本発明は、鮮やかな色調の画像を安定に現像できる様々な色のカラートナーを提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
ここで、図1を参照して、本発明における課題を解決するための手段を説明するが、図1はグレートナーを混合した場合のカラートナーの色再現領域の説明図である。
図1参照
上述の目的を達成するために、本発明は、少なくとも着色剤と結着樹脂と添加剤からなる電子写真用トナー組成物において、グレートナーと有彩色のカラートナーを混合することにより得られる電子写真用カラートナーであって、前記グレートナーの着色剤が、カーボンブラックであることを特徴とする。
【0024】
この様に、有彩色のカラートナーにカーボンブラックを着色剤とするグレートナーを加えることによって、図1に示すように、Y−L−A−B−M−D−E−F−C−I−H−J−Yの閉じた曲線とG及びKを結ぶ2つの曲面にはさまれた空間のすべての色を再現することが可能になる。
【0025】
この場合、有彩色のカラートナーの印字色は、L* * * 色空間において、(a* 2 +(b* 2 ≧10であることが望ましく、それによって、グレートナーと混合したときに彩度C* 〔=(a*2+b*21/2 〕の高いものから彩度C* の低いカラートナーまで、様々な色のカラートナーが得られるようになる。
【0026】
また、グレートナーの印字色は、L* * * 色空間において、(a* 2 +(b* 2 ≦5であることが望ましく、それによって、有彩色のカラートナーと混合したときに、有彩色のカラートナーの彩度C* に与える影響を少なくすることができる。
【0027】
またグレートナーの印字色は、L* * * 色空間において、L* ≦35であることが望ましく、それによって、有彩色のカラートナーと混合したときに明度L* の低いカラートナーを得ることができる。
【0028】
また、グレートナーの電気抵抗を効果的に制御するためには、添加剤として導電性微粒子を用い、この導電性微粒子の電気抵抗は、1〜100Ω・cmであることが望ましく、それによって、連続印刷時における印字色変化の問題を改善できる。
なお、1Ω・cm未満であるとトナーの帯電性が低下してかぶりが発生し、100Ω・cmを超えると十分な導電性が得られなくなる。
【0029】
また、有機顔料、染料は最も高抵抗であり、白色無機顔料は高抵抗であるので、有機顔料、染料、白色無機顔料を用いる有彩色のカラートナーとグレートナーには添加剤として導電性微粒子を添加して、着色剤の電気抵抗に応じて各トナーの電気抵抗を制御するが好ましい。
【0030】
また、2種類以上のトナーの内、最も抵抗の高いトナーの抵抗RH と、最も抵抗の低いトナーの抵抗RL との比RH /RL を、2以下にすることが望ましく、それによって、色調の良好な安定性を得ることができる。
なお、混合するトナーの電気抵抗の比RH /RL が2を超えると、混合したトナーが不均一に現像、消費されるため、印字の色調が不安定になる。
【0031】
なお、上述した色相の異なるカラートナーとして、イエロー、マゼンタ、シアンの色相を持つトナーを用いることが好適であり、また、グリーン、ブルー、レッドの色相を持つトナーを用いても良いものである。
【0032】
上述の有彩色のカラートナーとグレートナーとを混合したカラートナーをトナーカートリッジ内に収納し、このトナーカートリッジを画像形成装置にセットすることによって安定した画像品質を実現することが可能になる。
【0033】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明の実施の形態の好適な手順を説明する。
本発明のカラートナーは、従来公知の製造法により製造することができ、少なくとも結着樹脂、着色剤、導電性微粒子、さらに必要により帯電制御剤、ワックスを添加して原材料とする。
【0034】
この原材料を例えば、加圧ニーダ、ロールミル、押出機などにより混練して均一分散させ、その後、例えば粉砕機、ジェットミルなどにより粉砕、微粉末化し、風力分級機などにより分級して、所望の粒度分布の有彩色の基本カラートナー或いは無彩色トナー、即ち、グレートナーを得る。
【0035】
次いで、上記の方法により得られたイエロートナー、マゼンタトナー、及び、シアントナー等から選ばれた1種類以上の基本トナーを得ようとする色調に応じて適宜混合するとともに、得ようとする明度L* に応じた量のグレートナーを混合し、例えば、ヘンシェルミキサー等により均一に混合することによって、本発明の電子写真用カラートナーが得られる。
なお、カラートナー及びグレートナーの混合は、外添剤となる無機微粒子をトナー表面に被覆する工程で行っても良い。
【0036】
この場合、有彩色のカラートナーの印字色は、L* * * 色空間において、(a* 2 +(b* 2 ≧10とし、グレートナーの印字色は、L* * * 色空間において、(a* 2 +(b* 2 ≦5、且つ、L* ≦35とする。
【0037】
この場合の各カラートナーは、トナー全体を100重量部とした場合、例えば、結着樹脂は75〜95重量部、着色剤は0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部であることが望ましい。
【0038】
また、本発明に用いる結着樹脂は特に制限はなく、各種の天然または合成高分子物質よりなる熱可塑性樹脂を用いることができるが、例えば、エポキシ樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエン樹脂などを単独又は混合して用いる。
【0039】
また、本発明のカラートナーに含有される着色剤についても特に限定はなく、公知の着色剤を使用することができる。
例えば、モノアゾ系赤色顔料、ジスアゾ系黄色顔料、キナクリドン系マゼンタ顔料、アントラキノン染料、ニグロシン系染料、第4級アンモニウム塩、モノアゾ系の金属錯塩染料等を使用することができる。これらを組合せて使用しても良い。
【0040】
より具体的には、例えば、アニリンブルー(C.I.No.50405)、カルコオイルブルー(C.I.No.Azoic Blue3)、クロムイエロー(C.I.No.14090)、ウルトラマリンブルー(C.I.No.77103)、デュポンオイルレッド(C.I.No.26105)、キノリンイエロー(C.I.No.47005)、メチレンブルークロライド(C.I.No.52015)、フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、マラカイトグリーンオクサレート(C.I.No.42000)、食用赤色2号(アマランス、C.I.No.16185)、食用赤色3号(エリスロシン、C.I.No.45430)、食用赤色40号(アルラレッドAC、C.I.No.16035)、食用赤色102号(ニューコクシン、C.I.No.16255)、食用赤色104号(フロキシン、C.I.No.45410)、食用赤色105号(ローズベンガル、C.I.No.45440)、食用赤色106号(アシドレッド、C.I.No.45100)、〈黄色〉食用黄色4号(タートラジン、C.I.No.19140)、食用黄色5号(サンセットイエローFCF、C.I.No.15985)、〈緑色〉食用緑色3号(ファーストグリーンFCF、C.I.No.42053)、〈青色〉食用青色1号(ブリリアントブルーFCF、C.I.No.42090)、食用青色2号(インジゴカーミン、C.I.No.73015)等を使用することができる。
【0041】
また、無彩色のグレートナーに使用する着色剤としては、カーボンブラックを用いる。
このカーボンブラックの添加量は3重量%以下、特に、2重量%以下にすることが望ましく、3重量%を超えると明度の低いカラートナーを製造する際に、彩度の高い色を再現することが困難になる。
【0042】
トナーの静電的特性を安定化させるために、顔料の電気抵抗は1×108 〜1×1012Ω・cmとするのが好ましい。この範囲より高抵抗の顔料では、後述する導電性微粒子による抵抗制御を行っても、適性なトナー電気抵抗が実現できないためである。
なお、この範囲よりも低抵抗の顔料では、トナーの導電性が高まりトナーの静電的特性を安定化させることが困難になるため好ましくない。
【0043】
また、電気抵抗を制御するために添加する導電性微粒子としては、トナーの色への影響を与えない無色または白色の添加剤が好ましく、また、該導電性微粒子の電気抵抗が1〜100Ω・cm、より好ましくは1〜50Ω・cmである時に、良好な帯電特性が得られ、1Ω・cmを下回る白色導電性微粒子を使用すると表面抵抗が低下しすぎるため十分な比電荷を有するトナーが得られない。
【0044】
また、100Ω・cmを越える白色導電性微粒子を使用すると、導電性微粒子の添加量を20%以上の高濃度に高めなければならなくなり、トナーの色が濁るため、高彩度の印刷画像を得ることができなくなるため、好ましくない。
【0045】
また、導電性微粒子はアスペクト比10以上で長軸径が4μm以下であることが好ましく、さらに前記導電性微粒子は20wt%以下の混合割合で含有することが好ましい。
導電性微粒子の形状がアスペクト比の高い針状であることにより、導電性粒子の接触点が多くなるため、少量の添加によりトナーの電気抵抗を低下させる効果が大きい。その結果、添加量を20wt%以下にできるため、トナーを白濁させることなく、高彩度を実現できる。
【0046】
さらに、導電性微粒子は、ZnO,TiO2 ,SnO2 ,Sb2 3 ,In2 3 ,SiO2 ,MgO,BaO,MoO3 ,WOから選ばれる金属酸化物である時に、良好な現像性と鮮やかな画像を実現することができ、これは、前記金属酸化物はカラートナーの色に与える影響が小さい色を有しているためである。
【0047】
さらに、前記二酸化チタン(TiO2 )の長軸径が1μm以上であり、短軸径が0.1μm以下である粒子が前記二酸化チタン粒子全体の50重量%以上である時に、特に良好な現像性と鮮やかな画像を実現する。
【0048】
これは、針状の酸化チタンが特に少量で抵抗制御に効果的であり、長軸径が1μm以上であり、短軸径が0.1μm以下である形状も抵抗制御に効果的である。
即ち、導電性微粒子の形状は細長ければ細長いほど良く、アスペクト比が大きいほど、少量の添加量でトナーの電気抵抗の低抵抗化に効果があり、さらに、長軸径が1μm以上であり、且つ、短軸径が0.1μm以下の粒子が全体の50wt%以上存在する時に特に効果を発揮する。
【0049】
また、二酸化チタン粒子の表面に酸化錫(SnO2 )および酸化アンチモン(Sb2 3 )からなる導電層を設けることが望ましく、それによって、特に良好な現像性と鮮やかな画像を実現する。
これは、導電層が特に抵抗制御に効果的であり、添加量をさらに抑制できるためである。
【0050】
また、酸化アンチモンの量をSnO2 に対し、Sb2 3 として、10〜25重量%とすることが望ましく、それによって、特に良好な現像性と鮮やかな画像を実現する。
これは、前記条件の時が酸化チタンの抵抗を最も低くできるためである。
【0051】
また、酸化スズ(SnO2 )の長軸径が1μm以上で、且つ、短軸径が0.1μm以下である粒子が酸化スズ粒子全体の50重量%以上であることが望ましく、それによって、特に良好な現像性と鮮やかな画像を実現する。
これは、針状の酸化スズが特に少量で抵抗制御に効果的であり、長軸径が1μm以上、且つ、短軸径が0.1μm以下である形状も抵抗制御に効果的である。
【0052】
また、酸化スズ粒子の表面に酸化アンチモン(Sb2 3 )からなる導電層を設けることが望ましく、それによって、特に良好な現像性と鮮やかな画像を実現する。
これは、前記導電層が特に抵抗制御に効果的であり、添加量をさらに抑制できるためである。
【0053】
この場合、トナーを混合することにより得られる本発明のカラートナーに用いるイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、及び、グレートナー等の電気抵抗は、最も高いトナーの抵抗をRH 、最も低いトナーの抵抗をRL とすると、RH /RL が2.0以下となるように導電性微粒子の材質と添加量を調整することが望ましい。
【0054】
次に、導電性微粒子の電気抵抗の測定方法を説明する。
まず、導電性微粒子を100kg/cm2 の圧力で成型して、直径20mmで厚さ1〜5mmの円柱状圧粉体とし、その直流電気抵抗を測定し、下記式から白色導電性微粒子の電気抵抗を算出する。
電気抵抗(Ω・cm)=測定値×(断面積/厚さ)
なお、この場合の電気抵抗は、HV−MEASURE UNIT(KEITHLEY237:KEITHLEY社製商品名)を用いて測定した。
【0055】
また、本発明のカラートナーには、帯電性付与や異なる温湿度環境下での帯電量変化を小さくすることを目的として、帯電制御剤を添加しても良く、帯電制御剤は無色ないし淡色のものが好ましい。
【0056】
この様な帯電制御剤としては、例えば、4 級アンモニウム塩化合物、サリチル酸化合物、ホウ素系錯体、カルボン酸系化合物など、公知の正帯電性、負帯電性の帯電制御剤を使用することができる。
【0057】
さらに、本発明のカラートナーの流動性を向上させるために、無機微粒子を外添剤としてトナー表面に被覆しても良く、ここで使用できる外添剤としては、粒子径が5nm〜2μm、好ましくは、5nm〜500nmの範囲にある粒子であり、また、BET法による比表面積は20m2 /g〜500m2 /gであることが好ましい。
【0058】
また、本発明のカラートナーに混合される外添剤の割合は、トナー100重量部に対して0.1重量部〜5重量部であり、好ましくは、0.1重量部〜2.0重量部である。
【0059】
この様な外添剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素等を微粒子化したものを使用することができる。
これらの中ではシリカ微粒子を使用することが特に好ましく、また、上記各外添剤は表面を疎水化処理されているものを用いることが好ましい。
【0060】
次に、上記の手順・材料で作製したカラートナーの電気抵抗の測定方法を説明する。
まず、トナー粒子を5000kg/cm2 の圧力で圧縮成形して、直径13mm、厚さ200〜500μmの円柱状圧粉体とし、誘電体損測定器(安藤電気製)を用いて圧粉体の電導度を測定し、以下の式から電気抵抗を求めた。
電気抵抗(Ω・cm)=S/(L・d)
但し、Sは円柱状圧粉体の底面積〔cm2 〕、dは円柱状圧粉体の厚さ〔cm〕、Lは円柱状圧粉体の電導度〔Ω−1〕である。
【0061】
次に、このカラートナーを用いて印刷試験を行う。
この場合、画像形成装置としてプロセス速度1100mm/sの高速現像タイプのカラーレーザプリンタ、例えば、F6708B(富士通社製商品名;50枚/分)を用いて、例えば、10万枚以上の印刷を行い、印字色の安定性の評価を行う。
【0062】
ここで、図2を参照して、本発明の実施の形態に使用した画像形成装置の概念的構成を説明する。
図2参照
図2は印刷試験に用いたカラーレーザプリンタの概念的構成図であり、アモルファスシリコンからなる感光体10の周辺に、帯電器20、露光手段30、現像手段40、転写器50、クリーナ60、除電器70、キセノンフラッシュランプ81を有するフラッシュ定着器80等が配設されている。
【0063】
現像手段40は現像剤容器41、現像ローラ43及び図示せぬ攪拌羽等を含み、現像剤容器41内のトナー粒子TOとキャリア粒子CAを接触させて所定の帯電量がトナーに付与されるようになっている。
また、本発明のカラートナーはトナーホッパー45にあらかじめセットされ、印刷に伴って、現像容器内のトナー濃度が低下すると、トナーホッパー45からカラートナーが現像容器41に補給される。
また、トナーホッパー45、現像容器41にセットするカラートナーを変更することにより、色々な色調のトナーを印刷することができる。
以下、実施例に基づき本発明のカラートナーについてより具体的に説明する。
【0064】
以上の事項を前提として、以下において、本発明の具体的実施例と本発明の実施例の効果を明らかにするための比較例を合わせて説明するが、まず、各実施例及び各比較例の前提となる各種の基本トナーの作製方法を説明する。
なお、ホワイトトナー及びブラックトナーを混合したカラートナーについても参考のために説明する。
【0065】
(イエロートナーY1 
まず、イエロートナーY1 を作製するために、
結着樹脂:ポリエステル樹脂( 花王製)         75重量部
着色剤:イエロー顔料(Toner Yellow HG;クラリアント製商品名)                           8重量部
負帯電制御剤:E−89( オリエント化学社製商品名)   1重量部
導電剤:導電性酸化チタン(FT−1000;石原テクノ製商品名)5重量部
以上の材料をヘンシェルミキサーに投入し、予備混合を行った後、エクストルーダーにより混練し、次にハンマーミルにて粗粉砕し、さらにジェットミルにて微粉砕し、気流分級機にて分級を行い、体積平均粒径が約8.5μmのイエロートナーY1 を得る。
なお、この針状酸化チタン(FT−1000;石原テクノ製商品名)は、電気抵抗が5Ω・cmで、平均長軸径が2.5μmでアクペクト比が11の針状の微粒子である。
【0066】
次いで、このトナーY1 に対して外添剤として疎水性シリカ微粒子(H2000/4;クラリアント社製商品名)を1重量部添加し、ヘンシェルミキサを用いて攪拌して外添処理を行い、イエロートナーY1 の表面に疎水性シリカを付着させた。
【0067】
この表面改質されたイエロートナーY1 5重量部とシリコーン樹脂コートマグネタイトキャリア( 関東電化工業製)95重量部をボールミルで混合することにより、二成分現像剤を得た。
【0068】
次いで、ブローオフ帯電量測定器(東芝ケミカル製)を用いてこの二成分現像剤の帯電量を測定したところ、−17.1μC/gであった。
また、上述F6708B(富士通社製商品名)を用いてベタ画像を印刷し、その画像を測色した結果、L* =78 、a* =−13、b* =47であり、電気抵抗は12GΩ・cmであった。
【0069】
(マゼンタトナーM1 
着色剤の種類及び導電性微粒子の添加量を除いては、イエロートナーY1 と同様にトナーを作製する。
着色剤:マゼンタ顔料(Toner Magenta EB;クラリアント)7重量部
導電性微粒子:導電性酸化チタン(FT−1000;石原テクノ製商品名)10重量部
【0070】
(シアントナーC1 
着色剤の種類及び導電性微粒子の添加量を除いては、イエロートナーY1 と同様にトナーを作製する。
着色剤:シアン顔料(Lionol Blue ES;東洋インキ)5重量部
導電性微粒子:導電性酸化チタン(FT−1000;石原テクノ製商品名)5 重量部
【0071】
図3(a)参照
図3(a)は、以上のマゼンタトナーM1 及びシアントナーC1 についてのイエロートナーY1 と同様にしてトナーの表面改質を行い、シリコーン樹脂コートマグネタイトキャリア( 関東電化工業製) とボールミルで混合することにより、二成分現像剤を得、得られた現像剤の帯電量と、その印字を測色した結果、および、カラートナーの電気抵抗を測定した結果をイエロートナーY1 とともに纏めて示したものである。
【0072】
(グレートナーG1 〜G4 
着色剤の種類及び導電性微粒子の添加量を除いては、イエロートナーY1 と同様にトナーを作製し、イエロートナーY1 と同様にしてトナーの表面改質を行い、シリコーン樹脂コートマグネタイトキャリア( 関東電化工業製) とボールミルで混合することにより、二成分現像剤を得た。得られた現像剤の帯電量と、その印字を測色した結果、および、カラートナーの電気抵抗を測定した結果を図3(b)に示す。
【0073】
図3(b)参照
(グレートナーG1 
着色剤:カーボンブラック(モガールL、キャボット製商品名) 2重量部
導電性微粒子:導電性酸化チタン(FT−1000;石原テクノ製商品名)7重量部
(グレートナーG2 
着色剤:カーボンブラック(モガールL、キャボット製商品名) 1重量部
導電性微粒子:導電性酸化チタン(FT−1000;石原テクノ製商品名)8重量部
(グレートナーG3 
着色剤:カーボンブラック(モガールL、キャボット製商品名)0.5重量部
導電性微粒子:導電性酸化チタン(FT−1000;石原テクノ製商品名)9重量部
(グレートナーG4 
着色剤:カーボンブラック(モガールL、キャボット製商品名)0.2重量部
導電性微粒子:導電性酸化チタン(FT−1000;石原テクノ製商品名)10重量部
【0074】
(ホワイトトナーW1 〜W4 ,ブラックトナーK1 
着色剤の種類及び導電性微粒子の添加量を除いては、イエロートナーY1 と同様に参考例用のトナーを作製し、イエロートナーY1 と同様にしてトナーの表面改質を行い、シリコーン樹脂コートマグネタイトキャリア( 関東電化工業製) とボールミルで混合することにより、二成分現像剤を得、得られた現像剤の帯電量と、その印字を測色した結果、および、カラートナーの電気抵抗を測定した結果を図3(c)に示す。
【0075】
図3(c)参照
(ホワイトトナーW1 
着色剤:ホワイト顔料(KA−30S;チタン工業製商品名) 10重量部
導電性微粒子:導電性酸化チタン(FT−1000;石原テクノ製商品名)6 重量部
(ホワイトトナーW2 
着色剤:ホワイト顔料(KA−30S;チタン工業製商品名)  7重量部
導電性微粒子:導電性酸化チタン(FT−1000;石原テクノ製商品名)8重量部
(ホワイトトナーW3 
着色剤:ホワイト顔料(KA−30S;チタン工業製商品名)  5重量部
導電性微粒子:導電性酸化チタン(FT−1000;石原テクノ製商品名)9重量部
(ホワイトトナーW4 
着色剤:ホワイト顔料(KA−30S;チタン工業製商品名)  3重量部
導電性微粒子:導電性酸化チタン(FT−1000;石原テクノ製商品名)10重量部
(ブラックトナーK1 
着色剤:カーボンブラック(モガールL、キャボット製商品名)10重量部
導電性微粒子:導電性酸化チタン(FT−1000;石原テクノ製商品名)0重量部
【0076】
次に、本発明の作用効果を確認するための比較例となるカラートナーを構成するめに、導電性微粒子を添加しないカラートナー、ホワイトトナー、グレートナーを作成した。
着色剤の添加量及び導電性微粒子を添加しないことを除いては、イエロートナーY1 と同様に参考例用のトナーを作製し、イエロートナーY1 と同様にしてトナーの表面改質を行い、シリコーン樹脂コートマグネタイトキャリア( 関東電化工業製) とボールミルで混合することにより、二成分現像剤を得、得られた現像剤の帯電量と、その印字を測色した結果、および、カラートナーの電気抵抗を測定した結果を有彩色トナー(Y5 ,M5 ,C5 )については図4(a)に、また、無彩色トナー(W1 ,G5 )については図4(b)に示す。
【0077】
図4(a)及び(b)参照
(イエロートナーY5 
着色剤:イエロー顔料(Toner Yellow HG;クラリアント製商品名)                            8 重量部
(マゼンタトナーM5 
着色剤:マゼンタ顔料(Toner Magenta EB;クラリアント製商品名)                           7重量部
(シアントナーC5 
着色剤:シアン顔料(Lionol Blue ES;東洋インキ製商品名)5重量部
(ホワイトトナーW5 
着色剤:ホワイト顔料(KA−30S;チタン工業製商品名) 10重量部
(グレートナーG5 
着色剤:カーボンブラック(モガールL、キャボット製商品名) 2重量部
【0078】
次いで、以上のトナーY1 、マゼンタトナーM1 、或いは、シアントナーC1 とグレートナーG1 乃至G4 を混合して作製した実施例1〜10、トナーY1 、マゼンタトナーM1 、或いは、シアントナーC1 とホワイトトナーW1 乃至W4 或いはK1 を混合して作製した参考例1〜16、及び、トナーY5 、マゼンタトナーM5 、或いは、シアントナーC5 とホワイトトナーW5 、グレートナーG5 、或いは、ブラックトナーK1 のいずれかを混合して作製した比較例1〜3を説明する。
なお、各実施例、各参考例、及び、各比較例についての組成比を図5に纏めて示し、また、RH /RL 、印刷前後の色特性、及び、色差ΔEについての測定結果を図6に纏めて示した。
【0079】
図5参照
(実施例1)
無彩色トナー(グレートナーG1 )       50重量部
有彩色トナー(イエロートナーY1 )      25重量部
有彩色トナー(マゼンタトナーM1 )      25重量部
の比率でヘンシェルミキサを用いて混合して、茶色のカラートナーを得た。
この茶色のカラートナーにおける、相対的に電気抵抗の高いイエロートナーY1 の電気抵抗と相対的に電気抵抗の低いマゼンタトナーM1 の電気抵抗との比RH /RL は、
H /RL =12GΩ・cm/8GΩ・cm=1.5
である。
【0080】
この茶色のカラートナー5 重量部とシリコーン系樹脂コートマグネタイトキャリア(関東電化工業製)95重量部をボールミルで混合したものを使用し、上述のカラーレーザプリンタを使用して10万枚の印刷試験を行い、印字色の安定性を評価した。
【0081】
初期の印字を測色すると、L* =42、a* =15、b* =25であり、10万枚印刷後、印字を測色するとL* =43、a* =14、b* =27であり、連続印刷前後の印字の色差ΔE=2.4であり、ほとんど印字色の変化は見られず、印字色安定性が高いことがわかった。
なお、色差ΔEは、印刷前の色座標を(L*  A ,a*  A ,b*  A )とし、印刷後の色座標を(L*  B ,a*  B ,b*  B )とすると、
ΔE={(L*  A −L*  B 2 +(a*  A −a*  B 2 +(b*  A −b*  B 2 1/2 
で定義される。
【0082】
(実施例2〜5)
図5に示すように、無彩色トナーと有彩色トナーの混合比率を90:10〜10:90の間で変化させた明度の異なる茶色系カラートナーを用いて評価することを除いては、実施例1と同様に印字色安定性を評価した。
【0083】
図6に示すように、初期の印字と10万枚印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=1.4〜2.2であり、ほとんど印字色の変化は見られず、印字色安定性が高いことがわかった。
なお、RH /RL は、いずれもRH /RL =1.5である。
【0084】
(実施例6〜8)
図5に示すように、無彩色トナーとしてカーボンブラック添加量の異なるグレートナーG2 〜G4 を用い、茶色系カラートナーを用いて評価することを除いては、実施例1と同様の評価を行った。
【0085】
図6に示すように、初期の印字と10万枚印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=3.2〜4.6であり、ほとんど印字色の変化は見られず、印字色安定性が高いことがわかった。
なお、RH /RL は、RH /RL =1.5〜1.88である。
【0086】
(実施例9,10)
図5に示すように、有彩色トナーとしてイエロートナーY1 及びシアントナーC1 を用い、緑色系カラートナーについて評価することを除いては、実施例1と同様の評価を行った。
【0087】
図6に示すように、初期の印字と10万枚印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=2.0〜3.7であり、ほとんど印字色の変化は見られず、印字色安定性が高いことがわかった。
なお、RH /RL は、いずれもRH /RL =1.5である。
【0088】
(参考例1〜5)
図5に示すように、無彩色トナーとしてブラックトナーK1 を用い、明度の異なるこげ茶色系カラートナーを用いて評価することを除いては、実施例1〜5と同様の評価を行った。
【0089】
図6に示すように、初期の印字と10万枚印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=2.2〜3.7であり、ほとんど印字色の変化は見られず、印字色安定性が高いことがわかった。
なお、RH /RL は、いずれもRH /RL =1.5である。
【0090】
(参考例6〜10)
図5に示すように、無彩色トナーとしてホワイトトナーW1 を用い、明度の異なる薄茶色系カラートナーを用いて評価することを除いては、実施例1〜5と同様の評価を行った。
【0091】
図6に示すように、初期の印字と10万枚印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=2.8〜3.3であり、ほとんど印字色の変化は見られず、印字色安定性が高いことがわかった。
なお、RH /RL は、いずれもRH /RL =1.5である。
【0092】
(参考例11〜13)
図5に示すように、無彩色トナーとしてホワイト顔料添加量の異なるホワイトトナーW2 〜W4 を用い、薄茶系カラートナーを用いて評価することを除いては、実施例1と同様の評価を行った。
【0093】
図6に示すように、初期の印字と10万枚印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=1.0〜5.0であり、ほとんど印字色の変化は見られず、印字色安定性が高いことがわかった。
なお、RH /RL は、RH /RL =1.25〜1.88である。
【0094】
(参考例14〜16)
図5に示すように、有彩色トナーとしてイエロートナーY1 、マゼンタトナーM1 、シアントナーC1 を用い、様々な色調のカラートナーについて評価することを除いては、実施例1と同様の評価を行った。
【0095】
図6に示すように、初期の印字と10万枚印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=2.4〜4.9であり、ほとんど印字色の変化は見られず、印字色安定性が高いことがわかった。
なお、RH /RL は、RH /RL =1.67〜1.88である。
【0096】
(比較例1 )
無彩色トナー(ホワイトトナーW5 )      50重量部
有彩色トナー(イエロートナーY5 )      25重量部
有彩色トナー(マゼンタトナーM5 )      25重量部
以上のトナーを混合し、導電性微粒子を添加せず、トナーの電気抵抗を制御しないことを除いては、実施例1と同様にして、カラートナー(薄茶色)を評価した。
【0097】
図6に示すように、初期の印字を測色すると、L* =72、a* =13、b* =23であり、10万枚印刷後、印字を測色するとL* =61、a* =15、b* =29であり、連続印刷前後の印字の色差ΔE=12.7となり、印字色の変化が見られ、印字色安定性が低いことがわかった。
なお、RH /RL は、RH /RL =3.3である。
【0098】
(比較例2)
図5に示すように、無彩色トナーとして導電性微粒子を添加せず、トナーの電気抵抗が制御されていないグレートナーG5 を用いることを除いては、比較例1と同様にして、カラートナー(こげ茶色)を評価した。
【0099】
図6に示すように、初期の印字と10万枚印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=8.8であり、印字色の変化が見られ、印字色安定性が低いことがわかった。
なお、RH /RL は、RH /RL =2.5である。
【0100】
(比較例3)
図5に示すように、無彩色トナーとしてブラックトナーK1 を用いることを除いては、比較例1と同様にして、評価した。
【0101】
図6に示すように、初期の印字と10万枚印刷後の印字を比べると、印字の色差ΔE=23.0であり、印字色の変化が見られ、印字色安定性が低いことがわかった。
なお、RH /RL は、RH /RL =15である。
【0102】
以上の評価結果から、実施例1〜10のトナーは、10万枚の印刷試験後においても、初期の印字色と変化は見られないが、一方、比較例1〜3のトナーは印刷に伴った印字色の変化が大きく、安定性に欠けることがわかる。
なお、参考のために示した参考例1〜16のトナーも、10万枚の印刷試験後においても、初期の印字色と変化は見られず、実施例1〜10と同様に好適な結果を示した。
【0103】
図7参照
図7は、本発明のカラートナーの色再現範囲を模式的に示したものであり、有彩色カラートナーと無彩色トナーの混合により、有彩色カラートナーのみの混合によるY−L−A−B−M−D−E−F−C−I−H−J−Yの閉じた曲線とG,Kを結ぶ2つの曲面にはさまれた空間の全ての色を再現することが可能となる。
なお、図示は省略しているものの、比較例の場合に、特に比較例2の場合にも、本発明と同様の色再現範囲を実現することは可能である。
また、参考例の場合には、Y−L−A−B−M−D−E−F−C−I−H−J−Yの閉じた曲線とWを結ぶ曲面(図示を省略)にはさまれた空間の全ての色を再現することが可能となる。
【0104】
図8参照
図8は、実施例1〜10と比較例1〜3の印字色の変化量、即ち、色差ΔEのRH /RL 依存性の説明図であり、電気抵抗の比RH /RL が大きいものほど印字色の変化が大きいこと、即ち、トナー電気抵抗が大きく異なるトナーを混合することにより得られるカラートナーは印字色安定性が低いことが理解される。
したがって、電気抵抗の比RH /RL を2以下とすることにより、帯電安定化を図ることが可能であり、それによって、印字色の安定化が図れることがわかる。
【0105】
なお、この様なトナーの電気抵抗は、導電性微粒子の添加により容易に制御されるものであり、Y5 ,M5 ,C5 の有彩色カラートナー、W5 ,G5 の無彩色トナー、及び、ブラックトナーK1 を比べると、導電性微粒子が添加されていないため、着色剤の影響により、トナーの電気抵抗が10GΩ・cmから150GΩ・cmと大きく変化しており、色再現範囲については良好な結果が得られるものの、印字色の安定性は得られない。
【0106】
これに対して、Y1 ,M1 ,C1 の有彩色カラートナー及びW1 〜W4 ,G1 〜G4 の無彩色トナーを比べると、着色剤の電気抵抗に応じて導電性微粒子が添加されているため、トナーの電気抵抗が8GΩ・cmから15GΩ・cmであり、狭い範囲に制御されている。
【0107】
なお、上記の各実施例の説明においては、有彩色カラートナーとしてイエロー、マゼンタ、及び、シアンの3つの色相のトナーを組み合わせて用いているが、これとは異なった色相体系のカラートナーを用いても良いものである。
即ち、例えば、グリーン、ブルー、及び、レッド等の色相のトナーを組み合わせても良いものである。
【0108】
ここで、改めて本発明の詳細な特徴を説明する。
(付記1) 少なくとも着色剤と結着樹脂と添加剤からなる電子写真用トナー組成物において、グレートナーと有彩色のカラートナーを混合することにより得られる電子写真用カラートナーであって、前記グレートナーの着色剤が、カーボンブラックであることを特徴とする電子写真用カラートナー。
(付記2) 上記有彩色のカラートナーの印字色が、L* * * 色空間において、(a* 2 +(b* 2 ≧10であることを特徴とする付記1記載の電子写真用カラートナー。
(付記3) 上記グレートナーの印字色が、L* * * 色空間において、(a* 2 +(b* 2 ≦5であることを特徴とする特徴とする付記1または2に記載の電子写真用カラートナー。
(付記4) 上記グレートナーの印字色が、L* * * 色空間において、L* ≦35であることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1に記載の電子写真用カラートナー。
(付記5) 上記グレートナーにおける添加剤が導電性微粒子であり、前記導電性微粒子の電気抵抗が1〜100Ωcmであることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1に記載の電子写真用カラートナー。
(付記6) 上記有彩色のカラートナー及びグレートナーにおける添加剤が導電性微粒子であり、且つ、前記添加剤の添加量が前記有彩色のカラートナーとグレートナーにおいて互いに異なる添加量であることを特徴とする付記1乃至5のいずれか1に記載の電子写真用カラートナー。
(付記7) 上記2種類以上のトナーの内、最も抵抗の高いトナーの抵抗RH と、最も抵抗の低いトナーの抵抗RL との比RH /RL を、2以下とすることを特徴とする付記1乃至6のいずれか1に記載の電子写真用カラートナー。
(付記8) 付記1乃至7のいずれか1に記載の電子写真用カラートナーを収容したトナーカセットを搭載したことを特徴とする画像形成装置。
【0109】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくとも一種類の有彩色のカラートナーとグレートナーとを混合しているので、比較的低い明度で各種の色調の多彩な印字色を実現することができ、また、混合する各トナーの電気抵抗をほぼ等しくしているので、混合されたトナーが均等に消費され、安定した印刷画像を得ることができ、ひいては、高画質の画像形成装置の普及に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に用いる画像形成装置の概念的構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に用いる各トナーの特性の説明図である。
【図4】比較例に用いる各トナーの特性の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態の各種カラートナーの組成比の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態の各種カラートナーの特性の説明図である。
【図7】本発明の実施の形態のカラートナーの色再現領域の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態のカラートナーの色差ΔEのRH /RL 依存性の説明図である。
【図9】従来のカラートナーの色再現領域の説明図である。
【符号の説明】
10 感光体
20 帯電器
30 露光手段
40 現像手段
41 現像剤容器
43 現像ローラ
45 トナーホッパー
50 転写器
60 クリーナ
70 除電器
80 フラッシュ定着器
81 キセノンフラッシュランプ

Claims (5)

  1. 少なくとも着色剤と結着樹脂と添加剤からなる電子写真用トナー組成物において、グレートナーと有彩色のカラートナーを混合することにより得られる電子写真用カラートナーであって、前記グレートナーの着色剤が、カーボンブラックであることを特徴とする電子写真用カラートナー。
  2. 上記有彩色のカラートナーの印字色が、L* * * 色空間において、(a* 2 +(b* 2 ≧10であることを特徴とする請求項1記載の電子写真用カラートナー。
  3. 上記グレートナーの印字色が、L* * * 色空間において、(a* 2 +(b* 2 ≦5であることを特徴とする特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用カラートナー。
  4. 上記グレートナーの印字色が、L* * * 色空間において、L* ≦35であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子写真用カラートナー。
  5. 上記有彩色のカラートナー及びグレートナーにおける添加剤が導電性微粒子であり、且つ、前記添加剤の添加量が前記有彩色のカラートナーとグレートナーにおいて互いに異なる添加量であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子写真用カラートナー。
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