JP2004132100A - ブレード付き作業機 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブレードの動作を迅速に行うことができるブレード付き作業機を提供する。
【解決手段】作業機の走行、旋回およびフロントアタッチメント用の各アクチュエータに作動油を供給する主ポンプと、ブレードのアクチュエータ15、20、21に作動油を供給する補助ポンプ26とを備える。ブレード使用時に主ポンプからの作動油を、補助ポンプ26からの作動油に合流させてブレードのアクチュエータ15、20に供給する増速回路37を設ける。
【選択図】 図5
【解決手段】作業機の走行、旋回およびフロントアタッチメント用の各アクチュエータに作動油を供給する主ポンプと、ブレードのアクチュエータ15、20、21に作動油を供給する補助ポンプ26とを備える。ブレード使用時に主ポンプからの作動油を、補助ポンプ26からの作動油に合流させてブレードのアクチュエータ15、20に供給する増速回路37を設ける。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排土用ブレードを有する作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブレードを有する従来の油圧ショベル等の作業機においては、ブレードのチルトやリフト用アクチュエータに対してフロントアタッチメント用アクチュエータへの作動油の供給回路を備えている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−42013号公報(第2頁、図1)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記ブレードは、リフト(上下動)のみならず、チルト(左右いずれか一方が上方に他方が下方に傾斜する動作)、アングリング(ブレードの左右いずれか一方が前方に他方が後方となるように傾斜させる動作)の機能が付加される傾向にある。このようなブレードの動作を行うためのアクチュエータには、主ポンプ以外に設けた補助ポンプにより作動油を供給する。
【0005】
ここで、作業機に搭載される主ポンプ、補助ポンプおよび操作ポンプを駆動するエンジンの出力は限られており、主ポンプの容量は、作業機本来の走行、旋回およびフロントアタッチメントの動作速度、出力を確保するために、あまり低下させることができないから、補助ポンプの容量も制限を受け、2台の主ポンプを備える場合には補助ポンプの容量は主ポンプの例えば4分の1程度に設定される。
【0006】
このように、従来のブレード付き作業機の場合、ブレード用補助ポンプの容量が制限されるため、ブレードのリフト、アングリング、チルト動作を迅速に行うことができないという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑み、ブレードの動作を迅速に行うことができるブレード付き作業機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明のブレード付き作業機は、作業機の走行、旋回およびフロントアタッチメント用の各アクチュエータに作動油を供給する主ポンプと、ブレードのアクチュエータに作動油を供給する補助ポンプとを備え、
ブレード使用時に前記主ポンプからの作動油を、前記補助ポンプからの作動油に合流させて前記ブレードのアクチュエータに供給する増速回路を設けたことを特徴とする。
【0009】
このように、ブレードのアクチュエータの動作時には、補助ポンプからの吐出油のみならず、主ポンプからの吐出油の一部が供給され、ブレードのアクチュエータへの作動油の供給量が増加するので、ブレードの動作速度を上げることができる。
【0010】
(2)本発明のブレード付き作業機において、前記増速回路に、ブレード不使用時に増速回路を遮断しておく第1の連通弁を備えることが好ましい。
【0011】
このように、ブレードの不使用時には増速回路を通しての主ポンプからの作動油の供給を停止することにより、主ポンプからの吐出油がブレード側油圧回路に流れることによるエネルギーロスを低減することができる。
【0012】
(3)また、本発明のブレード付き作業機において、前記主ポンプを2台備え、
各主ポンプより左右の各走行モータにそれぞれコントロール弁を介して吐出油を供給するとともに、各主ポンプの吐出油をフロントアタッチメントのアクチュエータにコントロール弁を介して供給し、かつフロントアタッチメントの動作時に一方の走行モータへ供給される作動油の不足を、他方の走行モータへの作動油の回路から第2の連通弁を通して補う構成とし、
前記第2の連通弁より前記増速回路にブレード用アクチュエータに増速用作動油を供給する構成とすることが好ましい。
【0013】
このように左右の走行モータへのバランスを図るために第2の連通弁から増速回路に作動油を供給することにより、走行体の蛇行も防ぐことができる。
【0014】
(4)また、本発明のブレード付き作業機において、前記ブレード用アクチュエータは、ブレードのリフトシリンダであり、該リフトシリンダのコントロール弁の二次側回路に、前記リフトシリンダのロッド室とボトム室とを短絡させるフロート用短絡弁を備えることが好ましい。
【0015】
このように、リフトシリンダのコントロール弁の二次側回路を短絡させる短絡弁を設ければ、前記二次側回路を短絡させて走行させることにより、ブレードを自重のままで地面に着地させた状態で走行させて整地を行うことができ、機能が拡大される。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるブレード付き作業機の一実施の形態を示す側面図、図2、図3はそれぞれそのブレードの駆動装置を示す側面図および平面図である。図1ないし図3において、1は走行体、2は走行体1のトラックフレーム、4はトラックフレーム2上に旋回装置3を介して設置された旋回体、5は旋回体4に取付けられたフロントアタッチメントである。本実施の形態のフロントアタッチメント5は、ブーム6、アーム7、バケット8と、これらを起伏あるいは回動させるブームシリンダ9、アームシリンダ10、バケットシリンダ11からなる。なおフロントアタッチメント5としては、図示のバックホウバケットを有する多関節フロントアタッチメントのみならず、他の種々の構造のものが採用できる。12は旋回体4上に設置された運転室である。
【0017】
13は前記トラックフレーム2にピン13aを中心に上下揺動自在に取付けられた揺動アーム、14は前記揺動アーム13に取付けられたブレードである。15はトラックフレーム2と揺動アーム13との間に取付けられて前記揺動アーム13を上下揺動させるリフトシリンダである。ブレード14は、その左右方向の中央下部が、球面座を有するピン16により水平回動自在のみならず上下方向にも回動自在に支持され、かつブレード14の中央上部が、揺動アーム13の上部にピン17を中心として回動自在なアーム18の先端にピン19によって連結されて支持されることにより、アングル動作とチルト動作が可能となるように揺動アーム13に取付けられる。
【0018】
前記揺動アーム13とブレード14との間には、アングリングシリンダ20が取付けられる。また、揺動アーム13とブレード14との間には、チルトシリンダ21が取付けられる。
【0019】
図4は前記油圧ショベルのうち、ブレード14駆動用アクチュエータを除いた走行、旋回およびフロントアッッチメント用アクチュエータの油圧回路である。22は旋回体4上に油圧パワーユニットの動力源として設置されたエンジン、23、24はエンジン22により駆動される第1、第2の主ポンプ、25、26は同じくエンジン22により駆動される操作ポンプおよび補助ポンプである。
【0020】
1a、1bはそれぞれ前記走行体1の右走行モータ、左走行モータである。3aは前記旋回装置3の旋回モータである。また、9、10、11はそれぞれ図1で示した前記ブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダである。27、28はそれぞれ前記走行モータ1a、1bのコントロール弁、29はバケットシリンダ11のコントロール弁、30は補助コントロール弁、31、32はブームシリンダ9のコントロール弁、33、34はアームシリンダ10のコントロール弁、35は旋回モータ3aのコントロール弁である。
【0021】
図面上右側のコントロール弁27、29、31、33は第1の主ポンプ23からの吐出油回路76を介して吐出油が供給され、対応するアクチュエータに供給されるように並列に接続される。ただし初段の走行モータ1a用コントロール弁27には、並列に接続したバイパス回路78を設け、そのバイパス回路78に後述の操作信号によって連通する連通弁(第2の連通弁)36を設ける。連通弁36の二次側ポートは左走行モータ1bのコントロール弁28の一次側回路に接続され、かつ後述のブレード用コントロール弁への増速回路37に接続される。38は、第1の主ポンプ23側の回路において、ブレード使用時に最下流の段のコントロール弁33の二次側回路が油タンク39へ連通することを防止する遮断弁である。
【0022】
P1〜P16はコントロール弁27〜35や連通弁36、遮断弁38の操作回路である。
【0023】
図5は前記ブレード14の動作を制御するコントロール弁群の構成を示す回路図である。40、41、42はそれぞれ前記リフトシリンダ15、アングリングシリンダ20、チルトシリンダ21のコントロール弁である。これらの油圧シリンダ15、20、21はコントロール弁40、41、42を介して前記補助ポンプ26の吐出回路43に接続されて補助ポンプ26からの作動油の供給を受ける。コントロール弁40〜42どうしは並列に接続される。また、前記補助ポンプ26の吐出回路43は、前記第1、第2主ポンプ23、24の吐出油を合流させる増速回路37に接続され、増速回路37には連通弁(第1の連通弁)44が設けられる。P17〜P23はこれらの弁の操作回路である。
【0024】
45は前記ブレード14のフロート動作のために、コントロール弁40の二次側回路46、47を短絡させる短絡弁であり、短絡時には、両回路46、47の短絡と同時に、油タンク39から油圧シリンダ15のボトム室への油の吸い込みや排出を行うことができる構成を有する。73は短絡弁45の操作スイッチである。
【0025】
図6は図4、図5に示したコントロール弁の操作回路である。図6において、50は油圧ショベルの休止中にアクチュエータの動きを防止するロック弁であり、P、Tはそれぞれ前記操作ポンプ25に接続され、Tは前記油タンク39に接続される。P1〜P22は図4、図5の同符号の操作回路に接続される操作回路を示す。
【0026】
51は油圧ショベルのブレードを可動としかつフロントアタッチメントの少なくとも一部を不可動とするブレード使用モードと、ブレードを不可動としかつフロントアタッチメントを可動とするフロント使用モードとを切換える使用モード切換手段として設けた電磁操作式切換弁である。52は前記切換弁51を切換える使用モード切換スイッチである。
【0027】
53は前記ブレード14のアングリングシリンダ20のコントロール弁41の電磁操作式操作弁であり、54、55はその操作スイッチである。
【0028】
56、57はそれぞれ右走行モータ1a、左走行モータ1bのコントロール弁27、28の操作弁であり、操作レバー58a、58bを有する。
【0029】
60はそれぞれアームシリンダ10のコントロール弁33、34の操作弁、61は旋回モータ3aのコントロール弁35の操作弁であり、これらは共通の操作レバー62を有し、例えばアームシリンダ10の場合は操作レバー62を左、右に操作することにより、アームシリンダ10が収縮、伸長し、前、後に操作することにより、旋回体4が右回り、左回りに旋回する。
【0030】
63はバケットシリンダ11のコントロール弁29と、ブレード14のチルトシリンダ21のコントロール弁42とに共用される操作弁である。64はブームシリンダ9のコントロール弁31、32と、ブレード14のリフトシリンダ15のコントロール弁40とに共用される操作弁である。これらの操作弁63、64は共通の操作レバー65を有し、操作方向(前後であるか左右であるか)によって操作対象が決定される。
【0031】
66は前記使用モード切換弁51の操作により切換えられて操作弁63、64からの操作油の供給先をブームシリンダ9、バケットシリンダ11と、リフトシリンダ15、チルトシリンダ21との間で切換える切換回路を構成する切換弁である。前記切換弁66の操作室66aは、操作回路67を介して使用モード切換スイッチ52の操作により切換えられる使用モード切換弁51の二次側ポートに接続される。
【0032】
69は前記ブレード14のリフトシリンダ15あるいはアングリングシリンダ20が操作されるときに二次側回路70に操作油の油圧が発生するシャトル弁である。前記シャトル弁69の二次側回路70は、図4に示した遮断弁38と、図5に示す増速回路37の連通弁44の操作回路P16に接続される。
【0033】
また、前記シャトル弁69の二次側回路70は、シャトル弁72の一方の一次側ポートに接続され、このシャトル弁72の他方の一次側ポートは、旋回モータ3a、ブームシリンダ9、アームシリンダ10、バケットシリンダ11のいずれかが動作したときに不図示のシャトル弁を介して操作油が供給される回路74が接続される。シャトル弁72の二次側回路は、前記右走行モータ1aのバイパス回路に設けられた連通弁36の操作回路P15に接続される。
【0034】
図7(A)は運転室12内に設置される運転席に設けられる操作レバー62、65等を示す図であり、走行用の操作レバー58は図示されていない。操作レバー65は前記フロントアタッチメント用アクチュエータ(ブームシリンダ9およびバケットシリンダ11)の動作制御と、ブレード用アクチュエータ(リフトシリンダ15およびアングリングシリンダ20)の動作制御とに共用されるものである。52は座席の袖の部分に設けられた前記使用モード切換スイッチである。
【0035】
図7(B)は前記共用の操作レバー65の頂部に設けられたスイッチを示すもので、54、55は前記アングリング用操作弁53の操作スイッチである。また、操作レバー65の頂部には、フロート用の短絡弁45の操作スイッチ73(図5参照)が設けられる。
【0036】
この装置の操作動作について次に説明する。ロック弁50が図示のオフ状態から最下位置のオン状態に切換えられた状態において、使用モード切換スイッチ52をフロント使用モード側であるオフ位置にしている場合、使用モード切換弁51のソレノイドは励磁されず、操作回路67の油圧はタンク圧となっている。このため、切換弁66の操作室66aには操作油圧は供給されず、切換弁66は図示の下位置にある。このため、操作弁63、64の切換操作により、図4のコントロール弁29、30、31の操作室に操作圧油が供給され、コントロール弁29、30、31が切換わるため、バケットシリンダ11やブームシリンダ9が伸縮し、また、操作弁60の切換操作により、アームシリンダ10の伸縮も可能であるから、フロントアタッチメント5を動作させることができる。なお、操作レバー58、62の操作により、走行、旋回、アームの動作も可能である。
【0037】
このとき、操作弁63、64を切換操作しても、操作回路P17、P18、P21、P22には操作圧油は供給されないので、チルトシリンダ21やリフトシリンダ15は動作しない。また、切換弁53は切換スイッチ54、55の操作により切換えが可能であるが、使用モード切換弁51が左位置にあり、切換弁53の一次側ポンプポートには操作圧油が供給されないため、操作回路P19、P20にも操作圧油が供給されず、アングリングシリンダ20も動作しない。
【0038】
一方、使用モード切換スイッチ52をオンとして使用モード切換弁51を右位置(ブレード使用モード)に切換えると、操作回路67に操作圧油が供給される。このため、切換弁66の操作室66aに操作圧油が供給され、切換弁66が上位置に切換わる。このため、操作弁63、64を操作した場合には、操作回路P5〜P8には操作圧油は供給されず、バケットシリンダ11やブームシリンダ9は動作不可能となる。
【0039】
このとき、操作レバー65により操作弁63、64を操作することにより、操作回路P21、P22およびP17、P18に操作圧油が供給され、チルトシリンダ21やリフトシリンダ20を動作させることができる。また、アングリング用切換弁53の一次側のポンプポートには操作圧油が供給されるため、操作スイッチ54あるいは55の操作により、操作回路P19、P20に操作圧油が供給されてコントロール弁41を切換動作させることができ、これによりアングリングシリンダ20を伸縮させてブレード14のアングリング動作を行わせることができる。
【0040】
また、操作スイッチ73を操作して短絡弁45を左位置に切換えることにより、リフトシリンダ15の回路46、47を短絡させることができるので、ブレード14を自重によって引きずりながら地面をならすフロート動作を行うことができる。
【0041】
前述のように、ブレード14のアングリング動作あるいはリフト動作の際には、図6に示す操作レバー65により操作弁64を操作するかあるいは操作スイッチ54、55を操作して操作弁53を切換える。これにより、シャトル弁69の二次側回路70に操作圧油が供給され、操作回路P15、P16に操作圧油が供給されるので、図4の連通弁36が連通位置である右位置に切換わると同時に、遮断弁38が遮断位置である右位置に切換わる。これにより、増速回路37に第1主ポンプ23からの圧油が供給されるとともに、図5の連通弁44が連通位置である右位置に切換わるため、補助ポンプ26の吐出回路43において、補助ポンプ26からの吐出油に加えて第1主ポンプ23からの吐出油が合流してアングリングシリンダ20あるいはリフトシリンダ15に供給される。これにより、アングリング動作やリフト動作が迅速に行える。
前記連通弁36、44は、走行のみのときは遮断位置として、ブレード用コントロール弁の流路へ第1主ポンプ23からの吐出油を流さないことにより、無駄なエネルギーロスを防ぐ役目を果たす。なお、チルト動作は、構造上、補助ポンプ26からの圧油による流量で十分な速度が得られるので、増速回路による流量増加を行う必要がない。
【0042】
前記アングリング動作やリフト動作は走行しながら行う場合が多いが、この場合には、左走行モータ1bも動作することにより、第2主ポンプ24の吐出油の油圧が上昇し、第1主ポンプ23からの圧油が連通弁36を通して増速回路37に供給されるのみならず、第2主ポンプ24からのコントロール弁30、32、34、35や第2主ポンプ24の吐出油回路75を通した圧油が、バイパス回路77を通して増速回路37に供給される。これにより、走行時におけるブレード14のアングリング動作、リフト動作の速度が上げられる。
【0043】
前記連通弁36は、フロント使用モードにおいて、旋回動作やフロントアタッチメントを動作させながら走行する際の左右の走行モータ1a、1bへの圧油の供給量のアンバランスによる蛇行を防止する役目も果たす。すなわち、旋回、ブーム6の起伏あるいはアーム回動の際に、連通弁36が遮断位置にあると、右走行モータ1aには第1主ポンプ23の吐出油のほぼ全量が右走行モータ1aに供給される。一方第2の主ポンプ24から図面上左側のコントロール弁35、34または32を通して旋回モータ3a、アームシリンダ10またはブームシリンダ9に第2主ポンプ24からの吐出油が供給されるとともに、左走行モータ1bへもコントロール弁28を介してその吐出油が分流して供給されるので、左走行モータ1bへの圧油の供給量が右走行モータ1aへの供給量より少なくなる。
【0044】
しかし、図6の回路において、前記旋回、ブーム起伏、アーム回動の際に、不図示のシャトル弁を通して操作回路74、シャトル弁72、操作回路P15に操作圧油が供給されることにより、図4の連通弁36が連通位置に切換わり、右走行モータ1a側の第1主ポンプ23からの圧油の一部がバイパス回路78、連通弁36、バイパス回路77を通して左走行モータ1bに供給されることにより、右走行モータ1a、1bへの圧油の供給量がバランスして蛇行が防止される。また、バケット8の回動の際には、連通弁36、コントロール弁29を通してバケットシリンダ11に圧油が供給されることにより、バケット8の回動も可能である。
【0045】
上記構成によれば、ブレードの動作時にはリフトシリンダ15やアングリングシリダ20に補助ポンプ26からの吐出油のみならず、主ポンプ23からの吐出油の一部が供給され、これらのアクチュエータへの作動油の供給が増量されるので、ブレード14の動作速度を上げることができる。
【0046】
また、本実施の形態のように、ブレードの不使用時には連通弁36、44が遮断位置にあり、増速回路37を通しての主ポンプ23からの作動油の供給を停止することにより、主ポンプ23からの吐出油がブレード側油圧回路に流れることによるエネルギーロスを低減することができる。また、走行しながらブレード14を動作させる際には、双方の主ポンプ23、24からの吐出油がブレード側アクチュエータに供給されるため、両主ポンプ23、24の吐出油が有効に利用できる。
【0047】
また、走行時には、連通弁36から増速回路37に作動油を供給することにより、走行体1の蛇行も防ぐことができる。
【0048】
また、リフトシリンダ15のコントロール弁40の二次側回路46、47を短絡させる短絡弁45を設ければ、前記二次側回路46、47を短絡させて引きずりながら走行させることにより、ブレード14を自重のままで地面に着地させた状態で走行させて整地を行うことができ、機能が拡大される。
【0049】
なお、本実施の形態においては、ブレード使用モードとフロント使用モードとを切換える使用モード切換スイッチ52や切換弁51等の切換手段を設けたので、各使用モードで操作弁63、64および操作レバー65を共用できる。これにより、操作レバーや操作弁等を簡略化できると共に、製作費を削減できる。また、操作レバーの数を減少させることができるので、作業性が向上する。
【0050】
また、操作レバー65にアングリング用の操作スイッチ54、55やフロート用の操作スイッチ73を設けているので、操作レバーの数を増加させることなく、操作装置を簡略化できる。
【0051】
本発明を実施する場合、コントロール弁等のアクチュエータ制御用の弁に電磁弁を用いることができ、その場合には、操作手段として操作弁63、64にスイッチ類や電流制御回路を用いることができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、ブレードを有する油圧ショベルにおいて、ブレード動作時には主ポンプ側からの作動油の供給を受ける増速回路を設けたので、ブレードの動作を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による作業機の一実施の形態を示す側面図である。
【図2】本実施の形態におけるブレード装置を示す側面図である。
【図3】本実施の形態におけるブレード装置を示す平面図である。
【図4】本実施の形態における作業機のアクチュエータの油圧回路図である。
【図5】本実施の形態におけるブレード用アクチュエータの油圧回路図である。
【図6】図4、図5のコントロール弁の操作装置の油圧回路図である。
【図7】(A)は本実施の形態における運転室内の操作装置の外観を示す斜視図、(B)はその操作レバーの平面図である。
【符号の説明】
1:走行体、1a、1b:走行モータ、2:トラックフレーム、3:旋回装置、4:旋回体、5:フロントアタッチメント、6:ブーム、7:アーム、8:バケット、9:ブームシリンダ、10:アームシリンダ、11:バケットシリンダ、13:揺動アーム、14:ブレード、15:リフトシリンダ、20:アングリングシリンダ、21:チルトシリンダ、22:エンジン、23:第1主ポンプ、24:第2主ポンプ、25:操作ポンプ、26:補助ポンプ、27〜35:コントロール弁、36:連通弁、37:増速回路、38:遮断弁、40〜42:コントロール弁、44:連通弁、45:短絡弁、50:ロック弁、51:使用モード切換弁、52:使用モード切換スイッチ、53:アングリング用コントロール弁、54、55:アングリング用操作スイッチ、56、57、60、61、63、64:操作弁、58、62、65:操作レバー、66、69、72:シャトル弁、73:フロート用操作スイッチ、75:第2主ポンプの吐出油回路、76:第1主ポンプの吐出油回路、77、78:吐出油回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、排土用ブレードを有する作業機に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブレードを有する従来の油圧ショベル等の作業機においては、ブレードのチルトやリフト用アクチュエータに対してフロントアタッチメント用アクチュエータへの作動油の供給回路を備えている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−42013号公報(第2頁、図1)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記ブレードは、リフト(上下動)のみならず、チルト(左右いずれか一方が上方に他方が下方に傾斜する動作)、アングリング(ブレードの左右いずれか一方が前方に他方が後方となるように傾斜させる動作)の機能が付加される傾向にある。このようなブレードの動作を行うためのアクチュエータには、主ポンプ以外に設けた補助ポンプにより作動油を供給する。
【0005】
ここで、作業機に搭載される主ポンプ、補助ポンプおよび操作ポンプを駆動するエンジンの出力は限られており、主ポンプの容量は、作業機本来の走行、旋回およびフロントアタッチメントの動作速度、出力を確保するために、あまり低下させることができないから、補助ポンプの容量も制限を受け、2台の主ポンプを備える場合には補助ポンプの容量は主ポンプの例えば4分の1程度に設定される。
【0006】
このように、従来のブレード付き作業機の場合、ブレード用補助ポンプの容量が制限されるため、ブレードのリフト、アングリング、チルト動作を迅速に行うことができないという問題点がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑み、ブレードの動作を迅速に行うことができるブレード付き作業機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明のブレード付き作業機は、作業機の走行、旋回およびフロントアタッチメント用の各アクチュエータに作動油を供給する主ポンプと、ブレードのアクチュエータに作動油を供給する補助ポンプとを備え、
ブレード使用時に前記主ポンプからの作動油を、前記補助ポンプからの作動油に合流させて前記ブレードのアクチュエータに供給する増速回路を設けたことを特徴とする。
【0009】
このように、ブレードのアクチュエータの動作時には、補助ポンプからの吐出油のみならず、主ポンプからの吐出油の一部が供給され、ブレードのアクチュエータへの作動油の供給量が増加するので、ブレードの動作速度を上げることができる。
【0010】
(2)本発明のブレード付き作業機において、前記増速回路に、ブレード不使用時に増速回路を遮断しておく第1の連通弁を備えることが好ましい。
【0011】
このように、ブレードの不使用時には増速回路を通しての主ポンプからの作動油の供給を停止することにより、主ポンプからの吐出油がブレード側油圧回路に流れることによるエネルギーロスを低減することができる。
【0012】
(3)また、本発明のブレード付き作業機において、前記主ポンプを2台備え、
各主ポンプより左右の各走行モータにそれぞれコントロール弁を介して吐出油を供給するとともに、各主ポンプの吐出油をフロントアタッチメントのアクチュエータにコントロール弁を介して供給し、かつフロントアタッチメントの動作時に一方の走行モータへ供給される作動油の不足を、他方の走行モータへの作動油の回路から第2の連通弁を通して補う構成とし、
前記第2の連通弁より前記増速回路にブレード用アクチュエータに増速用作動油を供給する構成とすることが好ましい。
【0013】
このように左右の走行モータへのバランスを図るために第2の連通弁から増速回路に作動油を供給することにより、走行体の蛇行も防ぐことができる。
【0014】
(4)また、本発明のブレード付き作業機において、前記ブレード用アクチュエータは、ブレードのリフトシリンダであり、該リフトシリンダのコントロール弁の二次側回路に、前記リフトシリンダのロッド室とボトム室とを短絡させるフロート用短絡弁を備えることが好ましい。
【0015】
このように、リフトシリンダのコントロール弁の二次側回路を短絡させる短絡弁を設ければ、前記二次側回路を短絡させて走行させることにより、ブレードを自重のままで地面に着地させた状態で走行させて整地を行うことができ、機能が拡大される。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明によるブレード付き作業機の一実施の形態を示す側面図、図2、図3はそれぞれそのブレードの駆動装置を示す側面図および平面図である。図1ないし図3において、1は走行体、2は走行体1のトラックフレーム、4はトラックフレーム2上に旋回装置3を介して設置された旋回体、5は旋回体4に取付けられたフロントアタッチメントである。本実施の形態のフロントアタッチメント5は、ブーム6、アーム7、バケット8と、これらを起伏あるいは回動させるブームシリンダ9、アームシリンダ10、バケットシリンダ11からなる。なおフロントアタッチメント5としては、図示のバックホウバケットを有する多関節フロントアタッチメントのみならず、他の種々の構造のものが採用できる。12は旋回体4上に設置された運転室である。
【0017】
13は前記トラックフレーム2にピン13aを中心に上下揺動自在に取付けられた揺動アーム、14は前記揺動アーム13に取付けられたブレードである。15はトラックフレーム2と揺動アーム13との間に取付けられて前記揺動アーム13を上下揺動させるリフトシリンダである。ブレード14は、その左右方向の中央下部が、球面座を有するピン16により水平回動自在のみならず上下方向にも回動自在に支持され、かつブレード14の中央上部が、揺動アーム13の上部にピン17を中心として回動自在なアーム18の先端にピン19によって連結されて支持されることにより、アングル動作とチルト動作が可能となるように揺動アーム13に取付けられる。
【0018】
前記揺動アーム13とブレード14との間には、アングリングシリンダ20が取付けられる。また、揺動アーム13とブレード14との間には、チルトシリンダ21が取付けられる。
【0019】
図4は前記油圧ショベルのうち、ブレード14駆動用アクチュエータを除いた走行、旋回およびフロントアッッチメント用アクチュエータの油圧回路である。22は旋回体4上に油圧パワーユニットの動力源として設置されたエンジン、23、24はエンジン22により駆動される第1、第2の主ポンプ、25、26は同じくエンジン22により駆動される操作ポンプおよび補助ポンプである。
【0020】
1a、1bはそれぞれ前記走行体1の右走行モータ、左走行モータである。3aは前記旋回装置3の旋回モータである。また、9、10、11はそれぞれ図1で示した前記ブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダである。27、28はそれぞれ前記走行モータ1a、1bのコントロール弁、29はバケットシリンダ11のコントロール弁、30は補助コントロール弁、31、32はブームシリンダ9のコントロール弁、33、34はアームシリンダ10のコントロール弁、35は旋回モータ3aのコントロール弁である。
【0021】
図面上右側のコントロール弁27、29、31、33は第1の主ポンプ23からの吐出油回路76を介して吐出油が供給され、対応するアクチュエータに供給されるように並列に接続される。ただし初段の走行モータ1a用コントロール弁27には、並列に接続したバイパス回路78を設け、そのバイパス回路78に後述の操作信号によって連通する連通弁(第2の連通弁)36を設ける。連通弁36の二次側ポートは左走行モータ1bのコントロール弁28の一次側回路に接続され、かつ後述のブレード用コントロール弁への増速回路37に接続される。38は、第1の主ポンプ23側の回路において、ブレード使用時に最下流の段のコントロール弁33の二次側回路が油タンク39へ連通することを防止する遮断弁である。
【0022】
P1〜P16はコントロール弁27〜35や連通弁36、遮断弁38の操作回路である。
【0023】
図5は前記ブレード14の動作を制御するコントロール弁群の構成を示す回路図である。40、41、42はそれぞれ前記リフトシリンダ15、アングリングシリンダ20、チルトシリンダ21のコントロール弁である。これらの油圧シリンダ15、20、21はコントロール弁40、41、42を介して前記補助ポンプ26の吐出回路43に接続されて補助ポンプ26からの作動油の供給を受ける。コントロール弁40〜42どうしは並列に接続される。また、前記補助ポンプ26の吐出回路43は、前記第1、第2主ポンプ23、24の吐出油を合流させる増速回路37に接続され、増速回路37には連通弁(第1の連通弁)44が設けられる。P17〜P23はこれらの弁の操作回路である。
【0024】
45は前記ブレード14のフロート動作のために、コントロール弁40の二次側回路46、47を短絡させる短絡弁であり、短絡時には、両回路46、47の短絡と同時に、油タンク39から油圧シリンダ15のボトム室への油の吸い込みや排出を行うことができる構成を有する。73は短絡弁45の操作スイッチである。
【0025】
図6は図4、図5に示したコントロール弁の操作回路である。図6において、50は油圧ショベルの休止中にアクチュエータの動きを防止するロック弁であり、P、Tはそれぞれ前記操作ポンプ25に接続され、Tは前記油タンク39に接続される。P1〜P22は図4、図5の同符号の操作回路に接続される操作回路を示す。
【0026】
51は油圧ショベルのブレードを可動としかつフロントアタッチメントの少なくとも一部を不可動とするブレード使用モードと、ブレードを不可動としかつフロントアタッチメントを可動とするフロント使用モードとを切換える使用モード切換手段として設けた電磁操作式切換弁である。52は前記切換弁51を切換える使用モード切換スイッチである。
【0027】
53は前記ブレード14のアングリングシリンダ20のコントロール弁41の電磁操作式操作弁であり、54、55はその操作スイッチである。
【0028】
56、57はそれぞれ右走行モータ1a、左走行モータ1bのコントロール弁27、28の操作弁であり、操作レバー58a、58bを有する。
【0029】
60はそれぞれアームシリンダ10のコントロール弁33、34の操作弁、61は旋回モータ3aのコントロール弁35の操作弁であり、これらは共通の操作レバー62を有し、例えばアームシリンダ10の場合は操作レバー62を左、右に操作することにより、アームシリンダ10が収縮、伸長し、前、後に操作することにより、旋回体4が右回り、左回りに旋回する。
【0030】
63はバケットシリンダ11のコントロール弁29と、ブレード14のチルトシリンダ21のコントロール弁42とに共用される操作弁である。64はブームシリンダ9のコントロール弁31、32と、ブレード14のリフトシリンダ15のコントロール弁40とに共用される操作弁である。これらの操作弁63、64は共通の操作レバー65を有し、操作方向(前後であるか左右であるか)によって操作対象が決定される。
【0031】
66は前記使用モード切換弁51の操作により切換えられて操作弁63、64からの操作油の供給先をブームシリンダ9、バケットシリンダ11と、リフトシリンダ15、チルトシリンダ21との間で切換える切換回路を構成する切換弁である。前記切換弁66の操作室66aは、操作回路67を介して使用モード切換スイッチ52の操作により切換えられる使用モード切換弁51の二次側ポートに接続される。
【0032】
69は前記ブレード14のリフトシリンダ15あるいはアングリングシリンダ20が操作されるときに二次側回路70に操作油の油圧が発生するシャトル弁である。前記シャトル弁69の二次側回路70は、図4に示した遮断弁38と、図5に示す増速回路37の連通弁44の操作回路P16に接続される。
【0033】
また、前記シャトル弁69の二次側回路70は、シャトル弁72の一方の一次側ポートに接続され、このシャトル弁72の他方の一次側ポートは、旋回モータ3a、ブームシリンダ9、アームシリンダ10、バケットシリンダ11のいずれかが動作したときに不図示のシャトル弁を介して操作油が供給される回路74が接続される。シャトル弁72の二次側回路は、前記右走行モータ1aのバイパス回路に設けられた連通弁36の操作回路P15に接続される。
【0034】
図7(A)は運転室12内に設置される運転席に設けられる操作レバー62、65等を示す図であり、走行用の操作レバー58は図示されていない。操作レバー65は前記フロントアタッチメント用アクチュエータ(ブームシリンダ9およびバケットシリンダ11)の動作制御と、ブレード用アクチュエータ(リフトシリンダ15およびアングリングシリンダ20)の動作制御とに共用されるものである。52は座席の袖の部分に設けられた前記使用モード切換スイッチである。
【0035】
図7(B)は前記共用の操作レバー65の頂部に設けられたスイッチを示すもので、54、55は前記アングリング用操作弁53の操作スイッチである。また、操作レバー65の頂部には、フロート用の短絡弁45の操作スイッチ73(図5参照)が設けられる。
【0036】
この装置の操作動作について次に説明する。ロック弁50が図示のオフ状態から最下位置のオン状態に切換えられた状態において、使用モード切換スイッチ52をフロント使用モード側であるオフ位置にしている場合、使用モード切換弁51のソレノイドは励磁されず、操作回路67の油圧はタンク圧となっている。このため、切換弁66の操作室66aには操作油圧は供給されず、切換弁66は図示の下位置にある。このため、操作弁63、64の切換操作により、図4のコントロール弁29、30、31の操作室に操作圧油が供給され、コントロール弁29、30、31が切換わるため、バケットシリンダ11やブームシリンダ9が伸縮し、また、操作弁60の切換操作により、アームシリンダ10の伸縮も可能であるから、フロントアタッチメント5を動作させることができる。なお、操作レバー58、62の操作により、走行、旋回、アームの動作も可能である。
【0037】
このとき、操作弁63、64を切換操作しても、操作回路P17、P18、P21、P22には操作圧油は供給されないので、チルトシリンダ21やリフトシリンダ15は動作しない。また、切換弁53は切換スイッチ54、55の操作により切換えが可能であるが、使用モード切換弁51が左位置にあり、切換弁53の一次側ポンプポートには操作圧油が供給されないため、操作回路P19、P20にも操作圧油が供給されず、アングリングシリンダ20も動作しない。
【0038】
一方、使用モード切換スイッチ52をオンとして使用モード切換弁51を右位置(ブレード使用モード)に切換えると、操作回路67に操作圧油が供給される。このため、切換弁66の操作室66aに操作圧油が供給され、切換弁66が上位置に切換わる。このため、操作弁63、64を操作した場合には、操作回路P5〜P8には操作圧油は供給されず、バケットシリンダ11やブームシリンダ9は動作不可能となる。
【0039】
このとき、操作レバー65により操作弁63、64を操作することにより、操作回路P21、P22およびP17、P18に操作圧油が供給され、チルトシリンダ21やリフトシリンダ20を動作させることができる。また、アングリング用切換弁53の一次側のポンプポートには操作圧油が供給されるため、操作スイッチ54あるいは55の操作により、操作回路P19、P20に操作圧油が供給されてコントロール弁41を切換動作させることができ、これによりアングリングシリンダ20を伸縮させてブレード14のアングリング動作を行わせることができる。
【0040】
また、操作スイッチ73を操作して短絡弁45を左位置に切換えることにより、リフトシリンダ15の回路46、47を短絡させることができるので、ブレード14を自重によって引きずりながら地面をならすフロート動作を行うことができる。
【0041】
前述のように、ブレード14のアングリング動作あるいはリフト動作の際には、図6に示す操作レバー65により操作弁64を操作するかあるいは操作スイッチ54、55を操作して操作弁53を切換える。これにより、シャトル弁69の二次側回路70に操作圧油が供給され、操作回路P15、P16に操作圧油が供給されるので、図4の連通弁36が連通位置である右位置に切換わると同時に、遮断弁38が遮断位置である右位置に切換わる。これにより、増速回路37に第1主ポンプ23からの圧油が供給されるとともに、図5の連通弁44が連通位置である右位置に切換わるため、補助ポンプ26の吐出回路43において、補助ポンプ26からの吐出油に加えて第1主ポンプ23からの吐出油が合流してアングリングシリンダ20あるいはリフトシリンダ15に供給される。これにより、アングリング動作やリフト動作が迅速に行える。
前記連通弁36、44は、走行のみのときは遮断位置として、ブレード用コントロール弁の流路へ第1主ポンプ23からの吐出油を流さないことにより、無駄なエネルギーロスを防ぐ役目を果たす。なお、チルト動作は、構造上、補助ポンプ26からの圧油による流量で十分な速度が得られるので、増速回路による流量増加を行う必要がない。
【0042】
前記アングリング動作やリフト動作は走行しながら行う場合が多いが、この場合には、左走行モータ1bも動作することにより、第2主ポンプ24の吐出油の油圧が上昇し、第1主ポンプ23からの圧油が連通弁36を通して増速回路37に供給されるのみならず、第2主ポンプ24からのコントロール弁30、32、34、35や第2主ポンプ24の吐出油回路75を通した圧油が、バイパス回路77を通して増速回路37に供給される。これにより、走行時におけるブレード14のアングリング動作、リフト動作の速度が上げられる。
【0043】
前記連通弁36は、フロント使用モードにおいて、旋回動作やフロントアタッチメントを動作させながら走行する際の左右の走行モータ1a、1bへの圧油の供給量のアンバランスによる蛇行を防止する役目も果たす。すなわち、旋回、ブーム6の起伏あるいはアーム回動の際に、連通弁36が遮断位置にあると、右走行モータ1aには第1主ポンプ23の吐出油のほぼ全量が右走行モータ1aに供給される。一方第2の主ポンプ24から図面上左側のコントロール弁35、34または32を通して旋回モータ3a、アームシリンダ10またはブームシリンダ9に第2主ポンプ24からの吐出油が供給されるとともに、左走行モータ1bへもコントロール弁28を介してその吐出油が分流して供給されるので、左走行モータ1bへの圧油の供給量が右走行モータ1aへの供給量より少なくなる。
【0044】
しかし、図6の回路において、前記旋回、ブーム起伏、アーム回動の際に、不図示のシャトル弁を通して操作回路74、シャトル弁72、操作回路P15に操作圧油が供給されることにより、図4の連通弁36が連通位置に切換わり、右走行モータ1a側の第1主ポンプ23からの圧油の一部がバイパス回路78、連通弁36、バイパス回路77を通して左走行モータ1bに供給されることにより、右走行モータ1a、1bへの圧油の供給量がバランスして蛇行が防止される。また、バケット8の回動の際には、連通弁36、コントロール弁29を通してバケットシリンダ11に圧油が供給されることにより、バケット8の回動も可能である。
【0045】
上記構成によれば、ブレードの動作時にはリフトシリンダ15やアングリングシリダ20に補助ポンプ26からの吐出油のみならず、主ポンプ23からの吐出油の一部が供給され、これらのアクチュエータへの作動油の供給が増量されるので、ブレード14の動作速度を上げることができる。
【0046】
また、本実施の形態のように、ブレードの不使用時には連通弁36、44が遮断位置にあり、増速回路37を通しての主ポンプ23からの作動油の供給を停止することにより、主ポンプ23からの吐出油がブレード側油圧回路に流れることによるエネルギーロスを低減することができる。また、走行しながらブレード14を動作させる際には、双方の主ポンプ23、24からの吐出油がブレード側アクチュエータに供給されるため、両主ポンプ23、24の吐出油が有効に利用できる。
【0047】
また、走行時には、連通弁36から増速回路37に作動油を供給することにより、走行体1の蛇行も防ぐことができる。
【0048】
また、リフトシリンダ15のコントロール弁40の二次側回路46、47を短絡させる短絡弁45を設ければ、前記二次側回路46、47を短絡させて引きずりながら走行させることにより、ブレード14を自重のままで地面に着地させた状態で走行させて整地を行うことができ、機能が拡大される。
【0049】
なお、本実施の形態においては、ブレード使用モードとフロント使用モードとを切換える使用モード切換スイッチ52や切換弁51等の切換手段を設けたので、各使用モードで操作弁63、64および操作レバー65を共用できる。これにより、操作レバーや操作弁等を簡略化できると共に、製作費を削減できる。また、操作レバーの数を減少させることができるので、作業性が向上する。
【0050】
また、操作レバー65にアングリング用の操作スイッチ54、55やフロート用の操作スイッチ73を設けているので、操作レバーの数を増加させることなく、操作装置を簡略化できる。
【0051】
本発明を実施する場合、コントロール弁等のアクチュエータ制御用の弁に電磁弁を用いることができ、その場合には、操作手段として操作弁63、64にスイッチ類や電流制御回路を用いることができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、ブレードを有する油圧ショベルにおいて、ブレード動作時には主ポンプ側からの作動油の供給を受ける増速回路を設けたので、ブレードの動作を迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による作業機の一実施の形態を示す側面図である。
【図2】本実施の形態におけるブレード装置を示す側面図である。
【図3】本実施の形態におけるブレード装置を示す平面図である。
【図4】本実施の形態における作業機のアクチュエータの油圧回路図である。
【図5】本実施の形態におけるブレード用アクチュエータの油圧回路図である。
【図6】図4、図5のコントロール弁の操作装置の油圧回路図である。
【図7】(A)は本実施の形態における運転室内の操作装置の外観を示す斜視図、(B)はその操作レバーの平面図である。
【符号の説明】
1:走行体、1a、1b:走行モータ、2:トラックフレーム、3:旋回装置、4:旋回体、5:フロントアタッチメント、6:ブーム、7:アーム、8:バケット、9:ブームシリンダ、10:アームシリンダ、11:バケットシリンダ、13:揺動アーム、14:ブレード、15:リフトシリンダ、20:アングリングシリンダ、21:チルトシリンダ、22:エンジン、23:第1主ポンプ、24:第2主ポンプ、25:操作ポンプ、26:補助ポンプ、27〜35:コントロール弁、36:連通弁、37:増速回路、38:遮断弁、40〜42:コントロール弁、44:連通弁、45:短絡弁、50:ロック弁、51:使用モード切換弁、52:使用モード切換スイッチ、53:アングリング用コントロール弁、54、55:アングリング用操作スイッチ、56、57、60、61、63、64:操作弁、58、62、65:操作レバー、66、69、72:シャトル弁、73:フロート用操作スイッチ、75:第2主ポンプの吐出油回路、76:第1主ポンプの吐出油回路、77、78:吐出油回路
Claims (4)
- 作業機の走行、旋回およびフロントアタッチメント用の各アクチュエータに作動油を供給する主ポンプと、ブレードのアクチュエータに作動油を供給する補助ポンプとを備え、
ブレード使用時に前記主ポンプからの作動油を、前記補助ポンプからの作動油に合流させて前記ブレードのアクチュエータに供給する増速回路を設けたことを特徴とするブレード付き作業機。 - 請求項1に記載のブレード付き作業機において、
前記増速回路に、ブレード不使用時に増速回路を遮断しておく第1の連通弁を備えたことを特徴とするブレード付き作業機。 - 請求項1または2に記載のブレード付き作業機において、
前記主ポンプを2台備え、
各主ポンプより左右の各走行モータにそれぞれコントロール弁を介して吐出油を供給するとともに、各主ポンプの吐出油をフロントアタッチメントのアクチュエータにコントロール弁を介して供給し、かつフロントアタッチメントの動作時に一方の走行モータへ供給される作動油の不足を、他方の走行モータへの作動油の回路から第2の連通弁を通して補う構成とし、
前記第2の連通弁より前記増速回路にブレード用アクチュエータに増速用作動油を供給する構成としたことを特徴とするブレード付き作業機。 - 請求項1から3までのいずれかに記載のブレード付き作業機において、
前記ブレード用アクチュエータは、ブレードのリフトシリンダであり、該リフトシリンダのコントロール弁の二次側回路に、前記リフトシリンダのロッド室とボトム室とを短絡させるフロート用短絡弁を備えたことを特徴とするブレード付き作業機。
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-
2002
- 2002-10-11 JP JP2002299262A patent/JP2004132100A/ja active Pending
Cited By (2)
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