JP2004131942A - 土台付き基礎の構築方法及び土台 - Google Patents
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Abstract
【課題】レベラーの施工を不要として住宅施工の基礎工事の容易化を図ると共に一体打ちの容易化を図り基礎の構築の効率性の向上を図る。
【解決手段】基礎の上部に配置される土台本体2と、土台本体を基端として形成され、その先端部が捨てコンクリート層に接して土台本体を支持する脚部3と、土台本体の垂直高さを調整する調整部7とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】基礎の上部に配置される土台本体2と、土台本体を基端として形成され、その先端部が捨てコンクリート層に接して土台本体を支持する脚部3と、土台本体の垂直高さを調整する調整部7とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土台付き基礎の構築方法及び土台に関する。詳しくは、住宅施工の基礎工事における基礎の上部に配置される土台の構築方法及び住宅施工の基礎工事における基礎の上部に配置される土台に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、在来の軸組工法やツーバイフォー住宅(枠組壁工法)に用いられている基礎は布基礎とベタ基礎に大別される。
ここで、布基礎は、図6に示すように、栗石101を被覆して形成された捨てコンクリート層102の上部に座部103と立ち上がり部104とを有する断面が略逆T字形の鉄筋コンクリート製の布基礎105が構築され、この布基礎の上部に土台106が配置されている。
一方、ベタ基礎は、図7に示すように、根伐りを行い、栗石を被覆して形成された捨てコンクリート層の上部に座部と立ち上がり部とを有する鉄筋コンクリート製のベタ基礎107が構築され、上記の布基礎の場合と同様に、このベタ基礎の上部に土台が配置されている。
【0003】
ここで基礎は、概ね下半分が地中に埋入され、基礎の立ち上がり部にはアンカーボルト108が、その上端部109が立ち上がり部の頂面から突出する様に埋入されている。
また、アンカーボルトは、基礎の長手方向に所定間隔をおいて多数本列設されており、基礎を構築した後に土台に形成された孔部110にアンカーボルトの上端部を挿通して土台が基礎の上部に配置され、ナットで締結される。なお、図6及び図7中符号111は根太を示しており、符号112は床板を示している。
【0004】
さて、上記した基礎は図8に示す工程を経て構築される。
即ち、先ず、図8(a)で示すように、捨てコンクリート層の上で組付けた型枠(1)113の間に配筋を行うと共にコンクリートを打設することにより基礎の座部を形成する。
【0005】
続いて、型枠(1)を取り外し、図8(b)で示すように、座部の上で組付けた型枠(2)114の間に配筋を行うと共に立ち上がり部にアンカーボルトを埋入せしめた状態でコンクリートを打設することにより基礎の立ち上がり部を形成する。なお、以下に述べるレベラーの施工を考慮してコンクリートの打設に際しては、基礎の立ち上がり部の上端部レベルまではコンクリートを打設しない。
【0006】
次に、基礎の上端部の平坦化を図り、基礎の上部に配置される土台を水平に保つために、コンクリートの硬化後に、液状近くになるまで軟らかくしたセメント比率の高いコンクリートであるレベラーを施工する。
【0007】
その後、型枠(2)が取り外されることにより図8(c)で示すように、基礎が構築される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、基礎の上部に配置される土台を水平に保つことは不可欠であるが、レベラーの施工は数ミリオーダーの精度が要求され、作業工程が極めて困難であった。また、レベラーはその材料費がかさむために低コストでの基礎の構築の障害の一因となっていた。
【0009】
なお、基礎の構築の効率性を図るためには、一体打ち、即ち、図9(a)で示すように捨てコンクリート層の上で型枠(3)115を組付けた後、型枠(3)の間に配筋を行うと共にコンクリートを打設することによって、図9(b)で示すように基礎の座部及び立ち上がり部を一体的に形成する基礎の構築方法が好ましいが、一体打ちの場合には基礎の立ち上がり部を形成するために組付けられる型枠がいわゆる宙吊り状態であり、空中でその位置を決定しなければならず型枠の組付けが困難であった。
【0010】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、レベラーの施工を不要として住宅施工の基礎工事の容易化を図ることを目的とするものである。
また、一体打ちの容易化を図り基礎の構築の効率性の向上を図ることをも目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る土台付き基礎の構築方法は、基礎の上部に配置される土台本体と、該土台本体を基端として形成された脚部と、前記土台本体の垂直高さを調整する調整部とを備える土台を、前記脚部の先端部が捨てコンクリート層に接して前記土台本体を支持する状態で所定位置に配置する工程と、前記土台本体の高さを調整する工程と、前記土台の周囲に型枠を配置して打設空間を形成する工程と、該打設空間にコンクリートを充填する工程とを備える。
【0012】
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る土台は、基礎の上部に配置される土台本体と、該土台本体を基端として形成され、その先端部が捨てコンクリート層に接して前記土台本体を支持する脚部と、前記土台本体の垂直高さを調整する調整部とを備える。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0014】
図1に本発明を適用した土台の一例を説明するための斜視図を示す。ここで示す土台1は土台本体2と脚部3とから成り、土台本体にはその側面に貫通孔4及び補強板5が形成されると共に、天面に孔部6が形成されている。また、脚部には土台本体の垂直高さを調整するアジャスター7及びアジャスターより上部に脚部同士を連結する連結部材8が形成され、脚部の先端にはプラスチック製の脚部先端部9が形成されている。
【0015】
ここで、貫通孔は床下換気孔として機能すべく土台本体の側面に形成されたものであるので、別途に床下換気孔を形成する場合には必ずしも貫通孔が形成される必要は無いが、後述するように貫通孔が形成されることにより床下換気孔を設ける手間を省くことが可能であるので、貫通孔が形成された方が好ましい。
【0016】
また、補強板は土台の上に配置される根太の固定を補強するものであり、別途補強部材を用いることによって根太の固定を補強する場合には必ずしも補強板が形成される必要は無いが、より簡単に根太の補強を可能とすべく土台本体に補強板が形成された方が好ましい。同様に、補強板は土台の上に配置される根太の固定を補強することができれば充分であり、必ずしも図1に示すように土台本体の側面一面に形成される必要はなく、例えば図2に示すように根太が配置される個所に形成されていれば充分である。
【0017】
更に、連結部材は、コンクリートを打設した際に、脚部のみではコンクリートとの接触面積が狭いために、コンクリートとの接触面積を増加させてコンクリートから土台の引き抜けを防止するために形成されたものであって、コンクリートと脚部との接触面積を増加させることによって引き抜けを防止することができれば充分であって、必ずしも脚部同士を連結する必要は無い。なお、連結部材を設けない場合であっても引き抜けを防止することが可能である場合には必ずしも連結部材を形成する必要はないが、より一層充分にコンクリートからの土台の引き抜けを防止すべく連結部材が形成されていた方が好ましい。
【0018】
図3は上記した本発明を適用した土台の一例を用いて構築した土台付き基礎を示しており、図3(a)は布基礎を示し、図3(b)はベタ基礎を示している。
【0019】
図3(a)で示す土台付き基礎(布基礎)は、栗石10を被覆して形成された捨てコンクリート層11の上部に土台の脚部先端部が捨てコンクリート層に接する様に土台の脚部が埋入された断面が略逆T字形の鉄筋コンクリート製の布基礎12が構築され、この布基礎の上部に土台本体が配置されている。
また、図3(b)で示す土台付き基礎(ベタ基礎)は、根伐りを行い、栗石を被覆して形成された捨てコンクリート層の上部に土台の脚部先端部が捨てコンクリート層に接する様に土台の脚部が埋入された鉄筋コンクリート製のベタ基礎13が構築され、このベタ基礎の上部に土台本体が配置されている。
【0020】
ここで、図3中符号14は根太を示しており、根太に形成された突起部を土台本体の天面に形成された孔部と係合せしめ、土台本体の側面に形成された補強板により根太の固定を補強している。なお、図4中符号15は床板を示している。
【0021】
さて、上記した基礎は図4に示す工程を経て構築される。即ち、本発明を適用した土台付き基礎の構築方法の一例は下記の通りである。
先ず、図4(a)で示すように、土台の脚部先端部が捨てコンクリート層に接して土台本体を支持する状態で土台を所定位置に配置し、土台本体の垂直高さが所定の高さとなるようにアジャスターで調整を行う。
【0022】
次に、図4(b)で示すように土台の周囲に型枠16を組付けて打設空間17を形成し、組付けた型枠の間に配筋を行うと共にコンクリートを打設した後に、型枠を取り外し、図4(c)で示すような土台付き基礎を構築する。
その後、土台本体の天面に形成された孔部と根太の突起部とを係合し、土台本体の側面に形成された補強板により根太を固定する。
【0023】
なお、上記した基礎の構築方法では、一体打ちにより基礎を構築する方法を説明したが、基礎は必ずしも一体打ちで構築しなければならないというものではなく、上記した従来の基礎の構築方法の様に先ず基礎の座部を形成し、続いて基礎の立ち上がり部を形成しても構わない。但し、基礎の構築の効率性を考慮すると一体打ちで基礎を構築する方が好ましい。
【0024】
本発明を適用した土台では、土台を所定の位置に配置した後に土台本体の下部に基礎を形成するために、レベラーの施工が不要となり基礎を構築する工程が極めて簡単になる。
即ち、従来は先ず基礎が形成され、基礎の上部に土台が配置されており、基礎の上端部の水平度によって基礎の上部に配置される土台の水平度が決定されるために、土台を配置する基礎の上端部の水平を保つべく数ミリオーダーの精度でのレベラーの施工が求められていたが、本発明を適用した土台では、先ず土台を所定の位置に配置し、土台本体の垂直高さをアジャスターで調整した後に土台本体の下部に基礎の形成を行っており、基礎を形成する前の段階で土台本体の水平を担保しているため、基礎の上端部の水平を数ミリオーダーで保つ必要が無くレベラーの施工が不要となる。
【0025】
同様に、本発明を適用した土台では、土台を所定の位置に配置した後に土台本体の下部に基礎を形成するために、一体打ちを容易に行うことが可能である。
即ち、従来は先ず基礎が形成され、基礎の上部に土台が配置されており、基礎の形成位置によって土台の位置が決定されてしまうので、基礎の位置決めにある程度の精度が求められ、一体打ちの場合には宙吊り状態で位置決めを行わなければならなかったために一体打ちの実施が困難であったが、本発明を適用した土台では、先ず土台を所定の位置に配置した後に土台本体の下部に基礎の形成を行っており、基礎を形成する前の段階で土台の位置を決めているために、基礎を形成した後に基礎の上部に土台を配置する場合と比較して基礎の位置決めに厳格な精度が要求されず、宙吊り状態であっても実施可能な程度の位置決めが可能となり、一体打ちを容易に行うことが可能である。
【0026】
また、本発明を適用した土台は、土台本体に床下換気孔として機能する貫通孔が形成されているために、床下換気孔を形成する必要がなくなり、基礎の構築の効率化を図ることが可能である。
即ち、従来は図5(a)に示すように、基礎の上部に所定間隔でプラスチック製の基礎パッキン116を形成し、基礎パッキンの上部に土台を配置することによって基礎パッキンの間の隙間部117を床下換気孔として機能させていたのであるが、本発明を適用した土台では、図5(b)で示すように土台本体に貫通孔が形成されることにより基礎パッキン等の別部材を用いることなく床下換気孔を形成することができ、基礎の構築の効率化を図ることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上述べてきた如く、本発明の土台付き基礎の構築方法及び土台では、レベラーの施工を不要として住宅施工の基礎工事の容易化を図ることができ、また、一体打ちの容易化を通じて基礎の構築の効率性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した土台の一例を説明するための斜視図である。
【図2】本発明を適用した土台の他の一例を説明するための斜視図である。
【図3】本発明を適用した土台の一例を用いて構築した土台付き基礎の模式的な断面図である。
【図4】本発明を適用した土台付き基礎の構築方法を説明するための模式的な断面図である。
【図5】床下換気孔を説明するための模式的な断面図である。
【図6】従来の土台付き基礎(布基礎)の模式的な断面図である。
【図7】従来の土台付き基礎(ベタ基礎)の模式的な断面図である。
【図8】従来の土台付き基礎の構築方法を説明するための模式的な断面図である。
【図9】一体打ちを説明するための模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 土台
2 土台本体
3 脚部
4 貫通孔
5 補強板
6 孔部
7 アジャスター
8 連結部材
9 脚部先端部
10 栗石
11 捨てコンクリート層
12 布基礎
13 ベタ基礎
14 根太
15 床板
16 型枠
17 打設空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、土台付き基礎の構築方法及び土台に関する。詳しくは、住宅施工の基礎工事における基礎の上部に配置される土台の構築方法及び住宅施工の基礎工事における基礎の上部に配置される土台に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、在来の軸組工法やツーバイフォー住宅(枠組壁工法)に用いられている基礎は布基礎とベタ基礎に大別される。
ここで、布基礎は、図6に示すように、栗石101を被覆して形成された捨てコンクリート層102の上部に座部103と立ち上がり部104とを有する断面が略逆T字形の鉄筋コンクリート製の布基礎105が構築され、この布基礎の上部に土台106が配置されている。
一方、ベタ基礎は、図7に示すように、根伐りを行い、栗石を被覆して形成された捨てコンクリート層の上部に座部と立ち上がり部とを有する鉄筋コンクリート製のベタ基礎107が構築され、上記の布基礎の場合と同様に、このベタ基礎の上部に土台が配置されている。
【0003】
ここで基礎は、概ね下半分が地中に埋入され、基礎の立ち上がり部にはアンカーボルト108が、その上端部109が立ち上がり部の頂面から突出する様に埋入されている。
また、アンカーボルトは、基礎の長手方向に所定間隔をおいて多数本列設されており、基礎を構築した後に土台に形成された孔部110にアンカーボルトの上端部を挿通して土台が基礎の上部に配置され、ナットで締結される。なお、図6及び図7中符号111は根太を示しており、符号112は床板を示している。
【0004】
さて、上記した基礎は図8に示す工程を経て構築される。
即ち、先ず、図8(a)で示すように、捨てコンクリート層の上で組付けた型枠(1)113の間に配筋を行うと共にコンクリートを打設することにより基礎の座部を形成する。
【0005】
続いて、型枠(1)を取り外し、図8(b)で示すように、座部の上で組付けた型枠(2)114の間に配筋を行うと共に立ち上がり部にアンカーボルトを埋入せしめた状態でコンクリートを打設することにより基礎の立ち上がり部を形成する。なお、以下に述べるレベラーの施工を考慮してコンクリートの打設に際しては、基礎の立ち上がり部の上端部レベルまではコンクリートを打設しない。
【0006】
次に、基礎の上端部の平坦化を図り、基礎の上部に配置される土台を水平に保つために、コンクリートの硬化後に、液状近くになるまで軟らかくしたセメント比率の高いコンクリートであるレベラーを施工する。
【0007】
その後、型枠(2)が取り外されることにより図8(c)で示すように、基礎が構築される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、基礎の上部に配置される土台を水平に保つことは不可欠であるが、レベラーの施工は数ミリオーダーの精度が要求され、作業工程が極めて困難であった。また、レベラーはその材料費がかさむために低コストでの基礎の構築の障害の一因となっていた。
【0009】
なお、基礎の構築の効率性を図るためには、一体打ち、即ち、図9(a)で示すように捨てコンクリート層の上で型枠(3)115を組付けた後、型枠(3)の間に配筋を行うと共にコンクリートを打設することによって、図9(b)で示すように基礎の座部及び立ち上がり部を一体的に形成する基礎の構築方法が好ましいが、一体打ちの場合には基礎の立ち上がり部を形成するために組付けられる型枠がいわゆる宙吊り状態であり、空中でその位置を決定しなければならず型枠の組付けが困難であった。
【0010】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであって、レベラーの施工を不要として住宅施工の基礎工事の容易化を図ることを目的とするものである。
また、一体打ちの容易化を図り基礎の構築の効率性の向上を図ることをも目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る土台付き基礎の構築方法は、基礎の上部に配置される土台本体と、該土台本体を基端として形成された脚部と、前記土台本体の垂直高さを調整する調整部とを備える土台を、前記脚部の先端部が捨てコンクリート層に接して前記土台本体を支持する状態で所定位置に配置する工程と、前記土台本体の高さを調整する工程と、前記土台の周囲に型枠を配置して打設空間を形成する工程と、該打設空間にコンクリートを充填する工程とを備える。
【0012】
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る土台は、基礎の上部に配置される土台本体と、該土台本体を基端として形成され、その先端部が捨てコンクリート層に接して前記土台本体を支持する脚部と、前記土台本体の垂直高さを調整する調整部とを備える。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0014】
図1に本発明を適用した土台の一例を説明するための斜視図を示す。ここで示す土台1は土台本体2と脚部3とから成り、土台本体にはその側面に貫通孔4及び補強板5が形成されると共に、天面に孔部6が形成されている。また、脚部には土台本体の垂直高さを調整するアジャスター7及びアジャスターより上部に脚部同士を連結する連結部材8が形成され、脚部の先端にはプラスチック製の脚部先端部9が形成されている。
【0015】
ここで、貫通孔は床下換気孔として機能すべく土台本体の側面に形成されたものであるので、別途に床下換気孔を形成する場合には必ずしも貫通孔が形成される必要は無いが、後述するように貫通孔が形成されることにより床下換気孔を設ける手間を省くことが可能であるので、貫通孔が形成された方が好ましい。
【0016】
また、補強板は土台の上に配置される根太の固定を補強するものであり、別途補強部材を用いることによって根太の固定を補強する場合には必ずしも補強板が形成される必要は無いが、より簡単に根太の補強を可能とすべく土台本体に補強板が形成された方が好ましい。同様に、補強板は土台の上に配置される根太の固定を補強することができれば充分であり、必ずしも図1に示すように土台本体の側面一面に形成される必要はなく、例えば図2に示すように根太が配置される個所に形成されていれば充分である。
【0017】
更に、連結部材は、コンクリートを打設した際に、脚部のみではコンクリートとの接触面積が狭いために、コンクリートとの接触面積を増加させてコンクリートから土台の引き抜けを防止するために形成されたものであって、コンクリートと脚部との接触面積を増加させることによって引き抜けを防止することができれば充分であって、必ずしも脚部同士を連結する必要は無い。なお、連結部材を設けない場合であっても引き抜けを防止することが可能である場合には必ずしも連結部材を形成する必要はないが、より一層充分にコンクリートからの土台の引き抜けを防止すべく連結部材が形成されていた方が好ましい。
【0018】
図3は上記した本発明を適用した土台の一例を用いて構築した土台付き基礎を示しており、図3(a)は布基礎を示し、図3(b)はベタ基礎を示している。
【0019】
図3(a)で示す土台付き基礎(布基礎)は、栗石10を被覆して形成された捨てコンクリート層11の上部に土台の脚部先端部が捨てコンクリート層に接する様に土台の脚部が埋入された断面が略逆T字形の鉄筋コンクリート製の布基礎12が構築され、この布基礎の上部に土台本体が配置されている。
また、図3(b)で示す土台付き基礎(ベタ基礎)は、根伐りを行い、栗石を被覆して形成された捨てコンクリート層の上部に土台の脚部先端部が捨てコンクリート層に接する様に土台の脚部が埋入された鉄筋コンクリート製のベタ基礎13が構築され、このベタ基礎の上部に土台本体が配置されている。
【0020】
ここで、図3中符号14は根太を示しており、根太に形成された突起部を土台本体の天面に形成された孔部と係合せしめ、土台本体の側面に形成された補強板により根太の固定を補強している。なお、図4中符号15は床板を示している。
【0021】
さて、上記した基礎は図4に示す工程を経て構築される。即ち、本発明を適用した土台付き基礎の構築方法の一例は下記の通りである。
先ず、図4(a)で示すように、土台の脚部先端部が捨てコンクリート層に接して土台本体を支持する状態で土台を所定位置に配置し、土台本体の垂直高さが所定の高さとなるようにアジャスターで調整を行う。
【0022】
次に、図4(b)で示すように土台の周囲に型枠16を組付けて打設空間17を形成し、組付けた型枠の間に配筋を行うと共にコンクリートを打設した後に、型枠を取り外し、図4(c)で示すような土台付き基礎を構築する。
その後、土台本体の天面に形成された孔部と根太の突起部とを係合し、土台本体の側面に形成された補強板により根太を固定する。
【0023】
なお、上記した基礎の構築方法では、一体打ちにより基礎を構築する方法を説明したが、基礎は必ずしも一体打ちで構築しなければならないというものではなく、上記した従来の基礎の構築方法の様に先ず基礎の座部を形成し、続いて基礎の立ち上がり部を形成しても構わない。但し、基礎の構築の効率性を考慮すると一体打ちで基礎を構築する方が好ましい。
【0024】
本発明を適用した土台では、土台を所定の位置に配置した後に土台本体の下部に基礎を形成するために、レベラーの施工が不要となり基礎を構築する工程が極めて簡単になる。
即ち、従来は先ず基礎が形成され、基礎の上部に土台が配置されており、基礎の上端部の水平度によって基礎の上部に配置される土台の水平度が決定されるために、土台を配置する基礎の上端部の水平を保つべく数ミリオーダーの精度でのレベラーの施工が求められていたが、本発明を適用した土台では、先ず土台を所定の位置に配置し、土台本体の垂直高さをアジャスターで調整した後に土台本体の下部に基礎の形成を行っており、基礎を形成する前の段階で土台本体の水平を担保しているため、基礎の上端部の水平を数ミリオーダーで保つ必要が無くレベラーの施工が不要となる。
【0025】
同様に、本発明を適用した土台では、土台を所定の位置に配置した後に土台本体の下部に基礎を形成するために、一体打ちを容易に行うことが可能である。
即ち、従来は先ず基礎が形成され、基礎の上部に土台が配置されており、基礎の形成位置によって土台の位置が決定されてしまうので、基礎の位置決めにある程度の精度が求められ、一体打ちの場合には宙吊り状態で位置決めを行わなければならなかったために一体打ちの実施が困難であったが、本発明を適用した土台では、先ず土台を所定の位置に配置した後に土台本体の下部に基礎の形成を行っており、基礎を形成する前の段階で土台の位置を決めているために、基礎を形成した後に基礎の上部に土台を配置する場合と比較して基礎の位置決めに厳格な精度が要求されず、宙吊り状態であっても実施可能な程度の位置決めが可能となり、一体打ちを容易に行うことが可能である。
【0026】
また、本発明を適用した土台は、土台本体に床下換気孔として機能する貫通孔が形成されているために、床下換気孔を形成する必要がなくなり、基礎の構築の効率化を図ることが可能である。
即ち、従来は図5(a)に示すように、基礎の上部に所定間隔でプラスチック製の基礎パッキン116を形成し、基礎パッキンの上部に土台を配置することによって基礎パッキンの間の隙間部117を床下換気孔として機能させていたのであるが、本発明を適用した土台では、図5(b)で示すように土台本体に貫通孔が形成されることにより基礎パッキン等の別部材を用いることなく床下換気孔を形成することができ、基礎の構築の効率化を図ることができる。
【0027】
【発明の効果】
以上述べてきた如く、本発明の土台付き基礎の構築方法及び土台では、レベラーの施工を不要として住宅施工の基礎工事の容易化を図ることができ、また、一体打ちの容易化を通じて基礎の構築の効率性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した土台の一例を説明するための斜視図である。
【図2】本発明を適用した土台の他の一例を説明するための斜視図である。
【図3】本発明を適用した土台の一例を用いて構築した土台付き基礎の模式的な断面図である。
【図4】本発明を適用した土台付き基礎の構築方法を説明するための模式的な断面図である。
【図5】床下換気孔を説明するための模式的な断面図である。
【図6】従来の土台付き基礎(布基礎)の模式的な断面図である。
【図7】従来の土台付き基礎(ベタ基礎)の模式的な断面図である。
【図8】従来の土台付き基礎の構築方法を説明するための模式的な断面図である。
【図9】一体打ちを説明するための模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 土台
2 土台本体
3 脚部
4 貫通孔
5 補強板
6 孔部
7 アジャスター
8 連結部材
9 脚部先端部
10 栗石
11 捨てコンクリート層
12 布基礎
13 ベタ基礎
14 根太
15 床板
16 型枠
17 打設空間
Claims (6)
- 基礎の上部に配置される土台本体と、該土台本体を基端として形成された脚部と、前記土台本体の垂直高さを調整する調整部とを備える土台を、前記脚部の先端部が捨てコンクリート層に接して前記土台本体を支持する状態で所定位置に配置する工程と、
前記土台本体の高さを調整する工程と、
前記土台の周囲に型枠を配置して打設空間を形成する工程と、
該打設空間にコンクリートを充填する工程とを備える
ことを特徴とする土台付き基礎の構築方法。 - 前記土台本体は、その側面に貫通孔が形成された
ことを特徴とする請求項1に記載の土台付き基礎の構築方法。 - 前記土台本体は、その側面に補強板が形成された
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の土台付き基礎の構築方法。 - 基礎の上部に配置される土台本体と、
該土台本体を基端として形成され、その先端部が捨てコンクリート層に接して前記土台本体を支持する脚部と、
前記土台本体の垂直高さを調整する調整部とを備える
ことを特徴とする土台。 - 前記土台本体は、その側面に貫通孔が形成された
ことを特徴とする請求項4に記載の土台。 - 前記土台本体は、その側面に補強板が形成された
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の土台。
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2002
- 2002-10-08 JP JP2002294623A patent/JP2004131942A/ja active Pending
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